(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】半導体回路および電子機器
(51)【国際特許分類】
G11C 11/16 20060101AFI20240116BHJP
G11C 17/16 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G11C11/16 240
G11C11/16 230
G11C17/16
(21)【出願番号】P 2021506249
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006281
(87)【国際公開番号】W WO2020189147
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2019048576
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神田 泰夫
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-514821(JP,A)
【文献】特開2016-167329(JP,A)
【文献】特開2013-232494(JP,A)
【文献】特開2012-174863(JP,A)
【文献】特開2012-174864(JP,A)
【文献】特開2011-8861(JP,A)
【文献】特表2013-537679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0071741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/16
G11C 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第1の記憶素子と、
前記第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第1のトランジスタと、
ドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、前記第1のノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと
を備えた半導体回路。
【請求項2】
前記第1のトランジスタの前記ソースに基準電圧を印加し、前記第1のトランジスタの前記ゲートに前記基準電圧とは異なる第1の電圧を印加し、前記第1の記憶素子の前記第1の端子に前記基準電圧とは異なる第2の電圧を印加し、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記基準電圧とは異なる第3の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子に情報を記憶させる第1の動作を行うことが可能な駆動部をさらに備えた
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記駆動部は、さらに、前記第1のトランジスタの前記ソースに前記基準電圧を印加し、前記第1のトランジスタの前記ゲートに前記第1の電圧を印加し、前記第1の記憶素子の前記第1の端子に前記基準電圧とは異なる第4の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子から情報を読み出す第2の動作を行うことが可能である
請求項2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記第4の電圧と前記基準電圧との差電圧は、前記第2の電圧と前記基準電圧との差電圧よりも低い
請求項3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記駆動部は、前記第2の動作において、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記第3の電圧を印加可能である
請求項3に記載の半導体回路。
【請求項6】
前記駆動部は、前記第2の動作において、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記基準電圧を印加することが可能である
請求項3に記載の半導体回路。
【請求項7】
第1の端子と、前記第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第2の記憶素子と、
前記第1のノードに接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、前記第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第3のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記ゲートおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続された第1の制御線と、
前記第1の記憶素子の前記第1の端子に接続された第2の制御線と、
前記第2の記憶素子の前記第1の端子に接続された第3の制御線と、
前記第2のトランジスタの前記ドレインに接続された第4の制御線と
をさらに備えた
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項8】
前記第1のトランジスタの前記ソースに接続された第5の制御線と、
前記第5の制御線に基準電圧を印加し、前記第1の制御線に前記基準電圧とは異なる第1の電圧を印加し、前記第2の制御線に前記基準電圧とは異なる第2の電圧を印加し、前記第3の制御線をフローティング状態にし、前記第4の制御線に前記基準電圧とは異なる第3の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子に情報を記憶させる第1の動作を行うことが可能な駆動部をさらに備えた
請求項7に記載の半導体回路。
【請求項9】
前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された第6の制御線をさらに備え、
前記駆動部は、前記第1の動作において、前記第6の制御線に前記基準電圧を印加可能である
請求項8に記載の半導体回路。
【請求項10】
前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された第6の制御線をさらに備え、
前記駆動部は、前記第1の動作において、前記第6の制御線をフローティング状態にすることが可能である
請求項8に記載の半導体回路。
【請求項11】
前記第5の制御線は、さらに前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された
請求項8に記載の半導体回路。
【請求項12】
前記駆動部は、さらに、前記第5の制御線に前記基準電圧を印加し、前記第1の制御線に前記第1の電圧を印加し、前記第2の制御線に前記基準電圧とは異なる第4の電圧を印加し、前記第3の制御線をフローティング状態にすることにより、前記第1の記憶素子から情報を読み出す第2の動作を行うことが可能である
請求項8に記載の半導体回路。
【請求項13】
前記トンネルバリア膜は、MgOまたはアルミナを含む材料により構成された
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項14】
トンネルバリア膜を有する磁気トンネル接合素子を含むメモリ回路をさらに備えた
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項15】
第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第1の記憶素子と、
前記第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第1のトランジスタと、
ドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、前記第1のノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
前記第1の記憶素子に記憶された情報に基づいて処理を行うことが可能な処理回路と
を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報を記憶可能な半導体回路、およびそのような半導体回路を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路には、しばしば、情報を1回書き込むことが可能ないわゆるOTP(One Time Programmable)メモリが設けられる。特許文献1には、磁気トンネル接合(MTJ;Magnetic Tunnel Junction)素子を用いてOTPメモリを構成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、OTPメモリでは、メモリセルのサイズが小さいことが望まれており、さらなるサイズの縮小が期待されている。
【0005】
メモリセルのサイズを小さくすることができる半導体回路および電子機器を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態における半導体回路は、第1の記憶素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを備えている。第1の記憶素子は、第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能なものである。第1のトランジスタは、第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有するものである。第2のトランジスタは、ドレインと、第2のノードに接続されたソースと、第1のノードに接続されたゲートとを有するものである。
【0007】
本開示の一実施の形態における電子機器は、第1の記憶素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、処理回路とを備えている。第1の記憶素子は、第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能なものである。第1のトランジスタは、第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有するものである。第2のトランジスタは、ドレインと、第2のノードに接続されたソースと、第1のノードに接続されたゲートとを有するものである。処理回路は、第1の記憶素子に記憶された情報に基づいて処理を行うことが可能なものである。
【0008】
本開示の一実施の形態における半導体回路および電子機器では、トンネルバリア膜を有し、トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第1の記憶素子が設けられる。この第1の記憶素子の第2の端子は第1のノードに接続される。第1のトランジスタのドレインが第1のノードに接続され、第1のトランジスタのバックゲートが第2のノードに接続される。第2のトランジスタのゲートが第1のノードに接続され、第2のトランジスタのソースが第2のノードに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る半導体回路の一構成例を表すブロック図である。
【
図2】
図1に示したメモリ回路の一構成例を表すブロック図である。
【
図3】
図2に示したメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図4】
図3に示したメモリセルアレイの一構成例を表す概略断面図である。
【
図5】
図2に示したメモリ回路における書込動作の一例を表す説明図である。
【
図6】
図2に示したメモリ回路における読出動作の一例を表す説明図である。
【
図7】変形例に係るメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図8】他の変形例に係るメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図9】
図8に示したメモリ回路における書込動作の一例を表す説明図である。
【
図10】
図8に示したメモリ回路における読出動作の一例を表す説明図である。
【
図11】他の変形例に係るメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図12】他の変形例に係るメモリ回路の一構成例を表すブロック図である。
【
図13】
図12に示したメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図14】
図13に示したメモリ回路における書込動作の一例を表す説明図である。
【
図15】
図13に示したメモリ回路における読出動作の一例を表す説明図である。
【
図16】他の変形例に係るメモリ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図17】実施の形態を適用したスマートフォンの外観構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.適用例
【0011】
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る半導体回路(半導体回路1)の一構成例を表すものである。半導体回路1は、記憶された情報に基づいて動作可能なものである。半導体回路1は、この例では1つの半導体チップに形成されている。半導体回路1は、処理回路11と、メモリ回路12と、メモリ回路20とを備えている。
【0012】
処理回路11は、例えば、デジタル回路や、アナログ回路を含んで構成され、所定の処理を行うように構成される。処理回路11は、例えば、メモリ回路12,20に記憶された情報を利用して処理を行うようになっている。
【0013】
メモリ回路12は、情報を記憶可能であり、情報を書き換え可能な不揮発性のメモリである。メモリ回路12は、複数のメモリセルを有している。各メモリセルは、記憶素子Mを有する。記憶素子Mは、この例では、スピン注入により、フリー層F(後述)の磁化の向きを変えることにより情報の記憶を行う、スピン注入磁化反転型(STT;Spin Transfer Torque)の磁気トンネル接合素子である。この記憶素子Mは、フリー層F、トンネルバリア層T、ピンド層Pを含んで構成される。ピンド層Pは、磁化の方向が、例えば膜面垂直方向に固定された強磁性体により構成される。フリー層Fは、磁化の方向が、流入するスピン偏極電流に応じて、例えば膜面垂直方向において変化する強磁性体により構成される。トンネルバリア層Tは、ピンド層Pとフリー層Fとの間の磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流すように構成される。このトンネルバリア層Tは、例えば酸化マグネシウム(MgO)などの材料を用いて構成される。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばアルミナを用いて構成してもよい。
【0014】
このメモリ回路12は、記憶素子Mに電流を流し、記憶素子Mのフリー層Fにおける磁化の方向を設定することにより、記憶素子Mに情報を書き込む。記憶素子Mでは、フリー層Fにおける磁化の方向に応じて、端子間の抵抗値が変化する。メモリ回路12では、記憶素子Mは、互いに識別可能な2つの抵抗状態RL,RHを取り得る。抵抗状態RHは抵抗値が高い状態であり、抵抗状態RLは抵抗値が低い状態である。抵抗状態RLにおける抵抗値は、例えば10kΩ程度である。
【0015】
メモリ回路20は、情報を記憶可能であり、情報を1回書き込むことが可能な、いわゆるOTPメモリである。
【0016】
図2は、メモリ回路20の一構成例を表すものである。メモリ回路20は、複数のメモリセルアレイMA(この例では32個のメモリセルアレイMA[0]、MA[1],…,MA[31])と、複数の読み書き部IO(この例では32個の読み書き部IO[0]、IO[1],…,IO[31])と、ワード線駆動部21と、制御部22とを有している。
【0017】
複数のメモリセルアレイMAは、複数の読み書き部IOとそれぞれ対応して設けられている。複数のメモリセルアレイMAのそれぞれは、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCを有している。
【0018】
図3は、メモリセルアレイMAの一構成例を表すものである。メモリセルアレイMAは、複数のワード線WLと、複数のビット線BLと、複数のソース線SLと、電圧線VLとを有している。ワード線WLは、行方向(
図3において横方向)に延伸するように設けられるとともに、ワード線駆動部21に接続される。ワード線WLは、
図2に示したように、複数のメモリセルアレイMA[0]~MA[31]にわたって横断するように設けられる。ビット線BLは、列方向(
図3において縦方向)に延伸するように設けられるとともに、読み書き部IOに接続される。ソース線SLは、列方向に延伸するように設けられる。ソース線SLはこの例では接地されている。電圧線VLは、列方向に延伸するように設けられるとともに、読み書き部IOに接続される。メモリセルアレイMAは、複数のメモリセルMCと、複数のトランジスタTRAとを有している。
【0019】
複数のメモリセルMCのそれぞれは、記憶素子Mと、トランジスタTRCとを有している。
【0020】
記憶素子Mは、フリー層Fと、トンネルバリア層Tと、ピンド層Pとを含んで構成される。すなわち、メモリ回路20の記憶素子Mは、メモリ回路12の記憶素子Mと同じ構成を有している。メモリセルMCでは、記憶素子Mのトンネルバリア層Tを破壊することにより、情報が記憶される。具体的には、記憶素子Mの抵抗値は、いわゆるアンチフューズと同様に、トンネルバリア層Tが破壊されることにより低下する。メモリ回路20では、記憶素子Mは、互いに識別可能な2つの抵抗状態RL,RSを取り得る。抵抗状態RSは、短絡破壊後の抵抗状態である。抵抗状態RSにおける抵抗値は、抵抗状態RLにおける抵抗値よりも低い。記憶素子Mの一端はビット線BLに接続され、他端はノードN1に接続される。この例では、記憶素子Mのフリー層Fはビット線BLに接続され、ピンド層PはノードN1に接続される。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ピンド層Pがビット線BLに接続され、フリー層FがノードN1に接続されるようにしてもよい。
【0021】
トランジスタTRCは、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、ドレインはノードN1に接続され、ソースはソース線SLに接続され、ゲートはワード線WLに接続され、バックゲートはノードN2に接続される。行方向(
図3における横方向)に並設された一行分のメモリセルMCのノードN2は、互いに接続される。具体的には、一行分のメモリセルMCのトランジスタTRC(
図3におけるトランジスタ群100)は、1つのP型のウェル(Pウェル)に形成されている。
【0022】
図4は、トランジスタ群100の一構成例を表すものである。この例では、P型の半導体基板100PにN型領域101Nが形成され、このN型領域101NにPウェル102Pが形成されている。半導体基板100PおよびPウェル102Pは、N型領域101Nにより互いに電気的に絶縁される。一行分のメモリセルMCのトランジスタTRCは、このPウェル102Pに形成される。これにより、これらのトランジスタTRCのバックゲートは互いに電気的に接続される。
【0023】
なお、この例では、一行分のメモリセルMCのトランジスタTRCを1つのPウェルに形成したが、これに限定されるものではなく、これらの複数のトランジスタTRCを複数のPウェルにそれぞれ形成してもよい。
【0024】
また、
図3に示したように、行方向(
図3における横方向)に並設された一行分のメモリセルMCのノードN1は、互いに接続される。
【0025】
複数のトランジスタTRAのそれぞれは、N型のMOSトランジスタである。複数のトランジスタTRAは、メモリセルMCの複数の行にそれぞれ対応して設けられている。トランジスタTRAのゲートは、対応する行に属する複数のメモリセルMCのノードN1に接続され、ドレインは電圧線VLに接続され、ソースは、対応する行に属する複数のメモリセルMCのノードN2に接続される。
【0026】
ワード線駆動部21(
図2)は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLを駆動することにより、複数のワード線WLのうちの1つを選択するように構成される。
【0027】
読み書き部IOは、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLおよび電圧線VLを駆動するとともに、メモリセルアレイMAに記憶された情報を読み出すように構成される。読み書き部IOは、
図3に示したように、カラムスイッチ31と、電圧生成部32と、センスアンプ33と、駆動部34とを有している。
【0028】
カラムスイッチ31は、書込動作において、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちの1つを選択し、選択したビット線BLを電圧生成部32に接続するとともに、それ以外のビット線BLをフローティング状態にするように構成される。また、カラムスイッチ31は、読出動作において、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちの1つを選択し、選択したビット線BLをセンスアンプ33に接続するとともに、それ以外のビット線BLをフローティング状態にするように構成される。複数の読み書き部IOの複数のカラムスイッチ31は、制御部22からの指示に基づいて、互いに同じ番目のビット線BLを選択するようになっている。
【0029】
電圧生成部32は、書込動作において、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線BLに印加される接地電圧またはブロー電圧を生成するように構成される。
【0030】
センスアンプ33は、読出動作において、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線BLに印加される読出電圧Vreadを生成するとともに、選択されたビット線BLに流れる電流に基づいて、メモリセルMCに記憶された情報を読み出すように構成される。読出電圧Vreadは、例えば、ブロー電圧よりも低い電圧にすることができる。
【0031】
駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLを駆動するように構成される。
【0032】
制御部22(
図2)は、処理回路11から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCに情報を書き込むように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御するように構成される。また、制御部22は、処理回路11から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCから情報を読み出すように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御するようになっている。
【0033】
ここで、記憶素子Mは、本開示における「第1の記憶素子」および「第2の記憶素子」の一具体例に対応する。トンネルバリア層Tは、本開示における「トンネルバリア膜」の一具体例に対応する。トランジスタTRCは、本開示における「第1のトランジスタ」および「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタTRAは、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。ノードN2は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応する。ワード線駆動部21および読み書き部IOは、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。ワード線WLは、本開示における「第1の制御線」の一具体例に対応する。ビット線BLは、本開示における「第2の制御線」および「第3の制御線」の一具体例に対応する。電圧線VLは、本開示における「第4の制御線」の一具体例に対応する。ソース線SLは、本開示における「第5の制御線」および「第6の制御線」の一具体例に対応する。メモリ回路12は、本開示における「メモリ回路」の一具体例に対応する。処理回路11は、本開示における「処理回路」の一具体例に対応する。
【0034】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の半導体回路1の動作および作用について説明する。
【0035】
(全体動作概要)
まず、
図1~3を参照して、半導体回路1の全体動作概要を説明する。
【0036】
メモリ回路20の制御部22は、処理回路11(
図1)から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCに情報を書き込むように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。この書込動作において、ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。複数の読み書き部IOのそれぞれにおいて、カラムスイッチ31は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちの1つを選択し、選択したビット線BLを電圧生成部32に接続するとともに、それ以外のビット線BLをフローティング状態にする。電圧生成部32は、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線BLに印加される接地電圧またはブロー電圧を生成する。駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLを駆動する。このように、メモリ回路20は、ワード線WLを選択するとともにビット線BLを選択することにより、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいてメモリセルMCを選択し、選択されたメモリセルMCに、電圧生成部32が生成した電圧を印加する。ブロー電圧が印加されたメモリセルMCでは、記憶素子Mのトンネルバリア層Tが破壊され、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RSになる。接地電圧が印加されたメモリセルMCでは、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLに維持される。このようにして、メモリ回路20は、選択されたメモリセルMCに情報を書き込む。
【0037】
また、メモリ回路20の制御部22は、処理回路11から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCから情報を読み出すように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。この読出動作において、ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。複数の読み書き部IOのそれぞれにおいて、カラムスイッチ31は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちの1つを選択し、選択したビット線BLをセンスアンプ33に接続するとともに、それ以外のビット線をフローティング状態にする。センスアンプ33は、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線BLに印加される読出電圧Vreadを生成する。駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLを駆動する。そして、センスアンプ33は、選択されたビット線BLに流れる電流に基づいて、メモリセルMCに記憶された情報を読み出す。このように、メモリ回路20は、ワード線WLを選択するとともにビット線BLを選択することにより、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいてメモリセルMCを選択し、選択されたメモリセルMCに記憶された情報を読み出す。
【0038】
(詳細動作)
図5は、メモリ回路20における書込動作の一例を表すものである。この例では、制御部22は、処理回路11(
図1)から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルMCのうちのあるメモリセルMC(メモリセルMC1)を選択するように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0039】
ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルMC1に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。この
図5では、選択されたワード線WLを太線で示している。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0040】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ31は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちのメモリセルMC1に係るビット線BLを選択し、選択したビット線BLを電圧生成部32に接続する。この
図5では、選択されたビット線BLを太線で示している。電圧生成部32は、制御部22からの指示に基づいて、この例ではブロー電圧を生成する。この例では、ブロー電圧は1.1Vである。これにより、読み書き部IOは、選択されたビット線BLの電圧VBLを1.1Vにする(VBL=1.1V)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0041】
これにより、電圧生成部32から、ビット線BLを介してメモリセルMC1にブロー電流Iblowが流れる。メモリセルMC1では、ブロー電流Iblowは、ビット線BL、記憶素子M、トランジスタTRC、ソース線SLの順に流れる。
【0042】
メモリセルMC1では、ビット線BLに印加されたブロー電圧(1.1V)は、記憶素子Mの抵抗値およびトランジスタTRCのオン抵抗により分圧され、ノードN1に電圧が生じる。このメモリセルMC1に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA1)のドレインには1.1Vが印加されているので、このトランジスタTRA1のソースの電圧は0Vよりも高くなる。これにより、メモリセルMC1のトランジスタTRCのバックゲートの電圧が高くなるので、このトランジスタTRCのオン抵抗が低くなる。このようにトランジスタTRCのオン抵抗が低くなると、ブロー電流Iblowがより流れやすくなる。その結果、記憶素子Mのトンネルバリア層Tが破壊され、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RSになり、メモリセルMC1に情報が記憶される。
【0043】
この例では、電圧生成部32は、制御部22からの指示に基づいて、ブロー電圧を生成したが、接地電圧を生成した場合には、読み書き部IOは、選択されたビット線BLの電圧VBLを0Vにする。この場合には、メモリセルMC1にはブロー電流Iblowは流れないので、記憶素子Mのトンネルバリア層Tは破壊されない。よって、この記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RLに維持される。
【0044】
32個の読み書き部IOは、このようにして、32個のメモリセルアレイMAにおける32個のメモリセルMCに、32ビットのデータを書き込む。
【0045】
図6は、メモリ回路20における読出動作の一例を表すものである。この例では、制御部22は、処理回路11(
図1)から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルMCのうちのあるメモリセルMC(メモリセルMC2)を選択するように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0046】
ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルMC2に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0047】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ31は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちのメモリセルMC1に係るビット線BLを選択し、選択したビット線BLをセンスアンプ33に接続する。センスアンプ33は、制御部22からの指示に基づいて、読出電圧Vreadを生成する。これにより、読み書き部IOは、選択されたビット線BLの電圧VBLを読出電圧Vreadにする(VBL=Vread)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0048】
これにより、センスアンプ33から、ビット線BLを介してメモリセルMC2に読出電流Ireadが流れる。メモリセルMC2では、読出電流Ireadは、ビット線BL、記憶素子M、トランジスタTRC、ソース線SLの順に流れる。
【0049】
メモリセルMC2では、ビット線BLに印加された読出電圧Vreadは、記憶素子Mの抵抗値およびトランジスタTRCのオン抵抗により分圧され、ノードN1に電圧が生じる。このメモリセルMC2に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA2)のドレインには1.1Vが印加されているので、このトランジスタTRA2のソースの電圧は0Vよりも高くなる。これにより、メモリセルMC2のトランジスタTRCのバックゲートの電圧が高くなり、このトランジスタTRCのオン抵抗が低くなる。このようにトランジスタTRCのオン抵抗が低くなると、読出電流Ireadは、記憶素子Mにおける抵抗状態をより反映したものとなる。センスアンプ33は、この読出電流Ireadに基づいて、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLであるか抵抗状態RSであるかを判断することにより、メモリセルMC2に記憶された情報を読み出す。
【0050】
32個の読み書き部IOは、このようにして、32個のメモリセルアレイMAにおけるにおける32個のメモリセルMCから、32ビットのデータを読み出す。
【0051】
このように、半導体回路1では、トランジスタTRAを設け、トランジスタTRAのゲートを記憶素子Mの他端およびトランジスタTRCのドレインに接続し、トランジスタTRAのソースをそのトランジスタTRCのバックゲートに接続するようにした。これにより、トランジスタTRCのバックゲートの電圧を制御することができ、その結果、トランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができる。
【0052】
このようにトランジスタTRCのオン抵抗が低くなることにより、例えば、書込動作において、ブロー電流Iblowをより流れやすくすることができるので、記憶素子Mのトンネルバリア層Tを破壊しやすくすることができる。その結果、半導体回路1では、いわゆるブローマージンを広げることができる。
【0053】
特に、製造プロセスにおける微細化が進むにつれ、記憶素子Mの抵抗値がばらつくと、記憶素子Mを破壊しにくくなる場合があり得る。具体的には、一般に、記憶素子Mの抵抗状態RLにおける抵抗値が低い場合には、記憶素子Mを破壊しにくくなる。半導体回路1では、記憶素子Mの抵抗状態RLにおける抵抗値が低い場合には、ノードN1の電圧が高くなり得る。この場合には、トランジスタTRAのゲートの電圧が高くなり、トランジスタTRCのバックゲートの電圧が高くなるので、トランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができる。これにより、ブロー電流Iblowをより流れやすくすることができるので、記憶素子Mのトンネルバリア層Tを破壊しやすくすることができる。
【0054】
また、このようにトランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができるので、トランジスタTRCのサイズを小さくすることができる。一般に、トランジスタTRCのサイズを小さくすると、トランジスタTRCのオン抵抗が大きくなるので、記憶素子Mを破壊しにくくなる。半導体回路1では、トランジスタTRCのオン抵抗が大きくなると、ノードN1の電圧が高くなり得る。このようにノードN1の電圧が高くなると、トランジスタTRCのバックゲートの電圧が高くなるので、トランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができ、記憶素子Mを破壊しやすくすることができる。このように、半導体回路1では、トランジスタTRCのサイズを小さくすることができるので、メモリセルMCのサイズを小さくすることができる。
【0055】
また、このようにトランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができるので、例えば、書込動作において、ブロー電圧を低くすることができる。すなわち、例えば、トランジスタTRCのオン抵抗が高い場合には、より確実に記憶素子Mを破壊できるようにするため、高いブロー電圧を用いることがあり得る。この場合には、例えばトランジスタTRCに高電圧が印加されるので、トランジスタTRCの信頼性が低下するおそれがある。一方、半導体回路1では、ブロー電圧を低くすることができるので、トランジスタTRCの信頼性が低下するおそれを低減することができる。また、半導体回路1では、高いブロー電圧を生成するチャージポンプ回路などを設けずに済むので、メモリ回路20のサイズを小さくすることができる。
【0056】
また、トランジスタTRCのオン抵抗が低くなることにより、例えば、読出動作において、読出電流Ireadは、記憶素子Mにおける抵抗状態をより反映したものとなる。これにより、この読出電流Ireadに基づいて、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLであるか抵抗状態RSであるかを判断しやすくすることができるので、いわゆるリードマージンを広げることができる。
【0057】
また、半導体回路1では、1行分の複数のメモリセルMCに対して1つのトランジスタTRAを設けるようにしたので、例えば1つのメモリセルMCに対して1つのトランジスタTRAを設ける場合に比べて、素子数を抑えることができるので、メモリ回路20のサイズを小さくすることができる。
【0058】
また、半導体回路1では、一行分の複数のメモリセルMCにおける複数のトランジスタTRCを1つのPウェルに形成したので、例えば、これらの複数のトランジスタTRCを複数のPウェルにそれぞれ形成する場合に比べて、メモリ回路20のサイズを小さくすることができる。
【0059】
また、半導体回路1では、メモリ回路12の記憶素子Mと同じ構成を有する記憶素子Mを用いて、メモリ回路20を構成するようにした。これにより、同じ製造工程で、情報を書き換え可能なメモリ回路12、および情報を1回書き込むことが可能なメモリ回路20を形成することができるので、シンプルな方法で製造を行うことができ、製造コストを削減できる。
【0060】
[効果]
以上のように本実施の形態では、トランジスタTRAを設け、トランジスタTRAのゲートを記憶素子の他端およびトランジスタTRCのドレインに接続し、トランジスタTRAのソースをそのトランジスタTRCのバックゲートに接続するようにしたので、トランジスタTRCのオン抵抗を低くすることができる。これにより、例えば、メモリセルのサイズを小さくすることができ、信頼性が低下するおそれを低減することができ、ブローマージンを広げることができ、リードマージンを広げることができる。
【0061】
[変形例1]
上記実施の形態では、読出動作において、
図6に示したように、駆動部34は、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、電圧線VLの電圧VVLを0Vにしてもよい。
【0062】
[変形例2]
上記実施の形態では、1列分の複数のメモリセルMCに対して1本のソース線SLを設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図7に示すメモリ回路20Aのように、2列分の複数のメモリセルMCに対して1本のソース線SLを設けてもよい。この例では、1列目の複数のメモリセルMCおよび2列目の複数のメモリセルMCが、1本のソース線SLに接続される。また、3列目の複数のメモリセルMCおよび4列目の複数のメモリセルMCが、1本のソース線SLに接続される。5列目以降についても同様である。
【0063】
[変形例3]
上記実施の形態では、1つのメモリセルMCに1ビットの情報を記憶したが、これに限定されるものではなく、2つのメモリセルMCに1ビットの情報を記憶してもよい。以下に、この変形例に係る半導体回路1Cについて詳細に説明する。半導体回路1Cは、メモリ回路40を備えている。
【0064】
図8は、メモリ回路40に係るメモリセルアレイMAおよび読み書き部IOの一構成例を表すものである。メモリセルアレイMAにおいて、同じワード線WLに接続された2つのメモリセルMCがメモリセルペアMCPを構成する。この例では、例えば、1列目のメモリセルMCおよび2列目のメモリセルMCがメモリセルペアMCPを構成し、3列目のメモリセルMCおよび4列目のメモリセルMCがメモリセルペアMCPを構成する。5列目以降についても同様である。同様に、2つのビット線BLは、ビット線ペアBLPを構成する。具体的には1番目のビット線BLおよび2番目のビット線BLがビット線ペアBLPを構成し、3番目のビット線BLおよび4番目のビット線BLがビット線ペアBLPを構成する。5番目以降についても同様である。
【0065】
メモリ回路40では、書込動作を行った後には、メモリセルペアMCPにおける、左側のメモリセルMCの記憶素子Mの抵抗状態は、右側のメモリセルMCの記憶素子の抵抗状態と異なる。具体的には、左側のメモリセルMCにおける記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RSである場合には、右側のメモリセルMCにおける記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RLであり、左側のメモリセルMCにおける記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLである場合には、右側のメモリセルMCにおける記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RSである。このようにして、メモリセルペアMCPは、1ビットの情報を記憶するようになっている。
【0066】
読み書き部IOは、カラムスイッチ41と、電圧生成部42と、センスアンプ43とを有している。
【0067】
カラムスイッチ41は、書込動作において、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線ペアBLPのうちの1つを選択し、選択したビット線ペアBLPを電圧生成部42に接続するとともに、それ以外のビット線ペアBLPの各ビット線BLをフローティング状態にするように構成される。また、カラムスイッチ41は、読出動作において、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線ペアBLPのうちの1つを選択し、選択したビット線ペアBLPをセンスアンプ43に接続するとともに、それ以外のビット線ペアBLPの各ビット線BLをフローティング状態にするように構成される。
【0068】
電圧生成部42は、書込動作において、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線ペアBLPの各ビット線BLに印加される接地電圧およびブロー電圧を生成するように構成される。
【0069】
センスアンプ43は、読出動作において、制御部22からの指示に基づいて、選択されたビット線ペアBLPの各ビット線BLに印加される読出電圧Vreadを生成するとともに、選択されたビット線ペアBLPの各ビット線BLに流れる電流に基づいて、メモリセルペアMCPに記憶された情報を読み出すように構成される。
【0070】
図9は、メモリ回路40における書込動作の一例を表すものである。この例では、制御部22は、処理回路11から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルペアMCPのうちのあるメモリセルペアMCP(メモリセルペアMCP1)を選択するように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0071】
ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルペアMCP1に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0072】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ41は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線ペアBLPのうちのメモリセルペアMCP1に係るビット線ペアBLPを選択し、選択したビット線ペアBLPの2つのビット線BLを電圧生成部42に接続する。電圧生成部42は、制御部22からの指示に基づいて、接地電圧(0V)およびブロー電圧(この例では1.1V)を生成する。これにより、読み書き部IOは、この例では、選択したビット線ペアBLPの2つのビット線BLのうちの、左側のビット線BLの電圧VBLを1.1Vにし(VBL=1.1V)、右側のビット線BLの電圧VBLを0Vにする(VBL=0V)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線ペアBLPのビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0073】
これにより、電圧生成部42から、選択されたビット線ペアBLPにおける左側のビット線BLを介してメモリセルペアMCP1における左側のメモリセルMC(メモリセルMC3)にブロー電流Iblowが流れる。メモリセルMC3では、ブロー電流Iblowは、ビット線BL、記憶素子M、トランジスタTRC、ソース線SLの順に流れる。このメモリセルペアMCP1に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA3)は、メモリセルMC3のトランジスタTRCのバックゲートの電圧を高くするので、トランジスタTRCのオン抵抗は低くなり、ブロー電流Iblowがより流れやすくなる。これにより、メモリセルMC3の記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RSになる。一方、メモリセルペアMCP1における右側のメモリセルMC(メモリセルMC4)にはブロー電流Iblowは流れないので、記憶素子Mのトンネルバリア層Tは破壊されない。よって、メモリセルMC4の記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RLに維持される。このようにして、メモリセルペアMCP1に情報が記憶される。
【0074】
なお、この例では、読み書き部IOは、選択したビット線ペアBLPの2つのビット線BLのうちの、左側のビット線BLの電圧VBLを1.1Vにし(VBL=1.1V)、右側のビット線BLの電圧VBLを0Vにした(VBL=0V)。これに代えて、読み書き部IOが、左側のビット線BLの電圧VBLを0Vにし(VBL=0V)、右側のビット線BLの電圧VBLを1.1Vにした場合には(VBL=1.1V)、メモリセルMC4の記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RSになり、メモリセルMC3の記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLに維持される。
【0075】
32個の読み書き部IOは、このようにして、32個のメモリセルアレイMAにおける32個のメモリセルペアMCPに、32ビットのデータを書き込む。
【0076】
図10は、メモリ回路40における読出動作の一例を表すものである。この例では、制御部22は、処理回路11から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルペアMCPのうちのあるメモリセルペアMCP(メモリセルペアMCP2)を選択するように、ワード線駆動部21および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0077】
ワード線駆動部21は、制御部22からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルペアMCP2に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0078】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ41は、制御部22からの指示に基づいて、複数のビット線ペアBLPのうちのメモリセルペアMCP2に係るビット線ペアBLPを選択し、選択したビット線ペアBLPの2つのビット線BLをセンスアンプ43に接続する。センスアンプ43は、制御部22からの指示に基づいて、読出電圧Vreadを生成する。これにより、読み書き部IOは、選択されたビット線ペアBLPの2つのビット線BLの電圧VBLを読出電圧Vreadにする(VBL=Vread)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線ペアBLPのビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部22からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0079】
これにより、センスアンプ43から、選択されたビット線ペアBLPにおける左側のビット線BLを介して、メモリセルペアMCP2における左側のメモリセルMC(メモリセルMC5)に読出電流Iread5が流れるとともに、右側のビット線BLを介して、メモリセルペアMCP2における右側のメモリセルMC(メモリセルMC6)に読出電流Iread6が流れる。このメモリセルペアMCP2に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA4)は、メモリセルMC5,MC6のトランジスタTRCのバックゲートの電圧を高くするので、メモリセルMC5,MC6のトランジスタTRCのオン抵抗は低くなる。これにより、読出電流Iread5は、メモリセルMC5の記憶素子Mにおける抵抗状態をより反映したものとなり、読出電流Iread6は、メモリセルMC6の記憶素子Mにおける抵抗状態をより反映したものとなる。センスアンプ33は、この読出電流Iread5,Iread6に基づいて、例えば、メモリセルMC5の記憶素子Mの抵抗値およびメモリセルMC6の記憶素子Mの抵抗値のうちのどちらが大きいかを判断することにより、メモリセルペアMCP2に記憶された情報を読み出す。
【0080】
32個の読み書き部IOは、このようにして、32個のメモリセルアレイMAにおける32個のメモリセルペアMCPから、32ビットのデータを読み出す。
【0081】
以上、上記実施の形態に係るメモリ回路20(
図3)に本変形例を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、
図11に示すように、変形例2に係るメモリ回路20A(
図7)に本変形例を適用してもよい。
【0082】
[変形例4]
上記実施の形態では、ソース線SLを接地したが、これに限定されるものではなく、ソース線SLを選択的に駆動するようにしてもよい。以下に、この変形例に係る半導体回路1Dについて詳細に説明する。半導体回路1Dは、メモリ回路50を備えている。
【0083】
図12は、メモリ回路50の一構成例を表すものである。メモリ回路50は、複数のメモリセルアレイMA(この例では32個のメモリセルアレイMA[0]、MA[1],…,MA[31])と、複数の読み書き部IO(この例では32個の読み書き部IO[0]、IO[1],…,IO[31])と、複数のソース線駆動部DRV(この例では32個のソース線駆動部DRV[0],DRV[1],…,DRV[31])と、ワード線駆動部21と、制御部52とを有している。複数のソース線駆動部DRVは、複数のメモリセルアレイMAとそれぞれ対応して設けられている。
【0084】
図13は、ソース線駆動部DRVの一構成例を表すものである。この
図13では、説明の便宜上、メモリセルアレイMA、読み書き部IO、およびワード線駆動部21をも描いている。ソース線駆動部DRVは、制御部52からの指示に基づいて、複数のソース線SLを駆動するように構成される。ソース線駆動部DRVは、カラムスイッチ61と、電圧生成部62とを有している。
【0085】
カラムスイッチ61は、書込動作および読出動作において、制御部52からの指示に基づいて、複数のソース線SLのうちの1つを選択し、選択したソース線SLを電圧生成部62に接続するとともに、それ以外のソース線SLをフローティング状態にするように構成される。複数のソース線駆動部DRVのカラムスイッチ61は、制御部52からの指示に基づいて、互いに同じ番目のソース線SLを選択するようになっている。
【0086】
電圧生成部62は、書込動作および読出動作において、制御部52からの指示に基づいて、選択されたソース線SLに印加される接地電圧を生成するように構成される。
【0087】
制御部52(
図12)は、処理回路11から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCに情報を書き込むように、ワード線駆動部21、複数のソース線駆動部DRV、および複数の読み書き部IOの動作を制御するように構成される。また、制御部52は、処理回路11から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのメモリセルMCから情報を読み出すように、ワード線駆動部21、複数のソース線駆動部DRV、および複数の読み書き部IOの動作を制御するようになっている。
【0088】
図14は、メモリ回路50における書込動作の一例を表すものである。この例では、制御部52は、処理回路11(
図1)から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルMCのうちのあるメモリセルMC(メモリセルMC7)を選択するように、ワード線駆動部21、複数のソース線駆動部DRV、および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0089】
ワード線駆動部21は、制御部52からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルMC7に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0090】
ソース線駆動部DRVにおいて、カラムスイッチ61は、制御部52からの指示に基づいて、複数のソース線SLのうちのメモリセルMC7に係るソース線SLを選択し、選択したソース線SLを電圧生成部62に接続する。この
図14では、選択されたソース線SLを太線で示している。電圧生成部62は、制御部52からの指示に基づいて、この例では接地電圧を生成する。これにより、ソース線駆動部DRVは、選択されたソース線SLの電圧VSLを0Vにする(VBL=0V)。また、ソース線駆動部DRVは、複数のソース線SLのうちの、選択されたソース線SL以外のソース線SLをフローティング状態にする。
【0091】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ31は、制御部52からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちのメモリセルMC7に係るビット線BLを選択し、選択したビット線BLを電圧生成部32に接続する。電圧生成部32は、制御部52からの指示に基づいて、この例ではブロー電圧(この例では1.1V)を生成する。これにより、読み書き部IOは、選択されたビット線BLの電圧VBLを1.1Vにする(VBL=1.1V)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部52からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0092】
これにより、電圧生成部32から、ビット線BLを介してメモリセルMC1にブロー電流Iblowが流れる。メモリセルMC7では、ブロー電流Iblowは、ビット線BL、記憶素子M、トランジスタTRC、ソース線SLの順に流れる。このメモリセルMC7に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA7)は、メモリセルMC7のトランジスタTRCのバックゲートの電圧を高くするので、トランジスタTRCのオン抵抗は低くなり、ブロー電流Iblowがより流れやすくなる。これにより、メモリセルMC7の記憶素子Mの抵抗状態は抵抗状態RSになる。
【0093】
図15は、メモリ回路50における読出動作の一例を表すものである。この例では、制御部52は、処理回路11から供給された読出コマンドに基づいて、複数のメモリセルアレイMAのそれぞれにおいて、複数のメモリセルMCのうちのあるメモリセルMC(メモリセルMC8)を選択するように、ワード線駆動部21、複数のソース線駆動部DRV、および複数の読み書き部IOの動作を制御する。
【0094】
ワード線駆動部21は、制御部52からの指示に基づいて、複数のワード線WLのうちの1つを選択する。具体的には、ワード線駆動部21は、複数のワード線WLのうちのメモリセルMC8に係るワード線WLの電圧VWLを1.1Vにする(VWL=1.1V)とともに、それ以外のワード線WLの電圧VWLを0Vにする(VWL=0V)。これにより、選択されたワード線WLに接続された1行分の複数のメモリセルMCのトランジスタTRCがオン状態になる。
【0095】
ソース線駆動部DRVにおいて、カラムスイッチ61は、制御部52からの指示に基づいて、複数のソース線SLのうちのメモリセルMC8に係るソース線SLを選択し、選択したソース線SLを電圧生成部62に接続する。電圧生成部62は、制御部52からの指示に基づいて、この例では接地電圧を生成する。これにより、ソース線駆動部DRVは、選択されたソース線SLの電圧VSLを0Vにする(VBL=0V)。また、ソース線駆動部DRVは、複数のソース線SLのうちの、選択されたソース線SL以外のソース線SLをフローティング状態にする。
【0096】
読み書き部IOにおいて、カラムスイッチ31は、制御部52からの指示に基づいて、複数のビット線BLのうちのメモリセルMC8に係るビット線BLを選択し、選択したビット線BLをセンスアンプ33に接続する。センスアンプ33は、制御部52からの指示に基づいて、読出電圧Vreadを生成する。これにより、読み書き部IOは、選択されたビット線BLの電圧VBLを読出電圧Vreadにする(VBL=Vread)。また、読み書き部IOは、複数のビット線BLのうちの、選択されたビット線BL以外のビット線BLをフローティング状態にする。そして、駆動部34は、制御部52からの指示に基づいて、電圧線VLの電圧VVLを1.1Vにする(VVL=1.1V)。
【0097】
これにより、センスアンプ33から、ビット線BLを介してメモリセルMC8に読出電流Ireadが流れる。メモリセルMC8では、読出電流Ireadは、ビット線BL、記憶素子M、トランジスタTRC、ソース線SLの順に流れる。このメモリセルMC8に対応づけられたトランジスタTRA(トランジスタTRA8)は、メモリセルMC8のトランジスタTRCのバックゲートの電圧を高くするので、トランジスタTRCのオン抵抗は低くなる。これにより、読出電流Ireadは、メモリセルMC8の記憶素子Mにおける抵抗状態をより反映したものとなる。センスアンプ33は、この読出電流Ireadに基づいて、記憶素子Mの抵抗状態が抵抗状態RLであるか抵抗状態RSであるかを判断することにより、メモリセルMC8に記憶された情報を読み出す。
【0098】
以上、上記実施の形態に係るメモリ回路20(
図3)に本変形例を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、
図16に示すように、変形例2に係るメモリ回路20A(
図7)に本変形例を適用してもよい。ソース線駆動部DRVは、カラムスイッチ71を有している。カラムスイッチ71は、書込動作および読出動作において、制御部52からの指示に基づいて、複数のソース線SLのうちの1つを選択し、選択したソース線SLを電圧生成部62に接続するとともに、それ以外のソース線SLをフローティング状態にするように構成される。
【0099】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0100】
<2.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した技術の電子機器への適用例について説明する。
【0101】
図17は、上記実施の形態等の半導体回路が適用されるスマートフォンの外観を表すものである。このスマートフォンは、例えば、本体部310および表示部320を有している。上記実施の形態等の半導体回路は、このようなスマートフォンの他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、ビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0102】
以上、実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0103】
例えば、上記の各実施の形態では、トランジスタTRC,TRAをN型のMOSトランジスタを用いて構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばP型のMOSトランジスタを用いて構成してもよい。
【0104】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0105】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、メモリセルのサイズを小さくすることができる。
【0106】
(1)第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第1の記憶素子と、
前記第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第1のトランジスタと、
ドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、前記第1のノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと
を備えた半導体回路。
(2)前記第1のトランジスタの前記ソースに基準電圧を印加し、前記第1のトランジスタの前記ゲートに前記基準電圧とは異なる第1の電圧を印加し、前記第1の記憶素子の前記第1の端子に前記基準電圧とは異なる第2の電圧を印加し、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記基準電圧とは異なる第3の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子に情報を記憶させる第1の動作を行うことが可能な駆動部をさらに備えた
前記(1)に記載の半導体回路。
(3)前記駆動部は、さらに、前記第1のトランジスタの前記ソースに前記基準電圧を印加し、前記第1のトランジスタの前記ゲートに前記第1の電圧を印加し、前記第1の記憶素子の前記第1の端子に前記基準電圧とは異なる第4の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子から情報を読み出す第2の動作を行うことが可能である
前記(2)に記載の半導体回路。
(4)前記第4の電圧と前記基準電圧との差電圧は、前記第2の電圧と前記基準電圧との差電圧よりも低い
前記(3)に記載の半導体回路。
(5)前記駆動部は、前記第2の動作において、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記第3の電圧を印加可能である
前記(3)または(4)に記載の半導体回路。
(6)前記駆動部は、前記第2の動作において、前記第2のトランジスタの前記ドレインに前記基準電圧を印加することが可能である
前記(3)または(4)に記載の半導体回路。
(7)第1の端子と、前記第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第2の記憶素子と、
前記第1のノードに接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、前記第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第3のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記ゲートおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続された第1の制御線と、
前記第1の記憶素子の前記第1の端子に接続された第2の制御線と、
前記第2の記憶素子の前記第1の端子に接続された第3の制御線と、
前記第2のトランジスタの前記ドレインに接続された第4の制御線と
をさらに備えた
前記(1)に記載の半導体回路。
(8)前記第1のトランジスタの前記ソースに接続された第5の制御線と、
前記第5の制御線に基準電圧を印加し、前記第1の制御線に前記基準電圧とは異なる第1の電圧を印加し、前記第2の制御線に前記基準電圧とは異なる第2の電圧を印加し、前記第3の制御線をフローティング状態にし、前記第4の制御線に前記基準電圧とは異なる第3の電圧を印加することにより、前記第1の記憶素子に情報を記憶させる第1の動作を行うことが可能な駆動部をさらに備えた
前記(7)に記載の半導体回路。
(9)前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された第6の制御線をさらに備え、
前記駆動部は、前記第1の動作において、前記第6の制御線に前記基準電圧を印加可能である
前記(8)に記載の半導体回路。
(10)前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された第6の制御線をさらに備え、
前記駆動部は、前記第1の動作において、前記第6の制御線をフローティング状態にすることが可能である
前記(8)に記載の半導体回路。
(11)前記第5の制御線は、さらに前記第3のトランジスタの前記ソースに接続された
前記(8)に記載の半導体回路。
(12)前記駆動部は、さらに、前記第5の制御線に前記基準電圧を印加し、前記第1の制御線に前記第1の電圧を印加し、前記第2の制御線に前記基準電圧とは異なる第4の電圧を印加し、前記第3の制御線をフローティング状態にすることにより、前記第1の記憶素子から情報を読み出す第2の動作を行うことが可能である
前記(8)から(11)のいずれかに記載の半導体回路。
(13)前記トンネルバリア膜は、MgOまたはアルミナを含む材料により構成された
請求項1に記載の半導体回路。
(14)トンネルバリア膜を有する磁気トンネル接合素子を含むメモリ回路をさらに備えた
前記(1)から(13)のいずれかに記載の半導体回路。
(15)第1の端子と、第1のノードに接続された第2の端子と、トンネルバリア膜とを有し、前記トンネルバリア膜を破壊することにより情報を記憶可能な第1の記憶素子と、
前記第1のノードの接続されたドレインと、ソースと、ゲートと、第2のノードに接続されたバックゲートとを有する第1のトランジスタと、
ドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、前記第1のノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
前記第1の記憶素子に記憶された情報に基づいて処理を行うことが可能な処理回路と
を備えた電子機器。
【0107】
本出願は、日本国特許庁において2019年3月15日に出願された日本特許出願番号2019-048576号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0108】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。