(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】シャフト領域内に作業端特定装置を有する工具
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240116BHJP
A61B 90/98 20160101ALN20240116BHJP
A61B 17/16 20060101ALN20240116BHJP
【FI】
G06K19/077 220
A61B90/98
A61B17/16
(21)【出願番号】P 2021521181
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2019078453
(87)【国際公開番号】W WO2020079268
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】102018125884.4
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ バーク
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-105265(JP,A)
【文献】特表2017-525398(JP,A)
【文献】特開2009-077965(JP,A)
【文献】特表2014-529782(JP,A)
【文献】特開2015-031804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0177267(US,A1)
【文献】米国特許第07722531(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0172701(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0092991(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0245833(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0262847(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01746530(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
34/00-90/98
A61F 2/01
A61N 7/00-7/02
G06K 7/00-7/14
17/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具であって、
前記工具(10)の作業端を特定するためにシャフト領域に配置される作業端特定装置(100)を有しており、
前記作業端特定装置(100)は、少なくとも第1のメモリ領域に、前記工具(10)の前記作業端に関連するデータを記憶するように構成されている書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置(102)を含んでおり、
前記作業端特定装置(100)は、前記工具(10)の前記作業端を認識するために外部から検出可能な方法で前記工具(10)の前記作業端に関連する前記データを提供するように配置されており、
前記作業端特定装置は、ユニット(100)であり、前記ユニット(100)は前記工具に一体化されており、前記工具(10)のハンドル領域またはシャフト領域内の電気接点(104)を介して外部制御装置と接続可能である、工具。
【請求項2】
前記工具(10)に一体化された前記ユニット(100)は、前記工具の前記作業端を特定する抵抗器、および/または前記作業端に関連するデータを記憶する記憶装置(102)を備える、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記工具(10)に一体化されたユニット(100)は、チャネル状構造(108)を有するハンドル側またはシャフト側の前記工具の端から始まって、前記作業端に向かう方向に前記工具(10)内を延びており、
前記工具の前記作業端を特定する抵抗器、および/または前記作業端に関連するデータを記憶する前記記憶装置(102)は、前記作業端に面する第1の端で、前記チャネル状構造(108)内に配置されており、
前記電気接点(104)は、前記作業端に対して背を向ける方に面する第2の端に配置されており、
少なくとも1つの導電部(110)は、前記抵抗器および/または前記記憶装置(102)と電気的に接触し、
前記チャ
ネル状構造(108)は、絶縁体(112)により包まれており、前記工具(10)に対して前記
絶縁体(112)により電気的に絶縁されている、請求項1または2に記載の工具。
【請求項4】
前記書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、少なくとも1つの第2のメモリ領域を含み、前記第2のメモリ領域は、前記少なくとも1つの第1のメモリ領域に記憶されているデータであって、前記工具の前記作業端に関連するデータである前記データ以外の所定のデータを記憶するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具または器具に関し、特に、作業端の特定、および/または作業端の認識を自動的に行うように構成される、および/または自動的に記録するように構成される医療/外科用工具または医療/外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、例えば、非医療用の電動の手持ち式の機械工具の分野では、手持ち式の機械工具に挿入される交換可能な工具の工具固有のデータを自動認識するための装置が知られており、切削ドリルや、のみ等の工具は、挿入シャフトの部分において、幾何学的コーディング、例えば、コーディングステップの形態での機械的コーディングを有する。工具収容部内に設置されるとともにコーディングに向けられた、電子、光学または機械的センサ等の読み取り装置によって、コーディングに対応する信号が生成され、さらなる処理のために機械工具の制御ユニットに送信される。
【0003】
手工具のような、特に医療分野で見られる工具および/または器具の場合、ハンドル部、シャフト部、および少なくとも1つの作業端/エフェクタの3つの領域が本質的に区別可能である。シャフト部は、ハンドル部を工具の作業端に接続する。作業端は、工具の他端にあるハンドル部の反対側にあり、工具の実際に機能する部分であり、用途に特化して様々に形作られてもよい。本明細書で参照される種類の工具は、医療の分野で一般的に使用可能な工具、器具、スプレーノズル、RFチップ、超音波ブレード等である。しかしながら、特に医療分野の上記の種類の製品に限定されるものではない。
【0004】
医療の分野では、使用される工具および/または器具の種類と、それぞれの作業環境の状況に起因して、上述のようなペアで行うコードの認識は、実行可能でも実用的でもないのだが、代わりにラベルやステッカが使用され、それらラベルやステッカは、工具自体または工具の外側のパッケージにも配置され得る。例えば、どの工具が差し込まれているかを認識するために、工具の、または個々の工具の、または工具の外側のパッケージのラベルを、よく確認しなければならない。これまで、作業端の、自動的に行われる、および/または自動的に記録する特定、または作業端の認識は行われておらず、その結果、ユーザや顧客は、どの製品/作業端なのかをラベルまたは刻印ラベルに基づいて認識しなければならず、またはこれらのラベルに基づいてこれを認識することしかできず、その後に、これを手動で記録しなければならない。
【0005】
これは、そのような工具の、ユーザおよび小売業者や顧客、および製造業者に不利に影響する。とりわけ、そのような工具のユーザや顧客は、例えば、意図された工具が自分の特定の用途に適しているかどうかを、ラベルまたは外側のパッケージを見なければ容易に識別することができない。例えば、小売業者や顧客は、棚卸することなく、どの製品在庫がまだ倉庫または委託店にあるかを、通常は特定することができない。例えば、製造業者は、どの製品が組み合わされ、および/または使用されたかを特定することができず、工具の過積載およびそれに関連する製品損傷を追跡することができず、顧客にカスタマイズされた物流を提供することができない。
【0006】
したがって、(これのみではないが、特に医学または医療技術の分野において)工具、および/または器具、スプレーノズル、HFチップ、超音波ブレード等を自動的に認識する必要があり、それによって、上記の欠点が排除され、関連する問題が解決される。
【0007】
したがって、本発明は、工具、例えば、(ハンドピース、ハンドルへの)挿入プロセスの間にどの近位作業端なのかを認識することができる医療工具を提供することを目的とする。さらに、データ、例えば、作業端に関連するデータ、および/またはこれを超えるさらなるデータをユーザや顧客に表示したり、このデータをユーザや顧客に送信したりすることが可能となるはずである。
【0008】
本発明によれば、本目的は、請求項1の特徴を有する工具によって解決される。本発明の有利なさらなる改良は、付随する従属請求項の内容にある。
【0009】
本発明は、(認識、識別、通信)装置を、工具、特に医療(ドリル、ミリング、ねじ切り)工具上に配置するという概念に基づいており、この工具は、それぞれの場合において、ハンドピース/ハンドル/駆動ユニットに挿入された作業端(または工具)の特定または認識、ならびに、データキャリア、および/またはメモリ装置内に任意に選択的に前もって書き込まれたデータのさらなる送信、即ち、(例えば、Bluetooth(登録商標)、RFID、NFC等に基づく低消費電力の通信装置を使用して)読み取り可能なデータメモリとともに作業端の認識を可能にする。
【0010】
本目的のために、本発明では、工具の作業端を特定する装置は、所定のデータ記憶容量を有する、少なくとも1つのデータ記憶装置またはデータ記憶領域がその工具上において設けられ、そのデータ記憶体に記憶されたデータは、作業端を特定し、および/またはそれを認識するために使用することができるように作業端に関連しており、加えて、データ記憶体は、さらなるデータ、例えば、アプリケーション関連、またはプロセス関連データなどを保持することができる。好ましくは、装置は、低消費電力の通信装置であり、それを用いて、装置は、典型的には数メートルから数十メートルまでの通信範囲内で、ネットワーク化され、または無線でデータを送信および/または交換することができる。さらに好ましくは、通信装置は、Bluetooth装置、またはRFID装置であってもよい。あるいは、本発明は、工具に一体化された抵抗器および/または記憶装置を提供し、抵抗器は、作業端の特定のために設計または仕様が指定され、記憶装置は、さらなるデータ、例えば、アプリケーション関連、またはプロセス関連データなどを保持することができる。
【0011】
アプリケーション関連、製品関連、またはプロセス関連データは、例えば、物品番号、および/または物品のグラフィック表現、LOT仕様、すなわち特定の製品の集合であるバッチに関する情報、BBDすなわち推奨使用期限(best-before date)の日付などにすることができる。
【0012】
このようなアプリケーション関連またはプロセス関連データにより、ユーザや顧客は、データ処理装置とともに、様々な方法での使用を記録することが可能になる。例えば、外部装置、またはポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または異なる端末装置の表示部といった表示装置は、顧客にそれがどのような製品であるかを示すことができる。さらに、在庫関連情報は、ユーザや顧客に表示されることができ、および/または、在庫レベルが所定の数未満であるときに、自動補充注文がなされることができ(メッセージ、例えば、「あなたの委託在庫が使い果たされようとしています。過去4週間の消費量に基づいて計算し、50個の必要分があなたに配送されます。追跡ID:123456、配送サービスによる配送」)、ユーザや顧客は、望ましくない状態を知らされ、改善を促すように案内されることができ(メッセージ、例えば、「注意:ハンドピース過負荷が検出されました。接触圧力が高すぎます。可能であれば、別の作業端を使用してください」)、または診断情報が、ユーザや顧客に提供されることができる(メッセージ、例えば、「ハンドピース過負荷が検出されました。記録期間中に使用された作業端は、タイプA、タイプBでした。X倍の過剰な電流消費が検出されました」。Xは、数値であってもよい)。加えて、例えばITインフラストラクチャにおけるアナログおよび/またはデジタル形式で、使用される構成要素の直接的な記録も表示可能であるが、ここでのITインフラストラクチャというのは例えば、分散データベースに、サーバ構造等に、および/または患者ファイルに、ローカルにおよび/またはインターネット(クラウド)を介して記憶領域、演算能力、および/またはアプリケーションソフトウェアを有するITインフラストラクチャである。
【0013】
本発明によれば、これは、有利には、ユーザ、顧客および/または製造業者のための直接的な自動化された工具認識と、ユーザ、顧客および/または製造業者への任意の数のさらなるデータの伝達が可能になることと、例えば、ユーザや顧客のための電子患者ファイルへの即座の書込みが可能になること、をもたらす。
【0014】
詳細には、本目的は、工具の作業端を特定するためにシャフト領域に配置された作業端特定装置を有する工具によって解決され、作業端特定装置は、少なくとも第1の記憶領域に、工具の作業端に関連する、少なくともデータを記憶するように構成される書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置を含み、作業端特定装置は、工具の作業端を認識するために工具の作業端に関連するデータを、外部で検出可能な方法により提供するように構成される。
【0015】
好ましくは、作業端特定装置は、少なくともデータ記憶装置とアンテナ装置を備える低消費電力の通信装置である。
【0016】
また、好ましくは、低消費電力の通信装置は、作業端と反対側の工具のハンドルまたはシャフト端に配置されるとともにハンドルまたはシャフト端に延びる中空体内に収容される。
【0017】
さらに好ましくは、低消費電力の通信装置は、作業端と反対側の工具のハンドルまたはシャフト端に埋め込まれている。
【0018】
代替的に、低消費電力の通信装置は、好ましくは、シャフト部またはハンドル部を囲むリング体内に収容されている。
【0019】
有利には、アンテナ装置は、低消費電力の通信装置を収容するリング体内でコイル形状であってもよく、および/または低消費電力の通信装置を収容するリング体は、オーバーモールドおよび/またはモールドされたアセンブリとして形成されてもよい。
【0020】
代替的に好ましくは、低消費電力の通信装置は、工具上に配置されているベアリング装置の外輪上に環状に配置されており、書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、ベアリング装置の外輪の第1の部分領域上に配置されており、アンテナ装置は、ベアリング装置の外輪の第2の部分領域上に配置されており、アンテナ装置は、コイル状に形づくられている。この場合、ベアリング装置の外輪が静止して保持されており、それに伴って回転しない結果、アンバランス等による振動が予期されないことが特に有利である。
【0021】
代替的に好ましくは、低消費電力の通信装置は、工具の外周上に位置決めするためのキャリア要素を形成するスリーブ状またはリング状のスペーサ内に収容されており、書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、スペーサの第1の部分領域内に配置されており、アンテナ装置は、スペーサの第2の部分領域内に配置され、アンテナ装置は、コイル状に形づくられている。
【0022】
代替的に好ましくは、低消費電力の通信装置は、工具の外周上にスプラッシュガードを形成する要素内に収容されており、書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、スプラッシュガード要素の第1の部分領域に配置されており、アンテナ装置は、スプラッシュガード要素の第2の部分領域に配置されており、アンテナ装置は、コイル状に形づくられている。
【0023】
有利には、スプラッシュガードを形成する要素は、工具上に配置されるベアリング装置のためのスプラッシュガード本体であり得る。
【0024】
さらに、有利におよび好ましくは、低消費電力の通信装置は、RFID装置またはBluetoothLowEnergy装置であってもよい。
【0025】
さらに、代替的に好ましくは、作業端特定装置は、工具に一体化されたユニットであり、工具のハンドル領域またはシャフト領域内の電気接点を介して外部制御装置に接続可能である。
【0026】
有利には、工具に一体化されたユニットは、工具の作業端を特定する抵抗器および/または作業端に関連するデータを記憶する記憶装置を備えてもよい。
【0027】
好ましくは、工具に一体化されたユニットは、チャネル状構造を有するハンドル側またはシャフト側の工具の端から始まり、作業端の方向に工具内を延びており、工具の作業端を特定する抵抗器および/または作業端に関連するデータを記憶する記憶装置は、作業端に面する第1端で、チャネル状構造内に配置されており、電気接点は、作業端に対し背を向ける方に面する第2端に配置されており、少なくとも1つの導電部が、抵抗器および/または記憶装置に電気的に接触しており、チャネル状構造は、絶縁体により囲まれており、工具に対して後者により電気的に絶縁されている。
【0028】
この点に関して、有利には、書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、少なくとも1つの第1の記憶領域に記憶されたデータであるとともに工具の作業端に関連するデータである前記データ以外の、所定のデータを記憶するように構成されている、少なくとも1つの第2のメモリ領域を含んでもよい。
【0029】
以下では、添付図面を参照して、本発明がより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図2】本発明の第2の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図3】本発明の第3の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図3a】本発明の第3の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図3b】本発明の第3の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図4】本発明の第4の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図5】本発明の第5の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図6】本発明の第6の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図7】本発明の第7の構成例に係る代替の実施形態における作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【
図8】第7の構成例において、工具内に一体化されたユニットとして形成された作業端特定装置を図示するための抜粋した断面図を示す。
【
図8a】第7の構成例において、工具内に一体化されたユニットとして形成された作業端特定装置を図示するための抜粋した断面図を示す。
【
図8b】第7の構成例において、工具内に一体化されたユニットとして形成された作業端特定装置を図示するための抜粋した断面図を示す。
【
図8c】第7の構成例において、工具内に一体化されたユニットとして形成された作業端特定装置を図示するための抜粋した断面図を示す。
【
図8d】第7の構成例において、工具内に一体化されたユニットとして形成された作業端特定装置を図示するための抜粋した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、第1の構成例に係る作業端特定装置を有する工具の概略図である。
【0032】
図面において、同一の参照符号は、同一または少なくとも同等の部分および構成要素を示す。便宜上、そのような部分および構成要素の繰り返される重複する説明は、この点で省略される。
【0033】
本文脈において、作業端特定装置は、工具に配置されており、工具とは例えば、駆動するハンドピースに回転可能に挿入できるドリル、ミリング、またはねじ切り工具のような医療用の工具であり、少なくとも(医療)工具の作業端を特定または認識するための装置を意味する。したがって、作業端認識装置は、この点において、作業端特定装置と同義である、すなわち同じ意味を有する。本目的のために、作業端特定装置は、工具の作業端を特定するデータ、すなわち工具の作業端に関連するデータを保持、記憶、または含んでおり、作業端特定装置に通信可能に接続された外部装置が、出力データまたは信号に基づいて工具に配置された作業端を検出することができるように、このデータを外部検出可能な方法で工具の外部に出力または信号で伝達するように構成されている。さらに、作業端特定装置は、作業端に関するデータに加えて、さらなるデータ、例えば、アプリケーション関連、製品関連、プロセス関連データなどをさらに記憶し、また、必要に応じて外部装置にそれらのデータ出力するように構成されている。
【0034】
上記のようなアプリケーション関連、製品関連、またはプロセス関連データは、例えば、物品番号、および/または物品のグラフィック表現、ロットの表示すなわち特定の商品の集合であるバッチに関連する情報、BBDすなわち推奨使用期限(best-before date)の日付などであってもよい。
【0035】
このようなアプリケーション関連またはプロセス関連データにより、ユーザや顧客は、データ処理装置とともに、様々な方法で使用について記録することが可能になる。例えば、表示装置がそれがどの製品であるかを顧客に示すことができるが、ここでの表示装置とは例えば、ポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、仮想現実、拡張現実、または別の端末装置の外部装置である表示部などである。さらに、在庫関連情報は、ユーザや顧客に対して表示されることができ、および/または、在庫量が所定の数未満であるときに、自動補充注文が行われることができ(メッセージ、例えば、「あなたの委託在庫が使い果たされようとしています。過去4週間の消費量に基づいて計算すると、50個の必要分があなたに配達されます。追跡ID:123456、配達サービスによる配達」)、ユーザや顧客は、望ましくない状態を知らされ、改善を促すように案内されることができ(メッセージ、例えば、「注意:ハンドピース過負荷が検出されました。接触圧力が高すぎます。可能であれば、別の作業端を使用してください」)、または診断情報が、ユーザや顧客に提供されることができる(例えば、「ハンドピース過負荷が検出されました。記録期間中に使用された作業端は、タイプA、タイプBでした。X倍の過剰な電流消費が検出されました」)。加えて、例えば、使用される構成要素を患者ファイルに直接記録することも可能である。
【0036】
本願の第1構成例では、送信、すなわち、上記データの出力それぞれは、通信(または通信装置、または通信手段)を使用して、例えば、低消費電力の送信技術または無線技術に基づいて実行され、それにより装置は近距離環境下で、典型的には数メートルから数十メートルまでの通信範囲で、ネットワーク化されることができ、または、データを無線で送信および/または交換することができる。このような送信技術の例は、業界標準のBluetooth(登録商標)を補完する拡張版として、BluetoothLowEnergy、Bluetooth LE(略してBLE)またはBluetoothスマート、RFID、またはNFCである。この構成例では、低消費電力の送信技術の通信要素、例えばBluetooth(LowEnergy)装置(BLE)またはRFID装置が、RFID装置とは例えば、所定のデータ記憶容量を有するRFIDチップまたはトランスポンダまたはタグなどだが、作業端特定装置内に収容され配置されている。それぞれの装置は、データの無線送信のための少なくとも1つのアンテナをさらに備える。Bluetooth自体は十分に文書化されているので、本明細書ではさらなる詳細について重複して説明しない。
【0037】
本文脈において、RFID装置は、無線周波数認識装置(RFIDは、radio frequency identification)であると理解される。多種多様な情報が、一般的にRFIDチップに記憶させることができ、読み取り装置は、無線を介していつでもこのデータまたは情報を読み取ることができる。スマートフォンなどといった装置における近距離無線通信(NFC)は、RFIDの特殊なバージョンである。
【0038】
RFIDチップまたはトランスポンダは、通常、マイクロチップ、アンテナ、好ましくは所望の範囲に応じた直径を有するコイル状のアンテナ、周辺環境からトランスポンダ電子機器を保護するためのキャリアまたはハウジング、およびアクティブRFIDチップの場合は、エネルギ源、例えばバッテリを含む。パッシブRFIDチップでは、エネルギは、アンテナを介して外部から供給され、すなわち、RFID/NFCは、受動的に動作することができ、バッテリまたは他の電源を必要としないが、無線周波数でスキャナによって放射された波からのエネルギを供給され、それを小さなコンデンサに蓄え、チップ上のマイクロコントローラに電力を供給することができる。データは、負荷変調として知られているものを使用してスキャナに送信され、スキャナの分野は、多少重く負荷を加えられ、これらの負荷変動は、シリアルデータとして、または「変調後方散乱」の原理を使用してスキャナによって登録され、変調後方散乱においては、側部周波数は、デジタルデータとして読み取ることができる方法でスキャナによって後方散乱される。
【0039】
RFIDチップの書き込み可能なメモリの利用可能な記憶容量は、数ビットから数キロバイトまでの範囲としてもよい。トランスポンダのデータセットは、製造時には連続する固有の番号(固有のID)として、または、適用時には非固有のデータとして、トランスポンダに永久的に記憶される。その間に使用可能なタグは、後で変更されたり、さらにデータを書き込まれたりしてもよい。本目的のために、書き込み可能なトランスポンダは、メモリ技術として不揮発性メモリを使用してもよく、不揮発性メモリ内では、データは電力供給なしで保持され、したがって、不揮発性メモリは、好ましくは、EEPROMまたはFRAMなどの誘導電力RFIDに適しており、および/または、書き込み可能なトランスポンダは、SRAMなどのデータを保持するために連続する電力供給を必要とする揮発性メモリを使用してもよい。
【0040】
RFIDは、従来技術において十分に文書化されており、したがって、本明細書ではこれ以上説明しない。しかし、本明細書で使用されるRFIDは、前述の例示的な構成および設計に限定されないことを理解されたい。
【0041】
以下の構成例の説明では、低消費電力の通信装置としてRFID装置を用いた各実施形態について説明する。しかし、これに限定されるものではない。RFID装置に代えて、Bluetooth装置、例えば、BluetoothLowEnergy装置(BLE)、または予め決定可能な低消費電力の別の通信装置を使用することができることを理解されたい。
【0042】
図1は、第1の構成例として、読み取り可能なデータメモリを有する実施例を示しており、RFID装置(図示省略)は、工具10上、好ましくは、遠位ミリングヘッドと、工具シャフトと、作業端(ミリングヘッド)から離れた、すなわち、シャフト端部側またはハンドル側の、シャフト部またはハンドル(挿入)部30の端(挿入端部分)にある近位挿入端部分と、を有するミリング工具上に配置されている。
【0043】
挿入端部分は、工具シャフトへのトルク導入/伝達のための非円形のプロファイルを有する。RFID装置は、トルク伝達牽引力の外側に設置され、したがってトルク無負荷のままになるような方法で、非円形プロファイルを有する部分の近位に配置される。
【0044】
第1の構成例では、アンテナ(図示省略)およびトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置は、例えば、片側が開口したハウジング40内に取り付けられて収容され、ハウジング40は、円管形状(「アンプル形状」)を有していてもよく、ハウジング40は、好ましくは、液密および気密の方法で、工具10の近位端上の材料の一片に好適にヒンジ留め/固定/形成される。
【0045】
図2はまた、第2の構成例として、読み取り可能なデータメモリを有する実施形態を示しており、RFID装置20は、作業端から離れた、すなわち、シャフト端側またはハンドル側のシャフト部またはハンドル部30の近位端で、工具10上に対して内側の一種のハウジングを形成する凹部に埋め込まれる、すなわち、工具内にさら穴に埋め込まれる。第2の構成例では、アンテナ(図示省略)およびトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置20は、例えば、凹部に収容されており、凹部は、片側で開口し、液密および気密の方法で、該開口をシールするカバー要素とともに設計してもよく、凹部は、例えば、工具端側のヒンジ位置で工具の略直径を有する、グリップしやすい円延在部50として、好ましくは、好適な方法および形状でヒンジ留め/固定されている。
【0046】
この時点で、
図2による延在部50は、概略的にのみ示されており、少なくともその軸方向の寸法に関して、その凹部内に収容されたRFID装置に適合させなければならないことは言うまでもないことに留意されたい。
【0047】
第3の構成例として、
図3はまた、読み取り可能なデータメモリを有する実施形態を示しており、RFID装置はリング体60に収容されており、リング体60は、遠位作業端から遠く離れたシャフト部/工具シャフトまたはハンドル部30の端部分において、例えばラッチ方式で工具10に固定されて取り付けられている、または、工具10上を摺動可能に移動可能である。第3の構成例では、アンテナ(図示省略)とトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置は、例えば、リング体60の容積内に収容されている。リング体60の液密および気密の設計のために、リング体60は、好ましくは、例えば、プラスチック材料などから作製されるオーバーモールドされたおよび/またはモールドされたアセンブリとして製造されてもよい。さらに、RFID装置のアンテナは、リング体60の環状空間内にコイル状に形成されていてもよい。
【0048】
先の
図3に加えて、
図3aおよび3bも参照される。これらのさらなる図において、
図3の医療工具10は、
図3から既に知られているリング体60が、RFID装置を受け入れるための工具シャフトの軸方向の異なる位置に取り付けられている状態で示されている。例えば、リング体60を、工具10の非円形の近位挿入端部分に対してすぐ遠位に、または工具シャフトの中央部分に取り付けることが可能である。また、
図3aおよび3bは、
図3のリング体60が、そこに受容されているRFID装置の寸法にできるだけ最適に適合させるために、少なくともその軸方向の寸法に関して変化することが可能であることを示している。
【0049】
第4の構成例として、
図4はまた、読み取り可能なデータメモリを有する実施例を示しており、RFID装置は、例えばボールベアリングであるベアリング装置70の外輪上に収容されており、ベアリング装置70は、好ましくは、シャフト部に沿って固定される態様で配置されている。第4の構成例では、アンテナとトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置は、例えば、ベアリング装置70の周縁に沿う凹部に収容されており、特に、設置された読み取り可能なデータメモリ12は、外輪に埋め込まれており、同時に、十分な空間が、外輪にも埋め込まれているコイル状のアンテナ14のために残っている。外輪の空間の液密および気密設計のために、好ましくは、例えば、プラスチック材料などで型取り(cast)され得る。ベアリング装置70の外輪は、周囲の取り付けまたは収容の配置における対応箇所にしっかりと位置決めされているため、本構成例においては、RFID装置が回転しない(rotation free)ままであることが特に有利であり得る。
【0050】
第5の構成例として、
図5はまた、読み取り可能なデータメモリを有する実施形態を示しており、RFID装置は、例えば、好ましくはシャフト部に沿って固定して設置されるベアリング装置70のスペーサスリーブ要素80内に収容されており、スペーサスリーブは、RFID/NFCチップのためのキャリアとして使用される。本構成例では、アンテナを含むために、十分な取り付け空間が設けられ、それによって本構成例でも、アンテナとトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置は、例えば、スペーサスリーブ要素80の周縁に沿う空間に収容されることができ、特に、設置された読み取り可能なデータメモリ(図示省略)は、環状空間部に埋め込むことができ、同時に、十分な空間が、コイルの形態で設計され、同様に環状空間部に埋め込まれるアンテナ(図示省略)のために残っている。環状空間部の液密および気密の設計のために、好ましくは、例えば、樹脂またはプラスチック材料などで型取り(cast)され得る。本構成例では、スペーサスリーブ要素80が周囲の取り付けまたは収容の配置において対応する部分に堅く配置されている場合に、RFID装置が回転しない(rotation free)ままであることが特に有利である。
【0051】
第6の構成例として、
図6はまた、読み取り可能なデータメモリを有する実施形態を示しており、RFID装置は、例えば、好ましくはシャフト部に沿って固定して設置されるベアリング装置70のスプラッシュガード要素90内に収容され、スプラッシュガード要素90は、RFID/NFCチップのためのキャリアとして使用される。本構成例では、アンテナを含むために、十分な設置空間が設けられ、本構成例においても、アンテナ(図示省略)とトランスポンダ電子機器(図示省略)を有するRFID装置は、例えば、スプラッシュガード要素90の周縁に沿う空間に収容されることができ、特に、設置された読み取り可能なデータメモリ(図示省略)は、環状空間部に埋め込むことができ、同時に、十分な空間が、コイルの形態で設計され、同様に環状空間部に埋め込まれるアンテナ(図示省略)のために残っている。環状空間部の液密および気密の設計のために、好ましくは、例えば、樹脂またはプラスチック材料などで型取り(cast)され得る。本構成例において、スプラッシュガード要素90が、周囲の取り付けまたは収容の配置において対応する部分に堅く配置され、および/または、例えば、保護されるベアリング装置70等に抗ねじれ態様で連結されている場合、RFID装置が回転しない(rotation free)ままであることが特に有利である。
【0052】
図7は、代替の実施形態において、シャフト部に配置された作業端特定装置を有する医療工具の第8の構成例として、作業端特定装置を形成する工具10に一体化されたユニット100を示し、このユニット100は、例えばSMD抵抗等であってもよい、工具の作業端を特定する抵抗器、および/または、例えば、SMDメモリチップ等102であってもよい作業端に関連するデータを記憶する記憶装置、を有し、工具10に一体化されたユニット100は、工具10のハンドピース106内の電気接点104を介して、外部装置(図示省略)、例えば、制御装置または信号および/またはデータ処理装置に接続可能であり、電気接点104は、ユニット100から導出される。
【0053】
このために、工具の近位端部分106を通る断面図において、
図8は、工具10内の一体化されたユニット100の構造をより詳細に示す。
図8によれば、工具10内に一体化されたユニット100は、ハンドル側またはシャフト側の工具10の近位端から始まり、遠位作業端に向かう方向に、チャネル状構造108を有する工具内に延び、電気接点104は、工具の外側に配置される。チャネル状構造では、遠位作業端(例えば、ミリングヘッド)に面する第1の端において、工具の作業端(例えば、ミリングヘッド)を特定する抵抗器および/または作業端(例えば、ミリングヘッド)に関連するデータを記憶する記憶装置102が配置され、電気接点104は、遠位作業端に対して背を向ける方に面する第2の端に配置される。少なくとも1つの導電部が、抵抗器および/または記憶装置102に電気的に接触する。チャネル状構造では、接点109が、抵抗器および/または記憶装置102を、電気接点104および電位側接地につながる導体110に接続し、チャネル状構造は、内部要素を工具10から電気的に絶縁する絶縁体または絶縁材料内に包まれて延びている。
【0054】
この時点で、
図8による接点109は、純粋に機能的に接触点または接触片として示されていることに留意されたい。他方、
図8aおよび8bは、好ましくは、接触リングとしてのこれらの接点109の可能な構造設計を示し、そこに存在する接触ピン(図示省略)を有するハンドルまたは駆動ユニット側の工具収容部に対して、工具の任意の回転位置で接触して当接した状態に保持することができる。この場合、抵抗器102は、シャフトの内側に配置することができ、電線を介してリング接点と電気接続することができる。
【0055】
接点の代替的な構成が
図8cおよび8dに示されており、接点109は、互いに直径方向に対向する(すなわち、互いに反対側にある)シャフトの円周上の位置に配置された2つの接触パッドまたは接触面として形成されている。これらは、抵抗器が内部に介在しているとともに横断して延びる電線を介して互いに電気的に接続される。
【0056】
有利には、書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、工具の作業端に関連するデータ以外のデータを記憶するように構成されている少なくとも第2のメモリ領域を含んでもよい。
【0057】
上述したように、工具10は、工具10の作業端を特定および/または認識するためにシャフト部に配置されている作業端特定装置20を有し、作業端特定装置20は、少なくとも第1のメモリ領域に、少なくとも、工具の作業端に関連するデータを記憶するように構成されている書き込み可能および/または読み取り可能なデータ記憶装置12を含み、作業端特定装置は、工具の作業端を認識するために外部から検出可能な方法で工具の作業端に関連するデータを提供するように配置される。作業端特定装置は、少なくともデータ記憶装置とアンテナ装置とを備えるRFID装置であってもよい。代替的に、工具のハンドピース領域内で、電気接点を介して外部制御装置に接続可能である、工具に一体化されたユニットであることができ、工具に一体化されたユニットは、工具の作業端を特定する抵抗器および/または作業端に関連するデータを記憶する記憶装置を備える。したがって、作業端は、検出されることができ、実施例の変形例に応じて、読み取り可能なデータメモリに以前に書き込まれたデータが読み出され、さらに使用されることもできる。
【0058】
本発明は、前述の構成例に限定されず、特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内の変更、修正、および均等な構成もまた、本発明によって包含されることを理解されたい。例えば、そのような変更、修正、および均等な構成が当業者に容易に明らかである適用として、従量課金方式(pay-per-use)のアプリケーションおよび委託在庫(consignment stock)アプローチが考えられる。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
工具であって、
前記工具(10)の作業端を特定するためにシャフト領域に配置される作業端特定装置(20;104)を有しており、
前記作業端特定装置(20;100)は、少なくとも第1のメモリ領域に、前記工具(10)の前記作業端に関連するデータを記憶するように構成されている書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置(12;102)を含んでおり、
前記作業端特定装置(20;100)は、前記工具(10)の前記作業端を認識するために外部から検出可能な方法で前記工具(10)の前記作業端に関連する前記データを提供するように配置されている、工具。
(項目2)
前記作業端特定装置は、少なくとも前記データ記憶装置(12)とアンテナ装置とを備える、低消費電力の通信装置(20)である、項目1に記載の工具。
(項目3)
低消費電力の前記通信装置(20)は、中空体(40)内に収容され、前記中空体(40)は、前記作業端と反対側の前記工具(10)のハンドル端またはシャフト端(30)に配置されており、前記ハンドル端または前記シャフト端(30)を延びる、項目2に記載の工具。
(項目4)
低消費電力の前記通信装置(20)は、前記作業端と反対側の前記工具のハンドル端またはシャフト端(30)に配置されており、その中に埋め込まれている、項目2または3に記載の工具。
(項目5)
低消費電力の前記通信装置(20)は、シャフト部またはハンドル部を包含するリング体(60)内に収容されている、項目2に記載の工具。
(項目6)
前記アンテナ装置は、低消費電力の前記通信装置(20)を収容する前記リング体(60)内でコイル状に形づくられている、項目5に記載の工具。
(項目7)
低消費電力の前記通信装置(20)を収容する前記リング体(60)は、オーバーモールドおよび/またはモールドされたアセンブリとして形成されている、項目5に記載の工具。
(項目8)
低消費電力の前記通信装置(20)は、前記工具上に配置されているベアリング装置(70)の外輪上に環状に配置されており、
前記書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置(12)は、前記ベアリング装置(70)の前記外輪の第1の部分領域上に配置されており、
前記アンテナ装置(14)は、前記ベアリング装置の前記外輪の第2の部分領域上に配置されており、
前記アンテナ装置(14)は、コイル状に形づくられている、項目2に記載の工具。
(項目9)
低消費電力の前記通信装置(20)は、前記工具(10)の外周上に位置決めするためのキャリア要素を形成するスリーブ状またはリング状のスペーサ(80)内に収容されており、
前記書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置(12)は、前記スペーサ(80)の第1の部分領域内に配置されており、
前記アンテナ装置(14)は、前記スペーサの第2の部分領域内に配置されており、
前記アンテナ装置は、コイル状に形づくられている、項目2に記載の工具。
(項目10)
低消費電力の前記通信装置(20)は、前記工具(10)の外周上にスプラッシュガードを形成する要素(90)内に収容されており、
前記書き込み可能および/または読み取り可能なデータ記憶装置(12)は、スプラッシュガードを形成する前記要素(90)の第1の部分領域内に配置されており、
前記アンテナ装置(14)は、前記スプラッシュガード要素の第2の部分領域内に配置されており、
前記アンテナ装置(14)は、コイル状に形づくられている、項目2に記載の工具。
(項目11)
前記スプラッシュガードを形成する前記要素(90)は、前記工具(10)上に配置されるベアリング装置(70)のためのスプラッシュガード本体である、項目10に記載の工具。
(項目12)
低消費電力の前記通信装置(20)は、RFID装置(20)またはBluetoothLowEnergy装置である、項目2から11のいずれか一項に記載の工具。
(項目13)
前記作業端特定装置は、ユニット(100)であり、前記ユニット(100)は前記工具に一体化されており、前記工具(10)のハンドピース領域内の電気接点(104)を介して外部制御装置と接続可能である、項目1に記載の工具。
(項目14)
前記工具(10)に一体化された前記ユニット(100)は、前記工具の前記作業端を特定する抵抗器、および/または前記作業端に関連するデータを記憶する記憶装置(102)を備える、項目13に記載の工具。
(項目15)
前記工具(10)に一体化されたユニット(100)は、チャネル状構造(108)を有するハンドル側またはシャフト側の前記工具の端から始まって、前記作業端に向かう方向に前記工具(10)内を延びており、
前記工具の前記作業端を特定する抵抗器、および/または前記作業端に関連するデータを記憶する前記記憶装置(102)は、前記作業端に面する第1の端で、前記チャネル状構造(108)内に配置されており、
前記電気接点(104)は、前記作業端に対して背を向ける方に面する第2の端に配置されており、
少なくとも1つの導電部(110)は、前記抵抗器および/または前記記憶装置(102)と電気的に接触し、
前記チャンネル状構造(108)は、絶縁体(112)により包まれており、前記工具(10)に対して前記後者により電気的に絶縁されている、項目13または14に記載の工具。
(項目16)
前記書き込み可能なおよび/または読み取り可能なデータ記憶装置は、少なくとも1つの第2のメモリ領域を含み、前記第2のメモリ領域は、前記少なくとも1つの第1のメモリ領域に記憶されているデータであって、前記工具の前記作業端に関連するデータである前記データ以外の所定のデータを記憶するように構成されている、項目1から15のいずれか一項に記載の工具。