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特許7420810銅アルミノホウケイ酸塩ガラス及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】銅アルミノホウケイ酸塩ガラス及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/093 20060101AFI20240116BHJP
   C03C 3/097 20060101ALI20240116BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C03C3/093
C03C3/097
H05B6/12 305
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021533551
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2019085579
(87)【国際公開番号】W WO2020127213
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】1873528
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501059442
【氏名又は名称】ユーロケラ
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】レウエデ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】コント,マリー
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525058(JP,A)
【文献】特開2001-305320(JP,A)
【文献】特開2018-048057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-14/00
H05B 6/12
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミノホウケイ酸塩ガラスであって、酸化物の質量パーセントで表して、
60%~70%のSiO
13%~20%のAl
1%~9%のB
0~3%のP
0.5%~4%のMgO、
1%~4%のBaO、
0~3%のCaO、
0~3%のSrO、
2%~10%のZnO、
0~2%のLiO、
0~2%のNaO、
0~2%のKO、
0.1%~3%のCuO、
任意選択的に、最大で1%の少なくとも1つの清澄剤;
及び
任意選択的に、CuO以外の、最大で2%の少なくとも1つの着色剤、
を含み、
MgO+BaO+CaO+SrO≦6%、
0.2%≦LiO+NaO+KO≦2%、及び
+MgO+LiO-(BaO+CaO+SrO+CuO)<6.4%
の組成のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項2】
前記組成物が0~1%のLiOを含む、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項3】
前記組成物が、回避できない微量を除き、SrOを含まない、請求項1又は2に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項4】
前記組成物が0.5%~1.8%のCuOを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項5】
前記組成物が、CuO以外の少なくとも1つの着色剤を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの着色剤が、Fe、CoO、NiO、Cr、MnO、及びV、並びにそれらの混合物から選択される、請求項5に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項7】
- 1680℃未満における30Pa.s(300ポアズ)の粘度;
- 前記液相温度における500Pa.s(5000ポアズ)超の粘度;
- 30Pa.sにおける100Ω.cm未満の電気抵抗率;
- 20℃~300℃における30×10-7/℃未満の熱膨張係数(CTE);及び
- DIN12-116規格を使用して測定して、250mg/dm未満の酸による攻撃に対する耐性(単位面積あたり半分の質量損失)
を示す、請求項1から6のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラスで少なくとも部分的に構成される物品であって、特に、グレージング、及び赤外線センサを備えた誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップから選択される、物品。
【請求項9】
グレージング、及び赤外線センサを用いた誘導加熱による調理器電化製品のためのクックトップから選択される要素のための基板としての請求項1から8のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラスの使用。
【請求項10】
+MgO+Li2O-(BaO+CaO+SrO+CuO)<6.0%である、請求項1から7のいずれか一項に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、アルミノホウケイ酸塩ガラスに関する。より詳細には、本発明は、銅を含み、リチウムをほとんど又は全く含まない組成のアルミノホウケイ酸塩ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなアルミノホウケイ酸塩ガラスは、特に、誘導加熱器手段に関連付けるためのクックトップ用の基板としての使用に適している;前記誘導加熱器手段は、今現在、赤外線センサを備えた新世代の誘導コイルを含む。このタイプの誘導加熱器は、最近登場したものである。前記赤外線センサは、クックトップの温度を、300℃を超えないようにより適切に制御するのに役立つ。このようなクックトップを構成する材料の熱膨張係数(CTE)の値に関する要件は、明らかに、放射加熱で用いられるクックトップの対応する要件(このようなクックトップは725℃の高温へと上昇されうる)よりもはるかに厳しくなく、また、それらは、従来の誘導加熱で用いられるクックトップの要件(このようなクックトップは、例外的にのみ450℃、概して最大で400℃に達する温度にさらされる)よりも厳しくない。
【0003】
したがって、本出願のアルミノホウケイ酸塩ガラスは、誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップのこの特定の状況で開発された;ここで、前記誘導加熱器手段には赤外線センサを備えた誘導コイルが含まれる。それにもかかわらず、このようなガラスの使用は、決して上記状況に限定されない。
【0004】
長年にわたり、加熱器手段(従来型でありうる、又は赤外線センサを備えうる、放射加熱又は誘導加熱)に関連するクックトップは、主にガラスセラミックのクックトップであった。本出願人は、次の3タイプを販売している:
- 暗色、黒色、バルク着色された(主結晶相としてβ-石英の固溶体を含むアルミノケイ酸リチウムタイプの)ガラスセラミック製のクックトップ;これらの着色は熱処理の結果である。このようなクックトップは、特に、特許文献1及び特許文献2に記載されている;
- 白又は暗灰色の半透明の(主結晶相としてβ-スポジュメンの固溶体を含むリチウムアルミノケイ酸塩タイプの)ガラスセラミック製のクックトップ。このようなクックトップは、特に、特許文献3に記載されている;
- 底面に着色された装飾層(このような加熱器手段を隠す目的で、加熱器手段に面して配置するためのもの)を含み、誘導調理に使用される、淡色の透明な(主結晶相としてβ-石英の固溶体を含むアルミノケイ酸リチウムタイプの)ガラスセラミック製のクックトップ。
【0005】
一般的に、本出願人によって販売されたか他の供給者によって販売されたかにかかわらず、上記のタイプのうち、最初のクックトップがはるかに多く市場に出回っている。
【0006】
ガラスセラミック製のクックトップを製造するためには、従来、次の3つの工程を含む方法が用いられる:
- ガラス化可能な原料の装入物を溶融した後、得られた溶融ガラスを清澄する工程;
- 得られた清澄された溶融ガラスを冷却し、同時に成形する工程;及び
- 前記成形されたガラスにセラミック化熱処理を適用する工程。
【0007】
適切な特性を示すガラスのクックトップを有しつつ、成形されたガラスのセラミック化熱処理を省略することが有利であろうことは明らかである。したがって、従来技術は、性能が良好又は不良であり、製造が多かれ少なかれ容易であるガラスクックトップをすでに記載している。
【0008】
特許文献4には、20~500℃で<20×10-7/℃のCTE値を有するアルミノホウケイ酸塩ガラスが記載されている。しかしながら、これらの材料は、電気通信デバイスを対象としており、このような用途は、本出願に記載されているものとは異なっている。さらには、このようなガラスの組成物は大量の銅(CuO)を含んでおり、本実施例に示されるガラス組成物は、アルカリ金属もアルカリ土類金属も含まない。
【0009】
特許文献5もまた、銅を含む組成のアルミノホウケイ酸塩ガラスについて記載している。このようなガラスは、シーリングの目的で提案されている。与えられた組成は非常に広範である。例となる組成物は、本出願に記載されているものと同じタイプの組成物ではない:それらは、少量のアルミナと大量の酸化ホウ素を含んでいる。対応するガラスは、25℃~500℃において34×10-7/℃を超えるCTE値を示す。したがって、この文献には、本発明のもの(クックトップ)とは完全に異なる用途(シーリング)が記載されており、したがって、同じ技術分野の一部を形成しないだけでなく、該ガラスをクックトップの製造に使用するには、これらのCTE値は高すぎる。
【0010】
1982年以来、誘導加熱器手段と関連付けるための低熱膨張係数(CTE)を有するガラス製のクックトップが特許文献6に記載されている。この文献は、問題のガラスの特性についての情報を提供していない。それにもかかわらず、該組成物は、先験的な比較的低い(<60%)又は比較的高い(>70%)含有量のSiOを含み、銅を含まないものと理解することができる。
【0011】
特許文献7には、アルカリ金属を含まず、銅を含まず、任意選択的にホウ素を含む組成を有するアルミノケイ酸塩ガラスが記載されている。このようなガラスは、低いCTE値(20℃~300℃で≦30×10-7/℃)を示す。このようなガラスは、誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップの基板として特に提案されている。このようなガラスの製造は、それが高温での大きい粘度、大きい抵抗率、及び液相線での非常に小さくなりうる粘度値も示すことから、これまでのところ、ある特定の困難を引き起こす。これはガラスの製造を困難にし、加熱炉の寿命の短縮、高価な耐火材料の使用、及び圧延によって製造されたガラスクックトップにおける欠陥の出現など、製造ツール及びデバイスに影響を与える可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第5070045号明細書
【文献】国際公開第2012/156444号
【文献】米国特許第7671303号明細書
【文献】国際公開第00/27768号
【文献】米国特許第6586087号明細書
【文献】英国特許出願公開第2079119号明細書
【文献】国際公開第2015/009483号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような状況において、本出願人は現在、特許文献7に従って製造されたガラスからクックトップ(又は他の物品)を製造するよりも、このガラスからクックトップ(又は他の物品)を製造することを容易にする、新規アルミノホウケイ酸塩ガラスを提案している。前記新規ガラスは、特に、高温粘度及び高温抵抗率の値の減少、並びに液相線での粘度値の増加に関して、最適化された組成のものであると考えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
具体的には、本出願のアルミノホウケイ酸塩ガラスは、次を組み合わせる:
- 1680℃未満、有利には1660℃未満における30パスカル・秒(Pa.s)(300ポアズ)の粘度、液相温度における500Pa.s(5000ポアズ)超、有利には600Pa.s(6000ポアズ)超の粘度、及び30Pa.sにおける100オーム・センチメートル(Ω.cm)未満の電気抵抗率(この低い抵抗率は、電気的に支援された溶融を使用する場合にガラスが溶融しやすくなる)を示す限りにおいて、それを得るためのプロセスの実装は容易である;前記調製プロセスはまた、セラミック化工程も急速冷却又は硬化も含まないという点で、ガラスセラミックを調製する方法と比較して本質的に有利である;
- 1)リチウムをほとんど又は全く含まない組成(現在、リチウムの入手は以前より困難になっている。いずれにせよ、それはより高価になりつつある元素である。リチウムの入手可能性及び価格における最近の圧力の説明は、リチウム電池を製造するためのリチウムの需要の高まりにある)、及び2)幅広い色のパレットを利用可能にする組成;並びに
- 1)熱膨張の観点から有利な性能(ガラスは、20℃~300℃において低い熱膨張係数(CTE):≦30×10-7/℃を示す)、及び2)酸による攻撃に対する耐性の観点から有利な性能(したがって、DIN12-116規格に準拠して測定して、250ミリグラム/平方デシメートル(mg/dm)未満、好ましくは100mg/dm未満の酸による攻撃に対する耐性(単位面積あたり半分の質量損失)を示す)。
【0015】
本出願の前記アルミノホウケイ酸塩ガラスは、酸化物の質量パーセントで表して、
60%~70%のSiO
13%~20%のAl
1%~9%のB
0~3%のP
0.5%~4%のMgO、
1%~4%のBaO、
0~3%のCaO、
0~3%のSrO、
2%~10%のZnO、
0~2%のLiO、
0~2%のNaO、
0~2%のKO、
0.1%~3%のCuO、
任意選択的に、最大で1%の少なくとも1つの清澄剤、特に、0.1%~1%のSnO;及び
任意選択的に、CuO以外の、最大で2%の少なくとも1つの着色剤
を含み、
MgO+BaO+CaO+SrO≦6%、
0.2%≦LiO+NaO+KO≦2%、及び
+MgO+LiO-(BaO+CaO+SrO+CuO)<6.4%;有利には<6%
の組成を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】その組成におけるCuOの含有量(質量%)の関数としてのガラスの粘度が30Pa.sであった温度(℃)を示すグラフ
図2】本出願のガラス(実施例11のガラス)の可視光におけるスペクトル透過率(T(%))の曲線を示すグラフ
図3】CuOの含有量が多すぎるガラス組成を有する表面における銅結晶の析出を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真(実施例C)(倍率×200)
図4】CuOの含有量が多すぎるガラス組成を有する表面における銅結晶の析出を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真(実施例C)(倍率×1000)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願のガラス(リチウムをほとんど又は全く含まず、銅を含む組成のアルミノホウケイ酸塩ガラス)は、上記質量組成と、それに加えて、上記3つの条件を満たす必要のある、B、アルカリ土類金属、アルカリ金属、及びCuOの含有量を特徴的な方法で提示する。
【0018】
これら3つの条件のうちの最初の条件(MgO+BaO+CaO+SrO≦6%)と「2番目の条件」(LiO+NaO+KO≦2%)は、指定された質量組成を示すガラスが、低い熱膨張係数(CTE)(20℃~300℃において30×10-7/℃未満)を有することを確実にする。本発明者らは、このようなCTE値を示すガラスが、3ミリメートル(mm)から6mmの範囲の典型的な厚さ、特に4mmの厚さを有するクックトップの基板として完全に適しており、前記クックトップが赤外線センサを含む誘導加熱器手段と関連付けるのに完全に適していることを示した。前記クックトップは、チョック又は300℃の温度勾配の下で変形しない、又は壊れない。
【0019】
アルカリ金属(0.2%≦LiO+NaO+KO)の存在に関連する、これらの条件の「2番目」は、高温における低い電気抵抗率(30Pa.sにおいて100Ω.cm未満の電気抵抗率)を確実にする。
【0020】
これら3つの条件の3番目(B+MgO+LiO-(BaO+CaO+SrO+CuO)<6.4%;有利には<6%)は、指定された質量組成を示すこのようなガラスが酸の攻撃に対して有利な耐性(単位面積あたり半分の質量損失)(250mg/dm未満、好ましくは100mg/dm未満)を有することを確実にする。酸による攻撃に対する耐性は、DIN12-116規格に準拠して測定される。本発明者らは、このような酸による攻撃に対する耐性の値が、クックトップ用の基板としてのこのようなガラスを使用することと完全に適合性があることを示した。
【0021】
上で指定した組成の一部を形成する(又はその一部を形成する可能性のある)各成分について、指定された含有量で、以下を指定することができる(ここで、指定された各範囲の(高及び低)極値は、上記の範囲に含まれる)。
【0022】
SiO(60%~70%):SiOの含有量は、酸による攻撃に対する耐性と低い熱膨張係数(CTE)の求められている良好な値に関して、60%以上である。この含有量は、ガラスの(高温)粘度、したがってガラスを得るのに有利な条件に関して、70%を超えない。本出願のガラスのSiO含有量は、有利には、62%~67%の範囲にある。
【0023】
Al(13%~20%):Alの含有量は、ガラスを得る(溶融する)ための有利な条件に関して、指定されたとおりである。具体的には、指定された含有量で存在するAlは、1680℃未満の温度で30Pa.s(300ポアズ)のガラス粘度を得るのに役立つ。含有量が20%を超えると、液相線の粘度が低下し、ガラスの成形がより複雑になる可能性がある。Al含有量は、有利には14%~17%の範囲にある。
【0024】
(1%~9%):本発明のガラスは、その組成にホウ素を含む。ホウ素は、ガラスの(高温)粘度を下げる働きをする。存在する量が多すぎると(B>9%)、ガラスの酸による攻撃に対する耐性が低下する。本発明のガラスの質量組成は、有利には、4%~7%(特に、5%~7%)のBを含む。
【0025】
(0~3%):Pは必ずしも存在するとは限らない。それは、液相線での粘度に関して、有利に存在する。有効であるためには、存在する場合、それは、概して、少なくとも0.1%存在する。存在する量が多すぎると(>3%)、酸による攻撃に対する耐性が低下する。
【0026】
MgO(0.5%~4%):MgOは少なくとも0.5%存在する。これは、ガラスの高温粘度を下げるために用いられる。ガラスの酸による攻撃に対する耐性が深刻な影響を受け、CTEも大幅に増加してしまうため、それは、あまり多くは存在しない(MgO≦4%)。本発明のガラスの質量組成は、有利には、1%~2%のMgOを含む。
【0027】
BaO(1%~4%)、CaO(0~3%)、及びSrO(0~3%):これらは、酸による攻撃に対する十分な耐性を得るために存在する。これらは、特に、この耐性に大きい影響を与える相分離現象を回避できるようにする。BaOの存在は、特に、酸による攻撃に対する耐性にとって不可欠であることが判明している。BaOはまた、ガラスの粘度を下げるのに有用である。1%~4%の範囲で存在するBaOは、有利には、1.5%~3%の範囲で存在する。SrOは最大で3%存在しうる。それにもかかわらず、本出願のガラス組成物は、有利には、SrOを含まない(回避できない微量(<1000パーツ・パー・ミリオン(ppm))を除く)。微量のSrOは、装入物中のリサイクル原料が原因でありうる。CaOも最大で3%存在しうる(ただし、必ずしも存在する必要はない)。有利には、それは最大で1%存在する。
【0028】
ZnO(2%~10%):本出願のガラスの組成物は亜鉛を含む(ZnO≧2%)。この化合物は、主に熱膨張係数(CTE)を低下させるために用いられる。これは、失透を防ぐために、過剰に(ZnO>10%)は用いられない。ZnOは、有利には、5%~7%の範囲の含有量で存在する。
【0029】
LiO(0~2%)、NaO(0~2%)、及びKO(0~2%):これら3つのアルカリ金属酸化物は、ある最小量(少なくとも0.2%)で存在する場合、低い高温粘度(T(30Pa.s)<1680℃)及び低い高温電気抵抗率(30Pa.sにおいて100Ω.cm未満の電気抵抗率)を確実にする(上記を参照)。過剰な量(2%超)で存在する場合、それらはCTEの大幅な増加の原因となる。LiO含有量に関して、本出願のガラスは特に有利である。組成にLiOがなくても仕様を満たすことができる。しかしながら、少量のLiOの存在は、NaO又はKOよりもCTEの増加が少なく、ガラスの高温粘度を低下させるため、興味深い。いずれにせよ、上記の仕様に関して、それは最大2%以下のLiOを含む場合の性能を示している。多かれ少なかれ有利な変形では、リチウムの入手可能性及び価格に対する仕様及び圧力を所与とすると、本出願のガラスの組成は、0~1質量%のLiO(0%≦LiO≦1%)、0.1質量%~1質量%のLiO(0.1%≦LiO≦1%)、0.2質量%~0.6質量%のLiO(0.2%≦LiO≦0.6%)を含む。
【0030】
CuO(0.1%~3%):したがって、CuOは、実質的に、このようなガラスのCTEを制御しつつ、本出願のガラスの高温粘度(前記ガラスは、1680℃未満で30Pa.s(300ポアズ)の粘度を示す)を低下させるために用いられる。3%を超える含有量で存在すると、(成形後の冷却中に)結晶が表面に析出するのが観察される。したがって、CuOは有利には少量で存在する。それは、CTEに対する、及び表面に結晶が沈殿するリスクに対するその有害な影響を考慮に入れつつ、高温粘度、及び酸による攻撃に対する化学的耐性に対するその有益な効果に関連して、有利には、0.5質量%~1.8質量%(0.5%≦CuO≦1.8%)の範囲の含有量で存在する。CuOが着色作用を発揮することについても、現時点で言及することができる。
【0031】
(一又は複数の)清澄剤:ガラスの組成は、有利には、As、Sb、SnO、CeO、MnO、塩化物、フッ化物、又はそれらの混合物など、少なくとも1つの清澄剤を含む。前記少なくとも1つの清澄剤は、(化学清澄を行うための)有効量で存在し、通常、1質量%を超えない。それは、概して、0.05質量%~1質量%の範囲で存在する。
【0032】
好ましい態様では、環境上の理由から、清澄は、SnO、概して、0.05質量%~0.6質量%の範囲のSnO、より具体的には0.15質量%~0.4質量%の範囲のSnOを使用することによって得られる。このような状況下で、本出願のガラスの組成は、AsもSbも含まず、これらの有毒化合物の少なくとも1つを回避できない微量を超えて含まない(As+Sb<1000ppm)。これらの化合物の少なくとも1つが微量で存在する場合、それらは汚染物質として存在する;これは、ガラス化可能な原料の装入物中にカレットタイプの再生材料(両方の化合物で清澄された古いガラスに由来)が存在することに起因する可能性がある。このような状況下では、CeO、塩化物、及び/又はフッ化物などの少なくとも1つの他の清澄剤の組合せの存在は排除されないが、SnOが唯一の清澄剤として用いられることが好ましい。有効量の(一又は複数の)化学清澄剤を欠いていること、若しくは実際に化学清澄剤を欠いていることを完全に排除するものではないことに留意すべきである;その後、清澄を熱的に行うことができる。それにもかかわらず、この除外されていない変形は、決して好ましくない。
【0033】
CuO以外の(一又は複数の)着色剤(任意選択的に、最大で2%):本出願のガラスは、その組成中にCuO(着色剤)が存在することにより、本質的に(すなわち、他の着色剤が添加されていない場合)、わずかに着色している。CuOは淡い緑色を発色する。この淡い着色は、Fe((原料とともに持ち込まれた)不純物として共存する)の含有量とCuOの含有量に応じて、多かれ少なかれ「より暗く」なる。本発明のガラスの組成物は、有利には、CuO以外の少なくとも1つの(添加された)着色剤を含み、それによって、前記ガラスは比較的暗くなる(すなわち、前記ガラスで作られたクックトップの下に配置された要素をマスキングするのに適している)。前記少なくとも1つの(添加された)他の着色剤は、遷移元素の酸化物(NiO、CoO、Cr、Fe、V、MnO、及びそれらの混合物、特に、NiO、CoO、及びFeの混合物)、並びに、希土類の酸化物(Nd、Er、及びそれらの混合物)から、従来の方法で選択されうる。CuOを含まない前記少なくとも1つの(添加された)他の着色剤は、有効量(概して、少なくとも0.001%、より良好には、少なくとも0.05%)で存在し、従来は最大2%、又は実際には最大1%である。組成物中にCuO以外の着色剤が1つ以上添加された本発明のガラスについては、概して、3mm~6mmの範囲、特に4mmに等しい厚さで使用される製品については、10%未満(Y%、以下の例を参照)の積分透過率を有することが望ましい。特に、CuO、NiO、CoO、及びFe着色剤の混合物は、実施例11に関して図2に示されるように、可視域で実質的に平坦なスペクトル透過曲線(T%)を有するガラスを得るために、特に興味深いものである。したがって、このガラスでは、その下に配置された発光ダイオード(LED)によって放出される色合いは、ガラスのスペクトル発光吸収によって修正されない。これは、ガラスのクックトップの下で複数の波長の照明を配置することが所望される場合、外観の観点から最も有利でありうる。
【0034】
上で特定された、本出願のガラスの組成に含まれる、又は含まれる可能性のある成分(SiO、Al、B、P、MgO、BaO、SrO、CaO、ZnO、LiO、NaO、KO、CuO、(一又は複数の)清澄剤、及び/又は(一又は複数の)着色剤)、並びに不可避の不純物は、本出願のガラスの組成の100質量%を完全に十分に表すことができるが、先験的に、ガラスの特性に実質的な影響を与えることなく、少なくとも1つの他の化合物が少量(概して、3質量%)以下)で存在することは完全に不可能というわけではない。特に、次の化合物は、3質量%以下の合計含有量で存在することができ、それぞれ、2質量%以下の合計含有量で存在しうる:Nb、Ta、WO、及びMoO。不可避の不純物は5000ppm以下を示す必要があることに注意すべきである。
【0035】
上で特定されたように、本出願のガラスの組成物に含まれる、又は含まれる可能性のある成分(SiO、Al、B、P、MgO、BaO、SrO、CaO、ZnO、LiO、NaO、KO、CuO、(一又は複数の)清澄剤、及び(一又は複数の)着色剤)、並びに不可避の不純物は、したがって、本出願のガラスの組成物の少なくとも97質量%、又はさらには少なくとも98質量%、又はさらには少なくとも99質量%、又はさらには実際に100質量%を示す(上記参照)。
【0036】
本出願のガラスは、特に、次のように有利である:
- それを取得するプロセスに関して;このプロセスには明らかにセラミック化工程が含まれておらず、このようなガラスが次のことを示す限り、実行することは簡単である:
+ 1680℃未満、有利には1660℃未満で30Pa.s(300ポアズ)の粘度;
+ 液相温度における500Pa.s(5000ポアズ)超、有利には600Pa.s(6000ポアズ)超の粘度;及び
+ 30Pa.sにおける100Ω.cm未満の電気抵抗率;
- 組成物には、LiOが含まれていないか、又はほとんど含まれておらず、可視光で所望の透過曲線を取得する(このようなガラスをさまざまな波長のLEDと適合性があるものにする)ように簡単に調整することができること;及び
- その特性に関して、赤外線センサを備えた誘導加熱器手段に関連するクックトップを構成する材料としての使用に特に適していること:
+ 20℃から300℃における30×10-7/℃未満の熱膨張係数(CTE)。該ガラスは、急冷せずにクックトップの基板として使用することができる。任意選択的に、ガラスを急冷すると、熱衝撃に対する耐性などの熱機械的特性を向上させることができる;かつ
+ DIN12-116規格に準拠して測定して、250mg/dm未満、好ましくは100mg/dm未満の酸による攻撃に対する耐性(単位面積あたり半分の質量損失)。
【0037】
第2の態様では、本出願は、少なくとも部分的に上述のアルミノホウケイ酸塩ガラスから作られた物品を提供し、特に、グレージング、及び赤外線センサを備えた誘導加熱を有する調理用電化製品用のクックトップ(=赤外線センサを備えた誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップ)から選択される。このガラスは、大きい熱衝撃に耐える必要がある任意の用途、又は300℃の振幅の大きい温度勾配にさらされる用途にとって有利である。言い換えれば、本出願はまた、グレージングから、及び赤外線センサを備えた誘導加熱を有する調理用電化製品のクックトップ(=赤外線センサを備えた誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップ)から選択される要素のための基板として、上述のアルミノホウケイ酸塩ガラスの使用を提供する。
【0038】
本出願のガラス(及び物品)を入手するためのプロセスに関しては、それ自体は決してオリジナルではないことが理解されうる。それは、用いられる原料を溶融することによってガラスを得る従来のプロセスであり(この溶融は、1500℃~1680℃の範囲で前記原料の揮発を最小限に抑えつつ、有利に実行される)、前記溶融に続いて、得られた溶融ガラスを清澄化し、次に概して同時に、前記清澄化した溶融ガラスを冷却及び成形し(求められる物品にとって望ましい形状、したがって、多くの場合はプレートの形状へと成形する)、最後に残留拘束を排除するためにアニールする。
【0039】
本出願は、以下の実施例及び添付の図面によって以下に例示されている。
【0040】
より正確には、実施例1~16は本願を示し、実施例A、B、及びCは比較例である。
【実施例
【0041】
ガラスの調製プロセス:原料の1キログラム(kg)バッチを調製した。表IA、IB、IC、ID、及びIIの最初の部分に記載された比率(これらの比率は酸化物の重量%として表されている)で、原料を注意深く混合した。溶融するために、この混合物を白金るつぼに入れた。次に、混合物を含むるつぼを1550℃に予熱した加熱炉に挿入した。その内部で、それらを次の溶融サイクルに供した:
- 1550℃で15分間維持する;
- 30分かけて、温度を1550℃から1670℃に上昇させる;及び
- 1670℃で390分間維持する。
【0042】
次に、これらのるつぼを加熱炉から取り出し、溶融ガラスを予熱した鋼板に注いだ。それをプレート上で4mm~6mmの範囲の厚さに圧延した。このようにしてガラスプレートを得た。それらを750℃で1時間、アニールした。
【0043】
このようにして実験室規模で得られた結果は、完全に産業規模へと転用可能である。
【0044】
特性
得られたガラスの特性は、前記表IA、IB、IC、ID、及びIIの第2の部分に示されている。
【0045】
粘度は、回転粘度計(Thermo HAAKE VT550)を使用して測定した。
【0046】
(30Pa.s)(℃)は、ガラスの粘度が30Pa.s(=300ポアズ)であった温度に対応する。
【0047】
ガラスの抵抗率は、4点接触のRLCプローブを使用して、1センチメートル(cm)の厚さの溶融ガラス上で、高温で測定した。表は、粘度が30Pa.sであった温度で測定された抵抗率を示している。
【0048】
liq(℃)は、液相温度である。具体的には、液相線は温度範囲及びそれに関連する粘度によって与えられる:最高温度は結晶が観察されなかった最低温度に対応し、最低温度は結晶が観察された最高温度に対応する。
【0049】
指定されたCTEは、20℃から300℃までにおける熱膨張係数である。
【0050】
指定された酸による攻撃に対する耐性は、DIN12-116規格に従って測定した。
【0051】
得られたガラスの光学特性に関しては、積分球を有するVarian分光光度計(Cary 500 Scan)を用いて、厚さ4mmの調製したガラス試料の一部について、全透過率及び拡散透過率の測定を行った。これらの測定値から、積分透過率(Y又はTL(%))を計算した。
【0052】
以下に、表IA、IB、IC、ID(本出願の実施例1~16)及びII(比較例A、B、及びC)を示す。
【0053】
【表1A】
【0054】
【表1B】
【0055】
【表1C】
【0056】
【表1D】
【0057】
【表2】
【0058】
コメント
本出願(実施例1~16)のすべてのガラス試料は、次を示した:
- 1680℃未満における30Pa.s(300ポアズ)の粘度;
- 液相温度における500Pa.s(5000ポアズ)超の粘度;
- 30Pa.sにおける100Ω.cm未満の電気抵抗率:
- 20℃~300℃における30×10-7/℃未満の熱膨張係数(CTE);及び
- DIN12-116規格に準拠して測定して、250mg/dm未満の酸による攻撃に対する耐性(単位面積あたり半分の質量損失)。
【0059】
ガラスの高温粘度に対する組成物中のCuO含有量の影響が、以下の表III及び添付の図1に示されている。
【0060】
【表3】
【0061】
SiO及び溶融剤酸化物(BaO+MgO+CaO+LiO+NaO+CuO+KO)の組成における同様の含有量では、前記組成物中のCuOの含有量が増加すると、溶融混合物が30Pa.s(300ポアズ)の粘度を示す温度の低下につながる。言い換えれば、組成物内のCuOの存在は、浴の溶融温度を下げるのに特に効果的である;したがって、エネルギー消費と工具摩耗の点で特に有利である(よって、溶解炉の寿命を延ばすことができる)。
【0062】
着色剤として、実施例1~8のガラスは、CuO((CTEを低下させることなく)実質的にガラスの粘度を下げるために添加される)及びFe((原料と共に持ち込まれる)不純物として存在する)を含む。着色はほとんどなかった(実施例7及び8のガラスで得られたY値を参照)。
【0063】
CuO(及び、不純物として存在するFe)に加えて、着色剤(NiO、CoO、Cr、Fe、及びそれらの混合物から選択される)を組成物に含めることにより、暗黒色を呈するガラスが得られた。該ガラスは、4mmの厚さで、6%未満の可視光での積分された透過値Y%を示している(実施例9~16)。したがって、赤外線センサを備えた誘導加熱への適用については、存在する着色剤の性質及び含有量を変化させることにより、国際公開第2012/156444号に記載されたクックトップに「類似」したクックトップを製造することが完全に可能である。
【0064】
可視光で得られたスペクトル透過曲線(T%)が実質的に平坦であることが観察される場合もある(実施例11に関連する図2を参照)。したがって、本出願のガラスは、複数の波長でLEDと適合性がある。これは、ガラスのクックトップの下に複数の波長で照明を配置することが所望される場合に、外観の観点から非常に有利でありうる。
【0065】
比較例A~C(表II)は、それぞれ、次に関する:
- アルカリもCuOも含まない組成のガラス(実施例A)。前記ガラスは高すぎるT(30Pa.s)及び抵抗率を有していた;
- B+MgO+LiO-(BaO+CaO+SrO+CuO)の値が過剰(6.6%>6.4%)である組成のガラス(実施例B)。これは、酸による攻撃に対する前記ガラスの耐性に悪影響を及ぼした(395mg/dm>250mg/dm);及び
- CuO含有量が多すぎる(3.55%>3%)組成のガラス(比較例C)。銅の結晶の表面への析出が観察された(図3及び4)。
【0066】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0067】
実施形態1
アルミノホウケイ酸塩ガラスであって、酸化物の質量パーセントで表して、
60%~70%のSiO
13%~20%のAl
1%~9%のB
0~3%のP
0.5%~4%のMgO、
1%~4%のBaO、
0~3%のCaO、
0~3%のSrO、
2%~10%のZnO、
0~2%のLiO、
0~2%のNaO、
0~2%のKO、
0.1%~3%のCuO、
任意選択的に、最大で1%の少なくとも1つの清澄剤;及び
任意選択的に、CuO以外の、最大で2%の少なくとも1つの着色剤、
を含み、
MgO+BaO+CaO+SrO≦6%、
0.2%≦LiO+NaO+KO≦2%、及び
+MgO+LiO-(BaO+CaO+SrO+CuO)<6.4%;有利には<6%
の組成のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0068】
実施形態2
前記組成物が、0~1%のLiO、有利には0.1%~1%のLiO、最も有利には0.2%~0.6%のLiOを含む、実施形態1に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0069】
実施形態3
前記組成物が、回避できない微量を除き、SrOを含まない、実施形態1又は2に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0070】
実施形態4
前記組成物が0.5%~1.8%のCuOを含む、実施形態1から3のいずれかに記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0071】
実施形態5
前記組成物が、CuO以外の少なくとも1つの着色剤、有利にはCuO以外の、0.001%~2%の少なくとも1つの着色剤、最も有利にはCuO以外の、0.05%~2%の少なくとも1つの着色剤を含む、実施形態1から4のいずれかに記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0072】
実施形態6
前記少なくとも1つの着色剤が、Fe、CoO、NiO、Cr、MnO、及びV、並びにそれらの混合物から選択され、特に、NiO、CoO、及びFeの混合物である、実施形態5に記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0073】
実施形態7
- 1680℃未満、有利には1660℃未満における、30Pa.s(300ポアズ)の粘度;
- 前記液相温度における、500Pa.s(5000ポアズ)超、有利には600Pa.s(6000ポアズ)超の粘度;
- 30Pa.sにおける100Ω.cm未満の電気抵抗率;
- 20℃~300℃における30×10-7/℃未満の熱膨張係数(CTE);及び
- DIN12-116規格を使用して測定して、250mg/dm未満の酸による攻撃に対する耐性(単位面積あたり半分の質量損失)
を示す、実施形態1から6のいずれかに記載のアルミノホウケイ酸塩ガラス。
【0074】
実施形態8
実施形態1から7のいずれかに記載のアルミノホウケイ酸塩ガラスで少なくとも部分的に構成される物品であって、特に、グレージング、及び赤外線センサを備えた誘導加熱器手段と関連付けるためのクックトップから選択される、物品。
【0075】
実施形態9
グレージング、及び赤外線センサを用いた誘導加熱による調理器電化製品のためのクックトップから選択される要素のための基板としての実施形態1から8のいずれかに記載のアルミノホウケイ酸塩ガラスの使用。
図1
図2
図3
図4