(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】2成分無溶剤接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
C09J 175/06 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
C09J175/06
(21)【出願番号】P 2021552807
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(86)【国際出願番号】 US2020020921
(87)【国際公開番号】W WO2020180948
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-28
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】リー、ツォーチ
(72)【発明者】
【氏名】ズパンシック、ジョセフ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヨンキー、マシュー エム.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ポール ジー.
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、トルステン
(72)【発明者】
【氏名】カワモト、ケン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウェンウェン
【審査官】橋本 栄和
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-524029(JP,A)
【文献】特開2008-169373(JP,A)
【文献】特表2015-507032(JP,A)
【文献】特開2006-299252(JP,A)
【文献】国際公開第2018/222298(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 175/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)イソシアネート成分と、
(B)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含むポリオール成分と、の反応生成物を含む、2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリオール成分が、さらにリン酸末端ポリオールを含む、請求項1に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項3】
前記ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールが、500g/mol~8,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する、請求項1または2に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールが、500g/mol未満の重量平均分子量(Mw)を有する種を55重量%未満含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリオール成分が、ポリオール成分の総重量に基づいて、0.5重量%~35重量%のリン酸末端ポリオールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート成分が、脂肪族イソシアネートプレポリマーである、請求項1~5のいずれか一項に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項7】
前記リン酸末端ポリオールが、構造(C)を有し、
【化1】
式中、R
4がエーテル基および置換エーテル基からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の2成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項8】
ラミネートであって、
第1の基材と、
第2の基材と、
前記第1の基材と前記第2の基材との間の接着剤層であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の2成分無溶剤接着剤組成物から形成された接着剤層と、を含むラミネート。
【請求項9】
前記第1の基材が金属箔フィルムであり、前記第2の基材がポリプロピレンフィルムであり、前記ラミネートが、0.50N/2.54cm~5.0N/2.54cmの化学的エージング後の結合強度を有する、請求項8に記載のラミネート。
【請求項10】
前記第1の基材が金属箔フィルムであり、前記ラミネートが、3.5N/2.54cm~10.0N/2.54cmのボイルインバッグ試験後の結合強度を有する、請求項8に記載のラミネート。
【請求項11】
2成分無溶剤接着剤組成物を形成する方法であって、
(A)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含むポリオール成分を提供すること;
(B)イソシアネート成分を提供することと、
(C)前記ポリオール成分と前記イソシアネート成分とを反応させて、2成分無溶剤接着剤組成物を形成することと、を含む方法。
【請求項12】
(i)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールと、
(ii)リン酸末端ポリオールと、を含むポリオール成分を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無溶剤接着剤で形成されたラミネートは、化学的エージング後、および/または、ボイルインバッグ試験などの高温試験後に、接着性の低下を示すことが多い。これらのラミネートは、熱および/または化学物質への曝露後に一定期間十分な接着性を必要とする食品包装および深絞り加工缶などのラミネート用途には適していない。接着が不十分な場合、ラミネート構造にバブリングおよび層間剥離などの欠陥が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
当技術分野では、熱および/または化学物質への曝露後において基材間の十分な接着性を示す無溶剤接着剤に対するニーズが認識されている。当技術分野でさらに認識されているのは、化学的エージング、高温、および/またはバッグインボイル試験に曝露されるラミネート構造において接着性を維持する接着剤組成物に対するニーズである。
【0003】
本開示は、2成分無溶剤接着剤組成物を提供する。2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)イソシアネート成分と、(B)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、の反応生成物を含有する。
【0004】
本開示はまた、2成分無溶剤接着剤組成物を形成する方法を提供する。本方法は、(A)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分を提供することと、(B)イソシアネート成分を提供することと、(C)ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて、2成分無溶剤接着剤組成物を形成することと、を含む。
【0005】
定義
元素周期表へのいかなる参照も、CRC Press,Inc.によって1990~1991に発行されたときのものである。この表の元素の族についての言及は、族に番号を付けるための新たな表記法によるものである。
【0006】
米国特許実務の目的では、任意の参照されている特許、特許出願、または出版物の内容は、特に定義の開示(特に本開示で提供されている任意の定義と矛盾しない範囲で)および当技術分野では一般的な知識に関して、参照によってそれらの全体が組み込まれる(あるいはその同等の米国版がそのように参照によって組み込まれる)。
【0007】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値からのすべての値を含み、また上限値および下限値を含む。明示的な値を含有する範囲(例えば、1、または2、または3~5、または6、または7の範囲)の場合、2つの明示的な値の間の部分範囲が含まれる(例えば、上記の範囲1~7には、部分範囲1~2、2~6、5~7、3~7、5~6等)。
【0008】
別途の記載がない限り、文脈から暗黙的、または当技術分野で慣例でない限り、すべての部およびパーセントは重量に基づき、すべての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0009】
「アルキル」という用語は、脂肪族炭化水素から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される有機ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状またはそれらの組み合わせであることができる。
【0010】
「アリール基」は、単一の芳香族環、あるいは一緒に縮合しているか、共有連結しているか、またはメチレンもしくはエチレン部分などの共通基に連結している複数の芳香族環であり得る、芳香族置換基を指す。
【0011】
「アミド」は、その構造にN-C=O部分を含む化合物である。
【0012】
「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0013】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の成分、ステップ、または手順が、本明細書で具体的に開示されているかに関わらず、それらの存在を除外するよう意図されない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、または手順を除く。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないあらゆる成分、ステップ、または手順も除く。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用には、複数形の使用が含まれ、逆の場合も同じである。
【0014】
「ジカルボン酸」は、2つのカルボキシル(-COOH)基を含む化合物である。
【0015】
「エーテル基」は、2つのアルキル基またはアリール基に結合した酸素原子を含有する部分である。「置換エーテル基」は、アルキルまたはアリールの任意の炭素に結合した1個以上の水素原子が、ホスフェート、ヒドロキシ、およびそれらの組み合わせなどの別の基によって交換されたエーテルを指す。
【0016】
「炭化水素」は、水素および炭素原子のみを含有する化合物である。炭化水素は、(i)分岐鎖状または非分岐鎖状、(ii)飽和または不飽和、(iii)環状または非環状、および(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせであり得る。炭化水素の非限定的な例としては、アルキル、アリール、アルカン、アルケン、およびアルキンが挙げられる。
【0017】
「イソシアネート」は、その構造に少なくとも1つのイソシアネート基を含有する化合物である。イソシアネート基は、式:-N=C=Oで表される。「ポリイソシアネート」(または「多官能性イソシアネート」)は、2つ以上、または少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートである。2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネートは、ジイソシアネートであり、3つのイソシアネート基を有するイソシアネートは、トリイソシアネートである(以下略)。イソシアネートには、芳香族イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族イソシアネート、および脂肪族ポリイソシアネートが含まれる。
【0018】
「ポリカーボネート」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上の炭酸基を含有する化合物である。
【0019】
「ポリエステル」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上のエステル結合を含有する化合物である。
【0020】
「ポリエステルポリオール」は、ポリエステルでありかつポリオールである化合物である。好適なポリエステルポリオールの非限定的な例としては、ジオール、ポリオール(例えば、トリオール、テトラオール)、ジカルボン酸、ポリカルボン酸(例えば、トリカルボン酸、テトラカルボン酸)、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、およびそれらの組み合わせの重縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールはまた、遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または低級アルコールの対応するポリカルボン酸エステルから誘導され得る。
【0021】
「ポリマー」は、同じ種類であるか異なる種類であるかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物である。したがって、ポリマーという総称は、「ホモポリマー」(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下で、1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および「インターポリマー」という用語を包含し、これはコポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すのに用いられる)、ターポリマー(3つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる)、および3つより多くの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。微量の不純物、例えば、触媒残渣が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る。それはまた、すべての形態のコポリマー、例えば、ランダム、ブロックなども包含する。ポリマーは多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「から作製されて」いること、特定のモノマーまたはモノマーの種類「に基づいて」いること、特定のモノマー含有量「を含有して」いるなどと称されるが、この文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合残余物を指していることが理解される。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0022】
「ポリオール」は、複数のヒドロキシル(-OH)基を含有する有機化合物である。言い換えれば、ポリオールは、少なくとも2つの-OH基を含有する。好適なポリオールの非限定的な例には、ジオール(2つの-OH基を含有する)およびトリオール(3つの-OH基を含有する)が含まれる。
【0023】
「無溶剤接着剤」は、溶剤を欠いているか、または溶剤を実質的に欠いている接着剤組成物である。
【0024】
試験方法
酸価(または酸性度指数)は、ASTM D 1386/7に従って測定する。酸価は、成分または組成物中に存在するカルボン酸の量の尺度である。酸価は、物質(例えば、ポリオール)1グラム中に存在する遊離カルボン酸の中和に必要とされる水酸化カリウムのミリグラム数である。酸価の単位は、mg KOH/gである。
【0025】
ガラス転移温度(Tg)は、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,278-279(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されているように、サンプルの半分が液体熱容量を得た状態の示差走査熱量測定(DSC)の加熱曲線から決定される。ガラス転移領域の下および上からベースラインを引き、Tg領域を介して外挿する。サンプルの熱容量がこれらのベースラインの中間となる温度が、Tgである。ガラス転移温度の単位は、摂氏温度(℃)である。
【0026】
ヒドロキシル価(またはOH価)は、成分または組成物中に存在するヒドロキシル基の数の尺度である。OH価は、1グラムの物質中のヒドロキシル基を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数である(mg KOH/g)。OH価は、DIN 53240に従って決定される。
【0027】
粘度は、ASTM D2196に従って25℃および40℃で測定される。粘度は、mPa・sで報告する。
【0028】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用して測定される。
【0029】
「Z平均分子量」(Mz)は、第3のモーメント平均モル質量である。Mzは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用して測定される。
【0030】
Mw、Mn、およびMzは、次の式(1)~(3)に従って計算される。
【数1】
式中、Wfiは、i番目の成分の重量分率であり、Miは、i番目の成分の分子量である。多分散性は、次の式(4)に従って計算される。
【数2】
【0031】
ポリオールのMwが500g/mol未満、Mwが1000g/mol未満の種の含有量は、PolymerChar Inc.のソフトウェア「GPC One」を使用して、次の式(5)を使用して測定される。
【数3】
式中、Wf
jは、分子量が500g/molまたは1,000g/molをそれぞれ下回るj番目の成分の重量分率である。
【0032】
結合強度(90度T型剥離試験)
結合強度は、90度ハンドアシストT型剥離試験に従って測定される。最初のT型剥離結合強度試験のために、50℃のオーブンで2日間硬化させた後、ラミネートを幅2.54cmのストリップに切断する。50Nのロードセルを備えたThwing Albert(商標)QC-3A剥離試験機を10インチ/分の速度で動作させる。試験中、ストリップの尾部を指で少し引っ張り、尾部が剥離方向に対して90度の向きに維持されていることを確認する。平均結合強度(2.54cmあたりのニュートン(N/2.54cm))は、力対距離のプロファイルから決定される。3つのサンプルを試験し、平均の「結合強度」を報告する。
【0033】
接着強度は、ラミネートの形成の1、2、4、7または14日後に測定する。接着強度は、化学的エージングとボイルインバッグ試験の後にも測定する。
【0034】
ボイルインバッグおよび化学的エージングのためのパウチの調製
23cm×30.5cmのラミネートを折り重ねて、23cm×15.3cmの構造を提供し、この構造は、第1の側面および第2の側面を有する。第1の側面および第2の側面は各々、同じラミネートから形成される。第1の側面の第2の基材(LDPEフィルムまたはキャストポリプロピレンフィルム)は、第2の側面の第2の基材(LDPEフィルムまたはキャストポリプロピレンフィルム)に接触している。上記構造は、1つの折り重なった縁部と3つの開放された縁部を含む4つの縁部を持つ。縁部は、裁紙機で切り取られ、12.7cmx17.8cmの折り重なった構造になる。開いた縁部のうちの2つをヒートシールして、パウチを形成する。ヒートシールは、177℃、1秒間、油圧276kPaで行われる。各例から4~6個のパウチが作られる。
【0035】
各パウチに残りの開いた縁部から100mLのソース(ケチャップ、酢、植物油の1:1:1の重量混合物)を充填する。ヒートシールの破損を防ぐために、ソースがヒートシール領域に飛び散らないようにする。充填後、閉じたパウチ内の空気の閉じ込めを最小限に抑える方法で、開いた縁部をヒートシールする。それぞれの閉じたパウチは、4つの閉じた縁部と、10.2cmx15.2cm(ソースが充填されている)の内部空間を有する。各ヒートシールの完全性を目視で検査して、シールに、試験中にパウチに漏れを生じさせる欠陥がないことを確認する。欠陥が疑われるパウチは廃棄して、交換する。
【0036】
ボイルインバッグ.ポットに2/3の水を入れ、沸騰させる。沸騰しているポットに蓋をして、水および蒸気の損失を最小限にする。各サンプルの2~3個のパウチを個別に沸騰したお湯に入れ、沸騰したお湯に30分間入れておく。次に、パウチを沸騰したお湯から取り出し、トンネリング、バブリング、ブリスター、層間剥離、および/または漏れがないか目視で検査する。パウチを切り開き、ソースを空にし、石鹸と水ですすぐ。パウチ(ヒートシール領域を除く)から、ラミネートの1つ以上のストリップ(幅2.45cm)を切り取る。ラミネートの結合強度を、上記の90度T型剥離試験に従って測定する。パウチからソースを空にした後、できるだけ早く結合強度を測定する。パウチの内部を欠陥がないか目視で検査する。
【0037】
化学的エージング.各サンプルのソースが充填された2~3個のパウチを、温度60℃の対流式オーブンに100時間入れる。次に、パウチをオーブンから取り出し、室温まで冷却し、トンネリング、バブリング、ブリスター、層間剥離、および/または漏れがないか目視で検査する。パウチを切り開き、ソースを空にし、水ですすぐ。パウチ(ヒートシール領域を除く)から、ラミネートの1つ以上のストリップ(幅2.54cm)を切り取る。ラミネートの結合強度を上記の90度T型剥離試験に従って測定する。パウチからソースを空にした後、できるだけ早く結合強度を測定する。パウチの内部を欠陥がないか目視で検査する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、2成分無溶剤接着剤組成物を提供する。2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)イソシアネート成分と、(B)ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、の反応生成物を含有する。
【0039】
A.イソシアネート成分
2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)イソシアネート成分(NCO成分)と、(B)ポリオール成分と、の反応生成物を含有する。
【0040】
好適なNCO成分の非限定的な例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、カルボジイミド修飾イソシアネート、ポリイソシアネート三量体、多官能イソシアネート、イソシアネートプレポリマー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
「芳香族イソシアネート」(または「芳香族ポリイソシアネート」)は、1つ以上の芳香族環を含有するイソシアネートである。適切な芳香族イソシアネートの非限定的な例としては、メチレンジフェニルジポリイソシアネート(MDI)の異性体、カルボジイミド修飾MDIまたはアロファネート修飾MDIなどの修飾MDI、トルエン-ジポリイソシアネート(TDI)の異性体、ナフタレン-ジポリイソシアネート(NDI)の異性体、フェニレンジポリイソシアネート(PDI)の異性体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
「脂肪族イソシアネート」(または「脂肪族ポリイソシアネート」)は、芳香環を欠いているか、または含有しないイソシアネートである。脂肪族イソシアネートには、化学鎖が環構造になっている脂環式イソシアネートが含まれる。一実施形態では、脂肪族イソシアネートは、直鎖状アルキレン基、分岐鎖状アルキレン基、または環状アルキレン基の中に、3個、または4個、または5個、または6~7個、または8、10、12個、または13個、または14個、または15個、または16個の炭素原子を含む。好適な脂肪族イソシアネートの非限定的な例としては、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、エチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロピルシクロヘキサンジイソシアネート、メチルジエチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、ノナントリイソシアネート、デカンジおよびトリイソシアネート、ウンデカンジおよびトリイソシアネート、ドデカンジおよびトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、2-メチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート、それらの異性体、二量体、および/または三量体、ならびに、それらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
「ポリイソシアネート三量体」は、触媒の存在下でジイソシアネートを三量体化することによって調製される反応生成物である。ポリイソシアネート三量体の非限定的な例は、2,4-TDI三量体である(当該ポリイソシアネート三量体は、CAS26603-40-7で利用可能)。
【0044】
一実施形態では、イソシアネートは、多官能イソシアネートである。別の実施形態では、多官能イソシアネートは、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる一実施形態では、多官能イソシアネートは、ジイソシアネートである。
【0045】
「イソシアネートプレポリマー」は、ポリイソシアネートと少なくとも1つのポリオールとの反応生成物である。ポリイソシアネートは、化学反応でポリオールに結合して、イソシアネートプレポリマーを形成する。好適なポリイソシアネートの非限定的な例には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、カルボジイミド修飾ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせが含まれる。イソシアネートプレポリマーを形成するために使用される好適なポリオールの非限定的な例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリオール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、イソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートと、ポリオールと、任意選択の触媒との反応生成物である。好適な触媒の非限定的な例としては、ジラウリン酸ジブチルスズ、酢酸亜鉛、2,2-ジモルホリノジエチルエーテル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
一実施形態では、イソシアネートは、脂肪族イソシアネートプレポリマーである。好適な脂肪族イソシアネートプレポリマーの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なMOR-FREE(商標)C-33である。
【0047】
NCO成分は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0048】
B.ポリオール成分
2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)NCO成分と、(B)ポリオール成分と、の反応生成物を含有する。ポリオール成分は、ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含有する。
【0049】
ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオール
ポリオール成分は、ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオールを含有する。
【0050】
「ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオール」(または「PE-A PC」)は、ポリエステル、アミド、ポリカーボネートおよびポリオールである化合物である。PE-A PCは、脂肪族および芳香族二酸モノマー(アジピン酸(AA)およびイソフタル酸など)、脂肪族ジオールモノマーおよびポリエーテルジオールモノマー(エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール(HDO)、ネオペンチルグリコール(NPG)、および1,2-プロパンジオール(PDO)など)を含むジオールモノマー、カーボネートモノマーまたはポリカーボネート(ポリ(1,4-ブタンジオール-カーボネート)(BDO-PC)など)、アミドモノマー(エチレンジアミン(EDA)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)またはエタノールアミンなど)を反応させることにより調製できる。
【0051】
一実施形態では、PE-A PCは、(i)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(ii)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(iii)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(iv)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(v)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびエタノールアミンの反応生成物、ならびに(vi)それらの組み合わせ、から選択される。
【0052】
一実施形態では、PE-A PCは、構造(A)を有する。
【化1】
nは1または2~5であり、pは1または2~30であり、mは1または2~20であり、
R
1は、-(CH
2)4-、
【化2】
から選択され、
R
2は、-(CH
2)
4-および-(CH
2)
6-から選択され、
R
3は、-(CH
2)
2-、-(CH
2)
4-、-(CH
2)
6-、-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-、-CH
2-C(CH
3)-、
-CH
2-CH(CH
3)-CH
2-および-CH
2-C(CH
3)
2-CH
2-から選択され、
R
4は、O、NH、NCH
3、NCH
2CH
3から選択され、
R
5は、O、NH、NCH
3、NCH
2CH
3から選択され、ただし、R
4およびR
5は両方ともOではない。
【0053】
一実施形態では、PE-A PCは、500g/molもしくは1000g/molから、1700g/mol、2000g/mol、3000g/mol、5000g/molもしくは8000g/molまでの、または、500g/mol~8000g/mol、1000g/mol~5000g/molもしくは1000g/mol~2000g/molの、数平均分子量Mnを有する。
【0054】
一実施形態では、PE-A PCは、500g/molもしくは2000g/molから、3500g/molもしくは5000g/molまでの、または500g/mol~5000g/molもしくは2000g/mol~3500g/molの、重量平均分子量Mwを有する。
【0055】
一実施形態では、PE-A PCは、1.5もしくは1.6から、1.9、2.2もしくは2.5までの、または、1.5~2.5もしくは1.6~1.2のMw/Mnを有する。
【0056】
一実施形態では、PE-A PCは、0.01mg KOH/gから、1.6mg KOH/gもしくは2.0mg KOH/gまでの、または、0.01mg KOH/g~2.0mg KOH/gもしくは0.01mg KOH/g~1.6mg KOH/gの、酸価を有する。
【0057】
別の実施形態では、PE-A PCは、100mg KOH/gから、150mg KOH/gもしくは200mg KOH/gまでの、または、100mg KOH/g~200mg KOH/gもしくは100mg KOH/g~150mg KOH/gのOH価を有する。
【0058】
一実施形態では、PE-A PCは、-90℃、-80℃もしくは-75℃から、-65℃、-60℃、-55℃もしくは-50℃まで、または、-90℃~-50℃もしくは-80℃~-55℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0059】
一実施形態では、PE-A PCは、25℃で、500mPa・sもしくは1000mPa・sから、3000mPa・sもしくは5000mPa・sまで、または、500mPa・s~5000mPa・sもしくは900mPa・s~3000mPa・sの粘度を有する。
【0060】
一実施形態では、PE-A PCは、40℃で、300mPa・sもしくは350mPa・sから、2000mPa・sもしくは4000mPa・sまで、または、300mPa・s~4000mPa・sもしくは350mPa・s~2000mPa・sの粘度を有する。
【0061】
一実施形態では、PE-A PCは、PE-A PCの総重量に基づいて、500g/mol未満のMwを有する種を、55重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満もしくは10重量%未満、または、0重量%、0.01重量%もしくは1重量%から、10重量%、15重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%もしくは55重量%まで、または、0重量%~10重量%、含有する。一実施形態では、PE-A PCは、PE-A PCの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種を、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、もしくは26重量%未満、または、0重量%、0.01重量%もしくは1重量%から、26重量%、30重量%、40重量%、50重量%もしくは55重量%まで、または、0重量%~30重量%、含有する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、PE-A-PC中に(i)500g/mol未満のMwを有する低レベル(すなわち、55重量%未満)の種および/または(ii)1000g/mol未満のMwを有する低レベル(すなわち、55重量%未満)の種により、硬化ラミネート接着剤中の低分子量種の移動量が最小限に抑えられ、これは、食品包装用途に有利であると考えられる。
【0062】
一実施形態では、PE-PCは、(i)500g/mol~8000g/molもしくは1000g/mol~2000g/molのMn、および/または(ii)500g/mol~5000g/molもしくは2000g/mol~3500g/molのMw、および/または(iii)1.5~2.5もしくは1.6~1.2のMw/Mn、および/または(iv)0.01mg KOH/g~2.0mg KOH/gもしくは0.01mg KOH/g~1.6mg KOH/gの酸価、および/または(v)100mg KOH/g~200mg KOH/gもしくは100mg KOH/g~150mg KOH/gのOH価、および/または(vi)-90℃~-50℃もしくは-80℃~-55℃のTg、および/または(vii)25℃で500mPa・s~5000mPa・sもしくは900mPa・s~3000mPa・sの粘度、および/または(viii)40℃で300mPa・s~4000mPa・sもしくは350mPa・s~2000mPa・sの粘度、および/または(ix)500g/mol未満のMwを有する種が0重量%~10重量%、および/または(x)PE-PCの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種が0重量%~30重量%の、および/または(xi)構造(A)を有し、および/または(xii)(a)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(b)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(c)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(d)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(e)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびエタノールアミン、ならびに(f)それらの組み合わせ、から選択されるものであること、の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0063】
PE-A PCは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0064】
リン酸末端ポリオール
ポリオール成分は、PE-A PCに加えて、リン酸末端ポリオールを含み得る。
【0065】
「リン酸末端ポリオール」(「PT-PO」)は、構造(B)を有する少なくとも1つのリン酸基を含有するポリオールである。
【化3】
【0066】
PT-POは、ポリエーテルポリオールをリン酸型酸と反応させることによって調製され得る。「リン酸型酸」は、オルトリン酸、水の脱離によるオルトリン酸の縮合によって作製される化合物、またはそれらの組み合わせである。好適なリン酸型酸の非限定的な例としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、およびポリリン酸(PPA)が挙げられる。一実施形態では、PT-POは、ポリエーテルポリオールとPPAとの反応生成物である。
【0067】
一実施形態では、PT-POは、構造(C)を有する。
【化4】
式中、R
6はエーテル基または置換エーテル基である。
【0068】
一実施形態では、R6は、ポリエーテルである。別の実施形態では、R6は、炭素原子、水素原子、任意選択の酸素原子、および任意選択のリン原子のみを含有する。
【0069】
一実施形態では、R6は、C1-C120エーテル基、またはC1-C50エーテル基、もしくはC1-C24エーテル基、あるいはC1-C8エーテル基、またはC1-C6エーテル基から選択され、これらの各々は、任意選択で、1つの以上のペンダント-OH基、および/または1つ以上のペンダント構造(B)基を含有してもよい。
【0070】
別の実施形態では、PT-POは、200mg KOH/gまたは250mg KOH/gから、300mg KOH/gまたは350mg KOH/gまでのOH価を有する。一実施形態では、PT-POは、5mg KOH/g、10mg KOH/gまたは20mg KOH/gから、25mg KOH/g、30mg KOH/gまたは50mg KOH/gまでの酸価を有する。
【0071】
一実施形態では、PT-POは、25℃で、1000mPa・s、1500mPa・sまたは1700mPa・sから、1800mPa・sまたは2000mPa・sまでの粘度を有する。
【0072】
一実施形態では、PT-POは、500g/molまたは750g/molから、1000g/mol、1500g/mol、2000g/mol、5000g/molまたは8000g/molまでの数平均分子量Mnを有する。一実施形態では、PT-POは、1000g/molまたは1400g/molから、1500g/mol、2000g/mol、3000g/mol、5000g/molまたは8000g/molまでの重量平均分子量Mwを有する。
【0073】
一実施形態では、PT-POは、1.5もしくは1.8から、2.0もしくは2.5までのMw/Mnを有する。
【0074】
一実施形態では、PT-POは、PT-POの総重量に基づいて、500g/mol未満のMwを有する種を、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、もしくは27重量%未満、または、0重量%、0.01重量%もしくは1重量%から、26重量%、30重量%、40重量%もしくは50重量%まで、または、0重量%~30重量%、含有する。一実施形態では、PT-POは、PT-POの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種を、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、もしくは42重量%未満、または、0重量%、0.01重量%もしくは1重量%から、42重量%、45重量%、50重量%もしくは55重量%まで、または、0重量%~45重量%、含有する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、PT-PO中に(i)500g/mol未満のMwを有する低レベル(すなわち、50重量%未満)の種および/または(ii)1000g/mol未満のMwを有する低レベル(すなわち、55重量%未満)の種により、硬化ラミネート接着剤中の低分子量種の移動量が最小限に抑えられる。
【0075】
一実施形態では、PT-POは、(i)200mg KOH/g~350mgもしくは250mg KOH/g~300mg KOH/gのOH価、および/または(ii)5mg KOH/g~50mg KOH/gもしくは20mg KOH/g~30mg KOH/gの酸価、および/または(iii)25℃で、1000mPa・s~2000mPa・sもしくは1700mPa・s~1800mPa・sの粘度、および/または(iv)500g/mol~8000g/molもしくは750g/mol~1000g/molのMn、および/または(v)1000g/mol~8000g/molもしくは1400g/mol~1500g/molのMw、および/または(vi)1.5~2.5もしくは1.8~2.0のMw/Mn、および/または(vii)500g/mol未満のMwを有する種が0重量%~30重量%、および/または(viii)PT-POの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種が0重量%~45重量%、および/または(viii)構造(C)を有し、かつ/または(ix)ポリエーテルポリオールとPPAとの反応生成物である、の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0076】
好適なPT-POの非限定的な例は、米国特許公開第2017/0226391号に開示されているPT-POであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
PT-POは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0078】
任意選択の添加剤
(i)PE-A PCおよび(ii)任意選択のPT-POに加えて、ポリオール成分は、(iv)任意選択の添加剤を含有し得る。
【0079】
好適な任意選択の添加剤の非限定的な例としては、ポリオール、接着促進剤、鎖延長剤、触媒、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0080】
好適な任意選択の添加剤の非限定的な例は、ポリオールである。ポリオールは、任意選択のポリオールが(i)PE-A PCおよび(ii)PT-POとは異なるという条件で、本明細書に開示される任意のポリオールであり得る。ポリオールは、(i)PE-A PCおよび(ii)PT-POとは、組成的に異なり得、および/または物理的に異なり得る。
【0081】
好適なポリオールの非限定的な例としては、ジオール(2つの-OH基を含む)、トリオール(3つの-OH基を含む)およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なジオールの非限定的な例としては、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPG)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリアルキレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、およびNPGが挙げられる。好適なトリオールの非限定的な例は、トリメチロールプロパン(TMP)である。
【0082】
一実施形態では、添加剤は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、またはそれらの組み合わせであるポリオールである。好適なポリエーテルポリオールの非限定的な例としては、ポリプロピレングリコール、PEG、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0083】
好適な接着促進剤の非限定的な例としては、アミノシラン(例えば、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン)、エポキシシラン(例えば、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、リン酸エステル(例えば、ポリプロピレングリコールに基づくリン酸エステル)、エポキシ樹脂(例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルに基づくエポキシ樹脂)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0084】
好適な鎖延長剤の非限定的な例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、DEG、プロパンジオール、MPG、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0085】
好適な触媒の非限定的な例としては、テトラ-n-ブチルチタネート、チタンイソプロキシド、硫酸亜鉛、有機スズ触媒(例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
一実施形態では、上記反応混合物は鎖延長剤を除外する。
【0087】
任意選択の添加剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0088】
一実施形態では、ポリオール成分は、(i)PE-A PC、(ii)任意選択のPT-PO、および(iii)任意選択の添加剤を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。
【0089】
一実施形態では、ポリオール成分は、ポリオール成分の総重量に基づいて、65重量%、85重量%または90重量%から、95重量%または100重量%までのPE-A PCを含有する。
【0090】
一実施形態では、ポリオール成分は、ポリオール成分の総重量に基づいて、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%もしくは90重量%から、95重量%、98重量%、99重量%もしくは99.5重量%までのPE-A PCと、0.5重量%、1重量%、2重量%もしくは5重量%から、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%もしくは35重量%までのPT-POと、を含有する。別の実施形態では、ポリオール成分は、65重量%~99.5重量%、70重量%~99重量%、75重量%~95重量%もしくは85重量%~95重量%のPE-A PCと、0.5重量%~35重量%、1重量%~30重量%、1重量%~25重量%もしくは5重量%~15重量%のPT-POと、を含有する。
【0091】
一実施形態では、ポリオール成分は、50mg KOH/gまたは100mg KOH/gから、160mg KOH/gまたは200mg KOH/gまでのOH価を有する。
【0092】
前述のポリオール成分を含む、本明細書に開示される成分、混合物、組成物、および層の各々の成分の合計が、それぞれの成分、混合物、組成物、または層の総重量に基づいて、100重量パーセント(重量%)になることが理解される。
【0093】
ポリオール成分は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0094】
C.2成分無溶剤接着剤組成物
2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)NCO成分と、(B)PE-A PCおよび(ii)任意選択のPT-POを含有するポリオール成分と、の反応生成物を含有する。
【0095】
2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)NCO成分と、(B)ポリオール成分とを、NCO成分の-NCO基をポリオール成分の-OH基と反応させるのに好適な条件下で混合することによって形成される。一実施形態では、(A)NCO成分と、(B)ポリオール成分とを組み合わせて、15℃もしくは20℃~23℃、25℃もしくは45℃の温度で10分~30分間混合する。
【0096】
別の実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)NCO成分と、(B)ポリオール成分とを、100:100、100:125もしくは100:132から、100:189、100:190、100:195もしくは100:200までであるか、または、100:100~100:200、100:125~100:195もしくは100:133~100:189、のイソシアネート:ポリオールの乾燥重量ベース比で含む。
【0097】
2成分無溶剤接着剤組成物は、溶剤を欠いているか、または実質的に溶剤を欠いている。
【0098】
一実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、
(A)脂肪族イソシアネートプレポリマーを含むNCO成分と、
(B)ポリオール成分であって、
(i)ポリオール成分の総重量に基づいて、65重量%~100重量%、65重量%~99.5重量もしくは85重量%~95重量%のPE-A PCであって、(a)500g/mol~8000g/molもしくは1000g/mol~2000g/molのMn、および/または(b)500g/mol~5000g/molもしくは2000g/mol~3500g/molのMw、および/または(c)1.5~2.5もしくは1.6~1.2のMw/Mn、および/または(d)0.01mg KOH/g~2.0mg KOH/gもしくは0.01mg KOH/g~1.6mg KOH/gの酸価、および/または(e)100mg KOH/g~200mg KOH/gもしくは100mg KOH/g~150mg KOH/gのOH価、および/または(f)-90℃~-50℃もしくは-80℃~-55℃のTg、および/または(g)25℃で500mPa・s~5000mPa・sもしくは900mPa・s~3000mPa・sの粘度、および/または(h)40℃で300mPa・s~4000mPa・sもしくは350mPa・s~2000mPa・sの粘度、および/または(i)500g/mol未満のMwを有する種が0重量%~10重量%、および/または(j)PE-A PCの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種が0重量%~30重量%の、および/または(k)構造(A)を有し、および/または(l)(1)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(2)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(3)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびEDAの反応生成物、(4)AA、イソフタル酸、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびDMEDAの反応生成物、(5)AA、PDO、NPG、HDO、BDO-PCおよびエタノールアミン、ならびに(6)それらの組み合わせ、から選択される特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する、PE-A PCと、
(ii)任意選択の、ポリオール成分の総重量に基づいて、0.5重量%~35重量%もしくは5重量%~15重量%のPT-POであって、(a)200mg KOH/g~350mg KOH/gもしくは250mg KOH/g~300mg KOH/gのOH価、および/または(b)5mg KOH/g~50mg KOH/gもしくは20mg KOH/g~30mg KOH/gの酸価、および/または(c)25℃で、1000mPa・s~2000mPa・sもしくは1700mPa・s~1800mPa・sの粘度、および/または(d)500g/mol~8000g/molもしくは750g/mol~1000g/molのMn、および/または(e)1000g/mol~8000g/molもしくは1400g/mol~1500g/molのMw、および/または(f)1.5~2.5もしくは1.8~2.0のMw/Mn、および/または(g)500g/mol未満のMwを有する種が0重量%~30重量%、および/または(h)PT-POの総重量に基づいて、1000g/mol未満のMwを有する種が0重量%~45重量%、かつ/または(i)構造(C)を有し、かつ/または(j)ポリエーテルポリオールとPPAとの反応生成物である、という特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有するPT-POと、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなるポリオール成分と、
(C)任意選択の添加剤と、を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、
2成分無溶剤接着剤組成物は、100:100~100:200または100:133~100:189の、イソシアネート:ポリオールの乾燥重量ベースの重量比を有する。
【0099】
2成分無溶剤接着剤組成物は、本明細書に開示される2つ以上の一実施形態を含み得る。
【0100】
D.ラミネート
本開示は、ラミネートを提供する。ラミネートは、第1の基材と第2の基材を含み、第1の基材と第2の基材との間に接着剤層を含む。接着剤層は、2成分無溶剤接着剤組成物から形成される。
【0101】
2成分無溶剤接着剤組成物は、本明細書に開示される任意の2成分無溶剤接着剤組成物であり得る。
【0102】
ラミネートは、第1の基材と第2の基材を含む。第1の基材および第2の基材は、同じであっても異なっていてもよい。一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、同一の組成および同一の構造を有するという点で同じである。
【0103】
実施形態では、第1の基材および第2の基材は、互いに組成的にかつ/または構造的に異なる。
【0104】
「基材」に言及する以下の説明は、個別的にかつ/または集合的に、第1の基材および第2の基材を指すことが理解される。
【0105】
好適な基材の非限定的な例はフィルムである。フィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、2つの層、または3つ以上の層を含む。例えば、多層フィルムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。一実施形態では、多層フィルムは、ただ2つの層だけ、またはただ3つの層だけを含む。
【0106】
一実施形態では、フィルムは、ただ1つの層だけを備えた単層フィルムである。
【0107】
一実施形態では、フィルムは、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー(PP)、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアクリレート(EVA)コポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンエチルアクリレートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸のイオノマー、メタクリル酸のイオノマー、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマー、ポリ乳酸(PLA)、ポリスチレン、金属箔、セルロース、セロファン、不織布、およびそれらの組み合わせから選択された成分を含有する層を含む。好適な金属箔の非限定的な例は、アルミニウム箔である。多層フィルムの各層は、同じ成分から形成することができ、または異なる成分から形成することができる。
【0108】
一実施形態では、フィルムは、金属箔を含む層を含む。
【0109】
基材、さらにフィルムは、2つの対向する表面を持つ切れ目のない構造である。
【0110】
一実施形態では、基材は、5μm、もしくは10μm、あるいは15μm、または20μm~25μm、もしくは30μm、あるいは40μm、または50μm、もしくは100μm、あるいは200μm、または300μm、もしくは400μm、あるいは500μmの厚さを有する。
【0111】
一実施形態では、第1の基材は、金属箔層である層を有するフィルムであり、第2の基材は、エチレン系ポリマー層(低密度ポリエチレン(LDPE)など)またはプロピレン系ポリマー層(ポリプロピレンなど)である単一の層を有する単層フィルムである。
【0112】
第1の基材は、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0113】
第2の基材は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0114】
2成分無溶剤接着剤組成物は、Nordmeccanica Labo Combiラミネータなどを用いて、第1の基材と第2の基材との間に塗布される。
【0115】
好適な塗布方法の非限定的な例としては、ブラッシング、注入(pouring)、噴霧、コーティング、圧延、散布、および注入(injecting)が挙げられる。
【0116】
一実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、1.6グラム/平方メートル(g/m2)~2.0g/m2のコート重量で、第1の基材と第2の基材との間に塗布される。
【0117】
一実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、第1の基材と第2の基材との間に均一に塗布される。「均一な塗布」は、基材の表面全体にわたって連続的(断続的ではない)であって、基材の表面全体にわたって同じまたは実質的に同じ厚さの組成物の層である。言い換えれば、基材に均一に塗布された組成物は、基材表面に直接接触し、当該組成物は、基材表面と同一の外延を有する。
【0118】
2成分無溶剤の接着剤組成物と第1の基材は、互いに直接接触している。本明細書で使用される場合、「直接接触している」という用語は、基材が2成分無溶剤接着剤組成物または接着剤層のすぐ近隣に位置し、基材と2成分無溶剤接着剤組成物または接着剤層との間に、介在層または介在構造体がない層構成のことである。2成分無溶剤接着剤組成物は、第1の基材の表面に直接接触する。
【0119】
第1の基材、第2の基材および2成分無溶剤接着剤組成物を含有する構造は、次の構造(H)を有する。
第1の基材/2成分無溶剤接着剤組成物/第2の基材
構造(H)
【0120】
構造(H)の接着剤層は、2成分無溶剤接着剤組成物を硬化させることにより形成される。2成分無溶剤接着剤組成物は、(A)NCO成分と、(B)ポリオール成分とを混合して反応させることにより形成される。
【0121】
一実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、30℃または35℃から、40℃、45℃または50℃までの温度のオーブン内で硬化される。
【0122】
一実施形態では、2成分無溶剤接着剤組成物は、20℃~25℃の温度で、1日から、2日、4日または7日までの期間にわたって硬化される。
【0123】
一実施形態では、構造(H)は硬化されて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤層を形成し、それによってラミネートを形成する。ラミネートは、次の構造(J)を有する。
第1の基材/接着剤層/第2の基材 構造(J)。
【0124】
ラミネートは、接着剤層と直接接触している第1の基材と、接着剤層と直接接触している第2の基材とを含む。
【0125】
一実施形態では、第1の基材は金属箔層である層を有するフィルムであり、第2の基材はエチレン系ポリマー層(低密度ポリエチレン(LDPE)など)である単一の層を有する単層フィルムである。さらなる実施形態では、ラミネートは、25℃の硬化後に、(i)1.5N/2.54cmもしくは1.6N/2.54cmから、4.6N/2.54cmもしくは9.0N/2.54cmまでの、2日後の結合強度、および/または(ii)2.0N/2.54cmもしくは2.5N/2.54cmから、6.0N/2.54cmもしくは9.0N/2.54cmまでの、4日後の接着強度、および/または(iii)2.5N/2.54cmもしくは2.6N/2.54cmから、4.2N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、7日後の結合強度、および/または(iv)2.0N/2.54cmもしくは2.5N/2.54cmから、4.0N/2.54cmもしくは60.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(v)1.5N/2.54cmもしくは1.6N/2.54cmから、3.1N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、または、1.5N/2.54cm~8.0N/2.54cmまでの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。別の実施形態では、ラミネートは、45℃の硬化後に、(i)3.0N/2.54cmから、4.5N/2.54cmもしくは7.0N/2.54cmまでの、1日後の結合強度、および/または(ii)2.9N/2.54cmから、6.0N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iii)2.5N/2.54cmから、4.0N/2.54cmもしくは7.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(iv)1.4N/2.54cmから、5.5N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(v)0.15N/2.54cmもしくは0.19N/2.54cmから、0.50N/2.54cmもしくは3.0N/2.54cmまでの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0126】
一実施形態では、第1の基材は、金属箔層である層を有するフィルムであり、第2の基材は、プロピレン系ポリマー(ポリプロピレンなど、またはキャストポリプロピレン)である単一の層を有する単層フィルムである。さらなる実施形態では、ラミネートは、25℃の硬化後に、(i)0.01N/2.54cm、0.03N/2.54cmもしくは1.0N/2.54cmから、5.5N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、2日後の結合強度、および/または(ii)1.5N/2.54cmもしくは2.0N/2.54cmから、6.3N/2.54cmもしくは7.0N/2.54cmまでの、4日後の接着強度、および/または(iii)2.0N/2.54cmもしくは2.5N/2.54cmから、5.0N/2.54cm、6.0N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iv)2.5N/2.54cmもしくは3.0N/2.54cmから、6.0N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(v)0.5N/2.54cmもしくは0.80N/2.54cmから、2.2N/2.54cmもしくは5.0N/2.54cmまでの、もしくは0.50N/2.54cmから5.0N/2.54cmまでのボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(vi)0.5N/2.54cmもしくは0.8N/2.54cmから、2.0N/2.54cmもしくは5.0N/2.54cmまでの、または0.5N/2.54cm~5.0N/2.54cmの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつかまたはすべてを有する。別の実施形態では、ラミネートは、45℃の硬化後に、(i)6.0N/2.54cmもしくは6.4N/2.54cmから、8.5N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、1日後の結合強度、および/または(ii)5.5N/2.54cmもしくは5.8N/2.54cmから、11.0N/2.54cmもしくは13.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iii)5.0N/2.54cmもしくは5.50N/2.54cmから、8.0N/2.54cmもしくは12.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(iv)1.0N/2.54cmから、5.0N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmまでの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(v)0.5N/2.54cmもしくは0.8N/2.54cmから、1.1N/2.54cmもしくは5.0N/2.54cmまでの、または、0.5N/2.54cm~5.0N/2.54cmもしくは0.5N/2.54cm~1.5N/2.54cmの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0127】
一実施形態では、第1の基材は、PETである単一の層を有する単層フィルムであり、第2の基材は、エチレンベースのポリマー(LDPEなど)である単一の層を有する単層フィルムである。さらなる実施形態では、ラミネートは、25℃の硬化後に、(i)1.0N/2.54cmもしくは1.2N/2.54cmから、9.2N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、2日後の結合強度、および/または(ii)4.0N/2.54cmもしくは4.2N/2.54cmから、12.2N/2.54cmもしくは15.0N/2.54cmまでの、4日後の接着強度、および/または(iii)6.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmから、12.5N/2.54cmもしくは15.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iv)6.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmから、14.2N/2.54cmもしくは17.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(v)3.0N/2.54cm、3.5N/2.54cmもしくは4.0N/2.54cmから、4.6N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、または3.0N/2.54cm~10.0N/2.54cmもしくは4.0N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(vi)2.5N/2.54cmもしくは2.9N/2.54cmから、6.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、または2.5N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。別の実施形態では、ラミネートは、45℃の硬化後に、(i)13.0N/2.54cmから、20.0N/2.54cmもしくは30.0N/2.54cmまでの、1日後の結合強度、および/または(ii)12.0N/2.54cmもしくは13.0N/2.54cmから、19.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iii)10.0N/2.54cmから、15.0N/2.54cmもしくは18.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(iv)2.0N/2.54cm、3.5N/2.54cmもしくは4.0N/2.54cmから、9.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、または2.0N/2.54cm~10.0N/2.54cmもしくは4.0N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(v)2.5N/2.54cmから、5.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0128】
一実施形態では、第1の基材は、PETである単一の層を有する単層フィルムであり、第2の基材は、プロピレンベースのポリマー(例えばポリプロピレン、またはさらにキャストポリプロピレン)である単一の層を有する単層フィルムである。さらなる実施形態では、ラミネートは、25℃の硬化後に、(i)0.05N/2.54cmから、1.30N/2.54cmもしくは2.00N/2.54cmまでの、2日後の結合強度、および/または(ii)3.0N/2.54cmもしくは5.0N/2.54cmから、12.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、または3.0N/2.54cm~20.0N/2.54cmの、4日後の接着強度、および/または(iii)7.0N/2.54cmから、16.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iv)7.0N/2.54cmから、14.1N/2.54cmもしくは18.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(v)3.5N/2.54cm、4.0N/2.54cmもしくは4,3N/2.54cmから、6.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、または3.5N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(vi)6.0N/2.54cmもしくは7.9N/2.54cmから、10.0N/2.54cmもしくは15.0N/2.54cmまでの、または6.0N/2.54cm~15.0N/2.54cmの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。別の実施形態では、ラミネートは、45℃の硬化後に、(i)9.0N/2.54cmから、15.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、1日後の結合強度、および/または(ii)9.0N/2.54cmもしくは9.6N/2.54cmから、14.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、7日後の接着強度、および/または(iii)10.0N/2.54cmから、18.0N/2.54cmもしくは20.0N/2.54cmまでの、14日後の接着強度、および/または(iv)3.5N/2.54cm、4.0N/2.54cm、6.5N/2.54cmもしくは8.0N/2.54cmから、9.0N/2.54cmもしくは10.0N/2.54cmまでの、または3.5N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、ボイルインバッグ試験後の接着強度、および/または(v)7.0N/2.54cmもしくは7.5N/2.54cmから、9.0N/2.54cmもしくは15.0N/2.54cmまでの、化学的エージング後の結合強度、の特性の1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0129】
一実施形態では、ラミネートは、金属箔フィルムである第1の基材と、ポリプロピレンフィルムである第2の基材とを含み、ラミネートは、0.5N/2.54cm~5.0N/2.54cmまたは0.90N/2.54cm~5.0N/2.54cmの化学的エージング後の結合強度を有する。
【0130】
一実施形態では、ラミネートは、PETフィルムである第1の基材を含み、ラミネートは、3.5N/2.54cm~10.0N/2.54cm、または4.0N/2.54cm~10.0N/2.54cmの、ボイルインバッグ試験後の接着強度を有する。
【0131】
ラミネートは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0132】
E.2成分無溶剤接着剤組成物を形成する方法
本開示はまた、2成分無溶剤接着剤組成物を形成する方法を提供する。一実施形態では、本方法は、(A)(i)PE-A PCおよび(ii)任意選択のPT-POを含有するポリオール成分を提供することと、(B)NCO成分を提供することと、(C)ポリオール成分とNCO成分とを反応させて、2成分無溶剤接着剤組成物を形成することと、を含む。
【0133】
ポリオール成分、PE-A PC、PT-PO、NCO成分、および2成分無溶剤接着剤組成物はそれぞれ、本明細書に開示されるいずれの、ポリオール成分、PE-A PC、PT-PO、NCO成分、および2成分無溶剤接着剤組成物であり得る。
【0134】
上記方法は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0135】
本開示はまた、ラミネートを含む物品を提供する。好適な物品の非限定的な例としては、包装体、バッグ、パウチ、深絞り加工缶、および容器が挙げられる。
【0136】
一実施形態では、ラミネートは食料品と接触する。「食料品」は食用の食品である。
【0137】
ここで、限定ではなく例には、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0138】
実施例で使用される材料を、以下の表1に示す。
【表1】
【0139】
A.ポリエステル-ポリカーボネートポリオールの調製
ポリ(1,4-ブタンジオール-カーボネート)(BDO-PC)の調製30gal.20インチの内径を有する316Lステンレス鋼容器に、内部バッフル、可変速度12インチタービンインペラー、散布リング、独立したホットアンドコールドループを有する混合DOWTHERM(商標)システムを備えた閉ループシステム、および24インチの充填カラムを装備する。反応器に、67958.0グラム(g)のBDOを加え、N2で掃引しながら150℃に加熱して反応器を不活性化し、BDOに存在する水を除去する。TYZOR(商標)TPT触媒(21.6g)を加え、反応器から事前にパージした600.0gのBDOで線をフラッシュする。流量計および制御バルブを使用して6~8時間かけて重量ポットからジメチルカーボネート(DMC)(102864.0g)を加え、同時にカラム内の温度を65℃に維持する。DMCの添加が完了したら、温度を195℃に上げ、反応の進行は、末端基分析用のOH価と1H-NMRによって追跡される。195℃で8時間後、OH価は、30.7であり、1H-NMRによって25%のカーボネート末端基を有することがわかった。温度を150℃に下げ、4.1ポンド(lbs)のBDOを反応に加える。温度を195℃まで上げ、8時間後、OH価は、54mg KOH/gで、1%未満のカーボネート末端基を有することがわかった。OH価が54mg KOH/g、数平均分子量(Mn)が1960g/molのポリ(1,4-ブタンジオール-カーボネート)(BDO-PC)を調製する。
【0140】
ポリエステル-アミドポリカーボネートポリオール(PE-A PC)を、次の一般的な手順に従って合成する際の、各サンプルの詳細な配合組成を表2に示す。反応は、熱電対入口ポートを備えた1000mLの三つ口フラスコを備えたガラス反応器で実行される。反応器の一方のネックには、ストッパーが取り付けられた29/42ネックを含むガス入口アダプタが含まれている。ガス入口には、調整可能な流量計によって調節されたN
2が供給される。反応器の第2のネックには、真空で使用できるように変更されたカスタムの機械式攪拌シャフトアダプタが含まれている。反応器の第3のネックには、蒸留ヘッドにつながる12インチの長さのカラムに取り付けられたオフセットアダプタと、コンデンサの底部にある三つ口底部排水収集フラスコを備えたコンデンサと、が含まれている。回収フラスコは、J-KEM(商標)真空調節器につながる1つのラインと、N
2窒素バブラーにつながる別のラインを有する。オフセットアダプタの12インチのカラムには、5mmのガラスビーズが詰め込まれている。カラムは、カラム表面温度を監視する熱電対を備えたバリアックによって制御されている加熱テープを用いて加熱される。反射器の加熱は、過熱遮断を備えた制御ボックスから供給される加熱マントルによって供給される。機械式攪拌は、カスタムの1/4インチステンレス鋼パドルおよびシャフトを使用して実現される。反応器にHDO、NPG、PDOおよびアミンモノマーを充填する。混合物を真空脱気し、N
2で最大3回パージし、その後ゆっくりと100℃未満に加熱する。アジピン酸(またはアジピン酸およびイソフタル酸)を加え、混合物を約1時間撹拌する。次に、温度を150℃に上げ、(Aldrichから供給された)チタンイソプロポキシドを注入する。蒸留物が減速し始めると、反応の温度は徐々に上昇し、210℃まで上昇する。適度な真空圧をかけて、反応を完了させる。酸価を監視して、反応の終点を決定する。酸価が1.0未満のとき、ポリエステル成分が完成したと見なされる。次に、上記のように調製されたBDO-PCおよびHDO(BDO-PCと等モル)を室温でポリエステル成分に加え、溶液を4時間、210℃に加熱する。
【表2】
【0141】
B.リン酸末端ポリオールの調製
1Lの複数口丸底フラスコをオーブンで乾燥させ、乾燥窒素を30分間フラッシュし、149.96グラムのVORANOL(商標)CP 450(ポリエーテルポリオール)を充満させ、70mL/分のN2掃引下に置く。シリンジに3.395gの115%ポリリン酸(PPA)を入れる。PPAを強く攪拌しながらVORANOL(商標)CP 450に滴下する。最小限の温度上昇が観察される。反応器の内容物を100℃で1時間加熱した後、45℃に冷却する。冷却後、21.65gのISONATE(商標)125M(MDIブレンド)を反応器にゆっくりと加える。氷浴を用いて著しい発熱を制御し、反応ポットを75℃未満に維持する。黄色から琥珀色への発色が観察される。次に、反応器を65℃で1時間維持し、その時点で内容物を冷却して包装する。調製されたリン酸末端ポリオール(PT-PO)には、過剰な、または遊離のMDIは含有していない。PT-POは、100重量%の固形分、270mg KOH/gのOH価、24.0mg KOH/gの酸価、25℃で17,820mPa・sの粘度、780g/molのMn、1415g/molのMw、2325g/molのMzおよび1.82のMw/Mnを有する。PT-POは、Mwが500g/mol未満の26.0重量%の種、およびMwが1000g/mol未満の41.3重量%の種を含有する。
【0142】
C.ポリオール成分の調製
上記のように調製されるPE-A PC1~10、およびポリエステル11を、PT-POと混合し、サンプルポリオール成分を形成する。各サンプルポリオール成分の組成および特性を表3に示す。表では、「CS」は比較サンプルを指す。
【0143】
D.2成分無溶剤接着剤組成物の調製
2成分無溶剤接着剤組成物の調製の際、(A)MOR-FREE(商標)C-33(脂肪族イソシアネートプレポリマー)を、(B)実施例ポリオール成分(Ex PC)1~4または8~13、コントロールサンプルポリオール成分(CS PC)5~7、MOR-FREE L82-105またはMOR-FREE 1390Aのうちの1つと、均一な混合物が得られるまで、室温(23℃)のケトル内で混合することにより、2成分無溶剤接着剤組成物を形成する。各実施例および比較例の接着剤組成物の成分を表4および5に示す。
【表3】
【0144】
E.ラミネートの形成
厚さ1.5ミルの単層フィルムであるスリップ剤を含有する低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムが提供される(Berry Plastics Corp.から入手可能なGF-19)。
【0145】
厚さ3ミルの単層フィルムであるキャストポリプロピレンフィルムが提供される。
【0146】
厚さ1ミル(24.5μm)の単層フィルムであるポリ(エチレングリコール-テレフタレート)(PET)フィルムが提供される(DuPontから入手可能な92LBT)。
【0147】
金属箔フィルムが提供される(アルミ箔)。金属箔フィルムは、厚さ1.5ミル(38.1μm)の単層フィルムである。金属箔フィルムに、3.26g/m2(2.00lbs/ream)のコート重量で、ADCOTE(商標)577:Coreactant F(The Dow Chemical Companyから市販されている溶媒ベースの2成分ポリウレタン接着剤)を使用して、PETフィルム(厚さ12μm、48ゲージ)とプレラミネートし、次の構造(I)を有する金属箔プレラミネート(プレラム)を形成する。
PETフィルム/ADCOTE(商標)577:CoreactantF接着剤層/金属箔フィルム 構造(I)
【0148】
実施例および比較例の接着剤組成物を、Nordmeccanica Labo Combiのパイロットラミネータに入れる。ラミネータのニップ温度を60℃に維持し、オーブンの各ゾーンの温度を25℃に設定し、ラミネータを毎分30メートル(m/min)の速度で動作させる。
【0149】
接着剤組成物を、金属箔プレラミネート(プレラム)またはPETフィルム(92LBT)のいずれかに塗布し、次の構造(II)および構造(III)を形成する。
プレラム/接着剤組成物 構造(II)
PET/接着剤組成物 構造(III)
【0150】
構造(II)では、接着剤組成物は、金属箔プレラミネート(構造(I)を有する)の金属箔フィルム層の表面に直接接触する。
【0151】
LDPEフィルムまたはキャストポリプロピレンフィルムを接着剤層と接触させて、構造(IV)、構造(V)、構造(VI)、または構造(VII)を有するラミネートを形成する。
プレラム/接着剤組成物/LDPE 構造(IV)
プレラム/接着剤組成物/キャストポリプロピレン 構造(V)
PET/接着剤組成物/LDPE 構造(VI)
PET/接着剤組成物/キャストポリプロピレン 構造(VII)
【0152】
各実施例および比較例のラミネートにおいて2つのサンプルを形成する。表4に示すように、1つのサンプルを25℃および相対湿度50%で硬化させる。表5に示すように、もう1つのサンプルを相対湿度30%の等温オーブンで45℃で硬化させる。各ラミネート実施例および比較サンプルの特性を、表4および5に提供する。表4および5で、「FS」はフィルムストレッチ失敗モード(FM)を示し、「FT」はフィルムの破れまたは破損FMを示し、「DL」は層間剥離FMを示し、「AT」は接着剤が第2のフィルムに転移する接着剤転移FMを示し、「AS」は両方のフィルムに接着剤が見られる接着不良または接着剤分裂FMを示し、「CDL」は接着強度が測定できない完全な層間剥離を示し、「NM」は数値が測定できなかったことを示す。
【0153】
F.結果
表4に示すように、CS10~11は各々、(A)NCO成分(MOR-FREE C-33)と、(B)PE-A PCを欠くポリオール成分(MOR-FREE L82-105およびCS PC5)と、から形成された接着剤層を含む。構造(VI)および(VI)を有し(すなわちPETフィルムを含み)、25℃および50%の相対湿度(RH)で硬化させたCS10およびCS11のラミネート構造は、各々ボイルインバッグ試験で3.5N/2.54cm未満の結合強度を示す。したがって、CS10およびCS11は各々、ボイルインバッグ試験後の接着強度が不十分である。
【0154】
表4に示すように、実施例1~9は各々、(A)NCO成分(MOR-FREE C-33)および(B)PE-A PCを含有するポリオール成分(それぞれPC1、PC3、PC4、PC8、PC9、PC10、PC11、PC12およびPC13)から形成された接着剤層を含む。構造(VI)および(VI)を有し、25℃および50%の相対湿度(RH)で硬化させた実施例1~9のラミネート構造(すなわちPETフィルムを含む)は各々、3.5N/2.54cm超のボイルインバッグ試験後の結合強度を示す。したがって、実施例1~9は各々、ボイルインバッグ試験後に十分な結合強度を示す。
【表4-1】
【表4-2】
【表5】
【0155】
表5に示すように、CS14~16は各々、(A)NCO成分(MOR-FREE C-33)と、(B)PE-A PCを欠くポリオール成分(それぞれMOR-FREE 1390A、CS PC6およびCS PC7)と、から形成された接着剤層を含む。構造(V)(すなわちプレラム/接着剤組成物/キャストポリプロピレン)を有し、30%のRHの等温オーブンで45℃で硬化させたCS14~16のラミネート構造は各々、0.5N/2.54cm未満の化学的エージング後の結合強度を示す。したがって、CS14~16は各々、化学的エージング後の結合強度が不十分である。
【0156】
表5に示すように、実施例12~13は各々、(A)NCO成分(MOR-FREE C-33)と、(B)PE-A PCを含有するポリオール成分(それぞれPC2およびPC3)と、から形成された接着剤層を含む。構造(V)(すなわち、プレラム/接着剤組成物/キャストポリプロピレン)を有し、30%のRHの等温オーブンで45℃で硬化させた実施例12~13のラミネート構造は各々、0.50N/2.54cm超の化学的エージング後の結合強度を示す。したがって、実施例12~13は各々、化学的エージング後に十分な結合強度を示す。
【0157】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の一部分、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の変更された形態を、次の特許請求の範囲内に該当するものとして含むことが、特に意図されている。