(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】弁治療デバイス用着脱自在スライド式アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A61F2/24
(21)【出願番号】P 2021564456
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(86)【国際出願番号】 US2020040274
(87)【国際公開番号】W WO2021003144
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-10-29
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イノウエ、ジョシュア エム.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】クランペルマン、グラハム
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-516822(JP,A)
【文献】米国特許第09180005(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0153689(US,A1)
【文献】特表2018-533446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント送達システムにおいて、
近位端と、遠位端と、近位頂点で結合された隣接する複数のストラットとを有するフレームと、
少なくとも1つの近位頂点
を覆うように配置されたカラーと、
前記カラーが配置された前記フレームの前記少なくとも1つの近位頂点によって運ばれる遠位端を有するシャフトと、
前記フレームに取り外し可能に結合され、前記フレームを拡張又は収縮するように構成された1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材を備えるアクチュエータと、を備え、
前記少なくとも1つの近位頂点
を覆う前記カラーの軸方向の平行移動が、前記少なくとも1つの近位頂点で結合された隣接する複数のストラットの相対位置を調整して前記フレームを拡張又は収縮させ、
前記カラーは、前記シャフトの少なくとも一部
を覆うようにその周りに配置されてこれに動作可能に係合するとともに、前記シャフトに沿って軸方向に移動するように構成され、且つ、前記フレームの前記少なくとも1つの近位頂点
を覆うようにその周りにも配置されて、前記少なくとも1つの近位頂点で結合された隣接する複数のストラットに係合することによって、前記シャフトの第1の作動に応答して、隣接する複数のストラットの位置を調整して前記フレームを拡張又は収縮させる、インプラント送達システム。
【請求項2】
前記シャフトはシャフトヘッドを含んでなる遠位シャフト端部を備え、前記シャフトヘッドは前記フレームの前記近位頂点の開口部内に配置されており、
前記カラーは、前記近位頂点の前記開口部内に前記シャフトヘッドを保持するために前記シャフトヘッドを含んでなる前記シャフトの少なくとも一部
を覆うように配置され、
前記カラーは、前記シャフトの第2の作動に応答して前記シャフトに沿って近位方向に移動して、前記シャフトヘッドを前記フレームの近位端から解放する、請求項1に記載のインプラント送達システム。
【請求項3】
前記シャフトは、駆動カプラーと、前記駆動カプラーと前記シャフトヘッドとの間に配置されたシャフトの係合部分の一部に沿って配置されたシャフト係合構造物と、を含む近位シャフト端部と、を備え、前記カラーは、近位端、遠位端、及び前記カラーを貫通して延びる中空部を備え、前記中空部は、前記中空部の内面の少なくとも一部に設けられた中空部係合構造物を備え、前記シャフト係合構造物は前記中空部係合構造物と係合して前記カラーを前記シャフトに沿って平行移動させる、請求項2に記載のインプラント送達システム。
【請求項4】
前記シャフトの前記係合部分の長さが少なくともカラーの長さに等しい、請求項3に記載のインプラント送達システム。
【請求項5】
前記シャフト係合構造物又は前記中空部係合構造物のうちの少なくとも1つが1つ以上のネジ山を含んでなり、前記シャフトの第1の作動又は第2の作動のうちの1つがシャフトの回転を含んでなる、請求項3又は4に記載のインプラント送達システム。
【請求項6】
前記フレームは遠位頂点で接合された第2の複数のストラットを含み、前記遠位頂点はアンカーハウジングを支持し、前記アンカーハウジングは締付けコードを摺動可能に受け入れるように構成され、前記アンカーハウジングを貫通して延びる締付け管腔を有する、請求項4に記載のインプラント送達システム。
【請求項7】
前記隣接する複数のストラットは付勢された構成を有し、前記カラーは、前記隣接する複数のストラットを前記付勢された構成に戻らないように促進する拡張機構を有する、請求項2に記載のインプラント送達システム。
【請求項8】
前記拡張機構は、前記隣接する複数のストラットのうちの少なくとも1つと係合して、前記少なくとも1つの隣接するストラットが付勢された構成に戻らないように促進する少なくとも1つのアームを有する、請求項7に記載のインプラント送達システム。
【請求項9】
前記近位頂点からの前記シャフトヘッドの解放が、隣接する複数のストラットの間から前記拡張機構を解放して、前記隣接する複数のストラットを付勢された構成に戻す、請求項8に記載のインプラント送達システム。
【請求項10】
インプラント送達システムにおいて、
近位端と、遠位端と、近位頂点で結合された隣接する複数のストラットとを有するフレームと、
前記フレームに取り外し可能に結合され、前記フレームを拡張又は収縮するように構成された1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材を備えるアクチュエータと、を備え、
前記フレームは、複数の遠位頂点と、前記複数の遠位頂点の少なくとも部分集合の上に配置された複数のアンカーハウジングとを含んでなり、それぞれの前記アンカーハウジングがアンカーを支持し、前記アクチュエータの前記1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材は、
スリーブと、
前記スリーブ内に配置され、近位端で前記スリーブの遠位部分に結合された複数の片持ちチューブと、
複数の駆動シャフトであって、それぞれの前記駆動シャフトは、複数の片持ちチューブのうちの1つの内部に平行移動できるように配置され、対応する片持ちチューブの遠位端を超えて延在して前記アンカーのうちの1つを駆動する、前記駆動シャフトと、
前記複数の片持ちチューブがコアの外面に摺動可能に係合するように前記スリーブ内に配置されたコアであって、前記コアはスリーブ内で軸方向に平行移動するように配置され、それぞれの前記片持ちチューブは屈曲部分を含み、前記コアの軸方向の平行移動は、前記片持ちチューブを屈曲部分で回転させて、前記片持ちチューブの遠位端の角度偏向を変化させることによって、前記フレームの前記遠位頂点を拡張させる前記コアと、を備える、インプラント送達システム。
【請求項11】
前記コアは、前記スリーブ内で円周方向に配置された複数のアームを備え、前記複数のアームは、前記スリーブ内で独立して平行移動可能であり、それぞれの前記片持ちチューブの角度偏向を独立して制御する、請求項10に記載のインプラント送達システム。
【請求項12】
それぞれの前記駆動シャフトは、フレームの構成を制御するために、対応する前記片持ちチューブの遠位端を越えて軸方向に平行移動可能である、請求項10又は11に記載のインプラント送達システム。
【請求項13】
前記コアの中央管腔内に配置され、前記複数の片持ちチューブの角度偏向を制御するように構成された膨張可能なデバイスをさらに備える、請求項10又は11に記載のインプラント送達システム。
【請求項14】
前記コアは、複数の戻り止めを備え、それぞれの前記戻り止めは、前記複数の片持ちチューブのうちの1つを摺動可能に支持する、請求項13に記載のインプラント送達システム。
【請求項15】
前記フレームが形状記憶材料を含んでなり、拡張状態又は収縮状態のいずれかに付勢されている、請求項2又は10に記載のインプラント送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋め込み型医療デバイスの分野一般、より詳細には、心臓の構造物を調整するための埋め込み型デバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
僧帽弁は、心臓の左心房と左心室の間にある。僧帽弁には、前尖と後尖の2つの弁尖があり、収縮期の緊縮時に接合する。僧帽弁輪は、僧帽弁を取り囲み、僧帽弁の弁尖を支える鞍形の線維輪である。健康な心臓では、左心房の収縮を伴う拡張期に開いた僧帽弁を通って血液が流れ、左心室の収縮を伴う収縮期に僧帽弁尖が閉じる。
【0003】
僧帽弁閉鎖不全症(MI)(僧帽弁逆流又は僧帽弁閉鎖不全症とも呼ばれる)は、僧帽弁輪が過度に拡張し、収縮期収縮中に弁尖が効果的に閉じない、あるいは接合しなくなる心臓病の一種である。その結果、心室収縮中に血液の逆流が起こり、心拍出量が減少する。
【0004】
僧帽弁輪形成術の目標は、1つ以上の僧帽弁及び僧帽弁輪を有した正常な僧帽弁器官の生理学的形態及び機能を回復することによって僧帽弁能力を回復することである。一部の管腔内僧帽弁輪形成術技術は、配備カテーテルと経管腔ナビゲーションを使用して、僧帽弁治療部位にインプラントを送達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
管腔内弁輪形成術は開心弁輪形成術よりも侵襲性が低いが、心臓インプラントにはリスクがないわけではない。例えば、心臓内に取り付けられたデバイスは、心筋の動悸に伴う圧迫や伸張にさらされる。これらの考慮事項を念頭に置くことで、本発明の改善は有用となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、例えば、心臓弁輪の再形成に使用するために、薄型弁輪インプラントを配備するためのシステム及び方法に関する。一態様によれば、インプラント送達システムは、近位端と、遠位端と、近位頂点で結合された隣接する複数のストラットとを有するフレームを備える。このシステムは、フレームに着脱自在に結合され、フレームを拡張又は収縮するように構成された1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材を備えるアクチュエータを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、アクチュエータの軸方向に平行移動自在な1つ以上の調整部材は、シャフトヘッドを備えた遠位シャフト端部を有するシャフトであって、シャフトヘッドはフレームの近位頂点の開口部内に配置されている、シャフトと、近位頂点の開口部内にシャフトヘッドを保持するためにシャフトヘッドを含んで少なくともシャフトの一部の上方に配置されたカラーとを備え、カラーは、シャフトの第1の作動に応答して隣接する複数のストラットと係合するために、シャフトに沿って遠位へ、フレームの近位頂点上を越えて移動するように構成されている。カラーは、シャフトの第2の作動に応答してシャフトに沿って近位方向に移動して、シャフトヘッドをフレームの近位端から解放するように構成することができる。
【0008】
シャフトは、駆動カプラーと、シャフト係合用構造物とを含んでなる近位シャフト端部を有し、シャフト係合用構造物は、駆動カプラーとシャフトヘッドとの間に設けられたシャフトの係合部分の一部に沿って配置されている。カラーは、近位端、遠位端、及び内部を貫通して延びる中空部を有し、中空部は、中空部の内面の少なくとも一部に配置された中空部係合構造物を含み、シャフト係合構造物は、中空部係合構造物と係合するように構成されて、シャフトに沿ってカラーを平行移動させる。いくつかの実施形態では、シャフトの係合部分の長さは、カラーの長さに少なくとも等しくてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト係合構造物又は中空部係合構造物の少なくとも1つは、1つ以上のネジ山を含み、シャフトの第1の作動又は第2の作動のうちの1つには、シャフトの回転を含む。いくつかの実施形態では、フレームは、アンカーハウジングを支持する遠位頂点で結合された第2の複数のストラットを含み得、アンカーハウジングは、締付けコードを摺動可能に受け入れるように構成され、アンカーハウジングを通って延びる締付け管腔を備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、フレームの隣接する複数のストラットは、付勢された構成を有し、カラーは、隣接する複数のストラットが付勢された構成に戻らないように促すように構成された拡張機構を含む。拡張機構は少なくとも1つのアームを含み得、アームは、隣接する複数のストラットの少なくとも1つのストラットと係合して、付勢された構成に戻ることに対抗すべく少なくとも1つのストラットを促すように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、近位頂点からのシャフトヘッドの解放は、隣接する複数のストラットの間から拡張機構を解放して、隣接する複数のストラットを付勢された構成に戻す。
【0011】
他の実施形態では、フレームは、複数の遠位尖端を含み得、複数のアンカーハウジングは、複数の遠位尖端の少なくとも部分集合の上に配置され得、各アンカーハウジングは、アンカーを支持し、アクチュエータは、スリーブと、スリーブ内に配置され、近位端でスリーブの遠位部分に結合された複数の片持ちチューブと、複数の駆動シャフトであって、各駆動シャフトは、複数の片持ちチューブのうちの1つの内に平行移動的に配置され、アンカーの1つを駆動するための関連する片持ちチューブの遠位端を越えて延びるシャフトと、複数の片持ちチューブがコアの外面に摺動可能に係合するようにスリーブ内に配置されたコアとを備え、コアはスリーブ内で軸方向に平行移動するように配置され、各片持ちチューブは屈曲部分を含む。そのような実施形態では、コアの軸方向の平行移動により、片持ちチューブが屈曲部分で回転し、片持ちチューブの遠位端の角度たわみを変化させて、フレームの遠位頂点を拡張する。
【0012】
いくつかの実施形態では、コアは、スリーブ内で円周方向に配置された複数のアームを含み得、複数のアームは、スリーブ内で独立して平行移動自在であり、それぞれの片持ちチューブの角度偏向を独立して制御する。いくつかの実施形態では、各駆動シャフトは、フレームの構成を制御するために、対応する片持ちチューブの遠位端を越えて軸方向に平行移動可能であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、膨張可能なデバイスがコアの中央管腔内に配置され、複数の片持ちチューブの角度偏向を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コアは、複数の戻り止めを含み得、各戻り止めは、複数の片持ちチューブのうちの1つを摺動可能に支持するためのものである。
【0014】
別の態様によれば、システムは、近位端と、遠位端と、及び複数の遠位頂点及び複数の近位頂点で結合された隣接する複数のストラットとを有するフレームを含む。このシステムは、フレームの遠位頂点によって支持された複数のアンカーと、アクチュエータとを備え、アクチュエータはフレームに取り外し可能に結合され、フレームの拡張又は収縮のうちの1つのために構成された1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材を備える。軸方向に平行移動自在な調整部材は、弁輪組織への複数のアンカーによるフレームの固定に続いて、カテーテルを通して除去するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、軸方向に平行移動自在な1つ以上の調整部材は、シャフトヘッドを備えた遠位シャフト端部を有するシャフトであって、シャフトヘッドはフレームの近位頂点の開口部内に配置されている、シャフトと、近位頂点の開口部内にシャフトヘッドを保持するためにシャフトヘッドを含んで少なくともシャフトの一部の上方に配置されたカラーとを備え、カラーは、シャフトの第1の作動に応答して、4フレームを圧縮し又は拡張することのうちの少なくとも1つのために隣接する複数のストラットと係合するために、シャフトに沿って遠位へ、フレームの近位頂点上を越えて移動し、及び、第2の作動に応答して、カラーはシャフトに沿って近位へと移動することによって、シャフトヘッドをフレームの近位頂点から解放するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の遠位頂点の少なくとも部分集合上に配置された複数のアンカーハウジングを含み得、各アンカーハウジングは、複数のアンカーのアンカーを支持する。アクチュエータの1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材は、スリーブと、スリーブ内に配置され、近位端でスリーブの遠位部分に結合された複数の片持ちチューブと、複数の駆動シャフトであって、各駆動シャフトは、複数の片持ちチューブのうちの1つの内に平行移動的に配置され、アンカーの1つを駆動するための関連する片持ちチューブの遠位端を越えて延びるシャフトと、複数の片持ちチューブがコアの外面に摺動可能に係合するようにスリーブ内に配置されたコアとを備え、コアはスリーブ内で軸方向に平行移動するように配置され、各片持ちチューブは屈曲部分を含み、コアの軸方向平行移動により、片持ちチューブが屈曲部分で回転し、片持ちチューブの遠位端の角度偏向を変化させてフレームの遠位尖端を拡張する。
【0017】
別の態様によれば、インプラント送達システムを弁輪修復部位に配備するための方法は、インプラント構成要素を含むカテーテルの遠位端を弁輪修復部位に経管的に送達するステップを含む。いくつかの実施形態では、インプラント送達システムは、複数の頂点で結合された第1の複数のストラットを含むフレームと、フレームに結合され、1つ以上の軸方向に平行移動自在な調整部材を含むアクチュエータとを含み得る。この方法は、カテーテルからフレームを解放し、軸方向に平行移動可能な調整部材を軸方向に平行移動してフレームを拡張又は収縮させることによってフレームの形状を調整し、フレームを弁輪修復部位に固定し、アクチュエータをフレームから解放することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、インプラント送達システムは、複数のカラーを含み得、各カラーは、フレームの複数の頂点のうちの1つに配置され、フレームの形状を調整するステップは、カラーをフレームの複数の頂点に沿って平行移動させることを含む。フレーム及びアクチュエータをフレームから解放するステップは、フレームの複数の頂点からカラーを取り外すステップを含む。
【0019】
他の実施形態では、インプラント送達システムは、スリーブと、スリーブ内に配置された複数の片持ちチューブと、複数の駆動シャフトであって、各駆動シャフトは、複数の片持ちチューブのうちの1つの内に平行移動的に配置され、フレームに結合されている駆動シャフトと、スリーブを貫通して伸びるコアシャフトとを備え、フレームの形状を調節する工程は、コアシャフトをスリーブ内で軸方向に平行移動して片持ちチューブの遠位端の屈曲部分の角度変更を変化させるステップを含む。
【0020】
このような配置により、柔軟性が向上し、移動、破損、血栓、塞栓症のリスクが低減された薄型の弁輪インプラントが提供される。
本発明の非限定的な実施形態は添付の図面を参照して一例として説明されるものであるが、これらは概略を示すものであり、一定の縮尺で描かれることを意図されていない。図面では、図示された同一又はほぼ同一の各構成要素は、通常、単一の参照符号を用いて表されている。説明を簡潔にするために、すべての構成要素がすべての図で符号を付されているいるわけではなく、また、当業者が開示を理解できるようにするために例示が必要ではない各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術の再建弁輪インプラントの一実施形態を示す斜視図。
【
図2A】
図1の従来技術の再建弁輪インプラントの一部の詳細を示す斜視図。
【
図3A】本発明の一実施形態による例示的なアクチュエータを示す斜視図。
【
図3B】本発明の一実施形態による例示的なアクチュエータを示す斜視図。
【
図3C】本発明の一実施形態による例示的なアクチュエータを示す斜視図。
【
図3D】本発明の一実施形態による例示的なアクチュエータを示す斜視図。
【
図4A】本発明の一実施形態による例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図4B】本発明の一実施形態による例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図5】本発明の一実施形態に従って固定及び締め付けられたインプラントを示す斜視図。
【
図6A】本発明に従って構成されたアンカーハウジングの実施形態を示す斜視図。
【
図6B】本発明に従って構成されたアンカーハウジングの実施形態を示す斜視図。
【
図6C】本発明に従って構成されたアンカーハウジングの実施形態を示す斜視図。
【
図7】本発明の一実施形態によるアクチュエータの取り外しを示す斜視図。
【
図8A】本発明の一実施形態に従ってアクチュエータが取り外された例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図8B】本発明の一実施形態に従ってアクチュエータが取り外された例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図9A】本発明の一実施形態による拡張機構を含むカラーの一実施形態の斜視図。
【
図9B】本発明の一実施形態による拡張機構を含むカラーの一実施形態の斜視図。
【
図10A】本発明の実施形態による、配備及び固定された構成の拡張機構を含む例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図10B】本発明の実施形態による、配備及び固定された構成の拡張機構を含む例示的なインプラントを示す斜視図。
【
図11A】本発明の一実施形態による、拡張機構を含むアクチュエータの取り外しを示す斜視図。
【
図11B】本発明の一実施形態による、拡張機構を含むアクチュエータの取り外しを示す斜視図。
【
図12】本発明の例示的なインプラント送達及びアクチュエータ除去方法の一部として開示される例示的なインプラントの導入を示すブロック図。
【
図13】本発明によるインプラントの実施形態と共に使用するための例示的な配備用デバイスを示す斜視図。
【
図14】本明細書に開示されるような取り外し可能なアクチュエータを含むインプラント送達システムの例示的な実施形態を示す側面図。
【
図15A】拡張構成で本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの一実施形態を示す図。
【
図15B】拡張構成で本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの一実施形態を示す図。
【
図16】本明細書に開示されるようなフレアチューブ構成の例示的な実施形態を示す側面図。
【
図17A】本明細書に開示されるように、独立して制御されるアームを備えたコアデバイスを示す図。
【
図17B】本明細書に開示されるように、独立して制御されるアームを備えたコアデバイスを示す図。
【
図17C】本明細書に開示されるように、独立して制御されるアームを備えたコアデバイスを示す図。
【
図18A】本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの実施形態を示す側面図。
【
図18B】本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの実施形態を示す側面図。
【
図19A】膨張可能な作動機構を含む、本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの代替の実施形態を示す図。
【
図19B】膨張可能な作動機構を含む、本明細書に開示されるようなインプラント送達システムの代替の実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
弁輪形成術インプラントは、配備されている間に弁輪のカスタム再形成を可能にする、独立して制御されるアクチュエータを含み得る。
図1は、従来技術のインプラント100のうちの1つが心臓弁150の周りに配備されている心房120を示し、インプラントの複数のアンカー102a~102fが弁輪175と係合するように配置される。インプラント100は、近位端でカラー104a~104dによって結合され、遠位端でアンカー102a~102fによって結合された複数のストラット112a~112fから形成されたほぼ管状のフレーム110を含む。アンカー102a~102fはそれぞれ、アンカードライバ106a~106fに結合することができる。一実施形態では、アンカードライバは、アンカー102a~102fを回転させて、インプラント配備の固定ステップ中に、弁輪175に近接する組織の中へとアンカーを駆動するように構成される。一実施形態では、カラーは、ストラットを越えて遠位に前進するように構成することができる。例えば、カラー104bは、
図1の軸Aに沿って平行移動することができる。いくつかの実施形態では、カラーの軸方向の移動又は拘束に適用される「軸方向」との文言は、少なくとも部分的に近位又は遠位方向にあり、(例えば、近位-遠位に)フレームを貫通して延びる中心軸に平行又は概ね平行であるような方向を含む。
【0023】
図1に示すように、ストラット112c,112dは、カラー104bを支持する近位頂点から離れるように反対方向に延びることができる。ストラット112c,112dを越えた、カラー104bの遠位への前進は、ストラット112c,112dをカラー104b内で一緒に引っ張り、その結果、アンカー102cと102dとの間の距離を減少させて、弁輪175を再形成する。カラー104a~104dは、各アンカー対の再形成目的に従って独立して作動させることができる。各カラーが作動されると、一実施形態では、駆動ケーブルは、アクチュエータドライバ108a,108b,108cから離脱され得る。
【0024】
図2は、配備後の
図1のインプラント100などの従来技術のインプラント200の一部を示している。カラー204aは、例えば、シャフト205aの作動の結果として、ストラット212a,212bに沿って遠位方向に前進し、アンカー202b及び202cを一緒に引き寄せている。カラー204bは、シャフト205bを作動させてアンカー202c,202dを一緒に引き寄せることにより、ストラット212c,212dに沿って遠位方向に前進している。一態様によれば、ストラットは、ストラットに沿ったカラーの平行移動を制限するように構成された構造物を含み得る。例えば、ストラット212bは、ストラット212bに沿ったカラー204aの遠位移動を制限するように配置されたフランジ213と、ストラット212bの近位端に配置されて、カラー204aの近位移動を制限するリップ207とを含むことが示されている。
【0025】
図1,2の先行技術のデバイスは、患者固有のカスタマイズにより、侵襲性が低く、解剖学的構造を維持した弁輪再調整の解決方法を与える。しかしながら、時間の経過とともに、ストラット212a,212bと剛性カラー204aとの間の慢性的な接触は、ストラット上に高ひずみ領域を生成し、材料の疲労及び破壊の可能性を増大させる可能性がある。例えば、カラー204aがストラット212a,212b上で滑り落ちると、カラーからの圧力がストラット212aの点P1に伝達され得、その結果、点S1で高いひずみが生じる。同様に、ピンチ点P2での圧力により、ストラット212bのS2点で高ひずみが発生する。時間の経過とともに、高ひずみの領域が疲労して破損し、インプラントの効果が低下し得る。
【0026】
デバイスの疲労に加えて、一態様によれば、インプラントと心臓壁との間の予期しない接触の可能性を最小限に抑えるために、インプラント外径を減少させることが望ましいことが理解される。さらに、血栓形成をもたらす可能性のある、ネジなどのインプラントのネジ山又は他の構造物の存在を最小限に抑えることが望ましいであろう。
【0027】
一態様によれば、改良されたインプラントの設計、システム、及び配備方法は、固定及び作動に続いてインプラントの少なくとも一部を除去することによってこれらの問題を克服する。そのような配置により、弁輪のカスタマイズの利点は、関連するリスクなしに実現され得る。
【0028】
一実施形態によれば、インプラントの少なくとも一部の除去は、取り外し可能なアクチュエータを含むインプラントの導入によって達成することができる。一実施形態では、取り外し可能なアクチュエータは、フレームの頂点によって支持されたシャフトと、シャフトの少なくとも一部にわたって平行移動できるように配置されたカラーとを含み得る。カラーは、シャフトに沿って遠位方向に移動し、フレームの近位頂点上を移動して、近位頂点の隣接するストラットと係合して、アンカー間の間隔を縮小するように構成することができる。一態様によれば、インプラントは、作動構成でフレームを保持するための締付け機構を含み得る。作動して保持されると、カラーは、シャフトに沿って近位方向に移動して、フレームから解放するためにシャフトを露出させるように構成することができる。一実施形態では、カラーは、取り外しのためにカラー内にシャフトを固定するためのロック機構を含み得る。カラーとシャフトの両方を取り外すと、いくつかの利点がある。例えば、カラーとシャフトを取り外すと、心臓壁との不測の接触の可能性を最小限に抑える薄型のインプラントが提供される。シャフトを取り外すと、ネジ山やその他の構造物が減り、血栓のリスクが最小限に抑えられる。カラーを取り外すと、フレームへのストレスが軽減され、破損のリスクが軽減される。さらに、弁輪インプラントのカラーを取り外すことで、フレームは慢性的な使用中の破壊力に耐えるように設計する必要がないため、軽量で堅牢性の低いフレーム材料を使用できる。
【0029】
開示されたインプラントのこれら及び他の有益な側面は、以下により詳細に説明される。本発明の実施形態は、僧帽弁を特に参照して説明することができるが、本明細書に開示する原理は、例えば三尖弁輪を含む任意の弁輪の再建を促進するため、及び/又は同様に他の拡張、弁の機能不全、弁の漏出又は他の同様の心不全状態に利益をもたらすために容易に適合させることができることに留意されたい。
【0030】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、デバイスを患者に導入するときの医療専門家から最も遠い端を指し、「近位」という用語は、デバイスを患者に導入するとき医療専門家に最も近い端を指す。
【0031】
図3A~3Dは、様々な図及び構成における本開示のアクチュエータ300の一実施形態を示している。
図3Aは、
図3Bの線3A-3Aに沿って取られたアクチュエータ300の断面図である。
図3Aでは、アクチュエータ300は、カラー340の中空部350内に配置されたシャフト320を含むように示されている。一実施形態では、カラー340は、インプラントフレームの拡張及び/又は収縮のうちの1つを制御するように構成された軸方向に平行移動自在な調整部材である。シャフトは、近位端322、係合部分324、及び遠位端326を有するように示されている。一実施形態では、シャフトヘッド325は、シャフト320の遠位端326に配置され、カラー340がその上を移動するフレームの一部によって運ばれ得る。例えば、フレームはシャフトヘッドを運ぶための窓又は他の開口部を画成することができ、これにより、シャフト320が開口部内でその回転軸の周りで自由に又は実質的に自由に回転できるが、フレームからの軸方向の動き及び/又は解放に対抗して拘束又は実質的に拘束される。
【0032】
いくつかの実施形態では、シャフト320は、中空部350の中心軸を通って延びる長尺状の構造部材からなる。シャフト320には、1つ以上のネジ山を備えたネジ山付きシャフトを含むことができ、カラー340の内部で回転させることができる。シャフト320にかかる回転力は、シャフト320のネジ山323などの外部係合構造物から、カラー340の歯又はネジ切343などの対応する内部構造物に伝達されて、カラー340の軸方向の動きを引き起こすことができる。ネジ山323は、シャフト320の一部にのみ含まれ得ることに留意されたい。例えば、
図3Aでは、同じ機能を達成するために、
図3Aにおいて、長さ324内のネジ山は、示されているように、ネジ山部分の下半分又は3分の1にのみ提供され得る。上半分又は3分の2は、ネジ山のない単純な円形、又はネジ山の小径以下の場合がある。
【0033】
一態様によれば、係合部分の長さ、例えば、ネジ山323を含むシャフトの部分の長さは、カラー340がシャフト320上を近位方向に平行移動できることを確実にするために、カラー340の長さに少なくとも等しく、解放のためにシャフトヘッド325を露出させるものであってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、シャフト320は円筒形であり得る。他の実施形態では、シャフト320は、他の形状を有し得るか、又は部分的に円筒形であり得る。シャフト320の幅は、シャフトの全部又は一部に沿って一定であり得る。いくつかの実施形態では、幅は、シャフトの全部又は一部に沿って変化し得る。シャフト320は、中実、中空、部分的に中実、又は部分的に中空であり得る。シャフト320は、ステンレス鋼、コバルトクロム、チタン、他のインプラントグレードの材料、ポリマー、プラスチック、合金、他の適切な材料、又はそれらの組み合わせで形成することができる。
【0035】
シャフト320のネジ山323は、様々な異なるピッチ及び内径/外径を有し得る。シャフト320は、直径約2.54×10-4~2.29×10-3m(約0.010~約0.090インチ)、直径約5.08×10-4~2.03×10-3m(約0.020~約0.080インチ)、直径約7.62×10-4~1.78×10-3m(約0.030~約0.070インチ)、又は直径約1.02×10-3~1.52×10-3m(約0.040~約0.060インチ)、又はその他の量又は範囲のネジ山323を有する1つ以上の部分を有し得る。この直径は、ネジ山323のピークから反対側のピークまで測定された外径であり得る。シャフト320は、2.54×10-2m(インチ)あたり約10~約150山、インチあたり約20~約140山、インチあたり約30~約130山、インチあたり約40~約120山、インチあたり約50~約130山、インチあたり約60~約120山、インチあたり約70~約110山、インチあたり約80~約100山、又はその他の量又は範囲のネジ山を有し得る。いくつかの実施形態では、シャフトは、直径が約0.040~約0.060インチであり、インチあたり約60~約120山であるネジ山を有する部分を含み得る。ネジ山のピッチ及び内径/外径は、カラー340の対応するネジ切343のものを補完することができる。
【0036】
シャフト320は、シャフトの近位端322と一体的に形成された、又はそれに結合された駆動カプラー327及びネック321をさらに含み得る。一実施形態では、ネック321は、直径が減少したシャフト320の一部を含む。一実施形態では、フランジ329は、ネック321を越えて半径方向に延在し、ネック321の近位に配置される。いくつかの実施形態では、フランジ329は、シャフト上のカラーの近位移動の延長を制限するように構成され得る。
【0037】
カラー340は、近位端370から遠位端360まで延びる中空部350を含む。上記のように、中空部350は、シャフトが作動されるときにカラー340をシャフト320上に平行移動させるためにシャフト320のネジ山323と協働する、中空部350の内壁に配置されたネジ切343又は他の構造物を含み得る。例えば、ネジ切343は、シャフト320のネジ切323のいくつか又はすべてにスライド可能及び/又は回転可能に係合するように構成されたネジ山又は他の構造物の相補的、連続的又は非連続的ならせん形状であり得る。
【0038】
カラー340はまた、シャフトと協働してカラー320の移動を制限し、及び/又はカラーをシャフトにロックする構造物を含み得る。そのような構造物は、弛緩した付勢された構成で中空部350の中心軸に向かって内向きに付勢され得る一対のアーム346a,346bを含み得る。アーム346a,346bは、カラーの中空部350内の遠位端で固定され得、及び/又は遠位端でカラーと一体的に形成され得る。アーム346a,346bの遠位端に結合されたアームタブ344a,344bは、カラーが近位方向に前進してタブ344a,344bをシャフトのネック321と位置合わせさせるときにネック321と係合するように構成され得る。
【0039】
カラー340及び/又は、アーム346a,346b及びタブ344a,344bなどの構造物は、例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金などの形状記憶材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、カラー340及び/又はタブ344a,344bなどのその構造物は、金属、他の金属合金、プラスチック、ポリマー、複合材料、他の適切な材料、又はそれらの組み合わせなどの他の材料で形成され得る。
【0040】
図3Bは、
図3Aのアクチュエータ300の遠位に向いた斜視図である。一実施形態では、カラーは、概ね長方形の形状であり得、長さL
Collar及び幅W
Collarを有する。カラー340は、使用中にインプラントフレームの中心軸に向けられる内向きの表面310を含み得る。反対側の表面(図示せず)は、内面310と反対側のカラー340の表面であり得る。
図3Bの構成では、タブ344a,344bは、ロック解除位置にて示され、シャフトは、カラー340の中空部内に自由に載置される。ネック321は、カラー340の近位端を越えて延びることが示されている。
【0041】
図3Cは、弁治療部位から除去するためにカラー340内にシャフト320を固定するロック状態のアクチュエータ300の断面図であり、断面図は、
図3Dの線3C-3Cに沿ったものである。
図3Cでは、カラー340は、シャフトヘッド325を露出させるように近位方向に平行移動されており、フレームの開口部からシャフトヘッド325を解放することを可能にしている。シャフト320上でのカラー340の近位方向の前進中に、ネック321がタブ344a,344bと位置合わせされるとき、アーム346a,346bの内向きの付勢により、タブ344a,344bがネック321と係合する。結果として、タブの近位に面する表面は、フランジ329の遠位に面する表面に接触し、シャフトのさらなる近位の動きを制限して、取り外し中にシャフトをカラーに効果的にロックする。
【0042】
図3Dは、
図3Cのアクチュエータ300の遠位向きの斜視図である。
図3Dのタブ344a,344bでは、内側に付勢され、フランジ329によって保持されているのを視認することができる。そのような配置では、アクチュエータのネジ山又は他の構造物は、アクチュエータの取り外し中にカラーによって包まれ、ネジ山及び/又はインプラントの鋭いエッジによって引き起こされる血栓及び他の塞栓リスクの可能性を低減し得る。
【0043】
図3A~3Dのような取り外し可能なアクチュエータは、安全性及び有効性のリスクを最小限に抑えながら、弁輪の再形成をカスタマイズするために経管的インプラントによって有利に利用され得る。経管的インプラントは多くの形態をとることができることが理解される。例えば、いくつかのインプラントは、圧縮された構成を想定するように付勢された成形記憶フレームを含み得、他のインプラントは、拡張又は部分的に収縮された構成を想定するように付勢された成形記憶フレームを含み得る。さらに他のものは、機械的に制御された膨張又は収縮技術を使用するかもしれない。
【0044】
取り外し可能なアクチュエータの様々な実施形態が本明細書に記載されている。アクチュエータは、例えば以下の特許文献を含むがこれらに限定されない、様々なインプラントデバイスで使用するために組み込まれ得ることが理解される。2015年9月11日出願米国特許出願第14/861,877号「心臓弁輪を再形成するための調整可能な内皮インプラント」(2017年4月11日に特許第9,615,926号として発行)、2016年9月29日出願米国特許出願第15/280,004号「血管内超音波イメージングを使用した心臓弁装置の送達方法」(2019年7月2日に特許第10,335,275号として発行)、2016年2月12日出願米国特許出願第15/043,301号「回転アンカーを使用した弁置換」(2017年12月26日に特許第9,848,983号として発行)、2016年11月15日出願米国特許出願第15/352,288号「心臓弁輪を再形成するための埋め込み型デバイス及び送達システム」(2020年2月11日に特許第10,555,813号として発行)、2015年3月12日出願米国特許出願第14/427,909号「僧帽弁反転プロテーゼ」(2017年4月4日に特許第9,610,156号として発行)、及び/又は、2006年2月16日出願米国特許出願第15/893,122号「心臓弁輪を再形成するための埋め込み型デバイス及び送達システム」(2020年2月4日に特許第10,548,731号として発行)。そのそれぞれの開示全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。したがって、本明細書における特定の特徴及び機能の説明は、組み込まれた参考文献に記載されているものなどの他の同等の特徴及び機能を除外することを意味するものではない。
【0045】
図4Aは、説明を容易にするために構成要素のサブセットのみに番号が付けられている、インプラント400の一実施形態を示している。インプラントは、アクチュエータ403などのアクチュエータを取り外し可能に運ぶフレーム420を含むことが示され、各アクチュエータ403は、シャフト401及びカラー402を含む。インプラント400は、フレーム420の遠位端に配置されたアンカーハウジング440など、フレーム420に結合された複数のアンカーハウジングを含むことがさらに示されている。一実施形態では、アンカーハウジング440は、アンカー410を弁輪組織に通過させるための管腔を提供すること、フレーム420をアンカー410に結合すること、及び本明細書で後述するように、弁輪再形成に続く、又は弁輪再形成の一部として、アンカー410の相対位置を締付け、拘束、及び/又は他の方法で調整及び/又は保持するために使用できる締付けコード450のための締付け管腔を提供することを含む複数の目的に役立つことができる。
【0046】
フレーム420は、フレーム420の中心軸Yの周りに円周方向に、そして部分的に軸方向に沿って延びることができる。フレーム420は、軸Yに関して対称である必要はないが、軸Yに関して概ね対称であり得る。フレーム420は、概ね管状の形状からなり、本明細書において「管状」は、円形ならびに他の丸みを帯びた又は他の閉じた形状を含み得る。フレーム420は、形状、サイズ、及び/又は構成を変更するように構成することができる。例えば、フレーム420は、事前送達、送達、組織係合、及び締付け中などの配備の様々な段階中に、様々な形状、サイズ、構成などをとることができる。
【0047】
一実施形態によれば、フレーム420は、フレーム420の全部又は一部を形成し得る1つ以上のストラット412a,412bから形成され得、ストラット412a,412bは、金属合金から形成された長尺状の構造部材を含み得る。ストラット412a,412b及び/又はフレーム420の他の部分は、ニッケルチタンの合金などの形状記憶材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、ストラット412a,412b及び/又はフレーム420の他の部分は、他の金属、金属合金、プラスチック、ポリマー、複合材料、他の適切な材料、又はそれらの組み合わせで形成されている。
図4Aには、16本のストラットが示されているが、いくつかの実施形態では、16本のストラット412a,412bよりも少ない又は多い場合があることが理解される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つ、4つ、6つ、8つ、10つ、12つ、14つ、18つ、20つ、22つ、24つ、26つ、28つ、30つ、又はそれ以上のストラットがあり得る。本発明は、特定の数のストラットを有するインプラントに限定されないことが理解されよう。
【0048】
一実施形態では、ストラットは、同じモノリシックな材料片(例えば、チューブストック)から形成することができる。したがって、ストラット412a,412bは、同じ広範な構成要素の異なる部分を参照することができる。あるいは、ストラット412a,412bは、別々に形成され、例えば溶接又は他の方法によって恒久的に一緒に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ストラット412a,412bは、インプラント400の他の構成要素によって互いに取り外し可能に結合された別個の構成要素であり得る。例えば、ストラット412a,412bは、カラー402、アンカー410、アンカーハウジング440、他の構造物、又はそれらの組み合わせなど、本明細書に記載の様々な構成要素を介して一緒に保持することができる。いくつかの実施形態では、別個のストラットは、頂点などで恒久的に一緒に取り付けられた2つ以上のストラットを含み得、別個のユニットはそれぞれ、恒久的又は着脱自在に一緒に結合されて、フレーム420を形成し得る。いくつかの実施形態では、ストラット412a,412bは、ヒンジ、ピン、又は他の適切な手段によって取り付けられ得る。
【0049】
ストラット412a,412bは、概ね長方形の断面を有することができるが、カラーがストラット上を前進するときに加えられる異なるビーム特性及び力を可能にするために、円周方向の幅及び半径方向の厚さを変えることができる。これは、以下でさらに説明するように、例えば、移植後の収縮又は弁輪のリモデリングを容易にし得る。
【0050】
ストラット412a,412bは、軸の周りに延在して、フレーム420の様々な形状を形成することができる。ストラット412a,412bは、フレーム420の壁パターンがほぼ正弦波又はジグザグ形状であり得るように配置され得る。いくつかの実施形態では、壁パターンは、正弦波であろうとなかろうと、他の適切な形状を有し得る。正弦波形状のフレーム420の頂点は、尖っていても、丸みを帯びていてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、別個のストラットユニットは、頂点などで恒久的に一緒に取り付けられた2つ以上のストラットを含み得、別個のユニットはそれぞれ、恒久的又は着脱自在に一緒に結合されてフレームを形成し得る。
図4Bに示されるように、隣接するストラット412a,412bの対は、近位の頂点450で交わるように示されている。「頂点」、「尖頂」などの用語は、本明細書で使用され、特に明記しない限り、参照により本明細書に組み込まれる任意の参考文献で使用される「クラウン」、「王冠」などの用語と交換可能に使用され得る。一実施形態では、「頂点」は、フレームの近位部分又は遠位部分、例えば、ストラットが合接する場所を含むフレームの部分、及び/又はそれに沿ってカラーが移動することができるフレームの部分、及び/又は平行移動中にカラーが覆う可能性のあるフレームが含まれる。
【0052】
近位頂点460は、近位頂点450の少なくとも一部の上及び/又は周囲に取り付けられたカラー402などの拘束を有するように構成され得る。
図4Bの実施形態では、フレームの露出した近位頂点460は、シャフトヘッド512を解放可能に運ぶように構成された近位頂点ウィンドウ515を含むように示されている。
図4Bに示されるように、シャフトヘッド512上のカラー402の近位前進は、シャフトヘッド512を近位頂点ウィンドウ515から解放し、それにより、フレームからのカラー402の取り外しを可能にする。
【0053】
図4Aに戻って参照すると、インプラント400は、1つ以上のアンカー410を含み得る。いくつかの実施形態では、アンカー410は、らせん部分426と、駆動ツールと係合するためのフック又は他の構造物を含み得る駆動カップリングを含む近位アンカーヘッド428とを含み得る。アンカーは、ステンレス鋼、コバルトクロム、白金イリジウム、ニッケルチタン、他の適切な材料、又はそれらの組み合わせなどの適切な生体適合性金属合金から形成することができる。各アンカー410は、心臓組織への侵入を容易にするために、その遠位点又は先導ターンで鋭利にすることができる。各アンカー410は、軸方向の全長が約10~約15ミリメートル(mm)であり得る。いくつかの実施形態では、アンカー410は、軸方向の全長が10~15ミリメートル(mm)よりも短くても長くてもよい。「総」軸方向長さは、遠位貫通先端の端部からヘッド428の反対側の近位端までのアンカー410の軸方向長さを意味する。アンカー410のらせん部分426は、軸方向の長さが約6~約12ミリメートル(mm)であり得る。いくつかの実施形態では、アンカーのらせん部分426は、軸方向の長さが6~12ミリメートル(mm)よりも短くても長くてもよい。アンカーヘッド428及び/又はアンカー410の他のらせん部分以外は、軸方向の長さが約3~約4ミリメートル(mm)であり得る。いくつかの実施形態では、アンカーヘッド428及び/又は他のらせん部分以外は、軸方向の長さが3~4ミリメートル(mm)よりも短いか、又は長くてもよい。アンカー410は、アンカーハウジング440を超えて軸方向に約4~約7ミリメートル(mm)まで延びることができる。例えば、アンカー410のらせん部分426は、心臓組織内に4~7ミリメートル(mm)まで延びることができる。アンカー410は、軸Yに対して非平行な角度(例えば、鋭角又は鈍角)を有することが示され、これは、弁輪組織と係合し、アンカーの引き抜きの可能性を低減するのに有利であり得る。しかしながら、実施形態はそのように限定されない。例えば、アンカー410は、アンカー410が、アンカーハウジング440のそれぞれのベースを形成する平面に対して実質的に軸方向(例えば、垂直)に延びるように、軸Yに実質的に平行であり得る。
【0054】
図4Aは、例えば、治療部位に近接したインプラントの配備及び拡張に続いて、そしてインプラント400を組織に固定する前に、組織係合構成で配備されたインプラント400を示す。フレーム420は、組織係合構成において15~20ミリメートル(mm)の範囲の全体的な軸方向の高さを有し得る。この高さ又は高さの範囲は、フレーム420のサイズ及びパターンならびにアンカー410の長さに応じて、この15~20mmの範囲からさらに変化するであろう。いくつかの実施形態では、フレームは、約17ミリメートルの高さを有し得る。
【0055】
図5は、インプラント400を組織に固定した後のインプラント400を示している。アンカー410は、アンカー410の組織貫通端が組織内に回転的に前進するように、アンカーハウジング440を通って回転的に前進したことが
図5に示されている。
図5では、インプラント400は、収縮又は締め付けられた構成に再構成されて示されている。インプラント400の締め付けられた構成は、組織係合構成の直径及び/又は高さとは異なる、弁輪リモデリング直径及び/又は弁輪リモデリング高さに対応し得る。例えば、インプラント400の弁輪リモデリング高さは、組織係合構成におけるインプラント400の組織係合高さよりも大きくてもよい。インプラント400の弁輪リモデリング直径は、組織係合構成におけるインプラント400の組織係合直径よりも小さくてもよい。様々な実施形態において、独立して制御可能なアクチュエータによって提供されるカスタマイズ可能性のために、直径の減少は非対称であり得る。例えば、締め付ける前に、インプラント400は、一般に楕円形、卵形、又は他の形状であり得、締め付け後、インプラント400は、概ね「D」形状又は他の形状(及び比較的減少した円周)であり得る。このように、インプラント400は、締め付け前又は締め付け後、ならびに締め付け中に様々な形状をとることができる。例えば、カラー402は、個別に(例えば、同時にではなく)前進させることができる。したがって、インプラント400は、締め付けられている間、不規則な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、締められた状態でさえ、すべてのカラー402が前進するわけではなく、及び/又はすべてが同じ量だけ前進するわけではないので、締められた状態では、隣接するストラットの異なる対の間の角変位は同じではない可能性がある。したがって、インプラント400は、特定の患者のニーズに応じて、カスタムの方法で締め付けることができる。いくつかの実施形態では、インプラント400の約半分は、例えば、前部の生来の弁尖を後部の生来の小葉に近づけるために、又はその逆のために、締めることができる。したがって、インプラント400の「締め付けられた」状態は、本明細書に示され、説明されるそれらの特定の形状だけに限定されず、患者のニーズに基づいて選択され得る多数の可能な形状、サイズなどを含む。
【0056】
一態様によれば、インプラントは、アクチュエータの取り外し後にインプラントの締め付けられた形状を保持する保持機能を含み得る。保持機能は、アンカーハウジング440を通って延びる締付けコード450などのインプラントの物理的構成要素であり得るか、あるいは、本明細書で後述するように、保持を助けるフレームの物理的属性を含み得る。
【0057】
一態様によれば、締付けコード450は、締付けワイヤ、縫合材料などを含み得、アンカーハウジング440の締付け管腔内に摺動可能に配置され得、
図5に示されるように、インプラント400の締め付けられた構成でアンカーを相互接続する。
【0058】
図6A~6Cは、上記のように締付けコード450を支持するために使用され得るアンカーハウジング600、625の例示的な実施形態を示す。アンカーハウジング600は、少なくとも部分的にアンカーハウジング600を通って延びる複数の管腔を有する本体610を含むことが示されている。例えば、アンカーハウジング600は、インプラントを組織に取り付けるためにアンカーが前進されるアンカー管腔630、及びフレームのストラットをアンカーハウジングに固定するためのスロット620を含み得る。いくつかの実施形態では、アンカーハウジングは、フランジ611をさらに含み得る。フランジ611は、カテーテルを通して配備するためにアンカーハウジングを圧縮構成で保持するために、保持器(図示せず)と組み合わせて使用することができる。
【0059】
アンカーハウジング600は、アンカーハウジング本体610を通って少なくとも部分的に延びるように構成された締付け管腔640をさらに含み得る。例えば、
図6A及び6Bは、締付けコードを貫通して前進させることができるアンカーハウジング本体610の斜視図を示している。一実施形態では、アンカーハウジングの締付け管腔は、締付けコードと共に、締付けされたインプラントのアンカーの相対位置を保持するための保持機能を提供することができる。一実施形態では、締付け管腔は、締付けコードがフレームの内周内又はその周囲に配置されるように配置される。他の実施形態では、締付け管腔は、フレームの外周の周りに配置することができる。
【0060】
図6Cは、アンカーハウジング625の代替の実施形態を示している。アンカーハウジング600と同様に、アンカーハウジング625は、アンカー管腔635、スロット645、及びフランジ651を有する本体655を含むことが示されている。アンカーハウジング625は、締付け管腔675を提供するアイレット665を含む。一実施形態では、アイレットは、有利には、スイベルアイレットであり得る。これは、締付けコードがアンカーハウジングの間に通されるときに、より大きな自由度及び柔軟性を提供する。
図6Cでは、アイレットは、アンカーハウジング625の近位に向けられた面に配置されて示されているが、他の実施形態では、アイレット又は他の形態の締付け管腔は、アンカーハウジング625の遠位に向けられた表面又は別の表面に配置され得る。
【0061】
代替の実施形態では、締付け管腔は、
図5に示されるものと同様の構成でフランジ651を通って、あるいはアンカーハウジングの異なる構造物を通って延びることができる。本発明は、アンカーハウジング内又はアンカーハウジング上での締付け管腔の特定の配置に限定されない。
【0062】
一態様によれば、締付けコード450は、治療部位への経管的送達のために、圧縮された形態でインプラントを結合するために有利に使用され得ることが理解される。そのような配置は、フランジ651の必要性を排除し、それにより、配備前のインプラントの断面直径を最小化することができる。
【0063】
図7に示されるように、フレーム420が保持機構(ここでは締付けコード450)を介して固定されると、アクチュエータカラー402及びシャフト401は、フレーム420から離脱され、配備カテーテルを介して治療部位から抜去され得る。上記のように、アクチュエータを離脱することは、少なくともシャフトヘッド512が露出され、フレーム420の近位頂点460内に形成された窓515から解放可能になるまで、カラー402を近位方向に平行移動させるようにシャフト401を作動させることを含み得る。様々な実施形態において、アクチュエータは、個別に、同時に、又はそれらのいくつかの組み合わせを解放するために駆動され得る。
【0064】
図8A及び8Bは、アクチュエータの解放後のそれぞれのインプラント800、820を示している。
図8Aに示されるように、締付けコード850は、結束又は締付けクランプ815、抵抗溶接バンド又は他の方法などの他の方法によって固定され得る。アクチュエータを取り外すと、インプラントの高さが大幅に減少し、心房内に残る部品の数が減少し、ネジなどの隆起した要素が心房から除去されるため、インプラントの破損やその他のリスクが軽減される。
【0065】
別の態様によれば、フレームは、慢性的な使用中にアクチュエータ構造を支持する必要がないので、フレームは、より軽量の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、近位頂点812は、インプラントと心臓の構造物との間の意図しない接触の影響をさらに低減するために丸くすることができる。
図8A及び8Bは、インプラントの締め付けられた直径から半径方向外向きに延びるフレームを示しているが、いくつかの実施形態では、フレームは、不測の接触の可能性をさらに最小化するためにフレームの中心軸に向かって半径方向に付勢される材料から作製され得る。
【0066】
図8Bは、リンクされた締付けコード852を含むインプラント820を示している。一態様によれば、本明細書で後述するように、一実施形態では、締付けコードは、複数のリンク、フック、又はリンク825などの他の構造物を含み得、これらは、締付け管腔を通って一方向に前進するように構成され得るが、ラチェットベルト又は他のそのようなタイプの拘束のように、反対方向への移動に抵抗する。そのような実施形態は、有利には、アンカーカラーを一緒に締めることができるが、アンカーハウジング間の所望の間隔を保持し、インプラントの再建をさらにカスタマイズすることができる。
【0067】
したがって、取り外し可能なアクチュエータを含むインプラントの実施形態は、圧縮されたフレームを拡張し、フレームを作動させて弁輪を再形成し、保持機構をフレームに取り付けて弁輪の再形成を保持するための機構を含むことが示され、説明されている。様々な実施形態において、取り外し可能なアクチュエータは、インプラントの配置、インプラントの作動、及びアクチュエータの除去のための異なる作用機序を有するインプラントにおいて使用され得る。所与のインプラントの作用機序に応じて、アクチュエータの取り外しを可能にしながら配備を支援するためにカラーに変更を加えることができると想定される。
【0068】
例えば、
図9A及び9Bは、自己締付け型インプラントと共に使用するためのアクチュエータの一部として含まれ得るカラー900の一実施形態の斜視図であり、自己締付け型インプラントは、圧縮された方向に少なくとも部分的に付勢されたインプラントであり、例えば、ターゲットの弁輪以下の形状をなすことができる。カラー900は、
図3A~3Dに関して説明されたカラーと設計が類似し得るスリーブ部分902を含むように示されている。部材904は、スリーブ902に取り付けられるか、又はスリーブ902と一体であり得、フレームのストラットによって規定される平面に平行な軸に沿ってスリーブ902から遠位に延びることができる。部材904から延びるのは、アーム906を含む拡張機構905であり、アームは、端部907a,907bがストラットと係合するように、フレームの結合されたストラットによって定義される平面内に延びるように構成される。アーム906の幅W
Armは、組織係合構成の拡張状態に対応するストラット間の間隔に従って選択することができる。部材904の長さL
Memberは、スリーブ部分902が近位頂点に沿って近位に作動されるときに、アーム906がデバイスを組織係合構成に拡張できるように選択され得る。長さL
Memberは、アーム906の幅W
Armに関連し得る。部材の幅W
Armと長さLMemberは、デバイスの広がりを最適化するために調整できる。近位頂点の形状に応じて、W
Armはストラット幅の1~2倍、ストラット幅の3倍、又はそれ以上になり得る。L
Memberは、ストラットの長さの4分の1~2分の1の間である可能性がある。
【0069】
図10A及び10Bは、インプラント1000の一部を示している。インプラントの比較的直線的な部分のみが示されているが、インプラント1000は、弁輪の再形成に使用するために概ね管状の形状のインプラントを含むことが理解される。
【0070】
一実施形態では、インプラント1000はヒートセット材料で形成されたフレーム1050を含むことができ、フレーム1050は、圧縮構成に向かって、例えば、弁輪のサイズに関連する直径を有する圧縮構成に向かって付勢されている。一態様によれば、フレームの自然な付勢は、インプラントの配置、固定、及び作動に続く保持機構として使用され得ることが理解される。そのような実施形態では、拡張機構1025を含むアクチュエータ1010を使用して、例えば、
図10Aに示すように、アクチュエータ1010をストラット1012a,1012bに沿って近位方向に駆動することによって、フレーム1050を組織係合構成に拡張することができる。ストラット1012a,1012bに沿ったアクチュエータ1010の近位方向の前進は、ストラット1012a,1012bによって画成される平面内にある拡張機構1025のアーム1020をストラット1012a,1012bに対して横方向の力を加えて、フレームを組織係合構成に拡張する。
図10Aに示されるように、位置決め中に、アンカー1011の遠位端は、アンカーハウジング1040内に配置され得る。
【0071】
フレーム1050が組織係合構成に拡張されると、アンカー1011は、
図10Bに示されるように、アンカーハウジング1040を通って組織内に駆動され得る。一実施形態では、インプラント1000がアンカー1011によって弁輪に固定されると、作動を実行して、上記のように弁輪を成形することができる。例えば、アクチュエータ1010は、それぞれのストラット上で独立して駆動されて、アンカー1011を一緒に引っ張って弁輪を形成することができる。アクチュエータ1010がストラット1012a,1012b上を遠位方向に移動するとき、アーム1020は、同様に、ストラットによって画成される平面に沿って遠位方向に移動する。アーム1020がストラットによって画成される平面に沿って遠位方向に移動するとき、ストラット間の遠位間隔の増加により、ストラットに対するアーム1020の力は減少する。ストラット1012a,1012bに作用するアーム1020の力の減少は、ストラット1012a,1012bによって移動された距離に応じて、ストラット1012a,1012bがそれらの付勢された構成の様々な程度に戻ることを可能にする。代替の実施形態では、インプラント1000を配置し、アクチュエータ1010を遠位方向に前進させてインプラントを成形し、次にアンカー1011をアンカーハウジング1040を通して組織内に駆動して、作動構成を保持することができる。
【0072】
図11A及び11Bは、アンカーハウジング1040を介したアンカー1011の平行移動による固定後のアクチュエータ1010の解放を示している。アクチュエータ1010は、
図11Aに示されるように、シャフトヘッド1052が露出され、フレーム1050の近位頂点から解放可能になるまで、ストラット1012a,1012b上で近位方向に前進され得る。フレーム1050からシャフトヘッド1052を解放すると、ストラット1012a,1012bの間からアーム1020も除去される。フレーム1050からアクチュエータ1010を解放することにより、フレーム1050は、付勢された、締められた構成に戻ることができる。
図11Bに示されるように、離脱されたアクチュエータ1010は、次に、配備カテーテルを通して治療部位から引き抜かれることができる。結果として、フレーム1050、アンカー1011、及びアンカーハウジング1040のみが残る。
図8A及び8Bに関して記載したように、一実施形態では、フレーム1050のストラット1012a,1012bの近位端1026は、インプラントと心臓の構造物との不測の接触によって引き起こされる外傷を最小限に抑えるために湾曲又は他の方法で鈍化され得る。様々な実施形態において、フレーム1050は、アクチュエータ1010によって解放されたときに、ストラット1012a,1012bをフレーム1050の中心軸に向かって半径方向内側に付勢して、不測の接触の可能性をさらに制限するようにヒートセットされ得る。
【0073】
したがって、取り外し可能なアクチュエータを備えたカスタマイズ可能な弁輪形状を提供する弁輪の弁輪インプラントの様々な実施形態が示され、説明されてきた。そのようなインプラントは、拡張可能なガイドワイヤ1225に結合された遠位先端1220を有する遠位シース1240を含む配備カテーテル1210を含むことが示される、
図12に示されるような経管的に送達される弁輪再形成システム1200の一部であり得る。インプラント配備中、配備カテーテル1210は、ガイドワイヤ1225を使用して、例えばアトリウム1265内の治療部位に経管的に前進させることができる。ガイドワイヤ1225は、例えば、直径0.010インチ~0.038インチの間を測定することができる。配備カテーテル1210は、心尖を介して僧帽弁にアクセスするための長さが約20~30センチメートルであり得る。配備カテーテル1210は、脚の血管系、例えば、心臓弁輪への経管的配備のための大腿静脈又は腸骨静脈を介して心臓にアクセスすることができる。
【0074】
本明細書に開示されるような取り外し可能なアクチュエータを含むインプラント1230は、配備の間に配備カテーテルの遠位シース1240内に配置され得る。
図12では、配備カテーテル1210の遠位先端1220が、僧帽弁輪1260に近接する治療位置まで左心房1265内に操作されて示されている。治療部位への配備に続いて、インプラントは、配備カテーテルから離脱され、組織係合構成に拡張され、弁輪再形成構成に締め付けられ、僧帽弁の近くに固定され得る。本明細書に記載されるように、その後、アクチュエータは、フレームから離脱され、配備カテーテル1210を通して引き抜かれることができる。
【0075】
図13は、本明細書に記載されるように、弁輪再形成のためにインプラント1305を配備するために使用され得る例示的な配備システム1300を示す。配備システム1300は、操縦可能なシース1302、シースステアリングノブ1304、アンカーノブ1306、締付けノブ1308、及び心臓内心エコー検査(ICE)プローブ1370を含み、これらはすべて、基部1310に支持及び固定されている。締付けノブ1308及びアンカーノブ1306は、張力を維持するためにばね荷重をかけられ得る。アンカーノブ1306の回転は、インプラントのアンカーを弁輪組織内に回転的に前進させることができる。締付けノブ1308は、オペレータによって操作されて、アンカーに結合された拡張可能なフレームを圧縮して、弁輪を減少させ、ならびにアクチュエータをフレームから取り外して、薄型のインプラントを提供することができる。本発明は、本明細書に記載のアクチュエータを駆動するために使用されるメカニズムによって制限されず、本開示の範囲に影響を与えることなく、他の実装を本明細書に置き換えることができることを理解されたい。
【0076】
したがって、カスタマイズ可能な薄型の弁再建ソリューションを可能にするための取り外し可能なカラーベースのアクチュエータを有するインプラント送達システムの様々な実施形態が説明されてきた。本明細書に開示される原理は、当技術分野の技術者による異なる作動メカニズムを使用する他のインプラント送達システムに適用され得ることが理解される。
【0077】
例えば、
図14は、インプラント配備システム1400を示している。そのようなインプラント配備システム1400は、配備カテーテル(1210、
図12)の遠位シース1240(
図12)内にて運ばれ、
図12に関して説明したように弁輪に送達され得る。フレーム1430の1つ以上の遠位頂点に配置されたアンカーハウジング1440などのアンカーハウジングを有する可撓性フレーム1430を備えるインプラント1425を含むインプラント配備システム1400が示されている。各アンカーハウジング1440は、アンカー1427を平行移動自在に支持するように構成され得る。
【0078】
インプラント配備システム1400はまた、例えば、フランスのコロンブのARKEMA社によって提供されるPEBAXなどの押し出されたポリマーから形成され得るスリーブ1410を含む。あるいは、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、シリコーン又は他の同様の材料を使用して、引張及びフープ強度のために編組ワイヤ又はコイル上に押し出して層状にすることができる薄い壁を提供することができるが、開示されるシステムは、イントロデューサーカテーテルの特定の材料構成に限定されない。
【0079】
チューブ1420などの複数の可撓性チューブは、チューブ1420がスリーブ1410に対して片持ち梁であるように、それらの近位端でスリーブ1410に取り付けられるか、さもなければ結合され得る。駆動シャフト1429は、可撓性チューブ1420のそれぞれを通って延在して、結合されたアンカー1427をアンカーハウジング1440を通して弁輪組織に係合及び駆動することができる。
【0080】
一実施形態では、コア1450は、スリーブ1410の中央管腔内に配置され得る。いくつかの実施形態では、コアは、例えば、作動カテーテル及び/又はICEプローブ1370などの視覚化デバイスの平行移動支持のために、それを通って延びる管腔を有し得る(
図13)。一態様によれば、コア1450は、その遠位端で1つ以上のフランジ1452に延びるコアシャフト1451を含み得、ここで、1つ以上のフランジ1452は、外径D
distalcoreがコアシャフトの外径D
coreよりも大きくなるように、遠位端1457に半径方向に延びる。一実施形態では、フランジ1452は、アンカーハウジング1440を越えて近位方向にコア1450の平行移動を容易にするために、D
distalcoreの直径からD
coreまで近位方向に先細になり得る。様々な実施形態において、コア1450は、スリーブ1410内に配置されたスリーブを形成するために単一であり得る。他の実施形態では、本明細書で後述するように、コア1450は、フレーム1430の形状をカスタマイズするように構成された個別の独立して制御可能なアームを含み得る。
【0081】
一態様によれば、各チューブ1420は、スリーブとの近位接続に近接する可撓性部分を含む。可撓性部分は、コア1450のフランジ1452によってチューブに圧力が加えられたときに、チューブ1420がスリーブ1410の中心長手方向軸から離れて角度的にフレアすることを可能にする。コア1450の近位方向の平行移動中に、フランジ1452の遠位端1457は、チューブ1420を押して、スリーブ1410の中心軸から半径方向外向きにチューブを偏向させる。チューブ1420は、ドライバ1429及びアンカー1427を介してアンカーハウジング1440に結合され、アンカーハウジング1440はフレーム1430に結合されるので、コア1450の近位平行移動はまた、フレーム1430を拡張するように作用する。したがって、様々な実施形態において、コア1450及びフランジ1452は、インプラントフレーム1430の拡張及び/又は収縮を制御するように構成された軸方向に平行移動自在な調整部材を含む。
【0082】
したがって、一態様によれば、コア1450は、スリーブ1410内に平行移動的に配置されている。システム1400を僧帽弁に配備することは、配備カテーテルの遠位端を心腔内に経管的に前進させ、イントロデューサシースを引き抜くか、又はシステム1400をイントロデューサシースの遠位端を越えて前進させて、インプラントを心腔内に配置するステップを含み得る。コア1450は、
図14に示されるように配置されることができ、コア1450及びフランジ1452は、アンカーハウジング1440を超えて延在し、フレーム1430は、インプラント1425の管腔を通した前進の間にシステム1400の直径を最小化すべく圧縮した状態に保持されている。圧縮状態では、フレーム1430は、
図14に示されるように、コア1450に対して同一平面上にあることができる。代替の実施形態では、フレーム1430は、半圧縮状態、例えば、フレーム1430の付勢された直径が健康な弁輪の形状及び/又は直径に対応する状態に向かって付勢され得る。そのような実施形態では、フレーム1430は、フレーム1430上の配備カテーテル(
図12の1210)の圧力によって、送達中にコアに対して同一平面に保持されることができ、そして、挿入後に配備のためのフレーム1430からの配備カテーテル1210の除去、及び/又は体温のフレームへの作用によって、フレーム1430が半圧縮状態に拡張する可能性がある。
【0083】
ここで
図15Aを参照すると、インプラント1500が心腔に送達された後、フレーム1520を拡張して、アンカー1535などのアンカーを組織係合構成に配置することができる。一実施形態によれば、フレームの拡張は、矢印Bによって示されるように、スリーブ1510内でコア1550を近位方向に平行移動させることによって制御される。スリーブ内のコア1550の近位方向の前進は、コア1550のフランジ1557にチューブ1525などのチューブへの力を加えさせ、スリーブ1510によって画成される長手方向軸から離れるようにチューブ1525を角度方向に偏向させる。次に、チューブ1525は、アンカーハウジング1530を半径方向外側に押し出し、フレーム1520を拡張する。
【0084】
図15Bは、例えば、
図15Aの矢印Bによって識別される斜視を介した、拡張されたインプラント1500の近位向きの斜視図である。図示の実施形態では、チューブ1525の近位端は、コア1550のフランジ上に設けられた戻り止め1551内に摺動可能に配置されている。インプラント1500は、組織係合のために拡張された状態で示されている。そのように構成されると、フレアチューブ1525内の駆動シャフトは、組織係合のためにアンカーハウジング1530を通してアンカー1535を駆動するように作動され得る。一実施形態では、駆動シャフトは、回転してアンカー1535をアンカーハウジング1530を通して駆動して組織と係合するトルクシャフトであり得る。したがって、様々な実施形態において、駆動シャフトは、インプラントフレームの拡張及び/又は収縮をさらに微調整するために、アンカーハウジング内に及び/又はアンカーハウジングを介して軸方向に平行移動し得る。
【0085】
図16は、本明細書に開示されるようなインプラントフレームの拡張、固定、及び締付けを制御するために使用され得るアクチュエータ1600の一部の一実施形態を示す。アクチュエータ1600は、スリーブ1605の遠位端の近くに結合又は取り付けられたチューブ1625を有するスリーブ1605(断面図に示されている)を含むように示されている。一実施形態によれば、チューブ1625は、スリーブ1605に完全に取り付けられなくてもよく、むしろ、チューブの外側接触面の少なくとも一部に沿って取り付けから離脱されて、可撓性部分1620に回転ジョイントを形成し得る。可撓性部分1620によって形成された回転ジョイントは、インプラントが拡張されるときに、チューブ1625がスリーブ1605によって画成される軸から離れてフレアになることを可能にする。したがって、チューブが回転ジョイントを形成することを可能にする可撓性部分を有した、チューブ1625などのチューブは、本明細書では「フレアチューブ」と呼ばれることがある。
【0086】
フレアチューブ1625の可撓性部分1620は、スリーブ1605の外側のチューブの近位端の近くに配置され得、フレアチューブの比較的剛性の部分1630は、可撓性部分1620からチューブ1625の遠位端を通って延びることができる。可撓性部分は、チューブを改変することによって、例えば、チューブの通路方向部分を切断して柔軟性を高めることによって形成することができる。あるいは、管は、可撓性部分1620での比較的可撓性のポリマーコーティング及び部分1630に沿った比較的剛性のポリマーコーティングを含んでなる、弾性シース(編組カテーテルなど)からなるものであってもよい。いくつかの実施形態では、フレアチューブは、様々な編組を備えたコーティングされた編組、又は様々な織りを備えた複合体から構築され得る。さらに、一部の設計では、一方向(放射状)のみの剛性を下げ、それ以外の場合(円周方向)の剛性を維持すると役立つ場合がある。一実施形態によれば、フレアチューブは、フレアチューブが遠位に延びるにつれて、剛性が増加し、及び/又は可撓性が減少し得る。チューブが遠位方向に伸びるときに剛性を高めることで、フレアチューブをより簡単に変形/屈曲してアンカー間隔を微調整できると同時に、アンカーを組織に打ち込むのに十分な遠位方向の剛性を与える。
【0087】
一実施形態によれば、駆動シャフト1610は、スリーブ1605を通って、及びチューブ1625の遠位端を通って延在して、アンカー(図示せず)と係合することができる。一実施形態では、駆動シャフト1610は、アンカーの近位端に係合するためのカプラー1640を含むトルクシャフトである。
【0088】
一態様によれば、駆動シャフト1610は、スリーブ1605及びチューブ1630内で軸方向に平行移動するように構成され得る。アクチュエータ1600などのアクチュエータを各アンカーに設けることができ、スリーブ1605及びチューブ1625内の駆動シャフト1610の独立した軸方向の動きを使用して、様々なアンカーヘッドとそれらに対応するフレアチューブを押したり、引いたり、その他、長さを調節することで、コアの近位方向の平行移動によって提供されるインプラントの構成調整を微調整する。そのような配置は、患者の特定のニーズ及び/又は弁の病状に従ってインプラントを構成することを可能にする。
【0089】
図17A~17Cは、
図15Aに関して説明したように、チューブをフレアアウトするために使用することができるコア1710の代替の実施形態の様々な図を示している。
図17Aでは、コア1710は、アーム1715a,1715b、及び1715cなどの複数のアームを含み、各アームは、フランジ1720a,1720b,1720cを含むか、又は支持するように示されている。各アームは、スリーブ内に配置され(図示せず)、
図14に示されるように、スリーブの近位端からフレームの遠位端を通って延びるように構成され得る。各アームは、独立した軸方向の平行移動のために有利に構成される。例えば、
図13に示されるようなハンドルは、ユーザの操作を可能にするためにハンドルの近位に延びることができるアームに取り付けられた堅いワイヤ又はロッドを前進及び後退させる回転ノブを含むように適合され得る。各フランジ1720a,1720b,1720cは、フレアチューブを支持するように構成された戻り止め1721a,1721b,1721cを含むように示されている。一実施形態では、各フランジ1720a,1720b,1720cは、フレーム拡張の間にスリーブコアが近位方向に引き抜かれるときに、フランジ1720a,1720b,1720cを越えて近位方向にアンカーハウジングの平行移動を容易にするために、遠位端直径からコアのほぼ外径まで近位方向に先細になる。
【0090】
図17Bは、8つのフランジ1720a~1720hに結合された、独立して平行移動自在な8つのアームを含むコア1710の遠位端の近位向きの斜視図である。8つのアームが示されているが、使用されるアームについての特定の数量は設計の問題であり、同等の実施形態は、例えば、最小1つ又は2つ、又は最大8、10、又は配備カテーテルに利用可能なスペースに応じて最大数を含み得ることを理解されたい。戻り止め1721a~1721hは、チューブプロファイルに対してプロファイルが相補的であり得る。例えば、コアがスリーブ内で平行移動されるときに、円形フレアチューブのレールタイプの支持を提供するように湾曲している。コア1710の各アーム1720a~1720cを独立して平行移動させる能力は、たわみの程度を各チューブに対してカスタマイズすることを可能にすることによって、インプラントの構成をカスタマイズする作動システムの能力をさらに強化する。
【0091】
図17Cは、各アーム1715a~1715dが異なる近位範囲に変換されたコア1710を示しており、フランジ1720a、1720b、1720c、及び1720dによって支持された各チューブに対して異なる程度の角度偏向をもたらす。例えば、フランジ1720bに結合されたアーム1715bは、フランジ1720dに結合されたアーム1715dよりもさらに遠位に延びる。結果として、フランジ1720bによって支持されたフレアチューブは、フランジ1720dによって支持されたフレアチューブよりも低い角度で拡張するであろう。結果として、フランジ1720bによって支持されたフレアチューブを通って延びるドライバによって駆動されるアンカーは、コア1710の中心軸の近くに配置され得、フランジ1720dによって支持されたフレアチューブは、コア1710の中心軸よりも相対的に遠くに配置され得る。そのような配置では、インプラントの非対称構成は、コアを使用する独立した作動と、固定前にインプラントを成形するためにアンカーを押し、及び/又は引くための駆動シャフトの独立した制御との両方によって達成され得る。インプラント構成に2つのメカニズムを提供する、例えば、初期非対称成形にコアフランジの位置決めを使用し、駆動シャフトを使用して位置決めを微調整することで、特定の目的に合わせてインプラントをカスタマイズする機能が向上する。
【0092】
図18Aは、例えばフレアチューブ1820内の駆動シャフトを回転させるか、さもなければ操作することによって、組織に埋め込まれるように構成されたアンカー1840を備えた、アンカー構成のフレーム1830の実施形態を示す。アンカー1840が組織に埋め込まれると、コアはまた、スリーブ1810から遠位に前進され得、フレアチューブ1820上のフランジ1857の力を解放する。
【0093】
一実施形態によれば、フレーム1830は、圧縮された構成に向かって付勢された「自己締め付け」フレーム(例えば、ニチノールなどの可撓性のある形状記憶材料で形成されたフレーム)であり得る。コアが遠位方向に前進すると、フレアチューブ1820及びそれらに関連するアンカー1840に加えられる圧力が解放され、フレーム1830はその付勢された構成に戻り、取り付けられたアンカーを一緒に引っ張って弁輪を縮小する。
【0094】
固定及び締付けに続いて、チューブ1820及びスリーブ1810を含むアクチュエータシステムを治療部位から取り外すことができる。
図18Bに示されるように、一実施形態では、駆動シャフトは、アンカーヘッドから離脱され、チューブ1820を介して、及びスリーブ1810を介して近位方向に引き抜かれる。フレアチューブの可撓性ある部分により、チューブをスリーブの縦軸に再調整して、取り外しを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、チューブ1820は、除去を容易にするためにチューブをコアと同一平面の位置に押しやる形状記憶ベースの材料から少なくとも部分的に形成され得る。いくつかの実施形態では、アンカーヘッドからの駆動シャフトの解放に続いて、スリーブ1810、コア1850、及びチューブ1820は、心臓腔からの除去から配備カテーテルを通して引き戻され、フレーム1830、アンカーハウジング1844、及びアンカー1840のみを残すことができる。
【0095】
図19Aは、フレアチューブ1930がその中に配置されたスリーブ1910と、独立して平行移動自在なアームからなるコア1940と、フレーム1950と、少なくとも1つのアンカーハウジング1960と、少なくとも1つのアンカー1970とを含むインプラント送達システムの代替実施形態を示す。一態様によれば、バルーン1945などの膨張装置は、コア1940の管腔1920を通して挿入され、コアから外向きに拡張してフレアチューブ1930と係合することができる。上記の方法と同様に、コアは、フレーム1950を成形するためにフレアチューブ1930の角度偏向を調整するために近位方向に平行移動される独立したアームを含み得る。一態様によれば、フレアチューブ1930及び/又はコアのアームの操作は、バルーン1945を介して制御され、バルーンは、拡張されたときにコア及び/又はフレアチューブに力を加える。コア1940及び/又はフレアチューブ1930のアームに圧力を加えると、フレアチューブの角度偏向が変化してアンカーハウジング1960が移動し、それによってフレーム1950が再形成される。
【0096】
したがって、バルーン1945は、フレームを成形するために、コア1940のアーム及びフレアチューブ1930と協働して使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、バルーンは、非対称形状、例えば、弁輪の形状に一致するように成形されたサドルであり得る。いくつかの実施形態では、バルーンはコアなしで使用することができる。バルーンは、膨張すると、コア1940の端を超えて拡張する可能性がある。フレアチューブ1930に対するバルーン1945の圧力は、コアの能力を超えてフレアチューブ1930の拡張を支援し、インプラントのカスタマイズに対する制御を向上させることができる。
図19Bは、複数のフランジ2020a~2020hを有するコア2000の近位向きの斜視図を示している。コアの管腔内に配置されたバルーン2025が示されている。バルーン2025が膨張するにつれて、圧力は、概ね矢印2030a~2030dによって示される方向に、フランジ2020a~2020hに半径方向外向きに加えられ得る。
図19Bに示すように、各アームに加えられる個々の圧力は、バルーンの形状に基づいて変化するため、非対称のバルーンを使用してインプラントの形状と配備をカスタマイズできる。
【0097】
バルーンは、様々な実施形態においてフレアチューブを使用してフレームの拡張を制御するために使用され得る。例えば、バルーンは、独立して制御可能なアームを含まない統一コア内に配置することができ、一斉に又は個別に平行移動するアームを含むコア内に配置することができ、又はコアを使用せずにスリーブ内に直接に配置することができる。
【0098】
したがって、取り外し可能なアクチュエータを含むインプラント配備のシステム及び使用方法の多数の実施形態が示され、説明されてきた。特に開示された実施形態は拡張可能なフレームを含むが、本発明は拡張可能なフレームを有するインプラントでの使用に限定されず、むしろ他の形態のインプラントで使用され得ることが理解されるべきであることに留意されたい。本開示に記載された実装に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示される実施に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される特許請求の範囲、原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。「例」という言葉は、本明細書では、「例、インスタンス、又は例示として機能する」ことを意味するために排他的に使用される。本明細書で「例」として説明されている実施形態は、特に明記しない限り、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0099】
この仕様で個別の実施形態の文脈として説明されている特定の機能は、単一の実施形態で組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈として説明されているさまざまな機能は、複数の実施形態で個別に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上で説明することができ、最初にそのように主張することさえできるが、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては組み合わせから切り出され得、主張された組み合わせは、部分の組み合わせ、又は部分の組み合せの変形例に向けられ得る。同様に、操作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような操作が示された特定の順序又は連続した順序で実行されること、又は図示されたすべての操作が実行されることを要求することとして理解されるべきではない。さらに、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行され、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0100】
一般に、本明細書で使用される用語は、一般に「オープン」な用語として意図されていることが当業者によって理解される(例えば、「含む」という用語は、を「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」、「含む」という用語は「含むがこれに限定されない」などと解釈されるべきである。特定の数の導入された請求項の記載が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を紹介するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用法を含み得る。ただし、そのような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」によるクレームの表現の導入が、そのような導入されたクレームの表現を含む特定のクレームを、そのような表現を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じクレームには、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入句と、「a」又は「an」などの不定冠詞が含まれ(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」)、同じことが、クレームの表現を紹介するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。さらに、導入された請求項の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、「2回の記載」という場合、他の修飾子がない場合、通常、少なくとも2回の記載、又は2回以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、Cなどのうちの少なくとも1つ」との文言を使用する場合に類似した規則がある場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、以下のシステムを含むが、これらに限定されない。Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA,B,Cを一緒に、など)。「A、B、Cなどのうちの少なくとも1つ」との文言を使用する場合に類似した規則がある場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、以下のシステムを含むが、これらに限定されない。Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA,B,Cを一緒に、など)。説明、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する事実上すべての選言的な単語及び/又は句は、用語の1つを含む可能性、いずれかの用語、又は両方の用語を企図するために理解されるべきであることが当業者によってさらに理解される。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0101】
本明細書に開示及び請求されるデバイス及び/又は方法は、本発明に照らして、過度の実験なしに作成及び実行することができる。本発明のデバイス及び方法の様々な実施形態を記載したが、デバイス及び/又は方法に、及び本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される方法の工程又は工程の順序に変形が適用され得ることは、当業者には明らかであろう。当業者に明らかなそのようなすべての同様の代替物及び修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の精神、範囲及び概念の範囲内であると見なされる。