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特許7420857スマートバックミラー用の遅延推定方法、装置および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】スマートバックミラー用の遅延推定方法、装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/12 20060101AFI20240116BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B60R1/12 Z
B60R11/02 S
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022062493
(22)【出願日】2022-04-04
(65)【公開番号】P2022091949
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】202110580241.8
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ロン
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111541919(CN,A)
【文献】特開平11-308271(JP,A)
【文献】特開2021-083092(JP,A)
【文献】特開平06-237443(JP,A)
【文献】特開2021-149086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0222391(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/12
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートバックミラー用の遅延推定方法であって、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、前記周辺機器の識別情報を取得するステップと、
前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するステップであって、前記ターゲット遅延推定の上限値は、前記識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索する方式によって決定されるステップと、
前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うステップと、
遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行うステップと、を含む、
ことを特徴とするスマートバックミラー用の遅延推定方法。
【請求項2】
前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するステップは、
前記識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索するステップであって、前記上限値プロフィルには、複数の識別情報と複数の遅延推定の上限値との対応関係が含まれているステップと、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断するステップと、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在することに応答し、前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値を前記ターゲット遅延推定の上限値として決定するステップと、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しないことに応答し、予め設定された遅延推定の上限値を前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索するステップの前に、前記方法は、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、前記サーバが前記ネットワーク要求に基づいて送信した前記上限値プロフィルを受信するステップ、あるいは、
前記スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから前記上限値プロフィルを取得するステップであって、前記上限値プロフィルは、前記スマートバックミラーが前回前記サーバに要求した上限値プロフィルであるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の識別情報と音声中断機能配置情報との対応関係を含む中断プロフィルを取得するステップと、
前記識別情報と前記中断プロフィルとに基づいて、前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があるか否かを判断するステップと、
前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があることに応答し、前記周辺機器に制御情報を送信するステップであって、前記制御情報が、音声中断機能をオフにするように前記周辺機器に指示するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
中断プロフィルを取得するステップは、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、前記サーバが前記ネットワーク要求に基づいて送信した前記中断プロフィルを受信するステップ、あるいは、
前記スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから前記中断プロフィルを取得するステップを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記周辺機器は、車載システムである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
スマートバックミラー用の遅延推定装置であって、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、前記周辺機器の識別情報を取得するように構成される第1の取得モジュールと、
前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するように構成される決定モジュールであって、前記ターゲット遅延推定の上限値は、前記識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索する方式によって決定される決定モジュールと、
前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うように構成される推定モジュールと、
遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行うように構成される処理モジュールと、を含む、
ことを特徴とするスマートバックミラー用の遅延推定装置。
【請求項8】
前記決定モジュールは、具体的に、
前記識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索し、ここで、前記上限値プロフィルには、複数の識別情報と複数の遅延推定の上限値との対応関係が含まれており、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断し、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在することに応答し、前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値を前記ターゲット遅延推定の上限値として決定し、
前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しないことに応答し、予め設定された遅延推定の上限値を前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、前記サーバが前記ネットワーク要求に基づいて送信した前記上限値プロフィルを受信し、あるいは、前記スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから前記上限値プロフィルを取得するように構成される第2の取得モジュールであって、前記上限値プロフィルは、前記スマートバックミラーが前回前記サーバに要求した上限値プロフィルである第2の取得モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
複数の識別情報と音声中断機能配置情報との対応関係を含む中断プロフィルを取得するように構成される第3の取得モジュールと、
前記識別情報と前記中断プロフィルとに基づいて、前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があるか否かを判断するように構成される判断モジュールと、
前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があることに応答し、前記周辺機器に制御情報を送信するように構成される送信モジュールであって、前記制御情報が、音声中断機能をオフにするように前記周辺機器に指示する送信モジュールと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記第3の取得モジュールは、具体的には、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、前記サーバが前記ネットワーク要求に基づいて送信した前記中断プロフィルを受信し、あるいは、
前記スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから前記中断プロフィルを取得するように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記周辺機器は、車載システムである、
ことを特徴とする請求項7~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~5のいずれかに記載の方法を実行できる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータ指令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ指令は、前記コンピュータに請求項1~5のいずれかに記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~5のいずれかに記載の方法が実現される、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、人工知能技術分野に関し、具体的には、コネクテッドカー分野および自動運転分野などに関し、特に、スマートバックミラー用の遅延推定方法、装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートバックミラーは、ミラーリング技術によって音声を周辺機器に伝送して再生することができるが、データ通信量が膨大であるため、オーディオの再生には一定の遅延が存在することが多い。現在の信号処理技術は、ハードウェアのノイズ低減チップの制限により、非通常(>40ms)遅延では進行できず、音声信号の処理に大きなマイナスの影響を与えている。
【0003】
このため、スマートバックミラーに遅延推定アルゴリズムが取り込まれ、遅延を計算することによりオーディオ再生遅延の問題を解決する。全体的な体験に影響を与えないために、遅延推定アルゴリズムは、一般的に、計算結果の上限値を比較的小さい範囲(例えば、1000ms)に限定する。これは、上限値が小さいほど、アルゴリズムの収束時間が短く、真の遅延値が該範囲内であれば、最終的な信号処理効果もよくなるからである。以上から分かるように、遅延推定アルゴリズムの計算結果を限定するための遅延推定の上限値の大きさは、遅延推定アルゴリズムの計算結果および最終的な信号処理効果に直接影響する。
【発明の概要】
【0004】
本願は、スマートバックミラー用の遅延推定方法、装置、機器および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様によれば、スマートバックミラー用の遅延推定方法を提供し、前記方法は、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、前記周辺機器の識別情報を取得するステップと、
前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するステップと、
前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うステップと、
遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行うステップと、を含む。
【0006】
本願の第2の態様によれば、スマートバックミラー用の遅延推定装置を提供し、前記装置は、
前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、前記周辺機器の識別情報を取得するように構成される第1の取得モジュールと、
前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するように構成される決定モジュールと、
前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うように構成される推定モジュールと、
遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行うように構成される処理モジュールと、を含む。
【0007】
本願の第3の態様によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが前述した第1の態様に記載の遅延推定方法を実行できる。
【0008】
本願の第4の態様によれば、コンピュータ指令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供して、前記コンピュータ指令は、前記コンピュータに前述第1の態様に記載の遅延推定方法を実行させる。
【0009】
本願の第5の態様によれば、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、前述した第1の態様に記載の遅延方法が実現される。
【0010】
本願の技術案によれば、1つのデフォルト値を一括使用するのではなく、スマートバックミラーに接続されている周辺機器の識別情報に基づいて、遅延推定アルゴリズムにおける遅延推定の上限値を柔軟に配置することができ、従来技術の固定遅延推定アルゴリズムにおける遅延推定の上限値が周辺機器の性能にマッチングしないという問題を解決し、上限値を一括設定したら、性能が良好な周辺機器に対して、遅延推定アルゴリズムの収束が遅すぎ、ノイズ低減の発効が遅くなり、機器接続後の音声インタラクション体験を悪化させることが回避され、性能の悪い周辺機器に対して、遅延推定範囲が小さすぎ、遅延推定アルゴリズムが該範囲内で適切な遅延値を得ることができず、複数の遅延値の間を繰り返しジャンプすることがあり、ノイズ低減アルゴリズムの計算に深刻な影響を与え、音声インタラクション過程を妨害することを回避することもできる。本願により提出される技術案は、異なる周辺機器に適切なターゲット遅延上限値をマッチングさせ、周辺機器にマッチングするターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定アルゴリズムにより得られる遅延推定結果がより正確であり、周辺機器のオーディオ再生効果を改善することを実現している。
【0011】
なお、本部分に記載された内容は、本願の実施例の肝心または重要な特徴を識別することを意図するものではなく、本願の範囲を限定するものでもない。本願の他の特徴は、以下の明細書によって理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本願を限定するものではない。
図1】本願の一実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法のフローチャートである。
図2】本願の一実施例に係る周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するフローチャートである。
図3】本願の他の実施例に係る周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するフローチャートである。
図4】本願の他の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法のフローチャートである。
図5】本願の一実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定装置の構成ブロック図である。
図6】本願の他の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定装置の構成ブロック図である。
図7】本願の別の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定装置の構成ブロック図である。
図8】本願の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を組み合わせて本願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするために、は本願の実施例の様々な詳細事項が含まれ、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲および精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能および構造の説明を省略する。
【0014】
関連技術において、主に固定遅延推定アルゴリズムによってスマートバックミラーがオーディオを周辺機器に伝送する過程で発生するオーディオ遅延の問題を解決する。固定遅延推定アルゴリズムの計算結果の上限値を小さい範囲内に限定し、該範囲内で遅延値を計算し、音声信号に対して遅延処理を行う。
【0015】
しかしながら、各ミラーリング機能に対応する周辺機器の性能が一致しないため、実際の伝送遅延の変動が大きく、上限値を一括設定することで周辺機器の性能に基づいてリアルタイムに配置することができない。上限値を一括大きくすると、性能が良好な周辺機器に対して、遅延推定範囲が大きすぎ、アルゴリズムの収束が遅すぎ、ノイズ低減の発効が遅くなり、機器接続後の音声インタラクション体験を悪化させ、上限値を一括小さくすると、性能の悪い周辺機器に対して、遅延推定範囲が小さすぎ、アルゴリズムが該範囲内で適切な遅延値を得ることができず、複数の遅延値の間を繰り返しジャンプすることがあり、ノイズ低減アルゴリズムの計算に深刻な影響を与え、音声インタラクション過程を妨害する。
【0016】
このため、本願は、周辺機器に基づいてリアルタイムに配置できるスマートバックミラー用の遅延推定方法、装置および電子機器を提供する。具体的には、以下に、図面を参照して本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定方法、装置および電子機器を説明する。
【0017】
なお、先ず本願の実施例における周辺機器は、スマートバックミラーから投射されたコンテンツを受け入れるためのエンティティ機器であってもよい。例えば、周辺機器は、スマートフォン、タブレット、拡張現実(Augmented Reality、ARと略す)機能を有する機器、または仮想現実(Virtual Reality、VRと略す)機能を有する機器などのモバイル端末であってもよい。また、周辺機器は、車両に搭載された車載システムであってもよく、車載システムとは、車両の内部に搭載された車載情報・娯楽システムの略称であり、車載システムは、機能的に人と車、車と外界(車と車)の情報通信を実現することができる。本願の実施形態に係るスマートバックミラーは、周辺機器にスクリーン接続することができる。本願の実施例は、周辺機器に採用される具体的な技術および具体的な機器の形態を限定しない。
【0018】
図1は、本願の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法のフローチャートである。なお、本願の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法は、本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定装置に適用することができ、当該遅延推定装置は、電子機器に配置されてもよい。一例として、当該電子機器は、車両に取り付けられるスマートバックミラーであってもよい。
【0019】
図1に示すように、当該スマートバックミラー用の遅延推定方法は、以下のステップを含むことができる。
【0020】
ステップ101において、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、周辺機器の識別情報を取得する。
【0021】
なお、本願の実施例の識別情報は、周辺機器のチャンネル番号であってもよく、当該機器を一意に識別することができる他の識別子であってもよく、本願ではこれを具体的に限定しない。
【0022】
なお、本願の実施例において、周辺機器は、車載システムであってもよい。
【0023】
例えば、スマートバックミラーは、周辺機器にスクリーン接続する時に、当該周辺機器に要求することにより、周辺機器のチャンネル番号を取得することができ、当該チャンネルは、当該周辺機器を一意に識別することができる。
【0024】
ステップ102において、識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定する。
【0025】
なお、いくつかの実施例において、上記の周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値は、識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索する方式によって決定することができる。
【0026】
選択的に、スマートバックミラーは、周辺機器の識別情報が取得された後、識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索し、当該上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断することができる。上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、当該識別情報に対応する遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0027】
ステップ103において、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に、ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行う。
【0028】
選択的に、スマートバックミラーが周辺機器にスクリーン接続し、スマートバックミラーの音声データを当該周辺機器に送信する場合、スマートバックミラーは、周辺機器のオーディオ再生効果に影響を与えるように、伝送された音声データに対して遅延処理を行う必要がある。オーディオ再生遅延の問題を解決するために、スマートバックミラーに遅延推定アルゴリズムが取り込まれており、周辺機器に音声信号を送信することが検出された場合、識別情報に基づいて決定された当該周辺機器に適するターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定計算を行い、得られた遅延推定結果が当該周辺機器の性能により適応することができる。
【0029】
ステップ104において、遅延推定結果に基づいて音声信号に対して遅延処理を行う。
【0030】
選択的に、ターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定結果が得られた後、遅延推定結果に基づいてスマートバックミラーが周辺機器に伝送した音声信号に対して遅延処理を行う。本願の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法によれば、遅延処理された音声信号をより正確かつ迅速にすることができる。
【0031】
本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定方法は、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、周辺機器の識別情報を取得し、当該識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定し、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に当該ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定結果に基づいてスマートバックミラーが周辺機器に送信した音声信号を処理し、異なる周辺機器に適切なターゲット遅延上限値をマッチングさせ、周辺機器にマッチングするターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定アルゴリズムにより得られる遅延推定結果がより正確であり、周辺機器のオーディオ再生効果を改善することを実現している。
【0032】
なお、周辺機器の識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値をより迅速かつ正確に決定し、遅延推定結果がより正確であるために、本願のいくつかの実施例において、図2に示すように、識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定する前記具体的な実現過程は、以下のステップを含むことができる。
【0033】
ステップ201において、識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索する。
【0034】
ここで、本願の実施例において、当該上限値プロフィルは、複数の識別情報と複数の遅延推定の上限値との対応関係を含む。
【0035】
ステップ202において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断する。上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、ステップ203を実行し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、ステップ204を実行する。
【0036】
ステップ203において、周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0037】
本実施例において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、上限値プロフィルに当該周辺機器の遅延推定の上限値情報が存在することを示し、当該遅延推定の上限値は、当該周辺機器に適用し、遅延推定結果をより正確にし、予め設定された遅延推定の上限値を使用する必要がない。
【0038】
ステップ204において、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0039】
本実施例において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、上限値プロフィルに当該周辺機器の遅延推定の上限値情報が存在しないことを示し、そのため、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として使用する。
【0040】
なお、本願のいくつかの実施例において、識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索する前に、上限値プロフィルを取得する必要があり、図3に示すように、識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定する前記具体的な実現過程は、以下のステップを含むことができる。
【0041】
ステップ301において、上限値プロフィルを取得する。
【0042】
なお、当該上限値プロフィルは、複数の方法によって取得することができる。本願の一実施例において、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、サーバがネットワーク要求に基づいて送信した上限値プロフィルを受信する。
【0043】
ここで、サーバに上限値プロフィルを要求することは複数の実現形態がある。1つの実現形態は、スマートバックミラーが要求するたびに、サーバに最新の上限値プロフィルのダウンロードを要求することであり、他の実現形態は、当該ネットワーク要求にバージョン番号が含まれ、サーバが、当該ネットワーク要求を受信すると、当該ネットワーク要求内のバージョン番号をサーバ自身に記憶されている上限値プロフィルの最新のバージョン番号(または最高のバージョン番号、最大のバージョン番号)にマッチングさせ、スマートバックミラーに記憶されている上限値プロフィルが最新のバージョンであるか否かを判断し、当該ネットワーク要求内のバージョン番号がサーバ自身に記憶されている上限値プロフィルの最新のバージョン番号(または最高のバージョン番号、最大のバージョン番号)と一致しない場合、スマートバックミラーに記憶されているのが最新のバージョンではないと考えられ、この時、サーバから最新のバージョンを取得する必要があり、そうでなければ、サーバからダウンロードする必要がなく、スマートバックミラーに記憶されている最大のプロフィルを直接使用すればよい。
【0044】
以上の実施例の他に、上限値プロフィルは、他の実施例によって実現することもできる。本願の他の実施例において、スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから上限値プロフィルを取得し、ここで、上限値プロフィルは、スマートバックミラーが前回サーバに要求した上限値プロフィルである。ここで、上記の前回要求した上限値プロフィルは、前回スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバに上限値プロフィルの発行を要求するものであってもよく、または、上記の前回要求した上限値プロフィルは、スマートバックミラーが定期的にサーバに上限値プロフィルの発行を要求した時に、サーバによって返されたプロフィルであってもよい。
【0045】
ステップ302において、識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索する。
【0046】
本願の実施例において、ステップ302は、それぞれ本願の各実施例におけるいずれかの形態によって実現することができ、本願の実施例ではこれを限定しなく、詳しく説明しない。
【0047】
ステップ303において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断する。上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、ステップ304を実行し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、ステップ305を実行する。
【0048】
ステップ304において、周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0049】
本願の実施例において、ステップ304は、それぞれ本願の各実施例におけるいずれかの形態によって実現することができ、本願の実施例ではこれを限定しなく、詳しく説明しない。
【0050】
ステップ305において、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0051】
本願の実施例において、ステップ305は、それぞれ本願の各実施例におけるいずれかの形態によって実現することができ、本願の実施例ではこれを限定しなく、詳しく説明しない。
【0052】
ユーザのミラーリングの使用体験をさらに向上させるために、いくつかの性能の悪い周辺機器に対して、本願のスマートバックミラー用の遅延推定方法を利用する場合、音声中断機能をオフにし、TTS(Text To Speech、テキストツースピーチ)放送中に、スマートバックミラーが周辺機器にミラーリングしたオーディオの複雑なシーンを再生することによる遅延値がアルゴリズム上限(例えば2500ms)を超えたり、ジッタが激しくて収束できないことを回避することができる。選択的に、本願のいくつかの実施例において、図4に示すように、当該スマートバックミラー用の遅延推定方法は、以下のステップを含むことができる。
【0053】
ステップ401において、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、周辺機器の識別情報を取得する。
【0054】
本願の実施例において、ステップ401は、それぞれ本願の各実施例におけるいずれかの形態によって実現することができ、本願の実施例ではこれを限定しなく、詳しく説明しない。
【0055】
ステップ402において、上限値プロフィルを取得する。
【0056】
本願の実施例において、ステップ402は、それぞれ本願の各実施例におけるいずれかの形態によって実現することができ、本願の実施例ではこれを限定しなく、詳しく説明しない。
【0057】
ステップ403において、識別情報に基づいて、上限値プロフィルを検索する。
【0058】
ここで、本願の実施例において、当該上限値プロフィルは、複数の識別情報と複数の遅延推定の上限値との対応関係を含む。
【0059】
ステップ404において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断する。上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、ステップ405を実行し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、ステップ406を実行する。
【0060】
ステップ405において、周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0061】
本実施例において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、上限値プロフィルに当該周辺機器の遅延推定の上限値情報が存在することを示し、当該遅延推定の上限値は、当該周辺機器に適用し、遅延推定結果をより正確にし、予め設定された遅延推定の上限値を使用する必要がない。
【0062】
ステップ406において、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定する。
【0063】
本実施例において、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、上限値プロフィルに当該周辺機器の遅延推定の上限値情報が存在しないことを示し、そのため、予め設定された遅延推定の上限値を周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として使用する。
【0064】
ステップ407において、複数の識別情報と音声中断機能配置情報との対応関係を含む中断プロフィルを取得する。
【0065】
なお、当該中断プロフィルは、複数の方法によって取得することができる。本願の一実施例において、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、サーバがネットワーク要求に基づいて送信した中断プロフィルを受信する。
【0066】
ここで、サーバに中断プロフィルを要求することは複数の実現形態がある。1つの実現形態は、スマートバックミラーが要求するたびに、サーバに最新の中断プロフィルのダウンロードを要求することであり、他の実現形態は、当該ネットワーク要求にバージョン番号が含まれ、サーバは、当該ネットワーク要求を受信したら、当該ネットワーク要求中のバージョン番号をサーバ自身に記憶されている中断プロフィルの最新のバージョン番号(または最高のバージョン番号、最大のバージョン番号)にマッチングさせ、スマートバックミラーに記憶されている中断プロフィルが最新のバージョンであるか否かを判断し、当該ネットワーク要求におけるバージョン番号がサーバ自身に記憶されている中断プロフィルの最新のバージョン番号(または最高のバージョン番号、最大のバージョン番号)と一致しない場合、スマートバックミラーに記憶されているのが最新のバージョンではないと考えられ、この時にサーバから最新のバージョンを取得する必要があり、そうでなければ、サーバからダウンロードする必要がなく、スマートバックミラーに記憶されている最大のプロフィルを直接使用すればよい。
【0067】
以上の実施例の他に、中断プロフィルは、他の実施例によって実現することもできる。本願の他の実施例において、スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから中断プロフィルを取得し、ここで、中断プロフィルは、スマートバックミラーが前回サーバに要求した中断プロフィルである。ここで、上記の前回要求した中断プロフィルは、前回スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバに中断プロフィルの発行を要求することであってもよく、または、上記の前回要求した中断プロフィルは、スマートバックミラーが定期的にサーバに中断プロフィルの発行を要求した時に、サーバによって返されたプロフィルであってもよい。
【0068】
ステップ408において、識別情報および中断プロフィルに基づいて、周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があるか否かを判断する。中断プロフィルに当該識別情報に対応する周辺機器が音声中断機能をオフにする必要があることが設けられている場合、ステップ409を実行し、中断プロフィルに当該識別情報に対応する周辺機器が音声中断機能をオフにする必要がないことが設けられている場合、ステップ410を実行する。
【0069】
ステップ409において、周辺機器に制御情報を送信し、ここで、制御情報が、音声中断機能をオフにするように周辺機器に指示する。
【0070】
本実施例において、中断プロフィルに当該識別情報に対応する周辺機器が音声中断機能をオフにする必要があることが設けられている場合、音声中断機能がスマートバックミラーによる遅延推定計算に影響を与え、遅延値がアルゴリズム上限(例えば2500ms)を超えたり、ジッタが激しくて遅延推定アルゴリズムが収束できず、適切な遅延値を計算できないことを示している。そのため、当該周辺機器に制御情報を送信するには、当該周辺機器の中断機能をオフにし、遅延推定アルゴリズムの遅延推定結果をより正確にし、周辺機器の最終的なオーディオ再生効果を改善する。
【0071】
ステップ410において、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に、ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行う。
【0072】
本願の実施例において、音声中断機能をオフにする必要がある周辺機器が既に音声中断機能をオフにした後、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に、ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うことができ、最終的な遅延推定結果に影響を与えず、当該周辺機器が音声中断機能を必要としない場合、音声中断機能が最終的な遅延推定結果に影響を与えないことを表明するため、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に、ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を直接行うことができる。
【0073】
ステップ411において、遅延推定結果に基づいて音声信号に対して遅延処理を行う。
【0074】
選択的に、ターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定結果が得られた後、遅延推定結果に基づいてスマートバックミラーが周辺機器に伝送した音声信号を遅延する。本願の実施例に係るスマートバックミラー用の遅延推定方法によれば、遅延処理された音声信号をより正確かつ迅速にすることができる。
【0075】
なお、本願の実施例における上限値プロフィルおよび中断プロフィルにおける配置情報は、経験に基づいて得られたものであってもよい。例えば、より多くの機器がアクセスし、より豊富な経験を持つようになると、経験に基づいてより合理的な異なる機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を得ることができ、つまり、異なる周辺機器の性能に対応するターゲット遅延推定の上限値を柔軟に配置することにより、周辺機器の性能に影響を与えることなく、音声信号の処理効果を確保することができる。
【0076】
本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定方法は、スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、周辺機器の識別情報を取得し、当該識別情報に基づいて周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定し、上限値プロフィルを取得し、識別情報に基づいて上限値プロフィルを検索し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、予め設定された遅延推定の上限値をターゲット遅延推定の上限値として決定して、更に、中断プロフィルを取得し、中断プロフィルに当該識別情報に対応する周辺機器が音声中断機能をオフにする必要があることが表示された場合、当該周辺機器の音声中断機能をオフにし、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に当該ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定結果に基づいてスマートバックミラーによって周辺機器に送信された音声信号を処理し、中断プロフィルに当該識別情報に対応する周辺機器が音声中断機能をオフにする必要がないことが表示された場合、スマートバックミラーが周辺機器に音声信号を送信する際に当該ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定結果に基づいてスマートバックミラーによって周辺機器に送信された音声信号を処理する。本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定方法は、異なる周辺機器に適切な遅延推定の上限値をマッチングさせ、異なる周辺機器が音声中断機能をオフにする必要があるか否かを判断することが実現されており、これにより、性能の悪い周辺機器に対して、TTS放送中に、スマートバックミラーが周辺機器にミラーリングしたオーディオの複雑なシーンを再生することによる遅延値がアルゴリズム上限(例えば2500ms)を超えたり、ジッタが激しくて収束できないことを回避することができる。
【0077】
図5は、本願の実施例によって提供されるスマートバックミラー用の遅延推定装置の構成ブロック図である。図5に示すように、当該スマートバックミラーの遅延推定装置は、第1の取得モジュール501、決定モジュール502、推定モジュール503および処理モジュール504を含むことができる。
【0078】
具体的には、第1の取得モジュール501は、前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、前記周辺機器の識別情報を取得するように構成される。
【0079】
なお、本願の実施例の識別情報は、周辺機器のチャンネル番号であってもよく、当該機器を一意に識別することができる他の識別子であってもよい。
【0080】
なお、本願の実施例において、周辺機器は、車載システムである。
【0081】
決定モジュール502は、前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定するように構成される。
【0082】
本願のいくつかの実施例において、決定モジュール502は、具体的には、前記識別情報に基づいて、複数の識別情報と複数の遅延推定の上限値との対応関係を含む上限値プロフィルを検索し、前記上限値プロフィルに前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在するか否かを判断し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在する場合、前記周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値を前記ターゲット遅延推定の上限値として決定し、上限値プロフィルに周辺機器の識別情報に対応する遅延推定の上限値が存在しない場合、予め設定された遅延推定の上限値を前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値として決定するように構成される。
【0083】
推定モジュール503は、前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延推定の上限値に基づいて遅延推定を行うように構成される。
【0084】
処理モジュール504は、遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行うように構成される。
【0085】
選択的に、本願のいくつかの実施例において、図6に示すように、当該スマートバックミラー用の遅延推定装置は、第2の取得モジュール605をさらに含むことができる。ここで、第2の取得モジュール605は、具体的に、前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、サーバにネットワーク要求を送信し、前記サーバが前記ネットワーク要求に基づいて送信した前記中断プロフィルを受信し、あるいは、前記スマートバックミラーのローカル記憶モジュールから前記中断プロフィルを取得するように構成される。ここで、図6における601~604と図5における501~504は同じ機能および構造を有する。
【0086】
選択的に、本願のいくつかの実施例において、図7に示すように、当該スマートバックミラー用の遅延推定装置は、第3の取得モジュール706、判断モジュール707および送信モジュール708を含むこともできる。ここで、第3の取得モジュール706は、具体的には、複数の識別情報と音声中断機能配置情報との対応関係を含む中断プロフィルを取得するように構成される。
【0087】
判断モジュール707は、具体的には、前記識別情報と前記中断プロフィルとに基づいて、前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があるか否かを判断するように構成される。
【0088】
送信モジュール708は、具体的には、前記周辺機器の音声中断機能をオフにする必要があることに応答し、前記周辺機器に制御情報を送信するように構成され、ここで、前記制御情報が、音声中断機能をオフにするように前記周辺機器に指示する。ここで、図7における701~705と図6における601~605は同じ機能および構造を有する。
【0089】
上記実施例における装置について、各モジュールが操作を実行する具体的な方式は、当該方法に係わる実施例において詳しく説明したが、ここでは詳しく説明しない。
【0090】
本願の実施例のスマートバックミラー用の遅延推定装置によれば、前記スマートバックミラーと周辺機器とのスクリーン接続時に、第1の取得モジュールによって前記周辺機器の識別情報を取得し、決定モジュールは、前記識別情報に基づいて前記周辺機器に対応するターゲット遅延推定の上限値を決定し、推定モジュールは、前記スマートバックミラーが前記周辺機器に音声信号を送信する際に、前記ターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、処理モジュールは、遅延推定結果に基づいて前記音声信号に対して遅延処理を行う。本願の実施例は、異なる周辺機器に適切なターゲット遅延上限値をマッチングさせ、周辺機器にマッチングするターゲット遅延上限値に基づいて遅延推定を行い、遅延推定アルゴリズムにより得られる遅延推定結果がより正確であり、周辺機器のオーディオ再生効果を改善することを実現している。
【0091】
本願の実施例によれば、本願は、電子機器、読み取り可能な記憶媒体およびコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0092】
図8に示すように、本願の実施例に係るスマートバックミラーの遅延推定方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、および他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッサ、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の同様のコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書に示されるコンポーネント、それらの接続と関係、およびそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明および/または要求される本出願の実現を制限するものではない。
【0093】
図8に示すように、当該電子機器は、1つまたは複数のプロセッサ801と、メモリ802と、高速インタフェースおよび低速インタフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインタフェースとを含む。各部品は、異なるバスによって互いに接続され、共通のマザーボードに取り付けられたり、必要に応じて他の方式で取り付けられたりすることができる。プロセッサは、メモリ内またはメモリ上に記憶されて外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合された表示装置)にGUIのグラフィック情報を表示する指令を含む、電子機器内で実行される指令を処理することができる。他の実施形態において、必要に応じて、複数のプロセッサおよび/または複数のバスを複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、必要な操作の一部(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバのセット、マルチプロセッサシステムなど)を提供する。図8では1つのプロセッサ801を例とする。
【0094】
メモリ802は、本願によって提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。ここで、前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサに本願によって提供されるスマートバックミラー用の遅延推定方法を実行させる。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータ指令が記憶され、当該コンピュータ指令は、コンピュータに本願によって提供されるスマートバックミラー用の遅延推定方法を実行させる。
【0095】
メモリ802は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラムおよびモジュール、例えば、本願の実施例におけるスマートバックミラー用の遅延推定方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、図7に示す第1の取得モジュール701、決定モジュール702、推定モジュール703、処理モジュール704、第2の取得モジュール705、第3の取得モジュール706、判断モジュール707および送信モジュール708)を記憶するために使用することができる。プロセッサ801は、メモリ802に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、指令およびモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、すなわち、上記の方法の実施例におけるスマートバックミラー用の遅延推定方法を実現する。
【0096】
メモリ802は、記憶プログラム領域および記憶データ領域を含むことができ、ここで、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、記憶データ領域は、スマートバックミラー用の遅延推定電子機器の使用に基づいて作成されるデータなどを記憶することができる。また、メモリ802は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュ記憶装置、または他の非一時的な固体記憶装置などの非一時的なメモリをさらに含むことができる。いくつかの実施例において、メモリ802は、選択的に、プロセッサ801に対して遠隔的に設定されるメモリを含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してスマートバックミラー用の遅延推定電子機器に接続されてもよい。上記ネットワークの実施例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワークおよびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0097】
スマートバックミラーの遅延推定方法のための電子機器は、入力装置803および出力装置804をさらに含むことができる。プロセッサ801、メモリ802、入力装置803および出力装置804は、バスまたは他の方式によって接続されてもよいが、図8ではバスによって接続されることを例とする。
【0098】
入力装置803は、入力された数字または文字情報を受信し、およびタッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、指示レバー、1つまたは複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置のような、スマートバックミラー用の遅延推定電子機器のユーザ設定および機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。出力装置804は、表示装置、補助照明装置(例えば、LED)および触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含むことができる。当該表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイおよびプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、表示装置は、タッチスクリーンであってもよい。
【0099】
本明細書に記載されたシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムに実施されることを含むことができ、すなわち、本願は、コンピュータプログラムをさらに提出し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、上記の実施例に説明されるスマートバックミラー用の遅延推定方法が実現され、当該1つまたは複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて実行および/または解釈することができ、当該プログラマブルプロセッサは、専用または汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、少なくとも1つの出力装置からデータおよび指令を受信し、データおよび指令を当該記憶システム、当該少なくとも1つの入力装置、および当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0100】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械指令を含み、高度なプロセスおよび/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語によってこれらのコンピューティングプログラムを実現することができる。本明細書で使用されるように、用語「機械読み取り可能な媒体」および「コンピュータ読み取り可能な媒体」とは、機械指令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器および/または装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理装置(PLD))であり、機械読み取り可能な信号である機械指令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。用語「機械読み取り可能な信号」とは、機械指令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号である。
【0101】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で本明細書に記載されているシステムおよび技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボードおよび当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0102】
本明細書に記載されているシステムおよび技術は、バックエンドユニットを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、またはミドルウェアユニットを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、またはフロントエンドユニットを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェースまたは当該ウェブブラウザによって本明細書に記載されているシステムおよび技術の実施方式とインタラクションする)、またはこのようなバックエンドユニットと、ミドルウェアユニットと、フロントエンドユニットの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットと、ブロックチェーンネットワークとを含む。
【0103】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、且つ互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。サーバは、クラウドコンピューティングサーバまたはクラウドホストとも呼ばれるクラウドサーバであってもよく、従来の物理ホストおよびVPSサービス(「Virtual Private Server」、または「VPS」と略称する)における、管理難度が大きく、ビジネスの拡張性が低いという欠点を解決するクラウドコンピューティングサービスシステムのホスト製品の1つである。サーバは、分散システムのサーバ、またはブロックチェーンを組み合わせたサーバであってもよい。
【0104】
なお、以上に示す様々な形式のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、または削除することができる。例えば、本開示に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本開示で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定しない。
【0105】
上記の具体的な実施形態は、本開示の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、および代替を行うことができる。本開示の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、および改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8