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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】疑似餌仕掛け及び釣具
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20240116BHJP
   A01K 85/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A01K85/00 C
A01K85/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022157334
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2023-02-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】古谷 英之
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3225134(JP,U)
【文献】特許第6486210(JP,B2)
【文献】特開2000-050765(JP,A)
【文献】登録実用新案第3205903(JP,U)
【文献】米国特許第10278376(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
A01K 85/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集魚部材を挿通させ、閉じた状態に形成された線材と、
前記線材に被せられるように貫通孔を備えた弾性部材と、
を有する疑似餌仕掛けであって、
前記線材は小径部と大径部を備えており、
前記線材には、端部に釣針が取り付けられたアシストラインとリーダーが接続され、
前記弾性部材を、前記線材に被せることで前記集魚部材を保持し、
前記リーダーは前記小径部に接続され、前記アシストラインは前記大径部に接続され、
前記集魚部材は、前記大径部の位置で前記弾性部材によって保持される、
ことを特徴とする疑似餌仕掛け。
【請求項2】
前記弾性部材を前記リーダー側から前記線材に被せることで前記集魚部材を保持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項3】
前記弾性部材の貫通孔は、前記線材の小径部と大径部に被る部分で厚みが異なっており、前記小径部に被る部分が厚く、前記大径部に被る部分が薄く形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項4】
前記弾性部材の貫通孔の断面は、前記大径部に被る部分から前記小径部に被る部分に移行するにしたがって、楕円形から円形に形状変化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項5】
前記線材は金属で形成され、前記弾性部材はシリコンで形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項6】
前記リーダーが挿通される貫通孔が形成されたヘッドを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項7】
前記弾性部材の貫通孔は、前記線材に接続されたリーダーの結び目を突出させ、
前記ヘッドの貫通孔は、前記線材に接続されたリーダーの結び目が入り込む大きさに形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の疑似餌仕掛け。
【請求項8】
閉じた状態に形成され、部品を挿通させる線材と、前記線材に被せられるように貫通孔を備えた弾性部材と、を備えた接続パーツを有する釣具であって、
前記線材は小径部と大径部を備えており、
前記線材には、前記小径部にリーダーが接続されると共に、前記大径部に端部に釣針が取り付けられたアシストラインが接続され、
前記弾性部材を、前記線材に被せることで、前記部品は、前記大径部の位置で保持されることを特徴とする釣具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに際して用いられる疑似餌仕掛け、及び、そのような疑似餌仕掛けに適用可能な接続パーツに特徴を備えた釣具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣具を構成する疑似餌仕掛けには様々な形態のものが存在しており、鯛釣りなどには、鯛ラバ(ラバージグ)と称される疑似餌仕掛けが使用されることがある。通常、鯛ラバは、金属製のヘッド部分と、ゴムやシリコン等で形成される複数本のスカートと、スカートと同様の素材で形成され、スカートよりも幅広な単体もしくは複数本のネクタイ(以下の説明では、スカートとネクタイを纏めて集魚部材とも称する)と、魚を掛けるフックとを備えた構成となっている。そして、前記集魚部材、及び、フックは、例えば、特許文献1に開示されているように、結束具によって束ねられ、束ねた状態でハリスをヘッド部分に挿通して使用される。
【0003】
上記したフックは、ループ状にしたハリスの両端に設けられており、各フックはループ状にしたハリスの中間部に設けられた結びコブによってハリスと一体化されている。結びコブから上のループ状部には、多数本の集魚部材を挿通させて、その上方から樹脂等によって形成された筒状の結束具が被せられる。結束具は、内部に凹部が形成されると共に上面に貫通孔が形成されており、ループ状になったハリスを結束具の貫通孔を介してジグヘッドの貫通孔に挿通させている。また、前記結束具の凹部内の結びコブの上方で多数本の集魚部材を挿通させ、かつ、結束具の内面と結びコブとの間で集魚部材を嵌め込むことで鯛ラバを構築している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6486210号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した公知の鯛ラバにおける集魚部材とフックの結束構造は、フックを、ループ状にしたハリスの両端に取り付け、ハリスの中間部で結びコブを形成して結束具を被せる構造となっている。
しかし、前記結束具から上方は、ループ状のハリスが突出した状態になることから、糸絡み等のライントラブルが発生し易い。また、ハリスのループ状部に集魚部材を挿通させるため操作性が悪いと共に、作業が細かくなることから、揺れる船上ではそのような操作が容易にできない。さらに、ループ状のハリスの両端にフックを設けて結びコブを形成する必要があるため、仕掛けの構築作業や各構成要素の交換作業等が難しく操作性が悪い。
【0006】
本発明は上記した問題に着目してなされたものであり、ライントラブルが発生し難く、仕掛けの構築作業や仕掛けの構成要素の交換作業等が容易に行える疑似餌仕掛け、及び、釣具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る疑似餌仕掛けは、集魚部材を挿通させ、閉じた状態に形成された線材と、前記線材に被せられるように貫通孔を備えた弾性部材と、を有しており、前記線材には、端部に釣針が取り付けられたアシストラインとリーダーが接続され、前記弾性部材を、前記線材に被せることで前記集魚部材を保持する、ことを特徴とする。
【0008】
上記した構成の疑似餌仕掛けは、閉じた状態の線材を摘まんだ状態で集魚部材を挿通させることから、集魚部材の装着操作が容易に行える。また、線材に対して前記アシストラインとリーダーを接続するに際しては、一般的な釣糸の結び方であるノットを用いることができ、貫通孔を備えた弾性部材を被せるだけで良いため、仕掛けの構築作業や各構成要素の交換作業等が行ない易くなって操作性の向上が図れる。また、リーダーは、ループ状に形成する必要がないため、釣針が絡むようなことはなく、ライントラブルが発生し難い構成の疑似餌仕掛けが得られる。
また、本発明は、上記した線材及び弾性部材を備えた接続パーツを適用した釣具であっても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ライントラブルが発生し難く、仕掛けの構築作業や仕掛けの構成要素の交換作業等が容易に行える疑似餌仕掛け、及び、そのような疑似餌仕掛けに適用可能な接続パーツを有する釣具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る疑似餌仕掛けの一実施形態(鯛ラバ)を示す図。
図2図1に示す疑似餌仕掛けの構成要素を示す図であり、(a)はヘッド、(b)は釣針が装着されたアシストライン、(c)は集魚部材であるネクタイ、(d)は集魚部材であるスカート、(e)は閉じた状態に形成された線材、(f)は線材に被せられる弾性部材をそれぞれ示す図。
図3】(a)は線材の拡大図、(b)は弾性部材の拡大図、(c)は線材に弾性部材を被せた状態を示す部分断面図。
図4】本実施形態の弾性部材の構成を示す図。
図5】(a)~(f)は、図1に示す鯛ラバを構築する手順例を示す図。
図6】ヘッドと仕掛けの接続パーツ部分を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る疑似餌仕掛け(釣具を構成する)の一実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、疑似餌仕掛けとして、金属製のヘッド部分(以下、ヘッドと称する)が一体化されたラバージグである鯛ラバを例示して説明する。
【0012】
図1及び図2は、本発明に係る疑似餌仕掛けを鯛ラバに適用した一実施形態を示す図であり、図1は全体構成を示す図、図2(a)~(f)は、図1に示す鯛ラバを構成する各構成要素を示す図である。
本実施形態の鯛ラバ1は、錘となる略球体形状のヘッド2と、魚を掛ける釣針(フック)5と、集魚効果を有する集魚部材7と、集魚部材7を釣針5と共に保持する接続パーツ10とを備えている。
【0013】
前記ヘッド2には、軸方向に延出する貫通孔2aが形成されており、この貫通孔2aには、リールから繰り出される釣糸に接続されたリーダー3が挿通される。前記ヘッド2に形成される貫通孔2aについては、一端側の内径をα、他端側(接続パーツ10側)の内径をβとした場合、α>βとなるように形成することが好ましく、これにより、ネクタイ、フック、スカート部分を束ねるパーツの集合体(ユニットと称する)のリーダーとの結束部分を、前記一端側の内径α内にしっかり収めることが可能となる。一方、他端側の内径βを内径αよりも小さくすることで、水中でリーダーの受ける抵抗が、大きな開口にした場合よりも少なくすることができ、余計な本体のブレを抑制することができ、魚からのかすかなアタリなどを取り易くすることが期待できる。前記リーダー3は、ラインブレーク等が生じないように、リールから繰り出される釣糸(例えばPEライン)とは別の素材(例えばフロロカーボン、ナイロン)であることが好ましいが、リールから繰り出される釣糸であっても良い。また、前記ヘッド2は、魚が興味を引くように、様々な色彩、模様等が施されており、タングステン等、比重の大きい素材で形成されている。
【0014】
前記釣針5は、本実施形態では、2つの釣針5a,5bを備えており、各釣針には、1本のアシストライン5Aが接続されている。また、前記アシストライン5Aの中間部分には、結び目5cを備えたチチワ5dが形成されている。
【0015】
前記集魚部材7は、長尺の帯状部材や線状部材で構成されており、本実施形態では、複数本備えて構成されている(1本であっても良い)。このような集魚部材7は、公知のように、例えば、ゴムやシリコンによって形成された幅広の帯状部材(ネクタイと称される)7a、及び、線状部材(スカートと称される)7bを備えている。これらのネクタイ7a及びスカート7bについても、色、模様、長さ、幅、形状等、適宜変形することが可能である。
【0016】
前記集魚部材7を、釣針5と共に保持する接続パーツ10は、線材11と、前記リーダー3側から線材11に被せる弾性部材15とを備えている。
前記線材11は、円形、楕円、多角形、及び、これらの組み合わせ等、閉じた状態(各種の閉じた形態については環状と定義する)に形成されていれば良い。本実施形態の線材11は、小径部11aと大径部11bを備えた環状構造となっており、図3(a)に示すように、小径部11aは半楕円形状、大径部11bは半円形状に形成されている。そして、小径部11aから大径部11bに移行する境界部分は、次第に広がるような湾曲形状の段差11cで構成されており、前記集魚部材7については、大径部11bに挿通させるようになっている。
【0017】
なお、前記線材11は、完全に閉じた状態で一体形成されていることが好ましく、これにより、魚が掛かったときに変形し難くすることができる。或いは、線材11は、使用時に閉じた状態になっていても良く、例えば、スプリットリングのように、端部領域が部分的に重合して、サルカンやスイベル等の仕掛け構成部材を着脱する際、プライヤ等で開放できるような構造であっても良い。
【0018】
前記線材11は、金属や硬質樹脂等によって形成することが可能であるが、魚が掛かったとき等、変形や破損が生じないように金属材で形成することが好ましい。また、線材11に被せられる弾性部材15を、後述するようにシリコンで形成する場合、線材11を金属で形成した際、金属で重くなった分については、シリコンの浮力があることでヘッド2と集魚部材7が離れ、沈み易くすることができる。
【0019】
上記したように、線材11を、小径部11aと大径部11bを有する形状にしたことで、大径部11bに集魚部材7を挿通させ易くなる。また、小径部11aと大径部11bの境界部分に段差11cが形成されることによって、線材11に被せられる弾性部材15が引っ掛かって抜け難く、集魚部材7の保持力を高めることが可能となる。
【0020】
前記弾性部材15は、前記線材11に被せることが可能なように、線材11が挿入される貫通孔15Aを備えている。本実施形態では、線材11が小径部11aと大径部11bを備えた形状となっており、小径部11aから大径部11bに移行する部分が湾曲状の段差11cで構成されていることで、このような形状に応じて貫通孔15Aが構成されている。なお、本実施形態の弾性部材15は、前記線材11の略全体(一部であっても良い)をリーダー3側から被せるように構成されている。
【0021】
前記弾性部材15は、シリコン、ゴム等、伸縮性のある軟質樹脂や軟質ゴムによって形成されており、図3及び図4に示すように、上面15B側と下面15C側が貫通孔15Aによって開口した略円筒形状に形成されている。本実施形態の貫通孔15Aは、前記線材11に被せた際、線材の小径部11aと大径部11bに被る部分で厚みが異なっており、小径部に被る部分15aが厚く、大径部に被る部分15cが薄く形成されている。
【0022】
また、前記貫通孔15Aの断面は、大径部11bに被る部分から小径部11aに被る部分に移行するにしたがって、楕円形から円形に形状変化するように形成されている。このため、図4に示すように、下側の開口形状15dは楕円形状となっており、大径部11bが略隙間なく嵌合して、弾性部材15の下端側では、大径部11bに対して略均等な押圧力が作用するようになっている。また、上側の開口形状15eは円形状となっており、この部分に小径部11aが嵌まり込んで、周囲から押圧力が作用するようになっている。そして、このような貫通孔15Aは、上側の開口形状15eから下側の開口形状15dに至る領域が、線材11の形状に対応して形状変化するように構成されている。
【0023】
さらに、弾性部材15の貫通孔15Aは、線材11の小径部11aの一部が上面15Bから突出して、線材11に接続されたリーダー3の結び目3aを突出させる大きさに形成されている。この場合、鯛ラバを構築する際に用いられるヘッド2については、前記貫通孔2aの内径が、突出したリーダー3の結び目3aが入り込む大きさ(弾性部材15は入り込まない大きさが好ましい)に形成されていることが好ましい。
【0024】
次に、図5(a)~(f)、及び、図6を参照して、図1に示す鯛ラバ1を構築する方法について説明する。
【0025】
最初、図5(a)(b)に示すように、前記線材11の両端側にリーダー3とアシストライン5Aを接続する。リーダー3は、線材11の小径部11aに、一般的な釣糸の結び方であるノットを用いて接続される。なお、図3(c)に示したように、小径部11aにリーダー3を接続すると結び目3aが形成される。また、前記アシストライン5Aは、線材11の大径部11bに接続される。この場合、アシストライン5Aには、図2(b)で示したように、チチワ5dが形成されていることから、チチワ5dを大径部11bに挿通し、挿通したチチワ5dに釣針5a、5bを通過させることで、線材11に対してアシストライン5Aを接続することが可能である。
【0026】
次に、図5(b)に示した状態で、リーダー3から弾性部材15を挿通し、弾性部材15が挿通されたリーダー3をヘッド2の貫通孔2aに挿通する(図5(c)参照)。また、この際、図5(d)に示すように、前記集魚部材7を大径部11bに挿通する。そして、集魚部材7を大径部11bに挿通させた状態で、弾性部材15を線材11に被せ、集魚部材7を線材11の大径部11bに保持する。この操作は、図5(c)(e)に示すように、弾性部材15を摘まんでリーダー3を引き上げても良いし、或いは、線材11を摘まんで弾性部材15を線材11に対して圧入するように被せるようにしても良い。
これにより、鯛ラバ全体の仕掛けが構築される(図5(f)参照)。
【0027】
また、本実施形態では、図3(c)に示したように、線材11に弾性部材15を被せると、小径部11aの一部が突出して、リーダー3の結び目3aが露出するようになり、結び目3aについては、図7に示すように、ヘッド2の貫通孔2a内に位置した状態となる。
【0028】
上記したように構成される鯛ラバ1は、硬質で環状の線材11に対して、一般的な釣糸の結び方であるノットを用いてリーダー3及びアシストライン5Aを接続するため、リーダー3及び釣針5の装着が容易に行える。この場合、リーダー3は、公知技術のように、ループ状に形成する必要がないため、使用時において釣針が絡むようなことはなく、ライントラブルが発生し難い構成となる。また、1本のリーダー3によって長さを適宜、変更することができるため、ヘッド2の可動領域を大きくすることも可能となる。
【0029】
前記集魚部材7については、硬質の環状の線材11の開口領域に挿通させるだけで良いため、揺れる船上や目が見えにくい状況であっても、線材11を摘まむと集魚部材7を挿通させる領域が感覚的に把握できることから、集魚部材7を容易に挿通することができる。そして、集魚部材7を挿通させた後は、弾性部材15を被せる操作をするだけで集魚部材7を保持することができるため、集魚部材7の交換作業が容易に行えるようになる。特に、集魚部材7を挿通させる部分は大径部11bであることから、集魚部材の装着、取り外し作業が容易に行えるようになる。
【0030】
また、前記線材11は、小径部11aと大径部11bを備え、その移行部分が湾曲状の段差11cとなっており、弾性部材15の貫通孔15Aは、小径部11aと大径部11bに被る部分で厚みが異なる(小径部に被る部分15aが厚く、大径部に被る部分15bが薄く)ように形成されているため、小径部の領域では弾性部材が伸び難くなり、線材11から抜け難くなっている。
【0031】
この場合、本実施形態の貫通孔15Aは、大径部11bに被る部分から小径部11aに被る部分に移行するにしたがって楕円形から円形に形状変化するように形成されているため、弾性部材15を線材11に被せ易くなる。また、線材11に完全に被せた状態では、湾曲状の段差11c部分での係合力が高まって軸方向に抜け難くなり、弾性部材15の薄肉の楕円領域では、集魚部材7に対して均等に押圧力が作用するため、集魚部材7の保持状態やその位置の安定化が図れる。
【0032】
さらに、図3(c)に示したように、線材11に弾性部材15を被せると、小径部11aの一部が弾性部材の上面15Bから突出して、リーダー3の結び目3aが露出し、この結び目3aが図6に示すように、ヘッド2の貫通孔2a内に位置することで、結び目3aが露出することはない。これにより、ライントラブルが生じる可能性が軽減すると共に、結び目3aがヘッドと干渉することもない。
【0033】
以上のように、本発明に係る疑似餌仕掛け(鯛ラバ)によれば、ライントラブルが発生し難くなり、貫通孔を備えた弾性部材15をリーダー3側から被せるだけで良いため、仕掛けの構築作業や仕掛けの構成要素の交換作業等、操作性が良くなる。また、接続パーツとして、硬質で環状の線材11を用いているため、揺れる船上や見え難い状況であっても仕掛けの構成要素の交換作業等が容易に行えるようになる。さらに、各部材を容易に合体することができるので、ケース内でバラバラになることなく保管することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、弾性部材15については、線材11に被せられるように、貫通孔が形成された構造であっても良く、単なる円筒形状であっても良い。また、本発明は、上記した集魚部材7、線材11、弾性部材15による接続パーツ10部分に特徴があり、それ以外の構成については、鯛ラバに限定されることはなく適宜変形することが可能である。さらに、本発明は、鯛ラバのような疑似餌仕掛けに限定されることはなく、複数の構成要素を接続する接続パーツを備えた各種の釣具に適用することが可能である。この場合、線材には、ラインや集魚部材等の各種の部品を挿通することができ、前記部品が挿通された線材に対して、貫通孔を備えた弾性部材が被せられる。前記線材には、少なくとも2つのライン(第1のラインと第2のライン)が接続されており、前記弾性部材を線材に被せることで、前記部品が保持されるように構成されていれば良い。
【符号の説明】
【0035】
1 鯛ラバ(疑似餌仕掛け)
2 ヘッド
2a 貫通孔
3 リーダー
5 釣針
5A アシストライン
7 集魚部材
7a ネクタイ
7b スカート
10 接続パーツ
11 線材
11a 小径部
11b 大径部
15 弾性部材
15A 貫通孔
【要約】
【課題】ライントラブルが発生し難く、仕掛けの構築作業や仕掛けの構成要素の交換作業等が容易に行える疑似餌仕掛けを提供する。
【解決手段】本発明に係る疑似餌仕掛けは、集魚部材7を挿通させ、閉じた状態に形成された線材11と、線材11に被せられるように貫通孔15Aを備えた弾性部材15とを有する。線材11には、端部に釣針が取り付けられたアシストライン5Aとリーダー3が接続され、弾性部材15を線材11の一部に被せることで集魚部材7を保持することを特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6