(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】シート処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20240116BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B65H37/04 D
B65H37/04 Z
G03G15/00 431
(21)【出願番号】P 2022205731
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2018075555の分割
【原出願日】2018-04-10
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100197996
【氏名又は名称】中村 武彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-043843(JP,A)
【文献】特開2006-264978(JP,A)
【文献】特開2009-18943(JP,A)
【文献】特開2015-9966(JP,A)
【文献】特開2015-40087(JP,A)
【文献】特開2015-93761(JP,A)
【文献】特開2013-126911(JP,A)
【文献】米国特許第5730438(US,A)
【文献】特開2008-221347(JP,A)
【文献】特開2013-46947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/04
G03G 15/00
B65H 31/00-31/40
B65H 37/00-37/06
G03G 15/00
B42B 2/00-9/06
B42C 1/00-99/00
B25C 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを綴じるシート処理装置であって、
外部から手動でシートが挿入されるスリット状の第1の挿入口と、
前記第1の挿入口に挿入されたシートを針綴じする第1の綴じ手段と、
外部から手動でシートが挿入されるスリット状の第2の挿入口と、
前記第2の挿入口に挿入されたシートを針なし綴じする第2の綴じ手段と、
を備え、
前記第2の挿入口の開口幅を前記第1の挿入口の開口幅よりも狭くしたシート処理装置。
【請求項2】
前記第1の挿入口から挿入されたシートを検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段がシートを検出したことを報知する第1の報知手段と、前記第2の挿入口から挿入されたシートを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段がシートを検出したことを報知する第2の報知手段と、を備えた請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記第1の綴じ手段を作動させるための第1の操作
ボタンと、前記第2の綴じ手段を作動させるための第2の操作
ボタンと、を備えた請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送されたシートを処理する処理部と、を備え、
前記第1の綴じ手段は、前記第1の挿入口から挿入されたシートを綴じる位置と前記搬送手段にて前記処理部に搬送されたシートを綴じる位置に移動する請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記第1の挿入口の開口幅はシートの挿入可能な枚数を第1の枚数以下に制限し、前記第2の挿入口の開口幅はシートの挿入可能な枚数を前記第1の枚数よりも少ない第2の枚数以下に制限する請求項1に記載のシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像等が形成されたシートの後処理を行うシート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して綴じ処理等をするためのシート処理装置が用いられている。一般に、この種のシート処理装置は、画像形成装置から排出された複数枚のシートを排紙経路の下流側に備わる処理トレイ上に集積し、その1か所若しくは複数か所をステープル綴じ処理等した後、さらに下流側の集積トレイへ収納するように構成されている。
【0003】
前記綴じ処理に関しては、ステープルを使用したステープル綴じ処理の他に、ステープルを使用しないノンステープル綴じ処理を選択可能なシート処理装置がある。特許文献1には、排紙経路から送られたシートを処理トレイ上に部揃え集積して綴じ処理する際に、ステープル綴じか、ノンステープル綴じかを選択することができる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記シート処理装置にあっては、処理トレイ上に集積されたシート束に対して、左角あるいは右角に対する1か所綴じや、シート束の長辺又は短辺に沿って2か所綴じ等の各種の綴じ動作が存在する。ノンステープル綴じ処理では、シートの綴じ枚数が数枚程度に制限される。
【0006】
ところで、ノンステープル綴じ処理に関しては、針を使用しないため、上述のように綴じるシートの枚数が制限されると共に、針を使用するステープル綴じ処理に比べて使用頻度が低いものとなっている。このようなノンステープル綴じ処理機能をステープル綴じ処理機構と同様に自動化するには、装置構成が大掛かりとなり、コストパフォーマンスの点で不利となっている。
【0007】
さらに、従来のシート処理装置にあっては、後処理用のトレイ上に集積されたシート束に対してステープル綴じ処理又はノンステープル綴じ処理のいずれかを選択するため、シートの枚数が所定の枚数を超えていた場合であっても、ノンステープル綴じ処理を行ってしまう場合があった。これによって、規定枚数を超えてノンステープル綴じ処理が実行された場合の綴じ不良の発生要因となっていた。
【0008】
そこで本発明は、本体綴じ処理部とは独立したマニュアルでの第1及び第2の綴じ手段をそれぞれ別個に設けることで、手差し等によるシートに対する各種の綴じ処理を適宜のタイミングで簡易且つ容易に行うことのできるシート処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のシート処理装置は、シートを綴じるシート処理装置であって、外部から手動でシートが挿入されるスリット状の第1の挿入口と、前記第1の挿入口に挿入されたシートを針綴じする第1の綴じ手段と、外部から手動でシートが挿入されるスリット状の第2の挿入口と、前記第2の挿入口に挿入されたシートを針なし綴じする第2の綴じ手段と、を備え、前記第2の挿入口の開口幅を前記第1の挿入口の開口幅よりも狭くした。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシート処理装置によれば、第1のマニュアル綴じ処理部と第2のマニュアル綴じ処理部とを個々に、本体綴じ処理部とは別に設けたので、本体綴じ処理部と独立した個々の用途に応じた綴じ処理を適宜のタイミングで行うことができる。
【0011】
本発明のシート処理装置によれば、第1のマニュアル綴じ処理部及び第2のマニュアル綴じ処理部のそれぞれに外部からシートを挿入する挿入口及び挿入されたシートを支持する支持部材を設けているので、第1及び第2のマニュアル綴じ処理部に応じた枚数のシートを安定した状態でセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のシート処理装置を含む画像形成システムの概略構成図である。
【
図3】フロント側に第1及び第2のマニュアル綴じ処理部を備えた第1実施形態のシート処理装置の断面図である。
【
図4】第1実施形態のシート処理装置の平面図である。
【
図5】フロント側に第1のマニュアル綴じ処理部、リア側に第2のマニュアル綴じ処理部を備えた第2実施形態のシート処理装置の断面図である。
【
図6】第2実施形態のシート処理装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は後処理ユニットであるシート処理装置2を組み込んだ画像形成システム1を操作側正面から見た断面図である。この画像形成システム1は、筐体4内に給紙部5、画像形成部6、画像読取部7等を備えている。そして、前記シート処理装置2は、前記画像形成部6によって画像が形成されたシートを排出する洞内空間3内に配置されている。
【0014】
画像形成システム1は、画像形成を行うための各機構を備え、プラテン30上の原稿を画像読取部7によって読み取り、給紙部5から順次搬送されてくるシートに対して画像形成部6で印刷が施される。そして、印刷が施されたシートは、洞内空間3に向けて搬送され、この洞内空間3に配置されているシート処理装置2によって各種の綴じ処理が実行される。
【0015】
前記給紙部5はシートを収納するカセット5aを少なくとも1つ備え、複数のシートが収容される。また、オプション等によって複数のカセットを備えることも可能であり、この複数のカセットによって異なるサイズのシート毎に分けて収納することができる。前記カセット5aにはシートを繰出す給紙ローラ32やシートを1枚ずつ分離する図示しない分離手段等が内蔵されている。
【0016】
画像形成部6には、例えば静電式の画像形成機構33が備えられている。この画像形成機構33は、感光体(ホトコンダクタ)で構成されるドラムが色成分に応じて複数配置され、各ドラムには発光器(レーザヘッドなど)や現像器等が配置されている。そして各ドラムに発光器で潜画像(静電画像)を形成し、現像器でトナーインクを付着する。この各ドラム上に付着されたたインク画像は、色成分毎に転写ベルトに転写され、シート上に画像合成される。
【0017】
画像読取部7は、プラテン30と、このプラテン30に沿って往復動する読取キャリッジ34を備えている。プラテン30は透明ガラスで形成されている。読取キャリッジ34は、光源ランプ35と、原稿からの反射光を変更する反射ミラー36と、光電変換素子37とを備えている。光電変換素子37は、プラテン30上の原稿幅方向(主走査方向)に配列されたラインセンサで構成され、これと直交する副走査方向に読取キャリッジ34が往復移動することによって、線順位で原稿画像を読取ようになっている。また、プラテン30の上方には原稿を覆う原稿圧板31が搭載されている。
【0018】
画像形成部6は、前記画像読取部7で読み取った画像データを給紙部5から搬送されてくるシートに転写した後、この転写済みのシートを
図2に示すシート処理装置2に設けられている第1の搬送経路8a又は第2の搬送経路8bのいずれかに振り分けて排出する。前記第1の搬送経路8aは、シート処理装置2によって各種の綴じ処理を行うために選択され、第2の搬送経路8bは、排紙トレイ20上に排紙するために選択される。前記第1の搬送経路8aに沿って搬送される画像形成済みのシートはシート処理装置2内に搬入され、部揃え集積して、所定の処理をした後に下流側に配置されている集積トレイ12上に集積される。
【0019】
シート処理装置2は、
図2に示したように、画像形成システム1の洞内空間3内に収容可能なサイズのハウジング10と、このハウジング10内の上流側に配置されるパンチ処理部9と、このパンチ処理部9の下流側に配置される本体綴じ処理部11と、この本体綴じ処理部11の下流側に位置する集積トレイ12とを備えている。前記パンチ処理部9は、前記第1の搬送経路8aと、この第1の搬送経路8aに沿って搬送されたシートに対して、パンチする穿孔機構9aと、穿孔機構9aによって穿孔されたシートの屑を収納する屑箱9bと、本体綴じ処理部11の上面に形成された排紙トレイ20上にシートを案内する第2の搬送経路8bとを備えている。穿孔機構9aは、駆動モータ(図示せず)と、これに連結された駆動カム9cで構成されている。図示の駆動カム9cは偏心カムで構成されている。
【0020】
前記本体綴じ処理部11は、前記パンチ処理部9からのシートを搬送する搬送手段(第3の搬送経路)13と、この第3の搬送経路13の下流側に設けられる経路排出口14と、この経路排出口14からシートを排出する排出手段(排出ローラ対)60と、経路排出口14の下流側に配置され、前記排出ローラ対60によって排出されるシートが積載される処理トレイ15と、処理トレイ15上のシートをシート搬送方向と異なる掻込方向に掻き込み移動させるパドル回転体16aと、パドル回転体16aで掻き込まれたシートの掻込方向の先端部(搬送方向に対しては後端部)を整合する整合板17aと、処理トレイ15上のシートのシート搬送方向と直交するシート幅方向の両端部を整合する一対のサイド整合板17b,17c(
図4,
図6参照)と、整合された処理トレイ15上のシートに綴じを施すステープラ18と、このステープラ18で綴じられたシートを集積トレイ12に排紙する排紙ベルト61とを備えている。
【0021】
前記パドル回転体16aは帯状の弾性体を有し、昇降アーム16cの先端部に取り付けられている。昇降アーム16cはその基端部に支軸16bを備えている。昇降アーム16cは、支軸16bを支点に回転し、パドル回転体16aを処理トレイ15上のシートに接触する掻込位置と処理トレイ15上のシートから離間する退避位置に昇降移動させる。
【0022】
ステープル機構19は、
図4及び
図6に示すように、整合板17a及び一対のサイド整合板17b,17cで整合されたシートに対して、ステープラ18(第1の綴じ手段)を用いて針綴じをする機能を有している。すなわち、前記ステープラ18は、処理トレイ15上で整合されたシートに対して自動でステープル綴じ動作を行うものである。ここでのステープル綴じは、一つのステープラ18によって、整合したシートの角部に移動して一か所綴じする動作と、シートの長辺に沿って移動しながら2か所綴じする動作とを選択することができる。
【0023】
本発明のシート処理装置2は、
図1に示したように、前記本体綴じ処理部11とは別に、外部から手差し等によってセットされたシートを綴じる第1のマニュアル綴じ処理部21及び第2のマニュアル綴じ処理部22を備えた構成となっている。第1のマニュアル綴じ処理部21は、画像形成システム1の洞内空間3内に収まる前記本体綴じ処理部11に隣接して設けられている。また、第2のマニュアル綴じ処理部22は、
図1及び
図2に示したように、前記洞内空間3の外側に突出する集積トレイ12に隣接して設けられている。本実施形態では、シート処理装置2の集積トレイ12が画像形成システム1に設けられる洞内空間3から外側に突出して収容可能な構成となっている。このため、第2のマニュアル綴じ処理部22も洞内空間3の外に位置しているが、集積トレイ12の少なくとも一部が洞内空間3内に収まる構成の画像形成システムにあっては、これに伴って前記第2のマニュアル綴じ処理部22の一部も洞内空間3内に収容可能な構成にすることもできる。
【0024】
図3及び
図4は第1実施形態のシート処理装置2aの構成を示したものである。この実施形態では、第1のマニュアル綴じ処理部21が本体綴じ処理部11のシート幅方向のフロント(F)側の一端部に隣接して設けられている。また、第2のマニュアル綴じ処理部22は、第1のマニュアル綴じ処理部21に対して集積トレイ12側で、この集積トレイ12のシート幅方向フロント(F)側の一端部に隣接して設けられている。
【0025】
図4に示したように、前記第1のマニュアル綴じ処理部21は、本体綴じ処理部11のシート搬送方向と直交する方向のフロント(F)側の一部を延長して形成されている。前記第1のマニュアル綴じ処理部21には、シートが手動で挿入されるスリット状の第1の挿入口25と、この第1の挿入口25から挿入されたシートAを支持する第1の支持部材63と、挿入されたシートAの角部の2辺を規制し、シートAの角部に対して綴じ処理が可能な位置に位置決めする第1及び第2の規制板40a,40bと、シートAの角部に対して綴じ処理が可能な位置にあることを検出する第1の検出手段(第1のシート検出センサ)S2と、ステープラ18が第1のマニュアル綴じ処理部21のマニュアルステープル位置に移動したことを検出するステープラ検出センサS1と、ステープラ18の綴じ動作を実行させるための
第1の操作ボタン41と、を備えている。なお、
第1の操作ボタン41には、第1のシート検出センサS2がシートAを検出したことに応答して点灯する第1の報知手段(LEDランプ)65が設けられている。
【0026】
ステープラ18は、第1のマニュアル綴じ処理部21におけるマニュアルステープル位置をホームポジションとしている。つまり、通常はマニュアルステープル位置にあり、処理トレイ15上のシートを綴じる際にシート幅方向に移動し、シートに対する綴じ位置で停止して綴じ動作を行う。
【0027】
前記第1のマニュアル綴じ処理部21における一連の動作は、先ず、第1の挿入口25にシートAの一端を揃えて挿入することによって開始される。シートAの角部が第1及び第2の規制板40a,40bに当接する位置まで挿入されると、前記第1のシート検出センサS2によってシートAの一端が検出され、LEDランプ65が点灯する。このLEDランプ65が点灯することでシートAが綴じ処理可能な位置にあると使用者が認識する。そして、第1の操作ボタン41を押すことによって、ステープラ18によるステープル綴じ動作が実行される。なお、第1の挿入口25の開口幅は、普通紙におけるステープラ18の最大綴じ枚数30枚を超えて挿入することがないように設定されている。
【0028】
次に、第2のマニュアル綴じ処理部22は、
図4に示したように、針なし綴じをする第2の綴じ手段としてのノンステープル機構28と、シートを挿入するためのスリット状の第2の挿入口26と、この第2の挿入口26から挿入されたシートBを支持する第2の支持部材64と、シートBの挿入位置で角部の2辺を規制するための第1及び第2の規制板42a,42bと、この第1及び第2の規制板42a、42bにシートBが当接し、綴じ処理が可能な位置に位置決めされたことを検出する第2の検出手段(第2のシート検出センサ)S3とを備えている。
【0029】
前記ノンステープル機構28は、
図2に示したように、一対の歯型(下歯部材28a、上歯部材28b)を備えている。この一対の歯型でシートを挟み、加圧することでシートを変形させ、シートの繊維を潰して絡ませることでシートを綴じる、いわゆる圧着綴じする機構となっている。なお、ノンステープルと言われるものとして、この圧着綴じの他に、半抜き加工綴じ、切曲げ綴じ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方法がある。本実施形態のノンステープル機構28は、第2の支持部材64のリア(R)側の角部に設けられている。前記下歯部材28aは、その上面が第2の支持部材64の載置面と同一平面となるように固定して設けられている。そして、上歯部材28bはその歯型が下歯部材28aの歯型と噛み合う歯合位置と下歯部材28aの歯型から離れた離間位置に図示しない駆動手段によって移動するように構成される。
【0030】
前記第2のマニュアル綴じ処理部22は、
図3に示したように、集積トレイ12のフロント(F)側に設けられており、このフロント側から見て第1のマニュアル綴じ処理部21と左右に並んで配置される。また、第2のマニュアル綴じ処理部22は、その上面が前記第1のマニュアル綴じ処理部21の第1の挿入口25に挿入されたシートAの一部を支持する支持面27となり、第2の挿入口26は、支持面27の下方側に位置し、前記第1の挿入口25と略同じ傾斜角度を備えている。ノンステープル機構28は、第2の挿入口26に挿入したシートBの角部を斜め方向から圧着する位置に予め固定されている。このノンステープル機構28において綴じ処理されるシートBの枚数は普通紙で5枚程度に制限される。そのため、第2の挿入口26の開口幅は、前記第1の挿入口25における挿入枚数
(第1の枚数)よりも少ない
第2の枚数のシートが挿入可能となるように、第1の挿入口25の開口幅よりも小さく(狭く)形成されている。
【0031】
なお、第2のマニュアル綴じ処理部22は、ノンステープル機構28の綴じ動作を実行させるための第2の操作ボタン43と、第2のシート検出センサS3がシートを検出したことに応答して点灯する第2の報知手段(LEDランプ)66が設けられている。この第2のマニュアル綴じ処理部22における一連の動作は、先ず、第2の挿入口26にシートBの一端を揃えて挿入することによって開始される。シートBの角部が第1、第2の規制板42a,42bに当接する位置まで挿入されると、前記第2のシート検出センサS3によってシートBの一端が検出され、LEDランプ66が点灯する。このLEDランプ66が点灯することでシートBが綴じ処理可能な位置にあると使用者が認識する。そして、第2の操作ボタン43を押すことによって、ノンステープル機構28が作動し、上歯部材28bが離間位置から歯合位置に移動する。これによって、シートが圧着されて綴じが施される。
【0032】
ここで、本実施の形態おける第2のマニュアル綴じ処理部22は、
図2に示したように、ノンステープル機構28及びノンステープル機構28を駆動する駆動手段、第2の挿入口26、第2の支持部材64、第1及び第2の規制板42a,42b、第2のシート検出センサS3を一体化した綴じユニットとして構成されている。そして、この綴じユニットを本体綴じ処理部11の集積トレイ12よりもフロント側の側面67にビス等の固定具で取り付けられる。
【0033】
本実施形態のシート処理装置2aによれば、第2のマニュアル綴じ処理部22が集積トレイ12のフロント(F)側で、且つ、第1のマニュアル綴じ処理部21と左右に隣接させたことで、第1及び第2のマニュアル綴じ処理部21,22のフロント面を略同一平面上とすることができ、装置の大型化を抑えることができる。また、第2のマニュアル綴じ処理部22の上面27が、第1のマニュアル綴じ処理部21の第1の挿入口25に挿入されたシートを支持するように配置したので、第1のマニュアル綴じ処理部21でシートを綴じる際のシートの安定化を図ることができる。さらに、第1及び第2のマニュアル綴じ処理部21,22における第1及び第2の挿入口25,26を個別に設けると共に、第1及び第2の挿入口25,26の開口幅を各綴じ方法に適応した枚数に合わせて形成したことにより綴じ不良を低減することができる。
【0034】
図5及び
図6は第2実施形態のシート処理装置2bの構成を示したものである。この実施形態では、第2のマニュアル綴じ処理部22をシート幅方向のリア(R)側、すなわち、集積トレイ12を隔てた反対側に配置したものである。この実施形態では、集積トレイ12の上面を第2のマニュアル綴じ処理部22の第2の挿入口26に挿入されるシートBの一部を支持する支持面12aとして使用することができる。このため、
図5に示したように、第2のマニュアル綴じ処理部22の取り付け位置を高くして、第2の挿入口26の高さ及び傾斜を集積トレイ12の支持面12aに合わせるようにすることで、シートBの第2の挿入口26に挿入されている部分以外を集積トレイ12が支持することができる。これによって、シートBの一端を安定した状態で第2の挿入口26に挿入し、綴じ処理することができる。なお、第2実施形態では第1実施形態に対して第2のマニュアル綴じ処理部22の配置のみを変えたものであって、第1のマニュアル綴じ処理部21及び第2のマニュアル綴じ処理部22の構造及び作用は、第1実施形態のシート処理装置2bと同様であるので、説明は省略する。
【0035】
以上説明したように、上述の第1及び第2の実施形態におけるシート処理装置2a,2bでは、第1のマニュアル綴じ処理部21及び第2のマニュアル綴じ処理部22を本体綴じ処理部11及び集積トレイ12の一側面側の僅かに突出させたスペースに設けることが可能であるため、コンパクト化が図られ、洞内空間3の狭い小型の画像形成システム1にも容易に搭載可能となる。また、第1及び第2の実施の形態では、第2のマニュアル綴じ処理部22を前記集積トレイ12のフロント側あるいはリア側に隣接して配置したが、第1のマニュアル綴じ処理部21又はパンチ処理部9のフロント側に第2のマニュアル綴じ処理部22を設けてもよい。さらに、前記第1のマニュアル綴じ処理部21及び第2のマニュアル綴じ処理部22を画像形成システム1の操作側(フロント側)にオープンスペースに設けることによって、手差しでのシート挿入が容易である。なお、第2のマニュアル綴じ処理部22に関しては、本体綴じ処理部11に備わるステープル機構19とは独立したノンステープル機構28であるため、集積トレイ12のフロント側及びリア側のいずれにも配置可能であり、オプションとして後付も可能である。
【符号の説明】
【0036】
S1 ステープラ検出センサ
S2 第1のシート検出センサ(第1の検出手段)
S3 第2のシート検出センサ(第2の検出手段)
1 画像形成システム
2 シート処理装置
2a シート処理装置(第1実施形態)
2b シート処理装置(第2実施形態)
3 洞内空間
4 筐体
5 給紙部
5a カセット
6 画像形成部
7 画像読取部
8a 第1の搬送経路
8b 第2の搬送経路
9 パンチ処理部
9a 穿孔機構
9b 屑箱
9c 駆動カム
10 ハウジング
11 本体綴じ処理部
12 集積トレイ
12a 支持面
13 第3の搬送経路(搬送手段)
14 経路排出口
15 処理トレイ
16a パドル回転体
16b 支軸
16c 昇降アーム
17a 整合板
17b,17c サイド整合板
18 ステープラ(第1の綴じ手段)
19 ステープル機構
20 排紙トレイ
21 第1のマニュアル綴じ処理部
22 第2のマニュアル綴じ処理部
25 第1の挿入口
26 第2の挿入口
27 支持面
28 ノンステープル機構(第2の綴じ手段)
28a 下歯部材
28b 上歯部材
30 プラテン
31 原稿圧板
32 給紙ローラ
33 画像形成機構
34 読取キャリッジ
35 光源ランプ
36 反射ミラー
37 光電変換素子
40a 第1の規制板
40b 第2の規制板
41 操作ボタン
42a 第1の規制板
42b 第2の規制板
43 第2の操作ボタン
60 排出ローラ対(排出手段)
61 排紙ベルト
63 第1の支持部材
64 第2の支持部材
65 LEDランプ(第1の報知手段)
66 LEDランプ(第2の報知手段)
67 側面