(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】梱包容器、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20240116BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20240116BHJP
B65D 5/468 20060101ALI20240116BHJP
B65D 75/56 20060101ALI20240116BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B65D75/62 B
B65D5/54 D
B65D5/468 100
B65D75/56
B65D77/04 D
(21)【出願番号】P 2022511103
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 IB2020057629
(87)【国際公開番号】W WO2021038357
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】バナー, アルバート ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】グリーソン, ティモシー
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/048591(WO,A1)
【文献】特開2005-297993(JP,A)
【文献】特表2005-506935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0180643(US,A1)
【文献】米国特許第2970743(US,A)
【文献】米国特許第1985590(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/368019(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/199695(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/62
B65D 5/54
B65D 5/468
B65D 75/56
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包容器であって、
第1の側を有し、前記第1の側とは反対の第2の側をさらに有する上面であって、前記梱包容器の幅が、前記上面の前記第1の側から前記上面の前記第2の側までの距離によって規定され、前記上面が、前記梱包容器の前記上面の前記第1の側から前記梱包容器の前記上面の前記第2の側まで延びる上部外側フラップによって画定される、上面と、
前記梱包容器上の1つ以上の運搬用持ち手と、
前記梱包容器の
前記上面に
前記上部外側フラップの一部として位置する第1の引き裂きストリップ
であって、前記上部外側フラップが、前記第1の引き裂きストリップの除去によって形成され、かつ前記梱包容器の前記上面の前記第1の側から延びる残存フラップを含み、前記上部外側フラップが、前記第1の引き裂きストリップの前記残存フラップとは反対側にあるメジャーフラップをさらに含む、第1の引き裂きストリップと、
前記梱包容器の前記上面の前記第2の側から延びる上部内側フラップであって、前記第1の引き裂きストリップの前記除去によって前記上部内側フラップと前記メジャーフラップの両方を含む全幅フラップが形成されるように、前記上部外側フラップの内側の表面領域の大部分が前記上部内側フラップに接合され、前記全幅フラップが、前記上面の前記第2の側から前記上面の前記第1の側までの前記距離の全幅にわたって延び、
前記第1の引き裂きストリップの前記除去によって形成される前記全幅フラップが、前記上面の前記第2の側から延びるヒンジ式蓋であり、前記ヒンジ式蓋が、前記梱包容器の残り部分から離れるように折り返されることによって前記梱包容器内の製品を分配できるように構成され、その後、前記ヒンジ式蓋が、前記残存フラップの下に配置されて、前記ヒンジ式蓋である前記全幅フラップを拘束することによって前記梱包容器を再閉鎖位置に保持するように構成される、上部内側フラップと、
前記梱包容器の底面に位置する第2の引き裂きストリップ
であって、前記底面が前記上面とは反対側にある、
第2の引き裂きストリップと、を備える、梱包容器。
【請求項2】
前記第1の引き裂きストリッ
プは、消費者が工具を使用することなく前記梱包容器を開けることを可能にするように構成された1つ以上のタブを備える、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項3】
前記上部外側フラップは、前記残存フラップ、前記第1の引き裂きストリップ、前記第1の引き裂きストリップの前記1つ以上のタブ、及び前記メジャーフラップからなる、請求項
2に記載の梱包容器。
【請求項4】
前記梱包容器は、フルオーバーラップスロットコンテナの形態である、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項5】
前記梱包容器は、前記梱包容器の最小の面を下にして前記梱包容器を展示するよう直立垂直方向に配置されるように構成されている、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項6】
前記1つ以上の運搬用持ち手は、前記梱包容器の
前記上
面から下方約1/3までの途中に位置している、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項7】
個別化情報を前記梱包容器上に更に含み、前記個別化情報は、前記梱包容器内に収容された製品に関している、請求項1に記載の梱包容器。
【請求項8】
請求項1に記載の梱包容器と、
前記梱包容器内の梱包ライナと
、を備
える、梱包システム。
【請求項9】
前記第1の引き裂きストリッ
プは、消費者が工具を使用することなく前記梱包システムを開けることを可能にするように構成された1つ以上のタブを備える、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項10】
前記梱包ライナは、前記梱包ライナ内に収容された製品からの臭気を封止するように構成された気密封止された梱包ライナである、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項11】
前記上部外側フラップは、前記残存フラップ、前記第1の引き裂きストリップ、前記第1の引き裂きストリップの前記1つ以上のタブ、及び前記メジャーフラップからなる、請求項9に記載の梱包システム。
【請求項12】
前記梱包容器は、フルオーバーラップスロットコンテナの形態である、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項13】
前記運搬用持ち手は、前記梱包容器の前記上面から下方約1/3までの途中に位置している、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項14】
前記1つ以上の運搬用持ち手は、前記容器の前記底面から上方約1/3までの途中に位置する運搬用持ち手の第2のセットを備える、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項15】
前記容器は、フルオーバーラップスロットコンテナであり、前記上面が消費者によって開かれた後に再び閉じられるように構成されている、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項16】
前記梱包ライナは、約20~約60ポンドの重量の粒状材料を保持するように構成されている、請求項
8に記載の梱包システム。
【請求項17】
前記梱包ライナは、U字形の上部封止部及び引き裂きノッチを含む、請求項
8に記載の梱包システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年8月23日に出願された米国特許仮出願第62/891019号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、全般的には梱包システムのための方法及び装置に関する。より具体的には、本開示は、製品を出荷するための梱包システムのための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]電子商取引は、急速に成長している小売販路である。電子商取引は、製品を販売者から消費者に出荷するための梱包システムの使用を必要とする場合がある。梱包システムを使用する販売者は、新しい梱包システムで出荷する一方で、費用が削減された梱包システム及び/又は製品のより良好な保護を必要とする場合がある。その上、消費者は、持ち上げ及び取り扱いが容易なパッケージを望む。
【0004】
[0004]既存の出荷容器は、費用が高過ぎる、消費者が使用若しくは管理することが難しい、材料を非効率的若しくは無駄な形で使用する、又は追加の取り扱い工程を必要とする場合がある。例えば、多くの出荷容器は、製品を出荷するためのダンネージ(例えば、紙及び/又はプラスチック製ピロー)を任意選択で備える第2のオーバーサイズの波形出荷容器を必要とする。これらの出荷容器は、追加の労働集約的な手動梱包手順を更に必要とする。それに応じて、エンドツーエンドコストを低減し消費者に利益がある、配送から廃棄までの容器が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、梱包容器及び梱包システムのための方法及び装置に関する既存技術における問題に関して、利点及び解決策を提供する。これに関連して、梱包容器及び梱包システムのための方法及び装置が本明細書で提供される。梱包システムは、梱包ライナ及び梱包容器を備え得る。梱包容器が組み立てられると、梱包容器内に梱包ライナが挿入され、製品で充填されることができる。梱包容器は、使用が容易な、梱包容器を開けるための工具不要の能力を提供するように構成された、引き裂きテープ及び/又はミシン目が施された(perforated)ストリップを含む引き裂きストリップを梱包容器の上面に備えてもよい。非限定的な特定の実施形態では、梱包容器は、梱包容器のフラップを取り囲む残存フラップを更に備える。加えて、梱包容器の底面に引き裂きストリップを設けて、使用後に梱包容器を折り畳むことを容易にすることができる。
【0006】
[0006]一実施形態では、製品を出荷するための梱包容器又は梱包システムが本明細書で提供される。例えば、製品は、消費者により電子商取引ウェブサイトにて購入された後に、梱包容器又は梱包システムを使用して消費者に出荷される。製品は、ペットフード及び/又はペット用トイレ砂であり得る。一実施形態では、コストを低減する梱包容器又は梱包システムが本明細書で提供される。例えば、無駄で非効率的な材料の使用を低減する梱包容器又は梱包システムが本明細書で提供される。一実施形態では、第2のオーバーサイズの波形出荷容器を必要としない、独自容器による出荷(ship-in-own-container)のための梱包容器又は梱包システムが本明細書で提供される。
【0007】
[0007]梱包容器又は梱包システムは、直立垂直パッケージ方向に配置されるように構成され得る。直立垂直パッケージ方向は、梱包容器又は梱包システムを梱包容器又は梱包システムの最小の面を下にして展示されるように、及び/又は垂直直立位置にて運搬されるように構成され得る。一実施形態では、梱包システムは梱包容器を含む。梱包容器は、波形ファイバーボード又は波形ペーパーボードで作製することができる。梱包容器は、任意選択的に、1つ以上の運搬用持ち手を含み得る。
【0008】
[0008]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、使用が容易な、梱包容器又は梱包システムを工具不要で開封する経験を提供するように構成された、引き裂きテープ及び/又はミシン目が施されたストリップを含む引き裂きストリップを梱包容器又は梱包システムの上面に含む。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムの上部にある引き裂きストリップの場所は、梱包容器又は梱包システムが垂直直立位置に向けられたときに、消費者にとって視覚的に明白に分かる場所である。梱包容器又は梱包システムの引き裂きストリップは、引き裂きストリップの一方又は各それぞれの端部にタブを含んでもよく、タブは、引き裂きストリップを引き戻すための指当て部を提供するように構成されている。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、上面とは反対側の、梱包容器又は梱包システムの底面に位置する、追加の引き裂きストリップを含み得る。そのような実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、工具なしで、及び/又は容器を破壊及び/又は平坦化する従来の方法を必要とすることなく、破壊及び/又は平坦化するように構成されている。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムの上面にある引き裂きストリップと底面にある引き裂きストリップとは、同じ方向に向いている。代替として、梱包容器又は梱包システムの上面にある引き裂きストリップと底面にある引き裂きストリップとは、反対方向に向いている。
【0009】
[0009]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムの上部は、上部が消費者によって開封された後に再び閉じられるように構成され、加えて又は代わりに、引き裂きストリップの除去によって形成された残存フラップを含み、残存フラップは、梱包容器の1つ以上のフラップが残存フラップの下に配置されて梱包容器の上部を閉姿勢に保持するように、梱包容器の1つ以上のフラップを部分的に取り囲むように構成されている。一実施形態では、引き裂きストリップが消費者によって除去されると、全幅フラップが形成されて、残存フラップが形成される。そのような実施形態では、全幅フラップはヒンジ式の蓋を形成し、この蓋は、梱包容器の残余部分から離れるように折り返されるように構成され、したがって、消費者が梱包システムの中から製品を注ぐ又はすくい取ることにより、製品を容易に分配することが可能になる。そのような実施形態では、残存フラップは、全幅フラップを部分的に取り囲み、したがって全幅フラップが上昇することを抑制するように構成された、折り畳みフラップを形成する。したがって、開封された(すなわち、封止されていない)製品を梱包容器又は梱包システム内に保管することを消費者が選択した場合、ヒンジ式の蓋が残存フラップの下に配置されて、蓋が容易に及び/又は偶発的に跳ね上がることが防止されるように構成されている。
【0010】
[0010]一実施形態では、梱包システムは梱包ライナを含み得る。梱包ライナは、製品からの臭気を梱包ライナ内に封止することができ、かつそのような臭気が消費者に到達することを実質的に制限し得る。
【0011】
[0011]梱包容器又は梱包システムを組み立てる方法が本明細書で開示される。一実施形態では、梱包容器を組み立てる方法は、梱包容器の底部フラップを折り畳んで容器の底部を取り囲む工程と、底部フラップを封止する工程と、梱包容器の上部フラップを折り畳む工程と、上部フラップを封止する工程とを含み得る。一態様では、梱包システムを組み立てる方法は、上記の工程を含むことができ、上部フラップ又は底部フラップを封止する前に、梱包ライナを挿入する工程を更に含むことができる。別の態様では、本方法は、梱包ライナを製品で充填する工程を更に含み得る。更に別の態様では、方法は、梱包ライナを封止する工程を更に含み得る。別の方法は、底部フラップを封止した後、かつ上部フラップを封止する前に、事前充填されたライナ又はバッグを持ってきて容器内に挿入することであろう。
【0012】
[0012]別の実施形態では、梱包容器を組み立てる方法は、梱包容器の底部フラップを折り畳んで梱包容器の外面に対して平坦にする工程と、梱包容器の外面に対して底部フラップが折り畳まれたままとなるように梱包容器を成形する工程と、梱包容器をひっくり返し、梱包容器の上部を閉じる工程と、を含み得る。一態様では、梱包システムを組み立てる方法は、上述した工程を含むことができ、更に、梱包ライナを梱包容器内に挿入する工程と、梱包ライナを製品で充填する工程と、任意選択で、梱包ライナから空気を排出する工程と、梱包ライナを封止する工程と、梱包容器の底部を閉じる工程と、を含み得る。
【0013】
[0013]本明細書に記載される特徴及び利点は、包括的なものではなく、具体的には、図面及び説明を考慮することで多くの追加の特徴及び利点が当業者には明らかになるであろう。更に、本明細書で使用される言語は、専ら読みやすさ及び指示を目的として選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことを留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本開示の一実施形態による梱包容器を示す図である。
【
図1B】本開示の一実施形態による梱包容器を示す図である。
【
図2】梱包システムが開かれ梱包ライナが見えている、本開示の実施形態による梱包システムを示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による梱包容器を示す図である。
【
図4】梱包システムが開かれ梱包ライナが見えている、本開示の実施形態による梱包システムを示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による梱包容器を示す図である。
【
図6】梱包システムが開かれ梱包ライナが見えている、本開示の実施形態による梱包システムを示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態による梱包容器を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態による平坦化された梱包容器を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、組み立ての準備が整った平坦化された梱包容器を示す図である。
【
図11】再形成されたサイドガセットを有する、梱包容器内の梱包ライナを示す図である。
【
図12】再形成されたサイドガセットを有しない、梱包容器内の梱包ライナを示す図である。
【
図13A】本開示の一実施形態による、梱包システムを積み重ねるためのパレットシステムを示す図である。
【
図13B】本開示の一実施形態による、梱包システムを積み重ねるためのパレットシステムを示す図である。
【
図13C】本開示の一実施形態による、梱包システムを積み重ねるためのパレットシステムを示す図である。
【
図13D】本開示の一実施形態による、梱包システムを積み重ねるためのパレットシステムを示す図である。
【
図14】本開示による梱包システムを利用するためのフローチャートである。
【
図15】本開示の一実施形態による、ラップアラウンド梱包容器を示す図である。
【
図16】本開示の一実施形態による、充填された梱包ライナを有するラップアラウンド梱包容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0030]本明細書において、装置及び方法の詳細な実施形態を開示する。ただし、開示される実施形態は、装置及び方法の単なる例示であり、様々な形態で実施され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な例としての、特許請求の範囲の単なる基礎として解釈されるべきである。
【0016】
[0031]本開示の様々な実施形態は、本開示の他の実施形態と組み合わせることができ、本開示を作製及び使用するための具体的な方法の単なる例示であり、特許請求の範囲及び以下の詳細な説明を考慮したときに、本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0017】
[0032]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの」、すなわち「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈される。しかしながら、本明細書において開示される装置には、具体的に開示されない任意の要素が存在しない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態、及び「からなる(consistingof)」実施形態の開示を含む。
【0018】
[0033]「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
【0019】
[0034]本明細書において、範囲は、要するに、範囲内のすべての値を列挙することを避けるために使用される。範囲内の任意の適切な値を、範囲の上限値又は下限値として選択することができる。更に、本明細書における数値範囲は、その範囲内のすべての整数又は分数を含む。
【0020】
[0035]本明細書で使用するとき、「約」、「およそ」、及び「実質的に」は、数値範囲内、例えば、参照数字の-10%から+10%の範囲内、好ましくは-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照数字の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照数字の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
【0021】
[0036]本明細書で開示される方法及び機器並びに他の進歩は、当業者により認識されるとおり変更可能であるので、特定の方法、手順、及び試薬に限定されるものではない。更に、本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記載することのみを目的とするものであり、開示又は請求の範囲を制限するものではない。
【0022】
[0037]別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語、専門用語、並びに頭字語は、本開示の分野の当業者により、又は用語が用いられている分野において、一般的な理解がなされている意味を有している。本明細書に記載のものと類似する又は等価の任意の組成物、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を使用できるが、特定の装置、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を本明細書において記載する。
【0023】
[0038]更に、以下の説明では、構成要素間の幾何学的関係又は他のそのような関係(例えば、「平行」)を表現するために使用される用語は、厳密な用語というよりもむしろ、実質的な用語であると考えられ、その結果、他の記載がない限り、いかなるそのような用語にも修飾語「実質的に」があるものと解釈すべきであることを理解されたい。
【0024】
[0039]以下の実施例を参照し、本発明を更に説明する。記載される本発明は、これらの実施例により、いかなる形であれ限定されることは意図されていないことが理解されるであろう。好ましい実施形態は、梱包容器、システム、装置、及びそれに関連する方法に関する。
【0025】
[0040]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムを開けて梱包容器又は梱包システム内の製品にアクセスするのに工具(例えば、はさみ、梱包容器カッター、ナイフなど)を必要としない、梱包容器又は梱包システムが提供される。梱包容器又は梱包システムは、直立垂直パッケージ方向に配置されるように構成され得る。直立垂直パッケージ方向は、梱包容器又は梱包システムを梱包容器の最小の面を下にして展示されるように、及び/又は垂直直立位置にて運搬されるように構成され得る。直立垂直パッケージ方向は、消費者にとって従来の梱包システムよりも人間工学的であり、消費者が床にしゃがむことなく梱包容器又は梱包システムに手を伸ばし持ち上げることを可能にする。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、工具なしで、及び/又は容器を破壊及び/又は平坦化する従来の方法を必要とすることなく、破壊及び/又は平坦化するように構成されている。
【0026】
[0041]一実施形態では、梱包システムは梱包容器を含む。梱包容器は、波形ファイバーボード又は波形ペーパーボードで作製することができる。非限定的な実施形態では、梱包容器は、フルオーバーラップスロットコンテナ(「FOL」)の形態であり得る。そのような実施形態では、梱包容器は、1つ以上のフラップを含み得る。一態様では、梱包容器は、フラップの対を含むことができ、フラップの対は同じ長さであり得る。一実施形態では、フラップの長さは、容器の幅にほぼ等しい場合がある。具体的には、FOLが閉じている場合、外側フラップは、完全な重なりから約1インチ以内になり得る。FOLは、乱暴な取り扱いに対して耐性があるという利点を有する。一態様では、梱包容器は、2対の底部フラップ及び2対の上部フラップを有することができ、各対は、組み立てられたときに外側フラップ及び内側フラップを有する。そのような対は、メジャー対及びマイナー対を含むことができ、メジャー対は、マイナー対よりも面積が大きい。そのような対はまた、長さ及び幅が等しい場合がある。一態様では、閉鎖構成で折り畳まれたときに、底部のメジャー対及びマイナー対は重なり合う場合がある。別の態様では、閉鎖構成で折り畳まれたときに、上部メジャー対は重なり合う場合があり、上部マイナー対は重なり合わない。一般に、上部メジャー対は、フラップが接合され出荷中に容器に構造的完全性を提供するように、実質的に重なり合うことができ、いくつかの態様では、完全に重なり合うことができる。
【0027】
[0042]非限定的な実施形態では、梱包容器は、レギュラースロットコンテナ(「RSC」)の形態であり得る。そのような実施形態では、梱包容器の2つの外側フラップは、折り畳まれたときに梱包容器の中心で接触する。
【0028】
[0043]一実施形態では、梱包容器は、ダイカットされ接合部で接着される。一実施形態では、梱包容器は、少なくとも1つのメジャーフラップ及び少なくとも1つのマイナーフラップを含む。少なくとも1つのメジャーフラップ及び少なくとも1つのマイナーフラップは、一緒に結合できる。一実施形態において、梱包容器の寸法は、Lが15 1/16インチ、Wが8 13/16インチ、Dが22 1/4インチであり得る。
【0029】
[0044]一実施形態では、梱包容器は、梱包容器に含まれる製品を保護し保管する内側コーティングを有し得る。内側コーティングは、製品を新鮮に保つことができる、及び/又は梱包容器の油しみを防止できる。内側コーティングは、波型材料の内側へのプラスチックフィルムのラミネーション(すなわち、ラミネート、共押出、又はモノレイヤー)、コーティング紙の接着、押出ラミネーション、又はホットメルトにより梱包容器の内側に適用できる。一実施形態では、コーティングは、押出、フレキソ、カーテンコーティング、ロッドコーティング、サイズプレス、又は紙にコーティングを適用する任意の方法又は手段により、波形内側ライナに直接コーティングすることにより適用できる。コーティングはまた、噴霧を使用して、直立容器の内側に適用されてもよい。
【0030】
[0045]一実施形態では、波形材料の切断エッジもコーティングで同様に処理して、容器のコーティングされた内部紙層の周囲における油脂のウィッキングを防止できる。梱包容器の端部も接着させて、シフトプルーフ(sift proof)封止部を作製して、製品の微粉、油、及び油脂が容器から漏出することを防止してもよい。コーティングは、製品の微粉、油、及び油脂が容器から漏出することを防止するために容器の端部を封止するようにヒートシール可能であってもよい。一実施形態では、内側コーティングは、梱包システムのライナを置き換える。
【0031】
[0046]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、リサイクルされるように構成される。例えば、梱包容器又は梱包システムは、100%のリサイクル可能な材料から製造され得る。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、100%リサイクル可能であり得る。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、カーブサイドリサイクル可能である。梱包容器又は梱包システムは、ドロップオフリサイクル可能であり得る。
【0032】
[0047]一実施形態では、可変充填梱包システムが提供される。可変充填梱包システムでは、選択されたサイズの梱包システムが、様々な製品密度を含む様々な製品を梱包システム内に保持できる。可変充填梱包システムでは、梱包ライナが、様々な製品密度を含む様々な製品を梱包システム内に保持できる。そのような実施形態は、ストックキーピングユニット(「SKU」)特定のバッグサイズの必要性(例えば、選択された製品が第1のバッグサイズを必要とし、第2の製品が異なる第2のバッグサイズを必要とする場合)を排除できる。
【0033】
[0048]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは缶を保持できる。例えば、梱包容器又は梱包システムは、ウェットペットフードの複数の缶を保持するように寸法決めされ得る。一実施形態では、梱包システムライナが、第1の製品を梱包システム内に保持し、梱包システムは加えて、梱包ライナ内に保持されていない第2の製品を梱包システム内に保持する。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムが製品を保持し、梱包システムは梱包ライナを含まなくてもよい。
【0034】
[0049]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは運搬用持ち手を含む。そのような運搬用持ち手は、箱の一方又は両方の側面に円形、卵形、楕円形、又は他の幾何学的形状にミシン目を施して(perforated)形成でき、その結果、手の指を側面を通してあてがい梱包容器を持ち上げることができる。別の実施形態では、運搬用持ち手は、側面の一部を円形、卵形、楕円形、又は他の幾何学的形状で除去すること(例えば、打抜き)により形成でき、その結果、手の指を側面を通してあてがい梱包容器を持ち上げることができる。一般に、運搬用持ち手は、梱包容器又は梱包システムを垂直パッケージ方向にて運搬すること及び梱包容器又は梱包システムから製品を注ぐことに効果的な、梱包容器又は梱包システム上の位置に配置され得る。一実施形態では、運搬用持ち手及び垂直パッケージ方向により、消費者が、梱包容器又は梱包システムを、消費者の体により近い位置で(例えば、特に梱包容器又は梱包システムが消費者にとって重い場合に、水平方向と比較して、より人間工学的な形で)、運搬することが可能になる。運搬用持ち手は、梱包容器又は梱包システムのそれぞれの面を下にして、梱包容器又は梱包システムの上部から下方約1/3までの途中に配置され得る。一実施形態では、運搬用持ち手は、梱包容器又は梱包システムの上部から約6インチに位置することができる。別の実施形態では、運搬用持ち手は、梱包容器又は梱包システムの上部から約4インチに位置することができる。一実施形態では、消費者が梱包容器又は梱包システム内から製品を注ぐ際に、消費者が梱包容器又は梱包システムの基部を保持するために使用するように、梱包容器又は梱包システムの底部から約3インチの位置に追加の又は代替の持ち手が配置される。
【0035】
[0050]一実施形態では、梱包容器又は梱包システムは、使用が容易な、梱包容器又は梱包システムを工具不要で開封する経験を提供するように構成された、引き裂きテープ及び/又はミシン目が施されたストリップを含む引き裂きストリップを梱包容器又は梱包システムの上面に含む。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムの上部にある引き裂きストリップの場所は、梱包容器又は梱包システムが垂直直立位置に向けられたときに、消費者にとって視覚的に明白に分かる場所である。一実施形態では、梱包容器又は梱包システムの引き裂きストリップは、引き裂きストリップの一方又は各それぞれの端部にタブを含むことができ、タブは、引き裂きストリップを引き戻すための指当て部を提供するように構成されている。一般に、引き裂きストリップは、外側フラップのヒンジ点とは反対側に位置付けられた、上部又は底部におけるメジャー対の外側フラップに位置することができ、それにより、外側フラップの内側の表面領域の大部分が内側フラップと接合するために使用できる。したがって、一態様では、引き裂きストリップは、フラップの外側の半分に位置することができる。すなわち、引き裂きストリップは、フラップのヒンジ点から、少なくとも幅の50%だけ離れている。他の態様では、引き裂きストリップは、フラップのヒンジ点から、幅の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、そして更には少なくとも90%離れていることができる。引き裂きストリップがヒンジ点から離れている距離が大きいほど、フラップの内側の、より大きな利用可能な表面積を内側フラップに接合できる一方で、使用後に、本明細書で論じられるような工具又は他の肉体的に集中した努力を必要とすることなく、容器を容易に破壊することが依然として可能である。
【0036】
[0051]一実施形態では、梱包容器は引き裂きフラップを含む。そのような引き裂きフラップは、本明細書で開示される任意のフラップに置き換えることができる。一実施形態では、梱包容器は、梱包システムの上部に2つのより小さいフラップを含み、及び/又は梱包システムの上部に大きな閉鎖フラップを含む。消費者が梱包容器から引き裂きフラップを除去することを容易にして、例えば、消費者が梱包容器又は梱包システムから製品を注ぐことを可能にするために、引き裂きフラップにミシン目が施され(perforated)得る。したがって、様々な実施形態では、上部フラップ、底部フラップ、マイナーフラップ及び/又はメジャーフラップにミシン目が施され得る。そのような実施形態は、障害なく注ぐ経験を作り出し得る。一実施形態では、引き裂きフラップは、同じ長さであっても異なる長さであってもよく、長い(梱包容器又は梱包システムの圧縮強度の向上を可能にするために)場合、又は短い(消費者が梱包容器又は梱包システムから製品をより容易に注ぐことを可能にするために)場合がある。例えば、引き裂きフラップは、実質的に梱包容器の幅であり得る。代替として、引き裂きフラップは、梱包容器の幅の半分未満であり得る。
【0037】
[0052]一実施形態では、底部引き裂きストリップが、梱包容器の底部に設けられている。そのような実施形態では、底部引き裂きストリップが除去されると、梱包容器は、リサイクルのために平坦化されるように構成されている。梱包容器が上部引き裂きストリップ及び底部引き裂きストリップの両方を含む場合、平均的な力を有する消費者が、梱包容器を廃棄のために効率よく平坦化することができる。
【0038】
[0053]一実施形態では、梱包容器内に配置された梱包ライナを利用する梱包システムが本明細書に提供される。梱包ライナは、気密封止された梱包ライナであり得る。そのような実施形態では、梱包ライナは、梱包ライナ内の製品の鮮度を確保するために封止される。梱包ライナは上部封止部を含んでもよく、上部封止部は、真っ直ぐに横断するものであっても、U字形であっても、及び/又は「/」若しくは「\」の角度付きであってもよい。一実施形態では、梱包ライナの上部は引き裂きノッチを含む。そのような実施形態では、引き裂きノッチは、梱包ライナの上部角部から約4~6インチであり得る。引き裂きノッチは、消費者が梱包ライナの上部角部を除去して、ユーザが製品を梱包ライナの中から注ぐことを可能にするように構成され得る。一実施形態では、引き裂きノッチと梱包システムの注ぎ口の位置とが、消費者が梱包システムから保管容器に製品を注ぐことを手助けする。
【0039】
[0054]一実施形態では、梱包ライナは、梱包容器の端部フラップ上で折り返すことが可能なほどに十分に長い。梱包ライナは、プラスチックから製造することができる。一実施形態では、梱包ライナは透明であって、消費者が製品を梱包システムから別の保管容器に注ぐ際に製品の流れを観察し導くことの手助けとなり、及び/又は消費者が梱包システム内に製品がどれくらいあるかを観察する際に手助けとなる。梱包ライナは、折り重ねることができる剛性材料から製造されてもよく、それにより、製品を梱包システム内に保管するために、消費者が梱包ライナの上部を折り戻すことができる。梱包ライナは、コーティングされた材料、ポリエチレン、ビニルアルコールなどを含むヒートシール可能な材料とすることができ、複数の方法によって封止され得る。非限定的な実施形態では、梱包ライナは、再形成されたサイドガセットを使用して封止され得る。梱包ライナは代替として、サイドガセットなしで平坦に引っ張られ得る。一実施形態では、梱包システムを閉じることを可能にするために、封止前に梱包ライナ内のヘッドスペースにおける空気が排出される。梱包ライナは、例えば、インパルスシーラー又はテフロン(登録商標)被覆ホットバッグタイプシーラーを使用して手で封止することができる。一実施形態では、梱包ライナは、梱包ライナを引っ張って平坦にすることにより、又はガセットを再形成し梱包容器をシーラーの下に搬送することにより、バンドシーラーなどの自動化された封止方法で封止することができる。一実施形態では、梱包ライナの底部は既に封止されており、梱包ライナの上部は、梱包ライナが梱包容器内に配置され製品で充填された後に気密封止される。一実施形態では、梱包ライナは、ヒートシール可能な100%リサイクル可能なコート紙から製造される。そのような実施形態では、梱包ライナは、紙リサイクルの流れでリサイクルされ得る。
【0040】
[0055]一実施形態では、梱包ライナは、梱包システム内に組み込まれている。梱包ライナは、梱包容器の内側に取り付けることができる。そのような実施形態では、梱包容器が組み立てられ直立されると、梱包ライナはその一端が封止され、製品が梱包ライナに充填され、次いで梱包ライナの残りの開いた端部が封止され、梱包容器の開いた端部が閉じられる。代わりに、梱包ライナは、梱包容器に挿入する前に製品で充填され封止されることができる。
【0041】
[0056]一実施形態では、梱包容器の外側表面に商標が付けられる(すなわち、製品に関連付けられた画像及び/又は商標を含む)。一実施形態では、梱包容器の外側表面はデジタル印刷される。例えば、梱包容器は、インラインデジタル印刷を使用して提供される。そのような実施形態では、デジタル印刷された外側表面は、梱包容器上に店特有のSKUを印刷すること、外側表面上にカスタマイズ可能な及び/又は複雑なグラフィックを印刷すること、外側表面上に個別化グラフィックを印刷すること、新しい又は改訂された外側表面が必要とされる場合にラベル及び/又はグラフィックを容易に変更及び/又は更新すること、及び/又は、宣伝用素材を梱包容器の外側表面に追加すること、を可能にする。選択された梱包容器又は梱包システムがユーザによって個別化されて、消費者のペット名、メッセージング、ユーザ選択された成分、給餌指示などの、梱包システムに関する情報を含めてもよい。一実施形態では、印刷されたグラフィックは、梱包容器又は梱包システムの両方の主面上に複製され得る。そのような実施形態では、情報は、出荷ラベルによってカバーされない場合がある。
【0042】
[0057]一実施形態では、梱包ライナは商標が付けられていない(すなわち、製品に関連付けられた画像及び/又は商標を含まない)、又は反復パターンで商標が付けられている。一実施形態では、梱包ライナは透明である。一実施形態では、梱包システム及び梱包ライナは、製造業者の場所で充填及び封止され、例えば、第三者電子商取引場所及び/又は出荷場所での追加の梱包を必要としない。
【0043】
[0058]一実施形態では、梱包ライナが梱包システムに一体化された場合、梱包システムライナを特定の製品の仕様に対応する充填レベルで充填することが可能になるが、梱包システム全体のサイズは変化しない。そのような構成により、従来の梱包システムよりも製品の出荷寸法及び/又は展示寸法の変動を小さくすることが可能になる一方で、依然として、梱包システム内における製品充填量を可変にすることが可能になる。
【0044】
[0059]
図1~
図6は、全体的に梱包容器を示す。特に
図1Aを参照すると、梱包容器は、その最小の面を下にして立ち、展示されるように、及び垂直直立位置にて運搬されるように設計されている。梱包容器(1)は、もう1つの運搬用持ち手(2)と、引き裂きストリップ(3)と、引き裂きストリップ上の1つ以上のタブ(4)と、を含んでもよい。
図1Aでは、梱包容器の表面に対して平坦に置かれたタブ(4)が示されている。
図1Bでは、上に向いたタブ(4)が示されている。1つ以上の運搬用持ち手は、梱包容器を垂直パッケージ方向にて運搬すること及び梱包容器から製品を注ぐことに効果的な、梱包容器上の場所に配置され得る。特に、梱包容器の1つ以上の運搬用持ち手及び垂直方向により、消費者は、梱包容器を消費者の体により近付けて(例えば、特に梱包容器が消費者にとって重い場合に、水平方向と比較して、より人間工学的な形で)運搬することが可能になる。1つ以上の運搬用持ち手(2)の場所は、梱包容器のそれぞれの面を下にして、梱包システムの上面(5)から下方約1/3までの途中にあり得る。代替として、1つ以上の運搬用持ち手(2)の場所は、梱包容器の上部から約6インチである、又は梱包容器の上部から約4インチである。任意選択で、1つ以上の運搬用持ち手の第2のセット(2’)は、梱包容器の底面(6)から上方約1/3までの途中であり得る。一態様では、消費者が梱包容器から製品を注ぐ間に、消費者が梱包容器の基部を保持するために使用するように、梱包容器の底面(6)から約3インチに持ち手の第2のセットを配置することができる。引き裂きストリップ(3)は梱包容器の上面(5)に位置することができ、使用が容易な、工具不要での梱包容器の開封経験を提供するように構成されている。例えば、梱包容器の上部にある引き裂きストリップ(3)の場所は、梱包容器が垂直直立位置に向けられたときに、消費者にとって視覚的に明白に分かる場所である。引き裂きストリップは、引き裂きテープ及び/又はミシン目が施されたストリップを含んでもよい。引き裂きストリップは、引き裂きストリップの端部のいずれか一方又は両方に小さなタブ(4)を更に含み得る。小さなタブは、ミシン目が施されたストリップを引き戻すための指当て部を提供するように構成されている。梱包容器の面の上部は、少なくとも1つのマイナーフラップ(図示せず)、(引き裂きストリップの除去後に形成される)残存フラップ(7)、及び少なくとも1つのメジャーフラップ(8)を更に含む。引き裂きストリップ(3)は、メジャーフラップ(8)の中央と、メジャーフラップ(8)の折り目(10)との間に位置してもよい。
【0045】
[0060]
図2は、梱包ライナを含む梱包システムを示す。一実施形態では、梱包ライナ(15)は、マイナーフラップ(9)を有する梱包容器(1)内に挿入される。
図2は、引き裂きストリップがメジャーフラップ(8)の縁部に位置して、引き裂きストリップを除去すると残存フラップ(7)が存在しない実施形態を示す。
図2に示すように、梱包ライナは、梱包容器の端部フラップ上で折り返すことが可能なほどに十分に長い。一実施形態では、梱包ライナは、粒状材料を保持するように構成されている。例えば、粒状材料は、ペットフード、ペット用トイレ砂、砂、及び/又は他の材料を含み得る。例えば、粒状材料は、約20~約60ポンドの重量であり得る。好ましい実施形態では、粒状材料は、約27~約38ポンドの重量であり得る。好ましい実施形態では、粒状材料は乾燥製品である。梱包ライナは、梱包システムを油しみ(すなわち、梱包システムの外部への漏れ)から保護し得る。
【0046】
[0061]
図3は、梱包容器の追加又は代替の図を示す。一実施形態では、引き裂きストリップ(3)が消費者によって除去されると、全幅フラップ(25)が形成され、これが、梱包容器の残余部分から離れるように折り返されるように構成され、したがって、(容器がライナを含む場合)消費者が梱包容器又は梱包システム内から製品を注ぐ又はすくい取ることにより、製品を容易に分配することが可能になる。そのような実施形態では、残存フラップ(7)は、引き裂きストリップを除去すると形成され、全幅フラップを部分的に取り囲み、したがって全幅フラップが上昇することを抑制するように構成されている。したがって、開封された(すなわち、封止されていない)製品を梱包容器又は梱包システム内に保管することを消費者が選択した場合、ヒンジ式の蓋が残存フラップの下に配置されて、蓋が容易に及び/又は偶発的に跳ね上がることが防止されるように構成されている。
【0047】
[0062]
図4は、梱包ライナを有する梱包システムの実施形態の代替図を示す。梱包ライナ(15)は、上部封止部(35)を含み、上部封止部は、真っ直ぐに横断するものである、「U」字形である、及び/又は「/」若しくは「\」の角度付きである。一実施形態では、梱包ライナの上部は引き裂きノッチ(19)を含む。引き裂きノッチは、梱包ライナの上部角部から約4~6インチであり得る。引き裂きノッチは、消費者が梱包ライナの上部角部を除去して、ユーザが製品を梱包ライナの中から注ぐことを可能にするように構成され得る。
【0048】
[0063]
図5は、スキップスロット(23)を使用した梱包容器を示す。
図6に示すように、梱包容器のフラップは、梱包容器が開姿勢にある場合にフラップを所定位置に保持するスキップスロット(23)を含む。
図5は、手の指を側部を通してあてがい梱包容器を持ち上げることができるように、そして容器材料の一部が取り付けられたままであり得るように、ミシン目を施すことにより持ち手が形成される実施形態を更に示す(27)。
【0049】
[0064]
図6は、梱包ライナを含む梱包システムを示す。梱包ライナ(15)は、梱包容器の端部フラップ上で折り返すことが可能なほどに十分に長い。代替的実施形態では、梱包ライナは端部フラップ上で折り返されない。
【0050】
[0065]
図7は、梱包システムの一実施形態による梱包ライナを示す。梱包ライナ(15)は、製品からの臭気を梱包ライナ内に封止し、かつそのような臭気が消費者に到達することを実質的に制限し得る。
図7に示すように、梱包ライナは透明であってもよく、消費者が製品を梱包システムから別の保管容器に注ぐ際に製品の流れを観察し導くことの手助けとなり、及び/又は消費者が梱包システム内に製品がどれくらいあるかを観察する際に手助けとなる。梱包ライナの底部は既に封止されていてもよく、梱包ライナの上部は、梱包ライナが梱包容器内に配置され製品で充填された後に気密封止されてもよい。
【0051】
[0066]
図8は、商標が付けられた梱包容器を含む梱包容器の一実施形態を示す。
図8に示すように、梱包容器の外側表面は、梱包容器上に店特有のSKUを印刷すること、外側表面上にカスタマイズ可能な及び/又は複雑なグラフィックを印刷すること、外側表面上に個別化グラフィックを印刷すること、新しい又は改訂された外側表面が必要とされる場合にラベル及び/又はグラフィックを容易に変更及び/又は更新すること、及び/又は、宣伝用素材を梱包容器の外側表面に追加すること、を可能にするデジタル印刷された外側表面を含んでもよい。
【0052】
[0067]
図9は、2つの残存フラップ(7)、上部マイナーフラップ(9)、底部マイナーフラップ(24)、及び2つの全幅フラップ(25)を有する平坦化された梱包容器を示す。
図10は、本開示の実施形態による、組み立て前の梱包容器を示す。
図10に示すように、容器は、容器の上部及び底部に2対のフラップを含むことができ、フラップの各セットは長さの等しいものである。そのような実施形態は、底部フラップは両方の対が重なり合い、一方で上部はメジャー対だけが重なり合う。そのような実施形態では、マイナーフラップの長さが短いので、内容物への上部からの容易なアクセスが可能になる。底部引き裂きストリップ及び上部引き裂きストリップがいったん除去されると、容器はリサイクルのために平坦化され得る。
【0053】
[0068]
図11及び
図12は、梱包ライナを示す。
図11では、梱包ライナはサイドガセット(20)を含む。
図12では、梱包ライナはサイドガセットを含まない。
【0054】
[0069]
図13A~
図13Dは、本開示の一実施形態による梱包容器又は梱包システムを積み重ねるためのパレットシステムを示す。図示するように、充填された梱包容器は平坦に置かれ、層ごとに5つの梱包容器を有して5層に積み重ねられている。
【0055】
[0070]
図14は、梱包システムを利用する消費者のフローチャートを示す。消費者は、運搬用持ち手(2)を利用して消費者に近い位置にて梱包システムを運搬する。消費者は、ミシン目が施されたストリップの端部にあるタブ(4)を使用して梱包システムを開ける。消費者は、梱包ライナ(15)を開けて製品を注ぐ。消費者は次いで、残存フラップの下に全幅フラップを配置することにより梱包システムを閉じる。梱包システムがもはや必要なくなると、そのとき消費者は底部タブを除去して、梱包システムを平坦化して廃棄することが可能になる。
【0056】
[0071]
図15は、ラップアラウンド梱包容器を示す。
【0057】
[0072]
図16は、梱包容器を立てる前の、梱包ライナが充填されたラップアラウンド梱包容器を示す。
【0058】
[0073]次に、梱包容器又は梱包システムを組み立てる方法が開示される。予備事項として、本明細書に記載される工程には順序が与えられているが、これらの工程は、本明細書に記載されている結果を実現するために代替的な及び/又は異なる順序で実施されてもよいことに留意されたい。更に、本明細書で提供される工程を置換及び/又は賞賛するために、追加の及び/又は代替の工程が提供されてもよい。
【0059】
[0074]一実施形態では、梱包容器を組み立てる方法は、梱包容器の底部フラップを折り畳んで容器の底部を取り囲む工程と、底部フラップを封止する工程と、梱包容器の上部フラップを折り畳む工程と、上部フラップを封止する工程とを含み得る。一態様では、梱包システムを組み立てる方法は、上記の工程を含むことができ、上部フラップ又は底部フラップを封止する前に、梱包ライナを挿入する工程を更に含むことができる。別の態様では、本方法は、梱包ライナを製品で充填する工程を更に含み得る。更に別の態様では、方法は、梱包ライナを封止する工程を更に含み得る。
【0060】
[0075]別の実施形態では、梱包容器を組み立てる方法は、梱包容器の底部フラップを折り畳んで梱包容器の外面に対して平坦にする工程と、梱包容器の外面に対して底部フラップが折り畳まれたままとなるように梱包容器を成形する工程と、梱包容器をひっくり返し、梱包容器の上部を閉じる工程と、を含み得る。一態様では、梱包システムを組み立てる方法は、上述した工程を含むことができ、更に、梱包ライナを梱包容器内に挿入する工程と、梱包ライナを製品で充填する工程と、任意選択で、梱包ライナから空気を排出する工程と、梱包ライナを封止する工程と、梱包容器の底部を閉じる工程と、を含み得る。一態様では、梱包ライナを封止する工程は、ヒートシーラー又はインパルスシーラーを使用することを含み得る。別の態様では、製品の貯蔵寿命を延長するために、パッケージから空気を排出することに加えて、窒素フラッシングが使用され得る。
【0061】
[0076]一実施形態では、梱包システムを組み立てる方法は、FOLを使用して梱包容器を組み立てる工程を含む。一実施形態では、梱包容器の上部又は底部を閉じる工程は、最初にマイナーフラップを折り畳む工程と、第1のメジャーフラップを折り畳む工程であって、第1のメジャーフラップは開封が容易な引き裂きノッチを含まない、折り畳む工程と、ホットメルトの3つの1/8インチ~1/4インチビーズを第2のメジャーフラップの内側に適用する工程と、第2のメジャーフラップを折り畳む工程と、梱包容器をひっくり返して、グルーを塗布した端部を下にして立たせる工程と、グルーが十分に冷えて底部フラップが閉じたままの状態になるまで、均一な圧力を2秒間にわたり加える工程と、を含む。そのような実施形態では、方法は、ホットメルトのビーズを引き裂きテープから1/2インチに適用する工程を更に含み得る。
【0062】
[0077]一実施形態では、任意の市販のグルーガン及びグルースティックを使用してホットメルトを適用することができる。一実施形態では、最高で400°Fの温度制御を有する300ワットのグルーガンを使用してホットメルトを適用することができる。一例として、1/2インチのグルースティックが使用され得る。グルーは、食品接触使用のためにFDA承認済みであり得る。一実施形態では、グルースティックの接合強度は、1分で50%、1時間で75%、及び24時間で100%である。
【0063】
[0078]一実施形態では、梱包ライナを梱包容器内に挿入する工程は、製品を充填する間に梱包ライナが滑って梱包容器内に入ることを防止するために、梱包ライナを端部フラップ上で折り返す工程を含む。
【0064】
[0079]一実施形態では、スキップスロットが存在する場合、梱包容器の底部を閉じる工程は、最初にフラップ間の材料を切断又は破断し、次いでフラップを折り上げることを含む。そのような実施形態では、梱包容器の底部又は上部を閉じる工程は、最初にマイナーフラップを折り畳む工程と、第1のメジャーフラップを折り畳む工程であって、第1のメジャーフラップは開封が容易な引き裂きノッチを含まない、折り畳む工程と、ホットメルトの3つの1/8インチ~1/4インチビーズを第2のメジャーフラップの内側に適用する工程と、第2のメジャーフラップを折り畳む工程と、梱包容器をひっくり返して、グルーを塗布した端部を下にして立たせる工程と、グルーが十分に冷えて底部フラップが閉じたままの状態になるまで、均一な圧力を2秒間にわたり加える工程と、を更に含む。そのような実施形態では、方法は、ホットメルトのビーズを引き裂きテープの上1/2インチに適用する工程を更に含み得る。
【0065】
[0080]一実施形態では、方法は、ホットメルト品質チェックの使用を含み得る。特に、フラップが閉じられグルーが1分後に固まって冷えた後、両方のメジャーフラップ表面上にファイバー引き裂き部が現れ、そこには、梱包容器の端部のメジャーフラップが引き離されたときにホットメルトがある。ホットメルト品質チェックは、生産開始前及び生産終了時に行うことができる。
【0066】
[0081]一実施形態では、梱包ライナが梱包容器に取り付けられた梱包システムを組み立てるための方法が提供される。一実施形態では、本方法は、梱包ライナを梱包容器に封止する工程と、梱包容器の底部フラップを折り畳んで容器の底部を取り囲む工程と、底部フラップを封止する工程と、梱包容器の上部フラップを折り畳む工程と、上部フラップを封止する工程とを含み得る。スキップスロットを使用する場合、方法は、代わりに、梱包容器の底部フラップを折り畳んで梱包容器の外面に対して平坦に置くことを含み得る。梱包容器の外面に対して底部フラップが折り畳まれたままとなるように梱包容器を組み立てる工程と、梱包容器をひっくり返し、梱包容器の上部を閉じる工程と、梱包ライナを製品で充填する工程と、梱包ライナから空気を排出する工程と、ヒートシーラーを使用して梱包ライナを封止する工程と、梱包容器の底部を閉じる工程と、を含む。
【0067】
[0082]一実施形態では、梱包システムを組み立てる方法は、梱包ライナを充填してから直立させた梱包容器内に梱包ライナを降ろす工程を含む。一実施形態では、梱包システムを組み立てる方法は、梱包ライナを充填し、次いでラップアラウンドケースを使用する工程を含む。そのような実施形態では、ラップアラウンドケースは、製造業者のグルー接合部なしで平坦に出荷され、次いで、折り目を付けた平坦な波形シートが形成され、充填された梱包ライナの周囲に巻き付けられる。
【0068】
[0083]一実施形態では、方法は、充填された梱包容器をパレットに載せるように置く工程を更に含み得る。一実施形態では、充填された梱包容器は、層ごとに5つの梱包容器を有して5層に積み重ねられている。
【0069】
[0084]本明細書に記載される実施例に対する様々な変更及び改変が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。かかる変更及び変形は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。それゆえ、そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。更に、本実施形態は、上記の方法又は構成の厳密な詳細に限定されるものではなく、したがって、本実施形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。更に、特に明記しない限り、「第1の」、「第2の」などの用語のいかなる使用も、なんらかの順序又は重要性を示すものではなく、むしろ、「第1の」、「第2」などの用語は、単に1つの要素を別の要素と区別するために使用される。