(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】射出成形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/42 20060101AFI20240116BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20240116BHJP
B22D 17/24 20060101ALI20240116BHJP
B29C 45/17 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B29C45/42
B22D17/22 L
B22D17/24 A
B29C45/17
(21)【出願番号】P 2022514118
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 JP2021014869
(87)【国際公開番号】W WO2021206136
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2020070698
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】土屋 信篤
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-155519(JP,A)
【文献】特開平1-183388(JP,A)
【文献】特開2016-83823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/00-17/32
B29C 45/00-45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を開閉する型締装置および前記型締装置を下方から支持する機台を有する射出成形機と、
前記型締装置の下方に設けられ、前記金型からの成形品の取り出し作業および前記金型へのインサート品の挿入作業の少なくとも一方を行う作業装置と、
前記型締装置の下方において、前記作業装置を前記金型の下方から退避させるためのガイドレールと、
を備
え、
前記機台は、前記型締装置と前記金型との下方のスペースを有し、
前記ガイドレールは、前記スペース内に収まる、射出成形システム。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記ガイドレールは、前記作業装置を前記金型の開閉方向に平行に移動可能に設置されている、射出成形システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の射出成形システムであって、
前記ガイドレールと平行に設置されたボールネジと、
前記ボールネジと螺合し、前記作業装置に設けられたナットと、
前記ボールネジに設けられ、オペレータが操作することにより前記ボールネジを回転させるハンドルと、
をさらに備える、射出成形システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の射出成形システムであって、
前記作業装置を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動力を発生するアクチュエータと、
少なくとも前記アクチュエータを制御する制御装置と、
をさらに備える、射出成形システム。
【請求項5】
金型を開閉する型締装置および前記型締装置を下方から支持する機台を有する射出成形機と、
前記型締装置の下方に設けられ、前記金型からの成形品の取り出し作業および前記金型へのインサート品の挿入作業の少なくとも一方を行う作業装置と、
前記型締装置の下方において、前記作業装置を前記金型の下方から退避させるためのガイドレールと、
前記作業装置を前記ガイドレールに沿って移動させるための駆動力を発生するアクチュエータと、
少なくとも前記アクチュエータを制御する制御装置と、
を備え、
前記作業装置は、多関節アームを有し、
前記アクチュエータは、前記多関節アームを駆動するように設けられ、
前記制御装置は、前記アクチュエータを制御することにより、前記多関節アームに前記機台または前記型締装置を把持させると共に、前記多関節アームを屈伸させることで前記作業装置を移動させる、射出成形システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の射出成形システムであって、
前記制御装置は、オペレータの操作に応じて前記作業装置が前記金型の下方位置または前記金型から退避した退避位置に移動するように、前記アクチュエータを制御する、射出成形システム。
【請求項7】
請求項4または5に記載の射出成形システムであって、
前記制御装置は、前記作業装置が作業を行う場合は、前記金型の下方位置に移動させ、前記作業装置が作業を行わない場合は、前記金型から退避した退避位置に移動するように前記アクチュエータを制御する、射出成形システム。
【請求項8】
請求項7に記載の射出成形システムであって、
前記アクチュエータは、モータであり、
前記制御装置は、前記作業装置の作業内容に応じて前記下方位置を変更する、射出成形システム。
【請求項9】
請求項6または7に記載の射出成形システムであって、
前記アクチュエータは、モータであり、
前記制御装置は、前記金型によって成形される前記成形品の種類に応じて前記下方位置および前記退避位置を記憶した記憶部を備え、前記作業装置が前記射出成形機に取り付けられた前記金型に応じた前記下方位置または前記退避位置に移動するように、前記モータを制御する、射出成形システム。
【請求項10】
請求項9に記載の射出成形システムであって、
前記記憶部は、前記取り出し作業を行う場合または前記挿入作業を行う場合の第1の前記下方位置と、前記作業装置が取り出した前記成形品を所定の位置に置く作業を行う場合または所定の位置に置かれた前記インサート品を把持する作業を行う場合の第2の位置とをさらに記憶し、
前記制御装置は、前記記憶部を用いて前記作業装置の位置を変更する、射出成形システム。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか1項に記載の射出成形システムであって、
複数の前記制御装置が接続され、前記下方位置および前記退避位置の少なくとも一方を複数の前記制御装置に対して一括で指定する集中管理装置をさらに備える、射出成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金型を開閉する型締装置を有する射出成形機と、金型からの成形品の取り出し作業を担う作業装置とを備える射出成形システムが提案されている。特開平6-155519号公報には、その一例が開示されている。
【発明の概要】
【0003】
特開平6-155519号公報には、取り出し作業を担うロボットを射出成形機の側方に設置した構成が開示されている。この構成は、射出成形機の側方にロボットの設置スペースが確保できない場合には実現が困難である。
【0004】
また、特開平6-155519号公報のロボットは、金型の側方の設置台上に設置される。この構成では、設置台およびロボットが、オペレータが金型の周辺で作業する際の邪魔になる。これはオペレータの作業性の観点から見て好ましいとは言えない。
【0005】
本発明は、スペースが制限されている場所への設置に有利であり、且つ金型に対するオペレータの作業性を良好にする射出成形システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一つの態様は、射出成形システムであって、金型を開閉する型締装置および前記型締装置を下方から支持する機台を有する射出成形機と、前記型締装置の下方に設けられ、前記金型からの成形品の取り出し作業および前記金型へのインサート品の挿入作業の少なくとも一方を行う作業装置と、前記型締装置の下方において、前記作業装置を前記金型の下方から退避させるためのガイドレールと、を備える。
【0007】
本発明によれば、スペースが制限されている場所への設置に有利であり、且つ金型に対するオペレータの作業性を良好にする射出成形システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態の射出成形システムの構成図である。
【
図5】実施の形態の射出成形システムの制御方法の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】変形例1の射出成形システムの構成図である。
【
図7】変形例2の射出成形システムの構成図である。
【
図8】作業装置が金型からの成形品の取り出し作業を行う場合の第1の位置(下方位置)を説明するための図である。
【
図9】作業装置が金型から取り出した成形品を所定の位置に置く作業を行う場合の第2の位置を説明するための図である。
【
図10】変形例10の射出成形システムの構成図である。
【
図11】変形例11の射出成形システムを説明するための第1の図である。
【
図12】変形例11の射出成形システムを説明するための第2の図である。
【
図13】変形例12の射出成形システムの構成図である。
【
図14】
図13の射出成形システムを射出成形機の開方向側から見た第1の図である。
【
図15】
図13の射出成形システムを射出成形機の開方向側から見た第2の図である。
【
図16】変形例13の射出成形システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の射出成形システムについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0010】
[実施の形態]
図1は、実施の形態の射出成形システム10の構成図である。
【0011】
射出成形システム10は、射出成形機12と、作業装置14と、ガイドレール16と、サーボモータ(アクチュエータ)18と、ボールネジ機構20と、制御装置22と、を備える。
【0012】
射出成形機12は、金型24を開閉する型締装置26および型締装置26を下方から支持する機台28を有する。また、射出成形機12は、成形材料を可塑化して金型24に射出する射出装置30をさらに有する。
【0013】
金型24は、型締装置26と射出装置30との対向方向に開閉する。すなわち、金型24は、固定金型24aと、固定金型24aに対して離接する可動金型24bとを有する。金型24は固定金型24aと可動金型24bとが離間することで開き、固定金型24aと可動金型24bとが接することで閉じる。可動金型24bは、型締装置26が駆動することによって移動する。
【0014】
図1に示す開方向は、固定金型24aから離間する際の可動金型24bの移動方向である。また、閉方向は、固定金型24aに接近する際の可動金型24bの移動方向である。以下、閉方向と開方向とを総称して開閉方向とも呼ぶ。開閉方向は、重力方向(
図1の上下方向)と直交する。
【0015】
作業装置14は、金型24からの成形品の取り出し作業(以下、単に「取り出し作業」)を担う装置である。本実施の形態の作業装置14は、取り出し作業の際に成形品を把持可能な多関節アーム32を有するロボット、つまりアームロボットである。ただし、作業装置14はアームロボットに限定されず、多関節アーム32以外の駆動機構によって取り出し作業を行うものであってもよい。
【0016】
作業装置14は、本実施の形態では型締装置26の下方(機台28のデッドスペース)に設けられる。この構成では、作業装置14が機台28内に収容されるので、射出成形機12と作業装置14とを1台ずつ設置する際に必要なスペースとしては射出成形機12の1台分を確保すれば足りる。したがって、本実施の形態の射出成形システム10は、射出成形機12の側方(あるいは上方)に作業装置14を設ける構成と比較して、スペースが制限されている場所への設置に有利である。
【0017】
ガイドレール16は、作業装置14を金型24の下方から退避させるために、型締装置26の下方に設置されるものである。本実施の形態のガイドレール16は、金型24の開閉方向に平行に、少なくとも後述する作業位置(下方位置)P1と退避位置P2との間にわたって延在する(
図3および
図4)。
【0018】
また、本実施の形態では、ガイドレール16に摺動可能に嵌るスライダ(ガイドブロック)36が作業装置14に設けられる。これにより、作業装置14は、ガイドレール16によって開閉方向に平行に移動可能に支持される。
【0019】
サーボモータ18は、作業装置14をガイドレール16に沿って移動させる駆動力を発生するものである。サーボモータ18が駆動力を発生することにより、オペレータが手押しせずとも、作業装置14を移動させることが可能となる。
【0020】
サーボモータ18は回転軸18aを備える。サーボモータ18は、回転軸18aの回転によって回転力を生じる。
【0021】
ボールネジ機構20は、ボールネジ38と、ナット40とを備える。ボールネジ38は、ガイドレール16と平行に設置されたネジ軸である。ボールネジ38には、サーボモータ18の回転軸18aが一体的に回転可能に接続される。ナット40は、ボールネジ38と螺合する部材であって、作業装置14に設けられている。
【0022】
これにより、サーボモータ18の回転力が、ガイドレール16と平行な駆動力に変換されるようになる。また、その駆動力が作業装置14に伝達されるようになる。その結果、本実施の形態では、作業装置14をガイドレール16と平行な開閉方向に移動させることが可能となる。作業装置14の開方向への移動と閉方向への移動とは、回転軸18aの回転方向を切り替えることで、容易に切り替え可能である。
【0023】
図2は、実施の形態の制御装置22の概略構成図である。
【0024】
制御装置22は、少なくとも前述のサーボモータ18を制御することにより作業装置14のガイドレール16に沿った移動を制御する装置である。制御装置22は、記憶部42と、操作部44と、演算部46と、アンプ48と、を備える。
【0025】
記憶部42は、情報を記憶するものであって、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のハードウェアにより構成される。記憶部42は、所定の制御プログラム50を記憶する。
【0026】
制御プログラム50は、演算部46が読み取って実行可能なプログラムである。制御プログラム50には、サーボモータ18の制御に必要な情報が規定される。
【0027】
また、記憶部42は、作業装置14の位置として予め決められた作業位置P1および退避位置P2を示す情報(位置情報52)を記憶する。
【0028】
【0029】
作業位置P1とは、金型24の下方の位置のことであって、作業装置14が取り出し作業を行う予め決められた位置である。作業位置P1にいるときの作業装置14は、金型24周辺の作業スペース34で作業を行う。記憶部42は、金型24の種類および成形品の種類に応じて異なる複数の作業位置P1を記憶してもよい。
【0030】
【0031】
退避位置P2とは、作業スペース34を避けて予め決められた位置である。退避位置P2にいるときの作業装置14は、取り出し作業は行わずにその場で待機する。
【0032】
本実施の形態の退避位置P2は、
図4に示すように、機台28に支持された型締装置26の下方であって、前述の作業位置P1よりも開方向側である。これにより、退避位置P2に移動した作業装置14が、上下方向と開閉方向とに直交する機台28の幅方向(
図14の左右方向を参照)で機台28からはみ出るおそれが低減される。
【0033】
操作部44は、オペレータが作業装置14を移動させたい場合に操作するインターフェースである。本実施の形態の操作部44は、作業装置14を退避位置P2に移動させたいときに押す第1の押しボタン44Aと、作業装置14を作業位置P1に移動させたいときに押す第2の押しボタン44Bと、を有する。この場合、オペレータが操作部44に対して行う操作とは、第1の押しボタン44Aまたは第2の押しボタン44Bをオペレータが押すことを指す。
【0034】
操作部44は、第1の押しボタン44Aが押された場合には作業装置14を退避位置P2に移動させる旨の信号を演算部46に出力し、第2の押しボタン44Bが押された場合には作業装置14を作業位置P1に移動させる旨の信号を演算部46に出力する。
【0035】
演算部46は、情報を演算処理するものであって、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアにより構成される。演算部46は、
図2に示すように、移動制御部54を有する。移動制御部54は、演算部46が記憶部42の制御プログラム50を読み取って実行することにより実現される。
【0036】
移動制御部54は、サーボモータ18を駆動させるための制御指令を生成すると共に、生成した制御指令をアンプ48に向けて出力するものである。移動制御部54は、操作部44が操作されると、その操作内容に応じて異なる制御指令を生成する。すなわち、第1の押しボタン44Aが押された場合、移動制御部54は作業装置14を退避位置P2に移動させるための制御指令を生成する。また、第2の押しボタン44Bが押された場合、移動制御部54は作業装置14を作業位置P1に移動させるための制御指令を生成する。
【0037】
アンプ48は、サーボモータ18の駆動制御を担うものであって、移動制御部54から制御指令が入力される。アンプ48は、入力された制御指令に基づいてサーボモータ18を駆動させる。以上が、本実施の形態の射出成形システム10の構成例である。
【0038】
図5は、実施の形態の射出成形システム10の制御方法の流れを例示するフローチャートである。
【0039】
続いて、射出成形システム10の制御方法(以下、単に「制御方法」)について説明する。前提として、射出成形機12および作業装置14はいずれも運転を停止しているものとする。
【0040】
制御方法は、操作判定ステップS1と、退避指令ステップS2と、退避移動ステップS3と、復帰指令ステップS4と、復帰移動ステップS5と、を含む。
【0041】
操作判定ステップS1は、操作部44が操作された場合に、第1の押しボタン44Aと第2の押しボタン44Bとのどちらが押されたのかを判定するステップである。本ステップは、例えば演算部46の移動制御部54が実行する。このとき、移動制御部54には、例えば操作部44から演算部46に入力された信号が、第1の押しボタン44Aが押された場合に入力されるものであるか、それとも第2の押しボタン44Bが押された場合に入力されるものであるかを判別させればよい。
【0042】
操作判定ステップS1において、第1の押しボタン44Aが押されたと判定された場合には、退避指令ステップS2および退避移動ステップS3が実行される。
【0043】
退避指令ステップS2は、作業装置14を退避位置P2に移動させるための制御指令を生成および出力するステップである。本ステップは移動制御部54が実行する。生成された制御指令はアンプ48に入力される。
【0044】
退避移動ステップS3は、作業装置14を退避位置P2に移動させるステップである。本ステップは、アンプ48が制御指令に基づいてサーボモータ18を駆動することにより実行される。これにより、作業装置14は、
図4に例示される退避位置P2へと移動する。
【0045】
一方、操作判定ステップS1において、第2の押しボタン44Bが押されたと判定された場合には、復帰指令ステップS4および復帰移動ステップS5が実行される。
【0046】
復帰指令ステップS4は、作業装置14を作業位置P1に移動させるための制御指令を生成および出力するステップである。本ステップは移動制御部54が実行する。生成された制御指令はアンプ48に入力される。
【0047】
復帰移動ステップS5は、作業装置14を作業位置P1に移動させるステップである。本ステップは、アンプ48が制御指令に基づいてサーボモータ18を駆動することにより実行される。これにより、作業装置14は、
図3に例示される作業位置P1へと移動する。以上が、本実施の形態の射出成形システム10の制御方法の構成例である。
【0048】
オペレータが金型24の周辺で作業するとき、作業装置14が作業位置P1にあると、オペレータの作業性に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、オペレータが金型24の交換作業や金型24の保守作業を行う際に作業装置14が作業位置P1にある場合を考える。この場合、オペレータは、金型24周辺の作業スペース34を自分の作業のために使用することができず、作業装置14を避けながら作業しなければならない。
【0049】
その点、本実施の形態の射出成形システム10では、第1の押しボタン44Aを押すだけで、金型24周辺の作業スペース34を避けた退避位置P2へと作業装置14が移動する。これにより、オペレータは、作業スペース34を自分の作業のために使用できるようになる。すなわち、本実施の形態の射出成形システム10によれば、オペレータの作業性が良好となる。
【0050】
また、本実施の形態の射出成形システム10では、第2の押しボタン44Bを押すだけで、作業装置14が金型24の下方の作業位置P1へと移動する。これにより、オペレータは、金型24に対する作業を終えた後に、作業装置14を作業位置P1へと容易に移動させることができる。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、スペースが制限されている場所への設置に有利であり、且つ金型24に対するオペレータの作業性を良好にする射出成形システム10が提供される。
【0052】
しかも、本実施の形態の射出成形システム10は、作業装置14を移動させるための駆動力(回転力)を発生するアクチュエータとしてサーボモータ18を備える。サーボモータ18は、回転軸18aの回転の制御精度が良好なモータである。したがって、本実施の形態によれば、作業装置14の位置制御が良好な精度で実現される。
【0053】
[変形例]
以上、本発明の一例として実施の形態が説明された。上記実施の形態には、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、その様な変更または改良を加えた形態が本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、請求の範囲の記載から明らかである。
【0054】
以下、実施の形態に係る変形例について、具体的にいくつか説明する。ただし、以下では、実施の形態と重複する説明を適宜割愛することがある。
【0055】
(変形例1)
図6は、変形例1の射出成形システム10の構成図である。
【0056】
実施の形態では説明を割愛したが、制御装置22は、作業装置14および射出成形機12をさらに制御してもよい。また、射出成形システム10は、
図6のように、作業装置14を制御する作業制御装置56と、射出成形機12を制御する成形制御装置58とを、制御装置22とは別個の装置として、さらに備えてもよい。
【0057】
(変形例2)
図7は、変形例2の射出成形システム10の構成図である。
【0058】
実施の形態では、サーボモータ18をボールネジ機構20に接続すると共に、制御装置22によってサーボモータ18を制御することで、作業装置14を移動させた。射出成形システム10の構成は、これに限定されない。例えば
図7に示すように、サーボモータ18ではなくハンドル60をボールネジ38に設けてもよい。
【0059】
オペレータは、ハンドル60を操作することにより、作業装置14を移動させることが可能である。すなわち、
図7の構成では、オペレータがハンドル60を回すことによりボールネジ38が回転する。ボールネジ38が回転することでナット40が直動することは実施の形態と同様である。したがって、本変形例では、オペレータがハンドル60を回すことに連動して、作業装置14が移動する。
【0060】
本変形例によれば、サーボモータ18および制御装置22を、射出成形システム10の構成から省略することができる。また、オペレータは、ハンドル60を回すことで、作業装置14を容易に移動させることができる。
【0061】
(変形例3)
実施の形態では、第1の押しボタン44Aと第2の押しボタン44Bとを有する操作部44を説明した。これに限定されず、操作部44が有する押しボタンの数を1つにしてもよい。この場合、移動制御部54は、操作部44の押しボタンが一度押されたときには作業装置14を退避位置P2に移動させる制御指令を生成し、押しボタンがその後再び押されたときには作業位置P1に移動させる制御指令を生成すればよい。
【0062】
(変形例4)
操作部44は、第1の押しボタン44Aおよび第2の押しボタン44Bに代えて、切り替え式のスイッチまたはレバーを有してもよい。この場合、移動制御部54は、スイッチまたはレバーに対する切り替え操作に応じて、作業装置14を退避位置P2に移動させる制御指令と、作業位置P1に移動させる制御指令とをそれぞれ生成すればよい。
【0063】
(変形例5)
制御装置22は、作業装置14が作業を行う場合には作業装置14が作業位置P1に移動するようにサーボモータ18を制御してもよい。また、制御装置22は、作業装置14が作業を行わない場合には、作業装置14が退避位置P2に移動するようにサーボモータ18を制御してもよい。
【0064】
このようなサーボモータ18の制御は、例えば変形例1を参照して、作業装置14の動作を制御装置22に監視させることで実現可能となる。これにより、制御装置22が作業装置14の移動の管理をも行うようになるので、オペレータが操作部44を操作する手間すらも省略することが可能となる。
【0065】
(変形例6)
作業装置14が行う作業は、成形品の取り出し作業に限定されない。作業装置14は、金型24に対してインサート品を挿入する挿入作業を行う装置であってもよいし、取り出し作業と挿入作業との両方を行う装置であってもよい。作業装置14が挿入作業を行うときの金型24の作業位置P1は、取り出し作業を行うときの金型24の作業位置P1と異なる位置であってもよい。
【0066】
(変形例7)
変形例6に関連し、作業装置14が取り出し作業と挿入作業との両方を行う場合、制御装置22は、作業装置14の作業内容に応じて作業位置P1を変更してもよい。作業装置14の作業内容に応じて作業位置P1を変更することにより、作業装置14に効率的に作業させることが可能となる。
【0067】
このようなサーボモータ18の制御は、例えば変形例1を参照して、作業装置14の動作を制御装置22に監視させることで実現可能となる。
【0068】
(変形例8)
図8は、作業装置14が金型24からの成形品の取り出し作業を行う場合の第1の位置(下方位置)P1を説明するための図である。
図9は、作業装置14が金型24から取り出した成形品を所定の位置に置く作業を行う場合の第2の位置P1’を説明するための図である。
【0069】
制御装置22の記憶部42は、作業装置14が金型24からの成形品の取り出し作業を行う場合の第1の位置(下方位置)P1と、作業装置14が取り出した成形品を所定の位置に置く作業を行う場合の第2の位置P1’と、を記憶してもよい。また、制御装置22の移動制御部54は、記憶部42が記憶したこれらの位置に基づくことにより、作業装置14が行う作業に合わせて作業装置14の位置を変更してもよい。なお、第2の位置P1’は、金型24の下方でなくてもよい。成形品を置く所定の位置とは、例えば成形品搬出用のコンベア61の上である。
【0070】
すなわち、成形品を取り出した後には、その成形品を所定の位置に置く作業が必要である。このとき、成形品を取り出し易い作業装置14の位置と、成形品を所定の位置に置きやすい作業装置14の位置とは、互いに異なる場合があり得る。作業装置14が行う作業に合わせて作業装置14の位置を変更することにより、作業装置14に効率的に作業させることが可能となる。
【0071】
このようなサーボモータ18の制御は、例えば、作業制御装置56(変形例1参照)が作業装置14に対してどのような制御を行っているのかを制御装置22に監視させることで実現可能となる。
【0072】
(変形例9)
変形例8は、作業装置14がインサート品の挿入作業を行う場合にも適用可能である。すなわち、インサート品を金型24に挿入するためには、所定の位置に置かれているインサート品を作業装置14が予め把持する必要がある。このとき、所定の位置に置かれたインサート品を把持し易い作業装置14の位置と、把持したインサート品を金型24に挿入し易い作業装置14の位置とでは、互いに異なる場合があり得る。そのような場合には、前述の第1の位置(作業位置P1)を金型24へのインサート品の挿入作業を行う場合の位置とし、第2の位置P1’を所定の位置に置かれたインサート品を把持する作業を行う場合の位置として考えればよい。これにより、作業装置14に効率的に作業させることが可能となる。
【0073】
インサート品が置かれる所定の位置とは、例えば
図8および
図9と同様のコンベア61の上である。本変形例の場合、コンベア61はインサート品搬入用のコンベアである。
【0074】
(変形例10)
図10は、変形例10の射出成形システム10の構成図である。
【0075】
作業装置14を移動させる駆動力を発生するアクチュエータは、サーボモータ18に限定されない。例えば、エアシリンダや油圧シリンダといった動力シリンダであってもよいし、リニアモータであってもよい。この場合、制御装置22は、動力シリンダやリニアモータを制御するものとして構成すればよい。
【0076】
動力シリンダやリニアモータは、サーボモータ18とは異なり、回転力ではなく直動力を生じる直動アクチュエータ18’である。射出成形システム10が直動アクチュエータ18’を構成に備える場合、回転力をガイドレール16に平行な方向の力に変換するボールネジ機構20は特に不要である。
【0077】
(変形例11)
図11は、変形例11の射出成形システム10を説明するための第1の図である。
図12は、変形例11の射出成形システム10を説明するための第2の図である。
【0078】
実施の形態では説明を割愛したが、作業装置14の駆動機構が多関節アーム32である場合、
図11および
図12に示すように、多関節アーム32が有する複数の関節部62には、関節部62を駆動させるための関節駆動モータ64が設けられる。この関節駆動モータ64を、作業装置14を移動させる駆動力を発生するアクチュエータとして利用してもよい。
【0079】
つまり、多関節アーム32が有する複数の関節駆動モータ64を制御することにより、多関節アーム32に機台28または型締装置26を把持させると共に(
図11)、多関節アーム32を屈伸させることが可能である(
図12)。これにより、作業装置14を移動させることが可能である。また、この構成によれば、実施の形態で説明したボールネジ機構20は不要となる。
【0080】
このような作業装置14の移動は、例えば変形例1を参照して、制御装置22が多関節アーム32を制御することで、または作業制御装置56に対して多関節アーム32の制御を要求することで実現可能となる。
【0081】
なお、多関節アーム32に型締装置26の可動部位を把持させることで、その可動部位の移動に伴って作業装置14を移動させることも可能である。型締装置26の可動部位とは、例えば可動プラテン65である。可動プラテン65は、金型24の開閉を実現するために、可動金型24bを伴って開閉方向に移動する部材である。つまり、多関節アーム32に可動プラテン65を下方から把持させることで、可動プラテン65の移動に伴って、作業装置14を開閉方向に移動させることが可能である。
【0082】
(変形例12)
図13は、変形例12の射出成形システム10の構成図である。
図14は、
図13の射出成形システム10を射出成形機12の開方向側から見た第1の図である。
【0083】
実施の形態では、開閉方向に平行に延在するガイドレール16を備えることで、作業装置14の開閉方向に平行な移動を可能にした射出成形システム10を説明した。射出成形システム10の構成はこれに限定されない。例えば
図13および
図14に示すように、射出成形システム10は、開閉方向と上下方向とに直交する機台28の幅方向(
図14の左右方向)に平行に延在するガイドレール16を備えてもよい。これにより、作業装置14は、幅方向に平行に移動可能となる。
【0084】
図14に、作業装置14が金型24の作業位置P1にいる状態を例示する。この状態では、実施の形態と同様に、作業装置14が作業位置P1において射出成形機12の周辺作業を行う。
【0085】
図15は、
図13の射出成形システム10を射出成形機12の開方向側から見た第2の図である。
【0086】
図15に、作業装置14が退避位置P2にいる状態を例示する。退避位置P2と作業位置P1とは、
図15に示すように、本変形例では互いに機台28の幅方向で並ぶ。本変形例においても、作業装置14を退避位置P2に移動させることにより、オペレータの作業スペース34を、作業位置P1を含む金型24の周辺に確保することができる。
【0087】
(変形例13)
図16は、変形例13の射出成形システム10の構成図である。
【0088】
射出成形システム10は、
図16に示すように、
図1に例示した構成を複数備えてもよい。この場合に、射出成形システム10は、複数の制御装置22が接続され、作業位置P1および退避位置P2の少なくとも一方を複数の制御装置22に対して一括で指定する集中管理装置66をさらに備えてもよい。
【0089】
【0090】
集中管理装置66は、ネットワークを介して複数の制御装置22に接続される電子装置(コンピュータ)である。集中管理装置66は、演算部68と、操作部70と、記憶部72と、表示部74と、を備える。
【0091】
演算部68は、制御装置22の演算部46と同様にCPUやGPUにより構成され、集中管理装置66の全体的な制御を担うものである。
【0092】
記憶部72は、制御装置22の記憶部42と同様にROMやRAMにより構成され、演算部68が行う制御に必要なプログラムや、操作部70によってオペレータが入力した情報等を適宜記憶する。
【0093】
表示部74は、情報を表示するものであって、例えば液晶の画面を有する。表示部74には、操作部44によってオペレータが入力した情報等が適宜表示される。
【0094】
操作部70は、作業位置P1および退避位置P2の少なくとも一方をオペレータが指定するために操作するインターフェースである。この操作部70は、例えば、マウス、キーボード、あるいは表示部74の画面に設けられるタッチパネルを有する。
【0095】
演算部68は、指令出力部76を備える。指令出力部76は、オペレータが指定した作業位置P1および退避位置P2の少なくとも一方を、集中管理装置66に接続された複数の制御装置22に向けて出力するものである。複数の制御装置22の各々は、作業装置14を移動させる際には、集中管理装置66から入力された情報に基づいて自身の制御対象であるモータ(18、18’、64)を制御する。なお、ここで言うモータは、制御の精度の観点ではサーボモータであることが好ましい。
【0096】
本変形例によれば、作業位置P1および退避位置P2の少なくとも一方を複数の制御装置22に対して一括で指定することが可能となる。これにより、複数の制御装置22に対して作業位置P1や退避位置P2を指定する作業の手間を緩和することができる。また、複数の制御装置22のうちのいずれかに対する情報の指定漏れといった作業ミスが発生するおそれを低減することができる。
【0097】
(変形例14)
変形例13に関連し、複数の制御装置22のうちの1つを集中管理装置66としてもよい。つまり、複数の制御装置22のうちの1つに対して作業位置P1および退避位置P2の少なくとも一方を指定したときに、その指定が他の制御装置22にも適用されるように、射出成形システム10を構成してもよい。
【0098】
(変形例15)
前述の各変形例は、矛盾の生じない範囲内で適宜組み合わされてもよい。
【0099】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0100】
射出成形システム(10)であって、金型(24)を開閉する型締装置(26)および前記型締装置(26)を下方から支持する機台(28)を有する射出成形機(12)と、前記型締装置(26)の下方に設けられ、前記金型(24)からの成形品の取り出し作業および前記金型(24)へのインサート品の挿入作業の少なくとも一方を行う作業装置(14)と、前記型締装置(26)の下方において、前記作業装置(14)を前記金型(24)の下方から退避させるためのガイドレール(16)と、を備える。
【0101】
これにより、スペースが制限されている場所への設置に有利であり、且つ金型(24)に対するオペレータの作業性を良好にする射出成形システム(10)が提供される。
【0102】
前記ガイドレール(16)は、前記作業装置(14)を前記金型(24)の開閉方向に平行に移動可能に設置されてもよい。これにより、作業装置(14)が退避位置(P2)に移動したとしても、作業装置(14)が機台(28)の幅方向で機台(28)からはみ出るおそれが低減される。
【0103】
前記射出成形システム(10)は、前記ガイドレール(16)と平行に設置されたボールネジ(38)と、前記ボールネジ(38)と螺合し、前記作業装置(14)に設けられたナット(40)と、前記ボールネジ(38)に設けられ、オペレータが操作することにより前記ボールネジ(38)を回転させるハンドル(60)と、をさらに備えてもよい。これにより、オペレータは、ハンドル(60)を操作することにより、作業装置(14)を移動させることが可能となる。
【0104】
前記射出成形システム(10)は、前記作業装置(14)をガイドレール(16)に沿って移動させるための駆動力を発生するアクチュエータ(18、18’、64)と、少なくとも前記アクチュエータ(18、18’、64)を制御する制御装置(22)と、をさらに備えてもよい。これにより、オペレータが手押しせずとも、作業装置(14)を移動させることが可能となる。
【0105】
前記作業装置(14)は、多関節アーム(32)を有し、前記アクチュエータ(64)は、前記多関節アーム(32)を駆動するように設けられ、前記制御装置(22)は、前記アクチュエータ(64)を制御することにより、前記多関節アーム(32)に前記機台(28)または前記型締装置(26)を把持させると共に、前記多関節アーム(32)を屈伸させることで前記作業装置(14)を移動させてもよい。これにより、作業装置(14)を移動させることが可能となる。
【0106】
前記制御装置(22)は、オペレータの操作に応じて前記作業装置(14)が前記金型(24)の下方位置(P1)または前記金型(24)から退避した退避位置(P2)に移動するように、前記アクチュエータ(18、18’、64)を制御してもよい。これにより、オペレータは、制御装置(22)を操作するだけで、作業装置(14)を金型(24)の下方を避けた退避位置(P2)へと容易に移動させることが可能となる。
【0107】
前記制御装置(22)は、前記作業装置(14)が作業を行う場合は、前記金型(24)の下方位置(P1)に移動させ、前記作業装置(14)が作業を行わない場合は、前記金型(24)から退避した退避位置(P2)に移動するように前記アクチュエータ(18、18’、64)を制御してもよい。これにより、オペレータが操作部(44)を操作する手間すらも省略することが可能となる。
【0108】
前記アクチュエータ(18、18’、64)は、モータであり、前記制御装置(22)は、前記作業装置(14)の作業内容に応じて前記下方位置(P1)を変更してもよい。これにより、作業装置(14)に効率的に作業させることが可能となる。
【0109】
前記アクチュエータ(18、18’、64)は、モータであり、前記制御装置(22)は、前記金型(24)によって成形される前記成形品の種類に応じて前記下方位置(P1)および前記退避位置(P2)を記憶した記憶部(42)を備え、前記作業装置(14)が前記射出成形機(12)に取り付けられた金型(24)に応じた前記下方位置(P1)または前記退避位置(P2)に移動するように、前記モータを制御してもよい。これにより、記憶部(42)が記憶した下方位置(P1)および退避位置(P2)に基づいて、作業装置(14)の移動制御を行うことが可能となる。
【0110】
前記記憶部(42)は、前記取り出し作業を行う場合または前記挿入作業を行う場合の第1の前記下方位置(P1)と、前記作業装置(14)が取り出した前記成形品を所定の位置(61)に置く作業を行う場合または所定の位置に置かれた前記インサート品を把持する作業を行う場合の第2の位置(P1’)とをさらに記憶し、前記制御装置(22)は、前記記憶部(42)を用いて前記作業装置(14)の位置を変更してもよい。これにより、作業装置(14)に効率的に作業させることが可能となる。
【0111】
前記射出成形システム(10)は、複数の前記制御装置(22)が接続され、前記下方位置(P1)および前記退避位置(P2)の少なくとも一方を複数の前記制御装置(22)に対して一括で指定する集中管理装置(66)をさらに備えてもよい。これにより、複数の制御装置(22)に対して下方位置(P1)や退避位置(P2)を指定する作業の手間を緩和することができる。また、複数の制御装置(22)のうちのいずれかに対する情報の指定漏れといった作業ミスが発生するおそれを低減することができる。