(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】着色粒子
(51)【国際特許分類】
C08L 3/14 20060101AFI20240116BHJP
A23C 9/152 20060101ALI20240116BHJP
A23F 3/30 20060101ALI20240116BHJP
A23G 3/36 20060101ALI20240116BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20240116BHJP
A23L 2/58 20060101ALI20240116BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20240116BHJP
A23L 5/41 20160101ALI20240116BHJP
A23L 23/10 20160101ALI20240116BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20240116BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240116BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20240116BHJP
C08K 5/053 20060101ALI20240116BHJP
C08K 5/151 20060101ALI20240116BHJP
C08L 5/02 20060101ALI20240116BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C08L3/14
A23C9/152
A23F3/30
A23G3/36
A23G4/06
A23L2/58
A23L5/00 A
A23L5/41
A23L23/10
A23L29/00
A61K8/73
A61Q11/00
C08K5/053
C08K5/151
C08L5/02
C11B9/00 Z
(21)【出願番号】P 2022526196
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 EP2019080448
(87)【国際公開番号】W WO2021089143
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマー,イェンス‐ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エレンシュレーガー,セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】ラーゲス,リタ
(72)【発明者】
【氏名】ライス,インゴ
【審査官】櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】特表昭61-501253(JP,A)
【文献】特開昭63-010644(JP,A)
【文献】特開平06-234882(JP,A)
【文献】特開平07-070205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L,C08K,C11B,A23C,A23F
A23G,A23L,A61K,A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出プロセスからの押出物を含む、またはそれから成る着色粒子であって、
前記押出物が
少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含むまたはそれから成る炭水化物マトリクス及び少なくとも1つの粘度改質成分と;
少なくとも1つの乳化剤と;
水と;
任意で少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤を含む、またはそれらから成
り、
前記デンプンがジャガイモデンプンまたはコメデンプンまたはそれらの組み合わせから選択される;及び/または前記デンプンが粘度計を使用して90℃にて10%水溶液として測定される10mPa・s~50000mPa・sの粘度を有し、
前記少なくとも1つの粘度改質成分が単糖類、二糖類及び三糖類、糖アルコール、デキストリンまたはマルトデキストリン、及び前述の化合物の混合物から成る群から選択される水溶性化合物である、前記着色粒子。
【請求項2】
前記デンプンが少なくとも
90%のアミロペクチン含量を有する、請求項1に記載の着色粒子。
【請求項3】
前記糖アルコールがソルビトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、キシリトール、スレイトール、エリスリトール、アラビノール、アラビトール、アドントール、アルジトール、ダクチトール、イジトール、及び前述の糖アルコールの混合
物から成る群から選択される請求項1
または2に記載の着色粒子。
【請求項4】
少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンの前記粘度改質成分に対する比が99:1~50:50の範囲である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項5】
前記少なくとも1つの乳化剤がモノグリセリド、ジグリセリド、デカグリセロール、ジパルミチン酸塩、ヘキサグリセロール、ジステアリン酸塩、ポリグリセロールエステル、スルホ酢酸塩、レシチン、ポリソルビン酸塩、及び前記乳化剤の混合物から成る群から選択される、請求項1~
4のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項6】
前記少なくとも1つの着色剤が油溶性着色剤及び顔料着色剤:E141、E153、E160、E160a、E160b、E160c、E171、E172、CI11680、CI12085、CI12490、CI13015、CI15850、CI16185、CI18965、CI19140、CI42045、CI42051、CI42090、CI45350、CI45410、CI47005、CI59040、CI60725、CI61565、CI61570、CI74160、CI74260、CI77007、CI77019、CI77266、CI73360、CI77492、CI77499、CI77891及び前述の着色剤及び顔料着色剤の混合物から成る群から選択される、請求項1~
5のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項7】
前記着色粒子の総重量を基にして
50~98重量%の少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンの炭水化物マトリクス及び少なくとも1つの粘度改質成分と;
0.1~5重量%の少なくとも1つの乳化剤と;
1~30重量%の水と;
任意で0.001~10重量%の少なくとも1つの着色剤と;
任意で0.01~25重量%の少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤とを含む、またはそれらから成る、請求項1~
6のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項8】
前記水含量が前記着色粒子の総重量を基にして1~20重量%、多くても30重量%である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項9】
前記粒子が
0.2~5mmの範囲の粒径、及び/または0.1~10mmの範囲の長さを有する、請求項1~
8のいずれか1項に記載の着色粒子。
【請求項10】
着色粒子を製造する方法であって、
(i)少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含む、またはそれから成る炭水化物マトリクスと少なくとも1つの粘度改質成分との組み合わせを提供する工程と、
ここで前記少なくとも1つの粘度改質成分が単糖類、二糖類及び三糖類、糖アルコール、デキストリンまたはマルトデキストリン、及び前述の化合物の混合物から成る群から選択される水溶性化合物であり;
(ii)工程(i)から得られた前記組み合わせの、少なくとも1つの乳化剤、水、及び任意で少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質及び/または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤との混合物を調製して懸濁液またはゲルを得る工程と;
(iii)前記懸濁液またはゲルを押し出して押出物を得る工程と;
(iv)前記押出物を粉砕して着色粒子を得る工程と;
(v)前記着色粒子を任意で乾燥させる工程とを含む、前記方法。
【請求項11】
前記エマルションの前記押出が70~150℃の範囲での温度及び/または1~60バールの圧力にて実施され、及び/または押出の間に押出機で発生するトルクが押出機の最大トルクを基にして30~60%の範囲である、請求項
10に記載の着色粒子を製造するプロセス。
【請求項12】
食材、飲料、
化粧品、医薬品、民生品、ペットフードまたはペットケア製品の製造のための請求項1~
9のいずれか1項に記載の着色粒子の使用。
【請求項13】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の着色粒子を含む食材、飲料、
化粧品、医薬品、民生品、ペットフードまたはペットケア製品。
【請求項14】
前記食品がインスタント飲料粉末、茶、スープまたはソースの粉末、焼いた食品、かみごたえのあるキャンディ、菓子、乳製品から成る群から選択され;前記
化粧品が、チューインガム、練り歯磨き、経口ジェル、チュアブル錠及びかみごたえがあるキャンディ
からなる群から選択される経口ケア製品、シャンプー、シャワージェル、角質除去製品、クリーム及びローションから成る群から選択され;前記清浄製品が皿洗い洗剤、液状石鹸、液状洗浄エマルション及び石鹸から成る群から選択される、請求項
13に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出物由来の着色粒子、その製造、プロセスにより製造される着色粒子、ならびに食材、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル様、または粉末状形態での洗浄剤及び清浄剤、動物フードまたは動物ケア製品の製造のための着色粒子の使用、ならびに着色粒子を含む食材、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル様、または粉末状形態での洗浄剤及び清浄剤、動物フードまたは動物ケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品業界では、合成プラスチックの膨潤性または部分可溶性の微粒子が、視覚的目的(外見または見せかけ)でまたは一貫性を与えるために化粧品に広く添加されている。
【0003】
審美的効果はこれらの組成物の消費者受容に特に重要な役割を担っている。概して、装飾効果は市場で特定の製品を区別するのに使用され、または異なる特性を持つ製品を特定するのに使用される。
【0004】
治療目的及び化粧目的の双方で使用することができる歯磨剤の分野では、例えば、対照的な着色粒子または着色薄片が組み込まれた練り歯磨き及びジェルのような透明な歯磨き製品が知られている。これらの粒子は子供を含む消費者によって心地よいとして認知され、歯磨剤の使用を奨励する審美的効果を提供する。
【0005】
マイクロビーズとしても知られる上述の微粒子に起因する健康への悪影響及び環境被害のせいで、化粧品及び民生品の製造業者はそのようなプラスチック系微粒子の使用をますます断念している。
【0006】
上記のマイクロビーズの代替品として、天然系粒子が上記目的のために食品、飲料、及び民生品の製造で使用されている。例えば、天然の炭水化物マトリクスに基づく粒子は従来技術で知られている。
【0007】
US4663152Aは、水不溶性の粉末状機能材料と水不溶性エタノール可溶性のエチルセルロースとの凝集体を含む歯磨剤に組み込むための凝集したスペックルを開示している。そのようなスプリンクルは歯磨剤の加工の間、その完全性及び独自性を満足の行くように保持するが、歯磨剤の包装の後、保存の間に軟化し、ユーザーが感受性なく実質的に歯を磨くのを可能にする。この軟化にもかかわらず、スペックルは歯磨剤にてスペックルとしての独自性を保持する。スペックルは半透明のまたは透明のジェル状歯磨剤にて特に有用である。
【0008】
EP1030734A1は、アルギン酸塩のマトリクスに封入された活性物質、例えば、芳香剤のエマルションまたは分散液、及び練り歯磨きでのその使用を記載している。
【0009】
US6235274Aは、(a)嗅覚的な有効成分(例えば、芳香成分または香料成分)と;(b)シリカと;(c)マンニトールとマルトースの混合物である糖類組成物とから成る微粒子を開示している。微粒子は香料組成物、香りを付けた物品、食品、チューインガム、飲料等について芳香及び/または風味を経時的に増強する、改善する及び/または付与するのに有用である。特に、制汗/脱臭組成物での使用が強調される。製品における粒子の可視性に関する参照はない。
【0010】
EP1361803A1は、1~7%の予め水和した寒天を伴う少なくとも1つの炭水化物材料を含むマトリクスに基づく風味組成物用または香料組成物用の顆粒状送達システムに関する。開示されているシステムは水性環境で特に安定であり、システムに封入された風味物質または臭気物質の制御放出が可能である。
【0011】
EP1753307A1は、制御放出粒子を含む粒子状組成物を開示しており、その際、少なくとも35℃の融点を有する風味含有脂肪はゼラチンマトリクスにて分散される。風味含有脂肪は特有の条件下、例えば、剪断力、熱及び/または湿気の影響下で放出される。放出速度はゼラチンと脂肪の相対量及びゼラチンのゲル化強度を変えることによって影響を受け得る。記載されている組成物は長持ちする風味の印象を付与するのに好適である。
【0012】
EP2154985A1は、融解エマルションの押出物を含む油性活性剤の送達システムを記載しており、その際、エマルションの連続相はマトリクス材を含み、分散相は油性活性剤と有効量の粘度改質成分、例えば、エチルセルロースとを含む。
【0013】
WO2010/019587A2は風味剤及び/または1以上の有効成分を含有するカプセルを含む経口ケア組成物に関する。これらカプセルのマトリクスはキトサン、アルギン、寒天またはそれらの混合物から成る。
【0014】
WO2010/115037A2は、口当たり、泡立ち及び製品の安定性が改善された非水性の歯磨剤組成物をその目的として有する。非水性組成物はカラーギーナン及び/またはカルボキシメチルセルロースガム、グリセリン、酸化エチレン/酸化プロピレンコポリマー、及びリンケイ酸カルシウムナトリウムのような生物活性があるガラスの組み合わせを含む。
【0015】
WO2010/114549A1は、複数の顆粒と経口で許容される担体とを含む歯磨剤組成物を開示している。顆粒は少なくとも1つの研磨剤と少なくとも1つの高分子結合剤とを含む。
【0016】
WO2010/131207A1は、以下の工程:(i)連続相がトレハロースと炭水化物とを含む連続相と分散された有効成分とから成る融解エマルションを生成する工程と、(ii)融解エマルションを強制的にノズルまたは開口部に通し、押出物を形成する工程と、(iii)押出物を冷却し、造粒する工程と、(iv)任意で顆粒を乾燥させる工程とを含む、顆粒放出システムを調製するプロセスを記載している。
【0017】
WO2013/178638A1は、植物性原料、例えば、コメ、タピオカ、コムギ、トウモロコシ、ソルガム、サゴ粒またはサヤエンドウの粒子状成分と、風味剤と熱可逆性ジャガイモデンプンの噴霧エマルションを含む風味コーティングとを含む封入された風味粒子に関するものであり、その際、熱可逆性ジャガイモデンプンはアミロマルターゼ酵素で修飾された少なくとも80重量%のアミロペクチンを含む。コーティングされた粒子は、例えば、チューインガム、飲料、食品、練り歯磨き、洗口剤、等のような民生品にて良好な風味放出特性を提供する一方で、ゼラチンの使用を回避する。
【0018】
WO2017/112763は不溶性繊維を伴う完全性が高いカプセル化製品を開示しており、その際、カプセル化される薬剤はガラス状マトリクスにてカプセル化される。ガラス状マトリクスは少なくとも1つの修飾デンプンと、少なくとも1つの低分子量炭水化物と、少なくとも1つの不溶性繊維(0.5~10%)とを含有する。
【0019】
例えば、風味物質または臭気物質のような他の有効成分または機能成分も含有してもよいそのような粒子は、例えば、ジェル系の練り歯磨きまたはスキンクリームに添加されて視覚的外見を改善し、質感を付与し、または芳香を提供する。
【0020】
しかしながら、従来技術の粒子は、長期間保存する場合、例えば、ジェル状練り歯磨き、ヨーグルト製品のような食品または清浄製品のような水性マトリクスにて不安定であり、にじみ出るまたはさらに分解する傾向があるという短所を有する。従来技術の着色粒子のもう1つの短所はそれらが使用の際、消費者によって異物として認知されてもよいということである。
【0021】
さらに、炭水化物マトリクスの加工は、特に溶融押出の間での溶融物の粘度に起因して制限される。溶融物の粘度が高いマトリクスの場合、押出機における小さな開口部を通る流れはもはや可能ではない一方で、粘度が低いマトリクスの場合、溶融物が軟らかすぎ、形成された粒子は一緒に接着する傾向がある。一部の炭水化物マトリクスはそれらの天然の着色のために着色粒子としての使用からすでに除外されている:例えば、トウモロコシデンプンは天然ではベージュの色彩を呈し、それは純粋な白色の色彩と比べて視覚的目的にあまり好適ではない。
【0022】
したがって、例えば、食品、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、ペットフードまたはペットケア製品のような多種多様の応用にて粒子に対するその外見または一貫性を改善する要求が高まっている。一般に、これらの粒子は、一方で最大の安定性または保存可能期間及び他方で高い生産性が求められる。
【0023】
本発明の課題は、特に水性マトリクスにて長期の保存期間にわたって安定であり、すなわち、にじみ出ずまたは分解せず、使用中不快に認知されない、且つ白色を含めて明瞭な着色マトリクスを有する着色粒子を提供することだった。
【0024】
さらに、押出によって高い生産性で製造することができる着色粒子を提供することは本発明の目的であった。特に、練り歯磨き、乳製品、好ましくはヨーグルト製品、または清浄製品、好ましくは液状石鹸またはトイレ清浄剤における使用については、着色粒子マトリクスは製造過程について十分な強度を有する必要があるが、同時に使用される際、例えば、消費される際、邪魔として認知されないように十分に軟らかい必要がある。
【0025】
加えて、着色粒子は生物系の原料または持続的に生産される原料から利用可能であるべきである。
【発明の概要】
【0026】
本課題は特許の独立クレームの目的によって解決される。好ましい実施形態は特許の従属クレーム、以下の説明及び実施例の表現に由来する。
【0027】
第1の態様では、本発明は押出プロセス由来の押出物を含むまたはそれから成る着色粒子に関するものであり、その際、押出物は、
少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含むまたはそれらから成る炭水化物マトリクス及び少なくとも1つの粘度改質成分と;
少なくとも1つの/1つの乳化剤と;
水と;
任意で、少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの風味物質もしくは臭気物質、または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤を含む、またはそれらから成る。
【0028】
本発明の第2の態様は、
以下の工程:
(i)少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含むまたはそれらから成る炭水化物マトリクスと少なくとも1つの粘度改質成分との組み合わせを提供する工程と;
(ii)工程(i)から得られた組み合わせと、少なくとも1つの乳化剤、水及び任意で少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの風味物質もしくは臭気物質及び/または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤との混合物を調製し、懸濁液またはゲルを得る工程と;
(iii)懸濁液またはゲルを押し出して押出物を得る工程と;
(iv)押出物を粉砕して着色粒子を得る工程と;
(v)任意で着色粒子を乾燥させる工程とを含む着色粒子を製造する方法である。
【0029】
第3の態様では、本発明は本発明のプロセスに従って入手できる着色粒子に関する。
【0030】
本発明のさらなる目的は、食材、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、ペットフードまたはペットケア製品の製造のための本発明に係る着色粒子の使用である。
【0031】
最終的には、本発明は、本発明に係る着色粒子を含む食材、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、ペットフードまたはペットケア製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】さまざまな練り歯磨き基剤(シリカ基剤(実施例2に従って調製した);カーボネート基剤(実施例3に従って調製した)及びゲル基剤(実施例3に従って調製した)における実施例5及び8で調製した着色粒子の45℃にて3週間保存した後の安定性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
第1の態様では、本発明は押出プロセスに由来する押出物を含むまたはそれから成る着色粒子に関するものであり、その際、押出物は
少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含むまたはそれらから成る炭水化物マトリクス及び少なくとも1つの粘度改質成分と;
少なくとも1つの/1つの乳化剤と;
水と;
任意で、少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの風味物質もしくは臭気物質、または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤を含む、またはそれらから成る。
【0034】
本発明に係る着色粒子は押出物を含む、またはそれから成る。この押出物は少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含むまたはそれらから成る炭水化物マトリクスと少なくとも1つの粘度改質成分との混合物または組み合わせから調製される。炭水化物マトリクスの2つの前述の成分は着色粒子の本体を形成し、着色粒子に添加することができる他の任意成分の担体でもある。
【0035】
デンプンはグリコシド結合によって連結されるα-D-グルコース単位から成る式(C6H10O5)の多糖類である。したがって、高分子は炭水化物として分類される。デンプンは植物細胞における最も重要な貯蔵物質の1つである。
【0036】
デンプンが特に豊富であるので単離されるデンプンの抽出に使用されるのは
トウモロコシ
コムギ
コメ
ジャガイモ
キャッサバ(タピオカ)である。
【0037】
デンプンはほとんど
α-1,4グリコシドのみで連結されるらせん(スクリュー)構造を持つ直鎖である1~30%のアミロースと
α-1,6-グリコシド結合及びα-1,4-グリコシド結合を持つ高度に分岐した構造の70~99%のアミロペクチンとから成る。デンプンのアミロペクチンは約30のα-1,4-グリコシド結合あたりほぼ1つのα-1,6-グリコシド結合によって分岐する。
【0038】
アミロースとアミロペクチンの比率はデンプン源に応じて異なる。
【0039】
以下の表1はデンプン(アミロース含量)の組成及びそれらの溶解度を示す(“Lehrbuch der Lebensmittelchemie”,ed.:Belitz,Grosch,Schieberle,5th completely revised edition,2001,Springer Publisher)。
【表1】
【0040】
異なる組成に起因して上記で言及されているデンプンはさまざまな物性及び化学的特性を有する。
【0041】
デンプンは天然のデンプンまたは修飾デンプンのいずれかとして種々の方法で使用される。修飾デンプンは高まる技術的要件を満たす物理的、化学的または酵素的なプロセスによって得られるデンプン生成物である。粒子構造及び他の必須の特性は修飾の後、保持される。
【0042】
修飾デンプンは天然のデンプンと比べて良好な
・熱安定性
・酸安定性
・剪断安定性、と同様に
・凍結融解挙動
を有するので食品業界で使用される。
【0043】
しかしながら、そのようなデンプンは手順上前処理を必要とする。
【0044】
本発明及び以下の説明の文脈では、「デンプン」という用語は天然のデンプン(複数可)及び修飾デンプン(複数可)、すなわち、さまざまなデンプン源から物理的、化学的または酵素的なプロセスによって得られるデンプン生成物の双方を含むと理解される。
【0045】
驚くべきことに、少なくとも80%のアミロペクチン含量のデンプンは、特に水性マトリクスにて長期の保存期間にわたって安定であり、すなわち、しみ出ずまたは分解せず、使用の際、邪魔な異物として認知されず、加えて白色を含めて明瞭な着色マトリクスを有する着色粒子を押出プロセスによって高い生産性で製造するのに特に十分に適することが今や見いだされている。
【0046】
本発明によれば、少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンは好ましくは本発明に係る着色粒子の製造に使用される。
【0047】
本発明に係る着色粒子の好ましい実施形態では、少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンはコメデンプン、ジャガイモデンプン、及び2つの言及されたデンプンの組み合わせから成る群から選択される。
【0048】
最も好ましいのは少なくとも90%のアミロペクチン含量のデンプンである。
【0049】
最も好適なのは炭水化物マトリクスの形成用のアミロペクチンジャガイモデンプンである。アミロペクチンジャガイモデンプンは自然交配に基づき、少なくとも95%のアミロペクチン含量を有し、事実上アミロースを含有しない。そのようなアミロペクチンジャガイモデンプンは、例えば、「Eliane(商標)ゲル100」の名称のもとで市販されている。アミロペクチンジャガイモデンプンは高い純度、特定のプロセス安定性及び非常に高い粘度を特徴とする。
【0050】
好ましい実施形態では、デンプンはレオメーター(Anton Paar Rheometer MCR302、5秒-1の一定の剪断速度にてコーンプレートシステム、コーン型CP-50-1)を使用して90℃にて10%の水溶液として測定される10mPa・s~50000mPa・s、好ましくは20mPa・s~30000mPa・sの粘度を有する。
【0051】
本発明に係る着色粒子の調製に最も好ましいのは、レオメーター(Anton Paar Rheometer MCR302、5秒-1の一定の剪断速度にてコーンプレートシステム、コーン型CP-50-1)を使用して90℃にて10%の水溶液として測定される10mPa・s~50000mPa・s、好ましくは20mPa・s~30000mPa・sの粘度を有するジャガイモ及びコメに由来するデンプンである。
【0052】
加えて、アミロペクチンジャガイモデンプンは以下の特性を有する
・滑らかで光沢のある外見、高い鮮明さ及びクリーミィな質感;
・高い粘度、高い弾力性、及び高い水結合能;
・低温にて加工可能;
・味覚と匂いで偏りがない、及び良好な風味受容;
・高温安定性及び剪断力に対する耐性。
【0053】
アミロペクチンジャガイモデンプンは主として増粘剤として、または乾燥応用にて、例えば、スープ及びソースのようなインスタント製品にて使用されてきたが、水性マトリクス、例えば、練り歯磨き、乳製品、特にヨーグルト、または清浄剤では使用されてこなかった。
【0054】
本発明に従って使用されるデンプンは170℃を上回る、好ましくは180℃を上回る融点を有する。使用される炭水化物ポリマーは70℃を上回る、好ましくは80℃を上回る、特に好ましくは90℃を上回るガラス転移温度を有する(示差走査熱量測定(DSC 200 F3 Netzsch)によって測定されるガラス転移温度)。
【0055】
本発明に係る着色粒子の炭化水素マトリクスのさらなる少なくとも1つの粘度改質構成要素は糖、糖アルコール、デキストリンまたはマルトデキストリン及び前述の化合物の混合物から成る群から選択される水溶性化合物である。
【0056】
特に好適で且つ好ましい糖は、同様にして例えば、アラビノース、キシロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、ラクトース、マルトース、スクロース、またはマルトトリオースから成る群から選択される単糖類、二糖類及び三糖類である。
【0057】
水溶性化合物としての糖アルコールは本発明に係る着色粒子の製造で特に好ましい。
【0058】
本発明に従って使用される糖アルコールは好ましくは、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、キシリトール、スレイトール、エリスリトール、アラビノール、アラビトール、アドントール、アルジトール、ダクチトール、イジトール、及び前述の糖アルコールの混合物から成る群から選択される。
【0059】
特に好ましくは、ソルビトールを使用して炭水化物マトリクスを調製する。
【0060】
前に言及した化合物の異性体が存在するならば、純粋な異性体またはそれらの任意の混合物のいずれかを使用することができる。
【0061】
水溶性化合物は穴あきノズルでの造粒を促進する。他方、水溶性化合物は保湿剤として有利に作用して本発明の着色粒子が乾ききってしまうのを防ぐ。化合物は含有されるデンプンと相互作用するが、それはデンプンがその水結合能をさらに長く保持するので、着色粒子がさほど急速に乾ききってしまわないことを意味する。
【0062】
少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンと少なくとも1つの粘度改質成分とを含むまたはそれらから成る炭水化物マトリクスの量は着色粒子の総重量を基にして50~98重量%である。好ましくは、炭水化物マトリクスは着色粒子の総重量を基にして60~98重量%の量で、最も好ましくは80~98重量%の量で着色粒子に存在する。
【0063】
本発明の第1の態様に係る別の好ましい実施形態では、少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンの粘度改質成分に対する比は99:1~50:50の範囲である。
【0064】
本発明に係る着色粒子はさらに、さらなる構成成分として乳化剤を含む。有利なことに、本発明に係る着色粒子を調製する際、構成要素の溶解性または乳化性または懸濁性を高めるために少量の少なくとも1つの乳化剤が組み込まれる。少なくとも1つの乳化剤の添加はまた得られる懸濁液またはゲルの安定性も同時に高める。加えて、炭水化物マトリクスにおける少なくとも1つの乳化剤は押出の間での材料溶融物の輸送を改善し、押出機の壁への材料溶融物の接着を減らし、押出機の押型を通る材料の流れを改善する。
【0065】
好適な且つ好ましい乳化剤はモノグリセリド、ジグリセリド、デカグリセロールジパルミテート、ヘキサグリセロールジステアレート、ポリグリセロールエステル、スルホアセテート、レシチン、ポリソルベート、及び前記乳化剤の混合物から成る群から選択される乳化剤である。
【0066】
モノグリセリド、ジグリセリド、またはレシチンが特に好ましい乳化剤である。
【0067】
少なくとも1つの乳化剤は着色粒子の総重量に基づいて0.1~5重量%の量で本発明に係る着色粒子に添加される。好ましくは、乳化剤は着色粒子の総重量に基づいて0.2~4重量%の量で、最も好ましくは0.5~3重量%の量で着色粒子に存在する。
【0068】
さらなる構成成分として、本発明に係る着色粒子は、上記で言及された構成成分から懸濁液またはゲルの形態の形態で粘性混合物を製造することができるのに必要である水を含む。出発成分、特に使用されるデンプンに応じて、本発明に係る着色粒子の成分を一緒に混合した後、且つ乳化剤を添加した後、懸濁液またはゲルが形成される。デンプンのスラリーを加熱すると、または温めると、好ましくはゲルが形成される。
【0069】
加えて、水含量は、130℃未満の許容される温度及び60バール未満の高すぎない押出圧にてこの混合物が未だに小さな開口部を通って分散されるのに十分に流動性であることを保証する。
【0070】
通常、本発明に係る着色粒子の水含量は着色粒子の総重量を基にして1~30重量%である。
【0071】
少なすぎる水含量は化合物の高い粘度に起因して加工を難しくするので、小さな開口部を通る流れはもはや可能ではない。他方で多すぎる水含量は軟らかすぎて押出を介して加工できないまたは非常に不十分にしか加工することができない化合物をもたらす。
【0072】
好ましくは、本発明に係る着色粒子の水含量は着色粒子の総重量を基にして1~20重量%、一層さらに好ましくは5~15重量%、しかし、最も好ましくは30重量%である。
【0073】
本発明に係る着色粒子は、上記で言及した成分に加えて、任意で1以上のさらなる(普通の)有効成分または機能成分を含有してもよく、それは本発明に係る着色粒子にて合計を100重量%にする。
【0074】
他のデンプン、例えば、トウモロコシデンプンと比べて、炭水化物マトリクスは有利に純粋な白色を有し、それによって着色粒子として、例えば、練り歯磨き、ジェル、乳製品、例えば、ヨーグルト、または清浄剤における着色粒子としてすでに好適になっている。
【0075】
視覚的目的では、少なくとも1つのさらなる着色剤が本発明に係る着色粒子に任意で添加されてもよい。少なくとも1つの着色剤はE100、E101、E102、E104、E110、E120、E122、E123、E124、E127、E128、E129、E131、E132、E133、E141、E141(i)、E141(ii)、E142、E150a、E150b、E150c、E150d、E151、E153、E155、E160、E160a、E160b、E160c、E161b、E163、E171、E172、E174、E175及び上記着色剤または顔料着色剤の混合物から成る群から選択される着色剤または顔料着色剤である。
【0076】
本発明に係る着色粒子で使用され、それに添加される他の着色剤または顔料着色剤は、二酸化チタンE171 C.I.77891、真珠光沢顔料シルバーAA、ゴールドE175、ブルーC.I.74160、酸化鉄レッドE172 C.I.77491、真珠光沢顔料ゴールドBB、植物性炭素E153 C.I.77268:1、レッドC.I.73360、グリーンC.I.74260、酸化鉄ブラックE172 C.I.77499または上記着色剤または顔料着色剤の混合物である。
【0077】
特に好ましいのは、E141、E153、E160、E160a、E160b、E160c、E171、E172、CI11680、CI12085、CI12490、CI13015、CI15850、CI16185、CI18965、CI19140、CI42045、CI42051、CI42090、CI45350、CI45410、CI47005、CI59040、CI60725、CI61565、CI61570、CI74160、CI74260、CI77007、CI77019、CI77266、CI73360、CI77492、CI77499、CI77891及び上記着色剤または顔料着色剤の混合物から成る群から選択される油溶性の着色剤または顔料着色剤である。
【0078】
前述のリストは理解を助ける事例であって、徹底的なものを意図していない。
【0079】
前に言及された着色剤は特に食品、飲料、経口ケア製品及び化粧品について承認された油溶性の着色剤及び顔料着色剤である。水溶性着色剤は、水性マトリクス、例えば、練り歯磨き、ジェル、乳製品、好ましくはヨーグルト、または清浄製品にてにじみ出る傾向があるのであまり好適ではない。
【0080】
少なくとも1つの着色剤は着色粒子の総重量を基にして0.001~10重量%の量で本発明の着色粒子に添加される。好ましくは、少なくとも1つの着色剤は着色粒子の総重量を基にして0.01~2重量%の量で、最も好ましくは0.1~1重量%の量で着色粒子に含まれる。
【0081】
本発明に係る着色粒子は任意でさらなる構成成分として、感覚有効量での少なくとも1つの風味剤または少なくとも1つの芳香剤、すなわち、2、3、4、5またははるかに多くの芳香成分、または感覚有効量での少なくとも1つのさらなる臭気物質または少なくとも1つの香り剤または2、3、4、5またははるかに多くの臭気物質成分を含有する。「香味剤」及び「芳香剤」または「臭気物質」及び「香り剤」という用語は隣同士に等しく本出願の文脈で使用されるので、目的の用途、すなわち、一方では香味付けの用途または他方では芳香付けまたは香り付けの用途に左右される。
【0082】
本出願の文脈における「感覚有効量」という用語は、香味剤または芳香剤または臭気物質または香り剤が、得られる製品が操作中または使用中に香味剤または芳香剤または臭気物質または香り剤の感覚特性を明らかにするのに十分な量で使用されることを意味する。
【0083】
通常、香味化合物または臭気化合物は二元または三元のブレンドでは使用されないが、2、3、4、5、10または好ましくはそれ以上の数の香味化合物または臭気化合物を含有してもよい洗練された複雑なブレンドの成分として、場合によっては非常に少ない量で使用されて、特に円熟した風味特性を与える。
【0084】
本発明の好ましいさらなる展開においては、したがって、着色粒子は任意で、(1)炭化水素;(2)脂肪族アルコール;(3)脂肪族アルデヒド及びそれらのアセタール;(4)脂肪族ケトン及びそれらのオキシム;(5)脂肪族イオウ含有化合物;(6)脂肪族ニトリル;(7)脂肪族カルボン酸のエステル;(8)非環式テルペンアルコール;(9)非環式テルペンアルデヒド及びケトン;(10)環状テルペンアルコール;(11)環状テルペンアルデヒド及びケトン;(12)環状アルコール;(13)脂環式アルコール;(14)環状及び脂環式エーテル;(15)環状及び大環状ケトン;(16)脂環式アルデヒド;(17)脂環式ケトン;(18)環状アルコールのエステル;(19)脂環式アルコールのエステル;(20)脂環式カルボン酸のエステル;(21)芳香脂肪族アルコール;(22)芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル;(23)芳香脂肪族エーテル;(24)芳香族及び芳香脂肪族のアルデヒド;(25)芳香族及び芳香脂肪族のケトン;(26)芳香族及び芳香脂肪族のカルボン酸及びそれらのエステル;(27)窒素含有芳香族化合物;(28)フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル;(29)複素環化合物;(30)ラクトン及びそれらの混合物によって形成される群から選択される任意の所望の数のさらなる香味化合物または臭気化合物を含有する。
【0085】
香味化合物または臭気化合物の選択はこの点で非常に包括的であり;本発明に係る着色粒子と有利に組み合わせることができる対応する物質は、例えば、“S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Volumes I and II,Montclair,N.J.,1969,self-published”または“H.Surburg and J.Panten,Common Fragrance and Flavor Materials,6th edition,Wiley-VCH,Weinheim,2016”に見いだすことができる。
【0086】
詳細には、以下が言及されてもよい:
【0087】
天然の原料からの抽出物:この群は精油、コンクリート、アブソリュート、樹脂、樹脂状物質、バルサム、アンバーグリスチンキのようなチンキ剤;アミリス油;アンゼリカ種子油;アンゼリカ根油;アニス油;バレリアン油;バジル油;フロウソウアブソリュート;ベイ油;オウシュウヨモギ油;ベンゾイン樹脂(benzoeresin);ベルガモット油;蜜蝋アブソリュート;バーチタール油;ビターアーモンド油;セイボリー油;ブッコリーフ(bucco leaf)油;カブレウバ油;カデ油;ショイウブ油;ショウノウ油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カッシア油;カッシーアブソリュート;カストリウムアブソリュート;ニオイヒバ油;セダーウッド油;シスタス油;シトロネラ油;シトロン油;コパイババルム;コパイババルム油;コリアンダー油;コスタス根油;クミン油;イトスギ油;ダバナ油;ディルハーブ油;ディル種子油;オーデブルーツ(Eau de brouts)アブソリュート;オークモスアブソリュート;エレミ油;タラゴン油;ユーカリレモン油;ユーカリ油;フェンネル油;スプルースニードル(Spruce needle)油;ガルバナム油;ガルバナム樹脂;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;グアイアクウッド油;グルユンバルサム;グルユンバルサム油;ヘリクリサムアブソリュート;ヘリクリサム油;ショウガ油;アヤメ根アブソリュート;アヤメ根油;ジャスミンアブソリュート;カラマス油;カモミール油ブルー;ローマンカモミール油;ニンジン種子油;カスカリラ油;松葉油;スペアミント油;キャラウエイ種子油;ラブダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナム樹脂;ラバンジンアブソリュート;ラバンジン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ロベージ油;蒸留ライム油;圧搾ライム油;リナロエ油;アオモジ果実油;メース油;マジョラム油;マンダリン油;マッソ樹皮油;ミモザアブソリュート;ムスク種子油;ムスクチンキ;マスカット油;ミルラアブソリュート、ミルラ油;マートル油;クローブリーフ油;クローブフラワー油;ネロリ油;オリバナムアブソリュート;オリバナム油;オポパナクス油;オレンジフラワーアブソリュート;オレンジ油;オレガノ油;パルマローザ油;パチュリ油;エゴマ油;ペルーバルサム油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレイン油;ペパーミント油;コショウ油;オールスパイス油;パイン油;ポレイ油;ローズアブソリュート;ローズウッド油;ローズ油;ローズマリー油;セージ油ダルマチアン;セージ油スパニッシュ;ビャクダン油;セロリ種子油;スパイクラベンダー油;スターアニス油;エゴノキ油;マリーゴールド油;ファーニードル油;ティーツリー油;テレビン油;タイム油;トルーバルサム;トンカアブソリュート;チュベローズアブソリュート;バニラ抽出物;バイオレットリーフアブソリュート;バーベナ油;ベチベル油;ジュニパーベリー油;ワイン酵母油;ニガヨモギ油;ウインターグリーン油;イーラン油;ヒソップ油;シベットアブソリュート;シナモン葉油;シナモン樹皮油;及びそれらの画分またはそれらから単離された成分を表す。
【0088】
個々の臭気物質及び香味剤:個々の臭気物質及び香味剤は種々のクラス、すなわち:
【0089】
例えば、3-カレン;α-ピネン;β-ピネン;α-テルピネン;γ-テルピネン;p-シメン;ビサボレン;カムフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギフォレン;ミルセン;オシメン;バレンス;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン;スチレン;ジフェニルメタンのような炭化水素;
【0090】
例えば、ヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチル-2-ヘプタノール;2-メチル-2-オクタノール;(E)-2-ヘキセノール;(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール;1-オクテン-3-オール;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オールのような脂肪族アルコール;
【0091】
例えば、ヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒド;1-(1-メトキシ-プロポキシ)-(E/Z)-3-ヘキセンのような脂肪族アルデヒド及びそのアセタール;
【0092】
例えば、2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;2-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン;6-メチル-5-ヘプテン-2-オンのような脂肪族ケトン及びそのオキシム;
【0093】
例えば、3-メチルチオヘキサノール;酢酸3-メチルチオヘキシル;3-メルカプトヘキサノール;酢酸3-メルカプトヘキシル;酪酸3-メルカプトヘキシル;酢酸3-アセチルチオヘキシル;1-メンテン-8-チオールのような脂肪族イオウ含有化合物;
【0094】
例えば、2-ノネン酸ニトリル;2-ウンデセン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;3,12-トリデカジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリルのような脂肪族ニトリル;
【0095】
例えば、ギ酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;アセト酢酸エチル;酢酸イソアミル;酢酸ヘキシル;酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル;酢酸3-メチル-2-ブテニル;酢酸(E)-2-ヘキセニル;酢酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;酢酸オクチル;酢酸3-オクチル;酢酸1-オクテン-3-イル;酪酸エチル;酪酸ブチル;酪酸イソアミル;酪酸ヘキシル;イソ酪酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;クロトン酸ヘキシル;イソ吉草酸エチル;2-メチルペンタン酸エチル;ヘキサン酸エチル;ヘキサン酸アリル;ヘプタン酸エチル;ヘプタン酸アリル;オクタン酸エチル;(E,Z)-2,4-デカジエン酸エチル;2-オクチン酸メチル;2-ノニン酸メチル;2-イソアミルオキシ酢酸アリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸メチル;クロトン酸4-メチル-2-ペンチルのような脂肪族カルボン酸のエステル;
【0096】
例えば、シトロネロール;ゲラニオール;ネロール;リナロール;ラバデュロール;ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール;2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール;及びそれらのギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、酪酸塩、イソバレリアン酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、クロトン酸塩、チグリン酸塩及び3-メチル-2-ブタン酸塩のような非環式テルペンアルコール;
【0097】
例えば、ゲラニアル;ネラル;シトロネラール;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;及びゲラニアル、ネラル、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタールのような非環式テルペンアルデヒド及びケトン;
【0098】
例えば、メントール;イソプレゴール;α-テルピネオール;テルピネノール-4;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;酸化リナロール;ノポール;セドロール;アムブリノール;ベチベロール;グアイオール;ならびにそれらのギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、酪酸塩、イソバレリアン酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、クロトン酸塩、チグリン酸塩及び3-メチル-2-ブテン酸塩のような環状テルペンアルコール;
【0099】
例えば、メントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;ショウノウ;フェンコン;α-イオノン;β-イオノン;α-n-メチルイオノン;β-n-メチルイオノン;α-イソメチルイオノン;β-イソメチルイオノン;α-イロン;α-ダマスコン、β-ダマスコン;β-ダマセノン;δ-ダマスコン;γ-ダマスコン;1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;ノートカトン;ジヒドロノートカトン;4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン;α-シネンサール;β-シネンサール;アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)のような環状テルペンアルデヒド及びケトン;
【0100】
例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールのような環状アルコール;
【0101】
例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール;1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールのような脂環式アルコール;
【0102】
例えば、シネロール;セドリルメチルエーテル;シクロドデシルメチルエーテル;1,1-ジメトキシシクロドデカン;(エトキシメトキシ)シクロドデカン;α-セドレンエポキシド;3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1b]フラン;3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1b]フラン;1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン;ローズオキシド;2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンのような環状及び脂環式エーテル;
【0103】
例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノン;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン;2-ヘプチルシクロペンタノン;2-ペンチルシクロペンタノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-4-シクロペンタデセノン;3-メチル-5-シクロペンタデセノン;3-メチルシクロペンタデカノン;4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン;4-tert-ペンチルシクロヘキサノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン;8-シクロヘキサデセン-1-オン;9-シクロヘプタデセン-1-オン;シクロペンタデカノン;シクロヘキサデカノンのような環状及び大環状のケトン;
【0104】
例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドのような脂環式アルデヒド;
【0105】
例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン;2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン;1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタルエニルメチルケトン;メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン;tert-ブチル-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンのような脂環式ケトン;
【0106】
例えば、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ペンチル-シクロヘキシル;酢酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル;酢酸デカドロ-2-ナフチル;クロトン酸2-シクロペンチルシクロペンチル;酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル;酢酸デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチル;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、それぞれ、酢酸6-インデニル;プロピオン酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、または6-インデニル;イソ酪酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、または6-インデニル;酢酸4,7-メタノオクタヒドロ-5、または6-インデニルのような環状アルコールのエステル;
【0107】
例えば、クロトン酸1-シクロヘキシルエチルのような脂環式アルコールのエステル;
【0108】
例えば、3-シクロヘキシルプロピオン酸アリル;シクロヘキシルオキシ酢酸アリル;ジヒドロジャスモン酸cis-及びtrans-メチル;ジャスモン酸cis-及びtrans-メチル;2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル;2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-酢酸エチルのような脂環式カルボン酸のエステル;
【0109】
例えば、ベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;2-フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタノール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールのような芳香脂肪族アルコール;
【0110】
例えば、酢酸ベンジル;プロピオン酸ベンジル;イソ酪酸ベンジル;イソ吉草酸ベンジル;酢酸2-フェニルエチル;プロピオン酸2-フェニルエチル;イソ酪酸2-フェニルエチル;イソ吉草酸2-フェニルエチル;酢酸1-フェニルエチル;酢酸α-トリクロロメチルベンジル;酢酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酪酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酢酸シンナミル;イソ酪酸2-フェノキシエチル;酢酸4-メトキシベンジルのような芳香脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸のエステル;
【0111】
例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル;2-フェニルエチルイソアミルエーテル;2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドロアトロパ酸アルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシンのような芳香脂肪族エーテル;
【0112】
例えば、ベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドロアトロパ酸アルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール;シンナムアルデヒド;α-ブチルシンナムアルデヒド;α-アミルシンナムアルデヒド;α-ヘキシルシンナムアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールのような芳香族及び芳香脂肪族のアルデヒド;
【0113】
例えば、アセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタルエニル)エタノン;2-ベンゾフランイルエタノン;(3-メチル-2-ベンゾフランイル)エタノン;ベンゾフェノン;1,1,2,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン;6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン;1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン;5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトンのような芳香族及び芳香脂肪族のケトン;
【0114】
例えば、安息香酸;フェニル酢酸;安息香酸メチル;安息香酸エチル;安息香酸ヘキシル;安息香酸ベンジル;酢酸メチルフェニル;酢酸エチルフェニル;酢酸ゲラニルフェニル;酢酸フェニルエチルフェニル;桂皮酸メチル;桂皮酸エチル;桂皮酸ベンジル;桂皮酸フェニルエチル;桂皮酸シンナミル;酢酸アリルフェノキシ;サリチル酸メチル;サリチル酸イソアミル;サリチル酸ヘキシル;サリチル酸シクロヘキシル;サリチル酸cis-3-ヘキセニル;サリチル酸ベンジル;サリチル酸フェニルエチル;2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル;3-フェニルグリシド酸エチル;3-メチル-3-フェニルグリシド酸エチルのような芳香族及び芳香脂肪族のカルボン酸及びそのエステル;
【0115】
例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン;桂皮酸ニトリル;3-メチル-5-フェニル-2-ペンテン酸ニトリル;3-メチル-5-フェニルペンタン酸ニトリル;アントラニル酸メチル;N-メチルアントラニル酸メチル;アントラニル酸メチルの7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナールまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドとのSchiff塩基;6-イソプロピルキノリン;6-イソブチルキノリン;6-sec-ブチルキノリン;2-(3-フェニルプロピル)ピリジン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジンのような窒素含有芳香族化合物;
【0116】
例えば、タラゴール;アネトール;オイゲノール;オイゲニルメチルエーテル;イソオイゲノール;イソオイゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;β-ナフチルメチルエーテル;β-ナフチルエチルエーテル;β-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;酢酸オイゲニル;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;酢酸p-クレシルフェニルのようなフェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル;
【0117】
例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンのような複素環化合物;
【0118】
例えば、1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;4-メチル-1,4-デカノリド;1,15-ペンタデカノリド;cis及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド;cis及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン-1,12-ドデカンジオエート;エチレン1,13-トリデカンジオエート;クマリン;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリンのようなラクトン;
【0119】
と同様に前述の香味剤または臭気物質の任意の混合物に分類することができる。
【0120】
香味剤または臭気物質または芳香剤は溶媒で希釈されていないまたは芳香化のために溶媒で希釈された液状形態で使用することができる。この目的で好適な且つ好ましい溶媒は特に、エタノール、グリセロール、植物油、トリグリセリド、1,2-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びトリアセチンである。
【0121】
そのような香味物質または臭気物質の混合物は、最大99重量%までの、好ましくは約5~70重量%、特に約10~50重量%、及び特に好ましくは約15~25重量%の前記溶媒を含有する。
【0122】
好ましい代替手段では、香味物質または臭気物質の混合物は合成のまたは天然の、好ましくは無味無臭の担体物質、特に担体油を含み、それは高度に濃縮された形態で香味物質または臭気物質を含有し、且つ任意で溶媒及び/または賦形剤を含有する。
【0123】
いくつかの応用については、製品にてその中に含有される香味剤または臭気物質の微細分布と適用の際の制御放出の双方を提供する担体に香味物質または臭気物質の混合物を吸着させることも有利である。そのような担体は、例えば、軽質硫酸塩、シリカゲル、ゼオライト、石膏、粘土、粘土顆粒、気泡コンクリート、等のような多孔性無機材料、または例えば、材木、セルロース系材料、糖類、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)もしくはシクロデキストリンのような有機材料であることができる。
【0124】
代わりの好ましい実施形態では、香味物質または臭気物質の混合物はマイクロカプセル化された形態もしくは噴霧乾燥された形態である、または香味付けされた製品にこの形態で添加される封入複合体として、もしくは押出製品として存在する。
【0125】
香味物質または臭気物質の組成物のマイクロカプセル化は、例えば、軟質ゼラチンで出来たカプセル材を使用する、いわゆる液滴形成プロセスによって実施することができる。噴霧乾燥された香り剤、芳香剤または臭気物質の組成物は、例えば、本発明に係る香味物質または臭気物質の混合物を含有するエマルションまたは分散液を噴霧乾燥させることによって調製することができ、その際、修飾デンプン、タンパク質、デキストリン及び植物ガムを好ましくは担体として使用することができる。封入複合体は、例えば、香味物質または臭気物質のブレンドとシクロデキストリンまたは尿素誘導体とを好適な溶媒、例えば、水に組み込むことによって調製することができる。押出生成物は香味物質または臭気物質のブレンドを好適な蝋状材料と融合させ、任意で好適な溶媒、例えば、イソプロパノールにて押し出し、その後固化することによって得ることができる。
【0126】
必要に応じて、このように修飾された香味物質または臭気物質の混合調製物の特性は、さらに多くの標的とする香りの放出を目的として好適な材料による、いわゆる「コーティング」によってさらに最適化することができる。
【0127】
本発明に係る着色粒子は、着色粒子の総重量を基にして0.01~25重量%、好ましくは0.1~15重量%、さらに好ましくは0.2~10重量%の香味剤、芳香剤または臭気物質、または香り剤の含量を有する。
【0128】
任意で、本発明に係る着色粒子は、保存剤、抗酸化剤、UVフィルター、ビタミン、酸性度調節剤、甘味剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、固化阻止剤、ならびに食品、化粧品及び医薬の業界で一般に使用され、承認される他の成分から成る群から選択されるさらなる有効成分または機能成分を含む。
【0129】
第1の態様の特に好ましい変形では、本発明に係る着色粒子は以下の組成を有する:
着色粒子の総重量を基にして
-50~98重量%の少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンの炭水化物マトリクスと少なくとも1つの粘度改質成分;
-0.1~5重量%の少なくとも1つの乳化剤;
-1~30重量%の水、及び
-任意で0.001~10重量%の少なくとも1つの着色剤;
-任意で0.01~25重量%の少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤。
【0130】
本発明に係る着色粒子は通常、10~90℃の範囲での、好ましくは20~75℃の範囲での、特に好ましくは20~60℃の範囲でのガラス転移温度を有する。ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC200F3 Netzsch)によって測定された。
【0131】
本発明の第1の態様に係る着色粒子は好ましくは円筒状または球状の形状及び狭い粒度特性を有する。それらは通常、0.2~5mm、好ましくは0.3~3.0mm、さらに好ましくは0.5~2.0mmの直径及び/または0.1~10mm、好ましくは0.2~3.0mm、さらに好ましくは0.3~1.5mmの長さを有する。したがって、前述の粒度は粒子が視覚的に認知される0.1~1.5mmの範囲にある。
【0132】
コメまたはジャガイモのデンプンから製造した本発明に係る着色粒子のトウモロコシ、コムギまたはタピオカのデンプンから製造した着色粒子との比較が示すように、本発明に係る着色粒子は押出機における良好な生産性と同様に長期間にわたる良好な保存安定性を特徴とする。湿ったマトリクスにおいてでさえ、本発明に係る着色粒子はしみ出さず、または分解しない。これらの特性に起因して、本発明に係る着色粒子は、ジェル系調製物、例えば、練り歯磨きもしくはスキンケア製品、清浄製品もしくは乳製品、例えば、ヨーグルトの視覚的外見を改善するのに、または特にそのような製品の保存可能期間にわたってそれらに質感を付与するのに特に好適である。
【0133】
本発明に係る着色粒子はまた水にて砕けやすく、それによって、例えば、練り歯磨き、乳製品、例えば、ヨーグルトまたは清浄製品における意図される応用に極めて好適になっている。水における着色粒子の良好な安定性及び砕けやすさは着色粒子が使用時に厄介なものまたは粗いものとして認知されないという事実の評価基準である。加えて、本発明の着色粒子は白色を含めて明瞭な着色のマトリクスを有する。
【0134】
上記に記載されている効果は表2及び3における結果によって説明される。
【0135】
本発明に係る着色粒子のさらなる利点は、香味剤もしくは臭気物質もしくは芳香剤もしくは香り剤による、香味剤もしくは臭気物質もしくは芳香剤もしくは香り剤の抽出物もしくは有効成分と同様に最大滞留による、またはそれらの保存の間もしくは最終製品の保存可能期間にわたる抽出物もしくは有効成分による任意に高い装填性である。
【0136】
本発明の第2の目的は、
(i)少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンを含む、またはそれらから成る炭水化物マトリクスと少なくとも1つの粘度改質成分との組み合わせを提供する工程と;
(ii)工程(i)から得られる組み合わせと、少なくとも1つの乳化剤、水及び任意で少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質及び/または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤との混合物を調製し、懸濁液またはゲルを得る工程と;
(iii)懸濁液またはゲルを押し出して押出物を得る工程と
(iv)押出物を粉砕して着色粒子を得る工程と;
(v)任意で着色粒子を乾燥させる工程とを含む、着色粒子を製造する方法である。
【0137】
本発明に係る着色粒子は押出機における押出によって製造される。本発明に係る着色粒子の構成成分を混合し、分散させ、または懸濁した後、粘度が高い混合物、すなわち、懸濁液またはゲルを押出機の押型(複数可)を介して連続して圧迫し、または押し出し、その後の工程で粉砕する。
【0138】
他の既知の型の押出機も使用することができるが、使用される好ましい押出機は2軸スクリュー押出機である。好ましくは、2軸スクリュー押出機は本発明に係る着色粒子の構成成分の混合に使用され、それは混合及び押出の間での温度を目標とされる方法で制御することができるようにいくつかの温度ゾーンを備えることができる。
【0139】
本発明に係るプロセスの第1の工程では、炭水化物マトリクス成分と粘度改質成分の組み合わせが提供され、押出機にて混合される。
【0140】
炭水化物マトリクスは少なくとも80%のアミロペクチン含量のデンプンを含む。少なくとも80%のアミロペクチン含量と共に使用されるデンプンは直接、且つさらなる前処理をしないで使用することができる。
【0141】
「デンプン」という用語は、天然のデンプン(複数可)及び修飾デンプン(複数可)、すなわち、さまざまなデンプン源から物理的な、化学的なまたは酵素的な処理によって得られるデンプン生成物の双方を含む。
【0142】
本発明に係るプロセスの好ましい実施形態では、少なくとも80%のアミロペクチン含量を有するデンプンはコメデンプン、ジャガイモデンプン及び2つの言及されたデンプンの組み合わせから成る群から選択される。
【0143】
最も好ましいのは少なくとも90%のアミロペクチン含量のデンプンである。
【0144】
最も好適なのは炭水化物マトリクスの形成用のアミロペクチンジャガイモデンプンである。アミロペクチンジャガイモデンプンは自然交配に基づき、少なくとも95%のアミロペクチン含量を有し、事実上アミロースを含有しない。そのようなアミロペクチンジャガイモデンプンは、例えば、「Eliane(商標)ゲル100」の名称のもとで市販されている。アミロペクチンジャガイモデンプンは高い純度、特定のプロセス安定性及び非常に高い粘度を特徴とする。
【0145】
好ましい実施形態では、デンプンはレオメーター(Anton Paar Rheometer MCR302、5秒-1の一定の剪断速度でコーンプレートシステム、コーン型CP-50-1)を使用して90℃にて10%の水溶液として測定される10mPa・s~50000mPa・s、好ましくは20mPa・s~30000mPa・sの粘度を有する。
【0146】
本発明に係る着色粒子の調製に最も好ましいのは、レオメーター(Anton Paar Rheometer MCR302、5秒-1の一定の剪断速度でコーンプレートシステム、コーン型CP-50-1)を使用して90℃にて10%の水溶液として測定される10mPa・s~50000mPa・s、好ましくは20mPa・s~30000mPa・sの粘度を有するジャガイモ及びコメに由来するデンプンである。
【0147】
粘度改質成分はマトリクスの軟化点を下げる:混合物におけるその比率が高ければ高いほど、炭水化物マトリクスを押し出すのが容易である。さらに、この成分は穴あき押型での造粒を促進する。
【0148】
本発明に係るプロセスの第2の工程では、本発明に係る着色粒子のさらなる構成成分、例えば、乳化剤、水及び任意で着色剤、香味物質及び/または臭気物質または芳香剤及び/または香り剤が上記に記載されている用量で押出機に連続して供給される。
【0149】
あるいは、2つの工程(第1の工程と第2の工程)は組み合わせることもできる。この目的で、構成成分すべてを事前に混合し、次いで押出機に連続して供給する。
【0150】
少なくとも1つの乳化剤は炭水化物マトリクスと着色粒子の他の構成成分とを互いに乳化させ、懸濁させ、またはゲル様構造を形成させる。乳化剤はまた押出の間、材料の輸送を促進し、押出機の壁への接着を減らし、押出機の押型を通る混合物の輸送を改善する。
【0151】
水の添加はガラス転移温度の低下を引き起こし、水の可塑化効果は炭水化物マトリクスの熱可塑性押出に有利に働く。デンプンの押出の間に、剪断力はデンプン顆粒を破壊し、水はデンプン分子にさらに迅速に浸透し、ゲル化を誘発する。水による押出は押出機にて顕著な粘弾性を示す熱可塑性の変形しやすい混合物を作り出す。
【0152】
本発明に係るプロセスの代わりの変形では、着色粒子の構成成分のすべて、すなわち、少なくとも80%のアミロペクチン含量のデンプンを含む、またはそれから成る炭水化物マトリクスと、少なくとも1つの粘度改質成分と、乳化剤と水と任意で、少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質及び/または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤が提供され、1つのプロセス工程で混合され、高度に粘性の混合物を得る。
【0153】
着色粒子の構成要素、それらの好ましいまたは代わりの実施形態、それらの混合及び量比及びそれらの有利な効果に関して、本発明に係る着色粒子と併せて上記の詳細な説明が参照され、それは本発明の第2の態様に係る本発明に係るプロセスについて等しく有効なので、それを繰り返す必要はない。
【0154】
本発明に係るプロセスにて本発明に係る着色粒子の構成成分の混合及び分散または懸濁を完了した後、高度に粘性の混合物が懸濁液またはゲルの形態で存在し、それはさらなる工程で押し出され、それによって押出物を得る。
【0155】
押出機の押型(ダイ、複数可)を介して押出物を連続的に圧迫する。その結果、押型開口部の下流に紐状物(ストランド)が形成される。紐状物の直径、したがって最終的に得られる着色粒子の直径は押型の直径を介して制御される。ノズルの前で最低1バールの圧力が増強されて脈打つのではなく均一な排出を確保する必要がある。理想的な圧力範囲は1~60バールの間、好ましくは4~50バールの間、特に好ましくは5~45バールの間である。
【0156】
90%を超えるアミロペクチン含量のデンプン、特に純粋なアミロペクチンジャガイモデンプンを本発明に係るプロセスで使用して炭水化物マトリクスを形成すると、押出機における特に良好な生産性が達成される。95%を超えるアミロペクチン含量のアミロペクチンジャガイモデンプンは実践的にはアミロースを含有しない。そのようなアミロペクチンジャガイモデンプンは、例えば、「Eliane(商標)ゲル100」の名称のもとで市販されている。
【0157】
懸濁液またはゲルの粘度は適用の間に着色粒子の安定性に対する影響を有するので、本発明に係るプロセスでは着色粒子の考えられる最良の安定性を達成するために90℃にて10%の水溶液として測定される10~50000mPa・sの粘度を有するデンプンを使用する。
【0158】
好ましくは、本発明に係る着色粒子の構成成分を混合するのに、混合及び押出の間での温度を具体的に制御することができるように幾つかの温度ゾーンを備えることができる2軸スクリュー押出機または2軸押出機が使用される。混合物の粘度はまた押出機筐体を加熱すること及びスクリュー回転の摩擦熱によっても制御される。
【0159】
本発明に係る着色粒子の構成成分の混合及び/または懸濁液もしくはゲルの押出は高温で実施される。高温は懸濁液またはゲルの粘度に影響を及ぼし、それによって低下する。これによって懸濁液またはゲルを押出機の押型プレートに強制的に通すのが容易になる。好ましくは、本発明に係る着色粒子の構成成分の混合及び/または懸濁液またはゲルの押出は70~150℃の範囲の温度にて、好ましくは75~130℃、及び特に好ましくは80~120℃の範囲の温度にて実施される。
【0160】
押出の間に押出機で発生するトルク(押出機の最大トルクまたは総トルクの%で測定される)は生産性の評価基準を表す。トルクが30~60%の範囲にあれば、着色粒子を上手く製造することができ、すなわち、均一な粒子が押出機の先端部での造粒の間に製造され、押出は機器の不良がなく数時間進む。Leistritz ZSE 18MAXX2軸スクリュー押出機を本発明の実験に使用した。製造元によれば、これは71Nmの総スクリュートルクを有する。
【0161】
好適なスクリューの構造は押出機における充填の程度及び滞留時間を制御する。スクリュー速度を使用して充填の程度、混合効率、生成される摩擦熱及び材料圧を制御することができる。
【0162】
開口部の後で紐状物を形成するには、押し出された化合物を冷却する。
【0163】
紐状物は冷たいまたは熱い押型切断(型抜き)プロセスによって粉砕することができる。有利なことに、紐状物は粉砕される一方で、先端ペレット化または熱押型切断プロセスによって依然として固化相である。この目的で、回転切断ナイフと気密であってもよいヘッドペレタイザーが好ましくは使用され、それは押出機の出口で直接行われる。ヘッドペレタイザーの(無段)変速制御によって、粒子の長さが固体処理量の関数として調整されるようにする。
【0164】
水分含量に応じて、こうして得られた着色粒子は必要に応じてさらに乾燥される。
【0165】
本発明に係る着色粒子の嵩密度は500~1,000g/Lである;特に好ましくは嵩密度は600~900g/Lである。
【0166】
さらなる第3の態様では、本発明は、本発明に係るプロセスによって入手可能な、少なくとも80%のアミロペクチン含量のデンプンを含む、またはそれから成る炭水化物マトリクスと、少なくとも1つの粘度改質成分と、少なくとも1つの乳化剤と水と任意で、少なくとも1つの着色剤及び/または少なくとも1つの香味物質もしくは臭気物質または少なくとも1つの芳香剤もしくは香り剤を含む、またはそれらから成る着色粒子に関する。
【0167】
好ましくは、プロセスは90%を超えるアミロペクチンを含有するデンプンを用いて、最も好ましくは実践的にはアミロースを有さない95%を超えるアミロペクチンを含有するデンプンを用いて実施される。
【0168】
本発明のさらなる態様は、食品、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品及び民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、ペットフードまたはペットケア製品の製造のための本発明に係る着色粒子の使用に関する。
【0169】
その有利な特性に起因して、本発明に係る着色粒子は上記で言及されている製品に視覚的に改善された外見または質感を与えるのに見事に適合する。本発明に係る着色粒子の有意な利点は、その安定性に起因して視覚的な外見または質感を製品の保存可能期間にわたって維持することができるということである。
【0170】
最も好ましくは、本発明に係る着色粒子は経口ケア製品、例えば、チューインガム、練り歯磨き、マウスジェル、チュアブル錠及びかみごたえがあるスイーツ、ならびに化粧品、例えば、シャンプー、シャワージェル、角質除去製品、クリーム、ローション、食材、特に乳製品、例えば、ヨーグルト、飲料、ならびに液体洗浄エマルション、石鹸またはトイレ洗浄剤にて使用される。
【0171】
着色粒子の好ましい構成要素、それらの好ましいまたは代わりの実施形態、それらの混合及び量比及びそれらの有利な効果に関して、本発明に係る着色粒子と併せて上記の詳細な説明を参照するが、それは本発明の第2の態様に係る本発明に係るプロセスについて等しく有効なので、それを繰り返す必要はない。
【0172】
本発明に係る使用に特に好ましいのは、90%を超えるアミロペクチン含量を伴うデンプン、特にジャガイモデンプンまたはコメデンプンを含む着色粒子である。
【0173】
炭水化物マトリクスを形成するための純粋なアミロペクチンジャガイモデンプンを含む着色粒子で最良の結果が得られる。95%を超えるアミロペクチン含量のこのデンプンは事実上アミロースを含有しない。
【0174】
最終的に、本発明は本発明に係る着色粒子を含有する食材、飲料、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品、民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、ペットフードまたはペットケア製品に関する。
【0175】
好ましい実施形態では、食品はインスタント飲料粉末、茶、スープまたはソースの粉末、焼いた食品、かみごたえのあるスイーツ、菓子類及び乳製品、好ましくはヨーグルトから成る群から選択される。着色粒子は最も好ましくは、以下の製品:髭剃り前製品、酸性、アルカリ性及び中性の洗剤、例えば、床洗浄剤、窓ガラス洗浄剤、皿洗い洗剤、風呂及びトイレ洗浄剤、汚れ落とし剤、固形及び液体のWC洗浄剤、液体洗剤、粉末洗剤、布柔軟剤、洗濯石鹸、消毒剤、液体またはゲルの形態での空気清浄剤、パーソナルケア製品、例えば、固形及び液状の石鹸、シャワージェル、シャンプー、髭剃り石鹸、シェービングフォーム、バスオイル、水中油、油中水及び水中油中水の型の化粧品エマルション、例えば、スキンクリーム及びスキンローション、顔面のクリーム及びローション、日焼け止めのクリーム及びローション、日焼け後クリーム及びローション、手のクリーム及びローション、足のクリーム及びローション、脱毛のクリーム及びローション、髭剃り後のクリーム及びローション、日焼けのクリーム及びローション、毛髪ケア製品、例えば、毛髪ジェル、毛髪ローション、ヘアコンディショナー、毛髪のクリーム及びローション、脱臭剤及び制汗剤、例えば、腋下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリーム及び装飾的な化粧品及び経口衛生用品の外見及び一貫性を改善するのに使用される。
【0176】
最も好ましいのは、経口ケア製品、例えば、チューインガム、練り歯磨き、マウスジェル、チュアブル錠及びチュアブルキャンディ、シャンプー、シャワージェル、角質除去製品、クリーム及びローションから成る群から選択される化粧品である。
【0177】
本発明の好ましいさらなる展開によれば、本発明に係る着色粒子は、これらの食材、化粧品、特に経口衛生用品、医薬品、民生品、特に液状、ジェル、または粉末状の形態での洗浄剤及び清浄剤、動物食材または動物ケア製品にて調製物の総重量を基にして0.001~10重量%、一層さらに好ましくは0.05~4重量%、最も好ましくは0.1~2重量%の量で存在する。
【0178】
本発明は、どんなふうにでも本発明に係る目的の保護の範囲を限定しない実施例によって以下でさらに詳細に説明される。別段の指示がない限り、以下で与えられる比率は重量を指す。
【実施例】
【0179】
実施例1
【0180】
本発明に係る着色粒子の調製
【0181】
8のバレルブロックがあり、幾つかの分かれた温度制御ゾーンがあるLeistritz ZSE18-MAXX2軸スクリュー押出機に、以下の実施例に記載されているような好適な原料化合物を計量して入れ、以下の操作条件で処理した。バレルにおける温度特性を以下のように制御した:筐体1、加熱せず;筐体2~8、90℃;押型プレート(直径1mmの孔)、90℃。100rpmのスクリュー速度で作動圧は9バールであり、処理能力は2kg/時間だった。
【0182】
およそ1mmの呼び粒度の着色粒子の製造については、シートスチールで出来た1~2のナイフと1.0mmの呼び径を持つ18孔のペレット化プレートを使用した。ペレット長を設定するためのヘッドペレタイザーの変速制御は固体の処理能力に応じて無段だった。得られた顆粒はおよそ600~900g/リットルの嵩密度を有する。その後、0.8mm及び1.25mmの篩サイズの2層式篩によってゴミ及び大き過ぎる粒子を取り除いた。篩での損失は収量の5%未満になった。
【0183】
こうして得られた着色粒子を1重量%の用量で以下に記載されているように調製される練り歯磨き基剤に加えた、または1.5%脂肪含量の市販のヨーグルトに1重量%の用量で加えた。
【0184】
実施例2
【0185】
【0186】
ブロックAの成分を混合し、ブレンダーに加えた。ブロックBの成分を混合し、ミキサーにてブロックAの成分に加え、真空下25~30℃にて30分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。ブロックCの成分を混合し、ミキサーの混合物に加え、真空下25~30℃にて20~30分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。
【0187】
実施例3
【0188】
【0189】
ブロックAの成分を混合し、ブレンダーに加えた。ブロックBの成分を混合し、ミキサーにてブロックAの成分に加え、真空下30~35℃にて45分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。ブロックCの成分を混合し、ミキサーの混合物に加え、真空下30~35℃にて20分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。
【0190】
実施例4
【0191】
【0192】
ブロックAの成分を混合し、ミキサーに入れた。ブロックBの成分を混合し、ミキサーにてブロックAの成分に加え、真空下40~45℃にて15分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。ブロックCの成分を混合し、ミキサーの混合物に加え、真空下40~45℃にて15分間混合し、次いで常圧に戻し、ミキサーを止めた。
【0193】
【0194】
【0195】
コメまたはジャガイモのデンプンから製造された本発明に係る着色粒子のトウモロコシ、コムギまたはタピオカのデンプンから製造された着色粒子との比較が示すように、本発明に係る着色粒子は長期間にわたる良好な保存安定性及び押出機における良好な生産性を特徴とする。(高い)水含量での適用でさえ、本発明に係る着色粒子はにじみ出ない、または分解しない。
【0196】
実施例5
【0197】
【0198】
原料を混合し、計量して押出機に入れた。着色粒子は実験室の押出機(2軸スクリュー押出機、Leistritz ZSE18 MAXX)によって製造した。筐体における温度特性は以下のように制御する:筐体1、加熱せず;筐体2~9、90℃;押型プレート(直径1mmの孔)、90℃。100rpmのスクリュー速度で作動圧は9バール;処理能力は2kg/時間だった。
【0199】
(A)水中での適用
着色粒子を水に加え(20mlの水に1g)、1週間後評価した。
【0200】
その結果、着色粒子は上手く保存され;それらはにじみ出ず、周囲の水は視覚的な濁りを示さなかった。着色粒子は容易に広げられるので、上記に記載されている適用に好適だった。
【0201】
(B)練り歯磨きでの適用
着色粒子を1重量%の用量でさまざまな練り歯磨き基剤に適用し、45℃で保存し、3週間後に評価した。実施例2~4に記載されているように調製した3種の練り歯磨き基剤(シリカ基剤、カーボネート基剤、ゲル基剤)は練り歯磨き基剤として役立った。
【0202】
ゲル基剤、シリカ基剤及びカーボネート基剤の順に
図1で説明されている練り歯磨き試料の一段目によって示されるように、着色粒子はそれ自体、3種の練り歯磨き試料すべてにて保存状態が良く;周囲の練り歯磨き基剤は
図1に見ることができるように目に見えるにじみを示さなかった。着色粒子は容易に広げられるので、上記に記載されている適用に好適だった。
【0203】
実施例6
【0204】
【0205】
原料を混合し、計量して押出機に入れた。着色粒子は実験室の押出機(2軸スクリュー押出機、Leistritz ZSE18 MAXX)によって製造した。筐体における温度特性は以下のように制御する:筐体1、加熱せず;筐体2~9、90℃;押型プレート(直径1mmの孔)、90℃。100rpmのスクリュー速度で作動圧は9バール;処理能力は2kg/時間だった。
【0206】
(A)水中での適用
着色粒子を水に加え(20mlの水にて1g)、1週間後に評価した。
【0207】
その結果、着色粒子は保存状態が良く;それらはにじみ出ず、周囲の水は目に見える濁りを示さなかった。着色粒子は容易に広げられるので、上記に記載されている適用に好適だった。
【0208】
(B)練り歯磨きでの適用
着色粒子を1重量%の用量でさまざまな練り歯磨き基剤に適用し、45℃で保存し、3週間後に評価した。使用した練り歯磨き基剤は実施例2~4に記載されている3種の練り歯磨き基剤(シリカ基剤、カーボネート基剤、ゲル基剤)だった。
【0209】
その結果、着色粒子は保存状態が良く;周囲の練り歯磨き基剤は目に見えるにじみを示さなかった。着色粒子は容易に広げられるので、上記に記載されている適用に好適だった。
【0210】
実施例7
【0211】
【0212】
実施例6に記載されているように着色粒子を調製した。
【0213】
(A)水中での適用
着色粒子を水に加え(20mlの水にて1g)、1週間後に評価した。着色粒子は濁った塊になり、もはや粒子として認知できなかった。
【0214】
実施例8
【0215】
【0216】
実施例3に記載されているように着色粒子を調製した。
【0217】
(A)水中での適用
着色粒子を水に加え(20mlの水にて1g)、1週間後に評価した。着色粒子は濁った塊になり、もはや粒子として認知できなかった。
【0218】
(B)練り歯磨きでの適用
着色粒子を1重量%の用量でさまざまな練り歯磨き基剤に適用し、45℃で保存し、3週間後に評価した。実施例2~4に記載されているように調製した3種の練り歯磨き基剤(シリカ基剤、カーボネート基剤、ゲル基剤)を練り歯磨き基剤として使用した。
【0219】
ゲル基剤、シリカ基剤及びカーボネート基剤の順に
図1で示されている練り歯磨き試料の二段目によって示されるように、着色粒子はもはや識別できなかった。周囲の練り歯磨き基剤は明瞭なにじみを示した。したがって、着色粒子は上記に記載されている適用には好適ではない。
【0220】
実施例9
【0221】
さまざまなデンプンの粘度の分析
【0222】
室温にて10%の懸濁水溶液としてデンプン粉末をそれぞれ調製した。
【0223】
Anton Paar Rheometer MCR302、コーンプレートシステム、コーン型CP-50-1を5秒-1の一定の剪断速度で使用して粘度を測定した。調査は25~90℃の温度範囲:(i)加熱:13℃/分の加熱速度で温度プログラム25~90℃、及び(ii)冷却:13℃/分の冷却速度で温度プログラム90~25℃にて実施した。測定の結果を以下の表4に示す。
【0224】
【0225】
デンプンの粘度は適用の間での着色粒子の安定性に影響を有する。好ましくは、使用されるデンプンの粘度は90℃にて10%の水溶液として測定して10mPa・s~50.000mPa・sである。