(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】電動工具用挿入型ワイヤレス通信デバイス
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240116BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20240116BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B25F5/00 C
B25F5/00 H
H04B1/38
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022527217
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 US2020061549
(87)【国際公開番号】W WO2021102289
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-22
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】スミス、スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、アンソニー エム.
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171523(JP,A)
【文献】特開2017-121681(JP,A)
【文献】特開2019-176728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
H04B 1/38
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスであって、
第1のコネクタと、
アンテナと、
前記第1のコネクタ及び前記アンテナに結合された電子プロセッサと、
を含み、
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信するように構成され、
前記ワイヤレス通信デバイスが、第1のタイプの第1の電動工具デバイスの第1のコンパートメント内、又は前記第1のタイプの前記第1の電動工具デバイスとは異なる第2のタイプの第2の電動工具デバイスの第2のコンパートメント内に、取り外し可能に収容されるように構成されるとともに、前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのそれぞれが、出力駆動デバイスを駆動するように構成されたモータを含み、
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のコンパートメント又は前記第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、前記第1のコネクタが、前記第1の電動工具デバイスの第2のコネクタ、又は前記第2の電動工具デバイスの第2のコネクタに、電気的及び物理的に結合するように構成され、
前記電子プロセッサが、
前記第1のコネクタが前記第2のコネクタのうちの1つに結合されていることを判定するように構成され、
前記第1のコネクタが前記第2のコネクタのうちの1つに結合されているという判定に応答して、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のタイプの前記第1の電動工具デバイス、又は前記第2のタイプの前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成され、
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかの前記判定に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定するように構成されているとともに、前記ワイヤレス通信デバイスの前記動作特性が、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイスに結合されるときに、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第2の電動工具デバイスに結合されるときとは異なるように設定された、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうちの1つに結合されると、前記電子プロセッサが、前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうちの前記1つの電動工具デバイス電子プロセッサに通信可能に結合されて、(i)前記外部デバイスと、(ii)前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうちの前記1つと、の間で情報が転送されることを可能にする、請求項1に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項3】
前記電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを、
前記電動工具デバイス電子プロセッサから識別データを受信し、
前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを判定すること
によって、判定するように構成された、請求項2に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項4】
前記電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを、
前記電動工具デバイス電子プロセッサから識別データを受信し、
前記識別データを前記外部デバイスにワイヤレスで送信し、
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかの表示を、前記外部デバイスであって、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成された前記外部デバイスから、ワイヤレスで受信すること
によって、判定するように構成された、請求項2に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項5】
前記外部デバイスが、サーバと通信することにより、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成された、請求項4に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項6】
前記識別データに基づいた、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1の電動工具デバイス又は前記第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかの前記表示が、前記動作特性を所定の値に設定する命令を含む、請求項4に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項7】
前記電動工具デバイス電子プロセッサが、前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうちの前記1つの前記モータの動作を制御するように構成された、請求項2に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項8】
前記動作特性が、前記ワイヤレス通信デバイスに電力を供給するように構成された電源の低電力容量閾値を含むとともに、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記電源の充電の状態が前記低電力容量閾値を下回っているという判定に応答して、低出力モードに入るように構成された、請求項1に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項9】
前記低出力モードにおいて、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記ワイヤレス通信デバイスが識別ビーコン信号をワイヤレスで一斉同報する速度を低減させるように構成された、請求項8に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項10】
前記電源が、(i)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうちの1つのバッテリパック収容部分に結合されたバッテリパック、及び(ii)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1の電動工具デバイス及び前記第2の電動工具デバイスのうち
の1つのハウジングの内部に位置するバックアップバッテリ、のうちの少なくとも1つである、請求項8に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項11】
前記動作特性が、位置を追跡する目的のために前記ワイヤレス通信デバイスによって使用されるタイプの通信プロトコルを含む、請求項1に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項12】
前記電子プロセッサを含むプリント回路基板(PCB)と、前記アンテナと、前記第1のコネクタと、をさらに含む、請求項1に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項13】
ワイヤレス通信デバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナに結合された第1の電子プロセッサと、
を含み、
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信するように構成され、
前記ワイヤレス通信デバイスが、第1のタイプの第1のホストデバイスの第1のコンパートメント内、又は前記第1のタイプの前記第1のホストデバイスとは異なる第2のタイプの第2のホストデバイスの第2のコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成され、
前記第1の電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のコンパートメント又は前記第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、前記第1のホストデバイスの第2の電子プロセッサ又は前記第2のホストデバイスの第2の電子プロセッサに、通信可能に結合するように構成されるとともに、
前記第1の電子プロセッサが、
前記第1の電子プロセッサが前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されていることを判定するように構成され、
前記第1の電子プロセッサが前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されているという判定に応答して、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のタイプの前記第1のホストデバイス、又は前記第2のタイプの前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成され、
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの前記判定に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定するように構成されているとともに、前記ワイヤレス通信デバイスの前記動作特性が、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイスに結合されるときに、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第2のホストデバイスに結合されるときとは異なるように設定された、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項14】
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの1つに結合されると、前記第1の電子プロセッサが、(i)前記外部デバイスと、(ii)前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの前記1つと、の間で情報が転送されることを可能にする、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項15】
前記第1の電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを、
前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つから識別データを受信し、
前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定すること
によって、判定するように構成された、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項16】
前記第1の電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを、
前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つから識別データを受信し、
前記識別データを前記外部デバイスにワイヤレスで送信し、
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの表示を、前記外部デバイスであって、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成された前記外部デバイスから、ワイヤレスで受信すること
によって、判定するように構成された、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項17】
前記外部デバイスが、サーバと通信することにより、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成された、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項18】
前記識別データに基づいた、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの前記表示が、前記動作特性を所定の値に設定する命令を含む、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項19】
前記第1のホストデバイスが第1の電動工具デバイスを含み、前記第2のホストデバイスが第2の電動工具デバイスを含むとともに、
前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つが、前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの1つのモータの動作を制御するように構成された、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項20】
前記動作特性が、前記ワイヤレス通信デバイスに電力を供給するように構成された電源の低電力容量閾値を含むとともに、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記電源の充電の状態が前記低電力容量閾値を下回っているという判定に応答して、低出力モードに入るように構成された、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項21】
前記低出力モードにおいて、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記ワイヤレス通信デバイスが識別ビーコン信号をワイヤレスで一斉同報する速度を低減させるように構成された、請求項20に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項22】
前記電源が、(i)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの1つのバッテリパック収容部分に結合されたバッテリパック、及び(ii)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうち
の1つのハウジングの内部に位置するバックアップバッテリ、のうちの少なくとも1つである、請求項20に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項23】
前記動作特性が、位置を追跡する目的のために前記ワイヤレス通信デバイスによって使用されるタイプの通信プロトコルを含む、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項24】
前記第1のホストデバイスが、電動工具、自立型作業灯、電動工具バッテリパック、及び充電器からなる群のうちの1つを含み、前記第2のホストデバイスが、追跡対象の物体に固定されるように構成された送信デバイスを含む、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項25】
前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のコンパートメント、又は前記第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、前記第1のホストデバイスの第2のコネクタ、又は前記第2のホストデバイスの第2のコネクタに、電気的及び物理的に結合するように構成された第1のコネクタをさらに含み、
前記第1の電子プロセッサが、前記第1のコネクタが前記第2のコネクタのうちの1つに結合されているという判定に応答して、前記第1の電子プロセッサが前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されていると判定するように構成された、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
前記第1の電子プロセッサを含むプリント回路基板(PCB)と、前記アンテナと、をさらに含む、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項27】
ワイヤレス通信デバイスを制御する方法であって、
第1のタイプの第1のホストデバイスの第1のコンパートメント内、又は前記第1のタイプの前記第1のホストデバイスとは異なる第2のタイプの第2のホストデバイスの第2のコンパートメント内に、前記ワイヤレス通信デバイスを収容することと、
前記ワイヤレス通信デバイスの第1の電子プロセッサを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のコンパートメント又は前記第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、前記第1の電子プロセッサが前記第1のホストデバイスの第2の電子プロセッサ又は前記第2のホストデバイスの第2の電子プロセッサに、通信可能に結合されていると判定することと、
前記第1の電子プロセッサが前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されているという判定に応答して、前記第1の電子プロセッサを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のタイプの前記第1のホストデバイス又は前記第2のタイプの前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することと、
前記第1の電子プロセッサを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの前記判定に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定するとともに、前記ワイヤレス通信デバイスの前記動作特性が、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイスに結合されるときに、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第2のホストデバイスに結合されるときとは異なるように設定されることと、
前記第1の電子プロセッサを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスに含まれているアンテナを介して、外部デバイスにワイヤレスで通信することと、
を含む方法。
【請求項28】
前記外部デバイスにワイヤレスで通信することが、前記第1の電子プロセッサ及び前記アンテナを用いて、(i)前記外部デバイスと、(ii)前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの前記1つと、の間で情報を転送することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することが、
前記第1の電子プロセッサを用いて、前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つから識別データを受信することと、
前記第1の電子プロセッサを用いて、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することと、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することが、
前記第1の電子プロセッサを用いて、前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つから識別データを受信することと、
前記アンテナを介して、前記識別データを前記外部デバイスにワイヤレスで送信することと、
前記アンテナを介して、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの表示を、前記外部デバイスであって、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成された前記外部デバイスから、ワイヤレスで受信することと、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記外部デバイスを用いて、サーバと通信することにより、前記識別データに基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のホストデバイス又は前記第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記アンテナを介して、前記動作特性を所定の値に設定する命令をワイヤレスで受信することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のホストデバイスが第1の電動工具デバイスを含み、前記第2のホストデバイスが第2の電動工具デバイスを含み、
前記第2の電子プロセッサのうちの前記1つを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの1つのモータの動作を制御すること
をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記動作特性を設定することが、前記ワイヤレス通信デバイスに電力を供給するように構成された電源の低電力容量閾値を設定することを含むとともに、前記ワイヤレス通信デバイスが、前記電源の充電の状態が前記低電力容量閾値を下回っているという判定に応答して、低出力モードに入るように構成された、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記低出力モードにおいて、前記第1の電子プロセッサを用いて、前記ワイヤレス通信デバイスが識別ビーコン信号をワイヤレスで一斉同報する速度を低減させることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記電源が、(i)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうちの1つのバッテリパック収容部分に結合されたバッテリパック、及び(ii)前記ワイヤレス通信デバイスが収容される前記第1のホストデバイス及び前記第2のホストデバイスのうち
の1つのハウジングの内部に位置するバックアップバッテリ、のうちの少なくとも1つである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記動作特性を設定することが、位置を追跡する目的のために前記ワイヤレス通信デバイスによって使用されるタイプの通信プロトコルを設定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のホストデバイスが、電動工具、自立型作業灯、電動工具バッテリパック、及び充電器からなる群のうちの1つを含み、前記第2のホストデバイスが、追跡対象の物体に固定されるように構成された送信デバイスを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記ワイヤレス通信デバイスを収容することが、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第1のコンパートメント又は前記第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、前記ワイヤレス通信デバイスの第1のコネクタが前記第1のホストデバイスの第2のコネクタ又は前記第2のホストデバイスの第2のコネクタに、電気的及び物理的に結合することを含み、
前記第1の電子プロセッサが前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されていると判定することが、前記第1のコネクタが前記第2のコネクタのうちの1つに結合されているという判定に応答して、前記第1の電子プロセッサが、前記第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されていると判定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
ワイヤレス通信デバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナに結合された第1の電子プロセッサであって、
前記アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信し、
ホストデバイスの第2の電子プロセッサと通信するように構成された前記第1の電子プロセッサと、
を含むとともに、前記ワイヤレス通信デバイスが前記ホストデバイスのコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成され、
前記第1の電子プロセッサが、
前記コンパートメントの中に挿入されると、前記ホストデバイスに含まれているエネルギー貯蔵デバイスから電力を受け取るように、
前記アンテナを介して、前記ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子を一斉同報するように、
前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサから前記ホストデバイスの一意の識別子を受信するように、
前記第2の電子プロセッサから、受信確認であって、前記ホストデバイスが異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされているかどうかを表示する前記受信確認を受信するように、
前記ホストデバイスが前記異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされていることを表示する前記受信確認に応答して、前記アンテナを介して、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子、前記ホストデバイスの前記一意の識別子、及び不適切なデバイス取り外しフラグを一斉同報するように、且つ、
前記ホストデバイスが前記異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされていないことを表示する前記受信確認に応答して、前記アンテナを介して、前記外部デバイスと通信することによって、前記ワイヤレス通信デバイスと、前記ホストデバイスとの関連付けを開始するように
さらに構成された、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項41】
前記第1の電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子を前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサに通信するように構成され、
前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサからの前記受信確認が、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子を前記第2の電子プロセッサに通信する前記第1の電子プロセッサに応答して受信される、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項42】
前記第1の電子プロセッサが、
前記第2の電子プロセッサが低出力スリープモードから起動するまで、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子を一斉同報するように、且つ、
前記第2の電子プロセッサが前記低出力スリープモードから起動していることに応答して、前記ホストデバイスの前記一意の識別子、及び前記第2の電子プロセッサからの前記受信確認を受信するように
構成された、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項43】
前記第2の電子プロセッサが、ユーザによって始動されている前記ホストデバイスのアクチュエータに応答して起動するように構成された、請求項42に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項44】
前記外部デバイスによる、前記不適切なデバイス取り外しフラグの受信が、前記外部デバイスにメッセージをサーバに送信させて、前記ホストデバイスを欠落としてフラグを立てるように前記サーバに命令する、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項45】
前記外部デバイスによる、前記不適切なデバイス取り外しフラグの受信が、前記外部デバイスにロック命令を前記ワイヤレス通信デバイスに送信させるとともに、
前記ワイヤレス通信デバイスの前記第1の電子プロセッサが、前記ホストデバイスに前記ロック命令を通信して、前記ホストデバイスが1つ又は複数の動作機能を実行することを防止するように構成された、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項46】
前記ロック命令が、前記ホストデバイスの管理パスワードを含む、請求項45に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項47】
前記第1の電子プロセッサが、前記ワイヤレス通信デバイスと、前記ホストデバイスとの関連付けの完了に応答して、前記アンテナを介して、前記ホストデバイスの前記一意の識別子を含むビーコン信号を定期的に一斉同報するように構成された、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項48】
前記第1の電子プロセッサが、前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサが起動しているとき、及び前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサが低出力スリープモードにあるときに、前記ビーコン信号を定期的に一斉同報するように構成された、請求項47に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項49】
前記第1の電子プロセッサが、
前記アンテナを介して、前記外部デバイスと、前記ワイヤレス通信デバイスとの間に通信接続を確立すること、
前記アンテナを介して、前記ワイヤレス通信デバイスの挿入型デバイス認証データを前記外部デバイスに送信すること、
前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサから、前記ホストデバイスのホストデバイス認証データを受信すること、
前記アンテナを介して、前記ホストデバイス認証データを前記外部デバイスに送信すること、
前記外部デバイスから、前記ホストデバイスの管理パスワードを受信すること、
前記ホストデバイスの前記管理パスワードを前記ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサに通信すること、
前記外部デバイスから、前記ワイヤレス通信デバイスの管理パスワードを受信すること、
前記外部デバイスから、前記ホストデバイスを前記ワイヤレス通信デバイスと関連付けさせる第1のコマンドを受信すること、
前記第1のコマンドを前記ホストデバイスに通信すること、
前記外部デバイスから、前記ワイヤレス通信デバイスを前記ホストデバイスと関連付けさせる第2のコマンドを受信すること、及び
前記第2のコマンドに従って、前記ホストデバイスの前記一意の識別子、及び前記ワイヤレス通信デバイスのメモリ内の関連付け状態を格納すること
によって、前記ワイヤレス通信デバイスを前記ホストデバイスと関連付けさせるように構成された、請求項40に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項50】
ワイヤレス通信デバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナに結合された第1の電子プロセッサであって、
前記アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信し、
接続ホストデバイスの第2の電子プロセッサと通信するように構成された前記第1の電子プロセッサと、
を含むとともに、前記ワイヤレス通信デバイスが前記接続ホストデバイスのコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成され、
前記第1の電子プロセッサが、
前記コンパートメントの中に挿入されている間に、前記接続ホストデバイスに含まれているエネルギー貯蔵デバイスから電力を受け取るように、
前記アンテナを介して、前記ワイヤレス通信デバイスと先に関連付けされていた第1のホストデバイスの一意の識別子を含むビーコン信号を定期的に一斉同報するように、
前記ワイヤレス通信デバイスが現在そこに結合されている、前記接続ホストデバイスの一意の識別子を受信するように、
前記接続ホストデバイスの前記一意の識別子が、前記第1のホストデバイスの前記一意の識別子と一致するかどうかを判定するように、
前記接続ホストデバイスの前記一意の識別子が、前記第1のホストデバイスの前記一意の識別子と一致することに応答して、前記ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続するように、且つ
前記接続ホストデバイスの前記一意の識別子が、前記第1のホストデバイスの前記一意の識別子と一致しないことに応答して、前記ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子及び未認識のホストフラグを含むように前記ビーコン信号を再構成するように
さらに構成された、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項51】
前記第1の電子プロセッサが、
前記接続ホストデバイスの前記一意の識別子が、前記第1のホストデバイスの前記一意の識別子と一致することに応答して、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子を前記接続ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサに通信するように、
前記第2の電子プロセッサから、受信確認であって、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子が、前記接続ホストデバイスによって格納された前記ワイヤレス通信デバイスの格納済みの一意の識別子と一致するかどうかを表示する前記受信確認を受信するように、
前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子が、前記接続ホストデバイスによって格納された前記ワイヤレス通信デバイスの前記格納済みの一意の識別子と一致することを表示する前記受信確認に応答して、前記ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続するように、且つ
前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子が、前記接続ホストデバイスによって格納された前記ワイヤレス通信デバイスの前記格納済みの一意の識別子と一致しないことを表示する前記受信確認に応答して、前記ワイヤレス通信デバイスの前記一意の識別子及び前記未認識のホストフラグを含むように前記ビーコン信号を再構成するように
構成された、請求項50に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項52】
前記第1の電子プロセッサが、
前記第2の電子プロセッサが低出力スリープモードから起動するまで、前記ビーコン信号を定期的に一斉同報するように、且つ
前記第2の電子プロセッサが前記低出力スリープモードから起動していることに応答して、第2の電子プロセッサから前記接続ホストデバイスの前記一意の識別子を受信するように
構成された、請求項50に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項53】
前記第2の電子プロセッサが、ユーザによって始動されている前記接続ホストデバイスのアクチュエータに応答して起動するように構成された、請求項52に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項54】
前記外部デバイスによる、前記未認識のホストフラグの受信が、前記外部デバイスにメッセージをサーバに送信させて、前記第1のホストデバイスを行方不明としてフラグを立てるように前記サーバに命令する、請求項50に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項55】
前記外部デバイスによる、前記未認識のホストフラグの受信が、前記外部デバイスにロック命令を前記ワイヤレス通信デバイスに送信させるとともに、
前記ワイヤレス通信デバイスの前記第1の電子プロセッサが、前記接続ホストデバイスの前記第2の電子プロセッサに前記ロック命令を通信して、前記接続ホストデバイスが1つ又は複数の動作機能を実行することを防止するように構成された、請求項50に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項56】
前記ロック命令が、前記接続ホストデバイスの管理パスワードを含む、請求項55に記載のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年11月21日に出願された米国仮特許出願第62/938,516号明細書、2020年7月2日に出願された米国仮特許出願第63/047,447号明細書、及び2020年7月2日に出願された米国仮特許出願第63/047,449号明細書の優先権を主張するものであり、それらすべての内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明する実施形態は、別のデバイスを収容するためのコンパートメントを有するホストデバイス(例えば、電動工具デバイス)に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態は、第1のコネクタと、アンテナと、第1のコネクタ及びアンテナに結合された電子プロセッサと、を含み得るワイヤレス通信デバイスを含む。ワイヤレス通信デバイスは、アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信するように構成することができる。ワイヤレス通信デバイスは、第1のタイプの第1の電動工具デバイスの第1のコンパートメント内、又は第1のタイプの第1の電動工具デバイスとは異なる第2のタイプの第2の電動工具デバイスの第2のコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成することができる。第1の電動工具デバイス及び第2の電動工具デバイスはそれぞれ、出力駆動デバイスを駆動するように構成されたモータを含むことができる。第1のコネクタは、ワイヤレス通信デバイスが第1のコンパートメント又は第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、第1の電動工具デバイスの第2のコネクタ又は第2の電動工具デバイスの第2のコネクタに、電気的及び物理的に結合するように構成することができる。電子プロセッサは、第1のコネクタが第2のコネクタのうちの1つに結合されていることを判定するように構成することができる。第1のコネクタが第2のコネクタのうちの1つに結合されているという判定に応答して、電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが第1のタイプの第1の電動工具デバイス又は第2のタイプの第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかを判定するように構成することができる。電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが第1の電動工具デバイス又は第2の電動工具デバイスのいずれに結合されているかの判定に基づいて、ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定するようにさらに構成することができる。ワイヤレス通信デバイスの動作特性は、ワイヤレス通信デバイスが第1の電動工具デバイスに結合されるときに、ワイヤレス通信デバイスが第2の電動工具デバイスに結合されるときとは異なるように設定することができる。
【0004】
別の実施形態は、アンテナと、アンテナに結合された第1の電子プロセッサと、を含み得るワイヤレス通信デバイスを含む。ワイヤレス通信デバイスは、アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信するように構成することができる。ワイヤレス通信デバイスは、第1のタイプの第1のホストデバイスの第1のコンパートメント内、又は第1のタイプの第1のホストデバイスとは異なる第2のタイプの第2のホストデバイスの第2のコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成することができる。第1の電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが第1のコンパートメント又は第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、第1のホストデバイスの第2の電子プロセッサ又は第2のホストデバイスの第2の電子プロセッサに、通信可能に結合するように構成することができる。第1の電子プロセッサは、第1の電子プロセッサが第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されていることを判定するように構成することができる。第1の電子プロセッサが第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されているという判定に応答して、第1の電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが第1のタイプの第1のホストデバイス又は第2のタイプの第2のホストデバイスのいずれに結合されているのかを判定するように構成することができる。第1の電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが第1のホストデバイス又は第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの判定に基づいて、ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定するようにさらに構成することができる。ワイヤレス通信デバイスの動作特性は、ワイヤレス通信デバイスが第1のホストデバイスに結合されるときに、ワイヤレス通信デバイスが第2のホストデバイスに結合されるときとは異なるように設定することができる。
【0005】
別の実施形態は、ワイヤレス通信デバイスを制御する方法を含む。方法は、第1のタイプの第1のホストデバイスの第1のコンパートメント内、又は第1のタイプの第1のホストデバイスとは異なる第2のタイプの第2のホストデバイスの第2のコンパートメント内に、ワイヤレス通信デバイスを収容することを含むことができる。方法は、ワイヤレス通信デバイスの第1の電子プロセッサを用いて、ワイヤレス通信デバイスが第1のコンパートメント又は第2のコンパートメント内にそれぞれ収容されると、第1の電子プロセッサが第1のホストデバイスの第2の電子プロセッサ又は第2のホストデバイスの第2の電子プロセッサに、通信可能に結合されていると判定することをさらに含むことができる。方法は、第1の電子プロセッサが第2の電子プロセッサのうちの1つに通信可能に結合されているという判定に応答して、第1の電子プロセッサを用いて、ワイヤレス通信デバイスが第1のタイプの第1のホストデバイス又は第2のタイプの第2のホストデバイスのいずれに結合されているかを判定することをさらに含むことができる。方法は、第1の電子プロセッサを用いて、ワイヤレス通信デバイスが第1のホストデバイス又は第2のホストデバイスのいずれに結合されているかの判定に基づいて、ワイヤレス通信デバイスの動作特性を設定することをさらに含むことができる。ワイヤレス通信デバイスの動作特性は、ワイヤレス通信デバイスが第1のホストデバイスに結合されるときに、ワイヤレス通信デバイスが第2のホストデバイスに結合されるときとは異なるように設定することができる。方法は、第1の電子プロセッサを用いて、ワイヤレス通信デバイスに含まれているアンテナを介して、外部デバイスにワイヤレスで通信することをさらに含むことができる。
【0006】
別の実施形態は、アンテナと、アンテナに結合された第1の電子プロセッサと、を含み得るワイヤレス通信デバイスを含む。第1の電子プロセッサは、アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信し、ホストデバイスの第2の電子プロセッサと通信するように構成することができる。ワイヤレス通信デバイスは、ホストデバイスのコンパートメントの中に取り外し可能に収容されるように構成することができる。第1の電子プロセッサは、コンパートメント内に挿入されると、ホストデバイスに含まれているエネルギー貯蔵デバイスから電力を受け取るようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、アンテナを介して、ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子を一斉同報するようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、ホストデバイスの第2の電子プロセッサからホストデバイスの一意の識別子を受信するようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、第2の電子プロセッサから受信確認を受信するようにさらに構成することができる。受信確認は、ホストデバイスが異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされているかどうかを表示することができる。ホストデバイスが異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされていることを表示する受信確認に応答して、第1の電子プロセッサは、アンテナを介して、ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子、ホストデバイスの一意の識別子、及び不適切なデバイス取り外しフラグを一斉同報するようにさらに構成することができる。ホストデバイスが異なるワイヤレス通信デバイスと関連付けされていないことを表示する受信確認に応答して、第1の電子プロセッサは、アンテナを介して外部デバイスと通信することによって、ワイヤレス通信デバイスと、ホストデバイスとの関連付けを開始するようにさらに構成することができる。
【0007】
別の実施形態は、アンテナと、アンテナに結合された第1の電子プロセッサと、を含み得るワイヤレス通信デバイスを含む。第1の電子プロセッサは、アンテナを介して外部デバイスとワイヤレスで通信し、接続ホストデバイスの第2の電子プロセッサと通信するように構成することができる。ワイヤレス通信デバイスは、接続ホストデバイスのコンパートメント内に取り外し可能に収容されるように構成することができる。第1の電子プロセッサは、コンパートメントの中に挿入されている間に、接続ホストデバイスに含まれているエネルギー貯蔵デバイスから電力を受け取るようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、アンテナを介して、ワイヤレス通信デバイスと先に関連付けされていた第1のホストデバイスの一意の識別子を含むビーコン信号を定期的に一斉同報するようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスが現在そこに結合されている接続ホストデバイスの一意の識別子を受信するようにさらに構成することができる。第1の電子プロセッサは、接続ホストデバイスの一意の識別子が第1のホストデバイスの一意の識別子と一致するかどうかを判定するようにさらに構成することができる。接続ホストデバイスの一意の識別子が、第1のホストデバイスの一意の識別子と一致することに応答して、第1の電子プロセッサは、ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続するようにさらに構成することができる。接続ホストデバイスの一意の識別子が、第1のホストデバイスの一意の識別子と一致しないことに応答して、第1の電子プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子及び未認識のホストフラグを含むようにビーコン信号を再構成するようにさらに構成することができる。
【0008】
本発明の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を検討すれば明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一例示的実施形態による通信システムを図示している。
【
図2】一例示的実施形態による、
図1の通信システムの外部デバイスのブロック図を示している。
【
図3】一例示的実施形態による、
図1の通信システムのホストデバイス(例えば、電動工具デバイス)を図示している。
【
図4】一実施形態による、モータを収納する
図3の電動工具デバイスの本体の透視斜視図である。
【
図5A】一例示的実施形態による、
図3の電動工具デバイスのクラムシェル型ハウジングの一部が取り外された、
図3の電動工具デバイスの本体に含まれる挿入型ワイヤレス通信デバイスコンパートメントの一部分の透視斜視図である。
【
図5B-C】例示的実施形態による、
図5Aの挿入型ワイヤレス通信デバイスコンパートメントと同じ一般的な位置で
図3の電動工具デバイスのハウジングに位置し得る別個のアセンブリのコンパートメントの透視斜視図である。
【
図6】一例示的実施形態による、
図5Aの透視斜視図に類似しているが、
図5Aのコンパートメント内に第1のプリント回路基板、及び挿入型ワイヤレス通信デバイスもまた含んでいる透視斜視図である。
【
図7】一例示的実施形態による、挿入型ワイヤレス通信デバイスがコンパートメントの中に挿入された、
図5Aのコンパートメントの側面切欠図である。
【
図8】一例示的実施形態による、
図6の第1のプリント回路基板に電気的及び物理的に結合された、
図6の挿入型ワイヤレス通信デバイスの斜視図である。
【
図9】一例示的実施形態による、
図6の第1のプリント回路基板から切り離された、
図6の挿入型ワイヤレス通信デバイスの斜視図である。
【
図10】一例示的実施形態による、
図6の第1のプリント回路基板、及び第1のコネクタの斜視図である。
【
図13】一例示的実施形態による、
図6及び
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスのブロック図を示している。
【
図14A-E】
図6、
図13、及び
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスの第2のプリント回路基板(例えば、挿入型デバイスのPCB)の代替的な例示的実施形態を図示している。
【
図14F-J】
図6、
図13、及び
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスの第2のプリント回路基板(例えば、挿入型デバイスのPCB)の代替的な例示的実施形態を図示している。
【
図15】一例示的実施形態による、
図3の電動工具デバイスが、
図6、
図13、及び
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスを介して、
図1の外部デバイスと通信することを可能にする方法のフローチャートである。
【
図16A-C】一例示的実施形態による、
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容する
図19のホストデバイスのコンパートメントを覆うように構成されたカバーの、3つの代替的実施形態を図示している。
【
図17】一例示的実施形態による、
図1の通信システムの別のホストデバイス(例えば、別の電動工具デバイス)を図示している。
【
図18】一例示的実施形態による、
図1の通信システムのさらに別のホストデバイス(例えば、さらに別の電動工具デバイス)を図示している。
【
図19】一実施形態による、挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容するように構成されたコンパートメントを含む、
図17の電動工具デバイスの本体の一部分の透視切欠図である。
【
図20A-B】一実施形態による、
図19のコンパートメント内に位置し、且つ、
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスを保持するように構成された筐体の、異なる図を示している。
【
図20C-D】一実施形態による、
図19のコンパートメント内に位置し、且つ、
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスを保持するように構成された筐体の、異なる図を示している。
【
図21】一実施形態による、
図17の電動工具デバイスのホスト側PCBに電気的及び物理的に結合された
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスの、底部透視図である。
【
図22】一例示的実施形態による、
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスの部分的な分解底部斜視図である。
【
図23】一例示的実施形態による、
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスの複数の図を示している。
【
図24】一例示的実施形態による、
図21のホスト側PCBから
図3、
図17、又は
図18の電動工具デバイスの電源の接地に接続された1つ又は複数のワイヤを使用する、
図6、
図13、及び
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスのアンテナの接地面を、さらに拡張した概念図を示している。
【
図25A-B】一例示的実施形態による、別のホストデバイス(例えば、送信デバイス)を図示しており、追跡対象の物体に送信デバイスを固定するように構成された1つ又は複数の固定素子を含む。
【
図26】一例示的実施形態による、
図25Aの送信デバイスのブロック図を示している。
【
図27】一例示的実施形態による、
図3、
図17、
図18、又は
図25Aのホストデバイスの中に挿入された、関連付けされていない
図6、
図13、又は
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスによって実行される方法のフローチャートを図示している。
【
図29】一例示的実施形態による、
図3、
図17、
図18、又は
図25Aのホストデバイスの中に挿入された、関連付け/ペアリングされた
図6、
図13、又は
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスによって実行される方法のフローチャートを示している。
【
図30】一例示的実施形態による、関連付け解除/ペアリング解除プロセスの間の、
図1の通信システムの外部デバイス、
図6、
図13、又は
図19の挿入型ワイヤレス通信デバイスと、
図3、
図17、
図18、又は
図25Aのホストデバイスと、の間の通信を示す流れ図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されているか、又は以下の図面に図示されている構造の詳細及び構成要素の配置の用途に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践すること、又は行うことが可能である。また、本明細書において使用される語法及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定と見なすものではないことを理解されたい。本明細書のおける「含む(including)」、「含む(comprising)」又は「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙されている項目及びそれらの均等物、並びに追加の項目を包含することを意図する。「装着された(mounted)」、「接続された(connected)」及び「結合された(coupled)」という用語は、広義に用いられ、直接的な装着、接続、結合、及び間接的な装着、接続、結合の両方を包含している。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されず、直接的又は間接的にかかわらず、電気的な接続又は結合を含むことができる。
【0011】
複数のハードウェア及びソフトウェアベースのデバイス、並びに複数の異なる構造上の構成要素を利用して、本発明を実装し得ることに留意されたい。さらに、後段で説明するように、図面に示されている具体的な構成は、本発明の実施形態を例示することを意図しており、他の代替的な構成が可能であることを意図している。「プロセッサ」「中央処理装置」及び「CPU」という用語は、特に記載のない限り、同じ意味で使用されている。「プロセッサ」又は「中央処理装置」若しくは「CPU」という用語が、特定の機能を実行するユニットを識別するものとして使用される場合、特に記載のない限り、これらの機能は、単一のプロセッサ、又は並列プロセッサ、直列プロセッサ、タンデムプロセッサ若しくはクラウド処理/クラウドコンピューティング構成を含む任意の形態で配置された複数のプロセッサによって行うことが可能であることを理解されたい。
【0012】
本出願全体を通して、様々な構成要素の寸法を記載するために、「ほぼ、およそ(approximately)」という用語が使用されている。状況によっては、「ほぼ、およそ」という用語は、記載されている寸法が記載値の1%以内、記載値の5%以内、記載値の10%以内、といったような値であることを意味する。本出願において、「及び/又は」という用語が使用される場合、それは、列挙されている構成要素の任意の組み合わせを含むことを意図している。例えば、ある構成要素がA及び/又はBを含む場合であれば、その構成要素は、A(Bなし)、B(Aなし)、又はAとBの両方を含み得る。
【0013】
図1は、通信システム100を図示している。通信システム100は、それぞれが総称的に電動工具又は電動工具デバイス104と呼ばれる電動工具デバイス104a、104b、104c、及び104dと、外部デバイス108と、を含む。通信システムは、1つ又は複数の送信デバイス106もまた含む。電動工具デバイス104a、104b、104c、104d及び送信デバイス106は、それぞれワイヤレス通信コントローラを含み、互いの通信範囲内にある間、電動工具104/送信デバイス106と、外部デバイス108との間でワイヤレス通信が可能である。電動工具デバイス104d/送信デバイス106の中には、ワイヤレス通信デバイスの挿入又は取り外しを防止する(すなわち、電動工具104/送信デバイス106の製造時に電動工具104/送信デバイス106のハウジング内に設置される)ように、ワイヤレス通信デバイスが電動工具デバイス104d/送信デバイス106に一体化されているものがある。しかしながら、他の電動工具デバイス104a、104b、104c又は送信デバイス106は、ワイヤレス通信デバイス(例えば、以下でより詳細に説明するような挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905)を収容するように構成された挿入型デバイスコンパートメント(例えば、
図4~
図7のコンパートメント405、
図19のコンパートメント1910、など)を含む。挿入型デバイスコンパートメントにより、電動工具104/送信デバイス106の製造後に、挿入型ワイヤレス通信デバイスを付属品として電動工具104/送信デバイス106に任意に追加することが可能になる。挿入型デバイスコンパートメントを含む電動工具デバイス104/送信デバイス106は、本明細書ではホストデバイス104、106と呼ばれることがある。
【0014】
いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104に任意に追加されるワイヤレス通信デバイスは、以下でより詳細に説明するように、ひとたびワイヤレス通信デバイスと係合すると、(権限を与えられたサービス担当者による場合を除き)解除することができない逆戻り防止ロックを含む。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスコンパートメントは、プレースホルダハウジング(例えば、内部の電子部品がないプラスチックハウジング、又は第1のプロトコルを使用するワイヤレス通信用に構成された回路類を含むプラスチックハウジング)を収容するように構成され、このハウジングは、電動工具の製造時に設置することができるが、後で取り外されて、必要があれば、ユーザによってワイヤレス通信デバイスと置き換える(か、又は、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルを使用するワイヤレス通信用に構成された回路類を含むハウジングと置き換える)ことができる。例えば、電動工具デバイス104/送信デバイス106は、様々な予算を有する様々なユーザによって、また、様々なプロジェクトのために購入されるので、あるユーザは電動工具デバイス104が通信機能を含むことを好む場合がある一方で、このような通信機能は他のユーザには有用でないか、又は所望されない場合がある。同様に、様々なユーザが、電動工具デバイス104/送信デバイス106のための様々なワイヤレス通信機能(例えば、Bluetooth(登録商標)を介しての短距離無線通信に対する、例えば、セルラーネットワークを介しての長距離無線通信)を望む場合がある。したがって、状況によっては、電動工具104/送信デバイス106は、様々なユーザの様々なニーズに応えるために、複数の互換性のある挿入型ワイヤレス通信デバイスのうちの任意の1つを収容するように構成されることが望ましい。
【0015】
追加的に、ユーザが電動工具デバイス104/送信デバイス106を容易に使用、運搬することができるように、電動工具デバイス104/送信デバイス106をコンパクトに設計することが望ましい場合が多い。したがって、電動工具デバイス104/送信デバイス106内では、電動工具デバイス104/送信デバイス106が他のデバイス(例えば、外部デバイス108及び/又はサーバ112)と通信することを可能にする通信回路類(例えば、アンテナ)を含めるための空間が限られている場合がある。このため、挿入型ワイヤレス通信デバイス(及び挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容するコンパートメント)が、電動工具デバイス104/送信デバイス106のハウジング内でわずかな空間しか消費しないように、挿入型ワイヤレス通信デバイスを比較的小さくすることが望ましい場合がある。しかしながら、一部の通信プロトコル(例えば、セルラーネットワーク上のセルラー通信)は、このようなプロトコルを使用して通信するデバイスの適切な動作を確実なものにするために、最小送信電力及び最小受信感度に関するアンテナの規格(すなわち、セルラーサービスプロバイダによって定められた最小アンテナ効率規格)を有する。
【0016】
単極(すなわち、接地面)アンテナ(例えば、4/1波長)が、電動工具デバイス104/送信デバイス106によって使用されて、本明細書で説明するようないくつかの実施形態に従って外部デバイスと通信する使用事例(例えば、
図13及び14Aのアンテナ1315)では、アンテナの接地面の長さ又は表面積がアンテナの効率に直接影響を与える。したがって、アンテナの接地面の長さ又は表面積は、最小アンテナ効率規格を満たし、且つ、適切に機能するために、少なくとも所定のサイズになるように設計することができる。例えば、適切に機能し、且つ、最小アンテナ効率規格を満たすためには、導体部分が小さいアンテナ(すなわち、小型アンテナ)は、導体部分が大きいアンテナ(すなわち、大型アンテナ)よりも大きな接地面が必要である。しかしながら、挿入型ワイヤレス通信デバイスの所望サイズが、最小アンテナ効率規格を満たすために必要な接地面の所定のサイズよりも小さい場合、技術的問題が生じる。本明細書に記載のホストデバイス104、106の実施形態は、ホストデバイス104、106のプリント回路基板(PCB)の導電層(例えば、第1のPCB605の導電層1005)を利用して、挿入型ワイヤレス通信デバイスのアンテナ用に拡張された接地面を作り出すことにより、この技術的問題に対処するものである。言いかえれば、本明細書に記載のホストデバイス104、106の実施形態により、挿入型ワイヤレス通信デバイスのアンテナは、挿入型ワイヤレス通信デバイスの小型サイズを維持しながら、最小アンテナ効率規格を満たすことが可能になる。ホストデバイス104、106及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610のいくつかの実施形態により、コンパクトな設計で、アンテナ及び対応するトランシーバ回路類の効率及び/又は無線周波数性能の向上が相応して可能になる。
【0017】
いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104a、104b、104cが挿入型デバイスコンパートメント内にワイヤレス通信デバイスを含む場合、電動工具デバイス104a、104b、104cは、ワイヤレス通信デバイスが電動工具デバイス104内に一体化して形成されているかのように、電動工具デバイス104dと同様に動作することができる。電動工具デバイス104は、電動工具の状態、電動工具の動作上の統計値、電動工具の識別、格納済みの電動工具の使用情報、電動工具のメンテナンスデータなどを通信することができる。したがって、外部デバイス108を使用すると、ユーザは、格納済みの電動工具の使用データ又は電動工具のメンテナンスデータにアクセスすることができる。この工具データを用いると、ユーザは、電動工具デバイス104がどのように使用されてきたか、メンテナンスが推奨されているか、又は過去に実施されてきたかどうかを判定し、誤作動している構成要素又はある特定の性能問題の他の理由を識別することができる。外部デバイス108は、電動工具構成、ファームウェアの更新のために、又はコマンド(例えば、作業灯の点灯、電動工具104のロックなど)を送るために、電動工具デバイス104にデータを送信することもまた可能である。外部デバイス108は、ユーザが電動工具デバイス104の動作パラメータ、安全パラメータ、選択工具モードなどを設定する(例えば、モータ速度、モータランプアップ、トルクなどといったような、電動工具104の動作モード又はパラメータを調節する)こともまた可能にする。外部デバイス108は、また、リモートサーバ112と通信してもよいし、電動工具104の構成及び/又は設定を受信してもよいし、或いは、動作データ又は他の電動工具の状態情報をリモートサーバ112に送信してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104a、104b、104cのうちのいくつかは、一体型ワイヤレス通信デバイスと、挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容するように構成された挿入型デバイスコンパートメントと、の両方を含む。いくつかの実施形態では、同じ電動工具104a、104b、104cのこれら2つのワイヤレス通信デバイスは、電動工具104a、104b、104cが外部デバイス108及び/又はサーバ112と通信できるようにするために異なる通信プロトコルを使用することができる。例えば、一体型ワイヤレス通信デバイスは、外部デバイス108との短距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))を可能にし得るが、一方、挿入型ワイヤレス通信デバイスは、長距離無線通信(例えば、サーバ112とのセルラーネットワーク上のセルラー通信、WiFiトランシーバを介しての通信、GPSトランシーバを介しての通信、及び/又は同種のもの)を可能にし得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、挿入型デバイスコンパートメント内にワイヤレス通信デバイスを含み、送信デバイス106は、送信デバイス106内に一体化して形成されたワイヤレス通信デバイスを含む送信デバイス106と同様に動作することができる。送信デバイス106は、接着剤、留め具、送信デバイス106の装着穴などを使用して、物体(例えば、梯子、バケツ、手動工具、電動工具、試験・測定装置、バッテリパック、電気掃除機、作業現場無線機、屋外電力装置、車両、それ以外の建設現場にある物体、等々)に取り付けることができる(
図25Bを参照)。送信デバイス106を使用して、送信デバイス106がそこに取り付けられている物体の位置を追跡することができる。例えば、送信デバイス106は、外部デバイス108、サーバ112、及び/又は他の外部デバイスによって受信されるようにビーコンデータを定期的に一斉同報する。ビーコンデータは、送信機識別子、ユーザ識別子、ユーザの連絡先情報、タイムスタンプ、送信デバイス106のエネルギー貯蔵デバイスの充電の状態、物体識別子(送信デバイス106がそこに取り付けられている物体を識別する)、及び他の状態情報のうちの1つ又は複数を含むことができる。次に、外部デバイス108は、ビーコンデータを外部デバイス108のメモリ上にローカルにログ記録し、追跡データをログ記録用のサーバ112に送信するか、又は、ビーコンデータのログ記録と、追跡データのサーバ112への送信と、の両方を行うことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106の一体型ワイヤレス通信デバイスは、挿入型ワイヤレス通信デバイスの対応するワイヤレス通信デバイス(例えば、Bluetooth(登録商標)トランシーバ及びアンテナ、近距離通信トランシーバ及びアンテナなど)とワイヤレスで通信するように構成することができる。言いかえれば、挿入型ワイヤレス通信デバイスは、いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106に物理的及び電気的に結合するコネクタを含まない場合がある。もっと正確に言えば、挿入型ワイヤレス通信デバイスがホストデバイス104、106のコンパートメント内にあるとき、挿入型ワイヤレス通信デバイスは、ホストデバイス104、106とワイヤレスで通信することができる。挿入型ワイヤレス通信デバイスは、次に、異なる通信プロトコル及び少なくともいくつかの異なる回路類(例えば、セルラーネットワーク上のセルラー通信、WiFiトランシーバを介しての通信、GPSトランシーバを介しての通信、及び/又は同種のもの)を使用して、且つ/又はホストデバイス104、106とワイヤレスで通信するために使用されるのと同じ通信プロトコル及び同じ回路類(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離通信など)を使用して、外部デバイス108及び/又はサーバ112とワイヤレスで通信することができる。
【0021】
外部デバイス108は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、又は電動工具デバイス104/送信デバイス106とワイヤレスで通信し、ユーザインタフェースを提供することが可能な別の電子デバイスとすることができる。外部デバイス108は、ユーザインタフェースを提供し、ユーザが工具情報にアクセスし、対話することを可能にする。外部デバイス108は、電動工具デバイス104/送信デバイス106の動作パラメータを判定し、電動工具デバイス104/送信デバイス106の機能を有効又は無効にするなどのために、ユーザ入力を受信することができる。外部デバイス108のユーザインタフェースは、ユーザが電動工具デバイス104/送信デバイス106の動作を制御及びカスタマイズするのに使い易いインタフェースを提供する。
【0022】
図1には単一の送信デバイス106が図示されているが、いくつかの実施形態では、システム100は複数の送信デバイス106を含み、それぞれが異なる物体を追跡するために使用される。同様に、
図1には単一の外部デバイス108が図示されているが、いくつかの実施形態では、システム100は、それぞれが電動工具デバイス104/送信デバイス106のうちの1つ又は複数からワイヤレス信号を受信することができ、且つ、それぞれが、例えば、セルラーネットワーク上でサーバ112と通信することができる、複数の外部デバイス108を含む。したがって、サーバ112は、1つ又は複数の外部デバイス108からの通信に基づいて、システム100内の各電動工具デバイス104/送信デバイス106の追跡データを格納し、更新する。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの電動工具デバイス104/送信デバイス106は、例えば、セルラーネットワーク上でサーバ112と(すなわち、電動工具デバイス104/送信デバイス106と、サーバ112との間の中継として外部デバイス108を使用せずに)直接通信するように構成することができる。言いかえれば、いくつかの電動工具デバイス104/送信デバイス106は、以下でより詳細に説明するように、セルラー通信機能及び全地球測位システム(GPS)機能を有することができる。
【0023】
図2に示されているように、外部デバイス108は、外部デバイス電子プロセッサ114と、短距離トランシーバ118(例えば、Bluetooth(登録商標)トランシーバ)と、ネットワーク通信インタフェース122(例えば、セルラー通信トランシーバ及びアンテナ)と、タッチディスプレイ126と、メモリ130と、を含む。外部デバイス電子プロセッサ114は、短距離トランシーバ118と、ネットワーク通信インタフェース122と、タッチディスプレイ126と、メモリ130と、に結合されている。短距離トランシーバ118は、アンテナ(図示せず)を含む場合があるか、又はアンテナに結合されているが、電動工具104及び/又は送信デバイス106内の互換性のあるトランシーバと通信するように構成されている。短距離トランシーバ118は、他の電子デバイスと通信することもまた可能である。ネットワーク通信インタフェース122は、ネットワークと通信して、リモートサーバ112との通信を可能にする。ネットワーク通信インタフェース122は、外部デバイス108がネットワークと通信することを可能にする回路類を含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークは、インターネットネットワーク、セルラーネットワーク、それ以外のネットワーク、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0024】
外部デバイス108のメモリ130は、コアアプリケーションソフトウェア134を格納する。外部デバイス電子プロセッサ114は、メモリ130内のコアアプリケーションソフトウェア134にアクセスし、それを実行して、電動工具デバイス104/送信デバイス106の構成及び動作のためにユーザから入力を受信する制御アプリケーションを起動する。外部デバイス108の短距離トランシーバ118は、電動工具104のトランシーバと互換性がある(以下でさらに詳細に説明されている)。短距離トランシーバ118により、外部デバイス108は、電動工具デバイス104及び/又は送信デバイス106と通信することが可能になる。
【0025】
リモートサーバ112は、電動工具104及び送信デバイス106から受信したデータ、並びに/又は例えば、電動工具104及び送信デバイス106から外部デバイス108が得たデータを格納することができる。リモートサーバ112は、ユーザに追加の機能性及びサービスを提供してもまたよい。一実施形態では、リモートサーバ112に情報を格納することにより、ユーザが、複数の異なるデバイス及び位置(例えば、遠隔した場所にあるデスクトップコンピュータ又はモバイル電話)から情報にアクセスすることが可能になる。別の実施形態では、リモートサーバ112は、様々なユーザから、ユーザの電動工具デバイス104/送信デバイス106に関する情報を収集し、様々な電動工具から得られた情報に基づいて、ユーザに統計又は統計的尺度を提供することができる。例えば、リモートサーバ112は、経験から得られた電動工具104の効率、電動工具104の典型的な使用法、並びに、電動工具104の他の関連する特性及び/又は尺度に関する統計を提供することができる。いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104/送信デバイス106は、追加のワイヤレスインタフェースを通して、又は電動工具デバイス104/送信デバイス106が外部デバイス108と通信するために使用するのと同じワイヤレスインタフェースで、サーバ112と直接通信するように構成されている。
【0026】
サーバ112は単数ユニットとして図示されているが、サーバ112は、一緒に、又は遠隔して配置され、1つ又は複数のネットワークを介して結合された様々なサーバで構成することができる。いくつかの実施形態では、サーバ112は、互いに通信している様々なデータベースで構成し得る追跡データベースを含む。サーバ112の電子プロセッサは、外部デバイス108、電動工具デバイス104、及び/又は送信デバイス106から追跡データを受信するために、追跡アプリケーションを実行することができる。追跡アプリケーションの実行により、サーバ112は追跡データベースを更新し、追跡データベースのデータベースクエリを受信し、それに応答することができる。追跡データベースは、電動工具デバイス104、送信デバイス106、又は挿入型ワイヤレス通信デバイスの一意の識別子;ユーザ識別子(例えば、電動工具デバイス104、送信デバイス106、又は挿入型ワイヤレス通信デバイスの所有者);ユーザの連絡先情報;タイムスタンプ;わかっている最後の位置;追跡されるデバイスのバッテリの充電の状態(例えば、コイン電池バッテリのような電動工具デバイス104のバックアップバッテリの充電の状態);他の状態情報;外部デバイス識別子(例えば、追跡されるデバイスからの通信を受信し、追跡されるデバイスの一意の識別子及び外部デバイス108の位置をサーバ112に通信した一番最近の外部デバイス108を識別する);及び位置履歴(例えば、以前のわかっている位置、タイムスタンプ、及び外部デバイス識別子を含む)のうちの1つ又は複数を含む電動工具デバイス104及び送信デバイス106の追跡データを格納する。追跡データベースは、表示器の値に基づいて、それぞれの電動工具デバイス104、送信デバイス106、及び挿入型ワイヤレス通信デバイスが「紛失した」と見なされるか、又は「紛失していない」と見なされるかを表示する紛失/非紛失表示(例えば、フラグ)もまた格納する。
【0027】
電動工具デバイス104は、1つ又は複数の特定のタスク(例えば、穴あけ、切断、固定、プレス、潤滑剤塗布、研磨、加熱、粉砕、曲げ、成形、インパクト付与、つや出し、照明、等々)を実行するように構成されている。例えば、インパクトレンチは、(例えば、ビットを駆動する)回転出力を発生させるタスクに関連し、一方でレシプロソーは、(例えば、鋸刃を押したり引いたりする)往復出力運動を発生させるタスクに関連する。特定の工具に関連するタスクは、工具の主要機能とも呼ばれることがある。
【0028】
図3に図示されている電動工具デバイス104は、インパクトレンチであり、本明細書では電動工具104と呼ばれることがあるが、本明細書で説明する実施形態は、電動工具及び/又は付属品を含む多種多様な電動工具デバイス104及び送信デバイス106(すなわち、ホストデバイス104、106)にも同様に当てはまり、これらと併せて使用することが可能である。例えば、電動工具デバイス104は、別の電動工具、試験・測定装置、電気掃除機、作業現場無線機、屋外電力設備、車両、電動工具バッテリパック、電動工具バッテリパックを充電するように構成された充電器、又は別のデバイスとすることができる。電動工具としては、ドリル、丸のこ、ジグソー、帯のこ、レシプロソー、ねじ回し、アングルグラインダ、ストレートグラインダ、ハンマー、マルチツール、インパクトレンチ、回転ハンマー、インパクトドライバ、アングルドリル、パイプカッター、グリースガン、油圧カッター、油圧クランプ、磁気ドリルなどを挙げることができる。試験・測定装置としては、デジタルマルチメータ、クランプメータ、フォークメータ、ウォールスキャナ、赤外線(IR)温度計、レーザ距離計、レーザレベル、リモートディスプレイ、絶縁試験機、水分計、熱画像装置、検査カメラなどを挙げることができる。電気掃除機としては、スティック型掃除機、手持ち型掃除機、アップライト型掃除機、カーペットクリーナ、舗装面用クリーナ、キャニスター型掃除機、ほうき型掃除機などを挙げることができる。屋外電力装置としては、送風機、チェーンソー、エッジャー、ヘッジトリマー、芝刈り機、トリマーなどを挙げることができる。他のデバイスとしては、電子キーボックス、計算機、携帯電話、ヘッドフォン、カメラ、動作感知アラーム、懐中電灯、作業灯(例えば、自立型作業灯)、気象情報表示デバイス、携帯式電源、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤ、ラジオ、及び多目的カッターを挙げることができる。いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104は、複数の上記の例によって示されているように、非電動であってもよい。
【0029】
図3に示されているように、電動工具104は、本体202(すなわち、モータハウジング部分)と、ハンドル部分204と、バッテリパック収容部分206と、選択スイッチ208と、出力駆動デバイス又は機構210と、トリガ212(又は他のアクチュエータ)と、を含む。電動工具104は、ハウジングの本体202内にあり、ロータ280及びステータ285(
図11を参照)を有するモータ214(
図11を参照)をさらに含む。ロータ280は、出力駆動デバイス又は機構210を介してハウジングの外部に出力を生ずるように配置されたモータシャフトに結合される。電動工具104のハウジング(例えば、本体202、ハンドル204、及びバッテリパック収容部分206)は、耐久性のある軽量のプラスチック材料で構成されている。駆動デバイス210は、金属(例えば、鋼)で構成されている。
図3の電動工具104の駆動デバイス210は、ソケットである。しかしながら、各電動工具104は、電動工具104に関連するタスクのために特別に設計された異なる駆動デバイス210を有する場合がある。例えば、電動ドリル用の駆動デバイス210は、ビットドライバ又はチャックを含む場合があり、一方、パイプカッター用の駆動デバイス210は、ブレード又はブレードホルダを含む場合がある。選択スイッチ208は、電動工具104の動作モードを選択するように構成されている。動作モードが異なると、速度又はトルクレベルは異なっていてもよいし、異なるパラメータのセットに基づいて電動工具104を制御してもよい。いくつかの実施形態では、選択スイッチ208は、モードパッド208である。モードパッド208により、ユーザが電動工具104のモードを選択することが可能になり、現在選択されている電動工具104のモードがユーザに表示される。
【0030】
図4は、モータ214を収納する本体202の透視斜視図である。
図4では、本体202は、電動工具104からモータ214を取り外した状態で示されている。
図4に示されているように、本体202は、本体202内のモータ214の位置の真下、且つ、ハンドル204の上方に位置するコンパートメント405を含む。コンパートメント405は、カバー410によって覆われ、密閉される場合がある。いくつかの実施形態では、コンパートメント405は、モータ214のシャフトとほぼ平行に延びる長さを有する。いくつかの実施形態では、コンパートメント405は、ハンドル204から分離された別個のアセンブリ構成要素である。いくつかの実施形態では、コンパートメント405は、コンパートメント405内に位置する1つ又は複数の構成要素(例えば、後述のプリント回路基板605及び/又は挿入型ワイヤレス通信デバイス610)が受ける振動を低減するための減衰機能(例えば、
図5B及び
図5Cを参照)を含むことができる。
【0031】
図5Aは、電動工具104のクラムシェル型ハウジングの一部を取り外したコンパートメント405の一部分の斜視図である。
図5Aに示されているように、いくつかの実施形態では、コンパートメント405は、第1のプリント回路基板(PCB)605(
図6を参照)を保持するように構成された装着部分510を含む内側部分505を含む。例えば、図示されているように、装着部分510は、PCB605を収容し、固定するチャネルを含む。いくつかの実施形態では、第1のPCB605(すなわち、ホスト側PCB)は、電動工具104の製造時にコンパートメント405に設置されるように構成されており、電動工具104を分解すること及び/又は破損させることなく、電動工具104から取り外されるようには構成されていない。言いかえれば、いくつかの実施形態では、第1のPCB605は、取り外し不可能な/永続的なPCBであるように構成されている。コンパートメント405は、(例えば、電動工具104の通信機能を提供又は強化するために)電動工具104の製造後に付属品として電動工具104に任意に追加し得る挿入型ワイヤレス通信デバイス610(
図6を参照)を収容するように構成された外側部分515もまた含むことができる。外側部分515は、コンパートメント405の両側壁に、凹み部分520を含むことができる。コンパートメント405の外側部分515の両側壁の凹み部分520は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の位置合わせレール620(
図6を参照)を収容するように構成することができる。
図5Aは、コンパートメント405をデブリから密閉するためにカバー410を本体202の後部側に固定するための留め具705(
図7を参照)を収容するように構成された留め具収容穴525もまた図示している。
【0032】
図5Aは、電動工具104のハウジングの一部(例えば、電動工具104の2つのクラムシェル型ハウジング部分)によって形成されているコンパートメント405を示しているが、いくつかの実施形態では、コンパートメント405は、電動工具104のハウジング内に位置する別個のアセンブリ構成要素(例えば、
図19~
図20Dに示されているような別個の筐体1920)である。例えば、
図5B及び
図5Cは、電動工具104のハウジング内の、コンパートメント405に関して示され、上述されているのと同じ一般的な位置に位置し得る別個のアセンブリ筐体550の透視斜視図である。
【0033】
図5Bでは、別個のアセンブリ筐体550は、第1のPCB605及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610が目に見えるように、透明であるように示されている。
図5Bに示されているように、別個のアセンブリ筐体550の外側表面は、電動工具104の動作中に、別個のアセンブリ筐体550と電動工具104のハウジングとの間の振動を吸収するための減衰部材555(例えば、ゴム緩衝材、ばね、等々)を含むことができる。減衰部材555は、電動工具104の動作中に、第1のPCB605及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610が受ける振動の量を制限することができる。
図5Bでは、2つの減衰部材555が、別個のアセンブリ筐体550のそれぞれの側面に示されているが、他の実施形態では、別個のアセンブリ筐体550が含む減衰部材555は、これよりも多くてもよいし、又は少なくてもよく、且つ/又は、
図5Bに示されている位置に加えて、別個のアセンブリ筐体550の表面上の様々な位置に減衰部材555を含んでもよい。
【0034】
図5Cでは、別個のアセンブリ筐体550は、(例えば、ゴム製の)減衰被覆体560が別個のアセンブリ筐体550の表面を覆っている状態で示されている。
図5Cには示されていないが、別個のアセンブリ筐体550は、1つ又は複数の減衰部材555をさらに含んでもまたよい。減衰被覆体560は、第1のPCB605及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610が受ける振動をさらに制限する役割を果たすことができる。
【0035】
図6は、
図5Aの透視斜視図に類似した透視斜視図であるが、第1のPCB605(すなわち、ホスト側PCB)と、挿入型ワイヤレス通信デバイス610(すなわち、挿入型デバイス)と、もまた含んでいる。
図6に示されているように、第1のPCB605は、第1のコネクタ615(すなわち、ホスト側コネクタ)に(物理的に、電気的に、又はその両方で)結合されている。例えば、第1のコネクタ615は、第1のPCB605の導電性トレースに電気的に結合され、且つ、コンパートメント405の外側部分515に面するPCB605の端部に物理的に固定された接点を含むことができる。第1のコネクタ615は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の第2のコネクタ905(すなわち、挿入型デバイスコネクタ)を収容することができる(
図9を参照)。挿入型ワイヤレス通信デバイス610は、外壁625(すなわち、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されているときの最も外側の壁)を有する外部ハウジング910を含む。
【0036】
図7は、コンパートメント405の側面切欠図であり、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されている。
図7は、カバー410によって覆われたコンパートメント405もまた示す。
図7に示されているように、カバー410は、本体202の後部側に1つ又は複数の留め具705で固定して、コンパートメント405の外側からのデブリからコンパートメント405を密閉することができる。また、
図7に示されているように、第1のPCB605及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610は、ほぼ同じ平面に延在している。したがって、第1のPCB605及び第2のPCB805(
図8及び
図9に示されているような挿入型ワイヤレス通信デバイスのハウジング910に含まれている)は、ほぼ同じ平面に延在しており、PCB605及び805の上面及び底面は、互いに平行に延在している。このような構成では、第1のPCB605の導電層1005(
図10を参照)が、第2のPCB805の導電層とほぼ同じ平面に延在し、且つ、この導電層と平行に延在している。以下でより詳細に説明するように、このような構成により、PCB605及び805の一方、又は両方が、個別に、又は組み合わせられて、挿入型ワイヤレス通信デバイス610に含まれるアンテナ(例えば、
図13及び
図14Aに示されているアンテナ1315)の接地面としての役割を果たすことが可能になる。
【0037】
図8は、第1のPCB605に電気的及び物理的に結合された挿入型ワイヤレス通信デバイス610の斜視図である。
図8に示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610のハウジング910内に第2のPCB805(すなわち、挿入型デバイスPCB)を含む。いくつかの実施形態では、第2のPCB805のアンテナ区域810は、アンテナ(例えば、
図13及び
図14Aに示されているチップアンテナのようなアンテナ1315)用に確保されている。
【0038】
図9は、第1のPCB605から切り離された、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の斜視図である。
図9に示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の第2のPCB805は、第1のPCB605の第1のコネクタ615に電気的及び物理的に結合するように構成された、第2のコネクタ905(すなわち、挿入型デバイスコネクタ)を含む。
【0039】
図10は、第1のPCB605及び第1のコネクタ615の斜視図である。
図10に示されているように、第1のPCB605は、第1のPCB605の表面積全体にわたって延在する導電層1005(例えば、銅からなる層)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のPCB605は、第1のPCB605の上面と、底面との間に挟まれた、複数のこのような導電層を有することができる。追加的に、いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の第2のPCB805は、第1のPCB605の導電層1005に類似した1つ又は複数の導電層を含むことができる。第1のコネクタ615及び第2のコネクタ905は、それぞれ、雌形コネクタ及び雄形コネクタとして図示されているが、いくつかの実施形態では、第1のコネクタ615が雄形コネクタであり、第2のコネクタ905が雌形コネクタであるか、又は他のタイプのコネクタが使用される。いくつかの実施形態では、コネクタ615及び905は、含まれていない場合がある。このような実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されると、第1のPCB605の構成要素が第2のPCB805の構成要素とワイヤレスで通信するように構成することができる。例えば、このようなワイヤレス通信は、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、及び/又は同種のものを介して通信するように構成されたトランシーバ/アンテナを介して行うことができる。
【0040】
本明細書で前述したように、コンパートメント405により、電動工具デバイス104の製造後に付属品として、挿入型ワイヤレス通信デバイス610を電動工具デバイス104に任意に追加することが可能になる。挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されると、電動工具デバイス104は、外部デバイス108及び/又はサーバ112など、他のデバイスとワイヤレスで通信することができる。いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610をコンパートメント405の中に挿入しない限り、他のデバイスと(例えば、ワイヤレスで)通信することができない場合がある。他の実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されないとき、電動工具デバイス104は、第1の通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)のような短距離無線通信)を使用して、他のデバイスとワイヤレスで通信するように構成することができる。このような実施形態では、コンパートメント405の中に挿入されるとき、挿入型ワイヤレス通信デバイス610は、追加的又は代替的に、電動工具デバイス104が、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコル(例えば、セルラーネットワーク上のセルラー通信のような長距離無線通信)を使用して、他のデバイスとワイヤレスで通信することを可能にし得る。したがって、挿入型ワイヤレス通信デバイス610は、電動工具デバイス104の通信機能を拡張するように構成される。
【0041】
図17~
図23は、挿入型ワイヤレス通信デバイス、及びこの挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容するように構成されたホストデバイスのコンパートメントの別の実施形態を図示している。
図17に示されているように、電動工具1705(すなわち、ホストデバイス)は、
図3の電動工具104と同じ構成要素のうちの多くを含む。
図3の電動工具104の構成要素についての本明細書の説明は、以下で説明する相違点を除き、電動工具1705の同様の名称が付された構成要素に当てはまる。挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610と同じ構成要素のうちの多くを含む。挿入型ワイヤレス通信デバイス610の構成要素についての本明細書の説明は、以下で説明する相違点を除き、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の同様の名称が付された構成要素にもまた当てはまる。
図17に図示されている電動工具1705は圧着工具であるが、本明細書で説明する実施形態は、
図3の電動工具104に関して上記で説明したのと同様のやり方で、電動工具及び/又は付属品を含む多種多様な電動工具デバイス104及び送信デバイス106(すなわち、ホストデバイス)に同様に当てはまり、これらと併せて使用することができる。
【0042】
図17に示されているように、圧着工具1705は、本体1710(すなわち、モータハウジング部分)と、ハンドル部分1715と、バッテリパック収容部分1720と、出力駆動デバイス又は機構1725と、1つ又は複数のトリガ1730(又は他のアクチュエータ)と、を含む。
図17には示されていないが、圧着工具1705は、上記で説明したような電動工具104の選択スイッチ208に類似した選択スイッチを含むことができる。圧着工具1705は、ハウジングの本体1710内にあり、ロータ280及びステータ285(
図11を参照)を有するモータ214(
図11を参照)をさらに含む。圧着工具1705のハウジング(例えば、本体1710、ハンドル1715、及びバッテリパック収容部分1720)は、耐久性のある軽量のプラスチック材料で構成されている。圧着工具1705の駆動デバイス1725は、一組の圧着顎である。しかしながら、本明細書で先に説明したように、電動工具デバイスが異なると、電動工具デバイスに関連するタスクのために特別に設計される駆動デバイスも異なる場合がある。
図17に示されているように、以下でより詳細に説明するように、圧着工具1705は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を収容するように構成されたコンパートメント1910を覆うように構成されたカバー1735を含む(
図19を参照)。
【0043】
図18は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を収容するように構成されたコンパートメント1910を覆うように構成されたカバー1810を含む別のホストデバイス1805(例えば、電動工具)を図示している。
図18に示されているように、電動工具1805は、
図3の電動工具104及び
図17の電動工具1705とは異なるタイプの電動工具であり、電動工具104及び1705とは異なる位置(例えば、電動工具1805のハンドル部分1815及び本体部分(図示せず)に接続された電動工具1805のベース部分の側)に、コンパートメント1910及びカバー1810を含む。
【0044】
図19は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905(すなわち、挿入型デバイス)を収容するように構成されたコンパートメント1910を含む圧着工具1705の本体1710の一部分の透視切欠図である。
図19に示されているように、本体1710のハウジングは、コンパートメント1910内で筐体1920を保持するように構成された様々な装着部分1915を含む。コンパートメント1910は、圧着工具1705の本体1710の下側部分(例えば、ハンドル1715の上方の平面上、且つモータの真下、又は本体1710のポッティングボート(potting boat)1925に位置する電源/FET PCBの真下)に位置しているが、他の実施形態又は他のホストデバイスでは、コンパートメント1910は、本明細書で先に説明したように、他の場所に位置してもよい(例えば、
図18を参照)。
【0045】
図20A~
図20Dは、筐体1920の様々な図を示している。
図20Aは、筐体1920の底部透視斜視図であり、筐体1920の内部に収納された構成要素が目に見えるように、筐体1920の壁が透明であるように示されている。
図20Bは、筐体1920及び筐体1920の内部に収納された構成要素の底部分解斜視図である。
図20Cは、筐体1920の上部斜視図であり、筐体はワイヤ開口部2003を含む。
図20Dは、筐体1920の側面縦断面図であり、筐体1920の内部に収納された構成要素が目に見えるように、筐体1920の壁が透明であるように示されている。
図20A、
図20C、及び
図20Dに示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、筐体1920の中に挿入されている。
【0046】
筐体1920の外側端部2005は、筐体1920が圧着工具1705に設置されるとき、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を収容するように構成されている。外側端部2005に対向する位置にある筐体1920の内側端部2010は、圧着工具1705の製造中にホスト側PCB2015を収容するように構成されている。ホスト側PCB2015は、本明細書で先に説明した電動工具104の第1のPCB605に類似している。第1のPCB605に関して本明細書で先に説明した詳細は、ホスト側PCB2015にもまた当てはまる。例えば、ホスト側PCB2015は、(挿入型ワイヤレス通信デバイス610の第2のコネクタ905に類似した)挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の挿入型デバイスコネクタ2025に(物理的に、電気的に、又はその両方で)結合するように構成された、(第1のPCB605の第1のコネクタ615に類似した)ホスト側コネクタ2020を含む。いくつかの実施形態では、コネクタ2020及び2025は含まれない場合があり、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されるときに、ホスト側PCB2015の構成要素は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905とワイヤレスで通信するように構成することができる。ホスト側PCB2015が筐体1920に設置された後、筐体1920の内側端部2010がワイヤキャップ2030によって密閉される。ワイヤキャップ2030は、圧着工具1705のハウジングの内部からデブリが筐体1920に入るのを防止することができる。いくつかの実施形態では、筐体1920は、
図5Aの装着部分510に類似した装着部分を含む。筐体1920は、ホスト側PCB2015、及び/又は挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の挿入型デバイスPCB2035を保持するように構成されたチャネルを含む装着部分を含むことができる。
【0047】
図20Cに示されているワイヤ開口部2003により、ワイヤが筐体1920から出て、圧着工具1705のハウジングの内部の他の電気部品(例えば、圧着工具1705のモータ214、電動工具バッテリパック、又はコイン電池を含むエネルギー貯蔵デバイスなど、といったような電源を制御するように構成された電子プロセッサ226)に接続されることが可能になる。いくつかの実施形態では、ワイヤ開口部2003は、筐体1920の内側端部2010の開口部よりも小さい。したがって、ホスト側PCB2015に接続されるワイヤは、内側端部2010の開口部から外に配線されるのではなく、ワイヤ開口部2003を経由して配線することができる。代わりに、内側端部2010の開口部をワイヤキャップ2030で密閉して、筐体の内側端部2010の開口部を経由してワイヤを延在させることに比べて、侵入流体防止策を強化することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ開口部2003から外にワイヤを配線させると、圧着工具1705内の空間の節約になる。筐体アセンブリが筐体1920の内側端部2010の開口部から外にワイヤが配線される場合よりも長さが短くなるからである。とは言え、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のワイヤを筐体1920の内側端部2010の開口部から外に配線させてもよい。
【0048】
図20Dに示されているように、ホスト側PCB2015及び挿入型デバイスPCB2035は、本明細書で先に説明した電動工具104の第1のPCB605及び第2のPCB805に類似した、ほぼ同じ平面に延在している(
図7を参照)。このような構成では、ホスト側PCB2015の導電層2040は、挿入型デバイスPCB2035の導電層2045とほぼ同じ平面に延在し、且つ、この導電層と平行に延在することができる。以下でより詳細に説明するように、このような構成により、PCB2015及び2035の一方、又は両方が、個別に、又は組み合わせられて、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905に含まれるアンテナ(例えば、
図20D、
図21、及び
図23に示されているチップアンテナ/導電体2105を含むアンテナ1315)の接地面としての役割を果たすことが可能になる。
【0049】
図20E及び
図20Fは、一実施形態による、筐体1920の異なる底部透視斜視図を示している。
図20E及び
図20Fでは、筐体1920の壁は、以下で説明する筐体1920の内部の特徴が目に見えるにように、透明であるように示されている。
図20E及び
図20Fに示されているように、筐体1920は、筐体1920の側壁に位置し、PCB2015及び2035の縁部を収容し、誘導するように構成された1つ又は複数のチャネル2050を含むことができる。チャネル2050は、製造中にホスト側PCB2015が筐体1920の中に過剰に挿入されることを防止し、且つ/又は、ユーザによって挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に過剰に挿入されることを防止する端壁2055を含むことができる。
【0050】
図21は、ホスト側PCB2015に電気的及び物理的に結合された挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の底部透視斜視図である。
図22は、一例示的実施形態による、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の部分的な分解底部斜視図である。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されるとき、筐体1920の外側端部2005の近くに位置するチップアンテナ2105(すなわち、アンテナ1315の導電体部分)を含む。
図21に示されているように、挿入型デバイスPCB2035は、他の電子部品も同様に含む。例えば、挿入型デバイスPCB2035は、
図14A~
図14Jに示されているように、Bluetooth(登録商標)トランシーバ/コントローラ、アンテナ1315又は別のアンテナなどを介してのワイヤレス通信を可能にするように構成された他の電子プロセッサ/集積回路を含むことができる。
図21は、PCB2015及び2035の底面に装着された構成要素を図示しているが、いくつかの実施形態では、構成要素は、追加的又は代替的に、PCB2015及び2035の上面に装着してもよい。
【0051】
図21は、標識、例えば、アンテナ1315の接地面2107の寸法を含む。例えば、ホスト側PCB2015は、およそ34ミリメートルの長さとすることができ、ホスト側PCB2015の導電層2040が、アンテナ1315の接地面2107の一部分を形成することができる。同様に、挿入型デバイスPCB2035のおよそ41ミリメートルの導電層2045を使用して、アンテナ1315の接地面2107の残りの部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、およそ41ミリメートルよりも長く、挿入型デバイスPCB2035の一部分(例えば、筐体1920の外側端部2005に隣接した部分)が、アンテナ1315の接地面2107の一部分としては使用されない。
【0052】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されるとき、筐体1920の外側端部2005の近くに位置するエンドキャップ2110を含む。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されるとき、エンドキャップ2110の外側表面は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が収容されている筐体1920の開口部とほぼ同じ高さに位置している(
図20Dを参照)。いくつかの実施形態では、エンドキャップ2110は、例えば、ユーザが挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を落としたような状況でチップアンテナ2105を保護するために、チップアンテナ2105に隣接して位置している。
図20D及び
図21に示されているように、挿入型デバイスPCB2035の表面に垂直な方向のエンドキャップ2110の高さは、挿入型デバイスPCB2035の表面に垂直な方向のチップアンテナ2105の高さよりも高くなっている。同様に、挿入型デバイスPCB2035の表面に垂直な方向のコネクタ2025の高さは、挿入型デバイスPCB2035の表面に垂直な方向のチップアンテナ2105の高さよりも高くなっている。したがって、ユーザが挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を落とした場合、チップアンテナ2105は、挿入型デバイス1905が着地するほぼ平坦な表面(例えば、床)に、平坦な表面との衝突時の挿入型デバイス1905の向きにかかわらず、直接衝突しないはずである。もっと正確に言えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を落とした場合、挿入型デバイスPCB2035の上側、挿入型デバイスPCB2035の側部/縁部、コネクタ2025、又はエンドキャップ2110のうちの1つが、平坦な表面に衝突することになる。
【0053】
図22に示されているように、エンドキャップ2110は、挿入型デバイスPCB2035の穴を通して互いに結合して、エンドキャップ2110を形成するように構成された上側部分2115a及び下側部分2115bを含むことができる。いくつかの実施形態では、エンドキャップ2110の高さは、挿入型デバイスPCB2035と、圧着工具1705の他の構成要素との間にある一定量の空間を提供するように設計されている。言いかえれば、エンドキャップ2110は、エンドキャップ2110の高さが、例えば、挿入型デバイスPCB2035と、圧着工具1705に接続された電動工具バッテリパックの電極との間に、最小限必要な量の空間(例えば、5ミリメートル)を提供するようなサイズにすることができる。エンドキャップ2110があれば、エンドキャップ2110が存在しない場合よりも、(例えば、挿入型デバイス1905の挿入又は取り外し時に)ユーザが挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を掴み易くなることもまた可能にし得る。エンドキャップ2110は、挿入型デバイス1905の挿入又は取り外し時に、ユーザが、コンパートメント1910内に、例えば、指又は他の物体を挟んだり、挿入したりすることを防止することもまた可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、エンドキャップ2110を通って延在するように構成された突出タブ2120を含む。いくつかの実施形態では、突出タブ2120は、筐体1920から外に延在するように構成されている(
図20A、
図20C、及び
図20Dを参照)。突出タブ2120は、筐体1920から挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を取り外すために使用されるように構成することができる。突出タブ2120は、
図22では概して矩形形状を有するが、いくつかの実施形態では、突出タブ2120は、角が丸くなっているか、又は丸味を帯びて部分的な円又は部分的な楕円形状になっている。いくつかの実施形態では、突出タブ2120の縁部は面取りされている。いくつかの実施形態では、筐体1920から挿入型ワイヤレス通信デバイス1905を取り外すためにユーザが掴んだり、引いたりするためのリボン、テープ、又はロープ(例えば、ナイロン製ロープ)が、突出タブ2120に接続されている。
【0055】
図19、
図20B、及び
図22に示されているように、挿入型デバイスPCB2035の一部分は、挿入型デバイスPCB2035に装着された少なくともいくつかの構成要素上に、低圧成形2205(例えば、プラスチッ成形)を含むことができる。例えば、低圧成形2205は、挿入型デバイスPCB2035の底面のすべての構成要素にわたって位置することができる。低圧成形は、挿入型デバイスPCB2035の上面を包み込み、挿入型デバイスPCB2035の底面よりも、被覆する挿入型デバイスPCB2035の上面の区域を少なくするか、又は構成要素を少なくすることができる(
図19を参照)。
図19、
図20B、及び
図22に示されているように、低圧成形2205は、挿入型デバイスPCB2035を完全に包囲しなくてもよい。例えば、挿入型デバイスPCB2035の側縁部は、露出したままであってもよく、低圧成形2205から突出していてもよい。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035のこれらの側縁部は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されると、筐体1920の装着部分(例えば、チャネル)と係合する。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が筐体1920の中に挿入されない(例えば、挿入型デバイスPCB2035の側縁部が露出されている)とき、挿入型デバイスPCB2035を完全に包囲するように構成された外部ハウジングを含んでいないため、ハウジングのない挿入型デバイス1905と呼ばれる場合がある。ハウジングのない挿入型デバイス1905により、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、外部ハウジングを含む他の挿入型デバイス(例えば、
図6~
図9に示されているような外部ハウジング910を有する挿入型デバイス610)よりもコンパクトにすることが可能になる。したがって、ハウジングのない挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、ホストデバイス1705内における、通信デバイスが中に挿入されるように構成された空間の占有を小さくすることができる。いくつかの実施形態では、低圧成形2205は、被覆する挿入型デバイスPCB2035の構成要素を多くすることも、又は少なくすることもできる。いくつかの実施形態では、低圧成形2205は、存在しない場合がある。
【0056】
図23は、一実施形態による挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の複数の図を示している。
図23に示されている実施形態では、低圧成形2205は示されていない。
図23は、上面
図2305と、底面
図2310と、正面
図2315(すなわち、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905がコンパートメント1910の中に挿入されたときの圧着工具1705の前から見た)と、背面
図2320(すなわち、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905がコンパートメント1910の中に挿入されたときの圧着工具1705の後ろから見た)と、右側面
図2325(すなわち、モータシャフトに沿って圧着工具1705の正面で見たときの圧着工具1705の右側)と、左側面
図2330(すなわち、モータシャフトに沿って圧着工具1705の正面で見たときの圧着工具1705の左側)と、を含む。
図23に寸法で表示されているように、いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、長さがおよそ52ミリメートルであり、突出タブ2120と、コネクタ2025が装着されている区域と、を含んでいる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、幅がおよそ35.2ミリメートルである。他の実施形態では、挿入型デバイスPCB2035は、長さがおよそ49.4ミリメートルであり、幅がおよそ37.4ミリメートルである。
図23に表示されているように、いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905の高さは、およそ7.5ミリメートルである。いくつかの実施形態では、チップアンテナ2105が装着されている区域と対向する側の挿入型デバイスPCB2035の表面の区域は、チップアンテナ2105の正常な機能を確保するために電気部品が装着されていないキープアウト区域2335である。
【0057】
図4~
図7及び
図17~
図23に示され、上記で説明したようなコンパートメント405、1910の位置及び物理的設計、及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の物理的設計は、例であり、他の実施形態において、又は異なるホストデバイス上では、異なっている場合がある。例えば、コンパートメント405、1910は、モータ214の真下であり、且つ、ハンドル204、1715の上方にある本体202、1710に位置して示されているが、コンパートメント405、1910は、電動工具104、1705のハウジングの他の部分に位置していてもよい。例えば、コンパートメント405、1910は、ハンドル204、1715の中に、バッテリパック収容部分206、1720の中、若しくはすぐ上方(すなわち、電動工具104、1705の脚部の中)に、又は、電動工具104、1705のハウジングのそれ以外の部分に位置していてもよい。追加的に、コンパートメント405、1910は、
図4~
図7、並びに
図17及び
図19に示されている向きとは異なる方向に向けることができる(例えば、
図18を参照)。例えば、コンパートメント405、1910の開口部は、本体202、1710の後壁ではなく、本体202、1710の側壁に位置していてもよい。本明細書で先に提供されている例示的電動工具デバイス104のリストによって示されるように、電動工具デバイス104のタイプによっては、電動工具デバイス104のハウジングは、本体202、1710、ハンドル204、1715、及びバッテリパック収容部分206、1720のうちの1つ以上を含んでいない場合がある。コンパートメント405、1910は、以下でより詳細に説明するように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が、正常に機能する(例えば、通信するために使用される通信プロトコルの最小アンテナ効率規格を満たすアンテナを介して外部デバイス108及び/又はサーバ112と通信する)ことが可能であるように、電動工具デバイス104のハウジングの任意の部分に、任意の向きで位置していてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、それぞれが同じコンパートメント405、1910を含み、各ホストデバイスでハウジングの異なる部分に位置し、異なる向きにコンパートメント405、1910を有し得る複数のホストデバイス(例えば、電動工具デバイス104及び送信デバイス106)のうちのいずれか1つの中に挿入可能であるように構成されている。言いかえれば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905及びコンパートメント405、1910の物理的設計は、多くの様々なホストデバイスにわたって普遍的とすることができるが、一方、少なくともいくつかのホストデバイスに対するコンパートメント405、1910の位置及び向きは、異なっていてもよい。
【0059】
図4~
図7及び
図17~
図19は、コンパートメント405、1910を覆い、密閉するために留め具705によって固定されたカバー410、1735、1810を示しているが、いくつかの実施形態では、コンパートメント405、1910は、カバー410、1735、1810及び/又は、留め具705を含まない場合がある。例えば、カバー410、1735、1810は、留め具705の使用を含まない他のやり方で電動工具104、1705、1805に固定してもよい。例えば、カバー410、1735、1810は、コンパートメント405、1910の中に単に押し込んで、カバー410、1735、1810と、コンパートメント405、1910との間の摩擦によって固定してもよい。
図16A~
図16Cは、カバー410、1735、1810の3つの代替的実施形態を図示している。
図16Aは、固定タブ1610を含むスクイズ式スナップ嵌めカバー1605を図示している。
図16Bは、固定タブ1620を含むスライド式スナップ嵌めカバー1615を図示している。
図16Cは、ヒンジ付きゴム製プレス嵌めカバー1625を図示している。別の例示的な代替的実施形態として、電動工具104、1705、1805は、コンパートメント405、1910用のカバーを含まない場合がある。その代わりに、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、コンパートメント405、1910を密閉し、デブリがコンパートメント405、1910に入るのを防止するために、コンパートメント405、1910の中に挿入されるように構成することができる。このような実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の後部側(すなわち、外側)(すなわち、挿入型デバイス610の外壁625又は挿入型デバイス1905のエンドキャップ2110)は、電動工具104、1705のハウジングと同じ高さにあってもよい。いくつかの実施形態では、電動工具104、1705、1805は、コンパートメント405、1910に挿入されて、コンパートメント405、1910をデブリから密閉する(通信機能のない)プレースホルダ挿入型デバイスとともに販売される場合がある。後になって、ユーザが電動工具104、1705、1805の通信機能を高めたくなった場合には、ユーザは、プレースホルダ挿入型デバイスを取り外して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905をコンパートメント405、1910の中に挿入することができる。
【0060】
図4~
図7は、コンパートメント405の内部に位置する電動工具104の第1のPCB605を示し、
図20A~
図20Dは、筐体1920の内部に位置するホスト側PCB2015を示しているが、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、コンパートメント405又は筐体1920の外部に位置し、コンパートメント405若しくは筐体1920、及び/又は挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に隣接している。例えば、コンパートメント405又は筐体1920は、コンパートメント405又は筐体1920が挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905だけ、又は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905及びホスト側コネクタ615、2020だけを含むように構成されるように、
図4~
図7及び
図20A~
図20Dに示されているよりも小さい場合がある。このような代替的実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、
図4~
図7及び
図20A~
図20Dに示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905、及びコネクタ615、2020に対して、同じ一般的位置及び向きを含むことができる(すなわち、ホスト側PCB605、2015の上面及び底面と、挿入型デバイスPCB805、2035とが互いに平行に延在している状態で挿入型デバイスPCB805、2035とほぼ同じ平面に位置している)。しかしながら、ホスト側PCB605、2015、及び/又はホスト側PCB605、2015のコネクタ615、2020は、コンパートメント405又は筐体1920の外部に装着されて、位置していてもよい。
【0061】
追加的に、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、互いに対して異なる向きに位置決めすることができるが、やはり挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のアンテナの結合/拡張された接地面としての役割を果たすことができる。例えば、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035は、(
図7及び
図20Dに示されているような、互いに平行であり、且つ、一直線上にあるのとは対照的に)互いに平行だが、異なる平面に位置していてもよい。別の例として、ホスト側PCB605、2015、及び挿入型デバイスPCB805、2035は、
図4~
図7及び
図20A~
図21に示されているような、ホスト側PCB605、2015が挿入型デバイスPCB805、2035の前に位置しているのではなく、隣接して、一直線上にある向きに互いに平行に位置していてもよい。さらに別の例として、互いに平行に延在するPCB605及び805の上面及び底面とほぼ同じ平面に位置している(すなわち、互いに一直線上にある)ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035の代わりに、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されるとき、互いに垂直に配置することができる。言いかえれば、コンパートメント405、1910及び/又はホスト側PCB605、2015は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がホスト側PCB605、2015に垂直に配置されるように、各様に位置決めすることができる。
【0062】
上述したコンパートメント405、1910及び筐体1920は、例である。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、ホストデバイス内に各様に装着される。
図20A~
図20Dに示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、ハウジングがなく、
図19に示されているコンパートメント1910内に位置する筐体1920内に装着されている。ホスト側PCB2015もまた、筐体1920に装着されている。他の実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905は、外部ハウジング(例えば、
図9に示されている挿入型ワイヤレス通信デバイス610のハウジング910)を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905及びホスト側PCB2015は、筐体1920のないコンパートメント1910に位置している(例えば、
図6及び
図7に示されている挿入型ワイヤレス通信デバイス610に類似している)。筐体1920は、
図20A~
図20Dでは2つの開放端部を有するように示されているが、いくつかの実施形態では、筐体1920は、1つの開放端部だけを有する。このような実施形態では、ホスト側PCB2015は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905がその中に挿入されるように構成された同じ端部(すなわち、外側端部2005)を通して製造中に設置することができる。いくつかの実施形態では、ホスト側PCB2015は、筐体1920の中へと他のやり方で製造中に設置される。例えば、筐体1920は、複数の部分を含むことができるとともに、ドロップイン型筐体とすることができ、ホスト側PCB2015が、ドロップイン型筐体の上側からドロップイン型筐体の底部に配置できるようになる。ドロップイン型筐体は、ドロップイン型筐体を包囲するように底部に接続される上部を含むことができる。しかしながら、状況によっては、1つの開放端部、又は
図20A~
図20Dに示されているような2つの開放端部を有する単体構成の筐体1920が、侵入流体が筐体1920に入る可能性のある場所を縮小するのに好適である。筐体1920に関する追加的な設計上の特徴は、
図5B及び
図5Cに関して本明細書で先に説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ615、905、2020、2025は、図に示されているものとは異なるタイプのコネクタである。本明細書で先に説明したように、いくつかの実施形態では、コネクタ615、905、2020、2025は含まれておらず、ホスト側PCB605、2015の構成要素は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910に挿入されるとき、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905とワイヤレスで通信するように構成することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、本明細書で前述したもの以外のやり方でコンパートメント405、1910又は筐体1920の中に挿入され、固定され、それらのコンパートメント又は筐体から取り外される。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、プッシュ機構/タブを含むことができ、ユーザが再び挿入型デバイス610、1905の後部を押して、プッシュ機構/タブを解除させるまで、挿入型デバイス610、1905がプッシュ機構/タブによってコンパートメント405、1910又は筐体1920内に固定されるようになっている。別の例として、工具又はフックを使用して、コンパートメント405、1910又は筐体1920から挿入型デバイス610、1905を取り外すことができる。別の例として、挿入型デバイス610、1905は、ユーザによって始動されて、挿入型デバイス610、1905を取り外すように構成された、1つ又は複数のばね状のタブ/クリップを含むことができる。この例では、ばね状のタブ/クリップは、ユーザが挿入型デバイス610、1905をコンパートメント405、1910又は筐体1920の中に挿入すると、コンパートメント405、1910又は筐体1920によって強制的に内部に押しやることができる。挿入型デバイス610、1905がコンパートメントの中に挿入されれば、ばね状のタブ/クリップが外側に向かって緩められ、挿入型デバイス610、1905をコンパートメント405、1910又は筐体1920の中に固定することができる。
【0064】
図11は、一例示的実施形態による、
図3の電動工具104のブロック図を示している。
図11及び通信システム100におけるデバイスの機能の詳細の以下の説明は、
図3の電動工具104に対応する参考番号を含んでいるが、以下の説明は、
図3に示されている電動工具104に当てはまり、また、
図17に示されている圧着工具1705、
図18に示されている電動工具1805、又は、本明細書で先に説明したように、挿入型ワイヤレスデバイス610、1905用のホストデバイスとして作用する別の電動工具デバイスにも同様に当てはまる。
図11に示されているように、電動工具104は、ロータ280及びステータ285を含むモータ214を含む。モータ214は、駆動デバイス210を始動させ、駆動デバイス210が特定のタスクを実行することが可能になる。例えば、モータ214は、直接駆動シャフトコネクタを介して、又は送信を介して駆動デバイス210、1725を駆動する。バッテリパックは、バッテリパックインタフェース222を介して電動工具104に結合し、モータ214に通電するための電力を供給する。トリガ212は、トリガスイッチ213と結合されている。トリガ212がユーザによって押し下げられると、トリガ212は、ハンドル204の方に向かう第1の方向に移動する。トリガ212がユーザによって解除されると、トリガ212は、(例えば、ばねで)付勢がかけられることで、ハンドル204から離れていく第2の方向に移動するようになっている。トリガ212がユーザによって押し下げられると、トリガスイッチ213は、アクティブ化された状態になり、これによりモータ214に通電される。トリガ212がユーザによって解除されると、トリガスイッチ213は、非アクティブ化された状態になり、モータ214の電気が切られる。
【0065】
図11に示されているように、電動工具104は、切換ネットワーク216と、センサ218と、表示器220と、電力入力ユニット224と、電子プロセッサ226と、もまた含む。バッテリパックインタフェース222は、電動工具104をバッテリパックとインタフェースする(例えば、機械的、電気的、及び通信可能に接続する)ように構成され、動作可能な機械的な構成要素(例えば、バッテリ支持構造を含むバッテリパック収容部分206)と、電気的な構成要素(例えば、端子)と、の組み合わせを含む。バッテリパックインタフェース222は、バッテリパックから受け取った電力を電力入力ユニット224に伝送する。電力入力ユニット224は、バッテリパックインタフェース222を通して受け取られ、電子プロセッサ226及びホスト側PCB605、2015に供給される電力を調整又は制御するための(例えば、ホスト側PCB605、2015の1つ又は複数の構成要素に電力を供給して、ホスト側PCB605、2015に含まれるコイン電池バッテリなどのエネルギー貯蔵デバイスを充電するため、及び/又は、バッテリパックが電動工具104に結合されるとき、ホスト側PCB605、2015が、バッテリパックから挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に電力を伝送することを可能にするための)能動的構成要素と受動的構成要素との組み合わせ(例えば、電圧降下コントローラ、電圧変換機、整流器、フィルタ、等々)を含む。
【0066】
切換ネットワーク216により、電子プロセッサ226は、モータ214の動作を制御することが可能になる。概して、トリガ212が押し下げられる(すなわち、トリガスイッチ213が閉じられる)と、バッテリパックインタフェース222から切換ネットワーク216を介して、電流がモータ214に供給される。トリガ212が押し下げられないと、電流は、バッテリパックインタフェース222からモータ214に供給されない。いくつかの実施形態では、トリガスイッチ213は、トリガの引き量(例えば、解除状態、20%の引き量、50%の引き量、75%の引き量、又は完全な押し下げ状態)を検出するセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、トリガスイッチ213によって検出されるトリガの引き量は、モータ214の所望の回転速度に関連、又は対応している。他の実施形態では、トリガスイッチ213によって検出されるトリガの引き量は、所望のトルク若しくは他のパラメータに関連、又は対応している。トリガスイッチ213からアクティブ化信号を受信する電子プロセッサ226に応答して、電子プロセッサ226は、切換ネットワーク216をアクティブ化して、モータ214に電力を供給する。切換ネットワーク216は、モータ214に対して利用可能な電流の量を制御し、これにより、モータ214の速度及びトルク出力を制御する。切換ネットワーク216は、複数の電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラトランジスタ、又はブリッジ配置の6つのFETなどの他のタイプの電気スイッチを含むことができる。電子プロセッサ226は、いくつかの実施形態では、それぞれのパルス幅変調(PWM)信号で切換ネットワーク216の連続する切換素子を駆動して、ステータ285のステータコイルを交互に駆動することで、ロータ280の回転を誘発する。
【0067】
センサ218は、電子プロセッサ226に結合され、電子プロセッサ226に電動工具104又はモータ214の異なるパラメータを表示する様々な信号を通信する。センサ218は、例えば、1つ又は複数の電流センサ、1つ又は複数の電圧センサ、1つ又は複数の温度センサ、1つ又は複数の速度センサ、1つ又は複数のホール効果センサ、等々を含む。例えば、モータ214の速度は、モータ214の回転位置を感知する複数のホール効果センサを使用して判定することができる。いくつかの実施形態では、電子プロセッサ226は、センサ218から受信した信号に応答して切換ネットワーク216を制御する。例えば、電子プロセッサ226が、センサ218から受信した情報に基づいて、モータ214の速度があまりにも急速に上昇していると判定した場合には、電子プロセッサ226は、モータ214の速度を落とすように、切換ネットワーク216内の能動スイッチ若しくは切換シーケンスを適合させるか、又は修正することができる。センサ218を介して取得したデータは、工具使用データとして電子プロセッサ226に保存することができる。
【0068】
表示器220もまた電子プロセッサ226に結合されており、電子プロセッサ226から制御信号を受信して、電源をオン・オフにするか、又はそれ以外の方法で、電動工具104の異なる状態に基づく情報を伝達する。表示器220は、例えば、1つ又は複数の発光ダイオード(「LED」)、又は表示画面を含む。表示器220は、電動工具104の条件、又はその電動工具に関連する情報を表示するように構成することができる。例えば、表示器220は、測定された電動工具104の電気的特性、電動工具104の状態、等々を表示するように構成されている。表示器220は、可聴の出力又は触覚的な出力を通してユーザに情報を伝達する素子を含んでもまたよい。
【0069】
上記で説明したように、電子プロセッサ226は、電動工具104の多種多様な構成要素に電気的及び/又は通信可能に接続されている。いくつかの実施形態では、電子プロセッサ226は、電子プロセッサ226及び/又は電動工具104内の構成要素に対して電力、動作制御、及び保護を提供する複数の電気部品及び電子部品を含む。例えば、電子プロセッサ226は、とりわけ、処理ユニット230(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は別の適切なプログラム可能デバイス)と、メモリ232と、入力ユニット234と、出力ユニット236と、を含む。処理ユニット230は、とりわけ、制御ユニット240と、算術論理ユニット(「ALU」)242と、複数のレジスタ244(
図11ではレジスタの群として示されている)と、を含む。いくつかの実施形態では、電子プロセッサ226は、レジスタ転送レベル(「RTL」)設計プロセスを通して開発されたチップなどの、半導体(例えば、フィールドプログラム可能なゲートアレイ[「FPGA」]半導体)チップ上に部分的に又は完全に実装されている。
【0070】
メモリ232は、例えば、プログラム格納区域233a、及びデータ格納区域233bを含む。プログラム格納区域233a及びデータ格納区域233bは、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、ダイナミックRAM[「DRAM」]、同期DRAM[「SDRAM」]、等々)、電気的消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、又は他の適切な磁気デバイス、光学デバイス、物理的デバイス、若しくは電子メモリデバイスなど、異なるタイプのメモリの組み合わせを含むことができる。処理ユニット230は、メモリ232に接続されており、(例えば、実行中に)メモリ232のRAMに、(例えば、概して永続的ベースで)メモリ232のROMに、又は、別のメモリ又はディスクなど別の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納することが可能なソフトウェア命令を実行する。電動工具104の実装形態に含まれているソフトウェアは、電子プロセッサ226のメモリ232に格納することができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、及び他の実行可能命令を含む。電子プロセッサ226は、メモリから、とりわけ、本明細書に記載の制御プロセス及び方法に関する命令を検索し、実行するように構成されている。電子プロセッサ226はまた、メモリ232に電動工具デバイス情報を格納するようにも構成されている。メモリ232に格納済みの電動工具デバイス情報は、(例えば、電動工具104の一意の識別子を含めた)電動工具デバイス識別情報だけでなく、電動工具104の使用に関する情報を含めた電動工具デバイスの動作上の情報、電動工具104のメンテナンスに関する情報、電動工具トリガ事象の情報、特定のモードで電動工具104を動作させるためのパラメータ情報、及び電動工具104の動作、又は保守に関連する他の情報もまた含むことができる。いくつかの実施形態では、ホストデバイス(例えば、電動工具104)のメモリに格納済みの情報は、以下でより詳細に説明するように、ホストデバイスのタイプを概して識別するプラットフォーム識別子を含む。他の構造では、電子プロセッサ226は、追加の構成要素を含んだり、もっと少ない構成要素を含んだり、又は異なる構成要素を含んだりする。
【0071】
いくつかの実施形態では、
図11に示されている電動工具104の電気部品は、電動工具104のハウジング内の1つ又は複数のPCB上に位置している。例えば、電動工具104は、ホール効果センサが(例えば、モータ214の前部側又は後部側に)位置するホールセンサPCBを含むことができる。電動工具104は、切換ネットワーク216が(例えば、ハンドル204に、ハンドル204と本体202との間に、
図19に示されている本体1710のポッティングボート1925に、又は電動工具104のハウジング内のどこか他のところに)位置する電源/FET PCBを含んでもまたよい。電動工具104は、電子プロセッサ226が(例えば、バッテリパック収容部分206に、又は電動工具104のハウジング内のどこか他のところに)位置する制御PCBを含んでもまたよい。電動工具104は、
図11のブロック図によって示されているように、これらのPCBのそれぞれにある構成要素を、他のPCBの構成要素に結合するために、ワイヤ、リボンケーブル、及び/又は同種のものを含むことができる。いくつかの実施形態では、ホールセンサPCB、電源/FET PCB、及び制御PCBのうちの1つ以上を組み合わせることで、これらのPCBのそれぞれにある構成要素が2つ以下の別個のPCBに含まれるようになっている。
【0072】
追加的に、本明細書で先に説明したように、電動工具104は、(例えば、有線接続又はワイヤレス接続を介して)挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に通信可能に結合できるように構成されたホスト側PCB605、2015を含む。いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、電動工具104のバッテリパックとは別個のエネルギー貯蔵デバイス1205を含む(
図12Aを参照)。エネルギー貯蔵デバイス1205は電動工具104のバッテリパックとは別個であるので、エネルギー貯蔵デバイス1205は、バックアップバッテリと呼ばれる場合がある。エネルギー貯蔵デバイス1205は、
図12Aに示されているように、コイン電池バッテリとすることができる。エネルギー貯蔵デバイス1205は、代替的に、別のタイプのバッテリ電池、キャパシタ、又は別のエネルギー貯蔵デバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されると、(例えば、第1のコネクタ615、2020及び第2のコネクタ905、2025を介して、又はワイヤレス電力転送を介して)挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に電力を供給するように構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205は、バッテリパックが電動工具104に取り付けられないとき、モータ214に通電するための電力、駆動デバイス210を駆動するための電力、又は電動工具の電子プロセッサ226に通電するための電力を供給せず、概して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905だけに通電する。他の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205はまた、例えば、LEDなどといったような、低出力素子にも電力を供給する。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205はまた、バッテリパックが電動工具104に結合されないとき、ホストデバイスの電子プロセッサ226が、外部デバイス108(及び/又はサーバ112)と通信できるようにするために、ホストデバイスの電子プロセッサ226にも電力を供給する。
【0073】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205は、一次(すなわち、非充電可能型)バックアップバッテリである。他の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス1205は、二次(再充電可能型)バックアップバッテリ電池又はキャパシタを含む。このような実施形態では、電動工具104に結合されたバッテリパックは、バックアップバッテリ電池又はキャパシタを再充電するための充電電力を供給する。例えば、電力入力ユニット224は、エネルギー貯蔵デバイス1205を充電するための充電回路類を含むことができる。再充電可能型セル及びキャパシタは、再充電が必要になるまでの数日間又は数週間電力を供給するサイズにすることができる。
図11は、エネルギー貯蔵デバイス1205がその上に位置するホスト側PCB605、2015にバッテリパックから受け取った電力を供給する電動工具104の構成要素として、電力入力ユニット224を示しているが、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、電力入力ユニット224に類似したそれ自身の別個の電力入力ユニットを含む。例えば、ホスト側PCB605、2015の電力入力ユニットは、バッテリパックから受け取った電力を調整又は制御するための能動的構成要素と受動的構成要素との組み合わせ(例えば、電圧降下コントローラ、電圧変換機、整流器、フィルタ、等々)を含む。
【0074】
図12Aによって示されているように、ホスト側PCB605、2015は、エネルギー貯蔵デバイス1205及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610がある特定の機能を実装できるようにするために、追加の回路類/構成要素1210を含んでもまたよい。例えば、追加の回路類/構成要素1210は、上述した別個の電力入力ユニット、状態調節回路類、又は他の同様の回路類を含むことができる。別の例として、追加の回路類/構成要素1210は、エネルギー貯蔵デバイス1205の充電の状態を監視する電圧センサと、電圧センサを監視し、エネルギー貯蔵デバイス1205の充電の状態に関する情報を電子プロセッサ226に提供する電子プロセッサと、を含むことができる。電子プロセッサ226は、表示器220を制御してエネルギー貯蔵デバイス1205の充電の状態を表示するようにしてもよいし、或いは挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を介して、エネルギー貯蔵デバイス1205の充電の状態に関する情報を外部デバイス、及び/又はサーバ112に送信してもよい。別の例として、追加の回路類/構成要素1210の電子プロセッサは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されたときを検出し、このような挿入について電子プロセッサ226に通知することができる。追加の回路類/構成要素1210は、電動工具104と、外部デバイス108及び/又はサーバ112との間の外部通信を可能にするために、電動工具104の電子プロセッサ226から、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905までの通信経路を提供してもまたよい。いくつかの実施形態では、追加の回路類/構成要素1210は、挿入型デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されるとき、ホスト側PCB605、2015が挿入型デバイス610、1905とワイヤレスで通信できるようにするために、一体型ワイヤレス通信デバイス(例えば、Bluetooth(登録商標)トランシーバ/アンテナ、近距離通信トランシーバ/アンテナなど)を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、
図12Aに示されているものよりも少ない数の構成要素、又は追加の構成要素を含む。例えば、
図12Bに示されている代わりの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、第1のコネクタ615、2020を含むことができるが、エネルギー貯蔵デバイス1205、及び追加の回路類/構成要素1210は、電動工具104のどこか他のところに位置することができる。例えば、エネルギー貯蔵デバイス1205は、バッテリパック収容部分206(電動工具104のハウジングの別個のコンパートメント内、又は制御PCB上の)に位置することができ、追加の回路類/構成要素1210は、制御PCB上に位置することができる。追加の構成要素を含むホスト側PCB605、2015の例として、ホスト側PCB605、2015は、電子プロセッサ226、切換ネットワーク216、及び/又は同種のものを含むことができる。言いかえれば、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、電動工具104の制御PCB及び/又は電源/FET PCBとしての役割を果たすことができる。代替的に、ホスト側PCB605、2015は、通常であれば制御PCB及び/又は電源/FET PCB上に含まれる構成要素のうちのいくつかを含むことができるが、このようなPCBは、それでも電動工具104内に別々に存在してもよい。追加の構成要素を含むホスト側PCB605、2015の別の例として、ホスト側PCB605、2015は、電子プロセッサ(すなわち、電動工具の電子プロセッサ226及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の電子プロセッサ1305に加えての第3の電子プロセッサ)と、アンテナ(すなわち、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のアンテナ1315に加えての第2のアンテナ)と、を含むことができる。ホスト側PCB605、2015の電子プロセッサは、第1の通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信)を介して第2のアンテナを介して、電子プロセッサ226と、外部デバイス108との間で情報を転送できるようにするために、第2のアンテナ及び電子プロセッサ226に結合することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015の電子プロセッサは、無線通信トランシーバであるように構成することができる。このような実施形態では、コンパートメント405、1910の中に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、追加的又は代替的に、電動工具104が、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコル(例えば、セルラーネットワーク上のセルラー通信のような長距離無線通信)を使用して、他のデバイスとワイヤレスで通信することを可能にし得る。したがって、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、電動工具104がいくつかのワイヤレス通信機能をすでに含む状況で、電動工具104の通信機能を拡張するように構成することができる。
【0076】
図12A及び
図12Bは、いくつかの実施形態による、長さがおよそ28ミリメートル、及び幅がおよそ30ミリメートルのホスト側PCB605、2015を表示しているが、ホスト側PCB605、2015の長さ及び/又は幅は、他の実施形態では異なっていてもよい。例えば、ホスト側PCB605、2015の長さ及び/又は幅は、以下でより詳細に説明するように、挿入型デバイスPCB805、2035のサイズに基づいて、及び特定用途のために使用される最小アンテナ効率規格に基づいて異なっていてもよい。
【0077】
電子プロセッサ226と、ホスト側PCB605、2015との間のデータ接続(例えば、通信チャネル)262を介して、電子プロセッサ226は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に通信可能に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、データ接続262は、電子プロセッサ226からホスト側PCB605、2015に接続された1つ又は複数のワイヤ(及び/又は、リボンケーブル)を含む。挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の第2のコネクタ905、2025は、ホスト側PCB605、2015に結合された第1のコネクタ615、2020と結合し、電子プロセッサ226と、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905との間の通信が、これにより可能になる。本明細書で先に説明したように、いくつかの実施形態では、コネクタ615、905、2020、2025は含まれておらず、ホスト側PCB605、2015の構成要素は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905とワイヤレスで通信するように構成することができる。
【0078】
図13は、一例示的実施形態による、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のブロック図を示している。挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905によって、電動工具104の電子プロセッサ226は、外部デバイス108及び/又はサーバ112と通信して、電動工具データ(例えば、電動工具使用データ、構成データ、メンテナンスデータなど)を送信すること、及び電動工具構成データ(例えば、特定のモードで電動工具104を動作させるための設定など)、及び電動工具の構成要素を制御するコマンド(例えば、作業灯の点灯、電動工具104のロックなど)を受信することが可能になる。挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106、1705、1805の位置を判定し、外部デバイス108、及び/又はサーバ112によって追跡/記録することもまた可能にし得る。
【0079】
図13に示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、電子プロセッサ1305と、メモリ1310と、トランシーバ1312(例えば、無線トランシーバ)と、アンテナ1315と、を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ1315は、挿入型デバイスPCB805、2035に装着された、アンテナ1315の第1の部分としての役割を果たす導電体(例えば、チップアンテナ2105、ロッド状導電体、等々)を含む単極アンテナ(すなわち、接地面アンテナ)である。アンテナ1315は、(以下でより詳細に記載するように)挿入型デバイスPCB805、2035の導電層2045、及び/又は、アンテナ1315の第2の部分(すなわち、接地面)としての役割を果たすホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040もまた含む。いくつかの実施形態では、アンテナ1315は、挿入型デバイス610のプラスチックハウジング910の表面上にプリントされているか、又は挿入型デバイス1905のエンドキャップ2110上にプリントされている金属化構造を含むレーザ直接構造化(LDS:laser direct structuring)アンテナである(すなわち、LDSアンテナは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のハウジング910又はエンドキャップ2110の中に成形されている)。例えば、LDSアンテナ1315は、挿入型デバイス610のハウジング910の外壁625(すなわち、
図6に示されているように、挿入型デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されているときの最も外側の壁)の外側表面又は内側表面上にプリントすることができる。挿入型デバイス610の外壁625は、挿入型デバイス610がコンパートメント405の中に挿入されるとき、電動工具デバイス104のハウジングの外壁に対して同じ高さに装着することができる。このような実施形態では、カバー410は、含まれていても、又は含まれていなくてもよい。いくつかの実施形態では、LDSアンテナは、費やす物理的空間が他のタイプのアンテナよりも小さくなる場合がある。いくつかの実施形態では、LDSアンテナは、挿入型デバイス610のハウジング910の異なる壁の外側表面又は内側表面上にプリントすることができる。
【0080】
アンテナ1315、トランシーバ1312、及び電子プロセッサ1305は一緒に動作して、外部デバイス108(及び/又はサーバ112)と、電動工具104の電子プロセッサ226との間でワイヤレスメッセージを送受信する。メモリ1310は、電子プロセッサ1305によって実装される命令を格納し、且つ/又は、電動工具104と、外部デバイス108(及び/又はサーバ112)などとの間の通信に関連するデータを格納することができる。電子プロセッサ1305は、電動工具104と、外部デバイス108(及び/又はサーバ112)との間のワイヤレス通信を制御することができる。例えば、電子プロセッサ1305は、入って来るデータ及び/又は出て行くデータを緩衝し、電動工具104の電子プロセッサ226と通信し、ワイヤレス通信で使用する通信プロトコル及び/又は設定を判定する。言いかえれば、電子プロセッサ1305は、電動工具の電子プロセッサ226からデータを受信し、トランシーバ1312及びアンテナ1315を介して、情報を外部デバイス108(及び/又はサーバ112)に中継するように構成されている。同様のやり方で、電子プロセッサ1305は、トランシーバ1312及びアンテナ1315を介して、外部デバイス108(及び/又はサーバ112)から情報(例えば、構成及びプログラミング情報)を受信し、情報を電動工具の電子プロセッサ226に中継するように構成されている。したがって、いくつかの実施形態では、電子プロセッサ1305は、1つ又は複数の無線トランシーバとして機能する(すなわち、いくつかの実施形態では、トランシーバ1312の機能性が電子プロセッサ1305に含まれている場合がある)。他の実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、それ自身の電子プロセッサ(例えば、
図14Aを参照)をそれぞれが含むか、又は電子プロセッサ1305と通信する複数の別個のトランシーバ1312(例えば、無線トランシーバ)を含み、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が異なる通信プロトコルを使用してアンテナ1315を介して通信できるようにしてもよい。本明細書で先に説明したように、いくつかの実施形態では、コネクタ615、905、2020、2025は含まれておらず、ホスト側PCB605、2015の構成要素は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905とワイヤレスで通信するように構成することができる。このような実施形態では、ホスト側PCB605、2015とのこのようなワイヤレス通信は、外部デバイス108及び/又はサーバ112との通信に使用される挿入型デバイス610、1905の同じ通信プロトコル、及び/又は同じ回路類を介して行うことができる。代替的に、ホスト側PCB605、2015とのワイヤレス通信は、挿入型デバイス610、1905の、外部デバイス108及び/又はサーバ112との通信に使用されるものとは異なる通信プロトコル、及び/又は異なる回路類を介して行うことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、Bluetooth(登録商標)トランシーバ1405、1435(例えば、
図14A~
図14C及び
図14F~
図14Hに示されているようなBluetooth(登録商標)ローエナジー(BLE:Bluetooth(登録商標)Low Energy)トランシーバ1405、1435)を含む。Bluetooth(登録商標)トランシーバ1405、1435は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを採用している外部デバイス108と通信する。したがって、このような実施形態では、外部デバイス108及び電動工具104は、データを交換している間、互いの通信範囲内(すなわち、近く)にある。他の実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、異なるタイプのワイヤレスネットワーク上で他のプロトコル(例えば、Wi-Fi、セルラープロトコル、等々)を使用して通信する。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、Wi-Fiを介して、インターネット若しくはローカルエリアネットワークなどの広域ネットワークを通して通信するように、又はピコネットを通して(例えば、赤外線通信又はNFC通信を使用して)通信するように構成されたWi-Fiトランシーバ1410(
図14C及び
図14Hを参照)を含むことができる。別の例として、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、セルラーネットワーク上で通信するように構成されたセルラー通信トランシーバ1415を含むことができる。挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を介しての通信は、暗号化して、電動工具104と外部デバイス108(又はネットワーク)との間で交換されるデータを第三者から保護することができる。いくつかの実施形態では、アンテナ1315は、マルチ帯域/マルチプロトコルアンテナである。言いかえれば、異なる通信プロトコルを使用する複数のトランシーバ(例えば、
図14Aに示されているように、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、GPS、セルラー、等々)に単一のアンテナを使用することができる。このような実施形態では、各トランシーバは、それぞれのスイッチ、電力分配器、又は周波数依存インピーダンスネットワークを介してアンテナに選択的に接続することができる。
【0082】
電動工具104と外部デバイス108との間の通信機能、及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の他の機能の特定の例は、2019年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/801,975号明細書、及び2018年8月7日に出願された米国特許出願第16/056,710号明細書に含まれ、これら両方の明細書の内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、米国特許出願第16/056,710号明細書に記載されているワイヤレス通信デバイス300と同様に機能する。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、電動工具のメモリ232によって格納され、電動工具の電子プロセッサ226によって挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に提供される一意の識別情報を含む電動工具104の識別信号を定期的に一斉同報するように構成されている。電動工具104の識別信号は、次に、電動工具104の位置を追跡するために使用することができる(米国特許出願第16/056,710号明細書の
図16及び対応する説明を参照)。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、識別信号を外部デバイス108に一斉同報し、外部デバイス108は、(例えば、GNSS受信器を使用して)自身の位置を判定し、外部デバイス108の位置、及び電動工具104の識別情報をネットワーク上でサーバ112に送信する。中継として外部デバイス108を使用するこのような通信により、外部デバイス108が挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905から一斉同報された識別信号を受信すると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が外部デバイス108の通信範囲(例えば、Bluetooth(登録商標)の通信範囲)内にあることがわかるため、電動工具104のおよその位置を判定することが可能になる。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がセルラー通信機能を有する他の実施形態では(
図14A及び
図14F、又は米国仮特許出願第62/801,975号明細書の
図16に関して説明されている実施形態を参照)、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、中継として外部デバイス108を使用せずに、識別情報及び位置情報をネットワーク上でサーバ112に直接通信するように構成することができる。このような実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、その位置を判定するために、全地球測位システム(GPS)トランシーバ1420を含むことができる(
図14A及び
図14Fを参照)。このような実施形態により、電動工具104のより正確な位置判定が可能になる場合があるとともに、外部デバイス108は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905と、サーバ112との間の中継としての役割を果たす必要がない。しかしながら、このような実施形態は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905で、及びコンパートメント405、1910が位置する電動工具104の部分で、限られた空間を占有する可能性がある追加の構成要素、及び/又は大型の構成要素が、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905内に必要な場合がある。上記の実施形態には、直接追跡する目的のための、又は中継としての外部デバイス108を通して追跡する目的のための、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905と、サーバ112との間の通信を伴っているが、これらのデバイスのうちのいずれかとの間のこのような通信は、他の目的(例えば、工具の使用データを格納すること、格納済みのモード及び/又は動作パラメータを検索して、電動工具104をプログラムすること、ファームウェアの更新を検索すること、など)のためにも同様に可能である。
【0083】
中継として外部デバイス108を使用せずに、ホストデバイス104、106、1705、1805の位置を追跡する別の例として、ホストデバイス104、106、1705、1805の挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、その位置を判定するために、Wi-Fiトランシーバ1410、及びセルラー通信トランシーバ1415を使用することができる。いくつかの実施形態では、Wi-Fiトランシーバ1410は、近くのWi-Fiルータをかぎつけて、セルラー通信トランシーバを介して、近くのWi-Fiルータの情報をサーバ112に送信するように構成されている。サーバ112は、次に、Wi-Fiルータのデータを位置サービスプロバイダに送信することができる。位置サービスプロバイダは、次に、受信したWi-Fiルータの情報に基づいて、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の位置を判定する。位置サービスプロバイダは、ユーザの外部デバイス108がサーバ112と通信して、挿入型デバイス610、1905(及び挿入型デバイス610、1905がそこに取り付けられているホストデバイス104、106、1705、1805)の判定された位置にアクセスすることができるように、挿入型デバイス610、1905の判定された位置をサーバ112に送り返すことができる。
【0084】
挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が実行し得る機能の別の例として、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905により、外部デバイス108上のユーザの選択に応答して、ホストデバイス104、106、1705、1805をロックアウトすることが可能になる。言いかえれば、外部デバイス108及び/又はサーバ112は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を介して電動工具104にコマンドを送って、トリガ212の始動に応答してもモータ214が動作しないようにすることができる(米国特許出願第16/056,710号明細書の
図17及び対応する説明を参照)。このようなコマンドは、直ちにロックアウトするか、又はこの先どこかの時点でロックアウトするように、電動工具104を制御することができる。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、電動工具104に結合されたバッテリパックと、電動工具104との間で通信しないようにすることによって、又は電子プロセッサ226に命令して、トリガ212の始動に応答してモータ214を駆動しないようにするロックコマンドを電子プロセッサ226に送ることによって、電動工具104をロックアウトする(すなわち、無効にする)ことができる。挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が実行し得る機能の別の例として、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は電動工具104から電子的に取り外し不可能に構成して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を電動工具104から取り外した場合に、電動工具104が動作できないようにすることができる(米国特許出願第16/056,710号明細書の
図29~
図31及び対応する説明を参照)。
【0085】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、
図13に示されているものよりも多くの構成要素、又は少ない構成要素を含む。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は加入者識別モジュール(SIM:subscriber identity module)カードを含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905の電子プロセッサ1305は、例えば、挿入型デバイス610、1905に含まれる構成要素に基づいて、及び構成要素のうちのどれが所与の時間に機能するように制御されるかによって、ホストデバイス104、106、1705、1805のエネルギー貯蔵デバイス1205又はバッテリパックからリクエストする電流を増やしたり、減らしたりする。例えば、挿入型デバイス610、1905の電子プロセッサ1305は、ホストデバイス104、106、1705、1805の電子プロセッサ226と通信して、リクエストする電流を増やしたり減らしたりすることができる。
図13に示されているものよりも多くの構成要素、又は少ない構成要素を含む挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の別の例として、エネルギー貯蔵デバイス1205を含む電動工具104のホスト側PCB605、2015に加えて、又はそれらの代替として、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、エネルギー貯蔵デバイス1205を含むことができる。このような実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、ホスト側PCB605、2015に関して上述した別個の電力入力回路類を含んでもまたよい。
【0086】
挿入型デバイス610、1905が加速度計又は他の動作検知器を含む実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、(例えば、GPSトランシーバ1420を使用して)その位置を判定し、電子プロセッサ1305が、挿入型デバイス610、1905が移動していると判定した場合の方が、挿入型デバイス610、1905が一定期間静止したままである場合よりも頻繁に、その判定された位置を(例えば、セルラー通信トランシーバ1415及びアンテナ1315を使用してサーバ112に)送信することができる。例えば、電子プロセッサ1305が加速度計からの信号に基づく挿入型デバイス610、1905/ホストデバイス104、106、1705、1805の移動を検出しなかったときに、挿入型デバイス610、1905は、その位置を1日に1回判定し、サーバ112に提供することができる。他方では、電子プロセッサ1305が、加速度計からの信号に基づく挿入型デバイス610、1905/ホストデバイス104、106、1705、1805の移動を検出すると、挿入型デバイス610、1905は、より頻繁に(例えば、1分ごと、5分ごと、10分ごとに1回、など)その位置を判定し、提供することができる。いくつかの実施形態では、電子プロセッサ1305は、加速度計からの信号に基づく挿入型デバイス610、1905/ホストデバイス104、106、1705、1805の移動の検出に応答して、時間及び/又は位置をログ記録する。このログ記録された移動情報は、いつ及びどこで、挿入型デバイス610、1905/ホストデバイス104、106、1705、1805の動きが検出されたのかをユーザが判定できるようにするために、外部デバイス108に送信して、ユーザに表示することができる。
【0087】
図14A~
図14Jは、
図13の大まかなブロック図で表された異なる特定の構成要素を含む挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035の、異なる例示的実施形態を図示している。
【0088】
図14Aに示されているように、挿入型デバイスPCB805、2035は、チップアンテナ2105と、コネクタ905、2025と、BLEトランシーバ1405と、セルラー通信トランシーバ1415と、GPSトランシーバ1420と、を含む。いくつかの実施形態では、BLEトランシーバ1405及びセルラー通信トランシーバ1415は、無線通信トランシーバと呼ばれる場合がある。
図14Aの挿入型デバイスPCB805、2035は、他の構成要素が機能することを可能にする追加の回路類/構成要素1425(例えば、他の構成要素の仕様に従った状態調節回路類、等々)もまた含む。
図14Aの挿入型デバイスPCB805、2035は、周囲の構成要素の1つ又は複数の仕様に基づく構成要素をまったく含まないキープアウトゾーン1430もまた含む。
図14Fは、
図14Aに示されているものと同様の複数の構成要素を含む挿入型デバイスPCB805、2035の、代替的なPCBレイアウトを示している。
図14Fの挿入型デバイスPCB805、2035は、電動工具104の電力入力ユニット224と同様の機能を実行し得る電力入力ユニット1445もまた含む。
図14Fの挿入型デバイスPCB805、2035は、加入者識別モジュール(SIM)カード1450もまた含む。
【0089】
図14A及び
図14Fでは、チップアンテナ2105は、BLEトランシーバ1405、セルラー通信トランシーバ1415、及びGPSトランシーバ1420によって使用されるマルチ帯域/マルチプロトコルアンテナとすることができる。このような実施形態では、各トランシーバは、それぞれのスイッチ、電力分配器、又は周波数依存インピーダンスネットワークを介して、チップアンテナ2105に選択的に接続することができ、このような回路類は、各トランシーバ内、及び/又は追加の回路類/構成要素1425内に含まれている場合がある。他の実施形態では、トランシーバ1405、1415、及び1420のうちの1つ以上が、それ自身のアンテナを有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、チップアンテナ2105は、セルラー通信トランシーバ1415によってのみ使用することができ、挿入型デバイスPCB805、2035に含まれる他のトランシーバによって使用することができない。別の例として、BLEトランシーバ1405は、挿入型デバイスPCB805、2035の、セルラー通信トランシーバ1415とは対向する側(例えば、上側)に装着することができる。
図14Aに示されているように、いくつかの実施形態では、セルラー通信トランシーバ1415は、挿入型デバイスPCB805、2035の底面に装着することができ、挿入型デバイスPCB805、2035の上面に装着されたBLEトランシーバ1405の一部分を部分的に重ねる/覆い隠すことができる。このような実施形態では、セルラー通信トランシーバ1415と重なっていない(すなわち、セルラー通信トランシーバによって覆い隠されていない)BLEトランシーバ1405の一部分は、BLEトランシーバ1405の一体型アンテナを含む。言いかえれば、
図14Aに示されているBLEトランシーバ1405の一部分は、BLEトランシーバ1405のアンテナを表し、BLEトランシーバ1405は、挿入型デバイスPCB805、2035の、セルラー通信トランシーバ1415と対向する表面(例えば、上面)に装着されている。先の例によって示されているように、
図14A~
図14Jに示されている挿入型デバイスPCB805、2035の構成要素は、挿入型デバイスPCB805、2035の上面又は底面のいずれかに装着することができる。言いかえれば、
図14A~
図14Jは、必ずしも、挿入型デバイスPCB805、2035に示されている構成要素が、挿入型デバイスPCB805、2035の単一の表面上に位置することを示すものではない。
【0090】
図14Bは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035の別の実施形態を図示しており、挿入型デバイスPCB805、2035は、第2のコネクタ905、2025と、追加の回路類/構成要素1425と、BLEトランシーバ1435と、を含む。
図14Bに示されているように、BLEトランシーバ1435が挿入型デバイスPCB805、2035の他のどの構成要素とも重なっていない/他のどの構成要素によっても覆い隠されていないため、BLEトランシーバ1435は、
図14AのBLEトランシーバ1405よりも大きいように示されている。参照番号1425は、
図14A~
図14Jのそれぞれで追加の回路類/構成要素を表示するために使用されているが、各実施形態における追加の回路類/構成要素1425内の特定の回路類/構成要素は、(例えば、各実施形態における挿入型デバイスPCB805、2035に含まれる他の構成要素に基づいて)異なっている場合がある。
図14Gは、
図14Bに示されているものと同様の複数の構成要素を含む挿入型デバイスPCB805、2035の、代替的なPCBレイアウトを示している。
【0091】
図14Cは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035のさらに別の実施形態を図示しており、挿入型デバイスPCB805、2035は、第2のコネクタ905、2025と、追加の回路類/構成要素1425と、BLEトランシーバ1435と、Wi-Fiトランシーバ1410と、を含む。いくつかの実施形態では、Wi-Fiトランシーバ1410は、それ自身の一体型アンテナを含む。
図14Hは、
図14Cに示されているものと同様の複数の構成要素を含む挿入型デバイスPCB805、2035の、代替的なPCBレイアウトを示している。
【0092】
図14Dは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035の別の実施形態を図示しており、挿入型デバイスPCB805、2035は、第2のコネクタ905、2025と、追加の回路類/構成要素1425と、BLEと超広帯域(UWB:Ultra-Wideband)との結合型トランシーバ1440と、を含む。いくつかの実施形態では、BLEとUWBとの結合型トランシーバ1440は、それ自身の一体型アンテナを含む。
図14Iは、
図14Dに示されているものと同様の複数の構成要素を含む挿入型デバイスPCB805、2035の、代替的なPCBレイアウトを示している。
【0093】
図14Eは、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035の別の実施形態を図示しており、挿入型デバイスPCB805、2035は、第2のコネクタ905、2025と、追加の回路類/構成要素1425と、マイクロコントローラ(すなわち、電子プロセッサ1305)と、メモリ1310と、を含む。
図14Eに示されている挿入型デバイスPCB805、2035は、先に説明した実施形態のようなワイヤレス通信機能を可能にする構成要素を含んでいないが、このような挿入型デバイスPCB805、2035を含む挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を使用して、ユーザの試用、技術試験、トラブルシューティング、及び/又は同種のものの間などに、ホストデバイス動作データを収集し、ログ記録することができる。
図14Eの挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、次に、電動工具デバイス104から取り外すことができ、収集されたデータは、別個の外部デバイスによって(例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905と、パーソナルコンピュータとの間に有線通信インタフェースを有するパーソナルコンピュータを用いれば)、分析することが可能である。追加的又は代替的に、
図14Eに示されている挿入型デバイスPCB805、2035を使用して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がその中に挿入されているホストデバイス104、106、1705、1805に、追加の非ワイヤレス通信機能を加えることができる。例えば、挿入型デバイスPCB805、2035は、振動センサ、大気質センサ、ユーザが電動工具デバイス104を落としたときなどに、電動工具デバイス104の動きを検出する加速度計又はジャイロスコープ、音声制御回路類、及び/又は同種のものを含むことができる。追加の例として、
図14Eの挿入型デバイスPCB805、2035は、追加の処理能力/機能、通電している電線の存在を検出するための方法、温度及び/又は湿度センサ、及び/又は同種のものを提供することができる。別の例として、
図14Eの挿入型デバイスPCB805、2035は、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されたホストデバイス104、106、1705、1805のエネルギー貯蔵デバイス1205又はバッテリパックから電力を受け取ることによって作業区域を照らすように構成された照明デバイスを含むことができる。
図14Iは、
図14Eに示されているものと同様の複数の構成要素を含む挿入型デバイスPCB805、2035の、代替的なPCBレイアウトを示している。上記で説明した非ワイヤレス通信機能もまた、
図14A~
図14D及び
図14F~
図14Iの他の実施形態のうちの、1つ又は複数の挿入型デバイスPCB805、2035に含まれている場合がある。
【0094】
電子プロセッサ1305は、
図14A~
図14Jのすべてで示されているわけではないが、いくつかの実施形態では、
図13の電子プロセッサ1305は、
図14A~
図14Jに示されている構成要素のうちの1つ又は複数を表す。代替的に、電子プロセッサ1305は、挿入型デバイスPCB805、2035の、例えば、追加の回路類/構成要素1425に存在する場合がある。
【0095】
図14A~
図14Eに示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610の挿入型デバイスPCB805、2035の長さはおよそ32ミリメートルとすることができ、第2のPCB805の幅はおよそ30ミリメートルとすることができる。これらの寸法は、単なるに例にすぎず、状況が異なれば、異なる可能性がある(例えば、
図23に含まれる寸法を参照)。長さ及び幅が比較的小さい挿入型デバイスPCB805、2035で、挿入型デバイスPCB805、2035の導電層(例えば、銅層)をアンテナ1315(例えば、本明細書で先に説明したような4分の1波長単極/接地面アンテナ)の接地面として使用すると、アンテナ1315は、(例えば、セルラー通信の場合)適切に機能するための最小アンテナ効率規格を満たすことができない可能性がある。したがって、挿入型デバイスPCB805、2035を比較的小さいサイズだが、アンテナ1315が最小アンテナ効率規格をなおも満たすことができるサイズで維持するために、アンテナ1315は、追加的又は代替的に、電動工具104のホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040を使用して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されるときに、拡張された接地面を作り出すように構成されている。例えば、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040は、第1のコネクタ615、2020及び第2のコネクタ905、2025を介して、アンテナ1315の1つ又は複数の接地ピンに電気的に結合されるように構成されることで、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040が、アンテナ1315の接地面の少なくとも一部分としての役割を果たすようになっている。いくつかの実施形態では、挿入型デバイスPCB805、2035の導電層2045もまた、アンテナ1315の1つ又は複数の接地ピンに電気的に結合されるように構成されることで、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035の両方が、アンテナ1315の接地面の一部分を提供するようになっている。追加的に、
図7及び
図20Dに示されているように、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されるとき、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035は、互いに一直線上にあるほぼ同じ平面に延在(し、且つ、互いにほぼ平行に延在)するように構成されるとともに、アンテナ1315の接地面としての役割を一緒に果たすように構成される。このような実施形態では、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035によって提供される接地面の寸法は、およそ33ミリメートル×75ミリメートルとすることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015は、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040のみが、アンテナ1315の接地面としての役割を果たすように十分に大きく構成され、挿入型デバイスPCB805、2035の導電層2045は、たとえ挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がアンテナ1315の別の部分(すなわち、挿入型デバイスPCB805、2035に装着されたチップアンテナ/導電体2105)を含んでいても、アンテナ1315の接地面の一部としての役割を果たすことはない。他の実施形態では、挿入型デバイスPCB805、2035は、挿入型デバイスPCB805、2035の導電層2045のみが、アンテナ1315の接地面としての役割を果たし、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040は、アンテナ1315の接地面の一部としての役割を果たさないように十分に大きく構成することができる。例えば、アンテナ1315は、導電体部分を大きくしてもよいし、又はチップアンテナ2105でなくてもよく、これにより導電体部分が小さいアンテナを使用する場合、又はチップアンテナ2105を使用する場合よりも小さい接地面を使用して、効果的なワイヤレス通信を可能にし得る。
【0097】
上記の実施形態は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905に位置しているアンテナ1315の少なくとも一部分(例えば、導電体部分2105)を含んでいるが、いくつかの実施形態では、電動工具104は、アンテナ1315の少なくとも一部分(例えば、導電体部分2105)がホストデバイス104、106、1705、1805のハウジング内に含まれた状態で、製造することができる。このような実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されるとき、ホストデバイス104、106、1705、1805のアンテナ1315を介して通信するように構成されたトランシーバ回路類を含むことができる。言いかえれば、たとえホストデバイス104、106、1705、1805がこのような実施形態でアンテナ1315を含むように製造されていても、ホストデバイス104、106、1705、1805は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405、1910の中に挿入されない限り、外部デバイス108との通信を可能にするトランシーバ回路類を含まない場合がある。このような実施形態のいくつかにおいて、電動工具104のアンテナ1315の接地面は、ホストデバイス104、106、1705、1805のホスト側PCB605、2015及び挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の挿入型デバイスPCB805、2035のいずれか一方、若しくは両方によって、形成することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015及び/又は挿入型デバイスPCB805、2035の長さ及び/又は幅は、
図12A、
図12B、
図14A~
図14E、及び
図23において標識されている寸法とは異なっていてもよい。例えば、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035のうちの一方の所望のサイズ、並びに所与のアプリケーション/通信プロトコルの最小アンテナ効率規格に応じて、ホスト側PCB605、2015及び挿入型デバイスPCB805、2035のうちのもう一方の長さ及び/又は幅は、PCB605、2015及び805、2035の両方の導電層の合計の長さ及び/又は表面積が、アンテナ1315が所望のアプリケーション/通信プロトコルの最小アンテナ効率規格を満たすのに十分に大きな接地面を提供するように、相応してサイズを決め直しすることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、アンテナ1315の導電体部分2105から延在する接地面の長さが増加するにつれて、アンテナ1315の信号強度が増加する。アンテナ1315の接地面は、無線周波数電流が流れ得る任意の導電面とすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、ホスト側PCB605、2015から電動工具104の電源(例えば、バッテリパック)の接地に接続された1つ又は複数のアース線は、アンテナ1315の接地面をさらに拡張して、アンテナ1315の信号強度を向上させることができる。
図24は、ホスト側PCB605、2015から電動工具104の電源の接地に接続された1つ又は複数のワイヤ2405を使用して、さらに拡張されたアンテナ1315の接地面の図を示している。アース線2405は、無線周波数電流が流れる別の経路を提供することで、アンテナ効率及び性能を向上させる。アース線2405を使用してアンテナ1315の接地面をさらに拡張して、アンテナ効率及び性能を向上させる実施形態では、アース線2405は、金属面及び他のワイヤから離隔させて配置される。例えば、アース線2405は、金属面(例えば、モータ筐体)に巻き付けたり、(例えば、電力ワイヤを含む)他の非アース線と束ねたりしなくてもよい。なぜなら、アース線2405を金属面に巻き付けたり、アース線2405を他のワイヤと束ねたりすると、アース線2405がアンテナ1315の接地場所のさらなる拡張としての役割を果たす有効性が低下する場合があるからである。
【0100】
図15は、ホストデバイスに104、106、1705、1805が、外部デバイス108及び/又はサーバ112のような外部デバイスと通信できるようにする方法1500のフローチャートである。ブロック1505において、ホストデバイス104、106、1705、1805は、コンパートメント405、1910内に挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を収容する。ブロック1510において、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905がコンパートメント405の中に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のアンテナ1315は、ホストデバイス104、106、1705、1805のホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040に電気的に結合されることで、本明細書で先に説明したように、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040が、アンテナ1315の接地面の少なくとも一部分としての役割を果たすようにする。例えば、ホスト側PCB605、2015の導電層1005、2040は、第1のコネクタ615、2020、及び第2のコネクタ905、2025を介して、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のチップアンテナ2105の1つ又は複数の接地ピンに電気的に結合される。ブロック1515において、ホストデバイス104、106、1705、1805の電子プロセッサ226は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の電子プロセッサ1305を介して、及びアンテナ1315を介して、外部デバイス108及び/又はサーバ112に、及び/又はそれらから情報を通信する。
【0101】
電動工具デバイス104、1705、1805と同様の構成要素及び機能性を含み得る
図1の通信システム100の他のデバイスに目を向けると、
図25Aは、一例示的実施形態による送信デバイス106を図示している。いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、追跡対象の物体に送信デバイスを固定するように構成された1つ又は複数の固定素子を含む。例えば、送信デバイス106は、送信デバイス106のハウジング2510を追跡対象の物体に固定する留め具(例えば、ねじ)を収容するように構成された装着穴2505を含む。接着パッドのような他の固定素子が、いくつかの実施形態では、ハウジング2510の裏面に使用される。いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、
図25Aに示されているものとは異なる形状(例えば、矩形形状)、位置決めが異なる装着穴2505、及び追跡対象の物体に装着するための異なる固定素子のうちの1つ以上を有するハウジングを含む。
図25Bは、追跡対象の物体2515(例えば、梯子)に取り付けられた送信デバイス106を図示している。
【0102】
図26は、一例示的実施形態による、送信デバイス106のブロック図を示している。いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、電子プロセッサ2605と、メモリ2610と、エネルギー貯蔵デバイス2615(例えば、コイン電池バッテリのようなバックアップバッテリ)と、を含む。送信デバイス106は、電動工具104、1705のホスト側PCB605、2015に関して本明細書で先に説明したコネクタ615、2020もまた含む。送信デバイス106のハウジング2510は、電動工具104、1705のコンパートメント405、1910に類似したコンパートメント(例えば、筐体1920を含む)を含むことができる。したがって、送信デバイス106は、電動工具デバイス104、1705、1805と同様のやり方で挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を収容し、それらに結合するホストデバイスであるように構成されている。言いかえれば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、電動工具104、1705、1805又は送信デバイス106の中に区別なく挿入されるように構成されている。いくつかの実施形態では、送信デバイス106及び電動工具デバイス104、1705、1805は、同じ物理的設計及びコネクタ905、2025を有する複数の異なるタイプの挿入型通信デバイス610、1905のうちのいずれか1つを収容するように構成されている。例えば、
図14A~
図14Iは、同じ物理的設計及びコネクタ905、2025を有するが、機能的能力/通信機能が異なる挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を図示している。例えば、第1の挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、第1の通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))を使用する短距離無線通信を使用して、外部デバイス108とワイヤレスで通信するように構成されており、一方、第2の挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルを使用する(例えば、セルラーネットワーク上、インターネット上などで)長距離無線通信を使用して、外部デバイス108及び/又はサーバ112とワイヤレスで通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、第1の通信プロトコルを使用する短距離無線通信を使用して、外部デバイス108と通信するように追加的に構成することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、送信デバイス106の構成要素は、電動工具104、1705のホスト側PCB605、2015の構成要素に類似しているので、ホスト側PCB605、2015の構成要素の先の本明細書での説明が、送信デバイス106に当てはまる。例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が送信デバイス106に結合されるとき、エネルギー貯蔵デバイス2615が挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905の構成要素に電力を供給して、例えば、挿入型ワイヤレス通信デバイスに610、1905が外部デバイス108及び/又はサーバ112と通信できるようにする。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、送信デバイス106のメモリ2610から送信デバイス識別子を検索し、本明細書で先に説明した追跡方法に従って追跡する目的のために、送信デバイス識別子を定期的に一斉同報することができる。挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905及びホストデバイス104、1705、1805の電気部品についての先の本明細書での大まかな説明は、送信デバイス106の同様の名称が付された構成要素に当てはまる(例えば、コネクタの代わりに使用される電子プロセッサ、メモリ、エネルギー貯蔵デバイス、及びコネクタ又はワイヤレス通信構成要素の機能性についての大まかな説明)。
【0104】
いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、
図26に示されているものとは異なる配置では、よりも多くの、又は少ない電気部品を含む。例えば、送信デバイス106は、電子プロセッサ2605を含まない場合がある。別の例として、送信デバイス106は、ユーザ入力デバイス(例えば、ボタン)及び/又はユーザ出力デバイス(例えば、発光ダイオード、スピーカ、等々)を含むことができる。さらに別の例として、送信デバイス106は、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905のトランシーバによって使用されるように構成されたアンテナを含むことができる。送信デバイス106は、振動センサ、大気質センサ、加速度計又はジャイロスコープなどのような、1つ又は複数のセンサを含んでもまたよい。いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、ホスト側PCB605、2015に類似したPCBを含み、
図26の電気部品がその上に装着されている。他の実施形態では、送信デバイス106は、異なるPCB(例えば、もっと小さいPCB)を含むか、又はPCBをまったく含まない。いくつかの実施形態では、送信デバイス106の1つ又は複数の電気部品は、送信デバイス106のハウジング内に装着させ、ワイヤを介して互いに結合させることができる。いくつかの実施形態では、送信デバイス106のハウジングは、耐久性のある軽量のプラスチック材料で作られている。他のホストデバイスに関して本明細書で先に説明したように、いくつかの実施形態では、送信デバイス106は、物理的な電気コネクタを含まない場合がある。もっと正確に言えば、ホスト側PCB2015の構成要素は、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905が送信デバイス106に挿入されると、挿入型ワイヤレス通信デバイス1905とワイヤレスで通信するように構成することができる。
【0105】
任意の所与の挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905を複数の異なるホストデバイス(例えば、異なる電動工具デバイス104、及び異なる送信デバイス106)の中に挿入することができるため、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106のコンパートメント405、1910の中に挿入された後に、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106とペアリングすることができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905とホストデバイス104、106とのペアリングは、ホストデバイス104、106がコンパートメント405、1910の中に挿入され次第、生じる。例えば、たとえホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が低出力スリープモードにあっても、ホスト側PCB605、2015の構成要素は、挿入型デバイス610、1905がコネクタ615、2020に接続されていることを認識し、信号を送信して、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605を起動させる。他の実施形態では、挿入型デバイス610、1905とホストデバイス104、106とのペアリングが、ホストデバイスの電子プロセッサ226、2605が、(例えば、ユーザが、例えば、トリガ212、1730を始動させること、又は送信デバイス106のボタンを押すことによって、ホストデバイス104、106を使用しようとするのに応答して)次に起動する時まで生じない場合がある。いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は自身のエネルギー貯蔵ユニットを含んでおらず、ゆえに、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905が、本明細書で先に説明したようなエネルギー貯蔵デバイスを含むホストデバイス104、106の中に挿入されない限り、また挿入されるまでは、その位置を追跡するようには機能しない。言いかえれば、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106の中に挿入されない限り、また、挿入されるまでは、位置を追跡するためのビーコン信号を定期的に一斉同報しなくてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905及びホストデバイス104、106のそれぞれと関連付けされた同じ外部デバイス108を使用して、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106と、を互いにペアリングする。例えば、挿入型デバイス610、1905の所有者のスマートフォン及びホストデバイス104、106を所有者が使用して、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106と、を互いにペアリングすることができる。
【0107】
図27は、(ブロック2705において)ホストデバイス104、106の中に挿入された、関連付けされていない挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905によって実行される方法2700のフローチャートを図示している。言いかえれば、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106とも、別のホストデバイス104、106ともペアリング/関連付けされていない。挿入型デバイス610、1905がタスク/機能を実行すると記載される場合、挿入型デバイス610、1905の電子プロセッサ1305は、他の適切な構成要素(例えば、メモリ1310、トランシーバ1312、及びアンテナ1315)と連動してタスク/機能を実行することを理解されたい。同様に、ホストデバイス104、106、外部デバイス108、又はサーバ112が、タスク/機能を実行すると記載される場合、これらのデバイスの1つ又は複数の電子プロセッサは、他の適切な構成要素(例えば、メモリ、トランシーバ、アンテナなど)と連動してタスク/機能を実行することを理解されたい。
【0108】
ブロック2710において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106のエネルギー貯蔵デバイス1205、2615から電力を受け取り、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を一斉同報する(例えば、所定の時間間隔での定期的な一斉同報)。代わりの実施形態では、ブロック2710において、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905は、電力を受け取るが、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226が起動していない(すなわち、低出力スリープモードにある)ときには、その一意の識別子を一斉同報しない。ブロック2715において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動しているかどうかを判定する。上記で言及したように、いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905をホストデバイス104、106の中に挿入しても、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605を起動しない場合がある。挿入型デバイス610、1905は、ホスト側PCB605、2015及びコネクタ615、2020を介して電子プロセッサ226、2605から信号を受信することによって、電子プロセッサ226、2605が起動していることを判定することができる。電子プロセッサ226、2605が起動しておらず、その代わりに、低出力スリープモードにあるとき、挿入型デバイス610、1905は、電子プロセッサ226、2605が起動するまで、又は挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106から取り外されるまで、ブロック2710及び2715の繰り返しを続行する。ブロック2715において、挿入型デバイス610、1905が、電子プロセッサ226、2605が起動している(例えば、ユーザによるホストデバイス104、106のトリガ212、1730の始動に応答して起動された)ことを判定すると、方法2700は、ブロック2720に進む。
【0109】
ブロック2720において、起動されている/低出力スリープモードを終了しているホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605に応答して、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106からのホストデバイス104、106の一意の識別子をリクエストし、受信する。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106の一意の識別子をメモリ1310に格納する。例えば、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106の一意の識別子をメモリ1310の揮発性メモリ部分に格納する。この例を続けると、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106と関連付けされる前にホストデバイス104、106から取り外される場合、挿入型デバイス610、1905にはもはや電力が供給されないため、挿入型デバイス610、1905はもはや、ホストデバイス104、106の一意の識別子を格納しなくなる場合がある。
【0110】
ブロック2725において、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子をホストデバイス104、106に送信する。ブロック2730において、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子の送信に応答して、挿入型デバイス610は、ホストデバイス104、106が挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を受信したという受信確認をホストデバイス104、106から受信する。いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106は、方法2700の実行中に挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を格納しない場合がある。しかしながら、ホストデバイス104、106によって挿入型デバイス610、1905に供給される受信確認は、ホストデバイス104、106が別の挿入型デバイス610、1905とすでに関連付けされているかどうかを表示することができる。
【0111】
ブロック2735において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106からの受信確認が、ホストデバイスが別の挿入型デバイス610、1905とすでに関連付けされていることを表示しているかどうかを判定する。受信確認が、ブロック2740において、ホストデバイス104、106が別の挿入型デバイス610、1905とすでに関連付けされていることを表示しているとき、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子、ホストデバイスの一意の識別子、及び不適切なデバイス取り外しフラグを一斉同報する。いくつかの実施形態では、不適切なデバイス取り外しフラグは、挿入型デバイス610、1905が別の挿入型デバイス610、1905とすでに関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106に結合されていることを表示する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108が挿入型デバイス610、1905からこのような一斉同報されたメッセージを受信すると、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106と先に関連付けされた挿入型デバイス610、1905が、ホストデバイス104、106から不適切に(例えば、
図30に関して以下で説明するような関連付け解除方法を実行せずに)取り外されたと判定する。それに応答して、外部デバイス108は、サーバ112にメッセージを送信して、先に関連付けされたホストデバイス104、106、及び/又は挿入型デバイス610、1905が現在そこに取り付けられているホストデバイス104、106を追跡データベースにおいて欠落としてフラグを立てるように、サーバ112に命令することができる。いくつかの実施形態では、ホストデバイス104が電動工具デバイス104、1705、1805であるときに、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905にロック命令を送信して、ホストデバイス104の電子プロセッサ226に中継してもまたよい。ロック命令は、電動工具デバイス104、1705、1805の一意のパスワードと、電動工具デバイス104、1705、1805の一部又はすべての動作をさせない命令と、を含むことができる。例えば、電動工具デバイス104、1705、1805がロックされる、トリガ212、1730の始動に応答して、モータ214及び駆動デバイス210、1725は、動作しない場合がある。
【0112】
他方では、ブロック2735において、ホストデバイス104、106が別の挿入型デバイス610、1905とまだ関連付けされていないことを受信確認が表示するとき、方法2700は、ブロック2745に進む。ブロック2745において、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子、ホストデバイスの一意の識別子、及びいくつかの実施形態では、関連付けリクエストフラグを一斉同報する。不適切なデバイス取り外しフラグは、ホストデバイス104、106が別の挿入型デバイス610、1905とまだ関連付けされていないため、ブロック2745の一斉同報メッセージに含まれていない。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905から一斉同報された、不適切なデバイス取り外しフラグのないメッセージを受信している外部デバイス108に応答して、外部デバイス108は、
図28に示されているようなペアリング方法を開始して、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905を、関連付けされていないホストデバイス104、106と関連付け/ペアリングする。
【0113】
いくつかの実施形態では、ブロック2740及び2745の一斉同報メッセージは、次のいずれか1つ、すなわち、(i)挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106から取り外されるまで;(ii)ホストデバイス104、106が再び低出力スリープモードに入るまで;(iii)外部デバイス108が、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106と、を互いに関連付け/ペアリングするまで、挿入型デバイス610、1905によって定期的に一斉同報される(
図28を参照)。例えば、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106から取り外されたとき、挿入型デバイス610、1905は、エネルギー貯蔵デバイス1205、2615にもはや結合し得ないため、挿入型デバイス610、1905は、メッセージの一斉同報を止めることができる。別の例として、(例えば、ホストデバイス104、106が起動されていたときに、外部デバイス108が同報通信メッセージを受信しなかったために、又は、ユーザが外部デバイス108を使用して、
図28の関連付け/ペアリングプロセスを開始しなかったために、)挿入型デバイス610、1905及びホストデバイス104、106が関連付け/パリングされずに、ホストデバイス104、106が再び低出力スリープモードに入ったとき、方法2700は、ブロック2710に戻って、方法2700を繰り返す。言いかえれば、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイスの電子プロセッサ226が低出力スリープモードから起動するたびに、ブロック2720~2745を実行することができる。別の例として、外部デバイス108が、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905から一斉同報された、挿入型デバイス610、1905が関連付けされていないホストデバイス104、106に結合されていることを表示するメッセージを受信したとき、外部デバイス108は、
図28に示されているようなペアリング方法を開始して、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905を、関連付けされていないホストデバイス104、106と関連付け/ペアリングする。
【0114】
図28は、関連付け/ペアリングプロセスの間の、外部デバイス108、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106との間の通信を示す流れ
図2800を示している。例示的な流れ
図2800では、挿入型デバイス610、1905及びホストデバイス104、106は、互いに、又は他のデバイスと関連付け/ペアリングされておらず、ユーザは、これらのデバイスを互いに関連付け/ペアリングすることを所望している。例えば、ユーザは、外部デバイス108上のユーザ入力を介して、関連付け/ペアリングプロセスを開始することができる。
【0115】
ステップ2805において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905から一斉同報メッセージを受信し、外部デバイス108と、挿入型デバイス610、1905との間に通信接続を確立する。ステップ2810において、外部デバイスは、挿入型デバイス610、1905と暗号化ハンドシェイク(例えば、Bluetooth(登録商標)ローエナジー暗号化ハンドシェイク)を開始する。ステップ2815において、挿入型デバイス610、1905は、外部デバイス108に応答して、暗号化ハンドシェイクを完了し、外部デバイス108と、挿入型デバイス610、1905との間で暗号化された通信を有効にする。いくつかの実施形態では、ステップ2810及び2815におけるBLE暗号化ハンドシェイクは、生じない場合もあれば、挿入型デバイス610、1905と、外部デバイス108との間の最初の通信に関してのみ生じ、その後、挿入型デバイス610、1905と、外部デバイス108との間の今後の通信が、最初の通信からのBLE暗号化ハンドシェイクに基づいて暗号化される場合もある。
【0116】
ステップ2820において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905からの挿入型デバイス認証データをリクエストする。ステップ2825において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905から挿入型デバイス認証データを受信する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108は、挿入型デバイス認証データが外部デバイス108でローカルに格納済みの製品データと矛盾しないことを確認する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108は、サーバ112と通信して、挿入型デバイス認証データがサーバ112に格納済みの製品データと矛盾しないことを確認する。外部デバイス108が、挿入型デバイス認証データが、格納済みの製品データと矛盾しないことを確認すれば、挿入型デバイス610、1905は認証される(例えば、通信システム100によってサポートされた製品であると確認される)。
【0117】
次に、外部デバイス108と、ホストデバイス104、106との間でメッセージを中継する挿入型デバイス610、1905を使用して、外部デバイス108と、ホストデバイス104、106との間で同様の認証ステップが実行される。ステップ2830において、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106からのホストデバイス認証データをリクエストする。ステップ2835において、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106からホストデバイス認証データを受信する。外部デバイス108は、ホストデバイス認証データが、挿入型デバイス610、1905の認証に関して上述したやり方と同様のやり方で格納済みの製品データと矛盾しないことを確認することができる。外部デバイス108が、ホストデバイス認証データが、格納済みの製品データと矛盾しないことを確認すれば、ホストデバイス104、106は認証される(例えば、通信システム100によってサポートされた製品であると確認される)。
【0118】
ステップ2840において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905を介して、ホストデバイス104、106の管理パスワードをホストデバイス104、106に送信する。いくつかの実施形態では、送信されたホストデバイス104、106の管理パスワードは、ホストデバイス104、106の製造時に、ホストデバイス104、106のメモリ232、2610に格納済みの管理パスワードと一致する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108は、先に受信した一斉同報メッセージに含まれるホストデバイス104、106の一意の識別子を使用して、送信対象のホストデバイス104、106の管理パスワードを検索する。例えば、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106の一意の識別子を使用して、サーバ112からのホストデバイス104、106の管理パスワードをリクエストする。いくつかの実施形態では、サーバ112は、外部デバイス108が適切な許可を有する場合にのみ、外部デバイス108に管理パスワードを提供する。例えば、ホストデバイス104、106は、外部デバイス108の所有権情報がサーバ112に格納済みのホストデバイス104、106の所有権情報と一致するように、外部デバイス108上で作動しているアプリケーションに署名したエンティティによって所有されなければならない。この所有権情報は、サーバ112に先に(例えば、ホストデバイス104、106を購入次第、及び、外部デバイス108上で実行されているアプリケーションのアカウントをダウンロードし、作成次第)格納することができる。ステップ2845において、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106から、ホストデバイス104、106がホストデバイス104、106の管理パスワードを受信したという受信確認を受信する。その管理パスワードの受信に応答して、ホストデバイス104、106は、挿入型デバイス610、1905と関連付け/ペアリングされる関連付け情報を受信するように構成されている。セキュリティ目的のために、ホストデバイス104、106は、ホストデバイス104、106がその管理パスワードを受信しない限り、また受信するまでは、関連付け/ペアリング情報を受け入れないか、又は情報に作用しない場合がある。
【0119】
ステップ2850及び2855は、ステップ2840及び2845に類似しているが、外部デバイス108によって、ホストデバイス104、106の代わりに、挿入型デバイス610、1905に対して実行される。ブロック2850において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905の管理パスワードを挿入型デバイス610、1905に送信する。ステップ2855において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905から、挿入型デバイス610、1905が挿入型デバイス610、1905の管理パスワードを受信したという受信確認を受信する。その管理パスワードの受信に応答して、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106と関連付け/ペアリングされる関連付け情報を受信するように構成されている。セキュリティ目的のために、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がその管理パスワードを受信しない限り、また受信するまでは、関連付け/ペアリング情報を受け入れないか、又は情報に作用しない場合がある。
【0120】
ステップ2860aにおいて、外部デバイス108は、第1のメモリマップコマンド及び第2のメモリマップコマンドを挿入型デバイス610、1905に送信する。第1のメモリマップコマンドは、ホストデバイス104、106を対象とすることができる。したがって、ステップ2860bにおいて、挿入型デバイス610、1905は、第1のメモリマップコマンドをホストデバイス104、106に転送する。第1のメモリコマンドの受信に応答して、ホストデバイス104、106は、その関連付け状態を(例えば、メモリ232、2610内にフラグを設定することによって)「関連付けされている」に変更し、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子をメモリ232、2610内に格納する。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子は、第1のメモリマップコマンドとともに受信される。他の実施形態では、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子は、挿入型デバイス610、1905との先の通信からわかる(
図27のブロック2725及び2730を参照)。その関連付け状態を変更し、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を格納することによって、ホストデバイス104、106は、挿入型デバイス610、1905と関連付け/ペアリングされる。
【0121】
これらの関連付けタスクを実行した後、ステップ2865において、ホストデバイス104、106は、受信確認メッセージを挿入型デバイス610、1905に送信して、第1のメモリマップコマンドの受信を確認するとともに、関連付けタスクが実行されたことを確認する。ホストデバイス104、106からの受信確認メッセージの受信に応答して、挿入型デバイス610、1905は、先に受信した第2のメモリマップコマンドによって入力要求される同様の関連付けタスクを実行する。例えば、挿入型デバイス610、1905は、その関連付け状態を(例えば、メモリ1310内にフラグを設定することによって)「関連付けされている」に変更し、ホストデバイス104、106の一意の識別子をメモリ1310内に格納する。いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106の一意の識別子は、ホストデバイス104、106との先の通信からわかる(
図27のブロック2720を参照)。その関連付け状態を変更し、ホストデバイス104、106の一意の識別子を格納することによって、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106と関連付けされる。
【0122】
これらの関連付けタスクを実行した後、ステップ2870において、挿入型デバイス610、1905は、受信確認メッセージを外部デバイス108に送信して、第1のメモリマップコマンド及び第2のメモリマップコマンドの受信を確認するとともに、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905の両方によって関連付けタスクが実行されたことを確認する。挿入型デバイス610、1905からのこの関連付け受信確認メッセージの受信に応答して、外部デバイス108は、サーバ112と通信して、サーバ112のデータベース(例えば、追跡データベース)を更新して、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905が互いに関連付け/ペアリングされていることを表示する情報を格納する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108は、それ自身のメモリ130もまた更新して、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905が互いに関連付け/ペアリングされていることを表示する情報を格納する。
【0123】
挿入型デバイス610、1905及びホストデバイス104、106が互いに関連付け/ペアリングされたら、関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子ではなく、格納済みのホストデバイス104、106の一意の識別子を含むビーコン信号を定期的に一斉同報する。これらのビーコン信号は、近くの外部デバイス108によって受信することができ、本明細書で先に説明したように、位置追跡のために使用することができる。ホストデバイス104、106の位置がサーバ112の追跡データベースで更新されると、サーバ112は、ホストデバイス104、106と関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905の位置もまた更新することができる。いくつかの実施形態では、関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動しているのか、又は低出力スリープモードにあるのか、にかかわらず、いずれかのホストデバイス104、106に結合されている場合は常に、ビーコン信号を定期的に一斉同報する。
【0124】
図29は、ホストデバイス104、106の中に挿入された、関連付け/ペアリングされた挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905によって実行される方法2900のフローチャートを示している。言いかえれば、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905が現在そこに結合されているホストデバイス104、106と先にペアリング/関連付けされているか、又は別のホストデバイス104、106と先にペアリング/関連付けされている(
図28のペアリング方法2800を参照)。
【0125】
ブロック2905において、挿入型デバイス610、1905は、ビーコン信号を一斉同報する。例えば、ビーコン信号は、挿入型デバイス610、1905が関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106の一意の識別子を含む。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が、低出力スリープモードにあるときであっても、このビーコン信号を定期的に一斉同報する。
【0126】
ブロック2910において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動しているかどうかを判定する(
図27のブロック2715と同様)。電子プロセッサ226、2605が低出力スリープモードのままであるとき、方法2900は、ブロック2905に戻って、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動するまで、ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続する。ブロック2910において、挿入型デバイス610、1905が、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動したと判定すると、ブロック2915において、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106の一意の識別子をリクエストし、受信する。
【0127】
ブロック2920において、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106の、受信した一意の識別子が、挿入型デバイス610、1905が現在関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106の、格納済みの一意の識別子と一致するかどうかを判定する。言いかえれば、挿入型デバイス610、1905は、受信した一意の識別子が、挿入型デバイス610、1905がそのビーコン信号で現在一斉同報している、格納済みの一意の識別子と一致するかどうかを判定する。ブロック2920における判定により、挿入型デバイスに610、1905は、挿入型デバイス610、1905が、関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106の中にまだ挿入されているかどうか(一意の識別子が一致する場合)、又は、挿入型デバイス610、1905が、関連付け/ペアリングされていない別のホストデバイス104、106の中に挿入されているかどうか(一意の識別子が一致しない場合)、を判定することが可能になる。
【0128】
ブロック2920において、受信した一意の識別子が、格納済みの一意の識別子と一致しないとき、方法2900はブロック2925に進む。ブロック2925において、挿入型デバイス610、1905は、一斉同報されたビーコン信号を調節して、挿入型デバイス610、1905が関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106の一意の識別子ではなく、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を含むようにビーコン信号を構成する。ブロック2925において調節されたビーコン信号は、関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905が、関連付け/ペアリングされていないホストデバイス104、106に結合されていることを表示するように構成された、未認識のホストデバイスフラグもまた含む。言いかえれば、挿入型デバイス610、1905は、不適切なホストデバイス104、106に結合されており、先に関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106から関連付けが解除されていない(
図30を参照)。いくつかの実施形態では、ブロック2925におけるビーコン信号は、先に関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106の一意の識別子、及び/又は挿入型デバイス610、1905が現在そこに結合されている未認識のホストデバイス104、106の一意の識別子を含んでもまたよい。
【0129】
挿入型デバイス610、1905からのこのような一斉同報メッセージの受信に応答して、外部デバイス108は、サーバ112と通信して、先に関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106を欠落としてフラグを立てることができる。サーバ112は、次には、先に関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106の所有者の外部デバイス108に「ホストデバイスが欠落」という通知を提供することができる。いくつかの実施形態では、未認識のホストデバイスフラグ付きでビーコン信号を受信した外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905を介して、ロック命令を不適切なホストデバイス104、106に送信して、不適切なホストデバイス104、106の機能性をロック/防止する。いくつかの実施形態では、ロック命令は、サーバ112から検索され、サーバ112に格納済みの設定に基づいて送られる管理パスワードを含む。例えば、関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905が不適切なホストデバイス104、106に結合されていることを表示している外部デバイス108からの通信の受信に応答して、サーバ112は、不適切なホストデバイス104、106の所有者が、このような状況ではこのようなロック命令を送るべきであることを表示するセキュリティ設定をサーバ112に格納している場合、挿入型デバイス610、1905を介して、ロック命令を不適切なホストデバイス104、106に送信するように、外部デバイス108に命令することができる。
【0130】
ブロック2920に戻って、取り付けられたホストデバイス104、106の、受信した一意の識別子が、関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106の、格納済みの一意の識別子と一致すると、方法2900はブロック2930に進む。ブロック2930において、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子をホストデバイス104、106に送信する。同じくブロック2930において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106から、ホストデバイス104、106が挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を受信したという受信確認を受信する。いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106は、挿入型デバイス610、1905の、受信した一意の識別子を、ホストデバイス104、106が現在関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905の、格納済みの一意の識別子と比較する。この判定により、ホストデバイス104、106は、ホストデバイス104、106の中に現在挿入されている挿入型デバイス610、1905が、ホストデバイス104、106が関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905と同じであるかどうか(一意の識別子が一致する場合)、又は、関連付け/ペアリングされた挿入型デバイス610、1905が取り外されており、関連付け/ペアリングされていない挿入型デバイス610、1905が、ホストデバイス104、106の中に挿入されているかどうか(一意の識別子が一致しない場合)、を判定することが可能になる。ブロック2930におけるホストデバイス104、106から挿入型デバイス610、1905への受信確認信号は、挿入型デバイス610、1905の、受信した一意の識別子が、ホストデバイス104、106が現在関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905の、格納済みの一意の識別子と一致したかどうかの表示を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905の、受信した一意の識別子が、ホストデバイス104、106が現在関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905の、格納済みの一意の識別子と一致しないとき、ホストデバイス104、106は、セキュリティ機能としてそれ自身の動作をロック/防止する。同様に、関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動しており、(例えば、挿入型デバイス610、1905が関連付け解除/ペアリング解除プロセス(
図30を参照)を開始せずに、取り外されていたために)その関連付けされた挿入型デバイス610、1905と通信することができないとき、ホストデバイス104、106は、セキュリティ機能としてそれ自身の動作をロック/防止することができる。
【0131】
ブロック2935において、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106からの受信確認メッセージが、挿入型デバイス610、1905の、受信した一意の識別子が、ホストデバイス104、106が現在関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905の、格納済みの一意の識別子と一致することを表示しているかどうかを判定する。ホストデバイス104、106、からの受信確認メッセージが、受信した一意の識別子と、格納済みの一意の識別子とが一致しないことを表示しているとき、方法2900は、ブロック2925に進み、本明細書で先に説明したように、挿入型デバイス610、1905の、一斉同報されたビーコン信号を調節する。他方では、ホストデバイス104、106からの受信確認メッセージが、受信した一意の識別子と、格納済みの一意の識別子とが一致することを表示しているとき、方法2900は、ブロック2940に進む。ブロック2940において、挿入型デバイス610、1905は、関連付け/ペアリングされたホストデバイス104、106の一意の識別子を含むように、そのビーコン信号を構成する。このようなビーコン信号がすでに一斉同報されていた状況では、挿入型デバイス610、1905は、ビーコン信号の一斉同報を継続するだけである。同じくブロック2940において、挿入型デバイス610、1905は、低出力スリープ状態からの電子プロセッサ226、2605の起動と関連付けされた他のメッセージの送受信を継続する。
【0132】
図29に示されているように、ブロック2925又は2940を実行した後、方法2900は、ブロック2905に戻って、ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続する。例えば、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が再び低出力スリープ状態に入った後(例えば、ユーザによるトリガ212、1730の始動に応答して、電動工具デバイス104の動作を実行した後)、挿入型デバイス610、1905は、ビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続する。方法2900の繰り返しを通じて、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子と、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106の一意の識別子との最新の比較に基づいて、ビーコン信号の一斉同報を継続するように構成されている。例えば、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605が起動するたびに、挿入型デバイス610、1905は、ブロック2915~2940を(適宜)実行して、関連付け/ペアリングされている挿入型デバイス610、1905が、その適切な関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106に結合されているかどうかを判定する。この判定に基づいて、挿入型デバイス610、1905は、ブロック2925及び2940に関して説明したようにビーコン信号を構成し、次に、通信範囲内の外部デバイス108が受信するためのビーコン信号を定期的に一斉同報することを継続する。
【0133】
図30は、関連付け解除/ペアリング解除プロセスの間の、外部デバイス108、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106との間の通信を示す流れ
図3000を示している。例示的な流れ
図3000では、挿入型デバイス610、1905及びホストデバイス104、106は、先に互いに関連付け/ペアリングされており、ユーザは、これらのデバイスを関連付け解除/ペアリング解除することを所望している。例えば、ユーザは、外部デバイス108上のユーザ入力を介して、関連付け解除/ペアリング解除プロセスを開始することができる。ユーザは、多くの様々な理由で、ホストデバイス104、106から、先に関連付けされた挿入型デバイス610、1905を取り外し、関連付け解除することを所望する場合がある。例えば、ユーザは、挿入型デバイス610、1905を、最新の、又はアップグレードされた挿入型デバイス610、1905と取り替えることを所望する場合がある。別の例として、ユーザは、あらゆる無線周波数通信デバイスの使用が制限されているセキュリティ保護された職場でホストデバイス104、106を使用することを所望する場合がある。
【0134】
図30の流れ
図3000のステップの多くは、挿入型デバイス610、1905と、ホストデバイス104、106との関連付け/ペアリングプロセスを図示する
図28の流れ
図2800のステップに類似している。
図28に関するこれらのステップの上記の説明は、以下の
図30の同様のステップに当てはまる。
【0135】
ステップ3005において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905から一斉同報されたビーコンメッセージを受信し、外部デバイス108と、挿入型デバイス610、1905との間に通信接続を確立する(
図28のステップ2805と同様)。ステップ3010において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905を介して、ホストデバイス104、106の管理パスワードをホストデバイス104、106に送信する(
図28のステップ2840と同様)。ステップ3015において、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106から、ホストデバイス104、106がその管理パスワードを受信したという受信確認を受信する(
図28のステップ2840と同様)。その管理パスワードの受信に応答して、ホストデバイス104、106は、挿入型デバイス610、1905と関連付け解除/ペアリング解除される関連付け解除情報を受信するように構成されている。セキュリティ目的のために、ホストデバイス104、106は、ホストデバイス104、106がその管理パスワードを受信しない限り、また受信するまでは、関連付け解除/ペアリング解除情報を受け入れないか、又は情報に作用しない場合がある。
【0136】
ステップ3020及び3025は、ステップ3010及び3015に類似しているが、外部デバイス108によって、ホストデバイス104、106の代わりに、挿入型デバイス610、1905に対して実行される。ブロック3020において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905の管理パスワードを、挿入型デバイス610、1905に送信する(
図28のステップ2850と同様)。ステップ3025において、外部デバイス108は、挿入型デバイス610、1905から、挿入型デバイス610、1905がその管理パスワードを受信したという受信確認を受信する(
図28のステップ2855と同様)。その管理パスワードの受信に応答して、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106と関連付け解除/ペアリング解除される関連付け解除情報を受信するように構成されている。セキュリティ目的のために、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がその管理パスワードを受信しない限り、また受信するまでは、関連付け/ペアリング情報を受け入れないか、又は情報に作用しない場合がある。
【0137】
ステップ3030aにおいて、外部デバイス108は、第1のメモリマップコマンド及び第2のメモリマップコマンドを挿入型デバイス610、1905に送信する(
図28のステップ2860aと同様)。第1のメモリマップコマンドは、ホストデバイス104、106を対象とすることができる。したがって、ステップ3030bにおいて、挿入型デバイス610、1905は、第1のメモリマップコマンドをホストデバイス104、106に転送する(
図28のステップ2860bと同様)。第1のメモリコマンドの受信に応答して、ホストデバイス104、106は、その関連付け状態を(例えば、メモリ232、2610内にフラグを設定することによって)「関連付け解除されている」に変更し、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子をメモリ232、2610から消去する。その関連付け状態を変更し、挿入型デバイス610、1905の一意の識別子を消去することによって、ホストデバイス104、106は、挿入型デバイス610、1905から関連付け解除/ペアリング解除される。
【0138】
これらの関連付け解除タスクを実行した後、ステップ3035において、ホストデバイス104、106は、受信確認メッセージを挿入型デバイス610、1905に送信して、第1のメモリマップコマンドの受信を確認するとともに、関連付け解除タスクが実行されたことを確認する(
図28のステップ2865と同様)。ホストデバイス104、106からの受信確認メッセージの受信に応答して、挿入型デバイス610、1905は、先に受信した第2のメモリマップコマンドによって入力要求される同様の関連付け解除タスクを実行する。例えば、挿入型デバイス610、1905は、その関連付け状態を(例えば、メモリ1310内にフラグを設定することによって)「関連付け解除されている」に変更し、ホストデバイス104、106の一意の識別子をメモリ1310から消去する。その関連付け状態を変更し、ホストデバイス104、106の一意の識別子を消去することによって、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106から関連付け解除/ペアリング解除される。
【0139】
これらの関連付け解除タスクを実行した後、ステップ3040において、挿入型デバイス610、1905は、受信確認メッセージを外部デバイス108に送信して、第1のメモリマップコマンド及び第2のメモリマップコマンドの受信を確認するとともに、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905の両方によって関連付け解除タスクが実行されたことを確認する(
図28のステップ2870と同様)。挿入型デバイス610、1905からのこの関連付け解除受信確認メッセージの受信に応答して、外部デバイス108は、サーバ112と通信して、サーバ112のデータベースを更新して、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905が互いに関連付け解除/ペアリング解除されていることを表示する情報を格納する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108は、それ自身のメモリ130もまた更新して、ホストデバイス104、106及び挿入型デバイス610、1905が互いに関連付け解除/ペアリング解除されていることを表示する情報を格納する。
【0140】
挿入型デバイス610、1905及びホストデバイス104、106が互いに関連付け解除/ペアリング解除されたら、挿入型デバイス610、1905は、
図27に関して上記で説明したように、関連付けされていない挿入型デバイス610、1905としてビーコン信号を定期的に一斉同報する。
【0141】
いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905がそこに結合され、関連付け/ペアリングされているホストデバイス104、106、1705、1805のタイプに応じて、異なる動作パラメータを設定することができる。
図31は、一例示的実施形態における、ホストデバイス104、106、1705、1805の中に挿入された、挿入型ワイヤレス通信デバイス610、1905によって実行される方法3100のフローチャートを示している。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905が、ホストデバイス104、106、1705、1805と関連付け/ペアリングされた後に、方法3100を実行する。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、方法3100の実行時に、関連付け/ペアリングプロセスで受信された識別情報(例えば、ホストデバイス104、106、1705、1805の一意の識別子)を使用する。
【0142】
ブロック3105において、挿入型デバイス610、1905の電子プロセッサ1305は、挿入型デバイス610、1905の第1のコネクタ2025がホストデバイス104、106、1705、1805の第2のコネクタ2020に結合されていることを判定する。電子プロセッサ1305は、コネクタ2025を介して、ホストデバイス104、106、1705、1805の電子プロセッサ226、2605が、(例えば、ユーザによるトリガ212、1730の始動に応答して)低出力スリープモードから起動したことを表示する信号を受信したことに応答して、この判定を行うことができる。本明細書で先に説明したように、いくつかの実施形態では、コネクタ2020及び2025は含まれない場合があるので、挿入型デバイス610、1905の構成要素は、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106、1705、1805に挿入されると、ホストデバイス104、106、1705、1805とワイヤレスで通信するように構成することができる。このような実施形態では、ブロック3105において、挿入型デバイス610、1905の第1の電子プロセッサ1305は、(例えば、ワイヤレス通信デバイスに質問することにより、又はワイヤレス通信デバイスによって質問されることにより)ホストデバイス104、106、1705、1805のワイヤレス通信デバイスの存在を検出することによって、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106、1705、1805に結合されていることを判定することができる。
【0143】
ブロック3110において、第1のコネクタ2025が第2のコネクタ2020に結合されているという判定に応答して、電子プロセッサ1305は、挿入型デバイス610、1905が、第1のタイプの第1のホストデバイス104、106、1705、1805、又は第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2のホストデバイス104、106、1705、1805のいずれに結合されているかを判定する。いくつかの実施形態では、電子プロセッサ1305は、ホストデバイスの電子プロセッサ226、2605から識別データを受信し、識別データに基づいて、挿入型デバイス610、1905が第1のホストデバイス104、106、1705、1805、又は第2のホストデバイス104、106、1705、1805のいずれに結合されているかを判定する。例えば、識別データは、先に本明細書で説明したようなホストデバイス104、106、1705、1805の一意の識別子を含む。別の例として、識別データは、ホストデバイス104、106、1705、1805のタイプをより大まかに識別するプラットフォーム識別子を含む。いくつかの実施形態では、プラットフォーム識別子により、挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106、1705、1805が、例えば、12ボルトの電動工具104、18ボルトの電動工具104、28ボルトの電動工具104、追跡対象の物体に固定されるように構成された送信デバイス106などのいずれであるかを判定することが可能になる。上記の例によって示されているように、受信した識別データは、ホストデバイス104、106、1705、1805の電源、又はバックアップバッテリのおおよそのサイズを識別することができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905のメモリ1310は、電子プロセッサ1305によってアクセスされ、受信した識別データに基づいてホストデバイス104、106、1705、1805のタイプを判定するルックアップテーブルを含むことができる。他の実施形態では、挿入型デバイス610、1905は、受信した識別データを外部デバイス108にワイヤレスで送信する。次に、挿入型デバイス610、1905は、外部デバイス108から、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106、1705、1805のタイプの表示をワイヤレスで受信する。例えば、外部デバイス108は、識別データに基づいて、挿入型デバイス610、1905がそこに結合されているホストデバイス104、106、1705、1805のタイプを判定するように構成されている。例えば、外部デバイス108の電子プロセッサ114は、外部デバイス108のメモリ130に格納済みのルックアップテーブルにアクセスするか、又はサーバ112と通信して、ホストデバイス104、106、1705、1805の識別データに基づいて、ホストデバイス104、106、1705、1805のタイプを判定する。いくつかの実施形態では、外部デバイス108からのホストデバイス104、106、1705、1805のタイプの表示は、挿入型デバイス610、1905の動作特性を所定の値に設定する命令を含む(ブロック3115を参照)。
【0144】
ブロック3115において、電子プロセッサ1305は、挿入型デバイス610、1905が、第1のタイプの第1のホストデバイス104、106、1705、1805、又は第2のタイプの第2のホストデバイス104、106、1705、1805のいずれに結合されているかの判定に基づいて、挿入型デバイス610、1905の動作特性を設定する。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905が第1のホストデバイス104、106、1705、1805に結合されるときに、挿入型デバイスの動作特性は、挿入型デバイス610、1905が第2のホストデバイス104、106、1705、1805に結合されるときとは異なるように設定される。
【0145】
例えば、動作特性は、挿入型デバイス610、1905がホストデバイス104、106、1705、1805に結合されると、挿入型デバイス610、1905に電力を供給するように構成された電源の低電力容量閾値を含む。挿入型デバイス610、1905は、ホストデバイス104、106、1705、1805の電源の充電の状態が低電力容量閾値を下回っているという判定に応答して、低出力モードに入るように構成することができる。低出力モードでは、挿入型デバイス610、1905は、幾通りものやり方で消費電力の削減を試みるように構成することができる。例えば、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905が識別ビーコン信号をワイヤレスで一斉同報する速度を低減させることができる。別の例として、挿入型デバイス610、1905は、他の比較的低出力の構成要素(例えば、BLEトランシーバ1405)よりも多くの電力を消費し得る、比較的高出力の構成要素(例えば、セルラー通信トランシーバ1415及びGPSトランシーバ1420)を使用できないようにすることができる。
【0146】
ホストデバイス104、106、1705、1805のタイプに基づいて判定されたホストデバイス104、106、1705、1805の電源のサイズに基づいて、挿入型デバイス610、1905は、挿入型デバイス610、1905が低出力モードに入るときに影響するその低電力容量閾値を調節することができる。同じように、大型の電源(例えば、高電圧バッテリパック)を含むタイプのホストデバイス104、106、1705、1805の場合の方が、挿入型デバイス610、1905は、より多くのエネルギーを消費する作用(例えば、位置追跡のためのセルラー及びGPS機能の使用、位置追跡のためのセルラー及びGPS機能のより頻繁な定期的使用、位置追跡のためのWi-Fi機能の使用など)を、小型の電源(例えば、送信デバイス106に含まれるコイン電池バッテリ)を含むタイプのホストデバイス104、106、1705、1805の場合よりも多く実行することができる。いくつかの実施形態では、挿入型デバイス610、1905が、小型の電源を含むホストデバイス104、106、1705、1805に接続されているとき、挿入型デバイス610、1905のGPS機能を位置追跡のために使用するのではなく、挿入型デバイス610、1905は、より少ないエネルギーを位置追跡のために使用するように構成することができる。例えば、挿入型デバイス610、1905は、Bluetooth(商標)機能を使用して、近くの外部デバイス108(例えば、スマートフォン)が認識し得る識別を定期的に一斉同報し、この外部デバイスが、次に、挿入型デバイス610、1905からの識別を認識したことに応答して、挿入型デバイス610、1905の位置の近似として自身の位置を提供することができる。言いかえれば、挿入型デバイス610、1905が、第1のタイプの第1のホストデバイス104、106、1705、1805、又は第2のタイプの第2のホストデバイス104、106、1705、1805のいずれに結合されているかの判定に基づいて、電子プロセッサ1305によって設定される挿入型デバイス610、1905の動作特性は、挿入型デバイス610、1905によって(例えば、挿入型デバイス610、1305の位置追跡のために)使用されて、1つ又は複数の外部デバイス108、及び/又はサーバ112と通信するタイプの通信プロトコルとすることができる。
【0147】
挿入型デバイス610、1905の上記で言及した動作特性及びホストデバイス104、106、1705、1805の特性は、単なる例にすぎない。挿入型デバイス610、1905の他の動作特性は、ホストデバイス104、106、1705、1805のタイプに基づいて調節することができる。同様に、ホストデバイス104、106、1705、1805の他の特性が、挿入型デバイス610、1905にその動作特性を変更させる場合がある。
【0148】
いくつかの実施形態では、ホストデバイスのコネクタ615、2020は、有線接続を介して、外部デバイス108(例えば、ラップトップ)に電気的及び物理的に結合するように追加的に構成されている。言いかえれば、コネクタ615、2020は、有線サービスポートとして動作するように構成することができる。このような実施形態では、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106の電子プロセッサ226、2605と双方向で通信して、ホストデバイス104、106から、格納済みの情報(例えば、動作上の統計値)を得ること、ホストデバイス104、106のファームウェアを更新すること、及び/又は同種のことが可能になる場合がある。外部デバイス108を使用して、ホストデバイス104、106の試験を実行してもまたよい。例えば、有線接続を介してホストデバイス104、106に結合された外部デバイス108を使用して、ホストデバイス104、106の内部メモリによって典型的に格納されるよりも多くの、及び/又はそれとは異なる動作上の統計値をログ記録することができる。このようなデータのログ記録は、ホストデバイス104、106の設計及び開発中には有用な場合があるが、ホストデバイス104、106の設計が完了し、ホストデバイス104、106が製造及び販売されると、含まれない場合がある。このデータのログ記録プロセスに含まれる動作上の統計値の例には、トリガの引き時刻のタイムスタンプ及び継続時間、トリガの引き時間に対する電流引き込み、工具の動作時間に対する温度、時間に対する振動測定値、などが含まれる。
【0149】
いくつかの実施形態では、ホストデバイス104、106は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを追加的に含むことができる。いくつかの実施形態では、電動工具デバイス104に接続された電動工具のバッテリパックは、外部デバイス108がUSBケーブルを介してUSBポートに結合されると、USBポートを介して外部デバイス108(例えば、スマートフォン)に充電するように構成されている。追加的に、外部デバイス108は、ホストデバイス104、106と双方向で通信して、ホストデバイス104、106の動作上の統計値を得て、USBケーブル及びUSBポートを介して、ホストデバイス104、106にファームウェアの更新を提供することなどができる場合がある。
【0150】
このように、挿入型ワイヤレス通信デバイスの小型サイズを維持しながら、アンテナが最小アンテナ効率規格を満たすことを可能にするために、ホストデバイス内のPCBの導電層をアンテナの接地面の一部又は全部として使用するアンテナを有する挿入型ワイヤレス通信デバイスを収容するコンパートメントを含むホストデバイスが、とりわけ、開示されている。