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特許7420940電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20240116BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20240116BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20240116BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/124 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240116BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240116BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/586
H01M50/249
H01M10/0565
H01M10/0562
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/124
H01M50/533
H01M50/534
H01M50/569
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022529797
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2020124107
(87)【国際公開番号】W WO2021098455
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】201911159598.8
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼可▲為▼
(72)【発明者】
【氏名】牟▲暁▼文
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼彦初
(72)【発明者】
【氏名】朱▲じん▼妍
(72)【発明者】
【氏名】余▲しゅえん▼
【審査官】梅野 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-081762(JP,A)
【文献】特開2013-251085(JP,A)
【文献】特開2017-069004(JP,A)
【文献】特開2011-076936(JP,A)
【文献】特開2016-046207(JP,A)
【文献】特開2015-011919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10、50/20、50/50
H01M10/0562、10/0565
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハウジングと、
第1方向に沿って収容キャビティ内に設けられ、直列接続された、少なくとも2つの電極コアセットであって、各電極コアセットは少なくとも1つの電極コアを含む、少なくとも2つの電極コアセットと、
隣接する2つの電極コアセットの間に設けられ、かつ、隣接する2つの電極コアセット間の相互接触を遮断する隔離部材であって、前記隔離部材は第1隔離部材及び第2隔離部材を含み、前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材は、第2方向に沿って対向して設けられ、かつ、前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材の間に第2方向に沿って隙間が設けられている、隔離部材と、を含み、
前記第2方向が前記第1方向と垂直であり、
前記電極コアセットと隔離部材との間に膨張空間が残され、
前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材は、それぞれ前記電極コアセットに向かう2つの隔離部材側面を含み、かつ、前記2つの隔離部材側面がキャンバー面である、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記第1隔離部材及び第2隔離部材は、ハウジングの内表面に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1隔離部材及び/又は前記第2隔離部材は、ハウジングと一体成形される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記第1隔離部材及び第2隔離部材は、板状又は網状である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項5】
前記電極コアセットの両端部は、前記第2方向に沿って対向して設けられ、前記電極コアセットの両端部は、第1隔離部材と第2隔離部材との間の隙間を越えている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれ1項に記載の電池。
【請求項6】
前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材は、いずれも前記電極コアセットに向かう隔離部材側面を含み、前記第1隔離部材及び/又は前記第2隔離部材の前記電極コアセットに向かう隔離部材側面と電極コアセットとの間の距離は、ハウジングの外部からハウジングの内部への方向に増大する傾向がある、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記電極コアセットは、前記ハウジングに向かう周方向面と、前記隔離部材に向かう電極コアセット側面とを含み、前記電極コアセット側面の面積が前記周方向面の面積より大きい、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記隔離部材は、絶縁材料で構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記電極コアセットとハウジングとの間に絶縁膜が設けられている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記ハウジングは、端部が開口したハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口部に設けられたカバープレートとを含む、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記第1隔離部材とカバープレートとは、一体成形され、及び/又は、前記第2隔離部材とハウジング本体とは、一体成形される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記カバープレートに溝が形成され、前記溝内には、複数の電極コアセットを直列接続するように構成された導電接続部材が嵌設されている、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の電池。
【請求項13】
前記導電接続部材とカバープレートとは、一体成形される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記導電接続部材は、銅製接続部及びアルミニウム製接続部を含み、前記銅製接続部とアルミニウム製接続部との電気的な接続箇所は、前記カバープレートの内部に位置する、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の電池。
【請求項15】
前記導電接続部材とカバープレートとの間に絶縁層が設けられている、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項16】
前記電池は、前記電極コアセットに電気的に接続され、前記電極コアセットの状態を検出する検出ユニットをさらに含む、ことを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の電池。
【請求項17】
前記検出ユニットは、導電接続部材に接続されたサンプリングラインである、ことを特徴とする請求項16に記載の電池。
【請求項18】
ポリマーリチウムイオン電池又は固体電池である、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の電池。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の電池を含む、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか1項に記載の電池、又は、請求項19に記載の電池モジュールを含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項21】
請求項19に記載の電池モジュール、又は、請求項20に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年11月22日に提出した、出願名称「電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第「201911159598.8」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、より具体的に、電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池は、新規な無公害の二次電池として、既に多くの分野に広く適用され、特に、新エネルギー自動車の動力電池として適用されている。新エネルギー自動車の普及が進んで、性能が徐々に改善しているにつれて、ユーザの新エネルギー自動車の走行距離、動力性能などの面に対する要求はますます高まっているため、新エネルギー自動車の動力電池に対する使用要求もますます高まっている。新エネルギー自動車に使用される電池パックに対して、その全体的な容量に対する要求がますます高まっていると同時に、電池パックの総重量ができる限り軽くなることが要求されている。一般に、新エネルギー自動車に使用される蓄電池の容量が非常に大きく、1つの単電池のみに依存して容量が足りないため、通常、複数の単電池を並列に配置する必要がある。したがって、電池パックの総重量を無視することができない。電池パックの軽量化設計は、新エネルギー自動車の軽量化設計に対して非常に重大な意義を有する。
【0004】
現在、従来技術におけるいくつかの電池パックの構造は、組み合わせて直列接続するという効果を達成できるが、使用した構造部材が多いため、リチウムイオン電池に対する軽量化、低コスト、高エネルギー密度の要求を満たすことができない。
【0005】
これに鑑みて、上記課題を解決するために、新規な技術手段を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車の新規な技術手段を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1態様に係る電池は、
収容キャビティを有するハウジングと、
第1方向に沿って収容キャビティ内に設けられ、直列接続され、少なくとも1つの電極コアを含む少なくとも2つの電極コアセットと、
隣接する2つの電極コアセットの間に設けられ、かつ隣接する2つの電極コアセット間の相互接触を遮断する隔離部材であって、第2方向に沿って対向して設けられ、かつ互いの間に隙間が第2方向に沿って設けられる第1隔離部材及び第2隔離部材を含む隔離部材と、を含み、
前記第2方向が前記第1方向と垂直である。
【0008】
好ましくは、前記第1隔離部材及び第2隔離部材はそれぞれ、ハウジングの内表面に固定的に接続される。
【0009】
好ましくは、前記第1隔離部材及び/又は前記第2隔離部材は、ハウジングと一体成形される。
【0010】
好ましくは、前記第1隔離部材及び第2隔離部材は、板状又は網状である。
【0011】
好ましくは、前記電極コアセットの前記第2方向に沿って対向して設けられる両端は、いずれも第1隔離部材と第2隔離部材との間の隙間を越える。
【0012】
好ましくは、前記電極コアセットと隔離部材との間に膨張空間が残される。
【0013】
好ましくは、前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材は、いずれも前記電極コアセットに向かう隔離部材側面を含み、前記第1隔離部材及び/又は前記第2隔離部材の前記電極コアセットに向かう隔離部材側面と電極コアセットとの間の距離は、ハウジングの外部からハウジングの内部への方向に増大する傾向がある。
【0014】
好ましくは、前記第1隔離部材及び前記第2隔離部材は、前記電極コアセットに向かう2つの隔離部材側面を含み、かつ前記2つの隔離部材側面がキャンバー面(円弧状反り面)である。
【0015】
好ましくは、前記電極コアセットは、前記ハウジングに向かう周方向面と、前記隔離部材に向かう電極コアセット側面とを含み、前記電極コアセット側面の面積が前記周方向面の面積より大きい。
【0016】
好ましくは、前記隔離部材は、絶縁材料で製造される。
【0017】
好ましくは、前記電極コアセットとハウジングとの間に絶縁膜が設けられている。
【0018】
好ましくは、前記ハウジングは、端部が開口したハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口部に設けられたカバープレートとを含む。
【0019】
好ましくは、前記第1隔離部材とカバープレートとは、一体成形され、及び/又は前記第2隔離部材とハウジング本体とは、一体成形される。
【0020】
好ましくは、前記カバープレートに溝が形成され、前記溝内に、複数の電極コアセットを直列接続するように構成された導電接続部材が嵌設されている。
【0021】
好ましくは、前記導電接続部材と、カバープレートとは、一体成形される。
【0022】
好ましくは、前記導電接続部材は、銅製接続部及びアルミニウム製接続部を含み、前記銅製接続部とアルミニウム製接続部との電気的な接続箇所は、前記カバープレートの内部に位置する。
【0023】
好ましくは、前記導電接続部材とカバープレートとの間に絶縁層が設けられている。
【0024】
好ましくは、前記電池は、前記電極コアセットに電気的に接続され、前記電極コアセットの状態を検出する検出ユニットをさらに含む。
【0025】
好ましくは、前記検出ユニットは、導電接続部材に接続されたサンプリングラインである。
【0026】
好ましくは、前記電池は、ポリマーリチウムイオン電池又は固体電池である。
【0027】
本願の第2態様に係る電池モジュールは、上述した電池を含む。
【0028】
本願の第3態様に係る電池パックは、上述した電池又は上述した電池モジュールを含む。
【0029】
本願の第4態様に係る電気自動車は、上述した電池モジュール又は上述した電池パックを含む。
【発明の効果】
【0030】
本願に係る電池は、ハウジングの収容キャビティ内に少なくとも2つの電極コアセットが直列接続され、少なくとも2つの電極コアセットが1つのハウジングを共用することにより、ケース及び外部取付構造を減少させ、電池の重量を減少させ、かつ、隣接する2つの電極コアセットの間に隔離部材が設けられ、隔離部材は、隣接する電極コアセットが互いに接触することを効果的に防止し、電池が押圧又は衝突を受ける場合でも、隔離部材が隔離作用を果たすため、電極コアセットが衝突し接触することが発生せず、電池の使用上の信頼性及び安全性を保証する。また、隔離部材は、ハウジング内に支持作用を果たすことにより、電池の外力に対抗する性能が強化されるようになる。また、隔離部材は、第1隔離部材及び第2隔離部材を含み、かつ第1隔離部材と第2隔離部材との間に隙間が設けれるため、取り付けやすいだけでなく、一体的な隔離部材を設けることに比べて、電池の重量を効果的に減少させることができ、電池の軽量化設計に役立ち、コストを低減することができる。
【0031】
以下、図面を参照しながら、本願の例示的な実施例を詳細に説明すると、本願の他の特徴及びその利点は明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
明細書に組み込まれ、明細書の一部となる図面は、本願の実施例を示し、かつその説明と共に本願の原理を解釈する。
【0033】
図1】本願の電池の第1実施例の概略的斜視図である。
図2】本願の電池の第1実施例の概略的断面図である。
図3】本願の電池の別の実施例の立体構造概略図である。
図4】本願の電池の別の実施例の概略的断面図である。
図5】電池の充電前の状態図である。
図6】電池の満充電の状態図である。
図7】本願の電池の第1実施例のカバープレートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本願の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。特に具体的に説明しない限り、これらの実施例において記載された部品及びステップの相対的な配置、数字表現式及び数値は、本願の範囲を限定しないことに留意されたい。
【0035】
以下、少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本願及びその適用又は使用を限定するものでは決してない。
【0036】
当業者が知っている技術、方法及び装置について詳細に検討していないが、適切な場合には、上記技術、方法及び装置は、明細書の一部と見なされるべきである。
【0037】
ここで示され検討された全ての例では、いかなる具体的な値は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。
【0038】
類似した符号及びアルファベットが以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されれば、後の図面においてさらに検討する必要がないことに留意されたい。
【0039】
本願の実施例は、電池を提供する。該電池は、ハウジング、少なくとも2つの電極コアセット及び隔離部材を含み、上記ハウジングは、収容キャビティを有し、上記少なくとも2つの電極コアセットは、電極コアセットの配列方向である第1方向に沿って収容キャビティ内に設けられ、上記電極コアセットが直列接続され、上記電極コアセットは、少なくとも1つの電極コアを含み、上記隔離部材は、隣接する2つの電極コアセットの間に設けられ、かつ隣接する2つの電極コアセット間の相互接触を遮断し、すなわち、隔離部材を設けると、隣接する2つの電極コアセットが互いに接触する状況が発生しないように保証することができる。
【0040】
上記隔離部材は、第2方向に沿って対向して設けられ、かつ互いの間に隙間が前記第2方向に沿って設けられる第1隔離部材13及び第2隔離部材14を含み、上記第2方向が前記第1方向と垂直である。当然のことながら、第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、形状が同じであっても、異なってもよい。
【0041】
対向して設けられることは、第1隔離部材13と第2隔離部材14との位置がわずかにずれてもよいと理解されてもよい。第1方向は、電極コアセットの配列方向であると理解されてもよく、例えば、電極コアセットの厚さ方向、すなわち図1図3に示すT方向であってもよく、このように、上記第2方向は、上記電極コアセットの長さ方向、すなわち図1図3に示すL方向であるか、又は上記電極コアセットの幅方向、すなわち図1図3に示すW方向である。
【0042】
本願の実施例に係る電池は、複数の電池を並設する場合に比べて、ハウジングの収容キャビティ内に少なくとも2つの電極コアセットを直列接続し、すなわち、少なくとも2つの電極コアセットが1つのハウジングを共用することにより、ケース及び外部取付構造を減少させ、重量を減少させ、空間利用率を向上させ、動力電池パックの全体的な容量を保証するとともに、外部の電力接続部材の使用を減少させ、ハウジング内の隣接する電極コアセットを直接的に直列接続することにより、電力接続部材の接続安定性及び信頼性を考慮する必要がなく、接続素子を減少させ、さらに動力電池パックの使用中の内部消費量を減少させることができる。しかし、ハウジング内に電極コアセットを直接的に直列接続すると、使用過程において電池が押圧、揺れ、衝突などを受けることにより電極コアセットが互いに接触すれば、短絡の故障が非常に発生しやすく、電池が故障するリスクが存在し、さらに一定の安全上のリスクが存在する。
【0043】
したがって、本願の実施例に係る電池において、隣接する2つの電極コアセットの間に隔離部材が設けられ、かつ上記隔離部材は、隣接する2つの電極コアセットの相互接触を遮断し、すなわち隔離部材は、隣接する電極コアセットが互いに接触することを効果的に防止することができ、電池が押圧又は衝突を受ける場合でも、隔離部材が隔離作用を果たすため、電極コアセットが衝突し接触することが発生せず、電池の使用上の信頼性及び安全性を保証する。また、隔離部材は、ハウジング内に支持作用を果たすことにより、電池の外力に対抗する性能が強化されるようになる。
【0044】
また、隔離部材は、第1隔離部材13及び第2隔離部材14を含み、かつ第1隔離部材13と第2隔離部材14との間に隙間が設けれるため、取り付けやすいだけでなく、一体的な隔離部材を設けることに比べて、電池の重量を効果的に減少させることができ、電池の軽量化設計に役立ち、コストを低減することができる。
【0045】
図1に示すように、上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、第2方向に沿って対向して設けられ、該第2方向は、電極コアセットの長さ方向、すなわち図1におけるL方向であり、図3に示すように、上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、第2方向に沿って対向して設けられ、該第2方向は、電極コアセットの幅方向、すなわち図3におけるW方向である。このような2種の実施形態は、いずれも隔離部材が、隣接する2つの電極コアセットを効果的に隔離するとともに重量を減少させることを保証することができる。
【0046】
本願の実施例に係る電池において、図1に示すように、1つの上記電極コアセットは、単一の電極コア4のみを含んでもよく、当然のことながら、1つの上記電極コアセットは、少なくとも2つの電極コア4を含んでもよく、かつ少なくとも2つの電極コア4は、直列接続及び/又は並列接続されて上記電極コアセットを構成することができ、本願は、これを限定しない。例えば、2つの電極コア4は、並列接続された後、電極コアセットを形成し、或いは、4つの電極コア4は、並列接続された後、電極コアセットを構成する。電極コア4は、動力電池の分野で常用される電極コアであり、巻回して形成されてもよく、積層の方式によって製造されてもよく、一般に、電極コア4は、正極板、セパレータ、負極板及び電解質を少なくとも含む。
【0047】
本願の実施例に係る電池において、上記電解質は、固体電解質又はポリマー電解質であり、すなわち、本願の実施例に係る電池において、電極コア4に使用される電解質は、液体電解質ではない。
【0048】
本願のいくつかの実施例に係る電池において、上記電池は、ポリマーリチウムイオン電池であり、一般に、上記電極コア4は、正極板、負極板、セパレータ及び電解質を含み、ポリマーリチウムイオン電池とは、上記電解質がポリマー電解質であるものを指す。電池は、その内部に設けられた電解質の材料に応じて、液体リチウムイオン電池及びポリマーリチウムイオン電池に分けられてもよく、液体リチウムイオン電池は、液体電解質を使用し、ポリマーリチウムイオン電池は、ポリマー電解質を使用し、このようなポリマーは、一般に液体ではなく、ゲル状である。
【0049】
本願の別のいくつかの実施例において、電池は、固体電池である。一般に、上記電極コア4は、正極板、負極板及び固体電解質を含む。固体電池において、電解質は、液体ではなく、固体電解質を使用する。
【0050】
本願において、第1隔離部材13と第2隔離部材14との間に隙間を設けることができる理由の1つは、本願がポリマー電池又は固体電池を使用しているからである。すなわち、本願に係る電池において、電解質が、ポリマー電解質又は固体電解質であるからである。電池がポリマー電池又は固体電池である場合、その電解質は、ポリマー電解質又は固体電解質であり、該電解質は、電解液のように正極板及び負極板がある位置から流出できず、正極板と負極板との間に安定に位置することができる。
【0051】
図1図2に示す実施例において、上記電極コアセットの長さ方向に沿う両端は、いずれも第1隔離部材13と第2隔離部材14との間の隙間を越える。電極コアセットの長さ方向に沿う両端がいずれも第1隔離部材13と第2隔離部材14との間の隙間を越えるように構成される理由は、隣接する2つの電極コアセットの間の第1隔離部材13及び第2隔離部材14の隔離の有効性を保証し、隣接する2つの電極コアセットの端部が第1隔離部材13と第2隔離部材14との隙間で接触するという状況を防止することである。長さ方向は、L方向である。
【0052】
上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14はそれぞれ、ハウジングの内表面に固定的に接続される。具体的に、図1図2に示す実施例において、上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、電極コアセットの長さ方向、すなわちL方向に沿って配置され、かつ第1隔離部材13と第2隔離部材14との間に隙間が電極コアセットの長さ方向に沿って設けられ、すなわち、第1隔離部材13と第2隔離部材14とが一体に接続されていない。該実施例において、第1隔離部材13及び第2隔離部材14はそれぞれ、ハウジングのL方向に沿う2つの表面に固定的に接続される。このように第1隔離部材13及び第2隔離部材14を設けると、2つの隔離部材の位置決め及び取り付けを容易にし、組み立て中に隔離部材のずれ移動が発生する状況を防止する。
【0053】
図3図4に示すように、別の実施例において、上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、電極コアセットの幅方向、すなわちW方向に沿って配置され、かつ第1隔離部材13と第2隔離部材14との間に隙間が電極コアセットの幅方向に沿って設けられ、すなわち、第1隔離部材13と第2隔離部材14とが一体に接続されていない。上記電極コアセットの幅方向に沿う両端は、いずれも第1隔離部材13と第2隔離部材14との間の隙間を越え、電極コアセットの幅方向に沿う両端がいずれも第1隔離部材13と第2隔離部材14との間の隙間を越えるように構成される理由は、隣接する2つの電極コアセットの間の第1隔離部材13及び第2隔離部材14の隔離の有効性を保証し、隣接する2つの電極コアセットの端部が第1隔離部材13と第2隔離部材14との隙間で接触するという状況を防止することである。該実施例において、第1隔離部材13及び第2隔離部材14はそれぞれ、ハウジングのW方向に沿う2つの表面に固定的に接続される。
【0054】
なお、本願の説明において、用語「長さ方向」、「幅方向」、「厚さ方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0055】
図5図6に示すように、上記電極コアセットと隔離部材との間に膨張空間が残される。図5は、電池の充電前の状態を示し、この場合、電極コアセットの体積が小さく、膨張空間15が大きく、図6は、電池の満充電後の状態を示し、この場合、電極コアセットの体積が大きくなり、一部の膨張空間15を占めるため、膨張空間15が小さくなる。膨張空間15は、電極コアセットが互いに押圧することによる短絡を回避し、電池の使用上の安全性を向上させることができる。
【0056】
図5図6に示すように、上記第1隔離部材13及び上記第2隔離部材14は、いずれも上記電極コアセットに向かう隔離部材側面16を含み、上記第1隔離部材13及び/又は上記第2隔離部材14の上記電極コアセットに向かう隔離部材側面16と電極コアセットとの間の距離は、ハウジングの外部からハウジングの内部への方向に増大する傾向がある。1つの隔離部材側面16と電極コアセットとの間の距離は、ハウジングの外部からハウジングの内部への方向に増大する傾向があってもよく、好ましくは、上記増大傾向とは、徐々に増大することを指す。
【0057】
より好ましくは、各第1隔離部材13及び/又は上記第2隔離部材14の2つの隔離部材側面16と電極コアセットとの間の距離は、ハウジングの外部からハウジングの内部への方向に徐々に増大する。徐々に増大する距離が膨張空間を有することを保証し、電極コアセットの体積が充電により大きくなった後に電極コアセットが互いに押圧する現象をより効果的に回避することができる。
【0058】
図5図6に示すように、一実施例において、上記第1隔離部材13及び上記第2隔離部材14は、上記電極コアセットに向かう2つの隔離部材側面16を含み、かつ上記2つの隔離部材側面16がキャンバー面(円弧状反り面)である。さらに、上記電極コアセットは、上記ハウジングに向かう周方向面43と、上記隔離部材に向かう電極コアセット側面44とを含み、上記電極コアセット側面44の面積が上記周方向面43の面積より大きい。電池を充電した後、電極コアセットの面積がより大きい方の側面44の膨張が、周方向面43の膨張よりも大きいため、電極コアセット側面44の箇所に、より大きい膨張空間を残す必要がある。
【0059】
第1隔離部材13及び第2隔離部材14のキャンバー面(円弧状反り面)の設計は、十分な膨張空間を保証することに役立つとともに、電極コアセットが互いに接触することを回避し、また、電極コアセットに対する位置制限を提供し、電池の使用上の安全性を保証することができる。
【0060】
複数の第1隔離部材13が設けられる実施形態において、複数の第1隔離部材13は、一体成形されてもよく、さらに複数の第1隔離部材とハウジングとは、一体成形される。
【0061】
複数の第2隔離部材14が設けられる実施形態において、複数の第2隔離部材14は、一体成形され、さらに複数の第2隔離部材とハウジングとは、一体成形される。
【0062】
一実施例において、上記第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、板状又は網状である。図1に示すように、第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、板状構造であり、板状構造である第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、電極コアセットを隔離するとともに、電池に対する優れる支持作用を提供し、電池の外力に対抗する性能を効果的に向上させることができる。当然のことながら、第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、網状の構造に設計されてもよく、網状構造である第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、同様に電極コアセットを効果的に隔離することができ、かつ網状構造である第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、電池の重量を減少させる面でより優れる技術的効果を有する。
【0063】
一実施例において、上記隔離部材は、絶縁材料で製造される。絶縁材料で製造された隔離部材は、電極コアセットの間に短絡の現象が発生しないように効果的に保証することができ、電池が強い力の作用によって隣接する2つの電極コアセットがいずれも隔離部材と一体に押圧されても、隔離部材が絶縁材料であるため、電極コアセットの間に短絡が発生しない。
【0064】
一実施例において、上記電極コアセットとハウジングとの間に絶縁膜が設けられている。本願は、絶縁膜の材料を特に限定せず、絶縁できればよく、いくつかの実施例において、隔離膜の材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又は多層複合膜を含んでもよい。
【0065】
一実施例において、図1に示すように、上記ハウジングは、端部が開口したハウジング本体11と、上記ハウジング本体11の開口部に設けられたカバープレート12とを含む。カバープレート12とハウジング本体11とは、密封接続されて収容キャビティを共に限定し、電極コアセットは、該収容キャビティ内に位置する。ハウジングを、端部が開口したハウジング本体11とカバープレート12とを含むように設けることにより、ハウジング内の電極コアセットと隔離部材が組み立てやすい。1つの好ましい実施例において、上記カバープレート12とハウジング本体11は、材質が同じであり、いずれも金属材質又はプラスチック材質である。1つの好ましい実施例において、ハウジング本体11は、一体成形構造であり、かつカバープレート12も一体成形構造である。
【0066】
図1図2に示す実施例において、上記第1隔離部材13とカバープレート12とは、一体成形され、及び/又は上記第2隔離部材14とハウジング本体11とは、一体成形される。すなわち、第1隔離部材13と、カバープレート12とは、一体成形され、或いは、第2隔離部材14と、ハウジング本体11とは、一体成形され、或いは、第1隔離部材13と、カバープレート12とは、一体成形され、かつ第2隔離部材14と、ハウジング本体11とは、一体成形される。第1隔離部材13とカバープレート12とが一体成形される実施例において、第1隔離部材13とカバープレート12とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形され、第2隔離部材14とハウジング本体11とが一体成形される実施例において、第2隔離部材14とハウジング本体11とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形され、第1隔離部材13とカバープレート12とが一体成形され、かつ第2隔離部材14とハウジング本体11とが一体成形される実施例において、第1隔離部材13とカバープレート12とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形され、かつ第2隔離部材14とハウジング本体11とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形される。一体成形の設定方式により、加工及び製造を容易にし、かつ第1隔離部材13とカバープレート12との接続、第2隔離部材14とハウジング本体11との接続が堅牢で確実である。
【0067】
図3図4に示す実施例において、上記第1隔離部材13及び/又は上記第2隔離部材14とハウジング本体11とは一体成形され、すなわち、第1隔離部材13とハウジング本体11とが一体成形され、或いは、第2隔離部材14とハウジング本体11とが一体成形され、或いは第1隔離部材13及び第2隔離部材14がいずれもハウジング本体11と一体成形される。第1隔離部材13とハウジング本体11とが一体成形される実施例において、第1隔離部材13とハウジング本体11とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形され、第2隔離部材14とハウジング本体11とが一体成形される実施例において、第2隔離部材14とハウジング本体11とは、アルミダイキャスト又は射出成形により一体成形され、第1隔離部材13及び第2隔離部材14がいずれもハウジング本体11と一体成形される実施例において、第1隔離部材13及び第2隔離部材14がいずれもハウジング本体11とアルミダイキャスト又は射出成形により一体成形される。
【0068】
一実施例において、図1図2に示すように、ハウジングがハウジング本体11及びカバープレート12を含む実施例において、正極極柱2及び負極極柱3は、カバープレート12に設けられる。各上記電極コアセットは、電流引き出し部材を有し、図1に示す実施例において、上記少なくとも2つの電極コアセットは、一列に並設され、上記ハウジングの正極極柱2は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの電流引き出し部材に接続され、上記ハウジングの負極極柱3は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの別の電極コアセットの電流引き出し部材に接続される。電極コアセットが、1つの電極コア4のみを含む場合、電極コアセットの電流引き出し部材は、この電極コア4の正極タブ41及び負極タブ42であり、ハウジングの正極極柱2は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの正極タブ41に接続され、ハウジングの負極極柱3は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの別の電極コアセットの負極タブ42に接続され、電極コアセットが、並列接続された複数の電極コア4を含む場合、複数の電極コア4の正極タブ41同士が接続されて正極リードを形成し、かつ複数の電極コア4の負極タブ42同士が接続されて負極リードを形成し、このような場合、電流引き出し部材は、正極リード及び負極リードであり、ハウジングの正極極柱2は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの正極リードに接続され、ハウジングの負極極柱3は、最外側にある2つの電極コアセットのうちの別の電極コアセットの負極リードに接続される。
【0069】
一実施例において、図1図2に示すように、上記カバープレート12に溝が形成され、上記溝内に導電接続部材5が嵌設され、具体的に、上記溝は、カバープレート12のハウジング本体11の下表面に対向する位置に形成され、上記導電接続部材5は、複数の電極コアセットを直列接続するように構成され、具体的に、導電接続部材5は、溝内に固定的に設けられて、導電接続部材5が電池の使用過程において揺れ、変位することによる電極コアセットの直列接続の信頼性に対する影響を防止し、図1に示す電極コアセットは、1つの電極コア4のみを含む場合、隣接する2つの上記電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの正極タブ41は、上記導電接続部材5の一端に接続され、別の電極コアセットの負極タブ42は、上記導電接続部材5の他端に接続される。
【0070】
一実施例において、上記導電接続部材5は、カバープレート12と一体成形される。一体成形の設定方式により、導電接続部材5とカバープレート12との接続は、より堅牢で安定する。図1に示す各電極コアセットが1つの電極コア4のみを含む実施形態において、ホットプレスプロセスの後、電極コア4の正極タブ41及び負極タブ42とカバープレート12上の導電接続部材5とを溶接又はかしめにより接続し、次に、電極コア4をカバープレート12と共にハウジング本体11の開口端からハウジング本体11内に入れて、カバープレート12をハウジング本体11の開口部にカバーし、最後にハウジング本体11とカバープレート12の周囲を溶接して密封すれば、組み立てを完了する。
【0071】
一実施例において、上記導電接続部材5は、銅製接続部及びアルミニウム製接続部を含み、上記銅製接続部及びアルミニウム製接続部は、電気的に接続され、かつ電気的な接続の箇所が上記カバープレート12の内部に位置する。1つの好ましい実施例において、まず、銅製接続部とアルミニウム製接続部とを複合接続して、複合接続部を形成し、次に、銅製接続部と隔離部材の一側にある電極コアセットの銅製引出端子とを接続し、アルミニウム製接続部と隔離部材の他側にある電極コアセットのアルミニウム製引出端子とを接続する。
【0072】
一実施例において、上記電池は、上記電極コアセットに電気的に接続され、上記電極コアセットの状態を検出する検出ユニットをさらに含む。上記電極コアセットの状態は、一般に各電極コアセットの温度及び電圧などの信号を指す。
【0073】
一実施例において、図1に示すように、上記検出ユニットは、導電接続部材5に接続されたサンプリングライン6である。電池の内部の信号を正確でリアルタイムに収集することができるために、各導電接続部材5に1本のサンプリングライン6を接続し、かつサンプリングライン6をカバープレート12から電池の外部に引き出して、各電極コアセットの温度及び電圧信号を正確に記録する。
【0074】
一実施例において、上記導電接続部材5とカバープレート12との間に絶縁層が設けられている。カバープレート12が金属材質である場合、導電接続部材5の材質が銅及びアルミニウムで複合されてなる金属材質であるため、導電接続部材5とカバープレート12との間に1層の絶縁層を設ける必要があり、カバープレートの導電により、短絡又は安全上の問題が発生することを回避し、1つの好ましい実施例において、絶縁層の材質は、ゴム又はプラスチックであり、当然のことながら、他の絶縁材料を使用してもよく、本願は、これを特に限定しない。
【0075】
一実施例において、前記電池は、ポリマーリチウムイオン電池である。電池は、その内部に設けられた電解質の材料に応じて、液体リチウムイオン電池及びポリマーリチウムイオン電池に分けられてもよく、液体リチウムイオン電池は、液体電解質を使用し、ポリマーリチウムイオン電池は、固体ポリマー電解質を使用し、このようなポリマーは、乾態であってもよく、ゲル状であってもよい。本願の第1隔離部材13及び第2隔離部材14は、隣接する2つの電極コアセットを完全に隔離しなくても、固体ポリマー電解質が隣接する2つの電極コアセットの間に流れることができず、かつ電位差によるポリマー電解質の分解の問題が発生しないため、本願の解決手段における電池は、ポリマーリチウムイオン電池がより好ましい。
【0076】
一実施例において、図7に示すように、上記カバープレート12に防爆弁7が設けられ、上記防爆弁7は、電池ユニットの内部の圧力値が圧力閾値を超える場合に開かれて、圧力を逃がすように構成される。防爆弁7を設けることは、電池の使用上の安全性を保証し、電池の内部の圧力値が安全な圧力閾値を超える場合、防爆弁7は、自動的に開かれて電池の内部の圧力を逃がし、電池が、内部の圧力が大きすぎることにより爆発するというリスクを効果的に防止することができる。
【0077】
本願の実施例に係る電池モジュールは、上述した少なくとも2つの電池を含む。上記電池モジュールにおける少なくとも2つの電池は、直列接続及び/又は並列接続されてもよく、電池モジュールが独立して電力を供給するために、電池モジュールに検出用サンプリング部材を設けることができる。
【0078】
本願の実施例に係る電池パックは、上述した少なくとも2つの電池又は上述した少なくとも2つの電池モジュールを含む。電池パックにおける少なくとも2つの電池又は少なくとも2つの電池モジュールは、直列接続及び/又は並列接続されてもよく、電池パックが独立して電力を供給するために、電池パックに検出用サンプリング部材を設けることができる。
【0079】
本願の実施例に係る電気自動車は、上述した電池モジュール又は上述した電池パックを含む。電池モジュール又は電池パックは、いずれも独立して電気自動車に電力を供給することができる。
【0080】
例を挙げて本願のいくつかの特定の実施例を詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例が説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。当業者であれば、本願の範囲及び趣旨から逸脱しない場合、以上の実施例を修正できることを理解すべきである。本願の範囲は、添付した特許請求の範囲によって限定した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7