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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】演出装置
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/50 20060101AFI20240116BHJP
   A63H 13/20 20060101ALI20240116BHJP
   A63H 31/08 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A63H3/50 C
A63H13/20 Z
A63H31/08 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023004272
(22)【出願日】2023-01-16
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木口 敬純
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-151389(JP,U)
【文献】特開昭62-277985(JP,A)
【文献】特開2018-157946(JP,A)
【文献】米国特許第05601471(US,A)
【文献】実開平04-079558(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
A47F 5/02 - 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小玩具が載置可能で、上下方向に延在する中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な第1回転板と、前記第1回転板を回転及び昇降させる駆動機構と、前記駆動機構に動力を供給する動力装置と、を備え、
前記駆動機構は、前記第1回転板を昇降させながら回転させるように構成され、
前記駆動機構は、
前記中心軸線の周りに所定の間隔で配置され、前記第1回転板を下方から支持し、前記動力装置からの動力によって、前記中心軸線に平行な第1軸を中心に回転する複数の第1支持部材を含んで構成され、
前記第1支持部材及び前記第1回転板の間には、直接接触によって前記第1支持部材の回転動力を前記第1回転板に伝達する第1動力伝達要素が設けられ、
前記第1支持部材と装置基体の固定部との間には、前記第1支持部材の回転による摺接によって前記第1支持部材に軸方向の往復運動を付加する第1運動変換機構が設けられている、
ことを特徴とする演出装置。
【請求項2】
前記第1動力伝達要素は歯車である、ことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、
前記動力装置からの動力によって、前記中心軸線に致心する第2軸を中心に回転する第1大径歯車を含んで構成され、
前記第1大径歯車には、前記第1支持部材に固定されて設けられた第1歯車が噛合している、
ことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項4】
前記第2軸は、引上げ可能に構成され、引上げによって前記第1大径歯車と前記第1歯車との噛合が解除され、前記第1支持部材に下降位置を取らせる、ことを特徴とする請求項3に記載の演出装置。
【請求項5】
前記装置基体には、前記第1回転板が載置されるフロアが設けられ、前記フロアに形成した孔から前記第1支持部材の一部が出没するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項6】
前記装置基体の上に連結ユニットを備え、
前記連結ユニットには、
前記第1回転板の上方で前記中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な第2回転板と、
前記第1大径歯車と一体的に回転する第2軸に連結可能な第3軸に固定された第2大径歯車と、
前記第3軸の周りに所定の間隔で配置され、前記第2回転板を下方から支持し、前記第2大径歯車に噛合する第2歯車を有し、前記第3軸に平行な第4軸を中心に回転する複数の第2支持部材と、
前記第2支持部材及び前記第2回転板の間に設けられ、直接接触によって前記第2支持部材の回転動力を前記第2回転板に伝達する第2動力伝達要素と、
前記第2支持部材と前記連結ユニットの固定部との間に設けられ、前記第2支持部材の回転による摺接によって前記第2支持部材に軸方向の往復運動を付加する第2運動変換機構と、が設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の演出装置。
【請求項7】
前記第3軸は、引上げ可能に構成され、引上げによって前記第2大径歯車と前記第2歯車との噛合が解除され、前記第2支持部材に下降位置を取らせる、ことを特徴とする請求項6に記載の演出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出装置に関する。
【0002】
従来、演出装置として、フロアが水平面内で回転し、反対カムによって、フロアに設けた孔から小玩具体を出没させる構造となっている。この玩具では、小玩具体の下に摺接部を設け、この摺接部を、フロアの下に設けた起伏する摺接部に摺接させることで、孔から小玩具体を出没させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平6-41592号公報の図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この演出装置では、小玩具の大きさや形が限定されてしまう。つまり、小玩具が、孔に入る大きさや形であることが必須となる。
したがって、手持ちの大きさや形が形やことなる小玩具を用いることができなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、大きさや形が異なる多くの小玩具の動きを効果的に演出するこができる演出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
小玩具が載置可能で、上下方向に延在する中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な第1回転板と、前記第1回転板を回転及び昇降させる駆動機構と、前記駆動機構に動力を供給する動力装置と、を備え、
前記駆動機構は、前記第1回転板を昇降させながら回転させる、
ことを特徴とする。
【0006】
また、第1の手段の前記駆動機構は
前記中心軸線の周りに所定の間隔で配置され、前記第1回転板を下方から支持し、前記動力装置からの動力によって、前記中心軸線に平行な第1軸を中心に回転する複数の第1支持部材を含んで構成され、
前記第1支持部材及び前記第1回転板の間には、直接接触によって前記第1支持部材の回転動力を前記第1回転板に伝達する第1動力伝達要素が設けられ、
前記第1支持部材と装置基体の固定部との間には、前記第1支持部材の回転による摺接によって前記第1支持部材に軸方向の往復運動を付加する第1運動変換機構が設けられている、
ことを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、前記第1動力伝達要素は歯車である、ことを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第1の手段であって、
前記駆動機構は、
前記動力装置からの動力によって、前記中心軸線に致心する第2軸を中心に回転する第1大径歯車を含んで構成され、
前記第1大径歯車には、前記第1支持部材に固定されて設けられた第1歯車が噛合している、
ことを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第3の手段であって、前記第2軸は、引上げ可能に構成され、引上げによって前記第1大径歯車と前記第1歯車との噛合が解除され、前記第1支持部材に下降位置を取らせる、ことを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第1の手段であって、前記装置基体には、前記第1回転板が載置されるフロアが設けられ、前記フロアに形成した孔から前記第1支持部材の一部が出没するように構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第3の手段であって、
前記装置基体の上に連結ユニットを備え、
前記連結ユニットには、
前記第1回転板の上方で前記中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な第2回転板と、
前記第1大径歯車と一体的に回転する第2軸に連結可能な第3軸に固定された第2大径歯車と、
前記第3軸の周りに所定の間隔で配置され、前記第2回転板を下方から支持し、前記第2大径歯車に噛合する第2歯車を有し、前記第3軸に平行な第4軸を中心に回転する複数の第2支持部材と、
前記第2支持部材及び前記第2回転板の間に設けられ、直接接触によって前記第2支持部材の回転動力を前記第2回転板に伝達する第2動力伝達要素と、
前記第2支持部材と前記連結ユニットの固定部との間に設けられ、前記第2支持部材の回転による摺接によって前記第2支持部材に軸方向の往復運動を付加する第2運動変換機構と、が設けられている、
ことを特徴とする。
【0012】
第7の手段は、第6の手段であって、
前記第3軸は、引上げ可能に構成され、引上げによって前記第2大径歯車と前記第2歯車との噛合が解除され、前記第2支持部材に下降位置を取らせる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1~第5の手段によれば、それ自体動作しない小玩具を恰も動いているかのように演出することができる。
【0014】
また、第1回転板を分散された複数の第1支持部材で昇降させるので、1つ1つの支持部材に作用する負荷を小さく抑えることができる。
【0015】
第2の手段によれば、歯車によって第1支持部材から第1回転板へ動力を確実に伝達することができる。
【0016】
第3の手段によれば、大径歯車によって複数の第1支持部材を回転させているので、減速歯車を構成する歯車の数を少なくすることができる。
【0017】
第4の手段によれば、フロアに回転板が載置されるので、回転板を安定的に保持できる。
【0018】
第5の手段によれば、第2軸の引上げによって、第1支持部材に下降位置を取らせる、ことができる。
【0019】
第6の手段によれば、連結ユニットを基体に付加することにより、回転板による演出場所を増やすことができる。
【0020】
第7の手段によれば、第3軸の引上げによって、第2支持部材に下降位置を取らせる、ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】演出装置の外観を示した斜視図である。
図2】演出装置の基体を示した斜視図である。
図3】演出装置の基体から回転板を取り外した状態を示した斜視図である。
図4】動力装置及び駆動機構を示した斜視図である。
図5】動力装置及び駆動機構を示した底面図である。
図6】切替え機構を示した斜視図である。
図7】基体側の回転板の底面を示した底面図である。
図8】演出装置の基体の一部を取り除いた状態を示した斜視図である。
図9】支持部材及び下方の起伏摺接部を下方から見た斜視図である。
図10】支持部材及び下方の起伏摺接部を示した斜視図である。
図11】連結ユニットを示した斜視図である。
図12】連結ユニットを分解して示した斜視図である。
図13】連結ユニット側の回転板の底面を示した底面図である。
図14】軸の連結構造を示した斜視図である。
図15】軸の連結構造を下方から見た斜視図である。
図16】柱体の上面の構造を示した斜視図である。
図17】連結ユニットの下面の構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
《玩具の概略》
図1は、演出装置100の外観を示した斜視図である。
演出装置100は、全体が1つの山を模した形を呈している。山の中腹及び山頂付近には円環状の道R1、R2がそれぞれ形成され、各道には、小玩具である動物フィギュアFが乗せられる。
ハンドル19を回すと、道R1、R2の各々は、山の中心の周りを昇降しつつ回転する。これにより、動物フィギュアFが道R1、R2の上を歩いている様が演出される。
【0024】
(玩具の詳細)
山を模した演出装置100には、岩壁、草木、クライミングネット等を模した装飾物が設けられている。また、道R1、R2の路面には、動物の足跡等が表示されている。
【0025】
図2は、演出装置100の基体10を示した斜視図、図3は、演出装置100の基体10から回転板16を取り外した状態を示した斜視図である。
演出装置100は、道R1を含む下部構造と、道R2を含む上部構造とから構成されており、下部構造は基体10を構成し、上部構造は連結ユニット50(図11)を構成している。連結ユニット50は基体10に着脱可能となっている。
【0026】
〈基体10の構造〉
図4は、動力装置18及び駆動機構17を示した斜視図、図5は、動力装置18及び駆動機構17を示した底面図である。
基体10には、道R1を構成する回転板16と、回転板16を回転及び昇降させる駆動機構17と、駆動機構17に動力を供給する動力装置18と、が設けられている。
【0027】
1.動力装置18
動力装置18は、ユニット化され1つのケース(図示せず)に設けられている。この動力装置は、第1動力装置18aと、第2動力装置18bとから構成されている。
第1動力装置18aは、人手による動力を駆動機構17に供給するものである。
第1動力装置18aは、ハンドル19と、ハンドル本体の外周に設けられた歯車20と、ハンドル19の軸(図示せず)と平行な軸21に設けられ歯車20に噛合する歯車22と、歯車22と同軸に設けられ歯車22と一体的に回転する歯車23と、軸21と平行な軸24に設けられ歯車23に噛合する歯車25と、歯車25と同軸に設けられ歯車25と一体的に回転する歯車26と、軸24と平行な軸27に設けられ歯車26に噛合可能な歯車28と、歯車28と同軸に設けられ歯車28とクラッチを介して一体的に回転する歯車29と、から構成されている。
【0028】
第2動力装置18bは、モータ30による動力を駆動機構17に供給するものである。
第2動力装置18bは、モータ30と、モータ軸に設けた歯車31と、大小の歯車が2つ重なった二段歯車32、33、34と、上記歯車28、29と、から構成されている。歯車31は二段歯車32の大歯車に、二段歯車32の小歯車は二段歯車33の大歯車に、二段歯車33の小歯車は二段歯車34の大歯車に噛合している。二段歯車34の小歯車は上記歯車28に噛合可能に構成されている。また、歯車28、29は、第1動力装置18aと第2動力装置18bとで共用している。
【0029】
図6は、切替え機構を示した斜視図である。
第1動力装置18aと第2動力装置18bとの切替えは、歯車28、29が設けられた軸27を上下方向に動作させて、歯車28を歯車26又は二段歯車34の小歯車に選択的に噛合させることにより行われる。
実施形態では、この切替えのため、人為的操作が可能なレバー35を設けている。レバー35は、中間部の軸36を中心に回動可能に構成され、レバー35の一端部上面には、軸27の下端に接する傾斜カム面35aが形成されている。そして、レバー35を左右に操作することで、歯車28を歯車26又は二段歯車34の小歯車に選択的に噛合させる。
なお、レバー35の上面の凹部35bにはスイッチSWの摘まみが係合している。そして、レバー35の操作により、歯車28が二段歯車34の小歯車に噛合する時にはレバー35によりスイッチSWがONされてモータ30が作動し、歯車28が歯車26に噛合する時にはスイッチSWがOFFされてモータ30の作動が停止される。
【0030】
2.回転板16
図7は、基体側の回転板16の底面を示した底面図である。
回転板16は、円環状且つ平板状に構成されている。回転板16は、中央の孔16aが中央の柱体12に嵌まり込んだ状態で基体10のフロア11(図3)の上に載置されている。この回転板16の上面によって道R1の路面が構成されている。
また、回転板16の下面には、外側を向く歯車37が中央の孔16aと同心的に形成されている。
【0031】
3.駆動機構17
図8は、演出装置100の基体10の一部を取り除いた状態を示した斜視図、図9は、支持部材40及び下方の起伏摺接部45を下方から見た斜視図、図10は、支持部材40及び下方の起伏摺接部45を示した斜視図である。
駆動機構17は、回転板16を昇降させながら回転させるものである。
駆動機構17は、回転板16の中心軸線と致心した軸38に固定され歯車29と噛合する大径歯車39と、大径歯車39の円周方向に等間隔に配置された3個の支持部材40と、を備えている。大径歯車39の下には、大径歯車39の回転を円滑にするための小ローラ39aが配置されている。
支持部材40は、軸38に平行な軸41に設けられている。支持部材40の頭部は、フロア11の孔(図示せず)から突出し、回転板16を支持している。
支持部材40には歯車42が固定して設けられ、歯車42は大径歯車39に噛合している。また、支持部材40には、頭部上面に歯車43が固定して設けられ、歯車43は回転板16の歯車37に噛合している。ここでは、直接接触によって支持部材40の回転動力を回転板16に伝達する動力伝達要素として歯車を設けているが、歯車に代えて、ローラを設けてもよい。
これによって、動力装置18からの動力で大径歯車39が回転すると、歯車42、43、37を介して回転板16に動力が伝達され、回転板16が回転する。
【0032】
また、支持部材40と基体10の固定部との間には、支持部材40の回転による摺接によって支持部材40に軸方向の往復運動(上下動)を付加する運動変換機構が設けられている。
すなわち、支持部材40の下側には軸41と同心的な円環状の起伏摺接部44が設けられている。一方、支持部材40の下方には、起伏摺接部44に対向して、円環状の起伏摺接部45が基体10に設けられている。起伏摺接部44は、下降位置では、下方の起伏摺接部45と嵌合する。また、支持部材40が回転すると、起伏摺接部44と起伏摺接部45とが摺接し、支持部材40を上下動させる。
この支持部材40の動作によって、回転板16が昇降しながら回転することになる。
実施形態では、起伏摺接部44及び起伏摺接部45の起伏回数は1周で3回とされている。
その結果、回転板16の歯車37の歯数をN1、支持部材40の歯車43の歯数をN2とすれば、(3N1/N2))となる。実施形態ではN1は54個、N2は6個であるから、回転板16の1回転につき27回昇降することになる。
なお、ここでは、支持部材40の下側に起伏摺接部44を設け、基体44に起伏摺接部45を設けたが、一方を起伏摺接部とすれば足り、当該起伏摺接部に摺接して支持部材40を上下動させるものであれば足り、棒状に構成されていてもよい。また、動物フィギュアFの歩行を表現するために、起伏摺接部の傾斜を調整し、支持部材40の上動をゆっくり、下動を速くすることで、地面を1歩1歩強く踏みしめている状態を醸し出すことが好ましい。
【0033】
〈連結ユニット50の構造〉
図11は、連結ユニット50を示した斜視図、図12は、連結ユニット50を分解して示した斜視図、図13は、連結ユニット側の回転板51の底面を示した底面図である。
連結ユニット50は、回転板16の中央に位置する柱体12の上に設置される。
連結ユニット50は、回転板16の上方で当該回転板16の中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な回転板51と、軸38と連結部65(図14及び図15)を介して連結された軸52に固定された大径歯車53と、を備えている。
回転板51は、円環状に構成され、上面が道R2の路面を構成し、下面には歯車54が形成されている。
図14は、軸の連結構造を示した斜視図、図15は、軸の連結構造を下方から見た斜視図である。
連結部65は、軸38に固定して設けられた6角穴66と、軸52に固定して設けられた6角部67とから構成され、6角穴66と6角部67とを互いに嵌合させることにより、軸38と軸52とが連結される。
【0034】
ここで、連結部65を含む連結構造について説明する。
図16は、柱体12の上面の構造を示した斜視図、図17は、連結ユニット50の下面の構造を示した斜視図である。
柱体12の上面には、軸38の偏心位置に3個のボス70a、70b、70cが立設されている。ボス70b、70cは同形で、ボス70aはボス70b、70cよりも大径となっている。一方、連結ユニット50の下側には、3個のボス70a、70b、70cに対応して長孔71a、71b、71cが形成されている。長孔71a、71b、71cはボス70a、70b、70cに対応した幅を有し、互いに平行に延在している。
長孔71a、71b、71cは、連結ユニット50の連結の向きを定めるとともに、6角部67を6角穴66に導くためのものである。すなわち、長孔71a、71b、71cにボス70a、70b、70cを入れることにより、連結ユニット50の向きが定まり、長孔71a、71b、71cの一端側までにボス70a、70b、70cを移動させることによって、6角部67を6角穴66の上方に位置させる。そして、この状態で、6角部67と6角穴66とが合致していない場合には、ハンドル19を回すと、6角穴66が回転し、6角部67と6角穴66とが合致した所で、連結ユニット50の自重によって、6角穴66と6角部67とが嵌合して、軸38と軸52とが連結される。6角部67と6角穴66とが合致している場合には、ハンドル19を回すことなく、連結ユニット50の自重によって、6角穴66と6角部67とが嵌合して、軸38と軸52とが連結される。
【0035】
この場合、6角穴66と6角部67とが自重によって嵌合するのではなく、押込みによってきつく嵌合し、引き離す方向にある程度の力を作用させないと、嵌合が解除されない構成とすることもできる。つまり、連結ユニット50を柱体12に対して持ち上げた程度では、6角穴66と6角部67との嵌合が解除されず、連結ユニット50を柱体12に対して持ち上げると軸38も引き上げられる。この軸38の引上げによって、大径歯車39が持ち上げられ、大径歯車39と支持部材40の歯車42との噛合が解除される。これにより、支持部材40が自重によって下降し、起伏摺接部44が下方の起伏摺接部45と嵌合し、所定位置に戻される。3個の支持部材40が自重によって同時に所定位置まで戻されるので、3個の支持部材40の同期を取ることが容易となる。
また、嵌合された6角穴66と6角部67とは、引き離す方向にある程度の力を作用させないと、嵌合が解除されない仕組みとして、6角穴66と6角部67とをきつく嵌める場合の外、磁石を用いて、引き離す方向にある程度の力を作用させないと、嵌合が解除されない構成とすることもできる。
なお、3個の支持部材40を自重によって同時に所定位置まで戻すのに、6角穴66の形成部分などを持ち、軸38を直接引き上げることもできる。
【0036】
大径歯車53の周りには、フロア59の孔59aから頭部が上方に突出する3個の支持部材55が所定の間隔で配置されている。支持部材55は、回転板51を下方から支持している。支持部材55には歯車56が固定され、歯車56は大径歯車53に噛合している。
また、支持部材55と回転板51との間には、直接接触によって支持部材55の回転動力を回転板51に伝達する動力伝達要素が設けられている。すなわち、支持部材55の頭部上面には、上記回転板51の歯車54に噛合する歯車57が固定されている。
さらに、支持部材55と連結ユニット50の固定部との間には、支持部材55の回転による摺接によって支持部材55に軸方向の往復運動を付加する運動変換機構58が設けられている。この運動変換機構58の構成は、基体10の起伏摺接部44、45と同様となっている。
【0037】
この連結ユニット50によれば、下段の大径歯車39が回転すると、軸38、52を介して大径歯車53が回転し、支持部材55が上下動しながら回転する。これにより、回転板51が昇降しながら回転する。この場合の昇降回数は、実施形態では、回転板51の歯車54の歯数N3が33、支持部材55の歯車57の歯数N4が6、支持部材55の起伏摺接部(図示せず)の起伏数N5が3であるので、(N3/N4)×N5で、回転板51の1回転につき16.5回である。
【0038】
なお、連結ユニット50の軸52の上端にはキャップ60が被せられているが、軸52の上端に上記連結部65と同様な連結部を設けることにより、この連結ユニット50の上に、さらに、連結ユニット50と同様な連結ユニットを設けることができる。また、キャップ60を持ち上げることにより、大径歯車53と支持部材55の歯車56との噛合を解除して、3個の支持部材55を所定位置に戻すことができる。
また、3個の支持部材55を自重によって同時に所定位置まで戻すのに、連結部などを持ち、軸52を直接引き上げることもできる。
【0039】
≪実施形態の効果≫
この実施形態の演出装置100によれば、主たる効果を得ることができる。
動物フィギュアFを乗せる回転板16、51が回転しながら昇降するので、動物フィギュアFが歩いているかのような演出を行うことができる。この場合、大きさや形の異なる動物フィギュアFを用いることができる。また、回転板16、51には動物フィギュアFを乗せるだけなので、動物フィギュアFの配置の自由度が大きく、自由に動物フィギュアFを乗せて楽しむことができる。
また、円周方向に配置した各3個の支持部材40、55を大径歯車39、53で回転させるので、減速歯車の数を少なくすることができる。
【0040】
《変形例》
上記実施形態では、動物フィギュアFを回転板16、51に乗せたが、小型自動車玩具等の乗り物玩具を乗せてもよい。この場合には、凸凹道を走行している様子が演出されることになる。また、小玩具として船玩具や人形を乗せることもできる。
【符号の説明】
【0041】
10 基体
11 フロア
16、51 回転板
17 駆動機構
18 動力装置
31 歯車
39、53 大径歯車
40、55 支持部材
41 軸
50 連結ユニット
59 フロア
59a 孔
60 キャップ
100 演出装置
F 動物フィギュア(小玩具)
R1、R2 道
SW スイッチ
【要約】
【課題】大きさや形が異なる多くの小玩具の動きを効果的に演出するこができる演出装置を提供すること。
【手段】小玩具Fが載置可能で、上下方向に延在する中心軸線を中心に回転可能及び昇降可能な第1回転板16と、前記第1回転板16を回転及び昇降させる駆動機構17と、前記駆動機構17に動力を供給する動力装置18と、を備え、前記駆動機構17は、前記第1回転板16を昇降させながら回転させるように構成されている。
【選択図】図2
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