(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240116BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240116BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20240116BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240116BHJP
G06Q 20/24 20120101ALI20240116BHJP
G06Q 20/28 20120101ALI20240116BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20240116BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/00 301D
G07G1/12 321L
G07G1/12 321P
G06Q20/20
G06Q30/06
G06Q20/24
G06Q20/28
G06Q20/32
(21)【出願番号】P 2023022721
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2018201809の分割
【原出願日】2018-10-26
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 晴喜
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541107(JP,A)
【文献】特開2016-118844(JP,A)
【文献】特開2015-232826(JP,A)
【文献】特開2017-146706(JP,A)
【文献】特開2016-157391(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098774(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0203680(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0164254(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0253651(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103177362(CN,A)
【文献】国際公開第2015/025353(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買者によって使用され、購買商品のデータ入力及び決済指示を受け付ける端末で受け付けた前記購買商品のデータを基に、前記購買者が購入する商品の代金を算出する算出手段と、
前記購買者に対して設定された代金支払い方法
の種類を表す属性を取得する取得手段と、
前記属性が、会計機を使用しない代金支払方法を表す属性の場合、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、その属性によって表される代金支払い方法で前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する決済手段と、
前記属性が、前記会計機を使用しない代金支払方法を表す属性でない場合、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、前記購買者を会計機へと案内する案内手段と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
複数の会計機の中から前記購買者が会計を行う会計機を決定する決定手段、
をさらに具備し、
前記案内手段は、前記決定手段により決定された会計機へと案内する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記案内手段は、会計機で読み取り可能な会計バーコードを前記端末の表示デバイスに表示させて案内する、請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記属性が、会計機を使用しない2種類以上の代金支払い方法を表す属性の場合には、その属性によって表される複数の代金支払い方法のなかからいずれか1つの支払い方法を選択することを前記端末に要求する要求手段、
をさらに具備し、
前記決済手段は、
前記端末において選択された代金支払い方法で前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する、請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決済手段による決済が終了すると、決済が終了したことを前記端末に通知する
決済通知手段、
をさらに具備する請求項1
又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
購買者によって使用され、購買商品のデータ入力及び決済指示を受け付ける端末と通信を行う情報処理装置のコンピュータを、
前記端末で受け付けた前記購買商品のデータを基に、前記購買者が購入する商品の代金を算出する算出手段、
前記購買者に対して設定された代金支払い方法
の種類を表す属性を取得する取得手段、
前記属性が、会計機を使用しない代金支払方法を表す属性の場合、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、その属性によって表される代金支払い方法で前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する決済手段、
及び、
前記属性が、前記会計機を使用しない代金支払方法を表す属性でない場合、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、前記購買者を会計機へと案内する案内手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングカートを装備した小売店向けに、カートPOS(Point Of Sales)システムが提案されている。本システムは、ショッピングカートにタッチパネル、スキャナ等を備えた情報端末を設ける。ショッピングカートを使用する客は、買上商品をショッピングカートに載せる際に、その買上商品の識別コードをスキャナで読み取らせて商品登録を行う。このように、カートPOSシステムは、客自身が買い物をしながら商品登録を行うので、会計場、いわゆるレジの混雑を緩和できる。
【0003】
さらには、決済用カードによる決済処理が可能な決済装置をショッピングカートに取り付け、買上商品の決済までもショッピングカートから行えるようにして、レジを不要にする技術も提案されている。しかしながら、この技術では、既にタッチパネル、スキャナ等を備えたショッピングカートに、さらに決済装置を取り付けなければならない。このため、ショッピングカートの限られたスペースに決済装置を取り付けなければならず、カートの操作性及び客の作業性が低下する懸念がある。また、多くのショッピングカートに情報端末だけでなく決済装置を取り付けなければならないので、システムコストが高価となることは避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-251625号公報
【文献】特開2015-038673号公報
【文献】特開2004-070410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、決済装置を使用することなく買上商品の登録から決済までを客が操作する端末で行えるようにした情報処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報処理装置は、算出手段と、取得手段と、決済手段と、案内手段とを備える。算出手段は、購買者によって使用され、購買商品のデータ入力及び決済指示を受け付ける端末で受け付けた購買商品のデータを基に、購買者が購入する商品の代金を算出する。取得手段は、購買者に対して設定された代金支払い方法の種類を表す属性を取得する。決済手段は、属性が、会計機を使用しない代金支払方法を表す属性の場合、端末で決済指示を受け付けたことに応じて、その属性によって表される代金支払い方法で算出手段により算出された代金の取引を決済する。案内手段は、属性が、会計機を使用しない代金支払方法を表す属性でない場合、端末で決済指示を受け付けたことに応じて、購買者を会計機へと案内する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るカートPOSシステムの全体構成図。
【
図2】会員決済レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図3】電子マネーレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図5】情報端末が設けられたショッピングカートの一例を示す斜視図。
【
図6】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図8】情報端末のプロセッサが、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図9】情報端末のプロセッサが、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図10】仮想POSサーバのプロセッサがログインコマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図。
【
図11】仮想POSサーバのプロセッサが商品登録コマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図。
【
図12】仮想POSサーバのプロセッサが会計コマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図。
【
図13】仮想POSサーバのプロセッサが会計コマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、決済装置を使用することなく買上商品の登録から決済までを客が操作する端末で行えるようにした情報処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、カートPOSシステムに適用した場合である。
【0009】
図1は、本実施形態に係るカートPOSシステム1の全体構成図である。カートPOSシステム1は、店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネーサーバ30、通信サーバ40、仮想POSサーバ50、会計機60、情報端末70及びアクセスポイント80を含む。店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネーサーバ30、通信サーバ40、仮想POSサーバ50、会計機60及びアクセスポイント80は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2に接続されている。
【0010】
情報端末70は、購買者である客が、買上商品の登録に係るデータの入力をセルフで行うことを可能とした機器である。情報端末70は、ショッピングカートCに設けられている。以下では、ショッピングカートCを単にカートCと称する。複数のカートCに、それぞれ情報端末70が設けられている。カートCは、そのカートCのユーザである客の買上商品を搬送する搬送体の一例である。
【0011】
情報端末70は、無線ユニットを備えている。情報端末70は、アクセスポイント80と無線通信を行う。アクセスポイント80は、ネットワーク2に繋がる各機器、すなわち店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネーサーバ30、通信サーバ40、仮想POSサーバ50及び会計機60と、情報端末70との通信を中継する。アクセスポイント80は、
図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0012】
会計機60は、買上商品の会計を店員若しくは客が行うことを可能とした機器である。会計機60は、周知のセルフ式POS端末である。会計機60は、周知の対面式POS端末であってもよい。会計機60の台数は、特に制限されない。
図1では、1店舗に2台の会計機60が設置されたカートPOSシステム1を示している。
【0013】
店舗サーバ10は、店舗業務を支援する。その支援のために店舗サーバ10は、商品データベース、売上データベース等を管理する。商品データベースは、店舗で販売される商品毎に商品データを記述した商品レコードを保存する。商品データは、商品コード、価格、商品名等を含む。商品コードは、商品の識別コードである。売上データベースは、商品、部門、時間帯、日付、週、月等の項目毎に売上データを記述した売上レコードを保存する。売上データは、売上点数、売上金額等を含む。
【0014】
会員サーバ20は、会員登録をした客いわゆる会員の購買業務を支援する。その支援のために会員サーバ20は、会員データベース、会員決済データベース21等を管理する。会員データベースは、会員毎に会員データを記述した会員レコードを保存する。会員データは、会員ID、氏名、性別、メールアドレス等を含む。会員IDは、会員の識別コードである。会員決済データベース21は、会員毎に代金の支払いに必要なデータを記述した会員決済レコード21Rを保存する。
【0015】
図2は、会員決済レコード21Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように会員決済レコード21Rは、会員IDの他、代金の支払いに必要なデータとして会員属性、クレジットカード番号及び電子マネー識別コードを含む。
【0016】
会員属性は、会員が会計機60を使用しない場合の代金支払方法の属性を表す。本実施形態は、会員が会計機60を使用しない場合の代金支払方法をクレジットカードと電子マネーの2種類に制限する。そして本実施形態は、クレジットカードと電子マネーの両方を代金支払いに使用する会員の属性を“11”、電子マネーだけを代金支払いに使用する会員の属性を“10”、クレジットカードだけを代金支払いに使用する会員の属性を“01”、クレジットカード及び電子マネーの両方とも代金支払いに使用しない会員の属性を“00”と定義する。
【0017】
クレジットカード番号は、会員IDで識別される会員が代金支払いに使用するものとして事前に登録したクレジットカードのカード番号である。会員属性が“01”または“11”の会員に対する会員決済レコード21Rには、クレジットカード番号が登録されている。会員属性が“00”または“10”の会員に対する会員決済レコード21Rには、クレジットカード番号は登録されていない。
【0018】
電子マネー識別コードは、会員IDで識別される会員が代金支払いに使用するものとして事前に登録した電子マネーの識別コードである。会員属性が“10”または“11”の会員に対する会員決済レコード21Rには、電子マネー識別コードが登録されている。会員属性が“00”または“01”の会員に対する会員決済レコード21Rには、電子マネー識別コードは登録されていない。
【0019】
図1の説明に戻る。
電子マネーサーバ30は、電子マネーによる決済を支援する。その支援のために電子マネーサーバ30は、電子マネーデータベース31を管理する。電子マネーデータベース31は、電子マネーの登録ユーザ毎に、その電子マネーに係るデータを記述した電子マネーレコード31Rを保存する。
【0020】
図3は、電子マネーレコード31Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように電子マネーレコード31Rは、電子マネーに係るデータとして電子マネー識別コード及び残高を含む。電子マネー識別コードは、登録ユーザが使用する電子マネーの識別コードである。残高は、対応する電子マネー識別コードで特定される電子マネーの残高である。
【0021】
図1の説明に戻る。
通信サーバ40は、会計機60または仮想POSサーバ50とカード会社サーバ4との間で、クレジット専用のネットワーク3を介して行われるデータ通信処理を支援する。
【0022】
仮想POSサーバ50は、情報端末70と協働することで、その情報端末70がPOS端末として機能しているように見せかけるための支援を行う。
【0023】
図4は、情報端末70の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末70は、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74、タッチパネル75、スキャナ76、リーダ77、カメラ78及びシステム伝送路79を備える。システム伝送路79は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報端末70は、システム伝送路79に、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74、タッチパネル75、スキャナ76、リーダ77、カメラ78を接続する。情報端末70では、プロセッサ71、メインメモリ72及び補助記憶デバイス73と、これらを接続するシステム伝送路79とによってコンピュータが構成される。
【0024】
プロセッサ71は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ71は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、情報端末70としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ71は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0025】
メインメモリ72は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ72は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ72は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ72は、プロセッサ71が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ72は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ71によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0026】
補助記憶デバイス73は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス73となり得る。補助記憶デバイス73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ71での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス73は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0027】
無線ユニット74は、アクセスポイント80との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0028】
タッチパネル75は、情報端末70の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル75は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ71に出力する。
【0029】
スキャナ76は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品コードを表すコードシンボルが付されている。スキャナ76は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ71に出力する。スキャナ76は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0030】
リーダ77は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ71に出力する。リーダ77は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ77として使用される。
【0031】
カメラ78は、カートCの籠受部に置かれた籠を上方から撮影できるように、カートCに設けられている。カメラ78は、カートCのユーザである客が買上商品を正しく籠に入れたか否かを監視するためのものである。
【0032】
以上のような回路構成要素を備えた情報端末70において、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74及びタッチパネル75は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ76、リーダ77及びカメラ78を電気的に接続することで、情報端末70が構成されている。
【0033】
図5は、情報端末70が設けられたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4輪の車輪C11を有している。またキャスタ部C1は、買物カゴSBに入らないような大きな荷物を置くための受け部C12を備えている。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3に、店備え付けの買物カゴSBを載置することができる。買物カゴSBは、商品を収容するためのものである。
【0034】
スキャナ76は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ76は、手前側に読取窓が位置するようにハンドルバーC22に取り付けられている。手前側は、ハンドルバーC22を持ってカートCを押す客が立つ側である。
【0035】
一方の縦フレームC21に、ポールC4が取り付けられている。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置している。タブレット端末TMは、タッチパネル75の画面を手前にしてポールC4の先端部に取り付けられている。リーダ77は、カードスリットが手前側に位置するようにタブレット端末TMに取り付けられている。
図5においては、リーダ77を磁気カードリーダとしている。カメラ78は、籠受部C3に置かれた買物カゴSBの全体を上方から撮像するように、ポールC4の中途部に取り付けられている。
【0036】
バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21に亘って取り付けられている。バッテリBTは、タブレット端末TM、スキャナ76、リーダ77及びカメラ78の駆動電源となる。
【0037】
図6は、仮想POSサーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54及びシステム伝送路55を備える。システム伝送路55は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ50は、システム伝送路55に、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54を接続する。仮想POSサーバ50では、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53と、これらを接続するシステム伝送路55とによってコンピュータが構成される。
【0038】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0039】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0040】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0041】
通信インターフェース54は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース54は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0042】
かかる構成の仮想POSサーバ50は、メインメモリ52の揮発性メモリ領域の一部を、買物カゴメモリ521の作成領域としている。仮想POSサーバ50は、この領域に複数の買物カゴメモリ521を作成することができる。
【0043】
図7は、買物カゴメモリ521の一例を示す模式図である。
図7に示すように、買物カゴメモリ521は、会員ID、会員属性、クレジットカード番号、電子マネー識別コード、残高、1乃至複数の購買商品データ及び合計金額をそれぞれ記憶するための領域を有する。購買商品データは、客が購入する購買商品の商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、税額等からなる。合計金額は、購買商品データに含まれる販売金額と税額との合計である。
【0044】
図8及び
図9は、情報端末70のプロセッサ71が、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。端末プログラムは、メインメモリ72又は補助記憶デバイス73に記憶されている。
図10乃至
図13は、仮想POSサーバ50のプロセッサ51が、情報端末70から発信される主要なコマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図である。この手順は、制御プログラムに従ったものである。制御プログラムは、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶されている。
【0045】
以下、これらの流れ図を用いて、会員である客がカートCの情報端末70を使用して買上商品の登録から決済までをセルフで行う場合のカートPOSシステム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0046】
はじめに、カートCを使用して買物を行う客は、タッチパネル75にタッチする。タッチパネル75がタッチされると、アイドル状態であったプロセッサ71が起動する。プロセッサ71は、
図8及び
図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0047】
プロセッサ71は、Act1としてタッチパネル75にログイン画面を表示させる。ログイン画面は、会員に対してログイン操作を指示するための画面である。会員である客は、自身の会員コードが記録された会員カードを所持している。ログイン画面を確認した客は、その会員カードのデータをリーダ77に読み取らせる。リーダ77で会員カードのデータが読み取られると、その会員カードのデータがプロセッサ71へと与えられる。
【0048】
ログイン画面を表示させたプロセッサ71は、Act2としてログインを待ち受けている。プロセッサ71は、リーダ77からデータを受け取り、そのデータが会員IDを含む会員カードのデータであることを確認すると、ログインが行われたと判定する。すなわちプロセッサ71は、Act2においてYESと判定し、Act3へと進む。
【0049】
プロセッサ71は、Act3としてログインコマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、ログインコマンドを無線送信する。ログインコマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。ログインコマンドには、リーダ77で読み取られた会員カードの会員IDが含まれている。
【0050】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、通信インターフェース54を介して情報端末70からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドがログインコマンドであった場合、プロセッサ51は、
図10の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0051】
プロセッサ51は、Act31としてログインコマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、Act32としてその会員IDで識別される会員の認証を行う。具体的にはプロセッサ51は、その会員IDを含む会員レコードが会員データベースに存在するか否かを会員サーバ20に問い合わせる。その結果、会員サーバ20から該当する会員レコードが会員データベースに存在するとの応答を受けた場合には、プロセッサ51は、会員認証が有効であると認定する。これに対し、会員サーバ20から該当する会員レコードが会員データベースに存在しないとの応答を受けた場合には、プロセッサ51は、会員認証が無効であると認定する。
【0052】
会員認証を行ったプロセッサ51は、Act33としてその認証結果を確認する。ここで、認証結果が無効であった場合、プロセッサ51は、Act33においてNOと判定し、Act34へと進む。プロセッサ51は、Act34として情報端末70宛に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は否認応答コマンドを送信する。否認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末70で受信される。
【0053】
認証結果が有効であった場合には、プロセッサ51は、Act33においてYESと判定し、Act35へと進む。プロセッサ51は、Act35として買物カゴメモリ521をメインメモリ52に形成する。そしてプロセッサ51は、ログインコマンドに含まれていた会員IDを買物カゴメモリ521に書き込む。
【0054】
プロセッサ51は、Act36として会員サーバ20に対して会員決済データを要求するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、会員決済データの要求コマンドを送信する。要求コマンドは、ネットワーク2を介して会員サーバ20で受信される。要求コマンドには、ログインコマンドに含まれていた会員IDが含まれる。
【0055】
会員サーバ20は、会員決済データベース21から、当該要求コマンドに含まれる会員IDが記述された会員決済レコード21Rを検出し、仮想POSサーバ50に送信する。会員決済レコード21Rは、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50の通信インターフェース54で受信される。
【0056】
会員決済レコード21Rを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、Act37としてその会員決済レコード21Rに含まれる会員IDが記憶された買物カゴメモリ521に、当該会員決済レコード21Rのデータを書き込む。すなわち、会員決済レコード21Rの会員属性が“00”であった場合には、プロセッサ51は、その会員属性“00”だけを買物カゴメモリ521に書き込む。会員決済レコード21Rの会員属性が“01”であった場合には、プロセッサ51は、その会員属性“01”とクレジットカード番号とを買物カゴメモリ521に書き込む。会員決済レコード21Rの会員属性が“10”であった場合には、プロセッサ51は、その会員属性“10”と電子マネー識別コードとを買物カゴメモリ521に書き込む。会員決済レコード21Rの会員属性が“11”であった場合には、プロセッサ51は、その会員属性“11”とクレジットカード番号と電子マネー識別コードとを買物カゴメモリ521に書き込む。買物カゴメモリ521は、Act35の処理において作成されたものである。
【0057】
プロセッサ51は、Act38として会員決済レコード21Rに電子マネー識別コードが含まれていたか否を確認する。電子マネー識別コードが含まれていない場合、すなわち会員属性が“00”または“01”であった場合には、プロセッサ51は、Act38においてNOと判定し、Act39へと進む。プロセッサ51は、Act39として情報端末70宛に残高無の承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、残高無の承認応答コマンドを送信する。残高無の承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末70で受信される。残高無の承認応答コマンドには、ログインコマンドに含まれていた会員IDが含まれる。残高データは含まれない。
【0058】
Act38において、電子マネー識別コードが含まれている場合、すなわち会員属性が“10”または“11”であった場合には、プロセッサ51はYESと判定し、Act40へと進む。プロセッサ51は、Act40として電子マネーサーバ30に対して残高を要求するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、残高要求コマンドを電子マネーサーバ30宛に送信する。残高要求コマンドは、ネットワーク2を介して電子マネーサーバ30で受信される。残高要求コマンドには、電子マネー識別コードが含まれる。
【0059】
電子マネーサーバ30は、電子マネーデータベース31から、当該残高要求コマンドに含まれる電子マネー識別コードが記述された電子マネーレコード31Rを検出し、仮想POSサーバ50に送信する。電子マネーレコード31Rは、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50の通信インターフェース54で受信される。
【0060】
電子マネーレコード31Rを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、Act41としてその電子マネーレコード31Rに含まれる残高データを買物カゴメモリ521に書き込む。買物カゴメモリ521は、Act35の処理において作成されたものである。
【0061】
プロセッサ51は、Act42として情報端末70宛に残高有の承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、残高有の承認応答コマンドを送信する。残高有の承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末70で受信される。残高有の承認応答コマンドには、ログインコマンドに含まれていた会員IDとともに残高データが含まれる。
【0062】
このように、ログインコマンドを受信した仮想POSサーバ50は、そのログインコマンド送信元の情報端末70に対し、否認応答コマンド又は承認応答コマンドを送信する。プロセッサ51は、いずれかの応答コマンドを送信し終えると、このコマンド受信処理を終了する。
【0063】
図8の説明に戻る。
Act3においてログインコマンドの送信を制御した情報端末70のプロセッサ71は、Act4として仮想POSサーバ50からの応答コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ50から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、Act4においてNOと判定し、ログインをエラーとする。
【0064】
ログインがエラーとなった場合、情報端末70のオペレータである客は、タッチパネル75からエラーの解除操作を行う。プロセッサ71は、解除操作が行われると、Act1から処理を再開する。したがって客は、再びログインを行うこととなる。
【0065】
仮想POSサーバ50から承認応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ71は、Act4においてYESと判定し、Act5へと進む。プロセッサ71は、Act5としてその承認応答コマンドに含まれている会員IDをメインメモリ72にて記憶する。またプロセッサ71は、Act6としてタッチパネル75に商品登録画面を表示させる。商品登録画面は、客が購入する商品の商品名、価格等の購買商品リストと合計金額とを表示するための画面である。
【0066】
Act5及びAct6の処理を終えると、プロセッサ71は、Act7として商品応答コマンドに残高データが含まれているか否かを確認する。残高データが含まれている場合、プロセッサ71は、Act7においてYESと判定し、Act8へと進む。プロセッサ71は、Act8としてその残高データを基に商品登録画面の一部に当該客が使用する電子マネーの残高を表示させる。その後、プロセッサ71は、Act9へと進む。商品応答コマンドに残高データが含まれていない場合には、プロセッサ71は、Act7においてNOと判定し、Act8をスキップして、Act9へと進む。
【0067】
商品登録画面を確認した客は、売場を回り、購入しようとする商品、いわゆる購買商品をカートCに収容する。例えば客は、籠受部C3に載置された買物カゴSBに購買商品を入れる。客は、購買商品を買物カゴSBに入れる前に、スキャナ76を操作してその商品に付されているコードシンボルを読み取る。スキャナ76でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルで表わされた商品コードが情報端末70に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。
【0068】
なお、生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。購買商品にコードシンボルが付されていない場合、客は、タッチパネル75に表示される商品ボタンから購買商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品コードが情報端末70に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。
【0069】
プロセッサ71は、Act9として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ71は、Act9においてNOと判定し、Act10へと進む。プロセッサ71は、Act10として会計が指示されたか否かを確認する。
【0070】
商品登録画面の一部には、[会計]ボタンの画像が表示されている。買物を終えた客は、[会計]ボタンにタッチする。プロセッサ71は、[会計]ボタンがタッチされた場合に、会計が指示されたと認識する。会計が指示されていない場合、プロセッサ71は、Act10においてNOと判定し、Act9へと戻る。ここにプロセッサ71は、Act9及びAct10において、商品登録が行われるか、会計が指示されるのを待ち受ける。
【0071】
この待ち受け状態においてプロセッサ71は、商品登録が行われたことを確認すると、Act9においてYESと判定し、Act11へと進む。プロセッサ71は、Act11として商品登録コマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、商品登録コマンドを無線送信する。商品登録コマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50へと送られる。商品登録コマンドには、メインメモリ72にて記憶した会員IDと、登録商品の商品コードとが含まれる。
【0072】
商品登録コマンドを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、
図11の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
プロセッサ51は、Act51として商品登録コマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、Act52としてその会員IDが記述された買物カゴメモリ521を処理対象として抽出する。以後、処理対象の買物カゴメモリ521を買物カゴメモリ521Aと称する。
【0073】
Act51及びAct52の処理を終えると、プロセッサ51は、Act53として商品登録コマンドに含まれる商品コードを基に購買商品データを作成し、その購買商品データを買物カゴメモリ521Aに書き込む。またプロセッサ51は、Act54としてその購買商品データの販売金額及び税額を買物カゴメモリ521Aの合計金額に加算する。
【0074】
プロセッサ51は、Act55として買物カゴメモリ521Aに電子マネー識別コードが記憶されているか否かを確認する。電子マネー識別コードが記憶されていない場合、プロセッサ51は、Act55においてNOと判定し、Act56へと進む。プロセッサ51は、Act56として情報端末70宛に残高無の登録済応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、残高無の登録済応答コマンドを送信する。残高無の登録済応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末70で受信される。残高無の登録済応答コマンドには、買物カゴメモリ521Aに記憶されている購買商品データから生成された購買商品リストと合計金額とが含まれる。残高データは含まれない。
【0075】
Act55において買物カゴメモリ521Aに電子マネー識別コードが記憶されている場合には、プロセッサ51はYESと判定し、Act57へと進む。プロセッサ51は、Act57として買物カゴメモリ521の残高データを更新する。すなわちプロセッサ51は、残高から購買商品データの販売金額と税額とが減額されるように残高データを更新する。このとき、残高よりも販売金額と税額との合計額が大きい場合には、残高は負となる。
【0076】
残高を更新し終えると、プロセッサ51は、Act58として情報端末70宛に残高有の登録済応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、残高有の登録済応答コマンドを送信する。残高有の登録済応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末70で受信される。残高有の登録済応答コマンドには、購買商品リスト及び合計金額とともに、更新後の残高データが含まれる。
【0077】
このように、商品登録コマンドを受信した仮想POSサーバ50は、その商品登録コマンド送信元の情報端末70に対し、Act56またはAct58において残高無又は残高有の登録済応答コマンドを送信する。プロセッサ51は、いずれかの登録済応答コマンドを送信し終えると、このコマンド受信処理を終了する。
【0078】
図8の説明に戻る。
Act11において商品登録コマンドの送信を制御した情報端末70のプロセッサ71は、Act12として登録済応答コマンドを待ち受ける。そして仮想POSサーバ50から登録済応答コマンドを受信すると、プロセッサ71は、Act12においてYESと判定し、Act13へと進む。プロセッサ71は、Act13としてタッチパネル75に表示されている商品登録画面を更新する。すなわちプロセッサ71は、登録済応答コマンドに含まれる購買商品リスト及び合計金額が商品登録画面に表示されるように更新する。その後、プロセッサ71は、Act7へと戻る。すなわちプロセッサ71は、登録済応答コマンドに残高データが含まれているか否かを確認する。残高データが含まれている場合、プロセッサ71は、Act7においてYESと判定し、Act8へと進む。プロセッサ71は、Act8としてその残高データを基に商品登録画面の一部に当該客が所持する電子マネーの残高を表示させる。このとき、残高が負の場合には、マイナス符号を付して残高を表示させる。残高データが含まれていない場合には、プロセッサ71は、Act7においてNOと判定し、Act8をスキップする。
【0079】
プロセッサ71は、Act9及びAct10の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態においてプロセッサ71は、再び商品登録が行われたことを確認すると、Act11乃至Act13、さらにはAct7乃至Act9の処理を、前述した場合と同様に実行する。したがって仮想POSサーバ50においても、プロセッサ51は、
図11に示す商品登録コマンドの受信処理を再度実行する。
【0080】
Act9及びAct10の待ち受け状態において、[会計]のタッチボタンがタッチされたことを検知すると、プロセッサ71は、Act10においてYESと判定し、
図9のAct21へと進む。プロセッサ71は、Act21として会計コマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、会計コマンドを無線送信する。会計コマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50へと送られる。会計コマンドには、メインメモリ72にて記憶した会員IDが含まれる。
【0081】
会計コマンドを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、
図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
プロセッサ51は、Act61として会計コマンドから会員IDを検出する。プロセッサ51は、Act62としてその検出した会員IDが記述された買物カゴメモリ521を処理対象として抽出する。すなわちプロセッサ51は、買物カゴメモリ521Aを抽出する。
【0082】
Act61及びAct62の処理を終えると、プロセッサ51は、Act63としてその買物カゴメモリ521Aから会員属性を取得する。そしてプロセッサ51は、Act64として会員属性が“00”であるか否かを確認する。
【0083】
会員属性が“00”である場合、プロセッサ51は、Act64においてYESと判定し、Act65へと進む。プロセッサ51は、Act65として[会計]ボタンにタッチした客が会計を行う会計対象の会計機60を決定する。例えばプロセッサ51は、2台の会計機60のうちいずれか一方の会計機60が空いている場合には、その会計機を会計対象の会計機として決定する。2台の会計機60がいずれも空いている場合には、予め設定された順番に一方の会計機60を会計対象の会計機として決定する。2台の会計機60がいずれも使用中の場合には、先に使用状態となった会計機60を会計対象の会計機として決定する。
【0084】
会計対象の会計機60が決定されると、プロセッサ51は、Act66として会計バーコードのデータを生成する。会計バーコードは、会計機60で会計を行う客を識別するためのものである。会計バーコードは、会計機60で会計を行う客毎に生成される。
【0085】
プロセッサ51は、Act67として店舗サーバ10宛に決済データを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、ネットワーク2を介して決済データを送信する。決済データは、店舗サーバ10で受信され、その内部メモリで記憶される。決済データには、買物カゴメモリ521Aに記憶されていた購買商品データと合計金額とが含まれる。また決済データには、会計対象の会計機60を特定する会計機識別コードと会計バーコードのデータも含まれる。
【0086】
プロセッサ51は、Act68として会計コマンド送信元の情報端末70に会計機通知応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、会計機通知応答コマンドを送信する。会計機通知コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末70で受信される。会計機通知応答コマンドには、会計バーコードが含まれる。
【0087】
Act64において会員属性が“00”でない場合、プロセッサ51はNOと判定し、Act69へと進む。プロセッサ51は、Act69として会員属性が“01”であるか否かを確認する。会員属性が“01”である場合、プロセッサ51は、Act69においてYESと判定し、Act70へと進む。
【0088】
プロセッサ51は、Act70として買物カゴメモリ521Aからクレジットカード番号を取得する。そしてプロセッサ51は、Act71としてそのクレジットカード番号を用いてクレジットカード決済処理を実行する。すなわちプロセッサ51は、通信サーバ40宛にクレジットカードによる決済指令コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54から決済指令コマンドが送信される。決済指令コマンドは、ネットワーク2を介して通信サーバ40で受信される。決済指令コマンドには、買物カゴメモリ521Aから取得したクレジットカード番号が含まれる。
【0089】
決済指令コマンドを受信した通信サーバ40は、クレジットカード番号から特定されるカード会社サーバ4と通信を行い、クレジットカード決済を実行する。そして、クレジットカード決済が終了すると、通信サーバ40は、仮想POSサーバ50に対してクレジットカード決済の終了を通知する。
【0090】
プロセッサ51は、Act72としてクレジットカード決済が終了するのを待ち受ける。そして、通信サーバ40からクレジットカード決済の終了通知を受信すると、プロセッサ51は、Act72においてYESと判定し、Act73へと進む。プロセッサ51は、Act73として会計コマンド送信元の情報端末70宛に決済完了応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、決済完了応答コマンドを送信する。決済完了応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末70で受信される。決済完了応答コマンドには、クレジットカード決済が終了したことを示すデータが含まれる。
【0091】
Act69において会員属性が“01”でない場合、プロセッサ51はNOと判定し、
図13のAct81へと進む。プロセッサ51は、Act81として会員属性が“10”であるか否かを確認する。会員属性が“10”である場合、プロセッサ51は、Act81においてYESと判定し、Act82へと進む。
【0092】
プロセッサ51は、Act82として買物カゴメモリ521Aに記憶されている残高データの残高が“0”以上であるか否かを確認する。残高が負であった場合、プロセッサ51は、Act82においてNOと判定し、
図12のAct65へと進む。そしてプロセッサ51は、前述したAct65乃至Act68の処理を実行する。
【0093】
残高が“0”以上であった場合には、プロセッサ51は、Act82においてYESと判定し、Act83へと進む。プロセッサ51は、Act83として電子マネー決済処理を実行する。すなわちプロセッサ51は、電子マネーサーバ30宛に電子マネー決済コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54から電子マネー決済コマンドが送信される。電子マネー決済コマンドは、ネットワーク2を介して電子マネーサーバ30で受信される。電子マネー決済コマンドには、買物カゴメモリ521Aに記憶されている電子マネー識別コードと合計金額とが含まれる。
【0094】
電子マネー決済コマンドを受信した電子マネーサーバ30は、電子マネーデータベース31を参照する。そして電子マネーサーバ30は、電子マネー決済コマンドに含まれる電子マネー識別コードと関連付けて記憶されている残高から、同電子マネー決済コマンドに含まれる合計金額を減額する。こうして、電子マネーによる決済を終えると、電子マネーサーバ30は、仮想POSサーバ50に対して電子マネー決済の終了を通知する。
【0095】
プロセッサ51は、Act84として電子マネー決済が終了するのを待ち受ける。そして、電子マネーサーバ30から電子マネー決済の終了通知を受信すると、プロセッサ51は、Act84においてYESと判定し、Act85へと進む。プロセッサ51は、Act85として会計コマンド送信元の情報端末70宛に決済完了応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、決済完了応答コマンドを送信する。決済完了応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末70で受信される。決済完了応答コマンドには、電子マネー決済が終了したことを示すデータが含まれる。
【0096】
Act81において会員属性が“10”でない場合、会員属性は“11”である。すなわち会員属性が“11”である場合、プロセッサ51はAct81においてNOと判定し、Act86へと進む。プロセッサ51は、Act86として買物カゴメモリ521Aに記憶されている残高データの残高が “0”以上であるか否かを確認する。残高が負であった場合、プロセッサ51は、Act86においてNOと判定し、
図12のAct70へと進む。そしてプロセッサ51は、前述したAct70乃至Act73の処理を実行する。
【0097】
残高が“0”以上の場合には、プロセッサ51は、Act86においてYESと判定し、Act87へと進む。プロセッサ51は、Act87として会計コマンド送信元の情報端末70宛に決済方法の選択要求コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は、決済方法の選択要求コマンドを送信する。選択要求コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末70で受信される。
【0098】
【0099】
Act21において、会計コマンドの送信を制御した情報端末70のプロセッサ71は、Act22として会計機通知コマンドを受信したか否かを確認する。会計機通知コマンドを受信していない場合、プロセッサ71は、Act22においてNOと判定し、Act23へと進む。プロセッサ71は、Act23として決済完了応答コマンドを受信したか否かを確認する。決済完了応答コマンドを受信していない場合、プロセッサ71は、Act23においてNOと判定し、Act24へと進む。プロセッサ71は、Act24として選択要求コマンドを受信したか否かを確認する。選択要求コマンドを受信していない場合、プロセッサ71は、Act24においてNOと判定し、Act22へと戻る。ここにプロセッサ71は、Act22乃至Act24において、会計機通知コマンドを受信するか、決済完了応答コマンドを受信するか、選択要求コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0100】
この待ち受け状態において、会計機通知コマンドを受信した場合には、プロセッサ71は、Act22においてYESと判定し、Act25へと進む。プロセッサ71は、Act25として会計機案内画面をタッチパネル75に表示させる。会計機案内画面には、会計機通知コマンドに含まれている会計対象の会計機識別コードと会計バーコードが表示される。
【0101】
会計機案内画面を確認した客は、会計機識別コードが割り当てられた会計機60の設置場所に行き、その会計機60に備えられたスキャナで会計バーコードを読み取らせる。そうすると、会計機60は、当該会計バーコードとともに記憶されている決済データを店舗サーバ10から取得する。その結果、会計機60では、その決済データを基に、現金支払い、ポイント支払いなどの決済処理が実行可能となる。
【0102】
Act22乃至Act24の待ち受け状態において、選択要求コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、Act24においてYESと判定し、Act26へと進む。プロセッサ71は、Act26としてタッチパネル75に支払方法選択画面を表示させる。支払方法選択画面は、クレジットカード支払いを選択するか電子マネー支払いを選択するかを客に促す画面である。
【0103】
支払方法選択画面を確認した客は、クレジットカード支払いを選択するか電子マネー支払いを選択するかを決める。そして、決定した支払方法が選択されるように支払方法選択画面にタッチする。
【0104】
プロセッサ71は、Act27として支払方法が選択されるのを待ち受ける。そして、支払方法が選択されたならば、プロセッサ71は、Act27においてYESと判定し、Act28へと進む。プロセッサ71は、Act28として支払方法通知コマンドを仮想POSサーバ50宛に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、支払方法通知コマンドを無線送信する。無線送信された支払方法通知コマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。支払方法通知コマンドには、選択された支払方法を特定するためのデータが含まれている。
【0105】
図13の説明に戻る。
Act87において選択要求コマンドの送信を制御した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、Act88として支払方法通知コマンドを待ち受ける。そして、支払方法通知コマンドを受信すると、プロセッサ51は、Act88においてYESと判定し、Act89へと進む。プロセッサ51は、Act89として支払方法通知コマンドがクレジットカード支払いを通知するコマンドなのか、電子マネー支払いを通知するコマンドなのかを識別する。そして、クレジットカード支払いを通知するコマンドの場合、プロセッサ51は、Act89においてYESと判定し、
図12のAct70へと進む。以後、プロセッサ51は、Act70乃至Act73の処理を前述したのと同様に実行する。
【0106】
電子マネー支払いを通知するコマンドの場合には、プロセッサ51は、Act89においてNOと判定し、
図13のAct83へと進む。以後、プロセッサ51は、Act83乃至Act85の処理を前述したのと同様に実行する。
【0107】
このように、会計コマンドを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、Act68において会計機通知応答コマンドを送信し終えるか、Act73またはAct85において決済完了応答コマンドを送信し終えると、このコマンド受信処理を終了する。
【0108】
図9の説明に戻る。
支払方法通知コマンドの送信を制御した情報端末70のプロセッサ71は、Act29として決済完了応答コマンドを待ち受ける。そして、決済完了応答コマンドを受信すると、プロセッサ71はAct29においてYESと判定し、Act30へと進む。なお、Act22乃至Act24の待ち受け状態において決済完了応答コマンドを受信した場合も、プロセッサ71は、Act23においてYESと判定し、Act30へと進む。
【0109】
プロセッサ71は、Act30としてタッチパネル75に決済完了画面を表示させる。決済完了画面は、クレジットカード支払いまたは電子マネー支払いにより、購入商品の代金が決済されたことを客に通知する画面である。
【0110】
プロセッサ71は、Act25において会計機案内画面を表示させるか、Act30において決済完了画面を表示させると、
図8及び
図9の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0111】
このように、仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、
図11のAct51乃至Act54において、情報端末70で受け付けた購買商品のデータを基に、購買者が購入する商品の代金を算出している。ここにプロセッサ51は、算出手段を構成する。
【0112】
またプロセッサ51は、
図12のAct61乃至Act63において、購買者に対して設定された代金支払いに必要なデータを表す会員属性を取得している。ここにプロセッサ51は、取得手段を構成する。
【0113】
またプロセッサ51は、会員属性が“11”であったとき、すなわち、2以上の代金支払いに必要なデータを取得した場合、Act86及びAct87において、その2以上の代金支払いに必要なデータのなかから決済で使用するデータの選択を情報端末70に要求している。ここにプロセッサ51は、要求手段を構成する。
【0114】
またプロセッサ51は、
図12のAct70及びAct71において、代金支払いに必要なデータがクレジットカード番号である場合には、クレジットカード決済処理を実行している。同じくプロセッサ51は、
図13のAct82及びAct83において、代金支払いに必要なデータが電子マネー識別コードである場合には、その電子マネーの残高が代金以上であることを条件に電子マネー決済処理を実行している。ここにプロセッサ51は、決済手段を構成する。
【0115】
またプロセッサ51は、
図10のAct40乃至Act42、及び、
図11のAct57及びAct58において、代金支払いに必要なデータが電子マネーの残高を含むとき、その残高を情報端末70に通知している。ここにプロセッサ51は、残高通知手段を構成する。
【0116】
またプロセッサ51は、
図12のAct73及び
図13のAct85において、クレジットカード決済処理又は電子マネー決済処理が終了したことを検知すると、決済が終了したことを情報端末70に通知している。ここにプロセッサ51は、決済通知手段を構成する。
【0117】
かくして、上記算出手段、取得手段、決済手段、要求手段、残高通知手段及び決済通知手段を構成するプロセッサ51を備えた仮想POSサーバ50は、情報処理装置として機能する。
【0118】
以上説明したように、会員属性が“01”の会員が情報端末70を用いて買上商品の登録を行った後に[会計]ボタンにタッチすると、当該会員が事前に登録したクレジットカード番号のクレジットカードで買上商品の代金が決済される。同様に、会員属性が“10”の会員が情報端末70を用いて買上商品の登録を行った後に[会計]ボタンにタッチすると、当該会員が事前に登録した電子マネー識別コードで識別される電子マネーで買上商品の代金が決済される。
【0119】
一方、会員属性が“11”の会員が情報端末70を用いて買上商品の登録を行った後に[会計]ボタンにタッチした場合には、情報端末70のタッチパネル75に支払方法選択画面が表示される。ここで会員がクレジットカード支払いを選択すると、当該会員が事前に登録したクレジットカード番号のクレジットカードで買上商品の代金が決済される。会員が電子マネー支払いを選択すると、当該会員が事前に登録した電子マネー識別コードで識別される電子マネーで買上商品の代金が決済される。
【0120】
このように、会員は、カートCに設けられた情報端末70を使用することにより、買上商品の登録から決済までをセルフで行うことができる。したがって、カートCに決済装置を取り付ける必要がないので、カートの操作性及び客の作業性を損ねることはない。また、カートCに決済装置を取り付ける場合と比較して低コストでカートPOSシステム1を構築することができる。
【0121】
しかも会員は、事前にクレジットカード番号と電子マネー識別コードとを登録しておくことによって、クレジットカード決済を行うか電子マネー決済を行うかを選択できる。したがって会員は、例えば安価な買物のときには電子マネー決済を使用し、高価な買い物のときにはクレジットカード決済を使用するというような使い分けを容易に行うができる。
【0122】
また、事前に電子マネー識別コードを登録した会員に対しては、その電子マネーの残高が情報端末70のタッチパネル75に表示される。そして、この残高は、情報端末70で購買商品が登録される毎にその価格分が減額されて再表示される。したがって、電子マネー支払いを使用する会員は、買物をしながら電子マネーの残高があといくら残っているのかをリアルタイムで知ることができる。
【0123】
その上、このリアルタイムに更新される電子マネーの残高が負になると、カートPOSシステム1においては、電子マネー決済が禁止される。したがって、電子マネー決済によって電子マネーの残高が負になることを未然に防ぐことができる。因みに、電子マネーの残高が負になったために電子マネー決済が禁止された場合、当該会員がクレジットカード番号も登録していた場合には、クレジットカード決済が実行される。クレジットカード番号を登録していなかった場合には、会計機60での決済となる。したがって、電子マネー決済が禁止されても、会員は他の支払い方法で決済をすることができる。
【0124】
また、クレジットカード決済または電子マネー決済が終了すると、情報端末70に決済完了画面が表示される。したがって会員は、クレジットカード決済または電子マネー決済が終了したことを、目視によって確認することができる。
【0125】
以上、決済装置を使用することなく買上商品の登録から決済までを客が操作する端末で行えるようにした情報処理装置の一実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0126】
前記実施形態では、仮想POSサーバ50を情報処理装置の一態様として説明した。仮想POSサーバ50は、前記実施形態で説明したものに限定されるものではない。例えば店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネーサーバ30、または通信サーバ40のうち少なくとも1つのサーバとしての機能をさらに備えた仮想POSサーバ50を情報処理装置としてもよい。換言すれば、仮想POSサーバ50としての機能を備えた店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネーサーバ30、または通信サーバ40を情報処理装置としてもよい。
【0127】
前記実施形態では、情報端末70をカートCに取り付けた場合を例示した。情報端末70は、必ずしもカートCに取り付けられていなくてもよい。例えば、購買者が所有するスマートフォン、タブレット端末等を情報端末70としてもよい。
【0128】
前記実施形態では、会員が会計機を使用しない場合の代金支払方法をクレジットカードと電子マネーの2種類に制限した。この場合における代金支払い方法は、この2種類に限定されるものではない。例えばクレジットカードまたは電子マネーのいずれか1種類であってもよい。あるいは、累積されたサービスポイントの換算金額で代金を支払うポイント支払い等の他の支払い方法を加えてもよい。
【0129】
前記実施形態では、仮想POSサーバ50のメインメモリ52又は補助記憶デバイス53に制御プログラムが事前に記憶されているものとした。この点に関しては、仮想POSサーバ50が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この仮想POSサーバ50とは個別に譲渡された制御プログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0130】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]購買者によって使用され、購買商品のデータ入力及び決済指示を受け付ける端末で受け付けた前記購買商品のデータを基に、前記購買者が購入する商品の代金を算出する算出手段と、前記購買者に対して設定された代金支払いに必要なデータを取得する取得手段と、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、前記取得手段により取得した前記代金支払いに必要なデータで前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する決済手段と、を具備する情報処理装置。
[2]前記取得手段が2以上の代金支払いに必要なデータを取得した場合、その2以上の代金支払いに必要なデータのなかから決済で使用するデータの選択を前記端末に要求する要求手段、をさらに具備し、前記決済手段は、前記端末で選択された代金支払いに必要なデータで前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する、付記[1]記載の情報処理装置。
[3]前記代金支払いに必要なデータが電子マネーの残高を含むとき、その残高を前記端末に通知する残高通知手段、をさらに具備する付記[1]又は[2]記載の情報処理装置。
[4]前記決済手段は、前記代金支払いに必要なデータが電子マネーの残高であるとき、その残高が前記算出手段で算出される代金以上であることを条件に前記代金の取引を決済する、付記[3]記載の情報処理装置。
[5]前記決済手段による決済が終了すると、決済が終了したことを前記端末に通知する、をさらに具備する付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
[6]購買者によって使用され、購買商品のデータ入力及び決済指示を受け付ける端末と通信を行う情報処理装置のコンピュータを、前記端末で受け付けた前記購買商品のデータを基に、前記購買者が購入する商品の代金を算出する算出手段、前記購買者に対して設定された代金支払いに必要なデータを取得する取得手段、前記端末で前記決済指示を受け付けたことに応じて、前記取得手段により取得した前記代金支払いに必要なデータで前記算出手段により算出された前記代金の取引を決済する決済手段、として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0131】
1…カートPOSシステム、10…店舗サーバ、20…会員サーバ、21…会員決済データベース、30…電子マネーサーバ、31…電子マネーデータベース、40…通信サーバ、50…仮想POSサーバ、51,71…プロセッサ、52,72…メインメモリ、53,73…補助記憶デバイス、54…通信インターフェース、60…会計機、70…情報端末、74…無線ユニット、75…タッチパネル、76…スキャナ、77…リーダ、78…カメラ、80…アクセスポイント、521…買物カゴメモリ。