(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】柔軟なビーム管理のためのシグナリング・フレームワークの方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/24 20090101AFI20240116BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240116BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20240116BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240116BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240116BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W16/28
H04W72/1268
H04W72/231
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2023519187
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2021075801
(87)【国際公開番号】W WO2022063722
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-22
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラタラージャン、スターシュン
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】OPPO,"Discussion on Multi-beam Operation Enhancements",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #98 R1-1908352,[online],2019年08月17日,pages 1-9,[retrieved on 2023-08-31], Retrieved from <https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1908352.zip>
【文献】Spreadtrum Communications,"Enhancements on Multi-beam Operation",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #102-e R1-2006248,[online],2020年08月08日,pages 1-5,[retrieved on 2023-08-29], Retrieved from <https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006248.zip>
【文献】Moderator (Samsung),"Moderator summary#2 for multi-beam enhancement: proposal categorization",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #102-e R1-2007189,[online],2020年08月27日,pages 1-27,[retrieved on 2023-08-29], Retrieved from <https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2007189.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(300)によって行われる方法であって、
ネットワーク・ノード(500)から、上位層を介して、アップリンクTransmissionConfigurationIndication IE(UL-TCI IE)である少なくとも1つの情報要素(IE)の構成を受信する工程(201)であって、前記構成は少なくとも、各IEに一意の識別子(ID)と、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソース、サウンディング基準信号(SRS)リソース、または同期信号ブロック(SSB)、または制御リソース・セット(CORESET)である、1つまたは複数のアップリンク(UL)リソースおよび/またはダウンリンク(DL)リソースのIDとを備え、
前記1つまたは複数のULリソースおよび/またはDLリソースは、少なくとも物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソース、またはSRSリソースの送信のためのパスロスファクターの導出のための基準として使用され、
前記パスロスファクターは、前記PUSCH、PUCCHリソースまたはSRSリソースのための送信電力を取得するために使用される、工程(201)と、
前記PUSCHリソース、および前記PUCCHリソースおよび/または前記SRSリソースの前記送信のために前記少なくとも1つのIEにおいて提供された前記構成を適用する工程(202)とを備える方法。
【請求項2】
前記ネットワーク・ノード(500)から、上位層を介して、1≦N≦N
max個のUL-TCI IEの構成を取得する工程を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワーク・ノード(500)から1つまたは複数の媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE)メッセージを受信する工程であって、S≦N個のUL-TCI状態が、N個の構成されたUL-TCI状態から選択される、工程を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク・ノード(500)から、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)に含まれるダウンリンク制御情報(DCI)を介して、少なくとも1つのPUSCHおよびPUCCHリソースまたはSRSリソースまたはSRSリソース・セット
のUL送信についての前記MAC-CEメッセージを介して選択された、前記N個の構成されたUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数またはS個の構成されたUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数の表示を受信する工程を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のための前記パスロスファクターがCORESETから導出される場合、前記方法は、CORESET上の少なくとも1つのPDCCHの受信のための疑似コロケーション(QCL)仮定を提供するDL基準信号の1つから前記パスロスファクターを取得する工程を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロス基準がSRSリソース・セットなどのようなUL RSリソース・セットから取得される場合、前記方法は、前記SRSリソース・セットまたは前記SRSリソース・セット内の1つもしくは複数のRSリソースについてのパスロス基準RSおよび/または空間的関係として使用されるDL RSから前記パスロスファクターを取得する工程を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロス基準がUL基準信号(RS)から取得される場合、前記方法は、アップリンクRSリソースまたは前記アップリンクRSリソースを備えるアップリンクRSリソース・セットについてのパスロス基準RSおよび/または空間的関係として使用されるDL RSから前記パスロスファクターを取得する工程を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記パスロスファクターは、基準信号もしくはリソースから計算されたパスロス推定値を表すために、ならびに/または、NR仕様において送信電力表現で提供されるインデックスq
dを有する基準信号(RS)を使用して、UL帯域幅部分(BWP) b、キャリアfおよびセルcにおいて前記UEによって計算されたダウンリンク・パスロス推定値PL
b,f,c(q
d)を表すために使用されている、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記UEは、パスロス基準RSとして使用されるダウンリンク基準信号リソースからPUCCH、SRS、またはPUSCHのアップリンク送信についての前記パスロスファクターを計算/導出するように構成され、
サービング・セルcにおけるサブキャリアfの前記パスロスファクターは、PL
f,c(q
d)=ReferenceSignalPower-RSRPとして、表示されたパスロス基準RS q
dから計算され、RSRPは、上位層でフィルタされた基準信号受信電力であり、ReferenceSignalPowerは、上位層により提供されたかまたはNR仕様で固定された上記パスロス基準RSの前記送信電力である、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、UL-TCI IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けをMAC-CEメッセージにより受信するように構成され、
前記MAC-CEメッセージは、
少なくとも1つのUL-TCI IEと、
- 1つまたは複数のSRSリソースの前記ID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セット
が有するID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース
が有するID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループ
が有するID、または、
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)
が有するID
のうちの少なくとも1つと、を備え、
前記MAC-CEメッセージの受信後、前記UEは、表示された前記SRSリソース、および/または表示された前記SRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示された前記PUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、前記少なくとも1つの情報要素において提供された空間的関係および/またはパスロス基準RSおよび/または電力制御設定を適用する、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサ(310)と、前記プロセッサ(310)によって実行可能な命令を含むメモリ(320)とを備えるユーザ機器(UE)(300)であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法の主題を行うように動作するUE(300)。
【請求項12】
ネットワーク・ノード(500)によって行われる方法であって、
上位層を介して、UE(300)に対して、アップリンクTransmissionConfigurationIndication IE(UL-TCI IE)である少なくとも1つの情報要素(IE)の構成を送信する工程(401)であって、前記構成は少なくとも、各IEに一意の識別子(ID)と、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソース、サウンディング基準信号(SRS)リソース、または同期信号ブロック(SSB)、または制御リソース・セット(CORESET)である、1つまたは複数のアップリンク(UL)リソースおよび/またはダウンリンク(DL)リソースのIDとを備え、
前記1つまたは複数のULリソースおよび/またはDLリソースは、少なくとも物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソース、またはSRSリソースの送信のためのパスロスファクターの導出のための基準として前記UEによって使用され、
前記パスロスファクターは、前記PUSCH、PUCCHリソースまたはSRSリソースのための送信電力を取得するために使用されることにより、前記UEが、前記PUSCHリソース、および前記PUCCHリソースおよび/または前記SRSリソースの前記送信のために前記少なくとも1つのIEにおいて提供された前記構成を適用することを可能にする、工程(401)と、
前記UE(300)から、前記PUSCHリソースおよび前記PUCCHリソースおよび/または前記SRSリソースを受信する工程(402)とを備える方法。
【請求項13】
プロセッサ(510)と、前記プロセッサ(510)によって実行可能な命令を含むメモリ(520)とを備えるネットワーク・ノード(500)であって、少なくとも請求項12に記載の方法の主題を行うように動作するネットワーク・ノード(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、特に、高度な5Gネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークにおける柔軟なビーム管理のためのシグナリング・フレームワークの方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)移動通信システムは、新無線(NR)としても知られ、以前の世代の移動通信システムよりも高い性能を提供する。5G移動通信は、多様な自動車通信、フィードバックを伴う遠隔制御、ビデオダウンロードなどのアプリケーション、およびモノのインターネット(IoT)デバイス用、マシンタイプ通信(MTC)デバイス用などのデータ・アプリケーションのためのユビキタス接続性を提供する必要性に駆られている。5Gワイヤレス技術は、高速化、遅延短縮、接続性向上など、いくつかの主な利点をもたらす。第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP(登録商標))は、少なくとも無線アクセス・ネットワーク(RAN)、コア・トランスポート・ネットワーク(CN)およびサービス機能を含む、5Gネットワーク・アーキテクチャの完全なシステム仕様を提供する。
【0003】
図1は、コア・ネットワーク(CN)110および無線アクセス・ネットワーク(RAN)120を含むワイヤレス通信ネットワーク100の例の簡略化された概略図である。RAN120は、5GではgNBと呼ばれる複数のネットワーク・ノードまたは無線基地局を含んで示されている。3つの無線基地局は、gNB1、gNB2、およびgNB3で示される。各gNBは、カバレージ・エリアまたはセルと呼ばれるエリアに対してサービスする。
図1は、3つのセル121、122、および123を示しており、各セルは、それ自体のgNBであるgNB1、gNB2、およびgNB3によってそれぞれサービスされる。ネットワーク100は任意の数のセルおよびgNBsを含み得ることに留意されたい。無線基地局またはネットワーク・ノードは、セル内のユーザに対してサービスする。4GまたはLTE(登録商標)では、無線基地局はeNBと呼ばれ、3GまたはUMTSでは、無線基地局はeNodeBと呼ばれ、他の無線アクセス技術では、BSと呼ばれる。ユーザまたはユーザ機器(UE)は、ワイヤレスもしくは移動端末デバイスまたは固定通信デバイスであってよい。移動端末デバイスまたはUEは、IoTデバイス、MTCデバイスなどであってもよい。IoTデバイスは、ワイヤレスセンサ、ソフトウェア、アクチュエータ、およびコンピュータ・デバイスを含んでよい。それらは、モバイル・デバイス、自動車、産業機器、環境センサ、医療デバイス、航空機などに組み込まれることが可能であり、これらのデバイスが既存のネットワーク・インフラにわたってデータを収集および交換することを可能にするネットワーク接続も組み込まれ得る。
【0004】
図1に戻ると、各セルがUEおよびIoTデバイスを含んで示されている。セル121内のgNB1は、UE1 121A、UE2 121B、およびIoTデバイス121Cに対してサービスする。同様に、セル121内のgNB2は、UE3 122A、UE4 122B、およびIoTデバイス122Cに対してサービスし、セル123内のgNB3は、UE5 123A、UE6 123B、およびIoTデバイス123Cに対してサービスする。ネットワーク100は、任意の数のUEおよびIoTデバイス、または任意の他のタイプのデバイスを含んでよい。それらのデバイスは、アップリンクでサービングgNBと通信し、gNBは、ダウンリンクでそれらのデバイスと通信する。それぞれの基地局gNB1からgNB3は、たとえば、「コア」を指す矢印によって
図1に概略的に示されるそれぞれのバックホール・リンク111、121D、122D、123Dを介して、S1インターフェースを介して、CN120に接続され得る。コア・ネットワーク120は、インターネットのような1つまたは複数の外部ネットワークに接続され得る。gNBは、gNBを指す矢印によって図に示されるそれぞれのインターフェース・リンク121E、122E、および123Eを介して、5GでS1インターフェースまたはX2インターフェースまたはXNインターフェースを介して互いに接続され得る。
【0005】
データ送信のために、物理リソース・グリッドが使用されてよい。物理リソース・グリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号がマッピングされるリソース要素(RE)のセットを含むことができる。たとえば、物理チャネルは、ダウンリンク、アップリンク、またはサイドリンク・ペイロード・データとも呼ばれる、ユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク、および/またはサイドリンク(SL)共有チャネル(PDSCH、PUSCH、PSSCH)、たとえばマスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)を搬送する物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、たとえばダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)、またはサイドリンク制御情報(SCI)を搬送する物理ダウンリンク、アップリンクおよび/またはサイドリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH、PSCCH)を含み得る。アップリンクに関して、物理チャネルは、UEが同期されてMIBおよびSIBを取得した後にネットワークにアクセスするためにUEによって使用される物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACHまたはRACH)をさらに含み得る。物理信号は、基準信号(RS)および同期信号(SS)などを含み得る。リソース・グリッドは、時間領域における10ミリ秒などの特定の持続時間を有し、および周波数領域における所与の帯域幅を有する、フレームまたは無線フレームを含み得る。無線フレームは、所定の長さの特定の数のサブフレーム、たとえば、1ミリ秒の長さの2つのサブフレームを有してよい。各サブフレームは、巡回プレフィックス(CP)長に応じて、いくつかのOFDMシンボルの2つのスロットを含んでよい。5Gでは、各スロットは、それぞれ通常CPおよび拡張CPに基づいて14個のOFDMシンボルまたは12個のOFDMシンボルから構成される。また、フレームは、たとえば、短縮された送信時間間隔(TTI)、または数個のOFDMシンボルのみを含むミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、より少数のOFDMシンボルから構成され得る。スロット・アグリゲーションが5G NRではサポートされ、したがって、データ送信は1つまたは複数のスロットにまたがるようにスケジューリングされることが可能である。スロット・フォーマット表示が、OFDMシンボルがダウンリンク、アップリンク、またはフレキシブルのいずれであるかを、UEに対して通知する。
【0006】
ワイヤレス通信ネットワークシステムは、直交周波数分割多重化(OFDM)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、またはCPを有するもしくは有しない任意の他のIFFTベースの信号、たとえば、DFT-OFDMなど、周波数分割多重化を使用する任意のシングルトーン・システムまたはマルチキャリア・システムであり得る。多元接続のための非直交波形のような他の波形、たとえば、フィルタバンク・マルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重化(GFDM)、またはユニバーサル・フィルタ・マルチキャリア(UFMC)が使用されてもよい。ワイヤレス通信システムは、たとえば、LTE-Advanced pro規格または5GもしくはNR(New Radio)規格に従って動作してよい。
【0007】
図1に示されるワイヤレス通信ネットワークは、2つの異なるオーバーレイされたネットワークを有する異種ネットワーク、基地局gNB1からgNB3のようなマクロ基地局を各マクロセルが含むマクロセルのネットワーク、およびフェムト基地局またはピコ基地局のような(
図1には示されない)スモールセル基地局のネットワークであり得る。上述されたワイヤレス・ネットワークに加えて、衛星のような宇宙用トランシーバおよび/または無人航空機システムのような空中用トランシーバを含む、非地上ワイヤレス通信ネットワークも存在する。非地上ワイヤレス通信ネットワークまたはシステムは、
図1を参照して上述された地上システムと同様の方法で、たとえば、LTE-Advanced pro規格または5GもしくはNR規格に従って動作してよい。
【0008】
3GPP NRすなわち5G、およびそのさらなるリリース[非特許文献1~6]では、UEによるネットワーク・ノード(たとえば、gNodeB、gNB)に対するダウンリンク(DL)チャネル状態情報(CSI)報告が、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のスケジューリングを支援する。CSIリソースと呼ばれることがあるチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)および同期信号/物理ブロードキャスト・チャネル(SS/PBCH)ブロック(SSB)などのダウンリンク基準信号(RS)は、UEとネットワーク・ノードとの間のリンクを評価するために使用され、UEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上でネットワーク・ノードにCSIフィードバックを提供し、ここで、CSIは基準信号の測定から取得される。
【0009】
ミリ波(mmWave)周波数(周波数範囲2(FR2))、すなわち6GHzよりも高い周波数では、一般に、通信デバイス間のワイヤレス通信は、ビームと呼ばれる空間選択的/指向性の送受信を用いて行われる。したがって、ビーム管理は、FR2におけるリンクの確立、適応、および回復のために必要とされるフレームワークである。
【0010】
3GPP Rel.16では、ULにおけるビーム管理は、様々なULチャネルおよびUL基準信号について別々に処理される。ULビーム管理フレームワークの機能性は、物理(PHY)層[非特許文献1~4]、媒体アクセス制御(MAC)層[非特許文献5]、および無線リソース制御(RRC)層[非特許文献6]の3つの通信層にわたって広がっている。UEと無線ネットワーク・ノード(gNBなど)との間でビームフォーミングされたアップリンク送信を可能にするために、ビーム管理は、2つのタスク、すなわち、UL送信のためのビーム方向の表示と、それに関連付けられた送信電力設定の表示とを行う。この2つのタスクは、PUSCH、PUCCH、およびサウンディング基準信号(SRS)について異なる方法で処理される。
【0011】
他方で、ダウンリンク(DL)では、DLチャネルまたは基準信号(RS)の受信に関する遅延スプレッド、平均遅延、DopplerおよびReceiver(Rx)ビーム方向などの様々なパラメータを得るために、UEに指示が与えられなければならない。
【0012】
「ビーム」という用語は、以下では、係数の特定のセットでデバイスのアンテナ・ポートにおいて信号をプリコーディング/フィルタリングすることによって達成される空間選択的/指向性の発信信号の送信および着信信号の受信を表すために使用される。プリコーディングまたはフィルタリングという用語は、アナログまたはデジタル領域における信号の処理を指すことがある。送信/受信を特定の方向に空間的に向けるために使用される係数のセットは、方向によって異なり得る。「Txビーム」という用語は、空間選択的/指向性送信を表し、「Rxビーム」という用語は、空間選択的/指向性受信を表す。送信または受信をプリコーディング/フィルタリングするために使用される係数のセットは、「空間フィルタ」という用語で表される。空間フィルタ係数が、送信/受信が空間的に向けられる方向を決定するので、「空間フィルタ」という用語は、本明細書では「ビーム方向」という用語と交換可能に使用される。
【0013】
UEの場合、DLまたはUL RS「R」に対するもしくは準拠するULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」についての「空間的関係」は、UEが、ULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」を送信するためにRS「R」を受信もしくは送信するために使用される空間フィルタを使用することを意味し、またはそれは、UEが、ULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」を送信するために使用される空間フィルタを決定するための基準としてRS「R」を受信もしくは送信するために使用される空間フィルタを使用することを意味する。
【0014】
「上位層」という用語は、以下では、独立して使用されるとき、プロトコル・スタックにおける物理層よりも上の任意の通信層を表す。
サービング・セルとキャリア・コンポーネント(CC)という用語は、本開示において、UEのために構成されたサービング・セルとして交換可能に使用され得、通常、特定のキャリア周波数を中心とする別個の物理キャリアである。コンポーネント・キャリア/サービング・セルの周波数に応じて、セルのサイズおよびビームフォーミングされた基準信号は変化し得る。
【0015】
以下では、3GPPにおけるULおよびDLビーム管理、パスロス基準信号(RS)、および電力制御の先行技術(SoTA)が論じられる。これに続いて、それらの現行のフレームワークにおける欠陥について、それらに対処する解決策とともに簡単に説明する。
【0016】
<ダウンリンク送信構成表示(DL-TCI:Downlink Transmission Configuration Indication)>
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)はそれぞれ、DL制御情報(DCI)およびDLデータをUEに搬送する[非特許文献1~6]。
【0017】
復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)が、UEにおけるPDCCH/PDSCHのコヒーレント復調のために埋め込まれる。DMRSは、1組のDMRSポートから構成される。DMRSポートの数が、PDSCHに含まれる送信層の数を決定する。DMRSは、PDSCHまたはPDCCHをコヒーレントに復調するためにUEでチャネル推定に使用される。PDCCHの場合、それらの1つまたは複数がCORESET上で送信され得る。したがって、制御リソース・セット(CORESET:Control Resource Set)上のPDCCHのコヒーレント復調のためのDMRSは、CORESET上で送信されるPDCCHにわたって埋め込まれ得る。
【0018】
PDCCHおよびPDSCHの送信におけるパラメータは、「送信構成表示」-状態(TCI状態(TCI-state))である[非特許文献4]。3GPP Rel.16では、制御または共有チャネルがgNBによってどのように送信され、それらを受信する際にUEがどんな仮定を考慮に入れる必要があるかについての表示が、基準信号(RS)を介して行われる。UEに対する表示は、RRCを介して構成されたTCI状態情報要素(IE)を使用して行われる。TCI状態IEは、特に、以下の要素:
・より多くの基準信号の1つ、および
・各基準信号についての、1つまたは複数の疑似コロケーション(QCL:quasi-colocation)仮定
から構成される。
【0019】
TCI状態は、CORESET上で送信されるPDSCHまたはPDCCHをどのように受信するかについて言及または表示するために使用される。PDSCHまたはCORESETに対してTCI状態を適用することは、CORESET上で送信されるPDSCHのDMRSポートまたはPDCCHのDMRSポートが、TCI状態において言及または表示される基準信号と疑似コロケーションされると仮定されることを意味する。
【0020】
「疑似コロケーション」を仮定することは、ドップラー・シフト/スプレッド、遅延スプレッド、平均遅延、および/またはTxビーム方向などの特定のチャネルパラメータが、TCI状態において言及されたRSと、CORESET上で送信されるPDSCHのDMRSポートまたはPDCCHのDMRSポートとで同じであると仮定されることを意味する。4つの異なるQCLタイプが、3GPP Rel.16[非特許文献4]において示され得る。
【0021】
・‘QCL-TypeA’:{ドップラー・シフト,ドップラー・スプレッド,平均遅延,遅延スプレッド}
・‘QCL-TypeB’:{ドップラー・シフト,ドップラー・スプレッド}
・‘QCL-TypeC’:{ドップラー・シフト,平均遅延}
・‘QCL-TypeD’:{空間Rxパラメータ}
QCL情報(QCL-Info)パラメータのうちの1つまたは複数が、TCI状態に関連付けられたQCL仮定を提供するためにTCI状態IEに含まれる。
【0022】
たとえば、QCL仮定「QCL-TypeA」を有するDL基準信号(RS)「A」と、QCL仮定「QCL-TypeD」を有するDL RS「B」とを含むTCI状態IEが考慮される。このTCI状態を、所与の疑似コロケーション仮定を用いてPDSCHまたはCORESETに対して適用することは、UEが、CORESET上で送信されるPDSCHまたはPDCCHおよびDL RS Aについて同じドップラー・シフト、ドップラー・スプレッド、平均遅延、および遅延スプレッドを仮定し得ることを意味し、UEは、DL RS「B」およびCORESET上で送信されたPDSCHもしくはPDCCHを受信するために、同じ空間フィルタを使用してよく、または、CORESET上のPDCCHまたはPDSCHを受信するRx空間フィルタは、DL RS 「B」の受信に使用されるものと同様であってよく、もしくはそれから取得されてよい。
【0023】
通常、PDCCHまたはPDSCHをスケジューリングするために使用されるTCI状態は、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)または同期信号ブロック(SSB)の識別子(ID)を、基準信号についてのQCL仮定とともに含む。TCI状態におけるRSは、通常、UEが以前に測定したRSであり、したがって、PDCCHまたはPDSCHのDMRSを受信するために、それを基準として使用することができ、したがって、同じものを復調することが可能である。CORESETまたはPDSCHのTCI状態の表示は、媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE)メッセージを介して、またはPDSCHをスケジューリングするために使用されるダウンリンク制御情報(DCI)におけるTCI表示フィールドを使用して行われる。
【0024】
FR2では、gNBとUEが空間選択的/指向性ビームを介して接続を確立し、TCI状態は、UEが受信し得るRxビーム、すなわち、UEが受信したCSI-RSまたはSSBを伴う「qcl-TypeD」仮定を介してPDSCH/PDCCHを受信するためにUEによって使用され得る空間フィルタを表示するために使用される。PDCCH/PDSCHを送信するためのDL Txビームの決定は、ネットワーク・ノード(たとえば、gNB)によるビーム掃引手順を介して行われる。ビーム掃引手順では、gNBは、UDがDL RS(CSI-RSまたはSSB)のセットを測定するために、RRCを介してDL RSのセットを構成する。構成されたDL RSの各々は、異なる空間フィルタを用いて送信されてよく、すなわち、構成されたDL RSの各々は、gNBによって異なる方向に送信されてよい。UEは、1つまたは複数の空間フィルタを使用してそれらを受信することによって、構成されたDL RSの各々を測定し、RSは、すべて同じ空間フィルタを使用して受信されてもよく、または異なる空間フィルタを使用して各RSが受信されてもよい。測定の後、UEはビーム報告をgNBに対して送る。ビーム報告は、1≦L≦4個の構成されたDL RS(本質的に、L個のDL Txビーム方向であり、各ビーム方向は、gNBでの特定の空間フィルタの使用から得られる)のインデックスを、各RSの受信電力とともに含む[非特許文献4]。ビーム報告の助けにより、gNBは、PDCCHおよびPDSCHの送信のための1つまたは複数の適切なDL Txビーム方向、すなわち、空間フィルタを決定する。
【0025】
<物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)>
UEからのPUSCH送信は、PDCCHに表示されたULグラントを介してネットワーク・ノードによって動的にスケジューリングされ、または上位層で構成されたグラントconfiguredGrantConfigで半永続的/静的にスケジューリングされることが可能である。構成されたグラントType1 PUSCH送信は、PDCCHにおけるULグラントの検出なしに、rrc-ConfiguredUplinkGrantを含むconfiguredGrantConfigの上位層パラメータの受信があると動作するように半静的に構成される。構成されたグラントType2 PUSCH送信は、rrc-ConfiguredUplinkGrant[非特許文献4]を含まない上位層パラメータconfiguredGrantConfigの受信の後に、有効なアクティブ化PDCCH[非特許文献3]におけるULグラントによって半永続的にスケジューリングされる。
【0026】
New Radio(NR)仕様(非特許文献6)によるPUSCHおよびconfiguredGrantConfigの上位層構成が以下の構成に示される。
[PUSCHの上位層構成(SoTA)]
【0027】
【0028】
[configuredGrantConfigの上位構成(SoTA)]
【0029】
【0030】
PUSCHの送信のモードは、上位層パラメータ「txConfig」によって決定される。このパラメータは「codebook」もしくは「nonCodebook」のいずれかに設定されることが可能であり、または構成されないことがある。PUSCHがPDCCHを介してスケジューリングされる場合、2つの異なるダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットがスケジューリングPDCCHにおいてDCIフォーマット0_0またはDCIフォーマット0_1で使用され得る。コードブックおよび非コードブック・ベースのPUSCH送信は、PDCCHを介してスケジューリングされる場合、DCIフォーマット0_1[非特許文献4]を使用してスケジューリングされる。DCIフォーマット0_1を使用してPUSCHをスケジューリングする場合、gNBは、UEがSRSリソース・インジケータ(SRI:SRS resource indicator)を介して送信しなければならないポートを表示する。DCIフォーマット0_1のSRIフィールドは、コードブックまたは非コードブックSRSリソース・セットから1つまたは複数のSRSリソースを表示し、これは、UEは、SRIを介して表示されたSRSリソースに関連付けられたSRSポートを介してPUSCHを送信しなければならないことを意味する。
【0031】
コードブック・ベースのPUSCHの場合、PUSCH送信のためのポートのプリコーディングは、スケジューリングPDCCHを介して表示される。非コードブックの場合、PUSCH送信のためのポートのプリコーディングは、UE実装[非特許文献1~4]のために予め決定されているか、または残されている。DCIフォーマット0_1を使用してPDCCHを介してスケジューリングされたPUSCHがSRIフィールドを含んでいない可能性もあり、それは、SRIがPUSCHを送信するためのポートを表示するために使用するSRSリソース・セットが1つだけのSRSリソースを含んでいる場合に起きる。上位層グラントを介してスケジューリングされたコードブックまたは非コードブック・ベースのPUSCHについて、SRIは、該当する場合、スケジューリング・グラントによって表示される。「txConfig」が構成されない場合、UEは、DCIフォーマット0_1を使用してPUSCHがスケジューリングされることを期待しない。PUSCHがDCIフォーマット0_0でスケジューリングされる場合、UEはPUSCHの送信のために単一のポートを使用する[非特許文献4]。
【0032】
PUSCHのビーム方向または空間的関係は、PUSCH送信のモードに応じて、SRSまたはPUCCHリソースのビーム方向/空間的関係から決定される。
- コードブックまたは非コードブック・ベースのPUSCH送信は、SRSリソースを用いて表示される。UEは、(コードブック/非コードブック送信モードに専用に構成される)SRSリソースを用いてULチャネルをサウンディングし、次いで、gNBが、SRSリソースの表示を介してPUSCHをスケジューリングする。それにより、UEは、SRSリソースが送信された同じポートからPUSCHを送信し、SRSリソースの送信と同じビーム方向/空間的関係をPUSCHの送信に使用する。
【0033】
- UEがDCIフォーマット0_0(単一ポートPUSCH)によってスケジューリングされる場合、PUSCHの送信に使用される空間的関係は、現在アクティブなUL帯域幅部分(BWP)において最も低いIDを有するPUCCHリソースの送信に使用されるものと同じである。
【0034】
上位層を介して構成される/表示されるパスロス基準RSを、PUSCHの電力制御設定において使用して、PUSCHの送信のためのパスロス推定値を決定する[非特許文献3]。PUSCHのパスロス基準RSは、異なるPUSCH送信モードに対して異なる方法で決定される。PUSCHは、「PUSCH-PathlossReferenceRS」IEにおいてパスロス基準RSのリストを用いて構成され、ほとんどの場合、パスロス基準RSを得るために、そのリストを使用する。
【0035】
- PDCCHによってスケジューリングされたコードブックまたは非コードブック・ベースのPUSCH送信のために、パスロス基準RSは、「SRI-PUSCH-PowerControl」IEにおいて構成される[非特許文献6]。先述のように、SRIはSRSリソース・インジケータの略である。これらのIEは、PUSCH-pathlossReferenceのID、「alpha」値(パスロス補償ファクター)、および閉ループ電力制御インデックスなど、PUSCHの電力制御設定を含む。PUSCH-pathlossReferenceRS IEとSRI-PUSCH-PowerControl IEとの間のマッピングは、媒体アクセス制御-制御要素(MAC-CE)メッセージを使用して修正されることが可能である[非特許文献3]。コードブック/非コードブックPUSCH送信に対して言及されたSRSリソース・インジケータ(SRI)が、これらの電力制御設定を提供する「SRI-PUSCH-PowerControl」IEに対してマッピングされる。スケジューリングPDCCHにSRIフィールドがない場合、UEは、ID値が0に設定されたSRI-PUSCH-PowerControlを使用する。
【0036】
- (DCIフォーマット0_0を介してPDCCHによってスケジューリングされた)単一ポートPUSCHの場合、パスロス基準RSは、それが空間的関係を得る同じPUCCHリソースから得られる。
【0037】
- PUSCHが上位層グラントによってスケジューリングされる場合、使用されるべきパスロス基準RSは、PUSCH-pathlossReferenceRS IEを指すpathlossReferenceIndexを介して表示され、またはSRSリソース・インジケータ・フィールドがないときにID値が0に設定されたSRI-PUSCH-PowerControlから得られる。
【0038】
これにより、PUSCHの送信電力は、開ループおよび閉ループ電力制御パラメータの組合せから決定される。UEが、インデックスjを有するパラメータセット構成とインデックスlを有するPUSCH電力制御調整状態とを使用して、サービング・セルcのキャリアfのアクティブUL BWP bにおいてPUSCHを送信する場合、UEは、PUSCH送信機会iにおけるPUSCH送信電力を、
【0039】
【0040】
として決定する。
ここで、
- PCMAX,f,c(i)は、[非特許文献7]および[非特許文献8]で定義される構成された最大UE送信電力である。
【0041】
- PO_PUSCH,b,f,c(j)は、公称PUSCH送信電力PO_NOMINAL_PUSCH,f,c(j)およびPO_UE_PUSCH,b,f,c(j)の合計からなるパラメータであり、両方ともgNBによって上位層を介して構成される[非特許文献3]。
【0042】
-
【0043】
【0044】
は、リソース・ブロックの数で表されるPUSCHリソース割り当ての帯域幅である。
- PLb,f,c(qd)は、DL基準信号(RS)インデックスqdを使用してUEによって計算されたdBのダウンリンク・パスロス推定値である。パスロス基準RSの構成/表示については上述された通りである。
【0045】
- αb,f,c(j)は、gNBによって上位層を介して構成されるパスロス補償ファクターである。
- fb,f,c(i,l)は、gNBからの送信電力制御(TPC)フィードバックに応じて変化する閉ループ電力補正関数である。
【0046】
- ΔTF,b,f,c(i)は、PUSCHのために使用される変調および符号化方式(MSC)に依存する電力オフセット値である。
3GPP Rel.16では、デフォルトの空間的関係およびパスロス基準RSの仮定が、ULチャネル/RSについて定義され、すなわち、3GPP仕様は、それらが明示的に構成されていないまたは表示されていない場合、ULチャネル/RSの空間的関係およびパス損失基準RSを識別するための指示を提供する。ビームフォーミングされた送信が使用されるシナリオ(周波数範囲2において共通)では、パスロス基準および空間的関係は、ダウンリンク・チャネルから導出され得る。これは、UEでDLチャネルを受信するためのビーム方向を得るための基準として使用されるDL RS(たとえば、TCI状態を介して表示される)が、ULチャネルまたはUL RSの空間的関係を導出するための基準として使用され、UL送信のTx電力計算のためのパスロス推定値の計算に使用され得ることを意味する。
【0047】
デフォルトの空間的関係およびパスロス基準RSを定義することは、特にFR2展開において、ネットワークがパラメータの明示的な表示を回避するのを助け、それにより、制御情報オーバヘッドおよび待ち時間を減少させる。PUSCHの場合、3GPP Rel.16におけるデフォルトの仮定が、CC(コンポーネント・キャリア)上に構成されたPUCCHリソースがあるかどうかに応じて、CORESETから、またはCC上に構成されたPUCCHリソースから得られる[非特許文献3]、[非特許文献4]。
【0048】
<サウンディング基準信号(SRS)>
サウンディング基準信号(SRS)は、その名前が示唆するように、ULチャネルをサウンディングするために使用される。SRSの基本単位はSRSリソースである。SRSリソースは、ULチャネルをサウンディングするためにULにおけるUEのアンテナ・ポートのすべてまたはサブセットによって送信される、時間、周波数、およびコードにおける基準シンボルの特定のパターンである。UEは、1つまたは複数のSRSリソース・セットを有するRRCを介してgNBによって構成され、各SRSリソース・セットは1つまたは複数のSRSリソースからなる。SRSリソース、SRSリソース・セット、およびSRS-SpatialRelationInfoを構成するRRC情報要素(IE)が以下に示される[非特許文献6]。
【0049】
以下に提供されるSRSリソース・セット構成に表示されているように、パラメータ「usage」はSRSが使用される目的を表示する。
1)Usage=‘codebook’:コードブック・ベースのPUSCH送信より前にULチャネルをサウンディングする。
【0050】
2)Usage=‘non-codebook’:非コードブック・ベースのPUSCH送信より前にULチャネルをサウンディングする。
3)Usage=‘beamManagement’:適切なULビームを識別するために、ビームフォーミングされたSRSリソースでULチャネルをサウンディングする。
【0051】
4)Usage=‘antennaSwitching’:DLチャネル情報を得るためにULチャネルをサウンディングする。
[SRSリソース・セット構成]
【0052】
【0053】
[SRSリソース情報構成]
【0054】
【0055】
[SRS空間的関係情報構成]
【0056】
【0057】
上述されたSRS空間的関係情報構成(SRS spatial relation info configuration)に示されるSRS-SpatialRelationInfo IEは、UEがCSI-RSまたはSSBまたはSRSリソースを介してSRSリソースに使用すべきビーム方向を提供する。このシグナリングにより、gNBは、SSBもしくはCSI-RSリソースの受信のために、またはSRSリソースを送信するためにSRSリソースのSRS-SpatialRelationInfo IEにおいて提供されるSRSリソースの送信のために使用される空間フィルタを使用することを、UEに対して表示する。ビームフォーミングされた送信が必要とされるFR2の場合、SRS-SpatialRelationInfoの表示は重要である。RRCを介して構成されるか、またはMACを介して表示されるパスロス基準RSは、SRSの電力制御設定において、SRSの送信のためのパスロス(PL)推定値を決定するために使用される[非特許文献3]。
【0058】
SRSの送信電力は、以下のように、UEに構成/表示されたパラメータの組合せによって求められる。UEが、インデックスlを有するSRS電力制御調整状態を使用して、サービング・セルcのキャリアfのアクティブUL帯域幅部分bにおいてSRSを送信する場合、UEは、SRSリソース・セットqsについてのSRS送信機会iにおけるSRS送信電力PSRS,b,f,c(i,qs,l)を以下のように決定する:
【0059】
【0060】
ここで、
- PCMAX,f,c(i)は、構成された最大UE送信電力である[非特許文献7]および[非特許文献8]
- PO_SRS,b,f,c(qs)は、上位層パラメータp0または公称PUSCH Tx電力によって提供される
- MSRS,b,f,c(i)は、SRS構成から得られるリソース・ブロックの数で表されるSRS帯域幅である
- PLb,f,c(qd)は、SRSリソース・セットqsに関する[非特許文献3]で説明されるようなDL RS qdから計算されたdBのダウンリンク・パスロス推定値である。パスロス推定値は、上位層を介して構成/表示されたパスロス基準RS(CSI-RSまたはSSBリソース)から導出され得る。
【0061】
- αSRS,b,f,c(qs)は、上位層パラメータAlpha(アルファ)によって構成されるパスロス補償ファクターである。
- hb,f,c(i,l)は、(上図に示される)SRSリソース・セットIEに構成された閉ループ電力制御調整状態に依存する閉ループ電力補正関数である。
【0062】
<物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)>
物理的アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、チャネル状態情報(CSI)フィードバック、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信のためのハイブリッド自動リピート要求(HARQ)確認応答(ACK)/否定応答(NACK)、およびスケジューリング要求(SR)などの制御情報を搬送する。アップリンク制御情報(UCI)を搬送するPUCCHのユニットは、PUCCHリソースである。PUCCHリソースは、特定のUL帯域幅部分(BWP)における特定のフォーマット(フォーマット0、1、2、3)でのRRC構成された空間である[非特許文献3、6]。UL-BWPは、ULでUEが送信する連続した周波数領域空間である。UEは、最大4個のUL-BWPで構成されてよく、所与の時点でそのうちの1つだけを送信する。UEが送信をするUL BWPは、アクティブなUL BWPである。UEは、RRCを介して4つのPUCCHリソース・セットを用いて構成される。所与のPUCCHリソース・セットにおけるPUCCHリソースは、上位層のパラメータ「maxPayloadMinus1」[非特許文献3]によって表示されるように、アップリンク制御チャネル情報の指定された負荷を搬送することが可能である。PUCCHリソース構成の他のパラメータは、PUCCHリソースの周波数ホッピング特性を表示する。
【0063】
様々なタイプのアップリンク制御情報(UCI)、すなわち、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信のためのハイブリッド自動リピート要求(HARQ)確認応答(ACK)/否定応答(NACK)、スケジューリング要求(SR)、およびDLチャネル状態情報(CSI)フィードバックを搬送し得るPUCCHリソースが、以下のように構成および表示される[非特許文献2、3、6]。
【0064】
・PDSCHのためのHARQ ACK/NACKを搬送するPUCCHリソースは、PDSCHをスケジューリングするPDCCHにおける3ビットPUCCHリソース・インジケータ・フィールドによって表示される。PDCCHに含まれるPUCCHリソース・インジケータ・フィールドから、4つのPUCCHリソース・セットにおけるPUCCHリソースへのマッピングは、[非特許文献3]に説明されるように、RRCを介してgNBによって構成される。
【0065】
・スケジューリング要求(SR)は、「SchedulingRequestConfig」IEおよび他の関連付けられたIEにおけるRRCを介して構成され、各スケジューリング要求構成は、SRを搬送するPUCCHリソースのIDを含む。SRの送信設定(周期性、オフセットなど)は、RRCレベルで構成される。
【0066】
・UEでRRCを介して受信されるCSI報告構成は、ULに半永続的および/または定期的なCSI報告を搬送するPUCCHリソースのIDを含む。同じ送信設定が、CSI報告構成において提供される。半永続的CSI報告のアクティブ化/非アクティブ化は、MAC-CEメッセージによって処理される。RRCを介したCSI報告の構成は、定期的なCSI報告の送信のために十分である。
【0067】
PUCCHリソースのビーム方向および電力制御設定は、以下のPUCCH-SpatialRelationInfo構成に示されるように、「PUCCH-SpatialRelationInfo」IEで一緒に構成される。PUCCH-SpatialRelationInfo IEにおけるパラメータ「referenceSignal」は、DL基準信号(CSI-RSもしくはSSB)またはUL基準信号(サウンディング基準信号(SRS))のIDを含む。PUCCH-SpatialRelationInfoにおける他のパラメータは、PUCCH送信のための開ループおよび閉ループ電力制御設定を含む。
【0068】
PUCCHリソースに対して「PUCCH-SpatialRelationInfo」IEを適用することは、UEが、PUCCHリソースの送信のためにIEのパラメータ「referenceSignal」で言及されたDL RSの受信またはUL RSの送信にそれが使用するのと同じ空間フィルタを使用し、PUCCHリソースの送信のための送信電力を導出するためにIEにおける電力制御パラメータを適用すべきであることを意味する。PUCCHリソースは、1つまたは複数のPUCCHリソースのグループに対する空間的関係の適用のために、PUCCHリソース・グループIDを介してグループ化され得る。
【0069】
[PUCCH-SpatialRelationInfo構成]
【0070】
【0071】
PUCCHリソースの送信電力の導出は、開ループおよび閉ループ電力調整の追加を含む。UEが、インデックスlを有するPUCCH電力制御調整状態を使用して、一次セルcにおけるアクティブUL帯域幅部分(BWP)bおよびキャリアf上でPUCCHを送信する場合、UEは、PUCCH送信機会iにおけるPUCCH送信電力PPUCCH,b,f,c(i,qu,qd,l)を以下のように決定する[非特許文献3]:
【0072】
【0073】
ここで、
- P
CMAX,f,c(i)は、[非特許文献7]および[非特許文献8]で定義される構成された最大UE送信電力であり、
- P
O_PUCCH,b,f,c(q
u)は、上位層パラメータp0-nominalによって提供される(またはデフォルト値0dBmに設定される)公称PUCCH送信電力P
O_NOMINAL_PUCCHと、パラメータp0-PUCCH-Valueおよび他の従属パラメータによって提供されるP
O_UE_PUCCH(q
u)との合計である。選択するp0-PUCCH-ValueのIDは、(
図3に示される)PUCCH-SpatialRelationInfo IEにおけるp0-PUCCH-Idにおいて提供される。値q
uは、上位層パラメータmaxNrofPUCCH-P0-PerSetを介して提供されるP
O_UE_PUCCH値のセットについてのサイズである[非特許文献6]。
【0074】
-
【0075】
【0076】
は、PUCCHリソースの構成から得られるPUCCHリソースの帯域幅である[非特許文献1]。
- PLb,f,c(qd)は、[非特許文献3]に説明されているように、RSリソース・インデックスqdを使用して計算されたdBのダウンリンク・パスロス推定値である。UEは、PUCCH-SpatialRelationInfoを介してPUCCHのパスロス基準RSを明示的に表示され得る。パスロス基準RSは、本質的には、UEがgNBまたは任意の他のネットワーク・エンティティからのパスロスを推定する元のDL RSである。
【0077】
- パラメータΔF_PUCCH(F)およびΔTF,b,f,c(i)は、PUCCHフォーマットに依存するPUCCH電力調整ファクターである。
- パラメータgb,f,c(i,l)は、(PUCCH-SpatialRelationInfo IEにおけるパラメータclosedLoopIndexに構成される)PUCCH電力制御調整状態に依存する閉ループ電力調整である。
【0078】
UEは、3GPP Rel.15において最大8個のPUCCH-SpatialRelationInfoパラメータで、および3GPP Rel.16において最大64個のPUCCH-SpatialRelationInfo IEで構成される。特定のビーム方向および電力制御設定が、PUCCHリソースまたはPUCCHリソースのグループをPUCCH-SpatialRelationInfoに関連付ける3GPP Rel.15および3GPP Rel.16におけるMAC-CEメッセージを介して、PUCCHリソースまたはPUCCHリソース・グループに適用される。
【0079】
しかしながら、既知の解決策には欠点がある。アップリンクのビーム管理フレームワークは、各アップリンク・チャネルおよび/またはRSについて、ビーム、パスロス基準RS、および他の電力制御設定の個別の構成を含む。この結果として、各アップリンク・チャネルおよび/またはRSについて、別々に特定のアップリンク・ビーム設定(空間的関係、パスロス基準RS、電力制御設定など)の構成がもたらされる。これにより、構成および表示の効率が悪くなり、したがって、オーバヘッドおよび待ち時間の増加につながる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0080】
【文献】3GPP TS 38.211 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;物理チャネルおよび変調(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;NR;Physical channels and modulation(Rel.16))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.212 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;多重化およびチャネル符号化(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;NR;Multiplexing and channel coding(Rel.16))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.213 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;制御についての物理層手順(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;NR;Physical layer procedures for control(Rel.16))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.214 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;データについての物理層手順(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;NR;Physical layer procedures for data(Rel.16))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.321 V15.8.0:「3GPP;TSG RAN;NR;媒体アクセス制御(MAC)プロトコル仕様(Rel.15)(3GPP;TSG RAN;NR;Medium Access Control(MAC) protocol specification(Rel.15))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.331 V15.8.0:「3GPP;TSG RAN;NR;無線リソース制御(RRC);プロトコル仕様(Rel.15)(3GPP;TSG RAN;NR;Radio Resource Control(RRC);Protocol specification(Rel.15))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.101-1 V16.2.0:「3GPP;TSG RAN;ユーザ機器(UE)無線送信および受信;パート1:範囲1 スタンドアロン(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;User Equipment(UE)radio transmission and reception;Part 1:Range 1 Standalone(Rel.16))」,Jan.2020
【文献】3GPP TS 38.101-2 V16.2.0:「3GPP;TSG RAN;ユーザ機器(UE)無線送信および受信;パート2:範囲2 スタンドアロン(Rel.16)(3GPP;TSG RAN;User Equipment(UE)radio transmission and reception;Part 2:Range 2 Standalone(Rel.16))」,Jan.2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0081】
上述されたように、本明細書の実施形態の目的は、高度な5Gネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークにおける柔軟なビーム管理のためのシグナリング・フレームワークの方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0082】
本明細書のいくつかの実施形態の態様によれば、UEによって行われる方法が提供され、この方法は、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、少なくとも1つの情報要素(IE)の構成を受信する工程であって、上記構成は少なくとも、各IEに一意の識別子(ID)と、少なくとも物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソースおよび物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソース、および/またはサウンディング基準信号(SRS)リソースの送信のための少なくとも空間フィルタまたはビーム方向を表示するために使用される1つまたは複数のアップリンク(UL)リソースおよび/またはダウンリンク(DL)リソースのIDとを備える、工程と、PUSCHリソース、およびPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のために少なくとも1つのIEにおいて提供された構成を適用する工程とを備える。
【0083】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリとを備えるUEが提供され、それにより、上記UEは、方法請求項1乃至12に記載のような、UEにより行われる動作に関係付けられた詳細な説明に提示される実施形態のいずれか1つを実施するように動作し、または構成される。
【0084】
本明細書のいくつかの実施形態の態様によれば、ネットワーク・ノードまたはgNBによって行われる方法が提供され、この方法は、上位層を介して、UEに対して、少なくとも1つの情報要素(IE)の構成を送信する工程であって、上記構成は少なくとも、各IEに一意の識別子(ID)と、少なくとも物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソースおよび物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソース、および/またはサウンディング基準信号(SRS)リソースの送信のための少なくとも空間フィルタまたはビーム方向を表示するために使用される1つまたは複数のアップリンク(UL)リソースおよび/またはダウンリンク(DL)リソースのIDとを備え、そうすることにより、UEが、PUSCHリソース、およびPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のために少なくとも1つのIEにおいて提供された構成を適用することを可能にする、工程と、UEから、PUSCHリソースおよびPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースを受信する工程とを備える。
【0085】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリとを備えるネットワーク・ノードが提供され、それにより、上記ネットワーク・ノードは、少なくとも方法請求項14に記載のような、ネットワーク・ノードに関係付けられた詳細な説明に提示される実施形態のいずれか1つを実施するように動作し、または構成される。
【0086】
また、UEの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、本明細書に提示される動作または方法ステップを上記少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を備えるコンピュータ・プログラムが提供される。
【0087】
また、ネットワーク・ノードの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、本明細書に提示される方法ステップを上記少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を備えるコンピュータ・プログラムが提供される。
【0088】
また、コンピュータ・プログラムを含むキャリアであって、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号、または無線信号のうちの1つであるキャリアが提供される。
本明細書の実施形態の利点は、上位層制御情報オーバヘッドおよび待ち時間を低減し、アップリンク・ビーム管理のためのビーム設定の動的表示を強化することである。本明細書の実施形態のさらなる利点は、本開示の詳細な説明で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】コア・ネットワークおよび無線アクセス・ネットワークを含むワイヤレス通信ネットワークの簡略化された先行技術の図。
【
図2】いくつかの実施形態によるUEによって行われる方法の流れ図。
【
図3】いくつかの実施形態によるネットワーク・ノードによって行われる方法の流れ図。
【
図4】本明細書のいくつかの実施形態によるUEを示すブロック図。
【
図5】いくつかの実施形態によるネットワーク・ノードを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下では、例示的実施形態の詳細な説明が図面とともに説明され、いくつかのシナリオにおいて本明細書に記載される解決策のより容易な理解を可能にする。
前述のように、本明細書の実施形態の目的は、高度な5Gネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークにおける柔軟なビーム管理のためのシグナリング・フレームワークの方法および装置を提供することである。本明細書の実施形態は、上位層制御情報オーバヘッドを低減し、アップリンク・ビーム管理のためのビーム設定の動的表示を強化するための方法および装置を提供する。
【0091】
<複数のULチャネルおよびRSに対するULビーム方向の構成>
いくつかの実施形態に従って、UEは、
- 各IEに一意の識別子(ID)と、少なくともPUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のための少なくとも空間フィルタまたは空間的関係またはビーム方向を表示するために使用される1つまたは複数のアップリンク(UL)リソースおよび/またはダウンリンク(DL)リソースのIDとを少なくとも備える、少なくとも1つの情報要素(IE)の構成を、ネットワーク・ノードから上位層を介して受信し、
- PUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のためにIEにおいて提供された設定または構成を適用するように構成される。
【0092】
したがって、UEが設定または構成を適用すると、UEは、少なくともPUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースを、ネットワーク・ノードに対して送信する。
【0093】
一実施形態によれば、IEにおいて表示されるDLリソースまたはULリソースは、CSI-RSリソース、SRSリソース、または同期信号ブロック(SSB)、または任意選択でCORESETのうちの1つであってよい。
【0094】
PUCCHリソース、SRSリソース、またはPUSCHの送信のためにIEにおいて表示されたDL RSリソースまたはUL RSリソースからの空間フィルタまたは空間的関係またはビーム方向の適用または導出は、以下のUE挙動をもたらす。
【0095】
・ DLリソースが非ゼロ電力(NZP)CSI-RSリソースである場合、NZP CSI-RSの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタ(もしくは空間フィルタから導出された空間フィルタ)またはビーム方向を用いて、PUCCHリソース、SRSリソース、またはPUSCHが送信され得る。
【0096】
・ DLリソースが同期信号-物理ブロードキャスト・チャネル・ブロック(SS-PBCH)、すなわちSSBである場合、SSBの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタ(もしくは空間フィルタから導出された空間フィルタ)またはビーム方向を用いて、PUCCHリソース、SRSリソース、またはPUSCHリソースが送信され得る。
【0097】
・ ULリソースがSRSリソースである場合、SRSリソースの送信のために使用されるのと同じ空間フィルタ(もしくは空間フィルタから導出された空間フィルタ)またはビーム方向を用いて、PUCCHリソース、SRSリソース、またはPUSCHが送信され得る。
【0098】
・ DLリソースがCORESETである場合、上記CORESET上での1つまたは複数のPDCCHの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタ(もしくは空間フィルタから導出された空間フィルタ)またはビーム方向を用いて、PUCCHリソース、SRSリソース、またはPUSCHが送信され得る。
【0099】
「リソースXの送信または受信に使用される空間フィルタまたはビーム方向からの空間フィルタまたは空間的関係の導出」という表現は、UEが、それ自身の実装に基づいて、リソースXの送信または受信に使用される基準空間フィルタから、基準空間フィルタと同一である場合もそうでない場合もある空間フィルタまたはビーム方向を導出し得ることを意味し得ることに留意されたい。UEは、必要とされる場合/ときに、ビームの何らかの精緻化または修正を行い得る。
【0100】
上述のIEは、たとえば、「UL-TransmissionConfigurationIndication」(UL送信構成表示)または「UL-TCI」と題されることもある。
【0101】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、「UL-TransmissionConfigurationIndication」IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信するように構成される。
【0102】
非限定的な例では、UEは、たとえば、少なくとも1つの「UL-SpatialFilter」IEのIDと、以下のうちの少なくとも1つと、を少なくとも備えるMAC-CEメッセージを受信し得る。
【0103】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
たとえば、MAC-CEメッセージでまたは上位層を介して、関連付けを受信した後、UEは、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL帯域幅部分(BWP)上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つのIEにおいて提供された空間的関係またはビーム方向を適用する。
【0104】
<パスロス基準RS表示のためのUL-TCIの使用法>
一実施形態によれば、UEは、少なくともPUSCH、PUCCHリソース、またはSRSリソースの送信のためのパスロスファクターすなわちパスロス基準の導出のための基準として、「UL-TransmissionConfigurationIndication」IEに含まれる1つまたは複数のDLおよび/またはULリソースを使用/適用するように構成される。さらに、IEは、IEにおける1つまたは複数のULおよび/またはDLリソースが、アップリンク送信のために、パスロスファクターの導出のための基準として、すなわちパスロス基準として使用されるかどうかの、1つまたは複数の表示を備えてよい。パスロスファクターは、上記PUSCH、PUCCHリソース、SRSリソース、または上記SRSリソース・セット内のSRSリソースのための送信電力を取得するために使用され得る。
【0105】
本開示において、「パスロスファクター」という用語は、基準信号もしくはリソースから計算されたパスロス推定値を表すために、ならびに/または、NR仕様において送信電力表現で提供されるインデックスqdを有する基準信号(RS)を使用して、UL BWP b、キャリアfおよびセルcにおいてUEによって計算されたダウンリンク・パスロス推定値PLb,f,c(qd)を表すために使用されることに留意されたい。
【0106】
一実施形態によれば、UL-TCI IEにおける1つまたは複数のULおよび/またはDLリソースが、UEによるアップリンク送信のパスロスファクターの導出のための基準として使用されるかどうかの表示は、上記UL-TCI IEにおいて提供され、または異なる上位層表示を介して(たとえば、無線リソース制御(RRC)またはMAC-CEメッセージを介して)明示的に提供され、またはUEに事前に知られる(すなわち、NR 3GPP仕様で提供される)ことがある。
【0107】
一実施形態によれば、少なくともPUSCH、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはSRSリソース・セット内のSRSリソースのUL送信のために、UEは、上述されたように上記PUSCH、PUCCHリソース、SRSリソースまたは上記SRSリソース・セット内のSRSリソースについての送信電力を取得するために、UL-TCI IEまたは任意の他の方法(NR仕様によって利用可能な任意の許可もしくは許容される方法、または本開示で適用可能な任意の方法)を介して、パスロスファクターの計算または導出のためのパスロス基準RSが提供され得る。パスロスファクターの計算もしくは導出、および/または、パスロスファクターの計算もしくは導出のためのパスロス基準RSの取得は、以下の実施形態で説明されるように行われ得る。
【0108】
(DLリソースからのパスロスファクターの導出)
いくつかの実施形態によれば、UEは、以下のように、パスロス基準RSとして使用されるダウンリンク基準信号リソースからPUCCH、SRS、またはPUSCHのアップリンク送信についてのパスロスファクターを計算/導出するように構成される。すなわち、サービング・セルcにおけるサブキャリアfのパスロスファクターは、PLf,c(qd)=ReferenceSignalPower-RSRPとして、表示されたパスロス基準RS qdから計算され、ここで、RSRPは、上位層でフィルタされた基準信号受信電力であり、ReferenceSignalPowerは、上位層により提供されたかまたはNR仕様で固定された上記パスロス基準RSの送信電力である。上位層フィルタは、[非特許文献6]に説明されているように実装され得る。
【0109】
一実施形態によれば、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHのUL送信についてのパスロスファクターがCORESETから計算/導出される場合、UEは、CORESET上のPDCCHの受信のためのQCL仮定を提供するDL RSのうちの1つからパスロスファクターを取得し得る。
【0110】
たとえば、「C」として表されるCORESETが、QCL-typeAを有するDL RS「D1」およびQCL-typeDを有するDL RS「D2」というQCL仮定を有し、PUCCHリソース「A」についてのパスロス基準が、CORESET「C」から取得されることになる場合、UEは、DL RS「D1」またはDL RS「D2」からPUCCHリソースの送信電力の計算のためのパスロスファクターを計算/導出し得る。CORESETのQCL仮定は、NR仕様において可能なもしくは許可された任意の方法または本開示で適用可能な任意の他の方法によって、表示されまたは提供され得ることに留意されたい。
【0111】
(ULリソースからのパスロスファクターの導出)
一実施形態によれば、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHのUL送信についてのパスロス基準がUL RSリソースから取得される場合、UEは、上記アップリンクRSリソースもしくはアップリンクRSリソースを含むアップリンクRSリソース・セットについて、空間的関係としておよび/またはパスロス基準RSとして使用されるDL RSから、パスロスファクターを取得し得る。
【0112】
たとえば、パスロス基準RSとしてSRSリソース「S」が提供されるPUCCHリソース「A」を考え、ここで、UEは、SRSリソース「S」またはSRSリソース「S」を含むSRSリソース・セットに関してパスロス基準および/または空間的関係としてDL RS「D」を使用する。次いで、UEは、PUCCHリソース「A」のアップリンク送信についてパスロス基準RSとしてDL RS「D」を使用する。これは、PUCCHリソース「A」の送信電力の計算のためのパスロスファクターがDL RS「D」から取得されることを意味する。SRSリソース「S」またはSRSリソース「S」を含むSRSリソース・セットについてのパスロス基準RSおよび/または空間的関係として使用されるDL RS「D」は、NR仕様を介して許可されたもしくは可能な任意の方法、または本開示で提供される任意の方法を介して、上記リソースまたはリソース・セットについて表示されまたは提供され得る。これは、UL RSまたはUL RSリソース・セットを介して、通常はDL RSであるパスロス基準RSを提供する間接的/暗黙的な方法である。パスロス基準RSがUL-TCI IEを介して提供される場合、DL RS「D」はIEにおいて直接言及されなくてよい。
【0113】
一実施形態によれば、「UL-TransmissionConfigurationIndication」UL-TCI IEに含まれ、パスロスファクターの導出のための基準として使用されるULリソースが、SRSリソース・セットであり得る。パスロスファクターの計算または導出に使用されるべきDL RSの決定は、以下の方法を使用して行われ得る。
【0114】
PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロス基準がUL RSリソース・セット(たとえば、SRSリソース・セット)から取得される場合、UEは、上記UL RSリソース・セット(たとえば、SRSリソース・セット)またはUL RSリソース・セット内のアップリンクRSリソースのうちの1つについてパスロス基準RSとしておよび/または空間的関係として使用されるDL RSから、パスロスファクターを取得し得る。たとえば、パスロス基準としてSRSリソース「S」が提供されるPUCCHリソース「A」を考え、ここで、UEは、SRSリソース・セット「S」またはSRSリソース・セット「S」内の少なくとも1つのSRSリソースに関してパスロス基準および/または空間的関係としてDL RS「D」を使用する。次いで、UEは、PUCCHリソース「A」のUL送信についてパスロス基準RSとしてDL RS「D」を使用する。
【0115】
これは、PUCCHリソース「A」の送信電力の計算のためのパスロスファクターがDL RS「D」から取得されることを意味する。SRSリソース・セット「S」またはSRSリソース・セット「S」内の少なくとも1つのSRSリソースについてのパスロス基準RSとして使用されるDL RS「D」は、NR仕様を介して許可されたもしくは可能な任意の方法、または本開示で提供される任意の方法を介して、上記リソース/リソース・セットについて表示されまたは提供され得る。
【0116】
<UL-TCIにおける空間フィルタおよび/またはパスロス基準RSの明示的な表示>
一実施形態によれば、「UL-TransmissionConfigurationIndication」(UL-TCI)IEは、IEに表示されるDLまたはULリソースが、UL送信について、UL空間フィルタもしくはビーム方向を導出するために使用されるのみか、またはパスロスファクターの導出のための基準であるのみか、またはUL空間フィルタもしくはビーム方向を導出するために、およびパスロスファクターの導出のための基準として使用されるのかを表示する、表示またはパラメータを備え得る。いくつかの例では、表示は以下のように行われ得る。
【0117】
- 表示パラメータが値「A」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク空間フィルタ/ビーム方向を導出することができ、
- 表示パラメータが値「B」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク送信電力の計算のためのパスロスファクターを導出し、すなわち、上記リソースをパスロス基準として使用することができ、
- 表示パラメータが値「C」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク送信電力の計算のためのパスロスファクターを導出し、すなわち、上記リソースをパスロス基準として使用し、また、アップリンク空間フィルタ/ビーム方向を導出することができる。
【0118】
表示パラメータは、たとえば、「quasi-colocation(QCL)type」または「assumptionType」または「beamDirectionOrPathlossRefRSSelection」と呼ばれることがある。IEにおけるDLもしくはULリソースがQCLタイプ・パラメータに関連付けられてよく、またはIEにおける複数のリソースがQCLタイプ・パラメータに関連付けられてもよい。UEが行い得る異なる挙動を表示するために、適切な値の例が「A」、「B」および「C」で与えられ得る。
【0119】
各々が関連付けられたQCLタイプを有する、最大2つのUL/DLリソースと、対応するUEの挙動とを含む、UL-TCI IEの内容の異なる可能性の例が、以下のテーブル1に提示されている。DLリソースは、「CORESET」、CSI-RSリソース、またはSSBリソースであり得ることに留意されたい。ULリソースは、SRSリソースまたはリソース・セットであり得る。
【0120】
[テーブル1:UL-TCI IEにおけるリソースおよびQCLタイプ構成の可能な例]
【0121】
【0122】
たとえば、上記のテーブル1を参照して、UL-TCI IEが、QCL-type Cを有する1つのDL RS「D1」を含むと仮定すると、これは、UEが、空間フィルタまたは空間的関係とパスロス基準RSとの両方の導出のためにDL RS「D1」を使用すべきであることを意味する(テーブル1の最初の行を参照)。別の例では、UL-TCI IEは、QCL-type Aを有する1つのUL RSとQCL-type Bを有する1つのDL RSを含むことができ、これは、空間フィルタまたは空間的関係を取得するためにUL RSを使用し、パスロス基準としてDL RSを使用すべきであることを意味する(テーブル1の3行目を参照)。
【0123】
上記の表から、UL-TCI IEは、以下の方法のうちの1つで空間的関係および/またはパスロス基準RSを提供できることが理解され得る:
- UL送信についての空間的関係を導出するための基準として使用されるUL-TCI IEにおいて提供される1つのULもしくはDLリソース、または
- UL送信についてのパスロス基準として使用されるUL-TCI IEにおいて提供される1つのULもしくはDLリソース、または
- UL送信についての空間的関係を導出するための基準として使用されるUL-TCI IEにおいて提供される1つのULもしくはDLリソース、およびUL送信についてのパスロス基準として使用されるIEにおいて提供される1つの他のULもしくはDLリソース。
【0124】
さらに、上記の方法で説明されたような空間的関係および/またはパスロス基準RSの適用は、ULにおける対象チャネルおよび/またはリソースの様々なセット上で行われ得る。したがって、上記の方法は、UL-TCI IEの適用の様々な選択肢を提供し、それにより、様々な実装ユースケースを可能にするのに役立つ。上記の方法から、以下のような適用の選択肢(対象チャネルおよび/またはリソース)が可能である(適用可能であり得るユースケースは、それらに伴い提供される):
1)UL-TCI IEは、少なくともPUSCHおよび少なくとも1つのPUCCHリソースに対して適用され得る。UL-TCI IEのそのような適用について2つの異なるシナリオが可能である。すなわち、制御チャネルとデータ・チャネルが同じセル内にあってよく、すべてのPUSCHと一部もしくはすべてのPUCCHリソースとが同じ空間的関係で適用されるか、または、所与のセル内のULにおける制御チャネルとデータ・チャネルの両方が、異なる特定の送受信点(TRP)もしくは異なるUEポート・グループもしくはパネルに関連付けられるため、複数の空間的関係で適用される。TRPは、UEがダウンリンクでの受信またはアップリンクでの送信をすることができる基地局または任意の他のネットワーク・ノードであり得る。たとえば、UL-TCI IEは、UE専用であるすべてのPUCCHリソース(一連のUEのために構成され得る共通のPUCCHリソースではなく、このUE用にRRCを介して構成される)とともに所与のセル内のすべてのPUSCHに対して適用されてよい。別の例では、少なくともPUSCH送信のサブセットおよびすべての構成されたPUCCHリソースのサブセット(またはPUCCHリソース・グループのサブセット)が、UL-TCI IEとの空間的関係および/またはPL-RSで示されてよく、ここで、上記PUSCH送信およびPUCCHリソースは、特定のTRPに向けられ、またはUEからのポート/パネルの特定のセットに由来する。
【0125】
2)UL TCI-IEは、少なくともPUSCHおよび少なくとも1つのSRSリソースに対して適用し得る。これは、制御シグナリングとデータ・チャネルが(セル構成またはTRP構成の観点で)別々である場合に起こり得る。コードブックまたは非コードブックのためのSRSリソースは、PUSCHと同じビームを共有してよく、ここで、上記SRSリソースは、通常はPUSCH送信のポートを表示するために使用される。ビーム管理のために構成されたSRSリソース・セットのSRSリソースのうちの1つがPUSCHと同じUL-TCI IEを共有する場合、それは、ビーム管理のための(同じセット内の)他のSRSリソースとのULサウンディングのためのUEへの参照として保存し得る。全体として、この適用方法は、ULにおける制御チャネルとデータ・チャネルが別々である場合に、データ・チャネルおよび基準サウンディングのビーム管理を整合させるのに役立つ。別のユースケースでは、それは、制御データが分離されていないときに、制御データのULフィードバックが、異なるTRPに向かって分離された場合に役立つことがあり、これは、ダウンリンク・データが異なるTRPから別々に送信され、(HARQ ACKなどの)DLデータ受信に関するUL制御データがそれぞれのTRPに対して向けられ得るが、データのアップリンク送信が、オーバヘッドまたは冗長性の削減のために、単一のTRPのみに向けられ得る場合に起こり得る。
【0126】
3)UL-TCI IEは、少なくともPUSCH、少なくとも1つのPUCCHリソース、および少なくとも1つのSRSリソースに適用し得る。この場合、データおよび制御チャネルは、1つのセル内にあり、PUSCH送信のすべて/サブセット、すべての/サブセットのPUCCHリソース、およびSRSリソースのサブセットは、セルにおけるUL送信に対して、または所与のセルにおける単一のTRPに向けて/単一のパネル(もしくはポートのグループ)から整合され得る。これは、セル内の1つのビームまたはセル内のTRP/パネルあたり1つのビームのみをサポートするUEでは、特に重要となり得る。
【0127】
注:本開示の「PUSCHリソース」または「PUSCH」という用語は、PUSCHの送信に使用されるPUSCH送信または時間/周波数/ポート/パネル・リソースを指し得る。
【0128】
<空間フィルタおよび/またはパスロス基準RSの使用法に関するUL-TCI IEの外部の表示>
一実施形態によれば、UL-TCI IEに含まれる1つまたは複数のDLおよび/またはULリソースは、少なくとも1つのPUSCH、PUCCHリソース、またはSRSリソースの送信のために、パスロスファクターの導出のための基準として使用され、すなわち、パスロス基準として使用され、および/または空間フィルタ/空間的関係/ビーム方向の導出のために使用される。一例では、IEは、DL/ULリソースが、空間フィルタもしくはビーム方向の導出のために、またはパスロス基準として、または両方に使用されるかについて明示的な表示を含まなくてよい。UL-TCI IEにおけるリソースが、パスロス基準として、または空間的関係を導出するために、または両方に使用されるべきかを決定するために、以下の方法のうちの1つが使用され得る。
【0129】
- NR仕様において方法を予め定義する、または
- リソースが何のために使用されるべきかを、上位層(たとえば、RRCもしくはMAC)を介してUEに対して明示的に表示する、または
- リソースが何のために使用されるべきかを決定する間接的/暗黙的な方法を使用する。
【0130】
一例では、間接的/暗黙的な方法の使用は、上位層(たとえば、RRCまたはMACまたはMAC-CE)を介してUEに対して表示され得る。別の例では、UL-TCI IEにおけるリソースの使用法は、NR仕様で予め定義される。たとえば、DL RSがUL-TCI IEにおいて提供された場合、このRSは、パスロス基準およびUL空間フィルタとして使用され得る。UL RSがIEにおいて提供された場合、RSは空間フィルタのみを導出するために使用される。UL RSおよびDL RSがIEにおいて提供された場合、UL RSは空間フィルタを導出するために使用され、DL RSはパスロス基準RSとして使用される。
【0131】
同じことの明示的な表示の例として、上位層を介する表示は、たとえば、UL RSを空間フィルタ基準またはビーム方向基準としてのみ使用し、UL-TCI IEにDL RSのみが提供されている場合はDL RSをパスロス基準および空間フィルタ基準として使用し、UL-TCI-IEにUL RSも提供されている場合はDL RSをパスロス基準としてのみ使用することを、UEに対して指示することが可能である。別の表示の例では、UEは、UL-TCI IEにおける提供されたRSを、パスロス基準または空間フィルタ導出または両方のために使用するように指示され得る(ここでは、UL-TCI IEに1つのRSのみが提供されるという暗黙の仮定が存在し得る)。
【0132】
<MAC-CEを介したリソースを伴う「UL-TransmissionConfigurationIndication」(UL-TCI)IEの明示的な表示>
いくつかの実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、「UL-TransmissionConfigurationIndication」IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信するように構成される。たとえば、UEは、少なくとも1つのUL-TCI IEのIDと、以下のうちの1つまたは複数と、を少なくとも備えるMAC-CEメッセージを受信し得る。
【0133】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
MAC-CEメッセージの受信後、UEは、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つの情報要素において提供された空間的関係および/またはパスロス基準RSを適用する。
【0134】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、UL-TCI IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信するように構成される。たとえば、UEは、少なくとも1つのUL-TCI IEのIDと、IEにおけるRSが空間的関係基準および/またはパスロス基準として使用されるべきかについての1つまたは複数の表示と、以下のうちの1つまたは複数と、を少なくとも備えるMAC-CEメッセージを受信し得る。
【0135】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
MAC-CEメッセージの受信後、UEは、MAC-CEメッセージにおいて提供された表示に従って、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つの情報要素において提供された空間的関係および/またはパスロス基準RSを適用する。たとえば、表示は、前述の方法のうちの1つに記載されたQCLタイプを表示してよく、QCLタイプは、表示されたQCLタイプに関連付けられたRSが空間的関係基準またはパスロス基準またはその両方として使用されるべきかを表示する。別の例では、表示は、以下の3つの値b0、b1、b2のうちの1つを含み得る。
【0136】
- b0の値は、UL-TCI IE内の1つまたは複数のRSが上記ULチャネルまたはRSについての空間的関係基準として使用され得ることを表示することができ、
- b1の値は、UL-TCI IE内の1つまたは複数のRSがULチャネルまたはRSについてのパスロス基準RSとして使用され得ることを表示することができ、
- b2の値は、UL-TCI IE内の1つまたは複数のRSが上記ULチャネルまたはRSについての空間的関係基準およびパスロス基準RSとして使用され得ることを表示することができる。
【0137】
<複数のUL Tx設定の構成>
いくつかの実施形態によれば、UEは、UL送信で使用されるULビーム方向(もしくは空間フィルタ)および/またはパスロス基準および/または1つもしくは複数の電力制御設定の構成に使用されるパラメータのセットを備える、IEの構成を、ネットワーク・ノードから上位層を介して受信するように構成され、IEは、各IEに一意のIDと、1つまたは複数のULおよび/またはDL RSリソースのIDとを少なくとも含み、以下のパラメータのうちの少なくとも1つを任意選択で含む。
【0138】
- IEにおいて表示された1つまたは複数のリソースが、アップリンク送信のために、UL空間フィルタ/ビーム方向/空間的関係を導出するために使用されるかどうか、および/またはパスロスファクターの導出のための基準として、すなわちパスロス基準として使用されるかどうかを備える1つまたは複数の表示、
- アップリンク送信のための以下の電力制御パラメータのうちの1つまたは複数の表示、すなわち、閉ループ電力制御インデックス、p0値またはp0値を有する情報要素への表示、アルファ値またはアルファ値を有する情報要素への表示、のうちの1つまたは複数の表示であって、p0およびアルファは、アップリンク送信電力の計算に使用される、表示。
【0139】
UEが構成を受信すると、UEは、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のためにIEにおいて提供された設定または構成を適用するように構成される。
【0140】
上述されたDLまたはULリソースは、CSI-RSリソース、SRSリソース、または同期信号ブロック(SSB)、および任意選択でCORESETまたはSRSリソース・セットのうちの1つであり得る。
【0141】
上述されたIEは、たとえば、先に言及されたように、UL-TCI IEまたは「UL-TxSettings」と題されることもある。
様々なULおよびDLリソースからの空間フィルタ/ビーム方向/空間的関係およびパスロス基準RSの計算/導出は、前述された方法によって説明されている。
【0142】
一実施形態によれば、UEは、IEにおいて表示されたリソースがUL空間フィルタ/ビーム方向を導出するために使用されるかどうか、および/またはパスロスファクターの導出のための基準として使用されるかどうかを表示する少なくとも1つのパラメータとともに、UL-TCI IEの構成を、ネットワーク・ノードから上位層を介して受信するように構成され、この表示は、以下のように行われ得る。
【0143】
- 表示パラメータが値「A」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク空間フィルタ/ビーム方向を導出することができ、
- 表示パラメータが値「B」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク送信電力の計算のためのパスロスファクターを導出し、すなわち、上記リソースをパスロス基準として使用することができ、
- 表示パラメータが値「C」で設定された場合、UEは、上記リソースを使用して、アップリンク送信電力の計算のためのパスロスファクターを導出し、すなわち、上記リソースをパスロス基準として使用し、また、アップリンク空間フィルタ/ビーム方向を導出することができる。
【0144】
表示パラメータは、たとえば、「quasi-colocation(QCL)type」または「assumptionType」または「beamDirectionOrPathlossRefRSSelection」と呼ばれることがある。IEにおける各DLもしくはULリソースがQCLタイプ・パラメータに関連付けられてよく、または複数のリソースがQCLタイプ・パラメータに関連付けられてもよい。UEが行う異なる挙動を表示するために、適切な値の例が「A」、「B」および「C」に割り当てられ得る。各々が関連付けられたQCLタイプを有する、最大2つのUL/DLリソースと、対応するUEの挙動とを含む、UL-TCI IEの異なる可能性の例が、先に提示されたテーブル1に与えられている。
【0145】
一実施形態によれば、UL-TCI IEに含まれる1つまたは複数のDLおよび/またはULリソースは、少なくとも1つのPUSCH、PUCCHリソース、またはSRSリソースの送信のために、パスロスファクターの導出のための基準として使用され、すなわち、パスロス基準として使用され、および/または空間フィルタ/空間的関係/ビーム方向の導出のために使用される。情報要素は、DL/ULリソースが、空間フィルタ導出のために、またはパスロス基準として、または両方に使用されるかどうかの表示を含まなくてよい。UL-TCI IEにおけるリソースが、パスロス基準として、または空間的関係を導出するために、または両方に使用されるべきかを決定するために、以下の方法のうちの1つが使用され得る。
【0146】
- 仕様において方法を予め定義する
- リソースが何のために使用されるべきかを、上位層(たとえば、RRCもしくはMAC)を介して明示的に表示する
- リソースが何のために使用されるべきかを決定する間接的/暗黙的な方法を使用する。
【0147】
表示の暗黙的および明示的な方法の例は、先に説明された方法のうちの1つで提供される。
実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、UL-TCI IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信するように構成される。たとえば、UEは、少なくとも1つの「UL-TxSettings」と、以下のうちの1つとを少なくとも備えるMAC-CEメッセージを受信し得る。
【0148】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
MAC-CEメッセージの受信後、UEは、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つの情報要素において提供された空間的関係および/またはパスロス基準RSおよび/または電力制御設定を適用する。
【0149】
<分離したパスロス基準RS IEの構成>
前述の方法では、UL-TCI IEは、空間的関係またはパスロス基準RSまたは両方の表示に使用された。2つのパラメータの分離は、パスロス基準の計算および適用が、空間的関係の適用タイミングと異なり得るシナリオにおいて役立つ可能性がある。
【0150】
一実施形態によれば、UEは、各IEに一意のIDと、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信についてのパスロスファクターを導出するためにパスロス基準RSを表示するために使用される1つまたは複数のULおよび/またはDLリソースのIDとを少なくとも備える、少なくとも1つのIEの構成を、ネットワーク・ノードから上位層を介して受信するように構成される。
【0151】
上述されたDLまたはULリソースは、CSI-RSリソース、SRSリソース、またはSSB、および任意選択でCORESETまたはSRSリソース・セットのうちの1つであり得る。
【0152】
上述されたIEは、たとえば、「UL-PathlossReferenceRS」と題されることもある。
CORESET、SRSリソース、およびSRSリソース・セットを含む様々なULおよびDLリソースからのパスロス基準RSの計算については、前述された方法で説明されている。
【0153】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、「UL-PathlossReferenceRS」IEと、少なくとも1つのSRSリソース、またはSRSリソース・セット、またはPUCCHリソース、またはPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信するように構成される。たとえば、UEは、少なくとも1つの「UL-PathlossReferenceRS」と、以下のうちの少なくとも1つと、を少なくとも備えるMAC-CEメッセージ(または任意の適切な上位層シグナリング)を受信し得る。
【0154】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
MAC-CEメッセージの受信後、UEは、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つの情報要素において提供されたパスロス基準RSを適用する。
【0155】
<空間フィルタとのパスロス基準RSの関連付け>
いくつかの実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、
- 各IEに一意のIDと、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のための少なくとも空間フィルタ/空間的関係/ビーム方向を表示するために使用される1つまたは複数のULおよび/またはDL、リソースのIDとを少なくとも備える、少なくとも1つのIEの構成と、
- 各IEに一意のIDと、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信についてのパスロスファクターを導出するためにパスロス基準RSを表示するために使用される1つまたは複数のULリソースおよび/またはDL RSリソースのIDとを少なくとも備える、少なくとも1つのIEの構成と、
- 空間的関係を表示する少なくとも1つのIEと、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースについてのパスロス基準を表示するIEとの関連付けと
を受信するように構成される。
【0156】
次いで、UEは、少なくともPUSCHおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信に対して、空間的関係およびパスロス基準を適用する。
空間的関係を提供するIEは、前述のように、「UL-TransmissionConfigurationIndication」IEまたは「UL-SpatialFilter」と題されることがある。パスロス基準を提供するIEは、「UL-PathlossReferenceRS」または「PathlossReferenceRS」と題されることがある。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、関連付けは、空間的関係を提供する少なくとも1つのIEの識別子と、パスロス基準を提供する少なくとも1つのIEの識別子と、以下のうちの少なくとも1つと、を少なくとも含むMAC-CEメッセージを介して、取得され得る。
【0158】
- 1つまたは複数のSRSリソースのID
- 1つまたは複数のSRSリソース・セットのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソースのID
- 1つまたは複数のPUCCHリソース・グループのID
- 1つまたは複数のアップリンク帯域幅部分(BWP)のID
MAC-CEメッセージの受信後、UEは、表示されたSRSリソース、および/または表示されたSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたPUCCHリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して提供された表示された少なくとも1つの空間的関係および少なくとも1つのパスロス基準RSを適用する。
【0159】
別の方法では、関連付けは、RRCまたは上位層を介して行われてよく、ここで、あるIEは別のIEにおいて参照される。
一実施形態によれば、空間的関係(またはビーム方向)を提供するIE、すなわちUL-TCI IEと、パスロス基準を提供するIE、すなわち「UL-PathlossReferenceRS」IEとは、以下の方法のうちの1つまたは複数で上位層を介して関連付けられ得る。
【0160】
- 「UL-PathlossReferenceRS」IEは、UL-TCI IEのIDを備え得る
- UL-TCI IEは、「UL-PathlossReferenceRS」IEのIDを備え得る
このようにRRCまたは上位層を介して関連付けられたパスロス基準と空間的関係IEは、上位層(たとえば、RRC、MAC-CEメッセージ)を介して、1つまたは複数のSRSリソース、SRSリソース・セット、PUCCHリソース、PUCCHリソース・グループ、またはPUSCHと関連付けられ得る。
【0161】
UEが、「UL-PathlossReferenceRS」IEのIDを備えるUL-TCI IEをULチャネルまたはRSまたはリソースに関連付けるシグナリングを受信した後、UEは、その送信を、UL-TCI IEに提供された空間的関係、およびUL-TCI IEにより表示された「UL-PathlossReferenceRS」IEに提供されたパスロス基準とともに行うことができる。
【0162】
他方で、UEが、UL-TCI IEのIDを備える「UL-PathlossReferenceRS」IEをULチャネルまたはRSまたはリソースに関連付けるシグナリングを受信した後、UEは、その送信を、「UL-PathlossReferenceRS」IEに提供されたパスロス基準、および「UL-PathlossReferenceRS」IEにより表示されたUL-TCI IEに提供された空間的関係とともに行うことができる。
【0163】
<上位層情報要素を介するポート表示>
いくつかの実施形態によれば、UEは、ポートまたはポートアップリンク送信のためのポートの表示を提供し得るUL-TCI IEを取得するように構成される。UL-TCI IEは、少なくとも1つのPUCCHリソース/リソース・グループおよび/またはPUSCHおよび/またはSRSリソース/リソース・セットのための送信のポートを提供するために参照され得る。アップリンク送信のためのポートを提供するためのUL-TCI情報要素への参照は、RRC、MAC-CEメッセージを介して、またはPDCCHに含まれるダウンリンク制御情報(DCI)を使用してPHY層を介して、行われ得る。
【0164】
別の実施形態では、別個のIEが、アップリンク送信に使用されるポートを表示するように構成されてよく、それは、上位層またはPHY層を介してUL-TCI情報要素と関連付けられ得る。
【0165】
いくつかの実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、アップリンク送信のためのポートを提供するIEを取得するように構成される。情報要素は、少なくともPUCCHリソースおよび/またはPUSCHおよび/またはSRSリソース/リソース・セットのための送信のポートを提供するために参照され得る。IEは、少なくとも、各IEに一意のID、ポートの数を提供するパラメータ、または1つもしくは複数のポートの識別子もしくはインデックスを提供するパラメータを備え得る。UEは、表示方法に応じて、アップリンク送信のためのポートを選択し得る。
【0166】
たとえば、IEが送信のためにポート・インデックス[0,1,2,3]を提供する場合、UEは、送信が可能なP≧4個のポートから送信のために4個のポートを選択してよい。同様に、IEが送信のためにPi個のポートを提供する場合、UEは、送信が可能なP個のポートからPi≦P個のポートを選択する。情報要素は、たとえば、「UL-PortIndication」と題されることがある。
【0167】
本開示におけるポート表示の任意の方法に関する、ポートのインデックスまたは表示された数による、ポートの選択、すなわち、ポートの表示されたポート・インデックスまたは数の、UEにおけるポートに対するマッピングは、NR仕様において予め決定されてよく、上位層を介して表示されてよく、またはUEによって決定されてよい。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、UEは、アップリンク送信についての空間フィルタ基準、パスロス基準、1つまたは複数の電力制御パラメータを備える電力制御設定のうちの1つまたは複数を提供する、UL-PortIndication IEとUL-TCI IEとの関連付けを提供される。関連付けは、上位層(たとえば、RRCもしくはMAC層)またはPHY層を介して行われてよく、またはNR仕様において固定され既知であってもよい。UL-PortIndication IEとUL-TCI IEとの間の関連付けによって定義される組み合わされた設定は、少なくとも1つのPUCCHリソース/リソース・グループおよび/またはPUSCHおよび/またはSRSリソース/リソース・セットのアップリンク送信についての送信設定を提供するために使用され得る。たとえば、少なくとも1つのUL-TCI IEのID、少なくとも1つのUL-PortIndication IEのIDを少なくとも備えるMAC-CEメッセージが、UEによって受信され得る。別の例では、上位層情報要素は、関連付けられたUL-TCI IEの識別子とUL-PortIndication IEとを表示することによって、関連付けを提供することができる。
【0169】
<UL-TCI状態の絞り込み選択およびアクティブ化>
実施形態によれば、UEは、上位層を介してネットワーク・ノードから、1≦N≦Nmax個のUL-TCI情報要素(IE)の構成を取得するように構成される。UEはさらに、ネットワーク・ノードから1つまたは複数のMAC-CEメッセージを受信してよく、ここで、S≦N個のUL-TCI状態が、N個の構成されたUL-TCI状態から選択される。
【0170】
上位層を介してUEに対して提供されるUL-TCI構成またはUL-TCI IEは、本開示では「UL-TCI状態」として表されることもあることに留意されたい。
一実施形態によれば、UEは、PDCCHに含まれるDCIを介してネットワーク・ノードから、PUSCHまたはPUCCHリソースまたはSRSリソース/リソース・セットのアップリンク送信についてのMAC-CEメッセージを介して選択されたN個の構成されたUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数またはS個のUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数の表示を取得するように構成される。UL-TCI状態は、空間的関係設定、および/またはパスロス基準RS設定、および/または1つもしくは複数の電力制御パラメータを提供するUL電力制御設定、および/またはアップリンク送信に使用されるポートを表示し得る。たとえば、DCIは、少なくとも1つのPUCCHリソース/リソース・グループおよび/またはPUSCHおよび/またはSRSリソース/リソース・セットのアップリンク送信についての、上位層を介して構成されたN個のUL-TCI IEのうちの1つもしくは複数またはMAC-CEメッセージを介して選択されたS≦N個のUL-TCI IEのうちの1つもしくは複数を表示する、K≧1ビット・フィールドを備え得る。
【0171】
図2を参照すると、UEによって行われる方法が提示され、上述の実施形態のいくつかを要約している。図示されるように、この方法は、
- (201)ネットワーク・ノードから、上位層を介して、少なくとも1つのIEの構成を受信する工程であって、上記構成は少なくとも、各IEに一意のIDと、少なくともPUSCH、リソースおよび/またはPUCCH、リソースおよび/またはリソースの送信のための少なくとも空間フィルタまたはビーム方向を表示するために使用される1つまたはULリソースおよび/またはDLリソースのIDとを備える、工程と、
- (202)PUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のために少なくとも1つのIEにおいて提供された構成を適用する工程と
を備える。
【0172】
先に説明されたように、一実施形態によれば、
- DLリソースがNZP CSI-RSリソースである場合、この方法は、NZP CSI-RSの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタまたはビーム方向を用いて、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHリソースを送信する工程を備え、
- DLリソースがSS-PBCHである場合、この方法は、SS-PBCHの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタまたはビーム方向を用いて、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHリソースを送信する工程を備え、
- ULリソースがSRSリソースである場合、方法は、SRSリソースの送信のために使用されるのと同じ空間フィルタまたはビーム方向を用いて、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHリソースを送信する工程を備え、
- DLリソースがCORESETである場合、方法は、上記CORESET上での1つまたは複数のPDCCHの受信のために使用されるのと同じ空間フィルタまたはビーム方向を用いて、PUCCHリソースまたはSRSリソースまたはPUSCHリソースを送信する工程を備える。
【0173】
この方法は、
- ネットワーク・ノードから、上位層を介して、UL-TCI IEと、少なくとも1つのSRSリソース、または少なくとも1つのSRSリソース・セット、または少なくとも1つのPUCCHリソース、または少なくとも1つのPUCCHリソース・グループ、またはPUSCHとの関連付けを受信する工程と、
- 表示されたSRSリソース、および/またはSRSリソース・セット内のSRSリソース、および/またはPUCCHリソース、および/または表示されたリソース・グループ内のPUCCHリソース、および/またはPUSCH、および/または表示されたUL BWP上の少なくとも1つのアップリンク送信のうちの少なくとも1つに対して、少なくとも1つのIEにおいて提供された空間フィルタまたはビーム方向を適用する工程と
をさらに備える。
【0174】
UEによって行われる方法は、少なくともPUSCH、PUCCHリソースまたはSRSリソースの送信のためのパスロス基準としてのパスロスファクターの導出のための基準として、UL-TCI IEに含まれる1つまたは複数のDLおよび/またはULリソースを適用する工程をさらに備え、パスロスファクターは、上記PUSCH、PUCCHリソースまたは上記SRSセット内のSRSリソースのための送信電力を取得するために使用される。
【0175】
PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロスファクターがCORESETから導出される場合、方法は、CORESET上のPDCCHのうちの少なくとも1つの受信のための疑似コロケーション(QCL)仮定を提供するDL基準信号のうちの1つからパスロスファクターを取得する工程を備える。
【0176】
PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロス基準がSRSリソース・セットなどのようなUL RSリソース・セットから取得される場合、方法は、上記SRSリソース・セットまたはSRSリソース・セット内の1つもしくは複数のRSリソースについてのパスロス基準RSおよび/または空間的関係として使用されるDL RSからパスロスファクターを取得する工程を備える。
【0177】
PUCCH、SRS、またはPUSCHのUL送信のためのパスロス基準がUL RSから取得される場合、方法は、上記アップリンクRSリソースまたはアップリンクRSリソースを備えるアップリンクRSリソース・セットについてのパスロス基準RSおよび/または空間的関係として使用されるDL RSからパスロスファクターを取得する工程を備える。
【0178】
先に説明されたように、IE(たとえば、UL-TCI IE)は、表示されたDLリソースまたはULリソースが、UL送信について、UL空間フィルタを導出するために使用されるのみか、またはパスロスファクターの導出のための基準であるのみか、または空間フィルタを導出するために、およびパスロスファクターの導出のための基準として使用されるのかを表示する、表示またはパラメータを備える。
【0179】
IEの構成は、UL送信に使用される1つまたは複数の電力設定をさらに備え、IEは、以下のパラメータ、すなわち、
- IEにおいて表示された1つまたは複数のリソースが、UL送信のために、UL空間フィルタもしくはビーム方向を導出するために使用されるかどうか、および/またはパスロスファクターの導出のための基準として、すなわちパスロス基準として使用されるかどうかを備える1つまたは複数の表示と、
- UL送信のための以下の電力制御パラメータのうちの1つまたは複数の表示、すなわち、閉ループ電力制御インデックス、値p0またはp0値を有するIEへの表示、アルファ値またはアルファ値を有するIEへの表示、のうちの1つまたは複数の表示であって、p0およびアルファは、UL送信電力の計算のために使用される、表示と
のうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0180】
この方法は、少なくとも1つのPUCCHリソースもしくはPUCCHリソース・グループおよび/またはPUSCHおよび/またはSRSリソースもしくはSRSリソース・セットについてのUL送信のための少なくとも1つのポートの表示を提供するUL-TCI IEを取得する工程をさらに備え、UL-TCI IEへの参照が、RRC、MAC-CEメッセージを介して、またはPDCCHに含まれるダウンリンク制御情報(DCI)を使用してPHY層を介して、取得される。
【0181】
先に説明されたように、この方法は、ネットワーク・ノードから、上位層を介して、1≦N≦Nmax個のUL-TCI IEの構成を取得する工程を備える。
この方法は、ネットワーク・ノードから1つまたは複数のMAC-CEメッセージを受信する工程であって、S≦N個のUL-TCI状態が、N個の構成されたUL-TCI状態から選択される、工程をさらに備える。
【0182】
この方法は、ネットワーク・ノードから、PDCCHに含まれるDCIを介して、PUSCHもしくはPUCCHリソースまたはSRSリソースまたはSRSリソース・セットのUL送信についての、たとえば、MAC-CEメッセージを介して選択された、N個の構成されたUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数または上記S個のUL-TCI状態のうちの1つもしくは複数の表示を受信する工程をさらに備える。
【0183】
UEによって行われる前述のプロセスまたは方法工程を行うために、UEも提供される。
図3は、UE300を示すブロック図を示す。UE300は、プロセッサ310または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段310と、受信機回路または受信機モジュール340と、送信機回路または送信機ジュール350と、メモリ・モジュール320と、送信機回路350および受信機回路340を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール330とを備える。UE300はさらに、少なくともネットワーク・ノードとの間で信号を送信および受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム360を備える。アンテナ・システムは、前述のようにビームフォーミングを利用する。UEによって行われる動作は既に説明されている。
【0184】
UE300は、ビームフォーミング技術をサポートする4GもしくはLTE、LTE-A、5G、advanced 5G、またはそれらの組合せを含む、任意の無線アクセス技術に属してよい。プロセッサおよびメモリを備えるUEは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、UE300は、上述されたUEに関係付けられた実施形態のいずれか1つを実施するように動作し、または構成される。
【0185】
処理モジュール/回路310は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ310は、ネットワーク・ノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)320は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ310によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワーク・ノードは、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された、固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されよう。
【0186】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ310は、処理回路内にあるかまたは処理回路にアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」は、必ずしも永続または不変の記憶を意味するものではなく、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリにおける記憶を含み得るが、少なくともいくらかの持続性の記憶を含意する。プログラム命令の実行は、UEに関係する本開示に開示された動作を実行するように、処理回路を特に適合させまたは構成する。さらに、UE300が追加の構成要素を備えてよいことは理解されよう。
【0187】
図4を参照すると、前述されたいくつかの実施形態によるネットワーク・ノードまたはgNBによって行われる方法が提示されている。図示されるように、この方法は、
- (401)上位層を介して、UEに対して、少なくとも1つのIEの構成を送信する工程であって、上記構成は少なくとも、各IEに一意のIDと、少なくともPUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のための少なくとも空間フィルタまたはビーム方向を表示するために使用される1つまたは複数のULリソースおよび/またはDLリソースのIDとを備え、そうすることにより、UEが、PUSCHリソースおよび/またはPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースの送信のために少なくとも1つのIEにおいて提供された構成を適用することを可能にする、工程と、
- UEから、PUSCHリソースおよびPUCCHリソースおよび/またはSRSリソースを受信する工程(402)とを備え、すなわち、その後に、UEが上述のように構成を適用する。
【0188】
ネットワーク・ノードによって行われる追加の動作については既に説明されている。
ネットワーク・ノードによって行われる前述のプロセスまたは方法工程を行うために、ネットワーク・ノード(またはgNB)も提供される。
図5は、ネットワーク・ノード500の例示的なブロック図を示す。ネットワーク・ノード500は、プロセッサ510または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段510と、受信機回路または受信機モジュール540と、送信機回路または送信機ジュール550と、メモリ・モジュール520と、送信機回路550および受信機回路540を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール530とを備える。ネットワーク・ノード500はさらに、少なくともUEとの間で信号を送信および受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム560を備える。アンテナ・システム560は、前述のようにビームフォーミングを利用する。ネットワーク・ノード500によって行われる動作は既に説明されている。ネットワーク・ノード500は、送受信点(TRP)とみなされることもある。
【0189】
処理モジュール/回路510は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ510は、ネットワーク・ノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)520は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ510によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワーク・ノードは、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された、固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されよう。
【0190】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ510は、処理回路内にあるかまたは処理回路にアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」は、必ずしも永続または不変の記憶を意味するものではなく、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリにおける記憶を含み得るが、少なくともいくらかの持続性の記憶を含意する。プログラム命令の実行は、本開示に開示された動作を実行するように、処理回路を特に適合させまたは構成する。さらに、ネットワーク・ノード500が追加の構成要素を備えてよいことは理解されよう。
【0191】
ネットワーク・ノード500は、ビームフォーミング技術をサポートする4GもしくはLTE、LTE-A、5G、advanced 5G、またはそれらの組合せを含む、任意の無線アクセス技術に属してよい。プロセッサおよびメモリを備えるネットワーク・ノード500は、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、ネットワーク・ノード500は、ネットワーク・ノード(またはgNB)に関係付けられる本開示に提示された主題のいずれか1つを実施するように動作し、または構成される。
【0192】
本開示において説明された実施形態のいくつかの利点が達成される。それらの利点は、以下を含む。
- 上位層制御情報オーバヘッドおよび待ち時間の低減、ならびにアップリンク・ビーム管理のためのビーム設定の動的表示の強化、
- ビーム表示を効率化し、アップリンクにおける様々なチャネルおよびRSにわたる制御情報の冗長性を低減するための、空間フィルタまたはビーム方向、パスロス基準RS、ポート表示などに関するSRS、PUCCH、およびPUSCHの共同フレームワーク。
【0193】
- アップリンク空間フィルタ/ビーム表示についてのUL TCI IEの定義が、マルチビーム能力を有するUEのためのビーム管理の柔軟性を改善しながら、ビームフォーミング能力が低減されたUEのための統一された設定を提供する。
【0194】
- 2つの設定または構成の適用のためのUE側における異なる能力および要件についての柔軟性を提供するための異なる実施形態または方式を含むUL送信のためのパスロス基準表示と空間フィルタリングとの分離。
【0195】
- ダウンリンクの受信および送信を整合させるためにUL送信に使用されるポート表示のための異なる方式または実施形態。
本明細書を通して「例」または「例示的」への言及は、例に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「例では」または「例示的」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照するものではない。
【0196】
本開示を通して、「備える」または「備えている」という用語は、非限定的意味で使用されており、すなわち「少なくとも~から構成される」を意味している。本明細書では特定の用語が使用されることがあるが、それらは、限定のためではなく一般的および記述的な意味のみで使用されている。本明細書の実施形態は、LTEまたは4G、LTE-A(またはLTE-Advanced)、5G、advanced 5G、WiMAX(登録商標)、WiFi(登録商標)、衛星通信、テレビ放送などを含む、任意のワイヤレス・システムに適用され得る。