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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ドライバ及びスルーレート制御回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20240117BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20240117BHJP
   H03K 17/08 20060101ALI20240117BHJP
   H03K 17/0812 20060101ALI20240117BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M1/00 H
H03K17/08 C
H03K17/0812
H03K17/687 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020571380
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019037759
(87)【国際公開番号】W WO2019246117
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】62/688,131
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/132,790
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】リッキー デール ジョーデンジャー
(72)【発明者】
【氏名】ヘクター トレス
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-059050(JP,A)
【文献】特開2011-142795(JP,A)
【文献】特開2010-015471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0252924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02M 1/00
H03K 17/00
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルーレート制御回路であって、
負荷出力と負荷ゲートとを有するパストランジスタと、
ドライバ入力と、前記負荷ゲートに結合されるドライバ出力とを有するドライバ回路要素と、
外部コンデンサの第1の端子に結合するように適応される第1のコンデンサノードであって、前記ドライバ入力に結合される、前記第1のコンデンサノードと、
前記ドライバ入力と第1の電圧源との間に結合され、パワーダウン入力を有するスルーレート制御要素と、
前記ドライバ入力と第2の電圧源との間に結合されるリセット電界効果トランジスタ(FET)であって、前記パワーダウン入力から分離される過電流保護入力を有する、前記リセットFETと、
を含む、スルーレート制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載のスルーレート制御回路であって、
前記スルーレート制御要素が、電流源と電流シンクと抵抗器とからなる群から選択される、スルーレート制御回路。
【請求項3】
請求項1に記載のスルーレート制御回路であって、
前記第1の電圧源と前記第2の電圧源とが、各々、上側レールと下側レールと基準電圧と前記パストランジスタの出力電圧と前記パストランジスタからのフィードバック電圧とを含む群から選択される、スルーレート制御回路。
【請求項4】
請求項1に記載のスルーレート制御回路であって、
前記第2の電圧源と前記ドライバ入力との間に前記リセットFETと直列に結合され、前記負荷ゲートに結合されるゲートを有するフィードバックトランジスタを更に含む、スルーレート制御回路。
【請求項5】
負荷スイッチ回路であって、
供給電圧入力と、
負荷出力と、
接地平面ノードと、
負荷ソースと負荷ドレインと負荷ゲートとを有し、前記負荷ソースと前記負荷ドレインとが前記供給電圧入力と前記負荷出力との間に結合される第1のP型電界効果トランジスタ(PFET)と、
ドライバドレインとドライバソースとドライバゲートとを有するドライバN型電界効果トランジスタ(NFET)を含むドライバ回路であって、前記ドライバドレインと前記ドライバソースとが前記供給電圧入力と前記接地平面ノードとの間に結合され、前記ドライバソースが前記負荷ゲートに結合される、前記ドライバ回路と、
スルーレート制御回路であって、
外部コンデンサの第1の端子に結合するように適応される第1のコンデンサノードであって、前記ドライバゲートに直列に結合される、前記第1のコンデンサノードと、
パワーダウンソースとパワーダウンドレインとパワーダウンゲートとを有するパワーダウンPFETであって、前記パワーダウンソースと前記パワーダウンドレインとが前記供給電圧入力と前記接地平面ノードとの間に第1の電流シンクと直列に結合され、前記パワーダウンドレインが前記ドライバゲートに結合され、前記パワーダウンゲートがパワーダウンバー信号を受け取るように適応される、前記パワーダウンPFETと、
前記供給電圧入力に結合されるリセットソースと、リセットドレインと、過電流保護信号を受信するように適応されるリセットゲートとを有するリセットPFETと、
前記リセットドレインに結合されるフィードバックドレインと、前記ドライバゲートに結合されるフィードバックソースと、前記負荷ゲートに結合されるフィードバックゲートとを有するフィードバックNFETと、
を含む、前記スルーレート制御回路と、
を含む、負荷スイッチ回路。
【請求項6】
請求項5に記載の負荷スイッチ回路であって、
前記ドライバソースと前記接地平面ノードとの間に結合される第2の電流シンクと、
前記供給電圧入力に結合されるソースと、前記負荷ゲートに結合されるドレインと、前記パワーダウンバー信号を受け取るように適応されるゲートとを有する第2のパワーダウンPFETと、
を更に含む、負荷スイッチ回路。
【請求項7】
請求項6に記載の負荷スイッチであって、
前記第パワーダウンPFETによって渡される電流が前記第2の電流シンクによって渡される第2の電流より大きい、負荷スイッチ。
【請求項8】
請求項5に記載の負荷スイッチであって、
前記外部コンデンサの第2の端子に結合するように適応される第2のコンデンサノードであって、前記負荷ドレインに結合される、前記第2のコンデンサノードを更に含む、負荷スイッチ。
【請求項9】
集積回路であって、
供給電圧入力と負荷出力との間に結合されるパストランジスタであって、制御ゲートを有する、前記パストランジスタと、
ドライバ入力と、前記制御ゲートに結合されるドライバ出力とを有するドライバ回路と、
パワーダウン入力と、前記ドライバ入力に結合されるスルーレート出力とを有するスルーレート制御回路であって、
外部コンデンサの第1の端子に結合するように適応される第1のコンデンサノードであって、前記ドライバ入力に結合される、前記第1のコンデンサノードと、
前記ドライバ入力と第1の電圧源との間に結合されるスルーレート制御要素と、
前記ドライバ入力と第2の電圧源との間に結合されるリセット電界効果トランジスタ(FET)であって、前記パワーダウン入力から分離される過電流保護入力を有する、前記リセットFETと、
を含む、前記スルーレート制御回路と、
を含む、集積回路。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記リセットFETが、前記ドライバ入力に結合されるドレインと、前記供給電圧入力に結合されるソースとを有するP型FET(PFET)である、集積回路。
【請求項11】
請求項10に記載の集積回路であって、
前記外部コンデンサの第2の端子が前記供給電圧入力に結合される、集積回路。
【請求項12】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記スルーレート制御要素が、前記ドライバ入力と接地平面との間に結合される電流シンクを含む、集積回路。
【請求項13】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記リセットFETが、前記ドライバ入力に結合されるドレインを有するN型FET(NFET)である、集積回路。
【請求項14】
請求項13に記載の集積回路であって、
前記スルーレート制御要素が抵抗器と電流源とからなる群から選択される要素を含み、前記スルーレート制御要素が基準電圧と前記ドライバ入力との間に結合される、集積回路。
【請求項15】
請求項14に記載の集積回路であって、
前記負荷出力と接地平面との間に第2の抵抗器と直列に結合される第1の抵抗器を含むフィードバック回路であって、前記第1及び第2の抵抗器の間の点が前記ドライバ回路のための第2の入力を提供するように結合される、前記フィードバック回路を更に含む、集積回路。
【請求項16】
請求項13に記載の集積回路であって、
前記リセットFETのソースが接地平面に結合される、集積回路。
【請求項17】
請求項15に記載の集積回路であって、
前記リセットFETのソースが、前記第1及び第2の抵抗器の間のノードに結合され、
前記スルーレート制御回路が、基準電圧と前記ドライバ入力との間に電流源と直列に結合され、前記過電流保護入力に結合されるゲートを有する基準電流イネーブルPFETと、前記ドライバ入力と前記接地平面との間に結合される電流シンクとを更に含む、集積回路。
【請求項18】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記集積回路が負荷スイッチと低ドロップアウトレギュレータとのうちの1つである、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、電力管理システムのための回路に関し、より詳細には、短絡からの回復後にソフトスタートを提供するドライバ及びスルーレート制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電力管理システムのための負荷スイッチ及び低ドロップアウト(LDO)レギュレータは、イネーブルの際や種々の障害からの回復の際に、固定の又は調整可能なソフトスタートを必要とする。ソフトスタートは、入力電力供給を推奨動作条件以下に引き下げる恐れのある、負荷への大きな突入電流を回避する。これらのデバイスは概して、イネーブルの際に及び幾つかの欠陥に応答してソフトスタートを提供するが、すべての負荷スイッチ又はLDOが、短絡条件からの回復中にソフトスタートを実施するわけではない。
【発明の概要】
【0003】
説明される実施例は、負荷スイッチ及びLDOの両方に対する出力で短絡からの回復中にソフトスタートを実装するためのシンプルなスルーレート制御回路を提供する。説明される実施例では、短絡からの回復中にソフトスタートを実装するための回路は、一つ又は二つのみの追加トランジスタしか必要とせず、回復中のソフトスタートの必要性に対するシンプルな解決策を提供し得る。
【0004】
ドライバ回路のための入力に結合されるスルーレート制御回路の一実施例において、スルーレート制御回路は、スルーレート制御回路が電源投入されたときに第1のバイナリ値を提供し、ドライバ回路によって制御されるパス要素がイネーブルされたときに第1のバイナリ値と第2のバイナリ値との間のスルーレートを制御するように結合される。スルーレート制御スイッチ回路は、外部コンデンサの第1の端子に結合するための第1のコンデンサノードであって、ドライバ回路のための入力に結合されている第1のコンデンサノードと、ドライバ回路のための入力とスルーレートを規定するための第1の電圧源との間に結合されるスルーレート制御要素と、ドライバ回路のための入力と第2の電圧源との間に結合されるリセット電界効果トランジスタ(FET)とを含む。リセットFETは、低電位への短絡が検出されるとバイナリ値を変化させる過電流保護信号によって制御されるゲートを有し、リセットFETは、短絡の検出に応答してドライバ回路のための入力を第1のバイナリ値に戻すように結合されている。
【0005】
集積回路チップ上に実装される負荷スイッチ回路の別の実施形態において、負荷スイッチ回路は、入力電圧に結合するための第1のノードと、外部負荷に結合するための第2のノードと、接地面に結合するための第3のノードと、外部負荷への出力電圧を制御するために第1のノードと第2のノードとの間に結合される第1のP型電界効果トランジスタ(PFET)と、第1のPFETのゲートを制御するように結合されるドライバ回路であって、第1のノードと第3のノードとの間に結合される第1のN型電界効果トランジスタ(NFET)を含み、第1のPFETのゲートが第1のNFETのソースに結合されている、ドライバ回路と、第1のPFETのゲートに結合されるスルーレート制御回路とを含む。スルーレート制御回路は、外部コンデンサの第1の端子に結合するための第1のコンデンサノードであって、第1のNFETのゲートに結合されている第1のコンデンサノードと、第1のノードと第3のノードとの間の第1の電流シンクとの間で直列に結合される第2のPFETであって、第2のPFETのドレインと第1の電流シンクとの間の或るポイントが第1のPFETのゲートに結合されており、第2のPFETのゲートが、ロードスイッチがオンされるとき高となるように結合されるパワーダウンバー信号を受け取るように結合される、第2のPFETと、第1のノードと第1のNFETのゲートとの間でフィードバックNFETと直列に結合されるリセットPFETとを含み、フィードバックNFETのゲートが第1のPFETのゲートに結合されており、リセットPFETのゲートが、低電位への短絡が発生するとき低となるように結合される過電流保護信号を受け取るように結合されている。
【0006】
外部負荷への出力電圧を制御するために集積回路チップ上に実装される回路の別の実施例において、この回路は、入力電圧に結合するための第1のノードと外部負荷に結合するための第2のノードとの間に結合され、外部負荷に供給される出力電圧を制御するように結合されるパス素子と、パス素子のゲートを制御するように結合されるドライバ回路と、ドライバ回路のための第1の入力に結合されるスルーレート制御回路を含む。スルーレート制御回路は、スルーレート制御回路が電源投入されたときに第1のバイナリ値を提供し、パス素子がイネーブルされたときに第1のバイナリ値と第2のバイナリ値との間のスルーレートを制御するように結合される。スルーレート制御回路は、外部コンデンサの第1の端子に結合するための第1のコンデンサノードであって、ドライバ回路のための第1の入力に結合される第1のコンデンサノードと、スルーレートを規定するため、ドライバ回路のため第1の入力と第1の電圧源との間に結合されるスルーレート制御素子と、ドライバ回路のための第1の入力と第2の電圧源との間に結合されるリセット電界効果トランジスタ(FET)とを含む。リセットFETは、低電位への短絡が検出されるときバイナリ値を変化させる過電流保護信号を受信するように結合されるゲートを有し、リセットFETは、短絡の検出に応答してドライバ回路のための第1の入力を第1のバイナリ値に戻すように結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施例に従ったP型負荷スイッチを示す。
【0008】
図2】短絡後の回復が利用されない場合の、スタートアップ及び短絡の間及びその後の図1の負荷スイッチからの複数の信号を示す。
【0009】
図3】一実施例に従ったスタートアップ及び短絡の間及びその後の負荷スイッチからの複数の信号を示す。
【0010】
図4】一実施例に従ったN型負荷スイッチを示す。
【0011】
図5】一実施例に従ったN型負荷スイッチを示す。
【0012】
図6】一実施例に従ったN型負荷スイッチを示す。
【0013】
図7】一実施例に従ったP型LDOを示す。
【0014】
図8】一実施例に従ったP型LDOを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。特定の特徴、構造、又は特性が一実施例に関連して記載される場合、そのような特徴、構造、又は特性は、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、他の実施例と関連して実施され得る。本明細書で用いられるように、「結合する(couple)」という語は、「通信可能に結合される」(ワイヤレス接続を含み得る)と限定されない限り、間接的又は直接的な電気的接続のいずれかを意味する。そのため、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接的な電気的接続を介するもの、又は他のデバイス及び接続を介する間接的電気的接続を介するものであり得る。
【0016】
本記載では、上側レール及び下側レールについての言及は、上側及び下側電力供給ラインを指す。概して、上側レールは入力電圧Vinを指し、下側レールは、接地と同じであってもなくてもよい局地接地を指す。同様に、信号上の電圧の低又は高値についての言及は、0又は1のいずれかとして解釈される値、すなわちバイナリ値を指す。2つの信号が、0又は1の同じバイナリ値を有し得るが、全く同じ電圧を共有しない。
【0017】
図1は、集積回路(IC)チップ102上に実装される例示の負荷スイッチ回路100を示す。負荷スイッチ回路100は、スタンドアロンICチップ102として示されているが、追加の回路を含むより大きなチップの一部として実装することもできる。大複数の市販の負荷スイッチは、パス要素にN型電界効果トランジスタ(NFET)を用いる。しかしながら、図1の実施例は、宇宙(space)における使用のために設計され、放射環境での改良された性能のために第1のP型電界効果トランジスタ(PFET)MP1を利用する。この図面に示されるように、ICチップ102は、外部回路又は電圧源に結合され得る5つのノードを含み、一実施例において、これらのノードはパッケージングの間、ピンに結合される。第1のノードPN1は、負荷スイッチ回路100のための上側レールを提供するために入力電圧Vinに結合するためのものである。第2のノードPN2は、外部コンデンサCload及び抵抗器Rloadとしてこの図面で表される、外部負荷に結合するためのものであり、出力電圧Voutを提供する。第3のノードPN3は、接地平面に結合するためのものであり、負荷スイッチ回路100のための下側レールを提供する。第1のコンデンサノードとも称され得る第4のノードPN4は、パス要素のスルーレートを制御するのを助けるエネルギーをストアするために用いられる外部ソフトスタートコンデンサCssの第1の端子に結合するためのものである。任意の第5のノードPN5又は第2のコンデンサノードは、外部ソフトスタートコンデンサCssの第2の端子に結合するためのものであり、外部ソフトスタートコンデンサCssを第1のPFET MP1のドレインに及び第2のノードに結合する。具体的には示されていない代替の実施例において、外部ソフトスタートコンデンサCssの第2の端子は下側レールに結合される。
【0018】
図1に示すように、負荷スイッチ回路100は、ドライバ回路104及びスルーレート制御回路106を含む。他の回路(特に図示せず)が、ドライバ回路104のための制御ロジック、及び任意で、迅速出力ディスチャージ回路、熱シャットダウン回路、逆電流保護回路、及び電流制限回路を含み得る。第1のPFET MP1が、第1のノードと第2のノードとの間に結合され、入力電圧Vinを受け取るように結合されるソースと、出力電圧Voutを供給するように結合されるドレインと、ゲートとを備える。
【0019】
スルーレート制御回路106は、第2のPFET MP2、リセットPFET MP4、フィードバックNFET MN2、第1の電流シンクCS1、及び、ソフトスタートコンデンサCssに結合するための第4のノードPN4を含む。第4のノードPN4は、ドライバ回路104のための入力を提供するノードSSに結合される。ゲート上でパワーダウンバー(PDB)信号を受信する第2のPFET MP2は、第1のノードと第3のノードとの間で第1の電流シンクCS1と直列に結合され、ノードSSは、第2のPFET MP2のドレインと第1の電流シンクCS1との間のノード110に結合される。リセットPFET MP4は、第1のノードとSSノードとの間でフィードバックNFET MN2と直列に結合される。リセットPFET MP4のゲートは過電流保護バー(OCPB)信号を受け取り、一方、フィードバックNFET MN2のゲートは第1のPFET MP1のゲートに結合される。
【0020】
ドライバ回路104は、第1のN型電界効果トランジスタ(NFET)MN1、第3のPFET MP3、及び第2の電流シンクCS2を含む。第3のPFET MP3は、第1のノードとパス要素である第1のPFET MP1のためのゲートとの間に結合され、第3のPFET MP3のゲートは信号PDBを受信する。第1のNFET MN1は、第1のノードと第3のノードとの間で第2の電流シンクCS2と直列に結合され、第1のPFET MP1のゲートは、第1のNFET MN1のソースと第2の電流シンクCS2との間にあるノード108に結合される。第1のNFET MN1のゲートはSSと称され、ノードSSに結合されたスルーレート制御回路106は、第1のPFET MP1がオンにされたときソフトスタートランプを提供する。
【0021】
負荷スイッチ回路100のオペレーションは以下の通りである。システムが電源投入されると、信号PDBは低になり、第2及び第3のPFETトランジスタMP2、MP3はオンにされ、SSノードとGATEノードの両方を入力電圧Vinにプルし、そのため、外部のソフトスタートコンデンサCssが充電され、第1のNFET MN1がオンにされ、第1のPFET MP1がオフにされ、負荷スイッチを介して電流が流れないようにする。この目的を達成するため、第2のPFET MP2は、第1の電流シンクCS1によって渡されるよりも大きな電流を提供するように設計され、同様に、第3のPFET MP3は、第2の電流シンクCS2によって渡されるよりも大きな電流を提供するように設計される。負荷スイッチがイネーブルされるとき、信号PDBは高に向かい、第2のPFET MP2及び第3のPFET MP3はオフにされ、そのため、第1及び第2の電流シンクCS1及びCS2が、それぞれ、SSノード及びGATEノード上でプルダウンするようにする。第1の電流シンクCS1を介する電流Issは、第1のNFET MN1をゆっくりとオフにするために、一定の速度でSSノード及びソフトスタートコンデンサCssを放電する。第1のNFET MN1は、低閾値電圧(Vt)トランジスタとして実装されるソースフォロワトランジスタであり、GATEノード上の値をSSノード上の値に追従させる。第1の電流シンクCS1により渡される電流Issは、第1のPFET MP1のターンオンスルーレートを設定する。電流Igは、GATEのプルダウン電流である。
【0022】
過電流保護(OCP)とOCPBの2つの信号は、接地などの低電位への短絡の検出に対する応答を駆動するために利用可能であり、過電流保護信号OCPは、短絡が検出されない限り低であるように設定され、過電流保護信号OCPBは、短絡が検出されない限り高であるように設定される。図面に具体的に示されていないサブ回路が、これらの過電流保護信号のいずれかを提供し得る。負荷スイッチ回路100において過電流保護信号OCPBが利用されたが、他の例示の回路の幾つかにおいて過電流保護信号OCPが示されている。出力電圧Vout上の低電位への短絡のケースでは、図1に示されていないアナログ回路が、第1のPFET MP1の電流を制限するためにGATE信号上でプルアップし得る。同時に、過電流保護信号OCPBは低に向かい、リセットPFET MP4をオンにする。これにより、フィードバックNFET MN2がSSノードを再度高にプルできるようになり、そのため、ソフトスタートコンデンサCssが充電され得、一旦P型スイッチの出力から短絡が除かれると、出力をソフトスタートできるようになる。フィードバックNFET MN2もソースフォロワであり、一方、負荷スイッチ回路100の通常動作は、GATEノード上の値が、短絡の間、SSノード上の値に追従するためのものであり、フィードバックNFET MN2をイネーブルにすると、SSノード上の値がGATEノード上の値に追従する。
【0023】
図2は、グラフA、B、Cを含み、これらのグラフは各々、短絡回復後の記載されたソフトスタートを持たない負荷スイッチのためのドライバ回路に関連する信号を示す。これらの信号は、電源投入及び回路のイネーブルの間、6アンペア負荷を備えて示され、その後、7.5アンペアの電流制限設定で10ミリオームの短絡が続く。グラフAは出力電圧Voutを示し、グラフBは、グラフの左側でほぼ同一の値を有する、SSノード上の電圧VssとGATEノード上の電圧Vgateの両方を示し、グラフCは、出力電流Ioutを示す。グラフが始まると、回路は電源投入され、信号PDBが低になる。信号PDBが低である場合、第2及び第3のPFET MP2及びMP3の両方がオンにされ、これにより、SSノード及びGATEノードの両方がプルアップされる。電圧Vgate及びVssは高バイナリ値まで上昇し、これにより、第1のPFET MP1がオフに保たれ、ソフトスタートコンデンサCsが充電される。ソフトスタートコンデンサCssが自身にストアされた電圧を放出して、出力電圧Vout上のランピング電圧及び出力電流Ioutにおける対応するランプを提供するので、低下は最初は緩やかであるが、時間T1で、信号PDBは高に向かい、電圧Vss及びVgateの値は低下し始める。
【0024】
電流が安定した後、時間T2で短絡が生じる。回路はユーザーによって設定された過電流制限を有するので、本記載の一部ではない過電流回路が、スイッチをオフにするためにGATEノード上で即座にプルアップするが、その後、電流制限までの電流が出力電流Ioutとして流れることを可能にし、そのため、サービスは中断されず、負荷へのダウンストリームにダメージが生じることはない。電圧Vgateの値は高にプルされるが、短絡に対する初期反応の後、電圧Vssの値は低値まで降下し、そのため、第1のNFET MN1はターンオフされる。時間T3で短絡が解消されると、ノードSS上の電圧Vssは即座に高値まで急上昇し、次いで電圧VssとVgateの両方が降下する。しかしながら、ノードSS上の電圧Vssは短絡の間低に留まっているので、ソフトスタートコンデンサCssは、決して充電されず、電圧Vss及びそのため電圧Vgateの低下を遅らせることができない。出力電圧Voutはランプアップしないが、すぐに高値まで急上昇し、負荷に大きな突入電流を引き起こす可能性がある。
【0025】
図3は、グラフD、E、及びFを含み、短絡後のソフトスタート回復を備える負荷スイッチ回路100を用いた場合の、スタートアップの間及び短絡の後の図2と同じ状況を示す。時間T4に信号PDBをオンにすると、ソフトスタートコンデンサCssの放電によってVssとVgateの電圧の低下が再度遅くなり、出力電圧Voutと出力電流Iout上の望ましいランプを提供する。時間T5に短絡が生じた後、GATEノード上の電圧Vgateは、図1に具体的に示されていない過電流回路によって再度プルアップされる。ただし、過電流保護信号OCPBは、短絡が検出される際に低値に設定されるので、リセットPFET MP4はオンにされ、フィードバックNFET MN2は、GATEノード上の電圧Vgateをプルアップするのと同じ回路によってオンにされる。この組み合わせは、ノードSSの電圧Vssを電圧Vgateのものに近い高値までプルアップする。一方、電圧Vgateは、電圧Vssに概して追従し、短絡の場合、電圧Vssは電圧Vgateに追従する。電圧Vssは短絡の間は高にプルアップされるため、ソフトスタートコンデンサCssは、短絡の間充電される。時間T6で短絡が解消されると、ソフトスタートコンデンサCssの放電は、SSノード上の電圧Vss及びそのためGATEノード上の電圧Vgateの降下を遅くする。その結果、出力電圧Voutは急激に上昇せず、所望のランプアップを示す。
【0026】
図1の回路は、SSノード及びP型負荷スイッチのためのソフトスタートコンデンサCssのリセットを示す。図4図6に示すように、N型負荷スイッチについても同様にシンプルな結果が得られる。図4は、N型パス要素NFET MN41、ドライバ回路404、チャージポンプ408、及びスルーレート制御回路406を有する、例示の負荷スイッチ回路400を示す。この実施例において、正のチャージポンプ408は、入力電圧VinとNFET MN41のGATEノードとの間で駆動抵抗器Rdrvと直列に結合され、入力電圧Vinの値の2倍の電圧を提供する。NFET MN41がイネーブルされると、チャージポンプ408からの駆動電流Idrvは、GATEノード上の値が上昇するにつれて変化する。ドライバ回路404は、電圧依存電流源であり、ノードSS上に提供された電圧Vssを、駆動電流Idrvの一部を相殺するGATEノードへの電流、すなわち、電流Ictに変換して、GATEノードに印加されるゲート電流Igateができるだけ一定になるようにする。
【0027】
スルーレート制御回路406は、高値で始まり低値まで放電する電圧をSSノード上に提供する必要がある。SSノード上で所望の電圧変化を提供するため、ソフトスタートコンデンサCssは、入力電圧Vinと下側レールとの間で電流シンクCS4と直列に結合され、ドライバ回路404に対する入力は、ソフトスタートコンデンサCssとノードCS4との間の点から取られる。電流シンクCS4は基準電流Irefを渡す。この図には具体的には示されていないが、ソフトスタートコンデンサCssは、概して、負荷スイッチ回路400上のノードに結合される外部コンデンサである。リセットFET MP41が、上側レールとSSノードとの間でソフトスタートコンデンサCssと並列に結合され、ゲート上で過電流保護信号OCPBを受信する。負荷スイッチ回路400が電源投入されると、ソフトスタートコンデンサCssが充電され、その後、負荷スイッチ回路400がイネーブルされるとき放電する。負荷スイッチ回路400がオンである間に短絡が生じると、過電流保護信号OCPBは高値から低値に向かい、PFET MP42をオンにし、入力電圧VinをSSノードに短絡し、そのため、ソフトスタートコンデンサCsが再び高値に設定され、電流Ictを相殺するためにSSノード上で所望の電圧Vssを提供する準備が整う。
【0028】
図5は、ICチップ502上に実装される負荷スイッチ回路500の一般化バージョンを示す。負荷スイッチ回路500は、N型パス要素、NFET MN51、ドライバ回路504、チャージポンプ508、及びスルーレート制御回路506を有する。スルーレート制御回路506はソフトスタートコンデンサCssを含み、これも概して外部にあり、基準電圧Vrefと下側レールとの間で電流源CS5と直列に結合される。ドライバ回路504のための入力を提供するために、電流源CS5とソフトスタートコンデンサCssとの間の点がノードSSに結合される。リセットNFET MN52が、ノードSSと下側レールとの間でソフトスタートコンデンサCssと並列に結合され、過電流保護信号OCPを受信する。過電流保護信号OCPは、通常状態の間は低となるように設定されるが、低電位への短絡の間は高に向かう。
【0029】
負荷スイッチ回路500が電源投入されると、ノードSSの値は低を有する。負荷スイッチ回路500がイネーブルされると、電流源CS5はノードSS上の電圧を増加させる電流を供給し、一方で、ソフトスタートコンデンサCsがあるため、コンデンサが充電されるにつれてSSノード上の電圧がゆっくりと増大される。負荷スイッチ回路500がイネーブルされる一方で出力ノード上で短絡が生じると、過電流保護信号OCPが高に向かう。過電流保護信号OCPは、リセットNFET MN52をオンにし、ノードSSを下側レールに結合し、ノードSSとソフトスタートコンデンサCssの両方を放電し、そのため、これらの要素が、ドライバ回路504及びパス要素NFET MN51のためのソフトスタートを提供するために再び利用可能となるようにする。
【0030】
図6は、パス要素としてNFET MN61を用いる負荷スイッチ回路600の代替の一般化を示す。負荷スイッチ回路600は、ドライバ回路604、スルーレート制御回路606、及びチャージポンプ608も含む。この実施例では、スルーレート制御回路606は、図5の電流源CS5を抵抗器Rssで置換している一方、リセットNFET MN62が、ソフトスタートのコンデンサCssと並行して結合されている。負荷スイッチ回路600が電源投入されると、ノードSSの値が低となり、その後、負荷スイッチ回路600がイネーブルされると、ソフトスタートコンデンサCssが抵抗器Rssを介して提供される電圧によって充電され、そのため、ノードSSのドライバ回路604への電圧は、ソフトスタートコンデンサCssが充電されるにつれてランプアップする。出力ノード上の短絡の間、過電流保護信号OCPは高に向かい、リセットNFET MN62をオンにし、ノードSSを下側レールに結合して、ソフトスタートコンデンサCssを低値にリセットし、短絡からの復帰後にソフトスタートを提供する準備が整う。
【0031】
負荷スイッチに加えて、低ドロップアウト(LDO)レギュレータも、記載されるスルーレート制御回路の利点を得ることができる。図7及び図8は、一実施例に従った、パス要素のためのPFETとスルーレート制御回路とを含む、ICチップ(特に図示せず)上に実装されるLDOの2つのバージョンを図示する。図7において、LDO700が、パス要素PFET MP71、ドライバ回路704、スルーレート制御回路706、及びフィードバック回路708を含む。ドライバ回路704は、エラー増幅器を含み、PFET MP71のノードGATEに制御電圧を提供する。ドライバ回路704は、反転入力上のスルーレート制御回路706からの第1の入力と、非反転入力上のフィードバック回路708からの第2の入力とを受け取る。フィードバック回路708は、PFET MP71のドレインと下側レールとの間で直列に結合される抵抗器R1及びR2を含み、抵抗器R1とR2との間の点710が、ドライバ回路704のために非反転入力に結合されて、フィードバック電圧Vfbを提供する。
【0032】
スルーレート制御回路706は、電圧基準Vrefと下側レールとの間でソフトスタートコンデンサCss(概して外部にある)と直列に結合される電流源CS7を含む。電流源CS7とソフトスタートコンデンサCssとの間の点が、ドライバ回路704のための第1の入力に結合される。リセットNFET MN71は、ドライバ回路のための第1の入力と下側レールとの間でソフトスタートコンデンサCssと並列に結合される。リセットNFET MN71は、過電流保護信号OCPを受信し、過電流保護信号OCPは、短絡が生じた場合を除き低値を有する。短絡が生じた場合、過電流保護信号OCPは高値を有する。LDO700が電源投入されるとノードSSは低値を有し、その後、回路がイネーブルされると、電流源CS7は、ソフトスタートコンデンサCssを充電する電流Issを供給し、そのため、ノードSSは、即座に高値まで急上昇するのではなくゆっくりとランプアップする。LDOがイネーブルされる一方で出力電圧Voutが短絡すると、過電流保護回路OCPが低値から高値に変化し、リセットNFET MN71をオンにし、SSノードが下側レールに短絡してソフトスタートコンデンサCssがリセットされる。別個の回路(特に図示せず)が、GATEノードをプルアップしてPFET MP71を介する電流を制限し得る。代替の実施例において、電流源CS7は抵抗器(特に図示せず)で置き換えることができる。
【0033】
図8のLDO800は、図7のLDO700と同じ要素の多くを共有し、パス要素PFET MP81、エラー増幅器を含むドライバ回路804、フィードバック回路808、及びスルーレート制御回路806を含む。ドライバ回路804は、反転入力でSSノード上の電圧を受信し、非反転入力で、フィードバック回路808の抵抗器R1とR2との間のノード810から取得したフィードバック電圧Vfbを受信する。スルーレート制御回路806は、ソフトスタートコンデンサCssを含み、ソフトスタートコンデンサCssは、同様に概して外部にあり、基準電圧と下側レールとの間で電流源CS81及び基準電圧イネーブルPFET MP82と直列に結合されており、SSノードは、基準電圧イネーブルPFET MP82のドレインとソフトスタートコンデンサCssとの間のノードに結合される。また、スルーレート制御回路806は、SSノードと下側レールとの間に結合されるオフセット電流シンクCS82と、SSノードとフィードバックループ808の第1及び第2の抵抗器間のノードとの間に結合されるリセットNFET MN81とを含む。低電位への短絡の間、リセットNFET MN81は、SSノードをフィードバックループの抵抗器R1とR2の間の点に短絡させる。SSノードをフィードバックループに短絡させると、短絡が除去された後にLDO出力がより速く回復することが可能になるが、回路における発振を避けるために、LDOドライバのための反転入力でオフセットを強制するため、オフセット電流Ioffsetをスルーレート制御回路806に付加する必要がある。図7の場合と同様に、代替の実施例は、電流源CS81及びオフセット電流シンクCS82を抵抗器(具体的には示されていない)で置き換えることができる。
【0034】
本記載は、短絡からの回復後にソフトスタートを提供する非常にシンプルな方法を含む。上述したように、本記載に従ったスルーレート制御回路は、ドライバ回路のための入力に外部スロースタートコンデンサ(又は代替として、内部コンデンサ)を結合するためのノードと、ドライバ回路のための入力とスルーレートを規定するための第1の電圧源との間に結合されるスルーレート制御要素と、ドライバ回路のための入力と第2の電圧源との間に結合されるリセットFETとを含むだけでよい。第1及び第2の電圧源の例には、入力電圧、接地電圧、基準電圧、出力電圧、又は出力電圧の一部がある。スルーレート制御要素は、電流源、電流シンク、又は抵抗器とし得る。回路の必要性に応じて、追加の要素を加えることができる。追加された一つ又は二つのトランジスタは小さく、革新的な回路を実装するための追加の空間はほとんど必要ない。
【0035】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8