(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】画像処理装置、空気処理システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/30 20180101AFI20240117BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20240117BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20240117BHJP
【FI】
F24F11/30
F24F11/89
F24F11/52
(21)【出願番号】P 2021040042
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】北川 慧太
(72)【発明者】
【氏名】西村 政弥
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-032451(JP,A)
【文献】国際公開第2019/097613(WO,A1)
【文献】特開2020-139730(JP,A)
【文献】特開2012-005455(JP,A)
【文献】特開2010-071500(JP,A)
【文献】特開2020-153623(JP,A)
【文献】特開平09-290272(JP,A)
【文献】特開2020-139794(JP,A)
【文献】特開2007-085625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する制御装置(51)を備え
、
前記空気処理装置(10)は、前記トレー(26)の水を排水する排水部(26c,27a,27c)を備え、
前記制御装置(51)は、
前記トレー(26)内における前記微生物からなるスライムの有無に関する情報を取得し、
前記トレー(26)内の前記スライムの量に関する情報を取得し、
前記スライムの量が所定の閾値を超えると、メンテナンスが必要であるという出力をし、
前記閾値は、前記スライムの前記微生物の色が赤系の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第1閾値と、前記スライムの前記微生物の色が前記赤系の色以外の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第2閾値とを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも低い
画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、前記色情報に基づいて、メンテナンス情報を出力する
画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、前記色情報に対応して前記メンテナンス情報のレベルを変更する
画像処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、前記色情報として、前記微生物の色が赤系の色であるという情報を取得した場合には、前記微生物の色が前記赤系の色以外の色であるという情報を取得した場合よりも、出力する前記メンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする
画像処理装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1つに記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、前記トレー(26)内の水の有無に関する情報を取得する
画像処理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、
前記色情報に基づいて、メンテナンス情報を出力し、
前記トレー(26)内に水が有るという情報を取得した場合には、前記トレー(26)内に水が無いという情報を取得した場合よりも、出力する前記メンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする
画像処理装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1つに記載の画像処理装置において、
前記制御装置(51)は、機械学習により、前記画像データに基づいて前記色情報を出力するように生成されたモデル(M4)を含む
画像処理装置。
【請求項8】
ケーシング(25)及びトレー(26)を含む空気処理装置(10)と、撮像装置(41)と、請求項1~
7のいずれか1つに記載の画像処理装置(45,50)とを備えている
空気処理システム。
【請求項9】
空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する処理
と、
前記トレー(26)内における前記微生物からなるスライムの有無に関する情報を取得する処理と、
前記トレー(26)内の前記スライムの量に関する情報を取得する処理と、
前記スライムの量が所定の閾値を超えると、メンテナンスが必要であるという情報を出力する処理とをコンピュータに実行させ、
前記閾値は、前記スライムの前記微生物の色が赤系の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第1閾値と、前記スライムの前記微生物の色が前記赤系の色以外の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第2閾値とを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも低い
画像処理プログラム。
【請求項10】
空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する処理
と、
前記トレー(26)内における前記微生物からなるスライムの有無に関する情報を取得する処理と、
前記トレー(26)内の前記スライムの量に関する情報を取得する処理と、
前記スライムの量が所定の閾値を超えると、メンテナンスが必要であるという情報を出力する処理とを含
み、
前記閾値は、前記スライムの前記微生物の色が赤系の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第1閾値と、前記スライムの前記微生物の色が前記赤系の色以外の色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第2閾値とを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも低い
画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、空気処理システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドレンパン(トレー)を備える空気処理装置が知られている。ドレンパンは、空気処理装置の内部で生じた水を受ける。特許文献1には、ドレンパンの内部を撮像した画像からドレンパンの汚れ度を算出して、汚れ度を示す情報を監視端末に送信する空調機器(空気処理装置)が開示されている。作業者などは、この汚れ度を示す情報を確認することで、ドレンパンの清掃のタイミングを判断できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレンパンの汚れの中には、微生物が繁殖している。ドレンパン内に繁殖した微生物は、その種類によって増殖する速度に違いがある。ところで、作業者がドレンパンの汚れを見ても、微生物の増殖速度の違いを判断するのは難しい。そのため、増殖速度の速い微生物が放置されることで、ドレンパンを清掃するタイミングが遅れる場合があった。
【0005】
本開示の目的は、増殖速度の速い微生物に関する情報を取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する制御装置(51)を備えている画像処理装置である。
【0007】
微生物は、その種類によって色が異なる。第1の態様では、微生物の色情報を取得することで、増殖速度の速い微生物に関する情報を取得できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記制御装置(51)は、前記色情報に基づいて、メンテナンス情報を出力する。
【0009】
第2の態様では、色情報に基づいたメンテナンス情報を知らせることができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、前記制御装置(51)は、前記色情報に対応して前記メンテナンス情報のレベルを変更する。
【0011】
第3の態様では、色情報に応じたメンテナンス情報を知らせることができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記空気処理装置(10)は、前記トレー(26)の水を排水する排水部(26c,27a,27c)を備え、前記制御装置(51)は、前記トレー(26)内における前記微生物からなるスライムの有無に関する情報を取得する。
【0013】
第4の態様では、排水部(26c,27a,27c)の詰まりの原因となるスライムの有無に関する情報を取得できるので、排水部(26c,27a,27c)が詰まりやすい状態を検知できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記制御装置(51)は、前記トレー(26)内の前記スライムの量に関する情報を取得し、前記スライムの量が所定の閾値を超えると、メンテナンスが必要であるという出力をし、前記閾値は、前記スライムの微生物の色が第1色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第1閾値と、前記スライムの微生物の色が第2色である場合に、メンテナンスが必要であると出力する第2閾値とを含み、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも低い。
【0015】
第5の態様では、微生物の色に応じてスライムの量の閾値が異なるので、微生物の色に応じたメンテナンス情報を知らせることができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第2又は第3の態様において、前記制御装置(51)は、前記色情報として、前記微生物の色が赤系の色であるという情報を取得した場合には、前記微生物の色が前記赤系の色以外の色であるという情報を取得した場合よりも、出力する前記メンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0017】
第6の態様では、微生物の色が赤系の色である場合に早急なメンテナンスが必要であると知らせることができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1~第6のいずれか1つの態様において、前記制御装置(51)は、前記トレー(26)内の水の有無に関する情報を取得する。
【0019】
第7の態様では、トレー(26)内に水が有るか無いかの情報を取得できる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第7の態様において、前記制御装置(51)は、前記色情報に基づいて、メンテナンス情報を出力し、前記トレー(26)内に水が有るという情報を取得した場合には、前記トレー(26)内に水が無いという情報を取得した場合よりも、出力する前記メンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0021】
第8の態様では、トレー(26)内に水があるときに早急なメンテナンスが必要であると知らせることができる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第1~第8のいずれか1つの態様において、前記制御装置(51)は、機械学習により、前記画像データに基づいて前記色情報を出力するように生成されたモデル(M4)を含む。
【0023】
第9の態様では、機械学習により生成したモデル(M4)を用いて色情報を出力できる。
【0024】
本開示の第10の態様は、ケーシング(25)及びトレー(26)を含む空気処理装置(10)と、撮像装置(41)と、第1~第9のいずれか1つの態様の画像処理装置(45,50)とを備えている空気処理システムである。
【0025】
本開示の第11の態様は、空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムである。
【0026】
本開示の第12の態様は、空気処理装置(10)のトレー(26)を撮像する撮像装置(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力する処理を含む画像処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る空気処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る室内ユニットの平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る室内ユニットの内部を前側から見た図である。
【
図4】
図4は、危険度のレベルを説明するための表である。
【
図5】
図5は、出力するメンテナンス情報を示す表である。
【
図6】
図6は、空気処理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、決定処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る室内ユニットの内部を前側から見た図である。
【
図9】
図9は、実施形態3に係る室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0029】
《実施形態1》
実施形態1に係る空気処理システム(1)について説明する。
【0030】
〈空気処理システムの全体構成〉
図1に示すように、実施形態1の空気処理システム(1)は、空気調和装置(10)と、撮像ユニット(40)と、サーバ装置(50)とで構成される。撮像ユニット(40)とサーバ装置(50)とは、ネットワーク網(例えば、インターネット)(N)に接続される。ネットワーク網(N)には、作業者の通信端末(60)が接続される。作業者は、空気調和装置(10)をメンテナンスするサービスマン、空気調和装置(10)を管理する設備管理者、及び空気調和装置(10)のユーザを含む。通信端末(60)は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、及び携帯電話を含む。空気調和装置(10)は、本開示の空気処理装置に対応する。
【0031】
実施形態1の空気処理システム(1)では、撮像ユニット(40)によって、空気調和装置(10)の撮像対象が撮像される。撮像対象は、後述するトレー(26)である。撮像ユニット(40)が取得した画像データは、ネットワーク網(N)を経由してサーバ装置(50)へ送信される。作業者は、通信端末(60)を用いることで、サーバ装置(50)に蓄積された画像データを目視により確認できる。
【0032】
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間である室内空間を空調する。空気調和装置(10)は、室内空間の室内空気(RA)の温度を調節する。空気調和装置(10)は、温度を調節した空気を供給空気(SA)として室内へ供給する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
【0033】
空気調和装置(10)は、室内ユニット(20)と、室外ユニット(図示省略)とを備える。室内ユニット(20)は、室内の天井裏の空間に配置される。室外ユニットは、室外空間に配置される。空気調和装置(10)は、冷媒回路を有する。冷媒回路は、室外ユニットと室内ユニット(20)とが連絡配管で接続されて構成される。冷媒回路は、冷媒を含む。冷媒回路では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。冷媒回路は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、及び室内熱交換器(22)を有する。
【0034】
冷媒回路では、第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとが切り換えて行われる。第1冷凍サイクルは、冷房運転のときに行われる。第1冷凍サイクルを行っているときには、室外熱交換器が放熱器又は凝縮器として機能し、室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する。第2冷凍サイクルは、暖房運転のときに行われる。第2冷凍サイクルを行っているときには、室内熱交換器(22)が放熱器又は凝縮器として機能し、室外熱交換器が蒸発器として機能する。
【0035】
〈室内ユニット〉
室内ユニット(20)の構成について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、「下」に関する用語は、ケーシング(25)の前板(25a)を正面から見た場合を基準とする。
【0036】
室内ユニット(20)は、ケーシング(25)と、ファン(23)と、室内熱交換器(22)と、トレー(26)と、ポンプ(27)と、電装品箱(33)とを有する。ケーシング(25)は、天井裏に設置される。ファン(23)、室内熱交換器(22)、トレー(26)、ポンプ(27)、電装品箱(33)は、ケーシング(25)の内部に配置される。
【0037】
〈ケーシング〉
ケーシング(25)は、直方体の中空箱形に形成されている。ケーシング(25)の右側板(25b)には、吸込口(28)が形成される。吸込口(28)には、吸込ダクト(図示省略)が接続される。吸込ダクトの流入端は、室内空間に連通する。ケーシング(25)の左側板(25c)には、吹出口(29)が形成される。吹出口(29)には、吹出ダクト(図示省略)が接続される。吹出ダクトの流出端は、室内空間に連通する。
【0038】
ケーシング(25)の内部には、吸込口(28)から吹出口(29)までの間に通風路(30)が形成される。通風路(30)には、ファン(23)及び室内熱交換器(22)が配置される。
【0039】
ケーシング(25)の前板(25a)は、メンテナンス用空間(S)に面している。メンテナンス用空間(S)は、作業用のスペースである。前板(25a)には、点検口(31)が形成される。点検口(31)には、点検蓋(32)が着脱可能に取り付けられる。
【0040】
点検口(31)の奥側には、トレー(26)及びポンプ(27)が配置される。トレー(26)及びポンプ(27)は、点検口(31)を介してケーシング(25)の外部から視認できる位置に配置されている。
【0041】
〈ファン〉
ファン(23)は、通風路(30)における室内熱交換器(22)の上流側に配置される。本実施形態では、3台のファン(23)が通風路(30)に設けられている。ファン(23)は、シロッコファンである。ファン(23)は、通風路(30)の空気を搬送する。
【0042】
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(22)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。室内熱交換器(22)は、通風路(30)の空気と冷媒とを熱交換させる空気熱交換器である。室内熱交換器(22)は、フィンの長手方向が傾斜した状態で配置される(
図3を参照)。
【0043】
〈トレー〉
トレー(26)は、室内熱交換器(22)の下方に配置される。トレー(26)は、上側が開放された皿である。トレー(26)は、室内熱交換器(22)の周囲で発生した凝縮水を受ける。トレー(26)は、撮像ユニット(40)のカメラ(41)の撮像対象である。
【0044】
トレー(26)の底面(26a)には、下方に凹んだ凹部(26b)が設けられている。凹部(26b)の底面は、トレー(26)の底面(26a)のうち最も低い部分である。底面(26a)は、トレー(26)内の水を凹部(26b)へ流すように僅かに傾斜している。
【0045】
トレー(26)は、樹脂材料で構成される。トレー(26)の内表面の色は白色である。ここでいう「白色」には、純粋な白色の他に、オフホワイトなどの僅かに色味を感じられる白色を含む。本例のトレー(26)は、いわゆるドレンパンである。
【0046】
〈ポンプ〉
ポンプ(27)は、トレー(26)の上方に配置される。ポンプ(27)は、トレー(26)内の水を排出する。ポンプ(27)の下部には、水を吸い込み吸込部(27a)が設けられている。吸込部(27a)は、管体で構成されている。吸込部(27a)は、トレー(26)の凹部(26b)の内部に配置されている。吸込部(27a)の下端には水が流入する吸水口(27b)が形成されている。吸水口(27b)は、凹部(26b)の底面に向かって開口している。
【0047】
ポンプ(27)の上部には、排水管(27c)が接続される。ポンプ(27)が運転されると、トレー(26)に溜まった水がポンプ(27)の吸込部(27a)から吸い込まれる。吸込部(27a)に吸い込まれた水は、排水管(27c)を経由してケーシング(25)の外部へ排出される。ポンプ(27)の吸込部(27a)及び排水管(27c)は、本開示の排水部に対応する。
【0048】
〈電装品箱〉
図2に示すように、電装品箱(33)は、ケーシング(25)の前板(25a)寄りに配置される。電装品箱(33)の内部には、空気調和装置(10)に対応する制御基板(34)が収容される。
【0049】
〈空調制御部〉
図1に示すうように、室内ユニット(20)は、空調制御部(35)を有する。空調制御部(35)は、制御基板(34)に搭載された、マイクロコンピュータ及びメモリディバイスを含む。メモリディバイスは、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納する。空調制御部(35)は、空気調和装置(10)のファン(23)及びポンプ(27)などの構成機器を制御する。
【0050】
〈撮像ユニットの全体構成〉
図1に示すように、撮像ユニット(40)は、カメラ(41)と、撮像制御部(45)とを有する。カメラ(41)は、本開示の撮像装置に対応する。撮像ユニット(40)は、室内ユニット(20)とともに天井裏の空間に設置される。
【0051】
〈カメラ〉
カメラ(41)は、撮像対象であるトレー(26)の画像データを取得する。カメラ(41)は、ケーシング(25)の内部に配置される。カメラ(41)は、上面視において点検蓋(32)と室内熱交換器(22)との間に配置される。カメラ(41)は、ステー(44)を介して点検蓋(32)の後面に支持される。
図3に示すように、カメラ(41)は、レンズ(42)と光源(43)とを有している。レンズ(42)は、超広角レンズである。カメラ(41)のレンズ(42)は、トレー(26)の底面(26a)を指向するように斜め下を向いている。具体的には、カメラ(41)のレンズは、トレー(26)の底面(26a)のうち、ポンプ(27)の吸込部(27a)に対応する凹部(26b)を指向している。
【0052】
光源(43)は、トレー(26)を照らす。具体的には、光源(43)は、カメラ(41)がトレー(26)を撮像するときにトレー(26)を照らす。これにより、トレー(26)が光源(43)に照らされたタイミングで、カメラ(41)がトレー(26)の画像データを取得できる。光源(43)は、カメラ(41)と別体で構成されてもよい。
【0053】
〈撮像制御部〉
撮像制御部(45)は、マイクロコンピュータ及びメモリディバイスを含む。メモリディバイスは、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納する。撮像制御部(45)は、カメラ(41)及び光源(43)を制御する。言い換えると、撮像制御部(45)は、カメラ(41)及び光源(43)に、これらを作動させるための電力を供給する。撮像制御部(45)は、第1通信部(46)を含む。
【0054】
第1通信部(46)は、有線または無線の通信回線を介してカメラ(41)と接続する。カメラ(41)が取得した画像データは第1通信部(46)に受信される。第1通信部(46)は、携帯高速通信技術(LTE(Long Term Evolution))を用いた無線通信網等を介してインターネット(N)に接続される。第1通信部(46)は、インターネット(N)を経由して、サーバ装置(50)に画像データを出力する。第1通信部(46)は、たとえば無線LANルータを介してインターネット(N)と接続されてもよい。
【0055】
〈サーバ装置の全体構成〉
サーバ装置(50)は、ネットワーク網(N)のクラウド上に設けられる。サーバ装置(50)は、制御装置(51)及び第2通信部(53)を有する。本実施形態では、サーバ装置(50)が、本開示の画像処理装置に対応する。
【0056】
第2通信部(53)は、撮像ユニット(40)から送信された画像データを受信する受信部を含む。第2通信部(53)は、詳細は後述する出力画像データを通信端末(60)に送信する送信部を含む。
【0057】
制御装置(51)は、第2通信部(53)に受信された画像データに基づき、トレー(26)の状態に関する情報(以下、トレー情報という。)を取得し、取得したトレー情報に出力する。制御装置(51)は、出力されたトレー情報に基づいて、メンテナンス情報を出力する。ここで、メンテナンス情報とは、トレー(26)の清掃作業の必要性に関する情報である。
【0058】
〈サーバ装置の詳細〉
サーバ装置(50)は、マイクロコンピュータ及びメモリディバイスを含む。メモリディバイスは、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納する。
【0059】
サーバ装置(50)は、機能的な構成要素として、第1取得部(54)、第2取得部(55)、第3取得部(56)、第4取得部(57)、及び出力部(59)を有する。言い換えると、サーバ装置(50)は、メモリディバイスに記憶されたプログラムを実行することで、第1取得部(54)、第2取得部(55)、第3取得部(56)、第4取得部(57)、及び出力部(59)として機能する。
【0060】
サーバ装置(50)に記憶されたプログラムは、本開示の画像処理プログラムに対応する。このプログラムは、第1処理、第2処理、第3処理、第4処理、第5処理、及び第6処理をコンピュータとしてのサーバ装置(50)に実行させる。
【0061】
第1処理では、トレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物からなるスライムの浮遊に関する浮遊情報(以下、浮遊情報という。)を取得し、取得した浮遊情報を出力する。
【0062】
第2処理では、トレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報(以下、色情報という。)を取得し、取得した色情報を出力する。
【0063】
第3処理では、空気調和装置(10)のケーシング(25)内のトレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における銀の有無に関する銀情報(以下、銀情報という。)を取得し、取得した銀情報を出力する。
【0064】
第4の処理では、空気調和装置(10)のケーシング(25)内のトレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、排水部(27a,27c)の詰まりの危険度(以下、危険度という。)を取得し、取得した危険度を出力する。
【0065】
第5の処理では、出力された浮遊情報、色情報、及び銀情報に基づいて、出力するメンテナンス情報のレベルを決定する。第6の処理では、決定されたメンテナンス情報のレベルに対応するメンテナンス情報を出力する。なお、本実施形態におけるトレー情報は、浮遊情報、色情報、銀情報、及び危険度を含む。
【0066】
〈取得部〉
(第1取得部)
第1取得部(54)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物からなるスライムの浮遊に関する浮遊情報を取得し、取得した浮遊情報を出力する。ここで、「スライム」とは、微生物からなるゼリー状のバイオフィルムである。微生物は、細菌類、カビ類(真菌)を含む。
【0067】
ここでいう「浮遊」とは、トレー(26)内に既に浮遊している状態と、トレー(26)の底面から剥がれることで浮遊する可能性のある状態とを含む。具体的には、「スライムの浮遊」には、スライムがトレー(26)の底面から完全に剥がれて水中を漂っている状態と、一部のスライムがトレー(26)の底面から剥がれて該一部のスライムが水に漂っている状態と、スライムがトレー(26)から剥がれていないがスライムの厚みが厚く今後トレー(26)から剥がれる可能性が高い状態とを含む。トレー(26)の底面に付着し且つ厚みが厚いスライムは、トレー(26)内で生じた水流の影響を受けやすいため、トレー(26)からは剥がれやすい状態にある。
【0068】
スライムの浮遊に関する浮遊情報は、トレー(26)内の水の有無に関する情報と、トレー(26)内のスライムの有無に関する情報と、トレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報とを含む。
【0069】
トレー(26)内の水の有無に関する情報とは、トレー(26)内に水が有るか無いかの情報である。トレー(26)内のスライムの有無に関する情報とは、トレー(26)内にスライムが有るか無いかの情報である。トレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報とは、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るか無いかの情報である。例えば、トレー(26)の底面に厚みの薄いスライムが剥がれた形跡がなく完全に底面に付着していた場合には、トレー(26)内のスライムの有無に関する情報は“有り”となり、トレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報は“無し”となる。
【0070】
第1取得部(54)は、機械学習により、画像データに基づいて浮遊情報を出力するように生成された学習済みの第1モデル(M1)、第2モデル(M2)、及び第3モデル(M3)を含む。具体的には、第1モデル(M1)は、機械学習により、画像データに基づいてトレー(26)内の水の有無に関する情報を出力するように生成される。第2モデル(M2)は、機械学習により、画像データに基づいてトレー(26)内のスライムの有無に関する情報を出力するように生成される。第3モデル(M3)は、機械学習により、画像データに基づいてトレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報を出力するように生成される。
【0071】
第1取得部(54)は、機械学習により生成した第1モデル(M1)、第2モデル(M2)、第3モデル(M3)を用いて、トレー(26)内の水の有無に関する情報、トレー(26)内のスライムの有無に関する情報、及びトレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報を取得し、取得した情報を出力する。
【0072】
第1~第3モデル(M1,M2,M3)は、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。本実施形態の第1~第3モデル(M1,M2,M3)は、「教師あり学習」により生成される。第1~第3モデル(M1,M2,M3)を生成するためのニューラルネットワークは、学習データと識別関数とを用いて学習する。学習データは、入力データと、入力データに対応する教師データとの対の集合である。
【0073】
入力データとして、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。第1~第3モデル(M1,M2,M3)におけるラベルとしては、2種類のラベルが用いられる。ラベル0は“無し”に対応し、ラベル1は“有り”に対応する。
【0074】
以上のような学習データを用いてニューラルネットワークに「教師あり学習」させることで、第1~第3モデル(M1,M2,M3)が生成される。
【0075】
(第2取得部)
第2取得部(55)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した色情報を出力する。ここで、微生物の色に関する色情報は、微生物の色の情報を含む。
【0076】
第2取得部(55)は、機械学習により、画像データに基づいて色情報を出力するように生成された学習済みの第4モデル(M4)を含む。具体的には、第4モデル(M4)は、機械学習により、画像データに基づいてトレー(26)内における微生物の色の情報を出力するように生成される。第2取得部(55)は、機械学習により生成した第4モデル(M4)を用いてトレー(26)内における色情報を取得し、取得した色情報を出力する。
【0077】
第4モデル(M4)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第4モデル(M4)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。ラベルは、微生物の色を示す。本実施形態では、このラベルとして、3種類の色が用いられる。
【0078】
ラベルとして用いられる色は、黒系の色、黄系の色、及び赤系の色である。黒系の色は、黒色、及び灰色を含む。黄系の色は、黄色、及び薄黄色を含む。赤系の色は、茶色、赤色、及びピンク色を含む。
【0079】
具体的には、黒系の色、黄系の色、及ぶ赤系の色は、画像データにおける所定値以上のRGB値を有する画素が、画像データの総画素数に対して所定の割合以上含まれているか否かによって判断される。赤系の色であれば、画像データにおいて、所定値以上のRed値を有する画素が、画像データの総画素数に対して所定の割合以上含まれている場合に、微生物の色が赤系の色であると判断される。
【0080】
微生物は、黒系の色、黄系の色、赤系の色の順で、増殖速度が速くなる。言い換えると、赤系の色は、それ以外の色に比べて増殖速度が速い。本実施形態では、赤系の色以外の色は、黒系の色、及び黄系の色である。
【0081】
以上のような学習データを用いてニューラルネットワークに「教師あり学習」させることで、第4モデル(M4)が生成される。
【0082】
なお、微生物の色に関する色情報は、赤系の色の微生物の量に関する情報を含んでもよい。赤系の色の微生物の量に関する情報は、例えば、赤系の色の微生物の量の情報や、赤系の色の微生物の増加の度合いの情報である。赤系の色の微生物の量は、第4モデル(M4)によって赤系の色のラベルを付与された画像データにおいて、画像データの総画素数に対する所定値以上のRed値を有する画素数の割合によって示される。赤系の色の微生物の量が多いほど、排水部(27a,27c)がより詰まりやすい状態であり、赤系の色の微生物の量のレベルは高くなる。
【0083】
また、赤系の色の微生物の増加の度合いは、所定時間において連続して取得した複数の画像データにおける赤系の色の微生物の量を比較することによって取得される。赤系の色の微生物の増加の度合いが高いほど、排水部(27a,27c)がより詰まりやすい状態であり、赤系の色の微生物の増加のレベルは高くなる。
【0084】
(第3取得部)
第3取得部(56)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)における銀の有無に関する銀情報を取得し、取得した銀情報を出力する。ここでいう「銀」とは、抗菌剤から溶出した銀がトレー(26)の表面に析出したものである。トレー(26)内の水における銀の濃度が高くなると、トレー(26)の表面に銀が析出して表面を覆う。これにより、トレー(26)の表面が抗菌される。なお、銀情報として、トレー(26)に銀が有るという情報を取得した場合と銀が無いという情報を取得した場合の両方において、トレー(26)は、メンテナンスが不要な状態である。
【0085】
第3取得部(56)は、機械学習により、画像データに基づいて銀情報を出力するように生成された学習済みの第5モデル(M5)を含む。第3取得部(56)は、機械学習により生成した第5モデル(M5)を用いてトレー(26)内における銀情報を取得し、取得した銀情報を出力する。
【0086】
第5モデル(M5)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第5モデル(M5)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。第5モデル(M5)におけるラベルとしては、2種類のラベルが用いられる。ラベル0は“無し”に対応し、ラベル1は“有り”に対応する。
【0087】
以上のような学習データを用いてニューラルネットワークに「教師あり学習」させることで、第5モデル(M5)が生成される。
【0088】
(第4取得部)
第4取得部(57)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、排水部(27a,27c)の詰まりの危険度を取得し、取得した危険度を出力する。ここで「危険度」とは、スライムによる排水部(27a,27c)の詰まりやすさを示す指標である。「危険度」が高いほど、トレー(26)のメンテナンスが必要となる。「危険度」が低いほど、トレー(26)のメンテナンスが不要となる。
【0089】
第4取得部(57)は、機械学習により、画像データに基づいて危険度を出力するように生成された学習済みの第6モデル(M6)を含む。第4取得部(57)は、機械学習により生成した第6モデル(M6)を用いてトレー(26)内における危険度を取得し、取得した危険度を出力する。
【0090】
第6モデル(M6)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第6モデル(M6)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。第6モデル(M6)のラベルは、排水部(27a,27c)の詰まりの危険度を示す。本実施形態では、このラベルとして、5段階のレベルの危険度が用いられる(
図4を参照)。
【0091】
危険度において、レベル0は、汚れが無く清掃が不要なレベルである。レベル1は、少し汚れ始めているレベルである。レベル2は、ある程度汚れていて注意が必要なレベルである。レベル3は、汚れがあり、清掃推奨のアラートを出すレベルである。レベル4は、重度の汚れがあり、直ぐに清掃作業が必要なレベルである。
【0092】
以上のような学習データを用いてニューラルネットワークに「教師あり学習」させることで、第6モデル(M6)が生成される。
【0093】
第1~第6モデル(M1,M2,M3,M4,M5,M6)は、「教師なし学習」により生成することもできる。この場合、ニューラルネットワークは、クラスタリングにより、互いに類似する入力データ(画像データ)が同じ分類となるように、複数の入力データを複数の分類にグループ化する学習動作を繰り返す。これにより、教師データを用いることなく、第1~第6モデル(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を生成することも可能である。
【0094】
〈出力部〉
出力部(59)は、第1~第4取得部(54,55,56,57)から出力されたトレー情報に基づいて、メンテナンス情報を出力する。詳細には、出力部(59)は、第1~第4取得部(54,55,56,57)から出力されたトレー情報に基づいて、複数のメンテナンス情報の中から1つのメンテナンス情報を決定し、決定したメンテナンス情報を出力する。
【0095】
本実施形態では、複数のメンテナンス情報には、9段階のレベルがある。このメンテナンス情報のレベルは、メンテナンスの緊急度を示す。メンテナンス情報のレベルが上がるにしたがって、メンテナンスの緊急度が上がる。言い換えると、メンテナンス情報のレベルが上がるにしたがって、トレー(26)の清掃作業の必要性が上がる。具体的には、レベル0は、メンテナンスが不要な状態である。レベル8は、早急なメンテナンスが必要な状態である(
図5を参照)。
【0096】
出力部(59)は、複数レベルのメンテナンス情報を出力可能である。出力部(59)は、トレー情報に対応してメンテナンス情報のレベルを変更する。具体的には、出力部(59)は、浮遊情報として、トレー(26)内に水が有るという情報を取得した場合には、水が無いという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0097】
出力部(59)は、浮遊情報として、トレー(26)内にスライムが有るという情報を取得した場合には、スライムが無いという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0098】
出力部(59)は、浮遊情報として、浮遊しているスライムが有るという情報を取得した場合には、浮遊しているスライムが無いという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0099】
出力部(59)は、色情報として、微生物の色が赤系の色であるという情報を取得した場合には、微生物の色が赤系の色以外の色であるという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0100】
出力部(59)は、メンテナンス情報のレベルに対応するメンテナンス情報を出力する(
図5を参照)。本実施形態では、出力部(59)は、11種類のメンテナンス情報を出力する。
【0101】
具体的には、レベル0-1では、「汚れていないため、詰まる危険性はありません」と出力される。レベル0-2では、「ドレンパンはきれいな状態です」と出力される。レベル0-3では、「ドレンパンにあるのは抗菌剤です」と出力される。
【0102】
レベル1では、「スライムが微量に繁殖していますが、直ぐの清掃は不要です」と出力される。レベル2では、「増殖の速いスライムが存在しているため、注意が必要です」と出力される。レベル3では、「スライムが浮いて存在しているため、注意が必要です」と出力される。レベル4では、「増殖の速いスライムが浮いて存在しているため、注意が必要です」と出力される。
【0103】
レベル5では、「スライムが繁殖しているため、清掃を推奨します」と出力される。レベル6では、「増殖の速いスライムが存在しているため、清掃を推奨します」と出力される。レベル7では、「スライムが浮いて存在しているため、清掃を推奨します」と出力される。レベル8では、「増殖の速いスライムが浮いて存在しているため、清掃を推奨します」と出力される。
【0104】
出力部(59)により出力されたメンテナンス情報は、第2通信部(53)から通信端末(60)へ送信される。
【0105】
〈通信端末〉
通信端末(60)は、作業者が操作する端末である。通信端末(60)は、第3通信部(61)、表示部(62)、及び操作部(63)を有する。
【0106】
第3通信部(61)は、サーバ装置(50)から送信されたメンテナンス情報を受信する受信部を含む。第3通信部(61)は、サーバ装置(50)にメンテナンス情報を出力させる指令を送信する送信部を含む。
【0107】
表示部(62)は、例えば液晶モニタで構成される。表示部(62)には、サーバ装置(50)から出力されたメンテナンス情報が表示される。
【0108】
操作部(63)は、キーボードやタッチパネルである。作業者は、操作部(63)を用いて、通信端末(60)に記憶されたアプリケーションソフトを操作する。このアプリケーションソフトを操作することで、サーバ装置(50)にメンテナンス情報を出力させる指令を送信したり、表示部(62)にメンテナンス情報を表示したりできる。
【0109】
-運転動作-
実施形態1に係る空気調和装置(10)の運転動作を説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
【0110】
〈冷房運転〉
冷房運転では、冷媒回路が第1冷凍サイクルになる。圧縮機で圧縮された冷媒は、室外熱交換器で放熱(凝縮)し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。
【0111】
ファン(23)が運転されると、室内空気(RA)が吸込口(28)から通風路(30)に吸い込まれる。通風路(30)の空気は、室内熱交換器(22)を通過する。室内熱交換器(22)では、蒸発する冷媒によって空気が冷却される。冷却された空気は、吹出口(29)を通過した後、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0112】
室内熱交換器(22)で空気が露点温度以下にまで冷却されると、空気中の水分が凝縮する。この凝縮水は、トレー(26)に受け止められる。トレー(26)で受け止められた凝縮水は、ポンプ(27)によってケーシング(25)の外部へ排出される。
【0113】
冷房運転では、空調制御部(35)が、室内温度を目標温度に近づけるように、室内熱交換器(22)の蒸発温度を制御する。室内温度は、吸込口(28)などに設けた温度センサによって検出される。目標温度は、リモコンなどでユーザが設定した設定温度に基づいて定まる。蒸発温度は、冷媒温度センサや冷媒圧力センサの検出値から求められる。
【0114】
さらに、空調制御部(35)は、冷房運転を開始すると、ポンプ(27)を運転させる。空調制御部(35)は、冷房運転を停止すると、ポンプ(27)を停止させる。冷房運転中において、ポンプ(27)は、基本的に運転状態となる。
【0115】
〈暖房運転〉
暖房運転では、冷媒回路が第2冷凍サイクルになる。圧縮機で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(22)で放熱(凝縮)し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。
【0116】
ファン(23)が運転されると、室内空気(RA)が吸込口(28)から通風路(30)に吸い込まれる。通風路(30)の空気は、室内熱交換器(22)を通過する。室内熱交換器(22)では、放熱する冷媒によって空気が加熱される。加熱された空気は、吹出口(29)を通過した後、供給空気(SA)として室内空間へ供給される。
【0117】
暖房運転では、空調制御部(35)が、室内温度を目標温度に近づけるように、室内熱交換器(22)の凝縮温度を制御する。凝縮温度は、冷媒温度センサや冷媒圧力センサの検出値から求められる。
【0118】
-排水部の詰まりについて-
冷房運転において発生した凝縮水がトレー(26)に受け止められると、トレー(26)の内部に水が溜まる。トレー(26)に水が溜まると、トレー(26)の底面や側面に付着していた微生物が水中で増殖し、微生物からなるスライム(バイオフィルム)が発生する。このスライムは、ポンプ(27)の運転に伴うトレー(26)内の水流の影響を受けて、トレー(26)から剥離し、トレー(26)内の水を浮遊する。
【0119】
浮遊したスライムは、ポンプ(27)の吸込部(27a)に引き寄せられ、吸水口(27b)に到達する。吸水口(27b)に到達したスライムは、吸水口(27b)を閉塞し、吸込部(27a)を詰まらせることがある。また、スライムが吸込部(27a)を通過した場合にも、通過したスライムが排水管(27c)を詰まらせることがある。
【0120】
スライムによって、吸込部(27a)又は排水管(27c)が詰まると、排水が正常に行われないため、トレー(26)内の水位が上昇し、トレー(26)から水が溢れたり、トレー(26)の水位異常によって空気調和装置が異常停止することがある。
【0121】
特に、トレー(26)内の微生物の色が赤系の色である場合には、赤系の色以外の色に比べて微生物の増殖速度が速い。この赤系の色の微生物は、セラチア菌、メチロバクテリウム属細菌や赤色酵母類(ロドトルラ属酵母)である。赤系の色の微生物からなるスライムは、増殖速度が速いため、短時間で排水部(27a,27c)を詰まらせる可能性が高い。そのため、早急なトレー(26)の清掃が必要となる。
【0122】
-空気処理システムの動作-
上述のように、トレー(26)内にスライムが発生すると排水部であるポンプ(27)の吸込部(27a)又は排水管(27c)を詰まらせることがある。そこで、空気処理システム(1)では、排水部(27a,27c)の詰まりを事前に検知するために以下の動作を行う。
【0123】
図6に示すように、撮像ユニット(40)のカメラ(41)がトレー(26)を撮像し、トレー(26)の画像データを取得する(ステップST1)。次に、撮像ユニット(40)の第1通信部(46)は、取得した画像データをサーバ装置(50)へ送信する(ステップST2)。画像データは、ネットワーク網(N)を経由してサーバ装置(50)の第2通信部(53)に受信される(ステップST3)。
【0124】
次に、サーバ装置(50)の制御装置(51)における第1~第4取得部(54,55,56,57)は、受信した画像データのトレー情報を取得し、取得したトレー情報を出力する(ステップST4)。具体的には、第1~第4取得部(54,55,56,57)は、機械学習によって生成した学習済みの第1~第6モデル(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を用いて、トレー情報を取得する。
【0125】
第1モデル(M1)は、トレー(26)内に水が有るか無いかを判別する。第2モデル(M2)は、トレー(26)内にスライムが有るか無いかを判別する。第3モデル(M3)は。トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るか無いかを判別する。第4モデル(M4)は、トレー(26)内の微生物の色が黒系の色、黄系の色、及び赤系の色のいずれであるかを判別する。第5モデル(M5)は、トレー(26)内に銀が有るか無いかを判別する。第6モデル(M6)は、排水部(27a,27c)の詰まりの危険度が
図4に示す0~4のいずれのレベルであるかを判別する。
【0126】
次に、出力部(59)は、後述する決定処理を行う(ステップST5)。決定処理では、トレー情報に基づいて、メンテナンス情報のレベルを決定する。次に、出力部(ステップST6)は、決定されたメンテナンス情報のレベルに対応するメンテナンス情報を出力する。具体的には、出力部(59)は、
図5に示すいずれかのメンテナンス情報を出力する。
【0127】
その後、サーバ装置(50)に通信端末(60)から指令が受信されると(ステップST7のYES)、メンテナンス情報が通信端末(60)へ送信される(ステップST8)。次に、メンテナンス情報は、ネットワーク網(N)を経由して、通信端末(60)の第3通信部(61)に受信される(ステップST9)。受信されたメンテナンス情報は、表示部(62)に表示される(ステップST10)。作業者は、表示部(62)を通じてメンテナンス情報を確認する。これにより、作業者は、通信端末(60)を通じてトレー(26)のメンテナンスの必要性を判断できる。
【0128】
ステップST10において、表示部(62)には、メンテナンス情報とともに、カメラ(41)で撮像した画像データを表示されてもよい。この場合、ステップST8において、カメラで撮像した画像データがメンテナンス情報とともに通信端末(60)へ送信される。
【0129】
〈決定処理〉
図6のステップST5の決定処理について、
図7を参照しながら説明する。決定処理では、トレー情報である浮遊情報、色情報、銀情報、及び危険度からメンテナンス情報のレベルが決定される。
【0130】
図7に示すように、まず、浮遊情報が、トレー(26)内に水が有るという情報であるか否かを判断する(ステップST31)。水が有るという情報である場合(ステップST31のYES)、ステップST32に移行する。水が無いという情報である場合(ステップST31のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル0-1に決定する。
【0131】
ここで、トレー(26)に水が有る場合には、トレー(26)内を浮遊しているスライムが存在する可能性がある。そのため、トレー(26)に水が有る場合は、排水部(27a,27c)が詰まりやすい状態であると判断できる。
【0132】
ステップST32において、浮遊情報が、トレー(26)内にスライムが有るという情報である場合(ステップST32のYES)、ステップST33に移行する。ステップST32において、浮遊情報が、トレー(26)内にスライムが無いという情報である場合(ステップST32のNO)、ステップST34に移行する。
【0133】
ステップST34において、銀情報が、トレー(26)内に銀が無いという情報である場合(ステップST34のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル0-2に決定する。ステップST34において、銀情報が、トレー(26)内に銀が有るという情報である場合(ステップST34のYES)、メンテナンス情報のレベルをレベル0-3に決定する。
【0134】
ステップST33において、色情報が、微生物の色が赤系の色であるという情報である場合(ステップST33のYES)、ステップST35に移行する。ステップST33において、色情報が、微生物の色が赤系の色以外の色であるという情報である場合(ステップST33のNO)、ステップST36に移行する。
【0135】
ここで、トレー(26)内の微生物の色が赤系の色である場合には、赤系の色以外の色である場合に比べ、微生物の増殖速度が速い。そのため、微生物の色が赤系の色である場合には、スライムの成長に伴って、スライムがトレー(26)内を浮遊する可能性が高いと判断できる。言い換えると、排水部(27a,27c)が詰まりやすい状態であると判断できる。
【0136】
ステップST35において、浮遊情報が、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るという情報である場合(ステップST35のYES)、ステップST37に移行する。ステップST35において、浮遊情報が、トレー(26)内に浮遊しているスライムが無いという情報である場合(ステップST35のNO)、ステップST38に移行する。
【0137】
ここで、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有る場合には、浮遊しているスライムがトレー(26)から排出される可能性が高く、排水部(27a,27c)が詰まりやすい状態であると判断できる。
【0138】
ステップST37において、危険度がレベル2以上である場合(ステップST37のYES)、メンテナンス情報のレベルをレベル8に決定する。ステップST37において、危険度がレベル2未満である場合(ステップST37のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル4に決定する。
【0139】
ステップST38において、危険度がレベル3以上である場合(ステップST38のYES)、メンテナンス情報のレベルをレベル6に決定する。ステップST38において、危険度がレベル3未満である場合(ステップST38のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル2に決定する。
【0140】
ステップST36において、浮遊情報が、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るという情報である場合(ステップST36のYES)、ステップST39に移行する。ステップST36において、浮遊情報が、トレー(26)内に浮遊しているスライムが無いという情報である場合(ステップST36のNO)、ステップST40に移行する。
【0141】
ステップST39において、危険度がレベル3以上である場合(ステップST39のYES)、メンテナンス情報のレベルをレベル7に決定する。ステップST39において、危険度がレベル3未満である場合(ステップST39のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル3に決定する。
【0142】
ステップST40において、危険度がレベル3以上である場合(ステップST40のYES)、メンテナンス情報のレベルをレベル5に決定する。ステップST40において、危険度がレベル3未満である場合(ステップST40のNO)、メンテナンス情報のレベルをレベル1に決定する。
【0143】
以上のように、ステップST31において水が無いという情報を取得した場合には、メンテナンス情報としてレベル0-1を決定する。ステップST31において水が有るという情報を取得し、且つステップST32においてスライムが有るという情報を取得した場合には、メンテナンス情報としてレベル1~レベル8のいずれかのレベルを決定する。
【0144】
言い換えると、制御装置(51)は、水が有るという情報を取得した場合には、水が無いという情報を取得した場合よりも、決定するメンテナンス情報のレベルを高くしている。これにより、トレー(26)内に水が有るときには、早急なメンテナンスが必要であると作業者に知らせることができる。
【0145】
ステップST35においてトレー(26)内に浮遊しているスライムが有るという情報を取得し、且つステップST37において所定の危険度以上である場合には、メンテナンス情報としてレベル8を決定する。ステップST35においてトレー(26)内に浮遊しているスライムが無いという情報を取得し、且つステップST38において所定の危険度以上である場合には、メンテナンス情報としてレベル6を決定する。
【0146】
言い換えると、制御装置(51)は、浮遊しているスライムが有るという情報を取得した場合には、浮遊しているスライムが無いという情報を取得した場合よりも、決定するメンテナンス情報のレベルを高くしている。ステップST36においても、同様である。これにより、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るときには、早急なメンテナンスが必要であると作業者に知らせることができる。
【0147】
ステップST33において微生物の色が赤系の色であるという情報を取得し、且つステップST35において浮遊しているスライムが有るという情報を取得し、且つステップST37において所定の危険度以上である場合には、メンテナンス情報としてレベル8を決定する。ステップST33において微生物の色が赤系の色以外の色であるという情報を取得し、且つステップST36において浮遊しているスライムが有るという情報を取得し、且つステップST39において所定の危険度以上である場合には、メンテナンス情報としてレベル7を決定する。
【0148】
言い換えると、制御装置(51)は、微生物の色が赤系の色であるという情報を取得した場合には、微生物の色が赤系の色以外の色であるという情報を取得した場合よりも、決定するメンテナンス情報のレベルを高くしている。これにより、トレー(26)内の微生物の色が赤系の色であるときには、早急なメンテナンスが必要であると作業者に知らせることができる。
【0149】
ステップST37では、危険度がレベル2以上である場合に、メンテナンス情報のレベルを所定のレベルに決定するのに対して、ステップST38~ステップST40では、危険度がレベル3以上である場合に、メンテナンス情報のレベルを所定のレベルに決定している。ステップST37に該当するトレー(26)状態は、微生物の色が赤系の色であり(ステップST33のYES)、且つトレー(26)内に浮遊しているスライムが有る(ステップST35のYES)状態である。
【0150】
言い換えると、ステップST37に該当するトレー(26)状態は、増殖速度が速い微生物からなるスライムが浮遊している状態であり、排水部(27a,27c)が非常に詰まりやすい状態である。そのため、ステップST37では、ステップST38~ステップST40よりも危険度のレベルを低く設定することで、より早いタイミングでメンテナンスが必要であることを作業者に知らせることができる。
【0151】
〈プログラム〉
コンピュータであるサーバ装置(50)にインストールされる上述のプログラムは、サーバ装置(50)に、
図6に示すステップST3~ST8を実行させる。これにより、本開示の画像処理装置、及び画像処理方法を実現できる。
【0152】
-実施形態1の特徴-
本実施形態の特徴(1)は、制御装置(51)が、空気調和装置(10)のトレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内における微生物の色に関する色情報を取得し、取得した前記色情報を出力することである。
【0153】
ここで、微生物は、その種類によって色が異なる。そのため、微生物の色情報を取得することで、増殖速度が速い微生物に関する情報を取得できる。その結果、適切なタイミングでトレー(26)を清掃できる。加えて、排水部(27a,27c)が詰まりやすい状態を検知しやすくなる。その結果、排水部(27a,27c)の詰まりを早期に発見でき、空気調和装置(10)が異常停止する前に作業者にメンテナンスを促すことができる。
【0154】
本実施形態の特徴(2)は、制御装置(51)が、色情報に基づいて、メンテナンス情報を出力することである。これにより、色情報に基づいたメンテナンス情報を作業者に知らせることができる。
【0155】
本実施形態の特徴(3)は、制御装置(51)が、色情報に対応してメンテナンス情報のレベルを変更することである。これにより、色情報に応じたメンテナンス情報を作業者に知らせることができる。
【0156】
本実施形態の特徴(4)は、制御装置(51)が、トレー(26)内における微生物からなるスライムの有無に関する情報を取得することである。これにより、排水部(27a,27c)の詰まりの原因となるスライムの有無に関する情報を取得できるので、排水部(27a,27c)が詰まりやすい状態を検知できる。
【0157】
本実施形態の特徴(5)は、制御装置(51)が、色情報として、微生物の色が赤系の色であるという情報を取得した場合には、微生物の色が赤系の色以外の色であるという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くすることである。これにより、微生物の色が赤系の色である場合に早急なメンテナンスが必要であると作業者に知らせることができる。
【0158】
本実施形態の特徴(6)は、制御装置(51)が、トレー(26)内の水の有無に関する情報を取得する。これにより、トレー(26)内に水が有るか無いかの情報を取得できる。
【0159】
本実施形態の特徴(7)は、制御装置(51)が、トレー(26)内に水が有るという情報を取得した場合には、トレー(26)内に水が無いという情報を取得した場合よりも、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。これにより、トレー(26)内に水があるときに早急なメンテナンスが必要であると知らせることができる。
【0160】
本実施形態の特徴(8)は、制御装置(51)は、機械学習により、画像データに基づいて色情報を出力するように生成されたモデル(M4)を含む。そのため、機械学習により生成したモデル(M4)を用いて色情報を出力できる。
【0161】
本実施形態の特徴(9)は、制御装置(51)は、機械学習により、画像データに基づいてトレー情報を出力するように生成されたモデル(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を含むことである。これにより、取得する情報ごとに学習済みのモデルを用いているため、各情報を高い精度で出力できる。その結果、高い精度で必要なメンテナンス情報を出力できる。
【0162】
《実施形態2》
実施形態2の空気調和装置(10)は、外気処理方式の室内ユニット(20)を有する。室内ユニット(20)は、室外空気(OA)を取り込み、この空気の温度及び湿度を調節する。温度及び湿度が調節された空気は供給空気(SA)として室内へ供給される。室内ユニット(20)は、室内空気(RA)を取り込み、この空気を室外空間に排出する。
【0163】
図8に示す室内ユニット(20)は、天井裏の空間に設置される。室内ユニット(20)は、ケーシング(25)、給気ファン(71)、排気ファン(図示省略)、室内熱交換器(22)、全熱交換器(72)、加湿器(73)、タンク(74)、及びトレー(26)を備えている。
【0164】
ケーシング(25)は、直方体の中空箱形に形成されている。ケーシング(25)の右側板(25b)には、給気口(75)と内気口(図示省略)が形成される。ケーシング(25)の左側板(25c)には、外気口(76)と排気口(図示省略)が形成される。
【0165】
ケーシング(25)内には、外気口(76)から給気口(75)に亘って通風路である給気通路(30A)が形成される。ケーシング(25)内には、内気口から排気口に亘って排気通路(30B)が形成される。給気ファン(71)は、給気通路(30A)の空気を搬送する。排気ファンは、排気通路(30B)の空気を搬送する。
【0166】
室内熱交換器(22)は、給気通路(30A)に配置される。室内熱交換器(22)は、実施形態1と同様の冷媒回路に接続される。室内熱交換器(22)は、空気と冷媒とを熱交換させる空気熱交換器である。室内熱交換器(22)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。室内熱交換器(22)は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器(放熱器)として機能する。
【0167】
全熱交換器(72)は、給気通路(30A)を流れる空気の顕熱及び潜熱と、排気通路(30B)を流れる空気の顕熱及び潜熱とを熱交換させる。
【0168】
加湿器(73)は、給気通路(30A)に配置される。加湿器(73)は、吸水部材である加湿エレメント(73a)を有する。タンク(74)から加湿エレメント(73a)に水が供給される。空気が加湿器(73)を通過すると、加湿エレメント(73a)の水分が空気に付与される。
【0169】
トレー(26)は、加湿器(73)の下方に配置される。トレー(26)は、加湿器(73)から流出した水を受ける。トレー(26)の下部には、排水口(26c)が形成されている。実施形態2における排水口(26c)は、トレー(26)に形成された穴である。排水口(26c)が、本開示の排水部に対応する。排水口(26c)には、排水管(図示省略)が接続されている。
【0170】
実施形態2では、撮像ユニット(40)のカメラ(41)が、給気通路(30A)に配置される。カメラ(41)のレンズ(42)は、トレー(26)を指向する。カメラ(41)は、トレー(26)を撮像する。カメラ(41)で撮像した画像データは、サーバ装置(50)を経由して通信端末(60)へ出力される。
【0171】
実施形態2においても、トレー(26)内にスライムが発生することで、排水口(26c)が詰まる可能性がある。実施形態2の空気処理システム(1)は、実施形態1と同様の、撮像ユニット(40)及びサーバ装置(50)を有する。サーバ装置(50)の第1~第4取得部(54,55,56,57)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、トレー情報を取得し、取得したトレー情報を出力する。
【0172】
特に、第2取得部(55)は、画像データに基づき、色情報を取得し、取得した色情報を出力する。これにより、増殖速度の速い微生物に関する情報を取得でき、排水口(26c)が詰まりやすい状態を検知できる。その結果、排水口(26c)の詰まりを早期に発見でき、空気調和装置(10)が異常停止する前に作業者にメンテナンスを促すことができる。
【0173】
《実施形態3》
実施形態3に係る空気調和装置(10)は、天井吊り下げ式、あるいは天井埋め込み式の室内ユニット(20)を有する。
【0174】
図9に示すように、室内ユニット(20)は、天井裏に設置されるケーシング(25)を備えている。ケーシング(25)は、ケーシング本体(80)と、パネル(81)とを備える。ケーシング本体(80)は、下側に開口面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(81)は、ケーシング本体(80)の開口面に着脱可能に取り付けられる。パネル(81)は、矩形枠状のパネル本体(81a)と、パネル本体(81a)の中央に設けられる吸込グリル(81b)とを有する。
【0175】
パネル本体(81a)の中央には、1つの吸込口(28)が形成される。吸込グリル(81b)は、吸込口(28)に取り付けられる。パネル本体(81a)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(29)が1つずつ形成される。各吹出口(29)は、4つの側縁部に沿うように延びている。各吹出口(29)の内部には、フラップ(82)がそれぞれ設けられる。ケーシング(25)内には、吸込口(28)から吹出口(29)に亘って通風路(30)が形成される。
【0176】
ケーシング本体(80)の内部には、ベルマウス(83)と、ファン(23)と、室内熱交換器(22)と、トレー(26)とが設けられる。ベルマウス(83)及びファン(23)は、吸込グリル(81b)の上方に配置される。室内熱交換器(22)は、ファン(23)の周囲を囲むように通風路(30)に配置される。室内熱交換器(22)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。トレー(26)は、通風路(30)における室内熱交換器(22)の下方に配置される。
【0177】
トレー(26)の上方には、ポンプ(27)が配置される。ポンプ(27)の構成は、実施形態1と同様である。ポンプ(27)の吸込部(27a)は、トレー(26)の底面における最も低い部分に配置される。言い換えると、トレー(26)の底部は、ポンプ(27)の吸込部(27a)に向かって僅かに傾斜している。吸水口(27b)は、トレー(26)の底部における最も低い部分に向かって開口している。ポンプ(27)の上部には、排水管(27c)が接続される。ポンプ(27)の吸込部(27a)及び排水管(27c)は、本開示の排水部に対応する。
【0178】
実施形態3のカメラ(41)は、通風路(30)に配置される。カメラ(41)のレンズ(42)は、トレー(26)の底部を指向する。カメラ(41)は、トレー(26)を撮像する。
【0179】
実施形態3においても、トレー(26)内にスライムが発生することで、吸込部(27a)又は排水管(27c)が詰まる可能性がある。実施形態3の空気処理システム(1)は、実施形態1と同様の、撮像ユニット(40)及びサーバ装置(50)を有する。サーバ装置(50)の第1~第4取得部(54,55,56,57)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、トレー情報を取得し、取得したトレー情報を出力する。
【0180】
特に、第2取得部(55)は、画像データに基づき、色情報を取得し、取得した色情報を出力する。これにより、増殖速度の速い微生物に関する情報を取得でき、吸込部(27a)又は排水管(27c)が詰まりやすい状態を検知できる。その結果、吸込部(27a)又は排水管(27c)の詰まりを早期に発見でき、空気調和装置(10)が異常停止する前に作業者にメンテナンスを促すことができる。
【0181】
-実施形態の変形例-
上述した各実施形態は、以下の変形例の構成としてもよい。なお、以下に述べる各変形例に係るコンピュータにインストールされるプログラムは、コンピュータに、各変形例に係る第1~第4取得部(54,55,56,57)及び出力部(59)の処理を実行させる。これにより、本開示の画像処理装置、及び画像処理方法を実現できる。
【0182】
〈変形例1〉
サーバ装置(50)の第1取得部(54)及び出力部(59)が、実施形態1と異なる。変形例1の第1取得部(54)で取得されるスライムの浮遊に関する浮遊情報には、トレー(26)内に浮遊しているスライムの量に関する情報が更に含まれてもよい。
【0183】
具体的には、第1取得部(54)は、機械学習により、画像データに基づいて浮遊しているスライムの量に関する情報を出力するように生成された学習済みの第7モデル(M7)を更に含む。第1取得部(54)は、機械学習により生成した第7モデル(M7)を用いて、トレー(26)内に浮遊しているスライムの量に関する情報を取得し、取得した情報を出力する。
【0184】
第7モデル(M7)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第7モデル(M7)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。
【0185】
ラベルは、浮遊しているスライムの量の多さを示す。このラベルとして、複数段階のレベルのスライムの量が用いられる。浮遊しているスライムの量が多いほど、排水部(27a,27c)がより詰まりやすい状態であり、スライムの量のレベルは高くなる。
【0186】
出力部(59)は、浮遊情報として、浮遊しているスライムの量が多いほど、出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度を高くする。
【0187】
このように、本変形例では、浮遊情報として、浮遊しているスライムの量に関する情報を取得するので、排水部(27a,27c)にスライムが詰まる可能性が高いことが判断できる。加えて、本変形例では、浮遊しているスライムの量が多いほど、出力部(59)が出力するメンテナンス情報におけるメンテナンスの緊急度が高くなるので、早急なメンテナンスが必要であることを作業者に知らせることができる。
【0188】
〈変形例2〉
サーバ装置(50)の第1取得部(54)及び出力部(59)が、実施形態1と異なる。変形例1の第1取得部(54)で取得されるスライムの浮遊に関する浮遊情報には、トレー(26)内のスライムの量に関する情報が更に含まれてもよい。
【0189】
具体的には、第1取得部(54)は、機械学習により、画像データに基づいてスライムの量に関する情報を出力するように生成された学習済みの第8モデル(M8)を更に含む。第1取得部(54)は、機械学習により生成した第8モデル(M8)を用いて、トレー(26)内のスライムの量に関する情報を取得し、取得した情報を出力する。
【0190】
第8モデル(M8)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第8モデル(M8)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。
【0191】
ラベルは、スライムの量の多さを示す。このラベルとして、複数段階のレベルのスライムの量が用いられる。本変形例では、10段階のレベルが用いられる。スライムの量が多いと、今後浮遊する可能性のあるスライムも多く含まれ、排水部(27a,27c)にスライムが詰まりやすい状態である。スライムの量が多いほど、スライムの量のレベルは高くなる。
【0192】
出力部(59)は、トレー(26)内のスライムの量が所定の閾値を超えると、メンテナンスが必要であるという出力をする。この閾値は、第1閾値と第2閾値とを含む。スライムの微生物の色が第1色である場合には、スライムの量が第1閾値を超えるとメンテナンスが必要であると出力される。スライムの微生物の色が第2色である場合には、スライムの量が第2閾値を超えるとメンテナンスが必要であると出力される。この第1閾値は、第2閾値よりも低い。
【0193】
本変形例では、例えば、微生物の色がピンク色(第1色)であった場合、第1閾値は2と設定される。微生物の色が黒色(第2色)であった場合、第2閾値は6と設定される。赤系の色の微生物は、黒系の色の微生物よりも増殖速度が速い。そのため、ピンク色における閾値を黒色における閾値よりも低く設定することで、黒色よりもピンク色の方が、メンテナンスが必要であると出力されるタイミングが早くなる。言い換えると、微生物の増殖速度に応じたメンテナンス情報を作業者に知らせることができる。
【0194】
〈変形例3〉
サーバ装置(50)は、機能的な構成として、第5取得部(58)を更に有してもよい。第5取得部(58)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)におけるカビの有無に関するカビ情報を取得し、取得したカビ情報を出力する。第5取得部(58)は、機械学習により、画像データに基づいてカビ情報を出力するように生成された学習済みの第9モデル(M9)を含む。
【0195】
第9モデル(M9)は、第1~第3モデル(M1,M2,M3)と同様に、機械学習により分類能力を獲得した、多層のニューラルネットワークとして構築される。第9モデル(M9)は、「教師あり学習」により生成される。学習データの入力データとしては、カメラ(41)が取得したトレー(26)の画像データが用いられる。学習データの教師データとして、これらの画像データに対応するラベルが用いられる。第9モデル(M9)におけるラベルとしては、2種類のラベルが用いられる。ラベル0は“無し”に対応し、ラベル1は“有り”に対応する。
【0196】
サーバ装置(50)に記憶されたプログラムは、第7処理を更にコンピュータとしてのサーバ装置(50)に実行させる。第7処理では、トレー(26)を撮像するカメラ(41)が取得した画像データに基づき、該トレー(26)内におけるカビの有無に関するカビ情報を取得し、取得したカビ情報を出力する。
【0197】
〈変形例4〉
上記実施形態では、第1~第4取得部(54,55,56,57)では、機械学習によって生成された学習済みのモデルを用いて各情報を取得したが、本変形例では、学習済みのモデルを用いることなく各情報を取得してもよい。
【0198】
具体的には、トレー(26)内の水の有無に関する情報は、トレー(26)の内部に水を検知するセンサ又は、水位を検出するセンサを配置することにより、トレー(26)内に水が有るか無いかの情報を取得してもよい。
【0199】
トレー(26)内のスライムの有無に関する情報、及びトレー(26)内に浮遊しているスライムの有無に関する情報は、所定時間においてカメラ(41)から連続して取得した複数の画像データを比較することにより、トレー(26)内にスライムが有るか無いかの情報と、トレー(26)内に浮遊しているスライムが有るか無いかの情報を取得してもよい。
【0200】
微生物の色に関する色情報は、黒系の色、黄系の色、又は赤系の色の色ごとに、画素のRGB値の基準値と、画像データの総画素数に対するRGB値が基準値以上となった画素の割合の基準割合を設定しておくことにより、この基準割合を越えているか否かによって、色を判定してもよい。
【0201】
〈変形例5〉
上記実施形態では、サーバ装置(50)が本開示の画像処理装置に対応する。しかし、
図10に示す変形例5では、撮像制御部(45)が本開示の画像処理装置に対応する。変形例5の空気処理システム(1)は、空気調和装置(10)と、撮像ユニット(40)とを有する。撮像ユニット(40)の撮像制御部(45)には、機能的な要素として、上記実施形態と同様の第1~第4取得部(54,55,56,57)、及び出力部(59)が設けられる。
【0202】
撮像制御部(45)では、上記実施形態と同様に、第1~第4取得部(54,55,56,57)は、カメラ(41)が取得した画像データに基づき、トレー情報を取得し、取得したトレー情報を出力する。出力部(59)は、トレー情報基づいて、メンテナンス情報を出力する。出力されたメンテナンス情報は、ネットワーク網(N)を経由して通信端末(60)に送信される。出力されたメンテナンス情報は、サーバ装置(50)を経由して通信端末(60)に送信されてもよい。出力されたメンテナンス情報は、他の方式の無線通信、または有線により通信端末(60)に送信されてもよい。
【0203】
《その他の実施形態》
上記各実施形態及び上記各変形例において、以下のような構成としてもよい。
【0204】
空気調和装置(10)は、ペア式であってもよく、マルチ式であってもよい。ペア式は、1つの室外ユニットと、1つの室内ユニット(20)とを有する。マルチ式は、1つの室外ユニットと、複数の室内ユニット(20)とを有する。
【0205】
カメラ(41)が取得する画像データは、静止画だけでなく、動画であってもよい。
【0206】
空気処理装置は、調湿装置、換気装置、及び空気清浄機であってもよい。調湿装置は、対象空間の空気の湿度を調節する。換気装置は、対象空間を換気する。空気清浄機は、対象空間の空気を浄化する。
【0207】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0208】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0209】
以上説明したように、本開示は、画像処理装置、空気処理システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法について有用である。
【符号の説明】
【0210】
1 空気処理システム
10 空気調和装置(空気処理装置)
25 ケーシング
26 トレー
27a 吸込部(排水部)
27c 排水管(排水部)
41 カメラ(撮像装置)
45 撮像制御部(画像処理装置)
50 サーバ装置(画像処理装置)
51 制御装置