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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】方路選択装置および方路選択方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 65/1066 20220101AFI20240117BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H04L65/1066
H04M11/00 302
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019198421
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021072556
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】平野 優
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆昭
(72)【発明者】
【氏名】久野 伊織
(72)【発明者】
【氏名】小林 史人
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-019116(JP,A)
【文献】特開2012-178659(JP,A)
【文献】国際公開第2008/078798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 65/1066
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された仲介サーバを介して、自機に接続された配下の電話機と前記ネットワークに接続されている他の電話機との間で通話セッションを接続するための方路選択装置であって、
前記仲介サーバは、前記ネットワークを通じて通話セッションを接続する電話装置に割り当てられている電話番号と当該電話装置の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報とを管理し、電話番号から着信先の所在を特定して通話セッションを接続するようにするものであって、前記ネットワーク上に通常仲介サーバと拡張仲介サーバとが設けられており、
前記ネットワーク上の前記拡張仲介サーバを介して発信を行うことにより、通話セッションの接続が可能な相手先の電話番号である着信先電話番号を記憶保持する記憶手段と、
自機に割り当てられている電話番号と自機の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報との登録を、前記通常仲介サーバと前記拡張仲介サーバとに行う登録処理手段と、
前記配下の電話機から着信先電話番号を含む発信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段の格納情報を参照し、前記着信先電話番号が登録されているか否かを判別する登録判別手段と、
前記登録判別手段により前記着信先電話番号が登録されていないと判別された場合に、自機が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す発信側所定情報を付加した発信メッセージを形成し、前記通常仲介サーバを介して着信先に送信する第1の発信処理手段と、
前記第1の発信処理手段を通じて前記発信メッセージを送信することにより、着信先から送信されて来る応答メッセージを受け付けて、当該応答メッセージに、着信先の電話装置が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す着信側所定情報が付加されているか否かを判別する第1の付加判別手段と、
前記第1の付加判別手段により、前記着信側所定情報が付加されていると判別された場合に、前記応答メッセージに含まれる着信先電話番号を前記記憶手段に登録する第1の対向機登録手段と、
前記通常仲介サーバとの通信状態を判別する状態判別手段と、
前記登録判別手段により、前記記憶手段に前記着信先電話番号が登録されていると判別された場合に、前記状態判別手段による判別結果を確認する確認手段と、
前記確認手段により、前記状態判別手段での判別結果が、通信状態が良好でないと確認された場合に、発信メッセージを形成し、前記拡張仲介サーバを介して着信先に送信する第2の発信処理手段と
を備えることを特徴とする方路選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の方路選択装置であって、
前記通常仲介サーバは、自機にアクセス可能な電話装置に割り当てられた識別IDと、当該電話装置に割り当てられている電話番号とを管理しており、自機にアクセス可能な前記電話装置からのアクセスに応じて、当該電話装置に割り当てられている前記電話番号を当該電話装置に通知することができるものであり、
前記登録処理手段は、前記通常仲介サーバに対しては、自機の識別IDと前記アドレス情報とを通知して登録を要求し、前記拡張仲介サーバに対しては、前記通常仲介サーバから通知された前記電話番号と自機に割り当てられている前記アドレス情報とを通知して登録を要求する
ことを特徴とする方路選択方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方路選択装置であって、
自機宛ての発信メッセージを受信した場合に、当該発信メッセージに、前記発信側所定情報が付加されているか否かを判別する第2の付加判別手段と、
前記第2の付加判別手段により、前記発信側所定情報が付加されていると判別された場合に、前記発信メッセージに含まれる発信元電話番号を前記記憶手段に登録する第2の対向機登録手段と、
前記発信メッセージに応じた着信に応答する場合に、前記着信側所定情報を付加した応答メッセージを形成し、前記通常仲介サーバを用いるようにして前記応答メッセージを発信元に送信する応答処理手段と、
を備えることを特徴とする方路選択装置。
【請求項4】
ネットワークに接続された仲介サーバを介して、自機に接続された配下の電話機と前記ネットワークに接続されている他の電話機との間で通話セッションを接続するための方路選択装置であって、
前記仲介サーバは、前記ネットワークを通じて通話セッションを接続する電話装置に割り当てられている電話番号と当該電話装置の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報とを管理し、電話番号から着信先の所在を特定して通話セッションを接続するようにするものであって、前記ネットワーク上に少なくとも通常仲介サーバと拡張仲介サーバとが設けられており、
前記ネットワーク上の前記拡張仲介サーバを介して通話セッションの接続が可能な着信先の電話装置の電話番号を記憶保持する記憶手段と、
自機に割り当てられている電話番号と自機の前記ネットワークに上の所在を示すアドレス情報との登録を、前記通常仲介サーバと前記拡張仲介サーバとに行う登録処理手段と、
自機宛ての発信メッセージを受信した場合に、当該発信メッセージに、発信側所定情報が付加されているか否かを判別する付加判別手段と、
前記付加判別手段により、前記発信側所定情報が付加されていると判別された場合に、前記発信メッセージに含まれる発信元電話番号を前記記憶手段に登録する対向機登録手段と、
前記発信メッセージに応じた着信に応答する場合に、着信側所定情報を付加した応答メッセージを形成し、前記通常仲介サーバを用いるようにして前記応答メッセージを発信元に送信する応答処理手段と、
を備えることを特徴とする方路選択装置。
【請求項5】
ネットワークに接続された仲介サーバを介して、自機に接続された配下の電話機と前記ネットワークに接続されている他の電話機との間で通話セッションを接続するための方路選択装置で用いられる方路選択方法あって、
前記仲介サーバは、前記ネットワークを通じて通話セッションを接続する電話装置に割り当てられている電話番号と当該電話装置の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報とを管理し、電話番号から着信先の所在を特定して通話セッションを接続するようにするものであって、前記ネットワーク上に通常仲介サーバと拡張仲介サーバとが設けられており、
登録処理手段が、自機に割り当てられている電話番号と自機の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報との登録を、前記通常仲介サーバと前記拡張仲介サーバとに行う登録処理工程と、
前記配下の電話機から着信先電話番号を含む発信要求を受け付けた場合に、登録判別手段が、前記ネットワーク上の前記拡張仲介サーバを介して発信を行うことにより、通話セッションの接続が可能な相手先の電話番号である着信先電話番号を記憶保持する記憶手段の格納情報を参照し、前記着信先電話番号が登録されているか否かを判別する登録判別工程と、
前記登録判別工程において、前記着信先電話番号が登録されていないと判別した場合に、第1の発信処理手段が、自機が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す発信側所定情報を付加した発信メッセージを形成し、前記通常仲介サーバを介して着信先に送信する第1の発信処理工程と、
前記第1の発信処理工程を通じて前記発信メッセージを送信することにより、着信先から送信されて来る応答メッセージを受け付けて、第1の付加判別手段が、当該応答メッセージに、着信先の電話装置が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す着信側所定情報が付加されているか否かを判別する第1の付加判別工程と、
前記第1の付加判別工程において、前記着信側所定情報が付加されていると判別した場合に、第1の対向機登録手段が、前記応答メッセージに含まれる着信先電話番号を前記記憶手段に登録する第1の対向機登録工程と、
状態判別手段により、前記通常仲介サーバとの通信状態を判別する状態判別工程と、
前記登録判別工程において、前記記憶手段に前記着信先電話番号が登録されていると判別した場合に、確認手段が、前記状態判別工程においての通信状態の判別結果を確認する確認工程と、
前記確認工程において、前記判別手段での判別結果が、通信状態が良好でないと確認した場合に、第2の発信処理手段が、発信メッセージを形成し、前記拡張仲介サーバを介して着信先に送信する第2の発信処理工程と
を有することを特徴とする方路選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のIP(Internet Protocol)電話機が接続され、IP網を通じた音声パケットの中継処理を行って音声通話を可能にする装置であって、適切な方路(通話パス)を選択して、音声通話を可能にする方路選択装置及び方路選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
VoIP(Voice over Internet Protocol)を用い、音声データをパケット化してIP網を通じて送受信することにより通話を行えるようにするIP電話が広く用いられるようになってきている。後に記す特許文献1には、IP電話システムを構築する場合に用いられるVoIP装置に関する発明が開示されている。当該発明は、複数のIP電話機を収容するVoIP装置を、複数の拠点のそれぞれに配置してIP電話システムを構築した場合に、VoIP装置間に接続される通話セッションが多くなっても、VoIP装置の負荷が大きくならないようにするものである。
【0003】
例えば、拠点Aと拠点Bのそれぞれに、複数のIP電話機が接続されるVoIP装置を配置し、拠点Aと拠点Bとの間で、それぞれの拠点の複数のIP電話機が用いられて複数の通話セッションが接続される場合を考える。この場合に、引用文献1の発明を適用すると、拠点Aと拠点BのそれぞれのVoIP装置は、自機の配下の複数のIP電話機からの音声パケットを結合すると共に、受信側で分離するための付加情報を付加し送信する。拠点Aと拠点BのそれぞれのVoIP装置は、受信した結合パケットをこれに付加されている付加情報に基づいて結合前の音声パケットに分離し、それぞれのIP電話機に提供する。
【0004】
これにより、拠点AのVoIP装置と拠点BのVoIP装置との間で送受される音声パケットの数を抑制し、それぞれのVoIP装置における音声パケットの送信、受信にかかる負荷を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-19116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数のIP電話機を収容し、各拠点に設置されるVoIP装置間のIP網を通じての通話セッションの接続は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバを介して行われる。SIPサーバは、自機を介して呼び出す可能性のあるVoIP装置に割り当てられた電話番号とIPアドレスとを対応付けて管理する。SIPサーバは、VoIP装置を介して提供されたIP電話機からの発信要求に応じて、相手先の電話番号から相手先のIPアドレスを特定し、IP網を通じて当該相手先を呼び出して通話セッションを接続するといった呼制御を行う。
【0007】
このため、VoIP装置は、自機が通常使用するSIPサーバの例えばURL(uniform resource locator)を保持しており、当該SIPサーバにアクセスし、自機に割り当てられた電話番号とIPアドレスとを事前に登録しておくようにする。相手先となる他のVoIP装置も同様に、自機に割り当てられた電話番号とIPアドレスとを当該SIPサーバに対して登録しておくようにする。これにより、当該VoIP装置間においては、当該SIPサーバを介して相互に相手先の特定ができるようになるので、通話セッションの接続が可能になる。
【0008】
しかしながら、当該SIPサーバに不具合が発生し、接続ができなくなったり、また、当該SIPサーバを介しての通信が多くなった場合には、輻輳状態となって、通話セッションの接続に時間がかかったりする場合がある。このような場合には、VoIP装置において、バックアップ用のSIPサーバに接続先を変更登録したり、接続先のSIPサーバを手動で変更したりするといった操作が必要になる。このため、IP電話を通じての電話が掛かり難くなった場合であっても、その原因が特定できずに、通常使用する当該SIPサーバを使い続けてしまうといった不具合が発生する可能性がある。
【0009】
以上のことに鑑み、この発明は、通常使用するSIPサーバなどの仲介サーバに接続し難くなるなど、通信状態が悪くなった場合に、使用者(ユーザ)の手を煩わせることなく、利用可能な他の仲介サーバを経由する方路を選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の方路選択装置は、
ネットワークに接続された仲介サーバを介して、自機に接続された配下の電話機と前記ネットワークに接続されている他の電話機との間で通話セッションを接続するための方路選択装置であって、
前記仲介サーバは、前記ネットワークを通じて通話セッションを接続する電話装置に割り当てられている電話番号と当該電話装置の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報とを管理し、電話番号から着信先の所在を特定して通話セッションを接続するようにするものであって、前記ネットワーク上に通常仲介サーバと拡張仲介サーバとが設けられており、
前記ネットワーク上の前記拡張仲介サーバを介して発信を行うことにより、通話セッションの接続が可能な相手先の電話番号である着信先電話番号を記憶保持する記憶手段と、
自機に割り当てられている電話番号と自機の前記ネットワーク上の所在を示すアドレス情報との登録を、前記通常仲介サーバと前記拡張仲介サーバとに行う登録処理手段と、
前記配下の電話機から着信先電話番号を含む発信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段の格納情報を参照し、前記着信先電話番号が登録されているか否かを判別する登録判別手段と、
前記登録判別手段により前記着信先電話番号が登録されていないと判別された場合に、自機が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す発信側所定情報を付加した発信メッセージを形成し、前記通常仲介サーバを介して着信先に送信する第1の発信処理手段と、
前記第1の発信処理手段を通じて前記発信メッセージを送信することにより、着信先から送信されて来る応答メッセージを受け付けて、当該応答メッセージに、着信先の電話装置が前記拡張仲介サーバの利用が可能なものであることを示す着信側所定情報が付加されているか否かを判別する第1の付加判別手段と、
前記第1の付加判別手段により、前記着信側所定情報が付加されていると判別された場合に、前記応答メッセージに含まれる着信先電話番号を前記記憶手段に登録する第1の対向機登録手段と、
前記通常仲介サーバとの通信状態を判別する状態判別手段と、
前記登録判別手段により、前記記憶手段に前記着信先電話番号が登録されていると判別された場合に、前記状態判別手段による判別結果を確認する確認手段と、
前記確認手段により、前記状態判別手段での判別結果が、通信状態が良好でないと確認された場合に、発信メッセージを形成し、前記拡張仲介サーバを介して着信先に送信する第2の発信処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明の方路選択装置によれば、拡張仲介サーバを通じて電話を掛けることができる着信先の着信先電話番号を記憶する記憶手段を備える。登録処理手段により、自機の電話番号とアドレス情報とが、通常仲介サーバと拡張仲介サーバとに登録される。登録判別手段により、発信時において、電話を掛ける相手先の電話番号(着信先電話番号)が、記憶手段に記憶されているか否かが判別される。登録判別手段により、着信先の電話番号は、記憶手段に記憶されていないと判別された場合には、第1の発信処理手段により、発信メッセージに発信側所定情報を付加して通常仲介サーバを通じて発信される。
【0012】
発信された発信メッセージに応じて、着信先から送信されて来る応答メッセージは、第1の付加判別手段により受け付けられ、当該応答メッセージに着信側所定情報が付加されているか否かが判別される。第1の付加判別手段により、着信側所定情報が付加されていると判別された場合には、第1の対向機登録手段により、着信先電話番号が記憶手段に記録される。状態判別手段により、通常仲介サーバとの通信状態が判別するようにされており、登録判別手段により、着信先の電話番号は、記憶手段に記憶されていると判別された場合には、確認手段により、状態判別手段による通常仲介サーバとの通信状態の判別結果が確認される。この確認の結果、通信状態は良好でないと確認された場合には、第2の発信処理手段が発信メッセージを形成し、拡張仲介サーバを介して発信が行われる。
【0013】
これにより、着信先が拡張仲介サーバを利用することができる電話装置か否かを自動的に把握することができると共に、通常仲介サーバとの間の通信状態が悪い場合には、自動的に拡張仲介サーバを介して電話を掛けることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、通常使用するSIPサーバなどの仲介サーバに接続し難くなった場合に、使用者(ユーザ)の手を煩わせることなく、利用可能な他の仲介サーバを経由する方路を選択することができる。これにより、常時、安定してIP網を通じて通話を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態の電話通信システムを説明するための図である。
図2】通常SIPサーバの構成例を説明するためのブロック図である。
図3】電話番号管理DB(Data Base)を説明するための図である。
図4】アドレス管理DB(Data Base)を説明するための図である。
図5】拡張SIPサーバの構成例を説明するためのブロック図である。
図6】VoIP装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図7】VoIP装置から通常SIPサーバと拡張SIPサーバへのアドレス登録処理を説明するためのシーケンス図である。
図8】通常SIPサーバを通じて通話セッションを接続して通話を行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図9】拡張SIPサーバを通じて通話セッションを接続して通話を行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図10】VoIP装置の発信時の処理を説明するためのフローチャートである。
図11】VoIP装置の着信時の処理を説明するためのフローチャートである。
図12】実施の形態のVoIP装置で行われる方路選択処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、例えば、会社の本社と支社との間などのように、頻繁に通信を行う必要のある拠点ごとにIP電話システムを構築し、IP網を通じて当該拠点間で通話(音声による電話通信)を可能にする場合を例にして説明する。
【0017】
[電話通信システムの構成例]
図1は、実施の形態の電話通信システムを説明するための図である。図1に示すように、IP網6に対しては、拠点Aに構成されたIP電話システムと、拠点Bに構成されたIP電話システムが接続されている。また、IP網6に対しては、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5とが接続されている。IP網6は、インターネット・プロトコル・スイート(Internet protocol suite)技術を利用して相互接続されたコンピュータネットワークを意味し、インターネットをも含む。すなわち、IP網6は、インターネット・プロトコルを用いて通信が可能なネットワークである。
【0018】
拠点Aに接続されたIP電話システムは、IP網6に接続されたVoIP装置1Aに対して、複数の電話機(電話端末)3A(1)、3A(2)、…が接続されたPBX2Aが接続されている。拠点Bに接続されたIP電話システムは、IP網6に接続されたVoIP装置1Bに対して、複数の電話機(電話端末)3B(1)、3B(2)、…が接続されたPBX2Bが接続されている。VoIP装置1Aは、IP網6とPBX2A以下のボタン電話ネットワークとを接続するゲートウェイ装置としての機能を実現する。同様に、VoIP装置1Bは、IP網6とPBX2B以下のボタン電話ネットワークとを接続するゲートウェイ装置としての機能を実現する。
【0019】
PBX2A、2Bは、構内交換機を意味し、外線への発信や外線からの着信、内線間の通話、保留や転送などの種々の電話制御(呼制御)を行う。電話機3A(1)、3A(2)、…、電話機3B(1)、3B(2)、…のそれぞれは、いわゆるボタン電話機である。電話機3A(1)、3A(2)、…、電話機3B(1)、3B(2)、…のそれぞれは、VoIP装置1A、1Bの機能により、IP網6を通じての音声通話ができる。
【0020】
なお、この実施の形態においては、電話会社と契約を結ぶことにより、拠点Aに対しては、電話番号「03-1111-1111」が割り当てられており、拠点Bに対しては、電話番号「03-9999-9999」が割り当てられているものとする。すなわち、拠点AのVoIP装置1Aは、自機に割り当てられた電話番号として「03-1111-1111」を用い、拠点BのVoIP装置1Bは、自機に割り当てられた電話番号として「03-9999-9999」を用いることになる。
【0021】
通常SIPサーバ4は、例えば、IP電話サービスを提供する電話会社などにより設置されたものである。拡張SIPサーバ5は、例えば、VoIP装置1A、1Bなどの製造会社や販売会社などにより設置されたものである。通常SIPサーバ4は、IP網6を通じて通話セッションを接続するVoIP装置などに割り当てられるようにされている電話番号と当該VoIP装置などのIP網6上の所在を示すIPアドレスとを管理する。これにより、通常SIPサーバ4は、着信先の電話番号から着信先のIPアドレスを特定して、発信元と着信先との間に通話セッションを接続する機能を備える。
【0022】
また、拡張SIPサーバ5も通常SIPサーバ4と同様に、IP網6を通じて通話セッションを接続するVoIP装置などに割り当てられている電話番号と当該VoIP装置などのIP網6上の所在を示すIPアドレスとを管理する。これにより、拡張SIPサーバ5もまた、着信先電話番号から着信先のIPアドレスを特定し、発信元と着信先との間に通話セッションを接続する機能を実現する。
【0023】
このように、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5とは共に、通話セッションの接続を仲介する仲介サーバとしての機能を有する。通常SIPサーバ4は、VoIP装置などを通じて通話を行うようにする場合に、通常時における最初のアクセス先となる。これに対して拡張SIPサーバ5は、VoIP装置などが通常SIPサーバ4を通じて正常に通信を行うことができない場合に、通常SIPサーバ4に代わってアクセス先となり、通話セッションを接続する処理を行う機能を実現する。正常に通信を行うことができない場合には、例えば、通常SIPサーバ4に故障が生じた場合や、通常SIPサーバ4を介しての通話セッションが輻輳し通話に遅延が生じている場合などがある。
【0024】
VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4と正常に通信を行うことができない場合には、使用者の手動操作に拠ることなく、自機の機能により、自律的に方路(通信パス)を切り替えることができるようにしている。すなわち、通常SIPサーバ4を通じて通話セッションを接続するのか、拡張SIPサーバ5を通じて通話セッションを接続するのかを、VoIP装置1A、1Bは、自律的に選択することができるようになっている。しかも、通話の相手先が、通常SIPサーバ4だけでなく、拡張SIPサーバ5も使用できるものか否かの特定も、当該通話の相手先との間で行われる相互の通信により、自動的に行うことができるようになっている。
【0025】
以下においては、この実施の形態の電話通信システムを構成する通常SIPサーバ4、拡張SIPサーバ5、VoIP装置1A、1Bの構成例について説明する。なお、VoIP装置1A、1Bは、基本的には同様の構成を備え、同様の機能を実現するものである。このため、以下においては、特に区別して示す必要がある場合を除き、VoIP装置1A、1Bを総称して、VoIP装置1と記載する。
【0026】
また、PBX2Aと、PBX2Bとは、基本的には同様の構成を有するものであり
従来のものと構成が大きく変わるものではない。同様に、電話機3A(1)、3A(2)、…と、電話機3B(1)、3B(2)、…とは、基本的には同様の構成を有するものであり、従来のものと構成が大きく変わるものではない。このため、PBX2A、2Bと、電話機3A(1)、3A(2)、…、電話機3B(1)、3B(2)、…とについての構成の説明は省略する。また、特に区別して示す場合を除き、PBX2A、2Bは、PBX2と総称し、電話機3A(1)、3A(2)、…、電話機3B(1)、3B(2)、…は、電話機3と総称する。
【0027】
また、VoIP装置には、例えば、ルータや拠点ごとに設けられるSIPサーバ機能を備えた電話管理装置など、各拠点に形成された電話ネットワークとIP網6とを接続するための機能を実現するための種々の装置が含まれる。また、この明細書において、電話装置という場合には、VoIP装置の他、ボタン電話機やIP電話機などの通話を行うための種々の端末装置も含まれるものとする。
【0028】
[通常SIPサーバ4の構成例]
図2は、通常SIPサーバ4の構成例を説明するためのブロック図である。図2において、接続端401Tは、IP網6との接続端を構成し、通信I/F(Inter Face)401は、IP網6を通じた通信機能を実現する。制御部402は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどがバスを通じて接続されて形成されたマイクロプロセッサである。制御部402は、通常SIPサーバ4の各部を制御する。
【0029】
電話番号管理DB403は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置部の記録媒体に形成され、IP電話サービスの提供を受けるための契約を締結することにより、契約者に対して割り当てた電話番号を管理する。図3は、電話番号管理DB403を説明するための図であり、これに格納される格納データの例を示している。図3に示すように、電話番号管理DB403には、契約者に対して付与された契約者IDと、契約者によって決められたパスワードと、契約者に対して割り当てられた電話番号とが対応付けられて記録されている。
【0030】
アドレス管理DB404は、HDDやSSDなどの記憶装置部の記録媒体に形成され、IP網6を通じて送信されて来るレジスタ(REGISTER)要求に応じて、当該通常SIPサーバ4を通じて呼び出す可能性のある電話装置に関する情報を管理する。図4は、アドレス管理DB404を説明するための図である。図4に示すように、アドレス管理DB404には、自機を通じて呼び出す可能性のある電話装置の電話番号、IPアドレス、ポート番号などの情報が対応付けられて記録されている。
【0031】
なお、電話装置の電話番号は、上述もしたように、契約を結ぶことにより電話会社より割り当てられるものである。また、IPアドレスは、電話会社側のISP(Internet Services Provider)や所定のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバから割り当てられたものが用いられる。IPアドレスやポート番号は、VoIP装置などの電話装置から通常SIPサーバ4や拡張SIPサーバ5に通知される。
【0032】
認証処理部405は、IP網6を通じて提供され、接続端401T及び通信I/F401を通じて自機宛ての種々の要求を受信した場合に、自機に接続可能な相手先か否かの認証を取る処理を行う。認証処理部405は、受信した要求に含まれる契約者IDとパスワードとを用いて、電話番号管理DB403を参照し、該当する契約者IDとパスワードとが登録されている、適切な契約関係がある契約者の電話装置からの要求か否かを判別する。認証処理部405において、受信した要求が適切な契約関係がある契約者の電話装置からのものであると判別された場合には、当該要求は処理の対象となり、そうでない要求は破棄される。もちろん、接続要求が到来したときに、契約者IDやパスワードの提供を要求するようにしてもよい。
【0033】
アドレス管理部406は、受信した要求が認証処理部405において認証が取れた、IP網6上の電話装置からのレジスタ要求である場合に機能する。この場合、アドレス管理部406は、認証処理部405の認証処理により特定された電話番号と、当該レジスタ要求に含まれる要求元の電話装置からのIPアドレスとポート番号などの情報を対応付けて、アドレス管理DB404に登録する処理を行う。
【0034】
電話番号提供部407は、アドレス管理部406が機能して電話番号などの情報をアドレス管理DB404に登録した場合に、電話番号をレジスタ要求元の電話装置に提供する処理を行う。これにより、レジスタ要求元の電話装置は、自機に割り当てられた電話番号を把握し、発信時に用いることが可能になる。つまり、この実施の形態において、VoIP装置1A、1Bなどの電話装置は、自機に割り当てられた電話番号を把握していない。このため、VoIP装置1A、1Bなどの電話装置は、通常SIPサーバ4に対してレジスタ要求を行うことにより、自機に割り当てられた電話番号の提供を受けて把握することができるようになっている。
【0035】
接続制御部408は、発信メッセージ(INVITEメッセージ)を受け付けた場合に、当該発信メッセージに含まれる着信先電話番号に基づいて、アドレス管理DB404を参照し、着信先のIPアドレスを特定して、当該着信先に発信メッセージを送信する処理を行う。また、接続制御部408は、発信メッセージに応じて、応答した着信先の電話装置から送信されて来る応答メッセージ(応答コード(200 OK))を、発信元に送信する処理を行う。このように、通常SIPサーバ4は、自機を通じて呼び出す可能性のある電話装置の電話番号やIPアドレスを管理し、発信元と着信先との間に通話セッションを確立して、通話を行うことができるようにする。
【0036】
[拡張SIPサーバ5の構成例]
図5は、拡張SIPサーバ5の構成例を説明するためのブロック図である。図5において、接続端501Tは、IP網6との接続端を構成し、通信I/F501は、IP網6を通じた通信機能を実現する。制御部502は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどがバスを通じて接続されて形成されたマイクロプロセッサであり、拡張SIPサーバ5の各部を制御する。
【0037】
アドレス管理DB503は、HDDやSSDなどの記憶装置部の記録媒体に形成され、IP網6を通じて送信されて来るレジスタ(REGISTER)要求に応じて、自機を通じて呼び出す可能性のある電話装置に関する情報を記憶保持する。アドレス管理DB503は、図4を用いて説明した通常SIPサーバ4のアドレス管理DB404と同様に構成される。アドレス管理部504は、要求元の電話番号、IPアドレス、ポート番号といった必要情報を含むレジスタ要求を受信した場合に機能し、これら電話番号、IPアドレス、ポート番号などの情報を対応付けて、アドレス管理DB503に登録する処理を行う。
【0038】
接続制御部505は、発信メッセージ(発信要求)を受け付けた場合に、当該発信メッセージに含まれる着信先電話番号に基づいて、アドレス管理DB503を参照し、着信先のIPアドレスを特定して、当該着信先に発信メッセージを送信する処理を行う。また、接続制御部505は、発信メッセージに応じて、応答した着信先の電話装置から送信されて来る応答メッセージを、発信元に送信する処理を行う。
【0039】
このように、図5に示した拡張SIPサーバ5は、図2に示した通常SIPサーバ4において、電話番号管理DB403と、認証処理部405と、電話番号提供部407とを備えない点を除き、通常SIPサーバ4と同様の構成を有する。拡張SIPサーバ5は、通常SIPサーバ4と同様に、自機を通じて呼び出す可能性のある電話装置の電話番号やIPアドレスを管理し、発信元と着信先との間に通話セッションを確立して、通話を行うことができるようにする。
【0040】
なお、拡張SIPサーバ5にも、例えば、契約者IDとパスワードとを対応付けて記憶する契約者マスタファイルを備えるように構成してもよい。これにより、拡張SIPサーバ5においても、認証処理部を設け、契約者IDとパスワードを含む要求を受信した場合に認証処理を行い、認証が取れた要求だけを処理する構成とすることも可能である。
【0041】
[VoIP装置1A、1Bの構成例]
図6は、VoIP装置1の構成例を説明するためのブロック図である。VoIP装置1は、この発明の方路選択装置、方路選択方法の一実施の形態が適用されたものである。図6において、接続端101Tは、IP網6との接続端を構成し、通信I/F101は、IP網6を通じた通信機能を実現する。制御部102は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどがバスを通じて接続されて形成されたマイクロプロセッサであり、VoIP装置1の各部を制御する。
【0042】
記憶装置103は、例えば、HDDやSSDなどの、記録媒体とそのドライバとからなる記憶装置部であり、種々のデータの記録媒体への記録、変更、削除を行う。記憶装置103は、必要となるデータやプログラムを記憶保持する他、種々の処理において生じる中間データを一時記憶する作業領域としても用いられる。対応対向機メモリ104は、HDDやSSDなどの記憶装置部の記録媒体に形成され、図1に示した拡張SIPサーバ5を通じて通話セッションの接続が可能な着信先の電話装置の電話番号(着信先電話番号)を記憶保持する。
【0043】
接続端105Tは、下位の電装装置との接続端を構成し、接続I/F105は、下位の電話装置との間での通信機能を実現する。この実施の形態においては、図1に示したように、接続端105T及び接続I/F105を通じて、PBX2が接続される。PBX2には、1以上の電話機3が収容されているので、各電話機3は、PBX2及びVoIP装置1を通じて、IP網6に接続される。パケット分解/生成部110は、パケット化されて送受される種々のデータの分解処理/生成処理を行う。
【0044】
すなわち、接続端101T及び通信I/F101を通じて受信されたパケットデータ(パケット化されたデータ)は、パケット分解/生成部110に供給される。パケット分解/生成部110は、これに供給されたパケットデータを分解処理して、制御データや音声データを抽出する。ここで抽出された、制御データは、制御部102に供給され、音声データは、接続I/F105及び接続端105Tを通じて、配下の電話機3に供給される。また、接続端105T及び接続I/F105を通じて受け付けた要求データや音声データは、パケット分解/生成部110に供給される。パケット分解/生成部110は、これに供給された要求データや音声データをパケット化してパケットデータを生成し、これを通信I/F101及び接続端101Tを通じてIP網6に送出し、相手先に送信する。
【0045】
アドレス登録処理部111は、制御部102の制御の下、自機に割り当てられている電話番号と自機のIP網6上の所在を示すIPアドレスとの登録を、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5との両方に行う機能を実現する。VoIP装置1においては、例えば、制御部102の不揮発性メモリに、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5のURL(Uniform Resource Locator)や自機に割り当てられたIPアドレス、契約者ID、パスワードなどの必要になる情報を記憶保持している。但し、上述したように、この実施の形態においては、VoIP装置1に対して割り当てられる電話番号は、VoIP装置1においては、把握されておらず、通常SIPサーバ4にアクセスすることにより提供される。
【0046】
このため、アドレス登録処理部111は、まず、通常SIPサーバ4のURLを用いて通常SIPサーバ4にアクセスして、自機の契約者ID及びパスワード、自機に割り当てられたIPアドレスやポート番号を含むレジスタ要求を提供する。通常SIPサーバ4においては、上述もしたように、契約者IDとパスワードを用いた認証処理を行い、認証が取れれば、図3を用いて説明した電話番号管理DB403の情報に基づいて、要求元に割り当てられている電話番号も特定できる。これにより、通常SIPサーバ4においては、要求元のVoIP装置1について特定した電話番号と、要求元のVoIP装置1から提供を受けたIPアドレスなどのアドレス情報の登録を行うことになる。更に、通常SIPサーバ4においては、レジスタ要求元のVoIP装置1に対して、特定した電話番号を通知する。これにより、VoIP装置1は、使用者の手を介することなく、自機に割り当てられた電話番号を把握できる。
【0047】
また、アドレス登録処理部111は、通常SIPサーバ4へのアドレス登録だけではなく、更に、拡張SIPサーバ5へのアドレス登録も行う。すなわち、通常SIPサーバ4へのアドレス登録を終え、自機に割り当てられた電話番号を取得したVoIP装置1のアドレス登録処理部111は、拡張SIPサーバ5のURLを用いて拡張SIPサーバ5にアクセスする。アドレス登録処理部111は、取得した自機の電話番号とIPアドレスとポート番号などの必要情報を含むレジスタ要求を形成して、拡張SIPサーバ5に提供する。これにより、拡張SIPサーバ5は、要求元のVoIP装置1の電話番号、IPアドレス、ポート番号を対応付けて、アドレス管理DB503に登録する処理を行う。このように、アドレス登録処理部111は、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5との両方にアドレス登録を行う機能を実現する。これにより、VoIP装置1は、通常SIPサーバ4を通じても、また、拡張SIPサーバ5を通じても、通話セッションの接続が可能になる。
【0048】
登録判別部112は、制御部102の制御の下、配下の電話機3からの電話を掛ける相手先(着信先)の電話番号(着信先電話番号)を含む発信要求を受け付けて、自機から発信する場合に機能する。登録判別部112は、対応対向機メモリ104の格納データを参照し、当該着信先電話番号が登録されているか否かを判別し、判別結果を制御部102に通知する。登録判別部112における判別結果が、登録されていないことを示す場合には、通常SIPサーバ4を介して発信を行う。また、登録判別部112における判別結果が、登録されていることを示す場合には、通常SIPサーバ4との通信状況に応じて、通常SIPサーバ4を介して発信を行うのか、拡張SIPサーバ5を介して発信を行うのかが決められる。
【0049】
第1の発信処理部113は、制御部102の制御の下、通常SIPサーバ4を通じて、発信メッセージを送信し、通話セッションを接続して通話を行うようにする場合に機能する。具体的には、登録判別部112により電話を掛ける相手先の電話番号(着信先電話番号)が対応対向機メモリ104に登録されていないと判別された場合と、通常SIPサーバ4との間の通信状態が正常である場合には、第1の発信処理部113が機能する。
【0050】
第1の発信処理部113は、自機が拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることを示す発信側所定情報を付加した発信メッセージ(INVITEメッセージ)を形成し、これを通常SIPサーバ4を介して着信先に送信するように機能する。発信側所定情報は、例えば、「SAXA」といったVoIP装置1の製造会社に由来する情報や「EXSV」といった拡張サーバ(Expansion server)の利用が可能なことを意味する情報などである。もちろん、ここで示した発信側所定情報は一例であり、予め決められる種々の情報を用いることができる。
【0051】
この実施の形態において、第1の発信処理部113は、発信側所定情報として、「SAXA」を用い、当該発信側所定情報は、発信メッセージ(INVITEメッセージ)のユーザエージェント(User Agent)ヘッダに付加して送信するものとする。このように、ユーザエージェントヘッダに発信側所定情報を付加するのは、当該発信メッセージが、どのようなサーバを経由したとしても、ユーザエージェントヘッダに記載された情報は各サーバを透過し、消滅することが無いためである。
【0052】
また、発信メッセージに発信側所定情報「SAXA」を付加して送信するのは、着信先の電話装置に対して、発信元の電話装置であるVoIP装置1が、通常SIPサーバ4だけでなく、拡張SIPサーバ5も利用可能なものであることを通知するためである。このようにして、着信先の電話装置において、発信元の電話装置が拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることが把握できることにより、以下の2つの利点がある。
【0053】
第1には、着信先の電話装置において、当該発信元の発信元電話番号を所定のメモリに登録しておくことにより、当該着信先の電話装置において、発信元の電話装置が拡張SIPサーバ5の利用が可能な相手先であることを判別できるようになる。第2に、着信先の電話装置において、発信メッセージに対応して返信する応答メッセージに着信側所定情報を付加して送信することにより、当該着信先の電話装置もまた、拡張SIPサーバ5を利用可能なものであることを通知できる。これにより、発信元の電話装置で、当該着信先の着信先電話番号を所定のメモリに登録しておくことにより、上述した登録判別部112の機能により、着信先の電話装置が拡張SIPサーバ5の利用が可能な相手先であることを判別できるようになる。
【0054】
このように、第1の発信処理部113の機能により、発信側所定情報を付加した発信メッセージを形成して送信することにより、発信元と着信先との相互において、拡張SIPサーバ5の利用が可能な相手先かどうかの確認が取れるようになる。なお、第1の発信処理部113においては、全ての発信メッセージに発信側所定情報を付加して送信するようにしてよい。しかし、これに限るものではなく、少なくとも対応対向機メモリ104に、着信先の電話番号が登録されていなかった場合に、発信メッセージに発信側所定情報を付加して送信するようにすればよい。
【0055】
第1の付加判別部114は、上述したように、第1の発信処理部113を通じて発信メッセージを送信することにより、着信先から返信されてくる応答メッセージが提供されるので、これを受け付ける。当該応答メッセージは、接続端101T及び通信I/F101を通じて受信されるものである。第1の付加判別部114は、制御部102の制御の下、この受け付けた応答メッセージに、着信先の電話装置が拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることを示す着信側所定情報が付加されているか否かを判別する。この実施の形態において、着信側所定情報もまた、発信側所定情報と同様に、例えば、「SAXA」といったVoIP装置1の製造会社に由来する情報や「EXSV」といった拡張サーバ(Expansion server)の利用が可能なことを意味する情報などである。
【0056】
この実施の形態では、着信側所定情報も「SAXA」であるものとし、応答メッセージ(応答コード(200 OK))のユーザエージェント(User Agent)ヘッダに付加されるものとする。このため、第1の付加判別部114は、受け付けた応答メッセージのユーザエージェントヘッダを確認し、着信側所定情報「SAXA」が付加されているか否かを判別し、判別結果を制御部102に通知する。
【0057】
第1の対向機登録処理部115は、制御部102の制御の下、第1の付加判別部114で、受け付けた応答メッセージに着信側所定情報が付加されていると判別された場合に機能する。この場合、第1の対向機登録処理部115は、受け付けた応答メッセージに含まれる着信先電話番号を対応対向機メモリ104に登録する処理を行う。これにより、電話を掛けた相手先(着信先)もまた、自機(発信元のVoIP装置1)と同様に、拡張SIPサーバ5の利用が可能な電話装置が用いられていることが把握できる。
【0058】
方路状態判別部116は、例えば、定期的に通常SIPサーバ4と通信を行うようにし、通常SIPサーバ4との間の通信状態を判別する。方路状態判別部116は、通常SIPサーバ4との間での通信が、少なくとも、以下の(1)~(3)の状態を判別し、判別結果を制御部102に通知する。すなわち、(1)正常に通信が可能な状態(正常様態)と、(2)応答がタイムアウトまでには至らないが所定時間を越える状態(遅延状態)と、(3)通信不能な状態(不能状態)を判別して、通知する。なお、通信状態の判別に時間がかからない場合には、方路状態判別部116は、配下の電話機からの発信要求を受け付けたときに、通常SIPサーバ4との通信状態を判別するようにしてもよい。
【0059】
第2の発信処理部117は、発信時に、登録判別部112で着信先電話番号が対応対向機メモリ104に登録されていると判別され、かつ、方路状態判別部116で通常SIPサーバ4との通信状態が正常状態でないと判別された場合に機能する。この場合、第2の発信処理部117は、制御部102の制御の下、発信メッセージを形成し、拡張SIPサーバ5を通じて当該発信メッセージを着信先に送信するように処理する。すなわち、通常SIPサーバ4を用いずに発信処理を行う機能を実現する。
【0060】
第2の付加判別部121は、接続端101T及び通信I/F101を通じて、自機宛ての発信メッセージ(自機宛ての着信)を受信した場合に、当該発信メッセージのユーザエージェントヘッダに発信側所定情報「SAXA」が付加されているか否かを判別する。自機宛ての発信メッセージに発信側所定情報が付加されている場合、発信元の電話装置は、拡張SIPサーバ5を利用可能なものであると判別できる。
【0061】
第2の対向機登録処理部122は、第2の付加判別部121により、受信した自機宛ての発信メッセージに発信側所定情報が付加されていると判別した場合に、当該発信メッセージに含まれる発信元電話番号を、対応対向機メモリ104に登録する処理を行う。これにより、自機に電話を掛けてきた発信元の電話装置は、拡張SIPサーバ5が利用可能なものであることが着信先のVoIP装置1において把握できるようになる。
【0062】
応答処理部123は、自機宛ての発信メッセージに応じた着信に応答する場合に、着信側所定情報「SAXA」を付加した応答メッセージ(応答コード(200 OK))を形成し、これを通常SIPサーバ4を用いるようにして発信元に送信する処理を行う。応答処理部123は、応答メッセージのユーザエージェントヘッダに、着信先所定情報「SAXA」を付加して、発信元に返信する。なお、応答処理部123は、全ての応答メッセージ着信側所定情報を付加するようにしてもよい。しかしこれに限るものではなく、少なくとも、受信した自機宛ての発信メッセージに発信側所定情報が付加されている場合に、その応答メッセージには、着信側所定情報を付加して送信するようにすればよい。
【0063】
このように、この実施の形のVoIP装置1は、アドレス登録処理部111が、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5との両方にアドレス登録を行う機能を実現する。また、登録判別部112、第1の発信処理部113、第1の付加判別部114、第1の対向機登録処理部115、方路状態判別部116、第2の発信処理部117が、発信時における処理を行う部分である。これらの各部の機能は、発信時における拡張SIPサーバ5の利用可能通知と、拡張SIPサーバ5の利用可能な対向機を登録し、把握可能にする機能を実現する。また、第2の付加判別部121、第2の対向機登録処理部122、応答処理部123は、着信時における処理を行う部分である。これらの各部の機能は、着信時における拡張SIPサーバ5の利用可能通知と、拡張SIPサーバ5の利用可能な対向機を登録し、把握可能にする機能を実現する。
【0064】
[電話通信システムで行われる処理の詳細]
次に、上述した構成の通常SIPサーバ4、拡張SIPサーバ5、VoIP装置1A、1Bが用いられて構成される、この実施の形態の電話通信システムにおいて行われる処理について説明する。
【0065】
<アドレス登録処理>
まず、VoIP装置1AまたはVoIP装置1BであるVoIP装置1がSIPサーバに対して行うアドレス登録処理について説明する。図7は、VoIP装置1から通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5へのアドレス登録処理を説明するためのシーケンス図である。アドレス登録処理は、VoIP装置1が、IP網6に接続された場合に行われる処理であり、IP網6に接続されたVoIP装置1において、アドレス登録処理を実行させる所定の操作が行われた場合にVoIP装置1から行う。
【0066】
まず、VoIP装置1においては、アドレス登録処理部111が機能し、通常SIPサーバ4にアクセスし、レジスタ(REGISTER)要求を形成して、これを通常SIPサーバに提供してアドレス登録を要求する(ステップS1)。実際には、VoIP装置1は、上述したように予め保持している通常SIPサーバ4のURLを用いて、通常SIPサーバ4にアクセスし、契約者IDやパスワードを提供して認証を取る。この後、VoIP装置1は、自機のIPアドレスやポート番号を含むレジスタ要求を提供して、アドレス管理DB404へのアドレス情報の登録を要求する。これにより、通常SIPサーバ4においては、認証が取れたVoIP装置1の電話番号を特定し、この電話番号と提供を受けたIPアドレスやポート番号をアドレス管理DB404に登録する。
【0067】
この後、通常SIPサーバ4は、要求元に割り当てられているものとして特定した電話番号を、当該レジスタ要求の要求元のVoIP装置1に通知する(ステップS2)。このステップS2の処理により、VoIP装置1においては、使用者の手入力に拠らず、自機に割り当てられた電話番号を取得することができる。次に、VoIP装置1のアドレス登録処理部111は、ステップS2で取得した自機に割り当てられている電話番号、IPアドレス、ポート番号などの必要情報を含むレジスタ要求を形成する。アドレス登録処理部111は、拡張SIPサーバ5のURLを用いて、拡張SIPサーバ5にアクセスし、形成したレジスタ要求を拡張SIPサーバ5に送信する(ステップS3)。拡張SIPサーバ5は、VoIP装置1からのレジスタ要求に応じて、VoIP装置1の電話番号、IPアドレス、ポート番号からなるアドレス情報を、アドレス管理DB503に登録する。
【0068】
このように、VoIP装置1は、自機のアドレス情報を通常SIPサーバ4と、拡張SIPサーバ5との両方に登録することができる。しかも、VoIP装置1は、使用者の手を煩わせることなく、自機に割り当てられた電話番号を通常SIPサーバ4から取得し、拡張SIPサーバ5に登録することができる。
【0069】
<通常SIPサーバ4を通じた通話セッション接続処理>
図8は、通常SIPサーバ4を通じて通話セッションを接続して通話を行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。具体的に図8に示す処理は、拠点AのVoIP装置1Aの配下の例えば電話機3A(1)から拠点Bに電話を掛ける場合であって、拠点BのVoIP装置1Bの電話番号が、VoIP装置1Aの対応対向機メモリ104に登録されていない場合の処理である。
【0070】
拠点Aの電話機3A(1)からの拠点Bの電話装置の電話番号(着信先電話番号)を含む発信要求を受け付けたVoIP装置1Aは、登録判別部112が機能して、当該着信先電話番号が、対応対向機メモリ104に登録されているか否かを判別する。登録判別部112により、着信先電話番号が対応対向機メモリ104に登録されていないと判別されたとする。この場合には、制御部102の制御の下、第1の発信処理部113が機能し、ユーザエージェントヘッダに発信側所定情報「SAXA」を付加した発信メッセージ(INVITE)を形成し、これを通常SIPサーバ4に送信する(ステップS11)。当該発信側所定情報は、発信元のVoIP装置1Aが、拡張SIPサーバ5を利用可能なものであることを示す情報である。
【0071】
通常SIPサーバ4は、当該発信メッセージの着信先電話番号に基づいて、アドレス管理DB404を参照し、拠点BのVoIP装置1BのIPアドレスを特定して、拠点BのVoIP装置1Bに発信メッセージ(INVITE)を送信する(ステップS12)。また、通常SIPサーバ4は、発信元のVoIP装置1Aに対して、接続の施行中であることを示すコード(100 Trying)を送信する(ステップS13)。
【0072】
一方、発信メッセージ(INVITE)を受信した着信先のVoIP装置1Bでは、受信した自機宛ての発信メッセージに、発信側所定情報が付加されている場合に、第2の付加判別部121が機能する。第2の付加判別部121は、受信した発信メッセージに含まれる発信元電話番号は、対応対向機メモリ104に登録されているか否かを判別する。
【0073】
第2の付加判別部121において、受信した発信メッセージに含まれる発信元電話番号は、対応対向機メモリ104には登録されていないと判別したとする。この場合には、着信先のVoIP装置1Bの第2の対向機登録処理部122が機能して、受信した発信メッセージに含まれる発信元電話番号を、対応対向機メモリ104に追加登録する(ステップS14)。この例に場合には、発信元のVoIP装置1Aに割り当てられている電話番号である「03-1111-1111」が、着信先のVoIP装置1Bの対応対向機メモリ104に登録される。
【0074】
更に、着信先のVoIP装置1Bでは、自機宛ての発信メッセージの受信に応じて、配下の電話機を鳴動させるようにし、呼び出し中を示すコード(180 Ringing)を通常SIPサーバ4に送信する(ステップS15)。これに応じて、通常SIPサーバ4は、当該呼び出し中を示すコード(180 Ringing)を中継し、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS16)。
【0075】
この後、着信先である拠点BのVoIP装置1Bの配下の例えば電話機3B(2)が、当該着信に応じて応答操作を行ったとする。この場合、上述したように、自機宛ての発信メッセージには、発信側所定情報「SAXA」が付加されていた。このため、着信先のVoIP装置1Bでは、応答処理部123が機能し、ユーザエージェントヘッダに着信側所定情報「SAXA」を付加した応答メッセージ(応答コード(200 OK))を形成し、これを通常SIPサーバ4に送信する(ステップS17)。これに応じて、通常SIPサーバ4は、当該応答メッセージ(応答コード(200 OK))を中継し、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS18)。
【0076】
発信元のVoIP装置1Aでは、第1の付加判別部114が機能し、受信した応答メッセージに着信側所定情報「SAXA」が付加されているか否かを判別する。この場合、上述したように、着信先のVoIP装置1Bからの応答メッセージには、着信側所定情報「SAXA」が付加されているので、第1の付加判別部114は、付加されていると判別することになる。この判別結果を受けて、発信元のVoIP装置1Aの第1の対向機登録処理部115は、受信した応答メッセージに含まれる着信先電話番号を、対応対向機メモリ104に追加登録する(ステップS19)。この例に場合には、着信先のVoIP装置1Bに割り当てられている電話番号である「03-9999-9999」が、発信元のVoIP装置1Aの対応対向機メモリ104に登録される。
【0077】
この後、発信元のVoIP装置1Aは、セッション確立確認通知(ACK)を、着信先のVoIP装置1Bに送信する(ステップS20)。これにより、発信元である拠点AのVoIP装置1Aと、着信先である拠点BのVoIP装置1Bとの間に通話セッションが確立され、RTP(Real-time Transport Protocol)を用いた音声通話が行われる(ステップS21)。
【0078】
通話が終了し、例えば、着信側の電話機3B(2)がオンフック操作をすると、VoIP装置1Bは、セッション終了通知(BYE)を、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS22)。これに応じて、発信元のVoIP装置1Aが、応答コード(200 OK)を着信先のVoIP装置1Bに送信することにより(ステップS23)、確立された通話セッションが終了する。
【0079】
このように、電話番号が対応対向機メモリ104に登録されていない相手先に電話を掛ける場合には、通常通り通常SIPサーバ4を用いて、通話セッションを接続するようにする。この場合に、発信側所定情報と着信側所定情報の送受を行うことによって、発信元と着信先の電話装置が、拡張SIPサーバ5を利用可能なものかどうかを確認し、その登録を行うことができる。
【0080】
なお、ここでは、ステップS17において、応答メッセージ(応答コード(200 OK))に着信側所定情報「SAXA」を付加したが、これに限るものではない。ステップS14において、着信側における対応対向機の追加処理は終了している。このため、ステップS15において、応答処理部123が機能し、呼び出し中を示すコード(180 Ringing)のユーザエージェントヘッダに着信側所定情報「SAXA」を付加してこれを送信してもよい。この場合には、着信側において応答する前の呼び出し中の段階で、着信側所定情報を発信側に通知し、発信側である拠点AのVoIP装置1Aにおいて、対応対向機追加処理(着信側の電話番号登録)が可能になる。
【0081】
このように、着信側からの着信側所定情報の通知は、発信側からの発信側所定情報の通知を受けた後の適宜の段階で行うことができる。この場合、発信側においては、着信側からのメッセージについては、ユーザエージェントヘッダに着信側所定情報「SAXA」が付加されているか否かを判別し、付加されている場合に電話番号登録を行うようにすればよい。
【0082】
<拡張SIPサーバ5を通じた通話セッションの接続処理>
図9は、拡張SIPサーバを通じて通話セッションを接続して通話を行う場合の処理を説明するための図である。ここでも、拠点AのVoIP装置1Aの配下の例えば電話機3A(1)から拠点Bに電話を掛ける場合を例にして説明する。但し、この図9に示す処理は、上述した図8を用いて説明した処理により、拠点AのVoIP装置1Aの対応対向機メモリ104には、着信先となるVoIP装置1Bの電話番号「03-9999-9999」が登録されているものとする。また、拠点BのVoIP装置1Bの対応対向機メモリ104には、発信元となるVoIP装置1Aの電話番号「03-1111-1111」が登録されているものとする。
【0083】
拠点Aの電話機3A(1)からの拠点Bの電話装置の電話番号(着信先電話番号)を含む発信要求をVoIP装置1Aが受け付けたとする。この場合、VoIP装置1Aは、登録判別部112が機能して、当該着信先電話番号が、対応対向機メモリ104に登録されているか否かを判別する(ステップS31)。この例の場合には、図8を用いて説明した処理により、既に登録されているため、着信先電話番号は対応対向機メモリ104に登録されていると判別できる。このため、次に、制御部102は、方路状態判別部116の判別結果に基づいて、通常SIPサーバ4との間の方路状況(通信状態)を確認する(ステップS32)。この場合に、通常SIPサーバ4に例えばアクセスが集中し、通信が輻輳しているために、通信状態は遅延状態であると確認されたとする。
【0084】
この場合には、通常通りに通常SIPサーバ4を用いたのでは、迅速に相手先に電話を掛けることができない。そこで、この場合には、制御部102は、第2の発信処理部117を制御して、拡張SIPサーバ5を用いて発信を行うようにする。すなわち、制御部102の制御の下、第2の発信処理部117が機能し、着信先を拠点B(着信先電話番号「03-9999-9999」)とする発信メッセージ(INVITE)を形成し、これを拡張SIPサーバ5に送信する(ステップS33)。
【0085】
拡張SIPサーバ5は、当該発信メッセージの着信先電話番号に基づいて、アドレス管理DB503を参照し、拠点BのVoIP装置のIPアドレスを特定して、拠点BのVoIP装置1Bに発信メッセージ(INVITE)を送信する(ステップS34)。また、拡張SIPサーバ5は、発信元のVoIP装置1Aに対して、接続の施行中であることを示すコード(100 Trying)を送信する(ステップS35)。
【0086】
着信先のVoIP装置1Bでは、自機宛ての発信メッセージの受信に応じて、配下の電話機を鳴動させるようにし、呼び出し中を示すコード(180 Ringing)を拡張SIPサーバ5に送信する(ステップS36)。これに応じて、拡張SIPサーバ5は、当該呼び出し中を示すコード(180 Ringing)を中継し、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS37)。
【0087】
この後、着信先である拠点BのVoIP装置1Bの配下の例えば電話機3B(2)が、当該着信に応じて応答操作を行ったとする。この場合、着信先のVoIP装置1Bでは、応答処理部123が機能し、応答メッセージ(応答コード(200 OK))を形成し、これを拡張SIPサーバ5に送信する(ステップS38)。これに応じて、拡張SIPサーバ5は、当該応答メッセージ(応答コード(200 OK))を中継し、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS39)。
【0088】
この後、発信元のVoIP装置1Aは、セッション確立確認通知(ACK)を、着信先のVoIP装置1Bに送信する(ステップS40)。これにより、発信元である拠点AのVoIP装置1Aと、着信先である拠点BのVoIP装置1Bとの間に通話セッションが確立され、RTP(Real-time Transport Protocol)を用いた音声通話が行われる(ステップS41)。
【0089】
通話が終了し、例えば、着信側の電話機3B(2)がオンフック操作をすると、VoIP装置1Bは、セッション終了通知(BYE)を、発信元のVoIP装置1Aに送信する(ステップS42)。これに応じて、発信元のVoIP装置1Aが、応答コード(200 OK)を着信先のVoIP装置1Bに送信することにより(ステップS43)、確立された通話セッションが終了する。
【0090】
このように、電話番号が対応対向機メモリ104に登録されている相手先に電話を掛ける場合であって、通常SIPサーバ4との通信状態が良好でない場合には、拡張SIPサーバ5を用いるように方路(通信パス)を変更することができる。これにより、電話が掛かり難くなる状況を回避し、いつでも適切に電話を掛けることができる状況を維持することが可能になる。
【0091】
[VoIP装置1A、1Bで行われる処理]
次に、VoIP装置1A、1Bで行われる処理について、フローチャートを参照しながらまとめる。以下においては、発信時の処理と、着信時の処理に分けて説明する。
【0092】
<発信時の処理>
図10は、VoIP装置1の発信時の処理を説明するためのフローチャートである。図10に示す処理は、配下の電話機3からの相手先(着信先)の電話番号(着信先電話番号)を含む発信要求を受け付けた場合に、VoIP装置1の制御部102において実行される。
【0093】
まず、制御部102は、登録判別部112を制御して、配下の電話機3からの発信要求に含まれる着信先電話番号が、対応対向機メモリ104に登録されているか否かを判別し、その判別結果を確認する(ステップS101)。制御部102は、ステップS101の確認結果が、登録済みか否かを判別する(ステップS102)。ステップS102の判別処理において、登録済みでない(未登録である)と判別したとする。この場合には、制御部102は、第1の発信処理部113を制御して、発信側所定情報を付加した発信メッセージを形成し、これを通常SIPサーバ4を通じて、着信先に送信するように処理する(ステップS103)。
【0094】
当該発信メッセージの送信に伴い、当該着信先から送信されて来る応答メッセージを受信し、これを第1の付加判別部114に供給して、着信側所定情報が付加されているか否かを判別するようにし、その判別結果を確認する(ステップS104)。制御部102は、ステップS104の確認結果が、応答メッセージに着信側所定情報が有るか否か(付加されているか否か)を判別し、有る(付加されている)と判別したとする。この場合、制御部102は、第1の対向機登録処理部115を制御し、当該応答メッセージに付加されている相手先の電話番号(着信先電話番号)を対応対向機メモリ104に登録する(ステップS106)。
【0095】
ステップS105の判別処理において、応答メッセージに着信側所定情報は無い(付加されていない)と判別した場合と、ステップS106の処理の後においては、着信先との間に通話セッションを接続して通話を行うようにする(ステップS107)。ステップS107の処理では、通常SIPサーバ4を仲介サーバとして用い、IP網6を通じて通話セッションを接続する通常の接続シーケンスを実行し、通話セッションを接続して通話を行うようにする。この後、通話が終了すれば、接続した通話セッションを解放して、図10に示すフローチャートの処理を終了する。
【0096】
また、ステップS102の判別処理において、着信先電話番号は対応対向機メモリ104に登録済であると判別したとする。この場合には、制御部102は、方路状態判別部116からの通常SIPサーバ4との間の通信状態の判別結果を確認する(ステップS108)。制御部102は、ステップS108の確認結果が、正常状態か否かを判別し(ステップS109)、正常状態ではないと判別したとする。この場合、制御部102は、方路変更を行う(ステップS110)。すなわち、通常SIPサーバ4を用いるのではなく、第2の発信処理部117を制御して、拡張SIPサーバ5を用いるようにて、発信処理を行う。
【0097】
この場合には、目的とする着信先への発信メッセージを形成し、拡張SIPサーバ5を通じて、目的とする着信先に送信するように処理することになる(ステップS111)。この後、当該発信メッセージの送信に伴い、当該着信先から送信されて来る応答メッセージを受信し(ステップS112)、ステップS107の処理を行うようにして、通話セッションを接続し、通話を行うようにする。通話が終了すれば、接続した通話セッションを解放して、図10に示すフローチャートの処理を終了する。
【0098】
このように、発信側のVoIP装置1においては、着信先が拡張SIPサーバ5の利用が可能なものか否かが不明の場合には、これを確認し、拡張SIPサーバ5の利用が可能な着信先については、着信先電話番号を対応対向機メモリ104に登録する。対応対向機メモリ104に電話番号が登録されている着信先に電話を掛ける場合には、まず、通常SIPサーバ4との間の通信状態を確認し、通信状態が悪ければ、拡張SIPサーバ5を用いて発信を行うように方路変更ができる。
【0099】
<受信時の処理>
図11は、VoIP装置1の着信時の処理を説明するためのフローチャートである。図11に示す処理は、自機宛ての発信メッセージを受信した場合に、VoIP装置1の制御部102において実行される。自機宛ての発信メッセージは、接続端101T及び通信I/F101を通じて受信され、パケット分解/生成部110で分解処理されて、自機において処理可能な状態にされた後に、制御部102に供給される。制御部102は、これを第2の付加判別部121に供給し、ユーザエージェントヘッダに発信側所定情報「SAXA」が付加されているか否かを判別させ、その結果を確認する(ステップS201)。
【0100】
制御部102は、ステップS201の確認結果が、発信側所定情報「SAXA」が有るか(付加されているか)否かを判別する(ステップS202)。ステップS202の判別処理において、受信した自機宛ての発信メッセージには、発信側所定情報「SAXA」が有ると判別したとする。この場合には、制御部102は、第2の対向機登録処理部122を制御し、発信メッセージに含まれる発信元電話番号を対応対向機メモリ104に登録する処理を行う(ステップS203)。
【0101】
この後、制御部102は、応答処理部123を制御し、ユーザエージェントヘッダに着信側所定情報「SAXA」を付加した応答メッセージを形成し、発信元に送信する処理を行う(ステップS204)。この後、通話セッションの通常の接続シーケンスを実行して、通話セッションを接続して通話を行うようにし、通話が終了すれば、接続した通話セッションを解放して(ステップS205)、この図11に示す処理を終了する。
【0102】
また、ステップS202の判別処理において、受信した自機宛ての発信メッセージには、発信側所定情報「SAXA」は無いと判別したとする。この場合には、制御部102は、応答処理部123を制御し、通常の応答メッセージを形成し、発信元に送信する処理を行う(ステップS206)。この後、ステップS205の処理に進み、上述したように通話セッションを接続して通話を行い、終了したら通話セッションを解放して(ステップS205)、この図11の処理を終了する。
【0103】
この図11に示した処理は、発信側のVoIP装置1が選択した方路、すなわち、通常SIPサーバ4または拡張SIPサーバ5を仲介サーバとして用いて、通話セッションを接続し、通話を可能にする。図11に示した処理では、発信元の電話装置が、拡張SIPサーバ5の利用が可能である場合、すなわち、発信側所定情報「SAXA」が、発信メッセージに付加されていたとする。この場合には、着信側のVoIP1において、拡張SIPサーバ5の利用が可能な相手先として、発信元の電話番号を対応対向機メモリ104に記録して、これを把握できようにする。
【0104】
また、発信側の電話装置が拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであり、着信側のVoIP装置1が、拡張SIPサーバ5の利用が可能なものである場合には、拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることを、発信側の電話装置に通知できる。これにより、図10の処理と図11の処理により、相互に拡張SIPサーバ5の利用が可能なものである場合、これを通知し合い、把握できるようにする。
【0105】
[電話通信システムの方路選択処理のまとめ]
図12は、実施の形態のVoIP装置で行われる方路選択処理について説明するための図である。初めて通話セッションを接続する相手先の場合、相互に相手先が、拡張SIPサーバ5の利用が可能なものか否かは把握していない。この場合、図12(A)において、VoIP装置1A、1Bの内部に記載したように、初期状態においては、VoIP装置1AもVoIP装置1Bも、お互いに拡張SIPサーバ5の利用が可能なものかどうかの把握はできていない。
【0106】
しかし、図12(A)に示すように、通常であれば、必ず仲介サーバとして用いることになる通常SIPサーバ4を通じて、1度でも通話セッションを接続するようにしていれば、発信側所定情報「SAXA」と着信側所定情報「SAXA」の送受が行われる。この発信側所定情報「SAXA」と着信側所定情報「SAXA」は、拡張SIPサーバ5の利用が可能な電話装置であることを示す情報である。上述した実施の形態では、VoIP装置1A側から発信するものとして説明した。
【0107】
従って、発信側所定情報「SAXA」の有無、着信側所定情報「SAXA」の有無に基づき、VoIP装置1A、1Bにおいて、対応対向機メモリ104への電話番号の自動登録が可能になる。これにより、発信側のVoIP装置1Aでは、着信先電話番号「03-9999-9999」を対応対向機メモリ104に登録することにより、着信先のVoIP装置1Bが、拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることが把握できるようになる。また、着信側のVoIP装置1Bでは、発信元電話番号「03-1111-1111」を対応対向機メモリ104に登録することにより、発信元のVoIP装置1Aが、拡張SIPサーバ5の利用が可能なものであることが把握できるようになる。
【0108】
これにより、拠点AのVoIP装置1Aの配下の電話機3Aと、拠点BのVoIP装置1Bの配下の電話機3Bとの間で通話を行う場合には、2回目以降の通話接書の接続処理時においては、方路(通信パス)の選択ができる。すなわち、図12(B)に示したように、通常SIPサーバ4との通信状態が正常ではない、例えば通信遅延が発生している場合には、発信側のVoIP装置1において、方路(通信パス)の変更が可能になる。つまり、通常時は用いることのない、拡張SIPサーバ5を用いて通話セッションを接続し、通話を行うことができる。
【0109】
なお、VoIP装置1A側からVoIP装置1B側に発信する場合だけでなく、VoIP装置1B側からVoIP装置1A側には発信する場合にも同様に処理できる。すなわち、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5の両方を介して通話セッションを接続することができる種々の電話装置間において、通話セッションを接続し、通話を行う場合において、同様に処理することが可能である。
【0110】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態のVoIP装置1A、1Bを用いることにより、通常SIPサーバ4に対して接続し難くなるなどの通信状態が悪くなった場合に、使用者(ユーザ)の手を煩わせることなく、拡張SIPサーバ5を用いるように方路を選択することができる。これにより、常時、安定してIP網を通じて通話を行うことができる。
【0111】
また、VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4と、拡張SIPサーバ5のそれぞれにアドレス登録を行うことができる。この場合に、自機に割り当てられる電話番号は、通常SIPサーバ4から提供を受けることができるので、自機が用いる電話番号の登録の必要も無い。
【0112】
これにより、通常SIPサーバ4との間の通常状態が悪化したことを使用者自身が認識し、使用者自身が手動により接続先をバックアップサーバに切り替えるといった、技術者でないと対応できないような作業を介在させることなく、方路の選択が可能になる。従って、エンドユーザにとってより使いがってのよいVoIP装置等の方路選択装置を実現できる。
【0113】
[変形例]
なお、上述した実施の形態では、VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4と拡張SIPサーバ5のURLを保持いているものとして説明したが、これに限るものではない。通常SIPサーバ4のURLは、予め保持するようにするが、拡張SIPサーバ5のURLは、通常SIPサーバ4から提供を受けるようにすることもできる。上述したように、通常SIPサーバ4に対しては、適切に認証が取れなければアクセスできないので、信頼性の高いURLの提供を受けることが可能になる。
【0114】
また、上述した実施の形態では、VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4から、自機に割り当てられるべき電話番号の提供を受けるものとして説明した。しかし、これに限るものではない。電話会社との契約により、自機に割り当てられるべき電話番号が分かっている場合には、これを使用者によりVoIP装置1A、1Bに設定するようにしてもよい。この場合には、VoIP装置1A、1Bは、自機に割り当てられた電話番号と、IPアドレスと、ポート番号とを、通常SIPサーバ4と、拡張SIPサーバ5の双方に通知し、アドレス登録を要求するようにしてもよい。
【0115】
また、上述した実施の形態では、発信側所定情報と着信側所定情報は、ユーザエージェントヘッダに付加するものとして説明したが、これに限るものではない。SIP(Session Initiation Protocol)により送受されるメッセージやコードにおいて、種々のサーバ等を経由しても消滅することない部分に、発信側所定情報、着信側所定情報を付加するようにすればよい。
【0116】
また、上述した実施の形態では、拡張SIPサーバ5は、1つであるものとして説明したが、これに限るものではない。複数の拡張SIPサーバ5を設けるようにしてももちろんよい。この場合、VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4と、複数の拡張SIPサーバ5のそれぞれにアドレス登録を行うようにする。VoIP装置1A、1Bは、通常SIPサーバ4と、複数の拡張SIPサーバ5のそれぞれとの通信状態を把握するようにし、発呼時において、一番通状態が良好なサーバ装置を介して、発信を行うように、方路(通信パス)の選択を行うようにすればよい。
【0117】
また、上述もしたように、VoIP装置には、例えば、ルータや拠点ごとに設けられるSIPサーバなど、各拠点に形成された電話ネットワークとIP網6とを接続するための機能を実現するための種々の装置が含まれる。従って、この発明は、各拠点に形成された電話ネットワークとIP網6とを接続するための機能を実現するための種々の装置に適用することが可能である。このため、IP網6に直接に接続されるIP電話機に対して、この発明を適用することも可能である。
【0118】
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項の記憶手段の機能は、実施の形態のVoIP装置1の対応対向機メモリ104が実現し、請求項の登録処理手段の機能は、VoIP装置1のアドレス登録処理部111が実現している。また、請求項の登録判別手段の機能は、VoIP装置1の登録判別部112が実現し、請求項の第1の発信処理手段の機能は、VoIP装置1の第1の発信処理部113が実現している。また、請求項の第1の付加判別手段の機能は、VoIP装置1の第1の付加判別部114が実現し、請求項の第1の対向機登録手段の機能は、VoIP装置1の第1の対向機登録処理部115が実現している。また、請求項の状態判別手段の機能は、VoIP装置1の方路状態判別部116が実現し、請求項の確認手段の機能は、VoIP装置1の制御部102が実現し、請求項の第2の発信処理手段の機能は、VoIP装置1の第2の発信処理部117が実現している。
【0119】
また、請求項の第2の付加判別手段の機能は、VoIP装置1の第2の付加判別部121が実現し、請求項の第2の対向機登録手段の機能は、VoIP装置1の第2の対向機登録処理部122が実現している。また、請求項の応答処理手段の機能は、VoIP装置1の応答処理部123が実現している。
【0120】
また、図8図9のシーケンス図、及び、図10図11のフローチャートを用いて説明した方法が、この発明による方路選択方法の一実施の形態が適用されたものである。また、図10図11に示したフローチャートに示した処理を実行するプログラムを作成し、VoIP装置に搭載して制御部で実行可能にしておくことにより、この発明の方路選択装置を実現することができる。
【0121】
すなわち、アドレス登録処理部111、登録判別部112、第1の発信処理部113、第1の付加判別部114、第1の対向機登録処理部115の機能は、制御部102で実行されるプログラムにより、制御部102の機能として実現することもできる。また、方路状態判別部116、第2の発信処理部117、第2の付加判別部121、第2の対向機登録処理部122、応答処理部123の機能は、制御部102で実行されるプログラムにより、制御部102の機能として実現することもできる。同様に、パケット分解/生成部110の機能は、制御部102で実行されるプログラムにより、制御部102の機能として実現することもできる。
【符号の説明】
【0122】
1、1A、1B…VoIP装置、101T…接続端、101…通信I/F、102…制御部、103…記憶装置、104…対応対向機メモリ、105…接続I/F、105T…接続端、110…パケット分解/生成部、111…アドレス登録処理部、112…登録判別部、113…第1の発信処理部、114…第1の付加判別部、115…第1の対向機登録処理部、116…方路状態判別部、117…第2の発信処理部、121…第2の付加判別部、122…第2の対向機登録処理部、123…応答処理部、2、2A、2B…PBX、3、3A(1)、3A(2)、3B(1)、3B(2)…電話機、4…通常SIPサーバ、401T…接続端、401…通信I/F、402…制御部、403…電話番号管理DB、404…アドレス管理DB、405…認証処理部、406…アドレス管理部、407…電話番号提供部、408…接続制御部、5…拡張SIPサーバ、501T…接続端、501…通信I/F、502…制御部、503…アドレス管理DB、504…アドレス管理部、505…接続制御部、6…IP網
図1
図2
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図11
図12