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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ガラス板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/027 20060101AFI20240117BHJP
   C03B 33/04 20060101ALI20240117BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20240117BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
C03B33/027
C03B33/04
B28D5/00 Z
B26F3/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020001457
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021109788
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】松伏 泰生
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 将雄
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 博司
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-051415(JP,A)
【文献】特開2015-027933(JP,A)
【文献】国際公開第2018/070345(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/002089(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/244712(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 33/02 - 33/04
B26F 1/00 - 3/16
B28D 1/00 - 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マザーガラスと、前記マザーガラスの表面を押圧しつつ移動することで該マザーガラスの表面に塑性変形による凹状線を形成するために用いるスクライブチップとを準備する準備工程と、前記マザーガラスの表面の閉曲線を含む切断予定線に沿ってスクライブ線を形成するスクライブ工程と、前記マザーガラスを前記スクライブ線に沿って折割ることで、前記マザーガラスから前記閉曲線に対応する外輪郭形状をなすガラス板を分離させる折割工程と、を備え、
前記スクライブ工程では、前記マザーガラスの表面で、前記閉曲線が、連続して繋がる複数の単位閉曲線からなるものと仮定すると共に、前記切断予定線が、前記複数の単位閉曲線を別々に含む複数の単位切断予定線からなるものと仮定して、前記複数の単位切断予定線に沿って別々に前記スクライブチップを押圧させつつ移動させることで、前記複数の単位切断予定線ごとに塑性変形による単位凹状線をそれぞれ形成し、然る後、それらの単位凹状線にそれぞれ対応する初期クラックを形成して、それらの初期クラックをそれらの単位凹状線に沿って別々に伸展させることで、複数の単位スクライブ線が連続して繋がった前記スクライブ線を形成することを特徴とするガラス板の製造方法。
【請求項2】
前記スクライブ工程では、前記複数の単位切断予定線が、2つの単位切断予定線である請求項1に記載のガラス板の製造方法。
【請求項3】
前記スクライブ工程では、前記複数の単位閉曲線がそれぞれ、直線部分と湾曲線部分とを有する請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
【請求項4】
前記スクライブ工程では、前記複数の単位切断予定線が何れも、前記単位閉曲線と、前記単位閉曲線の一端から前記閉曲線の外側に延出する単位延出線とからなる請求項1~3の何れかに記載のガラス板の製造方法。
【請求項5】
前記スクライブ工程では、前記複数の単位閉曲線のうち、一の単位閉曲線とこれに隣接する他の単位閉曲線とがそれぞれ、直線部分とこれに連なる湾曲線部分とを有し、前記一の単位閉曲線の一端から延出する単位延出線は、前記一の単位閉曲線の直線部分と同一直線に沿って延出し且つ前記他の単位閉曲線の湾曲線部分の接線に沿って延出する請求項4に記載のガラス板の製造方法。
【請求項6】
前記スクライブ工程では、前記単位延出線が、前記マザーガラスの端縁に到達している請求項4または5に記載のガラス板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉曲線を含む切断予定線を表面に有するマザーガラスから、閉曲線に対応する外輪郭形状をなすガラス板を分離するために用いられる製法技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板の製造の分野では、マザーガラスの表面に閉曲線をなすスクライブ線を形成して、マザーガラスから閉曲線に対応する外輪郭形状をなす製品または製品の元になるガラス板を分離する製法技術が公知となっている。
【0003】
その具体例として、特許文献1に開示されたガラス板の製造方法が挙げられる。この製造方法は、まず、マザーガラス(同公報では脆性材料基板)に、閉曲線をなす輪郭用スクライブ線と、輪郭用スクライブ線に外側から近接する補助スクライブ線とを形成する。次いで、亀裂を補助スクライブ線に沿って伸展させた後、補助スクライブ線から輪郭用スクライブ線に沿って亀裂を伸展させることで、マザーガラスからガラス板(同公報では製品基板)を分離させるものである。
【0004】
ここで、特許文献1に開示の輪郭用スクライブ線は、スクライブホイールやスクライブカッターなどによってマザーガラスの表面に切り込まれた細溝状の線であると解される(同文献に特許文献1として挙げられている特許第5171522号の段落[0015]、[0016]等、及び同文献に特許文献2として挙げられている特開2014-217982号公報の[請求項2]等参照)。このような手法で輪郭用スクライブ線を形成する際には、当該スクライブ線の縁部でマザーガラスの表面に平行な方向に延びるクラック(ラテラルクラック)が形成される。このラテラルクラックは、マザーガラスから分離した後のガラス板に残存するため、ガラス板の機械的強度を低下させる要因になる。そのため、当該ガラス板の端面には、ラテラルクラックを除去するための面取り加工等が必要になり、ガラス板の製造に要する工数の増加や時間の長期化を招く。
【0005】
このような問題に対処する製法技術として、特許文献2に開示されたガラス板の製造方法が挙げられる。この製造方法は、スクライブチップによりマザーガラスの表面に塑性変形による凹状線を形成する工程と、この凹状線に対応する位置に初期クラックを形成する工程と、この初期クラックを凹状線に沿って伸展させる工程とを備えている。なお、上述の初期クラックを伸展させて得られるスクライブ線(同公報ではクラックC)は、閉曲線ではなく直線として形成されている。この製造方法によれば、マザーガラスの表面をスクライブチップの押圧により塑性変形させることで、ラテラルクラックが存在しない凹状線を形成することができる。これにより、マザーガラスから分離されたガラス板の端面には、ラテラルクラックが存在しない状態となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-43010号公報
【文献】特開2019-89672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2に開示のように塑性変形による凹状線を形成する手法を、特許文献1に開示のように閉曲線をなすスクライブ線を形成する手法に適用した場合、以下に示すような問題が生じる。
【0008】
すなわち、閉曲線を有する切断予定線の形状が、長い曲線部分を含んでいたり、直線部分と曲線部分とを繰り返し含んでいたりすると、凹状線の途中でクラックの伸展が停止してしまう場合がある。このような事態が生じた場合には、マザーガラスを廃棄せざるを得ず、製品歩留まりの悪化並びに生産効率の低下を招くおそれがある。
【0009】
以上の観点から、本発明は、マザーガラスの表面に閉曲線を含む形態のスクライブ線を形成するスクライブ工程で、ラテラルクラックの発生を抑止しつつ、塑性変形による凹状線の全長に亘って初期クラックを円滑に伸展させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために創案された本発明は、マザーガラスと、前記マザーガラスの表面を押圧しつつ移動することで該マザーガラスの表面に塑性変形による凹状線を形成するために用いるスクライブチップとを準備する準備工程と、前記マザーガラスの表面の閉曲線を含む切断予定線に沿ってスクライブ線を形成するスクライブ工程と、前記マザーガラスを前記スクライブ線に沿って折割ることで、前記マザーガラスから前記閉曲線に対応する外輪郭形状をなすガラス板を分離させる折割工程と、を備え、前記スクライブ工程では、前記マザーガラスの表面で、前記閉曲線が、連続して繋がる複数の単位閉曲線からなるものと仮定すると共に、前記切断予定線が、前記複数の単位閉曲線を別々に含む複数の単位切断予定線からなるものと仮定して、前記複数の単位切断予定線に沿って別々に前記スクライブチップを押圧させつつ移動させることで、前記複数の単位切断予定線ごとに塑性変形による単位凹状線をそれぞれ形成し、然る後、それらの単位凹状線にそれぞれ対応する初期クラックを形成して、それらの初期クラックをそれらの単位凹状線に沿って別々に伸展させることで、複数の単位スクライブ線が連続して繋がった前記スクライブ線を形成することに特徴づけられる。
【0011】
このような構成によれば、スクライブ工程で、まず、閉曲線を含む切断予定線が、複数の単位閉曲線を別々に含む複数の単位切断予定線からなるものと仮定すると共に、それら複数の単位切断予定線ごとに塑性変形による単位凹状線をそれぞれ形成する。これにより、マザーガラスの表面にはラテラルクラックが発生し難くなる。この後、複数の初期クラックがそれらの単位凹状線に沿って別々に伸展することで、スクライブ線が形成される。したがって、閉曲線に沿うスクライブ線を形成する際に、一つの初期クラックは、切断予定線に沿って形成される凹状線の全長よりも短い距離を伸展するだけで済む。これにより、初期クラックの伸展が凹状線の途中で停止する弊害が生じ難くなり、マザーガラスの廃棄量が減少するなどして、製品歩留まりの向上並びに生産効率の改善が図られる。
【0012】
この製造方法において、前記複数の単位切断予定線が、2つの単位切断予定線であってもよい。
【0013】
このように複数の単位切断予定線を、2つの単位切断予定線としたことに伴って、上述の複数の単位閉曲線が、2つの単位閉曲線になり、上述の複数の塑性変形による単位凹状線が、2つの塑性変形による単位凹状線になり、上述の複数の初期クラックが、2つの初期クラックになり、上述の複数の単位スクライブ線が、2つの単位スクライブ線になる。このようにすれば、凹状線に沿って個々の初期クラックを伸展させる距離を半分にすることができる。
【0014】
以上の製造方法において、前記スクライブ工程では、前記単位閉曲線が、直線部分と湾曲線部分とを有するようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、閉曲線を複数の単位閉曲線としたことによる格別の効果が得られる。すなわち、初期クラックは、凹状線が湾曲している箇所で伸展し難くなるため、閉曲線が多数箇所に湾曲線部分を有している場合には、初期クラックの伸展が停止する確率が大きくなる。これに対して、本発明に係る構成のように、閉曲線が複数の単位閉曲線からなるようにすれば、各単位閉曲線に存在する湾曲線部分の個数を減らすことができ、初期クラックの伸展が停止する確率を小さくすることができる。
【0016】
以上の製造方法において、前記スクライブ工程では、前記複数の単位切断予定線が何れも、前記単位閉曲線と、前記単位閉曲線の一端から前記閉曲線の外側に延出する単位延出線とからなるようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、複数の単位切断予定線が何れも、単位閉曲線だけでなく単位延出線をも含むため、それらの単位切断予定線に沿って形成される個々の単位凹状線は、個々の単位延出線に対応する個々の凹状線部分を含むことになる。したがって、それらの単位延出線に対応する個々の凹状線部分に初期クラックをそれぞれ形成すれば、それらの初期クラックを個々の単位凹状線に沿ってそれぞれ伸展させることが可能になる。これにより、複数の初期クラックを形成する作業が容易化される。
【0018】
この製造方法において、前記スクライブ工程では、前記複数の単位閉曲線のうち、一の単位閉曲線とこれに隣接する他の単位閉曲線とがそれぞれ、直線部分とこれに連なる湾曲線部分とを有し、前記一の単位閉曲線の一端から延出する単位延出線は、前記一の単位閉曲線の直線部分と同一直線に沿って延出し且つ前記他の単位閉曲線の湾曲線部分の接線に沿って延出するようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、一の単位閉曲線の一端から延出する単位延出線と、一の単位閉曲線の直線部分とが、一直線上に連なるため、その一直線上に形成される凹状線に沿って初期クラックを円滑に伸展させることができる。また、一の単位閉曲線の一端から延出する単位延出線が、これに隣接する他の単位閉曲線の湾曲線部分の接線に沿って延出するため、一の単位閉曲線に沿って形成される単位スクライブ線と、他の単位閉曲線に沿って形成される単位スクライブ線との繋ぎ部分が滑らかに形成される。したがって、2つの単位スクライブ線の繋ぎ部分が滑らかに形成されない場合には、繋ぎ部分に欠陥等が発生し得るが、ここでの構成によれば、そのような不具合が生じ難くなる。
【0020】
これらの製造方法において、前記スクライブ工程では、前記単位延出線が、前記マザーガラスの端縁に到達するようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、スクライブチップが単位延出線に沿って凹状線を形成する際に、マザーガラスの中央側領域から端縁に向かって凹状線を形成していくようにした場合に有利となる。すなわち、この場合には、スクライブチップがマザーガラスの端縁を通過する時点で、スクライブチップにより当該端縁に切り込み(傷や欠け等)を入れて初期クラックを形成することができる。そのため、初期クラックを他の工具等を用いて別途形成する必要がなくなり、スクライブ線を形成する作業の簡略化が図られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、マザーガラスの表面に閉曲線を含む形態のスクライブ線を形成するスクライブ工程で、ラテラルクラックの発生を抑止しつつ、塑性変形による凹状線の全長に亘って初期クラックを円滑に伸展させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法の手順を示す工程図である。
図2】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法で用いるマザーガラスを示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法で用いるスクライブチップの主要部を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法で用いるスクライブチップの作用を示す概略側面図である。
図5】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスの表面に形成された凹状線を示す縦断正面図である。
図6】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法で用いるスクライブチップの主要部の他の例、及び当該製造方法によりマザーガラスの表面に形成された凹状線の他の例を示す縦断正面図である。
図7】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法で用いるマザーガラスの表面の切断予定線を説明するための平面図である。
図8】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスにスクライブ線を形成する過程を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスに初期クラックが形成された状態を示す縦断正面図である。
図10】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスに形成された初期クラックが伸展する過程を示す斜視図である。
図11】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスにスクライブ線が形成された状態を示す平面図である。
図12】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法の第一の変形例によりマザーガラスにスクライブ線が形成された状態を示す平面図である。
図13】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法の第二の変形例によりマザーガラスにスクライブ線が形成された状態を示す平面図である。
図14】本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法の第三の変形例によりマザーガラスにスクライブ線が形成された状態を示す平面図である。
図15図15(a)は、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスを折割る過程を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)のZ-Z線に従って切断した断面図である。
図16図16(a)は、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスを折割る過程を示す拡大縦断正面図であり、図16(b)は、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法によりマザーガラスの折割りが完了した状態を示す拡大縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法について添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、ガラス板の製造方法は、マザーガラスとスクライブチップとを準備する準備工程1と、マザーガラスの表面の切断予定線に沿ってスクライブ線を形成するスクライブ工程2と、マザーガラスをスクライブ線に沿って折割ることでマザーガラスからガラス板を分離させる折割工程3とを備える。
【0026】
図2は、準備工程1で準備されるマザーガラスGを例示している。マザーガラスGは、矩形をなすものであって、その表面Ghにおける切断予定線4は、閉曲線4Rを含んでいる。マザーガラスGのサイズは、特に限定されないが、一辺の長さが50mm以上であることが好ましく、また、厚みtは、0.01mm~1mmであることが好ましく、0.01mm~0.7mmであることがより好ましい。
【0027】
図3及び図4は、準備工程1で準備されるスクライブチップ5を例示している。スクライブチップ5は、ペンシル型のものであって、シャンク5aと、シャンク5aの端部に固定されるチップ5bとを有する。シャンク5aを保持するホルダ5cは、スクライブチップ5を上下方向及び水平方向に移動させる。また、ホルダ5cは、マザーガラスGに対するシャンク5aの傾斜角度を自在に変更できる。
【0028】
チップ5bは、例えば単結晶または多結晶のダイヤモンドチップであることが好ましいが、PCBN、セラミック、または超硬合金その他の金属で構成してもよい。チップ5bの形状は、端面5dが平面状をなす円錐台状であって、チップ5bの端部には、マザーガラスGに接触する平面視で円弧状の押圧部5eが形成されている。詳しくは、押圧部5eは、チップ5bにおける軸方向先端の端面5dの縁部である。この場合、スクライブチップ5は、マザーガラスGの表面Ghに対して傾斜した状態(傾斜角度は、例えば30°~85°)で移動する。この傾斜状態での移動時に押圧部5e(端面5dの縁部)がマザーガラスGの表面Ghを押圧しつつ矢印X方向に移動することで、当該表面Ghに塑性変形が生じ、この塑性変形部に凹状線6が形成される。押圧部5eの半径(曲率半径)は、0.001mm~1mmであることが好ましく、0.025mm~0.5mmであることがより好ましい。
【0029】
図5は、断面が湾曲形状をなす凹状線6の周辺状態を示す図(凹状線6が延びる方向と直角な断面図)である。同図に示すように、凹状線6の深さD1は、例えば、300nm~500nmとされ、凹状線6の幅W1は、例えば、15μm~30μmとされる。凹状線6の内部には、塑性変形による圧縮応力層7が形成され、圧縮応力層7よりも内側の内部領域に、引張応力層8が形成される。また、凹状線6の幅方向の端部には、塑性変形により、表面Ghから突出する突起部9が、凹状線6の全長に亘って形成される。この突起部9の表面Ghからの突出量hは、例えば、10nm~20nmとされる。
【0030】
この場合、スクライブチップ5としては、図6に示すように、シャンク5aの先端部分にV字型のチップ5bを有し、このチップ5bの先端が押圧部5eとされたものを使用することができる。このスクライブチップ5を使用する態様は、図4に示す態様と実質的に同一である。このスクライブチップ5を使用した場合には、図6に示すように、マザーガラスGの表面Ghに、断面がV字形状をなす凹状線9が形成され、この凹状線6の内部には、縦長の引張応力層8が形成される。以下の説明では、便宜上、既述の図3に示すスクライブチップ5を使用する場合を例に挙げる。
【0031】
図7は、スクライブ工程2を実行する際に用いられるマザーガラスGの表面Ghを例示する平面図である。同図に示すように、マザーガラスGの表面Ghの切断予定線4は、矩形の四隅部が円弧状に湾曲した閉曲線4Rを含む。そして、切断予定線4は、太い鎖線で示す第一単位切断予定線4Aと、細い鎖線で示す第二単位切断予定線4Bとからなるものと仮定される。また、閉曲線4Rは、第一単位切断予定線4Aの第一単位閉曲線4R1と、第二単位切断予定線4Bの第二単位閉曲線4R2とからなるものと仮定される。第一単位閉曲線4R1は、2つの直線部分4A1、4A2と、2つの湾曲線部分4a1、4a2とからなるものと仮定される。第二単位閉曲線4R2は、2つの直線部分4B1、4B2と、2つの湾曲線部分4b1、4b2とからなるものと仮定される。さらに、第一単位切断予定線4Aは、第一単位閉曲線4R1の一端から閉曲線4Rの外側に延出する第一単位延出線4A3を有するものと仮定される。第二単位切断予定線4Bは、第二単位閉曲線4R2の一端から閉曲線4Rの外側に延出する第二単位延出線4B3を有するものと仮定される。この場合、第一単位延出線4A3は、直線部分4A1の一端(紙面の上側の端)からその直線部分4A1と同一直線に沿って延出してマザーガラスGの端縁(紙面の上側の端縁)Gxに到達している。また、第二単位延出線4B3は、直線部分4B1の一端(紙面の下側の端)からその直線部分4B1と同一直線に沿って延出してマザーガラスGの端縁(紙面の下側の端縁)Gyに到達している。
【0032】
スクライブ工程2では、上記のマザーガラスGに対して、先ず図8に示すように、第一単位切断予定線4Aに沿ってスクライブチップ5を押圧させつつ移動させることで、塑性変形による第一単位凹状線6Aを形成する。詳述すると、スクライブチップ5は、第一単位切断予定線4Aの始点4Ax(湾曲線部分4a2の一端)から、湾曲線部分4a2、直線部分4A2、湾曲線部分4a1、直線部分4A1、及び第一単位延出線4A3の上を、矢印Aで示す方向に移動し、第一単位切断予定線4Aの終点4Ay(第一単位延出線4A3の一端)に至る。これにより、既述の図5に示すような断面の態様をなす第一単位凹状線6Aが形成される。この場合、第一単位凹状線6Aの終点6Ayでは、スクライブチップ5がマザーガラスGの端縁Gxに切り込み(傷や欠け等)を入れることで、第一単位凹状線6Aの終点6Ayにおいては、図9に示すように、第一初期クラック10が引張応力層8内に形成される。この後の時間経過に伴って、第一初期クラック10が、引張応力層8の引張応力の作用により、第一単位凹状線6Aに沿って伸展することで、第一単位凹状線6の全長に沿う第一単位スクライブ線11Aが形成される。この第一初期クラック10の伸展は、図10に矢印Yで示すように、第一単位凹状線6Aの終点6Ayを始点として開始し、図8に示す第一単位凹状線6Aの始点6Axを終点として完了する。この第一単位スクライブ線11Aは、第一初期クラック10が引張応力層8内を伸展することで形成される。したがって、第一単位スクライブ線11Aは、圧縮応力層7の存在によってマザーガラスGの表面Gh(凹状線6Aの表面)に到達していない。なお、この第一単位スクライブ線11Aは、スクライブチップ5の押圧力を小さくして圧縮応力層7の厚みを薄くすることで、マザーガラスGの表面Ghに到達するようにしてもよい(後述する第二単位スクライブ線11Bも同様)。
【0033】
次いで、スクライブ工程2では、上記の場合と同様にして、図11に示すように、スクライブチップ5を用いて、第二単位切断予定線4Bの始点4Bxから終点4Byに向かってその全長に沿う塑性変形による第二単位凹状線6Bを形成する。詳述すると、この第二単位凹状線6Bの形成は、スクライブチップ5が、湾曲線部分4b2、直線部分4B2、湾曲線部分4b1、直線部分4B1、及び第二単位延出線4B3の上を、矢印Bで示す方向に移動することで行われる。その後、第二単位凹状線6Bの終点6Byに図9に示すような第二初期クラック12を形成し、然る後、第二単位凹状線6Bの終点6Byから始点6Bxに向かって初期クラック12を伸展させることで(図10参照)、図11に示す第二単位凹状線6Bの全長に沿う第二単位スクライブ線11Bを形成する。以上の結果、マザーガラスGには、第一単位スクライブ線11Aと第二単位スクライブ線11Bとが連続して繋がったスクライブ線11、すなわち閉曲線4Rを含む切断予定線4の全長に沿うスクライブ線11が形成される。
【0034】
ここで説明したスクライブ工程2では、第一単位凹状線6Aを形成した後に第二単位凹状線6Bを形成したが、第一初期クラック10の伸展が完了した後に第二初期クラック12の伸展が開始するのであれば、この2つの単位凹状線6A、6Bを形成する時期は、重複していてもよい。また、この2つの単位凹状線6A、6Bを形成するためのスクライブチップ5は、同一のものを兼用しもよく、別々のものであってもよい。
【0035】
以上のようなスクライブ工程2によれば、以下に示すような作用効果を奏する。すなわち、第一単位凹状線6A及び第二単位凹状線6Bは何れも、押圧による塑性変形によって形成されるものであるため、マザーガラスGの表面Ghにラテラルクラックが発生し難くなる。また、2つの初期クラック10、12が2つの単位凹状線6A、6Bに沿って別々に伸展するため、切断予定線4に沿うスクライブ線11を形成するには、2つの初期クラック10、12を2つの単位凹状線6A、6Bのトータル長さの半分だけ伸展させれば済む。これにより、2つの単位凹状線6A、6Bをトータルした凹状線の全長に亘って1つの初期クラックを伸展させる場合に生じ得る弊害、すなわち初期クラックの伸展が当該凹状線の途中で停止する弊害が生じ難くなる。その結果、マザーガラスGの廃棄量が減少するなどして、製品歩留まりの向上並びに生産効率の改善が図られる。
【0036】
また、切断予定線4の閉曲線4Rにおける湾曲線部分では、初期クラックが特に伸展し難くなるため、一つの初期クラックについて上述の例のように四つの湾曲線部分4a1、4a2、4b1、4b2を伸展させようとすれば、初期クラックの伸展が停止する確率が大きくなる。しかし、ここでのスクライブ工程2では、一つの初期クラックについて2つの湾曲線部分を伸展させるだけで済むため、初期クラックの伸展が停止する確率を小さくすることができる。
【0037】
さらに、ここでのスクライブ工程2では、第一単位閉曲線4R1の直線部分4A1と第一単位延出線4A3とが一直線上に連なり、第二単位閉曲線4R2の直線部分4B1と第二単位延出線4B3とが一直線上に連なっているため、それらの連なり部に形成される凹状線部分に沿って初期クラック10、12をそれぞれ円滑に伸展させることができる。また、第一単位延出線4A3が、第二単位閉曲線4R2の湾曲線部分4b2の接線に沿って延出し、第二単位延出線4B3が、第一単位閉曲線4R1の湾曲線部分4a2の接線に沿って延出しているため、2つの単位スクライブ線11A、11Bの繋がり部分を滑らかに形成することができる。したがって、2つの単位スクライブ線11A、11Bの繋がり部分が滑らかに形成されない場合には、その繋がり部分に欠陥等が発生し得るが、ここでのスクライブ工程2によれば、そのような不具合が生じ難くなる。
【0038】
また、ここでのスクライブ工程2では、2つの単位延出線4A3、4B3が、マザーガラスGの端縁Gx、Gyにそれぞれ到達しているため、スクライブチップ5を用いて2つの初期クラック10、12を形成することができる。そのため、これらの初期クラック10、12を他の工具を使用して別途形成する必要がなくなり、スクライブ線11を形成する作業の簡略化が図られる。
【0039】
図12は、スクライブ工程2の第一の変形例を示すものである。この第一の変形例は、マザーガラスGの表面Ghに、4つの単位凹状線6C、6D、6E、6Fを別々に形成し、それらの単位凹状線6C~6Fに沿って別々に初期クラックを伸展させることで、4つの単位スクライブ線11C、11D、11E、11Fが連続して繋がったスクライブ線11を形成したものである。詳述すると、第一単位スクライブ線11Cは、切断予定線4の湾曲線部分4C1と直線部分4C2と第一単位延出線4C3との上を、矢印Cで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第二単位スクライブ線11Dは、切断予定線4の湾曲線部分4D1と直線部分4D2と第二単位延出線4D3との上を、矢印Dで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第三単位スクライブ線11Eは、切断予定線4の湾曲線部分4E1と直線部分4E2と第三単位延出線4E3との上を、矢印Eで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第四単位スクライブ線11Fは、切断予定線4の湾曲線部分4F1と直線部分4F2と第四単位延出線4F3との上を、矢印Fで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。なお、閉曲線4Rの形状は、既述の図7に示す閉曲線4Rと同一である。また、4つの単位凹状線6C~6Fを別々に形成する処理、4つの初期クラックを別々に形成する処理、及び4つの単位凹状線6C~6Fに沿って別々に4つの初期クラックを伸展させる処理は、既に詳細に説明した事項に基づく。
【0040】
図13は、スクライブ工程2の第二の変形例を示すものである。この第二の変形例は、マザーガラスGの表面Ghにおいて、閉曲線4Rを円形とした上で、2つの単位凹状線6H、6Iを別々に形成し、それらの単位凹状線6H、6Iに沿って別々に初期クラックを伸展させることで、2つの単位スクライブ線11H、11Iが連続して繋がったスクライブ線11を形成したものである。詳述すると、第一単位スクライブ線11Hは、切断予定線4の半円形部分4H1と、その一端から直線状に延びる第一単位延出線4H2との上を、矢印Hで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。また、第二単位スクライブ線11Iは、切断予定線4の半円形部分4I1と、その一端から直線状に延びる第二単位延出線4I2との上を、矢印Iで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。なお、2つの単位凹状線6H、6Iを別々に形成する処理、2つの初期クラックを別々に形成する処理、及び2つの単位凹状線6H、6Iに沿って別々に4つの初期クラックを伸展させる処理は、既に詳細に説明した事項に基づく。
【0041】
図14は、スクライブ工程2の第三の変形例を示すものである。この第三の変形例は、マザーガラスGの表面Ghにおいて、上記と同様に閉曲線4Rを円形とした上で、4つの単位凹状線6J、6K、6L、6Mを別々に形成し、それらの単位凹状線6J~6Mに沿って別々に初期クラックを伸展させることで、4つの単位スクライブ線11J、11K、11L、11Mが連続して繋がったスクライブ線11を形成したものである。詳述すると、第一単位スクライブ線11Jは、切断予定線4の四分円形部分4J1と、その一端から直線状に延びる第一単位延出線4J2との上を、矢印Jで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第二単位スクライブ線11Kは、切断予定線4の四分円形部分4K1と、その一端から直線状に延びる第二単位延出線4K2との上を、矢印Kで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第三単位スクライブ線11Lは、切断予定線4の四分円形部分4L1と、その一端から直線状に延びる第三単位延出線4L2との上を、矢印Lで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。第四単位スクライブ線11Mは、切断予定線4の四分円形部分4M1と、その一端から直線状に延びる第四単位延出線4M2との上を、矢印Mで示す方向にスクライブチップ5が移動することで形成されたものである。なお、4つの単位凹状線6J~6Mを別々に形成する処理、4つの初期クラックを別々に形成する処理、及び4つの単位凹状線6J~6Mに沿って別々に初期クラックを伸展させる処理は、既に詳細に説明した事項に基づく。
【0042】
なお、既述の図11乃至図14に示した態様は、何れも、各単位延出線がマザーガラスの端縁に到達しているが、各単位延出線は、マザーガラスの端縁に到達していなくてもよい。この場合における初期クラックは、例えば、マザーガラスの表面で単位延出線を横切るようにスクライブホイールを押し付けて移動させることで形成することができる。また、各単位延出線を有しない構成とすることもできる。この場合における初期クラックは、例えば、各単位凹状線の一箇所にピン状部材などを別々に押し付けることで形成することができる。
【0043】
次に、上記のスクライブ工程2の後に実行される折割工程3について説明する。この折割工程3は、負圧吸引を利用したものである。また、この折割工程3では、図11に示す形態のスクライブ線11が形成されたマザーガラスGを対象にして説明する。折割工程3の実行には、図15(a),(b)に示す支持部材13を用いる。支持部材13は、マザーガラスGを平置き姿勢で支持するための平坦な支持面13aを有し、この支持面13aに溝状の凹部14を備えている。凹部14は、マザーガラスGを支持部材13に支持させた際に、凹部14がスクライブ線11に沿って延びるように形成されている。なお、支持部材13は、マザーガラスGを載置した際に傷等が生じないようにするため、樹脂等で構成されることが好ましい。
【0044】
凹部14は、溝が延びる方向に直交する断面上において矩形の輪郭形状を有する。この凹部14の内壁面14aには多数の吸引用孔(図示略)が形成されており、各吸引用孔は真空ポンプ等の負圧発生源(図示略)と接続されている。これにより、マザーガラスGによって凹部14に蓋をした状態の下で負圧発生源を稼働させることで、吸引用孔を通じて凹部14内のガスを吸引して、凹部14内に負圧を発生させることが可能となっている。
【0045】
以上のような構成の装置を用いて折割工程3を実行する際には、図16(a),(b)に示すように、マザーガラスGの表面Gh(スクライブ線11が形成された側の面)が支持部材13の支持面13aと当接するように、マザーガラスGを支持部材13上に載置する。さらに、マザーガラスGに形成されたスクライブ線11が凹部14の開口幅の中央に位置するように、マザーガラスGを支持部材13上に載置する。加えて、支持部材13上のマザーガラスGをカバー部材15で覆う。カバー部材15は、可撓性および気密性を有するシート体16と、シート体16を保持する保持体17とを備えている。保持体17は、負圧が発生しても変形しないが、シート体16は負圧の発生により容易に撓む特性を有している。
【0046】
このような状態の下で、図16(a)に示すように、負圧発生源を稼働させ、密閉された状態にある凹部14内のガスを矢印Wで示すように吸引し、凹部14内に負圧を発生させる。そして、負圧を利用して凹部14上に存するスクライブ線11の周辺領域を表面Gh側が凸となるように湾曲させ、これに伴い発生した応力によりスクライブ線11に含まれるメディアンクラックをマザーガラスGの厚み方向に伸展させる。これにより、図16(b)に示すようにスクライブ線11を起点にマザーガラスGを折割り、マザーガラスGから閉曲線4Rを外輪郭形状とするガラス板G1を分離させる。このガラス板G1は、製品または製品の元になり、残りのガラス部分G2は不要部分になる。この負圧吸引による折割工程3によれば、ガラス板G1の割断面が高品位になる等の利点が得られる。
【0047】
本発明に係るガラス板の製造方法は、以上の実施形態で説明した態様に限定されるものではない。例えば、切断予定線の閉曲線の形状は上記例示した形状以外であってもよく、また、切断予定線が上記例示した個数以外の単位切断予定線からなるものと仮定してもよい。さらに、折割工程は、負圧吸引ではなく、マザーガラスの閉曲線の外側領域に工具等を押し付けて外力を作用させる方法などを採用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 準備工程
2 スクライブ工程
3 折割工程
4 切断予定線
4A 単位切断予定線
4A3 単位延出線
4B 単位切断予定線
4B3 単位延出線
4R 閉曲線
4R1 単位閉曲線
4R2 単位閉曲線
5 スクライブチップ
6 凹状線
6A 単位凹状線
6B 単位凹状線
10 初期クラック
11 スクライブ線
11A 単位スクライブ線
11B 単位スクライブ線
12 初期クラック
G マザーガラス
G1 ガラス板
Gh ガラス板の表面
Gx ガラス板の端縁
Gy ガラス板の端縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16