(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240117BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240117BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2020083929
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2022-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔1〕ウェブサイト掲載日: 令和1年5月13日 ウェブサイトのアドレス: https://www.shibaura-it.ac.jp/news/201940190021.html <資 料>ウェブサイト公開(プレスリリース)ページ 〔2〕開催日: 令和1年5月13日 集会名: 「Scoope(スコープ)発表会」 開催場所:岩国国際観光ホテル(山口県岩国市岩国1-1-7) <資 料>「Scoope(スコープ)発表会」案内 <資 料>「Scoope(スコープ)発表会」発表資料 〔3〕ウェブサイト掲載日: 令和1年5月13日 ウェブサイトのアドレス: https://scoope.work <資 料>顧客管理サービス提供開始案内及びサービスログイン画面 <資 料>顧客管理サービス説明資料 〔4〕開催日: 令和1年7月25日 集会名: 「工務店経営カンファレンス」 開催場所:ベルサール半蔵門(東京都千代田区麹町1-6-4) <資 料>「工務店経営カンファレンス」プログラム <資 料>「工務店経営カンファレンス」発表資料
(73)【特許権者】
【識別番号】599016431
【氏名又は名称】学校法人 芝浦工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】510295860
【氏名又は名称】株式会社ネストハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】蘆澤 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴大
(72)【発明者】
【氏名】小川 岳史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 亜里沙
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 大
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-167997(JP,A)
【文献】特開2009-181156(JP,A)
【文献】特開2019-057142(JP,A)
【文献】特開2011-090425(JP,A)
【文献】国際公開第2014/199893(WO,A1)
【文献】特開2002-055750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表題、日時および顧客の項目を要素として含む日報情報と、前記顧客に関連する関連情報を当該顧客の項目と関連付けて保存する記憶部と、
前記日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを端末装置に提供し、 前記編集画面は、前記関連情報の表示を案内する案内表示を含み、
前記案内表示を指示する操作情報を前記端末装置から提供されるとき、
前記関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面と前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供する画面制御部と、
を備え、
前記同時表示を示す画面表示データは、前記関連情報画面の表示領域が、前記編集画面の表示領域に重ならない配置を示し、
前記編集画面と前記関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、前記編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、
前記関連情報画面の表示を開始するとき、前記画面表示データは、前記所定方向への前記関連情報画面の表示領域の移動を示す
情報処理装置。
【請求項2】
前記画面制御部は、
前記編集画面と前記関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、前記関連情報画面の表示領域の範囲外の位置を示す操作情報が前記端末装置から提供されるとき、前記関連情報画面を消去する
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記全表示領域において、前記編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、
前記編集画面の表示領域に重ならない位置に配置された前記関連情報画面の消去を開始するとき、前記画面表示データは、前記所定方向とは逆方向への前記関連情報画面の表示領域の移動を示す
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記関連情報の要素とする情報要素として、前記顧客に関連する業務項目を要素として含む顧客情報と、前記業務項目のより詳細な情報である業務情報とを関連付けて記憶し、
前記案内表示は、前記業務情報に関連付けられた項目を含み、
前記画面制御部は、
前記項目を指示する操作情報が前記端末装置から提供されるとき、前記操作情報で指示される項目に関連付けられた業務情報を前記記憶部から読み取り、
前記業務情報を表す関連情報画面と前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供する
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画面制御部は、
前記関連情報画面を表示させないとき、個々の日報の前記日時を表す日時表示画面と、前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供し、
前記日時表示画面に表された日時のいずれかを指示する操作情報が前記端末装置から提供されるとき、当該操作情報が示す日時に係る日報情報を編集対象と定める
請求項1から請求項
4の少なくとも一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置と端末装置を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
少なくとも表題、日時および顧客の項目を要素として含む日報情報と、前記顧客に関連する関連情報を当該顧客の項目と関連付けて保存する記憶部と、
前記日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを端末装置に提供し、 前記編集画面は、前記関連情報の表示を案内する案内表示を含み、
前記案内表示を指示する操作情報を前記端末装置から提供されるとき、
前記関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面と前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供する画面制御部と、
を備え、
前記同時表示を示す画面表示データは、前記関連情報画面の表示領域が、前記編集画面の表示領域に重ならない配置を示し、
前記編集画面と前記関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、前記編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、
前記関連情報画面の表示を開始するとき、前記画面表示データは、前記所定方向への前記関連情報画面の表示領域の移動を示す
情報処理システム。
【請求項7】
少なくとも表題、日時および顧客の項目を要素として含む日報情報と、前記顧客に関連する関連情報を当該顧客の項目と関連付けて保存する記憶部を備える情報処理装置における情報処理方法であって、
前記関連情報の表示を案内する案内表示を含み、前記日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを端末装置に提供する第1ステップと、
前記案内表示を指示する操作情報を前記端末装置から提供されるとき、
前記関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面と前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供する第2のステップと、
を有し、
前記同時表示を示す画面表示データは、前記関連情報画面の表示領域が、前記編集画面の表示領域に重ならない配置を示し、
前記編集画面と前記関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、前記編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、
前記関連情報画面の表示を開始するとき、前記画面表示データは、前記所定方向への前記関連情報画面の表示領域の移動を示す
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅建築業をはじめとする、さまざま業界では顧客個別のニーズに合わせたマーケティングが主流となりつつある。かかるマーケティングにおいて顧客関連管理(CRM:Customer Relationship Management)が重視されている。CRMは、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通じて売り上げの拡大と収益性の向上を目指す経営戦略もしくは手法を指す。CRMは、顧客情報管理、顧客関係構築、または顧客管理と呼ばれることもある。
【0003】
CRMの実践には、営業活動における個々の行動の把握、管理にとどまらず、組織をまたいだ情報共有を行い、顧客指向で行動することが求められる。従来からかかる営業活動を支援するための各種の顧客管理システムが提案されている。例えば、特許文献1には、顧客決定前を含めた営業力分析から契約に至る一連の建物受注の関する営業を複数段階に分割すると共にその分割段階に応じた診断・報告管理に関する必要項目データを記憶した記憶媒体をコンピュータにインストールし、そのコンピュータによって顧客決定前を含めた営業力分析から契約に至る建物受注に関する営業内容を分割段階に応じて診断・報告・管理を行う建物営業用ネットワークシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる顧客管理システムが運用されても導入当初の期待ほど活用されないことがあった。例えば、顧客管理システムにおける顧客情報の更新は営業活動における日常業務に必ずしも組み込まれておらず、後回しになることがあった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、日常業務における顧客情報の管理を効率化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、少なくとも表題、日時および顧客の項目を要素として含む日常業務で遂行した内容を報告する日報情報と、前記顧客に関連する関連情報を当該顧客の項目と関連付けて保存する記憶部と、前記日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを端末装置に提供し、前記編集画面は、前記関連情報の表示を案内する案内表示を含み、前記案内表示を指示する操作情報を前記端末装置から提供されるとき、前記関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面と前記編集画面との同時表示を示す画面表示データを前記端末装置に提供する画面制御部と、を備え、前記同時表示を示す画面表示データは、前記関連情報画面の表示領域が、前記編集画面の表示領域に重ならない配置を示し、前記編集画面と前記関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、前記編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、前記関連情報画面の表示を開始するとき、前記画面表示データは、前記所定方向への前記関連情報画面の表示領域の移動を示す情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態によれば、日常業務における顧客情報の管理がより効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す概略ブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す概略ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置の構成例を示す概略ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るデータ間の関連を例示する図である。
【
図5】本実施形態に係る認証画面の例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る日報メニュー画面の例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る日報選択画面の例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る編集画面の例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る顧客情報画面の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る顧客情報画面の他の例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る案件情報画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る案件情報画面の他の例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る対応情報画面の例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る関連情報画面の表示過程の例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る関連情報画面の消去過程の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(システム概要)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す概略ブロック図である。
情報処理システム1は、情報処理装置10および複数の端末装置20を含んで構成される。
図1は、端末装置の数は2台である場合を例示する。なお、端末装置20の数は、一般には可変であり1台または3台以上となりうる。
図1に示す例では、個々の端末装置20は、端末装置20-1、20-2、等と区別されている。
【0011】
情報処理装置10および複数の端末装置20は、ネットワークを用いて各種のデータを送信または受信可能に接続される。ネットワークは、例えば、インターネットを含んで構成される。複数の端末装置20は、それぞれ公衆無線ネットワークまたは構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)を経由してインターネットに接続されうる。
【0012】
情報処理装置10は、営業活動において生じた顧客に関連する関連情報を端末装置20と協働して管理する機能を備える。情報処理システム1は、全体として顧客管理システムとして動作する。情報処理装置10は、少なくとも表題、日付および顧客を要素として含む日報情報と、顧客に関連する関連情報を当該顧客の項目と関連付けて保存する。情報処理装置10は端末装置20に対して日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを送信する。編集画面には、関連情報の表示を案内するための案内表示が配置される。案内表示を示す操作情報が端末装置20から提供されるとき、情報処理装置10は、端末装置20に対して、その関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面を編集画面と同時に表示(以下、同時表示)させる。ここで、情報処理装置10は、関連情報画面と編集画面の同時表示を示す画面表示データ、つまり、関連情報画面と編集画面とを含む表示情報を示す画面表示データを新たに端末装置20に提供する。同時表示において、関連情報画面は、その表示領域の一部または全部が編集画面との表示領域の一部または全部に重ならない領域に配置される。
【0013】
関連情報は、例えば、顧客情報と業務情報とを関連付けて構成される。顧客情報は、その顧客の個人情報の他、関連する業務項目を要素として含む。業務情報は、業務項目のより詳細かつ確定された情報を含む。業務情報には、例えば、顧客に係る案件を示す案件情報、顧客への対応業務を示す対応情報が含まれうる。対応情報に示される対応とは、顧客の確定された要求、事情、または状況に対する処置結果、その他、顧客に対する支援(サポート)を意味する。例えば、建築業者による対応には、建造物の点検、不具合の報告に対する回答もしくは工事、各種工事の費用の問い合わせに対する費用見積もりの回答、などが該当する。
【0014】
個々の端末装置20は、情報処理装置10から提供される画面表示データに基づいて各種の画面を表示する。端末装置20は、編集画面を表示するとき、ユーザの操作に応じて日報情報を編集可能とする。端末装置20は、操作に応じて編集画面に表示される案内表示が指示されるとき、その案内表示を示す操作情報を情報処理装置10に送信する。端末装置20は、情報処理装置10から表示画面データを新たに受信するとき、新たに受信した表示画面データに基づいて編集画面と関連情報画面を同時表示する。編集画面には、関連情報に関連付けられた案内表示(後述)を含む。端末装置20は、操作情報で指示された案内表示に関連付けられた関連情報を表示し、ユーザの操作に応じて表示させた関連情報を編集可能としてもよい。例えば、関連情報には、顧客に関連する業務項目を要素として含む顧客情報の他、案件情報、対応情報がある。
従って、端末装置20のユーザは、日報情報の編集と並行して、日報情報に係る顧客に関連する関連情報を編集することができる。日常業務である日報情報の作成の際に、顧客に関連する関連情報を手軽に更新することができる。そのため、顧客に関連する関連情報の管理に係る業務効率の向上が期待される。
【0015】
なお、情報処理装置10は、建築事業者など個々の事業者が管理もしくは運用するサーバ装置に限られず、それらの事業者とは別個の事業者(例えば、ネットワーク事業者やシステム管理事業者など)が管理もしくは運用するサーバ装置であってもよい。情報処理装置10は、例えば、ウェブサーバとして構成され、所定の通信プロトコル(例えば、http:Hyper Text Transfer Protocol)を用いて個々の端末装置20と接続し、種々のデータを送受信可能としてもよい。その場合、個々の端末装置20は、ウェブブラウザの機能を有し、受け付けた操作に応じて、種々のデータの取得、表示などの処理を実現してもよい。
【0016】
端末装置20は、ユーザの操作に応じた操作情報を取得し、操作情報に応じて各種の処理の実行を制御し、画像、図形、文字など視認可能な情報を提供可能とする電子機器であれば、可搬型、据え置き型など、いかなる形態で実現されていてもよい。端末装置20は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末装置、多機能形態電話機(いわゆるスマートフォンを含む)などのいずれであってもよい。また、操作入力部240と表示部250は、端末装置20の他の部分(例えば、制御部210)と各種のデータを送受信可能に無線または有線で接続されていれば、端末装置20の他の部分と別体であってもよいし、着脱可能であってもよい。
【0017】
(情報処理装置)
次に、本実施形態に係る情報処理装置10の構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す概略ブロック図である。
情報処理装置10は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、を含んで構成される。情報処理装置10は、制御部110、通信部120および記憶部130を含んで構成される。制御部110、通信部120および記憶部130は、データバスbs10を経由して相互に各種のデータを入出力可能に接続されている。
【0018】
制御部110は、情報処理装置10の各種の機能を制御する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などの1以上のプロセッサを含んで構成されてもよい。プロセッサは、記憶部130に予め記憶された所定のプログラムに記述された各種の命令で指示された処理を実行して制御部110としての機能を提供する。以下の説明では、各種のプログラムに記述された命令で指示された処理を実行することを、プログラムを実行すると呼ぶことがある。
【0019】
通信部120は、ネットワークを経由して他の機器(例えば、端末装置20)と通信可能に接続し、制御部110による制御のもとで各種のデータを無線または有線で送受信する。通信部120は、例えば、通信インタフェースである。
【0020】
記憶部130は、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成される。記憶部130は、プログラムの他、各種のデータを記憶する。記憶部130は、例えば、日報情報と関連情報を関連付けて記憶し、リレーショナルデータベースとして機能する。また、記憶部130には、各種の画面データならびにテンプレートデータを予め記憶しておく。記憶部130に記憶されるデータの例については、後述する。
【0021】
次に、制御部110の機能構成について説明する。制御部110は、ユーザ情報管理部112と、画面制御部114と、編集処理部116と、を含んで構成される。その他、制御部110は、情報処理装置10としての機能を発揮させるための処理を行う。
【0022】
ユーザ情報管理部112は、情報処理装置10が提供する顧客管理サービスを利用するユーザである担当者情報(後述)を管理し、ユーザ認証処理(ログイン処理)を行う。担当者は、例えば、建築事業者の営業担当者をはじめとする従業員、またはその補助者である。担当者情報は、少なくとも個々の担当者を識別するための担当者識別情報と正当な担当者を認証するための認証情報を含んで構成される。担当者情報には、担当者が属する組織を示す組織情報、担当者の連絡先を示す連絡先情報の一方または両方が含まれてもよい。担当者情報には、担当者が利用可能とする顧客管理サービスの利用権限を示す権限情報が含まれてもよい。
ユーザ情報管理部112は、端末装置20からのアクセス要求を受信するとき、ユーザ認証処理を開始する。ユーザ情報管理部112は、予め記憶部130に記憶された認証画面データを読み出し、読み出した認証画面データを端末装置20に送信する。端末装置20には、情報処理装置10から受信した認証画面データに基づく認証画面(ログイン画面)が表示される。端末装置20は、
図5に例示される認証画面を表示しているとき、ユーザの操作に応じて組織識別情報(例えば、店舗コード)、担当者識別情報(例えば、ログインID)と認証情報(例えば、パスワード)が入力される。端末装置20は、入力された組織識別情報、担当者識別情報と認証情報を含むユーザ認証要求情報を情報処理装置10に送信する。
【0023】
ユーザ情報管理部112は、記憶部130に記憶された担当者情報にそれぞれ含まれる組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報と、端末装置20から受信したユーザ認証要求情報に含まれる組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報とをそれぞれ照合する(ユーザ認証)。ユーザ情報管理部112は、端末装置20から受信した組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報とそれぞれ一致する組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報を含む担当者情報が存在するとき、その担当者識別情報に係る担当者が正当な担当者であると判定し、顧客管理サービスの提供を許可する。顧客管理サービスには、本実施形態に係る日報情報、顧客に関する関連情報の閲覧ならびに編集が含まれる。ユーザ情報管理部112は、顧客管理サービスに係る所定のメニュー画面を示すメニュー画面データを記憶部130から読み出し、読み出したメニュー画面データを画面表示データとして端末装置20に送信する。よって、ユーザ情報管理部112は、情報処理装置10から受信した画面表示データに基づくデータメニュー画面を端末装置20に表示させることができる。
ユーザ情報管理部112は、端末装置20から受信した組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報とそれぞれ一致する組織識別情報、担当者識別情報ならびに認証情報を含む担当者情報が存在しないとき、その担当者識別情報に係る担当者が正当な担当者ではないと判定し、顧客管理サービスの提供を許可しない。ユーザ情報管理部112は、所定の警告画面を示す警告画面データを記憶部130から読み出し、読み出した警告画面データを画面表示データとして端末装置20に送信する。これにより、端末装置20は、情報処理装置10から受信した画面表示データに基づく警告画面を表示することができる。
【0024】
画面制御部114は、端末装置20に提供する画面の表示を制御する。
画面制御部114は、端末装置20にメニュー画面を表示させているとき、端末装置20から受信する操作情報で指示されるメニューに係る画面データを端末装置20に提供する。
図6に示す例では、日報、顧客、案件、対応、および設定のいずれかのメニューが選択可能である。日報メニューは、日報情報の提示、編集の一方または両方を行うためのメニューである。顧客メニュー、案件メニュー、対応メニューは、それぞれ顧客情報、案件情報、対応情報の提示、編集の一方または両方を行うためのメニューである。以下の説明では、日報メニュー、顧客メニュー、案件メニュー、対応メニューに係る画面を、それぞれ日報メニュー画面、顧客メニュー画面、案件メニュー画面、対応メニュー画面と呼ぶことがある。
【0025】
本実施形態に係る顧客情報は、日報情報と関連付けて管理される関連情報の要素となる。案件情報、対応情報は、それぞれ顧客情報と関連付けて管理される関連情報の要素となる。
図6に例示されているように日報メニューが選択されている状態では、端末装置20は日報メニュー画面を表示し、端末装置20が受け付けた操作情報に応じて新規または既存の日報情報の編集が可能となる。
画面制御部114は、端末装置20から提供対象の日報を示す操作情報を受信するとき、操作情報で指示される日報を示す日報情報を記憶部130から読み出す。画面制御部114は、読み出した日報情報を編集するための編集画面を示す表示画面データを生成し、生成した表示画面データを端末装置20に送信する。よって、画面制御部114は、端末装置20に編集画面を表示させることができる(
図8)。
【0026】
編集画面において関連情報の表示を案内するための案内表示を指示する操作情報を端末装置20から受信するとき、画面制御部114は、編集画面に表示させた日報情報に関連付けられた関連情報の一部または全部の情報を記憶部130から読み出す。案内表示は、編集画面において関連情報の一部または全部の表示を案内するため表示であり、例えば、日報情報の一項目と関連付けてリンク表示の形式で表示される(後述)。画面制御部114は、読み出した情報を表し、編集可能とする関連情報画面と編集画面との同時表示を示す表示画面データを生成し、生成した表示画面データを端末装置20に送信する。よって、画面制御部114は、端末装置20に関連情報画面を、編集画面の表示を維持して同時に表示させることができる(
図9)。
【0027】
なお、画面制御部114は、端末装置20から受信した操作情報に基づいて、表示対象とする情報を検索しても。例えば、端末装置20に日報メニュー画面を表示させているとき、画面制御部114は、日報メニュー画面に配置されたカレンダに配列された日付から、操作情報で指示される日付を特定する(
図6)。画面制御部114は、特定した日付において生成された日報情報を記憶部130から検索する。画面制御部114は、日報メニュー画面に配置された検索窓を用いて、操作情報で指示される文字列(キーワード)を特定し、特定した文字列を含む日報情報を記憶部130から検索してもよい。
画面制御部114は、検索された日報情報に含まれる表題を配列してなる日報リストを生成し、生成した日報リストを日報メニュー画面に含めて端末装置20に表示させてもよい(
図6)。画面制御部114は、操作情報で指示される表題を含む日報情報を提供対象の日報情報として特定することができる。各種画面の表示例とこれらの表示に伴う情報処理装置10の動作例については、後述する。
【0028】
編集処理部116は、画面で表される情報を端末装置20から受信する操作情報に基づいて編集する。編集処理部116は、編集画面を端末装置20に表示させているとき、編集画面に表示させた日報情報を操作情報に基づいて編集する。編集とは、新規の情報の取得もしくは生成、既存の情報の一部の消去もしくは変更、または既存の情報の全部の消去を意味する。例えば、編集処理部116は、編集画面を端末装置20に表示させているとき、編集画面に表示させた日報情報を端末装置20から受信した操作情報に基づいて編集する。編集処理部116は、関連情報画面を端末装置20に表示させているとき、関連情報画面に表示させた関連情報を端末装置20から受信した操作情報に基づいて編集する。編集処理部116は、編集により新たに取得または更新された情報を記憶部130に記憶する。
【0029】
(端末装置)
次に、本実施形態に係る端末装置20の構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係る端末装置20の構成例を示す概略ブロック図である。
端末装置20は、制御部210、通信部220、記憶部230、操作入力部240、および表示部250を含んで構成される。制御部210、通信部220、記憶部230、操作入力部240、および表示部250は、データバスbs20を経由して相互に各種のデータを入出力可能に接続されている。
【0030】
制御部210は、端末装置20の各種の機能を制御する。制御部210は、1以上のプロセッサを含んで構成されてもよい。プロセッサは、記憶部230に予め記憶された所定のプログラムを実行して制御部210としての機能を提供する。
制御部210は、操作入力部240から入力される操作情報に基づいて各種の処理の実行を制御する。制御部210が実行する処理の例については、後述する。
【0031】
通信部220は、ネットワークを経由して他の機器と通信可能に接続し、制御部210による制御のもとで各種のデータを無線または有線で送受信する。通信部220は、例えば、他の端末装置、情報処理装置10と接続する。通信部220は、例えば、通信インタフェースである。
記憶部230は、記憶媒体を含んで構成される。記憶部230は、制御部210で実行される処理に用いられる各種情報、その処理により取得された各種情報、その処理を実行するためのプログラムを記憶する。
【0032】
操作入力部240は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報を生成する。操作入力部240は、生成した操作情報を制御部210に出力する。操作入力部240は、例えば、キーボード、ボタン、タッチセンサなどのいずれか、もしくは、それらの任意の組み合わせを含んで構成される。
表示部250は、制御部210の制御に従って、画像、文字、記号、など視認可能な情報を表示する。表示部250は、例えば、液晶ディスプレイである。操作入力部240、表示部250がそれぞれタッチセンサ、液晶ディスプレイである場合には、液晶ディスプレイの表示領域上にタッチセンサを重ねて一体化されたタッチパネルとして構成されていてもよい。
【0033】
次に、制御部210が実行する処理の例について説明する。
情報処理装置10が提供する顧客管理サービスを利用する際、制御部210は、操作入力部240から当該顧客管理サービスの利用を示す操作情報の入力を待ち受け、その操作情報が入力されるとき、情報処理装置10にアクセス要求を送信する。制御部210は、アクセス要求に対する応答として情報処理装置10から認証画面データを受信するとき、受信した認証画面データを表示部250に出力する。表示部250は、制御部210から入力される認証画面データに基づく認証画面を表示する。
制御部210は、認証画面を表示させているとき、組織識別情報、担当者識別情報、および認証情報を示す操作情報の入力を待ち受ける。制御部210は、入力された組織識別情報、担当者識別情報と認証情報を含むユーザ認証要求情報を生成し、情報処理装置10に送信する。
【0034】
情報処理装置10が担当者認証に成功するとき、制御部210は、情報処理装置10からメニュー画面を示す画面表示データを受信し、受信した画面表示データを表示部250に出力する。表示部250は、制御部210から入力される画面表示データに基づくメニュー画面を表示する。
他方、情報処理装置10が担当者認証に失敗するとき、制御部210は、情報処理装置10から警告画面データを受信する。制御部210は、受信した警告画面データを表示部250に出力する。表示部250は、制御部210から入力される警告画面データに基づく警告画面を表示する。
【0035】
制御部210は、表示部250にメニュー画面を表示させているとき、メニュー画面に配列された複数のメニューのうち、いずれかのメニューを示す操作情報の入力を操作入力部240から待ち受ける。制御部210は、入力される操作情報を情報処理装置10に送信し、操作情報に対する応答として、操作情報で指示されるメニューに係る画面データを受信する。制御部210は、受信した画面データを表示部250に出力する。
【0036】
表示部250に日報メニュー画面を表示させているとき、制御部210は、日報メニュー画面のカレンダのいずれかの日付を示す操作情報の入力を操作入力部240から待ち受ける。制御部210は、操作入力部240から入力される操作情報を情報処理装置10に送信する。また、制御部210は、日報メニュー画面に配置された検索窓に、操作情報で指示される文字列(キーワード)を表示部250に表示させるとともに、その文字列を示す操作情報を検索要求情報として情報処理装置10に送信してもよい。制御部210は、操作情報に対する応答として情報処理装置10から指示された文字列を含む日報情報の表題を配列してなる日報リストを受信し、日報メニュー画面に含めて表示部250に表示させてもよい。制御部210は、日報リストを構成する表題のいずれかを示す操作情報の操作入力部240からの入力を待ち受け、入力される操作情報が示す表題を含む日報情報を編集画面に表示させる。
【0037】
(データ間の関連性)
次に、本実施形態に係る記憶部130に記憶される各種データの例について説明する。
図4は、本実施形態に係るデータ間の関連を例示する図である。
記憶部130は、日報情報DR01、担当者情報ST01、顧客情報CM01、案件情報CS01および対応情報MS01を、相互に関連付けて記憶する。記憶部130は、リレーショナルデータベースを構成する。
図4は、各1件の日報情報、担当者情報、顧客情報、案件情報および対応情報を示すが、日報情報、担当者情報、顧客情報、案件情報および対応情報は、それぞれ2件以上となりうる。
【0038】
日報情報DR01は、表題項目、日時項目、担当者項目、顧客項目、案件項目、対応項目および詳細項目を各列の要素として含んで構成される。表題項目は、個々の日報の題目を示す。日時項目は、個々の日報が生成された日の日付を示す。日時項目には、少なくとも月日が含まれればよいが、さらに年が含まれてもよい。日時項目には、さらに日報に関する業務やその予定に係る時間帯または期間が含まれてもよい。担当者項目には、担当者の名称(以下、担当者名)、別称、識別情報など個々の担当者を一意に特定できる情報が含まれる。担当者項目には、情報処理装置10へのログイン処理に成功し、その日報情報DR01の編集に係る担当者を示す情報が含まれうる。顧客項目は、担当者が提供する業務の受け手の名称、別称、識別情報など、個々の顧客を一意に特定できる情報が含まれる。案件項目は、担当者が提供する業務の名称、別称、識別情報など、個々の業務案件を一意に特定できる情報が含まれる。対応項目は、担当者が個々の顧客に対して提供する業務の名称、別称、識別情報など、個々の業務案件を一意に特定できる情報が含まれる。対応項目は、担当者が個々の顧客に対して提供する支援の名称、別称、識別情報など、個々の支援案件を一意に特定できる情報が含まれる。詳細項目は、担当者が報告する出来事、状況、感想などを示す情報を示し、主にテキスト情報が含まれる。詳細項目には、画像情報(写真、描画、図形、記号)などが含まれてもよい。日報情報DR01において、担当者項目と詳細項目の一方または両方が省略されてもよい。
なお、日報情報は、過去に生じた事象に限られず、将来に起こりうる予定を示す情報が含まれてもよい。また、日報の形式は、一日毎に報告する形式ではなく、週報のように複数日分にわたり遂行した業務をまとめて報告する形式であってもよい。
【0039】
担当者情報ST01は、担当者項目、連絡先項目、組織項目、権限項目、および認証情報項目を各列の要素として含んで構成される。担当者項目には、個々の担当者を一意に特定できる情報が含まれ、共通の情報が設定される日報情報DR01、案件情報CS01、および対応情報MS01それぞれの担当者項目と関連付けられる。連絡先項目には、その担当者の連絡先情報が含まれる。連絡先情報には、例えば、住所、電話番号、電子メールアドレスのいずれか、またはこれらの組が含まれうる。組織項目には、担当者が所属する組織の名称または別名、例えば、部課名、部門名、企業名、が含まれうる。権限項目には、個々の担当者が情報処理装置10の機能の使用権限、つまり、使用可能とする機能の範囲が含まれうる。権限項目には、例えば、一般権限、管理者権限の2通りがある。一般権限では、例えば、自身が生成を指示した情報を提供ならびに編集可能とし、他の担当者が生成を指示した情報を提供可能とするが、他の担当者が生成を指示した情報の編集が制限される。また、一般権限では、担当者情報の生成、編集が制限される。管理者権限では、自身、他の担当者が生成を指示した情報の提供ならびに編集を可能とする。また、管理者権限では、担当者情報の生成、編集ともに可能とする。認証情報項目には、個々の担当者が正当なユーザであることを認証するための認証情報が含まれる。認証情報は、例えば、パスワードに限られず、指紋、虹彩などの生体情報であってもよい。
【0040】
顧客情報CM01は、顧客項目、顧客区分項目、案件項目、個人情報項目、対応項目、およびアポ情報項目を各列の要素として含んで構成される。顧客項目には、個々の顧客を一意に特定できる情報が含まれ、共通の情報が設定される日報情報DR01、案件情報CS01、および対応情報MS01それぞれの顧客項目と関連付けられる。顧客区分項目には、事業者が提供するサービスへの関心、予算、取引実績などに基づく個々の顧客の種別を示す情報が含まれる。顧客区分項目には、例えば、潜在客、見込み客、新規客、既存客などのいずれかの種別を示す情報が含まれうる。案件項目には、個々の顧客を一意に特定できる情報、例えば、案件名、案件コード、などが含まれる。個人情報項目には、個々の顧客の個人情報が含まれる。個人情報項目には、顧客の住所、電話番号、Eメールアドレス、生年月日、家族構成を示す情報が含まれうる。対応項目には、個々の対応を一意に特定できる情報、例えば、対応名、対応コードが含まれる。アポ情報項目には、顧客との将来の面会、その場所ならびに日時を示す情報が含まれる。
【0041】
案件情報CS01は、案件項目、顧客項目、担当者項目、案件種別項目、営業評価項目、営業情報項目、工事情報項目、および契約情報項目を各列の要素として含んで構成される。案件種別項目には、個々の案件の種別を示す情報が含まれる。案件種別項目には、例えば、建築に関する種別として、新築工事、リフォーム工事、などの情報が含まれる。営業評価項目には、個々の案件の成約までの進捗、可能性、その成否などのいずれかを示す情報が含まれる。営業情報項目には、個々の案件の計画概要、希望金額、資金などを示す情報が含まれる。工事情報項目には、個々の案件の工事の概要として、工事期間、工事場所を示す住所、建物の工法、構造、工事場所の土地面積、建物の床面積などの情報が含まれる。契約情報項目には、個々の案件の契約日、契約金額、資金の融資先、土地金額、などを示す情報が含まれる。
【0042】
対応情報MS01は、対応項目、顧客項目、担当者項目、対応内容項目および対応状況項目を各列の要素として含んで構成される。対応内容項目には、個々の対応内容を示す情報が含まれる。対応状況項目には、その対応が完了済であるか、未完了であるかを示す情報が含まれる。
【0043】
日報情報DR01以外の情報要素である担当者情報ST01、顧客情報CM01、案件情報CS01および対応情報MS01は、少なくとも、それぞれの筆頭の項目が含まれていれば、その他の項目が省略されてもよい。担当者情報ST01、顧客情報CM01、案件情報CS01および対応情報MS01は、それぞれの筆頭の項目を主キーとし、他の情報要素に含まれる共通の項目と関連付けて記憶部130に記憶される。例えば、担当者情報ST01の担当者項目は、日報情報DR01の担当者項目、案件情報CS01の担当者項目および対応情報MS01の担当者項目のそれぞれと関連付けられる。顧客情報CM01の顧客項目は、日報情報DR01の顧客項目、案件情報CS01の顧客項目、および対応情報MS01の顧客項目のそれぞれと関連付けられる。案件情報CS01の案件項目は、日報情報DR01の案件項目、顧客情報CM01の案件項目および対応情報MS01の案件項目のそれぞれと関連付けられる。対応情報MS01の対応項目は、日報情報DR01の対応項目および顧客情報CM01の対応項目のそれぞれと関連付けられる。
【0044】
かかる対応関係により、日報情報DR01に含まれる顧客項目と共通の顧客項目を有する顧客情報CM01、ひいては、その顧客項目をそれぞれ有する案件情報CS01と対応情報MS01の一方または両方の参照が効率的に行われる。
また、日報情報DR01に含まれる担当者項目と共通の担当者項目を有する担当者情報ST01の参照が効率的に行われる。
【0045】
(表示例)
次に、本実施形態に係る各種画面の表示例について説明する。
図6は、本実施形態に係る日報メニュー画面の例を示す図である。日報メニュー画面MD02は、メニュー画面から端末装置20からの操作情報に応じて日報メニューが選択されるときに表示される。また、操作情報に応じていずれのメニューも選択されていない状態では、予め日報メニューが選択され、画面制御部114は、デフォルト表示としてメニュー画面に日報メニュー画面を重ねて表示させてもよい。
【0046】
日報メニュー画面MD02は、カレンダCL02と、日報リストLD02を含み、それらが水平方向に配列されてなる。カレンダは、複数の日付を表し、操作情報に応じて、日報を参照するための日付(年月日)を選択可能とする。なお、今日ボタンは、その時点(現時点)における日付を選択するためのボタンである。画面制御部114は、端末装置20から受信した操作情報で指示された日付に係る日報情報を記憶部130から読み出し、読み出した個々の日報の日報情報に含まれる表題を配列して日報リストを生成する。画面制御部114は、個々の日報の日報情報に含まれる時間帯を表題と対応付けて日報リストLD02を生成してもよい。日報メニュー画面MD02に配置される編集ボタンは、日報の編集を指示するためのボタンである。画面制御部114は、編集ボタンの押下を検出するとき、記憶部130に予め記憶された日報選択画面テンプレートを読み出し、自担当者に係る日報に係る日報情報に基づいて日報選択画面データを生成する。日報選択画面データは、編集対象とする日報を選択するための日報選択画面を示すデータである。画面制御部114は、生成した日報選択画面データを表示画面データとして端末装置20に送信する。端末装置20の制御部210は、情報処理装置10から受信した表示画面データに基づく日報選択画面を表示部250に表示させる。日報選択画面の例については後述する。自担当者は、ユーザ認証に成功した担当者本人を意味する。なお、本願では、「押下」とは、現実の押下の他、その表示領域内の位置を示す操作情報を取得することを意味する。
【0047】
画面制御部114は、自担当者に係る日報の表題を、他の担当者(以下、他担当者)に係る日報の表題よりも優先して日報リストLD02に配列してもよい。
図6に例示される日報メニュー画面MD02では、他担当者に係る日報の表題を含めずに、他担当者の担当者名の例として「ユーザB」と詳細ボタンを対応付けて、自担当者の日報の表題よりも下段に配列されている。画面制御部114は、詳細ボタンの押下を検出するとき、当該他担当者に係る日報情報を記憶部130から読み出し、読み出した日報情報を表す日報表示画面を生成する。画面制御部114は、生成した日報表示画面を示す表示画面データを端末装置20に送信する。端末装置20の制御部は、情報処理装置10から受信した表示画面データを表示部250に出力し、他担当者の日報情報を含む日報表示画面を表示させる。
【0048】
図7は、本実施形態に係る日報選択画面の例を示す図である。日報選択画面SI04は、時間帯表示画面TI04と、日報表示画面DD04とを含み、それらが水平方向に配列されてなる。時間帯表示画面TI04は、垂直方向に時刻を示し、垂直方向の高さとその幅をもって選択された日付の時間帯を示す。時間帯表示画面TI04は、日報ごとの日報情報が示す時間帯と表題を表す。画面制御部114は、既に時間帯表示画面TI04に含まれる時間帯のうち、押下を検出した時間帯に係る日報を特定し、特定した日報の日報情報を表すための日報表示を含める。
図7に例示される日報表示画面DD04は、特定された時間帯10:00-12:00に係る日報の日報情報が表される。表されている日報情報には、表題、時間帯、顧客名、案件名、および詳細情報が含まれる。日報表示画面DD04には、編集ボタンと削除ボタンが含まれる。編集ボタンは、押下により表示されている日報情報に係る編集画面の表示を指示するためのボタンである。画面制御部114は、編集ボタンの押下を検出するとき、日報表示画面DD04を消去して、その日報情報を編集するための編集画面を生成し、生成した編集画面と時間帯表示画面TI04を示す表示画面データを端末装置20に送信する。画面制御部114は、削除ボタンの押下を検出するとき、日報表示画面DD04に表示された日報情報を消去して、日報情報が消去された日報選択画面を示す画面表示データを端末装置20に送信する。
【0049】
また、画面制御部114は、時間帯表示画面TI04において端末装置20から受信した操作情報に基づいて新たな時間帯が指示されるとき、もとの日報表示画面もしくは編集画面に代えて、新たな日報情報を生成するための編集画面を示す表示画面データを生成し、生成した表示画面データを端末装置20に送信する。その表示画面データには、新たな日報情報の要素として、編集処理部116は、既に指示された日付と指示された時間帯を示す情報を含めてもよい。既存の日報情報の時間帯は、クリック操作など複数の候補のうち、いずれか1つの候補を特定可能とする操作により指示されうる。新たな時間帯は、ドラッグ操作など、その起点から終点までの空間を特定可能とする操作により指示されうる。端末装置20の制御部210は、情報処理装置10から受信した表示画面データを表示部250に出力して、表示画面データに基づく編集画面を表示させる。
【0050】
図8は、本実施形態に係る編集画面の一例を示す図である。
編集画面ED06は、時間帯表示画面TI06を用いて特定された時間帯12:00-12:30を要素として含む日報情報の編集に用いられる場合を例にする。編集画面ED06の表示領域は、時間帯表示画面TI06の表示領域に対して水平方向に隣接して配列されているが、その表示領域の一部または全部が時間帯表示画面TI06の表示領域に重ならない位置に並列している。編集画面ED06は、時間帯表示画面TI06を含む全表示領域の右方に偏った位置に配置され、時間帯表示画面TI06は左方に偏った位置に配置されている。
図8に示す例では、編集画面ED06の右端と全表示領域の右端が揃った位置、つまり、編集画面ED06の右端と全表示領域の右端との間で水平方向の座標が共通となる。
【0051】
編集画面ED06には、要約、時間、顧客、案件、対応および詳細の表示欄を垂直方向に配列され、これらの表示欄の下部には、さらにキャンセルボタンおよび保存ボタンが水平方向に隣接して配列される。
要約欄には、編集処理部116は、選択された表示対象の日報情報の表題の項目に設定される表題の情報を配置する。編集処理部116は、操作情報に従って要約欄に入力されるテキスト情報を変更後の表題の候補として設定する。
時間欄には、編集処理部116は、表示対象の日報情報の日時の項目に設定される日時のうち時間帯の情報を配置する。編集処理部116は、時間帯表示画面TI06上で操作情報に従って指示された時間帯の情報を時間欄に配置してもよい。編集処理部116は、操作情報に従って時間欄に入力されるテキスト情報を変更後の日時の候補として設定する。なお、新たに確定した日時の候補に時間帯の情報が含まれるとき、画面制御部114は、その時間帯を表す時間帯表示画面TI06に更新してもよい。
【0052】
顧客欄には、編集処理部116は、表示対象の日報情報の顧客の項目に設定される顧客名を配置する。編集処理部116は、操作情報に従って顧客欄に入力されるテキスト情報を変更後の顧客の候補として設定してもよい。
案件欄には、編集処理部116は、顧客欄に設定された顧客に関連付けられた案件の案件名を配置する。より具体的には、編集処理部116は、表示対象の日報情報の顧客の項目と共通の情報を有する顧客情報を特定し、特定した顧客情報の案件の項目に設定される案件名を配置する。
対応欄には、編集処理部116は、顧客欄に設定された顧客に関連付けられた対応の案件名を配置する。より具体的には、編集処理部116は、表示対象の日報情報の顧客の項目と共通の情報を有する顧客情報を特定し、特定した顧客情報の対応の項目に設定される対応名を配置する。
詳細欄には、編集処理部116は、操作情報で指示されるテキスト情報を配置する。配置されるテキスト情報は、典型的には、日報としての報告をはじめとする記録内容を示す説明文をなす。
【0053】
なお、顧客欄に設定可能とする顧客の数は、1名に限られず、複数名であってもよい。複数の顧客が設定される場合には、それら複数の顧客のうち、端末装置20から受信した操作情報に応じて編集対象とする1名の顧客を選択可能としてもよい。例えば、編集処理部116は、顧客欄にタブを適用し(タブ表示)、複数の顧客のうち、操作情報で指示される1名の顧客の顧客名を配置する。編集処理部116は、操作情報で顧客が指示されない場合には、予め定めた順序またはランダムに選択した順序でいずれか1名の顧客の顧客名を配置してもよい。
案件欄に設定可能とする案件の数は1件に限られず、複数件であってもよい。編集処理部116は、顧客と同様な手法で、編集対象とする案件名を選択可能としてもよい。
対応欄に設定可能とする対応の数は1件に限られず、複数件であってもよい。編集処理部116は、顧客と同様な手法で、編集対象とする対応名を選択可能としてもよい。
【0054】
キャンセルボタンは、編集により設定した日報情報の一部または全部のキャンセルを押下により指示するためのボタンである。編集処理部116は、キャンセルボタンの押下を検出するとき、各欄に配置した情報ならびに編集画面ED06への表示を消去する。画面制御部114は、その後、編集画面ED06を消去し、もとの表示(例えば、日報表示画面DD04)に復元してもよい。
保存ボタンは、編集により設定された日報情報の一部または全部の保存を押下により指示するためのボタンである。編集処理部116は、保存ボタンの押下を検出するとき、最新の編集開始後に各欄に配置した情報を差分として確定し、確定した差分を編集対象の日報情報に含めることによって、その日報情報を更新する。
【0055】
編集画面ED06には、詳細タグと新規タグが、リンク表示の形式を用いて顧客欄、案件欄および対応欄のそれぞれに関連付けて表されている。より具体的には、各欄と、その欄に対応する詳細タグと新規タグは、同じ行にその順序で配列されている。
詳細タグは、押下により、関連付けられた欄に係る項目で関連付けられた関連情報の表示ならびに編集を案内するための案内表示である。例えば、顧客欄に隣接した詳細タグへの押下を検出するとき、画面制御部114は、日報情報の顧客項目で関連付けられた顧客情報を記憶部130から読み出し、読み出した顧客情報の表示ならびに編集を行うための顧客情報画面を構成する。
【0056】
但し、案件項目と対応項目のように顧客に対する業務に関する項目(以下、業務項目)は顧客情報に含まれ、日報情報に直接含まれていない。そこで、案件欄と同じ行に隣接した詳細タグへの押下を検出するときでも、画面制御部114は、日報情報の顧客項目で関連付けられた顧客情報を記憶部130から読み出す。そして、画面制御部114は、読み出した顧客情報に含まれる案件項目を特定し、特定した案件項目と共通の案件項目を含む業務情報である案件情報を記憶部130から読み出し、読み出した案件情報の表示ならびに編集を行うための案件情報画面を構成する。これにより選択された顧客に関連付けられた案件情報の参照が可能となる。なお、対応欄と同じ行に隣接した詳細タグへの押下を検出する場合には、画面制御部114は、案件情報画面と同様の手法で、対応情報画面を構成することができる。
【0057】
新規タグは、押下により、関連付けられた欄に係る項目に関連付けられる関連情報の生成ならびに表示を案内するための案内表示である。例えば、顧客欄と同じ行の新規タグへの押下を検出するとき、画面制御部114は、日報情報に含まれる顧客項目を除き、他の項目が設定されていない状態で顧客情報を仮に生成し、生成した顧客情報の表示ならびに編集を行うための顧客情報画面を構成する。また、案件欄と同じ行の新規タグへの押下を検出するとき、画面制御部114は、日報情報に含まれる案件項目を除き、他の項目が設定されていない状態で案件情報を仮に生成し、生成した案件情報の表示ならびに編集を行うための案件情報画面を構成する。対応欄と同じ行の新規タグへの押下を検出する場合には、画面制御部114は、案件情報画面と同様の手法で、対応情報画面を構成することができる。
【0058】
画面制御部114は、構成した関連情報画面として、顧客情報画面、案件情報画面または対応情報画面のいずれかと編集画面ED06を相互に重なり合わない配置で同時に表示する画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。ここで、画面制御部114は、編集画面ED06の位置を変更せずに、その表示を継続する。端末装置20の制御部210は、情報処理装置10から受信した画面表示データを表示部250に出力する。表示部250は、制御部210から入力される画面表示データに基づく関連情報画面と編集画面ED06を同時に表示する。
【0059】
なお、全表示領域のうち編集画面ED06の表示領域以外の位置の押下を検出するとき、画面制御部114は、その時点で編集可能に表示している編集画面ED06を消去し、編集画面ED06の表示前に表示させていた日報表示画面DD04に代え、更新した日報情報を示す日報表示画面を表示させてもよい。画面制御部114は、時間帯表示画面TI04と同時表示された更新後の日報表示画面を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。ここで、全表示領域とは、情報処理装置10が提供される顧客管理サービスのための画面の表示領域の全体を意味する。
【0060】
図9は、本実施形態に係る顧客情報画面の一例を示す図である。
顧客情報画面DC08は、編集画面ED06の表示中に顧客欄と同じ行に隣接する詳細タグの押下が検出されるときに表示される関連情報画面である。顧客情報画面DC08は、押下が検出された詳細タグに隣接する顧客欄で設定された顧客名を有する顧客情報を表示および編集するために用いられる。顧客情報画面DC08には、顧客の顧客名と個人情報が表されている。顧客情報画面DC08の左上端の見出し欄には、顧客名、生年月日、性別、職業、住所が表されている。見出し欄の右上端に表示されている鉛筆のマークは、その時点において編集可能であることを示す画面表示である。編集処理部116は、ある表示欄の領域内の座標を示す操作情報を取得するとき、その表示欄内に設定される情報を編集可能とし、その領域外の座標を示す操作情報を取得するとき、その表示欄内に設定される情報の編集を終了する。ある表示欄の領域内の座標を示す操作情報を取得するとき、その表示欄内に設定される情報を編集可能とし、その領域外の座標を示す操作情報を取得するとき、その表示欄内に設定される情報の編集を終了する。
【0061】
顧客情報画面DC08の右上端には、顧客の肖像を示す画像(顔写真)が表されている。
顧客情報画面DC08において、見出し欄と画像の直下に隣接して、案件登録ボタン(案件を登録)、画像アップロードボタン(画像をアップロード)および削除ボタンが、同じ行に左方から右方に向けてその順序で配列されている。案件登録ボタンは、押下により新たな案件情報の取得を指示するためのボタンである。案件登録ボタンへの押下を検出する場合には、画面制御部114は、案件情報画面を構成し、顧客情報画面DC08と同時表示させる。ここで、画面制御部114は、顧客情報画面と顧客情報画面DC08を同時に相互に重なり合わない配置で示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。
【0062】
画像アップロードボタンは、押下により画像データのアップロードを指示するためのボタンである。画像アップロードボタンの押下を検出するとき、編集処理部116は、アップロード案内画面を表示させ、操作情報で指示したファイル名のデータファイルに格納された画像データを端末装置20から受信する。編集処理部116は、受信した画像データを、顧客情報のいずれかの項目、例えば、個人情報に格納して記憶部130に保存する。
削除ボタンは、押下により顧客情報の削除を指示するためのボタンである。削除ボタンの押下を検出するとき、編集処理部116は、顧客情報画面DC08に表示させた顧客情報の表示を消去する。このとき、編集処理部116は、表示させていた顧客情報を記憶部130から消去してもよい。
【0063】
顧客情報画面DC08の案件登録ボタン、画像アップロードボタンおよび削除ボタンよりも下方には、2個のタブと選択表示領域が配置されている。選択表示領域は、2個のタブの下方に設けられた表示領域である。2個のタブは、基本情報タブとタイムラインタブである。基本情報タブは、押下により顧客情報のうち基本情報の選択表示領域へ編集可能な表示を指示するためのタブである。編集処理部116は、表示対象の顧客情報に関する基本情報を選択表示領域に表示させる。基本情報は、例えば、顧客情報をなす個人情報の項目に設定されている情報のうち、見出し欄に表示させなかった残りの情報である。
図8に示す例では、基本情報として、年収、住居形態、土地の所有の有無、DM(ダイレクトメール)の発送の有無、電話番号、メールアドレス、家族および備考の表示欄が設けられている。家族の欄には、家族の構成員の続柄、名前、生年月日および職業が表示され、さらに図案化された鎖の外観を有する関連マークが付随されている。関連マークは、付随した情報と関連付けられた関連情報の存在と、押下によりその関連情報を表示可能とすることを示す表示である。
【0064】
タイムラインタブは、表示させている顧客情報に関する編集履歴のタイムラインとしての選択表示領域への表示を押下により指示するためのタブである。
図10に例示されている顧客情報画面DC10では、タイムラインタブの選択によりタイムラインが選択表示領域に表示されている。タイムラインは、顧客情報と、その顧客情報に関連付けられた業務情報の編集内容のそれぞれを、その日時と対応付けて、その日時の順序に配列して形成される。業務情報として、上記の案件情報と対応情報のいずれか一方または両方が該当する。
図10に示す例では、各一回の編集ごとに垂直方向に延びる区分線の左方に、日時と担当者名が配列され、区分線の右方に編集種別、編集項目、編集内容が配列されている。編集種別として、登録(新規生成)、更新(変更)、削除のいずれかが表される。編集項目として、顧客情報内の編集に係る欄または顧客情報に関連付けられた業務情報の主項目の情報が表される。編集内容として、編集により変更または追加された情報が表される。但し、顧客情報に関連付けられた業務情報については、省略されてもよい。
【0065】
図11は、本実施形態に係る案件情報画面の一例を示す図である。
案件情報画面MT12は、編集画面ED06の表示中に案件欄に隣接する詳細タグの押下が検出されるときに表示される関連情報画面である。案件情報画面MT12は、押下が検出された詳細タグに隣接する案件欄で設定された案件名を有する案件情報を表示および編集するために用いられる。案件情報画面MT12には、案件の案件名、顧客名、担当者名、案件種別、営業評価、営業情報、工事情報および契約情報の一部または全部が表される。案件情報画面MT12の左上端の見出し欄には、案件名、顧客名、顧客の生年月日、顧客の住所、顧客の電話番号、担当者名、点検の要否が表されている。点検の要否として「点検あり」が設定されている場合には、後述するように、その案件情報に関連付けられた対応情報として、その案件に係る建築物に対する点検を示す対応情報も案件情報画面MT12に表示可能とする。
【0066】
案件情報画面MT12の右上端には、その案件に係る家屋を示す画像が表されている。
案件情報画面MT12において、見出し欄と画像の直下に隣接して、完了ボタン(完了にする)、失注ボタン(失注にする)、画像アップロードボタンおよび削除ボタンが、同じ行に左方から右方に向けてその順序で配列されている。
完了ボタンは、押下により表示させている案件情報に係る案件の営業評価として完了段階の設定を指示するためのボタンである。完了ボタンへの押下を検出する場合には、編集処理部116は、その案件情報の営業評価の項目に完了を設定する。失注ボタンは、押下により表示させている案件情報に係る案件の営業評価として失注の設定を指示するためのボタンである。失注ボタンへの押下を検出する場合には、編集処理部116は、その案件情報の営業評価の項目に失注を設定する。
画像アップロードボタンは、上記のように押下により画像データのアップロードを指示するためのボタンである。
削除ボタンは、上記のように押下により表示させている案件情報の削除を指示するためのボタンである。
【0067】
案件情報画面MT12の完了ボタン、失注ボタン、画像アップロードボタンおよび削除ボタンよりも下方には、2個のタブと選択表示領域が配置されている。2個のタブは、基本情報タブと点検タブであり、同じ行に互いに隣接して配置されている。基本情報タブは、押下により案件情報のうち基本情報の選択表示領域へ編集可能な表示を指示するためのタブである。編集処理部116は、表示対象の案件情報に関する基本情報を選択表示領域に表示させる。基本情報は、例えば、案件情報のうち、見出し欄に表示させなかった残りの情報の一部である。
図11に示す例では、基本情報として、営業情報および工事情報が含まれる。表示対象の基本情報には、さらに契約情報も含まれてもよい。
【0068】
点検タブは、表示させている顧客情報に関連付けられた点検履歴の選択表示領域への表示を押下により指示するためのタブである。
図12に例示されている案件情報画面MT14では、点検タブの選択により点検履歴が選択表示領域に表示されている。点検履歴は、案件情報に関連付けられた対応情報のそれぞれが示す点検の情報を、その日時の順序に配列して形成される。個々の点検について、その名称と、その実施に係る日時の情報が点検情報に含まれる。個々の点検について、点検者や点検結果を示す情報が含まれてもよい。点検履歴には、過去に実施された点検に限られず、将来予定される点検の情報が含まれてもよい。
【0069】
図13は、本実施形態に係る対応情報画面の例を示す図である。
対応情報画面SP16は、編集画面ED06の表示中に対応欄に隣接する詳細タグの押下が検出されるときに表示される関連情報画面である。対応情報画面SP16は、押下が検出された詳細タグに隣接する対応欄で設定された名称(対応名)を有する対応情報を表示および編集するために用いられる。対応情報画面SP16には、対応の対応名、顧客名、担当者名、案件名、対応内容および対応状況の一部または全部が表される。対応情報画面SP16の左上段には、対応名「3ケ月点検」と対応状況として「未完了」が水平方向に隣接して表示されている。対応名と対応状況の直下に隣接して、完了ボタン(完了にする)、編集ボタン、画像アップロードボタン、および削除ボタンが、同じ行に左方から右方に向けてその順序で配列されている。
【0070】
完了ボタンは、押下により表示させている対応情報に係る対応状況として完了の設定を指示するためのボタンである。完了ボタンへの押下を検出する場合には、編集処理部116は、その対応情報の対応状況の項目に完了とその日付を完了日として設定する。
編集ボタンは、押下により表示させている対応情報の編集のための対応情報編集画面(図示せず)の表示を指示するためのボタンである。編集ボタンへの押下を検出する場合には、画面制御部114は、その対応情報の内容を含む対応情報編集画面を、対応情報画面SP16の表示領域に、対応情報画面に代えて構成する。画面制御部114は、対応情報編集画面を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。対応情報編集画面を端末装置20に表示させることで、操作情報に基づく対応情報の編集が可能となる。
画像アップロードボタンは、上記のように押下により画像データのアップロードを指示するためのボタンである。
削除ボタンは、上記のように押下により表示させている対応情報の削除を指示するためのボタンである。
【0071】
対応情報画面SP16の完了ボタン、編集ボタン、画像アップロードボタンおよび削除ボタンよりも下方には、詳細表示領域が配置されている。詳細表示領域には、点検案内日、案内方法、顧客名、案件名、対応内容、現場状況および担当者名(報告者)が配置されている。点検案内日、案内方法および現場状況の情報は、対応情報のうち対応内容に設定されてもよい。詳細表示領域には、対応情報に含まれる画像が表示されてもよい。
図13に示す例では、現場状況に関連付けられた画像が配置されている。この例では、詳細表示領域は編集可能ではないが、編集可能であってもよい。詳細表示領域を編集可能とする場合には、編集ボタンは省略されてもよい。
【0072】
なお、全表示領域のうち関連情報画面(例えば、顧客情報画面DC08、DC10、案件情報画面MT12、MT14、対応情報画面SP16のいずれか)の表示領域以外の位置の押下を検出するとき、画面制御部114は、その時点で表示させている関連情報画面を消去してもよい。このとき、編集処理部116は、表示させていた関連情報画面に対して設定された最新の関連情報を記憶部130に保存し、画面制御部114は、関連情報画面を表示させる前に表示させていた画面(例えば、時間帯表示画面TI06)の表示を復元してもよい。ここで、画面制御部114は、復元した画面と日報情報画面との同時表示を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。
【0073】
また、関連情報画面が表示されている状態で、その関連情報画面に係る詳細タブまたは新規タブとは別個の詳細タブまたは新規タブの押下を検出するとき、画面制御部114は、既に表示されている関連情報画面を消去してもよい。このとき、表示させていた関連情報画面に対して設定された最新の関連情報を記憶部130に保存し、画面制御部114は、押下を検出した詳細タブまたは新規タブに係る関連情報を表示および編集するための関連画面を構成し、編集画面と同時に表示させてもよい。ここで、画面制御部114は、新たな関連情報画面と日報情報画面との同時表示を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。
【0074】
図9-
図13に示す例では、全表示領域のうち編集画面ED06は全表示領域の右方に偏って配置されるのに対し、関連情報画面は全表示領域の左方に偏って配置されることで、相互に表示領域が重ならないように編集画面ED06と同時表示される。そこで、本実施形態では、編集画面ED06の表示中に関連情報画面の表示を開始させるとき、画面制御部114は、関連情報画面の表示領域の右端の位置が全表示領域の左端から編集画面ED06の表示領域の左端に到達するまで所定時間(例えば、1~3秒)かけて右方に、その関連情報画面を平行移動させてもよい。このとき、画面制御部114は、編集画面ED06の表示領域を固定したまま、関連情報画面のその右方への移動を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。但し、画面制御部114は、関連情報画面のうち全表示領域の領域外にはみ出た部分は表示されず、全表示領域内の部分を表示させる。その後、画面制御部114は、それぞれの表示領域が静止した関連情報画面と編集画面ED06の同時表示を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。端末装置20の制御部210は、情報処理装置10から受信した画面表示データに基づく画面として、関連情報画面がその右端が全表示領域の左端から編集画面ED06の左端まで移動し、その後、関連情報画面の表示領域が静止した画面を表示部250に表示させることができる。
図14は、編集画面ED06の表示中に移動する顧客情報画面DC08を例示する。この表示例のように、編集画面ED06の編集中において、その表示を維持したまま、ユーザは関連情報画面が表示される過程を容易に視認することができる。そのため、ユーザは日報情報の編集時において編集対象の関連情報の見逃しを回避する可能性を低減することができる。
【0075】
また、本実施形態では、編集画面ED06と関連情報画面との同時表示中に、関連情報画面の消去を開始させるとき、画面制御部114は、関連情報画面の表示領域の右端の位置が編集画面ED06の表示領域の左端から全表示領域の左端に到達するまで所定時間(例えば、1~3秒)かけて左方に、その関連情報画面を平行移動させてもよい。このとき、画面制御部114は、編集画面ED06の表示領域を固定したまま、関連情報画面のその左方への移動を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。その後、画面制御部114は、関連情報画面が消去され、編集画面ED06の表示が維持された画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。端末装置20の制御部210は、情報処理装置10から受信した画面表示データに基づく画面として、関連情報画面がその右端が編集画面ED06の左端から全表示領域の左端に到達するまで移動し、その後、関連情報画面の表示領域が消去された画面を表示部250に表示させることができる。
図15は、編集画面ED06の表示中に移動する顧客情報画面DC08を示す。この表示例のように、編集画面ED06の編集中において、その表示を維持したまま、ユーザは関連情報画面が消去される過程を容易に視認することができる。そのため、ユーザは日報情報の編集時において編集対象から除外される関連情報をより確実に認識することができる。
図14、
図15の左方に配置された矢印は、顧客情報画面DC08の移動を説明することを目的とし、必ずしも表示部250に表示されるものではない。
【0076】
なお、画面制御部114は、消去の開始により、移動中の関連情報画面の表示領域の押下を検出するとき、関連情報画面を再度、編集画面ED06と同時表示させてもよい。画面制御部114は、関連情報画面を再度表示させる際、その移動方向を逆転させ、関連情報画面の表示領域の右端の位置が編集画面ED06の表示領域の左端から全表示領域の左端に到達するまで右方に再度平行移動させる。このとき、画面制御部114は、編集画面ED06の表示領域を固定したまま、関連情報画面をその右方への再度の移動を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。その後、画面制御部114は、それぞれの表示領域が静止した関連情報画面と編集画面ED06の同時表示を示す画面表示データを生成し、生成した画面表示データを端末装置20に送信する。これにより、端末装置20の表示部250は、関連情報画面が再度右方に移動し、その後、編集画面ED06との同時表示が再開することができる。そのため、ユーザは関連情報を誤って編集対象から除外したことに気づいた場合、再度表示させる関連情報画面上の関連情報を再編集対象として復帰させることができる。
【0077】
以上に説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、少なくとも表題、日時および顧客の項目を要素として含む日報情報と、前記顧客に関連する関連情報(例えば、顧客情報)を当該顧客の項目と関連付けて保存する記憶部130を備える。また、情報処理装置10は、関連情報の表示を案内する案内表示(例えば、詳細タグ、案内タグ)を含む日報情報を編集するための編集画面を示す画面表示データを端末装置20に提供し、案内表示を指示する操作情報を端末装置20から提供されるとき、関連情報の少なくとも一部を表す関連情報画面(例えば、顧客情報画面、案件情報画面、対応情報画面)と編集画面との同時表示を示す画面表示データを端末装置20に提供する画面制御部114と、を備える。
この構成により、端末装置20は、案内表示を含む編集画面を提示し、案内表示を指示する操作情報に応じて関連情報画面と編集画面を同時表示することができる。端末装置20のユーザは、編集画面を参照して日常業務である日報情報を作成しながら、顧客に関する関連情報を編集することができる。そのため、日常業務における顧客情報の管理を効率化することができる。
【0078】
また、関連情報画面と編集画面の同時表示を示す画面表示データは、関連情報画面の表示領域が、編集画面の表示領域に重ならない配置を示してもよい。
この構成により、端末装置20から提供される関連情報画面の表示領域と編集画面の表示領域が重なり合わないため、関連情報の提示と日報情報の提示が相互に阻害されない。
【0079】
また、編集画面と関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、関連情報画面の表示を開始するとき、画面表示データは、所定方向への関連情報画面の表示領域の移動を示してもよい。
この構成により、端末装置20は、関連情報画面の表示を開始するとき関連情報画面が所定方向に移動する過程を提示することができる。端末装置20のユーザは関連情報が配置された関連情報画面が静止している場合よりも、移動する関連情報画面に容易に気づくことができるため、関連情報の見逃しの予防またはその可能性を低減することができる。
【0080】
また、画面制御部114は、編集画面と関連情報画面を配置する表示領域の全体である全表示領域において、関連情報画面の表示領域の範囲外の位置を示す操作情報が端末装置20から提供されるとき、関連情報画面を消去してもよい。
この構成により、端末装置20は、関連情報画面の表示領域外の位置を示す操作を受け付けるとき、関連情報画面を消去することができる。そのため、端末装置20のユーザは簡便な操作により関連情報の参照または編集を終了することができる。
【0081】
また、全表示領域において、編集画面は所定方向に偏った位置に配置され、編集画面の表示領域に重ならない位置に配置された関連情報画面の消去を開始するとき、画面表示データは、所定方向とは逆方向への関連情報画面の表示領域の移動を示してもよい。
この構成により、端末装置20は、関連情報画面の消去を開始するとき関連情報画面が所定方向とは逆方向に移動する過程を提示することができる。端末装置20のユーザは関連情報が配置された関連情報画面が静止している場合よりも、移動する関連情報画面により容易に気づくことができるため、関連情報の見逃しの予防またはその可能性を低減することができる。
【0082】
また、記憶部130は、関連情報の要素とする情報要素として、顧客に関連する業務項目を要素として含む顧客情報と、業務項目のより詳細な情報である業務情報(例えば、案件情報、対応情報)とを関連付けて記憶し、案内表示は、業務情報のそれぞれに関連付けられた項目(例えば、顧客欄、対応欄)を含んでもよい。画面制御部114は、項目のいずれかを指示する操作情報が端末装置20から提供されるとき、操作情報で指示される項目に関連付けられた業務情報を記憶部130から読み取り、業務情報を表す関連情報画面と編集画面との同時表示を示す画面表示データを端末装置20に提供してもよい。
この構成によれば、端末装置20は、日報情報と、その日報情報に係る顧客と関連付けられ、日報画面上で指示された項目に関連付けられた業務情報とを同時に表示させることができる。そのため、端末装置20のユーザは、日報情報を編集しながら、顧客に関連する所望の業務情報を参照することができる。また、業務情報は、顧客情報と関連付けたうえで独立に構成されるので、顧客情報の肥大化が抑制される。そのため、日常業務における顧客に関連する業務情報の管理が効率化される。
【0083】
画面制御部114は、関連情報画面を表示させないとき、個々の日報の日時を表す日時表示画面(例えば、時間帯表示画面)と編集画面との同時表示を示す画面表示データを端末装置に提供し、日時表示画面に表された日時のいずれかを指示する操作情報が端末装置20から提供されるとき、当該操作情報が示す日時に係る日報情報を編集対象と定めてもよい。
この構成によれば、端末装置20は、提示した日時表示画面に表された日時のうち、操作情報で指示された日時に係る日報情報を編集対象として提示可能となる。そのため、端末装置20のユーザは、編集対象とする日報情報を直感的に簡便な操作により選択することができる。
【0084】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上記の例では、顧客に関連する関連情報が、顧客情報と、業務情報として案件情報と対応情報を情報要素として含む場合を例にするが、これには限られない。業務情報は、省略されてもよいし、顧客情報の一部に含まれてもよい。また、案件情報と対応情報の一方が省略されてもよいし、案件情報と対応情報とは別個の種別の業務情報が関連情報に含まれてもよい。
また、日報情報は、業務情報と顧客情報を介して間接的に関連付けられている場合を例にしたが、これには限られない。日報情報は、業務情報と直接関連付けられてもよい。
日報情報、顧客情報、業務情報および対応情報は、上記に説明した項目とは別個の項目を含んでもよいし、一部の項目が省略されてもよい。
【0085】
また、画面の配置、表示させる画面部品等の数は、本実施形態の趣旨を逸脱しない限り、任意に設定可能である。例えば、
図6-
図15は、全表示領域の水平方向の幅が垂直方向の高さよりも広い横長表示を例にしているが、縦長表示に適用されてもよい。
図6-
図15の各画面に例示される2つの画面は水平方向に代えて垂直方向に配置されてもよい。
また、
図14、
図15は、編集画面が全画面領域の右方に偏った位置に配置され、関連情報画面がそれぞれ左方、右方に移動する場合を例にしたが、これには限られない。編集画面を全画面領域の左方に偏った位置に配置させ、関連情報画面をそれぞれ右方、左方に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10…情報処理装置、20(20-1、20-2)…端末装置、110…制御部、112…ユーザ情報管理部、114…画面制御部、116…編集処理部、120…通信部、130…記憶部、210…制御部、220…通信部、230…記憶部、240…操作入力部、250…表示部