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  • 特許-マニュアル制御を伴う電動一輪車 図1
  • 特許-マニュアル制御を伴う電動一輪車 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】マニュアル制御を伴う電動一輪車
(51)【国際特許分類】
   B62K 1/00 20060101AFI20240117BHJP
   B62K 17/00 20060101ALI20240117BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240117BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20240117BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240117BHJP
   B60L 15/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B62K1/00
B62K17/00
B60L50/60
B60L53/80
B60L15/20 J
B60L15/00 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021514499
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CA2019051063
(87)【国際公開番号】W WO2020051678
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】3017295
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】521104355
【氏名又は名称】ゾウ,ジン ユアン
【氏名又は名称原語表記】ZHOU, Jing Yuan
【住所又は居所原語表記】9131 Ash Street, Richmond, British Columbia V7 A2T5 (CA)
(73)【特許権者】
【識別番号】521104366
【氏名又は名称】ゾウ,ジフア
【氏名又は名称原語表記】ZHOU, Jihua
【住所又は居所原語表記】9631 Woodwards Place, Richmond, British Columbia V7E IH5 (CA)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジン ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジフア
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4109741(US,A)
【文献】中国実用新案第207550380(CN,U)
【文献】中国実用新案第204527437(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107902011(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104787188(CN,A)
【文献】特開2018-83431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 1/00
B62K 13/00- 19/48
B60L 50/60
B60L 53/80
B60L 15/20
B60L 15/00
B62M 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのホイールと、
前記ホイールを回転して運動させる、1つのブラシレスDCモーターと、
2つのペダルであって、1つはユーザーの足を支えるための固定ペダルであり、他方は前記ユーザーが前記足を振って前記ホイールの回転速度と回転方向とを制御するための操作ペダルである2つのペダルと、
1つのシートと、
前記操作ペダルの信号に従って前記ブラシレスDCモーターを制御する、メインボードと、
リチウムイオン電池パックと、
折り畳み可能かつ一輪車本体に接続された緊急ブレーキフットボード(1J)であって、緊急時にブレーキをかける際、ユーザーは直接それ(1J)を踏んで、それを地面に押し付けることができ、そしてそれが地面をこすってブレーキをかける緊急ブレーキフットボードと、
伸縮ハンドルと、
上記の部品が組み立てられ、また前記ユーザーが回転する前記ホイールに触れないことを確実にする1つのケーシングと、を含む、電動一輪車。
【請求項2】
前記操作ペダルは、以下の2段階の「足感覚」を備える、請求項1に記載の電動一輪車。
1)前記電動一輪車が正常に走行している間の正常段階
2)前記電動一輪車が制限速度に達するまたは制限トルクに近づくと、それが特定の「足感覚」を生み出し、前記ユーザーに注意を喚起する極限段階。
【請求項3】
前記操作ペダルを使用できないまたは使いたくない一部の特別なユーザーのために前記電動一輪を操作するための操作ハンドルが前記伸縮ハンドルに追加された、請求項1に記載の電動一輪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動一輪車である。公開討論しやすいように、それは「ゾウ(Zhou)一輪車」と名付けられる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一輪車および自動バランス電動一輪車の改良である。ユーザーは彼らの足を振って、ホイールの進退を制御し、それを運転する。それは交通手段の一つである。
【背景技術】
【0003】
一般的な一輪車で、それに乗ることはアクロバットにもよく登場するスポーツである。それに乗るには、特別な技術と訓練が必要である。一般の人が操作するのは難しい。そのため、従来の一輪車は一般的な交通手段にはなっていないし、今後もなることはないだろう。
【0004】
過去20年の間に、電池、電気モーターおよびマイクロエレクトロニクス技術の進歩に伴い、人々は従来の一輪車を改良し、モーターを取り付け、電池で駆動し、電子ジャイロでその安定性を高め、自動バランス電動一輪車を発明した。電子ジャイロの限界から、乗る場合ユーザーは一定の姿勢を保つ必要がある。例えば、電動一輪車「Ninebot One」の場合、ユーザーは通常、直立していなければならない。これでは、疲れやすく、長時間の運転には不向きで、移動手段としても不向きで、ただの「かっこいい」おもちゃになってしまう。
【0005】
本発明は、一輪車を実用的で一般的な移動手段にすることを目的とする。
【0006】
(本発明の内容)
本発明は、電動一輪車とよく似ているが、その動作原理は大きく異なる。自動バランス電動一輪車は、その電気ジャイロでその姿勢(下降および上昇の角度)を感知してそのホイールの駆動力を制御する。ユーザーは、ユーザーの意思を実現するために、その姿勢を調整してホイールの駆動力を制御する。その姿勢を調整するには、ユーザーの身体的な調整が必要となる。
【0007】
しかし、本発明では、ユーザーの意志と彼らの姿勢に応じて、彼らの足を振ってホイールの駆動力を制御する。本発明のコンセプトは、以下の知見に基づく:1)人間は自分の姿勢を認識する能力に長けている。2)彼らの足は彼らの体よりも柔軟で鍛えやすい。3)彼らの座った姿勢は彼らの立った姿勢よりも疲労が少ない。4)彼らの変化する姿勢は固定された姿勢よりも疲労が少ない。
【0008】
以下、図1図2を参照しながら、本電動一輪車について説明する。
【0009】
本電動一輪車は、ホイール(1B)、ブラシレスDCモーター(1C)、2つの異なるペダル(1D、1K)、シートアセンブリ(1E)、メインボード(1F)、およびリチウムイオン電池パック(1G)、ケーシング(1H)を含む。
【0010】
ホイール(1B)、ブラシレスDCモーター(1C)、およびリチウムイオン電池パック(1G)は、自動バランス電動一輪車または電動自転車と同様のものであり、さらに交換も可能である。
【0011】
本発明の特徴である2つの異なるペダル。使用する前に、2つのペダルの基本的な下降の角度を、ユーザーの好みおよび感覚に合わせて調整し、ロックすることができる。2つのペダルは、使用時には拡張し、または使用しないときには折りたたむことができる。ユーザーが本電動一輪車を運転するとき、2つのペダルは異なっており:1つは固定ペダル(1K)で、それは足を支えるためだけのものであり、その下降角度は固定され、他方は操作ペダル(1D)で、その下降角度が可変であり、ユーザーは足を振ってその下降角度を調整し、ホイール速度および回転の方向を操作する。このように、足でホイールの回転速度および方向を制御して走行とピッチのバランスをとり、走行中はホイールを左右にひねってそれらの左右のバランスを維持する。--この原理は、従来の一輪車から来ている。
【0012】
ユーザーが操作しやすいように、操作ペダルには次のような機能を持たせている:電源を入れた後、ユーザーの足が真ん中の位置にあるか、または操作ペダルに触れていない場合、ホイールは限られた電磁力によってロックされ、簡単には回転し得ない。ユーザーが足を振って操作ペダルの下降角度を大きくすると、ホイールは前方に回転し、操作ペダルの下降角度が大きいほどホイールの回転は速くなる。ユーザーが足を振って操作ペダルの下降角度を小さくすると、ホイールは前進回転が減少し、逆回転にもなる。ユーザーが足を振って操作ペダルを制御すると、ホイールの回転の速度が連続的に変化する。一輪車および電動自転車は大きく異なるため、電動自転車の速度を制限するには、モーターの速度を制限すればよいが、人々は一輪車ではそうできない。そうすることで一輪車が速度を制限してしまうと、ユーザーはすぐに転倒してしまうだろう。普通に一輪車を運転していて、ユーザーが加速したいときは、まず車輪の速度を少し落として、そして重心が地面の支点より前に出るようにして、それからユーザーが前に倒れる傾向を感じて、それからユーザーが前に倒れる加速度に追いつくようにホイールを前に加速することで、ユーザーは加速とピッチのバランスが取れるだろう。同様に、ユーザーが減速したいときは、まずホイールの速度を少し上げて、そして重心が地面の支点よりも後ろに来るようにして、それからユーザーが後ろに倒れる傾向を感じて、それからユーザーが後ろに倒れる加速度に追いつくようにホイール速度を減速することで、ユーザーは減速とピッチのバランスが取れるだろう。一輪車のサイクリストは、このような理論的な詳細を知らないかもしれないが、皆すべて本能的にそうしている。
【0013】
訓練によってサイクリストはこの本能的な反応を得ている。この電動アシスト自転車は、この本能的な反応を最大限に利用している。この電動一輪車の操作ペダルは、ユーザーの操作性と安全性を高めるために、2段階の「足感覚」を備え、本電動一輪車が正常に走行している場合、「足感覚」は正常であり、これは正常段階であり、この電動一輪車が制限速度に達したり、または制限トルクに近づいたりすると、ユーザーの足の操作力が急激に変化し、この「足感覚」が極限状態となり、ユーザーに注意を促し、その後、ユーザーが自動的に反応して過剰な操作を制限するようになっている。
【0014】
この電動一輪車の制限速度は、ユーザーの好み、地域の法律、電源の状況、および道路状態(大きな上り坂など)によって決められる。それをメインボードが解析して判断し、「足感覚」に反映させている。通常の場合、平坦で硬い道路では、モーターの最大トルクに合わせてトルクを制限する。しかし、滑りやすい道では、ホイールのスリップによる転倒を避けるために、本電動一輪車はユーザーの設定に応じてトルクを制限するだろう。ホイールのトルクが限界トルクに近づくと、ユーザーは「足感覚」で警告を受け、急な加速または減速を避けることができよう。これらの機能を実現するためには、メインボードの設計および製造に工夫が必要である。メインボードは、現在の技術で設計および製造され得る。また、メインボードにはインテリジェントシステムとBluetooth機能が搭載されており、ユーザーが携帯するスマートデバイス(スマートフォンなど)と接続することで、以下の機能を実現する:1)ユーザーのスマートデバイスが、盗難防止機能付きのスマートキーになるだろう。2)ユーザーの好み、地域の法律、および道路状態に合わせて、かれらのスマートデバイス上で制限速度およびホイールトルクを設定し得る。3)本電動一輪車は、速度情報をリアルタイムに送信し、ユーザーのインテリジェントデバイスに速度および累積走行距離を表示し、リチウムイオン電池パックの残量をリアルタイムに送信し、ユーザーのスマートデバイスにそれを表示することで、旅行の計画を立て易くし得る。
【0015】
シートアセンブリ(1E)は、シート(2A)、衝撃吸収のための2つの空気ばね(2B)、およびペダルを折り畳むための2つのヒンジ(2D)を含む。本電動一輪車が走行している時は、そのユーザーは基本的に座った状態で操作する。ユーザーはシートに直立して座ることも、前屈みになって座ることもできる。高速走行およびでこぼこ道に対応するために、シートはばね、好ましくは空気ばね(2B)で支持され、地面からの衝撃を和らげ、そのユーザーがより快適に過ごせるようにしている。そのユーザーは、空気ばねの硬さを彼または彼女の体重および好みに合わせて調整することができる。
【0016】
本電動一輪車には、伸縮ハンドル(1I)を取り付けることができる。伸縮長さには、いくつかのギアポジションがある。乗り心地が悪いときまたは電源がないときは、電源を切ると車輪のロックが解除されて自由に回転できるようになり、そのユーザーはそれをホイールで引きずったり、ハンドルでそれを持ち上げたりすることができる。これは非常に便利である。さらに、走行中にハンドルを持ち上げると、ナビゲーション装置、携帯電子デバイスをハンドルに固定して、ナビゲーション、速度表示、および残量表示などを行うことができる。ハンドルはまた、運転中のそのユーザーのアームレストにもなり得る。
【0017】
本電動一輪車には、ジャンプ乗りなどの複雑な動きをするとき、または片足が不自由なそのユーザーのために、操作ペダルの代わりとなる操作ハンドルを追加することができる。
【0018】
操作ハンドルを操作するためのそのユーザー手の振り方は、操作ペダルを操作するのと同様である。したがって、我々は、伸縮ハンドル(1I)の位置を操作ハンドルを固定するために確保する。
【0019】
我々は、本電動一輪車に、緊急ブレーキフットボード(1J)を取り付けることができる。一輪車、自動バランス電動一輪車などの従来の一輪車に乗る場合では、サイクリストは、緊急ブレーキをかけることが難しく、ゆっくりとだけブレーキをかけ得る。その主な理由は、一輪車はホイールのスリップまたはホイールのロックを有し得ないからである。さもなくば、彼らは制御を失って転倒してしまうだろう。本電動一輪車は、緊急ブレーキをかける際に、そのユーザーが立ち上がり、片足で操作ペダルを踏み、他方の足で緊急ブレーキフットボードを踏み、地面に踏みつけると、その後緊急ブレーキフットボードが地面に沿ってスライドし、運動エネルギーを素早く消費するとともに、急ブレーキをかける。このように、ユーザーの足を連動させることで、前後のバランス、左右のバランスを確保し、さらにブレーキをかけながら走行方向を調整し得る。本電動一輪車は持ち運びが便利で、緊急ブレーキフットボードは素早く取り付けおよび取り外しができ、または折りたたむこともできる。
【0020】
ケーシング(1H)は、上記の部品を組み立て、壊れやすい部品を保護し、ユーザーが可動部(ホイールなど)に触れないようにするためのものである。可動部に触れないようにすることは、安全面での配慮である。
(本発明の利点)
【0021】
従来の一輪車と比較して、本電動一輪車は、従来の一輪車のペダル-クランク機構の代わりにブラシレスDCモーターを使用する。本電動一輪車は、力強く、ユーザーは低重心を有し得る。そのため、それの利用で、より省力化、より安定化、より操作性のし易さが得られ、さらにはユーザーが彼らの両手が自由に使える。ユーザーが転倒しても、彼らの両手で地面に触れることが簡単にできるので、より安全であろう。
【0022】
本電動一輪車は、現在の自動バランス電動一輪車と比較すると、それは、自動バランス電動一輪車に必ず搭載されている電気ジャイロがない場合があり得る。電気ジャイロではなく、ユーザーが足(または手)でホイールの回転速度および方向を制御する。ユーザーは、座ったまま、立ったまま、斜めに座ったまま、前かがみになって座ったまま、前かがみになって立ったまま、または他の姿勢でそれを運転することができる。また、ユーザーは任意に姿勢を変えることができ、非常に楽である。さらに、通常はユーザーは座った姿勢で運転するため、重心が低く、両手が自由に使え、疲れにくく、そして安全性が高い。本電動一輪車は、その大きさ、重さ、製造技術、および製造コストが自動バランス電動一輪車に近いものである。
【0023】
本電動一輪車は、従来の自転車と比較して、それは以下の利点を有する:そのパワーがより強い。そのユーザーの重心が低い。より安定している。そのユーザーの両手が自由に使える。その通行性が良く、それは林道、畑など人が通り抜けることができるほとんどすべての悪道も通り抜け得る。それは小さくて便利で、その大きさは普通の中型スーツケース程度である。
【0024】
上記比較は以下を示す:本発明は、操作がし易い(ユーザーは彼らの足を動かすだけ)、パワフル(電動)、重心が低い(自転車または自動バランス電動一輪車よりも低い)、より安定、操作し易い(従来の自転車と同様)、コンパクトで持ち運びに便利(トランクに入れることができる)、交通の便が良い(人が通り抜けられる道ならほとんど、林道、畑でも通り抜ける)、速度が速くても遅くてもよい(参考:自動バランス電動一輪車、時速120kmまで、我々は時速16kmで制限可能である)、乗る際両手が自由に使える、通常の自転車よりも安全(転倒しにくい)、ゼロエミッション、無公害である。この電動一輪車は、都市および村の主要な近距離交通手段となることが期待され、さらには野外調査および森林パトロールなど、道路事情の悪い場所でも使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本電動一輪車(1A)の全体図および背面図
図2】シートアセンブリ(1E)
図3】要約用の図
【0026】
上記の図面は、本発明の一例を示すに過ぎない。単位:mm
【0027】
図面中の記号の意味
【表1】

図1
図2
図3