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特許7421203自動販売機決済システムにおける自動販売機、中間サーバー、及びゲートウェイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】自動販売機決済システムにおける自動販売機、中間サーバー、及びゲートウェイ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20240117BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022132237
(22)【出願日】2022-08-23
(62)【分割の表示】P 2020016664の分割
【原出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2022162006
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】508207790
【氏名又は名称】有限会社 和晃
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】水科 晃
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0077688(KR,A)
【文献】特開2013-117845(JP,A)
【文献】特開2002-042223(JP,A)
【文献】特開2003-217008(JP,A)
【文献】特開2002-342681(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0077617(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、前記中間サーバーとは独立して設けられ、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおける前記コードラベルを有する自動販売機であって、
前記ゲートウェイ装置から、取り扱う商品の商品種別及び販売価格の情報を受信して設定する機能と、
設定されている商品の情報を基準に、ユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択を監視し、ユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択がある度に、一択又は選択的な商品毎の課金状態を課金・商品選択情報として前記ゲートウェイ装置に通知する機能と、
前記ゲートウェイ装置から送信される前記購入可能化情報により商品の購入を可能化し、当該商品の払い出しを行うように制御する機能と、
課金又は前記購入可能化情報に基づく商品の払い出し完了時に、当該払い出し完了の旨及び保持する商品の数量を前記ゲートウェイ装置に通知し、商品毎の保持数量を更新して管理する機能と、
を備えることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、前記中間サーバーとは独立して設けられ、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおける中間サーバーであって、
前記移動端末から得られる販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバーに対してインターネット決済を行うよう要求し、中継処理を行う機能と、
当該決済サーバーによる前記移動端末に対する決済完了の通知を監視して、決済完了の通知が為された時点で、前記購入料金情報に対応する決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報を決済完了情報として生成し、前記ゲートウェイ装置に通知する機能と、
を備えることを特徴とする中間サーバー。
【請求項3】
硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおけるゲートウェイ装置であって、
管理者の操作によって、前記コードラベルを有する各自動販売機に対し、それぞれの自動販売機が取り扱う商品の情報を設定するよう送信する機能と、
当該各自動販売機からの課金・商品選択情報の送信があるか否かを監視して、課金・商品選択情報の取得時には課金・商品選択を管理する機能と、
前記中間サーバーから決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報を示す前記決済完了情報の取得時に、該決済完了情報における決済金額と、決済対象の自動販売機の単一金額又は商品別の販売金額のうちの最小金額とを照合し、この照合に係る決済金額が、当該単一金額又は最小金額以上であれば購入可能と判断して、商品の購入が可能である旨を示す購入可能化情報を前記決済対象の自動販売機に送信する機能と、
前記照合に係る決済金額が、当該単一金額又は最小金額未満であれば前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに全額返金処理を要求して処理させる機能と、
当該照合に係る購入処理状態を照合の度に逐次、管理する機能と、を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項4】
当該各自動販売機から商品の払い出し時に通知される商品毎の保持数量を管理する機能と、
当該各自動販売機から課金の有無を示す課金金額、及び商品選択の有無の情報を受信して管理する機能と、
管理する自動販売機毎に決済又は課金の待機中であるか、非待機中であるかを管理する機能と、
を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記決済完了情報が、前記決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報に加えて、決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報を更に含み、
当該決済対象の自動販売機から商品の払い出し完了の旨の通知取得時に、余剰金額が発生しているときは、前記決済メーカー情報を基に部分返金処理の可否を判定し、前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに部分返金処理を要求して処理させる機能を更に備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
当該照合の際に余剰金額の発生を判別し、前記中間サーバーに対して前記決済メーカー情報を要求して部分返金処理の可否を判定し、部分返金可能であると判定したときに前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに部分返金処理を要求して処理させる機能を更に備えることを特徴とする、請求項に記載のゲートウェイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とする自動販売機決済システム、自動販売機決済方法、自動販売機、中間サーバー、及びゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の識別番号及び販売料金を表記したバーコードラベル又はQR(登録商標)コード等の2次元コードラベル(以下、総括して「コードラベル」と称する。)を商品毎に貼付し、専用のコードリーダーでそのコードラベルを読み取って決済できるようにすることが一般的に知られている。
【0003】
尚、コードラベルに埋め込む情報は、商品の識別番号や販売料金の情報に限らず、種々の情報を埋め込むことができ、様々な物品や商品の識別等に利用することができる。
【0004】
そこで、近年では、任意の物品に表示されたコードラベルを、ユーザーがスマートフォン等の移動端末のカメラ機能で読み取って、そのコードラベルに埋め込まれている情報から提供される商品を移動端末の端末UI(ユーザーインターフェース)に表示し、ユーザーが購入したい商品を、決済ブランドを介しインターネット決済することも可能となっている。
【0005】
このため、近年のカメラ付き移動端末には、コードラベルを読み取るためのコード読み取りアプリケーション(ソフトウェア)が予めインストールされていることが多く、或いはこのようなコード読み取りアプリケーションは、インターネット経由で種々のサービスサーバーからダウンロードすることができる。そして、カメラ付き移動端末は、ユーザーが指定する決済ブランドによりインターネット決済を行うための決済アプリケーション(ソフトウェア)を種々のサービスサーバーからダウンロードできるようになっており、このような決済アプリケーションは、コード読み取りアプリケーションと連動して作動するものや、ユーザーによる操作で連動させるものがある。
【0006】
尚、このようなインターネット決済を提供する決済ブランドは、固有の決済方法をとっており、例えばユーザーが商品の購入決済時に金額不足が生じているときは一旦決済した金額を全額返金する処理を行うことはほぼ共通しているものの、例えばユーザーが商品の購入決済時に余剰金額(おつりや入力間違え)があるときには当該余剰金額を返却する部分返金処理を行うものや、逆に部分返金を一切しないものもある。
【0007】
ところで、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とする自動販売機決済システムについては知られていないが、自動販売機に対しカード決済を可能とする自動販売機決済システムについては知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
特許文献1に開示される技法では、自動販売機毎に、ユーザーが所有する電子マネー対応カードを読み取るリーダーライタを設け、当該リーダーライタが、その電子マネー対応カードに記憶されている電子決済サービスを読み取り、電子決済サービス情報に含まれる電子マネー残高を更新することで電子決済を行うものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2017-59114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、特許文献1に開示される技法では、自動販売機毎に、ユーザーが所有する電子マネー対応カードを読み取るリーダーライタを設け、当該リーダーライタが、その電子マネー対応カードに記憶されている電子決済サービスを読み取り、電子決済サービス情報に含まれる電子マネー残高を更新することで電子決済を行うシステムが知られている。
【0011】
しかしながら、この特許文献1に開示される技法では、自動販売機毎にリーダーライタを設ける必要があり、自動販売機自体が高価になる。また、自動販売機自体がリーダーライタによる決済機能を内蔵するものとなっているため、商品の販売料金を変更したいときには、個々の自動販売機毎に設定変更しなければならず、システム管理が煩雑になるという課題がある。
【0012】
そこで、自動販売機自体が高価になることを防ぎつつ、商品の販売料金を変更したいときなどの設定変更が容易な態様で、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とする自動販売機決済システムの構築が望まれる。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、自動販売機自体が高価になることを防ぎつつ、商品の販売料金を変更したいときなどの設定変更が容易な態様で自動販売機に対しインターネット決済を可能とする自動販売機決済システムにおける自動販売機、中間サーバー、及びゲートウェイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による自動販売機は、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、前記中間サーバーとは独立して設けられ、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおける前記コードラベルを有する自動販売機であって、前記ゲートウェイ装置から、取り扱う商品の商品種別及び販売価格の情報を受信して設定する機能と、設定されている商品の情報を基準に、ユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択を監視し、ユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択がある度に、一択又は選択的な商品毎の課金状態を課金・商品選択情報として前記ゲートウェイ装置に通知する機能、前記ゲートウェイ装置から送信される前記購入可能化情報により商品の購入を可能化し、当該商品の払い出しを行うように制御する機能と、課金又は前記購入可能化情報に基づく商品の払い出し完了時に、当該払い出し完了の旨及び保持する商品の数量を前記ゲートウェイ装置に通知し、商品毎の保持数量を更新して管理する機能と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明による中間サーバーは、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、前記中間サーバーとは独立して設けられ、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおける中間サーバーであって、前記移動端末から得られる販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバーに対してインターネット決済を行うよう要求し、中継処理を行う機能と、当該決済サーバーによる前記移動端末に対する決済完了の通知を監視して、決済完了の通知が為された時点で、前記購入料金情報に対応する決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報を決済完了情報として生成し、前記ゲートウェイ装置に通知する機能と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によるゲートウェイ装置は、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とするために、個々に少なくとも各自動販売機を識別する販売機識別情報が表記されているバーコードラベル又は2次元コードラベルで構成されているコードラベルを有する1台以上の自動販売機と、カメラ付きの移動端末によって前記コードラベルを読み取って得られた情報を基に前記移動端末と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバーとの間の中継処理を行う中間サーバーと、予め定められた自動販売機に対し取り扱う商品の情報を設定変更可能に管理して、前記中間サーバーから得られる決済完了情報を基に当該決済処理を行った決済金額が前記移動端末によって読み取られた当該コードラベルを表示する前記自動販売機の商品を購入可能であるか否かの照合を経て、該自動販売機に対し商品の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置と、を備え、前記自動販売機は、前記購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する機能を有する自動販売機決済システムにおけるゲートウェイ装置であって、管理者の操作によって、前記コードラベルを有する各自動販売機に対し、それぞれの自動販売機が取り扱う商品の情報を設定するよう送信する機能と、当該各自動販売機からの課金・商品選択情報の送信があるか否かを監視して、課金・商品選択情報の取得時には課金・商品選択を管理する機能と、前記中間サーバーから決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報を示す前記決済完了情報の取得時に、該決済完了情報における決済金額と、決済対象の自動販売機の単一金額又は商品別の販売金額のうちの最小金額とを照合し、この照合に係る決済金額が、当該単一金額又は最小金額以上であれば購入可能と判断して、商品の購入が可能である旨を示す購入可能化情報を前記決済対象の自動販売機に送信する機能と、前記照合に係る決済金額が、当該単一金額又は最小金額未満であれば前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに全額返金処理を要求して処理させる機能と、当該照合に係る購入処理状態を照合の度に逐次、管理する機能と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるゲートウェイ装置において、当該各自動販売機から商品の払い出し時に通知される商品毎の保持数量を管理する機能と、当該各自動販売機から課金の有無を示す課金金額、及び商品選択の有無の情報を受信して管理する機能と、管理する自動販売機毎に決済又は課金の待機中であるか、非待機中であるかを管理する機能と、を更に備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるゲートウェイ装置において、前記決済完了情報が、前記決済金額情報、及び前記販売機識別情報を含む決済ID情報に加えて、決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報を更に含み、当該決済対象の自動販売機から商品の払い出し完了の旨の通知取得時に、余剰金額が発生しているときは、前記決済メーカー情報を基に部分返金処理の可否を判定し、前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに部分返金処理を要求して処理させる機能を更に備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるゲートウェイ装置において、当該照合の際に余剰金額の発生を判別し、前記中間サーバーに対して前記決済メーカー情報を要求して部分返金処理の可否を判定し、部分返金可能であると判定したときに前記中間サーバー経由で当該決済サーバーに部分返金処理を要求して処理させる機能を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、自動販売機自体が高価になることを防ぎつつ、商品の販売料金を変更したいときなどの設定変更が容易な態様で、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能とする自動販売機決済システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による一実施形態の自動販売機決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明による一実施形態の自動販売機決済システムにおける移動端末に対する中間サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明による一実施形態の自動販売機決済システムにおける自動販売機及びゲートウェイ装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】本発明による一実施形態の自動販売機決済システムにおける自動販売機及びゲートウェイ装置が管理する販売機情報管理テーブル例を示す図である。
図5】本発明による一実施形態の自動販売機決済システムの典型的な動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の自動販売機決済システム1について説明する。図1は、本発明による一実施形態の自動販売機決済システム1の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明による一実施形態の自動販売機決済システム1における移動端末3に対する中間サーバー4の概略構成を示すブロック図である。そして、図3は、本発明による一実施形態の自動販売機決済システム1における自動販売機2及びゲートウェイ装置6の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
〔システム構成〕
図1に示す本実施形態の自動販売機決済システム1は、個々にコードラベル21を有し商品22を販売する1台以上の自動販売機2、カメラ付きの移動端末3によってコードラベル21を読み取って得られた情報を基に当該移動端末3と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバー5との間の中継処理を行う中間サーバー4、及び、中間サーバー4から得られる決済完了情報を基に当該移動端末3によって読み取られたコードラベル21を表示する自動販売機2に対し商品22の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信するゲートウェイ装置6を備え、自動販売機2は、当該購入可能化情報を受信して、商品の払い出しを行うよう制御する。
【0024】
(自動販売機)
本実施形態の自動販売機決済システム1における自動販売機2は、単一種又は複数種の販売料金で一択又は選択的に販売する商品22を保持し、硬貨等の課金により一択又は選択的に商品を払い出す販売機UI(ユーザーインターフェース)23を有する点では既存のものと同様であるが、移動端末3で読み取り可能なコードラベル21(液晶表示でもシール表示でもよい)を有する点、並びに、図3に示すように、ゲートウェイ装置6との有線又は無線通信(例えばLAN通信接続)を行う通信部24、その商品22に関する販売機情報、課金情報、及び選択的に商品販売するものであれば販売機UI23によってユーザーが選択した商品を示す商品選択情報をゲートウェイ装置6に管理させ、ゲートウェイ装置6から送信される購入可能化情報により商品22の購入を可能化するよう制御する制御部20、及び、制御部20の制御に必要な情報及びプログラムを記憶する記憶部25を有する点で、既存のものとは相違する。
【0025】
各自動販売機2に表示されるコードラベル21は、バーコードラベル又は2次元コードラベルで構成され、少なくとも各自動販売機2を識別する販売機識別情報が表記されている。尚、このコードラベル21に、販売する商品22が単一種の販売料金であればその販売金額を表記することができ、2次元コードラベルであればより多くの情報、例えば複数種の販売料金の各商品22の販売金額を商品情報とともに表記するものとすることができる。ここでは、簡単のため、コードラベル21には販売機識別情報のみが表記されている実施形態を主として説明する。
【0026】
図3に示す自動販売機2における制御部20は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、記憶部25の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、販売機情報設定部201、課金・商品選択情報通知機能部202、購入可能化商品払い出し制御部203、及び商品払い出し通知部204の各機能部を機能させる。
【0027】
販売機情報設定部201は、通信部24を介して通信接続するゲートウェイ装置6から、取り扱う商品22の商品種別及び販売価格の情報を受信して設定する機能部であり、この商品22の情報は記憶部25に保持される。
【0028】
課金・商品選択情報通知機能部202は、記憶部25に保持され設定されている商品22の情報を基準に、販売機UI23を介するユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択を監視し、即ち幾らの課金が為されている状態であるか、及び選択的な商品22であればいずれの商品22が選択されているかを監視して、そのユーザーによる課金、或いは課金及び商品選択がある度に、一択又は選択的な商品22毎の課金状態を課金・商品選択情報としてゲートウェイ装置6に通知する機能部である。
【0029】
購入可能化商品払い出し制御部203は、ゲートウェイ装置6から送信される購入可能化情報により商品22の購入を可能化し、当該商品22の払い出しを行うように制御する機能部である。
【0030】
商品払い出し通知部204は、課金又は購入可能化情報に基づく商品22の払い出し完了時に、その旨及び保持する商品22の数量をゲートウェイ装置6に通知し、記憶部25に商品22の情報として商品22毎の保持数量を更新して管理する機能部である。
【0031】
(移動端末)
移動端末3は、図1及び図2に示すように、コードラベル21を読み取り可能なカメラ31付きの一般的なスマートフォン又はタブレットである。
【0032】
図2に示す移動端末3における制御部30は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、記憶部33の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、被写体を撮像するカメラ31、外部機器(本例では中間サーバー4)との無線通信を可能とする無線通信部32、及び移動端末3の画面表示及びユーザーの操作のための端末UI34を機能させ、特に、本実施形態に関する機能としては、コード読み取りアプリケーション実行機能部301、及び決済アプリケーション実行機能部302の各機能部を機能させる。
【0033】
既存のコード読み取りアプリケーションが記憶部33にインストール済みであり、コード読み取りアプリケーション実行機能部301は、カメラ31でコードラベル21を読み取るとコード読み取りアプリケーションが自動的に起動してコード解読し、本例では販売機識別情報を取得する機能部である。
【0034】
ユーザーが指定する決済ブランドによりインターネット決済を行うための既存の決済アプリケーションが記憶部33にインストール済みであり、決済アプリケーション実行機能部302は、販売機識別情報の取得で自動起動する決済アプリケーションの実行により、無線通信部32を介して、接続指定する中間サーバー4経由で、各決済ブランドに対応付けられた決済メーカーA,B,C等が提供する決済サーバー5A,5B,5C等のうち当該決済アプリケーションの決済ブランドに応じた決済サーバー5と通信接続し、販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバー5に対してインターネット決済を要求して行わせる機能部である。
【0035】
尚、本例では、コードラベル21には販売機識別情報のみが表記されているため、決済アプリケーションの実行により決済ブランドに応じた決済サーバー5と通信接続すると、決済アプリケーション実行機能部302は、購入料金の入力画面を端末UI34に提示する。そして、端末UI34を介して購入料金が入力されると決済アプリケーション実行機能部302は、その購入料金情報を、販売機識別情報及び決済ブランド情報とともに、接続指定する中間サーバー4経由で、当該決済サーバー5に対してインターネット決済を行わせる。販売金額が一種類しかなく、コードラベル21に販売機識別情報だけでなく、販売金額情報も表記されているときは、決済アプリケーション実行機能部302は、当該購入料金の入力画面の提示は省略して、販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバー5に対してインターネット決済を要求して行わせる。
【0036】
(中間サーバー)
本実施形態の自動販売機決済システム1における中間サーバー4は、カメラ31付きの移動端末3によってコードラベル21を読み取って得られた情報を基に当該移動端末3と該情報に基づく決済処理を行う決済サーバー5との間の中継処理を行う装置である。
【0037】
図2に示す中間サーバー4における制御部40は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、記憶部44の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、移動端末3との無線通信を可能とする無線通信部41、決済サーバー5とのインターネット経由の通信を可能とする通信部42、及びゲートウェイ装置6との近距離通信(例えばLAN接続通信)を可能とする通信部43を機能させ、特に、本実施形態に関する機能としては、決済要求処理機能部401、及び決済完了情報生成・通知機能部402の各機能部を機能させる。
【0038】
決済要求処理機能部401は、移動端末3から得られる販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバー5に対してインターネット決済を行うよう要求し、中継処理を行う機能部である。
【0039】
決済完了情報生成・通知機能部402は、当該決済サーバー5による移動端末3に対する決済完了の通知を監視して、決済完了の通知が為された時点で、購入料金情報に対応する決済金額情報、及び販売機識別情報を含む決済ID情報を決済完了情報(好適には決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報を更に含む)として生成し、ゲートウェイ装置6に通知する機能部である。
【0040】
(ゲートウェイ装置)
本実施形態の自動販売機決済システム1におけるゲートウェイ装置6は、中間サーバー4から得られる決済完了情報を基に当該移動端末3によって読み取られたコードラベル21を表示する自動販売機2に対し商品22の購入を可能化するよう購入可能化情報を送信する装置である。
【0041】
図3に示すゲートウェイ装置6における制御部60は、中央演算処理ユニット(CPU)で構成することができ、記憶部63の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、自動販売機2との通信を可能とする通信部61、中間サーバー4との近距離通信(例えばLAN接続通信)を可能とする通信部62を機能させ、特に、本実施形態に関する機能としては、販売機情報管理部601、課金・商品選択情報取得監視部602、決済照合・余剰処理部603、及び購入可能化情報生成・通知部604の各機能部を機能させる。
【0042】
販売機情報管理部601は、管理者の操作によって、通信部61を介して通信接続する各自動販売機2に対し、それぞれの自動販売機2が取り扱う商品22の情報(単一販売金額商品であるか個別販売金額商品かを識別する商品種別、及び販売価格)を設定するよう送信する機能と、各自動販売機2から商品22の払い出し時に通知される商品22毎の保持数量を管理する機能と、各自動販売機2から販売機UI23による課金の有無を示す課金金額、及び販売機UI23による商品選択の有無の情報を受信して管理する機能と、各自動販売機毎に決済又は課金の待機中であるか、非待機中であるかを管理する機能と、を有し、例えば、図4に例示する販売機情報管理テーブルにて管理して、この販売機情報管理テーブルは記憶部63に保持される。
【0043】
課金・商品選択情報取得監視部602は、各自動販売機2からの課金・商品選択情報の送信があるか否かを監視して、課金・商品選択情報の取得時には販売機情報管理部601により管理する販売機情報管理テーブルの更新を指示する機能部である。
【0044】
決済照合・余剰処理部603は、中間サーバー4から決済完了情報(購入料金情報に対応する決済金額情報、及び販売機識別情報を含む決済ID情報、更に好適には決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報)の取得時に、その「決済完了情報における決済金額」と、当該販売機情報管理テーブルを参照するか、又は販売機識別情報(販売機ID)に対応する自動販売機2との通信確認(販売金額を含む販売機情報の取得)を基に判別した、決済対象の自動販売機2の「単一金額又は商品別の販売金額のうちの最小金額」とを照合し、その決済金額が、当該単一金額又は最小金額以上であれば購入可能と判断して、その旨を購入可能化情報生成・通知部604に通知し、その決済金額が、当該単一金額又は最小金額未満であれば通信接続する中間サーバー4経由で決済サーバー5に全額返金処理を要求して処理させる機能と、当該自動販売機2から当該商品22の払い出し完了の旨の通知取得時に、余剰金額(おつり)が発生しているときは、決済メーカー情報を基に部分返金処理の可否を判定し、通信接続する中間サーバー4経由で決済サーバー5に部分返金処理を要求して処理させる機能と、当該照合に係る購入処理状態を照合の度に逐次、販売機情報管理部601により管理する販売機情報管理テーブルの更新を指示する機能と、を有する機能部である。
【0045】
尚、決済照合・余剰処理部603は、ユーザーが購入料金の入力間違えが発生した場合も、おつりが発生しているときと同様に、部分返金又は全額返金処理を行う。尚、本実施形態では、決済完了情報として、決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報を含む好適例を説明したが、この決済メーカー情報は、専ら、部分返金の可否の判定に用いるものであるため、決済完了情報として決済メーカー情報を含めずとも、当該照合の際に余剰金額(おつりや入力間違え)の発生を判別し、中間サーバー4に対して決済メーカー情報を要求して部分返金処理の可否を判定し、部分返金可能であると判定したときに中間サーバー4経由で当該決済サーバー5に部分返金処理を要求して処理させる機能を有する形態としてもよいし、或いはユーザーが決済ブランドを指定した時点で、余剰金額(おつり)の部分返却が可能であるか否かを確認できるため、必ずしも決済完了情報に決済メーカー情報を含めずともよい。
【0046】
購入可能化情報生成・通知部604は、決済照合・余剰処理部603により購入可能と判断した旨の通知により、商品22の購入が可能である旨を示す購入可能化情報を販売機識別情報(販売機ID)に対応する自動販売機2に送信する機能部である。
【0047】
(システム動作)
図5は、本発明による一実施形態の自動販売機決済システム1の典型的な動作例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、カメラ31付きの移動端末3は、ユーザーの操作により、自動販売機2に表示されたコードラベル21を読み取り(ステップS1)、コード読み取りアプリケーションを実行して販売機識別情報を取得し(ステップS2)、販売機識別情報の取得で自動起動する決済アプリケーションの実行により、接続指定する中間サーバー4経由で、当該決済アプリケーションの決済ブランドに応じた決済サーバー5と通信接続する(ステップS3)。
【0049】
そして、移動端末3は、決済アプリケーションの実行により、中間サーバー4経由で決済ブランドに応じた決済サーバー5と通信接続すると、購入料金の入力画面を端末UI34に提示し、ユーザーに対して、購入料金を入力させる(ステップS4)。尚、購入対象の自動販売機2の販売金額が一種類しかなく、コードラベル21に販売機識別情報だけでなく、販売金額情報も表記されているときは、移動端末3は、当該購入料金の入力画面の提示は省略して、販売機識別情報、決済ブランド情報、及び購入料金情報を基に、当該決済サーバー5に対してインターネット決済を自動的に要求する(ステップS5)。
【0050】
当該要求を受け付けた決済サーバー5による決済が自動的に行われ(ステップS6)、中間サーバー4は、当該決済サーバー5による移動端末3に対する決済完了の通知を監視して、決済完了の通知が為された時点で、購入料金情報に対応する決済金額情報、及び販売機識別情報を含む決済ID情報を決済完了情報(好適には決済ブランドに対する部分返金の可否を判別可能とする決済メーカー情報を更に含む)として生成し、ゲートウェイ装置6に通知する(ステップS7)。
【0051】
続いて、ゲートウェイ装置6は、販売機情報管理テーブルを参照するか、又は販売機識別情報に対応する自動販売機2との通信確認(販売金額を含む販売機情報の取得)を基に判別した、決済対象の自動販売機2の「単一金額又は商品別の販売金額のうちの最小金額」とを照合し、その決済金額が、当該単一金額又は最小金額以上であれば購入可能と判断して、商品22の購入が可能である旨を示す購入可能化情報を販売機識別情報に対応する自動販売機2に送信する(ステップS8)。尚、ゲートウェイ装置6は、その決済金額が、当該単一金額又は最小金額未満であれば通信接続する中間サーバー4経由で決済サーバー5に全額返金処理を要求して処理させる。
【0052】
自動販売機2は、ゲートウェイ装置6から送信される購入可能化情報により商品の購入を可能化し、当該商品の払い出しを行うように制御し、商品の払い出し完了の旨、及び保持する商品の数量をゲートウェイ装置6に通知する(ステップS9)。
【0053】
最終的に、ゲートウェイ装置6は、図4に例示する販売機情報管理テーブルにて状態管理する当該商品の保持数量を更新する(ステップS10)。尚、ゲートウェイ装置6は、当該自動販売機2から当該商品22の払い出し完了の旨の通知取得時に、余剰金額(おつり)が発生しているときは、決済メーカー情報を基に部分返金処理の可否を判定し、通信接続する中間サーバー4経由で決済サーバー5に部分返金処理を要求して処理させる。
【0054】
また、ステップS8において、ゲートウェイ装置6は、課金・商品選択情報を取得しているかを監視しているため、電子決済と課金との併用購入も可能になる。例えば、300円販売の商品で、ユーザーが200円の現金で投入したが、100円のコインがなかった時、100円分を電子決済で支払うことが可能になる。一方、300円販売の商品で、誤って3000円の電子決済が発生した場合は、部分返金ができる決済メーカーに対しては2700円の部分返金にも対応できる。
【0055】
また、上述したように、本実施形態の自動販売機決済システム1において、ゲートウェイ装置6は、課金・商品選択情報を取得しているかを監視しているため、ユーザーが最初にインターネット決済を行ってから商品選択を行う場合だけでなく、ユーザーが最初に課金や商品選択を行ってから、インターネット決済を行う場合にも対応できる。
【0056】
例えば、中間サーバー4は、制御部40の機能として、販売機識別情報で識別される自動販売機2に関する金額フリーのインターネット決済を行うときには必ず、決済サーバー5に対してインターネット決済を行う前に、まず、ゲートウェイ装置6に対し販売機識別情報で識別される自動販売機2に関する「決済金額問い合わせ情報」を送信する。この「決済金額問い合わせ情報」を受信したゲートウェイ装置6は、制御部60の機能として、自動販売機2毎に、課金の有無、商品選択の有無、及び各商品22の販売金額を監視しているため、当該課金では不足しているインターネット決済が必要な決済金額を「決済金額問い合わせ回答情報」として中間サーバー4に回答する。中間サーバー4は、制御部60の機能として、この「決済金額問い合わせ回答情報」で得られる決済金額で、対応する決済サーバー5に対してインターネット決済を行い、決済サーバー5による決済が完了次第、決済完了情報をゲートウェイ装置6に送信する。ここで、中間サーバー5は、当該回答として課金が無いときは、インターネット決済を行ってから商品選択を行う場合と同様に、ユーザーにより入力される購入金額に基づく決済完了情報の受信を待機する。
【0057】
これらにより、特許文献1に開示されるような高価なリーダーライタが不要なインターネット決済を可能とする自動販売機決済システム1が実現される。更に、本実施形態の自動販売機決済システム1では、各自動販売機2における種々の商品の販売金額情報がゲートウェイ装置6で管理されるため、販売料金の変更に柔軟に対応できる。そして、移動端末3自体は、既存のアプリケーションを利用できるため、本発明に係る自動販売機決済システム1専用のオリジナルアプリケーションをインストールする必要がなく、ユーザーの負担が少ないという利点もある。
【0058】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、自動販売機自体が高価になることを防ぎつつ、商品の販売料金を変更したいときなどの設定変更が容易な態様で、硬貨等の課金により商品を払い出すことで販売する自動販売機に対しインターネット決済を可能となるので、自動販売機の電子決済の用途に有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 自動販売機決済システム
2 自動販売機
3 移動端末
4 中間サーバー
5,5A,5B,5C 決済サーバー
6 ゲートウェイ装置
20 制御部
21 コードラベル
22 商品
23 販売機UI(ユーザーインターフェース)
24 通信部
30 制御部
31 カメラ
32 無線通信部
33 記憶部
34 端末UI
40 制御部
41 無線通信部
42 通信部
43 通信部
44 記憶部
60 制御部
61 通信部
62 通信部
63 記憶部
201 販売機情報設定部
202 課金・商品選択情報通知機能部
203 購入可能化商品払い出し制御部
204 商品払い出し通知部
301 コード読み取りアプリケーション実行機能部
302 決済アプリケーション実行機能部
401 決済要求処理機能部
402 決済完了情報生成・通知機能部
601 販売機情報管理部
602 課金・商品選択情報取得監視部
603 決済照合・余剰処理部
604 購入可能化情報生成・通知部
図1
図2
図3
図4
図5