(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240117BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2019224451
(22)【出願日】2019-12-12
【審査請求日】2022-09-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年8月10日 https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=198653&item_no=1&page_id=13&block_id=8を通じて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】715010820
【氏名又は名称】株式会社ナレロー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】高木 正則
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸山 光宏
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/050782(WO,A1)
【文献】特開2006-178062(JP,A)
【文献】特開2018-205354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がなく、前記第1科目のテスト結果と成績の相関関係を有する、前記第1科目とは異なる1以上の科目に対する前記ユーザのテスト結果がある場合には、前記相関関係を有する前記1以上の科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力することを含む、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記1以上の科目は、前記第1科目のテスト結果の点数が高いときに、前記1以上の科目に対するテスト結果の点数が高くなる傾向にある科目である、情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、
受験するテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記選択されたユーザの属性は、前記ユーザの属性を問うアンケートに対するアンケートの結果から求められる、情報処理方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、前記出力された前記第1問目の問題に対する前記ユーザの解答があった場合、又は解答時間が制限時間を超えた場合に、前記ユーザの前記問題に対する解答の正誤を判定することをさらに含む、情報処理方法。
【請求項6】
記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記第1科目のテスト結果と相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理方法。
【請求項7】
命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記
記憶部に記録された命令を実行することにより
、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がなく、前記第1科目のテスト結果と成績の相関関係を有する、前記第1科目とは異なる1以上の科目に対する前記ユーザのテスト結果がある場合には、前記相関関係を有する前記1以上の科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する情報処理装置。
【請求項8】
命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記
記憶部に記録された命令を実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記第1科目のテスト結果と相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項
7に記載の情報処理装置であって、
前記ユーザのIDの入力を受け付ける入力部と、
前
記問題を出力する表示部をさらに備える、情報処理装置。
【請求項10】
請求項7または8に記載の情報処理装置であって、
ユーザ端末に対して情報の送受信を行う通信部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記
記憶部に記録された命令を実行することにより、
前記通信部を介して前記算出された能力値に最適な問題のIDに対する項目ファイルを前記ユーザ端末へ送信する、情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がなく、前記第1科目のテスト結果と成績の相関関係を有する、前記第1科目とは異なる1以上の科目に対する前記ユーザのテスト結果がある場合には、前記相関関係を有する前記1以上の科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する非一時的な記録媒体。
【請求項12】
プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記第1科目のテスト結果と相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、非一時的な記録媒体。
【請求項13】
プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がなく、前記第1科目のテスト結果と成績の相関関係を有する、前記第1科目とは異なる1以上の科目に対する前記ユーザのテスト結果がある場合には、前記相関関係を有する前記1以上の科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力するプログラム。
【請求項14】
プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記第1科目のテスト結果と相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、記憶媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テストへの解答履歴を用いて逐次、受験者の能力を推定しながらその能力に最も適した問題を抽出しして出題するコンピュータ適応型テスト(以下、CATという)が知られている。CATを用いたシステムにおいては、受検者の能力レベルに応じた問題を、問題を記憶したテスト項目データベースから選択して出題し、受検者が、電子端末の入力装置を操作して、解答を入力するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムにおいては、受験者に最初に出題する問題は、個々の受験者の能力やスキル、知識に合わせて抽出されない。いわゆる項目反応理論(Item Response Theory:IRT)を利用したCATシステムでは、最初に出題する問題の難易度は全受験者に同じであり、二番目の問題の出題からは、前に出題した問題に対する正誤をふまえて受検者の能力値の推定値を推定し、次に出題する問題の最適化を図る。このようなCATシステムにおいては、最初に出題される問題の難易度は、個々の受験者の能力値に応じて抽出されず、受験者にとって、最初に出題される問題が難しすぎる、あるいは優しすぎるという課題があった。特許文献1では、前回学習した科目に基づいて最初に提示する問題の分野やレベルを設定するものの、個々の受験者の能力値に応じて最初に提示する問題を選定しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本開示は、出題する前に受検者の能力値を推定し、あらかじめ求めた能力値に基づいて、受験者に対して最初に提示する問題を選択可能な、情報処理方法、情報処理装置、記憶媒体、及びプログラムを提供する。
【0006】
本開示の一態様は、記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力することを含む、情報処理方法である。
【0007】
また、本開示の他の一態様は、記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理方法である。
【0008】
また、本開示の他の一態様は、命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記記録部に記録された命令を実行することにより、ユーザのID及び受験する第1科目のIDを受け付け、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する情報処理装置である。
【0009】
また、本開示の他の一態様は、命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記記録部に記録された命令を実行することにより、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理装置である。
【0010】
また、本開示の他の一態様は、プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する非一時的な記録媒体、非一時的な記録媒体である。
【0011】
また、本開示の他の一態様は、プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、非一時的な記録媒体である。
【0012】
また、本開示の他の一態様は、プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力するプログラムである。
【0013】
また、本開示の他の一態様は、プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、受験者に最初に出題する問題を、受験者の能力値に基づいて出題することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの詳細構成を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る各種テーブルの詳細な構成を示す。
【
図4】本開示の一実施形態に係る属性テーブルの例を示す。
【
図5A】本開示の一実施形態に係る情報処理システムにおける処理フローを示す。
【
図5B】本開示の一実施形態に係る情報処理システムにおける処理フローを示す。
【
図6】本開示の一実施形態に係るユーザの開始能力値を設定するための処理フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一実施形態は、以下の構成を備える。
(項目1) 記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する
ことを含む、情報処理方法。
【0017】
(項目2) 項目1に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がなく、前記第1科目のテスト結果と相関関係を有する1以上の科目に対する前記ユーザのテスト結果がある場合には、前記相関関係を有する1以上の科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する
ことをさらに含む、情報処理方法。
【0018】
(項目3) 項目2に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果、および前記相関関係を有する1以上の科目に対するテスト結果がない場合には、
受験するテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理方法。
【0019】
(項目4) 項目3に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記選択されたユーザの属性は、前記ユーザの属性を問うアンケートに対するアンケートの結果から求められる、情報処理方法。
【0020】
(項目5) 項目1から4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、
前記出力された前記第1問目の問題に対する前記ユーザの解答があった場合、又は解答時間が制限時間を超えた場合に、前記ユーザの前記問題に対する解答の正誤を判定する
ことをさらに含む、情報処理方法。
【0021】
(項目6) 記憶部に記憶されている命令を実行するプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理方法。
【0022】
(項目7) 命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記記録部に記録された命令を実行することにより、
ユーザのID及び受験する第1科目のIDを受け付け、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する
情報処理装置。
【0023】
(項目8) 命令を記憶する記憶部と、プロセッサとを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは前記記録部に記録された命令を実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、情報処理装置。
【0024】
(項目9) 項目7または8に記載の情報処理装置であって、
前記ユーザのIDの入力を受け付ける入力部と、
前記選択された問題を出力する表示部をさらに備える、情報処理装置。
【0025】
(項目10) 項目7または8に記載の情報処理装置であって、
ユーザ端末に対して情報の送受信を行う通信部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記記録部に記録された命令を実行することにより、
前記通信部を介して前記算出された能力値に最適な問題のIDに対する項目ファイルを前記ユーザ端末へ送信する、情報処理装置。
【0026】
(項目11) プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する
非一時的な記録媒体。
【0027】
(項目12) プロセッサにより実行されるプログラムが記録された非一時的な記録媒体であって、前記プロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、非一時的な記録媒体。
【0028】
(項目13) プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記ユーザが過去に受験した前記第1科目に対するテスト結果がある場合には、前記第1科目に対する前記ユーザのIDに関連付けられたテスト結果に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出し、
算出された前記ユーザの能力値に基づいて前記第1科目の第1問目の問題を出力する
プログラム。
【0029】
(項目14) プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記プロセッサがプログラムを実行することにより、
ユーザのID及び第1科目のIDを受け付け、
前記第1科目のテスト分野と関連性があるユーザの属性を選択し、
選択された前記ユーザの属性に基づいて、前記第1科目に対する前記ユーザの能力値を算出する、プログラム。
【0030】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。しかし、本開示の実施形態は、必ずしもこのような態様に限定されない。本開示の実施形態が、特許請求の範囲において規定される範囲に含まれる様々な態様を取り得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0031】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム10の全体構成を示す図である。情報処理システム10は、ユーザの理解度や習熟度に合わせて、ある科目についての問題を出題するシステムである。本情報処理システム10は、ユーザの学習段階や、テスト段階で使用することができる。情報処理システム10は、情報処理装置としてのユーザ端末100、及びサーバ200を含む。本実施形態によると、ユーザは自己のユーザ端末100を利用して、インターネット140などのネットワークを介し、テストを運用するサーバ200にアクセスする。サーバ200にアクセスすると、ユーザ端末100は、テストの実行に必要なデータを適宜サーバ200からダウンロードし、ユーザはユーザ端末100上でテストを受験することができる。なお、本実施形態では、情報処理システム10に1台のユーザ端末100が含まれる場合について説明するが、情報処理システム10には任意の台数のユーザ端末100が含まれてよい。また、この図示例では、ユーザ端末100とサーバ200とはインターネット140を介して接続されているが、これに限られるものではなく、通信可能に接続されていればよい。したがって、ユーザ端末100とサーバ200とはLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのIP(Internet Protocol)ネットワークを介して接続されてもよいし、その他の手法によって接続されてもよい。以下、
図1を参照して、本開示の一実施形態について説明する。なお、以下では、情報処理システム10をユーザのテスト段階で利用する場合について説明するが、ユーザの学習段階でも同様に利用できる。
【0032】
ユーザ端末100は、テストを受けるユーザが使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンで構成される。図示するように、ユーザ端末100はハードウェア要素として、プロセッサ102と、メモリ104と、ディスプレイ106と、ユーザ入力インターフェイス(ユーザ入力IF)108と、通信インターフェイス(通信IF)110を備える。これら各要素は、バス(不図示)を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
メモリ104には、少なくともオペレーティングシステムが格納されている。オペレーティングシステムは、ユーザ端末100の全体的な動作を制御するためのコンピュータプログラムである。コンピュータテストの各処理をユーザ端末100で実行する場合、メモリ104は、さらにテストプログラムを格納する。テストプログラムは、ユーザ端末100にコンピュータテストの各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。メモリ104はまた、コンピュータテストの各処理において扱われる若しくは生成されるデータを、一時的又は永続的に記憶することもできる。メモリ104の具体例は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶や、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶を含む。各種テストに関するデータは、サーバ200からダウンロードされて補助記憶に格納されると共に、主記憶に展開されて、各種プログラムがプロセッサ102により実行されるときに適宜使用される。
【0034】
なお、テストプログラムがユーザ端末100ではなくサーバ200に格納される場合、サーバ200がコンピュータテストの各処理を実行し、ユーザ端末100は、サーバ200から受信した信号に基づいて単にテスト画像を表示し、このテスト画面に対するユーザ入力を受け付けるブラウザとして機能するよう構成されてもよい。
【0035】
プロセッサ102は、上記のようにメモリ104に格納されているプログラムを読み出して、それに従った処理を実行するように構成される。一例として、プロセッサ102がメモリ104に格納されたテストプログラムを実行することによって、後述するコンピュータテストの各機能が実現される。プロセッサ102は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0036】
ディスプレイ106は、受験者であるユーザに対して視覚的な情報を提供するように構成される。ディスプレイ106は、テストプログラムの実行画面に、テスト画像を表示する。テスト画像は、ブラウザ上に表示されてもよいし、起動したテストプログラムのアプリケーション画面に表示されてもよい。一例として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイをディスプレイ106に用いることが可能である。
【0037】
ユーザ入力インターフェイス(IF)108は、ユーザからユーザ端末100を操作するための入力を受け取るように構成される。ユーザ入力インターフェイス108の具体例は、マウス、キーボード、タッチパッド等である。
【0038】
なお、ユーザ端末100がスマートフォン又はタブレット端末として実現される場合には、ディスプレイ106とユーザ入力インターフェイス108をタッチパネルとして一体的に構成することとしてもよい。また、ユーザ端末100がパーソナルコンピュータとして実現される場合には、ディスプレイ106とユーザ入力インターフェイス108がユーザ端末100本体の外部に別体として備えられるのであってもよい。
【0039】
通信インターフェイス(IF)110は、インターネット140を介して外部のサーバ200と通信するためのネットワークインターフェイスである。通信インターフェイス110は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)を含む所定の通信プロトコルに従ってデータをサーバ200との間で送受信するように構成される。
【0040】
サーバ200は、過去にテストを受験したユーザや、これからテストを受験するユーザのテストに関する情報を管理するサーバであり、例えば汎用のコンピュータで構成される。サーバ200は、クラウドで提供されてもよいし、あるいはシステム利用者のビルや敷地等のローカルな場所で提供されてもよい。また、サーバ200は、1台で構成されてもよいし複数台で構成されてもよい。サーバ200はハードウェア要素として、少なくともプロセッサ(不図示)と、主記憶や補助記憶を含むメモリ(不図示)と、通信インターフェイス(不図示)とを備える。補助記憶としてのメモリは、データベース210と、ストレージ220を備える。既に説明したユーザ端末100と同様の要素については、詳細の説明を省略する。
【0041】
データベース210は、テストに含まれる問題に関する項目情報を管理する項目テーブル302(
図2に示す)や、テストを受けるユーザに関する情報を管理するユーザテーブル304(
図2に示す)等を保持することができる。テストが開始されると、ユーザ端末100は、データベース210からユーザの能力値を設定するために必要な情報(項目情報やユーザの過去のテスト結果など)を適宜ダウンロードし、ユーザの能力に最適な問題を選択し、ユーザに提示する。その後、ユーザ端末100は、問題に対するユーザの解答結果などを取得し、データベース210にアップロードする。
【0042】
ストレージ220は、テストに含まれる各問題に関する項目ファイルを項目ファイル群322(解説ページ、解説動画など)に格納する。ユーザ端末100は、テストが開始されると、ストレージ220の項目ファイル群322から、選択された問題IDに対応する項目ファイルをダウンロードする。
【0043】
以下、
図2を参照して、本開示の一実施形態に係る
図1に示す情報処理システム10の詳細な構成を説明する。まず、
図2を参照して、本開示の一実施の形態にかかるユーザ端末100の機能的な構成を説明する。
【0044】
ユーザ端末100は、受験者であるユーザからの入力をユーザ入力インターフェイス108より受け付ける受付部120と、ユーザに最初に提示する問題の開始能力値を設定する設定部122と、ユーザに対し各種情報をディスプレイ106に表示させる出力部124と、テスト項目に対するユーザの解答の正誤を判定する正誤判定部126と、得られたユーザの解答に基づきユーザの能力値を推定する推定部128と、テストが終了条件を満たしているか判定する終了判定部130とを備える。
【0045】
ユーザは、自己のユーザ端末100を利用して、インターネット140等のネットワークを介してサーバ200にアクセスし、ログインした後、テストを開始する。その後、ユーザ端末100はログインしたユーザの開始能力値を設定し、この開始能力値に基づいてユーザに最初に出題する問題を選択する。すなわち、ユーザ端末100は、ユーザから最初の問題に対する解答を受け付ける前に、ユーザの開始能力値に応じてユーザに最初に出題する問題を選択する。開始能力値は、ユーザが過去に受けたテストのテスト結果や、ユーザの属性を問うアンケートに対するアンケート結果、予め設定されているユーザの属性に基づいて設定することができる。その後、第1問目に対する解答を受け付けし、2問目からは、既に現在実施しているテストにおいて出題済みの問題に対する解答の結果に基づいて、ユーザの能力値の推定を行う。
【0046】
次に、
図2を参照して、データベース210、及びストレージ220に格納される情報の詳細を説明する。
【0047】
データベース210は、テストに含まれる各問題に関する項目情報を管理する項目テーブル302と、受験者であるユーザに関する情報を管理するユーザテーブル304と、受験者であるユーザが過去に受験したテスト結果を管理するテスト結果テーブル306と、受験者であるユーザが受験したテストにおける各問題に対する解答履歴を管理する解答履歴テーブル308とを保持することができる。
【0048】
データベース210はさらに、受験者であるユーザのユーザ属性情報を管理するユーザ属性テーブル310と、過去にテストを受けたことのある全ユーザに関する属性を管理する属性テーブル312を保持してもよい。ユーザ属性テーブル310に保持されるユーザ属性は、ユーザに対するアンケートの結果から取得してもよいし、過去にテストを受験した際等に入力された情報に基づいてテスト開始前に予め定めておいてもよい。
【0049】
ストレージ220は、項目ファイル群322を保持する。項目ファイル群322は、複数の項目ファイルに関する情報を保持する。1つの項目ファイルには、問題ID毎に、問題に対する解説文、問題に対する解説動画、解説音声、解説画像の少なくとも一部が対応付けられて管理されている。サーバ200は、項目ファイル群322から、問題IDに対応する項目ファイルを抽出する。ユーザ端末100は、ストレージ220にアクセスして、項目ファイル群322から抽出された項目ファイルをダウンロードすることができる。
【0050】
さらに、項目ファイル群322は、テストがアプリケーションの操作に関する場合に、テスト対象となるアプリケーションに関する「課題ファイル」を含んでもよい。課題ファイルは、ユーザのアプリケーション(例えばマイクロソフトが開発、販売しているOffice)の操作の習熟度を確認・試験するために利用可能な課題を含むファイルである。課題ファイルを読み込むと、ユーザの操作の習熟度を確認・試験するために利用可能な習熟対象ソフトウェアを起動する。例えばOfficeに含まれるアプリケーションであるPowerPointに関する問題である場合には、PowerPointを起動し、Excelに関する問題である場合には、Excelを起動し、Officeのオブジェクトに対するユーザのマウスやキーボード等の入力を受け付ける。その後、ユーザが行った一連の入力内容を取得し、ユーザが行った入力内容と後述する判定基準とを比較する。
【0051】
図3は、
図2に示すデータベース210に格納された各種テーブルの詳細な構成と、各テーブル間の関係を例示する。図示するように、項目テーブル302以外の各テーブルは互いに関連付けられ、1つの大きなデータベースを構成している。
【0052】
項目テーブル302は、ユーザIDとは独立して存在し、科目と、問題IDと、問題の難易度と、問題文と、ユーザに提示する問題の測定精度の良し悪しを示す指標である識別力を保持する。項目テーブル302はテストの科目毎に存在する。1科目に1以上の問題が含まれており、この問題毎に、問題の難易度と、識別力と、問題文とが設定されている。難易度、識別力は、いわゆる項目応答理論において使用されるパラメータである。
【0053】
項目テーブル302は、さらに、テストがアプリケーションの操作に関する場合に、各問題に対する解答の正誤を判断するための判定基準を保持してもよい。この判定基準は、テスト中にユーザが画面上で行ったユーザのアプリケーションの操作の内容が、正しい範囲で行われた場合に、正答であると判定するために設定される。一例として、テストがPowerPointの操作に関するものである場合に、「角丸四角形を挿入し、角の丸みを変更してください」という問題に対して、ユーザがマウスなどによりソフトウェア上で行った作業内容を取得し、利用者の操作により描かれた四角形が、角の丸さが正しい角丸四角形になっているかを判定するために判定基準を使用する。ユーザ端末100は、判定基準を満たしていれば、ユーザが問題に対し正答したと判断することができる。
【0054】
ユーザテーブル304は、ユーザ毎に割り当てられたユーザID、パスワード、氏名、学部、学年等を保持する。これらの情報は情報処理システム10のユーザ利用開始時に初期登録することができる。ユーザテーブル304のユーザIDは、テスト結果テーブル306のユーザID、ユーザ属性テーブル310のユーザIDに関連付けられる。
【0055】
テスト結果テーブル306は、ユーザが過去に受験したテストの結果毎に存在する。1人のユーザが複数のテストを受けている場合には、1ユーザについて複数のテスト結果テーブル306が存在する。テスト結果テーブル306は、テスト結果(テスト結果ID、ユーザID、科目、テストの実施日時、テストの実施時間、テストの合否、テストの結果に基づいて推定されたユーザの能力値等)を保持する。テスト結果テーブル306のテスト結果IDは、解答履歴テーブル308のテスト結果IDに関連付けられる。
【0056】
解答履歴テーブル308は、1つのテストに含まれる複数の問題のそれぞれに対するユーザの解答結果の履歴を示すテーブルである。解答履歴テーブル308は、解答結果(各問題に対するユーザ解答の正誤や、各問題に解答するまでの所要時間、各問題の解答の正誤に基づいて推定されたユーザの能力値等)を保持する。1人のユーザが過去に複数のテストを受けている場合には、受験したテスト毎に解答履歴テーブル308が存在する。現在受験しているユーザの解答結果を、逐次サーバ200にアップロードし、解答履歴テーブル308に格納するようにしてもよい。ユーザが過去にテストを受験していない場合には、テスト結果テーブル306や解答履歴テーブル308にはデータが保持されない。
【0057】
ユーザ属性テーブル310は、ユーザID毎に、ユーザが過去に受験した科目、ユーザの属性区分、ユーザの属性などを含む。ユーザの属性区分は、例えば、ユーザの性別や、国籍、学歴、留学経験の有無、ある分野(例えば、PCの操作)に対する苦手意識である。属性区分毎に、受験者であるユーザの属性が設定される。属性区分毎に、ユーザの属性が設定される。
【0058】
なお、本開示における属性区分とは、受験するテスト分野、あるいはテスト科目と関連する、あるいは関連することが想定される属性区分である。テスト分野(例えば、PC操作)には、この分野に属する1以上の科目(PowerPoint,Excelなど)が対応付けられる。ここで、テスト分野等と関連するユーザの属性区分とは、ユーザが属性区分で分けられたときに、そのテスト分野等のテスト結果(点数)に有意な違いが出る区分を含む。例えば、ユーザの電話番号でユーザを分類しても、電話番号は、受験するテスト分野等との関連性がなく、属性区分としては不適切である。一方、ユーザの性別や、学歴、留学経験の有無、学部等は、テスト分野等と関連する、あるいは関連することが想定されるため、テスト分野等と関連する属性区分として適切であり、これらを属性区分として設定することができる。なお、ユーザテーブル304は、ユーザ属性テーブル310に保持されているユーザ属性と同じ情報(ユーザの性別等)を保持してもよい。
【0059】
属性テーブル312は、属性区分に基づいて、過去にテストを受験したことのある全ユーザを複数のユーザ群にわけ、このユーザ群と、ユーザ群毎の能力値とを対応付けたデータベースであり、科目毎に存在する。属性テーブル312のテスト分野等と関連する属性区分は、全ユーザをこの属性区分で分けたときに、そのテスト分野のテスト結果に有意な違いが出る区分を含む。
【0060】
図4は、属性テーブル312の例を示す。
図4の例では、アンケート結果から求められるPC操作の苦手意識を属性区分としており、苦手意識の高さ別に、項目反応理論で推定されるいわゆる能力パラメータθが対応付けられている。能力パラメータθは、項目反応理論で用いられるいわゆる難易度に対応する。
図4においては、ユーザの属性は、PC操作が「得意」、「少し得意」、「普通」、「少し苦手」、「苦手」、「わからない」、「答えたくない」の7項目である。PC操作が「得意」と答えたユーザ群のWordに関するテスト結果から求められた能力パラメータθは例えば0.63、PC操作が「苦手」と答えたユーザ群のWordに関する能力パラメータθは例えば-0.11である。すなわち、PC操作が得意と答えたユーザ群の方が、苦手と答えたユーザ群よりも、Wordのテストに対する能力パラメータθの値が高いことがわかる。「わからない」、「答えたくない」と答えたユーザについての能力パラメータθは0に設定した。項目反応理論で推定された能力パラメータθに10を掛けて50を足した値を能力値とする。例えば、PC操作が得意と答えたユーザ群のWordに関する能力パラメータθ=0.63に対する能力値は、56.3(=0.63×10+50)である。
【0061】
また、他の例として、全ユーザを国籍(日本、アメリカ、中国、韓国、台湾等)でわけてもよい。この場合、属性テーブル312は、国籍を属性区分とし、国籍毎にわけたユーザ群内のユーザの能力値とを対応付けて保持してもよい。
【0062】
以下、
図5A及び
図5Bを参照して、本開示の一実施形態に係る
図1に示す情報処理システム10において行われるコンピュータテストの処理フロー500A及び500Bについて説明する。本実施形態では、ユーザ端末100にテストプログラムがインストールされている場合の、ユーザ端末100とサーバ200とで実行される処理のフローについて説明する。
【0063】
以下の説明では、大学など、予め、ユーザIDごとに、テストを受けるユーザの属性(性別、学部等)がユーザ属性テーブル310で管理されており、かつ受験するテストの分野(例えばPCの操作に関するテスト)が決まっていることを前提とする。また、テスト分野(例えば、PC操作)には、この分野に関連する複数の科目(Excel、PowerPoint、Word)が対応付けられている。
【0064】
まず、ステップ502にて、ユーザ端末100(受付部120)は、ユーザ入力インターフェイス108を介してユーザにより入力されたログイン情報(例えば、ユーザのログインID及びログインパスワード)を取得し、サーバ200へ送信する。
【0065】
次に、ステップ504において、サーバ200は、受け付けたログイン情報に対応するユーザ情報をデータベース210(ユーザテーブル304、ユーザ属性テーブル310)から抽出する。抽出するユーザ情報は、ユーザの属性、例えば、ユーザの氏名である。
【0066】
次に、ステップ506において、ユーザ端末100(出力部124)は、受験者であるユーザの属性を問うアンケートを、ディスプレイ106に表示する。このアンケートでは、受験するテスト分野のテスト結果との関連性がある、あるいは関連性があると想定されるユーザの属性を問う。例えば、テスト分野がPC操作の場合、PC操作の苦手意識を問うアンケート、あるいはOffice操作の苦手意識を問うアンケートである。また、例えば、テスト分野が数学の場合、数学の苦手意識を問うアンケート、あるいは線形代数の苦手意識を問うアンケートである。
【0067】
なお、前述したステップ504においても、ユーザテーブル304あるいは、ユーザ属性テーブル310から、受験するテスト分野(例えば、PC操作)との関連性がある、あるいは関連性があると想定されるユーザの属性(例えば、学部)を取得することができる。したがって、ステップ506においてユーザの属性を問うアンケートを実施しなくてもよい。すなわち、アンケートは、受験するテスト分野との関連性があるユーザの属性が、過去に入力された情報(例えばアンケート結果、ユーザの初期登録データ)から決められない場合に、実施するようにしてもよい。例えば、実施するテスト分野がPC操作の場合に、社会科に対するアンケート結果が存在しても、このアンケート結果から、PC操作の能力値は定められない可能性が高い。このような場合に、実施するテスト分野との関連性があるPC操作の苦手意識を問うアンケートを改めて実施する。あるいは、過去に入力された情報が古い場合にアンケートを改めて実施してもよい。例えば、実施するテストの分野と関連性があるアンケート結果が存在しても、このアンケート結果が古い(例えば、10年以上前)場合には、古いアンケート結果と、実施するテストの分野のテスト結果との関連性が低い可能性があるからである。
【0068】
次に、ステップ508において、ユーザ端末100(受付部120)は、ユーザ入力インターフェイス108を介して、受験者であるユーザにより入力されたアンケート結果を取得する。
【0069】
次に、ステップ510において、ユーザ端末100(受付部120)は、ユーザにより複数あるテスト科目のうち1つの科目の選択と、テスト開始の入力とを受け付け、テストプログラムを実行してテストを開始する。なお、本開示では、予め定められたテスト分野と関連するアンケートを実施した後に(ステップ508)、テスト科目の選択を受け付けているが(ステップ510)、処理の順番はこれに限られない。すなわち、受験するテスト科目の選択を受け付けた後に、選択されたテスト科目との関連性があるアンケートを実施することとしてもよい。
【0070】
ステップ512において、サーバ200は、選択されたテスト科目IDに基づいて、ユーザの能力値を設定するために必要な情報を項目テーブル302から、項目情報として抽出し、ユーザ端末100へ送信する。抽出される項目情報は、テスト科目IDに対応する問題の難易度と、各問題の識別力を含む。項目情報はさらに、問題文や、判定基準を含んでもよい。
【0071】
さらにステップ512において、サーバ200は、選択されたテスト科目IDと関連する、ユーザの能力値を設定するために必要なユーザが受験した過去のテスト結果が存在するかを判定し、過去のテスト結果が存在する場合に、これをデータベース210(テスト結果テーブル306)から抽出し、ユーザ端末100へ送信する。過去のテスト結果は、受験しているテスト科目IDと同一IDの過去のテスト結果でもよいし、受験しているテスト科目IDと異なるが高い相関関係を有する科目IDの過去のテスト結果でもよい。
【0072】
次に、ステップ514において、ユーザ端末100(設定部122)は、過去のテスト結果がある場合には、このユーザのテスト結果に対応する能力値に基づいて、受験者であるユーザの能力値を設定する。一方、過去のテスト結果がない場合には、アンケート結果に基づきユーザの能力値を設定する。アンケート結果がない場合には、選択された科目に対する平均的な能力値を受験者であるユーザの能力値として設定する。
【0073】
以下、
図6を参照して、本開示の一実施形態に係るユーザのテスト開始能力値を設定するための処理のフロー600について説明する。受験者であるユーザのテスト開始時の能力値は、テスト結果テーブル306、ユーザ属性テーブル310、及び属性テーブル312等に保持された情報に基づいて設定することができる。
【0074】
まず、ステップ602にて、ユーザ端末100(設定部122)は、テスト科目IDと同一科目のユーザの過去のテスト結果があるか否かを判定し、同一科目のテスト結果がある場合(ステップ602にて「はい」)、ステップ604にて、この同一のテスト科目IDに対応する能力値をテスト結果テーブル306から取得し、開始能力値として設定する。
【0075】
一方、テスト科目IDと同一科目のユーザの過去のテスト結果がない場合(ステップ602にて「いいえ」)、ステップ606にて、受験するテスト科目のテスト結果と、相関関係を有する、あるいは相関関係を有すると想定される、異なる科目のユーザの過去のテスト結果があるかを判定し、相関関係を有する異なる科目のテスト結果がある場合(ステップ606にて「はい」)、ステップ608にて、この異なるテスト科目IDに対応する能力値をテスト結果テーブル306から取得し、この能力値を開始能力値として設定する。本開示において、受験するテスト科目(第1科目)のテスト結果と相関関係を有する、あるいは相関関係を有すると想定される科目とは、第1科目のテスト結果の点数が高いときに、テスト結果の点数が高くなる傾向にある科目(正の相関関係がある科目)、すなわち成績の相関関係がある科目である。科目間の相関関係は、複数のユーザに対して行われた過去のテスト結果から求めることができる。
【0076】
なお、受験するテスト科目のテスト結果と相関関係を有する科目は複数存在する場合がある。この場合、このうち1つの科目(例えば最も相関係数が高い科目)に関連付けられた能力値を開始能力値として設定してもよいし、相関関係を有する複数科目に関連付けられた能力値の平均値を開始能力値として設定してもよい。
【0077】
一方、選択されたテスト科目と相関関係を有する異なる科目のユーザの過去のテスト結果がない場合(ステップ606にて「いいえ」)、ステップ610に進む。
【0078】
ステップ610において、ユーザ端末100(設定部122)は、アンケート結果から、受験しているテスト分野あるいはテスト科目に関連する、受験者であるユーザの属性が得られている場合には、ステップ612にて、このユーザの属性と同じ属性を有するユーザ群の能力値を、属性テーブル312から取得し、この能力値を開始能力値として設定する。例えば、
図4に示す属性テーブル312を参照すると、PCの操作が「得意」とする属性を有するユーザ群の能力パラメータθは0.63である。したがって、受験者であるユーザが、アンケートでPCの操作が「得意」と解答した場合に、このユーザの能力値は56.3(=θ×100+50)に初期設定される。
【0079】
あるいは、他の例として、ステップ610において、ユーザ端末100(設定部122)は、アンケート結果ではなく、ユーザ属性テーブル310に保持されたユーザ属性のうち、受験しているテスト分野あるいはテスト科目との関連性が高い、あるいは高いと想定されるユーザ属性の能力値を抽出してもよい。この場合には、アンケート結果ではなく、例えば、受験者であるユーザの学部を、ユーザ属性テーブル310からユーザ属性として取得し、このユーザの属性(学部)と同じ属性を有するユーザ群の能力値を、属性テーブル312から取得し、この能力値を開始能力値として設定する(ステップ612)。
【0080】
一方、テスト科目と関連する、受験者であるユーザの属性情報がない場合(ステップ610にて「いいえ」)、テスト科目の平均的能力値、例えば偏差値50を開始能力値として設定する。
【0081】
このように、本開示によると、同一科目のテスト結果がない場合に、同一科目とテスト結果の相関関係を有する異なる科目のテスト結果に対する能力値を開始能力値として設定する。さらに、異なる科目のテスト結果がない場合には、ユーザの属性に基づく能力値を、開始能力値として設定する。
【0082】
テスト結果に対する相関係数は、テスト開始時に予め定められている。複数のユーザを、属性(例えばPCの苦手意識)で分けたときの、各科目に対するテスト結果の相関係数を求めたところ、例えばWordの相関係数は0.333、Excelの相関係数は0.321、PowerPointの相関係数は0.302であり、属性(PCの苦手意識)と、各科目のテスト結果との間には弱い正の相関が認められた。受験者は、アンケート(ここではPCの苦手意識に関するアンケート)に対し恣意的に答える可能性がある。このため、アンケート結果(PCの苦手意識)と、各科目に対するテスト結果との間には、弱い正の相関が認められる。
【0083】
一方、複数のユーザが過去に受験した2つのテスト科目のテスト結果の相関係数を求めてもよい。実際に、相関係数を求めたところ、例えば、WordとExcelの相関係数は0.579、ExcelとPowerPointの相関係数は0.592、WordとPowerPointの相関係数は0.584であり、過去に受験した2つのテスト科目のテスト結果の間には、強い相関が認められた。すなわち、受験するテスト科目に対する過去の能力値が不明であっても、受験する科目と強い相関を有するテスト科目を受験したときの能力値があれば、この相関を有するテスト科目の能力値を、受験者であるユーザの能力値の初期能力値とすることで、適切な開始能力値を設定することができる。
【0084】
本開示によると、ユーザに最初の問題を出題する前に、受験者であるユーザが過去に実施したテスト結果や、ユーザの属性に基づいて、受験者であるユーザの大まかな能力値を設定する。これにより、ユーザの能力値に適したレベルの問題を最初からユーザに出題することができ、テストの全体所要時間を短くすることができる。
【0085】
なお、
図6に示す態様では、同一科目のテスト結果、異なる科目のテスト結果、ユーザの属性の有無の全てを判定してユーザの開始能力値を設定しているが、このうち一部に基づいてユーザの開始能力値を設定してもよい。例えば同一科目のテスト結果の有無のみを判定し、同一科目のテスト結果がある場合には、ステップ604にて開始能力値を設定し、テスト結果がない場合には、ステップ606からステップ612に進まず、ステップ614に進み、平均的能力値に基づいてユーザの能力値を設定してもよい。あるいは、受験しているテスト分野あるいはテスト科目と関連性が高い、あるいは高いと想定されるユーザの属性がある場合には、ステップ602、ステップ606を実行せずに、ステップ610において、受験しているテスト分野(例えばPCの苦手意識)との関連性があるユーザ属性(例えばPCの操作が苦手)と同じ属性を有するユーザ群の能力値を、ユーザの能力値として設定してもよい。
【0086】
あるいは、他の態様として、同一科目に対するテスト結果、異なる科目のテスト結果、ユーザの属性に関する情報の取得時期が古い場合(例えば10年前)には、これらの情報がないものとして扱ってもよい。一例として、ステップ602において、同一科目のテスト結果の取得時期が最近の所定期間(例えば3年)以内であるかを判定し、最近の所定期間以内のテスト結果である場合に、このテスト結果の能力値を、開始能力値として設定する。一方、最近の所定期間以内のテスト結果がない場合に、ステップ606に進むようにしてもよい。
【0087】
あるいは、他の例として、これらの情報の取得時期が古い場合には、取得時期からの経過時間に応じて減るような所望の関数に基づいて新たな相関係数を算出してもよい(新たな相関係数y=取得した相関係数y-傾きa×経過時間t)。算出した新たな相関係数のうち最も高い値に対応する能力値を、開始能力値として設定してもよい。
【0088】
あるいは、他の態様として、同一科目に対するテスト結果に基づいて設定された能力値、異なる科目に対するテスト結果に基づいて設定された能力値、ユーザ属性情報に基づいて設定された能力値のうち2つに基づいてユーザの能力値を設定してもよい。例えば、同一科目に対するテスト結果に基づいて設定された能力値と、異なる科目に対するテスト結果に基づいて設定された能力値がある場合には、これらの能力値の平均値等を初期能力値として設定してもよい。
【0089】
ふたたび、
図5Aに戻る。ステップ514において、ユーザ端末100(設定部122)は、いわゆる項目反応理論に基づき、上述の項目情報(より具体的には難易度及び識別力)を使用して、設定された初期の能力値に最適な問題を選択する。その後、ユーザ端末100は選択された問題の問題IDをサーバ200へ送信する。
【0090】
次に、ステップ518において、サーバ200は、選択された問題IDに対する項目ファイルをストレージ220(項目ファイル群322)から抽出し、ユーザ端末100へ送信する。抽出した項目ファイルは、問題IDに対応する解説文、問題に対する解説動画、解説音声、解説画像の少なくとも一部を含む。1つの問題IDに対し、複数の解説文、解説動画等が含まれていてもよい。
【0091】
次に、ステップ520において、ユーザ端末100(出力部124)は、ディスプレイ106に、サーバ200よりダウンロードした問題IDに対応する項目等(例えば問題文)を提示させる。ユーザ端末100(出力部124)は、ステップ504で取得したユーザ情報(例えば、ユーザの学部、学年)をディスプレイ106に提示させてもよい。
【0092】
次に、
図5Bに進み、ステップ522において、ユーザ端末100(受付部120)は、提示している問題に対するユーザからの解答の入力を受け付ける。提示された問題に対するユーザからの解答があった場合、又は解答がなくとも問題に割り当てられた制限時間を超えた場合に、次のステップ524に進む。あるいは、解答があるまで待ち、解答がある場合に限り、次のステップ524に進むこととしてもよい。問題に割り当てられた制限時間は、任意に定められてもよいし、問題毎に過去に複数の解答者が解答したときの、正答者が解答したときの解答時間に基づいて定めることができる。例えば、制限時間は、1つの問題に対する正答者のうちある割合(例えば95%)が含まれる最大の解答時間である。
【0093】
ステップ524において、ユーザ端末100(正誤判定部126)は、解答がある場合、あるいは解答の制限時間を超えた場合に、ユーザの問題に対する解答の正誤を判定する。具体的には、まず、正誤判定部126は、解答までの所要時間が制限時間内であり、かつユーザによる解答を受け付けた場合、ユーザの解答の正誤を判定する。正誤判定部126は、制限時間を超過している場合には、正誤判定部126は問題に対してユーザが誤答したと判定する。
【0094】
次に、ステップ526において、ユーザ端末100(推定部128)は、実施中のテストで、既に出題した問題に対する解答結果に基づいてユーザの能力値を計算する。より具体的には、2問目以降にユーザの出題する問題を計算するためのユーザの能力値は、実施中のテストで、前の問題(例えば、テスト中にユーザが解答した全ての問題や直前の問題)に解答したユーザの解答の正誤に基づいて計算される。推定部128は得られた問題に対する解答の正誤、解答までの所要時間、計算された能力値を解答結果として、メモリ104に保存する。
【0095】
次に、ステップ528にて、ユーザ端末100(終了判定部130)は、テストが終了条件を満たすか否かを判定する。テストの終了条件として、予め1つのテストに対し定められたテスト時間を超えたか、テスト時間を超えてない場合には、収束値に到達したか否か、又は全ての問題がユーザに提示されたた否かが考慮される。収束値に到達したか否かは、一つ前の問題への解答後に推定された能力値と、問題解答後に推定された能力値との差分が閾値未満であるかに基づいて判定される。すなわち、テスト時間を超えておらず、全ての問題がユーザに提示されていない場合であっても、収束値に到達している場合には、終了条件を満たすとして、次のステップ530に進む。一方、テスト時間を超えておらず、かつ収束値に到達していない場合、全ての問題がユーザに提示されたかを判定し、全ての問題がユーザに提示された場合に、終了条件を満たすとして、次のステップ530に進む。
【0096】
ステップ528にて終了条件を満たしていないと判定された場合、ステップ516に戻る。ステップ516において、ユーザ端末100(推定部128)は、いわゆる項目反応理論に基づき、項目情報(より具体的には難易度及び識別力)を使用して、ステップ524にて計算された能力値に最適な問題を選択する。その後、ユーザ端末100(推定部128)は選択された問題の問題IDをサーバ200へ送信する。次にステップ518からからステップ524の処理を行い、ステップ526に進む。ステップ526にて、ユーザ端末100(終了判定部130)は、テストが終了条件を満たすか否かを判定する。ステップ526にて、テストが終了条件を満たしている場合には、ステップ530に進む。
【0097】
ステップ530にて、ユーザ端末100(出力部124)は、テストの合否等をディスプレイ106に出力する。また、ユーザ端末100は解答結果の履歴と、テスト結果とをサーバ200へ送信する。
【0098】
ステップ532にて、サーバ200は受信した解答結果の履歴を、解答履歴テーブル308に格納する。なお、本実施形態では、テストが終了条件を満たした後に、テストの全解答履歴をサーバ200へ送信しているが、テスト中に解答結果が得られる度に、解答結果をサーバ200へ送信してもよい。
【0099】
ステップ534にて、サーバ200は受信したテスト結果をテスト結果テーブル306に格納する。
【0100】
このように、本開示によると、ユーザが過去に受験したテスト結果がある場合、このテスト結果に設定された能力値を継承してテスト開始時点の能力値を設定し、その能力値に適した問題を第1問目に出題することができる。また、過去のテストに対する結果がなくとも、ユーザの属性情報に基づいて能力値を設定し、その能力値に適した問題を第1問目に出題することができる。したがって、ユーザの能力値に適したレベルの問題を最初から、ユーザに出題することができ、テストの全体所要時間を短くすることができる。
【0101】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0102】
10…情報処理システム
100…ユーザ端末
102…プロセッサ
104…メモリ
106…ディスプレイ
108…ユーザ入力インターフェイス
110…通信インターフェイス
120…受付部
122…設定部
124…出力部
126…正誤判定部
128…推定部
130…終了判定部
140…インターネット
200…サーバ
210…データベース
220…ストレージ
302…項目テーブル
304…ユーザテーブル
306…テスト結果テーブル
308…解答履歴テーブル
310…ユーザ属性テーブル
312…属性テーブル
322…項目ファイル群