(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機
(51)【国際特許分類】
F03D 3/06 20060101AFI20240117BHJP
F03G 7/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
F03D3/06 H
F03G7/00 B
(21)【出願番号】P 2021036126
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2023-12-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515043772
【氏名又は名称】株式会社チャレナジー
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦史
(72)【発明者】
【氏名】ビダル ムリア ハビエル
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-016169(JP,A)
【文献】特開2005-256605(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002757(WO,A1)
【文献】特表2013-543459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
F03G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持筐体と、
前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、
前記第1の回転軸を中心として公転可能であって、前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、
前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に、複数の前記円筒翼の各々を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、
前記円筒翼における前記第2の回転軸の軸方向の一端部側を軸支する複数の一端側支持部と、
前記円筒翼における前記一端部側とは反対側の他端部側を軸支する複数の他端側支持部とを備え、
前記一端側支持部及び前記他端側支持部のうち少なくとも一方は、
前記円筒翼の軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部を備える、
マグナス式推力発生装置。
【請求項2】
前記一端側支持部は、
鉛直方向の上側に配置されるとともに、前記揺動軸支構造部を備え、
前記他端側支持部は、
前記鉛直方向の下側に配置されるとともに、前記軸心を固定した状態で軸支する固定軸支構造部を備える、
請求項1に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項3】
複数の前記円筒翼の各々は、
円筒状の円筒翼本体と、
前記円筒翼本体に連結され、前記一端部側及び前記他端部側において前記第2の回転軸と同軸上にそれぞれ配置される一端側回転伝達軸部及び他端側回転伝達軸部と、
前記他端側回転伝達軸部に連結されて、前記円筒翼本体を回転させる回転駆動部とを備え、
前記揺動軸支構造部は、
前記一端側回転伝達軸部を揺動可能な状態で軸支し、
前記固定軸支構造部は、
前記他端側回転伝達軸部を固定した状態で軸支するとともに、前記回転駆動部を支持する、
請求項2に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項4】
前記揺動軸支構造部は、
前記軸心を軸支する第1の軸支部と、
前記回転部に固定される第1の固定部と、
前記第1の軸支部と前記第1の固定部との間を連結するとともに、前記第1の固定部に対して前記軸心が前記第1の軸支部を介して変位することに応じて変形可能な変形連結部とを備える、
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項5】
前記第1の軸支部、前記第1の固定部及び前記変形連結部は、
前記第2の回転軸と同軸上に配置されるとともに、前記変形連結部の両側に前記第1の軸支部及び前記第1の固定部がそれぞれ配置され、
前記変形連結部は、
前記第2の回転軸を中心とする円周上に複数の第1の取付孔及び複数の第2の取付孔が交互に形成された板状の撓み部材であり、
前記第1の軸支部は、複数の前記第1の取付孔に取り付けられ、
前記第1の固定部は、複数の前記第2の取付孔に取り付けられる、
請求項4に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項6】
前記第1の軸支部及び前記第1の固定部は、
前記第2の回転軸を中心とする円周上に交互に形成された複数の小孔及び複数の大孔をそれぞれ備え、
複数の前記大孔の各々には、
前記大孔の内径よりも外径が小さいブッシュ部分と前記大孔の内径よりも外径が大きいフランジ部分とを有するフランジブッシュが、前記第1の軸支部及び前記第1の固定部とは接触しない状態で前記変形連結部とは反対側から挿入されており、
前記第1の軸支部は、
前記第1の軸支部の前記小孔と、前記第1の取付孔と、前記第1の固定部の前記大孔に挿入された前記フランジブッシュとに挿通されたボルトにより、前記変形連結部に固定されており、
前記第1の固定部は、
前記第1の固定部の前記小孔と、前記第1の取付孔と、前記第1の軸支部の前記大孔に挿入された前記フランジブッシュとに挿通されたボルトにより、前記変形連結部に固定されている、
請求項5に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項7】
前記第1の軸支部は、
調心機能を有し、前記軸心を軸支する調心軸受と、
前記調心軸受の外周を支持する軸受支持部とを備える、
請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置または潮力回転装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機または潮力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中で回転する略円筒形状の円筒翼が発生するマグナス力を用いたマグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機などの流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体中で回転する円筒翼が発生するマグナス力を利用する装置が知られている。例えば、特許文献1には、発電機回転軸を中心として回転するとともに、複数の円筒翼を軸支するマグナス円筒上部回転架台及びマグナス円筒下部回転架台を備えるマグナス式推力発生装置(縦軸マグナス型風力発電装置)が開示されている。そして、特許文献1に開示されたマグナス式推力発生装置では、複数の円筒翼は、マグナス円筒上部回転架台軸受及びマグナス円筒下部回転架台軸受を介してマグナス円筒上部回転架台及びマグナス円筒下部回転架台に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マグナス式推力発生装置において、装置の耐久性を向上させるためには、円筒翼を安定的に回転させることが要求される。特許文献1に開示されたマグナス式推力発生装置では、円筒翼は、その上部及び下部において軸受を介して架台に軸支されている。そのため、装置の製造誤差、組付誤差、温度変化による変形、回転時の振動や風荷重等の影響を受けることで円筒翼を軸支する上部と下部との間に軸ずれが発生しやすく、軸ずれが発生した場合には、円筒翼を安定的に回転させることができなかった。また、軸ずれが発生した状態で円筒翼を回転させた場合、円筒翼や円筒翼を軸支する軸受に負荷がかかり、これらの寿命が短くなるとともに、消費電力の増加や騒音の増大が発生するという問題点があった。
【0005】
本発明は、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を可能とするマグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
支持筐体と、前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、前記第1の回転軸を中心として公転可能であって、前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に、複数の前記円筒翼の各々を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、前記円筒翼における前記第2の回転軸の軸方向の一端部側を軸支する複数の一端側支持部と、前記円筒翼における前記一端部側とは反対側の他端部側を軸支する複数の他端側支持部とを備え、
前記一端側支持部及び前記他端側支持部のうち少なくとも一方は、前記円筒翼の軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部を備える。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係る風力回転装置、水力回転装置または潮力回転装置は、前記マグナス式推力発生装置を用いたものである。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る風力発電機、水力発電機または潮力発電機は、前記マグナス式推力発生装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置によれば、一端側支持部及び他端側支持部のうち少なくとも一方は、円筒翼の軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部を備える。そのため、円筒翼が第2の回転軸を中心として回転(自転)するときの円筒翼の軸心と、円筒翼を軸支する一端側支持部及び他端側支持部の軸心との間に軸ずれが生じた場合でも、円筒翼の軸心は、揺動軸支構造部により揺動可能な状態で軸支されているので、軸ずれによる円筒翼の変位が揺動軸支構造部により吸収される。
【0010】
これにより、軸ずれにより円筒翼や一端側支持部及び他端側支持部にかかる応力が低減されるので、円筒翼や一端側支持部及び他端側支持部(例えば、軸受部分)の破損を抑制するとともに、円筒翼を回転する際の消費電力や騒音を低減することができる。したがって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す正面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す分解正面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す平面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示すV-V線断面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る整流板5及び整流板支持部61の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【
図7】第1の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る揺動軸支構造部7が揺動したときの状態を示す縦断面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す分解斜視図である。
【
図10】第1の実施形態に係る固定軸支構造部8を示す縦断面図である。
【
図11】第2の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
【
図12】第2の実施形態に係る揺動軸支構造部7が揺動したときの状態を示す縦断面図である。
【
図13】第3の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
【
図14】第3の実施形態に係る及び揺動軸支構造部7を示す分解斜視図である。
【
図15】第4の実施形態に係る固定軸支構造部8を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の具体的な実施形態を示す。実施形態はあくまで一例であり、この例に限定されるものではない。なお、以下の実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す正面図である。
図3は、第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す分解正面図である。
図4は、第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示す平面図である。
図5は、第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の一例を示すV-V線断面図である。
【0014】
垂直軸型マグナス式風力発電機1は、設置面Sに対して設置される支持筐体2と、支持筐体2の内部に配置される発電機21及び増速機22と、増速機22を介して発電機21に連結されるとともに、設置面Sに対して垂直な第1の回転軸O1を中心として回転可能な回転部3と、第1の回転軸O1を中心として公転可能であって、第1の回転軸O1に対して平行な第2の回転軸O2を中心として自転可能な複数の円筒翼4と、複数の円筒翼4とともに各組を構成し、各組の円筒翼4の軸方向に沿って長手方向5Lが配置される複数の整流板5と、回転部3に固定されることで第1の回転軸O1を中心として回転可能であって、円筒翼4及び整流板5の各組毎に、第1の回転軸O1を中心とする円周C1上に円筒翼4を支持するとともに、円筒翼4が公転するときの進行方向とは反対側に整流板5を支持する支持部6とを備える。
【0015】
なお、本実施形態の説明において、「平行」とは、完全に平行な場合だけでなく、垂直軸型マグナス式風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれを許容した略平行な場合も含む。同様に、「垂直」とは、完全に垂直な場合でだけでなく、垂直軸型マグナス式風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれを許容した略垂直な場合も含む。また、本実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1は、
図1に示すように、2つの円筒翼4と、2つの整流板5とを備え、円筒翼4及び整流板5の組数は、2組であるものとして説明する。
【0016】
支持筐体2は、第1の回転軸O1と同軸状に配置される円筒状の筐体である。支持筐体2の上部には、その上部から回転部3の上部30を突設させるとともに、第1の回転軸O1が設置面Sに対して垂直となるように、回転部3を軸支する軸受ユニット20を備える。なお、支持筐体2は、トラス状の筐体としてもよい。
【0017】
回転部3は、軸受ユニット20に軸支される回転シャフト等で構成されており、軸受ユニット20の上面に対して突設された上部30の周壁部分に支持部6が固定される。
【0018】
発電機21は、増速機22を介して回転部3に連結されており、回転部3が回転する際の回転エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電するように構成されている。なお、発電機21は、増速機22を介さずに直接回転部3に連結してもよい。
【0019】
垂直軸型マグナス式風力発電機1の定格出力として、例えば、10kw程度を想定する場合には、円筒翼4の外寸は、長さ10m程度、直径1m程度であり、整流板5の外寸は、長さ10m程度、幅1.5~2m程度、厚さ0.5~3mm程度である。
【0020】
複数の円筒翼4は、支持部6により円周C1上に支持されることで、
図5に示すように、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2に垂直な平面上において、複数の第2の回転軸O2は、円周C1上で所定の間隔(円筒翼支持間隔)を空けるようにして円周C1上に配置される。本実施形態では、2つの円筒翼4に対する2つの第2の回転軸O2は、第1の回転軸O1を挟んで対向するようにして円周C1上に配置される。
【0021】
円筒翼4は、円筒状に形成された円筒状の円筒翼本体40を備え、円筒翼本体40は、第2の回転軸O2と平行な円筒翼4の軸方向に対する両端部として、鉛直方向の上側に配置される上端部(一端部)40aと、鉛直方向の下側に配置される下端部(他端部)40bとを備える。また、円筒翼4は、上端部40a及び下端部40bにそれぞれ配置されて、円筒翼4の直径よりも大きな円板状の翼端板41と、第2の回転軸O2を中心として円筒翼4を時計回りR2に回転(自転)させる円筒翼モータ(回転駆動部)42と、円筒翼本体40に連結されて、上端部40a及び下端部40bにおいて第2の回転軸O2と同軸上にそれぞれ配置される上部回転伝達軸部(一端側回転伝達軸部)45及び下部回転伝達軸部(他端側回転伝達軸部)46とを備える。
【0022】
整流板5は、平板状に形成されており、整流板5の長手方向5Lに対する両端部として、上端部(一端部)50aと、下端部(他端部)50bとを備え、整流板5の幅方向5Wに対する両縁部として、円筒翼4側に配置される前端縁部50cと、前端縁部50cとは反対側の後端縁部50dとを備える。また、整流板5は、整流板5の板厚方向に対して垂直な表面として、第1の回転軸O1側に配置される内側表面50eと、内側表面50eとは反対側の外側表面50fとを備える。
【0023】
整流板5は、支持部6により支持されることで、
図5に示すように、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2に垂直な平面上において、円筒翼4の進行方向とは反対側に配置される。また、整流板5は、円筒翼4の進行方向とは反対側に伸びるように、前端縁部50c及び後端縁部50dが配置される。なお、整流板5の具体的構成は後述する。
【0024】
支持部6は、円筒翼4及び整流板5の各組毎に、第1の回転軸O1を中心とする円周C1上に円筒翼4を配置するように、軸方向に対する円筒翼4の両端部40a、40bを軸支するとともに、円筒翼4が第1の回転軸O1を中心として時計回りR1に公転するときの進行方向とは反対側に整流板5を配置するように、長手方向5Lに対する整流板5の両端部50a、50bを支持する。
【0025】
支持部6が、円周C1上に円筒翼4を支持する態様としては、支持部6が、
図5に示すように、円筒翼4の中心である第2の回転軸O2と円周C1とが重なった状態で円筒翼4を支持する場合だけでなく、第2の回転軸O2と円周C1との間には、垂直軸型マグナス式風力発電機1の機能が損なわれない程度のずれが許容されるものであり、支持部6が、例えば、円筒翼4の円形状の断面と円周C1とが重なった状態で円筒翼4を支持する場合も含む。なお、支持部6の具体的構成は後述する。
【0026】
垂直軸型マグナス式風力発電機1は、円筒翼モータ42により第2の回転軸O2を中心として円筒翼4を時計回りR2に回転(自転)させた状態において、所定の方向から風(空気流)を受けると、円筒翼4にマグナス力が発生する。そして、円筒翼4に発生したマグナス力は、第1の回転軸O1を中心として円筒翼4を時計回りR1に公転させる方向に作用する。
【0027】
このとき、整流板5は、風向に対して円筒翼4が存在する位置に応じて、マグナス力の大きさを制御する。具体的には、円筒翼4が、風上側に存在する場合には、整流板5は、風向と円筒翼4の自転方向とが逆方向になる領域(流れ減速側)に存在する。そのため、整流板5は、流れ減速側における風の流れを阻害することになるが、円筒翼4に発生するマグナス力を大きく低下させることにはならないため、マグナス力は、円筒翼4を公転させる回転力として作用する。
【0028】
一方、円筒翼4が、風下側に存在する場合には、整流板5は、風向と円筒翼4の自転方向とが一致する領域(流れ加速側)に存在する。そのため、整流板5は、流れ加速側における風の流れを阻害することにより、円筒翼4に発生するマグナス力を低下させるため、マグナス力が、円筒翼4を公転させる回転力を打ち消すように作用することを抑制する。
【0029】
以上のように、円筒翼4が、整流板5により円筒翼4に発生するマグナス力が制御された状態で時計回りR1に公転することにより、回転部3を時計回りに回転させて、回転部3に連結された発電機21で発電する。
【0030】
(整流板5及び支持部6の具体的構成)
支持部6は、整流板5に対して第1の回転軸O1側に配置されて、長手方向5Lに対する整流板5の両端部50a、50b間に亘って整流板5の長手方向5Lに沿うように整流板5を支持する整流板支持部61と、整流板支持部61の上端部(一端部)610aと回転部3とを連結する第1の連結アーム部62と、整流板支持部61の下端部(他端部)610bと回転部3とを連結する第2の連結アーム部63と、円筒翼4の上端部40a側を軸支するとともに、第1の連結アーム部62に連結される第1の円筒翼支持部(一端側支持部)64と、円筒翼4の下端部40b側を軸支するとともに、第2の連結アーム部63に連結される第2の円筒翼支持部(他端側支持部)65とを、円筒翼4及び整流板5の各組毎(本実施形態では2組)に備える。
【0031】
整流板支持部61は、両端部50a、50b間に亘って整流板5の長手方向5Lに沿うように配置されて、整流板5を支持する整流板支持アーム部610と、整流板5の長手方向5Lに対して所定の間隔(補強間隔)で配置されるとともに、整流板5の幅方向5Wに対する整流板5の両縁部50c、50d間に亘って長手方向5Lに対して所定の角度(本実施形態では直角)を有するように配置されて、整流板5を支持する複数の整流板補強部材611とを備える。
【0032】
第1の円筒翼支持部64は、円筒翼4の上端部40a側において円筒翼4の軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部7と、第1の連結アーム部62の先端部620bと揺動軸支構造部7とを連結する第1の円筒翼支持アーム部641と、第1の連結アーム部62の屈曲部620cと揺動軸支構造部7とを連結する第2の円筒翼支持アーム部642とを備える。揺動軸支構造部7の具体的な構成については後述する。
【0033】
第2の円筒翼支持部65は、円筒翼4の下端部40b側において円筒翼4の軸心を固定した状態で軸支するとともに、円筒翼モータ42を支持する固定軸支構造部8と、第2の連結アーム部63の先端部630bと固定軸支構造部8とを連結する第1の円筒翼支持アーム部651と、第2の連結アーム部63の屈曲部630cと固定軸支構造部8とを連結する第2の円筒翼支持アーム部652とを備える。固定軸支構造部8の具体的な構成については後述する。
【0034】
また、支持部6は、整流板5の長手方向5Lに対する整流板支持アーム部610の中間部610cと、第1の連結アーム部62の回転部3側の固定端部620a及び第2の連結アーム部63の回転部3側の固定端部630aが隣接する隣接部661とを連結する第3の連結アーム部66を、円筒翼4及び整流板5の各組毎(本実施形態では2組)にさらに備える。
【0035】
支持部6が備える各アーム部(整流板支持アーム部610、第1の連結アーム部62、第2の連結アーム部63、第1の円筒翼支持アーム部641、651、第2の円筒翼支持アーム部642、652、及び、第3の連結アーム部66)は、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料や、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の樹脂材料を用いて、円形、楕円形、多角形等の任意の断面形状を有する管状部材、L型、H型、I型等の任意の断面形状を有する板状部材、又は、ワイヤー部材として形成されている。なお、支持部6が備える各アーム部は、各アーム部が配置される場所や各部が支持する荷重に応じて、各部の外形形状、断面形状、断面積、及び、材料等を変更するようにしてもよい。
【0036】
また、支持部6が備える各アーム部は、複数のアーム部が一体的に形成された複数の複合アーム部材により構成されており、各複合アーム部材間は、任意の接合方法(溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等)による接合部を介して接合される。
【0037】
本実施形態では、例えば、第1の連結アーム部62、第2の連結アーム部63、第1の円筒翼支持アーム部641、651及び第2の円筒翼支持アーム部642、652が一体的に形成されることで、第1の複合アーム部材60Aを構成する。また、整流板支持アーム部610及び第3の連結アーム部66が一体的に形成されることで、第2の複合アーム部材60Bを構成する。そして、第1の複合アーム部材60Aは、接合部600A、600Bを介して回転部3に接合される。第2の複合アーム部材60Bは、接合部601A~601Cを介して第1の複合アーム部材60Aに接合される。
【0038】
図6は、第1の実施形態に係る整流板5及び整流板支持部61の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【0039】
整流板5は、整流板5の長手方向5Lに対して並べられて配置される複数の板材51により構成される。整流板5の長さが、例えば、10m程度である場合、複数の板材51の1枚当たりの長さは、例えば、1m~2m程度として、複数の板材51は、整流板5の長手方向5Lに対して所定の長さ分だけ重畳された重畳部510を形成した状態で隙間なく配置される。
【0040】
板材51は、例えば、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス板等の金属材料、を用いて、矩形の平板状に形成されている。なお、板材51は、金属材料に代えて、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の繊維強化樹脂材料、硬質なポリカーボネイトや塩化ビニル等の硬質樹脂材料、プラスチックフィルム等の薄膜材料、帆布やテント生地等の生地を用いてもよい。
【0041】
整流板支持部61は、上述したように、整流板支持アーム部610と、複数の整流板補強部材611とを備えるとともに、整流板5の長手方向5Lに対して整流板補強部材611の補強間隔と同じ間隔で配置されて、複数の整流板補強部材611の各々が取り付けられる複数の取付ブラケット612と、複数の整流板補強部材611の前端縁部50c側に取り付けられる複数のキャップ部材613とをさらに備える。整流板補強部材611、取付ブラケット612、及び、キャップ部材613は、整流板支持アーム部610や板材51と同様の金属材料や樹脂材料で形成されている。
【0042】
整流板支持アーム部610及び整流板補強部材611は、
図6(c)に示すように、魚骨形状の骨組となって、整流板5を補強した状態で支持する。このとき、整流板支持アーム部610は、整流板5の長手方向5Lに対する補強部材として機能する。また、整流板補強部材611は、整流板5の幅方向5Wに対する補強部材として機能するとともに、整流板5を整流板支持アーム部610に取り付けるための取付部材としても機能する。
【0043】
(揺動軸支構造部7の具体的構成)
図7は、第1の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
図8は、
図7の揺動軸支構造部7が揺動したときの状態を示す縦断面図である。
図9は、第1の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す分解斜視図である。
【0044】
揺動軸支構造部7は、円筒翼4の上端部40aの軸心として、円筒翼4の上端部40aに配置された上部回転伝達軸部45の軸心を揺動可能な状態で軸支する。
【0045】
揺動軸支構造部7は、具体的な構成として、上部回転伝達軸部45の軸心を軸支する第1の軸支部70と、第1及び第2の円筒翼支持アーム部641、642に固定される第1の固定部71と、第1の軸支部70と第1の固定部71との間を連結するとともに、第1の固定部71に対して上部回転伝達軸部45の軸心が第1の軸支部70を介して変位することに応じて変形可能な変形連結部72とを備える。
【0046】
第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、各部の中心線が第2の回転軸O2と同軸上にそれぞれ配置されるとともに、変形連結部72の両側に第1の軸支部70及び第1の固定部71がそれぞれ配置されている。また、第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、上部回転伝達軸部45に近い側から、第1の軸支部70、変形連結部72、第1の固定部71の順に並べられ、第1及び第2のボルト73A、73B、第1及び第2のナット74A、74B、第1及び第2のワッシャ75A、75B,第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bにより取り付けられる。
【0047】
第1の軸支部70は、フランジ状の部材であって、上部回転伝達軸部45を軸支する第1の軸受701と、第1の軸受701の外周を支持する円筒状の軸受支持部702と、軸受支持部702から径方向に垂設される周壁部703と、周壁部703に対して第2の回転軸O2と平行な方向に貫通するように、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの小孔704及び4つの大孔705とを備える。
【0048】
第1の軸受701は、玉やころ等の転動体を用いた転がり軸受や滑り軸受で構成される。
【0049】
第1の固定部71は、円形平板状の部材であって、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの小孔711及び4つの大孔712を備える。
【0050】
第1の軸支部70及び第1の固定部71は、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の樹脂材料、セラミックス材料等を用いて形成されている。
【0051】
変形連結部72は、円形平板状の撓み部材であって、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの第1の取付孔721及び4つの第2の取付孔722を備える。なお、変形連結部72は、第1の取付孔721及び第2の取付孔722以外にも、円形平板状の厚さ方向に貫通された1又は複数の貫通孔を有していてもよい。
【0052】
変形連結部72は、所定の力が作用したときに撓むことで板ばねとして機能し、例えば、円筒翼4の重量に応じた強度や硬さを有する。変形連結部72は、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の樹脂材料、セラミックス材料、ゴム材料、エラストマー材料等の材料を用いて形成されている。
【0053】
なお、変形連結部72は、複数枚の薄板状の板ばねが積層されることで形成されていてもよい。その際、複数枚の板ばねは、同一の材料、形状、寸法により形成されてもよいし、材料、形状、寸法のうち少なくとも1つが異なるものを組み合わせたものでもよい。また、変形連結部72は、
図7乃至
図9に示すように、第1の軸支部70と第1の固定部71との間を、1つの変形連結部72で連結することに代えて、互いに直列的に連結された複数段の変形連結部72で連結するようにしてもよい。さらに、第1の取付孔721及び第2の取付孔722の数や位置は、適宜変更してもよく、第1の取付孔721及び第2の取付孔722の数や位置を変更した場合には、それらの数に合わせて、第1の軸支部70の小孔704及び大孔705の数や位置を変更するとともに、第1の固定部71の小孔711及び4つの大孔712の数や位置を変更すればよい。
【0054】
第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bは、大孔705、712の内径よりも外径が小さいブッシュ部分760と、大孔705、712の内径よりも外径が大きいフランジ部分761とを有する。第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bは、大孔705、712に対して変形連結部72とは反対側から挿入されており、ブッシュ部分760の先端が変形連結部72に接触したときに、フランジ部分761が第1の軸支部70及び第1の固定部71とは接触しない程度の長さに設定されている。すなわち、大孔705、712には、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bが第1の軸支部70及び第1の固定部71とは接触しない状態で変形連結部72とは反対側から挿入されている。
【0055】
第1の軸支部70は、小孔704と、第1の取付孔721と、大孔712に挿入された第1のフランジブッシュ76Aとに挿通された第1のボルト73Aにより、変形連結部72に固定されている。具体的には、第1の軸支部70は、4つの第1のボルト73Aを、第1のフランジブッシュ76A、大孔712、第1の取付孔721、第1のワッシャ75A、小孔704の順に挿通して第1のナット74Aでそれぞれ締結することにより、4つの第1の取付孔721を介して変形連結部72に連結される。なお、第1のナット74Aは複数のナットで構成してもよい。
【0056】
このとき、第1のフランジブッシュ76Aのブッシュ部分760の外径は、大孔712の内径よりも小さく設定されており、第1のフランジブッシュ76Aのブッシュ部分760の外周には、大孔712との間に隙間Gが存在するため、第1の軸支部70は、4つの第1の取付孔721を介して第1の固定部71とは連結されていない。また、第1のフランジブッシュ76Aのフランジ部分761の外径は、大孔712の内径よりも大きく設定されているため、変形連結部72が破断した場合であっても第1の軸支部70と第1の固定部71とが分離して円筒翼4が落下することを防止することができる。
【0057】
第1の固定部71は、小孔711と、第2の取付孔722と、大孔705に挿入された第2のフランジブッシュ76Bとに挿通された第2のボルト73Bにより、変形連結部72に固定されている。具体的には、第1の固定部71は、4つの第2のボルト73Bを、小孔711、第2のワッシャ75B、第2の取付孔722、大孔705、第2のフランジブッシュ76Bの順に挿通して第2のナット74Bでそれぞれ締結することにより、4つの第2の取付孔722を介して変形連結部72に連結される。なお、第2のナット74Bは複数のナットで構成してもよい。
【0058】
このとき、第2のフランジブッシュ76Bのブッシュ部分760の外径は、大孔705の内径よりも小さく設定されており、第2のフランジブッシュ76Bのブッシュ部分760の外周には、大孔705との間に隙間が存在するため、第1の固定部71は、4つの第2の取付孔722を介して第1の軸支部70とは連結されていない。また、第2のフランジブッシュ76Bのフランジ部分761の外径は、大孔705の内径よりも大きく設定されているため、変形連結部72が破断した場合であっても第1の軸支部70と第1の固定部71とが分離して円筒翼4が落下することを防止することができる。
【0059】
(固定軸支構造部8の具体的構成)
図10は、第1の実施形態に係る固定軸支構造部8を示す縦断面図である。
【0060】
固定軸支構造部8は、円筒翼4の下端部40bの軸心として、円筒翼4の下端部40bに配置された下部回転伝達軸部46の軸心を固定した状態で軸支するとともに、円筒翼モータ42を支持する。本実施形態に係る円筒翼モータ42は、下部回転伝達軸部46に直接連結されるダイレクトドライブ方式のモータにより構成される。
【0061】
固定軸支構造部8は、具体的な構成として、下部回転伝達軸部46を軸支するとともに、第1及び第2の円筒翼支持アーム部651、652に固定される第2の軸支部80と、円筒翼モータ42を支持する第2の固定部81とを備え、第2の固定部81は、第2の軸支部80に固定される。
【0062】
第2の軸支部80は、中央に貫通孔800を有するフランジ状の部材であって、下部回転伝達軸部46を軸支する第2の軸受801と、第2の軸受801の外周を支持する円筒状の軸受支持部802と、軸受支持部802から径方向に垂設される周壁部803とを備える。周壁部803は、その軸方向外側の面のうち、径方向外側部分に、第1及び第2の円筒翼支持アーム部651、652が固定されるとともに、径方向内側部分に、第2の固定部81が固定される。
【0063】
第2の固定部81は、フランジ状に形成されて周壁部803に固定される固定連結部810と、下部回転伝達軸部46と同軸上に配置されるように円筒翼モータ42を支持する駆動支持部811と、円筒翼モータ42を外部から保護する蓋部812とを備える。
【0064】
上記構成を有する垂直軸型マグナス式風力発電機1は、円筒翼モータ42により第2の回転軸O2を中心として円筒翼4を時計回りに回転(自転)させた状態において、所定の方向から風(空気流)を受けると、円筒翼4にマグナス力が発生する。そして、円筒翼4に発生したマグナス力が、円筒翼4を円周C1に沿って時計回りに移動させる方向に作用する。これにより、回転部3が時計回りに回転することで、回転部3の回転軸部31に連結された発電機21で発電する。
【0065】
ここで、円筒翼4が第2の回転軸O2を中心として回転(自転)するときの上部回転伝達軸部45及び下部回転伝達軸部46の軸心と、これらを軸支する第1の円筒翼支持部64の第1の軸受701及び第2の円筒翼支持部65の第2の軸受801の軸心との間に軸ずれ(偏心・偏角、軸方向変位等)が生じることがある。
【0066】
軸ずれが生じる原因としては、円筒翼4が、第2の回転軸O2の軸方向に沿って長尺な部材であって、所定の重量を有する部材であるため、各部材の製造誤差、各部材の組付誤差、温度変化による各部材の伸縮等の変形、円筒翼4が回転することにより生じる振動、風荷重による変形等の複数の原因が挙げられる。
【0067】
上記のような軸ずれが生じた場合、本実施形態では、円筒翼4の下端部40bに配置された下部回転伝達軸部46は、第2の円筒翼支持部65の固定軸支構造部8により固定した状態で軸支されている一方、円筒翼4の上端部40aに配置された上部回転伝達軸部45は、第1の円筒翼支持部64の揺動軸支構造部7により揺動可能な状態で軸支されているため、軸ずれによる円筒翼4の変位D10は、円筒翼4の上端部40aに配置された上部回転伝達軸部45を介して、揺動軸支構造部7の第1の軸支部70に伝達される。
【0068】
その結果、変位D10の大きさや方向等に応じた応力が第1の軸支部70に作用するが、第1の軸支部70と第1の固定部71との間を連結する変形連結部72が板ばねとして機能する。すなわち、揺動軸支構造部7は、変形連結部72が変形することで変位D10を吸収する。例えば、
図8に示すような軸ずれによる変位D11は、変形連結部72の変形(矢印A21方向に揺動)により吸収されるので、第1の固定部71に直接伝達されることはない。
【0069】
また、変形連結部72の変形(矢印A21方向に揺動)により第1の軸支部70が変位したとき、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bも変位することになるが、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bのブッシュ部分760の外周には、大孔705、712との間に隙間Gが存在するため、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bが、大孔705、712に干渉することはない。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、上記のような軸ずれが生じた場合でも、第1の固定部71に対して第1の軸支部70が揺動することで、揺動軸支構造部7が、軸ずれによる円筒翼4の変位D10を吸収することができる。
【0071】
これにより、軸ずれにより円筒翼4や第1及び第2の円筒翼支持部64、65にかかる応力が低減されるので、円筒翼4や第1及び第2の軸受701、801の破損を抑制するとともに、円筒翼4を回転する際の消費電力や騒音を低減することができる。したがって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を実現することができる。
【0072】
また、第1の円筒翼支持部64は、鉛直方向の上側に配置されるとともに、揺動軸支構造部7を備え、第2の円筒翼支持部65は、鉛直方向の下側に配置されるとともに、固定軸支構造部8を備える。そのため、円筒翼4の重量による負荷が大きい円筒翼4の下側が、固定軸支構造部8により固定した状態で軸支され、円筒翼4の重量による負荷が小さい円筒翼4の上側が、揺動軸支構造部7により揺動可能な状態で軸支されるので、円筒翼4の下側を安定して支持することができるとともに、円筒翼4の上側で軸ずれによる円筒翼4の変位D10を効率的に吸収することができる。
【0073】
さらに、揺動軸支構造部7は、円筒翼4の上部回転伝達軸部45を揺動可能な状態で軸支し、固定軸支構造部8は、円筒翼4の下部回転伝達軸部46を固定した状態で軸支するとともに、円筒翼モータ42を支持する。そのため、円筒翼モータ42は、下部回転伝達軸部46の軸心を固定した状態で軸支する第2の円筒翼支持部65により支持されるので、円筒翼モータ42による回転を、下部回転伝達軸部46を介して円筒翼4に確実に伝達することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
図12は、
図11の揺動軸支構造部7が揺動したときの状態を示す縦断面図である。
【0075】
第1の実施形態では、揺動軸支構造部7が、変形連結部72を備え、変位D10に応じた応力が第1の軸支部70に作用したときに、変形連結部72が揺動することで変位D10を吸収するものとして説明した。これに対し、第2の実施形態では、第1の軸支部70が、第1の軸受701に代えて調心軸受706を備えることで、変位D10に応じた応力が第1の軸支部70に作用したときに、調心軸受706及び変形連結部72により2段階で揺動することで変位D10を吸収するものである。垂直軸型マグナス式風力発電機1のその他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様のため、以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0076】
調心軸受706は、軸受支持部702により支持され、第1の実施形態に係る第1の軸受701に代えて、上部回転伝達軸部45を軸支する。調心軸受706は、軸心のずれを調節する調心機能を有し、玉やころ等の転動体を用いた転がり軸受でもよいし、滑り軸受でもよい。
【0077】
円筒翼4が第2の回転軸O2を中心として回転(自転)するときの上部回転伝達軸部45及び下部回転伝達軸部46の軸心と、これらを軸支する第1の円筒翼支持部64の調心軸受706及び第2の円筒翼支持部65の第2の軸受801の軸心との間に軸ずれ(偏心・偏角、軸方向変位等)が生じた場合、第1の実施形態と同様に、軸ずれによる円筒翼4の変位D10は、円筒翼4の上端部40aに配置された上部回転伝達軸部45を介して、揺動軸支構造部7の第1の軸支部70に伝達される。
【0078】
その結果、変位D10の大きさや方向等に応じた応力が第1の軸支部70に作用するが、上部回転伝達軸部45を軸支する調心軸受706は、調心機能を有するとともに、第1の軸支部70と第1の固定部71との間を連結する変形連結部72が板ばねとして機能する。すなわち、揺動軸支構造部7は、調心軸受706及び変形連結部72により2段階で揺動することで変位D10を吸収する。例えば、
図12に示すような軸ずれによる変位D11は、調心軸受706による調心(矢印A11方向に揺動)と、変形連結部72の変形(矢印A21方向に揺動)により吸収されるので、第1の固定部71に直接伝達されることはない。
【0079】
また、変形連結部72の変形(矢印A21方向に揺動)により第1の軸支部70が変位したとき、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bも変位することになるが、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bのブッシュ部分760の外周には、大孔705、712との間に隙間Gが存在するため、第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bが、大孔705、712に干渉することはない。
【0080】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、上記のような軸ずれが生じた場合でも、第1の固定部71に対して第1の軸支部70が揺動することで、揺動軸支構造部7が、軸ずれによる円筒翼4の変位D10を吸収することができる。したがって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を実現することができる。
【0081】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る揺動軸支構造部7を示す縦断面図である。
図14は、第3の実施形態に係る及び揺動軸支構造部7を示す分解斜視図である。
【0082】
第1の実施形態では、第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、
図7に示すように、上部回転伝達軸部45に近い側から、第1の軸支部70、変形連結部72、第1の固定部71の順に並べられるものとして説明した。これに対し、第3の実施形態では、第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、
図13に示すように、上部回転伝達軸部45に近い側から、第1の固定部71、変形連結部72、第1の軸支部70の順に並べられる。垂直軸型マグナス式風力発電機1のその他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様のため、以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0083】
揺動軸支構造部7は、円筒翼4の上端部40aの軸心、すなわち、円筒翼4の上端部40aに配置された上部回転伝達軸部45の軸心を揺動可能な状態で軸支する。揺動軸支構造部7は、第1の実施形態と同様に、第1の軸支部70と、第1の固定部71と、変形連結部72とを備える。
【0084】
第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、上部回転伝達軸部45が貫通可能な貫通孔700、710、720をそれぞれ有し、第2の回転軸O2と同軸上にそれぞれ配置されるとともに、変形連結部72の両側に第1の軸支部70及び第1の固定部71がそれぞれ配置されている。また、第1の軸支部70、第1の固定部71及び変形連結部72は、上部回転伝達軸部45に近い側から、第1の固定部71、変形連結部72、第1の軸支部70の順に並べられ、第1及び第2のボルト73A、73B、第1及び第2のナット74A、74B、第1及び第2のワッシャ75A、75B、第1及び第2のブッシュ77A、77Bにより取り付けられる。
【0085】
第1の軸支部70は、中央に貫通孔700を有するフランジ状の部材であって、上部回転伝達軸部45を軸支する第1の軸受701と、第1の軸受701の外周を支持する円筒状の軸受支持部702と、軸受支持部702から径方向に垂設される周壁部703と、周壁部703に対して第2の回転軸O2と平行な方向に貫通するように、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの小孔704及び4つの大孔705とを備える。なお、上部回転伝達軸部45は、第1の軸受701に代えて、第2の実施形態と同様に、調心軸受706により支持されてもよい。
【0086】
第1の固定部71は、中央に貫通孔710を有する円形平板状の部材であって、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの小孔711及び4つの大孔712を備える。
【0087】
変形連結部72は、中央に貫通孔720を有する円形平板状の撓み部材であって、第2の回転軸O2を中心とする円周C2上に交互に形成された4つの第1の取付孔721及び4つの第2の取付孔722を備える。
【0088】
第1の軸支部70は、4つの第1のボルト73Aを、小孔704、第1のワッシャ75A、第1の取付孔721、第1のブッシュ77A、大孔712の順に挿通して第1のナット74Aでそれぞれ締結することにより、4つの第1の取付孔721を介して変形連結部72に連結される。このとき、第1のブッシュ77Aの外径は、大孔712の内径よりも小さく設定されており、第1のブッシュ77Aの外周には、第1のブッシュ77Aと大孔712との間に隙間Gが存在するため、第1の軸支部70は、4つの第1の取付孔721を介して第1の固定部71とは連結されていない。なお、第1のナット74Aは複数のナットで構成してもよい。
【0089】
第1の固定部71は、4つの第2のボルト73Bを、大孔705、第2のブッシュ77B、第2の取付孔722、第2のワッシャ75B、小孔711の順に挿通して第2のナット74Bでそれぞれ締結することにより、4つの第2の取付孔722を介して変形連結部72に連結される。このとき、第2のブッシュ77Bの外径は、大孔705の内径よりも小さく設定されており、第2のブッシュ77Bの外周には、大孔705との間に隙間が存在するため、第1の固定部71は、4つの第2の取付孔722を介して第1の軸支部70とは連結されていない。なお、第2のナット74Bは複数のナットで構成してもよい。
【0090】
本実施形態では、第1及び第2の実施形態に係る第1及び第2のフランジブッシュ76A、76Bに代えて、第1及び第2のブッシュ77A、77Bが用いられる。これは、本実施形態では、上部回転伝達軸部45が、貫通孔700、710、720に挿入されているため、変形連結部72が破断した場合であっても、上部回転伝達軸部45が第1の軸支部70及び第1の固定部71から抜けないためである。
【0091】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、円筒翼4の軸心と、これらを軸支する第1及び第2の軸受701、801の軸心との間に軸ずれ(偏心・偏角、軸方向変位等)が生じた場合でも、第1の実施形態と同様に、第1の固定部71に対して第1の軸支部70が揺動することで、揺動軸支構造部7が、軸ずれによる円筒翼4の変位D10を吸収することができる。したがって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を実現することができる。
【0092】
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態に係る固定軸支構造部8を示す縦断面図である。
【0093】
第1の実施形態では、円筒翼モータ42が、
図10に示すように、下部回転伝達軸部46に直接連結されるダイレクトドライブ方式のモータにより構成されるものとして説明した。これに対し、第4の実施形態では、円筒翼モータ42は、
図15に示すように、軸継手部813を介して下部回転伝達軸部46に連結されるものである。垂直軸型マグナス式風力発電機1のその他の基本的な構成は、第1の実施形態と同様のため、以下では、本実施形態の特徴を中心に説明する。
【0094】
固定軸支構造部8は、下部回転伝達軸部46を軸支する第2の軸支部80と、第1及び第2の円筒翼支持アーム部651、652に固定される第2の固定部81とを備え、第2の軸支部80は、第2の固定部81に固定される。
【0095】
第2の軸支部80は、中央に貫通孔800を有するフランジ状の部材であって、下部回転伝達軸部46を軸支する第2の軸受801と、第2の軸受801の外周を支持する円筒状の軸受支持部802と、軸受支持部802から径方向に垂設される周壁部803とを備える。
【0096】
第2の固定部81は、周壁部803を固定した状態で連結する固定連結部810と、円筒翼モータ42の回転駆動軸部420が下部回転伝達軸部46と同軸上に配置されるように円筒翼モータ42を支持する駆動支持部811と、回転駆動軸部420と下部回転伝達軸部46とを連結する軸継手部813とを備える。
【0097】
軸継手部813は、ディスク形、リジット形、スリット形等の任意の形式の軸継手で構成されている。なお、回転駆動軸部420と下部回転伝達軸部46とを連結する際に、ギア、チェーン、ベルト等を介して連結するようにしてもよい。
【0098】
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、円筒翼4の軸心と、これらを軸支する第1及び第2の軸受701、801の軸心との間に軸ずれ(偏心・偏角、軸方向変位等)が生じた場合でも、第1の実施形態と同様に、第1の固定部71に対して第1の軸支部70が揺動することで、揺動軸支構造部7が、軸ずれによる円筒翼4の変位D10を吸収することができる。したがって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を実現することができる。
【0099】
(他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0100】
例えば、上記実施形態では、円筒翼4が、第1の回転軸O1を中心として時計回りR1に公転するものとして説明したが、反時計回りに公転するようにしてもよい。その場合には、円筒翼4が自転する方向を時計回りR2から反時計回りに変更するとともに、それに合わせて整流板5の配置を変更すればよい。
【0101】
また、上記実施形態では、円筒翼4及び整流板5の組数は、2組であるものとして説明したが、円筒翼4及び整流板5の組数は適宜変更してもよく、垂直軸型マグナス式風力発電機1は、3組以上の円筒翼4及び整流板5を備えるようにしてもよい。なお、垂直軸型マグナス式風力発電機1は、複数の円筒翼4を少なくとも備えていればよく、整流板5を備えなくてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2を、設置面Sに対して垂直に配置した、すなわち、鉛直方向に対して平行に配置したものとして説明したが、鉛直方向に対して斜めに配置してもよいし、鉛直方向に対して直角に、すなわち、水平方向に配置してもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、第1の円筒翼支持部64が、円筒翼4の上端部40aの軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部7を備え、第2の円筒翼支持部65が、円筒翼4の下端部40bの軸心を固定した状態で軸支する固定軸支構造部8を備えるものとして説明した。これに対し、第2の円筒翼支持部65が、第1の円筒翼支持部64と同様の構成を備えることにより、第1及び第2の円筒翼支持部64、65の両方が、揺動軸支構造部7を備えるようにしてもよい。また、第1の円筒翼支持部64の構成と第2の円筒翼支持部65の構成とを入れ替えることにより、第1の円筒翼支持部64が、固定軸支構造部8を備え、第2の円筒翼支持部65が、揺動軸支構造部7を備えるようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明したが、回転部3を発電機21に連結することに代えて、回転部3をポンプ等の回転機械に連結することにより、マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置としてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明したが、エネルギー源として、風(空気流)を用いることに代えて、水流、波、潮流等を用いることにより、マグナス式推力発生装置を用いた水力発電機又は潮力発電機としてもよいし、さらに回転部3を発電機21に連結することに代えて、回転部3をポンプ等の回転機械に連結することにより、マグナス式推力発生装置を用いた水力回転装置又は潮力回転装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のマグナス式推力発生装置は、一端側支持部及び他端側支持部のうち少なくとも一方が、円筒翼の軸心を揺動可能な状態で軸支する揺動軸支構造部を備えることによって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の環境負荷を低減し、装置の大型化を可能とし、風力回転装置、水力回転装置及び潮力回転装置並びに風力発電機、水力発電機及び潮力発電機としても利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1…垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)、
2…支持筐体、20…軸受ユニット、21…発電機、22…増速機、3…回転部、
4…円筒翼、40…円筒翼本体、
40a…上端部(一端部)、40b…下端部(他端部)、
42…円筒翼モータ(回転駆動部)、
45…上部回転伝達軸部(一端側支持部)、46…下部回転伝達軸部(他端側支持部)、
5…整流板、51…板材、
6…支持部、61…整流板支持部、62…第1の連結アーム部、
63…第2の連結アーム部、64…第1の円筒翼支持部、65…第2の円筒翼支持部、
66…第3の連結アーム部、
641…第1の円筒翼支持アーム部、642…第2の円筒翼支持アーム部、
651…第1の円筒翼支持アーム部、652…第2の円筒翼支持アーム部、
7…揺動軸支構造部、70…第1の軸支部、71…第1の固定部、72…変形連結部、
73A…第1のボルト、73B…第2のボルト、
76A…第1のフランジブッシュ、76B…第2のフランジブッシュ、
77A…第1のブッシュ、77B…第2のブッシュ、
700…貫通孔、701…第1の軸受、702…軸受支持部、703…周壁部、
704…小孔、705…大孔、706…調心軸受、710…貫通孔、711…小孔、
712…大孔、720…貫通孔、721…第1の取付孔、722…第2の取付孔、
8…固定軸支構造部、80…第2の軸支部、81…第2の固定部、
800…貫通孔、801…第2の軸受、802…軸受支持部、803…周壁部、
810…固定連結部、811…駆動支持部、812…蓋部、813…軸継手部、
O1…第1の回転軸、O2…第2の回転軸、S…設置面