(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ある体積の流体における血液成分の量を推定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240117BHJP
G01N 33/49 20060101ALI20240117BHJP
G01N 33/72 20060101ALI20240117BHJP
G01G 17/04 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61M1/00 100
G01N33/49 K
G01N33/49 H
G01N33/72 A
G01G17/04 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021171359
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2018532640の分割
【原出願日】2016-12-22
【審査請求日】2021-11-17
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516307404
【氏名又は名称】ガウス サージカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gauss Surgical,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】サティシュ,シッダルタ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケヴィン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン,ピーター,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ホスフォード,アンドリュー,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シー,エリック,ダブリュ.
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0294461(US,A1)
【文献】国際公開第2014/099629(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0206412(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0063180(US,A1)
【文献】国際公開第2013/181733(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0286550(US,A1)
【文献】特表2015-523113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
G01N 33/49
G01N 33/72
G01G 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空によってその中に引き込まれる流体を受け入れるように構成される内部容積を画定し、半透明の部分を備えるキャニスタと、
プロセッサ、カメラおよび光発光体を有するコンピューティングデバイスと、
前記内部容積の中に配置され、前記半透明の部分に隣接し、そこからずらされた反射インサートと、
前記キャニスタの外側面に係合するように構成された取り付け台であって、窓を有する壁と、前記コンピューティングデバイスの前記カメラおよび前記光発光体が前記キャニスタに面するよう前記コンピューティングデバイスを一時的に収容し、支持するように構成されたコンピューティングデバイスの受け器とを有する取り付け台と、
を備え、
前記取り付け台は、前記反射インサートの最小限の幅及び/または高さが前記カメラの視野の範囲内に留まるように、前記キャニスタの外側面からずらした場所で前記コンピューティングデバイスを支持するように、及び、前記光発光体が前記キャニスタの半透明の部分を通して前記反射インサートを照らすように、構成され、
前記コンピューティングデバイスの受け器に前記コンピューティングデバイスが収容された状態において、前記半透明の部分と前記窓とが隣接し、前記カメラが前記内部容積に引き込まれた前記流体の体積の画像を撮像するために前記窓と前記コンピューティングデバイスの前記カメラが整列することを特徴とする血液モニタリングシステム。
【請求項2】
前記窓は、前記半透明の部分に近接して前記キャニスタの前記外側面を覆うように密閉するように構成された第1の窓である、請求項
1に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項3】
前記取り付け台はさらに、前記第1の窓に隣接し、前記半透明の部分に近接して前記キャニスタの前記外側面を覆うように密閉するように構成された第2の窓を画定する、請求項
2に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項4】
前記第1の窓は、前記第2の窓から実質的に光学的に隔離される、請求項
3に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項5】
計量はかりを更に有し、前記計量はかりは、前記取り付け台に結合され、前記キャニスタ内の内容物の重量に相当する信号を出力するように構成される、請求項1に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項6】
前記光発光体は、前記第1の窓と整列され、前記キャニスタの前記半透明の部分を通して前記反射インサートを照らすように構成された、請求項
3に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項7】
前記カメラは、前記第2の窓と整列されるように構成された、請求項
3に記載の血液モニタリングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記カメラによって撮像された画像を、前記キャニスタ内の流体における血液成分の推定された濃度に変換し、前記血液成分の前記推定される濃度と、前記計量はかりの出力とに基づいて前記キャニスタ内の前記血液成分の量を推定するように構成される、請求項
5に記載の血液モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月23日付けで提出された米国特許出願第62/387,234号に対して優先権を主張しており、この特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。本出願は、2012年7月9日付けで提出された米国特許出願第13/544,664号、及び2013年1月10日付けで提出された米国特許出願第13/738,919号にも関連しており、その両方の全体が、本参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は一般に、血液消失の管理の分野に関し、より具体的には、血液消失の管理の分野においてある体積の流体における血液成分の量を推定するための新規で有益なシステム及び方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
一例において、キャニスタのくぼみ、撮像装置のくぼみ、ならびにキャニスタのくぼみと、撮像装置のくぼみとの間のくぼみの間の壁を備えた設置用の構造体と、設置用の構造体に結合され、キャニスタのくぼみと連通する少なくとも1つの計測要素を有するように構成されたはかりと、はかりからコンピューティングデバイスに重量情報を伝達するように構成されたはかり通信モジュールとを備える、流体キャニスタを評価するためのシステムが提供される。計測要素は、圧電素子を備えてよい。撮像装置のくぼみは、通信モジュールと有線通信するデータインターフェースを備えてよい。システムはさらに、くぼみの間の壁の中に配置された第1の開口を備えてよい。第1の開口は、窓と、この窓と、くぼみの間の壁との間のシールとを含んでよい。システムはさらに、くぼみの間の壁の中に配置された第2の開口を備えてよい。くぼみの間の壁は、キャニスタのくぼみに面する凹面を備えた湾曲した部分を備えてよい。くぼみの間の壁はさらに、撮像装置のくぼみに面する平坦な部分を備えてよい。キャニスタのくぼみは、可動面を備えてよい。システムはさらに、キャニスタのくぼみの中に取り外し可能に備わるように構成された流体キャニスタを備えてよく、この場合、反射インサートは、流体キャニスタの内側に備わるように構成されてよい。システムはさらに、流体キャニスタの中に備わるように構成された反射インサートを備えてよい。くぼみの間の壁は、流体キャニスタがキャニスタのくぼみの中に完全に据えられたとき、流体キャニスタの底部に配置される際、反射インサートに対応する垂直方向の高さに配置される第1の開口を備えてよい。流体キャニスタは、円錐台形状を有してよい。くぼみの間の壁は、流体キャニスタの円錐台の角度に一致する垂直方向の角度を有する。システムはさらに、撮像装置のくぼみの中に取り外し可能に挿入されるように構成された撮像装置を備えてよい。撮像装置は、キャニスタのくぼみの中に配置されたキャニスタからキャニスタの画像を取得するように構成された撮像組立体と、通信モジュールから重量情報を受信するように構成されたプロセッサとを備えるコンピューティングデバイスであってよい。プロセッサは、重量情報を利用して重量の変化を検出する際、撮像組立体を利用してキャニスタの画像を取得するようにさらに構成されてよい。コンピューティングデバイスはさらに、コンピューティングデバイスからキャニスタの画像及び重量情報を伝達するように構成されたコンピューティング通信モジュールを備えてよい。流体キャニスタは、入口と、出口とを備えてよく、この場合出口は、真空源に結合されるように構成されてよい。コンピューティングデバイスは、プロセッサが重量情報を取得するように構成され得るのと同一の取得率でキャニスタの画像を取得するように構成されてよい。この取得率は、1秒から5秒毎におよそ1回の取得の範囲内であってよい。
【0004】
別の例では、真空システムに装着された流体キャニスタの重量を検出することと、流体キャニスタの画像を生成することと、この画像を利用して流体キャニスタのヘモグロビン値を判定することとを含む、流体キャニスタを評価する方法が提供される。撮像は、流体キャニスタの重量の変化を検出する際に開始されてよい。方法はさらに、この重量を利用してヘモグロビン値を修正することも含んでよい。方法はさらに、流体キャニスタから排水させることと、流体キャニスタから排水させた後、流体キャニスタの空重を設定することとを含んでよい。
【0005】
さらに別の例では、キャニスタと、取り付け台と、計量はかりと、撮像システムと、プロセッサとを備えた血液モニタリングシステムが提供され、この場合、キャニスタは、内部容積を画定し、半透明の部分を備える。血液モニタリングシステムはさらに、内部容積の中に配置され、半透明の部分に隣接し、そこからずらされた反射インサートを備えてよい。取り付け台は、キャニスタの外側面に係合するように構成されてよい。取り付け台は、半透明の部分に近接してキャニスタの外側面を覆うように密閉するように構成された第1の窓を画定してよい。取り付け台はさらに、第1の窓に隣接し、半透明の部分に近接してキャニスタの外側面を覆うように密閉するように構成された第2の窓を画定してよい。第1の窓は、第2の窓から実質的に光学的に隔離されてよい。計量はかりは、取り付け台に結合されてよく、キャニスタ内の内容物の重量に相当する信号を出力するように構成されてよい。撮像システムは、第1の窓と整列され、キャニスタの半透明の部分を通して反射インサートを照らすように構成された光発光体を備えてよい。撮像システムはさらに、第2の窓と整列されるカメラを備えてよい。プロセッサは、カメラによって撮像された画像を、キャニスタ内の流体における血液成分の推定される濃度に変換し、血液成分の推定された濃度と、計量はかりの出力とに基づいてキャニスタ内の血液成分の量を推定するように構成されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】A及びBは、本明細書に記載されるシステムの1つの変形形態の概略図である。
【
図3】キャニスタを評価するための方法の概略図である。
【
図4A】一体式に形成された反射面を備えた流体キャニスタの概略的な例を示す図である。
【
図4B】一体式に形成された反射面を備えた流体キャニスタの概略的な例を示す図である。
【
図4C】一体式に形成された反射面を備えた流体キャニスタの概略的な例を示す図である。
【
図5A】排水引き揚げ器を備えた流体キャニスタの一例を示す図である。
【
図5B】排水引き揚げ器と、一体式のフロートセンサと、流体レベルセンサとをそれぞれ備えた、流体キャニスタの一例を示す図である。
【
図5C】排水引き揚げ器と、一体式のフロートセンサと、流体レベルセンサとをそれぞれ備えた流体キャニスタの一例を示す図である。
【
図6】Aは、磁気攪拌機を備えた流体キャニスタの側部断面図であり、Bは、Aにおける反射インサートの上位の概略図である。Cは、磁気攪拌機を備えた別の流体キャニスタの側部断面図であり、Dは、
図6Cにおける反射インサートの上位の概略図である。Eは、磁気攪拌機を備えた別の流体キャニスタの側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態の以下の記載は、本発明をこのような実施形態に限定することは意図しておらず、むしろ当業者が本発明を作成し、使用することを可能にすることが意図されている。本明細書に記載される変形形態、構成、実装形態、一例の実装形態及び実施例は任意選択であり、それらが記述する変形形態、構成、実装形態、一例の実装形態及び実施例に対して排他的ではない。本明細書に記載される発明は、このような変形形態、構成、実装形態、一例の実装形態及び実施例の任意の及び全ての置き換えを含む場合がある。
【0008】
1.システム
一般に、システム100は、流体を収集しこれを保持するように構成されたキャニスタ102と、キャニスタ102内の流体を照らす光発光体128と、照らされた流体の画像を捕らえるカメラ130と、カメラ130によって撮像された画像に含まれる色値を、例えばキャニスタ102内の流体における総ヘモグロビン、遊離ヘモグロビン、全赤血球細胞または全血の濃度など、キャニスタ102内に含まれる流体の品質の推定値に変換するプロセッサ132とを含む。システムはまた、計量はかり106も含んでおり、システム100は、計量はかり106の出力を、キャニスタ102の画像における色値からこのようにして推定された血液成分の濃度とを合体させることによって、キャニスタ内の1つまたは複数の血液成分の質量または体積の推定値を生成することができる。例えば、キャニスタ内の流体の総ヘモグロビン含有量の推定値は、画像から生成された、血液成分の推定された濃度及び体積と、はかりからの重量情報とをそれぞれ組み合わせたものを利用して計算されてよい。
【0009】
図1に示されるような特定の一例において、ある体積の流体における血液成分の量を推定するためのシステム100は、キャニスタ102と、取り付け台104と、計量はかり106と、撮像システム108と、プロセッサ132とを含む。キャニスタ102は、内部容積112と、半透明の部分114または壁とを画定し、また内部容積112の中に配置され、半透明の部分114に隣接し、そこからずらされた反射インサート116を含んでよい。取り付け台104は、キャニスタ102の外側面118に係合するように構成され、半透明の部分114に近接してキャニスタ102の外側面118を覆うように密閉するように構成された第1のシール122a/bを備える第1の窓120を備えてよく、またさらに第1の窓120に隣接し、半透明の部分114に近接してキャニスタ102の外側面118を覆うように密閉するように構成された第2の窓124を備えてよく、第1の窓120は、第1のシール122a/bによって第2の窓124から実質的に光学的に隔離されている。計量はかり106は、取り付け台104に結合され、キャニスタ102内の内容物の重量に相当する信号を出力するように構成される。撮像システム126は、第1の窓120と整列され、キャニスタ102の半透明の部分114を通して反射インサート116を照らすように構成された光発光体128を含んでおり、また第2の窓と整列されたカメラ130も含む。撮像システムの構成要素は、コンピューティングデバイス131上に設けられてよい。プロセッサ132は、コンピューティングデバイス131の撮像システムと通信しており、カメラ130によって取り込まれた画像を、キャニスタ102内の流体における血液成分の推定される濃度に変換し、推定された血液成分の濃度と、計量はかり106の出力とに基づいてキャニスタ102内の血液成分の量または体積を推定するように構成される。一部の例では、プロセッサ132は、リモートコンピューティングシステム内、またはクラウドベースシステム内に配置される場合もあるが、他の例では、プロセッサ132は、コンピューティングデバイス131内に配置される、またはその中に組み込まれる場合もある。
【0010】
他の変形形態では、はかり106は、キャニスタ102及び/またはキャニスタ102内の流体に関連する他の作用を検出するのに使用される場合もある。例えばキャニスタ102の取り外しが検出された場合、プロセッサ132は、取り外されたキャニスタ102からの最後のまたは最終的な濃度及び体積の情報を保管し、任意の新たなキャニスタを計測するために任意の計数器(複数可)または計器(複数可)を再設定することができる。
【0011】
1.1 用途
システム100は、手術室における外科用吸引システム、外科用または処置セット、緊急治療室、内科診療所または他の医療または健康に関連する環境に組み込むことができる。詳細には、システムは、外科用吸引システムにおいて一次キャニスタ及び吸引ワンドとつながることで、吸引ワンドによって集められた流体を断続的に蓄積して、この流体の画像を取り込み、この画像を流体の品質の推定値に変換し、その後その内容物を一次キャニスタに放出することができる。例えば、一次キャニスタ138に結合された真空ポンプ134及び調整器136が、一次キャニスタ138に対して真空を引き込み、一次キャニスタ138をシステム100の(中間)キャニスタ102に流体結合させることができ、吸引ワンド140をシステム100の(中間)キャニスタ102に流体結合させることができるため、真空ポンプ134が一次キャニスタ138に対して真空を引き込む際、真空は、システム100の(中間)キャニスタ102を介して吸引ワンド140へと送られる。看護人、麻酔専門医、外科医または他の操作者は、こうして吸引ワンド140を操作して、手術中に患者の体内及び患者の周りから流体を集め、このような流体を(中間)キャニスタ102へと分配することができる。システム100は、繰り返しキャニスタ102内の流体の画像を取り込み、これを処理し、計量はかり106のサンプルを抽出することで、手術または処置を通して更新された流体の品質及び量の推定値を生成する。この例では、(中間)キャニスタ102がひとたび満杯になると、その内容物は、保持用の一次キャニスタ138に分配することができ、(中間)キャニスタ102はその後、吸引ワンド140を介して再度充填され、その内容物は光学的に及び/または重量によって分析される。
【0012】
システム100はしたがって、別々の体積の血液及び他の体液を収集し撮像するために、手術または他の医療、臨床または病院環境において、外科用ワンド及び/または一次(吸引)キャニスタと併せて実施される場合もある。有害廃棄物(例えば血液、粘液、尿など)に接触するシステム内の構成要素は、使い捨てであってよく、システムのセンサ及び処理構成要素は、再利用可能であってよい。例えばキャニスタ及び反射インサートは、1回の作業または手術の中で使用され、その後廃棄されてよく、取り付け台、計量はかり、撮像システム及びプロセッサは、このような1回利用のキャニスタ内に取り込まれた流体の品質を光学的に分析するために、経時的に複数回の手術にわたって複数のキャニスタ上に設置することができる。
【0013】
他の例では、吸引システムは、そのような解剖学的な場所における流体の損失または蓄積の量及び/またはタイプを評価するために、負圧外傷治療システムまたは胸部のチューブシステムまたは留置式の外科用排水管などの他の真空システムに取り付けられる場合もある。
【0014】
1.2 キャニスタ
先に指摘したように、中間キャニスタ102は、内部容積112と、半透明の部分114または側壁とを画定し、内部容積112に配置または挿入され、半透明の部分114に隣接し、そこからずらされるように構成された反射インサート116を含んでよい。一般に、キャニスタ102は、経時的に流体を収集するように構成された容器を画定し、撮像システム126がこの容器の内容物を照らし、容器の内容物の画像を取り込むことができる半透明または透明な材料を含んでおり、撮像されるべき流体の局所体積にわたって、撮像システム126からの光の出力を反射し、これを広げる反射インサート116(または反射面)を含んでよい。より大きな深さにおいて光の透過を段階式に遮る可能性があるキャニスタ内の赤血球細胞の濃度に(実質的に)関わらず、撮像システム126が、流体の局所体積の十分な深さを通して色データを取り込むことができるように、反射インサート116は、キャニスタ102の壁142と協働して、キャニスタ102内の流体の局所体積を相対的に浅い深さに制限することができる。一部の変形形態では、反射インサート116及びキャニスタ102は、インサート116とキャニスタ102の回転式の配向を固定するように構成されたくぼみ195と、突起197を備える場合がある。
【0015】
一実装形態において、キャニスタは、円錐台形状を有し、ほぼ透明なポリマー(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート)で構成され、3,000ミリリットルの流体を保持するように構成されてよい。他の例では、キャニスタは、約500mlから10,000mlまたは約1,000mlから約5,000mlまたは約1,000mlから3,000mlの範囲内の収容能力を有してよい。反射インサートは、キャニスタの底部内に置かれる、または底部に結合されるように構成された任意の好適な材料で構成されてよく、例えばポリマー(例えばホワイトナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート)構造で構成されてよい。この実装形態において、キャニスタは、その基底において、またはその基底に近接して容器の壁の中に、反射インサートを保持するように構成された係合機構を含むことができる。他の変形形態では、キャニスタは、少なくとも1つの平坦な側面または壁を備えるものを含め、多角形、円筒形、または他の形状を有する場合もある。
【0016】
代替として、
図4Aに描かれるように、キャニスタ400は、キャニスタ400の内部容積404の中に、円錐台の容器の基底406から上向きに延び、円錐台の容器の内壁408から内向きにずらされ、反射材410によって裏打ちもしくは被覆された、または反射材から形成された円柱402を含む場合もある。この実装形態では、円錐台の容器及び円柱402は、基底406と一体式の構造(例えば延伸されたまたは成型されたポリマー構造)を画定することができ、円柱はこれにより、キャニスタ内の流体の局所体積を撮像システムに対して浅い深さに制限するように反射インサートと同様に機能することができる。しかしながらキャニスタ及び反射インサート(またはキャニスタの構造に統合された対応する面)は、任意の他の幾何学形状を画定する、または任意の他の好適な物体を含む場合もある。円柱は、円筒形を有してよい、または例えば矩形または正方形などの少なくとも1つの平坦な面を備えた多角形の断面の形状を有する場合もある。他の実施形態において、例えば
図4B及び
図4Cに描かれるように、キャニスタ412、414は、内部容積420、422の中に、キャニスタ412、414のそれぞれ側壁424または蓋426と一体式に形成された、またはそこに装着された突起、または外側に向いている内壁416、418を備える場合もある。例えば
図4Bにおけるキャニスタ412は、キャニスタ412の基底428及び側壁424からずらされているが、一方または両方の縁部426において側壁424に装着されたフランジ付きの弓状に曲がった壁416を備える。この偏差は、キャニスタ内の流体レベルが、側壁424と、弓状に曲がった壁416との間で上昇することを可能にし、その一方でキャニスタ412の基底428の攪拌作用もなおも可能にする。
図4Cでは、壁428が、蓋426の下面に取り付けられ、内部容積422が満たされる際、流体の流れが壁428の周りを妨げられずに流れることを可能にし、またキャニスタ414の基底430の攪拌が妨げられないことも可能にする。
【0017】
図1に戻って参照すると、システム100はまた、キャニスタ102内の上部開口146を覆う及び/または密閉するように構成された蓋144を含むことができる。一実装形態において、蓋144は、吸引ワンド140に結合するように構成された入口ポート148と、真空ライン152、154を利用して(任意選択の一次キャニスタ138を経由して)真空ポンプ134に結合するように構成された出口ポート150とを含む。
図5Aに示される一実装形態では、蓋144はまた、蓋144からキャニスタ102の基底158へと延び、真空ポート160と流体連通する任意選択の排水引き揚げ器156と、出口ポート150を第1の位置においてキャニスタ102の上部容積152に、第2の位置において排水引き揚げ器156の真空ポート160に選択的に接続するように構成された二方弁162とを備えるように描かれている。詳細には、弁162が第1の位置にある場合、蓋144は、外部の真空源134から蓋144のすぐ下のキャニスタ102の中に真空を送ることができる。よってキャニスタは、吸引ワンド140に真空を送ることで、キャニスタ102内に流体を引き込むことができる。しかしながら弁162が第2の位置にある場合、蓋144が、真空を外部源134から排水引き揚げ器156へと送ることで、流体が排水引き揚げ器156を登り、排水引き揚げ器156と流体連通する真空ポート160を介して、離れた流体収集器の中へ(例えば一次キャニスタ138へ)と引き込まれる。この実装形態において、弁162は、キャニスタが十分に流体で一杯になったとき、キャニスタの内容物を別の容器(例えば一次キャニスタ)に排出するために、ユーザによってスイッチ164もしくはボタン(または弁162上の他の機械的な機構)により手動で始動させることができる、あるいはシステムは、計量はかり106が、流体の閾値の質量(推定されたおよそ1030kg/m
3の流体密度に基づいて、キャニスタ内の流体のおおよその閾値の体積に相当する)がキャニスタ102内に含まれていることを示した場合、または蓋の中のフロートセンサの出力状態が変化し、これにより事前設定された充填レベル限界に達したことを示した場合など、ソレノイドまたは他の弁制御機構を介して、第1の位置と第2の位置の間で弁を自動的に切り換えることもできる。あるいは、ユーザはまた、プロセッサまたは他のユーザインターフェースを介して電子的に弁を制御する場合もある。また、
図5Aにおける弁162は、蓋144とは別に描かれているが、他の変形形態では、吸引ワンドまたはカテーテルに装着されるべき入口と、一体式の弁からの出口ポートのみが蓋の上に設けられるように、弁、排水引き揚げ器への真空ポート及びそれらの間の流体ラインは、一体式に形成される、または蓋の中に収容される場合もある。弁が電子的に制御される場合、有線データインターフェースが、蓋の上に設けられる場合がある、またはコンピュータデバイスへの無線通信モジュールが設けられる場合もある。
【0018】
図5Bにおける特定の例では、流体レベルセンサは、排水引き揚げ器156に沿って上下に進むように構成されたフロートセンサ機構166を備えてよい。フロートセンサ機構166は、指定された流体レベルに達すると、蓋144の下面にある電極を閉鎖することで、プロセッサと通信するフロート信号インターフェース168を介して信号を提供して、キャニスタの体積を検出するように構成されてよい。他の変形形態では、フロートセンサ機構は、流体レベルを検出するために撮像システムのための視覚的な補助である場合もある。さらに他の例では、流体レベルセンサは、排水引き揚げ器156の長さに沿って
図5Cに示されるような一連の流体接触電極170を備える場合もある。様々な対になる電極168が、プロセッサと通信するフロート信号インターフェース168を介してチェックされ、流体によって形成される閉鎖電極ループに基づいて流体レベルを判定することができる。流体レベルセンサはまた、限定するものではないがキャニスタの内壁を含めた、排水引き揚げ器とは別の垂直方向の構造体の上に設けられる場合もある。
【0019】
はかり106はまた、キャニスタ102に関連する他の作用を検出するのに使用される場合もある。例えば、キャニスタ102の取り外しが検出された場合、プロセッサ132は、取り外されたキャニスタ102からの最後のまたは最終的な濃度及び体積の情報を保管し、任意の新たなキャニスタを計測するために任意の計数器(複数可)または計器(複数可)を再設定することができる。吸引ワンド140が流体と空気の界面に隣接する場合、流体を断続的に吸引することに起因して重量の変動が生じる場合があり、プロセッサは、検出された重量における一時的なピークを削除する、または修正するように構成されてよい。
【0020】
キャニスタはまた、取り付け台の中の攪拌器駆動装置によって遠隔式に始動されるように構成された使い捨ての攪拌器要素を含むことができる。例えば
図6Aに描かれるキャニスタ600は、キャニスタ600の壁604と、反射インサート606(または上記に記載したようなキャニスタの基底から延びる円柱)との間に伸びるように構成された磁気攪拌要素602を含むことができる。この例において、取り付け台610の中の攪拌器駆動装置608が始動される際、攪拌器駆動装置608(例えばモータ)を壁604を介して磁気的に磁気攪拌要素602に結合させることができ、磁気攪拌要素を、キャニスタの壁と、反射インサートとの間で、キャニスタ600の軸を中心とした円弧内で並進させる、または引き寄せることで、キャニスタの底部に集められる可能性がある沈殿物をばらばらにし、再度散布することができる。
図6Bは、キャニスタの基底の上に置かれるように構成された薄型の基底612と、出っ張った反射部分614とを備えた反射インサート606の上面図を描いている。この変形形態において、反射面は、完璧な360度の円弧を形成しないため、攪拌要素602は、一部の攪拌力をキャニスタの壁と、反射部分614との間の浅い領域に伝達することができる。攪拌器駆動装置608はまた、それが、キャニスタ600の壁604に沿った円弧の経路に沿って攪拌要素602を前後に並進させる際、攪拌要素602を回転させるように構成されてよい。この特定の例では、攪拌器駆動装置608は、取り付け台610の側壁の周りに位置決めされるが、他の例では、攪拌器駆動装置は、取り付け台の下方の壁の周りに位置決めされる場合もある。攪拌器駆動装置608はまた、それが、キャニスタ600の壁604に沿った円弧の経路に沿って攪拌要素602を前後に並進させる際、攪拌要素602を回転させるように構成されてよい。この特定の例では、攪拌器駆動装置608は、取り付け台610の側壁の周りに位置決めされるが、他の例では、攪拌器モータは、取り付け台の下方の壁、またはさらにはその基底の周りに位置決めされる場合もある。
【0021】
図6Cに描かれる別の例では、キャニスタ620は、リング形状の反射インサート626の中央のくぼみ624の中に備わるように構成された中心で回転する磁気攪拌要素622を含んでよい。
図6Dに示されるように、インサート626は、間に半径方向の流れ空間630を備えた分割された反射構造体628を備えることで、内壁634と、分割された反射構造体628との間でキャニスタ610の撮像領域632内に位置するキャニスタの内容物の間接的な混合作用を促進することができる。攪拌器モータまたは駆動装置636は、取り付け台640の底部壁638の中に配置され、はかり642によって周りを囲まれてよい。しかしながら他の構成では、はかりは、攪拌器駆動装置の下に設置される場合もあり、取り付け台全体、コンピューティングデバイス、キャニスタ及びキャニスタの内容物の重量を基本的にモニターすることで、血液のモニタリングを開始する前に、取り付け台、コンピューティングデバイス及び空のキャニスタの空重が測定されて、流体収集の前に修正値を提供し、計測された重量をゼロにすることができる。
【0022】
図6C及び
図6Dに描かれる別の変形形態では、取り付け台640が、キャニスタ620の中に配置された攪拌器要素622に結合するように構成された攪拌器駆動装置636を含む。例えば攪拌器駆動装置636は、取り付け台640の基底638より下に配置された回転モータ646に偏心式に設置された磁気要素644(例えば電磁石、希土類磁石)を含むことができる。この例において、システムは、回転モータ646を断続的に始動させ、これにより磁気要素644を回転させることができ、これが、攪拌要素622に磁気的に結合し、これを回転させることによって、キャニスタの基底に集められた沈殿物を分散させる、及び/またはキャニスタ内の内容物を攪拌することで、撮像の前にキャニスタ内で流体、固体、粒子など(例えば赤血球細胞、血漿、生理的食塩水、脂肪、凝固した血液など)のより均一な混合物を達成することができる。
【0023】
中心で回転する磁気攪拌要素622は、リング形状の反射インサート626の中央のくぼみ624の中に備わるように構成されてよい。
図6Dに示されるように、インサート626は、間に半径方向の流れ空間630を備えた分割された反射構造体628を備えることで、内壁634と、分割された反射構造体628との間でキャニスタ610の撮像領域632内に位置するキャニスタの内容物の間接的な混合作用を促進することができる。攪拌器駆動装置636は、取り付け台640の底部壁638の中に配置され、はかり642によって周りを囲まれてよい。しかしながら他の構成では、はかりは、攪拌器駆動装置の下に設置される場合もあり、取り付け台全体、コンピューティングデバイス、キャニスタ及びキャニスタの内容物の重量を基本的にモニターすることで、血液のモニタリングを開始する前に、取り付け台、コンピューティングデバイス及び空のキャニスタの空重が測定されて、流体収集の前に修正値を提供し、計測された重量をゼロにすることができる。
【0024】
図6Eに描かれるさらに別の例では、キャニスタ650は、中央の駆動シャフト654と、水平方向のパドル要素658を介して中央の駆動シャフト654に装着された垂直方向のパドル要素656とを備えた回転可能なパドル652を備える。垂直方向のパドル要素656は、壁662と、反射構造体664との間で撮像空間660を直接攪拌するように構成される。この特定の例では、駆動シャフト644は、キャニスタ650の基底666から突き出し、シール668が、キャニスタの漏れを阻止するために設けられる。駆動シャフト644は、モータ672によって回転される駆動シャフトのくぼみ670の中に収容される。
【0025】
しかしながらキャニスタは、キャニスタの内容物を攪拌するまたは再度散布するために離れた場所から始動されるようにリモート式に構成された任意の他の好適なタイプの攪拌器要素を含む場合もある。追加の例が以下に提供される。
【0026】
1.3 撮像システム
図1に戻って参照すると、撮像システムは一般に、キャニスタ102の半透明の部分114を通して反射インサート116を照らすように構成された光発光体128と、キャニスタ102内に含まれるある体積の流体のデジタル写真画像を取り込むように構成されたカメラ130とを含んでよい。一般に、カメラ130は、キャニスタ102内のある体積の流体のデジタルカラー(例えば写真の)画像を取り込むように機能する。例えばカメラ130は、デジタル(例えばCMOSまたはCCD)RGBカメラを含むことができる。光発光体128は典型的には、カメラ130からずらされており(例えば横方向に)、カメラ130によって撮像するためにキャニスタ102内に含まれるある体積の流体を照らすように構成されている。詳細には、カメラ130が、周辺の照明条件に関わらず、キャニスタ102内の流体の深さを通して色データを繰り返し取り込むことができるように、光発光体128は、制御された量の光(例えば光束、ルーメン)を出力するように構成されてよい。詳細には、光発光体128は、十分な光を出力してよく、カメラ130は、カメラによって取り込まれた画像が、キャニスタ102内の1つまたは複数の血液成分の濃度の十分に正確な推定値に変換されるのに十分な品質の色データを含むように、ならびにある画像内に記録されたある体積の流体の色に対する周辺の光の作用が相対的に微々たるものであるように、十分な速さのシャッター速度で画像を取り込むことができる。
【0027】
一実装形態において、撮像システム126は、例えばスマートフォン、タブレットまたはパーソナルメディアプレイヤなどのスタンドアローンコンピューティングデバイスに組み込まれたカメラ130と、フラッシュ要素または光発光体128とを含む場合もある。この実装形態では、コンピューティングデバイスは、以下に記載される方法をローカルに実行する固有の画像処理アプリケーションを実行することができる。コンピューティングデバイスはまた、カメラ130及び光発光体128の反対側に、キャニスタ102の内容物の重量または体積、キャニスタ102内に含まれる流体の組成(例えばキャニスタ内のヘモグロビン、赤血球細胞または全血などの濃度または体積分率)、及び/またはキャニスタ内の流体が最大充填レベルに近づいた場合、キャニスタを空にするためのプロンプト、沈殿物がカメラを見えにくくする場合、キャニスタを空にする、もしくはキャニスタの内容物をかき混ぜるためのプロンプト、または以下に記載するものなど、キャニスタの内容物から赤血球細胞を回収するためのプロンプトなどの通知を表示する、または与えるように構成されたディスプレイ180も含むことができる。
【0028】
1.4 取り付け台
図1、
図2A及び
図2Bに示されるように、取り付け台104は典型的には、キャニスタ102の外側面118に係合するように構成される。取り付け台104はまた、半透明の部分114に近接してキャニスタ102の外側面118を覆うように密閉するために第1の囲繞シール122a/bを備えるように構成された第1の窓120を備える、または画定し、ならびに第1の窓120に隣接し、半透明の部分に近接してキャニスタの外側面118を覆うように密閉するために第2の囲繞シール182a/bを備えるように構成された第2の窓124をさらに備える、または画定し、この場合第1の窓は、第2の窓から実質的に光学的に隔離されている。一般に、取り付け台は、光発光体128及びカメラ130をキャニスタ102に隣接し、かつこれに面するように支持し、カメラ130をキャニスタの外部の光、例えば周辺の光、光発光体128によって放出され、キャニスタ102内の流体によって反射されない、またはこの流体を通して屈折されない光などから隔離するように構成される。
【0029】
取り付け台104は、キャニスタ102の基底158を収容し、これを支持するように構成される。一例において、取り付け台104は、
図2Aに示されるようにキャニスタ102に嵌合するようにサイズが決められた円錐台状の受け器184を画定し、容器102上のくぼみまたは係合機構188と一時的に噛み合うことによってキャニスタ102を取り付け台の中に拘束するように構成された任意選択のラッチ186を含む。この例では、キャニスタ102を受け器184の中に挿入させることができ、ラッチ186は、キャニスタ102の基底158が受け器184の基底190と接すると、キャニスタ102に係合することができ、その後、廃棄または中身を空にするためにキャニスタ102を解放するためにラッチ186を引っ込めることができる。同様の例では、取り付け台は、キャニスタの円錐角に適合された円錐角を画定する円錐形の受け器を含む場合がある。このような例では、キャニスタは円錐形の受け器の中に挿入させることができ、キャニスタの重量が、円錐形の受け器の内側面に対してキャニスタの壁を押しつけることができる。別の例では、取り付け台は、キャニスタの周りに巻き付き、取り付け台の内側面をキャニスタの外側面に当てて保持するように構成されたベルト付きの、または弾性のストラップを含む。キャニスタはまた、ストラップを収容するための溝またはくぼみを有するように構成されてよい。上述の例では、取り付け台は、光発光体及びカメラのためにそれぞれ、キャニスタが取り付け台の中に設置される際、キャニスタの外側面に接するように受け器の内側面を横切る、第1窓及び第2の窓を画定することができる。
【0030】
一実装形態では、取り付け台104は、
図1に示されるように、スタンドアローンコンピューティングデバイス131(上記に記載したような)を一時的に収容し、コンピューティングデバイス131をそのカメラ130及び光発光体128またはフラッシュ要素をキャニスタ102に向けた状態で支持するように構成されたコンピューティングデバイスの受け器192を備える。例えば取り付け台104は、カメラ130の光学軸がキャニスタ102の隣接する外側面118にほぼ垂直になるように垂直方向の配向で、キャニスタの壁142と、反射インサート116との間に位置するキャニスタ102の半透明の部分114を通してキャニスタ内の相対的に小さい体積の流体を光学式に検出し分析するためにキャニスタ102の基底158に近接して、ならびに
図2Aに示されるように、光発光体及び/またはカメラを直に薄暗くせずに、ある体積の沈殿物がキャニスタ102の基底158に堆積することができるように、キャニスタ102の基底158より上に垂直方向にずらしてコンピューティングデバイス131を支持することができる。取り付け台104はまた、反射インサート116の最小限の幅及び/または高さがカメラ130の視野の範囲内に留まるように、キャニスタ102の壁142からずらした場所でコンピューティングデバイス131を支持することもできる。
【0031】
しかしながら、取り付け台は、光発光体及びカメラを一時的にキャニスタに結合するために、及びその逆も同様に任意の他の方法で任意の他の幾何学形状または機能を規定する場合もある。一部の変形形態では、例えばIOS、アンドロイド、ウィンドウズまたはリナックスタブレット/携帯電話、またはカメラシステムなどのシステムと共に異なるコンピューティングデバイスの使用を可能にするために、コンピューティングデバイスの受け器は、モジュラ式または調節可能な受け器であってよい。一部の他の変形形態では、カメラ130に対応する第2の窓の光路内にレンズが設けられる場合もある。レンズは焦点の合った画像の取り込みを容易にすることができ、これを利用して、キャニスタ内に見られる沈殿物または他の物質を検出する及び/または特徴付けることができる。
【0032】
取り付け台104は、光発光体128と整列するように構成された第1の窓120と、カメラ130と整列するように構成された第2の窓124とを画定する。詳細には、第1の窓120は、光発光体128からキャニスタ102の壁142に向けて光が通過するように構成されており、これは、光をキャニスタ102内に流体の中に通し、反射インサート116に当たるように通過させることで、流体及び反射インサート116を照らしており、第2の窓124は、光が反射インサート116及び流体によってキャニスタ102の壁142から反射され、そこから屈折されてカメラの中に進むように構成されている。取り付け台104は、第1の窓120の第1の側の周辺部を囲み、キャニスタ102が取り付け台104の中に設置される際、第1の窓120をキャニスタ102の外側面118に対して密閉するように構成された第1のシール122aと、第1の窓120の反対側の周辺部を囲み、
図2Bに示されるようにコンピューティングデバイス131が取り付け台104の中に設置される際、光発光体128の周りで、第1の窓120をコンピューティングデバイス131の外側面に対して密閉するように構成された第2のシール122bとを含むことができる。一部の例では、第1のシール122a及び第2のシール122bは、窓120の両方の面にまたがる一体式に形成された窓シールまたはグロメットであってよい。同様に取り付け台は、第2の窓124の第1の側の周辺部を囲み、キャニスタ102が取り付け台104の中に設置される際、第2の窓124をキャニスタ102の外側面118に対して密閉するように構成された第3のシール182aと、第2の窓124の反対側の周辺部を囲み、コンピューティングデバイス131が取り付け台104のコンピューティングデバイス受け器184の中に設置される際、カメラ130の周りで、第2の窓124をコンピューティングデバイス131の外側面118に対して密閉するように構成された第4のシール182bとを含むことができる。第3のシール182a及び第4のシール182bは、別個のシールであってよい、または第2の窓124の両方の面にまたがる一体式に形成された窓シールもしくはグロメットであってよい。一部の別の例では、単一の8の字シールが、光発光体128及びカメラ130のために使用される場合もある。シール122a/b及び182a/bは、キャニスタ102の外側での光発光体128と、カメラ130との間の混信(例えば光の放出)を最小限にするために不透明の可撓性のシールを含むことができる。例えば取り付け台104は、取り付け台104のくぼみの間の壁構造体194と、キャニスタ102との間に当接し、これを圧縮し(例えば第1シール122a及び第3のシール182a)、取り付け台104のくぼみの間の壁構造体194と、コンピューティングデバイス131との間に当接し、これを圧縮する(例えば第2シール122b及び第4のシール182b)ように構成された柔軟な黒いシリコーンのOリングを含むことができる。
【0033】
1.5 計量はかり
図1に戻って参照すると、計量はかり106が、取り付け台104に結合され、キャニスタ102内の内容物の重量に相当する信号を出力するように構成されてよい。一実装形態では、
図2Aに示されるように、システム100の取り付け台104は、水平面上に乗るように構成されており、計量はかり106は、キャニスタ102の反対側で取り付け台104に結合され、上にある取り付け台104、コンピューティングデバイス131、キャニスタ102、キャニスタ内の流体などの重量に相当する信号を出力する。この実装形態では、計量はかり106は、水平面上に置かれるように構成された足場または弾性の摩擦パッド196と、取り付け台104と、足場196との間に置かれたひずみゲージ198とを含むことができる。別の実装形態では、システムは、例えば手術室の台またはIVポール上のフックから垂れるように構成され、計量はかりは、蓋と、フックとの間に配置され、下にある取り付け台、コンピューティングデバイス、キャニスタ、蓋、キャニスタ内の流体などの重量に相当する信号を出力するように構成される。しかしながらシステムは、任意の他の好適な方法で取り付け台またはキャニスタに結合された任意の他のタイプの計量はかりを含む場合もある。
【0034】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、連続式にまたは変動するやり方で、はかりから重量情報を受信することができる。重量に関するサンプリング率は、およそ1000Hzから5分毎に約1回、またはおよそ60Hzからおよそ1Hzの範囲内であってよい。一部の変形形態では、検出される流体重量増加の割合がこれより高い場合、または特定の範囲内である場合、はかりのサンプリング率は高められてよく、ならびに画像取得率または撮像システムの照明率も高められてよい。
【0035】
はかりはまた、キャニスタの使用に関する状況の他の状態を示すのに使用される場合もある。例えば、はかりが完全に重りをかけられていない状態、またはキャニスタの空重を下回る重量の低下を利用して、キャニスタの取り外しを示す場合もある。真空システムの利用中、液体物質の吸引をしながら検出される重量は概ね線形に増大してよいが、液体及び固体もしくは半固体物質、あるいは組織の混合物を吸引する際、一部の変形形態を呈する場合もある。重量はまた、吸引装置が液体/空気の界面において使用される際、変動する場合もあり、システムのプロセッサは、そのような状況を検出し、何らかの重量の変化を報告する前に、変動が止まるのを待つように構成されてよい。
【0036】
1.6 プロセッサ
先に指摘したように、システムは典型的には、カラーカメラによって取り込まれた画像を、キャニスタ内の流体における血液成分の推定される濃度に変換し、推定された血液成分の濃度と、計量はかりの出力とに基づいてキャニスタ内の血液成分の量を推定するように構成され得るプロセッサを備える。一般に、処理作用は、以下に記載される方法の1つまたは複数の態様をローカルに実行するように機能する。
【0037】
図1に示されるような光発光体128及びカメラ130がスタンドアローンコンピューティングデバイス131に組み込まれた上記に記載した実装形態では、プロセッサ132も同様にコンピューティングデバイス131に組み込むことができる。この実装形態では、コンピューティングデバイス131は、コンピューティングデバイス内のポートへの有線接続を介して、計量はかり106及び/または蓋に結合されたまたは蓋の中にある電気機械弁と通信することができる。あるいは、システムは、重量はかり及び/または電気機械弁に電気的に結合された短距離無線通信モジュール、例えばNFCまたはBluetoothまたは無線USBなどを含む場合もあり、コンピューティングデバイス131は、重量はかりからの出力を受信する、及び/または弁の状態を制御するために、無線通信モジュールと無線式に対になることができる。
【0038】
別の変形形態では、カメラ、光発光体、デジタルディスプレイ及びプロセッサが取り付け台に組み込まれる。しかしながらシステムは、吸引ワンドから流体を収集する、流体を計量する、流体を撮像する、流体の画像を流体の品質の推定値に変換する、及び流体における1つまたは複数の血液成分の量の推定値を経時的に生成するために協働する任意の他の一体式の、または別個の要素を含む場合もある。
【0039】
2.方法
図3は、本明細書に記載されるシステムと共に使用するのに好適であり得る例示の方法を描いている。そこに示されるように、ある体積の流体における血液成分の量を推定するための方法S100は、照明スケジュールに従ってキャニスタ102内のインサート116を照らすことと、(光発光体からずらされた光学検出器またはカメラを介して)インサートの画像を取り込むことと、例えば照明スケジュール、画像中のピクセルの色の輝度、及び画像内の第1の領域から第2の領域までの色のグラデーションに基づいて、キャニスタ内の流体における血液成分の濃度を推定することとを含んでよく、この場合、第1の領域は光発光体に近いことに相当し、第2の領域は、光発光体から離れていることに相当する。
【0040】
2.1 用途
一般に、方法の1つまたは複数の部分が、上記に記載されるシステム100によってローカルに実行されることによって、キャニスタ102内に含まれるある体積(部分体積)の流体の画像を自動的に取り込み、その画像における絶対的な色値及び/またはその画像のピクセルにわたる色のグラデーションをキャニスタ102内の血液成分の濃度の定量的な推定値に変換することができる。例えばシステム100は、ある画像を、キャニスタ内に含まれる流体のヘモグロビンの単位体積当たりの質量、赤血球細胞の体積分率、または全血の体積分率などの推定値に変換する場合がある。詳細には、システム100は、S110においてある体積の流体を照らすために光発光体を始動させ、S120においてカメラを作動させて画像を取り込み、S130において画像を処理して、血液成分の濃度の推定値を生成することができる。先に指摘したように、光源もしくは光発光体及びカメラもしくは光学検出器は、コンピューティングデバイス131の中に設けられてよい、または取り付け台104に組み込まれる場合もある。
【0041】
本明細書に記載される方法は、上記に記載したある体積の流体における血液成分の量を推定するために、例えばコンピューティングデバイス131などのシステムによってローカルに実行されてよい。しかしながら、方法の一部は、追加としてまたは代替として、システムに接続された別のローカルコンピューティングデバイスによる、ローカル分散ネットワークによる、またはリモートサーバーによるなど、システムからリモートに実行される場合もある。
【0042】
2.2 画像の取り込み
方法は、S110において、照明スケジュールに従ってキャニスタ104内でインサート116を照らす(例えば光発光体を利用して)ことと、S120において、インサート116の画像を取り込むこと(例えば光学検出器を利用して)とをさらに含んでよい。一般に、システムは、キャニスタ102内で反射インサート116を照らし、それ故反射インサートと、カメラとの間のある体積の流体を照らすことで、インサート116と、キャニスタ102の壁142との間に位置する照らされたある体積の流体の画像を取り込むように構成される。
【0043】
一実装形態において、キャニスタ内のある体積の流体の画像を取り込むために、システム100は、S110において固定式の事前設定された照明電力で光発光体に電源を投入し、S120においてカメラを作動させて画像を取り込み、その後光発光体を停止させる。電気レベルは、1ルーメンから1,000ルーメンの範囲内、もしくは約3ルーメンから約100ルーメンの間、もしくは約3ルーメンから約50ルーメンの間、もしくは約5ルーメンから約20ルーメンの間、もしくは約15ルーメンから約30ルーメンの間の範囲内であってよく、または光源の最大出力の1%~100%、もしくは約30%から約100%、もしくは約70%から約100%のいずれかであってよい。
【0044】
別の実装形態では、キャニスタ102内のある体積の流体の画像を取り込むために、システム100は、カメラによってその後取り込まれる画像において目標の明度を達成するために、光発光体を選択されたデューティサイクルでパルス幅変調するなどによって最初に光発光体を選択された照明出力で始動させる。例えば、システム100は、カメラによって実施される最速のシャッター速度より大きな周波数で、光発光体をパルス幅変調することができる(例えば1/100秒の最大シャッター速度で作動可能なカメラの場合500Hz)。システムはその後、例えばブロックS110において光発光体が始動された0.002秒後に、ブロックS120においてカメラを作動させて画像を取り込む。ブロックS120においてひとたび画像が記録されると、システムは、光発光体を停止させることができる。
【0045】
一部の他の実施形態では、プロセッサは、はかりからの信号がキャニスタの内容物の重量の変化を示す際、画像の取り込みを開始するように構成される場合もある。
【0046】
上述の実装形態では、システム100は、例えば100%のデューティサイクルから1%、5%、10%、20%の仕事率の増分で低下する、またはそのような仕事率の増分で0%から増大するなど、一揃いのデューティサイクルを通して進行し、カメラが、例えば最も明るい色の限界、最も暗い色の限界、または画像の第1の領域と、第2の領域との間の目標とする色のグラデーションなどの1つまたは複数の目標とする色のパラメータを満たす画像を取り込むまで、各々の仕事率において画像を取り込むことができる。一例の実装形態では、システムは、光発光体のデューティサイクルを0%で開始して増大させ、取り込まれた画像が、閾値の数を下回る黒のピクセルを含む、または閾値の暗色の値より暗いピクセルの連続する水平ラインを含むまで、カメラを介して各々のデューティサイクルに関して画像を取り込むことができる。例えばひとたびカメラによって画像が取り込まれると、システムは、その画像内に垂直方向に中心に置かれたピクセルの単一の水平ラインを走査し、黒色を含む、または閾値の暗さの値を下回る(すなわちそれより暗い)色値を含む走査線に沿って連続するピクセルの数(またはピクセルの総数)を数えることができる。この例において、走査線に沿った連続するピクセルの数(またはピクセルの総数)が閾値の数を超えた場合、システムは、この画像を拒絶し、光発光体のデューティサイクルを増大させ、その後の画像をカメラを介して取り込み、その後の画像を同様に処理することができる。システムは、閾値の数を下回る走査線に沿って連続するピクセルの数(またはピクセルの総数)を含む最後の画像が取り込まれるまで、このプロセスを繰り返すことができる。システムはその後、以下に記載するようにブロックS130においてこの最後の画像を処理することができる。
【0047】
別の例示の実装形態では、システムは、100%から始めて、光発光体のデューティサイクルを低下させ、取り込まれた画像が、閾値の数を下回る白のピクセル、または閾値の明色の値より明るいピクセルの連続する水平ラインを含むまで、カメラを介して各々のデューティサイクルに関して画像を取り込むことができる。
【0048】
上述の例示の実装形態では、その後のサンプリング周期の間、システムは、光発光体において、低デューティサイクル(例えば0%)または高デューティサイクル(例えば100%)で始めて上述のプロセスを繰り返し、その後、好適な画像がカメラにおいて取り込まれるまでデューティサイクルをそれぞれ増大させたり低下させたりすることができる。あるいはシステムは、先行する撮像周期からの最後のデューティサイクルを実施するように光発光体を設定することによって、新たな撮像周期を開始することができる。システムはその後、カメラを介して新たな撮像周期で最初の画像を取り込み、最初の画像が余分な数の黒のピクセルもしくは暗いピクセルを含む場合、または最初の画像が余分な数の白のピクセルもしくは明るいピクセルを含む場合、光発光体のデューティサイクルをそれぞれ増大させたり低下させたりして、その後の画像を取り込み、これを処理し、その後、好適な品質の色データを含む画像が達成されるまで上記のことを繰り返すことができる。このような実装形態では、システムは、キャニスタ内のある体積の流体の品質(例えば血液成分の濃度)に変換することができる好適な品質の色データを含む画像を特定し、これを記録するために、光発光体によって出力された光力をこのように変化させ、種々の光力の下で取り込まれた画像を処理することができる。
【0049】
加えてまたは代替として、システムは、(デューティサイクルを設定することによって)光発光体の光力を設定し、その後、カメラのシャッター速度を変化させ、それ故カメラによって取り込まれた画像の露出も変化させて、キャニスタ内のある体積の流体の品質に変換するのに適した色データの品質を備えた画像を達成することができる。例えばシステムは、100%のデューティサイクルで光発光体を作動させ、カメラのシャッター速度を低下させ(例えば1/200秒から1/100秒、その後1/30秒、1/20秒、1/15秒、1/12秒など)、取り込まれた画像が、閾値の数を下回る黒のピクセル、または閾値の暗色の値より暗いピクセルの連続する水平ラインを含むまで、各々のシャッター速度に関してカメラを介して画像を取り込むことができる。
【0050】
上述の実装形態では、システムは、撮像システムに関して光力、シャッター速度または任意の他の照明または画像取り込みパラメータを設定するために、任意の他の方法または技術を実施する場合もある。同様にシステムは、カメラによって取り込まれた画像が、所与のセットの照明または画像取り込みパラメータに関して、キャニスタ内の流体の品質に変換するために十分な色データを含むことを確定するために任意の他の方法または技術を実施する場合もある。システムはまた、画像において目標とする色の品質を達成するために、光発光体の仕事率と、カメラのシャッター速度の両方など複数の照明及び画像取り込みパラメータを操作する場合もある。
【0051】
システムは故に、単一の撮像周期において複数の画像を取り込み、キャニスタ内に含まれるある体積の流体の品質(例えば血液成分の濃度)に変換するのに十分な色データを含む単一の画像以外は全て廃棄することができる。システムは、例えば光発光体によって実施される仕事率及び/または選択された画像が取り込まれたとき、カメラによって実施されたシャッター速度など、選択された画像を取り込むために撮像システムによって実行される照明及び/または画像取り込みパラメータによってこの選択した画像をタグ付けしてよい。ブロックS130において選択した画像を流体の品質に変換するために、システムはこのとき、以下に記載されるように、選択した画像に対して比較するために、このような照明及び画像取り込みパラメータに基づいて一セットのテンプレート画像を選択する、またはこのような照明及び画像取り込みパラメータを、その後選択した画像における色値に適用されるパラメータのモデルに挿入することができる。
【0052】
一変形形態において、システムは、ブロックS110及びS120において様々な照明及び/または画像取り込みパラメータで複数の画像を取り込む。例えば1つの撮像周期において、システムは、光発光体を0%の仕事率に設定し、最初の画像を取り込み、光発光体を50%の仕事率に設定し2番目の画像を取り込み、その後光発光体を100%の仕事率に設定して3番目の画像を取り込む場合がある。別の例では、システムは、光発光体の仕事率を最低限の仕事率(例えば0%)から上向きに段階を付け、各々の仕事率段階において画像を取り込み、黒のピクセルの閾値の数を下回る黒のピクセルの総数を含む最初の画像を保管し、白のピクセルの閾値の数を下回る白のピクセルの総数を含む最後の画像を保管する場合もある(または逆もまた同様である)。さらに別の例では、システムは、光発光体のデューティサイクルを設定し(例えば80%の固定値で)、シャッター速度を最低限のシャッター速度(例えば1/200秒)から下向きに段階を付け、各々のシャッター速度で画像を取り込み、黒のピクセルの閾値の数を下回る黒のピクセルの総数を含む最初の画像を保管し、白のピクセルの閾値の数を下回る白のピクセルの総数を含む最後の画像を保管する場合もある(または逆もまた同様である)。
【0053】
しかしながらシステムは、一揃いの画像にわたって任意の他の照明及び/または画像取り込みパラメータを操作する場合もある。システムはこのとき、このセットの画像をブロックS130において処理して、対応する撮像周期においてキャニスタ内の流体の品質を推定することができる。
【0054】
2.3 血液成分の濃度
方法のブロックS130は、画像300内のピクセルの色の輝度と、画像300内の第1の領域304から第2の領域306までの色のグラデーション302とがキャニスタ内の流体の血液成分の濃度を推定することを描いており、第1の領域304は光発光体に近いことに相当し、第2の領域306は光発光体から離れていることに相当する。一般に、ブロックS130において、システムは、カメラによって取り込まれた画像300内のピクセルに含まれる色値を、キャニスタ内に含まれるある体積の流体における赤血球細胞の濃度、ヘモグロビンの濃度、全血細胞と溶解した赤血球細胞(または遊離ヘモグロビン)の割合、全血の濃度、血漿の濃度、白血球細胞の濃度などのうちの1つまたは複数に変換する。詳細には、システムは、例えば米国特許出願第13/544,664号及び第13/738,919号において記載されるものなど、パラメトリック手法及び/またはノンパラメトリック手法(例えばテンプレートマッチング)を実施して、カメラによって取り込まれた画像300の中に含まれる色データをキャニスタ内に含まれるある体積の流体に関する血液成分の濃度の値に変換することができる。
【0055】
一実装形態において、システムは、テンプレートマッチング法を実施して、カメラによって取り込まれた画像における1つまたは複数の色値(例えば赤色空間における輝度)を、(ローカルまたはリモート)メモリに記憶された既知の血液成分の濃度の流体のテンプレート画像に一致させる。一例の実装形態では、システムは、画像の第1の側(光発光体までの最短距離に相当する)から画像の反対側(光発光体から最も遠い距離に相当する)までの色のグラデーションを、1つまたは複数の既知の血液成分の濃度のテンプレートのグラデーションに一致させることができる。この例示の実装形態では、システムは、最も明るい色、最も暗い色及び/または最も明るい色、最も暗い色に最も近い線形または非線形の色のグラデーション、及び/または現在の画像に表される色のグラデーションを含む単一のテンプレート画像を選択し、テンプレート画像に対応付けられた1つまたは複数の血液成分の濃度の値を現在の画像に割り当てることができる。同様に、システムは、最も明るい色、最も暗い色、及び/または現在の画像のそのような色に最も近い色のグラデーションを呈する2つ以上のテンプレート画像を選択し、その後、このようなテンプレート画像に対応付けられた血液成分の濃度の値を平均化することで、現在の画像が取り込まれたときのキャニスタ内の血液成分の濃度の推定値を生成する場合もある。
【0056】
上述の実装形態において、システムは、キャニスタ内の単一の画像からキャニスタ内に含まれるある体積の流体を表す複数の血液成分の濃度の推定を生成するために、複数のテンプレート画像のセット(各々の画像テンプレートのセットは、既知の血液成分の濃度の値のサブセットに相当する)からのテンプレート画像を現在の画像に適用する場合もある。例えば、システムは、現在の画像における最も明るい色値と、最も暗い色値との差を第1のテンプレート画像のセットにおけるテンプレート画像に一致させて、キャニスタ内のある体積の流体におけるヘモグロビンの濃度の推定値を生成する場合があり、システムはその後、画像の第1の側と、画像の第2の側との間の非線形の色のグラデーションを第2のテンプレート画像のセットにおけるテンプレート画像に一致させて、キャニスタ内のある体積の流体における溶解した赤血球細胞の割合の推定値を生成する場合がある。
【0057】
さらに、この実装形態では、システムは、現在の画像を取り込むために撮像システムによって実施された照明及び画像取り込みパラメータに基づいて、利用可能なテンプレート画像を選択する、または選別する場合がある。例えばシステムは、光発光体の仕事率を70%に設定し、画像を取り込み、その後70%の仕事率で作動する光発光体を有する同様のシステムによって取り込まれたテンプレート画像を含むテンプレート画像のセットを選択することができる。別の例では、システムは、光発光体の仕事率を100%に設定し、カメラのシャッター速度を1/20秒に設定し、画像を取り込み、その後100%の仕事率で作動する光発光体と、1/20秒のシャッター速度で作動するカメラとを有する同様のシステムによって取り込まれたテンプレート画像を含むテンプレート画像のセットを選択する場合もある。
【0058】
しかしながらこの実装形態では、システムは、任意の他の方法または技術を実施して、既知の血液成分の濃度のテンプレート画像を選択し、このテンプレート画像を、カメラによって取り込まれた現在の画像と一致させることで、現在の画像が取り込まれたときのキャニスタ内に含まれるある体積の流体における血液成分の濃度の推定値を生成する場合もある。
【0059】
別の実装形態では、システムは、
図3に示されるように、現在の画像における1つまたは複数のピクセル内に表される定量的データを、キャニスタ内に含まれるある体積の流体における1つまたは複数の血液成分の濃度の定量的な推定値を出力するパラメトリックモデルに渡す場合もある。例えばシステムは、現在の画像における単一の最も明るいピクセル(または明るい色が付けられたピクセルの小クラスタ)における色値と、単一の最も暗いピクセル(または相対的に暗いピクセルの小クラスタ)における色値とをパラメトリックモデルに渡す場合がある。カメラが2000ピクセルの横と、1000ピクセルの縦の画像を取り込む別の例では、システムは、現在の画像を200ピクセルの横と、1000ピクセルの縦の10個の列に分割し、赤、緑及び青の成分空間における各々の列の輝度の値を平均化し、このような30の輝度の値を、これらの値を、現在の画像が取り込まれたときのキャニスタ内に含まれるある体積の流体における1つまたは複数の血液成分の濃度の推定値に変換するパラメトリックモデルに渡すことができる。
【0060】
システムはまた、線形、対数関数、多項式、累乗、または画像の第1の領域(例えば最も明るい色の1つのピクセルまたはピクセルクラスタ)から、画像の第2の領域(例えば最も暗い色の1つのピクセルまたはピクセルクラスタ)への色のグラデーションの他の傾向線の係数を計算し、これらの係数の値をパラメトリックモデルに渡す場合もある。システムはまた、現在の画像内に表される色のグラデーションに最もよく適合する傾向線のタイプ(例えば線形、対数関数または多項式によるものなど)を特定し、特定した傾向線のタイプに関してパラメトリックモデルを選択し、その後特定した傾向線のタイプの傾向線の係数を選択したパラメトリックモデルに渡して、キャニスタ内の血液成分の濃度の推定値を生成する場合もある。
【0061】
この実装形態では、現在の画像におけるピクセルの色値に加えて、システムは、現在の画像を取り込むために撮像システムによって実施された照明及び/または画像取り込みパラメータ、例えば光発光体の仕事率またはカメラのシャッター速度などをパラメトリックモデルに渡す場合もある。あるいはシステムは、画像を取り込むために撮像システムによって実施された照明及び/または画像取り込みパラメータに基づいて、1セットの利用可能なパラメトリックモデルから特定のパラメトリックモデルを選択する場合もあり、システムはこのとき、現在の画像におけるピクセルの色値を選択したパラメトリックモデルに渡して、キャニスタ内の血液成分の濃度の推定値を出力することができる。
【0062】
システムが単一の撮像周期においてカメラを介して複数の画像を取り込む上記の変形形態では、システムはまた、上述の方法及び技術のいずれかを実施して、一セットの画像の中の2つ以上の画像にわたる絶対的な色値または色のグラデーションを比較する場合もある。例えばシステムは、2つの異なる照明条件(例えば光発光体における20%の仕事率と、80%の仕事率)の下でキャニスタ内のある体積の流体の2つの画像を取り込み、その後、2つの画像にわたる色のグラデーションの差を、キャニスタ内のある体積の流体における全赤血球細胞の濃度及び遊離ヘモグロビンの濃度として特徴付けることができる。
【0063】
しかしながら、システムは、任意の他のパラメトリック手法またはノンパラメトリック手法を実施して、カメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像に含まれる色データをキャニスタ内のある体積の流体の品質の推定値に変換する場合もある。
【0064】
2.4 画像の品質
一変形形態において、システムは、ブロックS120に描かれるように、画像出力の品質を判定し、この画像を選択的に廃棄する、またはこの画像をプロセスの次のステップに渡す。一実装形態では、システムは、画像の下方領域から画像の上方領域への色値の急激な変化を求めて画像を垂直方向(例えば画像内の1つまたは複数の垂直方向のピクセルの列に沿って)に走査する。システムはその後、そのような色の変化が画像内で検出された場合、この色の変化を、容器の底部にある沈殿物の蓄積物と相関させ、画像を廃棄し、及び/またはカメラの視野からの手動のまたは自動の沈殿物の除去を開始させることができる。詳細には、光発光体がカメラに近いことにより、沈殿物がキャニスタの底部に集まり、カメラの視野を薄暗くする際、沈殿物は同様に、光発光体から反射インサートへの光の投影も薄暗くする可能性があるため、光発光体が始動される際、カメラの視野内にある沈殿物は、反射インサートに比べて実質的にぼやけたままである。したがって、沈殿物がカメラの視野に集まった後にカメラによって取り込まれた画像は、沈殿物に対応して相対的に暗いピクセルの連続する列を含む場合があり、これは、画像の底部から上向きに延在し、反射インサートに(及びキャニスタの壁と、反射インサートとの間の流体に)対応する相対的に明るいピクセルの連続する列へと急激に移行する。システムは、カメラによって取り込まれた画像における1つまたは複数の垂直方向のピクセルの列を走査し、その後、画像におけるピクセルの列が暗いピクセルのラインから明るいピクセルのラインへの移行部分を含む場合(または画像が、明るいピクセルのラインより下の暗いピクセルの垂直方向の列において閾値の数を超える暗いピクセルを含む場合)、流体の不適当な色データを含むようなものとして、その画像を廃棄してよい。
【0065】
一例において、色の変化が画像内で検出された場合、システムは、容器の内容物を攪拌するために可聴のまたは視覚的なプロンプト(例えばディスプレイを介して)を発行することができる。システムはその後、一体式の加速度計のサンプルを抽出して、キャニスタが攪拌されたかどうかを判定する、または継続して画像を取り込み分析して沈殿物がカメラの視野から除去されたかを判定することができる。あるいは、カメラの不明瞭さを示す色の変化が、カメラによって最近取り込まれた画像内で検出された場合、システムは上記に記載したように自動的に攪拌器を始動させて、取り込み作業の前にキャニスタ内の内容物を混合し、沈殿物を再度散布することができる。例えばシステムは、事前設定された期間にわたって(例えば10秒)、またはカメラによって取り込まれた画像がそのような急激な色値の変化をもはや示さなくなるまで攪拌器を始動させることができる。このような例では、急激な色値の変化が色システムの視野内でもはや検出されなくなると、システムは、攪拌器の作動を停止させ、一定の期間(例えば5秒)休止して、キャニスタ内の流体が遅くなるようにし、その後上記に記載したようにブロックS110、S120及びS130を実行して、キャニスタ内の流体の画像を取り込み、これを処理することができる。
【0066】
さらに、この変形形態では、沈殿物が現在の画像内で検出されるが、現在の画像が、キャニスタ内の血液成分の濃度の信頼できる推定値を提供するのに十分な色データを含んでいる場合、システムは、沈殿物による不明瞭さと相関する現在の画像の領域を取り除き(例えばトリミングする)、現在の画像の残りの部分を処理するためにブロックS130に渡すことができる。しかしながらシステムは、任意の他の方法または技術を実施して、カメラによって取り込まれた画像の品質を確定し、このような画像を選択的に渡す及び/または拒絶する場合もある。
【0067】
2.5 血液成分の量
ブロックS120において画像を取り込む間、システムは、ブロックS140において計量はかりのサンプルを抽出し、計量はかりによって出力された値を血液成分の濃度の値に適用して、キャニスタ内の血液成分の量(例えば体積、質量)を推定することもできる。一実装形態において、システム100は継続して計量はかりのサンプルを抽出し、計量はかり106の出力を対応するタイムスタンプと共にメモリに記録する。この実装形態では、ブロックS120において取り込まれ、ブロックS130において処理された画像に関して、システム100は、メモリから、画像300が取り込まれたときに最も近い時間に記録された計量はかりの出力値(例えば重量)を取り出すことができる。(システム100はまた、画像が取り込まれたときの前後に記録された複数の計量はかりの出力を取り出し、このような値を平均化する場合もある)。システム100はその後、その撮像周期の間のこのような計量はかりの出力値を、キャニスタ102に集められた流体の変化しない推定された密度(例えば生理食塩水と血液の混合物の場合1030kg/m3)で割ることでキャニスタ内のある体積の流体を推定することができる。その後、ブロックS150に描かれるように、この推定された体積に血液成分の濃度を掛けることによって、システムは、キャニスタ内の血液成分(例えばヘモグロビン、赤血球細胞)の体積(または質量)を推定することができる。
【0068】
システムは、キャニスタ内のある体積の流体、ある体積の流体の品質及び/またはキャニスタ内の血液成分の量の推定値を経時的に更新するために、ブロックS110、S120、S130、S140及びS150を、作動全体を通して、例えば1Hzのペースで繰り返すことができる。
【0069】
2.6 視覚的フィードバック
ブロックS100に示されるように、作動全体を通して、システム100は、
図3に示されるように、組み込まれたディスプレイ180を経時的に更新して、キャニスタ102内の流体の現在の推定される体積、ある体積の流体の現在の推定される品質及び/またはキャニスタ102内の血液成分の現在の推定される量を視覚的に示すことができる。システム100はまた、例えばキャニスタ102を空にするためのプロンプト、または撮像システムの前方に沈殿物が堆積したことに起因してキャニスタ102を攪拌するためのプロンプトなどのプロンプトをディスプレイ180上に提供する場合もある。
【0070】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、コンピュータ可読命令を格納するコンピュータ可読媒体を収容するように構成された機械として、少なくとも一部が具現化される、及び/または実施される場合もある。このような命令は、ユーザコンピュータまたはモバイルデバイス、リストバンド、スマートフォンまたはその任意の好適な組み合わせのアプリケーション、アプレット、ホスト、サーバー、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インターフェース、ハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア要素と一体化されたコンピュータ実行可能構成要素によって実行することができる。システムとして実施される場合、そのようなシステムは、とりわけ、より特化されたデバイスに見られる汎用コンピュータ、ならびに/あるいはFPGA及び/またはASICにおいて見られるソフトウェアモジュール、汎用CPU、RAMなどの構成要素を有する場合がある。技術革新がサーバー上に備わっている実装形態では、そのようなサーバーは、汎用コンピュータにおいて見られるCPU、RAMなどの構成要素を有してよい。本実施形態の他のシステム及び方法が、コンピュータ可読命令を格納するコンピュータ可読媒体を収容するように構成された機械として少なくとも一部が具現化される、及び/または実施される場合もある。このような命令は、上記に記載したタイプの装置及びネットワークと一体化されたコンピュータ実行可能構成要素によって統合されたコンピュータ実行可能構成要素によって実行することができる。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピーディスクまたは任意の他の好適なデバイスなどの任意の好適なコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ実行可能構成要素は、プロセッサであってよいが、(代替としてまたは追加として)任意の好適な専用ハードウェアデバイスが命令を実行することもできる。
【0071】
本記載において、構成要素、モジュール、デバイスなどの用語は、様々な方法で実装され得る任意のタイプの論理回路または機能回路、ブロック及び/またはプロセスを指す場合がある。例えば種々の回路及び/またはブロックの機能は、互いに組み合わされて任意の他の数のデバイスになる場合もある。あるいは、デバイスは、伝送搬送波を介して、汎用コンピュータまたはプロセッシング/グラフィックハードウェアに伝達されるプログラミング命令を有する場合もある。またデバイスは、本明細書の技術革新によって包含される機能を実施するハードウェア論理回路として実装される場合もある。最後に、デバイスは、特殊目的の命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブル論理アレイ、または所望されるレベルのパフォーマンス及びコストを実現するその任意の混合体を利用して実装される場合もある。
【0072】
本明細書に記載される方法及びシステムの態様、例えば論理などは、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)デバイス、電気的なプログラマブルロジック及びメモリデバイス及び標準的なセルベースのデバイスならびに特定用途向け集積回路などのプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)を含めた多様な回路のいずれかにプログラムされた機能性として実施されてもよい。態様を実施するための一部の他の可能性には、メモリデバイス、(EEPROMなどの)メモリを備えたマイクロコントローラ、埋め込み型マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが含まれる。さらに、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、個別論理(シーケンスの及び組み合わせの)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス及び上記のデバイスのタイプのいずれかの混成物を有するマイクロプロセッサにおいて具現化される場合もある。基本的なデバイス技術は、多様な構成要素タイプにおいて提供されてよく、例えば相補形金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合型論理回路(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造体)、アナログ及びデジタル混載、その他などである。
【0073】
当業者が、先の詳細な記載から、ならびに図面及び特許請求の範囲から認識するように、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態に対して修正及び変更を行うことができる。