(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】複数の検出モダリティを介して検出可能な複合組織マーカー
(51)【国際特許分類】
A61K 49/00 20060101AFI20240117BHJP
A61K 49/22 20060101ALI20240117BHJP
A61K 49/04 20060101ALI20240117BHJP
A61K 49/06 20060101ALI20240117BHJP
A61K 51/12 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240117BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240117BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240117BHJP
【FI】
A61K49/00
A61K49/22
A61K49/04
A61K49/06
A61K51/12
A61K47/42
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/10
A61K47/34
(21)【出願番号】P 2022530997
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 US2020062272
(87)【国際公開番号】W WO2021108587
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-12
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519357903
【氏名又は名称】ビュー ポイント メディカル, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】VIEW POINT MEDICAL, INC.
【住所又は居所原語表記】5621 Palmer Way, Carlsbad, California 92010, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ブレイヤー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,マイク
(72)【発明者】
【氏名】メリット,ジョーン
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0289444(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 49/00-49/22
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、
不規則な表面と、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の
気体とを有する本体をそれぞれ備え、各超音波反射要素は多孔質であり、各超音波反射要素が、
前記不規則な表面上にその1つ又は複数の細孔を少なくとも一時的に封止する疎水性コーティングを含み、前記超音波反射要素の前記少なくとも1つのキャビティは、超音波イメージング信号の反射を提供するために、
前記疎水性コーティングにより前記少なくとも1つのキャビティ内に閉じ込められた気体を含む、該複数の超音波反射要素と、
超音波イメージングとは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、
ゲル担体と、を含み、前記超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤は、前記ゲル担体内又はゲル担体上に担持され
、前記超音波反射要素は、前記ゲル担体にコロイド分散され、前記ゲル担体は、哺乳動物内で少なくとも3週間持続するように少なくとも部分的に架橋されている、複合マーカー。
【請求項2】
各超音波反射要素が、シリカ又は二酸化チタンを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項3】
前記少なくとも1つの造影剤が2つ以上の異なる造影剤を含み、それぞれが、超音波イメージングとは異なるとともに互いに異なるそれぞれの検出モダリティによって検出可能である、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項4】
前記少なくとも1つの造影剤が、シリカもしくは二酸化チタンコーティング又はシリカもしくは二酸化チタンシェルのカプセルをさらに含む、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項5】
前記少なくとも1つの造影剤が、ゲル担体中又はゲル担体上に、コロイド分散させて担持される、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項6】
前記少なくとも1つの造影剤が、X線イメージングによって検出可能な放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項7】
放射線不透過性材料が、ステンレス鋼、白金、金、イリジウム、チタン、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択される放射線不透過性金属、前記放射線不透過性金属の合金、前記放射線不透過性金属の酸化物、前記放射線不透過性金属の硫酸塩、前記放射線不透過性金属の炭酸塩、又はそれらの組み合わせである、請求項6に記載の複合マーカー。
【請求項8】
前記少なくとも1つの造影剤が、顔料、可視染料、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料、近赤外染料、又はUV染料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項9】
前記少なくとも1つの造影剤が、メチレンブルー、インジゴ染料、又はインドシアニングリーンのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の複合マーカー。
【請求項10】
前記少なくとも1つの造影剤が、磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性化合物、又は水素以外の非ゼロスピン核を含有する化合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項11】
前記少なくとも1つの造影剤が、マンガン又はマンガンベースの化合物、ガドリニウム又はガドリニウムベースの化合物、又はグルコン酸第一鉄、硫酸第一鉄、酸化鉄、又は白金鉄のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の複合マーカー。
【請求項12】
前記少なくとも1つの造影剤が、核ベースのイメージングによって検出可能な放射性物質を含有する、請求項1に記載の複合マーカー。
【請求項13】
前記ゲル担体が天然ゼラチン状材料、合成ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の複合マーカー。
【請求項14】
前記ゲル担体が、
i)コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、及びアルブミンからなる群より選択されるタンパク質、
ii)セルロース又はメチルセルロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、及びアルギン酸カルシウムからなる群から選択される多糖、
iii)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール-CO-乳酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミン、ポリオキサアミド、ポリオキサエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択される合成ポリマー、又はi)、ii)、もしくはiii)からのいずれか2つ以上の混合物を含む、請求項13に記載の複合マーカー。
【請求項15】
前記ゲル担体が、アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジアルデヒド、デンプン、エポキシド、ジメチルアジピミデート、グルコセパン、カルボジイミド、ペントシジン、イソシアネート又はポリイソシアネート、金属架橋剤、イオン架橋剤、アクリル化合物、アルギン酸塩、スルフヒドリル、ゲニピン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される架橋剤を使用することによって少なくとも部分的に架橋される、請求項
1に記載の複合マーカー。
【請求項16】
前記ゲル担体が、凍結及び/又は解凍によって少なくとも部分的に架橋される、請求項
1に記載の複合マーカー。
【請求項17】
前記ゲル担体の架橋度が、受容哺乳動物被験体の組織における複合マーカーの分解速度によって予め決定される、請求項
1に記載の複合マーカー。
【請求項18】
前記受容哺乳動物被験体の組織における前記複合マーカーの前記分解速度は、前記複合マーカーが前記受容哺乳動物被験体の組織において、約9ヶ月以上の期間持続するようなものである、請求項
17に記載の複合マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、組織マーカーの分野及び組織マーカーの検出に関し、特に、2つ以上の異なる造影剤(又は、コントラスト材料/contrast material)を担持するゲル担体を含む複合組織マーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
経時的に身体組織を識別し、位置決めし、マーキングするため、及びマーキングされた身体組織の生検、切除、又は切除を補助するために、様々なタイプの組織マーカーが存在する。癌の診断及び治療(例えば、外科的処置、放射線治療)を含む現在の診断及び治療プロトコルは、病変の局在化のための既存の組織マーカー技術によって妨げられている。例えば、臨床現場では診断段階の間、関心のある組織病変が効率的に画像化され、放射線学的マーカーによってマーキングされることがあるが、これらの放射線学的マーカーは全ての外科的シナリオにおいて術中に外科医に視認されない。別の例として、蛍光染料(又は、蛍光色素/fluorescent dye)は、生物医学的診断及び画像化において広く使用されている。しかしながら、インドシアニングリーンのような典型的な蛍光染料はその迅速なクリアランス、濃度依存性凝集、迅速なタンパク質結合、及び種々の物理化学的属性による漂白効果のために、インビボでの組織マーカーとしてのその利用について依然として大きな制限を受ける。特定の臨床手順に利用可能な検出モダリティ(又は、検出属性/検出様式/modality)が、検出される組織の型と適合しない場合、他の困難が生じ得る。例えば、肺組織は高密度の空気と組織との界面を有する多孔性であり、これは、超音波エネルギー伝播を妨害する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当技術分野では、複数の検出モダリティを介して検出可能であり、組織マーカー中の各マーカー要素の検出可能性を保持及び保存し、適切な期間にわたって組織中に存続する、組織マーカーに対する単純化された、しかし汎用性があり、かつ耐久性のある溶液を開発することが引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの態様では、複合マーカーが、複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体とを含むものとして要約されてもよい。各超音波反射要素はそれぞれ、超音波イメージング信号の反射(又は、反射率/反射特性/reflectivity)を提供するために、少なくとも1つのキャビティ(又は、空洞)と、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体を備える。少なくとも1つの造影剤は、各超音波反射要素の外層には含まれない。超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤は、ゲル担体内又はゲル担体上に担持される。
【0005】
別の態様において、複合マーカーは、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体を含むものとして要約され得る。活性化及び/又は加水分解された蛍光染料及び少なくとも1つの造影剤は、ゲル担体中又はゲル担体上に担持される。
【0006】
さらに別の態様では、複合マーカーを形成するためのキットが、複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル又はゲル形成材料とを含むものとして要約することができる。各超音波反射要素はそれぞれ、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体を備える。少なくとも1つの造影剤は、各超音波反射要素の外層には含まれない。ゲル又はゲル形成材料は、複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤と混合されるとき、ゲル担体中又はゲル担体上に複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤を担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成する。
【0007】
さらに別の態様において、複合マーカーを形成するためのキットは、蛍光染料と、蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル又はゲル形成材料とを含むものとして要約され得る。ゲル又はゲル形成材料は、少なくとも1つの造影剤及び蛍光染料と混合されるとき、ゲル担体中又はその上に少なくとも1つの造影剤及び蛍光染料を担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成する。
【0008】
少なくとも1つの態様では、複合マーカーを形成するための方法が、1)複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える、該複数の超音波反射要素と、2)超音波イメージングとは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、少なくとも1つのイメージング材料は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、3)ゲル又はゲル形成材料と、を混合して、複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成するステップを含むと要約され得る。
【0009】
少なくとも1つの態様において、複合マーカーを形成するための方法は、1)蛍光染料と、2)蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、及び3)ゲル又はゲル形成材料とを混合して、ゲル担体中又はゲル担体上に蛍光染料及び少なくとも1つの造影剤を担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成するステップを含むと要約され得る。
【0010】
少なくとも1つの態様において、哺乳動物被験体における標的部位をマーキングする方法は、複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える該複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体であって、前記超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤がゲル担体内又はゲル担体上に担持される、該ゲル担体と、を含む複合マーカーを、哺乳動物被験体の標的部位に非経口的に投与するステップを含むように要約され得る。この方法はまた、超音波イメージング又は前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを用いて、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出する工程を含む。
【0011】
少なくとも1つの態様において、哺乳動物被験体において標的部位をマーキングする方法は、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体であって、前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料及び前記少なくとも1つの造影剤がゲル担体内又はゲル担体上に担持される、該ゲル担体と、を含む複合マーカーを、哺乳動物被験体に非経口的に投与する工程を含むように要約され得る。この方法はまた、蛍光を検出する検出モダリティ又は蛍光の検出とは異なる、前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを用いて、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出するステップを含む。
【0012】
本発明の様々な実施形態及び実装形態のさらなる態様、利点、及び特徴は本明細書に記載されており、一部は、以下の考察により当業者に明らかになるか、又は本発明の実施によって学習され得る。本出願で開示される発明の様々な実施形態及び実装形態は、態様、利点、及び特徴の任意の特定のセット又は組み合わせに限定されない。記載された態様、利点、及び特徴の様々な組み合わせが、本出願で開示される本発明の様々な実施形態及び実装形態を構成することが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は特定の例示的な実施形態を示すことを意図しており、限定するものではない。図面において、同一の参照番号は、同様の要素又は作用を示す。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれてはいない。例えば、さまざまな要素の形状及び角度は一定の縮尺で描かれず、これらの要素のいくつかは、図面を見やすくするために、随時適当に拡大及び配置されている。さらに、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えることを意図しておらず、図面における認識を容易にするために単に選択されたものである。
【0014】
【
図1A】
図1Aは、少なくとも1つの実施形態による複合マーカーの透視図であり、複数の超音波反射要素、少なくとも1つの造影剤、及びゲル担体を含み、超音波反射要素及び造影剤がゲル担体中に分散された複合マーカーを示す。
【0015】
【
図1B】
図1Bは、少なくとも1つの実施形態による超音波反射要素の端面図であり、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体と、を有する本体を含み、本体はキャビティを形成する外壁を有するシェルである。
【0016】
【
図1C】
図1Cは、少なくとも1つの実施形態による超音波反射要素の端面図であり、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体と、を有する本体を含み、本体が2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子である超音波反射要素。
【0017】
【
図2A】
図2Aは、
図1Bの超音波反射要素の実施形態の端面図であり、超音波反射要素のキャビティ内の造影剤の実施形態と、超音波反射要素上に任意の疎水性コーティングを備える。
【0018】
【
図2B】
図2Bは、
図1Bの超音波反射要素の実施形態の端面図であり、超音波反射要素に埋め込まれた造影剤の実施形態と、超音波反射要素上に任意の疎水性コーティングを備える。
【0019】
【
図2C】
図2Cは、
図1Cの超音波反射要素の実施形態の端面図であり、超音波反射要素のキャビティ内の造影剤の実施形態と、超音波反射要素上に任意の疎水性コーティングを備える。
【0020】
【
図2D】
図2Dは、
図1Cの超音波反射要素の実施形態の端面図であり、超音波反射要素に埋め込まれた造影剤の実施形態と、超音波反射要素上に任意の疎水性コーティングを備える超音波反射要素。
【0021】
【
図3】
図3は、
図1Aの造影剤の実施形態の拡大図であり、造影剤は、シェルの任意のコーティング又はカプセル(又は、カプセル化/encapsulation)を有する。
【0022】
【
図4A】
図4Aは、少なくとも1つの実施形態による複合マーカーの透視図であり、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料、少なくとも1つの造影剤、及びゲル担体を含み、造影剤と活性化及び/又は加水分解された蛍光染料とがゲル担体中に分散された複合マーカーを示す。拡大図は、1つの造影剤が任意選択で、超音波反射要素のキャビティ内に流体を収容する超音波反射要素であることを示す。
【0023】
【
図4B】
図4Bは、少なくとも1つの実施形態による複合マーカーの透視図であり、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料、少なくとも1つの造影剤、及びゲル担体を含み、造影剤がゲル担体中に分散された複合マーカーを示す。拡大図は、1つの造影剤が任意選択で、超音波反射要素のキャビティ内に流体を含む超音波反射要素であり、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が造影剤内に埋め込まれることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
種々の実施態様が正しく理解されるように、開示内容の詳細を以下に説明する。但し、当業者ならば、これら特定の細部の1つ又は2つ以上を欠いても、又は他の方法、他の構成部材、他の材料でも実施が可能であることは容易に理解するところであろう。他の例では、クライアント及びサーバコンピューティングシステム、及び/又は通信ネットワークを含むコンピューティングシステムに関連する周知の構造は実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に示されていないか、又は説明されていない。
【0025】
文脈がさもないことを要求しない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲全体にわたって、「含む」という語及び「含む」及び「含む」などのその変形は例えば「含むが、これに限定されない」といった、オープンエンドの包括的な意味で解釈されるべきである
【0026】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明した特定の機能、構成、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書における表現”一実施形態における”又は”実施形態における”の全てが、必ずしも同様の実施形態について記載されてはいない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0027】
本明細書及び同時提出の特許請求の範囲で用いられているように、単数表現はコンテンツが明確に定められていない限り、複数の存在を包含するものである。また、表現”又は”は一般に、コンテンツが明確に定められていない限り、”及び/又は”を包含する意味で用いられる。
【0028】
発明の名称及び要約は便宜上のものであり、本発明の範囲を表すものではなく、又は実施形態を意味するものでもない。
【0029】
患者の身体内の特徴を識別し、位置特定し、マーキングする能力は、多くの有用な適用例(又は、指標/indication)を有する。後に検出され得るマーカーで患者の体内の特定領域を同定することは、経時的に領域をマーキングするモニタリング、その後の研究のために腫瘍又は他のタイプの組織病変又は異常の位置を特定すること、アブレーション、アジュバント療法、又は外科的除去などの治療又は外科的処置を行うことを含む様々な目的に有用であり得る。特定の臨床状況において、関心のある組織病変は第一の検出モダリティを用いて最も効率的に検出され、かつマークされるが、組織病変の外科的除去については第二の検出モダリティを用いて最も良く達成される場合に、困難が生じることがある。このような場合、組織内に存続し、展開後のある期間にわたって位置が安定しており、少なくとも2つの別個の検出モダリティによって検出することができるマーカー実施形態が有用であり得る。蛍光染料マーカー(例えば、インドシアニングリーン)のようないくつかの造影剤は生物医学的診断及び画像化において広く使用されてきたが、インビボでの組織マーカーとしてのその利用について依然として大きな制限を受ける。例えば、インドシアニングリーンの場合、限界は、その迅速なクリアランス、濃度依存性凝集、迅速なタンパク質結合、及び種々の物理化学的属性による漂白効果に起因する。そのような場合、造影剤をカプセル化し、それをその活性化形態に「ロック」することができるマーカー実施形態が有用であり得る。
【0030】
本明細書に記載される構造、物品、及び方法は様々な目的のために患者の身体内の特徴を識別し、位置特定し、マーキングするための有用な解決策を提供する。ここで提供されるのは、各々が互いに異なる検出モダリティによって検出可能な2つ以上の造影剤を担持するためにゲル担体を使用する新しい複合組織マーカーである。
【0031】
複合マーカーは、複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体とを含むことができる。各超音波反射要素はそれぞれ、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体を備える。超音波反射要素が外層(すなわち、超音波反射要素の外面上に形成された層、例えば、外側シリカ層)を有する場合、少なくとも1つの造影剤は、各超音波反射要素の外層に含まれない。超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤は、ゲル担体内又はゲル担体上に担持される。
【0032】
図1Aは、哺乳動物被験体における標的部位をマーキングするために使用され得る複合マーカー100の例示的な実施形態を示す。少なくとも1つの実施形態では、複合マーカー100が、ゲル担体104内又はその上に担持された、複数の超音波反射要素102(1つのみを示す)と少なくとも1つの造影剤103とを含む。ゲル担体104は、複数の超音波反射要素102と造影剤103とを結合する。
【0033】
超音波反射要素
超音波反射要素102は、超音波信号の反射を提供するための構造特性を有する。例えば、各超音波反射要素は、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体を備えることができる。超音波反射要素は例えば、超音波エネルギーの散乱又は分散を引き起こす粗い外面を有する不規則な表面を有する可能性がある。
【0034】
超音波反射要素は、多種多様な形態をとることができる。いくつかの実施形態では、各超音波反射要素がキャビティを形成する外壁を有するシェル、又は2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子から形成される。
【0035】
少なくとも1つの実施形態では、超音波反射要素がキャビティを形成する外壁を有するシェルを備える。シェルは多層中空シェル、例えば、内層及び外層を有するシェルであってもよい。
図1Bは、超音波信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティ102cと、少なくとも1つのキャビティ102c内の少なくとも1つの流体105とを有する本体102aを備える超音波反射要素102の例示的な実施形態を示す。本体102aは、キャビティを形成する外壁を有するシェルである。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、超音波反射要素が2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子である。
図1Cは、超音波信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティ102c(1つだけを示す)と、少なくとも1つのキャビティ102c内の少なくとも1つの流体とを有する本体102aを備える超音波反射要素102の例示的な実施形態を示す。本体102aは、2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子である。
【0037】
超音波反射要素の本体は、球形状又は非球形状を有することができる。
【0038】
超音波反射要素の本体は、アモルファス(又はガラス)状態、又は結晶状態、又はアモルファス形態と結晶形態の混合物で存在し得る様々な無機材料から作製され得る。適切な無機材料としては、ホウ酸塩、アルミナ、炭酸塩、重炭酸塩、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、二酸化チタン、及びリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの無機材料のいずれも、モノマー塩の形態であっても、ポリマー又は縮合形態であってもよい。これらの無機材料のいずれかは、1つ又は複数の他の無機材料と混合されてもよい。例示的な無機材料は、シリカ及び二酸化チタンである。
【0039】
いくつかの実施形態では、超音波反射要素のシェル又は多孔質粒子がシリカ又は二酸化チタンを含む。少なくとも1つの実施形態では、シェル又は多孔質粒子がシリカシェル又はシリカ粒子である。
【0040】
超音波反射要素に適したシェル(シリカシェルなど)を形成する技術は例えば、米国特許第8,440,229号、米国特許第9,220,685号、米国特許第10,328,160号、米国特許出願第15/706446号、米国特許出願第15/559764号、及び米国特許出願第15/946,479号に見出すことができ、これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。超音波反射要素に適した多孔質粒子を形成する技術は例えば、米国特許第6,254,852号に見出すことができ、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0041】
超音波反射要素の少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体105は超音波信号の反射を提供するために、閉じ込められた(entrapped)気体又は液体であってもよい。閉じ込められた気体又は液体を含むキャビティはキャビティと超音波反射要素の本体との間の音響差のために、音響波反射器として作用することができる。閉じ込められた流体(気体又は液体)は、超音波信号を強化するための適切なエコー源性界面を提供することができる。
【0042】
超音波反射要素を調製するプロセス中に存在し得る任意の流体(気体又は液体)は適切なものであってよい。例えば、閉じ込められた気体は、O2、H2、CO2、不活性ガス(例えば、N2、ヘリウム、アルゴン、又は他の貴ガス)のような、元素ガス(elemental gas)、又は化合物ガス(compound gas)であってもよい。例示の閉じ込められた流体はまた、体温未満(例えば、37℃未満)の沸点を有する揮発性流体、例えば、有用な超音波造影性を提供すると予想される、フルオロカーボン(例えば、CF4、C2F6、C3F8、C4F10、シクロ-C4F8、C5F12、シクロ-C5F10、シクロ-C4F7(1-トリフルオロメチル)、2-(トリフルオロメチル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2-(トリフルオロメチル)-1,1,3,3,3,4,4-ノナフルオロブタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロ-2-メチルペンタン、ペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロデカリン、又はペルフルオロメチルデカリン)を含む。閉じ込められた流体は、前述の流体の混合物、例えば空気であってもよい。適切な液体のさらなる例は米国特許第5,595,723号に見出されることができ、これはその全体が参照により本明細書中に援用される。
【0043】
図1A及び
図1Bに示す例示的な実施形態では、シェル本体102a又は多孔質粒子本体102aのキャビティ102cが流体105(気体又は液体)を含む。超音波反射要素のキャビティ内の適切な流体は上述されている。
【0044】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの流体が、少なくとも1つの流体の液体-気体転移(liquid-gas transition)を音響エネルギーによってトリガすることができる蒸発閾値(vaporization threshold)を有する。例えば、液体の気化の物理的プロセスは、過熱された液体ナノ液滴に気泡を形成させる超音波の圧力波によって誘発することができ、これが超音波イメージングコントラストを提供することができる。この音響蒸発(acoustic vaporization)の典型的な候補は、フルオロカーボン流体である。適切なフルオロカーボン流体は上述されている。流体の音響蒸発は、高強度集束超音波(HIFU)又は低強度集束超音波(LIFU)によって誘発されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、超音波反射要素が超音波反射要素の本体と同じ又は異なる材料から作製された1つ又は複数の層を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、各超音波反射要素が多孔質であってもよい。例えば、超音波反射要素は、例えば
図1Cに示すような多孔質粒子であってもよい。超音波反射要素が、例えば
図1Bに示されるようなシェルである場合、シェル102aの本体は多孔質であってもよい。各超音波反射要素は、その1つ又は複数の細孔を少なくとも一時的に封止するために、任意選択でコーティングを備えることができ、その結果、超音波反射要素の少なくとも1つのキャビティ内の流体が超音波反射要素のキャビティ又は細孔内に閉じ込められる。
図2A-2Dは超音波反射要素上に任意選択のコーティング106(例えば、疎水性コーティング)を有する超音波反射要素102の例示的な実施形態を示す。
【0047】
コーティング106はタンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、又はアルブミン)、又は多糖類(例えば、セルロース又はメチルセルロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、又はアルギン酸カルシウム)などの天然材料であってもよい。コーティングは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール酸-コ-乳酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミン、ポリオキサアミド、ポリオキサエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又は前述のポリマーのいずれかのコポリマーなどの合成ポリマーであってもよい。コーティングは、任意の2つ以上の前述の材料の混合物であってもよい。
【0048】
コーティングは、任意選択で疎水性コーティングであってもよい。例えば、コーティングは、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、及びグリシドキシプロピルトリメトキシシランを含むがこれに限定されない、モノ-、ジ-、トリ-、又はテトラ-アルコキシシランであってよい。少なくとも1つの実施形態において、疎水性コーティングは疎水性ポリマー、例えば、オクチルトリエトキシシランを含む疎水性ポリマーの形態をとる。
【0049】
粒子をコーティングする方法は、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(Lea & Febiger,1986)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。約100ミクロン未満の粒子をコーティングするための技術は、典型的には、空気懸濁(air suspension)、コアセルベーション相分離(coacervation-phase separation)、マルチオリフィス遠心分離(multi-orifice centrifugal)、及び溶媒蒸発(solvent evaporation)を含む。
【0050】
超音波反射要素は、ドップラー超音波イメージングでのような、超音波における明瞭な(又は、別個の)信号を有することができる。いくつかの実施形態では、このような超音波反射要素を含む複合マーカーが哺乳動物被験体の標的部位に投与される場合、従来のワイヤを用いた位置特定(wire localization)と比較して、有意に少ないマーカー移動を提供し得る。少なくとも1つの実施形態では、超音波反射要素が術中設定において、カラードップラー超音波イメージング及びBモード超音波イメージングを用いて、術中に識別されてもよい。
【0051】
Bモード超音波イメージングの下では、本明細書で論じるいくつかの複合ゲルマーカーの実施形態における超音波反射要素が他の市販の超音波マーカーと同様に見えることがある。場合によっては、ドップラーモード下では本明細書で論じるいくつかの複合ゲルマーカーの実施形態における超音波反射要素がロバストで高度に着色された信号を生成することができる。したがって、それらは、ドップラー超音波の下で色彩豊かな信号を発することができ、任意の標準的な超音波機械による迅速な識別を可能にする。
【0052】
超音波反射要素は、約50nm~約20ミクロンの範囲のサイズを有することができる。例えば、超音波反射要素は、約50nm~約500nm、50nm~約350nm、約100nm~約2.2ミクロン、又は約200nm~約2ミクロンの範囲であってもよい。超音波反射要素は約1ミクロン~約20ミクロン、例えば、約1ミクロン~約5ミクロン、又は約1.8ミクロン~約2.2ミクロンの範囲の、より強い反射超音波信号を促進する(promote)ことができるより大きなサイズを有することができる。
【0053】
その他の造影剤
複合マーカー100はまた、少なくとも1つの造影剤103を含む。適切な造影剤は、周囲組織のものとは異なる戻り信号を生成することができ、X線イメージング、視覚観察、蛍光透視法、MRI、核ベースのイメージングなどを含む、超音波イメージングとは異なる様々な対応する検出モダリティを介して検出することができる、多種多様な材料を含むことができる。
【0054】
少なくとも1つの造影剤103は2つ以上の異なる造影剤を含むことができ、各造影剤は、互いとは異なり、超音波イメージングとは異なるそれぞれの検出モダリティによって検出可能である。
【0055】
少なくとも1つの造影剤は例えば、X線イメージング(例えば、コンピュータ断層撮影、蛍光透視法)によって検出可能な放射線不透過性材料(radiopaque material)を含むことができる。適切な放射線不透過性材料には、ステンレス鋼、白金、金、イリジウム、チタン、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、及びバリウムなどの放射線不透過性金属が含まれる。適切な放射線不透過性材料はまた、2つ以上の放射線不透過性金属の合金、放射線不透過性金属の酸化物、放射線不透過性金属の硫酸塩、及び放射線不透過性金属の炭酸塩を含む。任意の2つ以上の前述の放射線不透過性材料の組み合わせを、造影剤として使用することができる。
【0056】
少なくとも1つの造影剤は例えば、染料又は顔料などの視覚的に検出可能な材料を含み得る。例示的な視覚的に検出可能な材料は、顔料、可視染料、蛍光染料、近赤外染料、及びUV染料である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、及びメロシアニンからなる群から選択されるシアニン染料を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がメチレンブルー、インジゴ染料、又はインドシアニングリーンのうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がインドシアニングリーンを含む。
【0057】
少なくとも1つの造影剤は例えば、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性化合物、又は水素以外の他の非ゼロスピン核を含む化合物などの、磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な材料を含むことができる。例示的なMRI検出可能な材料はマンガン又はマンガンベースの化合物;ガドリニウム又はガドリニウムベースの化合物(例えば、ガドリニウムDTPA);及びグルコン酸第一鉄、硫酸第一鉄、酸化鉄、又は白金鉄である。
【0058】
少なくとも1つの造影剤は例えば、核ベースのイメージング(例えば、シンチグラフィー、陽電子放出断層撮影法、又は単光子放射型コンピュータ断層撮影法)を介して検出可能な放射性物質を含むことができる。例示的な放射性物質は放射性ヨウ素化化合物、111インジウム標識物質、99mTC標識化合物(例えば、99mTcDTPA、99mTcHIDA及び99mTc標識ポリホスホネート)、及び51CR標識化合物(例えば、51CrEDTA)である。
【0059】
少なくとも1つの造影剤103は、ゲル担体104の中又は上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて(in a dispersion therein, optionally in a colloidal dispersion)担持されてもよい。いくつかの実施態様において、複数の超音波反射要素102及び少なくとも1つの造影剤103は、ゲル担体104内又はその上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて、担持される。
図1Aは、複数の超音波反射要素102及び少なくとも1つの造影剤103が、ゲル担体104の中又は上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて、担持される、複合マーカー100の例示的実施形態を示す。
【0060】
少なくとも1つの造影剤がゲル担体中に分散される場合、少なくとも1つの造影剤がゲル担体から流出するのを防止するために、少なくとも1つの造影剤は、シェルのコーティング又はカプセルをさらに含んでもよい。
図3は、造影剤103の外面上にシェルの任意のコーティング又はカプセル107を有する造影剤の例示的な実施形態を示す。シェルのこの任意のコーティング又はカプセルは、ホウ酸塩、アルミナ、炭酸塩、重炭酸塩、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、二酸化チタン、及びリン酸塩を含むがこれらに限定されない様々な無機材料から形成することができる。これらの無機材料のいずれも、モノマー塩の形態であっても、ポリマー又は縮合形態であってもよい。これらの無機材料のいずれかは、1つ又は複数の他の無機材料と混合されてもよい。例示的な無機材料は、シリカ及び二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がシリカ又は二酸化チタンのコーティング又はシリカ又は二酸化チタンのシェルのカプセル化をさらに含む。
【0061】
少なくとも1つの造影剤103は、超音波反射要素102によって担持されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤が超音波反射要素のキャビティ内にあってもよい。例えば、
図2A及び
図2Cにおいて、造影剤103aは流体105と共に、超音波反射要素102cのキャビティ内にある。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤が超音波反射要素の本体に埋め込まれてもよい。例えば、
図2B及び
図2Dでは、造影剤103bが超音波反射要素102aの本体内に担持されている。超音波反射要素が1つ又は複数の層を含む場合、少なくとも1つの造影剤は、超音波反射要素のこれらの層内にはない。
【0062】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がシングルエマルジョン法を使用して、流体(例えば、ペルフルオロカーボン流体)と一緒に超音波反射要素(例えば、シリカシェル又はシリカ粒子)内に捕捉され得る。
【0063】
ゲル担体
複合マーカー100はまた、ゲル担体104を含み、これは、天然ゼラチン状材料、合成ポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得る。適切な天然ゼラチン状材料としては、タンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、及びアルブミン)、及び多糖類(例えば、セルロース又はメチルセルロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、及びアルギン酸カルシウム)が挙げられる。適切な合成ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール酸-コ-乳酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミン、ポリオキサアミド、ポリオキサエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び前述のポリマーのいずれかのコポリマーが挙げられる。任意の前述の天然ゼラチン状材料及び合成ポリマーから選択される任意の2つ以上の材料の混合物を、ゲル担体として使用することができる。少なくとも1つの実施形態では、ゲル担体が天然コラーゲン又はゼラチンを含む。少なくとも1つの実施形態では、ゲル担体が合成PVA又はPEGを含む。
【0064】
ゲル担体104は短期間(数週間~数ヶ月)内に受容哺乳動物被験体(又は、宿主哺乳動物被験体/host mammalian subject)の組織においてインビボで分解し得るか、又は長期間(例えば、60年以上)にわたって受容哺乳動物被験体の組織において持続し得る。ゲル担体は分解速度を低下させ、受容哺乳動物被験体の組織中に長期間、例えば、数時間、数日間、1週間もしくは数週間、1ヶ月もしくは数ヶ月間、又はさらには1年もしくは数年間にわたって持続するように、少なくとも部分的に架橋されてもよい。分解性である場合、受容哺乳動物被験体の組織における複合マーカーの分解速度は、ゲル担体の架橋の程度によって制御され得る。生物学的分解は、架橋の程度が増加することにつれて、より遅い速度で起こる。
【0065】
いくつかの実施形態では、ゲル担体がある期間にわたって少なくとも部分的に分解され、ゲル担体中又は担体上に担持された造影剤の少なくともいくつかを身体組織に曝露し得る。暴露された造影剤は短期間(数週間~数ヶ月)内に受容哺乳動物被験体の組織においてインビボで分解し得るか、又は長期間(例えば、60年以上)にわたって受容哺乳動物被験体の組織において持続し得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、ゲル担体の架橋度は、受容哺乳動物被験体の組織における複合マーカーの分解速度によって予め決定される。少なくとも1つの実施形態では、分解速度が、複合マーカーが受容哺乳動物被験体の組織中で少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、又は少なくとも9ヶ月の期間持続するような速度である。
【0067】
ゲル担体の架橋又は部分架橋は、物理的プロセス又は化学的修飾(架橋剤を使用して、又は使用せずに)によって達成することができる。適切な物理的プロセスは乾燥(例えば、凍結乾燥、臨界点乾燥、又は空気乾燥)、熱脱水、及び放射線(例えば、UV放射線又はγ線放射線)を含むが、これらに限定されない当業者に公知のものである。適切な化学的修飾は液相架橋(例えば、ゲルを架橋剤の溶液に浸漬して反応させ、未反応の架橋剤を洗浄除去する)、気相架橋(例えば、ゲルの架橋反応を架橋剤の蒸気下で行い、未反応の架橋剤を空気流で洗い流す)、及び超臨界流体架橋(例えば、ゲルを架橋剤を含有する超臨界流体と接触させて反応させる)を含むが、これらに限定されない当業者に公知のものである。
【0068】
少なくとも1つの実施形態では、ゲル担体が凍結及び/又は解凍によって少なくとも部分的に架橋される。
【0069】
少なくとも1つの実施形態において、ゲル担体は、架橋剤を使用することによって少なくとも部分的に架橋される。適切な架橋剤はアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジアルデヒド、デンプン、エポキシド、ジメチルアジピミデート、グルコセパン、カルボジイミド、ペントシジン、イソシアネート又はポリイソシアネート、金属架橋剤、イオン性架橋剤、アクリル化合物、アルギネート、スルフヒドリル、ゲニピン、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないポリマーの架橋に使用するための当業者に公知のものである。
【0070】
ゲル担体の架橋度は、架橋処理時間(物理的プロセスの場合)、架橋反応時間(化学的プロセスの場合)、架橋剤の濃度(化学的プロセスの場合)、操作温度又は圧力、及び他のプロセスパラメータ又は反応条件を変更することによって調整することができる。
【0071】
ゲル担体は、ゲル又はゲル形成材料から調製することができる。例えば、乾燥ゲル又はゲル形成材料を様々な濃度で蒸留水と混合して、得られた特性を特定の指標又は使用に合わせることができ、例えば、約1wt%(すなわち、100mlの蒸留水当たり1gのゲル又はゲル形成材料)~約50wt%、例えば、約1wt%~約10wt%、約4wt%~約10wt%、又は約4wt%~約6wt%の濃度である。
【0072】
複合マーカーは、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体とを含み得る。活性化及び/又は加水分解された蛍光染料及び少なくとも1つの造影剤は、ゲル担体中又はゲル担体上に担持される。
【0073】
図4Aは、哺乳動物被験体における標的部位をマーキングするために使用され得る複合マーカー400の例示的な実施形態を示す。少なくとも1つの実施形態において、複合マーカー400は、ゲル担体404の中又は上に担持された、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403と少なくとも1つの造影剤402を含む。ゲル担体404は、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403と少なくとも1つの造影剤402とを一緒に結合する。
【0074】
蛍光染料
活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403は複合マーカーを形成する際、蛍光染料をゲル担体に暴露するときに、蛍光染料を活性化及び/又は加水分解することによって形成されてもよい。語句「活性化及び/又は加水分解された蛍光染料」は蛍光染料材料をゲル担体に曝露して複合マーカーを調製する際に形成される蛍光染料分子の形態を指し、その過程中に蛍光染料分子が活性化及び/又は加水分解されて蛍光を発することができる。ゲル担体を使用して複合マーカーを形成することによって、蛍光染料分子は光退色効果が最小化され得るように、その活性化及び/又は加水分解形態で「ロックされる」(又は少なくとも延長される)。ICGを例に取ると、水溶液中では、ICGは780nmで最大吸収を有し、蛍光については比較的低い量子収率を有する。それにもかかわらず、遊離形態のICGは、血流から迅速に除去され、光退色し得る。複合マーカーを形成するためにICGをゲル担体に組み込む場合、ICGはゲル担体中の水成分に曝露されて活性化及び/又は加水分解され、これは溶液中のICGと同じ又は類似の吸収シグネチャを提供し得る。さらに、活性化及び/又は加水分解されたICGを複合マーカーに組み込むことは、ICG染料の漂白効果を減少させ、ICG染料を検出及びモニターすることができる有効時間を増加させることができる。
【0075】
適切な蛍光染料にはカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、及びメロシアニンなどのシアニン染料が含まれるが、これらに限定されない。例示的なシアニン染料は、インドシアニングリーンである。
【0076】
複合マーカー400はまた、少なくとも1つの造影剤402を含む。少なくとも1つの造影剤402は2つ以上の異なる造影剤を含むことができ、各造影剤は、互いに異なり、蛍光の検出とは異なるそれぞれの検出モダリティによって検出可能である。
【0077】
いくつかの実施態様において、少なくとも1つの造影剤402は、超音波イメージング信号の反射性を提供するために、少なくとも1つのキャビティを有する本体と、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とをそれぞれ含む複数の超音波反射要素102を含む。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの造影剤402は、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体405とを有する本体をそれぞれ含む複数の超音波反射要素102を含む。
【0078】
これらの実施形態では、超音波反射要素102がとる様々な形態、超音波反射要素102aの本体の形状及び材料、超音波反射要素を形成するための技術、超音波反射要素のキャビティ内に捕捉される流体105、超音波反射要素上のコーティング106、超音波反射要素のサイズ、及び
図1B-1C及び
図2A-2Dに示される例示的な実施形態を含む、超音波反射要素102に関する上記全ての説明及び実施形態はすべて、複合マーカー400内の少なくとも1つの造影剤402に関する実施形態又は実装に適用可能である。
【0079】
いくつかの実施形態では少なくとも1つの造影剤402が複数の超音波反射要素102を含み、各超音波反射要素はキャビティ102cを形成する外壁を有するシェル102a、又は2つ以上のキャビティ102cを有する多孔質粒子102aから形成される(
図1B及び1Cに示されるように)。いくつかの実施形態では、シェル又は多孔質粒子がシリカ又は二酸化チタンを含む。少なくとも1つの実施形態では、シェル又は多孔質粒子がシリカシェル又はシリカ粒子である。
【0080】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤402が複数の超音波反射要素102を含み、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、閉じ込められた流体(気体又は液体)405を含む少なくとも1つのキャビティを有する本体をそれぞれ含む。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの流体が少なくとも1つの流体の液体-気体転移を音響エネルギーによってトリガすることができる蒸発閾値を有する。流体の音響蒸発は、高強度集束超音波(HIFU)又は低強度集束超音波(LIFU)によって誘発されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤402がX線イメージング(例えば、コンピュータ断層撮影、蛍光透視法)によって検出可能な放射線不透過性材料を含む。適切な放射線不透過性材料は、少なくとも1つの造影剤103に関連して上述されている。
【0082】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤402が、蛍光染料ではない染料又は顔料などの、蛍光の検出以外の検出モダリティで視覚的に検出可能な材料を含む。例示的な視覚的に検出可能な材料は、顔料、可視の染料(又は、色素/dye)、及びUV染料(又は、UV色素/UV dye)である。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの造影剤がメチレンブルー及びインジゴ染料のうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤402が磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な材料を含む。適切なMRI検出可能材料は、少なくとも1つの造影剤103に関連して上述されている。
【0084】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤402が核ベースのイメージング(例えば、シンチグラフィー、陽電子放出断層撮影、又は単光子放射型コンピュータ断層撮影)によって検出可能な放射性物質を含む。適切な放射性物質は、少なくとも1つの造影剤103に関連して上述されている。
【0085】
活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403は、ゲル担体404中又はその上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて、担持されてもよい。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの造影剤402及び活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403は、ゲル担体404中又はその上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて、担持される。
図4Aは、少なくとも1つの造影剤402及び活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403が、ゲル担体404の中又は上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて、担持される、複合マーカー400の例示的実施形態を示す。
【0086】
蛍光染料がゲル担体中に分散される場合、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料がゲル担体に流出する(又は、ゲル担体から流出する/effusing out of the gel)のを防止するために、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料は、シェルのコーティング又はカプセル化をさらに含んでもよい。シェルのこのコーティング又はカプセル化は、ホウ酸塩、アルミナ、炭酸塩、重炭酸塩、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、二酸化チタン、及びリン酸塩を含むがこれらに限定されない様々な無機材料から形成することができる。これらの無機材料のいずれも、モノマー塩の形態であっても、ポリマー又は縮合形態であってもよい。これらの無機材料のいずれかは、1つ又は複数の他の無機材料と混合されてもよい。例示的な無機材料は、シリカ及び二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態では、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料がシリカ又は二酸化チタンコーティング又はシリカ又は二酸化チタンシェルのカプセル化をさらに含む。
【0087】
少なくとも1つの造影剤がゲル担体中に分散される場合、少なくとも1つの造影剤がゲル担体から流出するのを防止するために、少なくとも1つの造影剤は、シェルのコーティング又はカプセル化をさらに含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料は、少なくとも1つの造影剤402上に担持されても、又はその中に埋め込まれてもよい。例えば、
図4Bでは、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403が少なくとも1つの造影剤402上に担持されるか、又はその中に埋め込まれる。
【0089】
少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つの造影剤402は複数の超音波反射要素102を含み、各々は超音波イメージング信号の反射性を提供するために、封入された流体(気体又は液体)405を含む少なくとも1つのキャビティをそれぞれ有する本体を含み、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料は、少なくとも1つの造影剤402上に担持されても、又はその中に埋め込まれてもよい。例えば、
図4Bでは、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料403が捕捉された流体405と共に、超音波反射要素402(又は102)上に担持されるか、又はその中に埋め込まれる。この実施形態では、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が
図2A-2Dに示される例示的な実施形態と同様に、超音波反射要素のキャビティ内にあってもよく、及び/又は超音波反射要素の本体内に埋め込まれてもよい。
【0090】
少なくとも1つの実施形態では、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料、例えばICGはシングルエマルジョン法を使用して、流体(例えば、ペルフルオロカーボン流体)と一緒に超音波反射要素(例えば、シリカシェル又はシリカ粒子)中に捕捉することができる。
【0091】
複合マーカー400はまた、ゲル担体404を含み、これは、天然ゼラチン状材料、合成ポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0092】
ゲル担体のための適切な材料、ゲル担体の架橋、ゲル担体の形態及びサイズ、ならびにゲル担体の調製を含む、ゲル担体104に関連して議論された上記のすべての説明及び実施形態は、複合マーカー400におけるゲル担体404に関連する実施形態又は実装にすべて適用可能である。
【0093】
少なくともいくつかの実施態様では、複合マーカーが、例えば、身体組織に移植されたときに、拡張可能(expandable)であってもよい。複合マーカーは急速に水和することができ、場合によっては24時間以内に水性環境内に配置された場合に完全な水和を達成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、複合マーカーが非拡張状態において、約2mm~約40mmの長さ及び約0.5mm~約2mmの横断寸法を有することができる。複合マーカーは、約1:1.5から約1:10の、乾燥未膨張状態から水飽和膨張状態へのサイズ膨張比を有することができる。複合マーカーは、約1:2から約1:3の、乾燥未膨張状態から水飽和膨張状態へのサイズ膨張比を有することができる。
【0095】
複合マーカーは、複合マーカーを成形する際に使用される型に応じて、様々な形態をとることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、複合マーカーが約1cmから約10cm、例えば、約2cmから約8cmの軸方向長さを有することができる。例示的な実施形態では、2mmシリコーンチューブに成形された複合マーカーの外側横断寸法が約0.025から約0.031インチ、約0.026から約0.030インチ、又は約0.027から約0.028インチであってもよい。それは約7から約7.8mgの乾燥重量を有してもよく、場合によっては約22mmから約24mmの軸方向長さを有することができる。複合マーカーを水中に浸漬すると、複合マーカーは、場合によっては約23mmから約25mmの軸方向長さを有する約1.5mmの外側横断寸法まで膨張することができる。例示的な実施形態では、2.4mmシリコーンチューブに成形された複合マーカーの外側横断寸法が凍結乾燥され、その後圧縮された後、約0.026から約0.034インチ、約0.029から約0.033インチ、又は約0.031から約0.032インチであってもよい。それは、約6.2mgから約8mgの乾燥重量を有し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、複合マーカーがペレット形状、すなわち、比較的短い軸方向長さを有することができる。例えば、複合マーカーは、約1mmから約3mmの横断寸法及び約2mmから約10mmの軸方向長さを有することができる。
【0098】
複合マーカーを形成するためのキットは、複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル又はゲル形成材料とを含むことができる。各超音波反射要素はそれぞれ、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体を備える。少なくとも1つの造影剤は、各超音波反射要素の外層には含まれない。ゲル又はゲル形成材料は、複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤と混合されるとき、ゲル担体中又はゲル担体上に複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤を担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成する。キットは、架橋剤をさらに含んでもよい。
【0099】
超音波反射要素102、少なくとも1つの造影剤103、及びゲル担体104に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー100に関する上記のすべての説明及び実施形態は、複合マーカーを形成するためのキットの実施形態又は実装形態にすべて適用可能である。
【0100】
複合マーカーを形成するためのキットは、蛍光染料、;蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤、;及びゲル又はゲル形成材料を含み得る。少なくとも1つの造影剤及び蛍光染料と混合される場合、ゲル又はゲル形成材料は、ゲル担体中又はその上に少なくとも1つの造影剤及び蛍光染料を担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成するゲル担体をもたらす。キットは、架橋剤をさらに含んでもよい。
【0101】
蛍光染料403、少なくとも1つの造影剤402、及びゲル担体404に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー400に関する上記の態様で論じられたすべての上記の説明及び実施形態は、すべて、複合マーカーを形成するためのキットの実施形態又は実装形態に適用可能である。
【0102】
複合マーカーを形成するための方法は、1)複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ含む該複数の超音波反射要素と、2)超音波イメージングとは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、少なくとも1つのイメージング材料は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、3)超音波反射要素ゲル又はゲル形成材料と、を混合し、複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成することを含む。
【0103】
超音波反射要素102、少なくとも1つの造影剤103、及びゲル担体104に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー100に関する上記の態様で論じられたすべての上記の説明及び実施形態は、すべて、複合マーカー100を形成するための方法に適用可能である。
【0104】
いくつかの実施形態では、複数の超音波反射要素が、造影剤が超音波反射要素によって担持され得るように、最初に少なくとも1つの造影剤と混合される。いくつかの実施形態では複数の超音波反射要素が超音波反射要素を調製するプロセス中に少なくとも1つの造影剤と混合され、その結果、造影剤は超音波反射要素によって担持され得る。混合は、少なくとも1つの造影剤を超音波反射要素のキャビティ内に注入し得る。混合は、超音波反射要素の本体内に少なくとも1つの造影剤を注入し得る。
【0105】
次いで、少なくとも1つの造影剤を担持する複数の超音波反射要素をゲル又はゲル形成材料と混合し、複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成する。
【0106】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの造影剤及びゲル又はゲル形成材料が1つの工程で一緒に混合され、したがって、造影剤はゲル担体中又は上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、複数の超音波反射要素、少なくとも1つの造影剤、及びゲル又はゲル形成材料はすべて、1つのステップで一緒に混合され、その結果、複数の超音波反射要素及び造影剤はゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持されてもよい。
【0108】
複合マーカーを形成するための方法は、1)蛍光染料と、2)蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、3)ゲル又はゲル形成材料とを混合して、ゲル担体中又はゲル担体上に蛍光染料及び少なくとも1つの造影剤を担持するゲル担体をもたらし、複合マーカーを形成することを含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、混合ステップが、蛍光染料をゲル又はゲル形成材料に暴らして(又は、暴露して)ゲル担体中又はゲル担体上に担持された活性化及び/又は加水分解蛍光染料を形成することをさらに含む。
【0110】
蛍光染料403、少なくとも1つの造影剤402、及びゲル担体404に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー400に関する上記態様において議論された全ての上記説明及び実施形態は、全て、複合マーカー400を形成するための方法に適用可能である。
【0111】
いくつかの実施形態では、蛍光染料が最初に少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)と混合され、その結果、蛍光染料は少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)によって担持されてもよい。いくつかの実施形態では、蛍光染料が少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)を調製するプロセス中に、少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)と混合され、その結果、蛍光染料は少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)によって担持されてもよい。混合は少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)のキャビティ内に蛍光染料を注入することができる。混合は少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)の本体内に蛍光染料を注入することができる。
【0112】
次いで、蛍光染料を担持する少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)をゲル又はゲル形成材料と混合して、蛍光染料及び少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして、複合マーカーを形成する。
【0113】
いくつかの実施形態では、蛍光染料及びゲル又はゲル形成材料は、1つのステップで一緒に混合され、その結果、蛍光染料は、ゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持されてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、蛍光染料、少なくとも1つの造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)、及びゲル又はゲル形成材料は、1つのステップですべて一緒に混合され、その結果、蛍光染料及び造影剤(例えば、複数の超音波反射要素)がゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持されてもよい。
【0115】
複合マーカーを形成するための方法は、ゲル担体に物理的プロセス又は化学的修飾を実施して、ゲル担体を少なくとも部分的に架橋するステップをさらに含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、この方法は、ゲル担体を少なくとも部分的に架橋するために、乾燥(例えば、凍結乾燥、臨界点乾燥、又は空気乾燥)、熱脱水、又は放射(例えば、UV放射又はγ線放射)をさらに含む。少なくとも1つの実施形態において、本方法はゲル担体を少なくとも部分的に架橋するために、凍結及び/又は解凍をさらに含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、本方法は、ゲル担体を少なくとも部分的に架橋するために、ゲル又はゲル形成材料に架橋剤を添加することをさらに含む。適切な架橋剤は、上記で議論されている。
【0118】
複合マーカーを形成するための方法は、所望の形状に基づく金型(例えば、管状金型)によって複合マーカーを成形/鋳造することをさらに含んでもよい。例えば、複合マーカーは、シリコーンチューブの内側円筒キャビティ内に成形されてもよく、複合マーカーは凍結及び/又は凍結乾燥されてもよく、複合マーカーは内側円筒キャビティから押し出されてもよく、複合マーカーは、複合マーカーが注射器アプリケータのカニューレの内腔内に適合するように、空気を除去し体積及び外形を低減するために、押圧(又は圧縮)されてもよい。複合マーカーはまた、シリコーンチューブの内腔内に配置されたまま、凍結乾燥された後に圧縮及び脱気されてもよい。いくつかの実施形態では、凍結乾燥された複合マーカーが、エアポケットを除去し輪郭を縮小するために、2つのシリコーンシート表面の間でそれらを転がすことによって圧縮されてもよい。
【0119】
複合マーカーを形成するための方法において、全てのタイプの造影剤(超音波反射要素、蛍光染料、及び他の造影剤を含む)及びゲル又はゲル形成材料の総量は約0.1mg/ml(すなわち、1mlのゲル又はゲル形成材料あたり0.1mgの造影剤)から約10mg/ml、例えば、約0.1mg/mlから約8mg/ml、又は約2mg/mlから約5mg/mlの範囲の比率で使用され得る。
【0120】
複合マーカーを形成するための例示的な実施形態では、メチレンブルー又はICG溶液/懸濁液(エタノール中)(約5%)を、約2mgのシリカシェル及び約1mlのキトサンと混合する。混合物は軟質弾性材料から作製された管状金型(例えば、約2.3mmから約2.5mmの内腔直径を有する管状シリコーン金型)の内側円筒キャビティ内に投与分配(例えば、注入)される。次いで、シリコーンチューブを凍結させ、続いて20-25%水酸化ナトリウム溶液で凍結乾燥させる。
【0121】
複合マーカーを形成するための例示的な実施形態では、メチレンブルー又はICG溶液/懸濁液(エタノール中)(約5%)を、約2mgのシリカシェル及び約1mlの5wt%-10wt% PVA水溶液(99%加水分解;MW 78,000)と混合する。混合物をシリコーンチューブに注入する。次いで、チューブを凍結し、続いて20-25%水酸化ナトリウム溶液で凍結乾燥する。
【0122】
次いで、凍結乾燥された複合マーカーは鋳型(例えば、シリコーンチューブ)から除去されることができ、そして正確かつタイムリーな展開のために十分な干渉を伴って(with sufficient interference)、種々のサイズのシリンジアプリケータデバイス(例えば、標準14ゲージ、又は19ゲージもしくは20ゲージ)に適合するように、サイズ決定及び構成され得る。
【0123】
哺乳動物被験体における標的部位をマーキングする方法は、複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素が、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティ及び少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体を有する本体をそれぞれ含む、該複数の超音波反射要素と、超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能である少なくとも1つの造影剤であって、少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体と、を含む複合マーカーであって、前記超音波反射要素と前記少なくとも1つの造影剤が、前記ゲル担体内又はゲル担体上に担持される、該複合マーカーを哺乳動物被験体における標的部位に非経口的に投与することを含み得る。この方法はまた、標的部位及び複合ゲルマーカーを、超音波イメージング又は少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを用いて検出することを含む。
【0124】
超音波反射要素102、少なくとも1つの造影剤103、及びゲル担体104に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー100に関する上記の態様で論じられたすべての上記の説明及び実施形態は、すべて、哺乳動物被験体における標的部位をマーキングする方法に適用可能である。
【0125】
いくつかの実施形態では、標的部位は腫瘍を含む。この方法は、検出ガイダンス(又は、検出のガイド/detection guidance)として少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティ又は超音波イメージングを使用して腫瘍を外科的に切除することをさらに含み、前記検出ガイダンスは、標的部位及び複合ゲルマーカーを検出する際に使用される検出モダリティとは異なる。
【0126】
哺乳動物被験体において標的部位をマーキングする方法は、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、ゲル担体とを含む複合マーカーであって、前記活性化及び/又は前記加水分解された蛍光染料と前記少なくとも1つの造影剤が前記ゲル担体中又はゲル担体上に担持される、該複合マーカーを、哺乳動物被験体に非経口的に投与する工程を含み得る。この方法はまた、標的部位及び複合ゲルマーカーを、蛍光を検出する検出モダリティ、又は蛍光の検出とは異なる、少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティで検出することを含む。
【0127】
蛍光染料403、少なくとも1つの造影剤402、及びゲル担体404に関する説明及び実施形態を含む、複合マーカー400に関する上記態様において議論された全ての上記説明及び実施形態は、すべて、哺乳動物被験体における標的部位をマーキングする方法に適用可能である。
【0128】
いくつかの実施形態では、標的部位は腫瘍を含む。この方法は、検出ガイダンスとして少なくとも1つの造影剤を検出することができる蛍光の検出とは異なる検出モダリティ、又は、蛍光を検出する検出モダリティを使用して、腫瘍を外科的に切除することをさらに含み、前記検出ガイダンスは、標的部位及び複合ゲルマーカーを検出する際に使用される検出モダリティとは異なる。
【0129】
哺乳動物被験体における標的部位をマーキングする方法において、複合マーカーは、当業者に公知の任意の投与経路を介して、哺乳動物被験体における標的部位に非経口的に投与され得る。例えば、複合マーカーの非経口投与は注射によって、例えば、針及び注射器を使用することによって、又は留置カテーテルの挿入によって実施され得る。この場合、複合マーカーのサイズ及び形状は、針、シリンジ、又はカテーテルの内部サイズ及び形状に適合するように調節され得る。ゼラチンマーカーを組織及び適切なアプリケータに投与及び送達するために使用され得る特定の技術についてのより詳細な説明は例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第15/946,479号に見出され得る。
【0130】
別段の指示がない限り、本明細書における複合マーカーの「検出すること(detecting)」又は「検出(detection)」という用語の使用は、複合マーカーの周囲又は隣接する標的部位における組織(又は他の物質)のリターンシグナルとは異なる複合マーカーからのリターンシグナルの認識を指す。例えば、複合マーカーの直接的な視覚的検出は例えば、マーカーと周囲組織との間の色又は蛍光コントラストの差異に起因して、周囲組織に対して複合マーカーを見る観察者の能力を含み得る。超音波によって検出された複合マーカーは、そのような複合マーカーの周囲又は近傍の組織によって反射された超音波信号に対して、強度、波長、位相などが異なる超音波信号を反射することができる。加えて、多くの場合、有効な検出は、典型的には蛍光透視法、超音波、及び磁気共鳴イメージング(MRI)の場合のようにオペレータが見るためのディスプレイスクリーン上への画像投影を含む必要がない。複合マーカーの検出は、三角測量などの方法によって、三次元空間内の複合マーカーの位置を特定するために、原点の複数の点から投影され得る複合マーカーによる何らかのタイプの高エネルギー信号の反射又は戻り(又は、リターン)を含んでもよい。このような技術は、高エネルギー信号の原点の複数の点の位置に対する複合マーカーの位置情報を提供することができる。オーディオ検出に関して、可聴音は、複合マーカーに対するプローブの近接度及び/又は複合マーカーに対するプローブの適切な方向性の関数として、ピッチ、強度、周波数などを増加させるように構成されてもよい。
【0131】
いくつかの例では、複合マーカーが2つ以上の異なる検出モダリティによって検出されてもよい。X線透視、コンピュータ断層撮影(CT)画像診断、及び/又はMRIなどの特定の検出モダリティは、組織病変の位置を同定するために放射線科医などの専門家によって使用される。視覚イメージング(色又は蛍光によるマーカーの直接観察)及び/又は超音波イメージング(例えば、カラーフロードップラー超音波イメージング)などの特定の異なる検出モダリティを外科医などの専門家が使用して、おそらくは組織病変の外科的除去又は他のタイプの治療中に、後続の治療手順を容易にすることができる。特定の異なる検出モダリティを使用して、患者から外科的に除去した後、又は任意の他の適切な適応症(indication)について、切除された組織を評価し得る。
【0132】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない要素が存在しない場合に適切に実施することができる。したがって、例えば、本明細書の各例において、用語「含む」、「本質的に含む」、及び「からなる」のいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。使用された用語及び表現は説明の用語として使用され、限定の用語ではなく、そのような用語及び表現の使用は示され、説明された特徴又はその一部のいかなる均等物も除外せず、様々な修正が可能である。用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」はそれが文脈上明らかでない限り、それが改変する要素の1つ又は複数を指すことができる(例えば、「1つの試薬」は、1つ又は複数の試薬を意味することができる)。したがって、実施形態は代表的な実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されたが、本明細書で開示された概念の修正及び変形は当業者に頼ることができ、そのような修正及び変形は本開示の範囲内であると考えられることを理解されたい。
【0133】
米国特許出願第62/941,336号、2019年11月27日出願、「COMPOSITE TISSUE MARKERS DECTABLE VIA MULTIPLE DETECTION MODALITIES」、第62/941,337号、2019年11月27日出願、「COMPOSITE TISSUE MARKERS DETECTABLE VIA MULTIPLE DETECTION MODALITIES INCLUDING RADIOPAQUE WIRE」、第63/073,285号、2020年9月1日出願、「COMPOSITE TISSUE MARKERS DECTABLE VIA MULTIPLE DETECTION MODALITIES INCLUDING RADIOPAQUE ELEMENT」、及び米国特許出願第15/946,479の教示を、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0134】
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
上記の詳細な説明に関して、その中で使用される同様の参照番号は、同じ又は同様の寸法、材料、及び構成を有し得る同様の要素を指す。特定の形態の実施形態を図示し説明してきたが、本発明の実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることは明らかであろう。したがって、本発明は、前述の詳細な説明によって限定されることを意図するものではない。
<請求項1>
複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える、該複数の超音波反射要素と、
超音波イメージングとは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、
ゲル担体と、を含み、前記超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤は、前記ゲル担体内又はゲル担体上に担持される、複合マーカー。
<請求項2>
各超音波反射要素が、キャビティを形成する外壁を有するシェル、又は2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子から形成され、前記シェル又は多孔質粒子がシリカ又は二酸化チタンを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項3>
前記シェル又は多孔質粒子がシリカシェル又はシリカ粒子である、請求項2に記載の複合マーカー。
<請求項4>
前記超音波反射要素の前記少なくとも1つのキャビティは、超音波イメージング信号の反射を提供するために、閉じ込められた気体又は液体を含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項5>
前記少なくとも1つの流体は、前記少なくとも1つの流体の液体-気体転移が任意選択で高強度集束超音波(HIFU)によって提供される音響エネルギーによってトリガされ得る蒸発閾値を有する、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項6>
各超音波反射要素が多孔質である、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項7>
各超音波反射要素が、その1つ又は複数の細孔を少なくとも一時的に封止する疎水性コーティングを含む、請求項6に記載の複合マーカー。
<請求項8>
前記少なくとも1つの造影剤が2つ以上の異なる造影剤を含み、それぞれが、超音波イメージングとは異なるとともに互いに異なるそれぞれの検出モダリティによって検出可能である、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項9>
前記少なくとも1つの造影剤が、シリカもしくは二酸化チタンコーティング又はシリカもしくは二酸化チタンシェルのカプセルをさらに含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項10>
前記少なくとも1つの造影剤が、ゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持される、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項11>
前記複数の超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤は、ゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持される、請求項10に記載の複合マーカー。
<請求項12>
前記少なくとも1つの造影剤が、X線イメージングによって検出可能な放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項13>
放射線不透過性材料が、ステンレス鋼、白金、金、イリジウム、チタン、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択される放射線不透過性金属、前記放射線不透過性金属の合金、前記放射線不透過性金属の酸化物、前記放射線不透過性金属の硫酸塩、前記放射線不透過性金属の炭酸塩、又はそれらの組み合わせである、請求項12に記載の複合マーカー。
<請求項14>
前記少なくとも1つの造影剤が、視覚的に検出可能な染料又は顔料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項15>
前記少なくとも1つの造影剤が、顔料、可視染料、蛍光染料、近赤外染料、又はUV染料のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の複合マーカー。
<請求項16>
前記少なくとも1つの造影剤が、メチレンブルー、インジゴ染料、又はインドシアニングリーンのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の複合マーカー。
<請求項17>
前記少なくとも1つの造影剤が、磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性化合物、又は水素以外の非ゼロスピン核を含有する化合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項18>
前記少なくとも1つの造影剤が、マンガン又はマンガンベースの化合物、ガドリニウム又はガドリニウムベースの化合物、又はグルコン酸第一鉄、硫酸第一鉄、酸化鉄、又は白金鉄のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の複合マーカー。
<請求項19>
前記少なくとも1つの造影剤が、核ベースのイメージングによって検出可能な放射性物質を含有する、請求項1に記載の複合マーカー。
<請求項20>
前記ゲル担体が天然ゼラチン状材料、合成ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の複合マーカー。
<請求項21>
前記ゲル担体が、
i)コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、及びアルブミンからなる群より選択されるタンパク質、
ii)セルロース又はメチルセルロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、及びアルギン酸カルシウムからなる群から選択される多糖、
iii)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール-CO-乳酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミン、ポリオキサアミド、ポリオキサエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択される合成ポリマー、又はi)、ii)、もしくはiii)からのいずれか2つ以上の混合物を含む、請求項20に記載の複合マーカー。
<請求項22>
前記ゲル担体が、少なくとも部分的に架橋され、任意選択で物理的プロセス、化学修飾によって、及び/又は架橋剤を使用して処理される、請求項20に記載の複合マーカー。
<請求項23>
前記ゲル担体が、アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジアルデヒド、デンプン、エポキシド、ジメチルアジピミデート、グルコセパン、カルボジイミド、ペントシジン、イソシアネート又はポリイソシアネート、金属架橋剤、イオン架橋剤、アクリル化合物、アルギン酸塩、スルフヒドリル、ゲニピン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される架橋剤を使用することによって少なくとも部分的に架橋される、請求項22に記載の複合マーカー。
<請求項24>
前記ゲル担体が、凍結及び/又は解凍によって少なくとも部分的に架橋される、請求項22に記載の複合マーカー。
<請求項25>
前記ゲル担体の架橋度が、受容哺乳動物被験体の組織における複合マーカーの分解速度によって予め決定される、請求項22に記載の複合マーカー。
<請求項26>
前記受容哺乳動物被験体の組織における前記複合マーカーの前記分解速度は、前記複合マーカーが前記受容哺乳動物被験体の組織において、少なくとも3週間の期間、及び任意選択で約9ヶ月以上の期間持続するようなものである、請求項25に記載の複合マーカー。
<請求項27>
活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、
蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、
ゲル担体と、を含み、前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料及び前記少なくとも1つの造影剤が、前記ゲル担体中又はゲル担体上に担持される、複合マーカー。
<請求項28>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が、前記複合マーカーを形成する際に、前記蛍光染料を前記ゲル担体に曝すときに、蛍光染料を活性化及び/又は加水分解することによって形成される、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項29>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料がシアニン染料である、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項30>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光シアニン染料が、カルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、及びメロシアニンからなる群から選択される、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項31>
前記シアニン染料がインドシアニングリーンである、請求項30に記載の複合マーカー。
<請求項32>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が、前記少なくとも1つの造影剤上に担持されるか、又はその中に埋め込まれる、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項33>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が、シリカもしくは二酸化チタンコーティング又はシリカもしくは二酸化チタンシェルのカプセルをさらに含む、請求項32に記載の複合マーカー。
<請求項34>
前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が、ゲル担体中又はゲル担体上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持される、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項35>
前記少なくとも1つの造影剤及び前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料が、ゲル担体中又はゲル担体中上に、その中に分散させて、任意選択でコロイド分散させて担持される、請求項34に記載の複合マーカー。
<請求項36>
前記少なくとも1つの造影剤は、超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える複数の超音波反射要素を備える、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項37>
各超音波反射要素が、キャビティを形成する外壁を有するシェル、又は2つ以上のキャビティを有する多孔質粒子から形成され、前記シェル又は多孔質粒子がシリカ又は二酸化チタンを含む、請求項36に記載の複合マーカー。
<請求項38>
前記シェル又は多孔質粒子がシリカシェル又はシリカ粒子である、請求項37に記載の複合マーカー。
<請求項39>
前記超音波反射要素の前記少なくとも1つのキャビティは超音波イメージング信号の反射を提供するために、閉じ込められた気体又は液体を含む、請求項36に記載の複合マーカー。
<請求項40>
前記少なくとも1つの流体は、前記少なくとも1つの流体の液体-気体転移が任意選択で高強度集束超音波(HIFU)によって提供される音響エネルギーによってトリガされ得る蒸発閾値を有する、請求項36に記載の複合マーカー。
<請求項41>
前記少なくとも1つの造影剤が、それぞれが蛍光の検出とは異なるとともに互いに異なるそれぞれの検出モダリティによって検出可能である2つ以上の異なる造影剤を含む、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項42>
前記少なくとも1つの造影剤が、X線イメージングによって検出可能な放射線不透過性材料を含む、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項43>
前記放射線不透過性材料が、ステンレス鋼、白金、金、イリジウム、チタン、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択される放射線不透過性金属、前記放射線不透過性金属の合金、前記放射線不透過性金属の酸化物、前記放射線不透過性金属の硫酸塩、前記放射線不透過性金属の炭酸塩、又はそれらの組み合わせである、請求項42に記載の複合マーカー。
<請求項44>
前記少なくとも1つの造影剤が、蛍光の検出以外の検出モダリティで視覚的に検出可能な染料又は顔料材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項45>
前記少なくとも1つの造影剤が、顔料、可視染料、又はUV染料のうちの少なくとも1つを含む、請求項44に記載の複合マーカー。
<請求項46>
前記少なくとも1つの造影剤が、磁気共鳴イメージング(MRI)によって検出可能な、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性化合物、又は水素以外の非ゼロスピン核を含有する化合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項47>
前記少なくとも1つの造影剤が、マンガン又はマンガンベースの化合物、ガドリニウム又はガドリニウムベースの化合物、又はグルコン酸第一鉄、硫酸第一鉄、酸化鉄、又は白金鉄のうちの少なくとも1つを含む、請求項46に記載の複合マーカー。
<請求項48>
前記少なくとも1つの造影剤が、核ベースのイメージングによって検出可能な放射性物質を含む、請求項27に記載の複合マーカー。
<請求項49>
前記ゲル担体が、天然ゼラチン状材料、合成ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項27~48のいずれか一項に記載の複合マーカー。
<請求項50>
前記ゲル担体が、
I)コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、及びアルブミンからなる群より選択されるタンパク質、
II)セルロース又はメチルセルロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、及びアルギン酸カルシウムからなる群から選択される多糖、
III)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコール-CO-乳酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミン、ポリオキサアミド、ポリオキサエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択される合成ポリマー、又はI)、II)、もしくはIII)からのいずれか2つ以上の混合物を含む、請求項49に記載の複合マーカー。
<請求項51>
前記ゲル担体が、少なくとも部分的に架橋され、任意選択で物理的プロセス、化学修飾によって、及び/又は架橋剤を使用して処理される、請求項49に記載の複合マーカー。
<請求項52>
前記ゲル担体が、アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジアルデヒド、デンプン、エポキシド、ジメチルアジピミデート、グルコセパン、カルボジイミド、ペントシジン、イソシアネート又はポリイソシアネート、金属架橋剤、イオン架橋剤、アクリル化合物、アルギン酸塩、スルフヒドリル、ゲニピン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される架橋剤を使用することによって少なくとも部分的に架橋される、請求項51に記載の複合マーカー。
<請求項53>
前記ゲル担体が、凍結及び/又は解凍によって少なくとも部分的に架橋される、請求項52に記載の複合マーカー。
<請求項54>
前記ゲル担体の架橋度が、受容哺乳動物被験体の組織における複合マーカーの分解速度によって予め決定される、請求項51に記載の複合マーカー。
<請求項55>
前記受容哺乳動物被験体の組織における前記複合マーカーの前記分解速度は、前記複合マーカーが前記受容哺乳動物被験体の組織において、少なくとも3週間の期間、及び任意選択で約9ヶ月以上の期間持続するようなものである、請求項54に記載の複合マーカー。
<請求項56>
複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える、該複数の超音波反射要素と、
超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、
ゲル又はゲル形成材料であって、前記複数の超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤と混合されると、ゲル担体内又はゲル担体上に複数の超音波反射要素及び少なくとも1つの造影剤を担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成する、該ゲル又はゲル形成材料と、を含む複合マーカーを形成するためのキット。
<請求項57>
蛍光染料、
蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、
ゲル又はゲル形成材料であって、前記少なくとも1つの造影剤及び前記蛍光染料と混合されると、ゲル担体中又はゲル担体上に前記少なくとも1つの造影剤及び前記蛍光染料を担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成する、該ゲル又はゲル形成材料と、を含む複合マーカーを形成するためのキット。
<請求項58>
架橋剤をさらに含む、請求項56又は57に記載のキット。
<請求項59>
1)複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える、該複数の超音波反射要素と、
2)超音波イメージングとは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つのイメージング材料は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、
3)ゲル又はゲル形成材料と、を混合し、前記複数の超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成することを含む、複合マーカーを形成する方法。
<請求項60>
1)蛍光染料、
2)蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤、及び
3)ゲル又はゲル形成材料を混合し、前記蛍光染料及び前記少なくとも1つの造影剤をゲル担体内又はゲル担体上に担持するゲル担体をもたらして複合マーカーを形成することを含む、複合マーカーを形成する方法。
<請求項61>
混合が、前記ゲル又はゲル形成材料に前記蛍光染料を暴らして、ゲル担体中又はゲル担体上に担持された、活性化及び/又は加水分解された蛍光染料を形成することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
<請求項62>
前記ゲル担体を少なくとも部分的に架橋するために架橋剤を添加することをさらに含む、請求項60又は61に記載の方法。
<請求項63>
前記ゲル担体を少なくとも部分的に架橋するために凍結及び/又は解凍することをさらに含む、請求項60又は61に記載の方法。
<請求項64>
哺乳動物被験体において標的部位をマーキングする方法であって、
複数の超音波反射要素であって、各超音波反射要素は超音波イメージング信号の反射を提供するために、少なくとも1つのキャビティと、前記少なくとも1つのキャビティ内の少なくとも1つの流体とを有する本体をそれぞれ備える該複数の超音波反射要素と、
超音波イメージングとは異なる検出モダリティを介して検出可能な少なくとも1つの造影剤であって、前記少なくとも1つの造影剤は各超音波反射要素の外層に含まれない、該少なくとも1つの造影剤と、
ゲル担体であって、前記超音波反射要素及び前記少なくとも1つの造影剤が、ゲル担体内又はゲル担体上に担持される、該ゲル担体と、を含む複合マーカーを、哺乳動物被験体の標的部位に非経口的に投与するステップ、及び
超音波イメージング又は前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを用いて、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出するステップ、を含む方法。
<請求項65>
前記標的部位が腫瘍を含み、前記方法が検出ガイダンスとして、超音波イメージング又は前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを使用して前記腫瘍を外科的に切除するステップをさらに含み、前記検出ガイダンスが、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出する際に使用される前記検出モダリティとは異なる、請求項64に記載の方法。
<請求項66>
哺乳動物被験体において標的部位をマーキングする方法であって、
活性化及び/又は加水分解された蛍光染料と、
蛍光の検出とは異なる検出モダリティによって検出可能な少なくとも1つの造影剤と、
ゲル担体であって、前記活性化及び/又は加水分解された蛍光染料及び前記少なくとも1つの造影剤が前記ゲル担体内又はゲル担体上に担持される、該ゲル担体と、を含む複合マーカーを、哺乳動物被験体に非経口的に投与するステップ、及び
蛍光を検出する検出モダリティ又は蛍光の検出とは異なり、前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを用いて、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出するステップ、を含む方法。
<請求項67>
前記標的部位が腫瘍を含み、前記方法が、検出ガイダンスとして、蛍光を検出する検出モダリティ又は蛍光の検出とは異なり、前記少なくとも1つの造影剤を検出することができる検出モダリティを使用して、前記腫瘍を外科的に切除することをさらに含み、前記検出ガイダンスが、前記標的部位及び前記複合ゲルマーカーを検出する際に使用される前記検出モダリティとは異なる、請求項66に記載の方法。