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特許7421265不揮発性メモリ装置及びその動作方法並びにメモリシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置及びその動作方法並びにメモリシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20240117BHJP
   G06F 11/10 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
G06F12/00 560F
G06F12/00 560B
G06F12/00 597U
G06F11/10 608
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018232797
(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公開番号】P2019109887
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】10-2017-0174926
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 澤 壽
(72)【発明者】
【氏名】朴 贊 益
(72)【発明者】
【氏名】申 ヒョン 昇
(72)【発明者】
【氏名】蒋 尚 煥
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特許第3260357(JP,B2)
【文献】特開2012-226822(JP,A)
【文献】特開2013-117884(JP,A)
【文献】特表平06-502937(JP,A)
【文献】特開2010-134697(JP,A)
【文献】特開2012-256820(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0337466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G11C 16/04
G11C 16/26
G06F 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリ装置であって、
複数の不揮発性メモリセルを含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路と、
前記メモリセルアレイに格納され、前記ページバッファ回路を介して受信するユーザデータセットに含まれる情報ビット及びウェイトビットに対して、一定のサイズを有する演算ウィンドウに基づいて、前記情報ビットの中から前記演算ウィンドウ内のビットのマトリックスに対して乗算演算を実行することを含む演算を実行する演算回路と、
前記演算回路に接続されるデータ入出力回路と、を有し、
前記演算回路は、すべての前記情報ビット及び前記ウェイトビットに対する前記演算が完了したことに応答して、前記演算の結果である出力データセットを前記データ入出力回路に提供することを特徴とする不揮発性メモリ装置。
【請求項2】
前記ユーザデータセットと関連したパリティデータに基づいて前記情報ビット及び前記ウェイトビットの少なくとも1つのエラービットを訂正し、訂正されたユーザデータセットを前記演算回路に提供するエラー訂正コード(error correction code:以下、ECC)エンジンをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項3】
前記演算回路は、前記ウェイトビットを前記演算ウィンドウに基づいて分割して特性マップに順次に提供し、前記情報ビットと各特性マップとの関連性に基づいて前記情報ビットを分割してアクティベーション(活性化)を順次に提供するシフトレジスタブロックと、
前記特性マップの各々と対応する前記アクティベーションの各々に対して「マトリックス-ベクトル乗算」を実行し、前記「マトリックス-ベクトル乗算」の結果を累積し、前記アクティベーションと前記特性マップに対する前記「マトリックス-ベクトル乗算」が完了することによって算出された前記出力データセットを提供する乗算及び累積回路と、
書込イネーブル信号に応答して前記出力データセットを格納し、前記出力データセットを前記データ入出力回路に提供するデータバッファと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項4】
前記シフトレジスタブロックは、第1シフトビットを出力するように、前記ウェイトビットを、それぞれ「P×Q」(P、Qは、自然数)マトリックス形態を有するように配置した前記特性マップで構成し、前記特性マップの各々が第1演算ウィンドウに順次に出力されるように前記ウェイトビットをシフトさせる第1シフトレジスタと、
第2シフトビットを出力するように、前記情報ビットと前記ウェイトビットとの関連性に基づいて複数の「L×L」(Lは、4以上の自然数)マトリックス形態を有するように配置し、複数のサブデータセットに対応する前記アクティベーションで構成し、前記アクティベーションの各々が各々「P×Q」マトリックス形態を有する第2演算ウィンドウに順次に出力されるように前記情報ビットをシフトさせる第2シフトレジスタと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項5】
前記第2シフトレジスタは、前記第2演算ウィンドウが前記アクティベーションのバウンダリーに到達するまで、第2演算ウィンドウの2つの連続する位置に関して第2方向の2P個の情報ビットが繰り返して選択されるように前記第2演算ウィンドウを第1方向にシフトさせ、前記第2演算ウィンドウが前記アクティベーションのバウンダリーに到達したことに応答して、前記第2演算ウィンドウを「L-P」だけシフトさせることを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項6】
前記乗算及び累積回路は、前記第1シフトビットと前記第2シフトビットを受信し、前記アクティベーションの内の1つのアクティベーションの情報ビットと前記特性マップの内対応する1つの特性マップのウェイトビットとを乗算して、乗算した結果を出力する乗算回路と、
前記乗算回路の出力を累積して前記出力データセットを提供する累積回路と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項7】
前記乗算回路は、前記第1シフトビットを受信し、前記第1シフトビットを前記第1演算ウィンドウに基づく前記特性マップとして出力する第1バッファと、
前記第2シフトビットを受信し、前記第2シフトビットを前記第2演算ウィンドウに基づく前記アクティベーションとして出力する第2バッファと、
前記第1バッファの出力と前記第2バッファの出力を乗算して、中間演算結果として乗算された結果を提供する乗算器と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項8】
前記累積回路は、第1入力と第2入力を備える加算器と、
バッファと、を含み、
前記加算器は、前記第1入力で受信される前記乗算回路の前記中間演算結果と前記第2入力で受信される前記バッファの出力とを合算して前記バッファに提供し、
前記バッファは、前記加算器の出力を前記加算器の前記第2入力にフィードバックさせ、出力イネーブル信号に応答して前記加算器の出力を前記出力データセットとして提供することを特徴とする請求項7に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項9】
前記バッファは、前記出力データセットを提供した後にリセット信号に応答してリセットされることを特徴とする請求項8に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項10】
前記データバッファは、スタティックRAM(static random access memory:SRAM)を含むことを特徴とする請求項3に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項11】
外部からのコマンド及びアドレスに応答して前記ページバッファ回路、前記演算回路、及び前記データ入出力回路を制御する制御回路をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項12】
前記制御回路は、前記コマンド及び前記アドレスに応答して演算制御信号を生成し、前記演算制御信号を前記演算回路に提供して前記演算回路を制御することを特徴とする請求項11に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項13】
前記演算回路は、前記ウェイトビットを前記演算ウィンドウに基づいて分割して特性マップに順次に提供し、前記特性マップに基づいて前記情報ビットを分割して、前記情報ビットを前記ウェイトビットとの関連性に基づいて複数の「L×L」(Lは、4以上の自然数)マトリックス形態のサブデータセットに該当するアクティベーションに順次に提供するシフトレジスタブロックと、
前記特性マップの各々と対応する前記アクティベーションの各々とで「マトリックス-ベクトル乗算」を実行し、前記「マトリックス-ベクトル乗算」の結果を累積し、前記アクティベーションと前記特性マップとの前記「マトリックス-ベクトル乗算」が完了することによって算出された前記出力データセットを提供する乗算及び累積回路と、
書込イネーブル信号に応答して前記出力データセットを格納し、前記出力データセットを前記データ入出力回路に提供するデータバッファと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項14】
前記制御回路は、出力イネーブル信号及びリセット信号を前記乗算及び累積回路に提供して前記乗算及び累積回路を制御し、
前記書込イネーブル信号を前記データバッファに提供して前記データバッファの出力動作を制御し、
前記演算制御信号は、前記出力イネーブル信号、前記リセット信号、及び前記書込イネーブル信号を含むことを特徴とする請求項13に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項15】
前記メモリセルアレイは、複数のメモリブロックを含み、
前記複数のメモリブロックの各々は、第1ワードラインに接続される複数の第1メモリセルと、
第2ワードラインに接続され、前記第1メモリセルの上に積層される複数の第2メモリセルと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項16】
前記不揮発性メモリ装置は、第1方向に延長される複数のワードライン、及び前記第1方向と交差する第2方向に延長される前記複数のビットラインが配列され、前記メモリセルアレイが形成された第1半導体層と、
基板を含み、前記第1半導体層の下部に前記第1方向及び前記第2方向と垂直な第3方向に積層され、前記ページバッファ回路、前記演算回路、及び前記データ入出力回路が形成される第2半導体層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項17】
前記ページバッファ回路の少なくとも一部分及び前記演算回路の少なくとも一部分は、前記第3方向において、前記メモリセルアレイと少なくとも部分的にオーバーラップすることを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項18】
少なくとも1つの不揮発性メモリ装置と、
前記少なくとも1つの不揮発性メモリ装置を制御するメモリコントローラと、を有し、
前記少なくとも1つの不揮発性メモリ装置は、複数の不揮発性メモリセルを含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路と、
前記メモリセルアレイに格納され、前記ページバッファ回路を介して提供されるデータセットに含まれる情報ビット、及びウェイトビットに対して一定のサイズを有する演算ウィンドウに基づいて、前記情報ビットの中から前記演算ウィンドウ内のビットのマトリックスに対して乗算演算を実行することを含む演算を実行する演算回路と、
前記演算回路に接続されるデータ入出力回路と、を有し、
前記演算回路は、前記情報ビット及び前記ウェイトビットに対するすべての前記演算が完了したことに応答して、前記演算の結果である出力データセットを前記データ入出力回路に提供することを特徴とするメモリシステム。
【請求項19】
前記演算回路は、前記ウェイトビットを前記演算ウィンドウに基づいて分割して特性マップに順次に提供し、前記情報ビットと各特性マップとの関連性に基づいて前記情報ビットを分割してアクティベーション(活性化)を順次に提供するシフトレジスタブロックと、
前記特性マップの各々と対応する前記アクティベーションの各々に対して「マトリックス-ベクトル乗算」を実行し、前記「マトリックス-ベクトル乗算」の結果を累積し、前記アクティベーションと前記特性マップに対する前記「マトリックス-ベクトル乗算」が全て完了することによって算出された前記出力データセットを提供する乗算及び累積回路と、
書込イネーブル信号に応答して前記出力データセットを格納し、前記出力データセットを前記データ入出力回路に提供するデータバッファと、を含むことを特徴とする請求項18に記載のメモリシステム。
【請求項20】
複数の不揮発性メモリセルを備えるメモリセルアレイを含む不揮発性メモリ装置の動作方法であって、
前記不揮発性メモリセルから、前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路を介して読み出されたデータセットに含まれる情報ビット及びウェイトビットをシフトレジスタブロックに提供するステップと、
前記シフトレジスタブロックで、前記情報ビット及び前記ウェイトビットを各々アクティベーションと特性マップに分割するステップと、
演算回路で、前記アクティベーションと前記特性マップに対して演算ウィンドウに基づいて「マトリックス-ベクトル乗算」を実行するステップと、
前記演算回路で、前記アクティベーションと前記特性マップの全てに対して、前記「マトリックス-ベクトル乗算」が完了したことに応答して前記「マトリックス-ベクトル乗算」の結果である出力データセットをデータ入出力回路に提供するステップと、を有することを特徴とする不揮発性メモリ装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ装置に関し、特に、演算回路を含みながら電力消費を減少させることができる不揮発性メモリ装置及びその動作方法並びにメモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ装置は、揮発性半導体メモリ装置(Volatile semiconductor memory device)と不揮発性半導体メモリ装置(Nonvolatile semiconductor memory device)とに大別できる。
【0003】
不揮発性メモリ装置の代表的な例にフラッシュメモリ装置がある。
フラッシュメモリ装置は、コンピュータ、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、キャムコーダ、ボイスレコーダ、MP3プレーヤー、個人用携帯端末機(PDA)、携帯用コンピュータ(Handheld PC)、ゲーム機、ファックス、スキャナー、プリンタなどの電子機器の音声及び映像データ格納媒体として広く使われている。
【0004】
不揮発性メモリ装置においては、その電力消費を減少させるための多様な方法の研究、開発が課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-133883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の不揮発性メモリ装置における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、演算回路を含みながら電力消費を減少させることができる不揮発性メモリ装置を提供することにある。
また、他の目的は、演算回路を含みながら電力消費を減少させることができる不揮発性メモリ装置の動作方法を提供することにある。
また、他の目的は、不揮発性メモリ装置を含むメモリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による不揮発性メモリ装置は、複数の不揮発性メモリセルを含むメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路と、前記メモリセルアレイに格納され、前記ページバッファ回路を介して受信するユーザデータセットに含まれる情報ビット及びウェイトビットに対して、一定のサイズを有する演算ウィンドウに基づいて、前記情報ビットの中から前記演算ウィンドウ内のビットのマトリックスに対して乗算演算を実行することを含む演算を実行する演算回路と、前記演算回路に接続されるデータ入出力回路と、を有し、前記演算回路は、すべての前記情報ビット及び前記ウェイトビットに対する前記演算が完了したことに応答して、前記演算の結果である出力データセットを前記データ入出力回路に提供することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明によるメモリシステムは、少なくとも1つの不揮発性メモリ装置と、前記少なくとも1つの不揮発性メモリ装置を制御するメモリコントローラと、を有し、前記少なくとも1つの不揮発性メモリ装置は、複数の不揮発性メモリセルを含むメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路と、前記メモリセルアレイに格納され、前記ページバッファ回路を介して提供されるデータセットに含まれる情報ビット、及びウェイトビットに対して一定のサイズを有する演算ウィンドウに基づいて、前記情報ビットの中から前記演算ウィンドウ内のビットのマトリックスに対して乗算演算を実行することを含む演算を実行する演算回路と、前記演算回路に接続されるデータ入出力回路と、を有し、前記演算回路は、前記情報ビット及び前記ウェイトビットに対するすべての前記演算が完了したことに応答して、前記演算の結果である出力データセットを前記データ入出力回路に提供することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による不揮発性メモリ装置の動作方法は、複数の不揮発性メモリセルを備えるメモリセルアレイを含む不揮発性メモリ装置の動作方法であって、前記不揮発性メモリセルから、前記メモリセルアレイと複数のビットラインを介して接続されるページバッファ回路を介して読み出されたデータセットに含まれる情報ビット及びウェイトビットをシフトレジスタブロックに提供するステップと、前記シフトレジスタブロックで、前記情報ビット及び前記ウェイトビットを各々アクティベーションと特性マップに分割するステップと、演算回路で、前記アクティベーションと前記特性マップに対して演算ウィンドウに基づいて「マトリックス-ベクトル乗算」を実行するステップと、前記演算回路で、前記アクティベーションと前記特性マップの全てに対して、前記「マトリックス-ベクトル乗算」が完了したことに応答して前記「マトリックス-ベクトル乗算」の結果である出力データセットをデータ入出力回路に提供するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による不揮発性メモリ装置及びその動作方法並びにメモリシステムによれば、不揮発性メモリ装置はページバッファ回路とデータ入出力回路の間に接続される演算回路を含み、演算回路は情報ビット及びウェイトビットに対する演算ウィンドウ単位の「ベクトル-マトリックス乗算」を実行し、「ベクトル-マトリックス乗算」を完了するまで演算結果をデータ入出力回路に提供しない。
したがって、入出力経路により消費する電力を減少させることができる。
また、演算回路をメモリセルアレイが形成される第1半導体層の下部の第2半導体層に形成することによって、不揮発性メモリ装置の集積度を増加させることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態によるメモリシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による図1のメモリシステムにおける制御信号の例を示す表である。
図3】本発明の実施形態による図1のメモリシステムにおける不揮発性メモリ装置の概略構成を示すブロック図である。
図4図3のメモリセルアレイを示す斜視図である。
図5図4のメモリブロック(BLK1~BLKz)の内の1つ(BLKi)の構成を示す斜視図である。
図6図5を参照して説明したメモリブロックの等価回路を示す回路図である。
図7図3のメモリセルアレイの1つのページの複数のしきい電圧のばらつきを説明するためのグラフである。
図8】本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における制御回路の概略構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における電圧生成回路の概略構成を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における演算回路の概略構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態による図10の演算回路における乗算及び累積回路の概略構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態による演算回路を用いたマトリックス演算を説明するための図である。
図13図12のマトリックス演算をより詳細に説明するための図であり、第1特性マップと第1アクティベーションの「マトリックス-ベクトル乗算」の過程を説明するための図である。
図14】本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
図15】本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の概略構成を示すブロック図である。
図16】本発明の実施形態による図1の不揮発性メモリ装置の構造を概略的に示す斜視図である。
図17】本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の部分断面図である。
図18】本発明の実施形態による第1及び第2半導体層を含む不揮発性メモリ装置の概略構造を示す斜視図である。
図19図18の不揮発性メモリ装置における第1半導体層と接する第2半導体層の上面を示す平面図である。
図20】本発明の実施形態による図15の不揮発性メモリ装置における周辺回路の概略を示すブロック図である。
図21】本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図22】本発明の実施形態によるSSDの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る不揮発性メモリ装置及びその動作方法並びにメモリシステムを実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図面上の同様の構成要素に対しては同様の参照符号を使用し、同様の構成要素に対して重複説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態によるメモリシステムの概略構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、メモリシステム(又は、不揮発性メモリシステム)10は、メモリコントローラ20及び少なくとも1つの不揮発性メモリ装置30を含む。
図1に示したメモリシステム10は、メモリカード、USBメモリ、SSDなどのフラッシュメモリをベースとするデータ格納媒体が全て含まれ得る。
【0014】
不揮発性メモリ装置30は、メモリコントローラ20の制御によって、消去、書込、又は読出動作などを実行する。
このために、不揮発性メモリ装置30は、入出力ラインを介してコマンド(CMD)、アドレス(ADDR)、そしてデータ(DATA)の入力を受ける。
また、不揮発性メモリ装置30は、制御ラインを介して制御信号(CTRL)の提供を受ける。
また、不揮発性メモリ装置30は、パワーラインを介してメモリコントローラ20からパワー(PWR)の提供を受ける。
【0015】
図2は、本発明の実施形態による図1のメモリシステムで制御信号の例を示す表である。
図1及び図2を参照すると、メモリコントローラ20が不揮発性メモリ装置30に印加する制御信号(CTRL)は、コマンドラッチイネーブル信号(CLE)、アドレスラッチイネーブル信号(ALE)、チップイネーブル信号(nCE)、読出イネーブル信号(nRE)、及び書込イネーブル信号(nWE)を含む。
【0016】
メモリコントローラ20は、不揮発性メモリ装置30にコマンドラッチイネーブル信号(CLE)を転送する。
コマンドラッチイネーブル信号(CLE)は、入出力ラインを介して伝達される情報がコマンド(CMD)であることを示す信号でありうる。
メモリコントローラ20は、不揮発性メモリ装置30にアドレスラッチイネーブル信号(ALE)を転送する。
アドレスラッチイネーブル信号(ALE)は、入出力ラインを介して伝達される情報がアドレス(ADDR)であることを示す信号でありうる。
【0017】
メモリコントローラ20は、不揮発性メモリ装置30にチップイネーブル信号(nCE)を転送する。
チップイネーブル信号(nCE)は、不揮発性メモリ装置30が複数のメモリチップを含む場合、複数のメモリチップのうちから選択されたメモリチップを示す。
メモリコントローラ20は、不揮発性メモリ装置30に読出イネーブル信号(nRE)を転送する。
不揮発性メモリ装置30は、読出イネーブル信号(nRE)に基づいて読み出されたデータをメモリコントローラ20に転送する。
【0018】
メモリコントローラ20は、不揮発性メモリ装置30に書込イネーブル信号(nWE)を転送する。
書込イネーブル信号(nWE)が活性化される時、不揮発性メモリ装置30はメモリコントローラ20から転送される信号をコマンド(CMD)又はアドレス(ADDR)として格納する。
【0019】
図3は、本発明の実施形態による図1のメモリシステムにおける不揮発性メモリ装置を示すブロック図である。
図3を参照すると、不揮発性メモリ装置30は、メモリセルアレイ100、アドレスデコーダ430、ページバッファ回路410、エラー訂正コード(error correction code:以下、ECC)エンジン440、演算回路700、データ入出力回路420、制御回路500、及び電圧生成回路600を含む。
【0020】
メモリセルアレイ100は、ストリング選択ライン(SSL)、複数のワードライン(WLs)、及び接地選択ライン(GSL)を介してアドレスデコーダ430と接続できる。
また、メモリセルアレイ100は、複数のビットライン(BLs)を介してページバッファ回路410と接続される。
メモリセルアレイ100は、複数のワードライン(WLs)及び複数のビットライン(BLs)に接続される複数の不揮発性メモリセルを含む。
複数の不揮発性メモリセルは、メモリセルアレイ100に配置される。
【0021】
一実施形態において、メモリセルアレイ100は、基板上に三次元構造(又は、垂直構造)で形成される三次元(three dimensional)メモリセルアレイでありうる。
この場合、メモリセルアレイ100は、互いに積層されて形成される複数のメモリセルを含む垂直メモリセルストリングを含み得る。
三次元メモリセルアレイに対する詳細な説明は、本明細書で参考文献とした米国特許第7,679,133号明細書、米国特許第8,553,466号明細書、米国特許第8,654,587号明細書、米国特許第8,559,235号明細書、及び米国特許出願公開第2011/0233648号明細書に記述されている。
【0022】
他の実施形態において、メモリセルアレイ100は、基板上に二次元構造(又は、水平構造)で形成される二次元(two dimensional)メモリセルアレイでありうる。
【0023】
図4は、図3のメモリセルアレイを示す斜視図である。
図4を参照すると、メモリセルアレイ100は、複数のメモリブロック(BLK1~BLKz)を含む。
実施形態において、メモリブロック(BLK1~BLKz)は、図3に示したアドレスデコーダ430により選択される。
例えば、アドレスデコーダ430は、メモリブロック(BLK1~BLKz)の内、ブロックアドレスに対応するメモリブロックBLKを選択する。
【0024】
図5は、図4のメモリブロック(BLK1~BLKz)の内の1つ(BLKi)の構成を示す斜視図である。
図5を参照すると、メモリブロックBLKiは、3次元構造又は垂直構造で形成されるセルストリングを含む。
メモリブロックBLKiは、複数の方向(D1、D2、D3)に沿って延長された構造物を含む。
【0025】
メモリブロックBLKiを形成するためには、まず、基板111が提供される。
例えば、基板111は、ホウ素(B、Boron)のようなV族元素が注入されて形成されたP-ウェルで形成される。
又は、基板111は、N-ウェル内に提供されるポケットP-ウェルで形成される。
以下、基板111は、P-ウェルであると仮定する。
しかしながら、基板111は、P-ウェルのみに限定されるものではない。
基板111上に、D1方向に沿って複数のドーピング領域(311~314)が形成される。
例えば、複数のドーピング領域(311~314)は、基板111と相違するnタイプの導電体で形成される。
以下、第1~第4ドーピング領域(311~314)は、nタイプを有すると仮定する。
しかしながら、第1~第4ドーピング領域(311~314)は、nタイプを有すると限定されるものではない。
【0026】
第1ドーピング領域311と第2ドーピング領域312の間の基板111の領域上に、D2方向に沿って延長される複数の絶縁物質112がD3方向に沿って順次に提供される。
例えば、複数の絶縁物質112は、D3方向に沿って特定距離だけ離隔して形成される。
【0027】
第1ドーピング領域311と第2ドーピング領域312の間の基板111の上部に、D2方向に沿って順次に配置され、D3方向に沿って絶縁物質112を貫通するフィラー113が形成される。
例示的に、フィラー113は、絶縁物質112を貫通して基板111と接続される。
ここで、フィラー113は、第2ドーピング領域312と第3ドーピング領域313の間の基板上部と、第3ドーピング領域313と第4ドーピング領域314の間の基板上部にも形成される。
【0028】
例示的には、各フィラー113は、複数の物質で構成される。
例えば、各フィラー113の表面層114は、第1タイプを有するシリコン物質を含む。
例えば、各フィラー113の表面層114は、基板111と同一のタイプを有するシリコン物質を含む。
以下、各フィラー113の表面層114は、pタイプシリコンを含むと仮定する。
しかしながら、各フィラー113の表面層114は、pタイプシリコンを含むと限定されるものではない。
【0029】
各フィラー113の内部層115は、絶縁物質で構成される。
例えば、各フィラー113の内部層115は、シリコン酸化物(Silicon Oxide)のような絶縁物質を含む。
例えば、各フィラー113の内部層115は、エアーギャップ(Air gap)を含み得る。
【0030】
第1ドーピング領域311と第2ドーピング領域312の間の領域で、絶縁物質112、フィラー113、そして基板111の露出した表面に沿って絶縁膜116が提供される。
例示的に、D3方向に沿って提供される最後の絶縁物質112のD3方向側の露出面に提供される絶縁膜116は除去でき得る。
【0031】
第1ドーピング領域311と第2ドーピング領域312の間の領域で、絶縁膜116の露出した表面上に第1導電物質(211~291)が提供される。
例えば、基板111に隣接した絶縁物質112及び基板111の間にD2方向に沿って延長される第1導電物質211が提供される。
より詳しくは、基板111に隣接した絶縁物質112の下部面の絶縁膜116及び基板111の間に、D1方向に延長される第1導電物質211が提供される。
【0032】
絶縁物質112のうち、特定絶縁物質の上部面の絶縁膜116と特定絶縁物質の上部に配置された絶縁物質の下部面の絶縁膜116の間に、D2方向に沿って延長される第1導電物質が提供される。
例示的に、絶縁物質112の間に、D2方向に延長される複数の第1導電物質(221~281)が提供される。
例示的には、第1導電物質(211~291)は、金属物質である。
例示的には、第1導電物質(211~291)は、ポリシリコンなどの導電物質でもあり得る。
【0033】
第2ドーピング領域312と第3ドーピング領域313の間の領域で、第1及び第2ドーピング領域(311、312)上の構造物と同一の構造物が提供される。
例示的には、第2ドーピング領域312と第3ドーピング領域313の間の領域で、D2方向に延長される複数の絶縁物質112、D2方向に沿って順次に配置され、D1方向に沿って複数の絶縁物質112を貫通する複数のフィラー113、複数の絶縁物質112、及び複数のフィラー113の露出した表面に提供される絶縁膜116、そしてD2方向に沿って延長される複数の第1導電物質(212~292)が提供される。
【0034】
第3ドーピング領域313と第4ドーピング領域314の間の領域で、第1及び第2ドーピング領域(311、312)上の構造物と同一の構造物が提供される。
例示的には、第3ドーピング領域313と第4ドーピング領域314の間の領域で、D2方向に延長される複数の絶縁物質112、D2方向に沿って順次に配置され、D3方向に沿って複数の絶縁物質112を貫通する複数のフィラー113、複数の絶縁物質112、及び複数のフィラー113の露出した表面に提供される絶縁膜116、そしてD2方向に沿って延長される複数の第1導電物質(213~293)が提供される。
【0035】
複数のフィラー113上にドレイン320が各々提供される。
ドレイン320上に、D1方向に延長された第2導電物質331~333が提供される。
第2導電物質(331~333)は、D2方向に沿って順次に配置される。
第2導電物質(331~333)の各々は、対応する領域のドレイン320と接続される。
例示的には、ドレイン320及びD1方向に延長された第2導電物質333は、各々コンタクトプラグ(Contact plug)を介して接続される。
例示的には、第2導電物質(331~333)は、金属物質である。
例示的には、第2導電物質(331~333)は、ポリシリコンなどの導電物質でもあり得る。
【0036】
図6は、図5を参照して説明したメモリブロックBLKiの等価回路を示す回路図である。
図6に示したメモリブロックBLKiは、基板上に三次元構造で形成される三次元メモリメモリブロックを示す。
例えば、メモリブロックBLKiに含まれる複数のメモリセルストリングは、基板と垂直な方向に形成される。
【0037】
図6を参照すると、メモリブロックBLKiは、ビットライン(BL1、BL2、BL3)と共通ソースライン(CSL)の間に接続される複数のメモリセルストリング(NS11~NS33)を含む。
複数のメモリセルストリング(NS11~NS33)の各々は、ストリング選択トランジスタ(SST)、複数のメモリセル(MC1、MC2、...、MC8)、及び接地選択トランジスタ(GST)を含む。
図9には複数のメモリセルストリング(NS11~NS33)の各々が、8個のメモリセル(MC1、MC2、...、MC8)を含むものとして図に示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
ストリング選択トランジスタ(SST)は、対応するストリング選択ライン(SSL1、SSL2、SSL3)に接続される。
複数のメモリセル(MC1、MC2、...、MC8)は、各々対応するワードライン(WL1、WL2、...、WL8)に接続される。
接地選択トランジスタ(GST)は、対応する接地選択ライン(GSL1、GSL2、GSL3)に接続される。
ストリング選択トランジスタ(SST)は、対応するビットライン(BL1、BL2、BL3)に接続され、接地選択トランジスタ(GST)は、共通ソースライン(CSL)に接続される。
【0039】
同一高さのワードライン(例えば、WL1)は共通に接続され、接地選択ライン(GSL1、GSL2、GSL3)及びストリング選択ライン(SSL1、SSL2、SSL3)は、各々分離される。
図9にはメモリブロックBLKbが8個のワードライン(WL1、WL2、...、WL8)及び3個のビットライン(BL1、BL2、BL3)に接続されるものとして示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
また図3を参照すると、制御回路500は、メモリコントローラ20からコマンド信号(CMD)及びアドレス信号(ADDR)を受信し、コマンド信号(CMD)及びアドレス信号(ADDR)に基づいて不揮発性メモリ装置30の消去ループ、プログラムループ、及び読出動作を制御する。
例えば、制御回路500は、コマンド信号(CMD)に基づいて電圧生成回路600を制御するための制御信号(CTLs)を生成し、アドレス信号(ADDR)に基づいてローアドレス(R_ADDR)及びコラムアドレス(C_ADDR)を生成する。
制御回路500は、ローアドレス(R_ADDR)をアドレスデコーダ430に提供し、コラムアドレス(C_ADDR)をデータ入出力回路420に提供する。
【0041】
アドレスデコーダ430は、ストリング選択ライン(SSL)、複数のワードライン(WLs)、及び接地選択ライン(GSL)を介してメモリセルアレイ100と接続される。
プログラム動作又は読出動作時、アドレスデコーダ430は、制御回路500から提供されるローアドレス(R_ADDR)に基づいて複数のワードライン(WLs)の内の1つを選択ワードラインに決定し、複数のワードライン(WLs)の内から選択ワードラインを除外した残りのワードラインを非選択ワードラインに決定する。
【0042】
電圧生成回路600は、制御回路500から提供される制御信号(CTLs)に基づいて不揮発性メモリ装置30の動作に必要なワードライン電圧(VWLs)を生成する。
電圧生成回路600から生成されるワードライン電圧(VWLs)は、アドレスデコーダ430を介して複数のワードライン(WLs)に印加される。
例えば、消去動作時、電圧生成回路600は、メモリブロックのウェルに消去電圧を印加し、メモリブロックの全てのワードラインに接地電圧を印加する。
消去検証動作時、電圧生成回路600は、1つのメモリブロックの全てのワードラインに消去検証電圧を印加するか、又はワードライン単位で消去検証電圧を印加する。
【0043】
ページバッファ回路410は、複数のビットライン(BLs)を介してメモリセルアレイ100と接続される。
ページバッファ回路410は、複数のページバッファを含み得る。
一実施形態において、1つのページバッファに1つのビットラインが接続される。
他の実施形態において、1つのページバッファに2つ以上のビットラインが接続され得る。
ページバッファ回路410は、プログラム動作時に選択されたページにプログラムされるデータを臨時に格納し、読出動作時、選択されたページから読み出されたデータを臨時に格納する。
ページバッファ回路410は、制御回路500からの制御信号(PCTL)に応答して動作する。
【0044】
ECCエンジン440は、ページバッファ回路410に接続され、ページバッファ回路410を経由してメモリセルアレイ100から提供されるパリティデータを用いてユーザデータセットに含まれるエラービットを訂正し、訂正されたユーザデータセットを演算回路700に提供する。
【0045】
演算回路700は、ユーザデータセットに含まれる情報ビットとウェイトビットに対して一定のサイズを有する演算ウィンドウに基づいて順次に演算を実行し、情報ビット及びウェイトビットに対する演算が完了した場合、演算の結果である出力データセットをデータ入出力回路420に提供する。
演算回路700は、演算ウィンドウベースの演算が完了する度に演算結果をデータ入出力回路420に提供せずに、演算が全て完了した場合に出力データセットをデータ入出力回路420に提供することによって、電力消費を減少させることができる。
演算回路700は、制御回路500からの演算制御信号(CCTL)により制御される。
【0046】
データ入出力回路420は、データライン(DLs)を介して演算回路700と接続される。
プログラム動作時、データ入出力回路420は、メモリコントローラ20からプログラムデータ(DATA)を受信し、制御回路450から提供されるコラムアドレス(C_ADDR)に基づいてプログラムデータ(DATA)をECCエンジン440を経由してページバッファ回路410に提供する。
読出動作時、データ入出力回路420は、制御回路450から提供されるコラムアドレス(C_ADDR)に基づいて演算回路700から提供される出力データセット(DATA)をメモリコントローラ20に提供する。
【0047】
また、ページバッファ回路410とデータ入出力回路420は、メモリセルアレイ100の第1格納領域からデータを読み出し、読み出されたデータをメモリセルアレイ100の第2格納領域に書き込む。
即ち、ページバッファ回路410とデータ入出力回路420は、「コピー-バック」(copy-back)動作を実行する。ページバッファ回路410とデータ入出力回路420は制御回路450により制御される。
【0048】
図7は、図3のメモリセルアレイの1つのページの複数のしきい電圧のばらつきを説明するためのグラフである。
簡潔な説明のために、不揮発性メモリ装置30に含まれるメモリセルは、3ビットを格納する三重レベルセル(Triple Level Cell:TLC)であり、メモリセルのプログラム状態を判別するための読出電圧セットは、7個の読取電圧を含むと仮定する。
【0049】
図7を参照すると、不揮発性メモリ装置30に含まれるメモリセルは、消去状態(E)及び第1~第7プログラム状態(P1~P7)の内、いずれか1つの状態を有し得る。
不揮発性メモリ装置30は、メモリコントローラ20の制御によって基本読出電圧セット(VRD1~VRD7)に基づいてメモリセルのプログラム状態を判別して読出データを出力する。
例示的には、基本読出電圧セット(VRD1~VRD7)の電圧レベルは、メモリセルの特性を考慮して所定の電圧レベルでありうる。
例えば、基本読出電圧セット(VRD1~VRD7)の電圧レベルは、メモリセルがプログラムされた直後のしきい電圧ばらつきを考慮して決定されたレベルである。
【0050】
図8は、本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における制御回路の概略構成を示すブロック図である。
図8を参照すると、制御回路500は、コマンドデコーダ510、アドレスバッファ520、及び制御信号生成器530を含む。
【0051】
コマンドデコーダ510は、コマンド信号(CMD)をデコーディングしてデコーディングされたコマンド(D_CMD)を制御信号生成器530に提供する。
アドレスバッファ520は、アドレス信号(ADDR)を受信し、アドレス信号(ADDR)の内のローアドレス(R_ADDR)は、アドレスデコーダ430に提供し、コラムアドレス(C_ADDR)は、データ入出力回路420に提供する。
【0052】
制御信号生成器530は、デコーディングされたコマンド(D_CMD)を受信し、デコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作に基づいて制御信号(CTLs)と制御信号(PCTL)及び演算制御信号(CCTL)を生成し、制御信号(CTLs)は電圧生成回路600に提供し、制御信号(PCTL)はページバッファ回路410に提供し、演算制御信号(CCTL)は演算回路700に提供する。
【0053】
図9は、本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における電圧生成回路の概略構成を示すブロック図である。
図9を参照すると、電圧生成回路600は、プログラム電圧生成器610、検証/読出電圧生成器650、及びパス電圧生成器630を含む。
【0054】
プログラム電圧生成器610は、第1制御信号(CTL1)に応答してデコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作に従ってプログラム電圧(VPGM)を生成する。
プログラム電圧(VPGM)は、選択ワードラインに印加される。
第1制御信号(CTL1)は、複数のビットを含んでデコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作を示す。
【0055】
検証/読出電圧生成器(又は、第1電圧生成器)650は、第2制御信号(CTL2)に応答してデコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作に従ってプログラム検証電圧(VPV)、読出電圧(VRD)及び消去検証電圧(VEV)を生成する。
プログラム検証電圧(VPV)、読出電圧(VRD)、及び消去検証電圧(VEV)は、動作によって選択ワードラインに印加される。
第2制御信号(CTL2)は、複数のビットを含んでデコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作を示す。
【0056】
パス電圧生成器(又は、第2電圧生成器)630は、第3制御信号(CTL)にプログラムパス電圧(VPPASS)、検証パス電圧(VVPASS)、及び読出パス電圧(VRPASS)を生成する。
プログラムパス電圧(VPPASS)、読出パス電圧(VRPASS)、及び検証パス電圧(VVPASS)は、非選択ワードラインに印加される。
第3制御信号(CTL3)は、複数のビットを含んでデコーディングされたコマンド(D_CMD)が指示する動作を示す。
【0057】
図10は、本発明の実施形態による図3の不揮発性メモリ装置における演算回路の概略構成を示すブロック図である。
図10では、説明の便宜のために、ECCエンジン440を共に図に示す。
図10を参照すると、演算回路700は、シフトレジスタブロック(SRB)710、乗算及び累積回路720、及びデータバッファ780を含む。
シフトレジスタブロック710は、第1シフトレジスタ(SR1)711及び第2シフトレジスタ(SR2)713を含む。
【0058】
ECCエンジン440は、ページバッファ回路410から提供される読出データセット(RDT)に含まれるパリティデータ(PRT)を用いてユーザデータセット(UDT)のエラービットを訂正する。
ECCエンジン440は、ユーザデータセット(UDT)に含まれる情報ビット(INDT)と情報ビット(INDT)と関連したウェイトビット(WDT)をシフトレジスタブロック710に提供する。
情報ビット(INDT)とウェイトビット(WDT)は、各々N(Nは、2以上の自然数)ビットで構成される。
ユーザデータセット(UDT)がイメージデータである場合、情報ビット(INDT)はイメージデータのピクセル値であり、ウェイトビット(WDT)はピクセル値に関連したパラメータ値でありうる。
【0059】
シフトレジスタブロック710は、ウェイトビット(WDT)を演算ウィンドウに基づいて分割して特性マップに順次に提供し、情報ビット(INDT)を特性マップ各々の関連性に基づいて分割してアクティベーションに順次に提供する。
第1シフトレジスタ711は、ウェイトビット(WDT)を「P×Q」(P、Qは、自然数)マトリックス形態の特性マップで構成し、特性マップの各々が第1演算ウィンドウに順次に出力されるようにウェイトビット(WDT)をシフトさせて第1シフトビット(WDTS)を出力する。
第2シフトレジスタ713は、情報ビット(INDT)をウェイトビット(WDT)との関連性に基づいて複数の「L×L」(Lは、4以上の自然数)マトリックス形態のサブデータセットに該当するアクティベーションで構成し、アクティベーションの各々が各々「P×Q」マトリックス形態の第2演算ウィンドウに順次に出力されるように情報ビット(INDT)をシフトさせて第2シフトビット(INDTS)を出力する。
【0060】
乗算及び累積回路720は、第1シフトビット(WDTS)及び第2シフトビット(INDTS)を受信し、特性マップの各々と対応するアクティベーションの各々に対して「マトリックス-ベクトル乗算」を実行し、前記乗算の結果を累積し、アクティベーションと特性マップに対する「マトリックス-ベクトル乗算」が完了すれば、出力イネーブル信号(OEN)に応答して算出された出力データセット(RDTO)を提供する。
データバッファ780は、書込イネーブル信号(WEN)に応答して出力データセット(RDTO)を内部に格納する。
データバッファ780は、スタティックRAM(static random access memory:SRAM)で構成することができ、データバッファは格納された出力データセット(RDTO)をデータ(DATA)としてメモリコントローラ20に提供する。
【0061】
図11は、本発明の実施形態による図10の演算回路における乗算及び累積回路を示すブロック図である。
図11を参照すると、乗算及び累積回路720は、乗算回路730及び累積回路760を含む。
乗算回路730は、第1シフトビット(WDTS)及び第2シフトビット(INDTS)を受信し、アクティベーションの内の1つのアクティベーションの情報ビットと特性マップの内、対応する1つの特性マップのウェイトビットを乗算して出力する。
累積回路760は、乗算回路730の出力を累積して出力データセット(RDTO)を提供する。
【0062】
乗算回路730は、第1バッファ731、第2バッファ733、及び乗算器735を含む。
第1バッファ733は、第1シフトビット(WDTS)を受信し、第1シフトビット(WDTS)を第1演算ウィンドウ単位の特性マップに出力する。
第2バッファ733は、第2シフトビット(INDTS)を受信し、第2シフトビット(INDTS)のアクティベーションを第2演算ウィンドウ単位で出力する。
乗算器735は、第1バッファ731の出力と第2バッファ733の出力を乗算して中間演算結果(ICR)として提供する。
【0063】
累積回路760は、加算器761及びバッファ763を含む。
加算器761は、第1入力と第2入力を備えて、第1入力で乗算器735の出力を受信する。
加算器761は、乗算器735の出力と第2入力で受信されるバッファ763の出力を合算して、加算器761の第2入力にフィードバックさせる。
バッファ763は、出力イネーブル信号(OEN)に応答して加算器761の出力を出力データセット(RDTO)としてデータバッファ780に提供し、リセット信号(RST)に応答してリセットされる。
出力イネーブル信号(OEN)及びリセット信号(RST)は、演算制御信号(CCTL)に含まれ得る。
【0064】
乗算回路730がアクティベーション及び特性マップに対する乗算演算を完了するまで加算器761の出力はデータバッファ780に提供されないので、不揮発性メモリ装置30の入出力回路による電力消費を減少させることができる。
【0065】
図12は、本発明の実施形態による演算回路を用いたマトリックス演算を説明するための図であり、図13は、図12のマトリックス演算をより詳細に説明するための図である。
図12を参照すると、ウェイトビットと関連した第1シフトビット(WDTS)は、「P×Q」マトリックス形態の特性マップ(FM1~FMk)で構成することができ、特性マップ(FM1~FMk)の各々が第1演算ウィンドウCW1に該当する。
【0066】
図12では、PとQが各々「3」の場合を仮定する。
特性マップFM1は、その要素(element)として、ウェイトビット(W1~W9)を「3×3」マトリックス形態で含む。
情報ビットと関連した第2シフトビット(INDTS)は、特性マップ(FM1~FMk)の各々との連関性に基づいて「L×L」マトリックス形態のサブデータセット(SUBDT1~SUBDTk)で構成することができ、サブデータセット(SUBDT1~SUBDTk)の各々がアクティベーションに該当する。
第1サブデータセット、即ち第1アクティベーションは、その要素として情報ビット(A1~A49)を「7×7」マトリックス形態で含む。
【0067】
演算回路700は、特性マップ(FM1~FMk)の各々とサブデータセット(SUBDT1~SUBDTk)に該当するアクティベーションの各々に対して「マトリックス-ベクトル乗算」を実行して出力サブデータセット(RSUB1~RSUBk)を算出する。
第1出力サブデータセット(RSUB1)は、第1特性マップFM1と第1アクティベーションの「マトリックス-ベクトル乗算」の結果として算出される。
【0068】
図13は、図12で第1特性マップと第1アクティベーションのマトリックス-ベクトル演算の過程を説明するための図である。
図13を参照すると、乗算及び累積回路720は、複数の単位演算器(741~74p)で構成される。
【0069】
単位演算器741は、乗算器751、合算器752、及び累積器753で構成され、合算器752は乗算器751の出力を受信する第1入力と累積器753の出力のフィードバックを受ける第2入力を備える。
したがって、第1出力サブデータセット(RSUB1)の第1要素(R1)は、以下に示す数式1のように算出できる。
(数1)
R1=A1×W1+A2×W2+A3×W3+A8×W4+A9×W5+A10×W6+…+A17×W9 ・・・数式1
【0070】
これと同様に、第1出力サブデータセット(RSUB1)の要素(R25)は、以下に示す数式2のように算出できる。
(数2)
R25=A33×W1+A34×W2+A35×W3+A40×W4+A41×W5+A42×W6+…+A49×W9 ・・・数式2
【0071】
単位演算器741は、上記のような方式により要素(R1)を算出し、単位演算器742は要素(R2)を算出し、単位演算器743は要素(R3)を算出し、単位演算器744は要素(R4)を算出し、単位演算器74pは要素(R25)を算出する。
【0072】
したがって、第2シフトレジスタは、図12で第2演算ウィンドウCW2をシフトさせることにおいて、連続する2つの第2演算ウィンドウで第2方向の2P個の情報ビットが重畳して選択されるように第2演算ウィンドウを第1方向にシフトさせてから、第2演算ウィンドウがアクティベーションのバウンダリーに到達する場合、第2演算ウィンドウを「L-P」だけシフトさせる。
【0073】
不揮発性メモリ装置30は、複数の演算回路を含んで特性マップ(FM1~FMk)の各々とサブデータセット(SUBDT1~SUBDTk)に該当するアクティベーションの各々に対して「マトリックス-ベクトル乗算」を並列的に実行することができる。
【0074】
図14は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
図14では、ECCエンジン440と演算回路700の動作を重点的に説明する。
【0075】
図1図14を参照すると、T1でリセットコマンドに対応するリセット信号(RST)に応答して累積回路760のバッファ763がリセットされる(ROP)。
即ち、バッファ763は、データを格納しない状態に設定される。
T2で第1読出コマンド(RD1)に応答してページバッファ回路410を経由してECCエンジン440にウェイトビット(WDT)が提供され、T3での第2読出コマンド(RD2)に応答して情報ビット(INDT)がページバッファ回路410を経由してT5にてECCエンジン440に提供される。
ECCエンジン440は、ウェイトビット(WDT)及び情報ビット(WDT)に対してECCデコーディングを実行してエラービットを訂正する。
【0076】
T4から第1シフトレジスタ711がウェイトビット(WDT)のウェイト(W1~Wr)を順次に出力し、T6から第2シフトレジスタ713が情報ビット(INDT)のビット(A1~Ar)を順次に出力する。
T7からT8まで乗算及び累積回路720は、ウェイト(W1~Wr)とビット(A1~Ar)に対して「マトリック-スベクトル乗算」(MOP)を実行し、T9にて書込コマンド(WR)に応答してデータバッファ780は、ウェイト(W1~Wr)とビット(A1~Ar)に対する「マトリック-スベクトル乗算」の結果を内部に格納する。
【0077】
したがって、本発明の実施形態によれば、不揮発性メモリ装置30に含まれる演算回路700では、情報ビット及びウェイトビットに対する演算ウィンドウ単位の乗算演算を完了するまで加算器761の出力はデータバッファ780に提供されないので、不揮発性メモリ装置30の入出力経路により消費する電力を減少させることができる。
このような方式により、不揮発性メモリ装置30は、MLP(multilayer perceptron)、RNN(recurrent neural network)、CNN(convolutional neural network)などのデータプロセシング時間及び電力消費を減少させることができる。
【0078】
図15は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の概略構成を示すブロック図である。
図15を参照すると、不揮発性メモリ装置800は、メモリセルアレイ810、ローデコーダ(RD)820、ページバッファ回路830、演算回路850、及び周辺回路840を含む。
【0079】
ローデコーダ820は、周辺回路840から駆動電圧(VWLs)及びローアドレス(R-ADDR)を受信する。
メモリセルアレイ810の集積度及び不揮発性メモリ装置800の動作速度が上昇するにつれて、ワードラインに印加される信号の遅延などに起因してローデコーダ820は、メモリセルアレイ810と隣接するように配置されるだけでなく、メモリセルアレイ810に配列された複数のワードラインの各々に隣接して反復的に配置された同一の回路を含む。
ページバッファ回路830は、周辺回路840から制御信号(PCTL)を受信し、データ信号(D_RW)を周辺回路840から受信する。
ページバッファ回路830は、制御信号(PCTL)に応答して周辺回路840から受信したデータ信号(D_RW)に基づいてビットラインに信号を印加し、これによってメモリセルアレイ100のメモリセルにデータを書き込む。
【0080】
演算回路850は、周辺回路840からの演算制御信号(CCTL)に基づいてページバッファ回路3850から提供されたユーザデータセットに対して演算を実行し、出力データセット(DATA)を周辺回路840に提供する。
周辺回路840は、コマンド(CMD)、アドレス(ADDR)、及び制御信号(CTRL)を受信し、外部の装置とデータ(DATA)を送受信することができる。
【0081】
図16は、本発明の実施形態による図1の不揮発性メモリ装置の構造を概略的に示す斜視図である。
図16を参照すると、不揮発性メモリ装置800は、第1半導体層40及び第2半導体層50を含み、第1半導体層40は第2半導体層50上に第3方向に積層される。
【0082】
図15のメモリセルアレイ810は、第1半導体層40に形成され、ローデコーダ820、ページバッファ回路830、演算回路850、及び周辺回路840は、第2半導体層50に形成される。
即ち、第2半導体層50は基板を含み、基板上にトランジスタのような半導体素子及び素子を配線するためのパターンを形成することによって、第2半導体層50にローデコーダ820、ページバッファ回路830、演算回路850、及び周辺回路840に対応する回路が形成できる。
【0083】
第2半導体層50に回路が形成された後、メモリセルアレイ810を含む第1半導体層40が形成され、メモリセルアレイ810(例えば、ワードライン及びビットライン)と第2半導体層50に形成された回路(例えば、ローデコーダ820、ページバッファ回路830、演算回路850、及び周辺回路840に対応する回路)を電気的に接続するためのパターンが形成される。
これによって、不揮発性メモリ装置800は、メモリセルアレイ810とその他の回路が積層方向(即ち、第3方向)に配置された構造、即ちCOP(Cell-On-Peri又はCell-Over-Peri)構造を有し得る。
メモリセルアレイ810を除外した回路をメモリセルアレイ810の下に配置することによって、COP構造は積層方向と垂直な面で占める面積を効果的に減少させることができる。
【0084】
メモリセルアレイ810が形成された第1半導体層40において、複数のワードライン(WL)は、第3方向(D3)と垂直な第1方向(D1)に延長され、複数のビットライン(BL)も第3方向と垂直な第2方向(D1)に延長される。
周辺回路840に含まれた一部の回路は、メモリセルアレイ810と重畳していない第2半導体層50に形成され、その結果、不揮発性メモリ装置800の面積、即ち第3方向に垂直な平面上の面積を増加させることができ、不揮発性メモリ装置800の集積度を向上できる。
【0085】
図17は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の部分断面図である。
図17を参照すると、第2半導体層50は、第3方向に積層した基板SUB、第2下部絶縁層IL22、及び第1下部絶縁層IL21を含む。
【0086】
第2半導体層50の基板SUB上に複数の半導体素子、例えばトランジスタTRが形成され、半導体素子は、第2下部絶縁層IL22を貫通するコンタクトプラグCP21を介して第1下部絶縁層IL21に形成された伝導性パターンMP21と電気的に接続される。
第2半導体層50に形成された半導体素子は、図16のローデコーダ820、ページバッファ回路830、演算回路850、及び周辺回路840に対応する回路を構成する。
第1半導体層40は、第2半導体層50上に積層され、第3方向に積層されたベース層BP及び上部絶縁層IL10を含む。
【0087】
図17は、不揮発性メモリ装置(800-1)の一部を第2方向に垂直な平面に切った断面図であり、図17を参照すると、メモリセルアレイ810の外周領域に配置されたコンタクトプラグCP12を介して第1半導体層40と第2半導体層50の間に導電経路が形成される。
第3方向に積層されたストリング選択ライン(SSL)、ワードライン(WL1~WL8)、及び接地選択ライン(GSL)は、上部絶縁層IL10に形成されたコンタクトプラグCP11を介して第1半導体層40の上面に形成された伝導性パターンMP11と電気的に接続される。
【0088】
伝導性パターンMP11は、第1半導体層40、即ち上部絶縁層IL10及びベース層BPを貫通するコンタクトプラグCP12を介して第2半導体層50に形成された伝導性パターンMP21と電気的に接続され、結果的に第2半導体層50に形成された半導体素子、例えばトランジスタTRと電気的に接続される。
例えば、メモリセルアレイ810の外周領域に配置され、第1半導体層40を貫通するコンタクトプラグCP12は、メモリセルアレイ810に配列された複数のワードライン(WL1~WL8)を第2半導体層50に形成されたローデコーダ820に対応する回路と電気的に接続するのに使用できる。
【0089】
図18は、本発明の実施形態による第1及び第2半導体層を含む不揮発性メモリ装置100’の概略構造を示す斜視図であり、図19は、図18の不揮発性メモリ装置で第1半導体層と接する第2半導体層の上面を示す平面図である。
【0090】
ローデコーダ820は、ワードライン(WL)が延長された方向と垂直な方向(即ち、ワードライン(WL)が配列された方向)に延長される形状を有するように配置され、ページバッファ回路830は、ビットライン(BL)と垂直な方向(即ち、ビットライン(BL)が配列された方向)に延長される形状を有するように配置される。
これによって、COP構造の不揮発性メモリ装置800’で、ローデコーダ820及びページバッファ回路830は、第1半導体層40のメモリセルアレイ810と第3方向に重畳する面積を増加させるために、ローデコーダ820、ページバッファ回路830、及び演算回路850の各々は、2個以上の部分として分離されたウィンドミル(windmill)のように配置できる。
【0091】
即ち、図18及び図19を参照すると、ローデコーダ820に対応する回路は、第1及び第2ローデコーダ(RD1、RD2)に分離することができ、ページバッファ回路830に対応する回路は、第1及び第2ページバッファ回路(PB1、PB2)に分離することができ、演算回路850に対応する回路は、第1及び第2演算回路(CC1、CC2)に分離することができる。
例えば、ローデコーダ820、ページバッファ回路830、及び演算回路850に対応する回路は、第1半導体層40のメモリセルアレイ810と第3方向に完全に重畳するようにウィンドミルのように配置できる。
【0092】
図19を参照すると、第2半導体層50は、ワードライン(WL)と平行した第1方向の仮想ライン(Y0-Y0’)及びビットライン(BL)と平行した第2方向の仮想ライン(X0-X0’)が、第1及び第2方向と垂直な第3方向にメモリセルアレイ810と重畳する領域R0又はR0’内の点P0で交差する時、2個の仮想ライン(Y0-Y0’、X0-X0’)により区画される4個の領域(R1~R4)を含むことができる。
図19に示したように、第1及び第2ローデコーダ(RD1、RD2)は、第1及び第3領域(R1、R3)に各々配置され、第1及び第2ページバッファ回路(PB1、PB2)及び第1及び第2演算回路(CC1、CC2)は、第2及び第4領域(R2、R4)に各々配置される。
【0093】
例えば、第1半導体層40のメモリセルアレイ810と重畳する第2半導体層50の領域が図19の領域R0である場合、第1~第4領域(R1~R4)は、メモリセルアレイ810と完全に重畳することができ、これによって第1及び第2ローデコーダ(RD1、RD2)、第1及び第2ページバッファ回路(PB1、PB2)、及び第1及び第2演算回路(CC1、CC2)は、第3方向にメモリセルアレイ810と完全に重畳できる。
他の例示として、第1半導体層40のメモリセルアレイ810と重畳する第2半導体層50の領域が図19の領域R0’である場合、第1~第4領域(R1~R4)の一部がメモリセルアレイ810と重畳することができ、これによって第1及び第2ローデコーダ(RD1、RD2)、第1及び第2ページバッファ回路(PB1、PB2)、及び第1及び第2演算回路(CC1、CC2)は、第3方向にメモリセルアレイ810と重畳しない部分を含み得る。
【0094】
図20は、本発明の実施形態による図15の不揮発性メモリ装置における周辺回路の概略を示すブロック図である。
図20を参照すると、周辺回路840は、電圧生成回路841、制御回路843、及びデータ入出力回路845を含む。
【0095】
電圧生成回路841、制御回路843、及びデータ入出力回路845の構成と動作は、図3の不揮発性メモリ装置30の電圧生成回路600、制御回路500、及びデータ入出力回路420の構成及び動作と実質的に類似しているので、これに対する詳細な説明は省略する。
図20の周辺回路840の構成要素に対応する回路は、図15のページャーバッファ回路830及び演算回路850と共に図16の第2半導体層50に配置できる。
【0096】
図21は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図1図21を参照すると、複数の不揮発性メモリセルを備えるメモリセルアレイ100を含む不揮発性メモリ装置30の動作方法は、不揮発性メモリセルから、メモリセルアレイ100と複数のビットライン(BLs)を介して接続されるページバッファ回路410を介して読み出されたデータセット(RDT)に含まれる情報ビット(INDT)及びウェイトビット(WDT)をシフトレジスタブロック710に提供する(ステップS110)。
次に、シフトレジスタブロック710で、情報ビット(INDT)及びウェイトビット(WDT)を、各々アクティベーションと特性マップに分割する(ステップS120)。
【0097】
次に、乗算及び累積回路720で、アクティベーションと特性マップに対して演算ウィンドウに基づいて「マトリックス-ベクトル乗算」を実行する(ステップS130)。
次に、アクティベーションと特性マップの全てに対して「マトリックス-ベクトル乗算」が完了した場合、データバッファ780は、演算の結果である出力データセット(RDTO)を提供する(ステップS140)。
【0098】
図22は、本発明の実施形態によるSSD(solid state disk or solid state drive:SSD)の概略構成を示すブロック図である。
図22を参照すると、SSD1000は、複数の不揮発性メモリ装置1100及びSSD制御器1200を含む。
【0099】
不揮発性メモリ装置1100は、オプション的に外部高電圧(VPP)の提供を受けることができるように具現され得る。
不揮発性メモリ装置1100は、前述した図3の不揮発性メモリ装置30で具現され得る。
したがって、不揮発性メモリ装置1100の各々は、ページバッファ回路とデータ入出力回路との間に接続される演算回路を含み、演算回路は情報ビット及びウェイトビットに対する演算ウィンドウ単位のベクトル-マトリックス乗算を実行し、前記乗算を完了するまで演算結果をデータ入出力回路に提供しない。
したがって、入出力経路によって消費する電力を減少させることができる。
また、演算回路をメモリセルアレイが形成される第1半導体層の下部の第2半導体層に形成することによって、不揮発性メモリ装置1100の各々の集積度を増加させることができる。
【0100】
SSD制御器1200は、複数のチャンネル(CH1~CH4)を介して不揮発性メモリ装置1100に接続される。
SSD制御器1200は、少なくとも1つのプロセッサ1210、バッファメモリ1220、エラー訂正回路1230、ホストインターフェース1250、及び不揮発性メモリインターフェース1260を含む。
バッファメモリ1220は、SSD制御器1200の駆動に必要なデータを臨時に格納する。
また、バッファメモリ1220は、書込要請時、プログラム動作に用いられるデータをバッファリングしておくことができる。
エラー訂正回路1230は、書込動作でプログラムされるデータのエラー訂正コード値を計算し、読取動作で読み取られたデータをエラー訂正コード値に基づいてエラー訂正し、データ復旧動作で不揮発性メモリ装置1100から復旧されたデータのエラーを訂正することができる。
【0101】
本発明の実施形態によるメモリ装置又は格納装置は、多様な形態のパッケージを用いて実装することが可能である。
【0102】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、不揮発性メモリ装置を備える任意の電子装置に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0104】
10 メモリシステム
20 メモリコントローラ
30、800、800’、800-1、1100 不揮発性メモリ装置
40 第1半導体層
50 第2半導体層
100 メモリセルアレイ
111 基板
112 絶縁物質
113 フィラー
116 絶縁膜
211~291、213~293 第1導電物質
311~314 (第1~第4)ドーピング領域
320 ドレイン
331~333 第2導電物質
410 ページバッファ回路
420 データ入出力回路
430 アドレスデコーダ
440 エラー訂正コード(ECC)エンジン
450、500 制御回路
510 コマンドデコーダ
520 アドレスバッファ
530 制御信号生成器
600 電圧生成回路
610 プログラム電圧生成器
630 パス電圧生成器
650 検証/読出電圧生成器
700 演算回路
710 シフトレジスタブロック
711、713 (第1、第2)シフトレジスタ
720 乗算及び累積回路
730 乗算回路
731、733 (第1、第2)バッファ
735、751 乗算器
741 単位演算器
752 合算器
753 累積器
760 累積回路
761 加算器
763 バッファ
780 データバッファ
810 メモリセルアレイ
820 ローデコーダ(RD)
830 ページバッファ回路
840 周辺回路
841 電圧生成回路
843 制御回路
845 データ入出力回路
850 演算回路
1000 SSD
1200 SSD制御器
1210 プロセッサ
1220 バッファメモリ
1230 エラー訂正回路
1250 ホストインターフェース
1260 不揮発性メモリインターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22