(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/52 20180101AFI20240117BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20240117BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F7/003
(21)【出願番号】P 2019167022
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】十倉 淳
(72)【発明者】
【氏名】清水 栄一
(72)【発明者】
【氏名】張 ジニー
(72)【発明者】
【氏名】田畑 雅基
(72)【発明者】
【氏名】柯 陽
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祥太
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-039628(JP,U)
【文献】特開2010-136741(JP,A)
【文献】特開2012-102899(JP,A)
【文献】特開2009-036492(JP,A)
【文献】特開2004-324927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 7/003
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機であって、
吸込口から吸い込み、フィルタ部で塵埃が捕集された空気を、吹出口から吹き出すように送風するファンと、
前記吹出口から吹き出す空気の状態を表すための第1の発光部と、
前記吸込口から吸い込まれた空気の状態を表すための第2の発光部と、
を備え、
前記吸込口は、前記吹出口よりも下方に設けられており、
前記第1の発光部は、前記吹出口が光るように光を照射し、
前記第2の発光部は、前記空気清浄機を載置する床面
に向けて光を照射する
空気清浄機。
【請求項2】
前記第1の発光部及び前記第2の発光部の発光を制御する制御部と、
前記吹出口から吹き出す空気の状態を検知する第1の検知部または前記吸込口から吸い込まれた空気に放電する放電装置と、
前記吸込口から吸い込まれた空気の状態を検知する
第2の検知部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1の検知部の検出値に基づいて前記吹出口から吹き出す空気の状態が変化した場合、または前記放電装置が駆動しているか否かに応じて、前記第1の発光部の発光パターンを変化させ、
前記
第2の検知部の検出値に基づいて前記吸込口から吸い込まれた空気の状態が変化した場合に、
前記第2の発光部の発光パターンを変化させ、
前記第2の検知部の検出値に基づいて前記吸込口から吸い込まれた空気の状態が変化した場合に、前記第2の発光部の発光パターンに連動するように前記第1の発光部の発光パターンを
、前記吹出口から吹き出す空気の状態、または前記放電装置が駆動しているか否かに基づく発光パターンとは異なる発光パターンで所定時間発光させる、請求項1に記載の
空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、吸込口近傍に設けられ、空気中の汚れ成分を検知するセンサと、検知結果から空気の汚れ度合を複数段階に判定する判定手段と、空気の汚れ度合を表示するために、空気が清浄であることを表す青色LEDを1個と、空気が汚れていることを表す赤色LEDを1個とを備えた空気清浄機が開示されている。センサの検知結果から空気中の汚れ度合を各汚れ段階に応じて青色LEDと赤色LEDのデューティー比を変化させ、青LED・赤LEDの輝度に強弱をつけることで、2個のLEDで複数通りの汚れ度合を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空気清浄機において、例えば、経年使用によりフィルタ部(例えば、塵埃を捕集する集塵フィルタや臭気成分を吸着する脱臭フィルタ等)が劣化していたり、フィルタ部に臭気成分や塵埃が付着していたりする場合、吸い込まれた空気が清浄化されることなく吹き出されることにより、室内を清浄化できない場合があった。さらに、そのような状態に気づかないまま、運転を継続することで、室内環境を悪化させる場合があった。
【0005】
上記の問題点に鑑み、本発明は、一例として、機器内部を流れる空気の状態を容易に把握することができる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る空気清浄機は、空気清浄機であって、吸込口から吸い込み、フィルタ部で塵埃が捕集された空気を、吹出口から吹き出すように送風するファンと、前記吹出口から吹き出す空気の状態を表すための第1の発光部と、前記吸込口から吸い込まれた空気の状態を表すための第2の発光部と、を備え、前記吸込口は、前記吹出口よりも下方に設けられており、前記第1の発光部は、前記吹出口が光るように光を照射し、前記第2の発光部は、前記空気清浄機を載置する床面に向けて光を照射する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態1に係る空気清浄機の斜視図である。
【
図5】
図2に示した空気清浄機のV-V断面図である。
【
図6】
図5に示した空気清浄機の吹出口を示す一部拡大断面図である。
【
図7】(a)
図1に示した空気清浄機の回動機構を示す斜視図である(b)
図1に示した空気清浄機の回動機構を示す分解斜視図である(c)
図1に示した空気清浄機の回動機構を示す一部拡大断面図である。
【
図8】(a)
図1に示した空気清浄機の操作部の第1姿勢を示す側面断面図である(b)
図1に示した空気清浄機の操作部の第2姿勢を示す側面断面図である。
【
図9】
図1に示した空気清浄機の制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】(a)
図1に示した空気清浄機の吸込口側の空気の汚れ度に応じたファンの回転数制御を示す図である(b)
図1に示した空気清浄機の吸込口側の空気の乾湿度に応じたファンの回転数制御を示す図である。
【
図11】
図1に示した空気清浄機の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【
図13】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【
図14】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【
図15】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【
図16】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第5実施形態を示すフローチャートである。
【
図17】
図1に示した空気清浄機の制御部による異常検出処理の第6実施形態を示すフローチャートである。
【
図18】(a)
図1に示した空気清浄機の第1の発光部の発光パターンを示す図である(b)
図1に示した空気清浄機の第1の発光部の発光タイミングを示す図である。
【
図19】(a)
図1に示した空気清浄機の第2の発光部の発光パターンを示す図である(b)
図1に示した空気清浄機の第2の発光部の発光タイミングを示す図である。
【
図20】(a)
図1に示した空気清浄機の汚れ度が「0」に変化した場合の第1の発光部及び第2の発光部の発光タイミングを示す図である(b)
図1に示した空気清浄機の汚れ度が「1」に変化した場合の第1発光部及び第2発光部の発光タイミングを示す図である(c)
図1に示した空気清浄機の汚れ度が「2」に変化した場合の第1発光部及び第2発光部の発光タイミングを示す図である。
【
図21】
図1に示した空気清浄機の制御部による第1の発光部及び第2の発光部の発光パターンの連動処理を示すフローチャートである。
【
図22】(a)
図1に示した空気清浄機の第1の発光部及び第2の発光部の発光パターンの第2実施形態を示す図である(b)第1の発光部の発光パターンと、第2の発光部の発光パターンとの組み合わせ毎に想起されるイメージを表した図である。
【
図23】(a)
図1に示した空気清浄機の第1の発光部及び第2の発光部の発光パターンの第3実施形態を示す図である(b)第1の発光部の発光パターンと、第2の発光部の発光パターンとの組み合わせ毎に想起されるイメージを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付することにより重複する説明は省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する場合がある。さらに、かかる実施の形態に示す構成要素の形態はあくまでも例示であって、これらの形態に限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1から
図5を参照して、本発明の実施形態1に係る空気清浄機100の全体構造について説明する。以下の説明において、空気清浄機100の吸込口120が設けられる側を後側又は背面と称し、後側と対向している空気清浄機100の側を前側又は正面と称する。また、空気清浄機100の右側とは、空気清浄機100を正面から見たときの右側を意味し、空気清浄機100の左側とは、空気清浄機100を正面から見たときの左側を意味する。
図1は、空気清浄機100の斜視図である。
図2は、空気清浄機100の正面図である。
図3は、空気清浄機100の右側面図である。
図4は、空気清浄機100の平面図である。
図5は、
図2に示した空気清浄機100のV-V線断面図である。
【0010】
図1から
図4を参照して、空気清浄機100の外観について説明する。空気清浄機100は、筐体110を備える。筐体110は、前面110aと、後面110bと、左側面110cと、右側面110dと、上面110eと、底面110fと、から構成され、上面110eに開口を有する略錐台状に形成される。筐体110は、上部から下部に進むにつれて外側に広がるように形成される。具体的には、前面110a及び後面110bは、下部に進むにつれて対向する間隔が大きくなるように外側に傾斜して設けられている。同様に、左側面110c及び右側面110dは、下部に進むにつれて対向する間隔が大きくなるように外側に傾斜して設けられている。前面110aは、左側面110c及び右側面110dに、それぞれ滑らかな曲面によってつながれている。同様に、後面110bは、左側面110c及び右側面110dに、それぞれ滑らかな曲面によってつながれている。以上のように、筐体110の周囲を囲う外周面は、平面視において略矩形状に形成される。
【0011】
筐体110の後面110bには、空気(風)を取り入れる吸込口120が形成される。吸込口120は、筐体110に着脱可能に設けられる後面パネルに形成される複数の孔からなる。筐体110の上面110eには、空気(風)を吹き出す吹出口130が形成される。筐体110の右側面110dには、給水タンク140が着脱可能に設けられる。筐体110の左側面110c及び右側面110dの上部には、それぞれ把持部150が形成されており、筐体110の持ち運びを容易としている。筐体110の底面110fには、複数の車輪160が取り付けられており、空気清浄機100を床面Sに沿って円滑に移動させることを可能としている。吹出口130には、吹出口130から吹き出される空気(風)の向きを切り換える後述のルーバ300が設けられる。
【0012】
なお、筐体110の前面110aには、空気清浄機100の運転状態を示す表示部170を設けてもよい。表示部170は、一例として、LED光源が配置された基板を含んで構成され、筐体110の内部から透光性を有する筐体110の前面110aに向けて光を照射することで、ユーザに向けて空気清浄機100の運転状態等を表示している。
【0013】
図5を用いて、空気清浄機100の内部構造について説明する。筐体110内は、吸込口120から吹出口130に向けて空気が流通するように構成される。筐体110の内部には、吸込口120から吹出口130に向けて順に、プレフィルタ210、脱臭フィルタ220、集塵フィルタ230、加湿ユニット240、送風機250、放電装置260が設けられる。
【0014】
プレフィルタ210は、通過する空気中の塵埃(粗塵)を捕集するためのものである。プレフィルタ210は、一例として、ポリプロピレン等のシート状のメッシュにより形成される。プレフィルタ210は、吸込口120に面するように筐体110の後面110bの内側に取り付けられる。
【0015】
筐体110の内部には、脱臭フィルタ220及び集塵フィルタ230を収容する収容部110gが形成されている。収容部110gは、筐体110の後部側で、筐体110の吸込口120と対向する位置に形成される略直方体状に窪んだ空間である。収容部110gには、空気の流れ方向の上流側から順に、脱臭フィルタ220及び集塵フィルタ230が並べて収容されている。
【0016】
脱臭フィルタ220は、通過する空気中の臭気成分(例えば、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等)を吸着して空気を脱臭するためのものである。脱臭フィルタ220は、一例として、矩形状の枠体にポリエステル製の不織布を取り付け、その上に活性炭を均一に分散配置し、その上からポリエステル製の不織布を被せた構造を有する。
【0017】
集塵フィルタ230は、通過する空気中の塵埃、具体的には、微細な塵埃や所定粒径(例えば、3μm)よりも小さい粒径のPM2.5等の微小粒子を捕集するためのものである。集塵フィルタ230は、一例として、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタからなり、濾材を覆うように枠材がホットメルトにより溶着された構造を有する。
【0018】
加湿ユニット240は、通過する空気を加湿するためのものである。加湿ユニット240は、収容部110gの前方、より具体的には集塵フィルタ230の前方に配置される。加湿ユニット240は、水を溜めるトレイ240aと、トレイ240a内の水に下部を浸漬して配置される加湿フィルタ240bと、から構成される。トレイ240aは、給水タンク140から水を供給可能に構成されている。加湿ユニット240は、加湿フィルタ240bに空気が吹き付けられることで、加湿フィルタ240bに含まれる水を気化させて空気を加湿している。
【0019】
加湿ユニット240の前方、すなわち、筐体110の前底部側には、送風機250が配置される。送風機250は、ファン250a及びファン250aを駆動させるファンモータ(図示せず)を有する。ファン250aは、シロッコファン等の遠心ファンにより形成され、軸方向(前後方向)に空気を吸い込んで周方向(上方)に空気を送り出すように構成される。
【0020】
加湿ユニット240及び送風機250の間には、隔壁110hが配置されている。隔壁110hは、筐体110の内部空間を前後に仕切るように配置されており、その上部は、後方に傾斜するように伸びている。隔壁110hの後方には、加湿ユニット240、集塵フィルタ230、脱臭フィルタ220及びプレフィルタ210が配置されている。隔壁110hの前方には、送風機250が配置されている。隔壁110hには、送風機250に通じる複数の通気孔110iが形成されている。これにより、吸込口120を介して筐体110内部に取り入れられた空気は、通気孔110iを通じて送風機250に吸い込まれる。
【0021】
筐体110の内部には、ファン250aから吹出口130までを連通する送風路200が形成される。送風路200は、上流側の第1送風路200aと、下流側の第2送風路200bと、からなる。第1送風路200aは、隔壁110hと、ファン250aを収容するファンケース250bと、から構成される断面形状が略矩形状のダクトからなる。ファンケース250bの上部(ファン250aよりも上方に位置する部分)は、隔壁110hと同様に、前方から後方に傾斜して上方に伸びるように形成されており、隔壁110hの前面を囲うように取り付けられている。以上のように、第1送風路200aは、一例として、傾斜方向が後ろ斜め上方となるように構成されている。なお、第1送風路200aは、後ろ斜め上方に延伸するように構成されているが、これに限らず、少なくとも上方に向かって延伸するように構成されていればよい。
【0022】
ファンケース250bの上部の壁面には、放電装置260が設けられる。放電装置260は、一例として、針状の放電電極が送風路200内に露出するように配置され、高圧電圧を印加することによってイオンを発生させるものである。放電装置260により生成されるイオンは、送風機250による空気の流れにのって、吹出口130から外部へ吹き出される。
【0023】
ファンケース250b及び隔壁110hの上端部(送風方向における終端部)には、第2送風路200bが接続される。第2送風路200bは、第1送風路200aと吹出口130とを接続している。筐体110は、吹出口130と、第2送風路200bと、筐体110上部の外周面とが一体的に成形された上部カバー(図示せず)を有し、第2送風路200bは、上部カバーの一部として構成されている。
【0024】
以上の構成において、ファン250aを回転させることで、吸込口120から吸い込まれた空気は、筐体110の内部を前方に進みながら、プレフィルタ210、脱臭フィルタ220、集塵フィルタ230を通過することで、臭い及び塵埃のない空気に浄化され、加湿ユニット240によって加湿される。そして、送風機250から後ろ斜め上方に向けて進みながら放電装置260により発生したイオンが付加され、イオンを含む空気が吹出口130より吹き出されるように構成されている。より具体的には、イオンを含む空気が後述の第1吹出口130aより前方又は前下方に吹き出され、後述の第2吹出口130bより後ろ斜め上方に吹き出されるように構成されている。
【0025】
なお、空気清浄機100は、プレフィルタ210を清掃する機能を有していないが、これに限らず、例えば、プレフィルタ210及び脱臭フィルタ220の間に清掃装置を配置して、プレフィルタを清掃するように構成してもよい。また、空気清浄機100は、空気を加湿する構造やイオンを発生させる構造を有しているが、これに限らず、例えば、室内の塵埃を捕獲する機能のみを有していてもよいし、空気を除湿する機能を有していてもよい。
【0026】
図6を用いて、吹出口130及び第2送風路200bについて説明する。
図6は、空気清浄機100の吹出口130を示す一部拡大断面図である。
【0027】
筐体110の上面110eには、吹出口130が形成される。吹出口130は、一例として、上面110e全体にわたって形成されており、左右方向に細長い略矩形状に形成されている。ゆえに、上面110eは吹出口130を構成する縁部から構成されている。なお、吹出口130は、上面110e全体にわたって形成されているが、これに限らず、上面110eの一部に形成されてもよい。
【0028】
第2送風路200bは、湾曲面または第1送風路200aに対して傾斜する傾斜面を有する。第2送風路200bを構成する壁部201は、一例として、吹出口130に向かって広がるように湾曲している。すなわち、第2送風路200bは、湾曲面として構成される壁部201を有している。壁部201は、吹出口130に近づくにつれて、開口が広くなるように形成される。開口が広くなるとは、空気が流れる方向(第1送風路200aの傾斜方向)と直交する方向において第2送風路200bを切断したときの断面積が大きくなることを指す。壁部201は、筐体110の内側上方に向かって突出するように湾曲している。言い換えれば、壁部201は、吹出口130から内側下方に向けて傾斜(湾曲)する略漏斗状に形成されている。
【0029】
以上のように、第2送風路200bは、湾曲面として構成される壁部201を有しているが、これに限らず、例えば、第1送風路200aに対して傾斜する傾斜面を有してもよい。この場合、壁部201は、吹出口130に向かって広がるように形成される。また、第2送風路200bは、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面を有してもよい。
【0030】
ルーバ300は、吹出口130から吹き出される空気(風)の向きを切り換えるためのものである。ルーバ300は、後述の回動機構400(
図7参照)によって回動させることにより、吹出口130から吹き出される空気(風)の向きを変更可能に構成されている。ルーバ300には、空気清浄機100の各種動作の設定を行う操作部350が設けられる。空気清浄機100の各種動作の設定とは、例えば、空気清浄機100の運転開始、運転停止、運転モードの選択、風量、風向等の設定を指す。すなわち、ルーバ300は、操作部350としての機能も有している。操作部350は、一例として、タッチパネルを含んで構成される。以上のように、ルーバ300は、上述のように風の向きを変更する機能と、空気清浄機100の各種動作を設定する機能とを併せ持つ構成とすることにより、デザイン的にも構成要素を減らすことができ、よりスタイリッシュなデザインとすることができる。なお、操作部350による各種動作の設定は、ルーバ300にて行われているが、これに限らず、ルーバ300以外の設定部等で行うようにしてもよい。
【0031】
ルーバ300は、送風路200から吹出口130にかけて設けられる。より具体的には、ルーバ300は、第2送風路200bから筐体110の外部に突出するように設けられる。
【0032】
ルーバ300は、二枚の弓形状に形成された板状部材を前後に組み合わせることで、側面視において略三日月状に形成される基体310を有する。前方の板状部材は、送風路200から吹出口130方向に向かって延伸するとともに、筐体110の正面側に湾曲する湾曲面部310aからなる。後方の板状部材は、送風路200から吹出口130方向に向かって延伸する背面部310bと、背面部310bから湾曲して正面側に延伸する上面部310cと、を含んで構成される。基体310は、中空状に形成され、中空部分に操作部350を構成する基板やタッチパネル等が収容されている。より具体的には、上面部310cには、操作部350を構成する基板やタッチパネルが重畳されており、上面部310cをユーザが操作することで、空気清浄機100の各種の動作を行うことができる。
【0033】
基体310の基部311側、すなわち、送風路200の内部側に位置する部分は、第2送風路200b内を左右方向に横断するように配置され、前後に仕切っている。また、基体310の基部311側は、第2送風路200b内において、前部寄りに配置されている。また、基体310の基部311側における左右方向の幅は、下部から上部に進むにつれて、第2送風路200b内の左右方向の幅に応じて大きくなるように形成されている。
【0034】
以上のように、基体310によって、第2送風路200bは、前後に分断されている。以下では、基体310を挟んで前部に位置する風路については、第1分岐流路200cと称する。第1分岐流路200cは、主として、壁部201のうち、前面から側面に至る部分と、湾曲面部310aと、によって囲まれる空間を指す。つまり、ルーバ300の一部(湾曲面部310a)が第1分岐流路200cを構成している。以下では、第1分岐流路200cの吹出口を、第1吹出口130aと称する。また、基体310を挟んで後部に位置する風路については、第2分岐流路200dと称する。第2分岐流路200dは、主として、背面部310bと、壁部201のうち、側面から背面にいたる部分と、によって囲まれる空間を指す。以下では、第2分岐流路200dの吹出口を、第2吹出口130bと称する。後述の回動機構400(
図7参照)によってルーバ300を回動させることにより、第1吹出口130a及び第2吹出口130bの開口面積はそれぞれ変化している。より具体的には、ルーバ300の回動に伴って、一方の吹出口(例えば、第1吹出口130a)の開口面積が大きくなると、他方の吹出口(例えば、第2吹出口130b)の開口面積が小さくなるように構成されている。
【0035】
基体310の先端部312側、すなわち、吹出口130よりも外側(上方)に位置する部分は、筐体110の正面(前方)側を向くように形成される。また、基体310は、先端部312側に進むにつれて、湾曲面部310aと、上面部310cとの対向する間隔(厚み)が薄くなるように形成されている。
【0036】
基体310は、送風路200から吹出口130方向に向かって延伸し、筐体110の正面側に湾曲するよう構成されることで、基体310の先端部312は、吹出口130を構成する正面側縁部130cの略上方に位置するように構成されている。以上の構成において、第1吹出口130aは、前方側に開口が形成されることで、第1分岐流路200cに流れる空気を、前方に吹き出すことができる。また、基体310は、送風路200から吹出口130に向かって延伸するとともに、筐体110の正面側に湾曲する湾曲面部310aを有することで、第1吹出口130aに効率的に空気を送り出すことができる。すなわち、湾曲面部310aは、第1分岐流路200cに流れる空気を第1吹出口130aに案内するガイド面として機能している。
【0037】
また、第2分岐流路200dに流れる空気は、第1送風路200aの傾斜方向と略同一の方向に沿って、第2吹出口130bから主として、後ろ斜め上方に吹出される。このとき、基体310は、第2送風路200b内に前部寄りに配置された上、背面部310bは基部311側から上方(略真上)に延伸するように形成されるため、第2分岐流路200dに流れる空気の妨げとなりにくい。以上より、空気清浄機100は、上面110eに形成された一つの吹出口130から上方だけでなく、前方にも空気を吹き出すことができる。
【0038】
以下において、湾曲面部310aと対向する壁部201は、第1の壁部201aとも称し、背面部310bと対向する壁部201は、第2の壁部201bとも称する。第1の壁部201aは、吹出口130の正面側縁部130cから内側下方に向けて湾曲する部分を指す。第2の壁部201bは、吹出口130の背面側縁部130dから内側下方に向けて湾曲する部分を指す。
【0039】
第1の壁部201aは、湾曲面部310aとの対向する間隔が略同一となるように形成される。すなわち、第1の壁部201aは、湾曲面部310aと略同一の湾曲面を有している。これにより、第1分岐流路200cに流れる空気は、第1の壁部201a及び湾曲面部310aによって、第1吹出口130aに円滑に案内することができ、送風効率を向上させることができる。さらに、ルーバ300の一部(湾曲面部310a)が第1分岐流路200cを構成しているため、ルーバ300を回動させるだけで、容易に風の向きを切り替えることができる。
【0040】
以上の構成において、壁部201は、吹出口130の周方向にわたって、吹出口130に向かって広がるように湾曲しているが、これに限らず、第1の壁部201aのみを、吹出口130に向かって広がるように湾曲して構成してもよい。
【0041】
また、壁部201は、例えば、吹出口130に近づくにつれて、接線方向が水平方向に近づくように形成される。これにより、壁部201に沿って流れる空気を前方に円滑に案内することが可能となる。なお、壁部201は、周方向にわたって、接線方向が水平方向に近づくように構成されているが、これに限らず、第1の壁部201aのみを、吹出口130に近づくにつれて、接線方向が水平方向に近づくように形成してもよい。
【0042】
また、吹出口130は、例えば、背面側縁部130dが正面側縁部130cよりも高くなるように構成される。これにより、第2分岐流路200dを流れる空気は、後ろ斜め上方に向けて空気を安定的に送り出すことができる。
【0043】
図6及び
図7(a)に示すように、基体310には、湾曲面部310aから壁部201(第1の壁部201a)側(前下方)に向かって突出するように形成される一対の側壁320が設けられる。一対の側壁320は、基体310の左右方向における両端部に設けられており、湾曲面部310aと滑らかな曲面によってそれぞれつながれている。
【0044】
一対の側壁320により、第1分岐流路200cに流れ込んだ空気が側方に流れることを抑制することができる。また、後述のルーバ300の第2姿勢において、基体310の先端部312と、吹出口130の正面側縁部130cとの間の間隔が狭くなり、吹き出される空気の流速が上がった際に、第1吹出口130aから側方(例えば、左方向や右方向)に空気が流れることを抑制することができる。
【0045】
送風路200内には、例えば、第1分岐流路200c及び第2分岐流路200dに流れる空気の流量バランスを変更するダンパ330が設けられる。ダンパ330は、薄板状に形成され、上部に設けられる回動軸330aを支点として、下部を前後方向に回動可能に支持している。ダンパ330を回動することにより、第1分岐流路200cと、第2分岐流路200dと、の空気の流量バランスを変更している。
【0046】
ダンパ330は、例えば、第1送風路200aの上端部周辺に設けられる。回動軸330aは、基体310の基部311の下方に配置されており、ダンパ330は、3位置に変更可能に構成される。より具体的には、ダンパ330の傾斜方向が、第1送風路200aの傾斜方向(後ろ斜め上方)と同一の方向となる第1位置P1と、送風路200の上流側(下方)に進むにつれて、ダンパ330が後方に傾斜して配置される第2位置P2と、ダンパ330が第1送風路200aを構成する前側の壁面に当接して係止される第3位置P3と、に変更可能に構成される。第3位置P3では、第1送風路200aを構成する前側の壁面に形成される係止部330bにダンパ330が当接して係止されるように構成される。
【0047】
ダンパ330は、第1位置P1のとき、第1分岐流路200c及び第2分岐流路200dにそれぞれ予め定められた空気量を送り込むように構成される。ダンパ330は、第2位置P2のとき、第1位置P1と比べて、第1分岐流路200cに流れる空気の流量を増加させる。ダンパ330は、第3位置P3のとき、第1分岐流路200cに空気を略流さないように構成される。すなわち、第2分岐流路200dにほとんどの空気を流すように構成される。以上のように、ダンパ330を送風路200の内部に配置して、ダンパ330を3位置(3姿勢)に変更可能に構成することで、第1分岐流路200c及び第2分岐流路200dに流れる空気の流量バランスを変更している。
【0048】
送風路200には、例えば、第1分岐流路200cに入り込む空気を整流する第1整流部材340aと、第2分岐流路200dに入り込む空気を整流する第2整流部材340bと、が設けられる。第1整流部材340aは、第1の壁部201a側に取り付けられる。第1整流部材340aは、上方(略真上)に空気を送り出すことができるように、複数の整流板を組み合わせて成形される格子状の部材である。第2整流部材340bは、第2の壁部201b側に取り付けられる。第2整流部材340bは、後ろ斜め上方に向けて空気を送り出すことができるように、複数の整流板を組み合わせて成形される格子状の部材である。第1整流部材340a及び第2整流部材340bは、基体310の基部311において連結されている。
【0049】
図7を用いて、ルーバ300の回動機構400について説明する。
図7(a)は、空気清浄機100の回動機構400を示す斜視図である。
図7(b)は、空気清浄機100の回動機構400を示す分解斜視図である。
図7(c)は、空気清浄機100の回動機構400を示す一部拡大断面図である。ルーバ300は、回動機構400によって回動することにより、主として第1吹出口130aから吹き出される空気(風)の向きを変更している。回動機構400は、回動アーム410と、取付板420と、スプリング430と、スプリングカバー440と、アーム押え450と、を含んで構成される。
【0050】
図7(a)に示すように、回動機構400は、基体310を回動させる一対の回動アーム410を有する。回動アーム410は、中空の筒状部材からなり、下方に突出するように湾曲している。回動アーム410の一端は、第1の壁部201aの裏側の空間に回動可能に支持される。第1の壁部201aの裏側の空間とは、第1の壁部201aと、筐体110の外周面(例えば、前面110a)とによって囲まれる空間を指す。回動アーム410の他端は、基体310の底部を貫通して、内部の壁面(図示せず)に固定されている。これにより、ルーバ300は、回動アーム410の一端を支点として、他端側が前後方向に回動可能に構成される。回動アーム410は、基体310の左右方向における端部にそれぞれ同様の機構により取り付けられている。
【0051】
図7(b)及び
図7(c)に示すように、回動アーム410の一端は、第1の壁部201aの裏側に設けられる取付板420に回動可能に支持されている。取付板420は、第1の壁部201aから裏側(前方)に向けて突出して設けられる板状の部材である。回動機構400は、回動アーム410の一端を側方から取付板420に付勢するスプリング430を有する。スプリング430の一端には、回動アーム410に当接して回動アーム410を係止させるスプリングカバー440が取り付けられる。スプリングカバー440は、円筒状に形成され、回動アーム410の一端に設けられる窪み410aに対して相対回転可能に支持される。スプリング430の他端には、取付板420に締結されるアーム押え450が取り付けられる。すなわち、回動アーム410は、取付板420及びアーム押え450の間において、スプリング430の付勢力が付与されたスプリングカバー440によって取付板420に付勢されることで、係止されている。スプリング430の付勢力は、所望の姿勢においてルーバ300を係止させることが可能な程度の付勢力を指す。
【0052】
以上の構成において、ユーザがルーバ300(基体310)を押し込む又は引き出す方向に力を入れることにより、スプリング430の付勢力に抗して回動アーム410が回動されて、ルーバ300を所望の姿勢に回動させることができる。そして、スプリング430の付勢力によって、ルーバ300を所望の姿勢で係止させることができる。また、回動アーム410が中空状に構成されることで、操作部350を構成する基板や後述の照射部600の基板に接続されるリード線を回動アーム410の内部を通じて送風路200外へ案内することができる。
【0053】
図8を用いて、ルーバ300の回動姿勢について説明する。
図8(a)は、ルーバ300の第1姿勢を示す側面断面図である。
図8(b)は、ルーバ300の第2姿勢を示す側面断面図である。
【0054】
図6及び
図8(a)に示すように、ルーバ300の第1姿勢は、基体310の先端部312が吹出口130の正面側縁部130cの略上方に位置する姿勢を指す。そして、ルーバ300の湾曲面部310aと、第1の壁部201aと、の間隔が略同一となるように配置される。これにより、第1分岐流路200cに流れる空気が第1吹出口130aから前方に効率よく吹き出すように構成される。ここでは、湾曲面部310aの先端部312は、吹出口130の正面側縁部130c(筐体110)よりも内側に位置している。
【0055】
図8(b)に示すように、ルーバ300の第2姿勢は、第1姿勢からルーバ300を前方に引き出すように回動させた姿勢である。より具体的には、第2姿勢は、ルーバ300(湾曲面部310a)の先端部312を、筐体110よりも正面方向(前方)に位置させた姿勢である。また、第2姿勢は、湾曲面部310aの先端部312が斜め下方を向いている姿勢である。湾曲面部310aの先端部312は、吹出口130の正面側縁部130c(筐体110)よりも外側に位置(突出)している。これにより、第1分岐流路200cを流れる空気が第1吹出口130aから前下方に吹き出すように構成される。ここでは、湾曲面部310a及び第1の壁部201aの間隔は、先端部312に進むにつれて狭くなるように構成される。
【0056】
以上のように、回動機構400は、第1姿勢から第2姿勢までルーバ300を回動可能に構成される。これにより、空気清浄機100が配置される室内において、前方に空気を送り出したいときは、第1姿勢とし、室内の底部に向けて空気を送り出したいときは、第2姿勢とすることで、状況に応じて風向を変更することができる。また、第1の壁部201aの裏側の空間に回動機構400を収容可能に構成することで、回動機構400を既存の空間を利用して無理なく配置することができる。また、操作部350はタッチパネルにより構成されることで、操作部350を押し込むことなく、各種動作の設定を行うことができる。ゆえに、ルーバ300が回動可能に構成されていたとしても、不用意にルーバ300を回動させることなく、各種動作の設定を行うことができる。なお、ルーバ300は、手動で回動させる構成となっているが、これに限らず、モータ等を利用してルーバ300を回動させる構成としてもよい。
【0057】
図8に示すように、第1整流部材340aの上部には、湾曲面部310aと壁部201(第1の壁部201a)とから構成される風路(第1分岐流路200c)に風を案内させるガイド部500が送風路200内に設けられる。ガイド部500は、第1の壁部201a、第1整流部材340a等に取り付けられる。ガイド部500は、側面視において扇状に形成される、中空のダクト状の部材である。ガイド部500は、下部に形成される開口(図示せず)から空気を取り入れ、前部に形成される開口(図示せず)から空気を出すように構成される。
【0058】
ガイド部500は、ルーバ300の回動に応じて基体310を摺動可能に支持する摺動面500aを有する。摺動面500aは、ガイド部500の外周面、より具体的には、側面視における弧部分を構成する面からなる。摺動面500a及びルーバ300の湾曲面部310aの下部は、ルーバ300の回動支点を中心とした回動軌跡上に沿うように形成されている。ルーバ300の第1姿勢において、摺動面500a及びルーバ300の湾曲面部310aの下部は、密着した状態となっている。ルーバ300を第1姿勢から前方に回動させると、ルーバ300の湾曲面部310aが摺動面500a上に沿って摺動しながら第2姿勢へと移行する。ルーバ300の第2姿勢において、摺動面500a及びルーバ300の湾曲面部310aの下部は、一部密着した状態となっている。
【0059】
図8に示すように、ルーバ300の湾曲面部310aには、例えば、後方への回動を規制するための係止部310dが設けられる。係止部310dは、湾曲面部310aの中途部に形成され、ガイド部500の上部を係止する段差部からなる。これにより、ルーバ300が第1姿勢よりも後方に回動しないように規制される。また、摺動面500aの下端部には、ルーバ300の基部311を支持するように、後方に突出する支持部500bが形成される。これにより、ルーバ300を第1姿勢において安定的に支持することができる。
【0060】
以上のように、摺動面500aがルーバ300の回動軌跡上に沿うように形成されることにより、ルーバ300を安定的に支持しながら、回動させることを可能としている。また、ルーバ300が前方に回動したとしても、ガイド部500を通じて第1分岐流路200cに確実に空気を取り入れることができる。
【0061】
図8を用いて、送風路200に光を照射する照射部600について説明する。
図8(a)では、ルーバ300の第1姿勢における照射部600の照射領域を、符号L1及び符号L2で示す直線で囲まれた領域(斜線で示した領域)として模式的に表している。
図8(b)では、ルーバ300の第2姿勢における照射部600の照射領域を、符号L3及び符号L4で示す直線で囲まれた領域(斜線で示した領域)として模式的に表している。
【0062】
空気清浄機100は、送風路200の下流側に設けられる湾曲面に光を照射する照射部600を有する。すなわち、照射部600は、第2送風路200bの湾曲面として構成される壁部201に照射するように構成される。また、照射部600は、一例として、筐体110の背面方向(後方)に光を照射している。なお、空気清浄機100は、湾曲面として構成される壁部201に光を照射する構成としているが、これに限らず、例えば、傾斜面として構成される壁部201に光を照射する構成としてもよい。
【0063】
照射部600は、一例として、風向きを変更するルーバ300に設けられる。より具体的には、照射部600は、ルーバ300の背面側(背面部310b)に設けられている。また、照射部600は、吹出口130よりも下方に配置されている。
【0064】
照射部600は、例えば、LED光源(図示せず)と、LED光源の光を屈曲させるレンズ(図示せず)等からなる。LED光源は、基体310の内部に配置される。レンズは、基体310の内部において、光源の照射側に光源と対向して配置される。レンズは、LED光源の光を所定の方向(例えば、筐体110の背面方向)に向けて出射させる光学特性を有している。基体310の背面部310bのうち、LED光源からの照射方向と交差する部分は、透光領域600aとして形成される。透光領域600aは、透光性を有するガラスや樹脂を成形して形成される。なお、LED光源の光を所定の方向に向けて出射させるためにレンズを用いているが、これに限定されず、例えば、透光領域600aを構成する板状部材(カバー部材)をレンズ形状に加工してLED光源の光を所定の方向に向けて出射させてもよい。
【0065】
以上の構成において、照射部600から照射される光は、透光領域600aを介して湾曲面として構成される壁部201、より具体的には、第2の壁部201b側に照射される。このように、照射部600から照射される光の照射面を湾曲面とし、湾曲面において光を反射(散乱)させることで、吹出口130近傍を照らし出すことができる。また、第2の壁部201bを、吹出口130に向かって広がるように湾曲させることで、ユーザが第2の壁部201bにおいて反射(散乱)された光を視認しやすくなる。また、第2の壁部201bを、吹出口130に近づくにつれて、接線方向が水平方向に近づくように湾曲させることで、吹出口130の端部に照射された光は、上方に反射(散乱)されやすくなる。また、壁部201を、上方からみたときに、曲面状に形成させることで、壁部201に照射された光は、四方(前後左右)に反射(散乱)させやすくなる。これにより、照射部600から照射される光が直接ユーザの目にさらされることを低減、すなわち、ユーザが眩しく感じることを減らしながら、第2の壁部201bにおいて反射(散乱)された光をユーザは容易に認識することができる。ゆえに、ユーザに対して柔らかい印象を与えることができ、部屋の雰囲気を損なうことを抑制できる。また、照射部600が吹出口130よりも下方に設けられる。また、ルーバ300の背面側に照射部600が設けられている。これにより、照射部600から照射される光が直接ユーザの目にさらされることを低減することができる。また、吹出口130は、背面側縁部130dが正面側縁部130cよりも高くなるように構成されることで、背面側の配光範囲を広くすることができ、ユーザの視認性が向上される。
【0066】
図8(a)及び
図8(b)を用いて、ルーバ300の第1姿勢及び第2姿勢における照射部600の照射領域について説明する。照射部600は、ルーバ300の姿勢に関わらず、照射領域に少なくとも第2の壁部201bが含まれるように構成される。
図8(a)に示すように、ルーバ300の第1姿勢において、照射部600の照射領域は、主として、第2の壁部201bとなるように構成されている。すなわち、ルーバ300の第1姿勢において、照射部600は、第2の壁部201bに光を照射するように構成されている。
図8(b)に示すように、ルーバ300の第2姿勢において、照射部600の照射範囲は、少なくとも第2の壁部201bを含んで構成される。より具体的には、照射部600の光軸(図示せず)は、第2の壁部201bの吹出口130側の端部、すなわち、吹出口130の背面側縁部130d近傍となるように構成されている。これにより、照射部600は、吹出口130側をより照らすことができる。また、ルーバ300の第2姿勢において、照射部600は、第2の壁部201bの他に、吹出口130の上方、例えば、筐体110の後方に位置する室内の壁面Wを照射部600によって照らすことができる。
【0067】
以上のように、空気を吹き出す方向(ルーバ300の回動姿勢)に関わらず、少なくとも第2の壁部201bに光を照射するように構成することで、ユーザが眩しく感じることを減らすとともに、ユーザに柔らかい光の印象を与えることができる。また、空気を吹き出す方向(ルーバ300の回動姿勢)に応じて、照射部600による照射箇所を変更することで、ユーザは、空気(風)の吹出方向を直感的に把握することが可能となる。なお、ルーバ300の第2姿勢において、照射部600は、ルーバ300の第1姿勢よりも吹出口130側を照らすように構成されているが、これに限らず、ルーバ300の回動姿勢に関わらず、第2の壁部201bの同一の箇所を照らすように構成してもよい。
【0068】
なお、以下では、照射部600を第1の発光部600とも称する。また、
図1及び
図2及び
図5に示すように、空気清浄機100が設置される床面Sに少なくとも第2の光を照射する第2の発光部610を備える。第2の発光部610は、一例として、筐体110の前面110a下部に左右にわたって設けられる。第2の発光部610は、第1の発光部600と同様の構成のため、説明は省略する。第2の発光部610は、例えば、照射方向が前方(又は前下方)となるように配置される。以上のように、床面Sに照射するように第2の発光部610が配置されることで、第2の発光部610から照射される光が床面Sにおいて光を反射させることで、床面S近傍を照らし出すことができる。
【0069】
図9は、空気清浄機100の制御部700のハードウェア構成を示すブロック図である。空気清浄機100は、主として、ファン250aと、放電装置260と、操作部350と、第1の発光部600と、第2の発光部610と、第1の検知部と、第2の検知部と、制御部700と、記憶部710と、報知部720と、通信部730と、を備える。
【0070】
制御部700は、ファン250aと、放電装置260と、操作部350と、第1の発光部600と、第2の発光部610と、第1の検知部(図示せず)と、第2の検知部(図示せず)と、記憶部710と、報知部720と、通信部730と、に接続される。制御部700は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)から構成される。制御部700は、記憶部710に記憶されるプログラムを読みだして実行することにより、空気清浄機100の各部を制御するものである。記憶部710は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であって、制御部700によって実行されるプログラムや、制御部700にて使用される各種パラメータを記憶する。
【0071】
第1の検知部は、フィルタ部の下流側の空気の状態を検知する、言い換えれば、吹出口130から吹き出す空気の状態を検知するためのものである。すなわち、第1の検知部は、吹出口130側の空気の状態を検知している。フィルタ部とは、脱臭フィルタ220、集塵フィルタ230、加湿フィルタ240bの何れかを少なくとも含んだものを指す。第1の検知部として、例えば、吹出口130側の空気中の塵埃濃度を検出する第1のホコリセンサ620や、吹出口130側の空気中の臭気濃度を検出する第1のニオイセンサ630や、吹出口130側の空気の湿度を検出する第1の湿度センサ640等があげられる。第1のホコリセンサ620及び第1のニオイセンサ630の少なくとも一方を有するものを、第1の汚れセンサとも称する。第1の汚れセンサは、フィルタ部の下流側における空気の汚れ状態を検知している。第1の湿度センサ640は、フィルタ部の下流側における空気の湿度を検出している。
【0072】
第1のホコリセンサ620は、フィルタ部の送風方向における下流側、例えば、吹出口130近傍に設けられる。第1のホコリセンサ620は、フィルタ部の下流側における空気中に含まれる塵埃濃度を検知している。より具体的には、フィルタ部を通過した後の空気、例えば、吹出口130から吹き出される空気中に含まれる塵埃濃度を検知している。第1のホコリセンサ620は、一例として、発光素子及び受光素子を有する光学センサからなり、受光素子から出力される出力パルス幅に基づいて空気中の塵埃の濃度を検出している。
【0073】
第1のニオイセンサ630は、フィルタ部の送風方向における下流側、例えば、吹出口130近傍に設けられる。第1のニオイセンサ630は、フィルタ部の下流側における空気中に含まれる臭気成分の濃度を検知している。より具体的には、フィルタ部を通過した後の空気、例えば、吹出口130から吹き出される空気中に含まれる臭気成分の濃度を検知することができる。第1のニオイセンサ630は、例えば、金属酸化物半導体を有する回路を備え、臭気成分が吸着した際の金属酸化物半導体の抵抗値の変化に基づいて臭気成分を検知している。
【0074】
第1の湿度センサ640は、フィルタ部の送風方向における下流側、例えば、吹出口130近傍に設けられる。第1の湿度センサ640は、フィルタ部の下流側における空気の湿度を検出している。より具体的には、フィルタ部を通過した後の空気、例えば、吹出口130から吹き出される空気の湿度を検出することができる。第1の湿度センサ640は、例えば、高分子感湿材料を用いた静電容量式や電気抵抗式の湿度センサを用いることができる。
【0075】
第2の検知部は、フィルタ部の上流側の空気の状態を検知する、言い換えれば、吸込口120から吸い込まれた空気の状態を検知するためのものである。すなわち、第2の検知部は、吸込口120側の空気の状態を検知するためのものである。第2の検知部として、例えば、吸込口120側の空気中の塵埃濃度を検知する第2のホコリセンサ650や、吸込口120側の空気中の臭気成分濃度を検知する第2のニオイセンサ660や、吸込口120側の空気の湿度を検出する第2の湿度センサ670等があげられる。第2のホコリセンサ650及び第2のニオイセンサ660の少なくとも一方を有するものを、第2の汚れセンサとも称する。第2の汚れセンサは、フィルタ部の上流側における空気の汚れ状態を検知している。第2の湿度センサ670は、フィルタ部の上流側における空気の湿度を検出している。
【0076】
第2のホコリセンサ650は、第1のホコリセンサ620と同様の構成を有し、フィルタ部の送風方向における上流側、例えば、吸込口120近傍に設けられる。第2のホコリセンサ650は、フィルタ部の上流側における空気中に含まれる塵埃濃度を検知している。より具体的には、フィルタ部を通過する前の空気、例えば、吸込口120から吸い込まれる空気中の塵埃濃度を検知している。
【0077】
第2のニオイセンサ660は、第1のニオイセンサ630と同様の構成を有し、フィルタ部の送風方向における上流側、例えば、吸込口120近傍に設けられる。第2のニオイセンサ660は、フィルタ部の上流側における空気中に含まれる臭気成分の濃度を検知している。より具体的には、フィルタ部を通過する前の空気、例えば、吸込口120から吸い込まれる空気中に含まれる臭気成分の濃度を検知することができる。
【0078】
第2の湿度センサ670は、第1の湿度センサ640と同様の構成を有し、フィルタ部の送風方向における上流側、例えば、吸込口120近傍に設けられる。第2の湿度センサ670は、フィルタ部の上流側における空気の湿度を検出している。より具体的には、フィルタ部を通過する前の空気、例えば、吸込口120から吸い込まれる空気の湿度を検出することができる。
【0079】
なお、上述のホコリセンサは、ホコリだけでなく、花粉やPM2.5の微粒子をセンシングするセンサであってもよい。また、ニオイセンサは、ニオイだけでなく、ガスをセンシングするセンサであってもよい。また、第1の検知部及び第2の検知部は、外部機器に設けられる構成であってもよく、この場合、第1の検知部の検出値及び第2検知部の検出値を、通信部730を介して取得するように構成される。
【0080】
報知部720は、例えば、後述の空気清浄機100の異常状態を報知するためのものである。報知部720は、例えば、音を出力するスピーカ(図示せず)等からなる。報知部720は、後述の機器の異常状態が検出されると、特定の音を出力させることで、ユーザに報知する。報知部720は、スピーカに限らず、例えば、表示部170や文字や画像を表示するディスプレイ(図示せず)等であってもよい。
【0081】
通信部730は、外部機器(例えば、サーバ装置等)との間でデータを通信するためのものであり、例えば、無線LANなどの通信モジュールによって構成される。操作部350は、ユーザからの命令を受け付けて、制御部700に入力する。制御部700は、通信部730を介して取得された情報、操作部350により入力された情報、第1の検知部や第2の検知部により検知された情報に基づいて、ファン250a、放電装置260、第1の発光部600及び第2の発光部610を制御している。
【0082】
図10を用いて、空気清浄機100による第2の検知部の検出値に応じた風量制御について説明する。
図10(a)は、吸込口120側の空気の汚れ度に応じたファン250aの回転数制御を示す図である。
図10(b)は、吸込口120側の空気の乾湿度に応じたファン250aの回転数制御を示す図である。
【0083】
図10(a)に示すように、空気清浄機100は、空気中の塵埃濃度に応じて、汚れ度を複数の段階にランク分けしている。第2のホコリセンサ650により検出される塵埃濃度は正規化され、例えば、塵埃濃度に応じて0~2の3段階に汚れ度としてランク分けされる。汚れ度は、0~2の順で塵埃濃度が高くなるように構成される。例えば、汚れ度が「0」である場合とは、空気が概ねキレイな状態であることを指す。汚れ度が「1」である場合とは、空気が少し汚れている状態であることを指す。汚れ度が「2」である場合とは、空気が非常に汚れている状態であることを指す。なお、第2のホコリセンサ650についてだけでなく、第1のホコリセンサ620についても上記と同様に、塵埃濃度に応じて汚れ度をランク分けしている。
【0084】
以上の構成において、ホコリセンサのみを用いて、空気の汚れ度のランク付けを行っているが、これに限らず、例えば、ニオイセンサのみを用いて、ホコリセンサを用いた場合と同様に、空気の汚れ度のランク付けを行ってもよいし、ホコリセンサの検出値に基づいてランク付けされた空気の汚れ度と、ニオイセンサの検出値に基づいて、ランク付けされた空気の汚れ度と、から総合的に空気の汚れ度をランク付けしてもよい。
【0085】
図10(a)を用いて、空気清浄機100による吸込口120側の空気の汚れ度に応じた通常の風量制御について説明する。制御部700は、例えば、吸込口120側の空気の汚れ状態に応じて、ファン250aの回転数を制御している。制御部700は、吸込口120側の空気が汚れている(例えば、汚れ度「2」)と判定した場合、ファン250aの回転数を上昇させ、吸込口120側の空気がキレイである(例えば、汚れ度「0」)と判定した場合、ファン250aの回転数を低下させるようにファン250aを制御している。これにより、室内の空気の汚れ状況に応じて適切な風量で運転を行うことができる。
【0086】
図10(b)に示すように、空気清浄機100は、空気の湿度に応じて、乾湿度を複数の段階にランク分けしている。第2の湿度センサ670により検出される検出値は正規化され、例えば、検出値に応じて0~2の3段階に乾湿度としてランク分けされる。乾湿度は、0~2の順で湿度が低くなるように構成される。例えば、乾湿度が「0」である場合とは、湿潤、すなわち、湿気に富んでいる状態(適切な湿度である状態)を指す。乾湿度が「1」である場合とは、湿潤と、乾燥と、の中間帯の状態であり、例えば、やや乾燥している状態を指す。乾湿度が「2」である場合とは、乾燥、すなわち、湿気に乏しい状態を指す。なお、第2の湿度センサ670についてだけでなく、第1の湿度センサ640についても上記と同様に、検出値に応じて乾湿度をランク分けしている。
【0087】
図10(b)を用いて、吸込口120側の空気の乾湿度に応じた通常の風量制御について説明する。ここでは加湿運転が行われていることを前提としている。制御部700は、例えば、吸込口120側の空気の湿度に応じて、ファン250aの回転数を制御している。制御部700は、吸込口120側の空気が乾燥している(例えば、乾湿度「2」)と判定された場合、ファン250aの回転数を上昇させ、吸込口120側の空気が湿潤である(例えば、乾湿度「0」)と判定した場合、ファン250aの回転数を低下させるようにファンを制御している。これにより、室内の空気の乾湿状況に応じて適切な風量で運転を行うことができる。
【0088】
以下では、制御部700による空気清浄機100の異常検出処理について説明する。
図11は、空気清浄機100の制御部700の機能構成を示すブロック図である。
図11に示すように、制御部700は、取得部701と、判別部702と、比較判定部703と、駆動制御部704と、を有する。空気清浄機100は、吹出口130側の空気の状態に基づいて、ファン250aの回転数を制御し、空気清浄機100の異常状態を報知するよう構成される。すなわち、制御部700は、第1の検知部の検出値に基づいて、ファン250aの回転数を制御するとともに、空気清浄機の異常状態を報知するように構成される。
【0089】
取得部701は、第1の検知部の検出値を取得する。すなわち、取得部701は、第1のホコリセンサ620の検出値や第1のニオイセンサ630の検出値や第1の湿度センサ640の検出値等を取得している。
【0090】
判別部702は、取得部701により取得された第1の検知部の検出値が、どのランクに属しているかを判別している。判別部702は、例えば、空気の汚れ度を判別する場合、第1のホコリセンサ620の検出値からフィルタ部の下流側(吹出口130側)の空気の汚れ度を判別している。なお、空気の汚れ度を判別する場合、第1のホコリセンサ620の検出値のみでなく、第1のニオイセンサ630の検出値を用いてフィルタ部の下流側の空気の汚れ度を判別してもよい。判別部702は、例えば、空気の乾湿度を判別する場合、第1の湿度センサ640の検出値からフィルタ部の下流側(吹出口130側)の空気の乾湿度を判別している。
【0091】
比較判定部703は、判別部702により、判別された吹出口130側の空気の状態に関するランクと、予め定められた所定のランク(閾値)と、を比較している。比較判定部703は、例えば、判別部702により吹出口130側の空気の汚れ度を判別した場合、吹出口130側の空気の汚れ度と、予め定められた所定の汚れ度と、を比較する。予め定められた所定の汚れ度とは、例えば、空気が非常に汚れている(汚れ度が「2」である)場合を指す。比較判定部703は、吹出口130側の空気の汚れ度が所定の汚れ度以上であると判定した場合、機器の異常として検出する。機器の異常として、例えば、経年使用によりフィルタ部が劣化している状態や、臭気成分がフィルタ部に付着している状態や、経年使用により塵埃がフィルタ部に付着している状態等があげられる。
【0092】
また、比較判定部703は、例えば、判別部702により吹出口130側の乾湿度を判別した場合、吹出口130側の乾湿度と、予め定められた所定の乾湿度と、を比較する。乾湿度を比較する場合、空気清浄機100は、加湿フィルタ240bによる加湿運転(加湿フィルタ240bによる加湿)時であることを前提としている。加湿運転を検出するには、例えば、加湿フィルタ240bの回転を検出してもよいし、制御部700からの加湿運転に関する指令を検出してもよい。予め定められた所定の乾湿度とは、例えば、空気が非常に乾燥している(乾湿度が「2」である)場合を指す。比較判定部703は、吹出口130側の乾湿度が所定の乾湿度以上であると判定した場合、すなわち、吹出口130側の湿度が低いと判定した場合、機器の異常として検出する。機器の異常として、例えば、加湿フィルタ240bが経年使用により劣化している状態や、給水タンク140内の水が無くなっている状態等があげられる。
【0093】
駆動制御部704は、ファン250aの回転数(風量)を制御している。駆動制御部704は、例えば、比較判定部703において機器の異常として検出された場合、ファン250aの回転数を運転中(現在)の回転数よりも低下させる。ここでの低下とは、ファン250aを停止させることも含まれる。ファン250aの回転数を低下させることにより、例えば、劣化したフィルタ部から発生する臭気成分などを機外(室内)に送り出すことを抑制しつつ、機外(室内)の空気の状態を検知することができる。また、ファン250aを停止させることにより、例えば、劣化したフィルタ部から発生する臭気成分などを機外(室内)に送り出すことを回避することができる。駆動制御部704は、例えば、比較判定部703において機器の異常として検出された場合、ユーザに機器の異常を報知するように報知部720を制御する。これにより、例えば、ユーザにフィルタ部のメンテナンス(清掃や交換)を促すことができる。駆動制御部704は、機器の異常として検出されない場合、通常の制御に戻る。
【0094】
以上のように、吹出口130側の空気の状態(例えば、汚れ度や乾湿度)を検出可能にすることで、機器の異常を予測することができる。ゆえに、機器の異常として検出した場合に、ファン250aの回転数を低下させることで、機器に異常が生じた状態での運転による影響を抑制することができる。なお、制御部700は、第1の検知部の検出値に基づいて、ファン250aの回転数を制御する際に、予め定められた所定のランクと比較するように構成されているが、上述の方法に限らず、制御部700は、第1の検知部の検出値及び第2の検知部の検出値に基づいて、ファン250aの回転数を制御し、空気清浄機100の異常状態を報知するように構成してもよい。
【0095】
この場合、取得部701は、第1の検知部の検出値に加えて、対応する第2の検知部の検出値を取得する。取得部701は、例えば、第1のホコリセンサ620の検出値と、第2のホコリセンサ650の検出値と、を取得したり、第1のニオイセンサ630の検出値と、第2のニオイセンサ660の検出値を取得したり、第1の湿度センサ640の検出値と、第2の湿度センサ670の検出値と、を取得したりしている。
【0096】
判別部702は、第1の検知部の検出値に加えて、第2の検知部の検出値が、どのランクに属しているかを判別する。例えば、空気の汚れ度を判別する場合、第1のホコリセンサ620の検出値から吹出口130側の空気の汚れ度を判別し、第2のホコリセンサ650の検出値から吸込口120側の空気の汚れ度を判別している。また、判別部702は、乾湿度を判別する場合、第1の湿度センサ640の検出値から吹出口130側の空気の乾湿度を判別し、第2の湿度センサ670の検出値から吸込口120側の空気の乾湿度を判別している。
【0097】
比較判定部703は、第1の検知部の検出値及び第2の検知部の検出値を比較する。より具体的には、判別部702により判別された吸込口120側の空気の状態に関するランクと、吹出口130側の空気の状態に関するランクと、を比較している。比較判定部703は、例えば、判別部702により判別された吸込口120側の空気の汚れ度と、吹出口130側の空気の汚れ度と、を比較している。そして、吹出口130側の空気の汚れ度が吸込口120側の空気の汚れ度以上であると判定した場合、すなわち、吹出口130側の空気が吸込口120側の空気と同程度以上に汚れている場合、機器の異常として検出する。
【0098】
また、比較判定部703は、例えば、判別部702により判別された吸込口120側の乾湿度と、吹出口130側の乾湿度と、を比較している。乾湿度を比較する場合、空気清浄機100は、加湿フィルタ240bによる加湿運転時であることを前提としている。比較判定部703は、吹出口130側の乾湿度が吸込口120側の乾湿度以上であると判定した場合、すなわち、吹出口130側の乾湿度が吸込口120側の乾湿度と同程度、もしくは吸込口120側の空気よりも乾燥している場合、機器の異常として検出する。比較判定部703により、機器の異常として検出した場合、駆動制御部704は、上記と同様に、ファン250aの回転数を制御している。
【0099】
以上のように、第1の検知部の検出値(吹出口130側の空気の状態に基づくランク)及び第2の検知部の検出値(吸込口120側の空気の状態に基づくランク)を比較することで、機器の異常を精度よく予測することができる。ゆえに、機器の異常として検出した場合に、ファン250aの回転数を低下させることで、機器に異常が生じた状態での運転による影響を抑制することができる。
【0100】
図12を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第1実施形態について説明する。
図12は、空気清浄機100による異常検出処理の第1実施形態を示すフローチャートである。制御部700は、第1の検知部の検出値に基づいて、ファン250aの回転数を制御している。ここでは、第1の検知部(一例として、第1のホコリセンサ620)の検出値d1のみを用いており、第2の検知部の検出値d2は用いていない。また、集塵運転が開始されている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値d1を取得しているものとする。ここでは、所定の汚れ度として、一例として、汚れ度「2」を設定している。
【0101】
取得部701は、第1のホコリセンサ620の検出値d1を取得している(ステップS101)。判別部702は、第1のホコリセンサ620の検出値d1に基づいて吹出口130側の空気の汚れ度D1を判別している(ステップS102)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の空気の汚れ度D1が予め定められた所定の汚れ度(閾値)以上であるか否かを判定している(ステップS103)。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が所定の汚れ度以上であると判定した場合(ステップS103においてYesである場合)、駆動制御部704は、ファン250aの回転数を低下させるようファン250aを制御して(ステップS104)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知し(ステップS105)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度が所定の汚れ度以上でないと判定した場合(ステップS103においてNoである場合)、異常検出処理は終了となる。
【0102】
図13を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第2実施形態について説明する。
図13は、空気清浄機100による異常検出処理の第2実施形態を示すフローチャートである。制御部700は、第1の検知部の検出値に基づいて、ファン250aの回転数を制御している。ここでは、第1の検知部(一例として、第1の湿度センサ640)の検出値h1のみを用いており、第2の検知部の検出値h2は用いていない。また、加湿運転が行われている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値h1を取得しているものとする。ここでは、所定の乾湿度として、乾湿度「2」を設定している。
【0103】
取得部701は、第1の湿度センサ640の検出値h1を取得している(ステップS201)。判別部702は、第1の湿度センサ640の検出値h1に基づいて吹出口130側の乾湿度H1を判別している(ステップS202)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の乾湿度H1が予め定められた所定の乾湿度(閾値)以上であるか否かを判定している(ステップS203)。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が所定の乾湿度以上であると判定した場合(ステップS203においてYesである場合)、駆動制御部704は、ファン250aの回転数を低下させるようファン250aを制御して(ステップS204)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知して(ステップS205)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が所定の乾湿度以上でないと判定した場合(ステップS203においてNoである場合)、異常検出処理は終了となる。
【0104】
図14を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第3実施形態について説明する。
図14は、空気清浄機100による異常検出処理の第3実施形態を示すフローチャートである。制御部700は、第1の検知部の検出値d1及び第2の検知部の検出値d2に基づいて、ファン250aの回転数を制御している。ここでは、第1の検知部(一例として、第1のホコリセンサ620)の検出値d1及び第2の検知部(第2のホコリセンサ650)の検出値d2を用いている。また、集塵運転が開始されている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値d1及び第2の検知部の検出値d2を取得しているものとする。
【0105】
取得部701は、第1のホコリセンサ620の検出値d1及び第2のホコリセンサ650の検出値d2を取得している(ステップS301)。判別部702は、第1のホコリセンサ620の検出値d1に基づいて吹出口130側の空気の汚れ度D1を判別し、第2のホコリセンサ650の検出値d2に基づいて吸込口120側の空気の汚れ度D2を判別している(ステップS302)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上であるか否かを判定している(ステップS303)。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上であると判定した場合(ステップS303においてYesである場合)、駆動制御部704は、ファン250aの回転数を低下させるようファン250aを制御して(ステップS304)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知して(ステップS305)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上でないと判定した場合(ステップS303においてNoである場合)、異常検出処理は終了となる。
【0106】
図15を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第4実施形態について説明する。
図15は、空気清浄機100による異常検出処理の第4実施形態を示すフローチャートである。ここでは、第1の検知部(一例として、第1の湿度センサ640)の検出値h1及び第2の検知部(第2の湿度センサ670)の検出値h2を用いている。また、加湿運転が開始されている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値h1及び第2の検知部の検出値h2を取得しているものとする。
【0107】
取得部701は、第1の湿度センサ640の検出値h1及び第2の湿度センサ670の検出値h2を取得している(ステップS401)。判別部702は、第1の湿度センサ640の検出値h1に基づいて吹出口130側の乾湿度H1を判別し、第2の湿度センサ670の検出値h2に基づいて吸込口120側の乾湿度H2を判別している(ステップS402)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上であるか否かを判定している(ステップS403)。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上であると判定した場合(ステップS403においてYesである場合)、駆動制御部704は、ファン250aの回転数を低下させるようファン250aを制御して(ステップS404)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知して(ステップS405)、異常検出処理を終了する。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上でないと判定した場合(ステップS403においてNoである場合)、異常検出処理を終了する。
【0108】
図16を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第5実施形態について説明する。
図16は、空気清浄機100による異常検出処理の第5実施形態を示すフローチャートである。ここでは、第1の検知部(一例として、第1のホコリセンサ620)の検出値d1及び第2の検知部(第2のホコリセンサ650)の検出値d2を用いている。また、集塵運転が開始されている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値d1及び第2の検知部の検出値d2を取得しているものとする。
【0109】
空気清浄機100による異常検出処理の第5実施形態では、比較判定部703において、まず、吹出口130側の空気の汚れ度D1を、予め定められた所定の汚れ度(閾値)と比較し、所定の閾値以上であると判定した場合にのみ、吹出口130側の空気の汚れ度D1と、吸込口120側の空気の汚れ度D2と、を比較している。ここでは、所定の汚れ度として、例えば、汚れ度「1」を設定している。そして、吹出口130側の空気の汚れ度D1が、吸込口120側の空気の汚れ度D2以上であると判定した場合にファン250aの回転数を低下させるように制御している。また、吹出口130側の空気の汚れ度D1が、吸込口120側の空気の汚れ度D2以上でないと判定した場合にファン250aの回転数を上昇させるように制御している。このように、まず、予め定められた所定の閾値と比較した上で、吹出口130側の空気の汚れ度D1及び吸込口120側の空気の汚れ度D2を比較することで、例えば、吹出口130側の空気がキレイである場合には、機器の異常検出を行わないように設定することができる。また、吹出口130側の空気の汚れ度D1が、吸込口120側の空気の汚れ度D2以上でないと判定した場合、すなわち、吸込口120側の空気の方が汚れている状況(正常な状況)においては、室内の空気の汚れ状態に対して、現在の運転では、吹出口130側の空気を十分に清浄化しきれていないと想定されるため、ファン250aの回転数を上昇させることで、室内を適切に清浄化することができる。
【0110】
取得部701は、第1のホコリセンサ620の検出値d1及び第2のホコリセンサ650の検出値d2を取得している(ステップS501)。判別部702は、第1のホコリセンサ620の検出値d1に基づいて吹出口130側の空気の汚れ度D1を判別し、第2のホコリセンサ650の検出値d2に基づいて吸込口120側の空気の汚れ度D2を判別している(ステップS502)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の空気の汚れ度D1が予め定められた所定の空気の汚れ度(閾値)以上であるか否かを判定している(ステップS503)。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が予め定められた所定の空気の汚れ度以上であると判定された場合(ステップS503においてYesの場合)、比較判定部703は、さらに、吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上である否かを判定している(ステップS504)。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が予め定められた所定の空気の汚れ度以上でないと判定された場合(ステップS503においてNoの場合)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上であると判定された場合(ステップS504においてYesの場合)、駆動制御部704はファン250aの回転数を低下させるように制御して(ステップS505)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知して(ステップS505)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の空気の汚れ度D1が吸込口120側の空気の汚れ度D2以上でないと判定された場合(ステップS504においてNoの場合)、駆動制御部704はファン250aの回転数を所定量だけ上昇させるように制御して(ステップS507)、異常検出処理は終了となる。
【0111】
図17を用いて、空気清浄機100による異常検出処理の第6実施形態について説明する。
図17は、空気清浄機100による異常検出処理の第6実施形態を示すフローチャートである。ここでは、第1の検知部(一例として、第1の湿度センサ640)の検出値及び第2の検知部(第2の湿度センサ670)を用いている。また、加湿運転が開始されている状態であり、定期的に第1の検知部の検出値h1及び第2の検知部の検出値h2を取得しているものとする。
【0112】
空気清浄機100による異常検出処理の第6実施形態では、比較判定部703において、まず、吹出口130側の乾湿度H1を、予め定められた所定の乾湿度(閾値)と比較し、所定の乾湿度以上であると判定した場合にのみ、吹出口130側の空気の乾湿度H1と、吸込口120側の乾湿度H2と、を比較している。ここでは、所定の乾湿度として、例えば、乾湿度「1」を設定している。そして、吹出口130側の乾湿度H1が、吸込口120側の乾湿度H2以上であると判定した場合にファン250aの回転数を低下させるように制御している。また、吹出口130側の乾湿度H1が、吸込口120側の乾湿度H2以上でないと判定した場合にファン250aの回転数を上昇させるように制御している。このように、まず、予め定められた所定の乾湿度と比較した上で、吹出口130側の乾湿度H1及び吸込口120側の乾湿度H2を比較することで、例えば、吹出口130側の空気が湿潤である、すなわち、空気が適切に加湿されている場合には、機器の異常検出を行わないように設定することができる。また、吹出口130側の乾湿度H1が、吸込口120側の乾湿度H2以上でないと判定した場合、すなわち、吹出口130側の空気の方が加湿されている状況(正常な状況)においては、現在の運転では、吹出口130側の空気が十分に加湿しきれていないと想定されるため、ファン250aの回転数を上昇させることで、室内を適切に加湿することができる。
【0113】
取得部701は、第1の湿度センサ640の検出値h1及び第2の湿度センサ670の検出値h2を取得している(ステップS601)。判別部702は、第1の湿度センサ640の検出値h1に基づいて吹出口130側の乾湿度H1を判別し、第2の湿度センサ670の検出値h2に基づいて吸込口120側の乾湿度H2を判別している(ステップS602)。比較判定部703は、判別部702により判別された吹出口130側の乾湿度H1が予め定められた所定の乾湿度(閾値)以上であるか否かを判定している(ステップS603)。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が予め定められた所定の乾湿度以上であると判定された場合(ステップS603においてYesの場合)、比較判定部703は、さらに、吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上である否かを判定している(ステップS604)。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が予め定められた所定の乾湿度以上でないと判定された場合(ステップS503においてNoの場合)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上であると判定された場合(ステップS604においてYesの場合)、駆動制御部704はファン250aの回転数を低下させるように制御して(ステップS605)、報知部720により機器の異常としてユーザに報知して(ステップS605)、異常検出処理は終了となる。比較判定部703において、吹出口130側の乾湿度H1が吸込口120側の乾湿度H2以上でないと判定された場合(ステップS604においてNoの場合)、駆動制御部704はファン250aの回転数を所定量だけ上昇させるように制御して(ステップS607)、異常検出処理は終了となる。
【0114】
以上の構成において、制御部700は、機器の異常を検出する際に、検知部(例えば、ホコリセンサやニオイセンサや湿度センサ)による検出値に応じてランク分けされた汚れ度や乾湿度を用いているが、これに限らず、検知部の検出値をそのまま用いてもよい。
【0115】
なお、第1の検知部は、上述のセンサに限らず、例えば、フィルタ部の累積稼働時間を検知する構成としてもよい。例えば、加湿フィルタ240bの累積稼働時間は、タイマー等により計測される加湿運転の時間により検知している。また、脱臭フィルタ220や集塵フィルタ230の累積稼働時間は、タイマー等により計測される集塵運転の時間により検知している。累積稼働時間は、例えば、脱臭フィルタ220、集塵フィルタ230及び加湿フィルタ240bのメンテナンス時に押圧するリセットボタンによりリセットされる。
【0116】
第1の検知部として、フィルタ部の累積稼働時間を検知する構成を採用する場合、制御部700は、累積稼働時間と、予め定められた所定の値と、を比較して、累積稼働時間が所定の値を超えた場合に、機器の異常として検出してもよい。制御部700は、機器の異常として検出した場合、ファン250aの回転数を低下させたり、表示部170や発光部(第1の発光部600や第2の発光部610等)や報知部720を用いて機器の異常をユーザに報知させたりしてもよい。例えば、加湿ユニット240の累積稼働時間が480時間を超えたときに第1の発光部600を黄色にて発光させ、累積稼働時間が720時間を超えたときに第1の発光部600を赤色にて発光させ、累積稼働時間が960時間を超えたときに、ファン250aの回転数を低下させてもよい。ここでの低下とは、ファン250aを停止させることも含まれる。
【0117】
以下では、
図18から
図21までを用いて、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンについて説明する。制御部700は、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光を制御している。制御部700は、空気清浄機100を流れる空気の状態に応じて、第1の発光部600と第2の発光部610とを連動させて発光させている。
【0118】
第1の発光部600は、吹出口130から吹き出す空気の状態を表すためのものである。第1の発光部600は、一例として、青色のLED光源からなる。なお、第1の発光部600は、青色のLED光源から構成されるが、これに限らず、第2の発光部610と同様の構成としてもよい。
【0119】
第2の発光部610は、吸込口120から吸い込まれた空気の状態を表すためのものである。第2の発光部610は、少なくとも異なる2色以上のLED光源を含んで構成されるものであり、一例として、赤色、黄色及び青色の3色のLED光源からなる。
【0120】
図18及び
図19を用いて、制御部700による第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの第1実施形態について説明する。記憶部710には、空気の状態に応じた複数の発光パターンを記憶部710に格納している。発光パターンを構成する要素として、光の色(発光色とも称する)や、点滅の有無などがある。発光部を点滅させる場合には、点滅の間隔(周期)や点灯時間と消灯時間との比率なども発光パターンを構成する要素としてもよい。
【0121】
図18は、第1の発光部600の発光パターンの第一実施形態を表す図である。
図18(a)は、第1の発光部600の発光パターンを示す図である。
図18(b)は、第1の発光部600の発光タイミングを示す図である。
【0122】
制御部700は、放電装置260の駆動に応じて、第1の発光部600の発光パターンを変化させている。制御部700は、放電装置260の駆動を検出した場合、第1の発光部600の光の色が青色となるように、かつ、常時点灯するように制御している。制御部700は、放電装置260の駆動を検出しない場合、第1の発光部600が消灯するように制御している。
【0123】
以上のように、放電装置260の駆動に応じて、第1の発光部600を発光するように制御することで、空気の状態、より具体的には、空気にイオンが付加された状態であるか否かをユーザは容易に把握することができる。空気にイオンが付加された状態とは、放電装置260により、吸込口120から吸い込まれた空気に放電することで、吹出口130から吹き出される空気の流れにイオンが含まれている状態を指す。さらに、空気にイオンが付加されている場合に、第1の発光部600を寒色(青色)にて発光するように制御することで、ユーザに清涼感を想起させ、放電装置260が駆動していることを想起することができる。なお、放電装置260の駆動を検出しない場合、第1の発光部600を消灯するように制御しているが、これに限らず、例えば、青色以外の色にて第2発光部を発光させるように制御してもよい。また、第1の発光部600は、放電装置260の駆動に応じて発光を制御しているが、これに限らず、例えば、加湿運転中であるか否かに応じて発光を制御してもよい。この場合、制御部700は、加湿運転中であることを検出した場合、第1の発光部600の光の色が青色となるように、かつ、常時点灯するように制御している。また、制御部700は、加湿運転中でないことを検出した場合、第1の発光部600が消灯するように制御する。
【0124】
図19は、第2の発光部610の発光パターンの第一実施形態を示す図である。
図19(a)は、第2の発光部610の発光パターンを示す図である。
図19(b)は、第2の発光部610の発光タイミングを示す図である。
【0125】
制御部700は、第2の汚れセンサ(一例として、第2のホコリセンサ650)の検出値に基づいて、汚れ度が「0」であると判別した場合、第2の発光部の光の色が青色となるように、かつ、所定時間点滅発光させた後、消灯するように制御している。この場合、汚れ度が「0」から変わらない限り、消灯状態を維持するように制御している。制御部700は、第2のホコリセンサ650の検出値に基づいて、汚れ度が「1」であると判別した場合、第2の発光部610の光の色が黄色となるように、かつ、点滅発光するように制御する。この場合、汚れ度が「1」である限り、点滅発光させるように制御している。制御部700は、第2のホコリセンサ650の検出値に基づいて、汚れ度が「2」であると判別した場合、第2の発光部の光の色が赤色となるように、かつ、点滅発光するように制御する。この場合、汚れ度が「2」である限り、点滅発光させるように制御している。
【0126】
以上のように、空気の汚れ状態に応じて、発光色を変化させることで、吸い込まれる空気の状態、すなわち、室内の空気の状態をユーザは把握することができる。さらに、空気がキレイな状態であるほど、発光色を寒色(青色)に近づけることで、ユーザは室内がクリーンな状態であることを直感的に把握することができる。また、空気が汚れた状態であるほど、発光色を暖色(赤色)に近づけることで、ユーザは室内が汚れた状態である事を直感的に把握することができる。
【0127】
図20を用いて、空気清浄機100による第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの連動制御について説明する。
図20(a)は、汚れ度が「0」に変化した場合の第1の発光部600及び第2の発光部610の発光タイミングを示す図である。
図20(b)は、汚れ度が「1」に変化した場合の第1発光部及び第2発光部の発光タイミングを示す図である。
図20(c)は、汚れ度が「2」に変化した場合の第1発光部及び第2発光部の発光タイミングを示す図である。以下では、制御部700(より具体的には、比較判定部703)は、汚れ度の変化の有無を判定可能に構成されている。具体的には、記憶部710に判別された汚れ度が格納されており、直前に判別された汚れ度と比較することにより、汚れ度の変化の有無を判定しているものとする。
【0128】
制御部700は、第2の検知部(一例として、第2のホコリセンサ650)の検出値に基づいて、第2の発光部610の発光パターンを変化させる。より具体的には、まず、判別部702によって汚れ度を判別している。そして、比較判定部703によって判別した汚れ度が変化しているか否かを判定している。比較判定部703によって汚れ度が変化していると判定した場合、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンを連動させている。すなわち、制御部700は、汚れ度に応じて第2の発光部610の発光パターン(主として、発光色)を変化させた場合に、第1の発光部600の発光パターンを変化させる。より具体的には、制御部700は、汚れ度の変化を判定した場合、所定時間(又は所定回数)だけ、第1の発光部600と、第2の発光部610と、が交互に発光するように第1の発光部600を制御している。さらに、制御部700は、判別された汚れ度に応じて、第1の発光部600の点滅パターンを変化させるように制御している。
【0129】
図20(a)では、制御部は汚れ度が「0」に変化したと判定した場合、第1の発光部600と、第2の発光部610と、が連続して交互に発光するように第1の発光部600を制御している。第1の発光部600の点滅の間隔、言い換えれば、消灯時間t1及び点灯時間t2とからなる1周期の間隔は、第2の発光部610の点滅の間隔である1周期の間隔と同一に構成されている。そして、制御部700は、第2の発光部610の点灯時において、第1の発光部600を消灯させて、第2の発光部610の消灯時において、第1発光部を点灯させるように制御している。
【0130】
図20(b)では、制御部は汚れ度が「1」に変化したと判定した場合、第1の発光部600と、第2の発光部610と、が断続して交互に発光するように第1の発光部600を制御している。第1の発光部600の消灯時間t3及び点灯時間t2からなる1周期の間隔は、第2の発光部610の1周期の間隔の倍となるように構成される。
図20(b)の発光パターンでは、
図20(a)の発光パターンと比較して、1周期における消灯時間t3の比率を高めるように、消灯時間t3と、点灯時間t2との比率を変更している。そして、制御部700は、第2の発光部610が2回点滅する毎に、第1の発光部600と、第2の発光部610とが、1回、交互に発光するように制御している。
【0131】
図20(c)では、制御部700は汚れ度が「2」に変化したと判定した場合、
図20(b)と同様に、第1の発光部600と、第2の発光部610と、が断続して交互に発光するように制御する。第1の発光部600の消灯時間t4及び点灯時間t2からなる1周期の間隔は、第2の発光部610の1周期の間隔の3倍となるように構成される。
図20(c)の発光パターンでは、
図20(b)の発光パターンと比較して、1周期における消灯時間t4の比率をさらに高めるように、消灯時間t4と、点灯時間t2との比率を変更している。そして、制御部700は、第2の発光部610が3回点滅する毎に、第1の発光部600と、第2の発光部610とは、1回、交互に発光するように制御している。
【0132】
以上のように、制御部700は、空気の状態(例えば、汚れ度)が変化したと判定した場合に、第1の発光部600及び第2の発光部610を交互に発光させることで、空気の状態が変化したことをユーザに報知することができる。さらに、汚れ度に応じて、所定期間に交互に発光させる回数を増減させることで、現在の空気がどのような状態にあるのかを容易に把握することができる。
【0133】
また、第2の発光部610は、空気清浄機100を載置する床面Sに向けて光を照射(散乱)し、第1の発光部600は、空気清浄機100の上面110eが光るように光を照射(散乱)するように構成されていることにより、ユーザは遠方からであっても、光の状態を容易に把握することができる。空気清浄機100の上面110eが光るように光を照射するとは、空気清浄機100の上面110eに向けて光を照射するとも言い換えることができる。ここでは、第1の発光部600は、上面110eに形成される吹出口130が光るように光を照射している。すなわち、第1の発光部600は、吹出口130に向けて光を照射している。これにより、一方の発光部(第1の発光部600)が吹出口130側の空気の状態を表していることを直感的に認識することができる。ゆえに、一方の発光部から下方に離れた位置にある他方の発光部(第2の発光部610)が吸込口120側の空気の状態を表していることを直感的に認識することができる。なお、第1の発光部600は、上面110eの少なくとも一部を照らすように光を照射していればよい。
【0134】
なお、汚れ度が変化したことを判定した場合に、第1の発光部600及び第2の発光部610を連動させて制御しているが、これに限らず、例えば、乾湿度が変化したことを判定した場合に、第1の発光部600及び第2の発光部610を連動させて制御してもよい。
【0135】
図21は、空気清浄機100の制御部700による第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの連動処理を示すフローチャートである。ここでは、空気清浄機100による集塵運転が開始されており、定期的に第2のホコリセンサ650の検出値d2を取得しているものとする。また、記憶部710は、少なくとも直前に判別した汚れ度D2を格納しているものとする。
【0136】
制御部700は、第2のホコリセンサ650の検出値d2を取得する(ステップS701)。制御部700は、第2のホコリセンサ650の検出値d2から汚れ度D2を判別する(ステップS702)。制御部700は、汚れ度D2に変化があるか否かを判定する(ステップS703)。制御部700は、汚れ度D2に変化があると判定した場合(ステップS703においてYesの場合)、第2の発光部610の発光パターンを変化させる(ステップS704)。より具体的には、第2の発光部610の発光色を、汚れ度に応じた発光色にするよう制御する。制御部700は、第2の発光部610の発光パターンの変化に応じて、第1の発光部600の発光パターンを変化させる。より具体的には、一定期間、点灯から点滅発光に変更するように制御して(ステップS705)、連動制御は終了となる。制御部700は、汚れ度D2に変化がないと判定した場合(ステップS703においてNoの場合)、連動制御は終了となる。
【0137】
図22を用いて、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの第2実施形態について説明する。
図22(a)は、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの第2実施形態を示す図であり、第1の発光部600及び第2の発光部610は、空気中の塵埃濃度に基づいて判別される汚れ度に応じて発光パターンを変化させている。すなわち、第2の発光部610における第1実施形態と同様の発光パターンを有している。
図22(b)は、第1の発光部600の発光パターンと、第2の発光部610の発光パターンとの組み合わせ毎に想起されるイメージを表した図である。
【0138】
図22(b)に示すように、第1の発光部600及び第2の発光部610が寒色(青色)にて発光するように制御される場合(パターン「A1」の場合)、吸込口120側及び吹出口130側の空気がキレイであることを想起することができる。また、第1の発光部600が寒色(青色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(黄色又は赤色)にて発光するように制御される場合(パターン「A2」の場合)、吸込口120側の空気が汚い状況である、すなわち、室内の空気が汚れていることを想起することができる。また、第1の発光部600が暖色(黄色又は赤色)にて発光し、第2の発光部610が寒色(青色)にて発光するように制御される場合(パターン「A3」の場合)、吸込口120側よりも吹出口130側の空気が汚い状況である、すなわち、塵埃の捕捉が正常に行われておらず、内部に異常が発生しており、メンテナンスが必要な状況であることを想起することができる。同様に、第1の発光部600が暖色(赤色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(黄色)にて発光するように制御される場合(パターン「A4」の場合)、吸込口120側よりも吹出口130側の空気が汚い状況である、すなわち、塵埃の捕捉が正常に行われておらず、内部に異常が発生しており、メンテナンスが必要な状況であることを想起することができる。また、第1の発光部600が暖色(黄色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(赤色)にて発光するように制御される場合(パターン「A5」の場合)、現在の運転では、空気を浄化しきれていない状況である、すなわち、室内の空気が非常に汚い状況であることを想起することができる。
【0139】
以上のように、第1の発光部600にて吹出口130側の空気の汚れに関する状態を表し、第2の発光部610にて吸込口120側の空気の汚れに関する状態を表すように構成することで、空気清浄機100に流れる空気がどのような汚れ状態にあるかを想起することが容易となる。ゆえに、空気清浄機100の運転状況を含めた室内環境の状況を容易に把握することができる。
【0140】
図23を用いて、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの第3実施形態について説明する。
図23(a)は、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光パターンの第3実施形態を示す図であり、第1の発光部600及び第2の発光部610は、空気の湿度に基づいて判別される乾湿度に応じて発光パターンを変化させている。
図23(b)は、第1の発光部600の発光パターンと、第2の発光部610の発光パターンとの組み合わせ毎に想起されるイメージを表した図である。
【0141】
制御部700は、空気清浄機100の加湿運転中であることを検出した場合に、以下のように、第1の発光部600を制御している。制御部700は、第1の湿度センサ640の検出値に基づいて、乾湿度が「0」であると判別した場合、第1の発光部600の光の色が青色となるように、かつ、所定時間点滅発光させた後、消灯するように制御している。この場合、乾湿度が「0」から変わらない限り、消灯状態を維持するように制御している。制御部700は、第1の湿度センサ640の検出値に基づいて、乾湿度が「1」であると判別した場合、第1の発光部600の光の色が黄色となるように、かつ、点滅発光するように制御する。この場合、乾湿度が「1」である限り、常時点滅発光させるように制御している。制御部700は、第1の湿度センサ640の検出値に基づいて、乾湿度が「2」であると判別した場合、第1の発光部600の光の色が赤色となるように、かつ、点滅発光するように制御する。この場合、乾湿度が「2」である限り、常時点滅発光させるように制御している。なお、第2の発光部610の発光パターンについても、第1の発光部600の発光パターンと同様の構成であるため、説明は省略する。
【0142】
以上のように、湿度に応じて、発光色を変化させることで、吸い込まれる空気の状態、すなわち、室内の空気の状態をユーザは把握することができる。さらに、空気が適度に加湿されるほど、発光色を寒色(青色)に近づけることで、ユーザは室内が加湿されていることを直感的に把握することができる。また、空気が乾燥された状態であるほど、発光色を暖色(赤色)に近づけることで、ユーザは室内が汚れた状態である事を直感的に把握することができる。
【0143】
図23(b)に示すように、第1の発光部600及び第2の発光部610が寒色(青色)にて発光するように制御される場合(パターン「B1」の場合)、吸込口120側及び吹出口130側の空気が適切に加湿されていることを想起することができる。また、第1の発光部600が寒色(青色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(黄色又は赤色)にて発光するように制御される場合(パターン「B2」の場合)、吸込口120側の空気がまだ乾燥している状況である、すなわち、室内を加湿中であることを想起することができる。また、第1の発光部600が暖色(黄色又は赤色)にて発光し、第2の発光部610が寒色(青色)にて発光するように制御される場合(パターン「B3」の場合)、吸込口120よりも吹出口130の空気が乾燥している状況である、すなわち、加湿が正常に行われておらず、内部に異常が発生しており、メンテナンスが必要な状況であることを想起することができる。同様に、第1の発光部600が暖色(赤色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(黄色)にて発光するように制御される場合(パターン「B4」の場合)、吸込口120よりも吹出口130の空気が乾燥している状況である、すなわち、加湿が正常に行われておらず、内部に異常が発生しており、メンテナンスが必要な状況であることを想起することができる。また、第1の発光部600が暖色(黄色)にて発光し、第2の発光部610が暖色(赤色)にて発光するように制御される場合(パターン「B5」の場合)、現在の運転では、空気を十分に加湿しきれていない状況である、すなわち、室内の空気が非常に乾燥している状態にあることを想起することができる。
【0144】
以上のように、第1の発光部600にて吹出口130側の空気の湿度に関する状態を表し、第2の発光部610にて吸込口120側の空気の湿度に関する状態を表すように構成することで、空気清浄機100に流れる空気がどのような加湿状態にあるかを想起することが容易となる。ゆえに、空気清浄機100の運転状況を含めた室内環境の状況を容易に把握することができる。
【0145】
なお、空気清浄機100は、通信部730を介して各種の情報を取得した場合に、第1の発光部600を点滅発光させてもよい。これにより、外部機器からの情報を取得したことを容易に把握することができる。
【0146】
また、空気清浄機100は、第1の検知部及び第2の検知部の検出値に応じて第1の発光部600及び第2の発光部610の発光を制御しているが、これに限らず、通信部730を介して取得された情報に基づいて、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光を制御してもよい。
【0147】
例えば、通信部730を介して緊急地震速報を取得した場合、第1の発光部600及び第2の発光部610を赤色にて交互に発光するように制御する。この際、第1の発光部600及び第2の発光部610の1周期の点滅時間を短くする、すなわち、高速に交互に発光させることで、ユーザに緊急事態であることを想起させることができる。また、通信部730を介して、大雨警報を取得した場合、第1の発光部600及び第2の発光部610を青色にて交互に発光するように制御する。この際、第1の発光部600及び第2の発光部610の1周期の点滅時間を警報レベル(雨の強さ)に応じて変更することで、ユーザに現在の雨の強さを想起させることができる。また、通信部730を介して避難情報を取得した場合、第1の発光部600及び第2の発光部610を交互に発光するように制御する。この際、第1の発光部600及び第2の発光部610の発光色を避難レベルに応じて変更することで、ユーザに現在の避難レベルを想起させることができる。また、通信部730を介して雷注意報を取得した場合、第1の発光部600及び第2の発光部610を青色(又は黄色)にて交互に発光するように制御する。この際、第1の発光部600及び第2の発光部610の点灯時間を一部重なるように発光させてもよい。
【0148】
なお、上記実施の形態では、空気清浄機100を用いているが、これに限らず、吸込口から吸い込み、フィルタ部で塵埃が捕集された空気を、吹出口から吹き出すように送風するファンを有している空気調和機であればよい。
【0149】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0150】
100 空気清浄機、110 筐体、110e 上面、120 吸込口、130 吹出口、200 送風路、200a 第1送風路、200b 第2送風路、201 壁部、201a 第1の壁部、201b 第2の壁部、250a ファン、260 放電装置、300 ルーバ、310a 湾曲面部、320 一対の側壁、350 操作部、500 ガイド部、600 照射部(第1の発光部)、610 第2の発光部、620 第1のホコリセンサ、630 第1のニオイセンサ、640 第1の湿度センサ、650 第2のホコリセンサ、660 第2のニオイセンサ、670 第2の湿度センサ、700 制御部、720 報知部