(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ストアシステム、店員呼出処理方法およびソフトウエア
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240117BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/12 361Z
(21)【出願番号】P 2019171641
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2019109452
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦中 裕也
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-008466(JP,A)
【文献】特開2015-132948(JP,A)
【文献】特開2005-309908(JP,A)
【文献】特開2006-163447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データ処理を実行するための各種操作を顧客が行うセルフ決済端末と、
前記セルフ決済端末からの情報を集約するストアコントローラと、
店舗内の店員が所持する複数の情報端末と、
を備え、
前記セルフ決済端末は、店員呼出要求の操作を受け付け、
前記ストアコントローラは、前記セルフ決済端末から店員呼出要求信号を受信すると、店員毎に固定された、前記店員呼出要求に対応する資格の度合いを示す呼出資格が含まれ予め保有してある店員情報に基づいて、前記店員呼出要求に対応可能な店員を前記呼出資格の下位の店員から優先して選定し、選定された店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力し、
前記情報端末は、前記呼出情報を受信すると呼出通知を表示する、
ストアシステム。
【請求項2】
前記ストアコントローラは、前記店員呼出要求に対応可能な店員を選定する際、選定対象となる店員からアルバイト店員を除く、
請求項1に記載のストアシステム。
【請求項3】
前記ストアコントローラは、前記店員呼出要求に対応可能な店員の選定を、更に、店員呼出要求に対応した回数を示す店員呼出対応記録に基づいて行う、
請求項1または請求項2に記載のストアシステム。
【請求項4】
前記ストアコントローラは、
前記店員呼出要求に対応可能な店員の選定を、更に、店員呼出要求を受け付けたセルフ決済端末と前記情報端末の位置情報に基づいて行うことにより、店員呼出要求に対応可能な店員を複数選定し、選定された店員のうち、前記セルフ決済端末から距離が近い店員順に時間差をつけて、それぞれの店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力する、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のストアシステム。
【請求項5】
セルフ決済端末が店員呼出要求を受け付ける工程と、
ストアコントローラが前記セルフ決済端末から店員呼出要求信号を受信すると、店員毎に固定された、前記店員呼出要求に対応する資格の度合いを示す呼出資格が含まれる店員情報に基づいて、店員呼出要求に対応可能な店員を前記呼出資格の下位の店員から優先して選定し、選定された店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力する工程と、
前記情報端末が前記呼出情報を受信すると呼出通知を表示する工程と、
を有する店員呼出処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
店員呼出要求を受け付けたセルフ決済端末から出力された店員呼出要求信号を受信する店員呼出要求信号受信手段と、
前記店員呼出要求信号を受信すると、店員毎に固定された、前記店員呼出要求に対応する資格の度合いを示す呼出資格が含まれる店員情報に基づいて、店員呼出要求に対応可能な店員を前記呼出資格の下位の店員から優先して選定する店員選定手段と、
選定された店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力する呼出情報出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルフ決済端末が導入された店舗におけるストアシステム、店員呼出処理方法およびソフトウエアに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗では、人手不足等を解消するために、商品販売データ処理を実行するための各種操作を顧客が自ら行うセルフ決済端末の導入が進んでいる。この様な各種操作を顧客が自ら行うセルフ決済端末は、フルセルフレジとも呼ばれる。
【0003】
セルフレジでは、セルフ決済端末の操作に不慣れな顧客に対応するために、案内係りの店員を呼び出す機能が備えられている。例えば、セルフ決済端末の店員呼出ボタンを押下すると、セルフ決済端末のパトランプが点滅したり、アテンダントステーション等に呼出通知が表示されたりする。これにより、不慣れな顧客への対応を即座に行うことができる。
【0004】
しかし、飲食店等では、案内係りの店員をアテンダントステーションに常時配置できない場合が多い。また、アテンダントステーションを設置しないストアシステムもある。このため、セルフレジにおける顧客対応が遅れてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、セルフレジにおける迅速な顧客対応を実現できるストアシステム、店員呼出処理方法およびソフトウエアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のストアシステムは、商品販売データ処理を実行するための各種操作を顧客が行うセルフ決済端末と、前記セルフ決済端末からの情報を集約するストアコントローラと、店舗内の店員が所持する複数の情報端末と、を備え、前記セルフ決済端末は、店員呼出要求の操作を受け付け、前記ストアコントローラは、前記セルフ決済端末から店員呼出要求信号を受信すると、予め保有してある店員情報に基づいて前記店員呼出要求に対応可能な店員を選定して、この店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力し、前記情報端末は、前記呼出情報を受信すると呼出通知を表示する、ことを特徴とする。
【0008】
実施形態のストアシステムは、前記情報端末は、店員呼出要求への対応開始を知らせるための操作を受け付け、前記ストアコントローラは、前記情報端末から対応開始信号を受信すると、他の情報端末に向けて呼出終了情報を出力する、ことを特徴とする。
【0009】
実施形態のストアシステムは、前記ストアコントローラは、店員呼出要求を受け付けたセルフ決済端末と前記情報端末の位置情報に基づいて、店員呼出要求に対応可能な店員を選定する、ことを特徴とする。
【0010】
実施形態の店員呼出処理方法は、セルフ決済端末が店員呼出要求を受け付ける工程と、
ストアコントローラが前記セルフ決済端末から店員呼出要求信号を受信すると、店員情報に基づいて店員呼出要求に対応可能な店員を選定して、この店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力する工程と、前記情報端末が前記呼出情報を受信すると呼出通知を表示する工程と、
を有する、ことを特徴とする。
【0011】
実施形態のプログラムは、コンピュータを、セルフ決済端末から出力された店員呼出要求信号を受信する店員呼出要求信号受信手段と、前記店員呼出要求信号を受信すると、店員情報に基づいて店員呼出要求に対応可能な店員を選定する店員選定手段と、この店員が所持する情報端末に向けて呼出情報を出力する呼出情報出力手段と、して機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態のストアシステムSの構成例を示す模式図である。
【
図2】ストアシステムSの主要なハードウェア構成を示す図である。
【
図4】実施形態の店員呼出処理方法を示すフローチャート図である。
【
図5】ハンディターミナルに表示される「呼出通知」の表示例であり、(a)アイドル状態のハンディターミナル、(b)非アイドル状態のハンディターミナルを示す。
【
図6】(a)ハンディターミナルに表示される「呼出通知」の他の表示例、(b)ハンディターミナルに表示される「呼出終了情報」の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態のストアシステム、店員呼出処理方法およびソフトウエアについて、図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。
【0014】
〔ストアシステム〕
図1は、実施形態のストアシステムSの構成例を示す模式図である。
図2は、ストアシステムSの主要なハードウェア構成を示す図である。
図3は、店員情報のデータテーブルを示す図である。
【0015】
ストアシステムSは、例えばレストラン等の飲食店において、飲食物の注文・会計に使用されるシステムである。
ストアシステムSは、セルフ決済端末1、ストアコントローラ2、無線通信ユニット7を備え、これらが有線LAN等の通信回線8を介して接続される。無線通信ユニット7には、ハンディターミナル3が無線通信により接続される。
セルフ決済端末1や無線通信ユニット7、ハンディターミナル3の台数は、任意である。
【0016】
セルフ決済端末1は、商品販売データ処理を実行するための各種操作を顧客が行うための端末である。具体的には、会計伝票に印刷されたバーコードを読み取り、その会計伝票の決済を行う。
すなわち、セルフ決済端末1に入力された情報がストアコントローラ2に送信されたり、ストアコントローラ2に記録された会計情報等がセルフ決済端末1に送信されたりする。
【0017】
セルフ決済端末1は、バーコードスキャナ12、レシートプリンタ13、ディスプレイ14、カードリーダライタ15およびキャッシュドロア16等を備える。また、セルフ決済端末1は、演算処理部111やメモリ112、通信部113等を有する。
セルフ決済端末1は、下端にキャッシュドロア16が配置される。キャッシュドロア16の上部にはバーコードスキャナ12とレシートプリンタ13が配置され、さらにレシートプリンタ13の上部にディスプレイ14が配置される。そして、ディスプレイ14の右側辺部にカードリーダライタ15が設けられる。
【0018】
バーコードスキャナ12は、会計伝票に印刷されたバーコードを読み取る。
レシートプリンタ13は、レシートを印字して、顧客に向けて排出(排紙)する。
ディスプレイ14は、販売登録された商品(飲食物)の品名や価格、画像等を顧客に表示する。
カードリーダライタ15は、クレジットカード等に対するデータの読み書きを行う。
キャッシュドロア16は、硬貨及び紙幣の取扱いを行う。
【0019】
さらに、セルフ決済端末1には、警告音や音声案内を発するスピーカ(不図示)やセルフ決済端末1の現在状態を表示するLED表示ランプ(不図示)が設けられる。LED表示ランプは、例えば青色や赤色に発光する。
【0020】
ディスプレイ14は、いわゆるタッチパネルディスプレイであり、顧客が自ら会計処理等の各種操作を行うことができる。
例えば、顧客がディスプレイ14をタッチしてセルフ決済端末1を操作するとき、ディスプレイ14には「店員呼出要求ボタン」が表示される(不図示)。この店員呼出要求ボタンは、セルフ決済端末1の操作に困ったり、トラブルが発生したりしたときに、店員を呼び出すために使用される。顧客がこの店員呼出要求ボタンを押下(タッチ)すると、店員呼出要求信号がストアコントローラ2に向けて出力される。同時に、店員を呼び出し中のである旨の案内が、ディスプレイ14に表示されたり、スピーカから発せられたりする。さらに、LED表示ランプが赤色に発光する。
【0021】
ストアコントローラ(コンピュータ)2は、店舗において顧客に提供する商品(飲食物)の品目や価格、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの情報を記録するコンピュータである。ストアコントローラ2は、演算処理部121やメモリ122、ハードディスク123、通信部124等を有する。
ストアコントローラ2のハードディスク123には、上述した情報が集約されると共に、種々のコンピュータプログラムが格納される。これにより、ストアコントローラ2は、セルフ決済端末1やハンディターミナル3に入力された情報を集約したり、セルフ決済端末1やハンディターミナル3に向けて各種情報を送信したりする。
【0022】
例えば、ストアコントローラ2の演算処理部121は、セルフ決済端末1から店員呼出要求信号を受信する。ストアコントローラ2は、店員呼出要求に対応可能な店員を選定して、この店員が所持するハンディターミナル3に向けて呼出情報を出力する。
店員呼出要求に対応可能な店員は、ハードディスク123に店員情報21として予め登録(保有)されており、演算処理部121が所定条件を満たすかどうかを判断して選定する。
図3に示すように、店員情報21には、店員番号、呼出資格情報、ハンディターミナル番号、ハンディターミナル使用状況等が含まれる。
呼出資格情報は、店員呼出要求に対応する資格を有する店員であるか否かを示す。「0」が対応資格なし、「1」および「2」が対応資格ありを意味する。
「0」は、例えばアルバイト店員やセルフ決済端末1の操作に不慣れな店員が該当する「1」は一般店員、「2」は店長等の管理者が該当する。また、「1」は、「2」よりも呼出優先度が高いことを意味する。この呼出優先度については、後述する。
ハンディターミナル使用状況は、ハンディターミナル3を操作中であるか否かを示す。「A」が使用中、「N」が待機中を意味する。
【0023】
このように、ストアコントローラ2のメモリ122には、ストアコントローラ2を店員呼出要求信号受信手段、店員選定手段、呼出情報出力手段として機能させるためのプログラムが格納される。つまり、このプログラムは、ストアコントローラ2を、セルフ決済端末1から出力された店員呼出要求信号を受信する店員呼出要求信号受信手段と、店員呼出要求信号を受信すると店員呼出要求に対応可能な店員を選定する店員選定手段と、この店員が所持する情報端末(ハンディターミナル3)に向けて呼出情報を出力する呼出情報出力手段と、して機能させる。
【0024】
無線通信ユニット7は、店舗の天井などに設置されて、ハンディターミナル3と無線通信を行う。
ハンディターミナル3は、店員が個々に携帯する小型の情報処理端末である。ハンディターミナル3は、演算処理部131やメモリ132、ディスプレイ133、通信部134等を有する。
ディスプレイ133は、いわゆるタッチパネルディスプレイであり、メッセージを表示したり店員が各種操作を行ったりすることができる。
ハンディターミナル3には、注文品目、数量などのオーダー情報が入力される。ハンディターミナル3に入力された情報は、ストアコントローラ2に送信される。
また、ハンディターミナル3は、ストアコントローラ2から送信された各種情報を受信する。例えば、ハンディターミナル3は、ストアコントローラ2から呼出情報を受信する。ハンディターミナル3は、呼出情報を受信するとその情報をディスプレイ133に表示したり、アラームを鳴らしたりして、店員呼出要求を店員に報知する。
【0025】
〔店員呼出処理方法〕
図4は、実施形態の店員呼出処理方法を示すフローチャート図である。
図5は、ハンディターミナルに表示される「呼出通知」の表示例であり、(a)アイドル状態のハンディターミナル、(b)非アイドル状態のハンディターミナルを示す。なお、
図5(b)は、店舗内のテーブルにて店員がオーダー情報を入力しているときの表示例である。
【0026】
上述したように、顧客がセルフ決済端末1を操作するとき、ディスプレイ14には「店員呼出要求ボタン」が表示される。
顧客は、セルフ決済端末1の操作に困ったり、トラブルが発生したりしたときに、「店員呼出要求ボタン」をタッチする。すると、セルフ決済端末1は、店員呼出要求信号をストアコントローラ2に向けて出力する(ステップS1)。
【0027】
ストアコントローラ2は、セルフ決済端末1から店員呼出要求信号を受信すると、店員呼出要求に対応可能な店員を選定する。
まず、ストアコントローラ2は、店員呼出に対応する資格を有する店員を選定する(ステップS2)。
例えば、アルバイトの店員は除かれる。つまり、ストアコントローラ2は、店員呼出要求に対応する資格を有する店員であるか否かを判断する。対応資格を有する店員であるか否かは、ハードディスク123に、店員情報21の「呼出資格」として登録されている。
ストアコントローラ2は、対応資格情報が「1」の店員を選定する。
【0028】
次に、ストアコントローラ2は、対応資格を有する店員のなかから、ハンディターミナル3を操作中でない店員を選定する(ステップS3)。
例えば、店員がハンディターミナル3にオーダー情報等を入力しているとき(操作中:非アイドル状態)は、対応資格を有していても即座に対応できない。
そこで、アイドル状態のハンディターミナル3を所持(携帯)する店員を選定する。
アイドル状態のハンディターミナル3を所持する店員であるか否かは、ハードディスク123に、店員情報21の「ハンディターミナル」、「ハンディターミナル使用状況」として登録されている。
ストアコントローラ2は、ハンディターミナル使用状況が「N」の店員を選定する。
なお、ステップS2,ステップS3を経て選定される店員は、複数の場合もある。
図3に示す店員情報21の状態では、店員番号が002と0013の店員が選定される。
【0029】
ストアコントローラ2は、ステップS2,ステップS3を経て、店員呼出要求に対応させる(複数の)店員を選定すると、この店員が所持するハンディターミナル3に向けて呼出情報を出力する(ステップS4)。
そして、
図5(a)に示すように、ハンディターミナル3は、呼出情報を受信すると、呼出情報(呼出通知)をディスプレイ133の受信メッセージ表示欄D1に表示して、店員に店員呼出要求への対応指示を通知する(ステップS5)。
なお、
図5(b)に示すように、非アイドル状態のハンディターミナル3(店員番号が008の店員)には、ディスプレイ133の簡易メッセージ表示欄D2に簡易的な通知を表示させるようにしてもよい。
【0030】
図6(a)は、ハンディターミナルに表示される「呼出通知」の他の表示例、
図6(b)は、ハンディターミナルに表示される「呼出終了情報」の表示例である。
図6(a)に示すように、呼出通知(店員呼出要求)に対応できるか否かをハンディターミナル3からストアコントローラ2に向けて返答(返信)するようにしてもよい。
例えば、ハンディターミナル3のディスプレイ133の受信メッセージ表示欄D1に呼出情報を表示する同時に、「OK」ボタンD3と「NG」ボタンD4を表示する。
「OK」ボタンD3は、店員呼出要求のあったセルフ決済端末1での顧客対応の開始を、他の店員に知らせるために用いられる。「NG」ボタンD4は、顧客対応が困難であることを、他の店員に知らせるために用いられる。
「OK」ボタンD3または「NG」ボタンD4をタッチすると、この情報(対応開始信号、対応拒否信号)がストアコントローラ2に送信される。
【0031】
例えば、呼出通知を受信した複数の店員のうち、店員番号013の店員が「OK」ボタンD3をタッチすると、対応開始信号がストアコントローラ2に送信される。
次いで、
図6(b)に示すように、ストアコントローラ2から全店員に呼出終了情報が通知される。この呼出終了情報は、呼出通知を終了させる情報であり、店員呼出要求への対応(顧客対応)を開始した店員の情報(店員番号013)も含まれる。
これにより、店員呼出要求のあったセルフ決済端末1に複数の店員が出向いてしまうという無駄な作業を排除できる。
【0032】
なお、呼出通知を受信した複数の店員の全ての店員が「NO」ボタンD4をタッチした場合には、全ての対応拒否信号が対応資格情報「2」の店員(店長等の責任者)に通知される。店長等の責任者は、最後の顧客対応者として、店員呼出要求のあったセルフ決済端末1に出向く。対応資格情報「2」の店員は、対応資格情報「1」の店員に比べて、業務が多忙である場合が多い。このため、まずは対応資格情報「1」の店員に対応してもらうべく、「2」よりも「1」の方が呼出優先度を高く設定される。このように、呼出資格の有した者の中から、呼出資格の下位の者を優先して選定するということも可能である。
または、呼出通知を受信した複数の店員の全ての店員が「NO」ボタンD4をタッチした場合には、ステップS2,ステップS3に戻って、店員選定を再度行ってもよい。
【0033】
また、店員呼出要求に対応した店員の情報を記録して、次回の店員呼出要求に利用することもできる。ストアコントローラ2が店員呼出要求に対応する店員を選定する際に、店員呼出対応記録を参照して、例えば店員呼出要求に対応した回数の少ない店員を優先的に選定するようにしもよい。
【0034】
また、ストアコントローラ2が店員呼出要求に対応する店員を選定する際に、店員呼出要求のあったセルフ決済端末1から近いエリアに存在するハンディターミナル3に向けて呼出情報を出力してもよい。
ストアコントローラ2には、無線通信ユニット7の設置位置情報(セルフ決済端末1からの距離)が予め記憶されている。例えば、セルフ決済端末1からの距離が近い順に、無線通信ユニット7a、7b、7cが登録されている。
ストアコントローラ2は、ステップS2,ステップS3を経て複数の店員を選定すると、ステップS4において、無線通信ユニット7a、7b、7cの順に時間差を設けて、ハンディターミナル3に向けて呼出情報を出力する。
ステップS2,ステップS3を経てハンディターミナル3a、3cを所持する2人の店員が選定された場合に、まず無線通信ユニット7aと通信をしているハンディターミナル3aに呼出情報が通知される。そして、例えば30秒後に、無線通信ユニット7cと通信をしているハンディターミナル3cに呼出情報が通知される。
これにより、セルフ決済端末1の近くにいる店員が顧客対応をする可能性が高くなり、より迅速な顧客対応を実現することができる。
なお、ハンディターミナル3にGPSを搭載し、このGPS情報に基づいて、セルフ決済端末1からの距離が近い順に、ハンディターミナル3(3a~3d)に呼出情報を出力するようにしてもよい。
【0035】
以上、説明した通り、実施形態のストアシステムSおよび店員呼出処理方法によれば、セルフレジにおける迅速な顧客対応を実現できる。
すなわち、セルフ決済端末1は、店員を呼び出すための操作を受け付ける。ストアコントローラ2は、セルフ決済端末1から店員呼出要求信号を受信すると、店員呼出要求に対応可能な店員を選定して、この店員が所持するハンディターミナル3に向けて呼出情報を出力する。そして、ハンディターミナル3は、呼出情報を受信すると呼出通知を表示する。
ストアコントローラ2が店員呼出要求に対応可能な店員を選定するので、迅速で効率的な顧客対応を実現できる。
【0036】
また、ハンディターミナル3が店員呼出要求への対応開始を知らせるための操作(OKボタンの押し下げ)を受け付けると、残りのハンディターミナル3に向けて呼出終了情報を出力する。これにより、多数の店員が店員呼出要求のあったセルフ決済端末1に出向いてしまうという無駄な作業を排除できる。
【0037】
また、ストアコントローラ2は、店員呼出要求を受け付けたセルフ決済端末1と各ハンディターミナル3の位置情報に基づいて、店員呼出要求に対応可能な店員を選定する。これにより、より迅速な顧客対応を実現することができる。
【0038】
実施形態のストアシステムSは、飲食店に限らず、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、家電量販店等に導入されるものであってもよい。
【0039】
実施の形態のストアシステムSでは、店員呼出通知を表示する情報端末がハンディターミナル3の場合について説明したが、これに限らない。例えば、ストアシステムSにおいて、キッチンディスプレイ(不図示)やキッチンプリンタ(不図示)が、通信回線8に接続(無線通信ユニット7を経由する場合も含む)しているものがある。このようなストアシステムSでは、店員呼出通知を表示する情報端末は、キッチンディスプレイやキッチンプリンタであってもよい。ストアコントローラ2は、キッチンディスプレイやキッチンプリンタに対しても店員呼出通知を出力してもよい。
【0040】
実施形態では、アテンダント端末のないストアシステムについて説明したが、アテンダント端末があってもよい。
アテンダント端末は、案内係りの店員が操作等する端末である。アテンダント端末は、固定型であってもよいし、モバイル型(タブレット型)であってもよい。
そして、ストアコントローラ2は、アテンダント端末に対しても店員呼出通知を出力してもよい。
【0041】
顧客対応できる店員がいない(全ての店員が顧客対応困難な)場合もありうる。このような場合には、ストアコントローラ2から全てのハンディターミナル3(店員)に向けて呼出情報(顧客対応できる店員がいない旨の情報を含む)を送信するようにしてもよい。これにより、顧客対応が可能になった店員からセルフ決済端末1に向かうため、顧客対応までの時間を最小限に抑えることが可能になる。
【0042】
実施形態では、ストアコントローラ2が店員呼出要求に対応可能な店員を選定する場合について説明したが、これに限らない。店員を選定する他のコンピュータを設けてもよい。また、各ハンディターミナル3が店員情報21を有して、店員呼出要求に対応可能な店員であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0043】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
S ストアシステム
1 セルフ決済端末
2 ストアコントローラ(コンピュータ)
3 ハンディターミナル(情報端末)
7 無線通信ユニット
8 通信回線