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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】リーダー装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240117BHJP
   H04B 1/3877 20150101ALI20240117BHJP
【FI】
G06K7/10 252
H04B1/3877
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019210329
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082109
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 靖幸
(72)【発明者】
【氏名】森屋 舞子
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2019-0067603(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0090344(KR,A)
【文献】特開2017-135443(JP,A)
【文献】特開2011-108131(JP,A)
【文献】特開2016-024724(JP,A)
【文献】中国実用新案第204256612(CN,U)
【文献】特開2014-199978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G06K 17/00
H04B 1/3877
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグから情報を読み取るリーダー装置であって、
板状の本体部と、
前記本体部の一端辺に連接し、前記RFIDタグから情報を読み取るためのアンテナを内蔵した読取部と、
前記本体部の一方の面に取り付けられ、前記一方の面上に携帯端末を保持する保持部材とを有し、
前記保持部材は、
伸縮自在の弾性部材からなり、伸張状態からの復元力によって前記携帯端末を前記読取部に対向しない位置に保持し、
第1の固定部にて前記本体部に固定され、該第1の固定部から前記本体部と前記読取部との連接方向における前記読取部側に延び、前記本体部の一方の面上に載置された携帯端末の前記読取部側の端辺を保持する第1の弾性部材と、
第2の固定部にて前記本体部に固定され、該第2の固定部から前記本体部と前記読取部との連接方向における前記読取部とは反対側に延び、前記本体部の一方の面上に載置された携帯端末の前記読取部とは反対側の端辺を保持する第2の弾性部材とを有し、
前記第2の弾性部材は、前記第1の弾性部材よりも伸張しやすくなっている、リーダー装置。
【請求項2】
請求項に記載のリーダー装置において、
前記保持部材によって前記本体部の一方の面上に保持された携帯端末の前記読取部側へのずれを阻止するずれ阻止部材を有する、リーダー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグから情報を読み取るリーダー装置に関し、特に、携帯端末を保持可能に構成されたリーダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流システムや商品管理システムにおいては、その効率化を図るために、物品や商品に個別のコードを付与し、このコードを用いて物品や商品を管理する仕組みが実用化されている。このような仕組みとしては例えば、管理対象となる物品や商品毎に個別のコードを付与してこれらを対応づけておくとともに、そのコードが書き込まれたRFIDタグを物品や商品に取り付けておき、RFIDタグに書き込まれたコードを専用のリーダー装置にて読み取ることで、物品や商品を管理する仕組みがある。
【0003】
一方、近年、スマートフォンの急速な普及に伴い、スマートフォンを様々な用途に利用することが考えられている。そこで、上述したように物品や商品に付与されたコードを読み取るリーダー装置をスマートフォンに接続することにより、スマートフォンにリーダー装置の機能を付加すること等が考えられる。しかしながらその場合、リーダー装置をスマートフォンに接続するという手間が生じるとともに、リーダー装置とスマートフォンを同時に手に持って操作することになるために煩わしさが生じてしまう。
【0004】
ここで、スマートフォン等の携帯情報端末とこれに接続されたバーコードリーダー等の周辺装置とを嵌め込み可能に構成されたカバーセットであって、大きさの異なる携帯情報端末を嵌め込み可能な2種類のカバーを有するカバーセットが、特許文献1に開示されている。このカバーセットを用いれば、大きさが異なる2種類の携帯情報端末であっても周辺装置と一体として使用することが可能となる。
【0005】
また、スマートフォン等のモバイル装置とRFIDタグリーダー等の周辺装置とを一体として保持するケースにおいて、モバイル装置を保持するための4つのバンドをねじで固定したケースをいくつか用意しておくことで、複数種類のモバイル装置を周辺装置と一体として使用可能とする構成が、特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5996062号公報
【文献】特開2014-96128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたものにおいては、携帯情報端末の大きさに合ったカバーを用意しなければならず、汎用性が乏しいという問題点がある。特に、近年の携帯情報端末においては、2種類を超える種類の大きさの携帯情報端末が普及しており、携帯情報端末の大きさに合ったカバーがない場合は、その携帯情報端末は利用することができないこととなる。
【0008】
また、特許文献2に開示されたものにおいては、ケースにねじで固定されたバンドによってモバイル装置を保持することとなるため、ケースとモバイル装置との位置関係が固定的なものとなる。ここで、周辺装置として、RFIDタグから情報を読み取るリーダー装置を用いた場合、リーダー装置のうちのRFIDタグから情報を読み取るためのアンテナが金属等の導電体に対向していると、その読み取り可能な距離が短くなってしまい、運用に弊害が生じてしまう。そのため、特許文献2に開示されたもののように、ケースとモバイル装置との位置関係が固定的なものであると、モバイル装置の大きさによっては、リーダー装置のアンテナがモバイル装置と対向してしまい、読み取り可能な距離が短くなってしまうという問題点がある。また、ケースにねじで固定された4つのバンドによってモバイル装置を保持することとなるため、モバイル装置を保持する際に手間がかかってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、RFIDタグからの情報の読み取りに影響を及ぼすことなく、大きさの異なる携帯端末を手間をかけずに保持することができるリーダー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
RFIDタグから情報を読み取るリーダー装置であって、
板状の本体部と、
前記本体部の一端辺に連接し、前記RFIDタグから情報を読み取るためのアンテナを内蔵した読取部と、
前記本体部の一方の面に取り付けられ、前記一方の面上に携帯端末を保持する保持部材とを有し、
前記保持部材は
縮自在の弾性部材からなり、伸張状態からの復元力によって前記携帯端末を前記読取部に対向しない位置に保持し、
第1の固定部にて前記本体部に固定され、該第1の固定部から前記本体部と前記読取部との連接方向における前記読取部側に延び、前記本体部の一方の面上に載置された携帯端末の前記読取部側の端辺を保持する第1の弾性部材と、
第2の固定部にて前記本体部に固定され、該第2の固定部から前記本体部と前記読取部との連接方向における前記読取部とは反対側に延び、前記本体部の一方の面上に載置された携帯端末の前記読取部とは反対側の端辺を保持する第2の弾性部材とを有し、
前記第1の弾性部材は、前記第1の固定部にて前記本体部に固定された端部とは反対側の端部が前記本体部に固定されておらず、
前記第2の弾性部材は、前記第2の固定部にて前記本体部に固定された端部とは反対側の端部が前記本体部に固定されていない

【0011】
上記のように構成された本発明においては、板状の本体部と、本体部の一端辺に連接し、RFIDタグから情報を読み取るためのアンテナを内蔵した読取部とを有する構成において、本体部の一方の面に取り付けられた保持部材が、伸縮自在の弾性部材からなり、伸張状態からの復元力によって携帯端末を本体部の一方の面上に保持するので、大きさの異なる携帯端末が手間をかけずに保持されることになる。また、保持部材によって、携帯端末が読取部に対向しない位置に保持されるので、RFIDタグからの情報の読み取りに影響が及ぶことはない。
【0012】
上記のような構成としては、保持部材が、第1の固定部にて本体部に固定され、この第1の固定部から本体部と読取部との連接方向における読取部側に延び、本体部の一方の面上に載置された携帯端末の読取部側の端辺を保持する第1の弾性部材と、第2の固定部にて本体部に固定され、この第2の固定部から本体部と読取部との連接方向における読取部とは反対側に延び、本体部の一方の面上に載置された携帯端末の読取部とは反対側の端辺を保持する第2の弾性部材とを有し、第2の弾性部材が、第1の弾性部材よりも伸張しやすくなっていることが考えられる。
【0013】
このような構成においては、携帯端末が本体部の一方の面上に載置され、携帯端末の読取部側の端辺が第1の弾性部材によって保持されるとともに、携帯端末の読取部とは反対側の端辺が第2の弾性部材によって保持された状態では、第2の弾性部材が、第1の弾性部材よりも伸張しやすくなっていることから、サイズが大きな携帯端末が保持部材によって保持された場合でも、第2の弾性部材が大きく伸張し、携帯端末が本体部の読取部とは反対側に突出するように保持されることとなり、携帯端末が読取部に対向することがない。
【0014】
また、保持部材によって本体部の一方の面上に保持された携帯端末の読取部側へのずれを阻止するずれ阻止部材を有するものにおいては、保持部材によって本体部の一方の面上に保持された携帯端末が振動や外力等で読取部側にずれそうになったとしても、携帯端末が読取部に対向しない位置で保持された状態が保たれ、RFIDタグからの情報の読み取りに影響が及ぶことはない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、板状の本体部と、本体部の一端辺に連接し、RFIDタグから情報を読み取るためのアンテナを内蔵した読取部とを有する構成において、本体部の一方の面に取り付けられた保持部材が、伸縮自在の弾性部材からなり、伸張状態からの復元力によって携帯端末を読取部に対向しない位置に保持するため、RFIDタグからの情報の読み取りに影響を及ぼすことなく、大きさの異なる携帯端末を手間をかけずに保持することができる。
【0016】
また、保持部材によって本体部の一方の面上に保持された携帯端末の読取部側へのずれを阻止するずれ阻止部材を有するものにおいては、保持部材によって本体部の一方の面上に保持された携帯端末が振動や外力等で読取部側にずれそうになったとしても、携帯端末が読取部に対向しない位置で保持された状態が保たれ、RFIDタグからの情報の読み取りに影響が及んでしまうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のリーダー装置の実施の一形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。
図2図1に示したリーダー装置から載置板を取り外した状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。
図3図1に示したリーダー装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
図4図1図3に示したリーダー装置に携帯端末であるスマートフォンを装着した状態の一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。
図5図4に示したようにリーダー装置にスマートフォンが装着された場合の動作を説明するための機能ブロック図である。
図6図1図3に示したリーダー装置に携帯端末であるスマートフォンを装着した状態の他の例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明のリーダー装置の実施の一形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。図2は、図1に示したリーダー装置1から載置板5を取り外した状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。図3は、図1に示したリーダー装置1の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0020】
本形態のリーダー装置は図1に示すように、板状の筐体10の一方の面に保持ラバー4a,4b及び載置板5が設置され、本体部2と読取部3とが連接して構成された形状となっている。これにより、板状の本体部2の一端辺に読取部3が連接したものとなっている。
【0021】
筐体10は、図3に示すアンテナ11、通信部14、電源部15、記憶部16及び制御部17を内蔵している。
【0022】
アンテナ11は、UHF帯の周波数でRFIDタグから情報を読み取るためのものであって、筐体10のうち読取部3に内蔵されている。
【0023】
通信部14は、載置板5上に載置された携帯端末との間にてBLEによる無線通信を行い、アンテナ11を介してRFIDタグから読み取った情報を携帯端末に無線送信するものであって、筐体10のうち本体部2に内蔵されている。
【0024】
電源部15は、リーダー装置1全体に電源を供給するものであって、筐体10のうち本体部2に内蔵されており、外部に表出した接続端子(不図示)を介して充電が可能となっている。
【0025】
記憶部16は、アンテナ11を介してRFIDタグから読み取った情報を記憶する。
【0026】
筐体10の側面には、本体部2となる部分に、操作部13として機能する電源ボタン13a及びRFボタン13bが設けられている。電源ボタン13aは、リーダー装置1の電源のON/OFFを切り替える際に押下するものである。RFボタン13bは、RFIDタグから情報を読み取る際に押下するものであって、RFボタン13bが押下されることで、アンテナ11からUHF帯の周波数の電波が放射される。
【0027】
筐体10の保持ラバー4a,4b及び載置板5が設置された面には、読取部3となる部分に、表示部12として機能する電源ランプ12a及びRFランプ12bが設けられている。電源ランプ12aは、LEDから構成され、電源ボタン13aが押下されることでリーダー装置1の電源がONになった場合に点灯し、リーダー装置1の電源がOFFになった場合に消灯する。RFランプ12bは、LEDから構成され、RFボタン13bが押下されることでアンテナ11からUHF帯の周波数の電波が放射された場合に点灯する。
【0028】
制御部17は、リーダー装置1全体の動作を制御するものであって、操作部13となる電源ボタン13a及びRFボタン13bに対する操作に応じてリーダー装置1の動作を制御するとともに、その動作状態に基づいて表示部12となる電源ランプ12a及びRFランプ12bの点灯/消灯を制御する。また、制御部17は、載置板5上に載置された携帯端末に対する通信部14による情報の無線送信を制御する。
【0029】
保持ラバー4a,4bは、本願発明の保持部材を構成するものであって、筐体10の一方の面のうち本体部2に、本体部2と読取部3との連接方向に保持ラバー4aが読取部3側となって並んで配置されている。
【0030】
保持ラバー4aは、本願発明にて第1の弾性部材となるものであって、シート状のシリコン材から構成され、伸縮自在なものとなっている。保持ラバー4aは図2に示すように、2つの固定部6aによって筐体10の一方の面のうち本体部2に取り付けられた基部7aと、基部7aから4つに枝分かれして読取部3側に延び、基部7aとは反対側の端部が筐体10とは反対側に折り返された脚部8aと、折り返された4つの脚部8aを連結したアーチ状の末端部9aとから構成されている。
【0031】
保持ラバー4bは、本願発明にて第2の弾性部材となるものであって、シート状のシリコン材から構成され、伸縮自在なものとなっている。保持ラバー4bは図2に示すように、2つの固定部6bによって筐体10の一方の面のうち本体部2に取り付けられた基部7bと、基部7bから4つに枝分かれして読取部3とは反対側に延び、基部7bとは反対側の端部が筐体10とは反対側に折り返された脚部8bと、折り返された4つの脚部8bを連結したアーチ状の末端部9bとから構成されている。
【0032】
上記のように構成された保持ラバー4a,4bは、保持ラバー4bの脚部8bの長さが保持ラバー4aの脚部8aの長さよりも長いことにより、保持ラバー4bが、保持ラバー4aよりも伸張しやすくなっている。
【0033】
載置板5は、筐体10の一方の面のうち本体部2において、保持ラバー4a,4bの脚部8a,8bの一部と基部7a,7bを覆って設置され、ビス(不図示)等の固定手段によって筐体10に固定されている。これにより、保持ラバー4a,4bの脚部8a,8bの一部と基部7a,7bは、筐体10の一方の面と載置板5との間に挟まれた状態となっている。載置板5は、その一部が本体部2の読取部3との連接部分まで延び、その端部がL字型に立ち上がることで、ずれ阻止部材となる阻止板5aを有する構成となっている。
【0034】
以下に、上記のように構成されたリーダー装置1の使用方法及びその際の作用について説明する。
【0035】
図4は、図1図3に示したリーダー装置1に携帯端末であるスマートフォンを装着した状態の一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。図5は、図4に示したようにリーダー装置1にスマートフォン20が装着された場合の動作を説明するための機能ブロック図である。
【0036】
図1図3に示したリーダー装置1にスマートフォンを装着して使用する場合は、図4に示すように、スマートフォン100を、その長手方向が本体部2と読取部3との連接方向となるように載置板5上に載置し、スマートフォン100の読取部3側の端辺とそれに隣接する部分に保持ラバー4aの脚部8aを引っ掛けるとともに、スマートフォン100の読取部3とは反対側の端辺とそれに隣接する部分に保持ラバー4bの脚部8bを引っ掛ける。すると、保持ラバー4a,4bが伸縮自在なシリコン材から構成されていることで、保持ラバー4a,4bがスマートフォン100の大きさに応じて伸張し、伸張状態からの復元力によってスマートフォン100の面方向の移動が規制されることになる。また、スマートフォン100の表面に対する鉛直方向の移動についても、保持ラバー4a,4bの伸張状態からの復元力によって規制されることになるが、保持ラバー4a,4bの脚部8a,8bの一部と基部7a,7bが、筐体10の一方の面と載置板5との間に挟まれた状態となっていることで、スマートフォン100は載置板5の表面に密着した状態が保たれることになる。
【0037】
このようにスマートフォン100が保持ラバー4a,4bによって保持された状態においては、保持ラバー4a,4bが筐体10の一方の面のうち本体部2に配置されているため、図4に示すスマートフォン100のように、その長手方向の長さが保持ラバー4a,4bの間隔に対して大きくは異ならない場合、スマートフォン100はリーダー装置1の本体部2のみに対向して読取部3には対向しない状態となる。
【0038】
スマートフォン100としては図5に示すように、通信部21と、ネットワーク通信部22と、通話部23と、表示部24と、操作部25と、電源部26と、記憶部27と、制御部28とを有する構成が考えられる。
【0039】
通信部21は、リーダー装置1の通信部14との間にてBLEによる無線通信を行い、リーダー装置1から送信された情報を無線受信する。
【0040】
ネットワーク通信部22は、アンテナを含む通信モジュールから構成され、アクセスポイントを介して通信回線に接続し、他の端末やサーバーとの間にて通信を行う。
【0041】
通話部23は、スピーカー(不図示)及びマイクロフォン(不図示)等から構成され、音声の入力及び出力を行う。
【0042】
表示部24は、スマートフォン100の表面に設けられた液晶からなるディスプレイ24aによって構成され、アプリケーションプログラムによる情報や、通信部21を介して受信した情報や、ネットワーク通信部22を介して受信した情報画面等を表示する。
【0043】
操作部25は、表示部24上に重ねて配置され、例えば静電接触方式を用いてユーザの接触による操作を検知する。
【0044】
電源部26は、スマートフォン100全体に電源を供給するものであって、外部に表出した接続端子(不図示)を介して充電が可能となっている。
【0045】
記憶部27は、操作部25を介して入力された情報や、通信部21を介して受信した情報や、ネットワーク通信部22を介して受信した情報等を記憶する。
【0046】
制御部28は、スマートフォン100全体の動作を制御するものであって、操作部25に対する操作に応じてスマートフォン100の動作を制御するとともに、表示部24における情報の表示や、通信部21やネットワーク通信部22における情報の送受信等を制御する。
【0047】
図4に示したようにリーダー装置1にスマートフォン100が装着された状態においてリーダー装置1によってRFIDタグから情報を読み取る場合、リーダー装置1の電源ボタン13aを押下することでリーダー装置1の電源をONとした状態でRFボタン13bを押下しながら読取部3をRFIDタグに翳すと、アンテナ11からUHF帯の周波数の電波が放射される。その際、リーダー装置1の電源がONとなったことで電源ランプ12aが点灯するとともに、アンテナ11からUHF帯の周波数の電波が放射されたことでRFランプ12bが点灯することになるが、上述したように、スマートフォン100はリーダー装置1の本体部2のみに対向して読取部3には対向しない状態となっているため、電源ランプ12a及びRFランプ12bの点灯がスマートフォン100が邪魔となって視認できなくなってしまうことはない。
【0048】
アンテナ11から放射された電波は、読取部3が翳されたRFIDタグにて受信され、それにより、RFIDタグに書き込まれた情報がアンテナ11を介してリーダー装置1にて読み取られる。この際、上述したように、スマートフォン100はリーダー装置1の本体部2のみに対向して読取部3には対向しない状態となっているため、スマートフォン100を構成する部品等の影響によってリーダー装置1における読み取り可能な距離が短くなってしまうことはない。
【0049】
アンテナ11を介してRFIDタグから読み取られた情報は、記憶部16に記憶されるとともに、通信部14を介してスマートフォン100に送信される。
【0050】
リーダー装置1の通信部14から送信された情報は、通信部21を介してスマートフォン100にて受信される。スマートフォン100においては、通信部21を介して受信された情報が表示部24に表示されたり、ネットワーク通信部22を介して送信されたりすることとなる。
【0051】
図6は、図1図3に示したリーダー装置1に携帯端末であるスマートフォンを装着した状態の他の例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。
【0052】
図1図3に示したリーダー装置1は、大きさが異なる携帯端末を装着することもできる。図6に示すように、図4に示したスマートフォン100よりも大きく、その長手方向の長さが保持ラバー4a,4bの間隔に対して大きく異なるスマートフォン200をリーダー装置1に装着した場合、その長手方向の長さが保持ラバー4a,4bの間隔に対して大きく異なることから、単純に考えた場合、載置板5上に載置されたスマートフォン200の読取部3側の一部が読取部3と対向してしまうことになる。
【0053】
ところが、図1図3に示したリーダー装置1においては、上述したように、保持ラバー4bの脚部8bの長さが保持ラバー4aの脚部8aの長さよりも長いことにより、保持ラバー4bが、保持ラバー4aよりも伸張しやすくなっていることから、その長手方向の長さが保持ラバー4a,4bの間隔に対して大きく異なるスマートフォン200が保持ラバー4a,4bによって保持された場合、保持ラバー4bが大きく伸張し、スマートフォン200が本体部2の読取部3とは反対側に突出するように保持されることとなり、スマートフォン200が読取部3に対向することがない。
【0054】
また、載置板5が、その一部が本体部2の読取部3との連接部分まで延び、その端部がL字型に立ち上がることで阻止板5aを有する構成となっていることで、保持ラバー4a,4bによって本体部2の一方の面上に保持されたスマートフォン200が振動や外力等で読取部3側にずれそうになったとしても、スマートフォン200の端辺が阻止板5aに当接することで、スマートフォン200の読取部3側へのずれが阻止されてスマートフォン200が読取部3に対向しない位置で保持された状態が保たれ、RFIDタグからの情報の読み取りに影響が及んでしまうことを回避できる。
【0055】
このように、図1図3に示したリーダー装置1においては、本体部2の一方の面に取り付けられた保持ラバー4a,4bが、伸縮自在の材料からなり、伸張状態からの復元力によってスマートフォン100,200を本体部2の一方の面上に保持するので、大きさが異なるスマートフォン100,200であっても、スマートフォン100,200の一部に保持ラバー4a,4bを引っ掛けるだけで、手間をかけずに保持することができる。また、保持ラバー4a,4bによって、スマートフォン100,200が読取部3に対向しない位置に保持されるので、RFIDタグからの情報の読み取りに影響が及ぶことはない。
【0056】
なお、本形態においては、保持ラバー4bの脚部8bの長さが保持ラバー4aの脚部8aの長さよりも長いことにより、保持ラバー4bが、保持ラバー4aよりも伸張しやすくなっているが、保持ラバー4bを保持ラバー4aよりも伸張しやすくするためには、保持ラバー4bの脚部8bの長さを保持ラバー4aの脚部8aの長さよりも長くすることに限らず、脚部8a,8bの太さや本数を異ならせたり、保持ラバー4a,4bの材質や厚さを異ならせたりすることで、保持ラバー4bを保持ラバー4aよりも伸張しやすくしてもよい。
【0057】
また、本形態においては、保持部材として2つの保持ラバー4a,4bを設け、保持ラバー4bが保持ラバー4aよりも伸張しやすくなっていることで、載置板5上に載置されたスマートフォン100,200が読取部3に対向しない位置に保持されるものを例に挙げて説明したが、保持部材として1つの弾性部材を用い、その弾性部材の形状や材料を部分的に異ならせることで、載置板5上に載置されたスマートフォン100,200が読取部3に対向しない位置に保持されるような構成とすることも考えられる。
【0058】
また、本形態においては、リーダー装置1にスマートフォン100,200を装着した状態でRFIDタグに書き込まれた情報を読み取る場合について説明したが、図1図3に示したリーダー装置1は、スマートフォン100,200を装着しない状態でもRFIDタグに書き込まれた情報を読み取ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 リーダー装置
2 本体部
3 読取部
4a,4b 保持ラバー
5 載置板
5a 阻止板
6a,6b 固定部
7a,7b 基部
8a,8b 脚部
9a,9b 末端部
10 筐体
11 アンテナ
12 表示部
12a 電源ランプ
12b RFランプ
13 操作部
13a 電源ボタン
13b RFボタン
14,21 通信部
15,26 電源部
16,27 記憶部
17,28 制御部
22 ネットワーク通信部
23 通話部
24 表示部
24a ディスプレイ
25 操作部
100,200 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6