(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20240117BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20240117BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20240117BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240117BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20240117BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20240117BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
H01L33/48
H01L33/00 L
H01L31/02 B
H01L31/02 C
H01L31/02 D
(21)【出願番号】P 2019212173
(22)【出願日】2019-11-25
【審査請求日】2022-10-17
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】安田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】若林 知敬
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001687(JP,A)
【文献】特開2015-018039(JP,A)
【文献】特開2013-228435(JP,A)
【文献】特開2014-224851(JP,A)
【文献】特開平06-169190(JP,A)
【文献】特開2016-035484(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0140624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子が実装された基板と、
前記基板に固定され、前記光電変換素子を内部空間に収容する光ハウジングとを備え、
前記光ハウジングは、光透過性の樹脂部材と導電性の金属部材が一体に設けられており、
前記樹脂部材は、前記光電変換素子に対向配置するレンズと、前記レンズを通る光信号の光路を形成する導光部とを有し、
前記金属部材は、
前記内部空間
を囲む遮蔽プレート部と、前記基板に固定する端子部とを有し、
前記遮蔽プレート部は、
前記光路を確保して前記内部空間の上方面を覆う上面プレート部と、
前記上面プレート部より前記基板に向けて垂下され、前記内部空間の側方面を覆う側面プレート部と、を有し、
前記遮蔽プレート部の全体が前記樹脂部材内に埋設されている、光モジュール。
【請求項2】
前記樹脂部材は、光ファイバの端末部を固定するスリーブを有する請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記樹脂部材は、前記導光部に光信号を反射するミラーを有する請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記基板には位置決め孔が設けられ、
前記金属部材には、前記位置決め孔に挿入される位置決めピンが設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバと光電変換素子を光学的に結合する光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例の光モジュールは、特許文献1に示されている。この光モジュール100は、
図16に示すように、光電変換素子102が実装された基板110と、基板110に固定され、光電変換素子102を内部空間121に収容する光ハウジング120とを備えている。
【0003】
光ハウジング120は、光透過性の樹脂部材によって形成されている。光ハウジング120は、光電変換素子102に対向配置するレンズ122と、レンズ122を通る光信号の光路を形成する導光部123と、導光部123の光路の他端側に設けられたスリーブ124とを有する。光ハウジング120は、樹脂部材であるため、接着剤によって基板110に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-354452号公報
【文献】特開2007-171427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来例の光モジュール100では、光ハウジング120が基板110に接着剤によって固定されるため、高温、高湿などの環境で使用されると、接着剤の劣化による剥がれ、温度変化時の膨張・収縮によって光ハウジング120が基板110に対し変位する虞れがある。つまり、光ハウジング120の基板110への接続信頼性が劣るという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、光ハウジングの基板への接続信頼性が高い光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る光モジュールは、光電変換素子が実装された基板と、前記基板に固定され、前記光電変換素子を内部空間に収容する光ハウジングとを備え、前記光ハウジングは、光透過性の樹脂部材と導電性の金属部材が一体に設けられており、前記樹脂部材は、前記光電変換素子に対向配置するレンズと、前記レンズを通る光信号の光路を形成する導光部とを有し、前記金属部材は、前記内部空間を囲む遮蔽プレート部と、前記基板に固定する端子部とを有し、前記光ハウジングは、前記金属部材の少なくとも一部が前記樹脂部材内に埋設されている。
【0008】
前記光ハウジングは、前記金属部材の前記内部空間を囲む箇所が前記樹脂部材内に埋設し、前記内部空間側の表面が前記樹脂部材で覆われていることが好ましい。
【0009】
前記樹脂部材は、光ファイバの端末部を固定するスリーブを有するものを含む。
【0010】
前記樹脂部材は、前記導光部に光信号を反射するミラーを有するものを含む。
【0011】
前記光電変換素子は、複数個が前記基板に実装され、前記金属部材は、複数の前記光電変換素子の間を仕切る仕切りプレート部を有することが好ましい。
【0012】
前記基板には位置決め孔が設けられ、前記金属部材には、前記位置決め孔に挿入される位置決めピンが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光ハウジングの基板への接続信頼性が高い光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態を示し、光モジュールの平面図である。
【
図2】第1実施形態を示し、
図1のIIーII線断面図である。
【
図3】第1実施形態を示し、(a)は光ハウジングの平面図、(b)は金属部材の平面図である。
【
図4】第1実施形態を示し、(a)は
図3(a)のIVaーIVa線断面図、(b)は
図3(b)のIVbーIVb線断面図である。
【
図5】第1実施形態の第1変形例を示し、光モジュールの断面図である。
【
図6】第1実施形態の第2変形例を示し、光モジュールの平面図である。
【
図7】第1実施形態の第2変形例を示し、
図6のVIIーVII線断面図である。
【
図8】第1実施形態の第3変形例を示し、光モジュールの断面図である。
【
図9】第2実施形態を示し、光モジュールの平面図である。
【
図10】第2実施形態を示し、(a)は
図9のXaーXa線断面図、(b)は
図9のXbーXb線断面図である。
【
図11】第2実施形態を示し、(a)は光ハウジングの平面図、(b)は金属部材の平面図、(c)は(b)のD矢視図である。
【
図12】第2実施形態を示し、(a)は
図11(a)のXIIa-XIIa線断面図、(b)は
図11(b)のXIIb-XIIb線断面図である。
【
図13】第2実施形態の第1変形例を示し、光モジュールの平面図である。
【
図14】第2実施形態の第1変形例を示し、
図13のXIV-XIV線断面図である。
【
図15】第2実施形態の第2変形例を示し、光モジュールの断面図である。
【
図16】従来例を示し、光モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて実施形態に係る光モジュールを詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る光モジュール1は、
図1~
図4に示すように、光電変換素子2及びドライブ回路部3が実装された基板10と、基板10に固定され、光電変換素子2を内部空間21に収容する光ハウジング20とを備えている。
【0017】
光電変換素子2は、受光素子又は発光素子又は受発光素子である。ドライブ回路部3は、光電変換素子2を駆動するための駆動IC、増幅器、TIA(Transimpedance Amplifier)等である。
【0018】
基板10は、平板状の基材11と、基材11の上面に配置された導電性材料の配線パターン12,13とを有する。配線パターン12,13は、アース用の配線パターン12と信号用の配線パターン13である。
【0019】
光ハウジング20は、光透過性の樹脂部材22と導電性の金属部材30が一体に設けられている。樹脂部材22と金属部材30は、互いに接する面同士が密着している。光ハウジング20は、金属部材30をインサート材としてインサート樹脂成形によって成型されている。
【0020】
樹脂部材22は、光損失が小さく、使用環境下での機械的特性を保持できるものが使用されている。樹脂部材22は、光電変換素子2に対向配置するレンズ23と、レンズ23を通る光信号の光路C(
図2、
図4(a)に示す)を形成する導光部24と、導光部24の光路の他端側に設けられたスリーブ25とを有する。レンズ23は、凸レンズであり、内部空間21が形成された内面に形成されている。導光部24は、レンズ23とスリーブ25との間の樹脂部分で形成されている。導光部24の光路C(
図2、
図4(a)に示す)は、レンズ23の光軸に沿う直線経路である。
【0021】
スリーブ25は、上方に突出する円筒状である。円筒状の内部がフェルール嵌合孔26に形成されている。フェルール嵌合孔26には、光ファイバ(図示せず)の端部に固定されたフェルール(図示せず)が嵌合される。
【0022】
金属部材30は、ステンレス(SUS)、アルミニウム材、銅材等である。金属部材30は、内部空間21を囲む遮蔽プレート部31と、基板10に固定する端子部35とを有する。金属部材30は、少なくとも一部が樹脂部材22内に埋設している。この第1実施形態では、端子部35を除き、遮蔽プレート部31の全ての箇所が樹脂部材22に埋設され、内部空間21側の表面が樹脂部材22でほぼ完全に覆われている。
【0023】
遮蔽プレート部31は、内部空間21の上方面を覆う位置に配置され、四角形状の上面プレート部32と、内部空間21の4つの側方面を覆う位置に配置され、上面プレート部32の各辺より垂下された4つの側面プレート部33とを有する。
【0024】
上面プレート部32の中央には、光透過孔32aが設けられている。光透過孔32aの内部には、樹脂部材22が充填されている。これにより、導光部24における光路Cが確保されている。
【0025】
各端子部35は、4つの側面プレート部33の下端よりそれぞれ外側の水平方向に向かって延設されている。端子部35は、計5箇所に設けられている。各端子部35は、上記したように樹脂部材22より露出されている。各端子部35は、基板10のアース用の配線パターン12上に載置され、半田付けされている。これにより、金属部材30は、アース接続されている。
【0026】
上記構成によれば、光電変換素子2から射出された光信号は、レンズ23を通って導光部24を進み、フェルール(図示せず)を通って光ファイバ(図示せず)に伝送される。又、光ファイバ(図示せず)よりフェルール(図示せず)を通って射出された光は、導光部24を進んでレンズ23で収束光とされて光電変換素子2で集光される。このようにして光ハウジング20は、光ファイバ(図示せず)と光電変換素子2の間を光学的に結合する。
【0027】
以上説明したように、第1実施形態に係る光ハウジング20は、光電変換素子2が実装された基板10と、基板10に固定され、光電変換素子2を内部空間21に収容する光ハウジング20とを備えている。そして、光ハウジング20は、光透過性の樹脂部材22と導電性の金属部材30が一体に設けられており、樹脂部材22は、光電変換素子2に対向配置するレンズ23と、レンズ23を通る光信号の光路Cを形成する導光部24とを有する。その上、金属部材30は、内部空間21を囲む遮蔽プレート部31と、基板10に固定する端子部35とを有し、光ハウジング20は、金属部材30の少なくとも一部が樹脂部材22内に埋設している。
【0028】
従って、光ハウジング20は、基板10に金属部材30で固定するため、接着剤よりも使用環境での信頼性が高い固定手段での固定が可能であり、耐環境性が高く、振動にも強く、機械的信頼性が向上する。光ハウジング20は、金属部材30の少なくとも一部が樹脂部材22内に埋設しているため、金属部材30の埋設箇所では樹脂部材22との線膨張差が全方向から抑制されて線膨張差による剥離が抑制され、耐環境性が高く、振動にも強く、機械的信頼性が向上する。以上より、光ハウジング20の基板10への接続信頼性が高い光モジュール1を提供できる。
【0029】
また、光ハウジング20は、樹脂部材22と樹脂部材22よりも機械的強度が強い金属部材30との一体構造体であるため、このような構造からも耐環境性が高く、振動にも強く、機械的信頼性が高い。
【0030】
光電変換素子2は、導電性の金属部材30で周囲が覆われるため、外部から光ハウジング20を通って光電変換素子2に及ぼす電磁ノイズの悪影響、光電変換素子2から光ハウジング20を通って外部に及ぼす電磁ノイズの悪影響を低減できる。ドライブ回路部3についても同様に電磁ノイズにより悪影響を低減できる。
【0031】
第1実施形態では、光ハウジング20は、金属部材30の内部空間21を囲む箇所が樹脂部材22内に埋設し、内部空間21側の表面が樹脂部材22で覆われている。
【0032】
従って、金属部材30の内部空間21を覆う部位である遮蔽プレート部31は、樹脂部材22との線膨張差が全方向から抑制されることから線膨張差による剥離が抑制され、機械的信頼性が更に向上する。
【0033】
樹脂部材22は、導光部24と一体に、光ファイバ(図示せず)の端末部を固定するスリーブ25を有する。従って、光ファイバ(図示せず)をフェルール(図示せず)によって接続できる。
【0034】
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例に係る光モジュール1は、
図5に示されている。
図5に示すように、基板10には、複数の位置決め孔14が設けられている。金属部材30には、各位置決め孔14に挿入される複数の位置決めピン36が設けられている。
【0035】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0036】
この第1実施形態の第1変形例に係る光モジュール1では、光ハウジング20が基板10の適正な位置に位置決めされるため、基板10に実装された光電変換素子2と光ハウジング20のレンズ23との位置決めを容易に、且つ、正確に行うことができる。また、パッシブアライメントでの実装が可能となるため、低コスト化できる。
【0037】
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態の第2変形例に係る光モジュール1は、
図6、
図7に示されている。
図6、
図7に示すように、光電変換素子2は、2個が基板10に実装されている。光ハウジング20の金属部材30は、2個の光電変換素子2の間を仕切る仕切りプレート部37を有する。
【0038】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0039】
この第1実施形態の第2変形例に係る光モジュール1では、仕切りプレート部37によって2個の光電変換素子2間のクロストークを低減できる。
【0040】
第1実施形態の第2変形例では、光電変換素子2が2個であるが、3個以上の光電変換素子2を配置する場合には各光電変換素子2をそれぞれ仕切るように仕切りプレート部37を配置する。
【0041】
(第1実施形態の第3変形例)
第1実施形態の第3変形例に係る光モジュール1は、
図8に示されている。
図8に示すように、金属部材30の上面プレート部32は、前記第1実施形態と同様に樹脂部材22に埋設されているが、4つの側面プレート部33は前記第1実施形態と異なり、樹脂部材22内に埋設されていない。4つの側面プレートは、その一面のみが樹脂部材22の外面に当接した状態で外部に露出されている。
【0042】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0043】
この第1実施形態の第3変形例に係る光モジュール1では、金属部材30の上面プレート部32が樹脂部材22内に埋設しているため、金属部材30の埋設箇所である上面プレート部32では樹脂部材22との線膨張差が全方向から抑制されることから線膨張差による剥離が抑制され、機械的信頼性が向上する。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る光モジュール1は、
図9~
図12に示されている。第2実施形態に係る光モジュール1は、前記第1実施形態と比較するに、光ハウジング20の構成が相違する。
【0045】
光ハウジング20は、第1実施形態と同様に、光透過性の樹脂部材22と導電性の金属部材30が一体に設けられているが、樹脂部材22は、第1実施形態のものより高さ方向の厚みTが大きく形成されている。
【0046】
樹脂部材22には、上面に開口するV字状の溝27が形成されている。この一方の溝27の傾斜面によってミラー40が形成されている。ミラー40は、レンズ23の真上位置に配置され、レンズ23の光軸に対して45度傾斜している。つまり、この第2実施形態では、導光部24に光信号を反射するミラー40が設けられ、ミラー40によって光信号の光路が90度変更される。導光部24は、レンズ23と樹脂部材22の一つの側面との間の樹脂部分で形成されている。導光部24の光路C(
図10(a)、
図12(a)に示す)は、レンズ23の光軸に沿う直線経路とミラー40によって90度変更された直角経路からなる経路である。
【0047】
金属部材30は、前記第1実施形態と同様に、上面プレート部32と4つの側面プレート部33を有する。上面プレート部32には、第1実施形態のような光透過孔が設けられていない。その代わりに、上面プレート部32には、樹脂部材22のV字状の溝27を形成するための方形状の孔32bが形成されている。
【0048】
この第2実施形態では、遮蔽プレート部31の上部の箇所が樹脂部材22に埋設され、遮蔽プレート部31の上部にあって、内部空間21側の表面が樹脂部材22で覆われている。第1実施形態のように、遮蔽プレート部31の全体を樹脂部材22で埋設しても良い。
【0049】
1つの側面プレート部33には、光透過孔33aが設けられている。光透過孔33aの内部には、樹脂部材22が充填されている。これにより、導光部24における光路Cが確保されている。金属部材30には、対向する2つの側面プレート部33からのみ端子部35が延設されている。つまり、第2実施形態では、端子部35は、2箇所にのみ設けられている。
【0050】
この第2実施形態では、
図9、
図10に示すように、光ハウジング20の一方の側面に、光ファイバ41の端末が接続されたMTフェルール42が配置される。
【0051】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0052】
この第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の理由によって、機械的信頼性が向上し、光ハウジング20の基板10への接続信頼性が高い光モジュール1を提供できる。
【0053】
この第2実施形態に係る光モジュール1では、樹脂部材22は、導光部24に光信号を反射するミラー40を有する。従って、レンズ23の光軸以外の位置に、光ファイバ41の接続位置を自由に設置できる。
【0054】
(第2実施形態の第1変形例)
第2実施形態の第1変形例に係る光モジュール1は、
図13、
図14に示されている。
図13、
図14に示すように、基板10には2個の光電変換素子2が実装されている。光ハウジング20の金属部材30は、2個の光電変換素子2の間を仕切る仕切りプレート部37を有する。ミラー40は、2個の光電変換素子2への光信号をそれぞれ独立して変更できるサイズに形成されている。
【0055】
他の構成は、前記第2実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0056】
この第2実施形態の第1変形例に係る光モジュール1では、2個の光電変換素子2間のクロストークを低減できる。
【0057】
第2実施形態の第1変形例では、光電変換素子2が2個であるが、3個以上の光電変換素子2を配置する場合には各光電変換素子2をそれぞれ仕切るように仕切りプレート部37を配置する。
【0058】
(第2実施形態の第2変形例)
第2実施形態の第2変形例に係る光モジュール1は、
図15に示されている。
図15に示すように、基板10には、複数の位置決め孔14が設けられている。金属部材30には、各位置決め孔14に挿入される複数の位置決めピン36が設けられている。
【0059】
他の構成は、前記第2実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0060】
この第2実施形態の第2変形例に係る光モジュール1では、光ハウジング20が基板10の適正な位置に位置決めされるため、基板10に実装された光電変換素子2と光ハウジング20のレンズ23との位置決めを容易に、且つ、正確に行うことができる。また、パッシブアライメントでの実装が可能となるため、低コスト化できる。
【0061】
(変形例)
各実施形態及びその変形例では、光ハウジング20の金属部材30を基板10に半田で固定したが、YAGレーザ等によるレーザ溶接、レーザークラッディング(肉盛り溶接)等によって固定しても良い。
【0062】
各実施形態及びその変形例では、金属部材30には少なくとも光透過孔32aを設ける必要があるが、電磁ノイズの低減が可能であれば、金属部材30には適宜に孔や隙間を設けても良い。又、金属部材30は、EMC特性(電磁両立特性)によってはメッシュ状のものを用いても良い。
【0063】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 光モジュール
2 光電変換素子
10 基板
14 位置決め孔
20 光ハウジング
21 内部空間
22 樹脂部材
23 レンズ
24 導光部
25 スリーブ
30 金属部材
31 遮蔽プレート部
35 端子部
36 位置決めピン
37 仕切りプレート部
40 ミラー