(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】モータ駆動制御装置、モータ駆動システム、及びモータ駆動制御装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H02P 5/46 20060101AFI20240117BHJP
F04D 27/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H02P5/46 D
F04D27/00 P
(21)【出願番号】P 2019239251
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】海津 浩之
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-274582(JP,A)
【文献】国際公開第2008/018167(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/042696(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/128198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/46
F04D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の複数台のモータのうちの駆動制御対象となるモータに出力される目標回転数を
上位装置から受信する回転数指示受信部と、
前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受信する安定情報受信部と、
前記安定情報を受信すると、前記目標回転数においてモータ電流が最小となるように前記駆動制御対象となるモータの駆動を制御するための駆動制御信号を調整するモータ電流調整部と、
前記駆動制御信号に基づいて前記駆動制御対象となるモータを駆動するモータ駆動部とを備えた、
モータ駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記安定情報は、前記モータ駆動制御装置に対して、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整することを許可する電流調整許可信号として、前記上位装置から送信される、
モータ駆動制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のモータ駆動制御装置において、
前記モータ電流調整部は、前記電流調整許可信号の受信に応じて所定時間内に、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整する、
モータ駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記モータ電流調整部は、前記上位装置から前記駆動制御信号の調整の終了を要求する調整終了指示を取得した場合、前記駆動制御信号の調整を終了する、
モータ駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記モータ電流調整部は、
前記安定情報を受信するまでは、前記目標回転数に応じた所定の進角値と、当該目標回転数となるように調整されたデューティ比を、前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせとして決定し、前記安定情報を受信すると、前記目標回転数においてモータ電流が最小となる前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせを決定する進角・デューティ決定部と、
決定された前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせに基づいて前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部とを有する、
モータ駆動制御装置。
【請求項6】
所定の複数台のモータと、
前記所定の複数台のモータのそれぞれに対応して設けられた請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置と、
前記モータ駆動制御装置に対して、当該モータ駆動制御装置の駆動制御対象となるモータの目標回転数を出力する回転数指示部を有する上位装置とを備えた、
モータ駆動システム。
【請求項7】
請求項6に記載のモータ駆動システムにおいて、
前記上位装置は、
前記所定の複数台のモータのモータ駆動制御装置に対して、実回転数情報を要求して、当該要求に応じて取得した前記所定の複数台のモータの実回転数の全てが各モータの目標回転数に対して所定の数値範囲に含まれる場合に、前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したと判断する安定判断部と、
前記安定判断部で前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したと判断された場合に、前記所定の複数台のモータのモータ駆動制御装置に対して、順次、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整することを許可する電流調整許可信号を生成する電流調整許可部と、を有する、
モータ駆動システム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置の制御方法であって、
所定の複数台のモータのうちの駆動制御対象となるモータに出力される目標回転数を
上位装置から受信する回転数指示受信ステップと、
前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受信する安定情報受信ステップと、
前記安定情報受信ステップの後に、前記目標回転数においてモータ電流が最小となるように前記駆動制御対象となるモータの駆動を制御するための駆動制御信号を調整するモータ電流調整ステップと、
前記駆動制御信号に基づいて前記駆動制御対象となるモータを駆動するモータ駆動ステップと、を備えた、
モータ駆動制御装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動制御装置、モータ駆動システム、及びモータ駆動制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のモータ駆動制御装置を1つの制御装置により制御し、モータ駆動制御装置のそれぞれに接続されたモータを駆動させるモータ駆動システムがある。このようなモータ駆動システムとしては、例えば電気機器システムに用いられ、1台の制御装置により電気機器の各部にそれぞれ配置された複数台のファンモータを駆動して電気機器の冷却を行うものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、ファンモータを制御する複数のファンモータ制御手段と、電気機器システムを制御するシステム制御手段とを有し、システム制御手段と複数のファンモータ制御手段との間でデータ通信を行うことにより複数台のファンモータを制御する電気機器システムの構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ファンモータで使われるモータを高い効率で駆動させる方法として、モータ電流を測定しながら、回転数を大きく変動させない範囲でモータを駆動させるための駆動制御信号の進角値と駆動デューティを調整する方法がある。この方法によれば、同じ回転数の中で、最もモータ電流が小さくなるように調整することができる。
【0006】
しかしながら、例えば、サーバー装置のように、複数のファンモータが閉ざされた空間に配置されて電子機器を冷却している場合、それぞれのファンモータは他のファンモータからの風の影響を受けることとなる。他のファンモータからの風の影響を受けると、ファンモータの負荷変動が大きくなる。
【0007】
負荷変動が大きいと、個々のファンモータのモータ電流を測定するタイミングによっては、たとえそのタイミングで最適な効率となる進角値と駆動デューティの組み合わせが求められたと判断したとしても、実際には、測定したモータ電流値が適切ではないことがある。たとえば、通常よりも負荷が重いタイミングでモータ電流を測定してしまった場合には、測定時には最適な効率となる進角値と駆動デューティの組み合わせであっても、通常時に測定して求められる進角値と駆動デューティの組み合わせよりもモータ電流が高くなってしまうことが考えられる。この場合、結果的に、最適な効率でのモータ駆動にならない可能性がある。
【0008】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、複数のモータを同時に駆動させる場合でも、それぞれのモータの駆動効率を最適化することが可能なモータ駆動制御装置、モータ駆動システム、及びモータ駆動制御装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、一実施形態に記載されたモータ駆動制御装置は、上位装置から所定の複数台のモータのうちの駆動制御対象となるモータに出力される目標回転数を受信する回転数指示受信部と、前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受信する安定情報受信部と、前記安定情報を受信すると、前記目標回転数においてモータ電流が最小となるように前記駆動制御対象となるモータの駆動を制御するための駆動制御信号を調整するモータ電流調整部と、前記駆動制御信号に基づいて前記駆動制御対象となるモータを駆動するモータ駆動部とを備えている。
【0010】
上記モータ駆動制御装置において、前記回転数安定情報は、前記モータ駆動制御装置に対して、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整することを許可する電流調整許可信号として、前記上位装置から送信されてもよい。
【0011】
上記モータ駆動制御装置において、前記モータ電流調整部は、前記電流調整許可信号の受信に応じて所定時間内に、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整してもよい。
【0012】
上記モータ駆動制御装置において、前記モータ電流調整部は、前記上位装置から前記駆動制御信号の調整の終了を要求する調整終了指示を取得した場合、前記駆動制御信号の調整を終了してもよい。
【0013】
上記モータ駆動制御装置において、前記モータ電流調整部は、前記安定情報を受信するまでは、前記目標回転数に応じた所定の進角値と、当該目標回転数となるように調整されたデューティ比を、前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせとして決定し、前記安定情報を受信すると、前記目標回転数においてモータ電流が最小となる前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせを決定する進角・デューティ決定部と、決定された前記駆動制御信号の進角値およびデューティ比の組み合わせに基づいて前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部とを有していてもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、一実施形態に記載されたモータ駆動システムは、所定の複数台のモータと、前記所定の複数台のモータのそれぞれに対応して設けられた上記いずれかに記載のモータ駆動制御装置と、前記モータ駆動制御装置に対して、当該モータ駆動制御装置の駆動制御対象となるモータの目標回転数を出力する回転数指示部を有する上位装置とを備えている。
【0015】
上記モータ駆動システムにおいて、前記上位装置は、前記所定の複数台のモータのモータ駆動制御装置に対して、実回転数情報を要求して、当該要求に応じて取得した前記所定の複数台のモータの実回転数の全てが各モータの目標回転数に対して所定の数値範囲に含まれる場合に、前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したと判断する安定判断部と、前記安定判断部で前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したと判断された場合に、前記所定の複数台のモータのモータ駆動制御装置に対して、順次、前記モータ電流が最小となるように前記駆動制御信号を調整することを許可する電流調整許可信号を生成する電流調整許可部と、を有していてもよい。
【0016】
上記課題を解決するために、一実施形態に記載されたモータ駆動制御装置の制御方法は、上記いずれかに記載のモータ駆動制御装置の制御方法であって、上位装置から所定の複数台のモータのうちの駆動制御対象となるモータに出力される目標回転数を受信する回転数指示受信ステップと、前記所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受信する安定情報受信ステップと、前記安定情報受信ステップの後に、前記目標回転数においてモータ電流が最小となるように前記駆動制御対象となるモータの駆動を制御する駆動制御信号を調整するモータ電流調整ステップと、前記駆動制御信号に基づいて前記駆動制御対象となるモータを駆動するモータ駆動ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明のモータ駆動制御装置、モータ駆動システム、及びモータ駆動制御装置の制御方法によれば、同時に駆動させる複数のモータのそれぞれの駆動効率を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態のモータ駆動システム1の一例を示す概略構成図である。
【
図2】モータ駆動システム1のファン装置100の一例を示す概略構成図である。
【
図3】モータ駆動システム1において用いられる制御装置30の一例を示す概略構成図である。
【
図4】制御装置30と、各ファン装置100aから100dとの通信シーケンスの一例について説明する図である。
【
図5】電流フィードバック制御の動作を説明するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0020】
(実施形態)
まず、本実施形態のモータ駆動制御装置、モータ駆動システム、及びモータ駆動制御装置の制御方法について説明する。
【0021】
図1は、実施形態のモータ駆動システム1の一例を示す概略構成図である。
図1では、複数のファンモータが閉ざされた空間に配置されて電子機器を冷却しているサーバー装置をモータ駆動システム1の具体例としている。モータ駆動システム1は、
図1に示すように、4つの冷却対象A、B、C、Dに対応して設けられた4つのファン装置100aから100dと、4つのファン装置100aから100d(総称として、ファン装置100とも呼ぶ)に対して駆動制御対象となるモータの目標回転数を出力する制御装置(上位装置の一例)30と、4つのファン装置100aから100dと制御装置30とを接続する通信線路5とを備えて構成されている。
【0022】
この実施形態では、モータ駆動システム1として、ファン装置100におけるインペラ101(
図2参照)を回転する用途に用いられるモータを含むモータ駆動システム1を例に挙げて説明するが、他の用途に用いられるモータを含むモータ駆動システム1であってもよい。なお、
図1においては、通信線路5が有線で示されているが、4つのファン装置100aから100dと制御装置30との間の通信は無線通信でもよい。制御装置30に接続するファン装置100が4つの場合を例に挙げて説明するが、制御装置30に接続するファン装置100は2つ以上であればよく、数量は制限されない。
【0023】
図2は、モータ駆動システム1のファン装置100の一例を示す概略構成図である。ファン装置100は、インペラ101と、モータ102と、位置センサ103と、モータ駆動制御装置104とを備えている。
【0024】
ファン装置100において、インペラ101は、モータ102に接続されており、モータ102におけるロータの回転(「モータ102の回転」ともいう)に従って回転する。モータ102は、モータ駆動制御装置104によって回転駆動される。モータ102としては、たとえば3相のブラシレスモータを用いることができるが、モータの種類は特に限定されず、相数も3相に限定されない。
【0025】
位置センサ103は、モータ102におけるロータの回転位置に応じた信号をモータ駆動制御装置104に出力する。本実施形態においては、位置センサ103としてのホール素子の出力信号から、モータ駆動制御装置104においてロータの回転位置を推定してロータの回転位置信号を生成している。位置センサ103としては、ホール素子に限定されず、モータ102におけるロータの回転位置を特定できるセンサであれば特に限定されない。また、位置センサを有さないセンサレス方式であってもよい。
【0026】
モータ駆動制御装置104は、ロータの回転位置信号に基づいて、モータ102の3相の電機子コイルに矩形波状の駆動電流(「モータ電流」ともいう)を流すことによって、モータ102を回転駆動している。モータ駆動制御装置104は、モータ102の駆動を制御するための駆動制御信号Sdを生成する制御回路部10と、駆動制御信号Sdに基づいてモータ102に駆動電流を流すインバータ回路21を有するモータ駆動部20と、モータ駆動部20の駆動電流を検出する電流検出部25と、位置センサ103からの出力信号に基づいてロータの回転位置を検出して回転位置信号を生成する位置検出部26とを有している。
【0027】
制御回路部10は、たとえば、制御装置30などの上位装置から目標回転数が指示されると、モータ102の回転が目標回転数となるようにモータ駆動部20にその駆動を制御する駆動制御信号Sdを出力する。また、制御装置30などの上位装置から実回転数(現在回転数とも呼ぶ)の通知要求を受けとると、現在の単位時間あたりのモータ102の実回転数を制御装置30に通知する。さらに制御回路部10は、所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受信すると、指示された目標回転数においてモータ電流が最小となるように前記駆動制御対象となるモータを駆動する。なお、この実施形態では、制御回路部10は、安定情報として具体的には、所定の複数台のモータの実回転数が安定した結果として電流調整を許可する旨の電流調整許可信号を制御装置30から受信している。
【0028】
制御回路部10には、位置検出部26で生成された回転位置信号が入力される。制御回路部10の回転数測定部19は、位置検出部26で生成された回転位置信号から得られるロータの回転位置に基づいて、現在の単位時間あたりのモータ102の実際の回転数である実回転数を測定することができる。測定した実回転数は、制御回路部10において、回転数測定部19により、通信処理部13および進角・デューティ決定部15に出力される。
【0029】
モータ駆動部20は、インバータ回路21を有し、インバータ回路21によって、制御回路部10から出力される駆動制御信号Sdに基づいて、モータ102に駆動電流を流す。
【0030】
電流検出部25は、インバータ回路21による駆動電流をモータ電流として検出し、制御回路部10の進角・デューティ決定部15に入力する。
【0031】
制御回路部10は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等の各種メモリ、タイマ(カウンタ)、A/D変換回路、入出力I/F回路、およびクロック生成回路等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)によって構成されている。
【0032】
制御回路部10は、プロセッサがメモリ等の記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムに従って各種演算を行うとともにA/D変換回路および入出力I/F回路等の周辺回路を制御することによって
図2に示す各機能部の構成を実現している。すなわち、
図2に示すように、制御回路部10は、機能部として、送信部11と、受信部(回転数指示受信部の一例、安定情報受信部の一例)12と、通信処理部13と、進角・デューティ決定部15(モータ電流調整部の一部)と、デューティ設定部(モータ電流調整部の一部)16と、進角制御部(モータ電流調整部の一部)17と、通電制御部(モータ電流調整部の一部、駆動制御信号生成部の一例)18と、回転数測定部19とを備える。
【0033】
送信部11は、制御装置30などの上位装置に任意の信号を送信し、受信部12は制御装置30などの上位装置から任意の信号を受信する。送信部11および受信部12は、通信処理部13に制御されて、所定の内容を送信または受信を実行するインタフェースである。受信部12は、回転数指示受信部および安定情報受信部として機能することができる。
【0034】
通信処理部13は、制御装置30などの上位装置から駆動制御対象となるモータの目標回転数の指示を受信すると、目標回転数を進角・デューティ決定部15に通知する。通信処理部13は、制御装置30などの上位装置から回転数の通知要求を受信すると、回転数測定部19から受け取ったモータ102の実回転数を示す情報である実回転数情報を送信部11を介して通知要求元に送信する。さらに、通信処理部13は、制御装置30などの上位装置から受信部12を介して所定の複数台のモータの実回転数が安定したことを示す安定情報を受け取った場合に電流調整許可があったと判定し、進角・デューティ決定部15に電流調整許可があった(安定情報を受信した)旨を通知する。
【0035】
図2において、進角・デューティ決定部15、デューティ設定部16、進角制御部17、および通電制御部18はモータ電流調整部として機能する。モータ電流調整部は、安定情報として電流調整許可信号を受信すると、目標回転数においてモータ電流が最小となるように駆動制御対象となるモータの駆動を制御するための駆動制御信号Sdを調整する機能部である。
【0036】
進角・デューティ決定部15は、安定情報を受信するまでは、目標回転数に応じた所定の進角値と、当該目標回転数となるように調整されたデューティ比を、駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせとして決定し、安定情報を受信すると、目標回転数においてモータ電流が最小となる前記駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせを決定する進角・デューティ決定部として機能する。
【0037】
進角・デューティ決定部15は、安定情報を受信するまでは、目標回転数に対応する駆動制御信号Sdの進角値としてあらかじめ定められた駆動制御信号Sdの進角値を進角制御部17に出力し、任意のディーティ比をデューティ設定部16に出力する。目標回転数に対応する駆動制御信号Sdの進角値としてあらかじめ定められた駆動制御信号Sdの進角値は、図示しないメモリに目標回転数と対応する駆動制御信号Sdの進角値の組み合わせを格納しておき、このメモリを参照することによって決定することができる。任意のデューディ比は、フィードバック入力されるモータ102の回転数が目標回転数に収束するような値に決定される。モータ102の実回転数は、回転数測定部19から取得したものを利用することができる。
【0038】
ここで駆動制御信号Sdの進角値の調整について、説明する。一般に、モータの回転数が早くなるほど、印加電圧に対するコイル電流の位相遅れによる効率低下が問題となる。本発明における駆動制御信号Sdの進角値とは、モータ駆動部20のインバータ回路21において出力される駆動電流の通電タイミングを早くする進角制御を実現するために、たとえばPWM信号として生成される駆動制御信号Sdのパルスの立ち上がりタイミングを基準となるタイミングよりも早くする程度を示すものである。
【0039】
進角・デューティ決定部15は、受信部12および通信情報部13を介して、制御装置30から出力された安定情報を受け取ると、電流検出部25で検出したインバータ回路21の電流(モータ電流)に基づき、目標回転数においてモータ電流が最小となる駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせを決定する。進角・デューティ決定部15は、モータ電流に基づき、モータの実回転数が目標回転数から外れない範囲で駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比を変更して、モータ電流が最小となることを確認し、そのときの駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせに決定する。本明細書では、この駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせの決定の手法を「電流フィードバック制御」とよぶ。このときのモータの実回転数は、目標回転数に正確に一致していてもよいが、実質的に目標回転数であればよく、目標回転数を基準とした所定の数値範囲内(目標回転数のプラスマイナスα%など)であればよい。
【0040】
進角・デューティ決定部15は、電流フィードバック制御が完了したら、その旨を、通信処理部13、送信部11を介して制御装置30に通知することができる。
【0041】
進角・デューティ決定部15は、制御装置30から出力された安定情報として電流調整許可信号の受信に応じて所定時間内に、電流フィードバック制御を実行することが好ましい。このことにより、他のモータの実回転数が確実に安定している間に電流フィードバック制御を実行することができる。
【0042】
進角・デューティ決定部15は、制御装置30から出力された電流フィードバック制御の実行終了を要求する調整終了指示を取得した場合は、電流フィードバック制御の実行を終了することが好ましい。このことにより、他のモータの実回転数が不安定になったときに制御装置30がそれを把握して、電流フィードバック制御を中止させることで不適切な調整をしないようにすることができる。
【0043】
通電制御部18は、デューティ設定部16、進角制御部17で決められた駆動制御信号Sdの進角値およびデューティ比の組み合わせに基づいて前記駆動制御信号Sdを生成する駆動制御信号生成部として機能する。
【0044】
デューティ設定部16および進角制御部17は、決められた駆動制御信号Sdの進角値とデューディ比を通電制御部18に通知する。通電制御部18は通知された進角値とデューティ比でモータ駆動部20のインバータ回路21の駆動を制御するための駆動制御信号Sdを生成する。通電制御部18は、位置検出部26で生成された回転位置信号に基づいて、駆動制御信号Sdの生成タイミングをとることができる。通電制御部18は、決定された駆動制御信号Sdの進角値に基づいて、位置検出部26で生成された回転位置信号を参照し、インバータ回路21の駆動信号の位相が所定の進角値となるように、駆動制御信号Sdを制御して出力する。さらに、通電制御部18は、駆動制御信号Sdのデューティ比に基づいて、たとえばPWM信号として生成される駆動制御信号Sdのデューティ比を制御して出力する。
【0045】
図3は、モータ駆動システム1において用いられる制御装置30の一例を示す概略構成図である。
図3において、制御装置30は、制御部31と通信部32とを備えている。制御部31は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等の各種メモリ、タイマ(カウンタ)、A/D変換回路、入出力I/F回路、およびクロック生成回路等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)によって構成され、回転数指示部33と安定判断部34と電流調整許可部35とを機能部として有している。
【0046】
通信部32は、通信線路5に接続された通信端子または無線通信する無線通信インタフェースである。
【0047】
回転数指示部33は、制御対象の4台のファン装置100aから100dに目標回転数情報を出力する。安定判断部34は、4台すべてのファン装置100aから100dが安定に回転している(安定動作)か否かを判断する。具体的には、安定判断部34は、4台すべてのファン装置100aから100dに対して、実回転数情報を要求して、当該要求に応じて取得した4台すべてのモータの実回転数の全てが各モータの目標回転数に対して所定の数値範囲に含まれる場合に、4台すべてのモータの実回転数が安定したと判断する。
【0048】
電流調整許可部35は、安定判断部34で4台すべてのモータの実回転数が安定したと判断された場合に、4台すべてのファン装置100aから100d(モータ102のモータ駆動制御装置104)に対して、順次、モータ電流が最小となるように駆動制御信号Sdを調整することを許可する電流調整許可信号を安定情報として生成する。電流調整許可部35は、4台すべてのファン装置100aから100dのうちのいずれか1つを指定して安定情報を通信部32に伝達する。ただし、電流調整許可部35は、通信部32を介して、安定情報を通知したファン装置100から完了通知を受け取るまでは次の安定情報を伝達しない。ここで重要なのは、4台すべてのファン装置100aから100dに対して、順次、電流調整許可がなされることである。言い換えると、4台のモータ102は、同時に電流調整許可がなされることがない。これによって、他のモータ102の影響がない状態で、4台すべてのファン装置100aから100dのそれぞれのモータ102のモータ電流が最小となるように駆動制御信号Sdを調整することができる。
【0049】
電流調整許可部35は、通信部32が最後に安定情報を通知してから完了通知を受け取っていない間に、現在通知対象となっていないいずれかのファン装置100におけるモータ102の実回転数が不安定となった場合に、現在通知対象のファン装置100に対して、電流フィードバック制御の実行終了を要求する調整終了指示を、通信部32を介して通知することができる。このことにより、他のモータの実回転数が不安定になったときに制御装置30がそれを把握して、電流フィードバック制御を中止させることで不適切な調整をしないようにすることができる。
【0050】
次に、上述したモータ駆動システム1の動作について説明する。
図4は、制御装置30と、各ファン装置100(ファン装置100aから100d)との通信シーケンスの一例について説明する図である。
図4に示すシーケンスよりも前に、制御装置30から各ファン装置100に目標回転数が通知されており、各ファン装置100では通知された目標回転数になるように駆動制御信号Sdのデューティ比が調整されている。
【0051】
制御装置30は、第1ファン装置100a、第2ファン装置100b、第3ファン装置100c、および第4ファン装置100dに対して現在回転数(実回転数)の通知を要求している(ステップS101、S103、S105、S107)。要求を受け取った第1ファン装置100a、第2ファン装置100b、第3ファン装置100c、および第4ファン装置100dは、モータ102の現在回転数を取得し、制御装置30に送り返す(ステップS102、S104、S106、S108)。なお、ステップS101からステップS108の処理は、必ずしもこの図の順番に限定されることなく、同時に実行されてもよい。
【0052】
制御装置30は、すべてのモータ102の現在回転数が安定していることが判断できる(ステップS109)と、第1ファン装置100aに電流調整許可信号を送信する(ステップS110)。
【0053】
第1ファン装置100aは、電流調整許可信号を受信すると、電流フィードバック制御(「電流FB制御」ともいう)を実行する(ステップS111)。ここで
図5を用いて電流FB制御について説明する。
【0054】
図5は、電流フィードバック制御の動作を説明するフローチャートの一例である。電流FB制御は、ファン装置100の進角・デューティ決定部15によって実行される。進角・デューティ決定部15は、例えば、任意の所定角度を単位として駆動制御信号Sdの進角値の程度をカウント値として表す進角カウンタを有している。進角・デューティ決定部15は、あらかじめ、モータ102の現在回転数を変数Aとし、モータ電流を変数Bとし、調整後のモータ電流を変数Cとし、現在の駆動制御信号Sdのデューティ比を変数Dとし、現在の進角カウンタの値を変数Eとして保持している。
【0055】
この動作例では、進角カウンタが「10」となるまでの範囲で電流フィードバック制御を行なう例を挙げて説明するが、その範囲は特に限定されない。また、進角カウンタも「1度」ずつカウントされるものに限らず、任意の進角値を用いてもよい。デューティ比も「1」ずつ調整されるが、調整する値は特に限定されない。なお、本発明においては、数値「1」は分解能の最小値を表現している。
【0056】
進角・デューティ決定部15は、あらかじめ進角カウンタを0クリアしておく(ステップS202)。進角・デューティ決定部15は、電流調整許可信号(安定情報)を受信すると(ステップS204)、回転数測定部19から受け取った実回転数を取得し、取得した実回転数を現在回転数として変数Aに代入し(ステップS206)、電流検出部25から受け取った電流を変数Bに代入し(ステップS208)、最後に決定したデューティ比を変数Dに代入し(ステップS210)、最後に決定した進角値を変数Eに代入する(ステップS212)。
【0057】
次いで、進角・デューティ決定部15は、現在の進角カウンタの値が「10」以下であることを確認し(ステップS214:Yes)、進角値を1度進めて、進角カウンタを「1」インクリメントし(ステップS216)、Dutyを「1」下げる(ステップS218)。
【0058】
このとき、デューティ設定部16および進角制御部17が、ステップS216およびステップS218において決められた進角値とデューティ比を通電制御部18に出力し、通電制御部18は入力された進角値とデューティ比に基づいて生成した駆動制御信号Sdをモータ駆動部20に出力する。この駆動制御信号Sdに基づいてモータ駆動部20に駆動されてモータ102が回転する。このときのモータ102の現在回転数の情報は、位置センサ103、位置検出部26、及び回転数測定部19を介して進角・デューティ決定部15に入力される実回転数から取得できる。また、このときのモータ電流は、インバータ回路21の電流を検出する電流検出部25により検出され、進角・デューティ決定部15に入力される。
【0059】
ステップS218の後、進角・デューティ決定部15は、得られたモータ102の現在回転数が、前回モータ102の現在回転数として代入された変数Aのプラスマイナス0.3%以内の値であるか否かを判定し(ステップS220)、Noであれば、得られたモータ102の現在回転数が変数Aの値よりも小さいか否かを判定する(ステップS222)。得られたモータ102の現在回転数が変数Aの値以上である場合(ステップS222:No)は、再びデューティ比の調整であるステップS218に戻る。得られたモータ102の現在回転数が変数Aの値よりも小さい場合(S222:Yes)は、進角カウンタの確認のステップS214に戻る。
【0060】
ステップS220において、Yesと判定されると、進角・デューティ決定部15はモータ電流を取得し、変数Cに代入し(ステップS224)、変数Bが変数Cより大きいか否かを判定する(ステップS226)。変数Bが変数Cより大きくないと判定される(ステップS226:No)と、再びステップS214に戻る。変数Bが変数Cより大きいと判定される(ステップS226:Yes)と、変数Cを変数Bに代入して(S228)、ステップS210に戻って、変数D、変数Eをそれぞれ新しい値に更新する。このようにして、最小のモータ電流が変数Bとして保持されており、この値よりもモータ電流が小さくなったときの駆動制御信号Sdの進角値とデューティ比の組み合わせで更新することができる。
【0061】
ステップS214において、進角カウンタが10以下でないと判定される(ステップS214:No)と、進角・デューティ決定部15は、進角値を(10-E)度分遅らせる(ステップS230)ことによって、最適な進角値とし、この最適な進角値を、進角制御部17に出力する。進角・デューティ決定部15は、変数Dの値を最適な駆動制御信号Sdのデューティ比としてデューティ設定部16に出力する(ステップS232)。
【0062】
以上の電流フィードバック制御により、第1ファン装置100aは、目標回転数においてモータ電流が最小となるように設定されると、通信処理部13によって、電流調整完了の旨を制御装置30に通知する(ステップS112)。
【0063】
制御装置30は、第1ファン装置100aから電流調整完了の応答を受け取ると、第2ファン装置100bに電流調整許可信号を送信する(ステップS113)。第2ファン装置100bにおいても
図5と同様の電流フィードバック制御を実行し(ステップS114)、電流調整完了の応答が制御装置30に通知される(ステップS115)。
【0064】
制御装置30は、第2ファン装置100bから電流調整完了の応答を受け取ると、第3ファン装置100cに電流調整許可信号を送信する(ステップS116)。第3ファン装置100cにおいても
図5と同様の電流フィードバック制御を実行し(ステップS117)、電流調整完了の応答が制御装置30に通知される(ステップS118)。
【0065】
制御装置30は、第3ファン装置100cから電流調整完了の応答を受け取ると、第4ファン装置100dに電流調整許可信号を送信する(ステップS119)。第4ファン装置100dにおいても
図5と同様の電流フィードバック制御を実行し(ステップS120)、電流調整完了の応答が制御装置30に通知される(ステップS121)。
【0066】
このように、電流調整許可信号の送信は、最初の送信以外は、必ず、電流調整完了の応答が通知されたことを条件として送信される。このように、本実施形態のモータ駆動システム1によれば、電流フィードバック制御は、複数のファン装置100aから100dにおいて同時に実行されることがないので、他のモータの回転の変動による負荷変動の影響を受けることなく、実行することができる。すなわち、本実施形態のモータ駆動システム1によれば、他のモータの回転の変動による負荷変動の影響を受けることなく、電流フィードバック制御を実行してモータ電流が最小となるように駆動制御対象となるモータの駆動を制御するための駆動制御信号Sdを調整することができる。その結果、同時に駆動させる複数のモータのそれぞれの駆動効率を最適化することができる。
【0067】
(実施形態の変形例)
以上の実施形態では、制御装置30からの安定情報は、複数のファン装置100aから100dのうちの1つを指定して通知され、指定されたファン装置100のみが安定情報を受け取ったことをトリガとして電流フィードバック制御を実行している。しかしながら、制御装置30において、複数のファン装置100aから100dのうちの1つを指定せずに安定情報を通知し、各ファン装置100が自発的に電流フィードバック制御を実行することを宣言してもよい。この場合、ファン装置100の通信処理部13が、電流フィードバック制御の実行を宣言し、制御装置30の電流調整許可部35がその宣言を受け取ると、他のファン装置100に対して電流フィードバック制御の実行を禁止する通知をしてもよいし、ファン装置100の通信処理部13が、他のファン装置100から電流フィードバック制御の実行の宣言を受け取り、電流フィードバック制御の完了を受け取るまでは、自らは電流フィードバック制御の実行を宣言しないようにしてもよい。
【0068】
以上の実施形態では、
図2の構成のモータ駆動制御装置を用いて、
図5のモータ駆動制御装置の制御方法について具体的な一例について説明した。しかしながら、モータ駆動制御装置の構成、モータ駆動制御装置の制御方法についても説明した例に特に限定されない。たとえば、
図2のモータ駆動制御装置104においては、位置検出部26からの回転位置信号に基づいて回転数測定部19においてモータ102の実回転数を測定している。回転数測定部19に代えて、位置検出部26からの回転位置信号に基づいてモータ102の回転速度を測定する構成を設けてもよい。この場合、通信処理部13や進角・デューティ決定部15がモータ102の回転速度をモータ102の実回転数に変換して各種処理を行なえばよい。
【0069】
また、
図3の制御装置30の構成や
図4のシーケンスについても一例であり、これらに限定されない。たとえば、制御装置30において安定判断部34は、各ファン装置100から受信するモータ102の回転数情報から安定動作の判断をするが、温度、風量などの実回転数以外の情報を取得する構成を設けて安定判断部に入力することによって安定動作の判断材料に含んでもよい。またたとえば、安定判断部34は、すべてのファン装置100の実回転数が安定したことをもって安定動作を判断しているが、任意の1つのファン装置100以外が安定したことをもって安定動作を判断し、その旨を電流調整許可部35に通知してもよい。電流調整許可部35は、任意の1つのファン装置100以外が安定した旨の通知を受けた場合に、その任意の1つのファン装置100を指定した安定情報を通知することができる。さらに、安定判断部34は、一旦安定動作の判断をした後も、各ファン装置100の安定動作の判断をおこなっていてもよい。一旦安定動作となった後でも、さらに不安定になることも考えられるからである。
【0070】
制御装置と各モータ駆動制御装置との間で行われる通信の方式は限定されない。上記の実施形態では、シリアル通信で実行される例を記載したが、例えば、パラレル通信であってもよい。また、制御装置と各モータ駆動制御装置との間の通信線路5が有線の場合、1つの通信線による単方向通信であってもよいし、1つの通信線による双方向通信であってもよい。また、双方向の場合、1線式に限定されず、送受信でラインを分ける2線式の通信を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 モータ駆動システム、5 通信線路、30 制御装置(上位装置の一例)、31 制御部、32 通信部、33 回転数指示部、34 安定判断部、35 電流調整許可部、10 制御回路部、11 送信部、12 受信部(回転数指示受信部の一例、安定情報受信部の一例)、13 通信処理部、15 進角・デューティ決定部(モータ電流調整部の一部)、16 デューティ設定部(モータ電流調整部の一部)、17 進角制御部(モータ電流調整部の一部)、18 通電制御部(モータ電流調整部の一部、駆動制御信号生成部の一例)、19 回転数測定部、20 モータ駆動部、21 インバータ回路、25 電流検出部、26 位置検出部、100 ファン装置、101 インペラ、102 モータ、103 位置センサ、104 モータ駆動制御装置