(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】接近通知システム及び接近通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240117BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240117BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
B66F9/24 Z
(21)【出願番号】P 2020079183
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】本橋 涼
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-009933(JP,A)
【文献】特開2007-233478(JP,A)
【文献】国際公開第2020/071072(WO,A1)
【文献】特開平11-160068(JP,A)
【文献】特開2016-184200(JP,A)
【文献】特開2013-142675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する
複数の端末の間の距離を電波強度から計測する計測手段と、
複数の前記端末の各々が保有する
、降車作業時であるか、搬送車両乗車作業時であるかによって異なる固有情報を、維持又は変更することを決定し、維持する場合にはそのまま使用させ、変更する場合にはその旨の指示を行うように制御する固有情報使用制御手段と、
前記計測手段により計測された
複数の前記端末の間の距離が、前記固有情報使用制御手段による制御後の
複数の前記端末の前記固有情報に基づいた所定条件に該当するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により
複数の前記端末の間の距離が前記所定条件に該当すると判定された場合にその旨を外部に通知する通知手段と、
を備え
、
前記所定条件は、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が前記降車作業時を示す情報と前記搬送車両乗車作業時を示す情報とである場合、複数の前記端末の間の距離が第1距離内であるかであり、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が共に前記搬送車両乗車作業時を示す情報である場合、複数の前記端末の間の距離が前記第1距離よりも長い第2距離内であるかであり、
前記固有情報使用制御手段は、
前記降車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末と前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末との間の距離が所定距離以内となる近接条件が成立した場合、一方の前記端末が保有する前記降車作業時を示す前記固有情報を使用しないように変更し、且つ、他方の前記端末が保有する前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定し、
前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記降車作業時を示す前記固有情報を認識しない場合、認識した前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定し、
前記降車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識せず、且つ、前記降車作業時を示す前記固有情報により識別される作業者が搬送車両を使用することを示す情報を有している場合、認識した前記降車作業時を示す前記固有情報を、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報に変更することを決定する、ことを特徴とする接近通知システム。
【請求項2】
通信機能を有する
複数の端末の間の距離を電波強度から計測する計測過程と、
複数の前記端末の各々が保有する
、降車作業時であるか、搬送車両乗車作業時であるかによって異なる固有情報を、維持又は変更することを決定し、維持する場合にはそのまま使用させ、変更する場合にはその旨の指示を行うように制御する固有情報使用制御過程と、
前記計測過程により計測された
複数の前記端末の間の距離が、前記固有情報使用制御過程による制御後の
複数の前記端末の前記固有情報に基づいた所定条件に該当するかを判定する判定過程と、
前記判定過程により
複数の前記端末の間の距離が
前記所定条件に該当すると判定された場合にその旨を外部に通知する通知過程と、
を実行させ
、
前記所定条件は、前記固有情報使用制御過程による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が前記降車作業時を示す情報と前記搬送車両乗車作業時を示す情報とである場合、複数の前記端末の間の距離が第1距離内であるかであり、前記固有情報使用制御過程による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が共に前記搬送車両乗車作業時を示す情報である場合、複数の前記端末の間の距離が前記第1距離よりも長い第2距離内であるかであり、
前記固有情報使用制御過程は、
前記降車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末と前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末との間の距離が所定距離以内となる時間が所定時間継続する近接条件が成立した場合、一方の前記端末が保有する前記降車作業時を示す前記固有情報を使用しないように変更し、且つ、他方の前記端末が保有する前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定すること、
前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記降車作業時を示す前記固有情報を認識しない場合、認識した前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定すること、
前記降車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識せず、且つ、前記降車作業時を示す前記固有情報により識別される作業者が搬送車両を使用することを示す情報を有している場合、認識した前記降車作業時を示す前記固有情報を、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報に変更することを決定すること、
を含む、ことを特徴とする接近通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接近通知システム及び接近通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、距離検知制御装置と、作業者が保有する磁界検知機能付きRFIDタグと、を有し、距離検知制御装置と磁界検知機能付きRFIDタグとの間の距離を検知して接近警報を出力する接近検知システムが開示されている。この技術を用いて、距離検知制御装置がフォークリフトに取り付けられ、磁界検知機能付きRFIDタグが複数の作業者に携帯されると、フォークリフトに対する複数の作業者の接近状況を検知することができ、フォークリフトに対して近い作業者がいる場合にはフォークリフトにおいて接近警報が出力されるようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、フォークリフト等の搬送車両から短い距離の圏内に、何か動くものが接近すると警報が鳴るというような接近検知システム(接近通知システム)を構成した場合には、作業者が接近してきた場合には警報が十分に早かったために対応できても、作業者よりも速度が高い車両が接近してきた場合には警報が遅すぎたために対応できないということも考えられる。
【0005】
これとは反対に、フォークリフト等の搬送車両から遠い距離の圏内に、何か動くものが接近すると警報が鳴るというような接近検知システム(接近通知システム)を構成した場合には、車両が接近してきた場合には警報が十分に早かったために対応できても、作業者が接近してきた場合には危険ではないにも関わらず警報が鳴るので不要な警報であると考えられる。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、種別が異なる相手毎に適した通知をすることができる接近通知システム及び接近通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る接近通知システムは、通信機能を有する複数の端末の間の距離を電波強度から計測する計測手段と、複数の前記端末の各々が保有する、降車作業時であるか、搬送車両乗車作業時であるかによって異なる固有情報を、維持又は変更することを決定し、維持する場合にはそのまま使用させ、変更する場合にはその旨の指示を行うように制御する固有情報使用制御手段と、前記計測手段により計測された複数の前記端末の間の距離が、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報に基づいた所定条件に該当するかを判定する判定手段と、前記判定手段により複数の前記端末の間の距離が前記所定条件に該当すると判定された場合にその旨を外部に通知する通知手段と、を備え、前記所定条件は、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が前記降車作業時を示す情報と前記搬送車両乗車作業時を示す情報とである場合、複数の前記端末の間の距離が第1距離内であるかであり、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が共に前記搬送車両乗車作業時を示す情報である場合、複数の前記端末の間の距離が前記第1距離よりも長い第2距離内であるかであり、前記固有情報使用制御手段は、前記降車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末と前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末との間の距離が所定距離以内となる近接条件が成立した場合、一方の前記端末が保有する前記降車作業時を示す前記固有情報を使用しないように変更し、且つ、他方の前記端末が保有する前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定し、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記降車作業時を示す前記固有情報を認識しない場合、認識した前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定し、前記降車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識せず、且つ、前記降車作業時を示す前記固有情報により識別される作業者が搬送車両を使用することを示す情報を有している場合、認識した前記降車作業時を示す前記固有情報を、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報に変更することを決定する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、通信機能を有する複数の端末の間の距離を電波強度から計測する計測過程と、複数の前記端末の各々が保有する、降車作業時であるか、搬送車両乗車作業時であるかによって異なる固有情報を、維持又は変更することを決定し、維持する場合にはそのまま使用させ、変更する場合にはその旨の指示を行うように制御する固有情報使用制御過程と、前記計測過程により計測された複数の前記端末の間の距離が、前記固有情報使用制御過程による制御後の複数の前記端末の前記固有情報に基づいた所定条件に該当するかを判定する判定過程と、前記判定過程により前記端末間距離が所定条件に該当すると判定された場合にその旨を外部に通知する通知過程と、を実行させ、前記所定条件は、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が前記降車作業時を示す情報と前記搬送車両乗車作業時を示す情報とである場合、複数の前記端末の間の距離が第1距離内であるかであり、前記固有情報使用制御手段による制御後の複数の前記端末の前記固有情報が共に前記搬送車両乗車作業時を示す情報である場合、複数の前記端末の間の距離が前記第1距離よりも長い第2距離内であるかであり、前記固有情報使用制御過程は、前記降車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末と前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を保有する前記端末との間の距離が所定距離以内となる時間が所定時間継続する近接条件が成立した場合、一方の前記端末が保有する前記降車作業時を示す前記固有情報を使用しないように変更し、且つ、他方の前記端末が保有する前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定すること、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記降車作業時を示す前記固有情報を認識しない場合、認識した前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を維持することを決定前記降車作業時を示す前記固有情報を認識し、当該固有情報を保有する前記端末からの距離が前記所定距離以内の位置で前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報を認識せず、且つ、前記降車作業時を示す前記固有情報により識別される作業者が搬送車両を使用することを示す情報を有している場合、認識した前記降車作業時を示す前記固有情報を、前記搬送車両乗車作業時を示す前記固有情報に変更することを決定すること、を含む、ことを特徴とする。
【0009】
これらによれば、第1の端末と第2の端末との間の端末間距離は、第1の端末及び第2の端末の固有情報に基づいた所定条件に該当するか判定されるので、例えば固有情報が歩行作業者や搬送車両を示すものである場合など、速度差があるものであるときに、その速度差が考慮された所定条件に基づいて通知が行われることとなる。その結果、種別が異なる相手毎に適した通知をすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、種別が異なる相手毎に適した通知をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る接近通知システムを示す構成図である。
【
図2】
図1に示した各搬送車両車載器の詳細を示すブロック図である。
【
図3】第1搬送車両を運転する第1歩行作業者、第2搬送車両を運転する第2歩行作業者、第3歩行作業者の関係を示す概念図である。
【
図4】第1搬送車両を運転する第1歩行作業者、第2搬送車両を運転する第2歩行作業者、第3歩行作業者の関係を示す概念図である。
【
図5】(a)は、センサータグ情報を登録及び更新する構成を示す概念図である。(b)(c)は、第1歩行作業者が第1搬送車両を運転する概念図である。
【
図6】(a)(b)は、第1歩行作業者が第1搬送車両を運転する概念図である。(c)は、センサータグが電波を周囲に送信する送信工程を示すフローチャートである。
【
図7】センサータグの処理工程を示すフローチャートである。
【
図8】サーバー部がデータベースにおけるセンサータグ情報の登録処理のフローチャートである。
【
図9】サーバー部がデータベースにおけるセンサータグ情報の更新処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る接近通知システム1を示す構成図である。
図1に示す接近通知システム1は、第1搬送車両B1及び第2搬送車両B2が使用される敷地内において、主に、複数のセンサータグX1,X2,X3,Y1,Y2と、サーバー部20と、を備える。本実施形態では、第1搬送車両B1及び第2搬送車両B2として、フォークリフトが用いられる。
【0014】
(複数のセンサータグ)
複数のセンサータグX1,X2,X3,Y1,Y2の各々は、通信機能を有し、使用される倉庫等の管理事務所に設置されるサーバー部20と通信可能に構成されている。センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2を持っている者同士が互いに近づくことにより、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2は警報を出力する。複数のセンサータグは、互いに自分の感知距離内に別のセンサータグがある場合には、当該別のセンサータグとタグ情報の交換を行う。また、各センサータグは、警報設定距離内に別のセンサータグがある場合には、警報を出力することができる。
【0015】
複数のセンサータグX1,X2,X3,Y1,Y2のうち、センサータグX1は第1歩行作業者A1(第1降車作業者)により保有され、センサータグX2は第2歩行作業者A2(第2降車作業者)により保有され、センサータグX3は第3歩行作業者A3(第3降車作業者)により保有される。これらのセンサータグX1~X3は、電波を発信する無線機能を有するものであり、例えば各々の作業者の社員証等に内蔵されている。なお、センサータグX1~X3は、その他、作業指示書やかんばん等の作業中の作業者が所持(携帯)するものに内蔵等されてもよいし、ヘルメットや帽子等の作業中の作業者が身に着けるものに内蔵等されてもよい。
【0016】
また、センサータグY1は、第1歩行作業者A1が運転する第1搬送車両B1に取り付けられ、センサータグY2は、第2歩行作業者A2が運転する第2搬送車両B2に取り付けられる。センサータグY1~Y2は、電波を発信するものであり、例えば本実施形態では第1搬送車両B1及び第2搬送車両B2の天井部に取り付けられている。
【0017】
なお、本実施形態では、第1歩行作業者A1を自分であるとし、第1搬送車両B1を自分である第1歩行作業者A1が運転する車両であるとする。そして、第1歩行作業者A1により保有されるセンサータグX1及び第1搬送車両B1により保有されるセンサータグY1を、第1の端末として以下説明する。
また、第2歩行作業者A2を相手であるとし、第2搬送車両B2を相手である第2歩行作業者A2が運転する車両であるとする。さらに、第3歩行作業者A3を、第2歩行作業者A2と別の相手であるとする。そして、第2歩行作業者A2により保有されるセンサータグX2、第2搬送車両B2により保有されるセンサータグY2、及び第3歩行作業者A3により保有されるセンサータグX3を、第2の端末として以下説明する。
【0018】
(サーバー)
サーバー部20は、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2の各々が保有する種別によって異なる固有情報を保存しており、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2の管理情報及び警報設定距離情報を管理している。サーバー部20は、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2の情報が更新された場合には、更新内容の指示をセンサータグX1,X2,X3,Y1,Y2に対して行う。
例えば、これにより、サーバー部20は、第1歩行作業者A1が歩行作業を行っていた状態から第1搬送車両B1を運転して作業する状態へと移行すると、これとは別の搬送車両が、第1歩行作業者A1の接近により警報を出力する警報範囲5mとしていたものを、第1搬送車両B1の接近により警報を出力する警報範囲10mと変更する。
サーバー部20は、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2からの情報等を、中継局30を経由して受信する。サーバー部20は、センサータグX1,X2,X3,Y1,Y2からの情報等に基づいて、固有情報を維持(そのまま使用)又は変更(異なるものに変更、使用しないように変更)することを決定し、変更することを決定した場合には、その指示(所定の指示)を行う。サーバー部20は、固有情報使用制御部21(固有情報使用制御手段)を有する。また、固有情報は、降車作業時を示す第1情報と、搬送車両乗車作業時を示す第2情報と、を含む。
【0019】
サーバー部20は、センサータグY1を保有する第1搬送車両B1に、センサータグX1を保有する第1歩行作業者A1が乗ると、センサータグY1により取得されるセンサータグX1との端末間距離を例えば1m以内の近接状態と認識し、またセンサータグX1により取得されるセンサータグY1との端末間距離を例えば1m以内の近接状態と認識し、この近接状態が規定時間以上継続した場合に、第1歩行作業者A1が第1搬送車両B1に乗車したと認識する。従って、サーバー部20は、第1歩行作業者A1が第1搬送車両B1に乗ってイグニッションスイッチをオンに設定したときに、第1搬送車両B1のセンサータグY1の固有情報を維持(そのまま使用)しつつ第1歩行作業者A1のセンサータグX1の固有情報を変更(使用しない(反応しない)ように変更)して更新するように制御する。
しかし、サーバー部20は、センサータグY1を保有する第1搬送車両B1に、センサータグを保有しない歩行作業者が乗っても、第1搬送車両B1に歩行作業者が乗っていることを認識できない。従って、歩行作業者が第1搬送車両B1に乗ってイグニッションスイッチをオンに設定したときに、サーバー部20は第1搬送車両B1のセンサータグY1の固有情報を維持(そのまま使用)するように決定する。従って、センサータグY1の更新の必要はない。
また、サーバー部20は、センサータグを保有しない搬送車両に、センサータグX1を保有する第1歩行作業者A1が乗ると、搬送車両がセンサータグを有しないことから端末間距離を利用して、搬送車両に第1歩行作業者A1が乗っていることを認識できない。従って、第1歩行作業者A1が予め作業計画によりその搬送車両を使用することが登録されている状況にしておくか、乗務員カード(センサータグX1)をカードリーダー等に読み込ませた後に、第1歩行作業者A1のセンサータグX1の固有情報を搬送車両のものとして変更して更新するように制御する。
サーバー部20は、別の搬送車両に別の歩行作業者が乗る場合にも、前述の第1搬送車両B1に第1歩行作業者A1が乗る場合と同様に制御する。
【0020】
このため、搬送車両のセンサータグの固有情報と作業者のセンサータグの固有情報が同一箇所(近接状態)で存在する場合には、搬送車両のセンサータグの固有情報に基づいて制御される。搬送車両のセンサータグの固有情報のみ存在する場合には、搬送車両のセンサータグの固有情報に基づいて制御される。作業者のセンサータグの固有情報のみ存在する場合であっても、搬送車両のセンサータグの固有情報に変更されて制御される。
【0021】
図2は、
図1に示した各センサータグY1(X1,X2,X3,Y2)の詳細を示すブロック図である。
図2に示すように、センサータグY1(X1,X2,X3,Y2)は、電波受信部11と、音声出力部13(通知手段)と、CPU(Central Processing Unit)14と、記憶部17(記憶手段)と、通信部18(通信手段)と、を備えている。なお、以下ではセンサータグY1を例に説明するが、他のセンサータグX1,X2,X3,Y2についても同様である。また、以下ではセンサータグX1を有する第1歩行作業者A1がセンサータグY1を有する第1搬送車両B1に乗車した結果、センサータグX1が反応しない状態に制御された場合を例に説明する。
【0022】
電波受信部11は、周囲の電波を受信するものであり、
図1に示す例においては、第2歩行作業者A2が運転する第2搬送車両B2のセンサータグY2の電波、又は第3歩行作業者A3のセンサータグX3の電波を受信する部位である。電波受信部11は、アンテナ11aと、モジュール11bとを備えている。電波受信部11は、アンテナ11aにより受信された電波の信号をモジュール11bを介してCPU14に送信する。
【0023】
音声出力部13は、CPU14からの指示に従って接近警報通知を行うものであって、スピーカ13aと音声コーディック13bとを備えている。音声出力部13は、音声コーディック13bを介してスピーカ13aから接近警報通知の音声出力を行う。
【0024】
CPU14は、センサータグY1の全体を制御するものであり、距離計測部14a(計測手段)と、接近度合判定部14b(判定手段)と、通知処理部14c(通知手段)と、通信処理部14dと、を備えている。
【0025】
距離計測部14aは、電波受信部11から、第2搬送車両B2のセンサータグY2の電波強度の情報を取得する。そして、距離計測部14aは、センサータグY2の電波強度の情報から、第1搬送車両B1のセンサータグY1と第2搬送車両B2のセンサータグY2との間の端末間距離を算出する。同様に、距離計測部14aは、第3歩行作業者A3のセンサータグX3の電波強度の情報を取得し、第1搬送車両B1のセンサータグY1と第3歩行作業者A3のセンサータグX3との間の端末間距離を計測する。
【0026】
ここで、受信強度は、第1搬送車両B1のセンサータグY1と第2搬送車両B2のセンサータグY2や第3歩行作業者A3のセンサータグX3との距離が近くなるほど強くなる。よって、距離計測部14aは、受信強度に基づいて第2搬送車両B2、及び第3歩行作業者A3が近接しているか否かの情報を取得できることとなる。
【0027】
接近度合判定部14bは、距離計測部14aにより計測された端末間距離が、固有情報使用制御部21による制御後の複数のセンサータグの固有情報同士に基づいた所定条件に該当するかを判定する部位である。接近度合判定部14bは、電波受信部11が受信した受信電波の強度に基づいて、第1歩行作業者A1、第2歩行作業者A2、第3歩行作業者A3、第1搬送車両B1、第2搬送車両B2が互いに衝突を回避できる範囲内か範囲外かを判断する部位である。
【0028】
通知処理部14cは、距離計測部14aにより算出された端末間距離が警報設定距離(所定条件)に該当すると接近度合判定部14bにより判定された場合に、危険であるとして、その旨を外部に通知するものである。これにより、音声出力部13から接近警報通知が出力される。
警報設定距離(所定条件)は、固有情報使用制御部21による制御後の一方のセンサータグ(例えばセンサータグX1)の固有情報が歩行作業者の情報、かつ他方のセンサータグ(例えばセンサータグY1)の固有情報が搬送車両の情報である場合に、一方のセンサータグ(センサータグX1)と他方のセンサータグ(センサータグY1)との距離が第1距離内であるか、ということである。
または、警報設定距離(所定条件)は、固有情報使用制御部21による制御後の一方のセンサータグ(例えばセンサータグY1)及び他方のセンサータグ(例えばセンサータグY2)の固有情報が共に搬送車両の情報である場合に、一方のセンサータグ(センサータグY1)と他方のセンサータグ(センサータグY2)との距離が第1距離よりも長い第2距離内であるか、ということである。
【0029】
記憶部17は、CPU14を機能させるための動作プログラム(接近通知プログラム)の記憶領域や各種処理を行うための作業領域となるものであり、FROM(Flash Read Only Memory)17aと、DDR(Double Data Rate)17bとを備えている。FROM17aは、電源オフ時においてもデータが失われることがない不揮発性のメモリである。DDR17bは、ダブルデータレート方式のSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
【0030】
通信部18は、LTE(Long Term Evolution)による通信を行うためのLTEアンテナ18a及びLTEモジュール18bと、Wi-Fi(登録商標)による通信を行うためのWi-Fiアンテナ18c及びWi-Fiモジュール18dとを備えている。CPU14は、この通信部18を通じてサーバー部20と通信する。
【0031】
次に、接近通知システム1の情報交換動作について説明する。
図3は、第1搬送車両B1を運転する第1歩行作業者A1、第2搬送車両B2を運転する第2歩行作業者A2、第3歩行作業者A3の情報交換関係を示す概念図である。
図3において、第1搬送車両B1には、情報交換範囲J1及び警報鳴動範囲K1があり、第2搬送車両B2には、情報交換範囲J2及び警報鳴動範囲K2があり、第3歩行作業者A3には、情報交換範囲J3及び警報鳴動範囲K3がある。
【0032】
図3に示されるように、第1搬送車両B1の情報交換範囲J1に第2搬送車両B2のセンサータグY2が入ると、第1搬送車両B1と第2搬送車両B2との間で情報の交換が可能になる。
また、第1搬送車両B1の情報交換範囲J1に第3歩行作業者A3のセンサータグX3が入ると、第1搬送車両B1と第3歩行作業者A3との間で情報の交換が可能になる。
【0033】
次に、接近通知システム1の警報動作について説明する。
図4は、第1搬送車両B1を運転する第1歩行作業者A1、第2搬送車両B2を運転する第2歩行作業者A2、第3歩行作業者A3の警報動作関係を示す概念図である。
図4において、第1搬送車両B1には、搬送車両(第2搬送車両B2)に対する設定警報範囲M(例えば中心から10mの距離範囲)及び歩行作業者(第3歩行作業者A3)に対する設定警報範囲N(例えば中心から5mの距離範囲)がある。
【0034】
図4(a)に示されるように、第1搬送車両B1の設定警報範囲Mに第2搬送車両B2が入っていないので、第2搬送車両B2のセンサータグY2が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴ることはない。しかし、第1搬送車両B1の設定警報範囲Nに第3歩行作業者A3が入っているので、第3歩行作業者A3のセンサータグX3が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴る。
【0035】
図4(b)に示されるように、第1搬送車両B1の設定警報範囲Nに第3歩行作業者A3が入っていないので、第3歩行作業者A3のセンサータグX3が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴ることはない。しかし、第1搬送車両B1の設定警報範囲Mに第2搬送車両B2が入っているので、第2搬送車両B2のセンサータグY2が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴る。
【0036】
図4(c)に示されるように、第1搬送車両B1の設定警報範囲Nに第3歩行作業者A3が入っていないので、第3歩行作業者A3のセンサータグX3が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴ることはない。同様に、第1搬送車両B1の設定警報範囲Mに第2搬送車両B2が入っていないので、第2搬送車両B2のセンサータグY2が原因として、第1搬送車両B1のセンサータグY1の警報が鳴ることはない。
【0037】
次にセンサータグの固有情報の変更について説明する。
図5(a)は、センサータグ情報を登録及び更新する構成を示す概念図である。
図5(a)に示されるサーバー部20は、第1歩行作業者A1のセンサータグX1、第2歩行作業者A2(不図示)のセンサータグX2(不図示)、第3歩行作業者A3のセンサータグX3(不図示)、第1搬送車両B1のセンサータグY1、第2搬送車両B2(不図示)のセンサータグY2(不図示)の情報を、電波により中継局30を介して受信して管理データベースに登録する。サーバー部20は、その他の作業者又は搬送車両等の情報を管理データベースに保有している。サーバー部20の情報は、パソコン40により登録及び更新することもできる。
そして、サーバー部20は、
図5(b)のように第1歩行作業者A1が第1搬送車両B1に乗ることによって、第1歩行作業者A1のセンサータグX1と第1搬送車両B1のセンサータグY1との間の端末間距離が1m以内の近接状態となった場合には、
図5(c)のように第1搬送車両B1のセンサータグY1を有効にしたまま第1歩行作業者A1のセンサータグX1を無効にする。
【0038】
図6(a)及び
図6(b)は、第1歩行作業者A1と第1搬送車両B1のいずれかがセンサータグを有しない場合を説明する概略図である。
図6(a)に示されるように、第1歩行作業者A1がセンサータグを有さず、第1搬送車両B1がセンサータグY1を有する場合には、第1歩行作業者A1が第1搬送車両B1に乗っても、サーバー部20は何らの更新もせず、センサータグY1を有する第1搬送車両B1が搬送作業を行っているとみなす。
図6(b)に示されるように、第1歩行作業者A1がセンサータグX1を有し、第1搬送車両B1がセンサータグY1を有しない場合には、第1歩行作業者A1が第1搬送車両B1に乗ると、サーバー部20は、センサータグX1の固有情報を第1搬送車両B1の固有情報に変更する。
【0039】
図6(c)は、センサータグX1~X3,Y1~Y2が電波を周囲に送信する送信工程を示すフローチャートである。センサータグX1~X3,Y1~Y2は、一定間隔で、固有情報を電波で周囲に送信する(ステップS1、以下「ステップS」を「S」として説明する)。センサータグX1~X3,Y1~Y2は、周囲に対する電波の送信を待ち(送信ウエイト)、送信を繰り返す(S2)。なお、電波の送信内容及び送信間隔は、設定により変更可能である。
【0040】
図7は、センサータグX1~X3,Y1~Y2の処理工程を示すフローチャートである。以下、Y1の処理工程を例にして説明する。センサータグY1は、他のセンサータグ又は管理データベースからの電波を受信するまでは待ち状態となっている。センサータグY1は、電波を受信したか否かを判断する(S11)。電波を受信しなかった場合(S11:NO)、センサータグY1は、再びS11の処理を行う。電波を受信した場合(S11:YES)、センサータグY1は、受信電波は管理データベースから受信したか否かを判断する(S12)。受信電波をデータベースから受信した場合(S12:YES)、センサータグY1は、固有情報を他の固有情報に設定変更、又は固有情報を使用しないように設定変更するように制御する(固有情報使用制御過程)(S13)。その後、センサータグY1は、変更を完了したことをサーバー部20の管理データベースに送信する(S14)。受信電波を管理データベースから受信しなかった場合(S12:NO)、センサータグY1は、受信電波はセンサータグではないのか否かを判断する(S15)。
【0041】
受信電波はセンサータグではない場合(S15:YES)、センサータグY1は、再びS11の処理を行う。受信電波はセンサータグである場合(S15:NO)、センサータグY1は、距離計測部14aによりセンサータグY1と他のセンサータグX1~X3,Y2との間の端末間距離を電波強度から計測し(計測過程)、この端末間距離が第1警報設定距離(遠距離)よりも近いか(所定条件(例えば前述のように歩行作業者の場合は5m、搬送車両の場合は10m)に該当するか)否かを判断する(S16)(判定過程)。
【0042】
端末間距離が第1警報設定距離(遠距離)よりも遠い場合(S16:NO)、センサータグY1は、警報をOFFに設定する(S18)。端末間距離が第1警報設定距離(遠距離)よりも近い場合(S16:YES)、センサータグY1は、端末間距離が第2警報設定距離(中距離)(例えば歩行作業者の場合は3m、搬送車両の場合は6m)よりも近いか否かを判断する(S17)(判定過程)。
【0043】
端末間距離が第2警報設定距離(中距離)よりも遠い場合(S17:NO)、センサータグY1は、警報をON(遠距離用に音声出力は最小音)に設定する(S20)(通知過程)。端末間距離が第2警報設定距離(中距離)よりも近い場合(S17:YES)、センサータグY1は、端末間距離が第3警報設定距離(近距離)(例えば歩行作業者の場合は2m、搬送車両の場合は4m)よりも近いか否かを判断する(S19)(判定過程)。
【0044】
端末間距離が第3警報設定距離(近距離)よりも遠い場合(S19:NO)、センサータグY1は、警報をON(中距離用の音声出力は中間音)に設定する(S22)(通知過程)。端末間距離が第3警報設定距離(近距離)よりも近い場合(S19:YES)、センサータグY1は、警報をON(近距離用に音声出力は最大音)に設定する(S21)(通知過程)。S20、S21、S22の処理の後、センサータグY1は、再びS11の処理を行って繰り返した後に、処理を終了する。その後、再び電波を受信することにより、このフローを繰り返す。
【0045】
図8は、サーバー部20のデータベースにおけるセンサータグ情報の登録処理のフローチャートである。サーバー部20は、新たなセンサータグ(例えば新入社員用に新たに発行するセンサータグ)の登録があったか否かを判断する(S31)。センサータグの登録がない場合(S31:NO)、サーバー部20は、再びS31の処理を行う。センサータグの登録(例えば登録画面が立ち上がりその新入社員の社員番号の入力)がある場合(S31:YES)、サーバー部20は、登録内容が正しいか否かを判断する(S32)。
【0046】
登録内容が正しい場合(S32:YES)(例えば新入社員の社員番号が新規である場合)、サーバー部20は、データベースへの登録を追加し、処理を終了する(S33)(例えば新入社員にセンサータグを発行する)。登録内容が正しくない場合(S32:NO)(例えば新入社員の社員番号が新規でなく既に存在する社員のものである場合)、サーバー部20は、登録失敗として処理し(S34)(例えば新入社員にセンサータグを発行しない)、再びS31の処理を行い、このフローを繰り返す。
【0047】
図9は、サーバー部20のデータベースにおけるセンサータグ情報の更新処理のフローチャートである。サーバー部20は、センサータグの更新があったか否かを判断する(S41)。例えば、サーバー部20は、センサータグX1を有する歩行作業者A1がセンサータグを有しない搬送車両に乗車して乗務員カード(センサータグX1)をカードリーダー等に読み込ませた旨の情報を受信した場合、センサータグX1の更新があったと判断する。また、サーバー部20は、センサータグX1とセンサータグY1とが近接状態と認識され、この近接状態が規定時間以上継続した旨の情報を受信した場合、センサータグX1の更新があったと判断する。
【0048】
センサータグの更新がなかった場合(S41:NO)、サーバー部20は、再びS41の処理を行う。センサータグの更新があった場合(S41:YES)、サーバー部20は、更新内容が正しいか否かを判断する(S42)。
【0049】
更新内容が正しくない場合(S42:NO)(例えば出勤していない社員の固有情報を搬送車両の固有情報に変更された場合)、サーバー部20は、設定内容が不正であると処理し(S44)、再びS41の処理を行う。更新内容が正しい場合(S42:YES)、サーバー部20は、データベースを更新し(S43)、センサータグへ設定更新を通知する(S45)。
【0050】
S45の通知の後、サーバー部20は、センサータグからの変更完了を受信できないか否かを判断する(S46)。変更完了を受信できない場合(S46:YES)、サーバー部20は、一定時間以上経過していないか否かを判断する(S47)。変更完了を受信できた場合(S46:NO)、サーバー部20は、設定変更が成功として処理し(S48)、再びS41の処理を行い、このフローを繰り返す。
【0051】
一定時間以上経過していない場合(S47:YES)、サーバー部20は、処理を終了する。一定時間以上経過している場合(S47:NO)、サーバー部20は、設定変更が失敗したとして処理し(S49)、再びS41の処理を行い、このフローを繰り返す。
【0052】
本実施形態の接近通知システム1は、通信機能を有する第1の端末としての第1歩行作業者A1が運転する第1搬送車両B1のセンサータグY1と第2の端末としての第2歩行作業者A2が運転する第2搬送車両B2のセンサータグY2との間の端末間距離を電波強度から計測する距離計測部14aと、センサータグY1又はセンサータグY2の各々が保有する種別によって異なる固有情報を、維持又は変更することを決定し、維持する場合にはそのまま使用させ、変更する場合にはその旨の指示を行うように制御する固有情報使用制御部21と、距離計測部14aにより計測された端末間距離が、固有情報使用制御部21による制御後のセンサータグY1及びセンサータグY2の固有情報に基づいた所定条件に該当するかを判定する接近度合判定部14bと、接近度合判定部14bにより端末間距離が所定条件に該当すると判定された場合にその旨を外部に通知する通知処理部14cと、を備える。
【0053】
この接近通知システム1によれば、例えば、第1搬送車両B1のセンサータグY1と第2搬送車両B2のセンサータグY2との端末間距離は、センサータグY1及びセンサータグY2の固有情報に基づいた所定条件に該当するか判定されるので、例えば固有情報が歩行作業者A1~A3や搬送車両B1~B2を示すものである場合など、速度差があるものであるときに、その速度差が考慮された所定条件に基づいて通知が行われることとなる。その結果、種別が異なる相手毎に適した通知をすることができる。
【0054】
固有情報は、降車作業時を示すセンサータグX1~X3と、搬送車両乗車作業時を示すセンサータグY1~Y2とを含み、所定条件は、固有情報使用制御部21による制御後のセンサータグX1~X3,Y1~Y2の固有情報が降車作業時情報と搬送車両乗車作業時情報とである場合、センサータグX1~X3とセンサータグY1~Y2との間の距離が第1距離内であるかであり、固有情報使用制御部21による制御後のセンサータグX1~X3,Y1~Y2の固有情報が共に搬送車両乗車作業時情報である場合、センサータグY1とセンサータグY2との間の距離が第1距離よりも長い第2距離内であるかである。このため、歩行作業者と搬送車両との間では端末間距離が短い第1距離であるので、歩行作業者の動く速度が遅い分だけ、歩行作業者及び搬送車両にとって早過ぎない通知を行うことができる。搬送車両同士の間では端末間距離が長い第2距離であるので、搬送車両の動く速度が速い分だけ、搬送車は通知後に余裕を持って対処することができる。
【0055】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
【0056】
例えば、本実施形態において第1搬送車両B1及び第2搬送車両B2はフォークリフトを想定しているが、これに限らず、ブルドーザ、トラック、又は、不整地運搬車等の他の種類の搬送車両であってもよい。
【0057】
また、本実施形態においては歩行作業者や搬送車両との接近に対して警報することを説明したが、これに限らず、速度差があるものであれば、移動する他の物体との接近に対して警報するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 :接近通知システム
11 :電波受信部
11a :アンテナ
11b :モジュール
13 :音声出力部(通知手段)
13a :スピーカ
13b :音声コーディック
14 :CPU
14a :距離計測部(計測手段)
14b :接近度合判定部(判定手段)
14c :通知処理部(通知手段)
14d :通信処理部
17 :記憶部(記憶手段)
17a :FROM
17b :DDR
18 :通信部(通信手段)
18a :LTEアンテナ
18b :LTEモジュール
18c :Wi-Fiアンテナ
18d :Wi-Fiモジュール
20 :サーバー部
21 :固有情報使用制御部
30 :中継局
40 :パソコン
A1 :第1歩行作業者(第1降車作業者)
A2 :第2歩行作業者(第2降車作業者)
A3 :第3歩行作業者(第3降車作業者)
B1 :第1搬送車両
B2 :第2搬送車両
J1,J2,J3 :情報交換範囲
K1,K2,K3 :警報鳴動範囲
M :設定距離範囲
N :設定距離範囲
X1,X2,X3 :センサータグ(第1の端末・第2の端末)
Y1,Y2 :センサータグ(第1の端末・第2の端末)