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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】炭素系複合材料
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/184 20170101AFI20240117BHJP
【FI】
C01B32/184
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020549700
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019057281
(87)【国際公開番号】W WO2019180227
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】18163695.2
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520350993
【氏名又は名称】ブライト デイ グラフェン アーべー
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,アナ
【審査官】廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106241780(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0013936(US,A1)
【文献】国際公開第2017/013111(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/213959(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104681789(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00-32/991
H01M 4/00-4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アモルファスカーボン基質上に配置されたグラフェン膜からなる複合材料を製造するプロセスであって、
a)組成物を形成するために、リグニン源および水溶液を提供する工程と、
b)金属表面上に前記組成物を堆積させる工程と、
c)前記金属表面上に前記複合材料を形成するために前記組成物を前記金属表面上で500乃至1100℃の範囲の反応温度に不活性雰囲気中で加熱する工程と、
d)前記複合材料のフレークを形成するために前記金属表面から前記複合材料を取り払う工程と、
を含む、複合材料の製造プロセス。
【請求項2】
前記工程a)は、ポリ(ビニルアルコール)およびアルコールを前記組成物に提供する工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
アモルファスカーボン基質上に配置されたグラフェン膜からなる複合材料を製造するプロセスであって、
a)組成物を形成するために、リグニン源および水溶液を提供するとともにポリ(ビニルアルコール)およびアルコールを前記組成物に提供する工程と、
b)金属表面上に前記組成物を堆積させる工程と、
c)前記金属表面上に前記複合材料を形成するために前記組成物を前記金属表面上で500乃至1100℃の範囲の反応温度に不活性雰囲気中で加熱する工程と、
d)前記複合材料のフレークを形成するために前記金属表面から前記複合材料を取り払う工程と、
を含む、複合材料の製造プロセス。
【請求項4】
前記アルコールがイソプロパノールである、請求項またはに記載のプロセス。
【請求項5】
前記組成物は、同組成物の重量が、
前記リグニン源の10乃至30重量パーセントと、
前記ポリ(ビニルアルコール)の1乃至5重量パーセントと、
イソプロパノールの45乃至65重量パーセントとより構成されており、
残部が水を含む、請求項またはに記載のプロセス。
【請求項6】
前記リグニン源が粒子状リグニン源であり、前記工程a)が、前記組成物を粉砕する工程をさらに含む、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記金属表面が、銅、銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される金属で形成される、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記金属表面が銅表面である、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記工程c)が、アルゴンガスおよび水素ガスのうちの少なくともいずれか一方からなる雰囲気中で行われる、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記工程c)が、アルゴンガスおよび水素ガスからなる雰囲気中で行われる、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記工程d)で形成された前記フレークが、1μm乃至1mmの範囲の平均サイズを有する、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記工程d)で形成された前記フレークが、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズを有する、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
少なくとも1μmの平均サイズを有するフレークとして形成された複合材料であって、前記フレークは、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
前記基質の少なくとも前記第1の面上に配置されたグラフェン膜と、を備える、複合材料。
【請求項14】
前記グラフェン膜が、前記基質の前記第1の面を実質的に覆っている、請求項13に記載の複合材料。
【請求項15】
前記フレークが、1μm乃至1mmの範囲の平均サイズを有する、請求項13または14に記載の複合材料。
【請求項16】
前記フレークが、1mm 乃至50mm の範囲の平均サイズを有する、請求項13または14に記載の複合材料。
【請求項17】
中間複合材料であって、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
前記基質の少なくとも前記第1の面上に配置されたグラフェン膜と、を備え、前記基質および前記グラフェン膜のうちの一方の面が金属表面上に配置されている、中間複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な炭素系複合材料、中間炭素系複合材料、および炭素系複合材料を製造するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
二次元材料、特にグラフェンは、21世紀初頭に初めて合成されて以来、その機械的、電子的、光学的特性を主な理由として、大きな関心を集めている。グラフェンの発見以来、様々な用途で材料を構成するグラフェンの利用が着実に増加している。グラフェンの製造方法としては、化学気相成長法(CVD)や剥離法などいくつかの方法が提案されている。今日の技術で周知のグラフェンを構成する材料を製造する方法は、一般的にいくつかの制限に悩まされており、原料として豊富で環境に優しい材料を使用することを可能にし、材料の物理的性質を制御するための改良されたプロセスが必要とされている。特に、今日の技術で周知の方法では、グラフェンを構成する材料のサイズを指示することは一般的に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、少なくとも先行技術の短所のいくつかを緩和することにある。リグニン源を原料とする単純な工程からグラフェン複合材料を製造する工程を提供することを特に目的とするものである。さらに、1μmよりも大きいサイズ、例えば1mmよりも大きいサイズを有するグラフェン複合材料を提供することを目的とする。さらなる目的は、中間材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的、および当業者には明らかな他の目的は、それぞれ本発明の態様によって対処される。
【0005】
第1の態様において、本発明は、アモルファスカーボン基質上に配置されたグラフェン膜からなる複合材料を製造するためのプロセスを提供し、このプロセスは、
a)組成物を形成するために、リグニン源および水溶液を提供する工程と、
b)金属表面上に組成物を堆積させる工程と、
c)金属表面上に複合材料を形成するために、金属表面上の組成物を加熱する工程と、を含む。
【0006】
本発明は、豊富な炭素源と、リグニンと、水などの環境に優しい溶媒を用いて、単純な工程で炭素からなる炭素系複合材料を製造できることを実現したものである。本発明のプロセスは、少なくとも一方の面にグラフェン膜が付着されたアモルファスカーボンの基質からなる炭素系複合材料を製造する。用語「接着」および「付着」は、本明細書で互換的に使用され、両者とも、化合物の表面の他の化合物の表面への物理的および/または化学的付着を表すことを意図している。
【0007】
本発明のプロセスに従って製造される材料は、シートの形態にある。本開示全体にわたって、「シート」という用語は、「フレーク」という用語と互換的に使用される。2つの用語は、約数μmの厚みを有し、その主要な面のうちの1つのサイズが少なくとも1μm、例えば少なくとも1mmなどの大きさを有する複合材料の薄片を表すことを意図している。フレークは一般的にほぼ同じサイズを有する2つの主要な面から構成される。
【0008】
本明細書で言及される「複合材料」という用語は、一般に、異なる化学的特性および物理的特性を有する少なくとも2つの材料からなる材料として理解されるべきである。本発明のプロセスによって製造される複合材料は、グラフェンの膜が付着されたアモルファスカーボンの基質からなる。グラフェン膜は、典型的には、基質の主要な面のうちの一方のみに付着されているが、本開示は、グラフェン膜が基質の主要な面の両者に付着されている例も包含する。
【0009】
リグニンは、世界の多くの紙の生産地に豊富に存在する炭素源である。リグニンは、特に紙の生産からの副産物である。紙の製造では、木材などのリグノセルロース原料を処理して、漂白紙の原料となるセルロースをリグニンから分離する。リグニンは、複雑な有機ポリマの一種であり、典型的には分子量が10,000g/molを超えるものである。本開示において、リグニン源という用語は、リグニンを構成する材料、好ましくは粒子状のリグニンを構成する材料を指すことが意図される。本発明に従った好適なリグニン源は、精練リグニン、精製リグニン、アルカリリグニン、およびリグノスルホン酸塩、例えば紙製造における亜硫酸法から得られるリグノスルホン酸塩であるが、他のリグニン源もまた考えられ得る。リグニンは炭素源としては、入手が容易かつ比較的安価であるという利点がある。
【0010】
リグニン源の選択は、求められている最終製品の特性に基づいてもよい。例えば、亜硫酸法から得られるリグニンなどのリグニン源は、一般に親水性であるのに対し、精製されたリグニンは一般に疎水性である。本発明者は、より親水性またはより疎水性のリグニン源を選択することにより、最終製品の特性を管理することができることを見出した。例えば、リグノスルホン酸塩は親水性リグニン源である。精製リグニンは疎水性リグニン源である。疎水性リグニン源を使用することにより、疎水性複合材料を得ることができる。親水性リグニン源を使用することにより、親水性複合材料を得ることができる。
【0011】
組成物を形成するためにリグニン源および水溶液を提供する工程は、組成物を形成するために成分を混合する工程を含んでもよい。混合工程は、当業者に周知である。
【0012】
水溶液は水であってもよい。
【0013】
金属表面上に組成物を堆積させる工程を実行する様々な方法は、ドロップキャスト、スピンコーティング、ディップコーティング、物理的塗布、昇華、ブレイディング(blading)、インクジェット印刷、スクリーン印刷、直接配置、または熱蒸発を含むが、これらに限定されるものではない。一例では、工程b)は、ドロップキャストによって行われる。好ましくは、表面は、四角形状を有する平面であってもよい。丸型や楕円型などの他の形状も考えられる。組成物を表面上に堆積させた後、金属表面上の組成物を乾燥させて、組成物と金属表面との間にある程度の密着性を生じさせてもよい。
【0014】
金属表面は、任意の好適な金属または合金で形成されてもよい。しかしながら、金属表面は、好ましくは、実質的な物理的または機械的変化を伴うことなく加熱工程に耐久することができるであろう。好適な金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。
【0015】
金属表面上の組成物を加熱する工程は、好ましくは、金属表面上の組成物を少なくとも500℃の温度、例えば少なくとも600℃の温度、好ましくは少なくとも700℃の温度、より好ましくは少なくとも800℃の温度に加熱することができるオーブンで行われる。オーブンは、好ましくはその加熱チャンバを通して1種または複数種の不活性ガスを流すことによって、金属表面上の組成物に化学的に不活性な雰囲気を提供することができることが好ましい。好適なオーブンは当業者に周知であるが、その一例は管状オーブンである。複合材料を形成するためには、目標温度での反応時間は20分程度であってもよい。複合材料が形成された後、複合材料を金属基質に接着する。金属基質上の複合材料は、その後、不活性雰囲気中または周囲の条件下で室温まで冷却してもよい。
【0016】
組成物を加熱する工程は、組成物が複合材料を形成するような温度で行われることが好ましい。
【0017】
いくつかの例では、アルゴンガスおよび水素ガスの流れによって、好ましくは、約1乃至約10パーセントの水素ガスと約90乃至約99パーセントのアルゴンガスとの重量比、例えば約5パーセントの水素ガスと約95パーセントのアルゴンガスとの重量比で、不活性環境が形成される。
【0018】
いくつかの例では、不活性環境は、オーブンを反応温度まで加熱する間のアルゴンガスの流れと、オーブンが目標温度に達して完全な反応時間が経過したときの水素ガスの流れとによって形成される。目標温度での反応の後、基質を室温まで冷却する工程中、アルゴンガスの流れによって不活性雰囲気が提供されてもよい。
【0019】
これに代えて、オーブンが目標温度に達したときに、目標温度での完全な反応時間のために、アルゴンと水素の重量比が5乃至100重量パーセントのアルゴンから0乃至95重量パーセントのアルゴンの範囲内であるアルゴンおよび水素の流れを使用してもよい。
【0020】
アルゴンおよび/または水素ガスの流れにより、少なくとも1気圧、好ましくは少なくとも1.5気圧の圧力が得られる。
【0021】
本開示の例では、第1の態様のプロセスは、d)複合材料のシートを形成するために、複合材料を金属表面から取り払う工程をさらに含む。複合材料のシートを形成するために、複合材料を金属表面から取り払う工程は、機械的手段を用いて行ってもよい。複合材料は、化学的手段を用いて金属表面から取り払ってもよい。いくつかの例では、工程d)は、金属基質から複合材料のフレークを取り払うために、金属表面上の複合材料を塩酸で処理する工程をさらに含む。フレークが取り払われた後に、電気分解の工程を使用してフレークを回収することができる。ブラッシングなどの機械的な手段も考えられる。取り払った後のフレークは、1μmを超える、好ましくは1mmを超える、例えば1mm乃至50mmの範囲のサイズを有してもよい。
【0022】
別例では、フレークは、電解剥離を用いて金属表面から取り払われてもよい。電解剥離は、金属表面を第1の電極として作用させ、黒鉛を第2の電極として作用させ、水酸化ナトリウムを電解質として印加電流下で作用させることで行ってもよい。金属表面が続いて水に移ることで、銅の表面からフレークが剥離する。この工程は、金属表面からできるだけ多くのフレーク、好ましくはすべてのフレークを取り払うために繰り返されてもよい。電解剥離を使用することは、金属表面を消費しない点で有利である。
【0023】
本発明の1つの利点は、金属表面から取り払った後、生成されたフレークが、典型的には1μmを超える、例えば1mmを超えるサイズを有することにある。炭素系複合材料を製造するための周知の方法は、一般に、複合材料のナノ粒子を製造する。1μmを超える、例えば1mmを超えるサイズを有するフレークは、そのようなナノ粒子と比較して、少なくとも1000倍大きいサイズを有する。これは、改善された電子伝導性を提供するという点で有利である。本開示により製造されたフレークは、バルク用途での使用に好適である。
【0024】
本発明のプロセスは、金属表面から取り払われた後にフレークを回収するために、フレークを電気分解する工程をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明のいくつかの実施例において、工程a)は、ポリ(ビニルアルコール)およびアルコールを組成物に提供する工程をさらに含む。PVAは水溶性の合成ポリマである。好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)は、PVA溶液であり、このようなPVA溶液は、約10重量パーセントのPVAの量を有する。溶液は、好ましくは水溶液である。PVA溶液は、組成物の約1乃至5重量パーセント、例えば組成物の約2乃至4重量パーセントの量で提供されてもよい。
【0026】
本発明者は驚くべきことに、工程a)の組成物にPVAを提供することにより、1μmよりも大きい、好ましくは1μm乃至50mmの範囲、または1mmを超える、より好ましくは1乃至50mmまたは1μm乃至1mmの範囲の比較的一様なサイズ分布を有するフレークの形態の、より安定した複合材料を提供するという点で有利であることを認識した。特定の科学的理論に縛られることを望むことなく、PVAを添加することにより、組成物の金属表面からの相分離が改善され、金属表面から容易に取り払われるようになると考えられている。
【0027】
アルコールは、好ましくは、炭素原子数5未満のアルコールなどの低級アルコールである。アルコールは、好ましくは第一級アルコール、第二級アルコールまたは第三級アルコールである。アルコールはイソプロパノールであってもよい。アルコールの量は、組成物の25乃至70重量パーセントの範囲、例えば、組成物の45乃至65重量パーセントの範囲、好ましくは組成物の50乃至55重量パーセントの範囲のイソプロパノールの量であってもよい。リグニン源が精製リグニンである実施例では、アルコールの量は、25乃至35重量パーセントの範囲であってもよい。
【0028】
イソプロパノールなどの低級アルコールの使用は、組成物の表面張力を低下させ、それによって金属表面上に混合物を容易に一様に堆積させるという点で有利である。
【0029】
例示的には、組成物は、組成物の重量で、リグニン源を10乃至40重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)を1乃至5重量パーセント、イソプロパノールを45乃至65重量パーセントからなり、この均衡は水を含む。好ましくは、組成物は、組成物の重量で、リグニン源を15乃至30重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)を1乃至5重量パーセント、およびイソプロパノールを47乃至57重量パーセントからなり、この均衡は水を含む。より好ましくは、組成物は、リグニン源を18乃至22重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)を1.5乃至4重量パーセント、イソプロパノールを50乃至55重量パーセントからなり、この均衡は水を含む。一例では、組成物は、精製リグニンの約20重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)の約2.5重量パーセント、イソプロパノールの約52.5重量パーセント、および水の約25重量パーセントからなる。別の例では、組成物は、リグニン23乃至27重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)1.5乃至4重量パーセント、およびイソプロパノール50乃至55重量パーセントからなり、この均衡は水を含み、例えば、リグニン約25重量パーセント、ポリ(ビニルアルコール)約2.5重量パーセント、イソプロパノール約52.5重量パーセント、および水約20重量パーセントからなる。
【0030】
本発明のいくつかの実施例によれば、リグニン源は粒子状リグニン源であり、工程a)は組成物を粉砕する工程をさらに含む。好ましくは、0.6乃至0.8mmの範囲の直径を有する粉砕ボールを用いた遊星ボールミルなどのボールミルを用いて粉砕を行う。粉砕ボールの量は、組成物の重量の1乃至3倍の範囲にあり、例えば組成物の重量の約2倍であってもよい。
【0031】
金属表面は銅表面であってもよい。銅は融点が1085℃と高く、高温でも機械的に安定している。好ましくは、銅表面は平坦な銅表面である。銅表面を使用することにより、1μmを超える、例えば1mmを超える、例えば1μm乃至50mm、好ましくは1μm乃至1mmの範囲のような、一様なサイズ分布を有する複合材料のフレークが得られることが見出されている。
【0032】
いくつかの例では、工程c)は、金属表面上の組成物を、500乃至1100℃の範囲の反応温度に加熱する工程をさらに含む。本明細書で使用されるように、用語「反応温度」は、金属表面上の組成物がプロセス中に晒される最高温度を示すことが意図されている。反応温度はまた、600乃至1000℃の範囲、例えば700乃至900℃の範囲、好ましくは750乃至850℃の範囲、より好ましくは790乃至815℃の範囲、例えば約805℃であってもよい。金属表面上の組成物が反応温度に晒される時間に対応する反応時間は、典型的には1時間未満、例えば50分未満、より好ましくは10乃至50分の範囲、例えば約30分または約20分である。
【0033】
加熱する工程は、好ましくは、管状オーブンなどのオーブンで行われる。好ましくは、管状オーブンは、不活性雰囲気を提供することができる。
【0034】
いくつかの例では、反応温度は750乃至850℃の範囲にあり、反応時間は10乃至50分の範囲にあり、例えば約20分間である。
【0035】
いくつかの実施形態では、反応温度は770乃至890℃の範囲にあり、反応時間は10乃至50分の範囲にあり、例えば約30分間である。
【0036】
反応時間に反応温度まで晒された後も、金属表面上の複合材料は、少なくとも熱が取り払われた後に材料が冷却する期間の間は、なお高温に晒されてもよい。
【0037】
本開示の第2の態様において、少なくとも1μmの平均サイズを有するフレークとして形成された複合材料が提供される。フレークは、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
基質の少なくとも第1の面上に配置されたグラフェン膜と、
を備える。
【0038】
驚くべきことに、1μm乃至1mmの範囲のような少なくとも1μmの平均サイズを有するフレーク、または1乃至50mmの範囲のような少なくとも1mmの平均サイズを有するフレークを提供することによって、先行技術のグラフェン組成物に関連付けられるいくつかの短所が緩和され得ることが分かった。例えば、グラフェンナノ粒子(本発明のフレークよりも実質的に小さい)は、一般的に導電性が悪いという課題がある。
【0039】
本発明の第2の態様に開示された材料は、従来のグラフェン組成物と比較して改善された導電性を得られるという点で有利である。特定の科学的理論に縛られることを望むことなく、導電性が向上したのは、フレークの大きさに起因すると考えられる。これにより、さらに、50mmよりも大きなシートなどのより大きな材料のシートと比較して、改善されたバルク特性が得られる。
【0040】
本開示の複合材料のさらなる別の利点は、豊富な原料から形成され得ることにある。好ましくは、複合材料は、例えば製紙業からの副産物として容易に入手可能なリグニン源から得られる。
【0041】
本明細書で理解されるように、フレークは、その高さよりも実質的に大きい幅および深さを有する三次元的よりも実質的に二次元的に延びる材料の肉薄なシートである。本開示のフレークは、少なくとも1μmの平均サイズを有することが好ましく、本明細書では、その主要な面のうちの1つのサイズが少なくとも1μmであるものとして理解される。このサイズは、フレークが二次元空間を占めるサイズを示すものである。一面の大きさは、フレークの幅にフレークの深さを掛けたものとして推定することができる。
【0042】
本明細書に開示されているように、フレークは、第2の面に対向配置された第1の面を有する基質を備える。本明細書では、「基質」という用語は、少なくとも一方の面上で、第1の材料とは異なる特性を有する異なる材料の膜によって少なくとも部分的に覆われるように構成される材料を指すことを意図している。本開示の基質は、一般に、互いに対向して配置された2つの面、すなわち、2つの異なる方向および平行な方向を指す法線ベクトルを有する2つの面から構成されている。
【0043】
本開示では、基質はアモルファスカーボンからなる。いくつかの例では、基質は実質的にアモルファスカーボンから構成される。アモルファスカーボンは、当業者に周知である。基質の厚みは、典型的には100nm乃至100μmの範囲であってもよい。フレーク中のアモルファスカーボンの存在は、例えば、DおよびGピークの存在およびD/Gバンド比によって、例えばラマン分光法を用いて同定することができる。ラマン分光法は、当業者に周知である。
【0044】
本明細書で言及される膜は、基質の少なくとも一方の面を少なくとも部分的に覆う材料の肉薄な層を表すことが意図されている。膜はグラフェンで構成される。グラフェンは、当業者に周知の二次元材料である。いくつかの例では、膜は、基質の少なくとも一方の面を実質的に覆ってもよい。実質的に覆うことは、グラフェンの少なくとも1つの層によって、基質の第1の面の少なくとも90パーセント、例えば基質の第1の面の少なくとも95パーセントを覆うことと定義される。いくつかの例では、膜は、基質の少なくとも一方の面の少なくとも20パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも30パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも35パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも40パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも45パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも50パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも55パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも60パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも65パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも70パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも75パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも80パーセント、例えば、基質の少なくとも一方の面の少なくとも85パーセントを覆っている。
【0045】
複合材料中のグラフェンの存在は、ラマン分光法を用いて、例えば2次元ピークの同定によって同定されてもよい。
【0046】
いくつかの例では、フレークは、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズを有してもよい。一般に、グラフェン材料、特にグラフェン複合材料は、ナノ粒子または少なくとも50mmの平均サイズを有する大型シートのいずれかとして製造される。ナノ粒子は一般的に電子伝導性が悪く、バルク用途では大型シートが不利である。本発明者は、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズを有する本開示に従ったフレークを提供することにより、高い導電性を示す複合材料が得られることを見出した。さらなる別の利点は、1乃至50mmの平均サイズを有するフレークが、バルク用途での使用に適していることにある。いくつかの例では、フレークは、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズ、例えば10mm乃至25mmの範囲の平均サイズを有してもよい。
【0047】
いくつかの例では、フレークは、1μm乃至50mmの範囲内の平均サイズ、例えば1μm乃至1mmの範囲内の平均サイズを有してもよい。本発明者らは、上述した利点が、これらのフレークによっても発揮されることを見出した。
【0048】
本開示の実施例では、膜は、多層グラフェンから構成されてもよい。多層グラフェン(数層グラフェンとしても周知である)は、複数の単層、典型的には2層を超えるグラフェンの単層から構成されている。いくつかの例では、膜は多層グラフェンからなる。しかしながら、膜は、典型的には、アモルファスカーボンの一部をさらに含んでもよい。アモルファス部は、膜の総重量に対して40重量パーセント未満など、小さくてもよい。いくつかの例では、膜は、単層グラフェンおよび/または二層グラフェンからなってもよい。
【0049】
いくつかの例では、複合材料は、リグニン含有源から得られる。特にリグニンは製紙業の副産物であるため、豊富な資源である。本開示の第2の態様に従った複合材料の膜および基質の両者は、本開示の第1の態様に開示されたプロセスによってリグニンから得ることができる。
【0050】
本発明の第三の態様において、中間材料が提供される。中間材料は、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
基質の少なくとも第1の面上に配置されたグラフェン膜と、
を備え、基質およびグラフェン膜のいずれか一方が金属表面上に配置される。
【0051】
中間材料は、本発明の第1の態様に開示されたプロセスで得られてもよい。金属表面から基質およびグラフェン膜を取り払うことで、第2の態様に従った材料を得ることができる。
【0052】
いくつかの実施例では、グラフェン膜が金属表面上に配置される。中間材料は、金属表面の第1の層と、第1の層上に配置されたグラフェンからなる膜からなる第2の層と、第2の層上に配置されたアモルファスカーボンからなる基質からなる第3の層とからなる層状材料であることが好ましい。
【0053】
中間材料から第2の態様の複合材料を形成するために、第1の態様に関連して開示された工程d)を使用することができる。工程d)は、化学的に、例えば酸、好ましくは塩酸などの化学薬品を用いて、金属基質からグラフェン膜を取り払うことにより行ってもよい。工程d)は、他の例では、ブラッシングなどの機械的手段によって金属基質からグラフェンを取り払うことによって、機械的に行われてもよい。いくつかの実施例では、電解剥離が使用されてもよい。
【0054】
本発明は、明らかに矛盾しない限り、特許請求の範囲に記載されているすべての可能な特徴に関連していることが容易に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、本開示に従った、銅表面からフレークが取り払われる前のフレークの光学顕微鏡像を示す。
図2図2は、本開示に従った、銅表面からフレークが取り払われた後のフレークの光学顕微鏡像を示す。
図3図3は、フレークが銅に付着したままの状態でのフレークのラマンスペクトルを示す。
図4図4は、銅から取り払われた後のフレークのラマンスペクトルを示す。
図5図5は、本開示に従ったフレークを示す概略断面図である。
図6図6は、本開示に従った中間材料を示す概略断面図である。
図7図7は、本開示に従った中間材料を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下の図面を参照して、本発明を説明する。
【0057】
本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
実施例1
サンプルの準備
以下のようにして炭素系複合材料を調製した。
【0058】
0.5グラムの特定リグニン(Sigma Aldrich)を、0.4グラムの脱イオン水、0.05グラムのポリ(ビニルアルコール)(PVA)溶液(水中において10mol-パーセントPVA)、および1.05グラムのイソプロパノールと共にビーカーに供給し、スラリーを形成した。その後、スラリーをボールミル(Planetary Mill Pulverisette)に移し、直径0.6乃至0.8mmの範囲の粉砕ボールを用いて、スラリーの重量の約2倍の量で粉砕した。スラリーを5×30分のスキームで粉砕し、各粉砕の繰り返しの間に15分間の休息期間を設けた。その後、粉砕したスラリーを、イソプロパノールおよび水の1:1の溶液60mLを用いて粉砕機から回収した。
【0059】
粉砕後、粉砕したスラリーを超音波浴で処理した。
【0060】
その後、この粉砕スラリーを銅基質上にドリップコーティングし、銅基質を実質的に覆うスラリー層を得て、この粉砕スラリーを銅基質上に堆積させた。
【0061】
その後、スラリーを銅の表面上で約30分間乾燥させた。
【0062】
次に、スラリー状に析出した銅表面を、0.05:0.95の割合の水素ガスおよびアルゴンガスの不活性雰囲気中で、約130cc/分の流量で、管状オーブン(Carbolite Gero)中で約805℃の温度に加熱した。805℃で約20分間熱処理を行った後、加熱を停止し、スラリー状に堆積した基質を冷却した。ガス流量を5cc/分まで下げた。オーブン内の温度が100℃まで下がったところで、ガスの流れを止めた。この処理の後、炭素系複合材料および銅基質からなる中間製品が得られた。
【0063】
4.5Mの塩酸からなる容器に基質を沈めて銅をエッチングすることにより、銅基質から複合材料を取り払い、炭素系複合材料のフレークを形成した。
光学顕微鏡
図1および図2は、本発明によって得られたフレークの光学マイクログラムを示す。図1は、フレークがなお金属表面、この場合は銅表面に付着しているときの中間形態の複合材料を示す。図1から分かるように、複合材料は銅基質を実質的に覆っている。
【0064】
図2は、金属基質から取り払った後の本発明のフレークを示す図である。本発明の方法が複合材料のフレークを形成することは明らかである。
【0065】
図1および図2に示す材料を、ラマン分光法を用いて調べた。
ラマン分光法
図3に銅表面から取り払う前のフレークのラマンスペクトルを示す。図4に金属表面から取り払った後のフレークのラマンスペクトルを示す。
【0066】
ラマンスペクトルは、励起波長532nm、公称最大出力500mWの0.1パーセントの一定出力のRenishaw inVia共焦点ラマン顕微鏡を使用して記録した。20倍の倍率の対物レンズを使用し、各単一スペクトルについて20秒の累積取得を行った。
【0067】
図3のスペクトルでは、1350cm-1にDのピークが見られる。Dのピークは、欠陥や粒界での環状のsp軌道炭素の呼吸モードを表す。また、スペクトルは1590cm-1にGのピークを示し、これはsp結合結晶性炭素の面内振動を示している。D/Gバンド強度比は、アモルファスカーボンに特徴的なものである。銅に隣接したグラフェン膜でフレークが銅に付着したままであるため、スペクトルはグラフェン構造が見えない上面から撮影したので、2次元ピークは視認できない。
【0068】
図4のスペクトルでは、1350cm-1にDのピークが見られる。Dのピークは、欠陥や粒界での環状のsp軌道炭素の呼吸モードを表す。また、スペクトルは1590cm-1にGのピークを示し、これはsp結合結晶性炭素の面内振動を示している。D/Gバンド強度比は、アモルファスカーボンに特徴的なものである。図4で視認される2次元ピーク(2720cm-1)は、数層のグラフェンの存在を示している。さらに、スペクトルは2958cm-1にD+Gのピークを示す。
実施例2
実施例1と同様にして第2のサンプルを調製したが、塩酸を用いてフレークを取り払うことに代えて、電解剥離の工程を用いた。金属表面を第1の電極とし、グラファイト電極を第2の電極として用い、0.05M NaOHの水溶液を電解質として用いた。その後、電極に25mA/cmの電流を流した。その後、銅電極をMilliQ水の容器に移し、複合材料のフレークを取り払った。その後、この手順を4回繰り返し、銅の表面からすべてのフレークを取り払った。
実施例3
図5は、本開示に従った中間材料10の断面を模式的に示す図である。中間材料は金属表面15からなる。金属表面15の第1の面に付着しているのは、グラフェンからなる膜11の第1の面が金属表面15の第1の面に付着している複合材料である。膜11の他方の面には、アモルファスカーボンからなる基質13が固着されている。膜と基質とが複合材料12を形成する。
【0069】
図6は、金属表面からフレークが取り払われた後の、本開示に従ったフレーク10を示す概略図である。フレーク12’は、グラフェンからなる膜11が付着した第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質13から構成される。
【0070】
加えて、開示される実施形態および実施例への変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、効果を得ることができるものである。特許請求の範囲において、「含む、備える」という語は、他の要素または工程を排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数の要素を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
実施形態の付記一覧
付記1.
アモルファスカーボン基質上に配置されたグラフェン膜からなる複合材料を製造するプロセスであって、
a)組成物を形成するために、リグニン源および水溶液を提供する工程と、
b)金属表面上に前記組成物を堆積させる工程と、
c)前記金属表面上に複合材料を形成するために前記組成物を前記金属表面上で加熱する工程と、
を含む、複合材料の製造プロセス。
付記2.
前記プロセスが、d)前記複合材料のフレークを形成するために前記金属表面から前記複合材料を取り払う工程をさらに含む、付記1に記載のプロセス。
付記3.
前記工程a)は、ポリ(ビニルアルコール)およびアルコールを前記組成物に提供する工程をさらに含む、付記1または2に記載のプロセス。
付記4.
前記アルコールがイソプロパノールである、付記3に記載のプロセス。
付記5.
前記組成物は、同組成物の重量が、
前記リグニン源の10乃至30重量パーセントと、
前記ポリ(ビニルアルコール)の1乃至5重量パーセントと、
前記イソプロパノールの45乃至65重量パーセントとより構成されており、
この均衡で水を含む、付記4に記載のプロセス。
付記6.
前記リグニン源が粒子状リグニン源であり、前記工程a)が、前記組成物を粉砕する工程をさらに含む、付記1乃至5のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
付記7.
前記金属表面が銅表面である、付記1乃至6のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
付記8.
前記工程c)は、前記金属表面上の前記組成物を、500乃至1100℃の範囲の反応温度に加熱する工程をさらに含む、付記1乃至7のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
付記9.
前記工程c)が、アルゴンガスおよび水素ガスからなる雰囲気中で行われる、付記1乃至8のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
付記10.
前記工程d)で形成された前記フレークが、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズを有する、付記2乃至7のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
付記11.
少なくとも1mmの平均サイズを有するフレークとして形成される複合材料であって、前記フレークは、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
前記基質の少なくとも前記第1の面上に配置されたグラフェン膜と、
を備える、複合材料。
付記12.
前記グラフェン膜が、前記基質の前記第1の面を実質的に覆っている、付記11に記載の複合材料。
付記13.
前記フレークが、1mm乃至50mmの範囲の平均サイズを有する、付記11または12に記載の複合材料。
付記14.
前記複合材料がリグニン含有源から得られる、付記11乃至13のうちのいずれか1つに記載の複合材料。
付記15.
中間複合材料であって、
第2の面に対向配置された第1の面を有するアモルファスカーボンからなる基質と、
前記基質の少なくとも前記第1の面上に配置されたグラフェン膜と、
を備え、前記基質の一方の面が金属表面上に配置されている、中間複合材料。
図1
図2
図3
図4
図5
図6