(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】電磁コンベアシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/53 20060101AFI20240117BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B65G47/53 Z
B65G54/02
(21)【出願番号】P 2020549757
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019013124
(87)【国際公開番号】W WO2019199363
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】メヘンデール、アディティア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ラーン,エウォウト ペ-ター
(72)【発明者】
【氏名】サヒン-ノマレル,ファンダ
(72)【発明者】
【氏名】クロップ,ピーター アーノウト
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-112393(JP,A)
【文献】特開平07-048028(JP,A)
【文献】特表2017-517460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/53
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアシステムであって、
導電性物品を第1の方向において出口端まで搬送する第1のコンベアと、
前記導電性物品を入口端から前記第1の方向とは異なる第2の方向において搬送する第2のコンベアと、
前記第1のコンベアの前記出口端と前記第2のコンベアの前記入口端との間に接合部を形成するダイバータと、を備え、
前記ダイバータは、
上部表面と、
前記第1のコンベアの前記出口端から前記上部表面上の前記導電性物品を受容する、前記第1のコンベアの前記出口端に隣接する入口と、
前記第2のコンベアの前記入口端に隣接する出口と、
前記上部表面の下で連続する
第1および第2のゾーンのマトリックスに配設されている複数のコイルであって、前記第1のゾーンの各々の前記コイルが、前記ゾーンの上の前記上部表面上にある前記導電性物品を前記第1の方向に移動するように強制する、1次フィールドを有する電磁磁束波を生成し、前記第2のゾーンの各々の前記コイルが、前記ゾーンの上の前記上部表面上にある前記導電性物品を前記第2の方向に移動するように強制する、電磁磁束波を生成し、前記コイルにより生成された電磁磁束波が、前記第1および第2の両方のゾーンにおいて前記第1の方向または第2の方向に対応する方向に伝播して、前記導電性物品内に電流を誘導し、誘導された当該電流が、前記電磁磁束波の1次フィールドと相互作用する2次フィールドを生成して、前記導電性物品に作用して当該導電性物品を前記対応する方向に移動させる力を生成する、複数のコイルと、
前記入口に沿った前記ゾーンのうちの少なくともいくつかが、第1のゾーンであり、前記出口に沿った前記ゾーンのうちの少なくともいくつかが、前記第2のゾーンであり、
前記導電性物品が、前記第1および第2のゾーン内で前記コイルによって前記入口から前記出口に対して、ならびに
前記第2のコンベア上に方向付けられている、コンベアシステム。
【請求項2】
前記第1のゾーンの各々が、前記第1の方向に進む、電磁磁束波を生成するように配設された前記複数のコイルを含み、前記第2のゾーンの各々が、前記第2の方向に進む、電磁磁束波を生成するように配設された前記複数のコイルを含む、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項3】
前記第2の方向が、前記第1の方向に対して垂直である、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項4】
前記ゾーンの各々にある前記コイルが、前記第1および第2の方向に対して斜めの平行線に沿って交互配置されている、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項5】
前記第1および第2のゾーンの各々が、前記ゾーン内のすべての前記コイルが巻かれている、単一の鉄心を有する単一のコイルモジュールを含む、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項6】
前記第1および第2のゾーンの各々が、1つ以上のコイルモジュールを含み、各々が同じ数のコイルを有する、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項7】
前記コイルモジュールの各々が、その周りにコイルが形成されている鉄心を含み、前記コイルモジュールのうちの少なくともいくつかにおける前記鉄心が、少なくとも一端に沿って、同じゾーン内で隣接コイルモジュールの前記鉄心上の階段状構造と嵌合する、階段状構造を有する、請求項6に記載のコンベアシステム。
【請求項8】
異なる第1のゾーンまたは異なる第2のゾーンの前記隣接コイルモジュール内の前記コイルが、互いに重なり合う、請求項
7に記載のコンベアシステム。
【請求項9】
連続する第1および第2のゾーンの前記マトリックスが、前記コイルモジュールの長方形マトリックスである、請求項6に記載のコンベアシステム。
【請求項10】
連続する第1および第2のゾーンの
前記マトリックスが、前記第2の方向に整列しているコイルモジュールの列、および前記第1の方向に整列しているコイルモジュールの行を画定する、請求項6に記載のコンベアシステム。
【請求項11】
連続する第1のゾーン内のコイルモジュールの数が、前記入口から離れる列ごとに単調に減少する、請求項10に記載のコンベアシステム。
【請求項12】
前記コイルが、2つの短辺および2つの長辺を有する長方形であり、前記上部表面に平行な磁気軸を有し、前記辺の1つに沿って交差領域で正環状に巻かれている、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項13】
前記交差領域が、前記ダイバータの前記上部表面からより遠い長辺に沿っている、請求項12に記載のコンベアシステム。
【請求項14】
前記第1および第2のゾーンの各々において、前記コイルを駆動する多相コントローラを備える、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項15】
コンベアシステムであって、
導電性物品を第1の方向に出口端まで搬送する第1のコンベアと、
前記導電性物品を入口端から第2の方向に搬送する第2のコンベアであって、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度θが、0°<θ≦90°によって与えられる、第2のコンベアと、
前記第1のコンベアの前記出口端と前記第2のコンベアの前記入口端との間に接合部を形成するダイバータと、を備え、
前記ダイバータは、
上部表面と、
前記第1のコンベアの前記出口端から前記上部表面上の前記導電性物品を受容する、前記第1のコンベアの前記出口端に隣接する入口と、
前記第2のコンベアの前記入口端に隣接する出口と、
前記上部表面の下で、前記第1の方向および第2の方向に対して平行な磁気軸と斜めの磁気軸とを有する複数のコイルであって、前記コイルの上の前記上部表面上にある前記導電性物品を第3の方向に移動するように強制する電磁磁束波を生成し、前記第1の方向と前記第3の方向との間の角度αが、0°<α<θによって与えられる、複数のコイルと、を含み、
前記導電性物品が、前記コイルによって前記入口から前記出口まで、かつ前記第2のコンベア上に方向付けられている、コンベアシステム。
【請求項16】
θ=90°である、請求項15に記載のコンベアシステム。
【請求項17】
前記コイルを駆動する多相コントローラを備える、請求項15に記載のコンベアシステム。
【請求項18】
コンベアシステムであって、
導電性物品を第1の方向に出口端まで搬送する第1のコンベアと、
前記導電性物品を入口端から前記第1の方向とは異なる第2の方向に搬送する第2のコンベアと、
前記第1のコンベアの前記出口端と前記第2のコンベアの前記入口端との間に接合部を形成するダイバータと、を備え、
前記ダイバータは、
上部表面と、
前記第1のコンベアの前記出口端から前記上部表面上の前記導電性物品を受容する、前記第1のコンベアの前記出口端に隣接する入口と、
前記第2のコンベアの前記入口端に隣接する出口と、
前記入口から前記出口まで前記上部表面の下に弧を描いて配設されている複数のコイルであって、前記上部表面に垂直な平面図では、前記コイルの各々が、前記弧の内側で狭い端を有し、前記弧の外側で反対側の広い端を有する、複数のコイルと、を含み、
前記導電性物品が、前記コイルによって前記入口から前記出口まで、かつ前記第2のコンベア上に方向付けられている、コンベアシステム。
【請求項19】
前記弧が、90°の角度に対している、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項20】
前記コイルの前記狭い端が、前記上部表面に垂直な方向で前記広い端よりも高い、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項21】
周囲に前記コイルが形成されている
鉄心を備え、
前記鉄心の厚さが、前記コイルの長さに沿って一定である、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項22】
周囲に前記コイルが形成されている
鉄心を備え、前記鉄心の厚さが、前記弧の内側での前記コイルの前記端から前記弧の外側での前記コイルの前記端まで増加する、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項23】
周囲に前記コイルが形成されている
鉄心を備え、前記鉄心の厚さに対する前記コイルの厚さの比が、前記鉄心の長さに沿って一定である、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項24】
周囲に前記コイルが形成されている
鉄心を備え、
前記鉄心の厚さが、その長さに沿って一定である、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項25】
前記コイルの弧が、外側弧を形成し、前記コンベアシステムが、前記外側弧の内側の内側弧に配設されている第2の複数のコイルを備える、請求項18に記載のコンベアシステム。
【請求項26】
前記コイルを駆動する多相コントローラを備える、請求項18に記載のコンベアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、動力駆動コンベアに関し、より具体的には、缶などの導電性物品を電磁的に搬送するコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアは、製造プロセスを通じて物品を輸送するために使用される。空のアルミニウム飲料缶の輸送は、缶があるコンベアから別へ移行される地点の移送において困難である恐れがある。軽量缶は、移送部で転倒する、および移行デッドプレート上で滞留する傾向がある。缶はまた、長時間の走行で高速に加速されると、転倒しやすい。手動による介入は、転倒された缶と滞留された缶を処理することが要求される。しかし、手動による介入は、製造コストが増加し、かつ缶の汚染のリスクがある。また、対処されない場合、缶の滞留は、コストのかかる缶の集まりの混合という結果をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムの1つのバージョンは、導電性物品を第1の方向に出口端まで搬送する第1のコンベア、導電性物品を入口端から第1の方向とは異なる第2の方向に搬送する第2のコンベア、および第1のコンベアの出口端と第2のコンベアの入口端との間に接合部を形成するダイバータを備える。ダイバータは、第1のコンベアの出口端から上部表面上の導電性物品を受容する、第1のコンベアの出口端に隣接する入口、および第2のコンベアの入口端に隣接する出口を含む。コイルは、上部表面の下で連続する第1および第2ゾーンのマトリックスに配設されている。第1のゾーンの各々のコイルは、ゾーンの上の上部表面上にある導電性物品を第1の方向に移動するように強制する、電磁磁束波を生成する。第2のゾーンの各々のコイルは、ゾーンの上の上部表面上にある導電性物品を第2の方向に移動するように強制する、電磁磁束波を生成する。入口に沿ったゾーンのうちの少なくともいくつかは、第1のゾーンであり、出口に沿ったゾーンのうちの少なくともいくつかは、第2のゾーンである。導電性物品は、第1および第2のゾーン内でコイルによって入口から出口まで、かつ第2のコンベヤー上に方向付けられている。
【0004】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムの別のバージョンは、導電性物品を第1の方向に出口端まで搬送する第1のコンベア、および導電性物品を入口端から第2の方向に搬送する第2のコンベアを備える。第1の方向と第2の方向との間の角度θは、0°<θ≦90°によって与えられる。ダイバータは、第1のコンベアの出口端と第2のコンベアの入口端との間に接合部を形成する。ダイバータは、第1のコンベアの出口端から上部表面上の導電性物品を受容する、第1のコンベアの出口端に隣接する入口、および第2のコンベアの入口端に隣接する出口を含む。上部表面の下で平行に配設されたコイルは、コイルの上の上部表面上にある導電性物品を第3の方向に移動するように強制する、電磁磁束波を生成する。第1の方向と第3の方向との間の角度αは、0°<α<θによって与えられる。導電性物品は、コイルによって入口から出口まで、かつ第2のコンベア上に方向付けられている。
【0005】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムのさらに別のバージョンは、導電性物品を第1の方向に出口端まで搬送する第1のコンベア、導電性物品を入口端から第1の方向とは異なる第2の方向に搬送する第2のコンベア、および第1のコンベアの出口端と第2のコンベアの入口端との間に接合部を形成するダイバータを備える。ダイバータは、第1のコンベアの出口端から上部表面上の導電性物品を受容する、第1のコンベアの出口端に隣接する入口、および第2のコンベアの入口端に隣接する出口を含む。コイルは、入口から出口まで上部表面の下に弧を描いて配設されている。上部表面に垂直な平面図では、コイルの各々は、弧の内側で狭い端を有し、弧の外側で反対側の広い端を有する。導電性物品は、コイルによって入口から出口まで、かつ第2のコンベア上に方向付けられている。
【0006】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムの別のバージョンは、導電性物品が上部表面上に移行される入口と、導電性物品が上部表面から移行される出口と、を含む、電磁コンベアを備える。コイルは、アレイで上部表面の下に配設され、上部表面を横切って入口から出口まで導電性物品を移動する力を引き起こす電磁磁束波を生成する。コントローラは、導電性物品の動きを強化するように、上部表面上の低力領域で導電性物品に作用する力を周期的に増加する、周期的パルスによって特徴付けられる駆動波形でコイルを駆動する。
【0007】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムのさらに別のバージョンは、上部表面、導電性物品が上部表面上に移行される入口、導電性物品が上部表面から移行される出口、および個々のゾーンで上記上部表面の下に配設されている複数のコイルを含む、電磁コンベアを備える。コイルは、ゾーンに通って上部表面を横切って入口から出口まで導電性物品を移動する力を引き起こす電磁磁束波を生成する。ゾーンに関連付けられたコントローラは、導電性物品の動きを強化するように、隣接するゾーンで異なる周波数または位相角を有する駆動波形でコイルを駆動する。
【0008】
本発明の特徴を具現化するコンベアシステムのさらに別のバージョンは、幅が左側から右側まで、長さが入口から出口まで延在する上部表面を含む、電磁コンベアを備える。アルミボトルまたは缶などの、導電性物品は、入口で上部表面上に移行され、出口で上部表面から移行される。上部表面の下に配設されたコイルは、上部表面を横切って入口から出口まで導電性物品を移動させるように、作動力を生成する、電磁磁束波を生成する。コントローラは、上部表面と導電性物品との間の摩擦力を超過する、導電性物品に対する平均作動力を生成するように、ピーク振幅およびデューティサイクルを有する周期的パルスでコイルを駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、缶などの導電性物品を搬送するための本発明の特徴を具体化するコンベアシステムの一部の等角図である。
【
図2】
図2は、缶を取り除いた
図1のコンベアシステムの等角図である。
【
図3】
図3は、
図1および2のコンベアシステムと同様であるダイバータ内のコイルモジュールの平面図である。
【
図4A】
図4Aは、
図1と同様であるコンベアシステムで使用可能な2つの異なる電磁コンベア内の隣接コイルモジュールの立面図および上面図を含む。
【
図4B】
図4Bは、
図1と同様であるコンベアシステムで使用可能な2つの異なる電磁コンベア内の隣接コイルモジュールの立面図および上面図を含む。
【
図5】
図5は、
図1のコンベアシステムの代替ダイバータとして使用可能なコイルモジュール内に交互配置コイルを有する電磁ダイバータの平面図である。
【
図6】
図6は、
図1と同様であるコンベアシステムで代替的に使用可能な斜めに配設されたコイルを有するダイバータの別のバージョンの上面図である。
【
図7】
図7は、
図1と同様であるコンベアシステムで使用可能なコイルの弧状配設を有する代替のダイバータの上面図である。
【
図8】
図8は、コアの厚さが均一で、巻線の厚さが変化している、
図7と同様であるコイルの側面図である。
【
図9】
図9は、コアの厚さが先細になった
図7と同様であるコイルの側面図である。
【
図10】
図10は、コアおよび巻線の厚さが均一である、
図7と同様であるコイルの側面図である。
【
図11】
図11は、
図7と同様である弧状のダイバータの一部の上面図と側面図を含むが、内側および外側のコイルセットがある。
【
図12】
図12は、
図1と同様であるコンベアシステムで使用可能なコイル巻線の側面図であり、巻線の交差領域が短辺に沿っている。
【
図13】
図13は、
図1と同様であるコンベアシステムで使用可能なコイル巻線の側面図であり、長辺に沿った巻線の交差領域がある。
【
図14】
図14は、
図1と同様であるコンベアシステムの駆動システムのブロック図である。
【
図15】
図15は、デッドスポットを除去するためにパルス動作を使用して
図14の駆動システムによって生成されたコイル駆動波形の1つの位相を示す。
【
図17】
図17は、デッドスポットを除去するために2つの隣接コイルゾーンについて
図14の駆動システムによって生成されたコイル駆動波形の対応する位相を示す。
【
図18A】
図18Aは、本発明の特徴を具体化する単一化コンベアの1つのバージョンの平面図である。
【
図19A】
図19Aは、
図18Aと同様であるコンベア内の導電性物品に作用する作動力を引き起こす駆動パルスの振幅の時間プロットである。
【
図19B】
図19Bは、導電性物品に作用する典型的な摩擦力の振幅および物品に作用する正味の力の振幅の時間プロットである。
【
図21A】
図21Aは、本発明の特徴を具体化する単一化コンベアの第2のバージョンの平面図である。
【
図22A】
図22Aは、本発明の特徴を具体化する単一化コンベアの第3のバージョンの平面図である。
【
図23A】
図23Aは、本発明の特徴を具体化する単一化コンベアの第4のバージョンの上面図である。
【
図24A】
図24Aは、本発明の特徴を具体化する単一化コンベアの第5のバージョンの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴を具体化するコンベアシステムは、
図1および2に示されている。コンベアシステム20は、この例では、ベルトコンベアとして示されている、搬入コンベア22および搬出、または排出コンベア24の両方を有する。搬入コンベア22は、アルミニウム缶26などの導電性物品を、第1の搬送方向28で電磁コンベア30に搬送する。この例では、電磁コンベアは、搬入コンベアの出口端34に隣接する入口32を有する、方向転換コンベア、またはダイバータとして構成されている。排出コンベア24は、ダイバータ30の出口33の上の入口端35で缶26を受容する。この例では、ダイバータ30は、長方形であり、より正確には、正方形であり、隣接側に入口32および出口33がある。排出コンベア24は、缶26を第1の搬送方向28とは異なる第2の搬送方向29に搬送する。ダイバータ30は、その上部表面36上の缶26を第1の搬送方向28から第2の搬送方向29に方向転換する。この例では、ダイバータ30は、搬入コンベア22の出口端34と排出コンベア24の入口端35との間の接合部を形成する90°コーナーユニットとして機能する。搬入および搬出コンベア22、24は、この例ではベルトコンベアとして示されているが、取り扱われる特定の導電性物品を搬送するために適した、任意の種類のコンベアとすることができる。また、電磁コンベア30は、代わりに、缶が回転されず、搬入コンベアと一列に並んだ排出コンベアにまっすぐに通過するインラインコンベアとして構成することができる。
【0011】
図2が示すように、ダイバータ30は、連続するゾーン、第1のゾーン40および第2のゾーン41のマトリクス内の上部表面36の下に配設された複数のコイル38を有する。第1のゾーン40内のコイル38は、第1のゾーン内の缶を、ゾーン内に描かれた矢印によって示されるように、第1の搬送方向28に移動するように強制する、電磁磁束波を生成する。第2のゾーン41内のコイル38は、第2のゾーンの缶を、第2の搬送方向29に移動するように強制する、電磁磁束波を生成する。両方のゾーン40、41内のコイル38によって生成された電磁磁束波は、対応する第1または第2の搬送方向28、29に伝搬し、導電性缶26内に電流を誘導する。誘導電流は、対応する方向にそれらを移動するように、缶に作用する力を生成するように、磁束波の1次フィールドと相互作用する、2次フィールドを生成する。したがって、各ゾーンのコイル38は、導電性缶26の各々がLIM回転子に類似している、線形誘導電動機(LIM)の固定子として機能する。
【0012】
ダイバータ30内の第1および第2のゾーン40、41は、
図2のように異なる長さであることができるが、各ゾーンは、
図3に示されるように、1つ以上の同一のコイルモジュール42、42’で構成することができる。各コイルモジュール42、42’内のコイルは、囲い内に収容されるか、または埋め込み構造内に埋め込まれる。囲いまたは構造体の上方表面は、仮に缶26が傾くことを回避するように、隣接コイルモジュール42、42’間の狭い継ぎ目と一緒に密着すると、ダイバータ30の上部表面36を形成することができる。代替的に、ダイバータ30の上部表面36は、コイルモジュール42、42’を覆う平坦な搬送表面を提供するシートまたは他の構造によって形成することができる。第1のコイルモジュール42は、第1のゾーン40を形成し、第2のコイルモジュール42’は、第2のゾーン41を形成する。
【0013】
この例では、連続する第1および第2のゾーン40、41のマトリックスは、4つの列R1~R4および4つの行C1~C4に配設された同一のコイルモジュール42、42’の正方マトリックスである。列R1~R4は、第1の搬送方向28に垂直であるように、第2の搬送方向29に整列し、行C1~C4は、第2の搬送方向に垂直であるように、第1の搬送方向に整列する。さらに、この例では、11個の第2のコイルモジュール42’が、缶を第2の方向29にダイバータ30の出口33に向かって強制しており、5つのコイルモジュール42が、缶を第1の方向28に入口32から離れるように強制する。入口32に最も近い列R1および出口33に最も近い行C4内のコイルモジュール42’は、第2のゾーン41内にある。また、出口33に最も近い行C4内のすべてのコイルモジュール42’は、第2のゾーン41内にある。ダイバータ30の入口32に最も近い列R1内の4つのコイルモジュールのうちの3つは、第1のゾーン40にある。
【0014】
コイルモジュール42、42’およびゾーン40、41のこの特定の配設では、連続する第1のゾーン40内のコイルモジュールの数は、入口32から離れる列ごとに単調に減少する。(入口32に最も近い列R1は、第1のゾーン40に3つのコイルモジュール42を有し、次の列R2は2つ有し、第3および第4の列R3、R4は、何も有しない。)入口32でダイバータ30の左側に供給された缶は、最も左の行C1、C2内の第1のゾーン40において、遠い行R3、R4内の第2のゾーン41に向かって押される。それらのすぐ右側の缶は、入口列R1上の第1ゾーン40に押され、第3の行C3は、第2列R2の第2ゾーン41に押される。ダイバータ30上でその右側45に沿って供給され、第2のゾーン41内で受容された缶は、すぐに出口33に向かって押される。このようにして、ダイバータ30の右側45に近い缶は、缶の集団の幅を維持するのを助けるように、左側に近い缶よりも右に鋭く曲がる。
【0015】
もちろん、ゾーンおよびコイルモジュールの他の配設も、可能である。例えば、第1の列R1と第4の行C4内のコイルモジュールは、方向が変更される前に缶をダイバータ30上に誘導するのを助けるように、第1のゾーン内にあることができる。別の例として、ゾーンのマトリックスは、コイルモジュールの非正方の長方形アレイとして配設することができる。または、各ゾーンは、その長さがゾーンの長さを画定する単一のコイルモジュールで作製することができる。また、ゾーンおよびコイルモジュールの数は、
図1~3に示されるよりも多い、または少ない可能性がある。インライン電磁コンベアは、方向を変えることなく、缶を入口から反対の出口に同じ方向に方向付ける、単一のゾーンまたは複数のゾーンにあるすべてのコイルモジュールで構成されている。
【0016】
図4Aおよび
図4Bは、ダイバータの一部として、またはインラインコンベアの全部または一部として、2つの異なる並列コイル配設を示す。
図4Aは、隣接するゾーンZ1、Z2内の2つの並列コイルモジュール42A、42Bを示す。各コイル46は、コア48、例えば、シリコン-鉄(SiFe)コアのような積層鉄コアの周りに巻かれている。この例では、各コイルモジュール42A、42Bは、6つのコイル46を有する。コア48の反対側の端部は、より長いゾーンを形成するように、隣接コイルモジュールのコアの突出部、および凹部と嵌合して、交互の突出部50および凹部52の階段状構造を有する。各コア48上のコイル46は、ギャップ54を横切って離間している。並列コイルモジュール42A、42Bのコイル46の端部は、ギャップ54に適合するように、コイルの磁気軸55に沿ってオフセットされている。結果として生じるコイル端のオーバーラップは、ダイバータの低力領域でのデッドスポットの排除を助ける。
図4Bは、隣接するゾーンZ1、Z2内の2つの並列コイルモジュール42A’、42B’を示す。各ゾーンZ1、Z2内のコイル46は、単一のコアの周りに巻かれ、コアのほとんどが巻線によって覆われないように、間隔が狭い。隣接するゾーンZ1、Z2内のコイル46は、軸方向にずれることなく個々に並列しており、当接している横方向に隣接するゾーン内のコイルの端部と重ならない。
【0017】
図5は、交互配置の第1および第2のゾーン56、57の別のダイバータ60配設を示す。第1のゾーン56内の缶は、コイル46によって第1の搬送方向28に移動され、第2のゾーン57内の缶は、第2の搬送方向29に移動される。斜めの境界線62は、第1のゾーン56を第2のゾーン57から分離する。各モジュール58は、平行四辺形である。各モジュール58内のコイル46は、境界線62に平行な線に沿って交互配置を、かつ第1および第2の搬送方向28、29に対して斜めを形成するように、互いに長手方向にオフセットする。交互配置ゾーン56、57は、
図1~4のダイバータ30内の長方形ゾーンと比較して、ダイバータ60の低磁束領域を減少させる。
【0018】
導電性物品のための電磁ダイバータの別のバージョンは、
図6に示されている。このバージョンでは、ダイバータ66内のすべてのコイル64は、それらの磁気軸65が第1および第2の搬送方向28、29に対して平行かつ斜めになるように幾何学的に配設される。斜めのコイル64によって生成されている磁束波は、第1および第2の方向28、29に対して斜めの第3の方向68に進む。第1の方向28と第2の方向29との間の角度θは、0°<θ≦90°によって与えられる。この例では、θ=90°である。第1の方向28と第3の方向68との間の角度αは、0°<α<θによって与えられる。ダイバータ66上に供給された缶は、直ちに第3の方向68で排出コンベア24に向かって斜めに押される。
【0019】
電磁ダイバータのさらに別のバージョンは、
図7に示されている。ダイバータ70は、湾曲した軌道を画定する。この例では、湾曲したトラックは、90°の角度に対している弧である。コイル72の各々は、弧の内側で狭い端部74を有し、弧の外側で広い端部75を有する。コイル72は、ABC位相調整配設φ1に従って三相コイル駆動ドライバによって駆動されている。代替案の1つは、見かけ上の6相コイル駆動シーケンスφ2でコイルを駆動することであり、これは、φ2相シーケンスによって示されるように、巻線の極性を変えることによって、3相コイルドライバで達成することができる。
【0020】
図8~
図10は、
図7の曲線軌道ダイバータ70内で使用可能な代替コイルの断面を示す。
図8中のコイル84は、その長さに沿って、均一な厚さ、すなわち一定の高さの積層コア86を有する。
図8Aおよび
図8B中のコイル84の断面に示されるように、内側端74は、広い外側端75より横方向に狭く、狭い内側端74は、広い外側端75よりも高い。狭い内側端でのコイル巻線は、均一な太いワイヤの一定の巻数を維持するように、広い外側端よりも多くの層を必要とする。
【0021】
図9では、鉄心ラミネーション76のスタックは、厚さ(高さ)において先細になっている。厚さTは、コイル78の内側端74から外側端75まで増加する。コイル78は、概して、平面図において、内側端74よりも外側端75の方が広い台形であるので、外側の巻線は、横方向により長い距離にわたって分配され、したがって、巻線層の深さが浅く、その長さに沿って一定の外側厚さ(高さ)を持つコイルを形成する。
【0022】
別の代替コイル80は、
図10に示されている。
図9のコイル78と同様に、コイル80は、その長さに沿って一定の厚さ(高さ)を有する。また、コイルの積層コア82の厚さTも、その長さに沿って均一であり、その結果、コイルの厚さと鉄心の厚さとの比は、コイル80の長さに沿って一定である。コイル80の外側端75は、より広いので、コイル巻線は、より広い幅にわたって横方向に分配され、より狭い内側端74における巻線層ほど深くはない。
【0023】
図11は、
図7の代替物としての湾曲したダイバータの一部を示す。ダイバータ90は、コイル94、95の2つの同心円弧92、93から構成される。(図面を簡略化するために、各弧には3つのコイルのみが示されている。)内側弧92は、外側弧93の内側にある。
【0024】
図12および
図13に示すように、すべての例のためのコイル96、96’は、巻線によって占められている体積を最小にするように、正環状に巻くことができる。示されている長方形のコイル構成では、コイルの正環状交差領域は、コイルの片側に限定されている。
図12では、交差領域98、すなわち、正環状巻線の密なパッキングを達成するように、巻線が互いに交差する領域は、短辺の1つに形成されている。
図13では、交差領域99は、鉄心と搬送される物品との間のギャップを最小限に抑えるように、かつ缶を移動するのに必要な正味の電界強度が低い、横方向に隣接コイルの短辺に沿った低力境界領域のデッドスポットを最小限に抑えるように、ダイバータの上部表面から離れた底面などの、長辺の1つに形成される。
図12および13中のコイル96、96’は、コイルのコアの長さに沿って方向付けられ、ダイバータの上部表面に平行な磁気軸97を有する。
【0025】
すべての例でのコイルを駆動するためのコントローラは、
図14に示されている。コントローラ100は、この例では、コイルドライバ104A~Cおよび直列コンデンサ105A~Cを通して、各相A、B、Cのコイル102A~Cを駆動する3つの電流源として動作する三相コントローラとして、この例に示されている多相コントローラである。
図1~6のダイバータ内、またはインライン電磁コンベア内の各ゾーンは、専用のコントローラを有することができる。ダイバータのすべての第1のゾーンは、第1の単一コントローラによって電気的に並列に駆動することができ、すべての第2のゾーンは、第2の単一コントローラによって駆動することができる。
図6および7中のインラインコンベアおよびダイバータは、単一の専用多相コントローラによって駆動することができる。また、
図11中のダイバータ内の各弧は、それ自体の多相コントローラによって駆動することができる。
【0026】
コントローラ100に接続されたプログラム可能なプロセッサ106は、すべてのコイルゾーンの制御を調整するように、他のそのようなコントローラに接続することができる。または、プロセッサ106は、代わりに各コントローラ100内に統合することができる。コンベア20上のゾーン内の缶26のデジタル画像を捕捉する1つ以上のカメラを含む視覚システム108は、捕捉された画像をプロセッサ106に送信する。画像から、プロセッサ106は、滞留された缶および流れの問題を検出し、あらゆる問題を修正するように、通常のコイル駆動シーケンスを変更することができる。例えば、ダイバータまたはインラインコンベア上のデッドスポットを除去することができる、1つの方法は、
図15および16に示すような波形でコイルを駆動することによってである。各相のための標準AC駆動波形110は、周期的な高出力駆動パルス112を生成するように、パルス列によって振幅変調される。周期的パルスは、固定または変動レートで発生することができる。例えば、
図15および16は、17%のデューティサイクルおよび約1.2のパルス増幅率を備えた固定の8.3Hzパルス列によって変調された1kHz駆動波形を示す。直列コンデンサ105A~Cの静電容量Cは、各相におけるコイル102A~Cの大きなインダクタンスLを有する高Q共振回路を形成するように選択されている。各相のための交流駆動波形110の周波数fは、回路の公称共振周波数f
r=1/[2π(LC)
1/2]に近く設定されている。LおよびCの実際の値の許容誤差、ならびに、コイルドライバが誘導負荷をよりよく駆動するという事実のために、AC駆動波形の周波数fは、公称または理論上の共振周波数f
rの近いが、わずか上に設定されている。AC駆動波形の周波数fは、すべてのコイル回路の無効インピーダンスXが正、すなわち誘導性であること、および、コイルとコンデンサの任意の組み合わせのために、駆動周波数fが回路の実際の共振周波数に近く、少なくとも共振回路の上半分の電力(3dB)周波数に近いことを確実にするように、公称共振周波数f
rより十分高く設定されている。このようにして、インダクタンスおよびキャパシタンスの公称値からの偏差および変動は、考慮され、無効インピーダンスXは、抵抗性インピーダンスRを支配しない、すなわち、|X|/R<1.73、換言すれば、電力係数は、0.5より大きい。周波数fが共振周波数f
rをわずかに下回る駆動波形で容量性負荷を駆動するように設計されたコイルドライバは、代替的に同様に使用して、すべてのコイル回路の無効インピーダンスXが負であること、すなわち、容量性であり、支配的ではないこと、および、駆動周波数fが回路の実際の共振周波数に近いことを確実にすることができる。別の代替として、当業者は、無効インピーダンスXがゼロである、共振周波数f
rで正確にコイルを駆動するように、従来の閉ループシステムを設計することができるであろう。これらの共振コイル駆動方式はいずれも、支配的ではない、ゼロまたは低い無効インピーダンス、およびコイルへの効率的な電力の移行をもたらす。例示的なパルス繰り返し率は、約5Hz~20Hzの範囲であり、デューティサイクル範囲は、約5%~20%である。例示的なパルス増幅係数は、約1.2~1.5、またはより大きい範囲である。より高い振幅のコイル駆動パルス112は、磁場の周期的な増加を生成し、缶に作用する力は、缶を移動させるように、それ以外の低い磁界強度および力(デッドスポット)領域で、減速または停止される。パルス動作は、固定パルス周波数およびデューティサイクルで実行することができ、または、プロセッサ106は、デッドスポットをクリアする駆動パルスを生成するように、コントローラ100に指示することができ、そうでなければ、滞留された、または遅い動きの缶が視覚システム108によって検出されたときに、缶の動きを強化することができる。固定された、より大きな振幅で永久的に動作するのではなく、AC駆動波形に短いパルスを適用する利点は、短いパルスにより、滞留された移動缶の速度を大幅に増加させることなく、滞留された缶を解放することである。
【0027】
デッドスポットを除去する別の方法は、
図17に示すように、位相シフト波形で隣接するゾーン内のコイルを駆動することによる。上部の波形114は、第1のゾーン内の1つの位相のためのコイル駆動を表し、下の波形116は、隣接するゾーンに対応する位相のコイル駆動を表す。2つの波形の位相は、この例では約90°の位相角θだけ異なる。また、同じ位相シフトは、マルチ位相システムの他の位相間に存在する。隣接するゾーンの駆動波形間の位相シフトは、位相のずれた電磁磁束波の相互作用の結果として、主搬送方向に垂直な、力の成分を生成することによって、缶をデッドスポットからクリアする。力の垂直成分は、隣接するゾーン間のデッドスポットをクリアする。他のデッドスポットクリア技術と同様に、位相差は、停止した、または動きの遅い缶が、視覚システム108によって検出されたときに、プロセッサ106によって固定または調整することができる。
【0028】
デッドスポットを解消することができるなお別の方法は、異なる周波数で隣接するゾーン内のコイルを動作することによる。例えば、あるゾーンのコイルは、1100Hzの波形によって駆動することができ、隣接するゾーンのそれらは、1102Hzの波形による。位相シフトで隣接するゾーンのコイルを駆動するのと同様に、異なる周波数でコイルを駆動することは、搬送方向に垂直な方向に缶に作用する力を生成する。周波数差は、固定することができ、または、滞留された缶が視覚システム108によって検出されたときに、プロセッサ106によって課すことができる。
【0029】
すべてのデッドスポットクリア技術は、搬入コンベアから排出コンベアへの缶の効率的な搬送を確実にするように、電磁ダイバータ、またはインライン、もしくは方向転換電磁コンベアで使用可能である。
【0030】
図18Aは、電磁単一化コンベアを含む、コンベアシステムのバージョンを示す。電磁コンベア120は、コンベアの入口124でのアルミニウム飲料ボトル、または缶122の集団流を出口125での単一のファイル中に単一化するように設計されている。従前の電磁コンベアと同様に、単一化コンベア120は、コンベアの上部表面121の下に配設されたコイルのネットワークを有する。缶の密な集団流の単一化を達成することは、前述された方向転換コンベアよりはるかに長いコンベアを要求する。それで、方向転換コンベアとは異なり、単一化コンベア120の長さは、その幅よりはるかに大きい。また、単一化コンベアの長い長さのため、缶122の加速は、低くなければならない。様々なダイバータのための三相駆動(100、
図14)によって生成されている作動力は、缶への正味の力がゼロに低下することから防止するように、およびダイバータの上部表面のデッドスポットで缶が滞留することを防止するように、高い。三相駆動100によって生成されている作動力が、長い単一化コンベア120に加えられると、缶122は、軽量缶が転倒するほどの速度まで加速される。
【0031】
低い平均加速度を達成し、それでも缶122と電磁単一化コンベア120の上部表面126との間の摩擦力を克服する1つの方法は、
図19Aに示すように、缶に作用する作動力を生成する一連の駆動パルス128でコイルを駆動することである。示される駆動パルスは、
図19Bに示されるように、缶に作用する摩擦力132よりはるかに大きい作動力を生成する高いピーク振幅130を有する。缶に作用する正味の力134は、摩擦力を大幅に超過し、駆動パルス128の持続時間中に明確な方法で缶を加速させる。したがって、駆動パルス128は、駆動パルス中の缶に対する正味の力134が、パルスの持続時間中に缶の加速に影響を与えない摩擦力よりも十分に大きいことを確実にするのに十分な大きさの振幅130を有する。駆動パルス128の間のオフ時間136では、作動力は、ゼロに低下し、缶にかかる正味の力134は、摩擦のために負である。したがって、
図19Cに示すように、缶の速度138は、パルス128の間に増加し、オフ時間136の間に減少する。また、速度は、実際の缶速度138と所望の速度140との比較によって示される許容可能な平均加速度を達成するために、後続の各パルスとともに増加する。結果は、
図19Dによって示されるように、缶の実際の位置142とその所望の位置144との間の密接な一致である。
【0032】
例えば、缶と缶の上部表面との間の摩擦力FFが25mNであり、平均作動力FAが31mNである場合、缶に作用する正味の力FNは、差、つまり6mNである。6mNの正味の力FNを達成する1つの方法は、186mNのピーク振幅、および16.7%のデューティサイクルに対して10msのオフタイムを有する2msの作動力パルス128を用いることである。他のパルス幅、ピーク振幅、およびデューティサイクルは、アプリケーションに応じて使用することができる。約20%未満のデューティサイクル、約5ms未満のパルス幅、および摩擦力の少なくとも3倍のピーク作動力を生成するパルス振幅は、アルミ缶およびボトルの単一化に役立つ。
【0033】
図20は、1つ以上の増幅器152にパルス信号を供給するコントローラ150を示す。増幅された駆動パルス128は、
図18Aの電磁コンベア120の上部表面121の下でコイル154を駆動する。すべてのコイルは、同時にパルスすることができ、または、パルスは、増幅器の負荷を分散するように、コントローラ150によって位相調整することができる。
【0034】
缶122を単一化するために、
図18Aのコンベア120は、
図18B中に矢印によって示されている方向に、缶122を方向付けるように配設されている複数のコイルで設計される。パルスコイルによって生成される力パターン156は、例えば、左側および右側162、163でよりもコンベア120の中心160で、輸送方向158で大きな力を生成することによって達成される。
図18Cは、暗い三角形164によってその力の大きさを示す。三角形164は、輸送方向158における力の大きさが中心160で最大であり、コンベアの長さに沿って左側および右側162、163でほぼ直線的にゼロまで減少することを、示す。輸送方向に垂直な、すなわち横方向168の作動力成分は、
図18D中の暗い長方形166によって示される。長方形166は、横方向168の作動力がコンベアの長さに沿って均一であり、コンベアの幅の一部にわたって左側162および右側163から離れる方向に方向付けられているが、コンベアの中央領域170ではゼロであることを示す。
図18Aが示すように、缶122は、それらがコンベアの長さに沿って進むにつれて、左側および右側162、163から徐々に押しやられる。中心に沿った高い作動力は、それら(缶122)が中央領域に到達するときに輸送方向158に缶122を加速して、後部の側面缶を中心に向かってそれらの後ろに合体させる余地を提供する。
【0035】
図21Aの単一化コンベア180は、
図21Dによって示されるように、横方向168中の作動力が入口124から出口125に向かって増加するという点で、
図18Aのコンベア120とは異なる。そのパターンは、外側の缶がコンベア180の中心に向かって押される前に、より早く列の中央で缶を分離する傾向がある。
【0036】
図22Aの単一化コンベア190は、
図22Cによって示されるように、左側162から右側163に減少する、輸送方向158に力を生成する。横方向168の作動力は、
図22Dによって示されるように、左側および右側162、163の近くの領域中のコンベアの長さに沿って均一である。その結果、左側62での缶122が右側63での缶を上回り、缶の列がコンベア190の中心に向かって時計回りに枢動する傾向にあり、それらは輸送方向158に進む。
【0037】
図23Aの単一化コンベア200は、横方向168の作動力が出口125に近い領域にのみ加えられ、入口124に近い領域にはまったく加えられないことを除いて、
図22Aのコンベア190と同様である。その結果、缶122の列は、コンベアの中心に向かって枢動するのにより時間がかかるが、より穏やかな合流のために、より大きな距離だけ離間される。
【0038】
図24Aの単一化コンベア210はまた、缶122の列を枢動させる。このコンベアのコイル構成と
図22Aのコンベア190のそれとの間の1つの違いは、
図24Cに示されるように、輸送方向158での作動力の勾配がはるかに大きいことである。また、横方向168の作動力は、入口124から出口125まで増加する。その効果は、その時点での作動力が主に輸送方向158にあるので、缶122の列が進入時に分離する傾向があることである。列が分離されると、下流で増加する横方向の力は、分離された列がコンベア210の中心に向かって枢動し始めることを引き起こす。
【0039】
アルミニウムボトルまたは缶は、例示的な導電性運搬物品として、記載全体を通して使用された。しかし、アルミニウムまたは銅などの導電性材料を含む他の導電性物品は、記載されたコイルによって運搬することができる。また、図面の特定のレイアウトを参照して使用される「左」および「右」という用語は、特許請求の範囲で互換的に使用されることを意図している。