(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】経皮的気管切開を実施するためのシステム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/24 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
A61B17/24
(21)【出願番号】P 2020566906
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 US2019034943
(87)【国際公開番号】W WO2019232398
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520420285
【氏名又は名称】コープテック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】トロペッロ,スティーブン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】キャロラン,ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドワッサー,エリザベート
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-061550(JP,A)
【文献】特表2016-522021(JP,A)
【文献】特開平08-089583(JP,A)
【文献】特開2004-283606(JP,A)
【文献】特開平10-118181(JP,A)
【文献】特開2017-023199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0047993(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0143029(US,A1)
【文献】米国特許第05669380(US,A)
【文献】米国特許第05058580(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0255954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/94
A61M 16/04
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状チューブ、膨張可能部材、磁気部材及びバリア部材を含む膨張アセンブリであって、前記長尺状チューブが、第1端部、第2端部を有するとともに内腔を規定し、前記膨張可能部材が前記長尺状チューブの前記第1端部に結合され、前記膨張可能部材が、前記内腔を介して流体を受け入れることができるように前記内腔に流体的に結合され、
前記膨張可能部材は、第1壁部分と、前記第1壁部分から前記長尺状チューブの前記第1端部を含む平面に対向する第2壁部分とを含み、前記膨張可能部材が器官の内部に配置されるときに、前記第1壁部分は器官前壁に対向するように構成され、前記第2壁部分は器官後壁に対向するように構成され、前記磁気部材が、前記磁気部材の移動により前記長尺状チューブの前記第1端部
及び前記膨張可能部材の対応する移動をもたらすことができるように、前記長尺状チューブの前記第1端部に結合され、前記バリア部材が、前記膨張可能部材
の前記第2壁部分に結合され
、又は、前記第2壁部分を形成し、前記膨張可能部材の
前記第1壁部分より、突き刺されることに対してより耐性があるように構成されている、膨張アセンブリと、
第1端部及び第2端部を有するガイドワイヤを含むガイドワイヤアセンブリであって、前記ガイドワイヤアセンブリの前記第1端部が結合部材を含み、前記結合部材が、前記長尺状チューブの並進により前記ガイドワイヤアセンブリが並進するように、前記膨張可能部材に結合するように構成されている、ガイドワイヤアセンブリと、を備える
経皮的気管切開を実施するためのシステム。
【請求項2】
前記内腔が第1内腔であり、前記システムが、第2内腔を規定する針をさらに備え、前記第2内腔が前記ガイドワイヤアセンブリを受け入れるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
超音波を介して前記膨張可能部材の場所を視覚化することができるように、前記長尺状チューブの前記内腔を介して前記膨張可能部材内に配置されるように構成された流体をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記内腔が第1内腔であり、前記システムが、第2内腔を規定する管状部材をさらに備え、前記第2内腔が、前記膨張アセンブリを、前記第2内腔内で並進可能であるように受け入れるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記膨張可能部材が第1膨張可能部材であり、前記管状部材が、非膨張形態と膨張形態との間で遷移するように構成された第2膨張可能部材を含み、前記第2膨張可能部材が、前記膨張形態で前記管状部材の外面から延在するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記結合部材が、第1形態と第2形態との間で遷移するように構成され、前記結合部材が、前記第2形態より前記第1形態にあるときの方が前記ガイドワイヤの中心軸に対してより大きい横方向の広がりを有し、前記結合部材が、前記第1形態に向かって付勢される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記結合部材が、前記第1形態ではピグテール形状を有し、前記第2形態では長尺形状を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記結合部材が、前記第2形態では直線ワイヤの形状である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記結合部材が、前記第2形態で針の内腔内に保持されている間、前記針の前記内腔内の前記膨張可能部材の
前記第1壁部分を貫通して少なくとも部分的に並進し、前記結合部材が前記針から出るように並進すると前記第1形態に遷移することにより、前記膨張可能部材に結合するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記長尺状チューブに第1力を加えることにより前記ガイドワイヤアセンブリを第1方向に並進させ
るように、前記膨張可能部材に前記結合部材を結合する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ガイドワイヤアセンブリに対する前記第1力より大きく且つ前記第1力とは反対であり、前記第1力と同時に加えられる第2力を、前記ガイドワイヤアセンブリに加えることにより、前記結合部材を前記膨張可能部材から分離することができる
ように、前記膨張可能部材に前記結合部材を結合するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記結合部材が、少なくとも部分的に第1形態から第2形態に遷移することにより前記膨張可能部材から分離することができ
るように構成され、前記第1形態が、前記第2形態より前記ガイドワイヤの中心軸に対してより大きい横方向の広がりを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記バリア部材が第1硬度を有し、前記膨張可能部材の前記
第1壁部分が第2硬度を有し、前記第1硬度が前記第2硬度より高い、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記膨張可能部材の前記
第1壁部分が第1厚さを有し、前記バリア部材が第2厚さを有し、前記第2厚さが前記第1厚さより大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記バリア部材が、前記膨張可能部材の内部を規定する前記膨張可能部材の
部分的に形成するように前記膨張可能部材
の前記第2壁部分に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、「経皮的気管切開を実施するためのシステム、装置及び方法(Systems, Apparatus, and Methods for Performing a Percutaneous Tracheostomy)」と題する、2018年6月1日に出願された米国仮特許出願第62/679,282号と、「経皮的気管切開を実施するためのシステム、装置及び方法(Systems, Apparatus, and Methods for Performing a Percutaneous Tracheostomy)」と題する、2018年9月7日に出願された米国仮特許出願第62/728,450号に対する優先権及びそれらの利益を主張し、それら出願の各々の内容全体が、すべての目的に対して参照により明示的に本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書に記載する実施形態は、患者の頸部を通る経路を介して患者の気管にアクセスできるようにする経皮的気管切開部を形成するためのシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 自身の呼吸に対する能力を損なう病状を患っている患者がいる。こうした患者の場合、気管切開処置が有益である場合がある。患者によっては、経皮的気管切開は、外科的開腹気管切開と比較して、より安全であり且つより安価であるため好ましい処置である。いくつかの経皮的気管切開技法としては、Ciaglia法(連続的な又は一段階の拡張)、Griggs法(ワイヤ鉗子)及び経喉頭的気管切開(又はFantoni)法が挙げられる。一般に、経皮的気管切開処置では、患者の気管前部に安全に穿刺することと、Seldinger法を使用してガイドワイヤを挿入することとが必要である。典型的には、穿刺及び後続するガイドワイヤ挿入に使用される進入部位は、第1気管軟骨輪と第2気管軟骨輪との間、又は第2気管軟骨輪と第3気管軟骨輪との間である。
【0004】
[0004] しかしながら、気管穿刺のための理想的な部位を同定することは、困難である可能性がある。身体的な検査ランドマークを改善するために、気管支鏡術及び超音波等の高度なツールが使用されてきた。多くの高度な処置ツールのように気管支鏡は、高価であり、滅菌の問題がある可能性があり、誤動作し、すぐに利用できないことが多い可能性がある。超音波は、気管支鏡術とは異なり、より安全な針挿入を可能にするために、気管軟骨輪、甲状腺峡部及び近位血管を同定することができるが、超音波単独では、気管後部を視覚化する能力はなく、したがって、患者に、気管後壁損傷のリスクがある可能性がある。気管支鏡術なしには、拡張経皮的気管切開中に、損傷した後壁にアクセスすることができない。さらに、標準的な気管支鏡は、経皮的気管切開処置中に患者への適切な換気を阻止することが多く、患者に対するさらなるリスクを高める。
【0005】
[0005] したがって、患者に対するリスクを低減させ、経皮的気管切開を迅速に且つ容易に実施することができるようにする、経皮的気管切開を実施するシステム、装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書では、経皮的気管切開を実施するためのシステム、装置及び方法について記載する。いくつかの実施形態では、システムは、膨張アセンブリ及びガイドワイヤアセンブリを含む。膨張アセンブリは、長尺状チューブ、膨張可能部材及び磁気部材を含むことができる。長尺状チューブは、第1端部、第2端部を有することができ、内腔を規定することができる。膨張可能部材は、長尺状チューブの第1端部に結合することができ、膨張可能部材が内腔を介して流体を受け入れることができるように内腔に流体的に結合することができる。磁気部材は、磁気部材の移動により長尺状チューブの第1端部の対応する移動をもたらすことができるように、長尺状チューブの第1端部に結合することができる。ガイドワイヤアセンブリは、第1端部及び第2端部を有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤアセンブリの第1端部は結合部材を含むことができ、結合部材は、長尺状チューブの並進によりガイドワイヤアセンブリが並進するように、膨張可能部材に結合するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]一実施形態による、ガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図2A】[0008]人体解剖学的構造の一部の正面図の概略図である。
【
図2B】[0008]人体解剖学的構造の一部の側断面図の概略図である。
【
図2C】[0009]一実施形態による、
図1のガイドワイヤ留置システムの一部と係合した人体解剖学的構造の一部の側断面図の概略図である。
【
図3A】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3B】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3C】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3D】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3E】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3F】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3G】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3H】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3I】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3J】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3K】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3L】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図3M】[0010]一実施形態による、動作のさまざまな段階のうちの一段階にあるガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図4】[0011]一実施形態による、ガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図5】[0012]一実施形態による、ガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図6】[0013]一実施形態による、ガイドワイヤ留置システムの概略図である。
【
図7】[0014]一実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0015] いくつかの実施形態では、システムは、膨張アセンブリ及びガイドワイヤアセンブリを含む。膨張アセンブリは、長尺状チューブ、膨張可能部材及び磁気部材を含むことができる。長尺状チューブは、第1端部、第2端部を有することができ、内腔を規定することができる。膨張可能部材は、長尺状チューブの第1端部に結合することができ、膨張可能部材が内腔を介して流体を受け入れることができるように内腔に流体的に結合することができる。磁気部材は、磁気部材の移動により長尺状チューブの第1端部の対応する移動をもたらすことができるように、長尺状チューブの第1端部に結合することができる。ガイドワイヤアセンブリは、第1端部及び第2端部を有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤアセンブリの第1端部は結合部材を含むことができ、結合部材は、長尺状チューブの並進によりガイドワイヤアセンブリが並進するように、膨張可能部材に結合するように構成されている。
【0009】
[0016] いくつかの実施形態では、方法は、患者の開口部を通して、患者の輪状軟骨を通して患者の気管上部内に、管状部材を並進させることを含むことができる。長尺状チューブの膨張可能部材及び磁気部材が管状部材の第1端部から延在し、患者の気管上部内に配置されるように、長尺状チューブの第1端部を管状部材の内腔を通して並進させることができる。長尺状チューブの磁気部材が患者の前頸部に向かって付勢され、膨張可能部材が、気管上部の内面に接して配置されるように、患者の前頸部に外部磁気アセンブリを配置することができる。次いで、膨張可能部材が非膨張形態から膨張形態に遷移するように、長尺状チューブの内腔を介して膨張可能部材を膨張させることができる。ガイドワイヤアセンブリの結合部材を、患者の前頸部を通して患者の気管上部内に並進させることができる。ガイドワイヤアセンブリは、結合部材に結合された第1端部と患者の体外に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができ、ガイドワイヤは患者の前頸部を貫通して延在する。結合部材を膨張可能部材に結合することができる。
【0010】
[0017]
図1は、システム100の概略表現である。システム100は、膨張アセンブリ110、ガイドワイヤアセンブリ120及び管状部材150を含む。システム100は、任意選択的に、外部磁気アセンブリ140及び超音波プローブ160も含むことができる。膨張アセンブリ110は、長尺状チューブ112、膨張可能部材114及び磁気部材115を含むことができる。膨張アセンブリ110は、任意選択的に、バリア部材195を含むことができる。長尺状チューブ112は、第1端部111及び第2端部113を有することができる。いくつかの実施形態では、長尺状チューブ112は、少なくとも患者の口又は鼻開口部から患者の気管まで延在するのに十分な長さを有することができる。膨張可能部材114及び磁気部材115は、長尺状チューブ112の第1端部111において又はその近くにおいて長尺状チューブ112に結合することができる。膨張アセンブリ110は、膨張可能部材114と流体連通している膨張内腔116を含むことができる。いくつかの実施形態では、膨張内腔116は、長尺状チューブ112内に配置し及び/又は長尺状チューブ112によって規定することができる。
【0011】
[0018] いくつかの実施では、長尺状チューブ112の第1端部111に又はその近くに光源118を配置することができる。光源118は、光源118から気管壁を通って頸部の表面まで放出され、術者(例えば、臨床医)に可視であり得るような、十分な光を生成することができる。したがって、術者は、少なくとも一部には、患者の皮膚を通して放出されている光の場所に基づき、長尺状チューブ112の第1端部111の場所を決定することができる。いくつかの実施形態では、光源118及び管状部材150は、長尺状チューブ112の第1端部111が管状部材150内に配置されると、光源118によって放出される光が管状部材150によって部分的に又は完全に遮断されるように構成することができ、光部材によって放出される光は、患者の皮膚上では可視ではなく、又は、長尺状チューブ112の第1端部111が管状部材150内にないときと比較してより暗い。したがって、長尺状チューブ112及び管状部材150が少なくとも部分的に患者の体内に挿入されたとき、第1端部111が管状部材150から延出するように長尺状チューブ112が管状部材150に対して並進すると、光源118から放出される光は、第1端部111が管状部材150の端部から延出すると可視になるか又は可視性が向上し得る。光源118は、たとえば、発光ダイオード(LED)であり得る。
【0012】
[0019] 磁気部材115は、磁気部材115の移動により長尺状チューブ112の第1端部111の対応する移動がもたらされるように構成された、任意の好適な磁気部材であり得る。磁気部材115は任意の好適な形状を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、磁気部材115は、長尺状の矩形の形状とすることができる。いくつかの実施形態では、磁気部材115は、円筒体の形状とすることができる。いくつかの実施形態では、磁気部材115は弓状であり得る。いくつかの実施形態では、磁気部材115は、長尺状チューブ112に直接結合されている。いくつかの実施形態では、磁気部材115は、膨張可能部材114内に配置され、少なくとも部分的に膨張可能部材114によって包囲されている。いくつかの実施形態では、磁気部材115は、膨張可能部材114に直接結合されている。いくつかの実施形態では、システム100は、2つ以上の磁気部材115を含む。
【0013】
[0020] いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、膨張及び/又は非膨張形態で長尺状チューブ112を包囲することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、膨張及び/又は非膨張形態で長尺状チューブ112から横方向に延在することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、膨張及び/又は非膨張形態で長尺状チューブ112の第1端部111から遠位側に延在することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、膨張可能部材114が膨張及び/又は非膨張形態にあるときに、長尺状チューブ112の一部分が膨張可能部材114の遠位側に延在するように、長尺状チューブ112の上に配置することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は2つの端部(たとえば、カフ)を有することができ、各端部を長尺状チューブ112の外面に封止することができる。長尺状チューブ112は、膨張内腔116が、膨張可能部材114を非膨張形態と膨張形態との間で遷移させるように膨張可能部材114の内部と流体連通することができるように、1つ又は複数の膨張ポート又は孔を規定することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、剛性サブアセンブリの上に又はその一部として形成することができ、この剛性サブアセンブリは、サブアセンブリのオリフィス内に長尺状チューブ112を受け入れることができ、それにより、サブアセンブリに長尺状チューブ112を封止することができる。
【0014】
[0021] いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、任意の好適な形状で、任意の好適なサイズで、且つ任意の好適な材料から形成することができる。たとえば、膨張可能部材114は、楕円形、球形、円筒状、矩形、涙形又は他の任意の好適な形状であり得る。いくつかの実施形態では、形状は、システム100の特定の用途に基づいて選択することができる。たとえば、膨張可能部材114の形状は、患者の身体の特定の領域において超音波視覚化を促進するように選択することができる。さらに、膨張可能部材114は、膨張可能部材114とガイドワイヤアセンブリ120との係合及び保持を促進するようなサイズとすることができる。
【0015】
[0022] 膨張可能部材114は、(たとえば、膨張したとき)(たとえば、針によって)穿刺して、穿刺の結果として破裂するか又は引き裂けるのではなく膨張可能部材114の壁にピンホールを規定することができるように、十分に柔軟であり得る。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、たとえば、ポリウレタン、シリコーン及び/又はポリ塩化ビニル(PVC)から形成することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、任意の好適な材料特性、壁厚さ及び/又は膨張した最外径を有することができる。
【0016】
[0023] いくつかの実施形態では、たとえば、膨張可能部材114は、形状が楕円形であり、低デュロメータ硬度のウレタンから形成され得る。膨張可能部材114は、膨張形態での約40mm~約55mmの範囲の最外径と、約55mmの長さとを有することができる。膨張可能部材114は、各端部において約5.46mm~約5.72mmの範囲の直径を有することができる。膨張形態での最大バルーン径における壁厚さは、約0.029mm~約0.038mmであり得る。膨張可能部材114は、膨張形態で最大たとえば約50mlの流体で充填することができる。
【0017】
[0024] ガイドワイヤアセンブリ120は、第1端部121及び第2端部123を有するガイドワイヤ122と、ガイドワイヤ122の第1端部121に配置された結合部材124とを含むことができる。結合部材124は、膨張可能部材114に結合するように構成することができ、結合されると、膨張アセンブリ110の並進(たとえば、第2端部113を引っ張ることによる長尺状チューブ112の並進)により、ガイドワイヤアセンブリ120を並進させることができる。たとえば、長尺状チューブ112に加えられる力により、膨張可能部材114が第1方向に移動する場合、結合部材124の膨張可能部材114への結合により、結合部材124及びガイドワイヤ122もまた第1方向に移動することができる。結合部材124は、たとえば、膨張可能部材114によって捕捉され、膨張可能部材の内部領域内に挟まれ、又は膨張可能部材114の表面と係合することにより、膨張可能部材114と結合するように構成することができる。
【0018】
[0025] いくつかの実施形態では、結合部材124は、ガイドワイヤ122とは別個であり、ガイドワイヤ122に(たとえば、接着剤を介して)固定して結合され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張可能部材114の第2磁気部材に結合するように構成された第1磁気部材を含むことができる。
【0019】
[0026] いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122は、結合部材124を含むことができる。たとえば、結合部材124は、ガイドワイヤアセンブリ120が一体構造体であるように、ガイドワイヤ122のシャフトとモノリシックに形成することができる。同様に、いくつかの実施形態では、結合部材124及びガイドワイヤ122は、同じ1種又は複数種の材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張可能部材114の壁の少なくとも一部分と係合することができるような形状とすることができる。たとえば、結合部材124は、平面又は多平面形状を有することができ、ガイドワイヤ122に対するピグテール、フック、コイル又はらせん形状の端部として形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122の第1端部121は、結合部材124が膨張可能部材114内に配置されると、結合部材124により膨張可能部材122内に又はその近くに保持することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張可能部材114の外側に配置することができ、ガイドワイヤ122は、膨張可能部材114の第1壁部分と反対側に配置された第2壁部分とを通過して、結合部材124と膨張可能部材114の第1壁部分との相互作用により膨張可能部材114によって保持される。いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張可能部材114内に部分的に配置し、膨張可能部材114の外側に部分的に配置することができ、ガイドワイヤアセンブリ120は、膨張アセンブリ110の移動を介するガイドワイヤアセンブリ120の並進のために膨張可能部材114に結合される。
【0020】
[0027] いくつかの実施形態では、結合部材124は、挿入のための第1形態と保持又は結合のための第2形態との間で遷移するように構成することができる。たとえば、結合部材124は、第2形態より第1形態にあるときの方がガイドワイヤ122の中心軸に対してより小さい横方向の広がり(たとえば、最外径)を有することができ、結合部材124は、第1形態では針130の内腔135の内側を摺動することができ、第2形態では膨張可能部材114に対してガイドワイヤ122を保持するように拡張することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、第1形態では第1形状、第2形態では第2形状を有することができ、結合部材124は、第1形態では膨張可能部材114の少なくとも1つの側壁の開口部を通って移動することができ、第2形態では、膨張可能部材114によって保持されるように膨張可能部材114の側壁と係合することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124に対する外力が存在しないとき、結合部材124が第2形態を呈するように、第2形態に向かって結合部材124を付勢することができる。いくつかの実施形態では、第1形態では、結合部材124は、直線ワイヤの形状であるように長尺状とすることができる。第2形態は、結合部材の非付勢形状又は形態(たとえば、ピグテール、フック、コイル又はらせん形状)に対応することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122及び/又は結合部材124は、たとえばニチノール等、形状記憶材料から形成することができる。
【0021】
[0028] いくつかの実施形態では、結合部材124が針130の内腔135内にあるとき、針130は、結合部材が第1形態であるように結合部材124を圧縮することができる。したがって、結合部材124は、針130内にないときより針130の内腔135内に配置されているときの方が、ガイドワイヤ122の中心軸に対してより小さい横方向の広がり(たとえば、最外径)を有することができる。いくつかの実施形態では、内腔135及び結合部材124は、結合部材124が針130の内腔135内で直線状又は実質的に直線状であり得るような構造及びサイズとすることができる。たとえば、内腔135は、結合部材124の外径(たとえば、ガイドワイヤアセンブリ120の結合部材124部分を形成するワイヤの外径)と同様の内径を有することができ、結合部材124は、針130の内腔135内でより小さい外径の形状まで横方向に圧縮し及び/又は伸長させることができる。いくつかの実施形態では、結合部材124を形成するワイヤの外径と内腔135の内径とは、結合部材124を形成するワイヤの外径が内腔135の内径よりわずかに小さく、結合部材124と内腔135を規定する針130の内面とが滑り嵌め係合を有することができるような、相対的なサイズであり得る。したがって、結合部材124が針130の内腔135内にねじ込まれると、結合部材124を形成するワイヤは、内腔135の形状に対応するように真っ直ぐにされる。結合部材124は、針130の第1端部131から出るように並進すると、第1形態から第2形態に遷移することができる。たとえば、結合部材124が針130の第1端部131から延出すると、第1端部131から延出する結合部材124の部分は、第2形態に向かって付勢されるために第2形態に向かって遷移することができ、一方で、針130の内腔135内に残っている結合部材124の部分は、第1形態のままであり得る。結合部材124は、完全に針130の外側になると、完全に第2形態であり得る。
【0022】
[0029] いくつかの実施形態では、膨張可能部材114に対する並進力(たとえば、膨張可能部材114に対する並進させる力及び/又は膨張可能部材114を静止して保持する力)が、結合部材124に対するその並進力とは反対の方向における力より大きい場合、膨張可能部材114によって結合部材124を第1方向に並進させるように構成することができる。結合部材124に対する力が、膨張可能部材114に対する並進力に対して反対であり且つそれより大きい場合、結合部材124及び膨張可能部材114は、分離するように構成することができる。たとえば、結合部材124がガイドワイヤ122に対するピグテール形状の端部であるいくつかの実施形態では、膨張可能部材114に加えられている力とは反対の方向に結合部材124に十分な力を加えることにより、ピグテール形状の端部は真っ直ぐになり、膨張可能部材114から分離することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114に加えられている力に対して反対の方向に結合部材124に十分な力を加えることにより、膨張可能部材114と結合部材124とが分離するように、結合部材が膨張可能部材の側壁を引き裂くことができる。したがって、いくつかの実施形態では、結合部材124及び膨張可能部材114の各々に反対方向の引張力を加えることによって、結合部材124と膨張可能部材114とを分離することができる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114から結合部材124を分離するために必要な(たとえば、反対方向の引張力による)解除力が、膨張アセンブリ110を引っ張ることによる患者の体内からの結合部材124の引抜き中に膨張可能部材114とは反対方向においてガイドワイヤ122(したがって、結合部材124)に加えられる最大の力より大きい力であるように、結合部材124及び膨張可能部材114を係合させることができる。したがって、膨張可能部材114及び結合部材124が、たとえば、膨張可能部材114及び結合部材124が患者の体外にあるときは術者が引っ張ることにより分離することができるが、引抜き中にガイドワイヤ122の結合部材124の引抜き中に不注意に分離されることはないように、解除力は十分に高い。たとえば、いくつかの実施形態では、解除力は、少なくとも約0.25lbsの力、少なくとも約0.5lbsの力、又は少なくとも約1.5lbsの力であり得る。システム100のいくつかの応用では、解除力は、結合部材124及びガイドワイヤ122が、引抜き中に膨張アセンブリ110に対する引抜き力を介して受ける可能性がある解除力に応じて、より大きいか又は小さい可能性がある。いくつかの実施形態では、膨張可能部材114から結合部材124を分離するために必要な(たとえば、反対方向の引張力による)解除力が、長尺状チューブ112を引っ張ることによる患者の開口部を介する患者の体内からの膨張アセンブリ110の引抜き中、患者から離れる(たとえば、患者の前頸部から離れる)方向にガイドワイヤ122(したがって、結合部材124)に加えられる力より小さい力であるように、結合部材124及び膨張可能部材114を係合させることができる。したがって、解除力は、膨張可能部材114及び結合部材124が、ガイドワイヤ122の結合部材124の移動中に、たとえば患者の気管内での膨張可能部材114の移動により不注意で分離することはないが、たとえば、長尺状チューブ112及びガイドワイヤ122を術者が引っ張ることにより分離することができるように、十分低いものであり得る。いくつかの実施形態では、術者は、結合部材124が、直線又は非直線形態にある間に針130によってもたらされる開口部を通して並進するように、膨張可能部材114を結合部材124に沿って結合部材124の端部に向かって押すことにより、結合部材124から膨張可能部材114を分離することができる。
【0023】
[0030] いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張可能部材114内に及び/又は膨張可能部材114を通して挿入することができるように、膨張可能部材114を突き刺すように構成することができる。いくつかの実施形態では、システム100は、任意選択的に、第1端部131、第2端部133を有し、且つ内腔135を規定する、針130を含むことができる。第1端部131は、膨張可能部材114を突き刺し、膨張可能部材114へのアクセスをもたらすように構成された、任意の好適な形状を有することができる。たとえば、第1端部131は、テーパ状とすることができる鋭利な先端を有することができる。内腔135は、ガイドワイヤアセンブリ120の結合部材124を、第2端部133を通して、内腔135を通して、且つ針130の第1端部131を通して並進させることができるようなサイズであり得る。いくつかの実施形態では、針130は、患者の前頸部及び気管壁を貫通して、且つ膨張可能部材114の側壁を貫通して挿入することができる。そして、結合部材124とガイドワイヤ122の一部分とは、結合部材124とガイドワイヤ122の一部分とのうちの少なくとも一方が膨張可能部材114内に少なくとも部分的に配置されるように、針130の内腔135を通して並進させることができる。そして針130は、ガイドワイヤ122に沿って針130を並進させることにより、膨張可能部材114から取り除くことができる。
【0024】
[0031] 任意のバリア部材195は、膨張可能部材114又は膨張可能部材114の一部分より(たとえば、針による)穿刺又は引裂きに対して耐性がある、110膨張アセンブリ110の一部分であり得る。いくつかの実施では、バリア部材195は、突き刺すように意図される膨張可能部材114の一部分に対して任意の好適な場所に配置することができ、その部分において、バリア部材は、針が膨張可能部材114を貫通し患者の気管後壁を穿刺するのを防止することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張可能部材114の側壁の一部分を形成することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張可能部材114の外面の上に配置し及び/又はそれに結合することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張可能部材114内に配置することができる。たとえば、バリア部材195は、(たとえば、針130を突き刺すように意図される膨張可能部材114の表面とは反対の)膨張可能部材114の内面の上に配置し又はそこに結合することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、長尺状チューブ112の上に配置するか又はそれに結合することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、長尺状チューブ112と膨張可能部材114の内面との間の場所に配置することができる。
【0025】
[0032] バリア部材195は、任意の好適な形状を有することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張可能部材114の内面又は外面、及び/又は膨張可能部材114を通過する平面の形状に対応する形状を有することができる。たとえば、バリア部材195は、卵形輪郭、円形輪郭又は矩形輪郭を有することができる。
【0026】
[0033] いくつかの実施では、針(たとえば、針130)が、(たとえば、患者の皮膚及び気管壁を通して)膨張アセンブリ110の磁気部材115に対して外部磁気アセンブリ140によって加えられる磁気吸引力より大きい力をバリア部材195に加える場合、針が、バリア部材195を突き刺すのではなく、バリア部材195を患者の気管後壁に向かって付勢し、したがって、磁気部材115を患者の気管前壁から離れるように付勢するように、バリア部材195は、突刺し及び/又は引裂きに対して十分耐性があり得る。後方向におけるバリア部材195に対する針の力を除去するか又は低減させると、外部磁気アセンブリ140の磁気吸引力により、磁気部材115を気管後壁に向かって再度付勢することができる。
【0027】
[0034] いくつかの実施では、磁気部材115が外部磁気アセンブリ140に向かって付勢されると、バリア部材195が(磁気部材115と患者の気管後壁との間で)外部磁気アセンブリ140から磁気部材115の反対側に配置されるように、磁気部材115に対してバリア部材195を配置することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、1つ又は複数の磁気素子を含むことができる。この1つ又は複数の磁気素子は、バリア部材195が磁気部材115及び/又は外部磁気アセンブリ140によって反発され、バリア部材195が患者の気管後壁に向かって且つ気管前壁から離れるように付勢されるように、磁気部材115及び/又は外部磁気アセンブリ140に対する極性を有することができる。バリア部材195が(たとえば、外部磁気アセンブリ140との磁気相互作用を介して、及び/又は磁気部材1150との外部磁気アセンブリ140の磁気相互作用を介して)患者の気管後壁に向かって且つ気管前壁から離れるように付勢されると、突き刺すように意図される膨張可能部材114の部分が気管前壁の近くに又はそれに隣接して配置されるように、突き刺すように意図される膨張可能部材114の部分に対してバリア部材195を結合又は配置することができる。したがって、膨張可能部材114の内部と気管後壁との間にバリア部材195を配置することができ、針130が膨張可能部材114の内部に並進するとき、針130のさらなる並進により針130が並進してバリア部材195と接触することができるため、バリア部材195が、針130が気管後壁と接触するように伸びるのを防止することができる。
【0028】
[0035] いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張アセンブリ110の他の部分(たとえば、膨張可能部材114及び/又は膨張可能部材114の内部)及び/又は患者の周囲の部分より、超音波を介してより容易に視覚化することができるように、高いエコー輝度を有することができる。エコー輝度が高いことにより、術者は、針がバリア部材195に達する前に、又は針がバリア部材195を通過する前に、超音波撮像を介してバリア部材195の場所を同定し、針130の並進を停止することができ、針130が、膨張可能部材114及び/又は患者の気管に対して過度に前進し患者の気管後壁に損傷を与えるのを、防止することができる。
【0029】
[0036] いくつかの実施では、バリア部材195は、患者の組織を突き刺すために使用される針(たとえば、針130)による突刺しに対する耐性が高い及び/又はエコー輝度が高い任意の好適な材料から形成することができる。たとえば、バリア部材195は、ポリマー又は金属複合材から形成することができる。いくつかの実施では、バリア部材195は、膨張可能部材114の側壁の厚化した又は強化された部分を含むことができる。
【0030】
[0037] いくつかの実施形態では、膨張可能部材114は、患者の気管上部に配置された後、流体(たとえば、液体又はガス状流体)で充填し及び/又は膨張させることができる。たとえば、膨張可能部材114は、超音波撮像を用いて検出可能なエコー源性空間を規定するように、流体及び/又は造影剤で充填及び/又は膨張させることができる。膨張可能部材114を膨張させることにより、膨張可能部材の側壁の表面張力も増大させることができ、針130及び/又はガイドワイヤ122がより容易に側壁を突き刺すことができる。さらに、膨張可能部材114の膨張により、結合部材124が拡張し及び/又は配置され得るより広い内部空間をもたらすことができる。膨張可能部材114の膨張により、針130及び/又は結合部材124とともに膨張可能部材114の視覚化及び標的化のために膨張可能部材の標的サイズも増大させることができる。
【0031】
[0038] 管状部材150は、第1端部151と、第1端部151とは反対側の第2端部153とを有することができる。管状部材150は、第1端部151から第2端部153まで延在する内腔を規定することができる。いくつかの実施形態では、管状部材150は、第1端部151の近くで管状部材150の外面から延在するように構成された膨張可能部材152を含むことができる。膨張可能部材152は、患者の気管の内面に対して封止し及び/又は患者の気管内で管状部材150を安定させるように構成することができる。管状部材150の第2端部153を、換気源に結合されるように構成することができ、管状部材150の第1端部151が患者の気管内に配置されると、管状部材150を介して患者を換気することができる。いくつかの実施形態では、管状部材150は、患者の鼻又は口開口部を通して管状部材150の第1端部151を並進させることにより、患者の気管内に配置されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、管状部材150は、気管内チューブであり得る。管状部材150は、管状部材150の第1端部151に対して膨張アセンブリ110を並進させることができるように、管状部材150の内腔内に膨張アセンブリ110の少なくとも一部分を受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、管状部材150及び膨張アセンブリ110は、膨張アセンブリ110が管状部材150の内腔内に配置され、管状部材150に対して並進すると、管状部材150が患者を喚起し(たとえば、患者の気管を介して患者の肺に空気を提供し)続けることができるように構成される。たとえば、いくつかの実施形態では、膨張アセンブリ110の最外径又は横方向の広がりは、管状部材150の内径の50%以下であり得る。いくつかの実施形態では、換気回路が遮断されず、気管を通る空気圧を維持することができるように、膨張アセンブリ110は、管状部材150と並んで配置することができる。
【0032】
[0039]
図2A及び
図2Bは、患者Pの一部分の前方図及び側断面図の概略図である。
図2A及び
図2Bに示すように、患者Pは、口開口部O及び鼻開口部Sを有する。管状部材150の第1端部151等、管状部材の端部を、口開口部O又は鼻開口部Sを通して挿入し、患者Pの気管Wに並進させることができる。たとえば、管状部材150を、鼻開口部Sを通して挿入し、鼻咽頭NP、口腔咽頭Oを通して、喉頭蓋EPを通過させ、食道Eを回避して咽頭喉頭部LPを通して、喉頭Lを通して、甲状軟骨TCを通過させ、輪状軟骨Cを通して気管上部Uに入れるように並進させることができる。管状部材の端部はまた、口開口部Oを通して挿入し、口腔咽頭OPを介して気管Wまで並進させることも可能である。
【0033】
[0040] 超音波プローブ160は、患者の体内の膨張可能部材114、及び患者の皮膚と膨張可能部材114との間の任意の介在患者構造の視覚化のために構成された任意の好適な超音波プローブであり得る。たとえば、超音波プローブ160を使用して、気管Wの壁、甲状軟骨TC等の軟骨、動脈R及び/又は静脈V等の血管、咽頭神経N等の神経、甲状腺TG、甲状腺峡部TI等の甲状腺TGの一部、副甲状腺PG、及び/又は膨張可能部材114と患者の皮膚との間に配置され得る他の任意の構造若しくは組織等、任意の介在する患者組織又は患者構造を視覚化することができる。外部磁気アセンブリ140は、膨張アセンブリ110の磁気部材115を(たとえば、磁気吸引力を介して)患者組織を通して(たとえば、患者の皮膚及び気管壁を通して)外部磁気アセンブリに向かって付勢するように構成された、任意の好適な外部磁気アセンブリであり得る。
図2Cに示すように、超音波プローブ160を使用して、患者Pの他の組織又は構造に対する患者Pの体内における膨張アセンブリ110の一部分110A(たとえば、膨張可能部材114及び磁気部材115を含む膨張アセンブリ110の一部分)の位置を同定することができる。たとえば、
図2Cに示すように、膨張アセンブリ110が患者の体内に(たとえば、長尺状チューブ112(図示せず)が部分110Aから、喉頭L、咽頭喉頭部LP、口腔咽頭OPを通って口開口部Oから出るように延在して、患者の気管上部U内に)配置された状態で、外部磁気アセンブリ140を患者の外面(たとえば、患者の頸部の皮膚の前面A)に結合することができ、膨張アセンブリ110の部分110Aの磁気部材115(
図2Cには図示せず)は外部磁気アセンブリ140に向かって付勢され、膨張可能部材114は、腔の壁の表面(たとえば、気管上部Uの壁の表面)に接触する。膨張可能部材114と外部磁気アセンブリ140との間に実質的にいかなる流体(たとえば、空気)間隙も配置されないように、膨張可能部材114及び外部磁気アセンブリ140を、介在する組織及び/又は構造の両側に配置することができる。腔の壁の表面と外面とは、患者の少なくとも1つの組織表面の両側に配置することができる。腔内で膨張可能部材114を視覚化することができる。たとえば、膨張可能部材114は、エコー源性であり、超音波プローブ160を介して視覚化することができる。エコー源性部材が体腔の壁の表面に押し当てられ、エコー源性部材及びエコー源性部材と患者の外面との間のすべての組織平面を超音波により視覚化することができるこの技法は、接合超音波(Coaptive Ultrasound(CU))と称することができる。
【0034】
[0041] いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140はハンドルを含むことができる。いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140は、磁気部材115と磁気相互作用するように構成された1つの磁気素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140は、磁気部材115と磁気相互作用するように構成された任意の好適な数の磁気素子(たとえば、2つの磁気素子)を含むことができる。いくつかの実施形態では、上述したように、膨張アセンブリ110は、複数の磁気部材115(たとえば、2つの磁気部材)を含むことができ、外部磁気アセンブリ140は、対応する数の磁気素子を含むことができる。
【0035】
[0042] いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は、任意の好適なタイプの磁石から形成することができる。たとえば、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は、ネオジウム鉄ボロン(NdFeB)磁石、サマリウムコバルト(SmCo)磁石、アルミニウムニッケルコバルト(AlNiCo)磁石、セラミック磁石、フェライト磁石及び/又は他の任意の好適な希土類磁石等、永久磁石を含むことができる。いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は一時磁石を含むことができる。いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は、ソレノイド等の電磁石であり得る。いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は、配向(すなわち、北(N)極及び南(S)極)を有する磁場を発生させることができる。他の実施形態では、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は強磁性材料から形成することができ、強磁性材料は、磁化されない、すなわち、それ自体の磁場を発生させないが、外部から印加される磁場によって影響を受けることができる。たとえば、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115は、鉄又は鋼から形成することができ、外部磁場の印加により、鉄を磁場源に引き寄せて、外部磁気アセンブリ140及び/又は磁気部材115に力を加えることができる。
【0036】
[0043] 使用時、管状部材150を、患者の開口部(たとえば、患者の鼻又は口)を通して、患者の輪状軟骨を通して、患者の気管上部内に挿入することができ、管状部材150の第1端部151及び膨張可能部材152は気管上部内に配置される。たとえば、管状部材150の膨張可能部材152は、患者の第2気管軟骨輪と第3気管軟骨輪との間に配置することができる。次いで、膨張アセンブリ110の長尺状部材112の第1端部111が管状部材150の第1端部151を越えて延在するように、管状部材150の内腔を通して膨張アセンブリ110を並進させることができる。いくつかの実施形態では、術者は、管状部材150及び長尺状部材112の既知の相対的な長さ、及び/又は管状部材150若しくは長尺状部材112のうちの少なくとも一方の上のマーキングに基づいて、長尺状部材112の第1端部111が管状部材150の第1端部151を特定の距離越えて伸びるように決定することができる。
【0037】
[0044] 次いで、患者の前頸部上に外部磁気アセンブリ140を配置することができ、膨張アセンブリ110の磁気部材115が外部磁気アセンブリ140に向かって付勢され、長尺状部材112の第1端部111が気管上部の前壁と接触するように付勢される。管状部材150は、長尺状部材112の第1端部111に対して輪状軟骨に向かって並進させることができ、第1端部111は、外部磁気アセンブリ140と磁気部材115との磁気相互作用により気管上部の前壁に接して適所にあり続ける。
【0038】
[0045] 次いで、膨張内腔116を介して膨張可能部材114に流体を送達することができる。上述したように、流体は、膨張可能部材114が撮像(たとえば、超音波)を介して検出可能であるような流体及び/又は造影剤を含むことができる。次いで、膨張可能部材114の場所を同定することができるように、膨張可能部材114を(たとえば、超音波プローブ160を使用して)視覚化することができる。次いで、患者の前頸部の皮膚に沿って外部磁気アセンブリ140を移動させて、磁気部材115を所望の気管穿刺部位に向かって付勢することができる。いくつかの実施形態では、超音波プローブ160を使用して、特定の気管軟骨輪の間で(たとえば、患者の第1気管軟骨輪と第2気管軟骨輪との間で、又は患者の第2気管軟骨輪と第3気管軟骨輪との間で)気管穿刺部位を決定することができる。
【0039】
[0046] 超音波プローブ160を使用して膨張可能部材114の場所を視覚化する一方で、ガイドワイヤアセンブリ120を、患者の前頸部を貫通して患者の気管内に挿入し、膨張可能部材114と結合することができる。たとえば、針130の第1端部131(たとえば、先端)が膨張可能部材114内に配置されるように、患者の前頸部及び気管を貫通して且つ膨張可能部材114の側壁を貫通して、針130を挿入することができる。針130の挿入中、超音波プローブ160を使用して、針130、及び患者の皮膚と膨張可能部材114との間の任意の介在患者構造を視覚化することができる。たとえば、超音波プローブ160を使用して、針130の挿入中、甲状腺峡部及び近位血管を回避することができるように、患者の甲状腺峡部及び近位血管をリアルタイムに同定することができる。さらに、超音波プローブ160を使用して、針130の第1端部131が膨張可能部材114内に配置されていることを確認することができる。さらに又は別法として、膨張可能部材114から針130を介して(たとえば、シリンジバレル内に)エコー源性流体を吸引して、針130の第1端部131が膨張可能部材114内に配置されていることを確認することができる。
【0040】
[0047] 針の第1端部131が膨張可能部材114内に配置されている状態で、結合部材124とガイドワイヤ122の一部とを、針130の内腔135を通して挿入し、内腔135を通して並進させる(内腔135に押し通す)ことができる。次いで、結合部材124が膨張可能部材114内に配置されるように、結合部材124を針130の第1端部131から出るように並進させることができる。次いで、結合部材124及びガイドワイヤ122に対する針130の並進により、膨張可能部材114内の結合部材124と膨張可能部材114の壁を貫通して延在しているガイドワイヤ122とを残して、針130を患者の体内から引き抜くことができる。さらに、磁気部材115が気管前壁に向かって(たとえば、磁気吸引力を介して)付勢されなくなるように、外部磁気アセンブリ140を患者から取り除くことができる。さらに、膨張可能部材114を収縮させることができる。
【0041】
[0048] ガイドワイヤアセンブリ120が患者の前頸部を貫通して延在し膨張可能部材114に結合されている状態で、ガイドワイヤアセンブリ120と、患者の前頸部からガイドワイヤアセンブリ120が配置されている患者の気管までの経路とを使用して、任意の好適な経皮的気管切開処置を実施することができる。たとえば、長尺状部材112の第1端部111が患者の気管下部及び/又は肺に向かって移動するように、管状部材150を通して長尺状部材112を並進させることができる。したがって、ガイドワイヤアセンブリ120の結合部材124及びガイドワイヤ122は、患者の気管下部及び/又は肺に向かって並進する。次いで、たとえばCiaglia法又はGriggs法により、外部拡張を実施することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ120が膨張可能部材114から分離するのを防止するために、長尺状部材112が並進する際に患者の頸部の穿刺部位を通してガイドワイヤ122を前進させることが必要になる。
【0042】
[0049] 別の例として、ガイドワイヤアセンブリ120を使用して、経喉頭的気管切開(又はFantoni法)を実施することができる。たとえば、長尺状部材112の第1端部111が患者の開口部(たとえば、鼻又は口)を通って移動するように、管状部材150及び長尺状部材112を並進させることができる。したがって、ガイドワイヤアセンブリ120の結合部材124及びガイドワイヤ122は、患者の輪状軟骨に向かって患者の開口部を通って並進する。いくつかの実施形態では、長尺状部材112を引き抜く前に、患者の開口部を介して患者の体内から管状部材150を引き抜くことができる。次いで、ガイドワイヤにわたって気管切開チューブを、患者の口を通して、輪状軟骨を通して、気管上部内に並進させて、患者の気管壁及び前頸部を通る経路と係合させることができるように、ねじ込むことができる。
【0043】
[0050] いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの結合部材124が患者の気管内に配置され膨張可能部材114と係合していることを確認するために、長尺状部材112の第1端部111が患者の開口部(たとえば、鼻又は口)を通って移動するように、管状部材150を通して長尺状部材112を並進させることができる。したがって、ガイドワイヤアセンブリ120の結合部材124及びガイドワイヤ122は、患者の輪状軟骨に向かって且つ患者の開口部を通って又はその近くで並進する。次いで、結合部材124と膨張可能部材114との係合を確認することができる。確認の後、結合部材124が膨張可能部材114及び長尺状部材112を気管上部内に引き込むように、患者の前頸部の経路を通してガイドワイヤ122を引っ張ることができる。次いで、ガイドワイヤアセンブリ120を使用して任意の好適な経皮的気管切開を実施することができる。
【0044】
[0051]
図7は、一実施形態による方法200のフローチャートである。方法200は、上述したシステム100等、本明細書に記載するシステム又は装置のうちの任意のものを使用して実施することができる。方法200は、管状部材を、患者の開口部を通して、患者の輪状軟骨を通して、患者の気管上部内に並進させること(202)を含む。長尺状チューブの膨張可能部材及び磁気部材が、管状部材の第1端部から延在し、患者の気管上部内に配置されるように、管状部材の内腔を通して長尺状チューブの第1端部を並進させることができる(204)。患者の前頸部上に外部磁気アセンブリを配置して、長尺状チューブの磁気部材が患者の前頸部に向かって付勢され、膨張可能部材が気管上部の内面に接して配置されるようにすることができる(206)。次いで、膨張可能部材が非膨張形態から膨張形態に遷移するように、長尺状チューブの内腔を介して膨張可能部材を膨張させることができる(208)。ガイドワイヤアセンブリの結合部材を、患者の前頸部を通して患者の気管上部内に並進させることができる(210)。ガイドワイヤアセンブリは、結合部材に結合された第1端部と、患者の体外に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができ、ガイドワイヤは、患者の前頸部を通って延在する。結合部材を膨張可能部材に結合することができる(212)。
【0045】
[0052]
図3A~
図3Mは、動作のさまざまな段階にあるシステム300の概略図である。システム300は、上述したシステム100等、本明細書に記載するシステム又は装置の内の任意ものと構造及び/又は機能が同じか又は同様であり得る。たとえば、システム300は、膨張アセンブリ310、ガイドワイヤアセンブリ320及び管状部材350を含む。システム300はまた、外部磁気アセンブリ340及び超音波プローブ360も含む。膨張アセンブリ310は、長尺状チューブ312、膨張可能部材314及び磁気部材315を含むことができる。長尺状チューブ312は、第1端部311及び第2端部313を有することができる。いくつかの実施形態では、長尺状チューブ312は、少なくとも患者の口又は鼻開口部から患者の気管まで延在するのに十分な長さを有することができる。膨張可能部材314及び磁気部材315は、長尺状チューブ312の第1端部311の近くで長尺状チューブ312に結合することができる。膨張アセンブリ310は、長尺状チューブ312によって規定され且つ膨張可能部材314と流体連通している膨張内腔316を含む。ガイドワイヤアセンブリ320は、第1端部321及び第2端部323を有するガイドワイヤ322と、ガイドワイヤ322の第1端部321に配置された結合部材324とを含むことができる。管状部材350は、第1端部351と、第1端部351とは反対側の第2端部353とを有することができる。管状部材350は、第1端部351から第2端部353まで延在する内腔を規定することができ、非膨張形態から膨張形態まで遷移することができるように構成された膨張可能部材352を含むことができ、膨張形態では、膨張可能部材352は、第1端部351の近くで管状部材350の外面から延在し、患者の気管壁の内面に結合する。
【0046】
[0053]
図3Aに示すように、管状部材350を、患者Pの開口部(図示せず)(たとえば、患者の鼻又は口)を通して、患者Pの輪状軟骨Cを通して、患者Pの気管上部U内に挿入することができ、管状部材350の第1端部351及び膨張可能部材352は気管上部U内に配置される。膨張可能部材352が患者Pの輪状軟骨C内を通して挿入された後、膨張可能部材352を膨張形態に遷移させることができ、膨張可能部材352は、気管上部U内で第1端部351を固定することができ、及び/又は管状部材350の第1端部351を、気管壁の内面に対して安定させる(たとえば、軸方向移動に抵抗するようにする)ことができる。たとえば、管状部材350の膨張可能部材352は、患者Pの第2気管軟骨輪T2と第3気管軟骨輪T3との間に、又は患者Pの第1気管軟骨輪T1と第2気管軟骨輪T2との間に配置することができる。膨張可能部材352は、任意の好適な形状を有することができる。たとえば、膨張可能部材352は、膨張形態では、管状部材350の第1端部351の中心軸が気管上部Uの中心軸と同軸であり得るように、円形輪郭を有することができる。
【0047】
[0054]
図3Bに示すように、次いで、膨張アセンブリ310の長尺状部材312の第1端部311が管状部材350の第1端部351を越えて延在するように、管状部材350の内腔を通して膨張アセンブリ310を並進させることができる。いくつかの実施形態では、術者は、管状部材350及び長尺状部材312の既知の相対的な長さ、及び/又は管状部材350若しくは長尺状部材312のうちの少なくとも一方のマーキングに基づいて、長尺状部材312の第1端部311が、管状部材350の第1端部351を特定の距離越えて伸びるように決定することができる。
【0048】
[0055]
図3Cに示すように、次いで、患者前頸部Aに外部磁気アセンブリ340を配置することができ、膨張アセンブリ310の磁気部材315が外部磁気アセンブリ340に向かって付勢され、長尺状部材312の第1端部311が気管上部Uの前壁と接触するように付勢される。管状部材350を、長尺状部材312の第1端部311に対して輪状軟骨Cに向かって並進させることができ、第1端部311は、外部磁気アセンブリ340と磁気部材315との磁気吸引力によって、気管上部Uの前壁に接して適所にあり続ける。たとえば、いくつかの実施では、気管上部Uの壁の内面に沿って膨張可能部材352を引っ張ることにより、膨張可能部材352が膨張した状態で、管状部材350の第1端部351を輪状軟骨Cに向かって並進させることができる。いくつかの実施では、管状部材350の膨張可能部材352を、輪状軟骨Cに向かって並進させる前に部分的に又は完全に収縮させ、次いで、並進させた後に再度膨張させることができる。いくつかの実施では、管状部材350は、前進する前に管状部材350の第1端部351を輪状軟骨Cに向かって並進させるのではなく、輪状軟骨Cに対してその初期位置にあり続けることができる(たとえば、最初に膨張可能部材352を、輪状軟骨Cと第1気管軟骨輪T1との間で膨張させることができる)。
【0049】
[0056]
図3Dに示すように、次いで、膨張内腔316を介して(たとえば、長尺状部材312の第2端部313に結合された膨張ポートを介して)、膨張可能部材314に流体を送達することができる。上述したように、流体は、膨張可能部材314が撮像(たとえば、超音波)を介して検出可能であるような流体及び/又は造影剤を含むことができる。次いで、膨張可能部材314、及び、膨張可能部材と前頸部Aの表面との間の任意の介在組織及び他の構造を視覚化することができ、膨張可能部材314の場所を同定することができるように、患者Pの前頸部Aに超音波プローブ360を適用することができる。次いで、患者の前頸部Aの皮膚に沿って外部磁気アセンブリ340を移動させて、磁気部材315を所望の気管穿刺部位に向かって付勢することができる。いくつかの実施形態では、超音波プローブ360を使用して、特定の気管軟骨輪の間に(たとえば、患者Pの第1気管軟骨輪T1と第2気管軟骨輪T2との間に、又は患者Pの第2気管軟骨輪T2と第3気管軟骨輪T3との間で)気管穿刺部位を決定することができる。
【0050】
[0057]
図3Eに示すように、超音波プローブ360を使用して膨張可能部材314の場所を視覚化している間、患者Pの前頸部Aを通して患者の気管上部U内に針330を挿入することができる。針330が膨張可能部材314の側壁を貫通して挿入され、針330の第1端部331(たとえば、先端)が膨張可能部材314内に配置されるように、針330をさらに並進させることができる。針330の挿入中、超音波プローブ360を使用して、針330、及び患者の皮膚と膨張可能部材314との間の任意の介在患者構造を視覚化することができる。たとえば、超音波プローブ360を使用して、針330の挿入中に、患者の甲状腺峡部及び近位血管を回避することができるように、甲状腺峡部及び近位血管をリアルタイムに同定することができる。さらに、超音波プローブ360を使用して、針330の第1端部331が膨張可能部材314内に配置されていることを確認することができる。さらに又は別法として、針330の第1端部331が膨張可能部材314内に配置されていることを確認するために、針330を介して膨張可能部材314から(たとえば、シリンジバレル内に)エコー源性流体を吸引することができる。
【0051】
[0058]
図3Fに示すように、針の第1端部331が膨張可能部材314内に配置されている状態で、結合部材324及びガイドワイヤ322の一部分を、針330の内腔335を通して挿入し、内腔335を通して並進させる(たとえば、内腔335に押し通す)ことができる。次いで、結合部材324が膨張可能部材314内に配置されるように、結合部材324を針330の第1端部331から出るように並進させることができる。
【0052】
[0059]
図3Gに示すように、次いで、結合部材324及びガイドワイヤ322に対する針330の並進により、膨張可能部材314内の結合部材324と膨張可能部材314の壁を貫通して延在しているガイドワイヤ322とを残して、患者の体内から針330を引き抜くことができる。さらに、磁気部材315が気管前壁に向かって(たとえば、磁気吸引力により)付勢されなくなるように、患者から外部磁気アセンブリ340を取り除くことができる。膨張可能部材314を収縮させることができる。
【0053】
[0060] ガイドワイヤアセンブリ320が患者の前頸部を貫通して延在し膨張可能部材314に結合されている状態で、ガイドワイヤアセンブリ320と、患者の前頸部からガイドワイヤアセンブリ320が配置されている患者の気管までの経路とを使用して、任意の好適な経皮的気管切開処置を実施することができる。たとえば、
図3Hに示すように、長尺状部材312の第1端部311が患者の気管下部及び/又は肺に向かって移動するように、管状部材350を通して長尺状部材312を並進させることができる。したがって、ガイドワイヤアセンブリ320の結合部材324及びガイドワイヤ322は、患者の気管下部及び/又は肺に向かって並進する。次いで、たとえばCiaglia法又はGriggs法により、外部拡張を実施することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ320が膨張可能部材314から分離するのを防止するために、長尺状部材312が並進する際にガイドワイヤ322は患者の頸部の穿刺部位を通して前進させることが必要になる。いくつかの実施形態では、膨張可能部材314が並進するように、ガイドワイヤ322を押すことができる。
【0054】
[0061] Ciaglia法の一例として、
図3Iは、前頸部Aを通る気管上部Uまでの経路を外部から拡張させるように、ガイドワイヤ322にわたり拡張器370を前進させることができることを示す。
図3Jに示すように、外部拡張の後、ガイドワイヤ322にわたって気管切開チューブ380を、気管切開チューブ380の第1端部が気管上部U内に配置され、気管切開チューブ380の第2端部が患者Pの外側に(たとえば、患者Pの前頸部Aから延在して)配置されるように、前進させることができる。
図3Kに示すように、膨張可能部材314からガイドワイヤアセンブリ320を分離することができる。たとえば、結合部材324が膨張可能部材314から外れるようにするために十分な力を、患者Pから離れる方向にガイドワイヤアセンブリ320に加えることができる。次いで、ガイドワイヤアセンブリ320を、気管切開チューブ380を通して並進させ、患者Pの体内から取り除くことができる。気管切開チューブ380を人工呼吸器(図示せず)に結合することができ、人工呼吸器は、気管切開チューブ380を介して、患者Pの肺(図示せず)内に空気を押し込み、患者Pの肺から空気を引き出すことができる。人工呼吸器及び気管切開チューブ380の組合せを試験して、人工呼吸器が適切に、気管切開チューブ380を介して患者Pの肺内に空気を押し込み、患者Pの肺から空気を引き出していることを確実にした後、患者Pの体内から膨張アセンブリ310及び管状部材350を取り除くことができる。たとえば、管状部材350を通して長尺状部材312を近位側に並進させることができ、管状部材350が患者Pの体内に挿入された患者Pの開口部を通して、近位側の並進により、患者Pの体内から長尺状部材312及び管状部材350を逐次又は同時に取り除くことができる。たとえば、膨張可能部材352を完全に又は部分的に収縮させることができ、管状部材350を近位側に並進させることができる。
図3Lに示すように、気管切開チューブ380は、患者の前頸部A及び気管上部Uに対して適所にあり続けることができ、患者の肺への流体流アクセスを提供する。
【0055】
[0062] 別の例として、ガイドワイヤアセンブリ320を使用して、経喉頭的気管切開又はFantoni法を実施することができる。たとえば、
図3Mに示すように、患者Pの開口部(たとえば、鼻又は口)を通して患者Pの体内から管状部材350を引き抜くことができる。長尺状部材312の第1端部311が患者Pの開口部を通って移動するように、長尺状部材312を並進させることができる。したがって、ガイドワイヤアセンブリ320の結合部材324及びガイドワイヤ322は、輪状軟骨Cを通り、患者Pの開口部を通って出るように並進する。次いで、気管切開チューブを、患者の口を通り、輪状軟骨Cを通って、気管上部U内に並進させ、患者の気管壁及び前頸部Aを通る経路と係合させることができるように、ガイドワイヤにわたって気管切開チューブをねじ込むことができる。
【0056】
[0063] いくつかの実施形態では、外部磁気アセンブリ及び膨張アセンブリは、患者の組織を通して磁気相互作用するように構成された任意の好適な数の磁気素子を含むことができる。たとえば、
図4は、システム400の概略図である。システム400は、上述したシステム100及び/又はシステム300等、本明細書に記載するシステム又は装置のうちの任意のものと構造及び/又は機能が同じか又は同様であり得る。たとえば、システム400は、膨張アセンブリ410、ガイドワイヤアセンブリ420及び管状部材450を含む。システム400はまた、外部磁気アセンブリ440及び超音波プローブ460も含む。膨張アセンブリ410は、長尺状チューブ412及び膨張可能部材414を含むことができる。長尺状チューブ412は、第1端部411及び第2端部413を有することができる。いくつかの実施形態では、長尺状チューブ412は、少なくとも患者の口又は鼻開口部から患者の気管まで延在するのに十分な長さを有することができる。膨張可能部材414及び磁気部材415は、長尺状チューブ412の第1端部411の近くで長尺状チューブ412に結合することができる。膨張アセンブリ410は、長尺状チューブ412によって規定され且つ膨張可能部材414と流体連通している膨張内腔416を含む。膨張アセンブリ410はまた、第1磁気部材415A及び第2磁気部材415Bも含むことができる。ガイドワイヤアセンブリ420は、第1端部421及び第2端部423を有するガイドワイヤ422と、ガイドワイヤ422の第1端部421に配置された結合部材424とを含むことができる。管状部材450は、第1端部451と、第1端部451とは反対側の第2端部453とを有することができる。管状部材450は、第1端部451から第2端部453まで延在する内腔を規定することができ、第1端部451の近くで管状部材450の外面から延在し且つ患者の気管壁の内面に結合するように構成された、膨張可能部材452を含むことができる。
【0057】
[0064] 外部磁気アセンブリ440は、第1磁気素子442A、第2磁気素子442B及びハンドル444を含むことができる。膨張アセンブリ410の第1磁気部材415A及び第2磁気部材415Bは、第1磁気部材415Aが第1磁気素子442Aと磁気相互作用するように構成され、第2磁気部材415Bが第2磁気素子442Bと磁気相互作用するように、長尺状部材412に沿って間隔を空けて配置することができる。システム400の使用中、膨張アセンブリ410の膨張可能部材414を視覚化するために、第1磁気素子442Aと第2磁気素子442Bとの間に、超音波プローブ460を位置決めすることができる。この実施形態により、長尺状チューブ412の第1端部411の向きは、外部磁気アセンブリ440、すなわち、第1磁気素子422A及び第2磁気素子422Bの配向に一致することになるため、長尺状チューブ412の第1端部411の向きをより厳密に制御することができる。
【0058】
[0065] いくつかの実施形態では、複数の磁気部材及び/又は素子を有するのではなく、膨張アセンブリ410は、貫通孔を規定するディスク状磁気部材を含むことができ、外部磁気アセンブリ440は、貫通孔を規定するディスク状磁気素子を含むことができる。超音波プローブ460を、外部磁気アセンブリ440のディスク状磁気素子の貫通孔を通して挿入し、患者Pと接触させることができる。
【0059】
[0066] いくつかの実施形態では、上述したように、長尺状チューブの第1端部に又はその近くに光源を配置することができ、光が通過して放出される患者の表面上の場所によって、患者の体内の長尺状チューブの第1端部の場所を同定することができる。たとえば、
図5は、システム500の概略図である。システム500は、上述したシステム100及び/又はシステム300等、本明細書に記載するシステム又は装置のうちの任意のものと構造及び/又は機能が同じか又は同様であり得る。たとえば、システム500は、膨張アセンブリ510及び管状部材550を含む。膨張アセンブリ510は、長尺状チューブ512及び膨張可能部材514を含むことができる。長尺状チューブ512は、第1端部511及び第2端部513を有することができる。いくつかの実施形態では、長尺状チューブ512は、少なくとも患者の口又は鼻開口部から患者の気管まで延在するのに十分な長さを有することができる。膨張可能部材514及び磁気部材515は、長尺状チューブ512の第1端部511の近くで長尺状チューブ512に結合することができる。膨張アセンブリ510は、長尺状チューブ512によって規定され且つ膨張可能部材514と流体連通している膨張内腔516を含む。管状部材550は、第1端部551と、第1端部551とは反対側の第2端部553とを有することができる。管状部材550は、第1端部551から第2端部553まで延在する内腔を規定することができ、第1端部551の近くで管状部材550の外面から延在し且つ患者の気管壁の内面に結合するように構成された、膨張可能部材552を含むことができる。
【0060】
[0067]
図5に示すように、光源518は、長尺状チューブ512の第1端部511に又はその近くに配置することができる。光源は、光源から、気管壁を通して、前頸部Aの表面に放出され、術者(たとえば、臨床医)に可視であり得るような、十分な光を生成することができる。したがって、術者は、少なくとも一部には、患者Pの前頸部Aを通して放出される光の場所に基づいて、長尺状チューブ512の第1端部511の場所を決定することができる。光源518は、たとえば、発光ダイオード(LED)であり得る。
【0061】
[0068] いくつかの実施形態では、
図1に関して上述したように、膨張アセンブリは、針が患者の気管後壁を穿刺するのを防止するバリア部材を含むことができる。たとえば、
図6は、システム600の概略図である。システム600は、上述したシステム100及び/又はシステム300等、本明細書に記載するシステム又は装置のうちの任意のものと構造及び/又は機能が同じか又は同様であり得る。たとえば、システム600は、膨張アセンブリ660を含む。システム600はまた、外部磁気アセンブリ640、超音波プローブ660及び針630も含む。膨張アセンブリ610は、長尺状チューブ612及び膨張可能部材614を含むことができる。長尺状チューブ612は、第1端部611及び第2端部(図示せず)を有することができる。いくつかの実施形態では、長尺状チューブ612は、少なくとも患者の口又は鼻開口部から患者の気管まで延在するのに十分な長さを有することができる。膨張可能部材614及び磁気部材615は、長尺状チューブ612の第1端部611の近くで長尺状チューブ612に結合することができる。膨張アセンブリ610は、長尺状チューブ612によって規定され且つ膨張可能部材614と流体連通している膨張内腔を含む。
【0062】
[0069]
図6に示すように、膨張可能部材614の側壁にバリア部材695を結合することができ、又は、バリア部材695が側壁の一部分を形成することができる。バリア部材695は、
図1に関して上述したバリア部材195と構造及び/又は機能が同じか又は同様であり得る。たとえば、バリア部材195は、膨張可能部材614の外面の形状に対応する形状を有することができる。バリア部材195は、針630を突き刺すように意図された膨張可能部材614の部分と患者Pの気管後壁との間に配置されるように構成することができる。さらに、
図6に示すように、針630が、外部磁気アセンブリ640によって膨張アセンブリ610の磁気部材615に(たとえば、患者Pの前頸部A及び気管壁を通して)加える磁気吸引力より大きい力を、バリア部材695に加える場合、針630がバリア部材695を突き刺し及び/又はバリア部材695を貫通するのではなく、バリア部材695を患者Pの気管後壁に向かって付勢し、したがって、磁気部材615を患者Pの気管前壁から離れるように付勢することができるように、バリア部材695は、突刺し及び/又は引裂きに対して十分耐性があり得る。したがって、外部磁気アセンブリが磁気部材615を磁気吸引力により前頸部Aに向かって付勢する間に、針630がバリア部材695に対して付勢されるとき、膨張可能部材614の外面と患者Pの気管前壁の内面との間に、間隙Gが存在し得る。バリア部材695に対する後方向における針630の力が除去されるか又は低減すると、外部磁気アセンブリ640の磁気吸引力により、磁気部材615を前頸部Aに向かって再度付勢することができる。
【0063】
[0070] いくつかの実施では、バリア部材695は、膨張可能部材614の内側に配置し、膨張可能部材614の側壁の内面に結合することができる。いくつかの実施では、バリア部材695は、膨張可能部材614の外側に配置し、膨張可能部材614の側壁の外面に結合することができる。いくつかの実施では、膨張可能部材614は、部分的にバリア部材695から形成することができる。たとえば、膨張可能部材614は、第1側壁部分と第1側壁部分とは反対側の第2側壁部分とを含むことができる。第1側壁部分は、針630を貫通して受け入れるように構成することができ、第2側壁部分は、第1側壁部分より、針630を突き刺すことに対して耐性があるように構成することができる。たとえば、第2側壁部分は、第1側壁部分より大きい厚さを有し、及び/又は第1側壁部分より高い硬度を有することができる。
【0064】
[0071] さらに、いくつかの実施では、バリア部材695は、膨張アセンブリ610の他の部分(たとえば、膨張可能部材614及び/又は膨張可能部材614の内部)及び/又は患者Pの周囲の部分より、超音波によってより容易に視覚化することができるように、高いエコー輝度を有することができる。エコー輝度が高いことにより、術者は、超音波撮像を介してバリア部材695の場所を同定し、針がバリア部材195に達する前に又は針がバリア部材695を貫通する前に針630の並進を停止することができ、針630が、膨張可能部材614及び/又は患者の気管に対して過度に前進し、患者の気管後壁に損傷を与えるのを、防止することができる。
【0065】
[0072] いくつかの実施では、バリア部材695は、患者の組織を突き刺すために使用される針(たとえば、針630)による突刺しに対する耐性が高く及び/又はエコー輝度が高い任意の好適な材料から形成することができる。たとえば、バリア部材695は、ポリマー又は金属複合材から形成することができる。いくつかの実施では、バリア部材695は、膨張可能部材614の側壁の厚化した又は強化された部分を含むことができる。バリア部材695は、膨張可能部材614又は膨張可能部材614の残りの部分の硬度に対して高い硬度(たとえば、引掻き硬度及び/又は押込み硬度)を有することができる。
【0066】
[0073] さまざまな実施形態について上述したが、それらは、限定としてではなく、単に例として提示されていることが理解されるべきである。上述した方法は、ある特定の順序で発生しているいくつかの事象を示すが、いくつかの事象の順序は変更することができる。さらに、事象のうちのいくつかは、上述したように逐次実施することができるとともに、可能な場合は並列プロセスで同時に実施することができる。
【0067】
[0074] 上述した概略図及び/又は実施形態は、いくつかの向き又は位置で配置されたいくつかの構成要素を示すが、構成要素の配置は変更することができる。実施形態を特に示し記載しているが、形態及び詳細のさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。本明細書に記載した装置及び/又は方法の任意の部分を、相互に排他的な組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書に記載した実施形態は、記載した異なる実施形態の機能、構成要素及び/又は特徴のさまざまな組合せ及び/又はサブコンビネーションを含むことができる。