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特許7421543水と風味付け飲料を分配する液体ディスペンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】水と風味付け飲料を分配する液体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/07 20060101AFI20240117BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B67D1/07
A47J31/46
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021503839
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 IB2019056173
(87)【国際公開番号】W WO2020021412
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】16/042,751
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522342617
【氏名又は名称】ディーエス サービシズ オブ アメリカ,インク.
(73)【特許権者】
【識別番号】522342628
【氏名又は名称】クリスタル マウンテン インターナショナル リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン・フィリップ エイ
(72)【発明者】
【氏名】リバード・デニス ローリエ
(72)【発明者】
【氏名】スミス・アンドリュー
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-530914(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0125586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/07
A47J 31/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と風味付け飲料を分配する液体ディスペンサであって、前記液体ディスペンサは、
(a)水吐出アセンブリ、風味付け飲料吐出アセンブリ、及びメイン貯水器からなり、前記液体ディスペンサはさらに水吐出アセンブリの少なくとも一部分と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部分と、メイン貯水器を収納するメインハウジングとを含み、
(b)前記風味付け飲料吐出アセンブリは一人前分量の風味付け飲料を吐出するためのポッドを受け取るポッド受け取り部材を有し、及び
(c)前記風味付け飲料吐出アセンブリは前記メインハウジングにラッチされた位置から上方に取り外し可能とされ、前記風味付け飲料吐出アセンブリが交換され又は消毒される、
ことを特徴とする液体ディスペンサ。
【請求項2】
(a)前記水吐出アセンブリが前記メインハウジングから取り外し可能とされ、前記水吐出アセンブリが交換され又は消毒されることを特徴とする請求項1に記載の液体ディスペンサ。
【請求項3】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリはさらに給水口と風味付け飲料を吐出する排出口を備え、前記メインハウジングから前記風味付け飲料吐出アセンブリが取り外されると、前記ポッド受け取り部材、風味付け飲料を吐出する前記排出口、及び前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記給水口が単一のユニットとして取り外されることを特徴とする請求項2に記載の液体ディスペンサ。
【請求項4】
(a)風味付け飲料を吐出する前記排出口の少なくとも一部分が前記メインハウジングの外側に配置され、
(b)前記水吐出アセンブリは水を吐出するための水排出口を含み、前記水排出口が風味付け飲料を吐出する前記排出口から離間されていることを特徴とする請求項3に記載の液体ディスペンサ。
【請求項5】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリは前記ポッド受け取り部材を収容するためのハウジングを含み、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングは開放位置と閉鎖位置との間を移動可能なカバーを含み、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記カバーが開放位置にあるとき、一人前分量の風味付け飲料を吐出するポッドが前記ポッド受け取り部材から取り外し又は挿入され、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングの前記カバーが前記液体ディスペンサの前記メインハウジングの外側に配置され、
(c)前記メインハウジングは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能なメインハウジングカバーを含み、前記メインハウジングカバーが前記開放位置にあるとき、個人が前記風味付け飲料吐出アセンブリ及び前記水吐出アセンブリにアクセス及び取り外しができることを特徴とする請求項4に記載の液体ディスペンサ。
【請求項6】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングは、枢動ラッチを受け取るための少なくとも1つのラッチ受け取り部を含み、枢動ラッチは、前記枢動ラッチの一部が前記風味付け飲料吐出アセンブリの取り外しを防止するために前記少なくとも1つのラッチ受け取り部内に延びるロック位置と、前記駆動ラッチのどの部分も前記風味付け飲料吐出アセンブリの取り外しを可能にするために前記少なくとも1つのラッチ受け取り部に延在しない非ロック位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の液体ディスペンサ。
【請求項7】
さらに、(a)前記水吐出アセンブリ内の水を前記風味付け飲料吐出アセンブリに運ぶために、前記水吐出アセンブリを前記風味付け飲料吐出アセンブリに接続させる少なくとも1つの導管を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の液体ディスペンサ。
【請求項8】
さらに、(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリに温水を送るための前記少なくとも1つの導管に接続される発熱体を含むことを特徴とする請求項7に記載の液体ディスペンサ。
【請求項9】
水と風味付け飲料を分配するための液体ディスペンサであって、前記液体ディスペンサは
(a)水吐出アセンブリ、風味付け飲料吐出アセンブリ及び貯水器からなり、前記液体ディスペンサは、さらに水吐出アセンブリの少なくとも一部分と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部分と、貯水器を収納するためのメインハウジングとを含み、
(b)前記風味付け飲料吐出アセンブリは、前記メインハウジングにラッチされた位置から上方に取り外し可能で、前記風味付け飲料吐出アセンブリの交換又は消毒を可能とし、
(c)前記水吐出アセンブリは、前記メインハウジングから取り外し可能で、前記水吐出アセンブリの交換又は消毒を可能とし、
(d)前記水吐出アセンブリは、前記貯水器に接続されて前記貯水器から水を受け取り、前記風味付け飲料吐出アセンブリは前記水吐出アセンブリに接続されて前記水吐出アセンブリから水を受け取る、
ことを特徴とする液体ディスペンサ。
【請求項10】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリは、一人前分量の風味付け飲料を吐出するポッドを受け取るためのポッド受け取り部材を含み、さらに、前記風味付け飲料吐出アセンブリは風味付け飲料を吐出するための給水口及び排出口を含み、前記風味付け飲料吐出アセンブリが前記メインハウジングから取り外されると、前記ポッド受け取り部材、 風味付け飲料を吐出するための前記排出口及び前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記給水口は、単一のユニットとして前記メインハウジングから取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の液体ディスペンサ。
【請求項11】
(a)風味付け飲料を吐出するための前記排出口の少なくとも一部が、前記メインハウジングの外側に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の液体ディスペンサ。
【請求項12】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリは前記ポッド受け取り部材を収容するためのハウジングを含み、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングは開放位置と閉鎖位置との間を移動可能なカバーを含み、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングの前記カバーが開放位置にあるとき、一人前分量の風味付け飲料を吐出するポッドが前記ポッド受け取り部材から取り外し又は挿入され、前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記ハウジングの前記カバーが前記メインハウジングの外側に配置され、
(c)前記メインハウジングは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な液体ディスペンサカバーを含み、前記液体ディスペンサカバーが前記開放位置にあるとき、個人が前記風味付け飲料吐出アセンブリ及び前記水吐出アセンブリにアクセス及び取り外しができることを特徴とする請求項11に記載の液体ディスペンサ。
【請求項13】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリの前記メインハウジングが、ロック部材を受け取るための少なくとも1つのロック部分を含み、ロック部材は、前記ロック部材の一部が前記風味付け飲料吐出アセンブリの取り外しを防止するために前記少なくとも1つのロック部分に接続されるロック位置と前記ロック部材のどの部分も前記風味付け飲料吐出アセンブリの取り外しを可能にするために前記少なくとも1つのロック部分に接続されていない非ロック位置との間で移動可能とされていることを特徴とする請求項12に記載の液体ディスペンサ。
【請求項14】
さらに、(a)前記水吐出アセンブリ内の水を前記風味付け飲料吐出アセンブリに運ぶために、前記水吐出アセンブリを前記風味付け飲料吐出アセンブリに接続させる少なくとも1つの導管を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の液体ディスペンサ。
【請求項15】
さらに、(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリに加熱水を送るための前記少なくとも1つの導管に接続される発熱体を含むことを特徴とする請求項14に記載の液体ディスペンサ。
【請求項16】
水と風味付け飲料を分配するための液体ディスペンサであって、前記液体ディスペンサは、
(a)水吐出アセンブリ、風味付け飲料吐出アセンブリ及び貯水器と、さらに前記液体ディスペンサは、水吐出アセンブリの少なくとも一部分と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部分と、貯水器を収納するためのメインハウジングとを含み、
(b)前記貯水器から前記水吐出アセンブリ及び前記風味付け飲料アセンブリに水を汲み上げるための単一のウォーターポンプと、
(c)前記単一のウォーターポンプに動作可能に接続されて、前記水吐出アセンブリによって吐出される前記液体から排出される水よりも低い圧力で前記風味付け飲料吐出アセンブリに水を供給する制御システムと
を含むことを特徴とする液体ディスペンサ。
【請求項17】
(a)前記風味付け飲料吐出アセンブリに水を供給するとき、前記制御システムは、前記単一ウォーターポンプが作動しているオンサイクルと前記単一ウォーターポンプが作動していないオフサイクルとの間で前記単一ウォーターポンプを循環させるように構成され、
(b)前記オンサイクルの間、前記制御システムは、電子パルス幅変調器を使用して、前記風味付け飲料吐出アセンブリに供給される水の圧力をさらに下げるように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の液体ディスペンサ。
【請求項18】
(a)上記のオンサイクルは2秒であり、上記のオフサイクルは3秒であることを特徴とする請求項17に記載の液体ディスペンサ。
【請求項19】
(a)前記水吐出アセンブリは、前記メインハウジングから取り外し可能で、前記水吐出アセンブリを交換又は消毒することができ、
(b)前記風味付け飲料吐出アセンブリは、前記メインウジングから取り外し可能で、前記風味付け飲料吐出アセンブリを交換又は消毒することができ、且つ、前記風味付け飲料吐出アセンブリが一人前分量の風味付け飲料を吐出するためのポッドを受け取るポッド受け取り部材を含んでいることを特徴とする請求項18に記載の液体ディスペンサ。
【請求項20】
さらに、(a)前記水吐出アセンブリ内の水を前記風味付け飲料吐出アセンブリに運ぶために、前記水吐出アセンブリを前記風味付け飲料吐出アセンブリに接続させる少なくとも1つの導管を含んでいることを特徴とする請求項19に記載の液体ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水と風味付け飲料を分配するディスペンス装置に関する。ディスペンス装置は、冷たい飲料水、温かい飲料水、及び/又は常温の飲料水を吐出することができる。ディスペンス装置は、冷たい、常温の、及び/又は温かい風味付け飲料を吐出することができる。風味付け飲料は、コーヒー、紅茶、ホットチョコレート又は他の風味付け飲料であってもよい。ディスペンス装置は、直立方向のディスペンス装置のハウジングの下部に格納される交換可能な5ガロンのウォーターボトルを含んでいてもよく、すなわち、交換可能な5ガロンのウォーターボトルの排出口はその底部の上に設けられている。その最も好ましい形態では、本発明は、冷やされた飲料水及びホットコーヒー又は別の温かい風味付け飲料を分配するための液体ディスペンス装置に関する。しかし、内部水源(例えば、5ガロンのウォーターボトル)の代わりに、ディスペンス装置をディスペンス装置外部の水源に接続することができる。例えば、ディスペンス装置は、建物構造(例えば、家、オフィスビル、ホテルなど)の水システムに接続することができる。この際、ディスペンス装置は、フィルタシステムを備えて、ディスペンス装置のハウジングの内部に配置させ、ディスペンス装置から分配される水の品質を保証するようにしてもよい。
【背景技術】
【0002】
既存のウォーターディスペンサは、ウォーターディスペンサから水を吐出するための駆動力として重力を使用する。このタイプのウォーターディスペンサでは、ウォーターボトルは吐出位置より上に配置される。これらのディスペンサは、「トップローディング式」ウォーターディスペンサと呼ばれる。トップローディング式ウォーターディスペンサは、通常、ウォーターディスペンサの最上部に5ガロンのウォーターボトルを受け入れるための手段を備えている。5ガロンのウォーターボトルは非常に重いため、冷水器の最上部にウォーターボトルを取り付けるのが難しい人もいる。トップローディング式ウォーターディスペンサは、通常、人が飲用する水を吐出する。従って、ウォーターディスペンサの水との接触面を定期的に洗浄することが重要である。洗浄工程は、一般には、「消毒」として知られている。米国特許第5,361,942号及び第5,439,145号は、消毒工程を改善するように設計されたトップローディング式ウォーターディスペンサを開示している。エバック リミティッド(Ebac Limited)は、取り外し可能なマニホールドユニット、リザーバ、及び関連するプラスチック管又はゴム管を含み、米国特許第5,361,942号及び第5,439,145号に開示された機能の少なくとも幾つかを利用して消毒工程が改善されるよう設計されたトップローディング式ウォーターディスペンサを販売している。この取り外し可能なアセンブリは、エバック リミティッド(Ebac Limited)の商標である「WATERTRAIL」を附して販売されている。
【0003】
トップローディング式ウォーターディスペンサの問題点を克服するために、ウォーターボトルをウォーターディスペンサの下部に格納するウォーターディスペンサが提案されている。これらのシステムは、飲料水を吐出するために重力に頼ることができないので、一般にはポンプを使用して、飲料水をウォーターボトルの上方に位置する吐出位置まで汲み上げている。本明細書では、これらのウォーターディスペンサを「ボトムローディング式」ウォーターディスペンサと呼ぶ。このようなウォーターディスペンサの例は、米国特許公開第2005/0072813号に開示されている。ボトムローディング式ウォーターディスペンサは、トップローディング式ウォーターディスペンサに関連するウォーターボトルの設置問題に対処している。しかし、ボトムローディング式ウォーターディスペンサは、トップローディング式ウォーターディスペンサに比べて、水に接触する部品が大幅に多く、そのため、有効な消毒は難しいという問題があった。エバック リミティッド(Ebac Limited)は、消毒を容易にするために、取り外し可能なアセンブリ「WATERTRAIL」を備えた商標「EASYLOADER」を附したボトムローディング式ウォーターディスペンサを販売している。しかし、このウォーターディスペンサは生産コストが高く、商業的には成功していない。
【0004】
米国特許第8,887,955号及び第9,527,714号に開示されるボトムローディング式液体ディスペンサは、洗浄又は交換のために簡単且つ容易に取り外すことができる取り外し可能な液体輸送アセンブリを含み多くの有利な機能を有している。トップローディング式液体ディスペンサ及びボトムローディング式液体ディスペンサは、共に、様々な温度で水を吐出するように設計されているが、ディスペンサから風味付け飲料を吐出することはできない。以前に「AQUACAFE r」という商標を附して販売されていた液体ディスペンサは、水とコーヒーの両方を吐出するように設計されていた。しかし、この液体ディスペンサは、コーヒー吐出アセンブリ及び水吐出アセンブリを容易に取り外して、洗浄及び/又は交換することができないなどの多くの固有の欠点を有している。
【0005】
従って、水と1つ以上の風味付け飲料の両方を吐出する改良された液体ディスペンサの必要性が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】USP5,361,942
【文献】USP5,439,145
【文献】米国公開2005/0072813
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、水と風味付け飲料を分配するための、新規で且つ自明でない液体ディスペンサを提供することにある。
【0008】
本発明の好ましい実施形態の他の目的は、利用者が洗浄又は交換するために、容易に取り外すことができるように構成された風味付け飲料吐出アセンブリを備えている液体ディスペンサを提供することにある。
【0009】
本発明の好ましい実施形態の他の目的は、風味付け飲料吐出アセンブリを洗浄又は交換できるように、水及び/又は風味付け飲料と接触する風味付け飲料吐出アセンブリの全ての部品が液体ディスペンサのハウジングから容易に取り外し可能に構成されている、風味付け飲料吐出アセンブリを備えた液体ディスペンサを提供することにある。
【0010】
本発明の好ましい実施形態のさらに別の目的は、風味付け飲料吐出アセンブリ及び水吐出アセンブリの洗浄又は交換できるように液体ディスペンサのハウジングから容易に取り外せるように構成されている、取り外し可能な水吐出アセンブリ及び取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリを備えた液体ディスペンサを提供することにある。
【0011】
本発明の好ましい実施形態のさらなる目的は、取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリが取り外し可能な水吐出アセンブリに接続されて、取り外し可能な水吐出アセンブリから水を受け取るように構成されている取り外し可能な水吐出アセンブリ及び取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリを備えた液体ディスペンサを提供することにある。
【0012】
本発明の好ましい実施形態のさらに別の目的は、水吐出アセンブリ及び風味付け飲料吐出アセンブリの効果的な消毒及び/又は交換を可能にしながら、比較的安価に作成される取り外し可能な水吐出アセンブリ及び風味付け飲料吐出アセンブリを提供することにある。
【0013】
本発明の好ましい実施形態のさらなる目的は、水吐出アセンブリ、風味付け吐出アセンブリ、単一のウォーターポンプ、及び制御システム、及び/又は他の機能(例えば、電圧低減器)を備え、水吐出アセンブリを介して液体ディスペンサから排出される水よりも低い圧力で風味付け飲料吐出アセンブリに水を供給するように構成された液体ディスペンサを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の好ましい実施形態のさらなる目的は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能なメインハウジングカバーを有するメインハウジングと、水吐出アセンブリと、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能なカバーを有する取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリとを有する液体ディスペンサであって、メインハウジングカバーが開放位置にあるとき、取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリがメインハウジングから容易に取り外すことができ、取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリのカバーが開放位置にあってメインハウジングカバーが閉鎖位置にあるとき、一人前分量の風味付け飲料ポッドを取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリに容易に取り外したり挿入したりすることができるが、取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリはメインハウジングから取り外すことができないように構成された液体ディスペンサを提供することにある。
【0015】
本発明の一実施形態は、本発明の上述した目的のすべてを含む必要はないことを理解しなければならない。むしろ、所与の実施形態は、上述した目的の1つを含むか、或いは1つも含まなくてもよい。従って、これらの目的は、本発明の特許請求の範囲を限定するために使用されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
要約すると、本発明の1つの好ましい実施形態は、水及び風味付け飲料を分配するための液体ディスペンサに向けられる。液体ディスペンサは、水吐出アセンブリと、風味付け飲料吐出アセンブリと、メイン貯水器とを含んでいる。液体ディスペンサはさらに、水吐出アセンブリの少なくとも一部と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部とメイン貯水器を格納するためのメインハウジングを含む。風味付け飲料吐出アセンブリは、一人前分量の風味付け飲料を吐出するためのポッドを受け取るためのポッド受け取り部材を備えている。前記風味付け飲料吐出アセンブリは、前記風味付け飲料吐出アセンブリを交換又は消毒することができるように前記メインハウジングにラッチされた位置から上方に取り外し可能となっている。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態は、水及び風味付け飲料を分配するための液体ディスペンサに向けられる。液体ディスペンサは、水吐出アセンブリと、風味付け飲料吐出アセンブリと、貯水器とを含んでいる。液体ディスペンサはさらに、水吐出アセンブリの少なくとも一部と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部と、貯水器とを格納するためのメインハウジングを含む。風味付け飲料吐出アセンブリは、交換又は消毒することができるように前記メインハウジングにラッチされた位置から上方に取り外し可能となっている。前記水吐出アセンブリは、交換又は消毒することができるように前記メインハウジングから取り外し可能となっている。水吐出アセンブリは貯水器に接続されて、貯水器から水を受け取る。風味付け飲料吐出アセンブリは水吐出アセンブリに接続されて、水吐出アセンブリから水を受け取る。
【0018】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、水及び風味付け飲料を分配する液体ディスペンサに向けられる。液体ディスペンサは、水吐出アセンブリと、風味付け飲料吐出アセンブリと、貯水器とを含んでいる。液体ディスペンサはさらに、水吐出アセンブリの少なくとも一部と、風味付け飲料吐出アセンブリの少なくとも一部と、貯水器とを格納するためのメインハウジングを含む。貯水器から水吐出アセンブリ及び風味付け飲料アセンブリに水を汲み上げるための単一のウォーターポンプをさらに含んでいる。制御システムは、前記単一のウォーターポンプに接続され、前記水吐出アセンブリによって前記液体ディスペンサから排出される水よりも低い圧力で前記風味付け飲料吐出アセンブリに水を供給する。
【0019】
上述した本発明の好ましい実施形態は、本発明の好ましい実施形態の様々な例を提供するものであり、本発明を上述したいずれかの好ましい実施形態に限定するものとして解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態に従って形成された液体ディスペンサの斜視図である。
図1A図1Aは、図1に描かれた液体ディスペンサの部分斜視図であり、下側の前面パネル部を上向きにスライドさせて、交換可能な5ガロンのウォーターボトルを明らかにしている。
図2図2は、取り外し可能な風味付け飲料アセンブリのカバーが開いた位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図3図3は、図1に示された液体ディスペンサのコントロールパネルの拡大図である。
図4図4は、取り外し可能な風味付け飲料アセンブリのカバーが閉じた位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図5図5は、第2のカップ支持体が収納位置に示されている、図4に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図6図6は、液体ディスペンサのカバーが開放位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図7図7は、液体ディスペンサのカバーが別の視点からみた開放位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図8図8は、液体ディスペンサのカバーが開放位置にあり、且つ、液体ディスペンサのカバーと、風味付け飲料吐出アセンブリ用のロック部材がロックされた位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図9図9は、液体ディスペンサのカバーが開放位置にあり、且つ、風味付け飲料吐出アセンブリのロック部材がロックされていない位置にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図10図10は、液体ディスペンサのカバーが開放位置にあり、且つ、風味付け飲料吐出アセンブリが液体ディスペンサから取り外された状態にある、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図11図11は、様々な内部構成要素がより容易に見えるようにその一部が取り除かれている、図1に描かれた液体ディスペンサの拡大部分斜視図である。
図12図12は、図11と同様の拡大部分斜視図である。
図13図13は、風味付け飲料吐出アセンブリのカバーが開放位置にある風味付け飲料吐出アセンブリの好ましい形態の拡大斜視図である。
図14図14は、本発明の好ましい実施形態の概略図である。
図15図15は、本発明の好ましい実施形態の別の概略図であり、破線は、液体ディスペンサのメインハウジングから容易に取り外すことができる構成要素を示す。
図16図16は、取り外し可能な水吐出アセンブリの多くの実施形態の1つの拡大部分断面図である。
図17図17は、取り外し可能な水吐出アセンブリ及び水吐出アセンブリを取り外し可能で交換可能な貯水器に接続するための関連部品の断面図である。
図18図18は、取り外し可能な水吐出アセンブリのためのウォーターマニホールドの多くの形態の1つの透視図である。
図19図19は、取り外し可能な水吐出アセンブリのためのウォーターマニホールドの多くの形態の1つの透視図である。
図20図20は、取り外し可能な水吐出アセンブリのためのウォーターマニホールドの多くの形態の1つの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態を、次に、図1から図20を参照して説明する。添付の特許請求の範囲は、好ましい実施形態に限定されるものではなく、本明細書で使用されるいかなる用語及び語句も、明示的に別段の記載がない限り、その通常の意味以外の意味を付与するものではない。
【0022】
図1~20)
図1から図20を参照して、本発明の好ましい形態を用いた液体ディスペンサAが多くの可能性がある構成の1つで例示されている。最も好ましい実施形態では、液体ディスペンサAは、人が飲用する水と風味付け飲料を分配する。液体ディスペンサAによって分配される水及び風味付け飲料は、冷たい、常温の及び/又は温かいものであってもよい。風味付け飲料は、コーヒー、紅茶及び/又はホットチョコレートを含み、これらに限定されない。
【0023】
液体ディスペンサAは、液体ディスペンサの構成機器を収容するための実質的に中空の内部キャビティを有するメインハウジングBと、液体吐出箇所Cと、貯液器Eを直立状態に受け入れて収納するためにメインハウジングBの下部部分Dに形成された中空の貯液器部1(例えば図1A参照)とを含む。メインハウジングBの下部部分の1つ又は複数の部分は、個人が貯液器Eにアクセスしたり、取り外したり、交換したりできるように、取り外し可能又は移動可能であってもよい(例えば、貯液器Eへのアクセスを可能にするために上方にスライド可能な下部前面パネルを示す、図1Aを参照)。
【0024】
液体ディスペンサAはさらに、メインハウジングBの後部に枢動可能に接続されたカバーFを含む。任意の適切なラッチ機構は、カバーFが、例えば図1に示される閉鎖ラッチ位置と、例えば図6に示される開放ラッチ解除位置との間で移動できるように、カバーFの前方端部がメインハウジングBの対応する前方端部に固定及び解放されるように用いてもよい。
【0025】
貯液器Eは、好ましくは、直立状態に配向された交換可能な5ガロンのウォーターボトルである。しかし、水の供給源は、メインハウジングBの上部に取り付けられた倒立式の水源(例えば、倒立式の交換可能な5ガロンのウォーターボトル)又はメインハウジングBの外部の水源を含むがこれらに限定されないことを理解されたい。
【0026】
例えば、図1及び図2を参照すると、上部/第2のカップ支持部材Gは、下部/第1のカップ支持部材及びドレイン/ドリップトレイH上方のメインハウジングB外部の前面に着脱可能及び/又は枢動可能に接続されている。複数のフランジ/リップ/ポケットがメインハウジングB外部の前面に上下に形成され、カップ支持部材G用に複数の任意の高さ位置に設けられている。同様に、カップ支持部材Gは、好ましくは、メインハウジングB外部の前面に形成されたフランジ/リップ/ポケットと嵌合する相補的な構造を有している。カップ支持部材Gは、カップ支持部材Gが操作位置(例えば、図1参照)と収納位置(例えば、図2参照)との間で移動することができるように、メインハウジングB外部の前面に枢動可能に又は他の方法で接続されてもよい。
【0027】
カップ支持部材Gは、好ましくは、均一に間隔をあけた複数の開口部2を含み、部材Gに取り付けたカップを充填する間に、こぼれた液体が、カップ支持ドレイン部Hに形成された1つ以上の開口部4を通って、カップ支持ドレイン部Hの本体6に形成された中空の内部キャビティに回収されるようになっている。同様に、カップがカップ支持ドレイン部Hの上面に装着されている間、こぼれた液体は、開口部4から本体6に形成された中空の内部キャビティに導かれて回収されることになる。本体6は、メインハウジングBから取り外し可能にすることにより、内部キャビティに回収された液体を空にしてもよい。あるいは、本体6は、本体6内に回収された液体を空にできるドレインを備えてもよい。
【0028】
液体ディスペンサAは、さらに好ましくは、以下でより詳細に説明するように、貯液器Eに操作可能に接続された水吐出アセンブリIと風味付け飲料吐出アセンブリJを含む。水吐出アセンブリI及び風味付け飲料吐出アセンブリJは、好ましくは、メインハウジングBから単独で取り外し可能であって、いずれか又は両方の吐出アセンブリが交換、取り外し及び消毒、又は他の方法での洗浄ができるようになっている。
【0029】
水吐出アセンブリIは、米国特許第8,887,955号及び/又は第9,527,714号に開示される液体輸送アセンブリのいずれかの形態をとり得る。しかし、水吐出アセンブリIは、非着脱可能な水吐出アセンブリを含むが、これに限定されず多くの他の形態を取ってもよい。
【0030】
例えば、図14図15及び図17から図20を参照すると、取り外し可能な水吐出アセンブリIは、好ましくは、取り外し可能な液体輸送/マニホールドアセンブリ7を含んでいる。取り外し可能な液体輸送/マニホールドアセンブリ7は、米国特許第8,887,955号及び/又は第9,527,714号に開示されるように、実質的に剛性のある液体マニホールド10に取り外し可能に接続された実質的に剛性のある導管ハウジング8を含み、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。導管ハウジング8及びマニホールド10は、プラスチックを含む任意の適切な材料から形成してもよい。導管ハウジング8を液体マニホールド10に取り外し可能に固定するために、任意の適切な締結具を使用してもよい。さらに、導管ハウジング8は、液体マニホールド10に恒久的に固定されてもよく、又は液体マニホールド10と一体に形成されてもよい。
【0031】
導管ハウジング8は、好ましくは、冷水吐出/ピンチチューブ12及び吐出ノズル14を収容する。最も好ましい実施形態では、ピンチチューブ12及び吐出ノズル14は、シリコンゴムの単一ピースから形成される。しかし、ピンチチューブ12及び吐出ノズル14は、液密状に接続される別個のピースから形成してもよい。
【0032】
液体マニホールド10は、例えば、図14から図20を参照すると、下部チャンバ16、17、上部チャンバ18及び小さなベントホール20を含んでいる。液体マニホールド10はさらに、内ネジ式カラー22及び第2の吐出口24を含む。下部チャンバ16は、好ましくは、例えば図19にみられるように、下部チャンバ17よりも小さい。
【0033】
カバープレート19は、例えば、図20にみられるように、下部チャンバ16と下部チャンバ17を分離している。カバープレート19に形成された開口部21は、液体が下部チャンバ16から下部チャンバ17に通過することを可能にする。下部チャンバ17と上部チャンバ18は、壁部23を共有する。さらに、壁部23は、上部チャンバ18の最下部を形成している。
【0034】
取り外し可能な液体輸送/マニホールドアセンブリ7は、例えば、図16にみられるように、さらに、カラー22の内ネジに対応する外ネジを備えたネック部分を有するリザーバ26を含んでいるので、リザーバ26は液体マニホールド10に容易に着脱可能に接続される。
【0035】
リザーバ26は、好ましくは、メインハウジングBに取り付けられたリザーバハウジング内に着脱可能に収容される。リザーバハウジングは、好ましくは、冷却装置に接続されるか、又はこれらと一体的に形成されて、リザーバ26内の水を任意の所望の温度に冷却する。リザーバハウジング及び冷却装置は、米国特許第8,887,955号及び/又は第9,527,714号に開示される形態、又は他の任意の適切な形態をとることができる。リザーバ26は、上述のネジ式接続以外の多数の方法で液体マニホールド10に接続してもよい。
【0036】
取り外し可能な水吐出アセンブリIは、さらに好ましくは、例えば、図17にみられるように、リザーバ浸漬チューブ28、ポンプヘッド30、バルブアセンブリ32、ライザーチューブ34、ライザーチューブ34の下端40に取り外し可能に接続するための接続部材38を備える貯液器浸漬チューブ36を含む。貯液器浸漬チューブ36は、例えば、図1Aに示すように、容器Eのキャップ42を介して貯液器E内に延びている。ポンプヘッド30及びバルブアセンブリ32は、米国特許第8,887,955号及び/又は米国特許第9,527,714号に開示されるいずれかの形態をとることができる。ポンプヘッド30は、メインハウジングB内に収容された吸引ポンプ41に着脱可能に接続してもよい。
【0037】
カバーFが開放位置にあるとき(例えば、図6参照)、そしてライザーチューブ34が浸漬チューブ36の接続部材38から切り離されたとき、浸漬チューブ36、接続部材38及びキャップ42以外の図17に示すすべての構成機器は、メインハウジングBから容易に取り外すことができる。あるいは、一旦キャップ42が貯液器Eから切り離されると、図17に示すすべての構成機器は、メインハウジングBから容易に取り外すことができる。 例えば、図8にみられるように、水平方向に延びる枢動部材41と、部材41に着脱可能に接続され且つロック位置に偏って垂直方向に延びるラッチ部材43とを含むロック部材39を設けて、水吐出アセンブリIの取り外しを防止するようにしてもよい。ラッチ部材43がばねバイアスに打ち勝つのに十分な力で右方向(図8にみられるように)へ移動すると、部材41は、上向き且つ左方向に枢動且つ移動し、上述したように水吐出アセンブリIの各種構成機器を取り外し可能にすることができる。
【0038】
第2の吐出口24は、好ましくは、例えば、図14及び図15にみられるように、温水供給コネクタ46及び導管47を介して温水リザーバ44に接続される。温水供給コネクタ46は、吐出口24を導管47に解放可能に接続するように構成されているので、水吐出アセンブリIはメインハウジングBから容易に取り外せる。例えば、任意のロック部材39が解放されると、水吐出アセンブリIは温水供給コネクタ46が個人によってアクセス可能な位置まで上げられ、個人が水吐出アセンブリIからコネクタ46及び/又は導管47を脱着させてメインハウジングBから水吐出アセンブリIを取り外せるようにしてもよい。あるいは、ディスペンサAは、カバーFが開放位置にあるとき、個人がコネクタ46及び/又はリザーバ44に接続された導管47の端部にアクセスして、水吐出アセンブリIを取り外せるように構成してもよい。さらに、ディスペンサAは、カバーFが開放位置にあり、任意のロック部材39がロック解除位置に移動して、部材7が個人によって持ち上げられると、吐出口24が水吐出アセンブリIにかかる揚力によってコネクタ46から取り外されるように構成してもよい。
【0039】
温水リザーバ44は、リザーバ44に収容された水を加熱する発熱体と関連している。例えば、リザーバ44は、任意の適切な発熱体に操作可能に関連/接続された支持部材内に収容されてもよい。あるいは、発熱体は、リザーバ44内に配置されてもよい。
【0040】
冷水吐出レバー45は、吐出ノズル14を介したリザーバ26からの冷却水の流れを調整して、ディスペンサAから冷水を吐出させている。図14を参照すると、ピンチバルブ48は、冷水タップレバー45に操作可能に関連して、吐出ノズル14からの冷却水の流れを調整している。具体的には、ピンチバルブ48は、よく知られている方法でピンチチューブ12に作用して、冷水吐出レバー45が押されるまで、吐出ノズル14からの冷却水の流れを阻止している。ばねはレバー45を上方に偏らせて、ピンチバルブ48にピンチチューブ12を閉じさせてもよい。
【0041】
レバー45を押す人がばねのバイアス力に打ち勝つと、マイクロスイッチがメインハウジングBに格納されポンプヘッド30に着脱可能に接続された自吸式吸引ポンプ41を作動させて、水を容器Eから浸漬チューブ36及びライザーチューブ34を通して上方に汲み上げる。液体はバルブアセンブリ32及びポンプヘッド30を介して移動し、開口部21を通って下部チャンバ17に入る。チャンバ17を流れる液体はリザーバ26(貯蔵される水を冷却する)に排出され、リザーバ26に貯蔵されている冷却水は、順々に、浸漬チューブ28を通って上向きに上部チャンバ18へ入り吐出ノズル14から出る。ポンプヘッド30、バルブアセンブリ32及び吸引ポンプ41は、米国特許第8,887,955号及び/又は第9,527,714号に開示された形態、又は任意の他の適切な形態をとることができる。
【0042】
次に、取り外し可能な風味付け飲料吐出アセンブリJの好ましい実施形態を、図1から図15を参照して説明する。例えば、図2図10及び図13にみられるように、風味付け飲料吐出アセンブリJは、任意のポッド受け取り部材52を受け取って収容するための内部キャビティ51を有するハウジング50と、ポッド受け取り部材52内に着脱可能に収容される一人前分量の風味付け飲料ポッド54とを含んでいる。ポッド受け取り部材52は、ハウジング50の内部を、風味付け飲料ポッド54を直接受け取るように構成するだけで、省略することができる。一人前分量の風味付け飲料ポッド54は、水と混合して風味付け飲料をつくる内容物を含んでいる。例えば、風味付け飲料ポッド54は、水と混合してコーヒーをつくるコーヒー形成内容物(例えば、粉コーヒー)を含んでいてもよい。ポッド54は、一人前分量の風味付け飲料ポッドとして説明してきたが、2人前以上を分配できる。ポッド54の内容物は変更し易く、水と混合したときに使用者に適した任意の風味付け飲料を吐出してもよい。
【0043】
好ましくは、ポッド受け取り部材52は、ハウジング50から取り外し可能であり、且つ、個人の指を受け取る大きさにした指入れ53を含んでいて、この指入れ53は個人が持ち上げるだけで簡単にハウジング50から取り外せる。ハウジング50は、好ましくは、ハウジング50の後部又は背部に枢動的に接続されるカバー56を含んでいて、カバー56が、例えば図2及び図13に示される開放位置と、例えば図1に示される閉鎖位置との間で旋回できるようになっている。カバー56は、他の適切な方法でハウジング50の本体に解放可能に接続してもよい。
【0044】
カバー56をハウジング50の本体に解放可能に接続するために任意の適切なロック又はラッチ機構57を使用してもよい。また、風味付け飲料吐出アセンブリJは開閉可能なカバーを設けずに形成することができる。この場合、風味付け飲料吐出アセンブリJは、風味付け飲料の複数回の提供又は個々の提供ごとに取り外して交換することができる。
【0045】
図6から図9図11及び図13を参照すると、ハウジング50は、ロック又はラッチ部材64、66をそれぞれ受け取るハウジング50外部に形成される円弧状の凹部ロック部分60、62を含んでいる。ロック又はラッチ部材64、66は、非ロック又は非ラッチ位置(例えば図9参照)からロック又はラッチ位置(例えば図8参照)までの間で鉛直方向に延びる部材/ピン周りに回転する回転ボタン型のラッチ又はロックの形態をとることができる。ロック部分60、62は、それぞれ、円弧状に形成され、且つ、内向きに延びるキャビティ68及び底壁部分70を含んでいる。円弧状キャビティ68は、対応する部材64、66の相補的な形状の端部を受け取る。底壁部分70は、対応する部材64、66がラッチされた位置又はロックされた位置にあるときに、吐出アセンブリJの上方への移動を防止する。
【0046】
吐出アセンブリJは、例えば図13にみられるように、実質的に剛性のある中空アーム72と、アーム72から下方に延びる吐出ノズル74とを含んでいる。ハウジング50はさらに、温水給水口76、水導管78、及び蓋開閉器80を含んでいる。カバー56は、複数の開口部83を有するポッド貫通部材82を含み、前記開口部83は、好ましくは、部材82の外面に形成される。水導管78は、ポッド貫通部材82に接続される。
【0047】
カバー56が閉じられてポッド52がハウジング50内にあるとき、部材82がポッド54の上面を貫通し部材82の開口部83がポッド54内に配置されるので、導管78を通って送られる水は直接ポッド54に送られる。ハウジング50は、液体がポッド54を通ってハウジング50の内部キャビティ51の下部に入るように構成されている。内部キャビティ51はアーム72に接続されているので、ポッド54を通る水でつくられる風味付け飲料はアーム72の中空キャビティ内に入って吐出ノズル74から出る。
【0048】
図14及び15を参照すれば、液体ディスペンサAは、さらにリザーバ44に操作可能に接続された蒸気放出バルブ90を含み、必要に応じてリザーバ44から蒸気を放出する。バルブ90は、手動又は自動的に作動させることができる。
【0049】
リザーバ44は、例えば図11図14及び図15に示すように、導管93を介して温水吐出導管92に接続され、風味付け飲料吐出アセンブリJを通すことなくディスペンサAから温水を吐出している。導管93の下端は、好ましくは、温水又は加熱された水が温水吐出導管92に供給されるように、リザーバ44の上部で終端する。
【0050】
温水タップレバー94は、リザーバ44からの吐出導管92を介した温水の流れを調整する。第2の制御又は安全制御(例えば、安全ボタン)をレバー94に操作可能に接続して、レバー94が作動した場合でも温水が吐出されるのを防止している。すなわち、温水は、安全ボタンとレバー94の両方が作動した場合に吐出するだけである。図14及び図15を参照すると、ピンチバルブ96は、温水タップレバー94に操作可能に関連して、吐出導管92からの温水又は加熱された水の流れを調整する。具体的には、ピンチバルブ96はよく知られた方法で導管に作用して、レバー94が押されるまで、吐出導管92から温水又は加熱された水が流出するのを阻止している。ばねはレバー94を上方に偏って、ピンチバルブ96に導管92を閉じさせる。レバー94を押す人がばねのバイアス力に打ち勝って既存の安全ボタンが作動されると、マイクロスイッチが自吸式吸引ポンプ41を作動させて、水を第2の吐出口24から排出させる。水は導管46を移動し、温水リザーバ44に入り、温水リザーバ44から加熱された水を導管93に送り出し、吐出導管92から排出する。上述では、ピンチバルブが温水及び冷水吐出導管/ノズルからの水の流れを調整すると説明したが、他の任意の適切な制御機構を使用して液体ディスペンサAからの温水及び冷水の流れを調整するようにしてもよい。
【0051】
導管100は、一端がチューブ93に接続され、他端が風味付け飲料供給コネクタ102に接続されており、このコネクタは、ハウジング50の下面から下方に延びる給水口76に接続される。風味付け飲料供給コネクタ102は、好ましくは、風味付け飲料供給コネクタ102が給水口76から切り離されても水が導管100から流出しないように閉止弁を含んでいる。流量測定ユニット/装置106は、導管100に接続されて、導管100を通る水の流量を測定する。電磁弁108は、導管100に接続されて、給水口76への温水の流れを調整する。スイッチ110は、カバー56が閉鎖位置にあるときに検知する。
【0052】
液体ディスペンサAは、例えば図3に示すように、風味付け飲料吐出アセンブリJを作動させるための制御パネル120を含み、液体ディスペンサAから風味付け飲料を吐出する。
【0053】
風味付け飲料吐出アセンブリJと風味付け飲料供給コネクタ102との分離(例えば、カバー56が開かれ、風味付け飲料吐出アセンブリJがメインハウジングBから取り外されたとき)により、風味付け飲料供給コネクタ102の閉止弁が閉じられる。なお、風味付け飲料供給コネクタ102の閉止弁は任意であり、なくてもよい閉止機構である。具体的には、カバー56が開いているとき、制御システムは、好ましくは、電磁弁108を閉じるように構成され、水が風味付け飲料吐出アセンブリJに流れるのを防止する。風味付け飲料吐出アセンブリJを取り外しても同様の効果が得られる。
【0054】
表示灯136は、水が風味付け飲料を吐出するのに適した温度に加熱されていない場合に点滅する。通常、好ましくは、制御システムが定期的にリザーバ44を補充するように構成されているので、リザーバ44には十分な温水がある。しかし、利用者がディスペンサを操作して、連続した温水吐出状態(例えば、複数の温水のみの吐出、又は複数のホット風味付け飲料の吐出、又はそれらの組み合わせ)が短期間に発生するような場合、後続の温水吐出が温水吐出のみであってもホット風味付け飲料吐出であっても発生する前に、リザーバ44内の水(システムによって継続的に補充される)を加熱することが必要かもしれない。水が風味付け飲料を吐出するのに適した温度にあるとき、表示灯132、134が点灯して、利用者に、ディスペンサの抽出準備ができ、風味付け飲料ポッドの装填が必要であることを知らせる。
【0055】
カバー56が閉じると(例えば、表示灯132、134の点灯に応答して、利用者が風味付け飲料ポッドを装填してカバー56を閉じたときのように)、表示灯124が点灯して、利用者にカップサイズを8オンスの作動部材126、10オンスの作動部材128、及び12オンスの作動部材130の中から選択するよう信号が送られ、選択された量の風味付け飲料が液体ディスペンサAから吐出される。ディスペンサAから吐出される風味付け飲料のサイズ又は量は、所望に応じて容易に変更することができる。カップサイズ選択機能は時間的制約があるので、すなわち、表示灯124の最初の点灯から所定の時間(例えば10秒)内に作動部材126、128、130のうち1つが選択されない場合、抽出工程はリセット/停止し、システムは、抽出工程が再開される前に、カバー56が閉じられるのを待つことになる。作動部材126、128、130のうち1つの初期作動の後、利用者は、作動部材126、128、130のうち別のものを作動させて、後続の作動が直前の選択から10秒又は他の所定の時間内に起こることを条件に、利用者の先行選択又は初期選択から吐出された風味付け飲料の量を変更することができる(すなわち、システムのタイムアウトは、所定の非作動期間の後に行われる)。
【0056】
作動部材126、128及び130のうち1つが作動されると、抽出作動部材122は点灯し、利用者に合図し、当該部材を作動させて、選択された量の風味付け飲料を吐出させる。作動部材122が作動すると、選択された量の風味付け飲料が吐出される。流量計106は、アセンブリJに送られる温水の量が作動部材126、128、130を使用して利用者によって選択された提供サイズに対応することを保証する。作動部材122の作動は、また時間的制約があり、すなわち、直近のカップサイズ選択から所定の時間(例えば、10秒)内に作動部材122が作動されない場合、抽出工程はリセット/停止し、システムは、抽出工程が再開される前に、カバー56が閉じられるのを待つことになる。利用者が作動部材126、128、130のいずれかを適時に選択しなかったか、又は作動部材122を適時に起動しなかったために抽出工程がタイムアウトした場合、利用者はカバー56を開閉するだけで抽出工程を再開することができる。抽出中に、抽出ボタン122を長押しすると(例えば、5秒)、抽出工程は終了し、カバー56が開閉されるまで再開されない。
【0057】
水を5ガロンのウォーターボトルから冷水及び温水吐出導管/ノズルに送るポンプ41は、好ましくは12ボルトで運転される。同じポンプ41が、風味付け飲料吐出アセンブリJ及び水吐出アセンブリIに水を吸い上げる。具体的には、風味付け飲料の吐出工程中、ポンプ41は、水を液体マニホールド10に吸い上げ、吐出口24から排出し、その後、リザーバ44に送る。レバー94が作動していないとき、すなわち風味付け飲料を吐出するときの場合、温水はリザーバ44を出て、導管100を通って導管78の中へと移動する。温水は、穿孔部材82を通ってポッド54に入り、最終的にノズル74から出ることになる。容易に理解されるであろうが、コネクタ102内の電磁弁108及び閉止弁は、上述した方法で温水が移動するために開いていなければならない。
【0058】
しかし、ポンプ41(例えば、12ボルトポンプ又は任意の他の適切な電圧ポンプ)が、ホット風味付け飲料を吐出するのに必要な時間の間、最大ポンプ出力で連続的に(すなわち、いかなる種類の中断もなく)作動する場合、風味付け飲料吐出アセンブリJに供給される水の圧力が高すぎて、温水の流出又は他の望ましくない結果を引き起こす可能性が高くなる。ポンプ41によって風味付け飲料吐出アセンブリJに供給される水の圧力は、ポンプ41をオンサイクルとオフサイクルとの間で循環させることと組み合わせて、非常に高い周波数で電子パルス幅変調器を使用することによって、許容レベルまで低減されるのが好ましい。オンサイクルでは、トランジスタスイッチはオンであり、ポンプ41に全電力が供給される。オフサイクルでは、トランジスタスイッチはオフであり、ポンプ41には電力が供給されないので、ポンプ41はオフである。最も好ましい実施形態では、オンサイクルは2秒であり、オフサイクルは3秒である。しかし、これらの時間は、所望に応じて容易に変更することができる。オンオフサイクルは、レバー45、94の作動による冷水及び温水の吐出サイクル中にポンプ41によって供給される水の圧力から、風味付け飲料吐出アセンブリJにポンプ41によって供給される水の圧力を下げる。
【0059】
電子パルス幅変調器は、オンサイクルの全期間にわたってトランジスタスイッチ作動ポンプ41がオンのままであるオンサイクルの間使用され、ポンプ41によって風味付け飲料吐出アセンブリJに供給される水の圧力をさらに下げる。より具体的には、電子パルス幅変調器は、周波数を一定に保ちながら、ポンプのデューティサイクル、即ち、出力電圧がオフの時と比較してオンの時間の割合を変化させる一連のオンオフパルスを発生させる。例えば、オンパルスは50ミリ秒、オフパルスは50ミリ秒とすることができる。あるいは、オンパルスはオフパルスよりも長くすることができ、例えば、オンパルスが60ミリ秒、オフパルスが40ミリ秒であってもよい。オンオフパルスは、オンオフサイクルによって達成された圧力調整から、ポンプ41によって汲み上げられた水の圧力をさらに下げる。
【0060】
減電圧器又は他のモーター制御を使用して、風味付け飲料吐出アセンブリJに供給される水の圧力を必要に応じて低減させることができる。
【0061】
流量計106によって決定されて、適正量の水が風味付け飲料吐出アセンブリJに流れたとき、ポンプは停止し、少し遅れて圧力を下げるために電磁弁108が閉じられる。選択された量(例えば、8オンス、10オンス又は12オンス)の風味付け飲料が吐出された後、エアポンプ150が所定の期間(例えば、短時間が好ましい)作動して、一人前分量のポッド及び風味付け飲料吐出アセンブリJから残留水を洗い流すことにより、利用者が一人前分量のポッド及び/又は風味付け飲料吐出アセンブリJを取り外す際に、最小限の滴下で一人前分量のポッド及び/又は風味付け飲料吐出アセンブリJを取り外すことができるようにする。一方向弁152は、水がエアポンプ150に逆流するのを防止している。
【0062】
好ましくは、カバー56が開いているとき、電磁弁、ウォーターポンプ及びエアポンプは閉鎖/遮断/阻害/作動が阻止されて、水及び/又は空気が風味付け飲料吐出アセンブリJに導入されるのを阻止する。
【0063】
風味付け飲料吐出アセンブリJが取り外されると、風味付け飲料吐出アセンブリJに流れる水は、電磁弁108の閉鎖及び抽出物供給コネクタ102内の閉止弁の閉鎖によって遮断され、カバー検出スイッチは、カバーが開いた状態をシミュレートして無効化される。
【0064】
風味付け飲料吐出アセンブリJは温水リザーバ44に接続されて、温水を風味付け飲料吐出アセンブリJに送ることが示されたが、温水接続に加えて、又は温水接続の代わりに、風味付け飲料吐出アセンブリJが液体マニホールド10に接続されて、冷却水又は常温水をポッド54に送られるのも本発明の範囲内であり、すなわち、液体ディスペンサAは、加熱、冷却又は常温の風味付け飲料又はそれらの任意の組み合わせを分配するように構成することができる。
【0065】
本発明は好ましい実施形態を有するものとして記載されてきたが、好ましい実施形態は、本発明の主旨に従って変更又は適応させることができ、本発明が属する技術分野における既知又は慣例の範囲内に入るような本発明からの逸脱を含み、これらに限定されるものではない。特許請求の範囲は、好ましい実施形態に限定されるものではなく、請求項の識別の原則を用いるような狭義の構造を排除するように記載されている。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20