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特許7421561インライン型ダンパベローズ二重対向ドライバスピーカ
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  • 特許-インライン型ダンパベローズ二重対向ドライバスピーカ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】インライン型ダンパベローズ二重対向ドライバスピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
H04R9/06 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021544359
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2019055831
(87)【国際公開番号】W WO2020160791
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】19155987.1
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519100170
【氏名又は名称】ソノス・マイティ・ホールディングス・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Sonos Mighty Holdings BV
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】シーク, マティアス ジェフリー
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-072703(JP,A)
【文献】特開昭62-051900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 9/12- 9/22
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/12- 1/14
H04R 1/20- 1/40
H04R 1/42- 1/46
H04R 7/00- 7/26
H04R 9/00
H04R 9/02- 9/10
H04R 9/18
H04R 11/00-11/06
H04R 11/14
H04R 13/00-15/02
H04R 19/00-19/04
H04R 21/00-21/02
H04R 23/00-23/02
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する2枚の膜(7)と、2つのドライブユニット(2)であって、各々が前記2枚の膜(7)のうちの1枚を反対方向に駆動する駆動部(2)とを備えたスピーカ装置(1)であって、
前記2枚の膜(7)の両側にて外方に配置された通気口付きフレーム要素(8)及び閉じたフレーム要素(9)と、
第1の側にて前記閉じたフレーム要素(9)に最も近い位置に配置された前記膜(7)に接続され、第2の側にて前記閉じたフレーム要素(9)に接続された第1のベローズ要素(5)と
第1の側にて前記通気口付きフレーム要素(8)に最も近い位置に配置された前記膜(7)に接続され、第2の側にて前記通気口付きフレーム要素(8)に接続された第2のベローズ要素(5)と、
前記第1のベローズ要素(5)の前記第1の側と前記第2のベローズ要素(5)の前記第1の側との間に接続されたベローズポート要素(6)と
を更に備える、スピーカ装置。
【請求項2】
前記2枚の膜(7)、前記通気口付きフレーム要素(8)及び前記閉じたフレーム要素(9)がそれぞれ、駆動時に前記膜(7)の動作の反対方向に垂直である実質的に平坦な面を備える、請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記2枚の膜(7)には中央開口が設けられている、請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記第1のベローズ要素(5)、前記第2のベローズ要素(5)及び前記ベローズポート要素(6)が単一の一体化されたベローズアセンブリを構成している、請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記ベローズポート要素(6)が、前記第1のベローズ要素(5)及び前記第2のベローズ要素(5)よりも小さな断面積を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記ドライブユニット(2)の各々が、ボイスコイル(3)及びマグネットアセンブリ(4)を有する1つ以上のドライブアセンブリを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のスピーカ装置。
【請求項7】
前記1つ以上のドライブアセンブリが、当該スピーカ装置(1)の周辺部に配置されている、請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項8】
前記通気口付きフレーム要素(8)と前記閉じたフレーム要素(9)とが所定の間隔で保持されている、請求項1~のいずれか一項に記載のスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する2枚の膜と、2つのドライブユニットとを備えるスピーカ装置であって、各ドライブユニットが2枚の膜のうちの1枚を反対方向に駆動するように構成された、スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカ装置は、米国特許第4817165号及び米国特許第3019849号から知られている。米国特許第4817165号は、ドーム形状となるスパイダウェブ構成の形態をなすアルミニウムフォイルのコアを有するドーム形状のアコースティックモータ振動板を開示している。この振動板は、環状の半ドーム形外側振動板部分とドーム形の円筒形内側振動板部分の形態をとる。米国特許第3019849号は、ラウドスピーカの前面領域に悪影響を及ぼすことなく、ラウドスピーカの振動板の軸線方向運動を増加させることができるラウドスピーカ振動板用のサスペンションシステムを開示している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、スペース効率及びパワー性能を向上させたスピーカユニットを提供することを目的とする。本発明によれば、上述したようなスピーカ装置が提供され、このスピーカ装置は、2枚の膜の両側にて外方に配置された通気口付きフレーム要素及び閉じたフレーム要素(孔なしフレーム要素)と、第1の側にて閉じたフレーム要素に最も近い位置に配置された膜に接続され、第2の側にて閉じたフレーム要素に接続された少なくとも1つのベローズ要素とを更に備えている。実質的に封止された区画を設けるように接続がなされ、これにより、全ての空気移動を単一の面に向けることが可能になり、すなわち、2枚の膜の空気移動が、少なくとも1つのベローズ要素を介して(通気口付きフレーム要素における)単一の面に案内される。本発明の構造及び相互的な要素の向きによって、よりスペース効率が良く、軽量で、コスト効率の高いスピーカユニットを提供することができる。
【0004】
添付図面を参照して本発明を以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施形態によるラウドスピーカ装置の斜視図である。
図2図1に示すラウドスピーカ装置の側面図である。
図3図2に示すラウドスピーカ装置のIII-III線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
範囲を限定するためではなく本発明の実施形態を示すためのものにすぎないいくつかの図面を参照して、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲においてと、その技術的均等物によって規定される。すなわち、特に明記しない限り、本発明を説明するために明示的に使用される特徴、構成要素、要素などを技術的均等物で代用できることを当業者は理解するであろう。さらに、たとえ図面に明示されず、本明細書で説明されなくても、異なる実施形態の別々の特徴を、それらの組み合わせが物理的に不可能でない限り、組み合わせることもできる。いくつかの図面を参照して以下で本発明をさらに詳細に論じる。本明細書に記載される例及び実施形態は、本発明を限定するのではなく例示する役割を果たす。当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなく代替の実施形態を設計することができるであろう。特許請求の範囲において括弧内に配置された参照符号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものではない。特許請求の範囲又は本明細書において個々の実体として記載される品目は、記載された品目の特徴が組み合わさった単一のハードウェア品目又は複数のハードウェア品目として実施され得る。
【0007】
本発明は添付の特許請求の範囲及びその技術的均等物のみによって限定されることを理解されたい。本願の国際出願日における明細書及び特許請求の範囲において、「comprise(含む、備える)」という動詞及びその活用形は、具体的に言及されない品目を除外せずに、この語の後に続く品目が含まれることを意味する、その非限定的な意味において使用される。加えて、不定冠詞の「a」又は「an」である要素に言及する場合、ただ1つだけのその要素が存在することが文脈上明白でない限り、複数のその要素が存在する可能性を排除しない。よって、不定冠詞の「a」又は「an」は通常、「少なくとも1つの」を意味する。
【0008】
伝統的な意味での二重対向ドライバ(dual opposing driver)原理を使用するスピーカ装置1では、ドライバ2は背中合わせの位置状態で配置される。この構造の利点は、互いに対向するドライバ2がスピーカ装置1の筐体の機械的振動を相殺することである。この相殺によって、筐体は、たとえこの筐体がドライバ2に対して比較的軽く、剛性が低く、及び/又は小さい場合でも、ドライバ2の動作による影響を大幅に少なくすることができる。問題点は、取付面積が同一の2つのドライバ2の少なくとも2倍の深さに制約されることである。ドライバ2を統合する(converged)ことは、例えば、本出願人の未公開のオランダ国特許出願第1042617号明細書(参照により本明細書に援用)に記載されているように、スピーカ設計において必要とされる最小の体積を減じる方法の1つである。小さな外形を有する採り得るスピーカ装置の更なる開発については、本願出願人の国際特許出願PCT/NL2018/050263(参照により本明細書に援用)に記載されている。
【0009】
互いに対向するドライバ2が、振幅(excursion)方向に対して垂直なスピーカのサイズで、振幅方向に一致するスピーカのサイズを最小にすることが有益な用途で使用される状況において、又は生じた空気移動が単一の面に向けられるべき用途で使用される状況において、本発明の実施形態によって新規なダンパ・移植(porting)方法が提供される。他のダンパ・移植方法は、統合型ドライバ構造では使用できない。すなわち、膜7が内側に(互いに向かって)移動するとき、膜7間の可変距離は、例えば、米国特許第8452041号公報に見られるように、静的な中央ポートに対して問題のある状況を作り出す。さらに、ハイエクスカーション(high excursion)ドライバ2は、ハイエクスカーションダンパを必要とする。従来のダンパシステムは、x-y方向にかなりの大きさの空間を必要とし、本発明は、その取付面積を低減しようとするものである。そして、ダンパ要素は、マグネットの高さの約4倍の境界ボックス内に収められ、低歪みサウンドを生成するために気密チャンバを作成する必要がある。本発明の実施形態は、面移動の最適化及びx-y面使用の低減を可能にする。
【0010】
図1図3に示され、以下に述べるラウドスピーカ装置の例示的実施形態においては以下の要素がある(参照符号を示す。また、括弧内は同義の用語である)。
1.スピーカ装置(スピーカ、ラウドスピーカ、ラウドスピーカ装置)
2.ドライブユニット(ドライバ、モータ)
3.ボイスコイル
4.マグネットアセンブリ(少なくとも2つのマグネット)
5.ベローズ(蛇腹)要素(ベローズダンパ要素、膜ダンパベローズ)
6.ベローズポート要素(接続ベローズ)
7.膜
8.通気口付きフレーム要素
9.閉じたフレーム要素
【0011】
図1はスピーカ装置1の斜視図であり、図2はスピーカ装置1の側面図である。図3は、図2のスピーカ装置のIII-III線に沿った断面図である。
【0012】
本発明の実施形態は、互いに対面する2枚の膜7と、2つのドライブユニット2とを備えたスピーカ装置であって、各ドライブユニット2が駆動時に2枚の膜7の一方を反対方向に駆動するよう構成されている、スピーカ装置に関する。さらに、スピーカ装置1は、通気口付きのフレーム要素8と、閉じたフレーム要素9とを備え、これらは2枚の膜7の両側に外側に向けて配置されている。第1の実施形態では、少なくとも1つのベローズ要素5が設けられ、このベローズ要素5は、第1の側にて、閉じたフレーム要素9に最も近い位置にある膜7に接続され(例えば気密に、又は実質的に封止状態で)、また、第2の側にて、閉じたフレーム要素9に接続されている(これも例えば気密に、又は実質的に封止状態で)。この実施形態は、ラウドスピーカキャビネット内に配置可能である通気口付きマルチドライブユニット式スピーカ1(相反する方向に移動する少なくとも2枚の膜7(のうちの一方)に接続された少なくとも1つのベローズ要素5を有する)を提供することができ、このスピーカ1では、ベローズ要素5の可変容積部が、空気を、通気口付きフレーム要素8を通して、自由空気(すなわちスピーカの外部)の方に及び自由空気から移動させるために使用される。この実施形態は、閉じたフレーム要素9とそれに最も近い膜7との間にベローズ要素5を有するだけの、追加の構成要素が非常に少ないスピーカ装置とみなすことができ、それでもなおスピーカ装置1の効率を改善することができる。閉じたフレーム要素9、ベローズ要素5及び最も近い膜7によって形成された密閉空間からスピーカ外部への空気経路は、例えば、両方の膜7(通気口付き膜7を構成)の開口を介して、又は空気のための代替的経路を介して、形成され得る。
【0013】
さらなる実施形態において(図1図3に示される例示的実施形態においても)、2枚の膜7、通気口付きフレーム要素8、及び閉じたフレーム要素9はそれぞれ、駆動時に膜7の反対の移動方向に垂直である実質的に平坦な面を含む。言い換えるならば、スピーカ装置は2つのフレーム要素8、9を含み、少なくとも1つのフレーム要素9は自由空気に対して閉じられ、少なくとも1つのフレーム要素8は通気される。
【0014】
さらなる実施形態では、2枚の膜7には中央開口が設けられる。開口(或いはポート)を有する膜7を備えるこのような通気口付きマルチドライブユニット式スピーカ装置1は、空気の流れを(通気口付きフレーム要素8を介して)スピーカ装置の外部に向けて膜7を通して効果的に提供することを可能にする。
【0015】
別の実施形態のグループでは、スピーカ装置1は、ベローズアセンブリ5、6を含み、ベローズアセンブリ5、6の一端は、第1の側にて、閉じたフレーム要素9に最も近い位置にある膜7に(気密に)接続され、第2の側にて、通気口付きフレーム要素8に(気密に)接続されている。これにより、スピーカ装置1内に十分に画定された可変容積キャビティ(このギャビティは実質的に気密であり又はしっかりと封止される)が確保され、互いに対向する膜7からスピーカ装置外部に向けて音響波を効率的にもたらす。
【0016】
図1図3に示される実施形態にあるのと同様に、別の実施形態では、ベローズアセンブリ5、6は、第1の側にて閉じたフレーム要素9に最も近い位置にある膜7に接続され、第2の側にて閉じたフレーム要素9に(気密に)接続された第1のベローズ要素5と、第1の側にて通気口付きフレーム要素8に最も近い膜7に接続され、第2の側にて通気口付きフレーム要素8に(気密に)接続された第2のベローズ要素5と、第1及び第2のベローズ要素5の第1の側の間に接続されたベローズポート要素6とを含む。これは、高い効率をもって通気口付きマルチドライブユニット式スピーカ装置1を提供するという効果を有する。ベローズアセンブリは、単一の軸線に沿って取り付けられた少なくとも3つの(接続された)ベローズ要素5、6を有することができ、少なくとも3つの(接続された)ベローズ要素5、6の内部の空気は、自由空気(すなわち、スピーカ外部)に向かって移動ないしは押し出される。この効果を得るために、ベローズ要素5、6は、実質的に気密状態で又はしっかりと封止された状態で、他の構成要素に接続される。
【0017】
製造が経済的であり且つ高い信頼性を有するスピーカ装置を得るために、第1及び第2のベローズ要素5及びベローズポート要素6は、単一の一体化されたベローズアセンブリ、すなわち単一部品として実施される。
【0018】
別の実施形態では、ベローズポート要素6は、第1及び第2のベローズ要素5よりも小さい断面積を有する。音響(開放)経路がスピーカ外部に向かって残るので、スピーカ装置1は、よりフレキシブルに設計することができる。また、図3に示す断面図を見ると、接続ベローズ6は、接続された各膜ダンパベローズ5よりも前面が小さいことが分かる。
【0019】
図1図3に示す例示的実施形態では、スピーカ装置のさらなる実施形態も実施され、その実施形態では、各ドライブユニット2は、ボイスコイル3とマグネットアセンブリ4とを有する1つ以上のドライブアセンブリを備える。各マグネットアセンブリ4は、例えば、少なくとも2つのマグネットを備え、取り付けられた膜7の効率的かつ強力な動作をもたらすようになっている。図1図3に示される実施形態では、スピーカ装置1は、1枚の膜7につき2つのドライブアセンブリ3、4を備え、ドライブアセンブリ3、4の2つの対は膜7を効果的に駆動するよう、対角線上に配置されている。図示するように、ベローズアセンブリ5、6、は、ドライブアセンブリ3、4の範囲内に横方向に配置され、コイル3及びマグネット4の領域(スピーカ内部)と接触する空気が自由空気から隔離されることを効果的に保証する。ドライブユニット2は、例えばボイスコイル3を(平坦な)膜7に直接取り付けることによって、或いはまた別個の取付要素、例えばブラケットを介して、関連する膜7を駆動することができる。
【0020】
さらに別の実施形態では、1つ又は複数のドライブアセンブリ3、4は、スピーカ装置1の周辺部、すなわち、開放、通気口付きフレーム要素8、9の間に、図1図3に示す実施形態ではそれらの角部に、配置される。これにより、ベローズアセンブリ5、6をスピーカ1の内部領域内に配置することが可能となり、スピーカ外部から、スピーカ内部からの空気を隔離することができる。さらに別の実施形態では、通気口付きフレーム要素8及び閉じたフレーム要素9は、例えば図1図3の実施形態に示されるようにドライブアセンブリ/ドライブユニット2の2×2配列を使用することで、互いから所定の距離に保持される。ドライブユニット2を使用して通気口付きフレーム要素8と閉じたフレーム要素9とを相互接続することにより、スピーカ装置1の非常に効率的で信頼性の高い構成が提供される。本発明の実施形態は、複数のドライブユニット2を有するスピーカ1に関連するものとして、ダンパ及び/又は空気隔離法として1つのベローズ又は複数のベローズ5、6を使用するものとして、少なくとも2つの対向する膜7の膜振幅を可能とするものとして、及び、少なくとも2つの対向する膜7の複合的な空気移動のための空気案内方法を提供するものとして、説明することができる。通気口付きフレーム要素8と閉じたフレーム要素9との間に配置された複数のドライブユニット2の各々は、少なくとも1つのベローズ状構造体5、6、1つのボイスコイル3及びマグネットアセンブリ(少なくとも2つのマグネットを有する)4と関連される。ベローズ5、6、は、スピーカフレーム要素8、9及び膜7に固定される。
【0021】
例示的な実施形態では、膜ダンパベローズ5は、通気口付きフレーム要素8、閉じたフレーム要素9、及び膜7に接続される。各膜7は、少なくとも1つの膜ダンパベローズ5に接続される。ベローズ5内の空気は、スピーカ装置1の外部の自由空気に向かって移動する。ダンパベローズ5の空気を単一の面(すなわち、通気口付きフレーム要素8の開口領域)に向けることができるように、ベローズ5はベローズポート要素6(又は接続ベローズ)を介して接続される。ベローズポート要素6は可撓性であるので、膜7は、ベローズポート要素6と衝突することなく、互いに向かって移動することができる。
【0022】
本発明について、図面に示された多数の例示的な実施形態を参照して説明した。一部の部品又は要素の修正及び代替の実施が可能であり、それらは添付の特許請求の範囲に定義される保護の範囲に含まれる。
図1
図2
図3