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特許7421563電極、鉛蓄電池、集電体及び集電体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】電極、鉛蓄電池、集電体及び集電体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/14 20060101AFI20240117BHJP
   H01M 4/76 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H01M4/14 R
H01M4/76 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021546120
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 JP2019036639
(87)【国際公開番号】W WO2021053771
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】322013937
【氏名又は名称】エナジーウィズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久喜
(72)【発明者】
【氏名】田中 崇
(72)【発明者】
【氏名】草野 聡
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-128464(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136941(WO,A1)
【文献】特開2001-185129(JP,A)
【文献】特開2016-103348(JP,A)
【文献】特開平09-231964(JP,A)
【文献】特開平08-203505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/14
H01M 4/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体と、前記筒状体に挿入され棒状を呈する集電体と、前記筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、前記筒状体の一端部を封止する封止部材と、を備えた電極であって、
前記封止部材は、前記集電体の一端部が嵌入された筒状の本体部を有し、
前記集電体の前記一端部は、前記本体部の筒孔に嵌入される前の状態において、前記集電体の軸線が反るように曲がっており、
前記集電体は、並設され、
複数の前記集電体の前記一端部は、複数の前記集電体の並設方向と直交し且つ前記筒状体が延びる方向と直交する方向に曲がっている、電極。
【請求項2】
請求項1に記載の電極を備える、鉛蓄電池。
【請求項3】
筒状体と、前記筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、前記筒状体の一端部を封止する封止部材と、を備えた電極において、前記筒状体に挿入される棒状の集電体であって、
前記集電体の一端部は、前記集電体の軸線が反るように曲がっており、
前記集電体は、並設され、
複数の前記集電体の前記一端部は、複数の前記集電体の並設方向と直交し且つ前記筒状体が延びる方向と直交する方向に曲がっている、集電体。
【請求項4】
請求項3に記載の集電体を製造する方法であって、
前記集電体を構成する棒状部材を切断する切断工程と、
切断した棒状部材の一端部を、その軸線が反るように曲げる成形工程と、を備える、集電体の製造方法。
【請求項5】
筒状体と、前記筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、前記筒状体の一端部を封止する封止部材と、を備えた電極において、前記筒状体に挿入される棒状の集電体を製造する方法であって、
前記集電体を構成する棒状部材を切断する切断工程と、
切断した棒状部材の一端部を、その軸線が反るように曲げる成形工程と、を備え、
前記成形工程は、前記筒状体に前記集電体が挿入される前に実施され、
前記成形工程は、前記切断工程により前記棒状部材を切断する際に、その切断に要される力を利用して、前記棒状部材の一端部を曲げる、集電体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、電極、鉛蓄電池、集電体及び集電体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛蓄電池は、産業用又は民生用の二次電池として広く用いられており、特に、電気車用鉛蓄電池(いわゆるバッテリー)、又は、UPS(Uninterruptible Power Supply)、防災(非常)無線、電話等のバックアップ用鉛蓄電池の需要が多い。
【0003】
鉛蓄電池は、複数の電極を含む電極群と、電極群を収容する電槽と、を具備する。電極は、筒状体と、筒状体に挿入され棒状を呈する集電体(芯金)と、筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、筒状体の一端部を封止する封止部材(下部連座)と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭61-232572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような電極では、棒状の集電体の一端部が封止部材に嵌入される場合がある。この場合、例えば様々な環境下での使用を考慮し、封止部材と集電体との嵌合性を向上させることが求められる。
【0006】
本発明の一側面は、封止部材と集電体との嵌合性を向上することが可能な電極、鉛蓄電池、集電体及び集電体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る電極は、筒状体と、筒状体に挿入され棒状を呈する集電体と、筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、筒状体の一端部を封止する封止部材と、を備えた電極であって、封止部材は、集電体の一端部が嵌入された筒状の本体部を有し、集電体の一端部は、本体部の筒孔に嵌入される前の状態において、集電体の軸線が反るように曲がっている。
【0008】
この電極では、集電体の一端部が曲がっていることから、集電体の一端部を封止部材の本体部に嵌入した場合には、集電体の一端部が本体部の筒孔の内面に接触すると共に、集電体の弾性力(嵌入前の曲がった状態に弾性復帰しようする力)でその一端部が当該内面を押し付ける。そのため、集電体の一端部を、本体部の筒孔に強固に嵌めることができる。封止部材と集電体との嵌合性を向上することが可能となる。
【0009】
本発明の一側面に係る電極では、集電体の一端部側の端面は、長円形状、扁平円形状又は楕円形状であってもよい。集電体の一端部側の端面が長円形状、扁平円形状又は楕円形状であることから、その長軸方向において集電体の一端部を筒孔に強固に嵌めることができる。封止部材と集電体との嵌合性を一層向上することが可能となる。
【0010】
本発明の一側面に係る電極は、筒状体の他端部に連通するように挿入された筒部を有する座部材を備え、集電体の一端部の曲がり量は、筒部の最小内径以下であってもよい。これにより、集電体を座部材の筒部を介して筒状体へ挿入する際に、集電体の一端部が筒部の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0011】
本発明の一側面に係る電極では、集電体の一端部の曲がり量は、筒状体の最小内径以下であってもよい。これにより、集電体を筒状体へ挿入する際に、集電体の一端部が筒状体の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0012】
本発明の一側面に係る電極では、集電体の他端部は、集電体の一端部が本体部の筒孔に嵌入される前の状態において、当該一端部よりも直線状に延在してもよい。この場合、筒状体の内部において集電体の他端部の周辺では、活物質が均等に使われ易くなる。よって、集電性を向上することが可能となる。
【0013】
本発明の一側面に係る鉛蓄電池は、上記電極を備える。この鉛蓄電池においても、上記電極を備えることから、封止部材と集電体との嵌合性を向上できるという上記効果が奏される。
【0014】
本発明の一側面に係る集電体は、筒状体と、筒状体の内部に充填され活物質を含む電極材と、筒状体の一端部を封止する封止部材と、を備えた電極において、筒状体に挿入される棒状の集電体であって、一端部は、集電体の軸線が反るように曲がっている。この集電体では、一端部が曲がっていることから、一端部を封止部材に嵌入した場合には、一端部が封止部材に接触すると共に、集電体の弾性力(嵌入前の曲がった状態に弾性復帰しようする力)でその一端部が封止部材を押し付ける。そのため、集電体の一端部を、封止部材に強固に嵌めることができる。封止部材と集電体との嵌合性を向上することが可能となる。
【0015】
本発明の一側面に係る集電体では、一端部側の端面は、長円、扁平円又は楕円であってもよい。この場合、例えば集電体の一端部が封止部材に嵌入される場合に、当該一端部側の端面が長円形状、扁平円形状又は楕円形状であることから、その長軸方向において当該一端部を封止部材に強固に嵌めることができる。封止部材と集電体との嵌合性を一層向上することが可能となる。
【0016】
本発明の一側面に係る集電体では、電極は、筒状体の他端部に連通するように挿入された筒部を有する座部材を備えており、一端部の曲がり量は、筒部の最小内径以下であってもよい。これにより、集電体を座部材の筒部を介して筒状体へ挿入する場合に、集電体の一端部が筒部の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0017】
本発明の一側面に係る集電体では、一端部の曲がり量は、筒状体の最小内径以下であってもよい。これにより、集電体を筒状体へ挿入する際に、集電体の一端部が筒状体の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0018】
本発明の一側面に係る集電体では、他端部は、一端部よりも直線状に延在してもよい。この場合、筒状体の内部において集電体の他端部の周辺では、活物質が均等に使われ易くなる。よって、集電性を向上することが可能となる。
【0019】
本発明の一側面に係る集電体の製造方法は、上記集電体を製造する方法であって、集電体を構成する棒状部材を切断する切断工程と、切断した棒状部材の一端部を、その軸線が反るように曲げる成形工程と、を備える。この製造方法で製造された集電体によれば、集電体の一端部を封止部材に強固に嵌めることが可能となり、封止部材と集電体との嵌合性を向上することが可能となる。
【0020】
本発明の一側面に係る集電体の製造方法では、成形工程は、切断工程により棒状部材を切断する際に、その切断に要される力を利用して、棒状部材の一端部を曲げてもよい。この場合、集電体の一端部の曲がりを、簡易且つ効率的に実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一側面によれば、封止部材と集電体との嵌合性を向上することが可能な電極及び鉛蓄電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る鉛蓄電池を模式的に示す断面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う一部断面図である。
図3図3は、図1の正極を示す斜視図である。
図4図4(a)は、図1の上部連座を示す平面図である。図4(b)は、図1の上部連座を示す正面図である。
図5図5は、図4(a)のV-V線に沿う一部断面図である。
図6図6は、図1の下部連座を示す正面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿う一部断面図である。
図8図7は、図1の下部連座の一部平面図である。
図9図9は、図3の正極における芯金、連結部及び耳部を示す正面図である。
図10図10は、図3の芯金の下端部を示す側面図である。
図11図11(a)は、図3の芯金の下端部側の端面を示す図である。図11(b)は、図9のXb-Xb線に沿う一部断面図である。
図12図12(a)は、下部連座の筒孔に嵌入前の芯金の下端部を説明する拡大側断面図である。図12(b)は、下部連座の筒孔に嵌入後の芯金の下端部を説明する拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面において、同一又は相当の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
【0024】
図1は、鉛蓄電池を模式的に示す断面図である。図2は、図1のII-II線に沿う一部断面図である。図3は、正極を示す斜視図である。図1では、図面の手前側から奥側にかけて、セパレータを介して正極及び負極が交互に配置されている。図1では、正極の一部を断面化して示している。図2は、鉛蓄電池を上方から見た際の正極、負極及びセパレータの積層構造を示している。なお、「上」及び「下」の語は、電槽の高さ方向の上方及び下方に対応する(以下、同じ)。Z方向は電槽の高さ方向に対応し、X方向はZ方向と直交する方向に対応し、Y方向はZ方向と直交し且つX方向と直交する方向に対応する。
【0025】
図1及び図2に示されるように、実施形態に係る鉛蓄電池100は、電極群110と、電極群110を収容する電槽120と、電極群110に接続された連結部材130a,130bと、連結部材130a,130bに接続された極柱140a,140bと、電槽120の注液口を閉塞する液口栓150と、電槽120に接続された支持部材160と、を備える。
【0026】
電極群110は、複数の正極10と、複数の負極20と、複数のセパレータ30とを備える。正極10及び負極20は、セパレータ30を介してX方向に交互に配置されている。セパレータ30間における正極10の周囲の空間には、電解液40が充填されている。セパレータ30の材料としては、正極10と負極20との電気的な接続を阻止し、電解液40を透過させる材料であれば特に限定されない。セパレータ30の材料としては、微多孔性ポリエチレン、ガラス繊維及び合成樹脂の混合物等が挙げられる。
【0027】
図1図2及び図3に示されるように、正極10は、例えば板状の電極である。正極10は、複数の筒状体12aと、複数の芯金(集電体)14と、正極材(電極材)16と、下部連座(封止部材)51と、上部連座1と、連結部12eと、耳部12dと、を有する。
【0028】
複数の筒状体12aは、Y方向に沿って隣接して一列に並設されている。複数の筒状体12aは、活物質保持用チューブ(クラッドチューブ)群を構成する。活物質保持用チューブ群は、いわゆる「ガントレット」とも称される。筒状体12aは、Z方向に延びている。複数の筒状体12aが並設した構造は、互いに別体である筒状体12aにより得てもよいし、互いに対向する基材間に複数の貫通孔を形成することにより得てもよい。隣接する筒状体12a間には、縫目(縫合部)等の接続部が配置されていてもよい。
【0029】
筒状体12aは、円筒状を呈する。なお、筒状体12aは、楕円筒状、又は、角筒状(例えば、角丸四角筒状)等を呈していてもよい。筒状体12aの長さは、例えば160~400mmである。筒状体12aの直径は、例えば5mm以上であってもよい。筒状体12aの直径は、例えば12mm以下であってもよい。筒状体12aの厚さは、例えば100μm以上であってもよい。筒状体12aの厚さは、例えば2000μm以下であってもよい。
【0030】
筒状体12aは、多孔質体で形成されている。筒状体12aは、例えば、織布、不織布等の基材で形成されていてもよい。基材の材料としては、耐酸性を有する材料を用いることができる。基材の材料としては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂、ガラス繊維、炭化ケイ素、アルミナ等の無機材料が挙げられる。筒状体12aは、サイクル特性を向上させやすい観点から、熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリオレフィンを含むことがより好ましい。
【0031】
筒状体12aでは、基材上に樹脂が保持されていてもよい。樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。樹脂は、基材の内表面上若しくは外表面上、又は、基材における細孔内の表面上に保持されていてもよく、基材上に付着していてもよい。樹脂は、基材上の一部に保持されていてもよく、基材上の全部に保持されていてもよい。
【0032】
芯金14は、各筒状体12aに挿入されている。芯金14は、棒状を呈する。芯金14は、筒状体12aの内部においてZ方向に沿って延びている。芯金14は、例えば、鋳造(加圧鋳造法)により得ることができる。芯金14の構成材料としては、導電性材料であればよく、例えば、鉛-カルシウム-錫系合金、鉛-アンチモン-ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。鉛合金は、セレン、銀、ビスマス等を含んでいてもよい。芯金14の長さは、例えば170~400mmである。
【0033】
正極材16は、筒状体12aの内部に充填されている。正極材16は、活物質を含む。活物質には、化成後の活物質及び化成前の活物質の原料の双方が包含される。ここでの正極材16は、化成後の活物質を含有している。化成後の正極材16は、例えば、正極活物質の原料を含む未化成の正極材16を化成することで得ることができる。化成後の正極材16は、例えば、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極材16を得た後に未化成の正極材16を化成することで得ることができる。正極活物質の原料としては、鉛粉、鉛丹等が挙げられる。化成後の正極材16における正極活物質としては、二酸化鉛等が挙げられる。正極材16は、必要に応じて添加剤を更に含有していてもよい。正極材16の添加剤としては、補強用短繊維等が挙げられる。補強用短繊維としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)等が挙げられる。
【0034】
筒状体12a、芯金14及び正極材16は、筒状電極(棒状電極)を構成する。正極10の筒状電極は、連結部12e、耳部12d及び連結部材130aを介して極柱140aに電気的に接続されている。
【0035】
下部連座51は、複数の筒状体12aの下端部に取り付けられている。筒状体12aの下端部は、筒状体12aにおける一端側の末端部分(一端部)であり、換言すると、筒状体12aにおける電槽120の底側の端部である。下部連座51は、複数の筒状体12aの下端部を封止する。下部連座51は、複数の筒状体12aの下端部に嵌合されている。なお、熱硬化性の接着剤等により、下部連座51が複数の筒状体12aの下端部に固着されていてもよい。
【0036】
上部連座1は、筒状体12aの上端部に取り付けられている。筒状体12aの上端部は、筒状体12aにおける他端側の末端部分(他端部)であり、換言すると、筒状体12aにおける電槽120の頂部側の端部である。上部連座1は、溶着により筒状体12aの上端部に固着されている。溶着では、上部連座1及び筒状体12a及び上部連座1の境界部分は一体化していてよい。溶着は、加熱、超音波照射、レーザー照射等により実現できる。なお、熱硬化性の接着剤等により、上部連座1が複数の筒状体12aの上端部に固着されていてもよい。
【0037】
図1及び図2に示されるように、負極20は、例えば板状の電極である。負極20は、例えばペースト式負極板である。負極20は、連結部材130bを介して極柱140bに電気的に接続されている。負極20は、負極集電体と、当該負極集電体に保持された電極材である負極材と、を有する。負極集電体としては、板状の集電体を用いることができる。負極集電体と正極10の芯金14との組成は、互いに同一であってよく、互いに異なっていてもよい。負極材は、活物質を含む。ここでの負極材は、化成後の活物質を含有している。
【0038】
化成後の負極材は、例えば、負極活物質の原料を含む未化成の負極材を化成することで得ることができる。化成後の負極材は、例えば、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極材を得た後に未化成の負極材を化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、鉛粉等が挙げられる。化成後の負極材における負極活物質としては、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)等が挙げられる。負極材は、必要に応じて添加剤を更に含有することができる。負極材の添加剤としては、硫酸バリウム、補強用短繊維、炭素材料(炭素質導電材)、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選択される少なくとも一種を有する樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂)等が挙げられる。補強用短繊維としては、正極材と同様の補強用短繊維を用いることができる。
【0039】
炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(ケッチェンブラック(登録商標)等)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。フェノール類としては、ビスフェノール等のビスフェノール系化合物などが挙げられる。アミノアリールスルホン酸としては、アミノベンゼンスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
【0040】
支持部材160は、電槽120の底面に配置され、下部連座51を支持する。支持部材160は、Z方向を突出方向とする複数の突条160aを有する。突条160aは、電槽120の底面上に設けられている。突条160aは、X方向に延びる。突条160aは、Y方向に並ぶ。突条160aは、下部連座51に当接する(図1参照)。すなわち、支持部材160は、下部連座51における電槽120の底面側の部分を各突条160aによって支持している。突条160aは、正極10に接していればよく、負極20に接していなくてよい。
【0041】
図4(a)は、上部連座1を示す平面図である。図4(b)は、上部連座1を示す正面図である。図5は、図4(a)のV-V線に沿う一部断面図である。図4(a)、図4(b)及び図5に示されるように、上部連座1は、長尺状の開口2aを有する有底箱状の基部2と、基部2の底面2bに設けられた複数の筒部3と、を含む。上部連座1は、座部材を構成する。
【0042】
基部2は、筒状体12aの上端に当接する。筒部3は、複数の筒状体12aの数に対応する所定数だけ設けられている。筒部3は、筒状体12aの内径に対応する外径を有する円筒状を呈する。筒部3は、複数の筒状体12aの上端部のそれぞれに連通するように挿入される。筒部3は、その筒孔3aが基部2の内部と連通する。
【0043】
上部連座1は、例えばポリスチレンを含む材料で形成されている。なお、上部連座1の材料としては、特に限定されない。例えば上部連座1の材料としては、耐酸性を有する材料を用いることができる。上部連座1の材料としては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂などが挙げられる。
【0044】
図6は、下部連座51を示す正面図である。図7は、図6のVII-VII線に沿う一部断面図である。図8は、下部連座51の一部を示す平面図である。下部連座51は、複数の筒状体12aの端部に嵌合する。図6図7及び図8に示されるように、下部連座51は、複数の本体部52と、複数の本体部52のそれぞれに設けられた突出片53と、複数の本体部52を連結する連結部54と、を備える。
【0045】
本体部52は、その一部が筒状体12aの下端部に嵌入(挿入されて嵌合)される。本体部52は、Z方向を軸方向とし且つ上方に開口する有底円筒状を呈する。本体部52の筒孔52hには、芯金14の下端部(一端部)が嵌入される。これにより、芯金14が筒孔52hに保持される。本体部52の筒孔52hは、円形孔を含む。ここでの筒孔52hの円形孔は、XY面に沿う断面の形状が真円形状の孔である。本体部52は、複数の筒状体12aに対応して複数設けられている。複数の本体部52は、Y方向に沿って所定の隙間をあけて並列されている。
【0046】
突出片53は、各本体部52にZ方向に沿って突出するように4つずつ設けられている。ここでの突出片53は、上方から見て、各本体部52における軸方向回りの四等配の位置(等間隔の四箇所)に設けられている。突出片53は、本体部52の径方向に沿って延び且つZ方向に沿って延びる板状を呈する。突出片53は、筒状体12aの内部に配置される。突出片53の上部は、上方に尖る尖部を構成する。突出片53の上部の先端は、丸面取りされている。連結部54は、複数の本体部52をY方向に沿って所定の隙間をあけて並列させた状態で連結する。連結部54は、Y方向に沿って延在する。連結部54は、本体部52と一体(渾然一体)になるように設けられている。
【0047】
下部連座51は、例えば耐酸性を有する材料で形成されている。下部連座51の材料としては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂が挙げられる。下部連座51は、サイクル特性を向上させやすい観点から、熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリオレフィンを含むことがより好ましく、ポリプロピレンを含むことが更に好ましい。サイクル特性を向上させやすい観点から、筒状体12aがポリオレフィンを含む場合において下部連座51がこれらの材料を含むことが好ましい。下部連座51は、筒状体12aと同一の材料で形成されていてもよく、筒状体12aと異なる材料で形成されていてもよい。下部連座51の材料としては、特に限定されない。
【0048】
図9は、芯金14、連結部12e及び耳部12dを示す正面図である。図9に示されるように、連結部12eは、Y方向に並ぶ複数の芯金14の上端部(他端部)を連結する。連結部12eは、Y方向に延びる。連結部12eは、複数の芯金14の上端部に連なるように設けられている。連結部12eは、上部連座1(図5参照)の基部2内に挿入されて嵌合される。連結部12eは、基部2の底面2bと当接する。耳部12dの一端は、連結部12eに接続されている。耳部12dの他端は、連結部材130a(図1参照)に接続される。芯金14、連結部12e及び耳部12dは、一体で形成されている。
【0049】
以上に説明した鉛蓄電池100の製造方法は、電極を製造する電極製造工程(電極製造方法)と、各構成部材を組み立てて鉛蓄電池100を得る組立て工程(組立て方法)と、を少なくとも備える。
【0050】
電極製造工程では、正極10を得る。電極製造工程は、筒状体12aを形成する工程と、筒状体12aの上端部に上部連座1を取り付ける工程と、芯金14を筒状体12a内に挿入する工程と、正極材16を筒状体12a内に充填する工程と、筒状体12aの下端部を下部連座51により封止する工程と、を含む。芯金14を筒状体12a内に挿入する工程では、筒状体12aの上端部に上部連座1が取り付けられた状態で、上部連座1の筒部3を介して、芯金14をその下端部から当該筒状体12a内に挿入する。
【0051】
組立て工程では、例えば、セパレータ30を介して未化成の正極10及び未化成の負極20を積層すると共に、同極性の電極の集電部をストラップで溶接させて電極群110を得る。電極群110を電槽120内に進入させて配置し、未化成の電池を作製する。未化成の電池に希硫酸を入れて直流電流を通電して電槽化成する。化成後の硫酸の比重を適切な比重に調整することにより鉛蓄電池100を得る。なお、化成処理は、組立て方法の後に実施されることに限られず、電極製造方法にて実施されてもよい(タンク化成)。
【0052】
次に、本実施形態に係る正極10の要部について説明する。
【0053】
図10は、芯金14の下端部を示す側面図である。図11(a)は、芯金14の下端部側の端面14aを示す図である。図11(b)は、図9のXb-Xb線に沿う一部断面図である。図12(a)は、下部連座51の筒孔52hに嵌入前の芯金14の下端部を説明する拡大側断面図である。図12(b)は、下部連座51の筒孔52hに嵌入後の芯金14の下端部を説明する拡大側断面図である。
【0054】
図10に示されるように、芯金14の下端部は、下部連座51の本体部52の筒孔52hに嵌入される前の状態(嵌入されていない状態)において、芯金14の軸線が反るように曲がっている。芯金14の軸線は、例えば、芯金14の中心線に対応する。芯金14の下端部の曲がり量Dは、上部連座1の筒部3の筒孔3a(図5参照)の最小内径以下である。芯金14の下端部の曲がり量Dは、筒状体12a(図2)の最小内径以下である。曲がり量Dとは、例えばZ方向に直線状に延びる部分に対する、最も大きく曲がった位置のX方向の距離である。曲がり量Dは、反り量とも同義である。曲がり量Dは、一般的な手法(公知手法)により測定することができる。最小内径とは、内径のうちの最も小さい内径である。
【0055】
芯金14の上端部は、芯金14の下端部が本体部52の筒孔52hに嵌入される前の状態において、芯金14の当該下端部よりも直線状に延在する。芯金14の中央部は、芯金14の下端部が本体部52の筒孔52hに嵌入される前の状態において、芯金14の当該下端部よりも直線状に延在する。ここでは、芯金14の上端部及び中央部が、芯金14の下端部が本体部52の筒孔52hに嵌入される前の状態において、Z方向に沿って真っ直ぐ延在する。
【0056】
図11(a)に示されるように、芯金14の下端部側の端面14aは、長手方向を有する長尺形状を呈する。端面14aの長尺形状は、具体的には、複数の芯金14の並設方向であるY方向を長手方向とし、且つ、当該並設方向の直交方向であるX方向を短手方向とする形状である。端面14aの長尺形状は、円形孔としての筒孔52hの径よりも大きい長径を有する楕円形状である。端面14aの長尺形状は、真円形状がX方向に潰れた形状である。端面14aの長尺形状は、真円形状がX方向に歪んだ形状である。図11(b)に示されるように、芯金14の少なくとも上端部の断面は、円形状を呈している。具体的には、芯金14の上端部及び中央部の断面は、真円形状を呈している。
【0057】
図12(a)は、下部連座51の筒孔52hに嵌入前の芯金14の下端部を説明する拡大側断面図である。図12(b)は、下部連座51の筒孔52hに嵌入後の芯金14の下端部を説明する拡大側断面図である。図12(a)及び図12(b)に示されるように、筒状体12aの下端部を下部連座51により封止する際には、芯金14の下端部が下部連座51の本体部52の筒孔52hに嵌入される。
【0058】
図12(a)に示されるように、芯金14が筒孔52hに嵌入される前の状態においては、上述したように、芯金14の下端部は、複数の芯金14の並設方向に直交するX方向にその軸線が反るように曲がっている。芯金14の下端部の曲がり量は、下端に行くほど大きくなっている。図12(b)に示されるように、芯金14が筒孔52hに嵌入された状態では、芯金14の下端部は、筒孔52hに倣って延び、嵌入される前よりも直線状に延びる。嵌入後の芯金14の下端部には、嵌入前の曲がった状態に弾性復帰しようする弾性力が働く。その弾性力でもって、嵌入後の芯金14の下端部は、筒孔52hの内面に対して押し付けられて強固に係合する。
【0059】
以上に説明した芯金14の製造方法は、芯金14を構成する棒状部材の端部を切断装置で切断する切断工程と、切断した棒状部材の下端部を、その軸線が反るように曲げる成形工程と、を備える。成形工程は、切断工程により棒状部材を切断する際に、その切断に要される力を利用して、棒状部材の下端部を曲げる。なお、切断工程の後に成形工程を実施してもよい。つまり、切断の際に(切断と同時に)下端部を曲げるのに代えてもしくは加えて、切断とは別に下端部を曲げてもよい。切断工程の切断手法及び切断装置としては、種々の公知手法及び公知装置を採用し得る。成形工程の成形手法及び成形装置としては、種々の公知手法及び公知装置を採用し得る。
【0060】
以上、正極10では、芯金14の下端部が曲がっていることから、芯金14の下端部を下部連座51の本体部52に嵌入した場合には、芯金14の下端部が本体部52の筒孔52hの内面に接触すると共に、芯金14の弾性力でその下端部が当該内面を押し付ける。そのため、芯金14の下端部を、本体部52の筒孔52hに強固に嵌めることができる。下部連座51と芯金14との嵌合性を向上することが可能となる。
【0061】
正極10では、芯金14の下端部側の端面は、楕円形状であってもよい。芯金14の下端部側の端面が楕円形状であることから、その長軸方向において芯金14の下端部を本体部52の筒孔52hの内面にめり込ませ、芯金14の下端部を筒孔52hに強固に嵌めることができる。下部連座51と芯金14との嵌合性を一層向上することが可能となる。
【0062】
正極10は、筒状体12aの下端部に連通するように挿入された筒部3を有する上部連座1を備える。芯金14の下端部の曲がり量Dは、筒部3の最小内径以下である。これにより、芯金14を上部連座1の筒部3を介して筒状体12aへ挿入する際に、芯金14の下端部が筒部3の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0063】
正極10では、芯金14の下端部の曲がり量Dは、筒状体12aの最小内径以下である。これにより、芯金14を筒状体12aへ挿入する際に、芯金14の下端部が筒状体12aの内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0064】
正極10では、芯金14の上端部は、芯金14の下端部が本体部52の筒孔52hに嵌入される前の状態において、芯金14の当該下端部よりも直線状に延在している。この場合、筒状体12aの内部において芯金14の下端部の周辺では、活物質が均等に使われ易くなる。よって、集電性を向上することが可能となる。
【0065】
鉛蓄電池100は、正極10を備える。この鉛蓄電池100においても、正極10を備えることから、下部連座51と芯金14との嵌合性を向上できるという上記効果が奏される。
【0066】
芯金14は、筒状体12aと正極材16と下部連座51とを備えた正極10において、筒状体12aに挿入される棒状の集電体である。芯金14の下端部は、その軸線が反るように曲がっている。この芯金14では、下端部が曲がっていることから、下端部を下部連座51に嵌入した場合には、下端部が下部連座51に接触すると共に、芯金14の弾性力(嵌入前の曲がった状態に弾性復帰しようする力)でその下端部が下部連座51を押し付ける。そのため、芯金14の下端部を、下部連座51に強固に嵌めることができる。下部連座51と芯金14との嵌合性を向上することが可能となる。
【0067】
なお、芯金14の下端部を下部連座51の本体部52の筒孔52hに嵌入した状態では、当該芯金14の下端部については、例えば、筒孔52hの内面に接触している、当接している、めり込んでいる、入り込んでいる、押し入っている、又は、食い込んでいるといえる。
【0068】
芯金14の下端部側の端面14aは、長円である。この場合、例えば芯金14の下端部が下部連座51に嵌入される場合に、その長軸方向において当該下端部を下部連座51に強固に嵌めることができる。下部連座51と芯金14との嵌合性を一層向上することが可能となる。
【0069】
芯金14の下端部の曲がり量は、上部連座1の筒部3の最小内径以下である。これにより、芯金14を筒部3を介して筒状体12aへ挿入する場合に、芯金14の下端部が筒部3の内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0070】
芯金14の下端部の曲がり量は、筒状体12aの最小内径以下である。これにより、芯金14を筒状体12aへ挿入する際に、芯金14の下端部が筒状体12aの内面に接触してしまうのを抑制することが可能となる。
【0071】
芯金14の上端部は、芯金14の下端部よりも直線状に延在している。この場合、筒状体12aの内部において芯金14の上端部の周辺では、活物質が均等に使われ易くなる。よって、集電性を向上することが可能となる。
【0072】
芯金14の製造方法は、上記芯金14を製造する方法であって、芯金14を構成する棒状部材を切断する切断工程と、切断した棒状部材の下端部を、その軸線が反るように曲げる成形工程と、を備える。この製造方法で製造された芯金14によれば、芯金14の下端部を下部連座51に強固に嵌めることが可能となり、下部連座51と芯金14との嵌合性を向上することが可能となる。
【0073】
芯金14の製造方法では、成形工程は、切断工程により棒状部材を切断する際に、その切断に要される力を利用して、棒状部材の下端部を曲げる。この場合、芯金14の一端部の曲がりを、簡易且つ効率的に実現できる。
【0074】
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は上記実施形態に限定されない。
【0075】
本発明の一態様では、芯金14の下端部は、連続的に曲がっていてもよいし、断続的に曲がっていてもよい。芯金14の下端部は、うねるように延びていてもよい。芯金14の下端部は、一定の曲率で曲がっていてもよいし、変化する曲率で曲がっていてもよい。複数の芯金14の下端部は、一様に曲がっていてもよいし、互いに異なる態様で曲がっていてもよい。
【0076】
本発明の一態様では、芯金14の上端部は、Z方向に真っ直ぐに延びていなくてもよい。芯金14の上端部は、芯金14の下端部よりも曲がっていなければよく、芯金14の下端部に対して曲がり量が小さければよい。
【0077】
本発明の一態様では、芯金14の端面14aは、楕円形状を呈しているが、楕円形状に限定されず、長手方向を有する長尺形状であればよい。芯金14の端面14aは、扁平円形状であってもよいし、長円形状(トラック形状)であってもよいし、角部が丸い角丸長方形状であってもよい。また、芯金14の端面14aは、X方向の一方側が真円形状で、X方向の他方側が楕円ないし扁平円形状であってもよい。また、芯金14の端面14aは、X方向の他方側が切り落されたような形状(X方向の他方側の縁がY方向に直線状に延びる形状)であってもよい。ちなみに、芯金14の端面14aは、上述した形状の少なくとも何れかを組み合わせた形状であってもよい。
【0078】
本発明の一態様に係る芯金14の下端部の曲がりは、種々の公知手法により計測することができる。芯金14の下端部の曲がりの計測は、例えば、正極10を非破壊検査、X線検査、溶解検査、研削ないし研磨等により他の部分を除去した後の検査により、実現してもよい。芯金14の下端部の曲がりの計測は、例えば、本体部52の筒孔52hに嵌入する前のタイミングで、実現してもよい。また、本発明の一態様に係る芯金14の端面14aの形状及び断面形状は、種々の公知手法により計測することができる。芯金14の端面14aの形状及び断面形状の計測は、例えば、正極10を非破壊検査、X線検査、溶解検査、研削ないし研磨等により他の部分を除去した後の検査により、実現してもよい。芯金14の端面14aの形状及び断面形状の計測は、例えば、本体部52の筒孔52hに嵌入する前のタイミングで、実現してもよい。
【0079】
本発明の一態様に係る下部連座51を備える正極10及び鉛蓄電池100は、例えば電気車に用いることができる。電気車としては、フォークリフト、ゴルフカート等が挙げられる。本発明では、上記実施形態及び上記変形例の各構成を適宜組み合わせてもよい。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…上部連座(座部材)、3…筒部、10…正極(電極)、12a…筒状体、14…芯金(集電体)、14a…端面、16…正極材(電極材)、51…下部連座(封止部材)、52…本体部、52h…筒孔、59…張り出し部、100…鉛蓄電池。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12