(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
(21)【出願番号】P 2022130791
(22)【出願日】2022-08-18
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】松山 学
【審査官】上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-088679(JP,A)
【文献】特開2009-039303(JP,A)
【文献】特開2019-025228(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0007132(KR,A)
【文献】特開2021-115109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0022619(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が載置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを備えるゲーム装置であって、
前記景品を載置する載置面を有し、変位可能に構成された景品載置部と、
前記景品載置部を支持するように設けられた受け部と、
前記受け部に外力を付与するように構成された外力付与部と、
前記景品載置部と、前記外力付与部とを相対的に移動させる移動機構と、を備え、
前記景品載置部は、前記受け部と係合する連結部を備え、
前記受け部は、前記移動機構に設けられていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記景品載置部は、前記受け部の一部が前記外力を受けた結果、変位するように構成されている請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記景品載置部は、前記受け部の先端から突出するように設けられている請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記景品載置部は、前記連結部を回動中心として、回動するように構成されている請求項
1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記連結部は、円筒状をなし、
前記連結部の軸方向に沿って、前記受け部と係合する凹部が設けられている請求項
1に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記受け部の一部が、前記凹部に係合することにより、前記景品載置部は、前記景品を載置できる状態をとるように構成されている請求項
5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記受け部は、前記景品載置部の前記載置面に対して所定の角度で傾斜するように設けられている請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記受け部を被覆する被覆部をさらに備え、
前記被覆部は、前記外力付与部の形状に対応するように、切り欠かれている請求項1ないし
7のいずれかに記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、特に、景品を獲得するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレーン式ゲーム装置等の様々な景品取得ゲーム装置が知られている。近年、クレーン式ではないタイプの景品取得ゲーム装置の人気が高まっている。例えば、景品が設置されるゲーム空間上に、複数の景品支持部が配列するように構成された景品取得ゲーム装置がある(例えば、特許文献1)。この景品取得ゲーム装置は、景品支持部に対して、外力を付与する外力付与部をさらに備える。外力付与部が、景品支持部に外力を付与するように動作する。その結果、景品支持部が変位し、景品支持部に設置された景品が落下する。このような外力付与部の動作を繰り返すことにより、プレイヤは、景品を獲得することができる。
【0003】
この景品取得ゲーム装置は、景品を簡単に取得することができ、プレイヤに満足感を与えることができる。このような景品取得ゲーム装置の需要は益々高まっている。このような状況で、他のゲーム装置との差別化を図る観点から、プレイヤに景品獲得イメージを与えることが重要な要素の1つとなっている。また、プレイヤの満足度をさらに高めるためのゲーム装置が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、上記目的は、下記(1)~(10)の本発明により達成される。
【0007】
(1) 景品が載置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを備えるゲーム装置であって、
前記景品を載置する載置面を有し、変位可能に構成された景品載置部と、
前記景品載置部を支持するように設けられた受け部と、
前記受け部に外力を付与するように構成された外力付与部と、
前記景品載置部と、前記外力付与部とを相対的に移動させる移動機構と、を備えることを特徴とするゲーム装置。
【0008】
(2)前記景品載置部は、前記受け部の一部が前記外力を受けた結果、変位するように構成されている上記(1)に記載のゲーム装置。
【0009】
(3)前記景品載置部は、前記受け部の先端から突出するように設けられている上記(1)に記載のゲーム装置。
【0010】
(4)前記景品載置部は、前記受け部と係合する連結部を備える上記(1)に記載のゲーム装置。
【0011】
(5)前記景品載置部は、前記連結部を回動中心として、回動するように構成されている上記(4)に記載のゲーム装置。
【0012】
(6)前記連結部は、円筒状をなし、
前記連結部の軸方向に沿って、前記受け部と係合する凹部が設けられている上記(4)に記載のゲーム装置。
【0013】
(7)前記受け部の一部が、前記凹部に係合することにより、前記景品載置部は、前記景品を載置できる状態をとるように構成されている上記(6)に記載のゲーム装置。
【0014】
(8)前記受け部は、前記景品載置部の前記載置面に対して所定の角度で傾斜するように設けられている上記(1)に記載のゲーム装置。
【0015】
(9)前記受け部は、前記移動機構に設けられている上記(1)に記載のゲーム装置。
【0016】
(10)前記受け部を被覆する被覆部をさらに備え、
前記被覆部は、前記外力付与部の形状に対応するように、切り欠かれている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のゲーム装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部および受け部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部および受け部を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部の変位を説明する図である。
図5(a)は、景品載置部の変位前の状態を示す図であり、
図5(b)は、景品載置部の変位中の状態を示す図であり、
図5(c)は、景品載置部の変位後の状態を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態のゲーム装置における、外力付与部および景品載置部の変位を説明する部分拡大側面図である。
図6(a)は、外力付与部の変位前の状態を示す図であり、
図6(b)は、外力付与部の変位後の状態を示す図であり、
図6(c)は、外力付与部が変位した結果、景品載置部が変位している状態を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0020】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部および受け部を示す斜視図である。
図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部および受け部を示す分解斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品載置部の変位を説明する図である。
【0021】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、筐体2と、操作部3と、取付け部4と、複数の景品載置部5と、外力付与部6と、移動機構7と、受け部11と、を備える。さらに、
図2に示すように、ゲーム装置1は、記憶部8、制御部9および検知部10を備える。以下、ゲーム装置1の各部について説明する。
【0022】
<筐体>
筐体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有する。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などであってもよい。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0023】
(筐体上部)
筐体上部21は、ほぼ角柱状に形成されている。筐体上部21で画成された空間が、ゲーム空間211となっている。筐体上部21の各面は、適宜透明部材で構成されているので、ゲーム空間211を外側から視認することができる。ゲーム空間211には、景品を載置可能とするように各部材が配置される。ゲーム空間211は、景品を載置可能な形状、寸法を有していればよい。
【0024】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上端で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、各部材を収納する機能を有し、例えば、記憶部8や制御部9を収納することができる。筐体下部22は、景品取出空間221と、景品取出口222と、コイン投入口223とを有する。
【0025】
景品取出空間221は、筐体下部22内に設けられ、筐体上部21のゲーム空間211と連通する。景品取出空間221は、筐体下部22の内部の各面によって構成される空間である。景品取出口222は、筐体下部22の前面の中央に設けられている。景品取出口222を介して、景品取出空間221に位置する景品を取り出すことができる。景品取出口222は、矩形の形状に形成され、その大きさは、景品が通過できるように適宜設定されている。筐体下部22の前面の右端には、コインを投入可能に構成されたコイン投入口223がさらに設けられている。
【0026】
<操作部>
操作部3は、筐体下部22の上面に設けられ、円盤状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有する。本実施形態のゲーム装置1では、押ボタンを押圧すると、移動機構7の移動開始または移動停止、外力付与部6の状態変化等が実現される。押ボタンの数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、他の操作用部材(例えば、操作用スティック)を含んでいてもよい。
【0027】
<取付け部>
取付け部4は、筐体下部22の上端に設けられた板状部材である。取付け部4は、景品載置部5や移動機構7を取り付ける機能を有する。また、取付け部4は、ゲーム空間211と、景品取出空間221との境界を画定している。すなわち、取付け部4の上側に、ゲーム空間211があり、取付け部4の下側に、景品取出空間221がある。ゲーム空間211と、景品取出空間221とが連通するように、取付け部4は、切り欠かれている。これにより形成された開口20を介して、景品は、ゲーム空間211から景品取出空間221へ落下する。すなわち、取付け部4は、開口20を規定する機能を有する。本実施形態では、開口20は、その平面視で円形状をなす。また、開口20は、移動機構7の本体71の形状に対応するように形成されている。景品が開口20を通過可能な限り、開口20の形状、大きさは、特に限定されない。
【0028】
<移動機構>
次に、移動機構7について説明する。本実施形態では、移動機構7は、移動機構7に配置される部材を、外力付与部6に対して移動させる機能を有する。具体的に、本実施形態では、移動機構7は、景品載置部5および受け部11ならびに景品載置部5に載置された景品を、外力付与部6に対して移動させる機能を有する。この移動機構7は、本体71と、回転軸72と、ローラー73と、回転用モーター(図示せず)と、を含む。
【0029】
本体71は、円環状をなし、その上面は平坦となっている。これにより、本体71の上面に各部材を容易に配置することができる。このような本体71は、回転体として機能する部材である。また、本体71は、取付け部4を切り欠くことによって形成された開口20の縁部に沿って設けられている。このため、本体71の形状と、開口20の形状は対応している。すなわち、本体71の幅に応じて、開口20のサイズ(直径)も変化する。本実施形態では、本体71の幅は、受け部11の長さと同程度に設定されている。
【0030】
回転軸72は、筐体下部22内に、その上下方向に沿って設けられている。回転軸72は、棒状をなしている。そして、回転軸72の一端は、取付け部4から突出して、ローラー73に接続されている。また、回転軸72の他端は、筐体下部22内において回転用モーターに接続されている。回転軸72は、回転用モーターの動力をローラー73に伝える機能を有する。
【0031】
ローラー73は、回転軸72を介して伝えられた回転用モーターの動力を、本体71に伝える機能を有する。ローラー73は、円筒状をなしている。ローラー73の外周面と、本体71の外周面とが互いに当接するように、ローラー73は、取付け部4の上方に位置している。
【0032】
このような回転軸72およびローラー73によって、回転用モーターの動力が、本体71に伝達される。その結果、本体71は、回転用モーターの動力によって回転する。
【0033】
移動機構7の構成は、ゲーム装置1の部材を移動させる機能を有していれば、特に限定されない。例えば、移動機構7の全体が、筐体下部22内に収納されていてもよい。これにより、本体71の上面は、取付け部4の上面と面一をなしてもよく、取付け部4の上面より下方に位置付けられてもよい。このような場合、回転軸72およびローラー73は、筐体下部22内に、すなわち取付け部4の下方に位置付けられ、回転用モーターの動力を本体71へ伝達する。さらに、移動機構7は、外力付与部6のみを移動可能に構成されていてもよい。また、移動機構7は、外力付与部6の移動と、景品載置部5および受け部11の移動とを別々に行うように構成されていてもよい。
【0034】
<受け部>
受け部11は、外力付与部6の外力を受ける機能と、景品載置部5を回動可能に支持する機能とを有する。本実施形態では、受け部11が、移動機構7の上面に設けられている。このような構成によれば、プレイヤは、景品を落下させるために外力付与の対象となる受け部11(ターゲットとなる特定の受け部11)を目で追うことになり、ゲームへの没入感を高めることができる。受け部11は、上側カバー部材111と、下側カバー部材112と、軸部材113と、懸下部材114と、被覆部115とを有する。
【0035】
下側カバー部材112は、移動機構7の上面に固定され、受け部11の底板部として機能する。下側カバー部材112は、移動機構7の上面に配置される基材と、当該上面を横断し、基材から立設する一対の側板を有する。各側板には、軸部材113が挿通する貫通孔112aおよび貫通孔112bと、が設けられている。貫通孔112aは、側板の先端部(連結部52が位置する側の端部)に設けられ、貫通孔112bは、側板の中央付近に設けられている。
【0036】
上側カバー部材111は、外力付与部6が当接する当接部材として機能する。上側カバー部材111は、中央部として構成される受け部材111Aと、受け部材111Aから下側カバー部材112に延びる一対の側板を有する。各側板には、軸部材113が挿通する貫通孔111aおよび貫通孔111bが設けられている。貫通孔111aは、側板の先端部に設けられ、貫通孔111bは、側板の中央付近に設けられている。上側カバー部材111は、下側カバー部材112に嵌合するように、下側カバー部材112上に設けられる。
【0037】
上側カバー部材111の側板の先端部は、連結部52に対応して切り欠かれている。具体的には、受け部11と景品載置部5とが組み立てられた状態において(
図3)、上側カバー部材111の側板の先端部と、連結部52のシャフト522とが干渉しないように、上側カバー部材111の側板の先端部は、切り欠かれている。
【0038】
また、上側カバー部材111の側板の基端部(連結部52が位置する側とは反対側の端部)は、下側カバー部材112に対応して切り欠かれている。具体的に、受け部11と景品載置部5とが組み立てられた状態において(
図3)、切り欠かれた基端部の切断面が、下側カバー部材112の底面に対して水平となっている。これにより、受け部11と景品載置部5とが組み立てられた状態において、外力付与部6からの外力によって、上側カバー部材111の基端部が、下方に変位することができる。すなわち、上側カバー部材111の基端部は、逃げ部を有するように構成されている。
受け部材111Aは、外力付与部6からの外力を受ける機能を有する。受け部材111Aは、平板状をなしている。本実施形態では、受け部材111Aには複数の角孔が設けられている(
図3)。後述するように、受け部材111Aにおける角孔がない部分(特に、受け部材111Aの基端部)に外力が付与されることで、上側カバー部材111が変位(回動)する。
【0039】
このような上側カバー部材111および下側カバー部材112の間に、軸部材113が設けられる。軸部材113は、連結部52と係合する機能と、上側カバー部材111の支点となる機能とを有する。軸部材113は、第1の軸部材113Aと、第2の軸部材113Bとで構成されている。
【0040】
第1の軸部材113Aは、連結部52の凹部521に係合する機能を有する。第1の軸部材113Aの両端部には、係合部材が設けられる。係合部材は、例えば、ネジ、座金、ボルト、ナット等で構成される。第1の軸部材113Aは、上側カバー部材111の貫通孔111aに挿通され、第1の軸部材113Aの両端部が、係合部材により上側カバー部材111の側板の先端部に固定される。第1の軸部材113Aの両端部が、上側カバー部材111に固定されているので、上側カバー部材111の先端部の変位に伴い、第1の軸部材113Aも一体的に変位する。
【0041】
第2の軸部材113Bは、上側カバー部材111の支点となるように機能する。また、第2の軸部材113Bの両端部には、係合部材が設けられる。係合部材は、例えば、ネジ、座金、ボルト、ナット等で構成される。第2の軸部材113Bは、上側カバー部材111の貫通孔111bおよび下側カバー部材112の貫通孔112bに挿通される。具体的に、貫通孔111bおよび貫通孔112bが同軸上に位置するように、上側カバー部材111および下側カバー部材112の側板同士が重なった状態で、第2の軸部材113Bは、貫通孔111bおよび貫通孔112bに挿通される。
【0042】
そして、第2の軸部材113Bの両端部が、係合部材によって、下側カバー部材112の側板に固定される。この際、第2の軸部材113Bの両端部は、上側カバー部材111の側板には固定されていない。これにより、上側カバー部材111は、第2の軸部材113Bを支点として変位可能となっている。
【0043】
懸下部材114は、第1の軸部材113Aおよび第2の軸部材113Bの間において、上側カバー部材111の先端部から鉛直方向に沿って設けられている。懸下部材114は、長尺状をなしている。懸下部材114の一端は、上側カバー部材111の先端部に接続され、懸下部材114の他端は、図示しない錘部材に接続され得る。これにより、懸下部材114は、景品載置部5および景品の重みによって、第1の軸部材113Aおよび凹部521の係合が予期せず解除されることを抑制ないし防止することができる。なお、懸下部材114は、弾性部材(例えば、バネ)で構成されていることが好ましい。これにより、上側カバー部材111の可動を過度に制限することなく、懸下部材114の機能を発揮することができる。
【0044】
さらに、被覆部115が、上側カバー部材111の受け部材111Aに対面するように設けられている。すなわち、被覆部115は、上側カバー部材111の受け部材111Aを覆うように装着される。被覆部115は、外力付与部6から上側カバー部材111の受け部材111Aへの外力の伝達を抑制ないし遮断する機能を有する。このため、被覆部115は、緩衝部材で構成されていることが好ましい。これにより、外力付与部6の外力が被覆部115に付与されたとき、当該外力が、被覆部115に吸収され、上側カバー部材111へ伝わることを抑制ないし防止することができる。その結果、上側カバー部材111は変位しない。また、被覆部115は、外力付与部6の当接部材62の形状に対応するように切り欠かれ、切欠き部115Aを構成している。このような構成により、被覆部115は、上側カバー部材111の受け部材111Aに対して外力が付与されるエリアを限定する機能を有する。すなわち、被覆部115は、的となる受け部材111Aをプレイヤに示す機能を有する。
【0045】
本実施形態では、被覆部115は、すべての受け部11の受け部材111Aに設けられているが、一部の受け部11の受け部材111Aにのみ被覆部115が設けられていてもよい。また、本実施形態では、被覆部115の切欠き部115Aの形状は、当接部材62の形状とほぼ同一であるが、これに限定されない。例えば、切欠き部115Aの形状は、当接部材62の形状を包含するような長方形状であってもよい。なお、複数の被覆部115において、切欠き部115Aの形状は、互い同一であっても、異なっていてもよい。後者の場合、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0046】
<景品載置部>
景品載置部5は、ゲーム空間211において開口20の周方向に沿って配置された複数の景品載置部5で構成されている。各景品載置部5は、景品を載置する機能を有する。また、景品載置部5は、載置部材51と、連結部材(連結部)52とを有する(
図3および
図4参照)。なお、
図3に示すように、景品載置部5は、外力を受ける受け部11の先端から突出するように設けられている。すなわち、外力を受ける部材と、景品が載置される部材とが別部材となっている。このため、以下で記載するように、載置部材51の構成を柔軟に変更することができる。
【0047】
載置部材51は、平板状をなしている。そして、載置部材51の上面が、載置面511として構成されている。これにより載置面511に景品を容易に載置することができる。
載置部材51は、受け部11の先端側で、連結部52を介して設けられる。前述したように、移動機構7の本体71の幅は、受け部11の下側カバー部材112が収まる程度に設定されているので、載置部材51は、受け部11の先端から突出するように構成されている。これにより、景品が景品取出空間221へ落下するイメージをプレイヤに与えることができる。その結果、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0048】
載置部材51の幅は、その基端側から先端側にかけて漸減している。このため、プレイヤは、載置部材51同士の間を介して開口20を確認することができる。これにより、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。その結果、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。このような効果は、景品が、載置部材51の先端側に位置するとき、より顕著に発揮される。
【0049】
なお、本実施形態では、複数の載置部材51にわたって、1つの景品が載置されているが(
図1)、各載置部材51に、景品を1つずつ載置することもできる。載置部材51の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。本実施形態では、載置部材51の数は、13個であるが、その数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。また、本実施形態において、複数の載置部材51は、互いに、同一形状である。これにより、景品の載置が容易となる。また、複数の載置部材51は、互いに異なる形状を有していてもよい。これにより、景品載置方法のバリエーションが増え、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0050】
連結部52は、
図3~
図5に示すように、受け部11と載置部材51との間に位置する。そして、連結部52は、受け部11および載置部材51を連結する機能を有する。連結部52は、円筒状をなしている。そして、連結部52の軸方向に沿って、凹部521が設けられている。さらに、連結部52は、その長手方向に沿った中心軸にシャフト522を有する。
【0051】
凹部521は、第1の軸部材113Aと係合する機能を有する(
図4参照)。載置部材51と連結部52とが連結された状態(
図5(a)に示す状態)において、凹部521は、連結部52の上側(載置面511側)に設けられている。また、凹部521は、連結部52の中心軸に向かって切り欠かれた側面521aと、側面521aに直交し、載置面511に向かう側面521bとで構成される。
【0052】
受け部11と連結部52とが連結された状態において(
図3参照)、側面521bは、上側カバー部材111の上面と平行である。また、側面521aは、上側カバー部材111の上面に対して垂直である。このような構成により、凹部521は、第1の軸部材113A(受け部11の一部)と係合する機能を効果的に発揮することができる。このため、例えば、景品載置部5の予期しない変位を抑制ないし防止することができる。その結果、ゲーム装置1の信頼性を高めることができる。
【0053】
さらに、連結部52がこのように切り欠かれて構成された凹部521を有するので、連結部52は、その構成を簡略化させるとともに、受け部11の第1の軸部材113Aと係合する機能を確実に発揮させることができる。また、第1の軸部材113Aと係合する凹部521が解放されているため、景品載置部5の変位を簡単にかつスムーズに行うことができる。
【0054】
シャフト522は、連結部52の長手方向の中心軸に沿って、連結部52に挿通されている。シャフト522の両端部は、連結部52の両側面から突出している。シャフト522の両端部には、受け部11の下側カバー部材112の貫通孔112aと係合するための係合部材が設けられている。係合部材は、例えば、ネジ、座金、ボルト、ナット等で構成される。シャフト522の両端部は、下側カバー部材112の貫通孔112aに挿通される。そして、シャフト522の両端部が、係合部材によって下側カバー部材112の貫通孔112aに回動可能に固定される。これにより、連結部52は、シャフト522を回動中心として、回動可能になっている。
【0055】
以上のような構成により、景品載置部5は、受け部11の下側カバー部材112の先端部に固定された状態で、連結部52および載置部材51が一体となって、変位(回動)する。すなわち、景品載置部5が、シャフト522を回動中心として、回動することができる。以下、
図5を参照して、景品載置部5の変位について、説明する。
図5では説明の都合上、受け部11は省略している。
【0056】
図5(a)は、景品載置部の変位前の状態を示す図であり、
図5(b)は、景品載置部の変位中の状態を示す図であり、
図5(c)は、景品載置部の変位後の状態を示す図である。
図5(a)に示す状態(第1の状態)において、景品載置部5は、開口20の径方向に沿って延在している。第1の状態における景品載置部5は、景品を載置可能な状態である。第1の状態から、受け部11の第1の軸部材113Aと連結部52の凹部521との係合が解除されると、
図5(b)に示すように、景品載置部5は、その自重により、連結部52のシャフト522を回動中心として、回動する。
【0057】
具体的に、外力付与部6の外力が上側カバー部材111の基端部に付与されると、第2の軸部材113Bを支点として、上側カバー部材111の基端部が下方向に移動するとともに、てこの原理で上側カバー部材111の先端部が上方向に移動する。換言すれば、上側カバー部材111が、第2の軸部材113Bを支点として回転運動する。この時、上側カバー部材111の先端部に設けられた第1の軸部材113Aも、上方向に移動する。その結果、第1の軸部材113Aおよび凹部521の係合が解除され、受け部11による景品載置部5の支持がなくなり、景品載置部5がその自重により変位する。
【0058】
その後、景品載置部5は、開口20の径方向に対して垂直方向(鉛直方向)に延在した状態(
図5(c)に示す状態:第2の状態)をとる。このように、景品載置部5は、第1の状態から第2の状態へ変位可能(回動可能)に構成されている。このように、景品載置部5は、連結部52を回動中心として回動するように構成されているので、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。そのため、景品載置部5を変位させたことがあるプレイヤは、景品獲得イメージを比較的強く受けることができる。
【0059】
景品載置部5は、受け部11と係合するための連結部52と、景品を載置するための載置部材51とを別部材として備えている。このため、載置部材51の景品載置機能を考慮して、載置部材51の構成を設定することが容易となる。したがって、載置部材51の構成は、より柔軟に設定され得る。載置部材51の厚みは、その基端側から先端側にかけて一定であるが、変化するように構成することもできる。例えば、載置部材51の厚みは、その基端側から先端側にかけて漸減していてもよい。これにより、上記効果をより効果的に発揮することができる。
【0060】
<外力付与部>
図6は、本発明の第1実施形態のゲーム装置における、外力付与部および景品載置部の変位を説明する部分拡大側面図である。
図6に示すように、外力付与部6は、本体部材61と、当接部材62と、変位用モーター(図示せず)とを有する。このような外力付与部6は、受け部11に外力を付与する機能を有する。本実施形態では、当接部材62が、受け部11の上側カバー部材111に当接するように、外力付与部6は、受け部11に外力を付与することができる。また、本実施形態では、外力付与部6は、操作部3と景品載置部5との間において、筐体下部22の上面に固定されている。
【0061】
本体部材61は、棒状をなしている。そして、本体部材61の基端が、筐体下部22において変位用モーターに接続され、その先端が当接部材62に連結している。外力付与部6は、受け部11に対向して位置する。外力付与部6が変位するとき、当接部材62が上側カバー部材111に当接するように、本体部材61の長さは設定されている。
【0062】
当接部材62は、球状をなしている。かかる形状と、被覆部115の切欠き部115Aの形状は対応している。これにより、当接部材62が的となる受け部材111Aに当接するイメージをプレイヤに与えることができ、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。なお、本実施形態によれば、的となる受け部材111Aに当接部材62を当接させた結果、景品載置部5が変位する。すなわち、的となる受け部材111A以外に当接部材62を当接させても、被覆部115の存在により、上側カバー部材111は変位しない。したがって、ゲームの難易度は比較的高い。これにより、初級者から上級者のプレイヤを楽しませることができる。
【0063】
変位用モーターは、操作部3の下方で、筐体下部22内に収納されている。変位用モーターは、本体部材61に動力を伝えるように構成されている。具体的に、操作部3の押ボタンが押圧されると、操作部3への入力情報が情報取得部91によって取得される。取得された情報が情報処理部92によって処理され、動作制御部93へ伝達される。動作制御部93は、外力付与部6の変位用モーターを駆動するよう制御する。その結果、駆動した変位用モーターの動力が、本体部材61へ伝えられる。
【0064】
ここで、景品載置部5、受け部11および外力付与部6の相互作用について、説明する。
図6(a)は、外力付与部の変位前の状態を示す図であり、
図6(b)は、外力付与部の変位後の状態を示す図であり、
図6(c)は、外力付与部が変位した結果、景品載置部が変位している状態を示す図である。なお、説明の都合上、被覆部115は省略している。
【0065】
図6(a)に示すように、外力付与部6は、変位前、筐体下部22の上面に対して垂直状態となっている。外力付与部6は、変位する際、垂直状態から、本体部材61の基端部を中心として、対向する受け部11へ向かって回動する。その結果、
図6(b)に示すように、当接部材62が、上側カバー部材111の受け部材111Aに当接し、外力付与部6は、傾斜状態となる。
【0066】
外力付与部6の外力によって、上側カバー部材111の基端部が下方向に変位するとともに、てこの原理で先端部が上方向に変位する(
図6(c)参照)。これにより、第1の軸部材113Aと、連結部52の凹部521との係合が解除される。その結果、景品載置部5が、その自重により第1の状態から第2の状態へ向かって変位していく。
【0067】
なお、
図6に示すように、上側カバー部材111の上面が、載置面511に対して、所定の角度で傾斜するように、受け部11は移動機構7の本体71に設けられている。これにより、外力付与部6の外力が上側カバー部材111の基端部へ効率よく伝わり、てこの原理による上側カバー部材111の先端部の変位を効率よく行うことができる。所定の角度は、例えば、120°~150°である。受け部11が移動機構7の本体71に設けられた状態において、上側カバー部材111の上面は、移動機構7の本体71の上面に対して、所定の角度(例えば、30°~45°)で傾斜している。上側カバー部材111が、載置面511および本体71の上面に対して、それぞれ所定の角度で傾斜していることにより、プレイヤは、受け部11の構成がよく見えるので、特定の受け部11に狙いを定めることを容易とする。加えて、外力付与部6の変位量を抑制することができ、上側カバー部材111に対する外力付与部6の外力付与が効率よく行われる。
【0068】
<検知部>
検知部10は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部10は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。例えば、検知部10は、景品が景品取出空間221に存在するか否を検知してもよい。また、検知部10は、外力付与部6の状態(垂直状態であるか否か)を検知するように構成されていてもよい。これらの場合、検知部10は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成される。
【0069】
【0070】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムなどを保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ゲームの難易度を設定するためのデータやゲーム回数を示すログデータなどを記憶する。例えば、ゲームの難易度を設定するデータは、移動機構7の回転速度データであってもよい。この場合、ゲームの難易度は、移動機構7の回転速度に応じて変化する。例えば、移動機構7の回転速度が高ければ、ゲームの難易度も高くなる。
【0071】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0072】
(情報取得部)
情報取得部91は、操作部3からの入力情報、検知部10が検知した情報(例えば、外力付与部6の状態に関する情報)などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0073】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して、動作制御部93に指示する機能を有する。例えば、情報処理部92は、操作部3への入力により得られた情報に基づいて、移動機構7の停止および外力付与部6の変位を、動作制御部93へ指示する。
【0074】
(動作制御部)
動作制御部93は、移動機構7および外力付与部6の動作を制御する機能を有する。具体的に、プレイヤが操作部3を押圧した場合、動作制御部93は、移動機構7の回転用モーターを駆動させるよう制御することができる。また、プレイヤが操作部3を再度押圧した場合、動作制御部93は、移動機構7の回転用モーターの動作を停止させ、外力付与部6を変位させるように制御することができる。これにより、移動機構7が停止した状態において、外力付与部6が垂直状態から傾斜状態へと変位する。また、動作制御部93は、移動機構7の回転用モーターの動作を停止させることなく、外力付与部6を変位させるように制御することができる。これにより、移動機構7が回転している状態において、外力付与部6が垂直状態から傾斜状態へと変位する。このように移動機構7が回転している状態において外力付与部6が変位する場合、動作制御部93は、外力付与部6が傾斜状態へ変位した後、直ちに垂直状態に戻るように、外力付与部6の動作を制御することが好ましい。これにより、外力付与部6が、移動機構7の回転を阻害することを防止することができる。なお、動作制御部93は、操作部3への入力以外の情報に基づいて、各部材の動作を制御してもよい。例えば、動作制御部93は、コイン投入口223にコインを投入された情報(コイン投入情報)に基づいて、移動機構7の回転用モーターを駆動させるよう制御することができる。
【0075】
2.ゲーム装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の動作方法について詳細に説明する。
図7は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0076】
まず、プレイヤは、ゲーム装置1のコイン投入口223にコインを投入する。これにより、ゲームがスタートする。この時、コイン投入情報に基づいて、動作制御部93は、移動機構7の回転用モーターを駆動させるよう制御する。これにより、移動機構7の本体71が回転する。その結果、本体71上に配置された受け部11と、複数の景品載置部5とが回転する(S1)。加えて、動作制御部93は、外力付与部6の変位用モーターを駆動させるよう制御する。これにより、外力付与部6が、傾斜状態から垂直状態へと変位する(S2)。
【0077】
これにより、回転している複数の受け部11のいずれかを外力付与部6によって狙う準備が整う。プレイヤは、タイミングを見計らって、操作部3を押圧する。プレイヤが、操作部3を押圧すると(S3のYES)、情報取得部91が操作部3からの入力情報を受け付ける。その後、情報処理部92は、取得された情報を処理し、移動機構7の回転の停止と、外力付与部6の変位とを行う指示を動作制御部93へ伝達する。
【0078】
情報処理部92からの指示に対応して、動作制御部93は、移動機構7の回転用モーターを停止するよう制御し、移動機構7の本体71の回転が停止する(S4)。加えて、動作制御部93は、外力付与部6の変位用モーターを駆動するよう制御し、外力付与部6が受け部11へ向かって傾斜するように変位する(S5)。そして、受け部11の上側カバー部材111に外力が付与されたか否かにより、景品載置部5の変位の有無が決まる(S6~S7)。
【0079】
具体的に、ステップS5の際、外力付与部6の当接部材62が、受け部11の上側カバー部材111の受け部材111Aに当接しない場合、当接部材62は、上側カバー部材111の被覆部115に当接することになる。その結果、外力付与部6の外力は被覆部115によって吸収されるため、上側カバー部材111の受け部材111Aに外力が付与されない(S6のNo)。そのため、上側カバー部材111は、第2の軸部材113Bを支点として回転運動せず、第1の軸部材113Aと連結部52の凹部521との係合は解除されない。その結果、景品載置部5は変位せず、ゲーム終了となる。
【0080】
一方、ステップS5の際、外力付与部6の当接部材62が、被覆部115の切欠き部115Aを介して、上側カバー部材111の受け部材111Aに当接する場合、上側カバー部材111の受け部材111Aに外力が付与される(S6のYes)。これにより、上側カバー部材111は、第2の軸部材113Bを支点として回転運動し、第1の軸部材113Aと連結部52の凹部521との係合が解除される。その結果、景品載置部5が、第1の状態から第2の状態へ変位する(S7)。各景品載置部5に景品が1つずつ載置されている場合は、これにより景品が景品取出空間221へ落下して、プレイヤは景品を獲得することができ、ゲーム終了となる。複数の景品載置部5にわたって、1つの景品が載置されている場合は、ゲーム装置1は、1回のゲームで、S1~S7までのステップを繰り返すことができるように設定されていてもよい。
【0081】
このように、本実施形態のゲーム装置1によれば、景品載置部5、受け部11および外力付与部6の相互作用によって、景品獲得の行方が左右される。プレイヤは、これらの部材の相互作用を目の前で確認しながら景品獲得のチャレンジをしていくので、ゲーム装置1は、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0082】
なお、移動機構7が回転している状態において、外力付与部6が垂直状態から傾斜状態へと変位する場合は、ステップS4を省略すればよい。この場合、ステップS5の後(例えば、ステップS5とステップS6との間)に移動機構7が停止するステップを実行することができる。なお、景品載置部5が変位する場合がより限定されていてもよい。例えば、外力付与部6が変位する方向において、外力付与部6の当接部材62の中心と、対向する受け部11の被覆部115の切欠き部115Aの中心とが、同一直線上に位置したときのみに、外力付与部6の当接部材62が、被覆部115の切欠き部115Aを通過して、上側カバー部材111の受け部材111Aに当接するようにゲーム装置1が構成されていてもよい。これにより、ゲームの難易度を高めることができる。
【0083】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、GPU(Graphic Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0084】
<<第2実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0085】
図8は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【0086】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0087】
本実施形態のゲーム装置1Aは、外力付与部6Aの構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、
図8に示すように、外力付与部6Aは、角筒状をなした基端部と、中間部と、先端部62Aとを有する。基端部は、操作部3と同様に筐体下部22の上面に固定されている。中間部は、基端部を摺動可能に構成されている。また、先端部62Aは、中間部を摺動可能に構成されている。これにより、外力付与部6Aは、その長手方向に沿って伸縮可能に構成されている。このような構成により、中間が基端部から延びると先端部62Aが中間部から延びる。
【0088】
先端部62Aは、当接部材62と同じ機能を有する。そのため、先端部62Aが、対向する受け部11の被覆部115の切欠き部115Aを介して、上側カバー部材111の受け部材111Aへ当接する。これにより、受け部11の上側カバー部材111の基端部に外力が付与される。
【0089】
その後、外力付与部6Aは、先端部62Aが中間部内に収納され、中間部が基端部内に収納されることにより、収縮する。そして、外力付与部6Aは、受け部11および移動機構7から離間した状態をとることができる。このようなゲーム装置1Aは、景品載置部5と、受け部11と、外力付与部6Aとにおける相互作用によって景品を取得するように構成されており、前述した第1実施形態と同様に、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0090】
<<第3実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0091】
図9は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【0092】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0093】
本実施形態のゲーム装置1Bは、外力付与部6Bの構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、
図9に示すように、外力付与部6Bは、複数のボール62Bと、レール部材63と、ゲート部材64と、傾斜部材65とで構成されている。
【0094】
レール部材63は、円環状をなしている。レール部材63上に、複数のボール62Bが配置される。レール部材63は、ゲーム装置1Bの天井から吊り下げられ、ゲーム空間211の上方に設置されている。このように設置された状態で、レール部材63における操作部3側に、2つのゲート部材64と、2つのゲート部材64の間に配置された傾斜部材65が設けられている。傾斜部材65は、その中央部が長方形状をなしている。中央部の両端には、側壁が設けられている。各側壁は、ボール62Bが中央部の長手方向に沿って移動するように、ボール62Bを誘導する機能を有する。
【0095】
各ゲート部材64は、近接するボール62Bを傾斜部材65に導くように、上方にスライド可能に構成されている。操作部3への入力によって、2つのゲート部材64のうちの一方が上方にスライドする。スライドしたゲート部材64を通過したボール62Bは、傾斜部材65の中央部を滑り落ち、その下方に位置する受け部11へ向かって落下する。そして、ボール62Bが、直下に位置する受け部11の被覆部115の切欠き部115Aを介して、上側カバー部材111の受け部材111Aへ当接するとき、受け部11の上側カバー部材111の基端部に外力が付与される。
【0096】
これにより、上側カバー部材111が回転運動して、受け部11の第1の軸部材113Aと、連結部52の凹部521との係合が解除される。その結果、景品載置部5が、その自重により第1の状態から第2の状態へ変位する。このようなゲーム装置1Bは、景品載置部5と、受け部11と、外力付与部6Bとにおける相互作用によって景品が取得可能に構成されているので、前述した第1実施形態と同様に、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0097】
<<第4実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0098】
図10は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【0099】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0100】
本実施形態のゲーム装置1Cは、移動機構7Cの構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、
図10に示すように、移動機構7Cは、本体71Cの幅が、第1実施形態の移動機構7の本体71の幅よりも広くなるように構成されている。これに応じて、取付け部4によって規定される開口20のサイズが小さくなっている。これにより、景品載置部5および受け部11の全体が、移動機構7Cの本体71Cの上面に設けられている。すなわち、景品載置部5は、開口20上に延在していない。
【0101】
このような構成において、外力付与部6が上側カバー部材111の基端部に外力を付与すると、てこの原理で上側カバー部材111の先端部が上方向に移動する。その結果、受け部11の第1の軸部材113Aと、連結部52の凹部521との係合が解除され、景品載置部5が変位する。このとき、
図10に示すように、載置部材51の先端部が、移動機構7の本体71Cの内側縁部710Cに当接する。このため、載置部材51は傾斜状態となり、載置部材51に載置されていた景品は、載置部材51を滑り落ちるようにして、景品取出空間221へと向っていく。
【0102】
このようなゲーム装置1Cは、景品載置部5と、受け部11と、外力付与部6とにおける相互作用によって景品が取得可能に構成されているので、前述した第1実施形態と同様に、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0103】
<<第5実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第5実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0104】
図11は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【0105】
以下、第5実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0106】
本実施形態のゲーム装置1Dは、取付け部4Dの構成と、移動機構7Dの構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、取付け部4Dは、台座41と、傾斜板42とを備えている。台座41は、筐体下部22の幅と同程度の幅を有するほぼ直方体状をなしている。台座41の上面に、複数の景品載置部5および受け部11が配置されている。したがって、本実施形態では、各受け部11は、台座41に固定されており、移動しないように構成されている。
【0107】
傾斜板42は、台座41の上面に対して所定の角度を付けた状態で、ゲーム装置1Dの後方に向かうように、台座41に設けられている。受け部11は、台座41の上面に設けられ、景品載置部5は、台座41および傾斜板42の上方で延在している。すなわち、景品載置部5は、開口20上に延在していない。このような構成によると、景品載置部5が変位したとき、載置部材51に載置されていた景品は、傾斜板42を滑り落ち、景品取出空間221へ向かっていく。
【0108】
移動機構7Dは、筐体下部22の幅方向に沿って直線状に動作するように構成されている。移動機構7Dは、直方体状の本体71Dを備える。本体71Dの上に、外力付与部6が設けられている。このため、本実施形態では、外力付与部6が、景品載置部5および受け部11に対して移動するように構成されている。
【0109】
このようなゲーム装置1Dは、景品載置部5と、受け部11と、外力付与部6とにおける相互作用によって景品が取得可能に構成されているので、前述した第1実施形態と同様に、景品獲得イメージをプレイヤに与えることができる。
【0110】
以上、本発明のゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。例えば、各部には、装飾部材や、カバー部材が設けられ得る。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせた発明であってもよい。ゲーム装置の各部材は、硬質樹脂材料、金属材料、セラミックス材料等により形成することができる。
【符号の説明】
【0111】
1…ゲーム装置 1A…ゲーム装置 1B…ゲーム装置 1C…ゲーム装置 1D…ゲーム装置 2…筐体 3…操作部 4…取付け部 4D…取付け部 5…景品載置部 6…外力付与部 6A…外力付与部 6B…外力付与部 7…移動機構 7C…移動機構 7D…移動機構 8…記憶部 9…制御部 10…検知部 11…受け部 20…開口 21…筐体上部 22…筐体下部 41…台座 42…傾斜板 51…載置部材 52…連結部 61…本体部材 62…当接部材 62A…先端部 63…レール部材 64…ゲート部材 65…傾斜部材 71…本体 71C…本体 71D…本体 72…回転軸 73…ローラー 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 111…上側カバー部材 111A…受け部材 111a…貫通孔 111b…貫通孔 112…下側カバー部材 112a…貫通孔 112b…貫通孔 113…軸部材 113A…第1の軸部材 113B…第2の軸部材 114…懸下部材 115…被覆部 115A…切欠き部 211…ゲーム空間 221…景品取出空間 222…景品取出口 223…コイン投入口 511…載置面 521…凹部 521a…側面 521b…側面 522…シャフト
【要約】
【課題】景品獲得イメージをプレイヤに与えることができるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】景品が載置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを備えるゲーム装置であって、
前記景品を載置する載置面を有し、変位可能に構成された景品載置部と、
前記景品載置部を支持するように設けられた受け部と、
前記受け部に外力を付与するように構成された外力付与部と、
前記景品載置部と、前記外力付与部とを相対的に移動させる移動機構と、を備えることを特徴とするゲーム装置。
【選択図】
図1