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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】2軸型連続混練押出装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/385 20190101AFI20240117BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20240117BHJP
   B29C 48/40 20190101ALI20240117BHJP
   B29C 48/76 20190101ALI20240117BHJP
   B29B 7/40 20060101ALI20240117BHJP
   B29B 7/46 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B29C48/385
B29C48/395
B29C48/40
B29C48/76
B29B7/40
B29B7/46
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022136357
(22)【出願日】2022-08-10
【審査請求日】2023-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】302065921
【氏名又は名称】株式会社シーティーイー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】森田 啓太
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101537697(CN,A)
【文献】特開平10-337767(JP,A)
【文献】特開2008-238449(JP,A)
【文献】特開昭51-088559(JP,A)
【文献】特開平09-239726(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114786901(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0087904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/385
B29C 48/395
B29C 48/40
B29C 48/76
B29B 7/40
B29B 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面で見てまゆ型状の連接する2つの水平な通路部を備えるケーシング内の前記各通路部に第1混練送り軸及び第2混練送り軸がそれぞれ回転可能に配置されてなる2軸混練送り部と、
2軸混練送り部からの溶融樹脂を受け取り溶融し、第1、第2の混練送り軸から間隔をおいて第1、第2の混練送り軸よりも少なくとも低速に制御回転可能に別個のスクリュー軸が配置されてなる単軸スクリュー部と、
2軸混練送り部へ材料を供給すべくケーシングの供給端部に設けられた材料供給口と、
前記単軸スクリュー部の終端側の端部から混練材料を取り出すために設けられた吐出口と、
前記第1混練送り軸と前記第2混練送り軸との一部をミキシングロータで構成することで前記2軸混練送り部に設けられた複数のミキシング部と、
前記複数のミキシング部か又は前記ミキシング部間の前記混練送り軸の少なくとも1つに連通すべくケーシングに設けられた脱気用の第1のオープンベントと、
前記単軸スクリュー部の適所においてケーシング内部に連通すべく設けられた真空脱気用の第2のオープンベントと、
を含み、
前記2軸混練送り部の前記ケーシングの下流端部には、垂直に延在する貫通路が設けられ、前記単軸スクリュー部には、前記貫通路の下端から吐出する溶融樹脂を該貫通路の下端から下方に離間した位置で受け取るための受け取り口が設けられており、
材料供給口から樹脂を供給し、前記2軸混練送り部で樹脂を溶融、混練、脱気をしながら低速回転する前記単軸スクリュー部へ送り、この単軸スクリュー部で溶融樹脂の真空脱気及び押し出しをするように構成したことを特徴とする2軸型連続混練押出装置。
【請求項2】
前記供給口から投入される樹脂材料としてペレット状のものを使用する前記2軸型連続混練押出装置の場合には、前記2軸混練送り部の前記供給端部側に形成された前記ミキシング部における前記ミキシングロータの最大外径部と前記ケーシングの前記通路部内壁とのギャップが、前記樹脂ペレットの最大寸法より僅かに小さく設計され、前記材料供給口から供給された樹脂を前記2軸混練送り部の前記供給端部側の前記ミキシング部で半ゲル状態にすると同時にこの半ゲル状態の樹脂から前記第1のオープンベントを介して脱気した後、終端側の前記ミキシング部で完全に溶融混練することを特徴とする請求項1に記載の2軸型連続混練押出装置。
【請求項3】
前記供給口から投入される樹脂材料としてパウダー状のものを使用する前記2軸型連続混練押出装置の場合には、前記2軸混練送り部における前記ミキシングロータの最大外径部と前記ケーシングの前記通路部内壁とのギャップが、前記パウダーの粒径に合わせて半ゲル状態にする程度に設計され、前記材料供給口から供給されたパウダー状樹脂を前記2軸混練送り部の前記ミキシング部で半ゲル状にすると同時にこの半ゲル状の樹脂から前記第1のオープンベントを介して脱気した後、終端側の前記ミキシング部で完全に溶融混練することを特徴とする請求項1に記載の2軸型連続混練押出装置。
【請求項4】
複数の前記ミキシング部における前記ミキシングロータと前記ケーシングの前記通路部内壁とのギャップは、樹脂が溶融する過程で粘度が低下する場合には、前記2軸混練送り部の終端側に移るに従って小さく設計され、又は樹脂が溶融する過程で粘度が増加する場合には終端に移るに従って大きく設計されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の2軸型連続混練押出装置。
【請求項5】
前記貫通路の下端から吐出する溶融樹脂の流量を調整するための流量調整機構をさらに備え、
前記流量調整機構は、前記貫通路内を垂直方向に移動可能な弁体を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の2軸型連続混練押出装置。
【請求項6】
前記受け取り口は開放されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の2軸型連続混練押出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2軸型連続混練押出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この2軸型連続混練押出装置は、合成樹脂材料の溶融、混練及び脱気、押し出しを連続的に行う2軸型連続混練押出装置である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来の2軸型連続混練押出装置における材料供給口からケーシングの各通路部に供給された樹脂材料は加熱手段によって予熱され、このミキシング部で半ゲル状態にされると共に、これに伴って樹脂材料に付着していた水分を脱気し、その後のミキシング部で完全に溶融混練することで、水分を溶融樹脂材料に練り込むことなく、その結果真空脱気も十分に可能とし、最終的に品質のよい混練樹脂を高い吐出能力で得られるようして、十分な脱気がなされた溶融樹脂を高吐出能力で生産可能とする。更に過剰な混練で樹脂が焼損するのを未然に防止する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本件発明は、課題を解決するために、断面で見てまゆ型状の連接する2つの通路部を備えるケーシング内の前記各通路部に第1混練送り軸及び第2混練送り軸がそれぞれ回転可能に配置されてなる2軸混練送り部と、2軸混練送り部からの溶融樹脂を受け取り溶融し、第1、第2の混練送り軸から間隔をおいて第1、第2の混練送り軸よりも少なくとも低速に制御回転可能に別個のスクリュー軸が配置されてなる単軸スクリュー部と、2軸混練送り部へ材料を供給すべくケーシングの供給側端部に設けられた材料供給口と、単軸スクリュー部の終端側の端部から混練材料を取り出すためケーシングに設けられた吐出口と、第1混練送り軸と第2混練送り軸との一部をミキシングロータで構成することで2軸混練送り部に設けられた複数のミキシング部と、複数のミキシング部か又はミキシング部間の混練送り軸の少なくとも1つに連通すべくケーシングに設けられた脱気用の第1のオープンベントと、単軸スクリュー部の適所においてケーシングに設けられた真空脱気用の第2のオープンベントを含み、材料供給口から樹脂を供給し、2軸混練送り部で樹脂を溶融、混練、脱気をしながら低速回転する単軸スクリュー部へ送り、この単軸スクリュー部で溶融樹脂の真空脱気及び押し出しをするように構成したことを特徴とする2軸型連続混練押出装置である。
供給口から投入される樹脂材料としてペレット状のものを使用する2軸型連続混練押出装置の場合には、2軸混練送り部の供給端部側に形成されたミキシング部におけるミキシングロータの最大外径部とケーシングの通路部内壁とのギャップが、樹脂ペレットの最大寸法より僅かに小さく設計され、材料供給口から供給された樹脂を2軸混練送り部の供給端部側のミキシング部で半ゲル状態にすると同時にこの半ゲル状態の樹脂から前記第1のオープンベントを介して脱気した後、終端側の前記ミキシング部で完全に溶融混練することが好ましい。
供給口から投入される樹脂材料としてパウダー状のものを使用する2軸型連続混練押出装置の場合には、2軸混練送り部におけるミキシングロータの最大外径部とケーシングの通路部内壁とのギャップが、パウダーの粒径に合わせて半ゲル状態にする程度に設計され、材料供給口から供給されたパウダー状樹脂を2軸混練送り部のミキシング部で半ゲル状にすると同時にこの半ゲル状の樹脂から第1のオープンベントを介して脱気した後、終端側のミキシング部で完全に溶融混練することが好ましい。
複数のミキシング部におけるミキシングロータとケーシングの通路部内壁とのギャップは、樹脂が溶融する過程で粘度が低下する場合には、2軸混練送り部の終端側に移るに従って小さく設計され、又は樹脂が溶融する過程で粘度が増加する場合には終端側に移るに従って大きく設計されていることが好ましい。
前記要点は、第1混練送り軸及び第2混練送り軸と別個のスクリュー軸を分け、第1混練送り軸及び第2混練送り軸を高速回転し、樹脂混練を良好とし、これに対して別個のスクリュー軸を低速回転とし樹脂混練を低下させるようにする。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように、本発明の2軸型連続混練押出装置によれば、材料供給口からケーシングの各通路部に供給された樹脂材料は加熱手段によって予熱され、このミキシング部で半ゲル状態にされると共に、これに伴って樹脂材料に付着していた水分を脱気し、その後のミキシング部で完全に溶融混練しているため、水分を溶融樹脂材料に練り込むことがなく、その結果真空脱気も十分にでき、最終的に品質のよい混練樹脂を高い吐出能力で得ることができる。加えて、複数のミキシング部から離間して配置された単軸スクリュー部へ送り、複数のミキシング部から独立したこの単軸スクリュー部で溶融樹脂の真空脱気及び押し出しを行うため、樹脂が過剰に混練し過加熱されることを未然に回避し、樹脂の焼損を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の2軸型連続混練押出装置において図に示される実施の形態を説明する。図1には本発明の一実施の形態に係る2軸連続混練押出装置10が図示されている。この実施形態の2軸連続混練押出装置10は、断面で見てまゆ型状で、後述する第1混練送り軸14及び第2混練送り軸15間で連通する(図4参照)2つの通路部11、12を備えるケーシング13内の各通路部に第1混練送り軸14及び第2混練送り軸15がそれぞれ回転可能に配置された2軸混練送り部16と、2軸混練送り部からの溶融樹脂を受け取り溶融し、かつ第1混練送り軸及び第2混練送り軸14、15から下流側に離れて第1、第2の混練送り軸14、15よりも少なくとも低速に制御回転可能に別個の単一のスクリュー軸32が離間して配置されてなる単軸スクリュー部33とを含む。換言すれば、第1、第2の混練送り軸14、15から分けた別個の単一のスクリュー軸32が、第1、第2の混練送り軸14、15よりも少なくとも低速に制御回転可能に配置されている。即ち、第1混練送り軸及び第2混練送り軸14、15と単一のスクリュー軸32を分け、第1混練送り軸及び第2混練送り軸14、15と単一のスクリュー軸32を前記のように駆動制御部で回転制御可能とする。
【0007】
2軸混練送り部16における第1のケーシング13の一端には、各通路部11、12に連通する材料供給口17が形成されている。この材料供給口17には、図示しない樹脂供給装置から樹脂材料が送られる。この2つの各混練送り軸14、15は、それぞれその長手方向において第1スクリュー18、第1ミキシングロータ19、第2スクリュー20及び第2ミキシングロータ21が第1のケーシング13の一端側から順番に配列されて構成されている(図2参照)。
【0008】
このような混練送り軸14、15は、セグメント化された各種長さのスクリューとミキシングロータとを基軸14a、15aに選択的に並べて取り付けることで構成することができる。従って、長さの異なるスクリュー、長さ及び個数の異なるミキシングロータを自由に組み合わせることにより、混練時間の調整をすることができる。
【0009】
なお、第1混練送り軸14における第1スクリュー18、第1ミキシングロータ19、第2スクリュー20及び第2ミキシングロータ21は、第2混練送り軸15に取り付けられたものと長さも形状も同じである。従って、2軸混練送り部16における第1ミキシング部23は、図2に示されるように混練送り軸14、15における隣接する2つの第1ミキシングロータ19が協働することで構成されている。
【0010】
同様に、2軸混練送り部16における第2ミキシング部24は、混練送り軸14、15における隣接する2つの第2ミキシングロータ21が協働することで構成されている。2軸混練送り部16において、材料供給口17から両混練送り軸14、15によって送られてきた材料が最初に到達する第1ミキシング部23は、材料を半ゲル状態にするために機能するように構成されている。
【0011】
即ち、材料供給口17から第1のケーシング13の各通路部11、12に供給される樹脂材料がペレット(一般的には、長さが約3mm、直径が約3mmの円筒体)である場合には、第1ミキシングロータ19の最大外径部と第1のケーシング13の通路部11、12内壁とのギャップG(図4参照)が、樹脂ペレットの最大寸法より僅かに小さく設計されている。このギャップGの一例として好ましい寸法は、1~4mmである。
【0012】
そのため、材料供給口17からこの第1ミキシング部23まで送られる間にケーシング13の外周囲の取り付けられた加熱手段25によって予熱された樹脂材料26は、第1ミキシング部23で半ゲル状態にされる。このように樹脂材料26を半ゲル状態にすると、樹脂材料に付着していた水分が蒸発する。この蒸発した水分を半ゲル状態の樹脂材料26に練り込まないように、この第1ミキシング部23(後の第2スクリュー部20にあるオープンベント27)で脱気する。
【0013】
この脱気を行うために、第1のケーシング13には、第2スクリュー20に連通する第1のオープンベント27が設けられている。これにより、半ゲル状態の樹脂26から蒸発した水分は、この第1のオープンベント27を介して第1のケーシング13外に放出される。
その結果、第1ミキシング部23で蒸発した水分が半ゲル状態にされた溶融樹脂26に再び練り込まれて供給されることを防ぐことができる。
【0014】
このような脱気に関し、樹脂にフィラー(例えば、タルクや炭酸カルシウム)を加えた樹脂材料を混練して押し出す場合、フィラーは非常に吸湿性が高い性質を持っているため、半ゲル状態で脱気するこの装置で混練押出を行うと、最終製品である溶融樹脂の品質が非常によくなり、また吐出能力が向上する。しかし、この脱気を行わない従来の装置では、水分が溶融樹脂に練り込まれ、後行程での真空脱気を行いにくくなると共に吐出能力も低下する。
【0015】
また、樹脂材料がPET(ポリエチレンテレフタレート)である場合には、従来の装置で混練押出を行うと、水分が溶融樹脂に練り込まれて加水分解を起こす、という問題があった。しかし、この装置により半ゲル状態で脱気すると、このようなことはまったく起こらない。
【0016】
第2ミキシング部24は、第1ミキシング部23で半ゲル状態にされ且つ脱気され、その後第2スクリュー20で送られてきた樹脂26を完全に溶融混練するため、第2ミキシングロータ21の最大外径部と第1のケーシング13の通路部11、12内壁とのギャップGは、樹脂が溶融する過程で粘度が低下する場合は、例えば0.1~1.0mmと小さく設計されている。
【0017】
材料供給口17から第1のケーシング13の各通路部11、12に供給される樹脂材料がパウダー状である場合には、第1ミキシングロータ19の最大外径部と第1のケーシング13の通路部11、12内壁とのギャップG(図4参照)は、粒径に合わせて半ゲル化する程度に小さく設計される。一般的にはこの場合のギャップGは、約0.1~1.0mmとすることが好ましい。
【0018】
ただし、この2軸型連続混練押出装置10において複数のミキシング部23、24におけるミキシングロータ19、21と第1のケーシング13の通路部11、12内壁とのギャップGは、樹脂が溶融する過程で粘度が低下する場合には2軸混練送り部16の終端側に移るに従って小さく設計され、また樹脂が溶融する過程で粘度が増加する場合には終端側に移るに従って大きく設計されることが好ましい。
【0019】
スクリュー軸回転数が高速の場合、ケーシング端部において、軸受部35で各水平な通路部11、12はスクリューの高速時のぶれを抑えるために左右のスクリュー間で連通せず独立している(図3参照)。
ケーシング端部には、流量調整機構36が設けられ、流量調整機構36の内部に1つの垂直な貫通路38が設けられ、この1つの貫通路は上流端で軸受部35おいて前記水平な2つの通路に連通するように形成されている(図2参照)。スクリュー軸回転数が低速の場合はこの限りでない。即ち、図4のように軸受部35で各水平な通路部11、12はスクリュー間で連通している。
【0020】
流量調整機構36における筒状の弁体39は矢印H方向において移動可能となっている。この弁体39は、その移動に伴って貫通路38を開閉し、貫通路38を流れる溶融樹脂の流量を調整する(図1参照)。
【0021】
他方、貫通路38を流れ貫通路38の下端から吐出する流量調整された溶融樹脂を受け取り口で受け取る第2のケーシング29の内部に形成された通路部31は、第2のケーシングの他端で外部に開放し、この開放部が溶融樹脂の吐出口40とされている。更に、この単軸スクリュー部33において第2のケーシング29の一端側には、真空脱気用の第2のオープンベント41が設けられ、このオープンベント41は第2のケーシング29の通路部31に連通している。
【0022】
このように流量調整機構36は、2軸混練送り部16と単軸スクリュー部33との間に配置され、単軸スクリュー部33へ至る溶融樹脂の流量を調整するものである。
【0023】
なお、流量調節機構としては他の構成であってもよく、例えば、第1混練送り軸14及び第2混練送り軸15を軸方向に移動可能として、この混練送り軸14及び第2混練送り軸15とその周囲にあるケーシング13の内面に形成した凹凸部により弁体を形成し、流路の開閉度を調整する構造にすることも可能である。粘度が高く流動性の低い樹脂は、2軸部終端から、流量調整機構を介さず自由落下でスクリュー軸32の受け取り口に供給することもある。また、粘度は高いが自由落下だけではベト付いてスクリュー軸32の受け取り口に入っていかない場合は、プッシャー(図示しないピストン式押し込み装置)によりスクリュー軸32の受け取り口に供給する場合もある。樹脂の溶融のしにくさ、粘度に合わせて、ロータギャップの違う多数のミキシングロータをセット可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施の形態に係る2軸型連続混練押出装置を示す概略断面図である。
図2図1における2軸混練送り部の概略説明図である。
図3図2における2-2線に沿った断面図である。
図4図2における4-4線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 2軸型連続混練押出装置
11 通路部
12 通路部
13 第1のケーシング
14 第1混練送り軸
15 第2混練送り軸
16 2軸混練送り部
17 材料供給口
18 第1スクリュー
19 第1ミキシングロータ
20 第2スクリュー
21 第2ミキシングロータ
22 第3スクリュー
23 第1ミキシング部
24 第2ミキシング部
25 加熱手段
26 溶融樹脂材料
27 第1のオープンベント
29 第2のケーシング
31 通路部
32 スクリュー軸
33 単軸スクリュー部
35 軸受部
36 流量調整機構
38 貫通路
39 弁体
40 吐出口
41 第2のオープンベント
【要約】      (修正有)
【課題】水分を溶融樹脂材料に練り込むことがなく、その結果真空脱気も十分にでき、最終的に品質のよい混練樹脂を高い吐出能力で得ることができる2軸型連続混練押出装置であり、加えて、樹脂が過剰に混練し過加熱されることを未然に回避し、樹脂の焼損を防止できる、2軸型連続混練押出装置を提供する。
【解決手段】装置は、材料供給口17から樹脂を供給し、高速回転する2軸混練送り部16で樹脂を溶融、混練、脱気をしながら低速回転する単軸スクリュー部33へ送り、この単軸スクリュー部で溶融樹脂の真空脱気及び押し出しをする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4