IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファンライト シーオー., エルティーディー.の特許一覧

特許7421644複数のレイヤを用いた公演演出システム、装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】複数のレイヤを用いた公演演出システム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20240117BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240117BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240117BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240117BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20240117BHJP
   A63K 99/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/105
H05B47/19
H05B47/18
A63J5/02
A63K99/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022529738
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2021005829
(87)【国際公開番号】W WO2022173075
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0018934
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517418150
【氏名又は名称】ファンライト シーオー., エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】FANLIGHT CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】チェ,キョン イル
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ギル
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0022214(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0034182(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0123735(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
A63J 5/02
A63K 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して伝送する制御コンソール装置と、
前記制御コンソール装置から前記データパケットを受信して、前記データパケットに含まれている前記演出情報に基づいて発光する複数の発光装置と、
を含み、
前記複数のレイヤは、最上位層である第1レイヤ、中間層である第2レイヤ及び最下位層である第3レイヤを含み、
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1レイヤの演出情報を基に、前記最上位層である第1レイヤと前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記第1レイヤの演出情報、前記第2レイヤの演出情報及び前記第3レイヤの演出情報のうちの少なくとも1つを用いて発光色を決定するための演算を行い、前記演算された結果を基に発光し、
前記第1レイヤの演出情報は、第1演出場面に対応する番号情報、発光色情報、第1マスキング情報及び第1透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第2レイヤの演出情報は、第2演出場面に対応する番号情報、第2マスキング情報及び第2透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第3レイヤの演出情報は、背景色情報を含むことを特徴とする、複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項2】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第2レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第1レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光し、
前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第2レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光することを特徴とする請求項1に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項3】
前記複数の発光装置のそれぞれには、互いに異なる条件情報が格納されており、
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第1演出場面における第1発光色値、第1マスキング値及び第1透明度値を確認し、
前記第2レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第2演出場面における第2発光色値、第2マスキング値及び第2透明度値を確認し、
前記第3レイヤの演出情報を用いて背景色値を確認することを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項4】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、
前記第1演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第2発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、
前記第2演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第1発光色値のαブレンドを行うことを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項5】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、
前記第1演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、
前記第2演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第2発光色値のαブレンドを行うことを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項6】
前記データパケットにトップレイヤ変更情報が更に含まれ、
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記トップレイヤ変更情報によって、前記第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更し、
前記第2マスキング値に基づいて最上位層である第2レイヤと中間層である第1レイヤの優先順位を判断することを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項7】
前記条件情報は、ユーザが所持しているスマートデバイスにインストールされたアプリケーションを介して伝送された情報であり、
前記アプリケーションは、ユーザのスマートデバイスに受信されたチケットの購入情報に含まれている座席情報に基づいて条件情報をマッピングして前記発光装置に提供することを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出システム。
【請求項8】
制御コンソール装置及び複数の発光装置を用いた公演演出方法において、
前記制御コンソール装置で複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して伝送する段階と、
前記複数の発光装置のそれぞれにおいて、前記制御コンソール装置から前記データパケットを受信して、前記データパケットに含まれている前記演出情報に基づいて発光する段階と、
を含み、
前記複数のレイヤは、最上位層である第1レイヤ、中間層である第2レイヤ及び最下位層である第3レイヤを含み、
前記発光する段階は、
前記第1レイヤの演出情報を基に、前記最上位層である第1レイヤと前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断する段階と、
前記優先順位の判断によって、前記第1レイヤの演出情報、前記第2レイヤの演出情報及び前記第3レイヤの演出情報のうちの少なくとも1つを用いて発光色を決定するための演算を行う段階と、
前記演算された結果を基に発光する段階と、
を含み、
前記第1レイヤの演出情報は、第1演出場面に対応する番号情報、発光色情報、第1マスキング情報及び第1透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第2レイヤの演出情報は、第2演出場面に対応する番号情報、第2マスキング情報及び第2透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第3レイヤの演出情報は、背景色情報を含むことを特徴とする、複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項9】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第2レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第1レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光し、
前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第2レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光することを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項10】
前記複数の発光装置のそれぞれには、互いに異なる条件情報が格納されており、
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第1演出場面における第1発光色値、第1マスキング値及び第1透明度値を確認し、
前記第2レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第2演出場面における第2発光色値、第2マスキング値及び第2透明度値を確認し、
前記第3レイヤの演出情報を用いて背景色値を確認することを特徴とする請求項に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項11】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、
前記第1演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第2発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、
前記第2演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第1発光色値のαブレンドを行うことを特徴とする請求項10に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項12】
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、
前記第1演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、
前記第2演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第2発光色値のαブレンドを行うことを特徴とする請求項10に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項13】
前記データパケットにトップレイヤ変更情報が更に含まれ、
前記複数の発光装置のそれぞれは、
前記トップレイヤ変更情報によって、前記第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更し、
前記第2マスキング値に基づいて最上位層である第2レイヤと中間層である第1レイヤの優先順位を判断することを特徴とする請求項10に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項14】
前記条件情報は、ユーザが所持しているスマートデバイスにインストールされたアプリケーションを介して伝送された情報であり、
前記アプリケーションは、ユーザのスマートデバイスに受信されたチケットの購入情報に含まれている座席情報に基づいて条件情報をマッピングして前記発光装置に提供することを特徴とする請求項10に記載の複数のレイヤを用いた公演演出方法。
【請求項15】
公演演出のための発光装置において、
制御コンソール装置と通信を行う通信部と、
光源素子を用いて発光する発光部と、
データを格納するメモリと、
前記発光装置の動作を制御するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記メモリに格納された条件情報に基づいて前記通信部によって前記制御コンソール装置から受信したデータパケットに含まれている複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を用いて発光色を決定するための演算を行い、前記演算された結果に基づいて発光するように制御し、
前記複数のレイヤは、最上位層である第1レイヤ、中間層である第2レイヤ及び最下位層である第3レイヤを含み、
前記プロセッサは、
前記第1レイヤの演出情報を基に、前記最上位層である第1レイヤと前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断し、
前記優先順位の判断によって、前記第1レイヤの演出情報、前記第2レイヤの演出情報及び前記第3レイヤの演出情報のうちの少なくとも1つを用いて発光色を決定するための演算を行い、前記演算された結果を基に発光するよう制御し、
前記第1レイヤの演出情報は、第1演出場面に対応する番号情報、発光色情報、第1マスキング情報及び第1透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第2レイヤの演出情報は、第2演出場面に対応する番号情報、第2マスキング情報及び第2透明度情報の少なくとも一つを含み、
前記第3レイヤの演出情報は、背景色情報を含むことを特徴とする、発光装置。
【請求項16】
前記条件情報は、ユーザが所持しているスマートデバイスにインストールされたアプリケーションを介して伝送された情報であり、
前記アプリケーションは、ユーザのスマートデバイスに受信されたチケットの購入情報に含まれている座席情報に基づいて条件情報をマッピングして前記発光装置に提供することを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレイヤを用いて公演会場で発光装置の発光を制御する公演演出システム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光装置(又は照明装置)とは、光源からの光を反射、屈折及び透過させて照明の目的を達成させる発光装置を意味する。発光装置は、配光によって間接発光装置、半間接発光装置、全般拡散発光装置、半直接発光装置及び直接発光装置などに分類できる。
【0003】
技術の発展に伴い、発光装置は多様な用途に用いられている。一例として、 発光装置は、メディアファサード(Media facade)を演出するのに用いられる。メディアファサードとは、建物の外壁などに発光装置を設置し、メディア機能を実現することをいう。
【0004】
他の例として、発光装置は、一定照度以下の環境で行われるスポーツ競技やコンサートなどで小型の応援グッズとして用いられることもある。ところが、このような環境では、複数の照明器具が個別に制御されるため、体系的な照明パターンや形状を生成し難い側面がある。
【0005】
一方、スポーツ競技やコンサートなどのように、公演会場の場合、毎回新たな演出を期待することになるが、公演会場の殆どの席は座席となっているため、別の空間に発光装置を用いてメディアファサードを演出することは困難である。
【0006】
従って、前記のような問題を具体的に解決するために、複数の発光装置を一括して制御し、このような制御によってスポーツ競技やコンサートなどのような公演会場で多様な公演演出が可能な方策の導入が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数のレイヤを用いた公演演出システム、装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及された課題に制限されず、言及されていない更に他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決するための本発明に係る複数のレイヤを用いた公演演出システムは、複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して伝送する制御コンソール装置と、前記制御コンソール装置から前記データパケットを受信して、前記データパケットに含まれている前記演出情報に基づいて発光する複数の発光装置とを含み、前記複数のレイヤは、最上位層である第1レイヤ、中間層である第2レイヤ及び最下位層である第3レイヤを含み、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記第1レイヤの演出情報を基に、前記最上位層である第1レイヤと前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断し、前記優先順位の判断によって、前記第1レイヤの演出情報、前記第2レイヤの演出情報及び前記第3レイヤの演出情報のうちの少なくとも1つを用いて発光色を決定するための演算を行い、前記演算された結果を基に発光する。
【0010】
本発明において、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第2レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第1レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光し、前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1レイヤの演出情報と前記第3レイヤの演出情報を用いて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第2レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光できる。
【0011】
本発明において、前記第1レイヤの演出情報は、第1演出場面に対応する番号情報、発光色情報、第1マスキング情報及び第1透明度情報を含み、前記第2レイヤの演出情報は、第2演出場面に対応する番号情報、第2マスキング情報及び第2透明度情報を含み、前記第3レイヤの演出情報は、背景色情報を含むことができる。
【0012】
本発明において、前記複数の発光装置のそれぞれには、互いに異なる条件情報が格納されており、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記第1レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第1演出場面における第1発光色値、第1マスキング値及び第1透明度値を確認し、前記第2レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第2演出場面における第2発光色値、第2マスキング値及び第2透明度値を確認し、前記第3レイヤの演出情報を用いて背景色値を確認できる。
【0013】
本発明において、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第1演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第2発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、前記第2演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第1発光色値のαブレンドを行える。
【0014】
本発明において、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記第1マスキング値に基づいて前記優先順位を判断し、前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて、前記第1発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、前記第2演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて、前記第1演算された結果と前記第2発光色値のαブレンドを行える。
【0015】
本発明において、前記データパケットにトップレイヤ変更情報が更に含まれ、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記トップレイヤ変更情報によって、前記第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更し、前記第2マスキング値に基づいて最上位層である第2レイヤと中間層である第1レイヤの優先順位を判断できる。
【0016】
また、上述した課題を解決するための本発明に係る制御コンソール装置及び複数の発光装置を用いた公演演出方法は、前記制御コンソール装置で複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して伝送する段階と、前記複数の発光装置のそれぞれにおいて、前記制御コンソール装置から前記データパケットを受信して、前記データパケットに含まれている前記演出情報に基づいて発光する段階とを含み、前記複数のレイヤは、最上位層である第1レイヤ、中間層である第2レイヤ及び最下位層である第3レイヤを含み、前記発光段階は、前記第1レイヤの演出情報を基に、前記最上位層である第1レイヤと、前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断する段階と、前記優先順位の判断によって前記第1レイヤの演出情報、前記第2レイヤの演出情報及び前記第3レイヤの演出情報のうちの少なくとも1つを用いて発光色を決定するための演算を行う段階と、前記演算された結果を基に発光する段階とを含む。
【0017】
また、上述した課題を解決するための本発明に係る公演演出のための制御コンソール装置は、発光装置と通信を行う通信部と、データを格納するメモリと、前記発光装置の発光動作のためのデータパケットを生成するプロセッサとを含み、前記データパケットは、複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含む。
【0018】
また、上述した課題を解決するための本発明に係る公演演出のための発光装置は、制御コンソール装置と通信を行う通信部と、光源素子を用いて発光する発光部と、データを格納するメモリと、前記発光装置の動作を制御するプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記メモリに格納された条件情報に基づいて前記通信部によって前記制御コンソール装置から受信したデータパケットに含まれている複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を用いて発光色を決定するための演算を行い、前記演算された結果に基づいて発光するように制御する。
【0019】
本発明において、前記メモリに格納された条件情報は、ユーザが所持しているスマートデバイスにインストールされたアプリケーションを介して伝送された情報であり、前記アプリケーションは、ユーザのスマートデバイスに受信されたチケットの購入情報に含まれている座席情報に基づいて条件情報をマッピングして前記発光装置に提供できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、公演会場での公演演出時に制御コンソール装置から発光装置にデータパケットをリアルタイムに伝送して発光装置の発光状態をリアルタイムに変更することによって、状況に応じて多様な演出場面を容易に提供できるという効果がある。
【0021】
また、演出場面を提供するとき、複数のレイヤを用いて各レイヤの発光色値間の演算を行うことで、各発光装置が最終的に発光する色がより多様な表現により演出され得るようにする。
【0022】
本発明の効果は、以上で言及された効果に制限されず、言及されていない更に他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る公演会場での公演演出のためのシステムの構成を概略的に示す図である。
図2】本発明に係る公演会場の観客席上に演出される公演演出効果を示す例示図である。
図3】本発明に係る制御コンソール装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明に係る発光装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明に係る公演演出方法を示すフローチャートである。
図6】本発明に係るデータパケットを説明する例示図である。
図7図6のデータパケットに含まれている第1レイヤの演出情報を説明する例示図である。
図8図6のデータパケットに含まれている第2レイヤの演出情報を説明する例示図である。
図9図6のデータパケットに含まれている第3レイヤの演出情報を説明する例示図である。
図10】本発明に係る発光装置の条件情報を説明する例示図である。
図11a】本発明に係る最上位層レイヤのマスキング値による発光色を説明する例示図である。
図11b】本発明に係る最上位層レイヤのマスキング値による発光色を説明する例示図である。
図12図6のデータパケットにトップレイヤ変更情報が含まれている場合を説明する例示図である。
図13a図12のトップレイヤ変更情報を説明する例示図である。
図13b図12のトップレイヤ変更情報を説明する例示図である。
図14】本発明に係る複数の発光装置のそれぞれの条件情報に該当するレイヤ別の発光色値、マスキング値及び透明度値を説明する例示図である。
図15a】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図15b】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図15c】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図15d】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図16図15a~図15dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
図17a】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が0に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図17b】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が0に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図17c】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が0に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図17d】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が0に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図18図17a~図17dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
図19a】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1又は0にそれぞれ異なって適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図19b】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1又は0にそれぞれ異なって適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図19c】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1又は0にそれぞれ異なって適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図19d】本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1又は0にそれぞれ異なって適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
図20図19a~図19dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態に実現することができる。但し、本実施例は、本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野における通常の技術者に本発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲により定義されるに過ぎない。
【0025】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書全体に亘って同一の図面符号は同一の構成要素を示し、「及び/又は」は言及された構成要素のそれぞれ及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。たとえ、「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために用いられていても、これらの構成要素は、これらの用語により制限されないのは当然である。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いる。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのは言うまでもない。
【0026】
「例示的な」という単語は、本明細書において「例示又は例証として用いられる」の意味として用いられる。本明細書において「例示的な」ものとして説明されている任意の実施例は、必ずしも好ましいものとして解釈されるか、又は他の実施例よりも利点を有するものとして解釈されてはならない。
【0027】
また、明細書で用いられる「部」という用語は、ソフトウェア、FPGA又はASICのようなハードウェアのエレメントを意味し、「部」は、如何なる役割を果たす。しかし、「部」は、ソフトウェア又はハードウェアに限定される意味ではない。「部」は、アドレッシングできる格納媒体に存在するように構成することもでき、1つ又はそれ以上のプロセッサを再生させるように構成することもできる。従って、一例として、「部」はソフトウェアのエレメント、オブジェクト指向ソフトウェアのエレメント、クラスのエレメント及びタスクのエレメントのようなエレメントと、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。エレメントと「部」内で提供される機能は、より少数のエレメント及び「部」で結合されるか、又は追加のエレメントと「部」に更に分離されることができる。
【0028】
更に、本明細書において、全ての「部」は、少なくとも1つのプロセッサによって制御されることができ、本開示の「部」が行う動作を少なくとも1つのプロセッサが行うこともできる。
【0029】
本明細書の実施例は、機能又は機能を行うブロックの観点から説明されることができる。本開示の「部」又は「モジュール」などと称され得るブロックは、論理ゲート、集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、メモリ、受動電子部品、能動電子部品、光学コンポーネント、ハードワイヤード回路(hardwired circuits)などのようなアナログ又はデジタル回路によって物理的に実現され、選択的にファームウェア及びソフトウェアによって駆動することができる。
【0030】
本明細書の実施例は、少なくとも1つのハードウェアデバイス上で実行される少なくとも1つのソフトウェアプログラムを用いて実現でき、エレメントを制御するためにネットワーク管理機能を行える。
【0031】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が共通して理解できる意味として用いることができる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0032】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「真下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように、1つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時又は動作時に構成要素の互いに異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図面に示されている構成要素をひっくり返す場合、他の構成要素の「下(below)」又は「真下(beneath)」と記述されている構成要素は、他の構成要素の「上(above)」に置くことができる。従って、例示的な用語である「下」は、下と上の方向を何れも含むことができる。構成要素は、他の方向にも向けることができ、これにより空間的に相対的な用語は、向きによって解釈されることができる。
【0033】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る公演会場での公演演出のためのシステムの構成を概略的に示す図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明に係る公演会場での公演演出のためのシステム(1、以下、公演演出システムという。)は、制御コンソール装置10、送信機(20a、20b、…20n、以下20)及び発光装置(30a_a、…30a_n、30b_a、…30b_n、30n_a、…30n_n、以下30)を含むことができる。ここで、「公演会場」とは、スポーツ競技場やコンサート会場などのような公演会場のことをいい、実際にスポーツ競技やコンサートなどの公演が行われる場所を意味し得る。公演演出システム1は、図1に示される構成要素よりも少数の構成要素や多数の構成要素を含むことができる。
【0036】
より詳細には、公演演出システム1は、公演の演出場面別に発光動作のためのデータパケットを生成して伝送する制御コンソール装置10、前記制御コンソール装置10から受信したデータパケットを発光装置30に伝送する送信機20及び前記送信機20を介して前記制御コンソール装置から生成されたデータパケットを受信して、前記データパケット内の発光のための動作を行う複数の発光装置30を含む。
【0037】
このような公演演出システム1は、制御コンソール装置10が発光装置30の発光状態を制御することによって、公演会場の観客席での応援などのような公演演出のための多様な形態の発光パターンを演出できる。
【0038】
また、公演演出システム1は、公演会場での公演演出時に制御コンソール装置10から発光装置30へデータパケットをリアルタイムに提供して、発光装置30の発光状態をリアルタイムに変更することによって、状況に応じて多様な演出場面を容易に提供できる効果を有することができる。
【0039】
本発明において、制御コンソール装置10は、公演会場での公演演出のために、発光
装置30を制御する機能を行える。一例として、制御コンソール装置10は、携帯電話、
スマートフォン(smart phone)、ノートパソコン(laptop compu
ter)、デジタル放送用端末、PDA(personal digital assan
ts)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーシ
ョン、スレートPC(slate PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウル
トラブック(ultrabook)、ウェアラブルデバイス(wearable dev
ice、例えば、スマートウォッチ(smartwatch)、スマートガラス(sma
rt glass)、HMD(head mounted display))などのよう
な電子装置の1つであって、一実施例と関連するアプリケーションのインストール及び実
行が可能な全ての電子装置を含むことができ、又はこのような電子装置の構成の一部を含
むか、これと連動できる多様な形態に構成されることができる。
【0040】
また、制御コンソール装置10は、MA Lighting grandMA2、gr
andMA3、ETC EOS、ETC ION、ETC GIO、Chroma Q Vi
sta、High End HOG、High End Fullboar、Avolite
s Sapphire Avolites Tiger、Chamsys MagicQ、O
bsidian control systems Onyx、Martin M6、Mar
tin M1、Nicolaudie Sunlite、ESA、ESA2、Lumide
sk、SunSuite、Arcolis、Daslight、LightRider、
MADRIX、DJ LIGHT STUDIO、DISCO-DESIGNER VJ S
TUDIO、Stagecraft、Lightkeyなどのような電子装置及びPC用
ソフトウェアの1つであり得る。

【0041】
更に、制御コンソール装置10は、発光装置30の制御を可能にする適切なソフトウェアやコンピュータプログラムを含む。一例として、発光装置30を制御する例示的なプロトコルは、DMX512又はArt-Net、sACN、ETC-Net2、Pathport、Shownet、KiNETなどを含むことができる。制御コンソール装置10は、DMX512又はArt-Net、sACN、ETC-Net2、Pathport、Shownet、KiNETなどのような適切なフォーマットでデータ信号(例えば、データパケット)を伝送できる。制御コンソール装置10は、発光装置30を制御するためにデータパケットを生成し、前記データパケットを発光装置30に伝送できる。
【0042】
また、制御コンソール装置10で生成されたデータパケットは、マスタ装置(図示せず)が受信して無線信号に変換できる。そして、マスタ装置(図示せず)は、無線信号に変換されたデータパケットを送信機20に送り、送信機20は、無線通信(例えば、RF通信など)を用いて公演会場内の発光装置30に送出できる。ここで、無線信号は、発光装置30を無線通信方式で制御するための形態に制御データを変換して生成されたものであり得る。
【0043】
実施例によって、マスタ装置(図示せず)は省略でき、制御コンソール装置10が直接送信機20にデータパケットを送り、送信機20がデータパケットを無線信号に変換した後、発光装置30に送出できる。
【0044】
また、制御コンソール装置10は、複数の入出力ポートを備えることができる。制御コンソール装置10は、特定のデータ信号フォーマット又はプロトコルに対応するか、関連する入出力ポートを備えることができる。例えば、制御コンソール装置10は、DMX512、RDMデータの入出力を専用とする第1ポートとArt-Net及びsACN、ETC-Net2、Pathport、Shownet、KiNETデータの入出力を専用とする第2ポートを備えることができる。
【0045】
DMX512とRDM、Art-Net、sACN、ETC-Net2、Pathport、Shownet、KiNETプロトコルは、舞台照明設備用の制御プロトコルとして広く知られている。本発明の実施例によると、DMX512又はRDM、Art-Net、sACN、ETC-Net2、Pathport、Shownet、KiNETなどの制御プロトコルを用いて発光装置30に対するより柔軟な制御計画を可能にすることができる。
【0046】
また、制御コンソール装置10は、公演演出データを事前に別の装置(例えば、データ生成装置)から受信して格納でき、又は他の格納媒体や伝送媒体を介して受信することもできる。また、制御コンソール装置10は、公演中にリアルタイムに公演演出データを受信し、それに応じたデータパケットを生成できる。
【0047】
ここで、公演演出データは、公演の座席配置図によって公演時間中に演出される全ての演出場面に関する情報を含むことができる。具体的に、前記公演演出データは、演出場面別にグループ制御、ピクチャー制御及びピクセル制御に関する情報を含むことができる。
【0048】
前記公演演出データは、公演時間中に演出される演出場面別の制御情報を含むことができる。具体的に、前記公演演出データは、演出場面別にグループ制御、ピクチャー制御及びピクセル制御に関する情報を含むことができる。グループ制御、ピクチャー制御及びピクセル制御に関する説明は後述する。
【0049】
本発明において、送信機20は、アンテナのような通信装置であって、制御コンソール装置10から受信したデータパケットを発光装置30に伝送できる。送信機20が制御コンソール装置10から発光装置30の発光を制御するためのデータパケットを受信し、発光装置30に前記データパケットを伝送できる。
【0050】
送信機20は、制御コンソール装置10とは別の装置と開示されているが、制御コンソール装置10は、送信機20と同一の役割を果たす通信モジュールを含むことができる。従って、制御コンソール装置10は、前記通信モジュールを含む場合、前記送信機20と同一の役割を果たし、発光装置30は、制御コンソール装置10からデータパケットを受信して発光できる。
【0051】
ここで、送信機20は、指向性(directivity)を有することができ、公演企画者は、該当公演で用いられる送信機のスペックを考慮して、公演企画段階で送信機20を配置できる。しかし、物理的限界により一部の座席に位置する発光装置30は、互いに異なる送信機20から送出されたデータパケットを全て受信(送信機カバレッジの重畳した部分)することができ、発光装置30の立場からは、どのデータパケットに対応するように発光すべきか決定し難い恐れがある。しかし、本発明の実施例によると、制限された無線帯域幅内で、発光装置30は、自身に対応するデータパケットを正常に決定できる。発光装置30は、送信機20の識別情報に基づいて、データパケットを受信できる。また、制御コンソール装置10は、送信機20のそれぞれに対してデータパケットを伝送することによって、ノイズへの影響を極度に低減することで、従来の公演とは異なる公演演出効果が得られる。
【0052】
また、送信機20は、予め定められた回数だけ発光装置30にデータパケットを繰り返し送出できる。一般に、送信機20が送出(ブロードキャスティング)する信号は、一回限りに止まる場合が殆どである。しかし、公演会場は、帯域幅の互いに異なる数多くの信号が共存する場所であって、データパケット以外の信号は、何れも公演演出ではノイズになり得る。このようなノイズは、データパケットが正常に発光装置30に伝送されるのを妨げる恐れがある。従って、送信機20は、予め定められた回数だけ(例えば、1つのデータパケット当たり5回)発光装置30にデータパケットを送出することによって、発光装置30がデータパケットを正常に受信できるようにすることができる。
【0053】
本発明において、発光装置30は、制御コンソール装置10によりリアルタイム又は予め定められたデータパケットによって多様な形態の発光パターンを演出する機能を行える。
【0054】
ここで、発光装置30は、LCD、LEDなどの発光素子/装置を含むか、発光素子/装置が接続され、無線通信が可能な任意の電子装置を含む装置であって、スポーツ競技場やコンサートなどのような公演会場で観客が所持している小型の応援用グッズであり得る。一実施例として、発光装置30は、携帯電話、ワイヤレス応援棒、ライティングスティック(stick)、ライティングバー(bar)、ライティングボール(ball)及び無線で制御可能な光源が取り付けられた器具などがこれに該当することもできる。また、発光装置30は、ライティングデバイス、受信機、被制御装置、スレーブ、スレーブ照明装置と称することもできる。更に、発光装置30は、手首、胸など身体の一部に着用可能なウェアラブルデバイスを含むことができる。
【0055】
発光装置30は、予め格納された送信機20の識別情報に基づいて、送信機20から受信したデータパケットを解析して発光できる。具体的に、発光装置30は、予め格納された送信機20の識別情報とデータパケットに含まれている送信機20の識別情報とを比較し、前記比較の結果、両者が同一である場合、該当データパケットに含まれている発光パターンに対応するように発光できる。
【0056】
図1に示されるように、セット40aに含まれている発光装置(30a_a、…30a_n)は、送信機20aから受信したデータパケット、セット40bに含まれている発光装置(30b_a、…30b_n)は、送信機20bから受信したデータパケット、セット40nに含まれている発光装置(30n_a、…30n_n)は、送信機20nから受信したデータパケットに含まれている発光パターンに対応するように発光できる。ここで、セット(40a、40b、…40n、以下40)は、同一の送信機20の識別情報を有する発光装置30の集合を意味し得る。各セット40に含まれている発光装置30の数は、セット毎に異なり得る。セット40は、発光装置30が座席に位置することを仮定した状態で、公演企画者の意図によって公演会場の座席情報に基づいて、区域別、領域別に分けたものであり得る。従って、セット40は、各座席に表示された座席情報のうち最も大きい単位であるA区域、B区域などを示す情報に対応し得る。また、公演企画者は、1つの区域内でも制御領域を細部セットに分けて互いに異なる細部セットに含まれている発光装置30を互いに異なる送信機20で制御できる。
【0057】
上述したように、送信機20は、指向性(directivity)を有することができる。公演企画者は、該当公演で用いられる送信機のスペックを考慮して、公演企画段階で送信機20を配置できる。これにより、発光装置30は、自身に予め格納された送信機20の識別情報に対応する識別情報を有する送信機20からデータパケットを受信できる。
【0058】
上述したように、送信機20は、予め定められた回数だけ発光装置30にデータパケットを繰り返し送出できる。このとき、発光装置30は、同一のデータパケットを複数回受信して重複した発光動作を行える。これを予防するために、それぞれのデータパケットはFrame Sequence Number(FSN)を含むことができる。前記FSNは、伝送されたデータ(具体的には、発光パターンを指示するデータパケット)の順序を発光装置30に知らせる役割を果たせる。演出場面が変わる度に、前記FSNは、例えば1ずつ増加する値を有することができ、発光装置30が既に受信したデータパケットと同一のFSNを有するデータパケットを受信した場合、該当発光装置は、該当データパケットを既に受信したデータパケットとして決定して無視できる。
【0059】
図2は、本発明に係る公演会場の観客席上に演出される公演演出効果を示す例示図である。
【0060】
公演演出システム1は、公演会場内の各座席に対応して位置する発光装置30を用いて公演演出効果を具現するために、データパケットを生成できる。
【0061】
このとき、データパケットは、制御コンソール装置10で生成することもでき、別の装置(例えば、データ生成装置又は外部のサーバ)で生成されて制御コンソール装置10に提供することもできる。説明の便宜上、以下では制御コンソール装置10がデータパケットを生成するものとして説明する。
【0062】
上述したように、制御コンソール装置10は、公演演出データを事前に別の装置(例えば、データ生成装置)から受信して格納しておくことができ、又は他の格納媒体や伝送媒体を介して提供を受けることもできる。また、制御コンソール装置10は、公演中にリアルタイムに公演演出データを受信し、それに応じたデータパケットを生成できる。
【0063】
データ生成装置(図示せず)は、公演会場で行われる公演時間に発光装置30を用いて演出する演出場面(シーン:scene)を生成し、このとき、演出場面によって公演演出の区間別に演出場面をそれぞれ構成できる。例えば、第1公演演出区間(例えば、第1時間)では演出場面(例えば、第1シーン)を生成し、第2公演演出区間(例えば、第2時間)では他の演出場面(例えば、第2シーン)を生成できる。図2に示されるように、公演会場内に観客席が構成される場合、第1公演演出区間では、図2に示すような特定のテキストと共に、観客席の座席毎に異なる発光色に表示される演出場面(第1シーン)を生成できる。また、第2公演演出区間では、第1公演演出区間における演出場面(第1シーン)とは異なる場面に、例えば特定の図形及び模様に表示されるなどの演出場面(第2シーン)を生成できる。
【0064】
本発明の一実施例によって、データ生成装置(図示せず)が発光装置30をグループ制御する場合、公演演出の区間別に生成した各演出場面に基づいて公演会場の観客席を複数のグループにグルーピングし、グルーピングした複数のグループに関するグループ情報をそれぞれ生成できる。例えば、第1公演演出区間で演出される演出場面(第1シーン)に類似するか、同一の発光形態にグルーピングできるグループ単位が複数ある場合、公演会場の観客席をグループ単位に対応して複数の領域に分割し、分割された各領域を各グループに生成できる。即ち、第1公演演出区間の演出場面(第1シーン)には、複数のグループを含めることができる。
【0065】
図2を参照すると、特定のテキストに表示された観客席の座席を第1グループ210に指定し、観客席内の互いに同一の発光色に演出される座席を区別してそれぞれ第2~第5グループ220、230、240、250に指定できる。
【0066】
前記グループ制御は、同一の発光色に発光する全ての発光装置を1つのグループに制御するための制御方法であり得る。しかし、図2で説明されているグループ制御方式は、発光装置30を制御するための一例に過ぎず、データパケットがグループ制御のための信号のみに制限されて解釈されてはならない。例えば、本発明のデータパケットは、ピクチャー制御のための制御信号を含むことができ、又はピクセル制御のための制御信号を含むことができる。
【0067】
また、データパケットに特定の種類の制御のための信号のみが含まれるものではなく、複数の制御のための信号を含めることもできる。例えば、データパケットに、グループ制御のための信号とピクチャー制御のための信号を共に含めることもできる。
【0068】
前記ピクチャー制御は、発光装置30のそれぞれが演出場面別に予め格納している発光色に基づいて、データパケットが受信されることによって、該当演出場面別に発光する制御方式であり得る。例えば、特定の発光装置は、特定の演出場面(第1シーン)では赤色、他の演出場面(第2シーン)では緑色に発光するように、場面別に予めそれぞれの発光及び制御素子に対応するそれぞれのRed、Green、Blue、White、Amberなどの値を格納できる。
【0069】
グループ制御では、場面別に発光装置30のそれぞれが、自身が属しているグループ関連情報を格納するのに対し、ピクチャー制御では、場面別に発光装置30のそれぞれが自身の発光色そのものを格納するという点で違いがある。
【0070】
また、前記ピクセル制御は、グループ制御と同様に発光装置30のそれぞれが自身の属するピクセル関連情報を格納できる。ここで、ピクセルは、少なくとも1つの連続する座席を含むことができる。従って、グループ制御では、連続していない座席に位置する発光装置30が同一の色に制御できるのに対し、ピクセル制御では、連続する座席に位置する発光装置30が同一の色に制御できるという点で違いがある。
【0071】
更に、図2を参照すると、制御コンソール装置10は、グループ制御、ピクセル制御及びピクチャー制御のうちの少なくとも1つに基づいてデータパケットを伝送し、発光装置30は、データパケットを受信して、図2に示すように、公演会場にテキストが表示されるか、多様な演出効果が具現されるように発光できる。上述したデータ生成装置の動作は、制御コンソール装置10によって行われることもできる。
【0072】
図3は、本発明に係る制御コンソール装置の構成を示すブロック図である。
【0073】
図3を参照すると、制御コンソール装置10は、第1通信部110、第1メモリ120及び第1プロセッサ130を含むことができる。図3に示される構成要素は、制御コンソール装置10を実現する上で必須のものではないため、本明細書上で説明される制御コンソール装置10は、前記で列挙された構成要素よりも多いか、又は少ない構成要素を有することができる。
【0074】
より具体的に、第1通信部110は、送信機20、観客が所持している無線通信端末(例えば、スマートフォン)(図示せず)、発光装置30又はデータ生成装置(図示せず)と有線又は無線通信を可能にする1つ以上のモジュールを含むことができる。また、第1通信部110は、制御コンソール装置10を1つ以上のネットワークに接続する1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0075】
第1メモリ120は、キャッシュ、バッファなどを含んで構成することができ、第1プロセッサ130又はデータ生成装置(図示せず)から受信されるか、又は生成されたデータを格納できる。一実施例として、第1メモリ120は、データ生成装置(図示せず)によって生成された公演演出データを格納できる。
【0076】
第1プロセッサ130は、第1メモリ120に格納された公演演出データに基づいて、該当公演演出区間で各場面の演出場面に対応するデータパケットを生成し、生成されたデータパケットを送信機20に伝送できる。または、第1プロセッサ130は、前記生成されたデータパケットを前記発光装置30に伝送できる。
【0077】
また、第1プロセッサ130は、制御コンソール装置10に含まれている構成要素のうちの少なくとも2つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
【0078】
図4は、本発明に係る発光装置の構成を示すブロック図である。
【0079】
図4を参照すると、発光装置30は、第2通信部310、第2メモリ320、発光部330及び第2プロセッサ340を含むことができる。図4に示される構成要素は、発光装置30を具現する上で必須のものではないため、本明細書上で説明される発光装置30は、前記で列挙された構成要素よりも多いか、又は少ない構成要素を有することができる。
【0080】
より具体的に、第2通信部310は、制御コンソール装置10、送信機20又は観客が所持している無線通信端末(例えば、スマートフォン)(図示せず)と無線通信を可能にする1つ以上のモジュールを含むことができる。また、第2通信部310は、発光装置30を1つ以上のネットワークに接続する1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0081】
第2通信部310は、多様なタイプの通信方式によって多様なタイプの外部装置と通信を行える。第2通信部310は、ワイファイ(登録商標)チップ、ブルートゥース(登録商標)チップ、無線通信チップ、RFID、NFCチップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0082】
本明細書の移動通信技術によれば、技術標準又は通信方式(例えば、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(登録商標)(Code Division Multi Access)、CDMA2000(Code Division Multi Access 2000)、EV-DO(Enhanced Voice-Data Optimized or Enhanced Voice-Data Only)、WCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)など)によって構築された移動体通信網上で基地局、外部の端末、外部のサーバのうちの少なくとも1つと無線信号を送受信する。
【0083】
また、本明細書の無線技術としては、例えばWLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(登録商標)(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity) Direct、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(登録商標)(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)などがある。
【0084】
更に、本明細書の通信技術は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi Direct、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)、TTL(Transistor-Transistor Logic)、USB、IEEE1394、Ethernet(登録商標)、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)、RS232、RS422、RS485、光通信(Optical Communication)、同軸ケーブル通信(Coaxial Cable Communication)技術のうちの少なくも1つを用いて通信を支援する技術を含むことができる。
【0085】
第2メモリ320は、発光装置30の多様な機能を支援するローカル格納媒体である。第2メモリ320は、発光装置30で駆動できる多数のアプリケーションプログラム(application program又はアプリケーション(application))、発光装置30の動作のためのデータ、命令語などを格納できる。これらのアプリケーションプログラムのうちの少なくとも一部は、無線通信を介して外部装置(例えば、外部のサーバ)からダウンロードできる。アプリケーションプログラムは、第2メモリ320に格納され、発光装置30上にインストールされて第2プロセッサ340により前記発光装置30の動作(又は機能)を行うように駆動できる。
【0086】
また、本発明の第2メモリ320は、発光装置30に供給される電源が遮断されても、データが残っていなければならず、変動事項を反映できるように書き込み可能な非揮発性メモリ(Writable Rom)で構成できる。即ち、第2メモリ320は、フラッシュメモリ(Flash Memory)又はEPROM又はEEPROMのうちの何れか1つで構成できる。本発明で説明の便宜上、1つの第2メモリ320に全てのインストラクション情報が格納されると説明しているが、これに限定されるものではなく、発光装置30は、複数のメモリを備えることができる。
【0087】
また、本発明の発光装置30は、グループ制御、ピクチャー制御及びピクセル制御のうちの少なくとも1つによって発光装置30が制御されるように、制御関連情報(条件情報)を第2通信部310によって受信して第2メモリ320に格納できる。
【0088】
本発明において、制御関連情報(条件情報)は、グループ制御、ピクチャー制御及びピクセル制御のうちの少なくとも1つによって発光装置30が制御されるために、第2メモリ320に必須的に格納されるべき情報を含むことができる。例えば、第2メモリ320は、グループ制御のための場面別のグループ情報、ピクセル制御のための場面別のピクセル情報、ピクチャー制御のための場面別の発光情報及び送信機20の識別情報などを格納できる。
【0089】
また、第2メモリ320は、観客が所持しているチケットの座席情報を格納することもできる。大勢の人が公演会場に集合することによって、特定の発光装置は、発光パターンに対応するように発光するための条件情報を正常に格納できない恐れがある。この場合、特定の発光装置は、正常な条件情報を受信するまでに制御コンソール装置10で個別制御を行う必要がある。制御コンソール装置10は、特定の発光装置のみを制御する制御信号を送信機20を介して送出できる。
【0090】
更に、第2メモリ320が格納するチケットの座席情報は、チケットに表示された座席情報(例えば、A列1番の座席)、公演会場の座席のうち該当座席の位置情報(例えば、該当座席のGPS情報)及び該当座席の識別情報(例えば、公演演出データの生成時に5万席の座席のうち一番左上に位置する座席は「1番」)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0091】
前記条件情報は、発光装置30の生産段階で発光装置30に入力するか、公演会場への入場前又は公演会場への入場後に発光装置30を所持している観客の端末(例えば、スマートフォン、タブレット、PC)により入力することができる。
【0092】
観客(ユーザ)は、本人が所持している端末と発光装置30を電気的に接続し、端末にインストールされたアプリケーションを介して公演演出のための条件情報を受け取ることができる。
【0093】
前記アプリケーションは、観客(ユーザ)の端末(スマートデバイス)に送られたチケットの購入情報に含まれている座席情報に基づいて、条件情報をマッピングして第2メモリ320に格納し、発光装置30に提供できる。
【0094】
ユーザがオンラインでチケットを購入するか、チケットを購入する際に自身の端末(スマートデバイス)の連絡先を残した場合、オンライン購入アプリケーションやE-mail、MMS、カカオトーク(登録商標)などのメッセージで購入情報を提供できる。そして、前記購入情報を提供したアプリケーションへの情報アクセス権限が許可されると、該当購入情報にある公演の日付や座席情報をユーザが直接入力する必要なく、前記アプリケーションが自動的に情報を獲得して座席情報と連動した条件情報をマッピングして発光装置30に提供できる。
【0095】
または、前記アプリケーションは、外部のサーバから条件情報をダウンロードして第2メモリ320に格納し、発光装置30に提供できる。
【0096】
前記電気的接続は、端末及び発光装置30間の近距離無線通信又は物理的接続により行うことができる。
【0097】
また、一実施例として、前記条件情報は、入場前のチケットの確認過程で入力することもできる。具体的に、観客は、公演会場へ入場前に公演チケット確認段階を行える。この場合、公演のスタッフは、チケットに含まれている座席情報を直接手書きで発光装置30に入力するか、情報確認装置(図示せず)を介してOCR機能又は電子コードリーダー機能を用いてチケットに含まれている座席情報を受信し、前記座席情報に対応する位置情報と関連する条件情報を発光装置30に提供して第2メモリ320に格納できる。この場合、前記位置情報は、公演会場内の各座席に関する位置情報であり得る。また、前記情報確認装置は、外部のサーバ(図示せず)と通信によって位置情報と関連する条件情報を発光装置30に提供するか、又は公演企画段階で位置情報と関連する条件情報を予め格納して発光装置30に提供できる。
【0098】
更に、前記情報確認装置は、キオスク(kiosk)(図示せず)のような電子装置を含むことができる。この場合、観客は、キオスクによって直接公演チケット確認段階を行える。キオスクは、チケットに含まれている電子コード情報を受信し、電子コード情報に対応する位置情報と関連する条件情報を発光装置30に提供して第2メモリ320に格納できる。この場合、キオスクは、外部のサーバ(図示せず)と通信によって、又は公演企画段階で位置情報と関連する条件情報を予め格納できる。
【0099】
ここで、上述した条件情報は、前記公演演出データに含まれている情報であり得る。
【0100】
発光部330は、1つ以上の光源素子を含むことができ、光源素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)などを用いることができる。また、発光部330は、光源素子を用いてRGB色情報による多様な色の光を出力できる。
【0101】
本発明によると、前記送信機20のそれぞれは、互いに異なる無線周波数帯域幅(チャネル)を用いることができる。これにより、送信機20のそれぞれから送出されるデータパケットは、互いに異なる無線帯域幅を有することができる。
【0102】
第2プロセッサ340は、既に設定された時間単位(例えば、分、時)毎に又はイベントの発生(例えば、次の曲が再生又は観客が座席から離れてから再び戻ってくる場合など)時毎に第2メモリ320に格納された送信機20の識別情報と、受信したデータパケットに含まれている送信機20の識別情報とを比較し、両者が一致する場合、該当送信機20が送出する無線帯域幅によって受信されるデータパケットのみを受信できる。
【0103】
本発明によると、第2メモリ320は、送信機20の識別情報及び送信機20が用いる無線帯域幅をリストとして格納できる。具体的に、発光装置30は、何れも同一に該当公演で用いられる送信機20の識別情報及び送信機20が用いる無線帯域幅を第2メモリ320にリストとして格納できる。発光装置30は、第2メモリ320に格納された送信機20の識別情報と一致する識別情報を含むデータパケットが受信されないか、受信したデータパケットが適切な無線信号レベルでない場合、データパケットを受信するために、無線帯域幅全体(チャネル)をスキャンしなければならない。従って、前記リストを格納することによって、第2プロセッサ340は、発光装置30が受信する送信機20の識別情報及び送信機20が送出する無線帯域幅を、リストを参照して部分的(選択的に)にスキャンして迅速に把握できる。
【0104】
第2プロセッサ340は、前記第2通信部310によって前記制御コンソール装置10から前記データパケットを受信して、前記データパケット内の発光のための動作を行える。
【0105】
一例として、前記データパケットがグループ制御のための制御信号である場合(即ち、データパケットにグループ制御のための演出情報が含まれている場合)、第2プロセッサ340は、第2メモリ320に格納されている条件情報に基づいて、自身が該当場面でどのグループに属するかを確認し、発光部330が該当グループにマッチングした色によって発光するようにできる。
【0106】
他の例として、前記データパケットがピクセル制御のための制御信号である場合(即ち、データパケットにピクセル制御のための演出情報が含まれている場合)、第2プロセッサ340は、第2メモリ320に格納されている条件情報に基づいて、自身が該当場面でどのピクセルに属するかを確認し、発光部330が該当ピクセルにマッチングした色によって発光するようにできる。
【0107】
また、他の例として、前記データパケットがピクチャー制御のための制御信号である場合(即ち、データパケットにピクチャー制御のための演出情報が含まれている場合)、第2プロセッサ340は、第2メモリ320に格納されている条件情報に基づいて、自身が該当場面でどの色に発光するかを確認し、発光部330が該当色によって発光するようにできる。
【0108】
更に、第2プロセッサ340は、前記発光装置30に含まれている構成要素のうちの少なくとも2つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
【0109】
上述したように、発光装置30のそれぞれは、制御方式によってグループ制御の場合、該当場面でそれぞれが属するグループにマッチングした色に直ぐ発光し、ピクセル制御の場合、該当場面でそれぞれが属するピクセルにマッチングした色に発光し、ピクチャー制御の場合、該当場面でそれぞれにマッチングした色に発光することによって、図2に示すように、各公演演出の区間別にそれぞれの演出場面が多様に演出されることができる。
【0110】
更に、本発明は、データパケットに複数の制御方式に関する演出情報を含めて、各発光装置30が各制御方式による各場面で発光されるべき色に対して演算を行うことによって、発光装置30がより多様な色に表現され得るようにし、これにより演出場面がより多彩に構成するようにできる。
【0111】
以下では、図5図20を参照して、複数の制御方式を用いて発光装置30の発光を制御する方法について詳細に説明する。
【0112】
図5は、本発明に係る公演の演出方法を示すフローチャートである。
【0113】
図6は、本発明に係るデータパケットを説明する例示図である。
【0114】
図7は、図6のデータパケットに含まれている第1レイヤの演出情報を説明する例示図である。
【0115】
図8は、図6のデータパケットに含まれている第2レイヤの演出情報を説明する例示図である。
【0116】
図9は、図6のデータパケットに含まれている第3レイヤの演出情報を説明する例示図である。
【0117】
図10は、本発明に係る発光装置の条件情報を説明する例示図である。
【0118】
図11a及び図11bは、本発明に係る最上位層レイヤのマスキング値による発光色を説明する例示図である。
【0119】
図12は、図6のデータパケットにトップレイヤ変更情報が含まれている場合を説明する例示図である。
【0120】
図13a及び図13bは、図12のトップレイヤ変更情報を説明する例示図である。
【0121】
図14は、本発明に係る複数の発光装置のそれぞれの条件情報に該当するレイヤ別の発光色値、マスキング値及び透明度値を説明する例示図である。
【0122】
図15a~図15dは、本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
【0123】
図16は、図15a~図15dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
【0124】
図17a~図17dは、本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が0に同一に適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
【0125】
図18は、図17a~図17dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
【0126】
図19a~図19dは、本発明に係る複数の発光装置に対してトップレイヤ変更値が1又は0にそれぞれ異なって適用される場合、複数の発光装置のそれぞれの発光色を演算する方法を説明する例示図である。
【0127】
図20は、図19a~図19dの演算結果によって演出される最終の演出場面を説明する例示図である。
【0128】
以下、図5図20を参照し、本発明に係る公演演出システム1の制御コンソール装置10と発光装置30の構成と動作を説明するとき、制御コンソール装置10が1つの送信機20によって1つの区域に位置する発光装置30を制御するものと説明する。
【0129】
図5を参照すると、制御コンソール装置10の第1プロセッサ130は、複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して、第1通信部110を介して伝送できる(S110)。
【0130】
本発明において、レイヤは、1つの演出場面のために複数の色を便利に演算するために適用される仮想の概念であり得る。
【0131】
前記複数のレイヤは、第1レイヤ、第2レイヤ及び第3レイヤを含むことができる。しかし、これに制限されず、レイヤの数はより多いこともでき、より少ないこともできる。
【0132】
ここで、第1レイヤは、前記グループ制御又は前記ピクセル制御に対するレイヤを意味することができ、第2レイヤは、前記ピクチャー制御に対するレイヤを意味することができ、第3レイヤは、背景レイヤを意味することができる。しかし、これに制限されず、背景レイヤである第3レイヤを除いた全てのレイヤは、前記グループ制御、前記ピクセル制御及び前記ピクチャー制御のうちの少なくとも1つに対するレイヤであることができ、実施例によっては最後のレイヤである第3レイヤも背景レイヤではなく、前記グループ制御、前記ピクセル制御及び前記ピクチャー制御のうちの少なくも1つに対するレイヤであることもできる。
【0133】
ここで、グループ制御又は前記ピクセル制御に対するレイヤである第1レイヤが最上位層であることができ、前記ピクチャー制御に対するレイヤである第2レイヤが中間層であることができ、背景レイヤである第3レイヤが最下位層であることができる。制御コンソール装置10は、第1レイヤが最上位層であり、第2レイヤが中間層であり、第3レイヤが最下位層である順序を基本設定値として格納しておくことができる。しかし、これに制限されず、制御コンソール装置10は、場合によって異なる順序に基本設定値を格納していることもできる。
【0134】
制御コンソール装置10は、事前に別の装置(例えば、データ生成装置)から受信し、予め格納された公演演出データに基づいて、各公演演出区間での各演出場面に関する演出情報が含まれているデータパケット400を生成できる。
【0135】
図6を参照すると、データパケット400は、第1レイヤの演出情報410、第2レイヤの演出情報420及び第3レイヤの演出情報430を含むことができる。
【0136】
本発明によって、データパケット400は、第1レイヤに対する演出場面と、第2レイヤに対する演出場面が制御方式によって異なるため、演出情報もそれぞれ第1レイヤに関する演出情報と第2レイヤに関する演出情報とに区分されて含まれることになる。そのとき、第3レイヤは、背景レイヤであるので、背景色についての情報が演出情報として含まれることになる。
【0137】
具体的に、図7を参照すると、前記第1レイヤの演出情報410は、第1演出場面に対応する番号情報、発光色情報、第1マスキング情報及び第1透明度情報を含むことができる。
【0138】
ここで、番号情報は、現在時点(現在の公演演出区間)で前記グループ制御又は前記ピクセル制御によって表そうとする第1演出場面の番号を示すことができる。
【0139】
前記発光色情報は、第1演出場面の番号で各分類(グループ又はピクセル)にマッチングした色情報を示すことができる。図7では便宜上、「赤」、「黄」、「青」及び「白」と示したが、発光色情報は、各分類別にRGBなどに基づいた色値として表現できる。例えば、「赤」は(255、0、0)と表現できる。
【0140】
前記第1マスキング情報は、第1演出場面の番号で各分類に割り当てられたマスキング値を示すことができる。ここで、マスキング値は、第1レイヤと、第1レイヤの後ろに位置するレイヤとの間の優先順位を判断するための値を意味し得る。マスキング値が0であれば、第1レイヤが後ろに位置するレイヤよりも優先され、マスキング値が1であれば、第1レイヤが後ろに位置するレイヤよりも優先されない(即ち、第1レイヤの後ろに位置するレイヤが第1レイヤよりも優先される)。このとき、第1レイヤの後ろに位置するレイヤは、第2レイヤであることもでき、第3レイヤであることもできる。
【0141】
前記第1透明度情報は、第1演出場面の番号で各分類に割り当てられた透明度値を示すことができる。ここで、透明度値は、第1レイヤに適用されて第1レイヤをαブレンド(Alpha Blending)するための値を意味し得る。透明度値は、0%から100%の間の値として決定でき、値が大きいほど第1レイヤが透明になる程度が大きくなることができる。
【0142】
ここで、第1マスキング情報に対する分類と第1透明度情報に対する分類は、複数の発光装置30をグループ又はピクセルに基づいて区分するのではなく、複数の発光装置30のそれぞれが第1演出場面の該当番号で表現されるべき形態又はパターンなど多様な状況に応じて複数の発光装置30を区分できる。しかし、これに制限されず、第1マスキング情報に対する分類と第1透明度情報に対する分類もグループ又はピクセルに基づいて区分することもできる。
【0143】
前記発光色情報に対する分類と、前記第1マスキング情報に対する分類と、前記第1透明度情報に対する分類は、複数の発光装置30のそれぞれに対して同一に適用することもでき、異なって適用することもできる。
【0144】
同一に適用する場合、特定の発光装置30が発光色情報に対して分類1に属する場合、第1マスキング情報及び第1透明度情報に対しても分類1に属することができる。
【0145】
異なって適用する場合、特定の発光装置30が発光色情報に対しては分類1に属し、第1マスキング情報に対しては分類2に属し、第1透明度情報に対しては分類3に属し得る。
【0146】
同一に適用する場合には、前記発光色情報に対する分類の数と、前記第1マスキング情報に対する分類の数と、前記第1透明度情報に対する分類の数は同一でなければならないが、異なって適用する場合には、前記発光色情報に対する分類の数と、前記第1マスキング情報に対する分類の数、前記第1透明度情報に対する分類の数は、同一であることもでき、それぞれ異なることもできる。
【0147】
図8を参照すると、前記第2レイヤの演出情報420は、第2演出場面に対応する番号情報、第2マスキング情報及び第2透明度情報を含むことができる。
【0148】
ここで、番号情報は、現在時点(現在の公演演出区間)で前記ピクチャー制御によって表そうとする第2演出場面の番号を示すことができる。
【0149】
前記第2マスキング情報は、第2演出場面の番号で各分類に割り当てられたマスキング値を示すことができる。ここで、マスキング値は、第2レイヤと、第2レイヤの後ろに位置するレイヤとの間の優先順位を判断するための値を意味し得る。マスキング値が0であれば、第2レイヤが後ろに位置するレイヤよりも優先され、マスキング値が1であれば、第2レイヤが後ろに位置するレイヤよりも優先されない(即ち、第2レイヤの後ろに位置するレイヤが第2レイヤよりも優先される)。このとき、第2レイヤの後ろに位置するレイヤは、第1レイヤであることもでき、第3レイヤであることもできる。
【0150】
前記第2透明度情報は、第2演出場面の番号で各分類に割り当てられた透明度値を示すことができる。ここで、透明度値は、第2レイヤに適用されて第2レイヤをαブレンド(Alpha Blending)するための値を意味し得る。透明度値は、0%から100%の間の値として決定でき、値が大きいほど第2レイヤが透明になる程度が大きくなることができる。
【0151】
ここで、第2マスキング情報に対する分類と第2透明度情報に対する分類は、複数の発光装置30のそれぞれが第2演出場面の該当番号で表現されるべき形態又はパターンなど多様な状況に応じて複数の発光装置30を区分できる。
【0152】
前記第2マスキング情報に対する分類と、前記第2透明度情報に対する分類は、複数の発光装置30のそれぞれに対して同一に適用することもでき、異なって適用することもできる。
【0153】
同一に適用する場合、特定の発光装置30が第2マスキング情報に対して分類1に属すると、第2透明度情報に対しても分類1に属することができる。
【0154】
異なって適用する場合、特定の発光装置30が第2マスキング情報に対しては分類1に属し、第2透明度情報に対しては分類3に属することができる。
【0155】
同一に適用する場合には、前記第2マスキング情報に対する分類の数と、前記第2透明度情報に対する分類の数は、同一でなければならないが、異なって適用する場合には、前記第2マスキング情報に対する分類の数と、前記第2透明度情報に対する分類の数は、同一になることもでき、それぞれ異なることもできる。
【0156】
図9を参照すると、前記第3レイヤの演出情報430は、背景色情報を含むことができる。即ち、第3レイヤに対しては、複数の発光装置30が何れも同一の色(例えば、黒又は白)に表現することができる。
【0157】
図9では便宜上、背景色情報を「黒」に示したが、背景色情報はRGBなどに基づいた色値として表現できる。例えば、「黒」は(0、0、0)と表現できる。
【0158】
更に図5を参照すると、複数の発光装置30の第2プロセッサ340は、第2通信部310によって前記制御コンソール装置10から前記データパケット400を受信して、前記データパケット400に含まれている前記演出情報に基づいて発光部330が発光するようにできる(S120)。
【0159】
前記複数の発光装置30のそれぞれには、互いに異なる条件情報を格納できる。即ち、上述したように、各発光装置30には、自身の位置情報(即ち、該当発光装置を所持しているユーザの座席情報)と関連する条件情報が格納されており、各座席別に異なる色に発光装置30を発光できる。そのために、それぞれの発光装置30は、受信したデータパケット400で自身の条件情報に該当する(発光のための)値を確認しなければならない。
【0160】
具体的に、前記複数の発光装置30のそれぞれは、前記第1レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第1演出場面における第1発光色値、第1マスキング値及び第1透明度値を確認し、前記第2レイヤの演出情報を用いて前記条件情報に対応する第2演出場面における第2発光色値、第2マスキング値及び第2透明度値を確認し、前記第3レイヤの演出情報に基づいて背景色値を確認できる。
【0161】
図10を参照すると、発光装置Aには、第1レイヤの第1演出場面の番号別に発光色に関する分類情報、マスキングに関する分類情報、透明度に関する分類情報が格納されており、第2レイヤの第2演出場面の番号別に発光色情報、マスキングに関する分類情報、透明度に関する分類情報を格納できる。ここで、第3レイヤに関する条件情報は、別途に格納しないようにできる。これは、第3レイヤに対する背景色値は、演出情報に含まれて伝送されて条件情報と比較する必要なしに直ぐ確認が可能なためであり得る。
【0162】
図10に示されるように、発光装置Aは、第1演出場面1番である場合は、発光色に関する分類情報が1であり、マスキングに関する分類情報が4であり、透明度に関する分類情報は1であり得る。発光装置Aは、第2演出場面1番である場合は、発光色情報が「赤」であり、マスキングに関する分類情報は1であり、透明度に関する分類情報は1であり得る。図10では便宜上、「赤」、「白」、「黄」、「空」及び「緑」に示したが、発光色情報は、各番号別にRGBなどに基づいた色値として表現できる。例えば、「赤」は(255、0、0)と表現できる。
【0163】
特定の公演演出区間に図7図9のような各レイヤの演出情報が含まれているデータパケット400が受信された場合、発光装置Aは、第1演出場面が1番であるとき、発光色に関する分類情報が1であり、マスキングに関する分類情報が4であり、透明度に関する分類情報が1であるので、第1演出場面で発光装置Aの第1発光色値は「赤」であり、第1マスキング値は0であり、第1透明度値は25%であり得る。
【0164】
また、発光装置Aは、第2演出場面が4番であるとき、発光色情報が「空」であり、マスキングに関する分類情報が3であり、透明度に関する分類情報が2であるので、第2演出場面で発光装置Aの第2発光色値は「空」であり、第2マスキング値は1であり、第2透明度値は10%であり得る。
【0165】
このように、各発光装置30は、自身の条件情報と受信したデータパケット400とを比較し、自身の最終の発光色を決定するための前記値を確認し、これらの値を用いた演算によって各公演演出区間における各演出場面(最終の演出場面)において、自身に割り当てられた色(最終の発光色)を発光できるようにする。
【0166】
以下では、演算によってそれぞれの発光装置30が自身の最終の発光色を決定する過程を詳細に説明する。
【0167】
まず、前記複数の発光装置30のそれぞれは、前記第1レイヤの演出情報410を基に、前記最上位層である第1レイヤと前記中間層である第2レイヤの優先順位を判断できる。
【0168】
その後、前記複数の発光装置30のそれぞれは、前記優先順位の判断によって前記第1レイヤの演出情報410、前記第2レイヤの演出情報420及び前記第3レイヤの演出情報430のうちの少なくとも1つを用いて演算し、前記演算された結果を基に発光できる。
【0169】
具体的に、優先順位は、最上位層である第1レイヤに対する第1マスキング値を用いて判断され得る。上述したように、マスキング値が0であれば、第1レイヤが後ろに位置するレイヤ(中間層である第2レイヤ)よりも優先され、マスキング値が1であれば、第1レイヤが後ろに位置するレイヤ(中間層である第2レイヤ)よりも優先されない(即ち、第1レイヤの後ろに位置するレイヤが第1レイヤよりも優先される)。
【0170】
そして、優先順位の判断によって前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第2レイヤの演出情報420と、前記第3レイヤの演出情報430に基づいて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第1レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光できる。
【0171】
より具体的に、前記優先順位の判断によって、前記最上位層である第1レイヤが前記中間層である第2レイヤよりも優先される場合、前記第1演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて前記第2発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、前記第2演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて前記第1演算された結果と前記第1発光色値のαブレンドを行える。これにより、第2演算された結果によって決定された最終の発光色に各発光装置30を発光できる。
【0172】
反対に、優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1レイヤの演出情報410と前記第3レイヤの演出情報430に基づいて第1演算を行い、前記第1演算された結果と前記第2レイヤの演出情報を用いて第2演算を行い、前記第2演算された結果を基に発光できる。
【0173】
より具体的に、前記優先順位の判断によって、前記中間層である第2レイヤが前記最上位層である第1レイヤよりも優先される場合、前記第1演算の実行時に前記第1透明度情報に基づいて前記第1発光色値と前記背景色値のαブレンドを行い、前記第2演算の実行時に前記第2透明度情報に基づいて前記第1演算された結果と前記第2発光色値のαブレンドを行える。これにより、第2演算された結果によって決定された最終の発光色に各発光装置30を発光できる。
【0174】
図11aを参照して、第1レイヤ510が最上位層、第2レイヤ520が中間層、第3レイヤ530が最下位層であるとき、第1レイヤ510が第2レイヤ520を優先する場合に最終の発光色を決定する方法を説明する。
【0175】
第1レイヤ510が優先するので、第2レイヤ520の第2発光色値(即ち、空色)に第2透明度(10%)を適用して第3レイヤ530の背景色値とαブレンド(第1演算)すると、第1演算結果540を導き出すことができる。
【0176】
次に、第1レイヤ510の第1発光色値(即ち、赤色)に第1透明度(25%)を適用して第1演算結果540とαブレンド(第2演算)すると、第2演算の結果、即ち最終の発光色550を導き出すことができる。
【0177】
図11bを参照して、第1レイヤ510が最上位層、第2レイヤ520が中間層、第3レイヤ530が最下位層であるとき、第1レイヤ510が第2レイヤ520を優先しない場合(第2レイヤ520が優先する場合)に最終の発光色を決定する方法を説明する。
【0178】
第2レイヤ520が優先するので、第1レイヤ510の第1発光色値(即ち、赤色)に第1透明度(25%)を適用して第3レイヤ530の背景色値とαブレンド(第1演算)すると、第1演算結果560を導き出すことができる。
【0179】
次に、第2レイヤ520の第2発光色値(即ち、空色)に第2透明度(10%)を適用して第1演算結果560とαブレンド(第2演算)すると、第2演算の結果、即ち最終の発光色570を導出できる。
【0180】
このように、第1レイヤと第2レイヤのうちのどのレイヤが優先するかによって発光装置30が最終的に発光する色が異なり得る。
【0181】
一方、図12を参照すると、データパケット400には、トップレイヤ変更情報440が更に含まれることができる。
【0182】
ここで、トップレイヤ変更情報440は、複数のレイヤのうち最上位層のレイヤと中間層のレイヤの順序を変更するか否かを示す情報であり得る。
【0183】
上述したように、複数のレイヤの順序は、第1レイヤが最上位層であり、第2レイヤが中間層であり、第3レイヤが最下位層であることを基本設定値とする。
【0184】
図13aを参照すると、トップレイヤ変更情報440は、最上位層である第1レイヤの第1演出場面の番号別に0又は1に設定できる。
【0185】
第1演出場面の1番に関するトップレイヤ変更情報440が0である場合、第1演出場面の1番に対しては全ての発光装置30が前記基本設定値通りに最上位層である第1レイヤの第1マスキング値に基づいて第1レイヤと第2レイヤ間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0186】
反対に、第1演出場面の1番に関するトップレイヤ変更情報440が1である場合、第1演出場面の1番に対しては、全ての発光装置30が前記基本設定値とは異なり、第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更して、変更された最上位層である第2レイヤの第2マスキング値に基づいて第1レイヤと第1レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0187】
図13bを参照すると、トップレイヤ変更情報440は、最上位層である第1レイヤの第1演出場面の番号別に各分類に割り当てられた変更値を示すことができる。
【0188】
このような場合、発光装置30に格納された条件情報には、トップレイヤ変更分類情報を含めることができる。各発光装置30は、自身の条件情報に対応する変更値を確認して、変更値によって優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0189】
具体的に、第1演出場面の1番に対して自身の属する分類に割り当てられた変更値が0である発光装置30は、第1演出場面の1番に対しては、前記基本設定値通りに最上位層である第1レイヤの第1マスキング値に基づいて第1レイヤと第2レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0190】
反対に、第1演出場面の1番に対して自身が属する分類に割り当てられた変更値が1である発光装置30は、第1演出場面の1番に対しては、前記基本設定値とは異なり、第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更して、変更された最上位層である第2レイヤの第2マスキング値に基づいて第2レイヤと第1レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0191】
前記では、基本設定値によって第1レイヤが最上位層の場合、最上位層である第1レイヤの第1演出場面の番号に対してトップレイヤ変更情報が含まれるものと説明したが、基本設定値が、第2レイヤが最上位層であるものと設定された場合、最上位層である第2レイヤの第2演出場面の番号に対してトップレイヤ変更情報を含めることもできる。
【0192】
以下、図14図20を参照して、トップレイヤ変更情報440が、全ての発光装置30に対して同一に適用される場合、又はトップレイヤ変更情報440がそれぞれの発光装置30が属する分類によって個別に適用される場合を区別して、各発光装置30が自身の最終の発光色を決定することについて説明する。
【0193】
図14図20を参照して説明するとき、便宜上、発光装置が4つであるものと説明するが、実際には公演会場に存在する数万個の発光装置に対して一括して適用することができる。
【0194】
制御コンソール装置10が特定の公演演出区間のためのデータパケットを生成して4つの発光装置30に伝送すると、4つの発光装置30は、受信したデータパケットと自身の条件情報とを比較して、自身の条件情報に対応する(発光のための)値を確認できる。
【0195】
図14を参照すると、発光装置Aの第1演出場面の番号1番に対する第1発光色値は「赤」であり、第1マスキング値は0であり、第1透明値は25%であり、第2演出場面の番号4番に対する第2発光色値は「空」であり、第2マスキング値は1であり、第2透明度値は10%と確認できる。
【0196】
発光装置Bの第1演出場面の番号1番に対する第1発光色値は「黄」であり、第1マスキング値は0であり、第1透明値は15%であり、第2演出場面の番号4番に対する第2発光色値は「青」であり、第2マスキング値は0であり、第2透明度値は15%と確認できる。
【0197】
発光装置Cの第1演出場面の番号1番に対する第1発光色値は「黄」であり、第1マスキング値は1であり、第1透明値は50%であり、第2演出場面の番号4番に対する第2発光色値は「緑」であり、第2マスキング値は0であり、第2透明度値は30%と確認できる。
【0198】
発光装置Dの第1演出場面の番号1番に対する第1発光色値は「赤」であり、第1マスキング値は0であり、第1透明値は70%であり、第2演出場面の番号4番に対する第2発光色値は「紫」であり、第2マスキング値は0であり、第2透明度値は15%と確認できる。
【0199】
図14では便宜上、発光色値を「赤」、「黄」、「空」、「青」、「緑」及び「紫」と示したが、該当値は、RGBなどに基づく色値として表現できる。例えば、「赤」は(255、0、0)と表現できる。
【0200】
先に、図13aのように、トップレイヤ変更情報440が、全ての発光装置30に対して同一に適用されるとき、変更値が0の場合、4つの発光装置は、第1演出場面の1番に対して基本設定値通りに最上位層である第1レイヤの第1マスキング値に基づいて第1レイヤと第2レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0201】
具体的に、図15aを参照すると、上述したように、発光装置Aの第1マスキング値は0であるので、最上位層である第1レイヤ510が中間層である第2レイヤ520よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ520と第3レイヤ530との間で行われ、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ510との間で行うことができる。
【0202】
第1演算は、第2レイヤ520の第2発光色値(空)に第2透明度値である10%を適用して第3レイヤ530の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ510の第1発光色値(赤)に第1透明度値である25%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Aは、図16に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色911に発光することができる。
【0203】
また、図15bを参照すると、上述したように、発光装置Bの第1マスキング値は0であるので、最上位層である第1レイヤ610が中間層である第2レイヤ620よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ620と第3レイヤ630との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ610との間で行うことができる。
【0204】
第1演算は、第2レイヤ620の第2発光色値(青)に第2透明度値である15%を適用して、第3レイヤ630の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ610の第1発光色値(黄)に第1透明度値である15%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Bは、図16に示されるように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色912にて発光し得る。
【0205】
また、図15cを参照すると、上述したように、発光装置Cの第1マスキング値は1であるので、最上位層である第1レイヤ710が中間層である第2レイヤ720よりも優先しないものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ710と第3レイヤ730との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ720との間で行うことができる。
【0206】
第1演算は、第1レイヤ710の第1発光色値(黄)に第1透明度値である50%を適用して第3レイヤ730の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ720の第2発光色値(緑)に第2透明度値である30%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Cは、図16に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色913にて発光し得る。
【0207】
また、図15dを参照すると、上述したように、発光装置Dの第1マスキング値は0であるので、最上位層である第1レイヤ810が中間層である第2レイヤ820よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ820と第3レイヤ830との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ810との間で行うことができる。
【0208】
第1演算は、第2レイヤ820の第2発光色値(紫)に第2透明度値である15%を適用して第3レイヤ830の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ810の第1発光色値(赤)に第1透明度値である70%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Dは、図16に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色914にて発光し得る。
【0209】
次に、図13aのように、トップレイヤ変更情報440が、全ての発光装置30に対して同一に適用されるとき、変更値が1の場合、4つの発光装置は、第1演出場面の1番に対して基本設定値とは異なり、第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更して、最上位層である第2レイヤの第2マスキング値に基づいて第2レイヤと第1レイヤとの間で優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0210】
具体的に、図17aを参照すると、上述したように、発光装置Aの第2マスキング値は1であるので、最上位層である第2レイヤ520が中間層である第1レイヤ510よりも優先しないものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ520と第3レイヤ530との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ510との間で行うことができる。
【0211】
第1演算は、第2レイヤ520の第2発光色値(空)に第2透明度値である10%を適用して第3レイヤ530の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ510の第1発光色値(赤)に第1透明度値である25%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Aは、図18に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色921にて発光し得る。
【0212】
また、図17bを参照すると、上述したように、発光装置Bの第2マスキング値は0であるので、最上位層である第2レイヤ620が中間層である第1レイヤ610よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ610と第3レイヤ630との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ620との間で行うことができる。
【0213】
第1演算は、第1レイヤ610の第1発光色値(黄)に第1透明度値である15%を適用して第3レイヤ630の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ620の第2発光色値(青)に第2透明度値である15%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Bは、図18に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色922にて発光し得る。
【0214】
また、図17cを参照すると、上述したように、発光装置Cの第2マスキング値は0であるので、最上位層である第2レイヤ720が中間層である第1レイヤ710よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ710と第3レイヤ730との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ720との間で行うことができる。
【0215】
第1演算は、第1レイヤ710の第1発光色値(黄)に第1透明度値である50%を適用して、第3レイヤ730の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ720の第2発光色値(緑)に第2透明度値である30%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Cは、図18に示されるように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色923にて発光し得る。
【0216】
また、図17dを参照すると、上述したように、発光装置Dの第2マスキング値は0であるので、最上位層である第2レイヤ820が中間層である第1レイヤ810よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ810と第3レイヤ830との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ820との間で行うことができる。
【0217】
第1演算は、第1レイヤ810の第1発光色値(赤)に第1透明度値である70%を適用して、第3レイヤ830の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ820の第2発光色値(紫)に第2透明度値である15%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Dは、図18に示されるように、第2演算結果に対応する最終の発光色924にて発光し得る。
【0218】
最後に、図14のように、トップレイヤ変更情報440がそれぞれの発光装置30が属する分類によって個別に適用されるとき、発光装置Aと発光装置Dの変更値は0であり、発光装置Bと発光装置Cの変更値は1である場合、発光装置Aと発光装置Dは、第1演出場面の1番に対して基本設定値通りに最上位層である第1レイヤの第1マスキング値に基づいて第1レイヤと第2レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。反対に、発光装置Bと発光装置Cは、第1演出場面の1番に対して基本設定値とは異なり、第2レイヤを最上位層に変更し、前記第1レイヤを中間層に変更して、最上位層である第2レイヤの第2マスキング値に基づいて第2レイヤと第1レイヤとの間の優先順位を判断し、判断結果によって第1演算及び第2演算を行える。
【0219】
具体的に、図19aを参照すると、上述したように、発光装置Aの第1マスキング値は0であるので、最上位層である第1レイヤ510が第2レイヤ520よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ520と第3レイヤ530との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ510との間で行うことができる。
【0220】
第1演算は、第2レイヤ520の第2発光色値(空)に第2透明度値である10%を適用して第3レイヤ530の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ510の第1発光色値(赤)に第1透明度値である25%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Aは、図20に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色931にて発光し得る。
【0221】
また、図19bを参照すると、上述したように、発光装置Bの第2マスキング値は0であるので、最上位層である第2レイヤ620が中間層である第1レイヤ610よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ610と第3レイヤ630との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ620との間で行うことができる。
【0222】
第1演算は、第1レイヤ610の第1発光色値(黄色)に第1透明度値である15%を適用して第3レイヤ630の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ620の第2発光色値(青)に第2透明度値である15%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Bは、図20に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色932にて発光し得る。
【0223】
また、図19cを参照すると、上述したように、発光装置Cの第2マスキング値は0であるので、最上位層である第2レイヤ720が中間層である第1レイヤ710よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第1レイヤ710と第3レイヤ730との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第2レイヤ720との間で行うことができる。
【0224】
第1演算は、第1レイヤ710の第1発光色値(黄)に第1透明度値である50%を適用して、第3レイヤ730の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第2レイヤ720の第2発光色値(緑)に第2透明度値である30%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Cは、図20に示すように、前記第2演算結果に対応する最終の発光色933にて発光し得る。
【0225】
また、図19dを参照すると、上述したように、発光装置Dの第1マスキング値は0であるので、最上位層である第1レイヤ810が中間層である第2レイヤ820よりも優先するものと判断され得る。これにより、第1演算は、第2レイヤ820と第3レイヤ830との間で行い、第2演算は、第1演算結果と第1レイヤ810との間で行うことができる。
【0226】
第1演算は、第2レイヤ820の第2発光色値(紫)に第2透明度値である15%を適用して第3レイヤ830の背景色値(黒)とαブレンドを行い、第2演算は、第1レイヤ810の第1発光色値(赤)に第1透明度値である70%を適用して、前記第1演算結果とαブレンドを行える。これにより、発光装置Dは、図20に示されるように、第2演算結果に対応する最終の発光色934にて発光し得る。
【0227】
前記では、第1レイヤが最上位層であり、第2レイヤが中間層であり、第3レイヤが最下位層の場合を基本設定の順序にしたとき、最上位層である第1レイヤに対する第1演出場面の番号別にトップレイヤ変更情報が発光装置全体に一括して適用されるか、又はそれぞれの発光装置に個別に適用されて各発光装置がαブレンドを行い、最終の発光色に発光することについて説明した。
【0228】
これと同様、第2レイヤが最上位層であり、第1レイヤが中間層であり、第3レイヤが最下位層の場合を基本設定の順序にしたときは、最上位層である第2レイヤに対する第2演出場面の番号別にトップレイヤ変更情報が発光装置全体に一括して適用されるか、又はそれぞれの発光装置に個別に適用されて各発光装置がαブレンドを行い、最終の発光色に発光できる。
【0229】
本発明は、このように基本設定値、トップレイヤ変更値(全体適用又は個別適用)、レイヤの数、各レイヤ別のマスキング値、透明度値など多様な場合によってそれぞれの発光装置30が最終的に発光する色を多様に表現できる。これにより、公演会場に存在する発光装置30全体を用いて公演場面を演出する際に、より繊細、かつ多様な場面を演出できる。
【0230】
前記では、最上位層であるレイヤのマスキング値を用いて最上位層のレイヤと中間層のレイヤの優先順位のみ判断し、優先順位の判断結果によって順序通りに第1演算及び第2演算を行うものと説明したが、本発明は、実施例によって、最上位層のレイヤのマスキング値と中間層のレイヤのマスキング値を全て用いて優先順位を判断し、演算を行うこともできる。
【0231】
以下、第1レイヤが最上位層であり、第2レイヤが中間層であり、第3レイヤが最下位層であることを基本設定値にして最上位層のレイヤのマスキング値と中間層のレイヤのマスキング値を全て用いて優先順位を判断し、演算を行う方法について詳細に説明する。
【0232】
制御コンソール装置10の第1プロセッサ130は、複数のレイヤのそれぞれに関する演出情報を含むデータパケットを生成して、第1通信部110によって伝送できる(S110)。段階S110は、前述した通りであるので、詳細な説明は省略する。
【0233】
複数の発光装置30の第2プロセッサ340は、第2通信部310によって前記制御コンソール装置10から前記データパケット400を受信して、前記データパケット400に含まれている前記演出情報に基づいて発光部330を発光するようにできる(S120)。
【0234】
以下で段階S120について説明するとき、前述したように重複する内容については、詳細な説明は省略する。
【0235】
複数の発光装置30のそれぞれは、第2レイヤの第2マスキング値に基づいて第1演算を行い、その後、第1演算結果と第1レイヤの第1マスキング値に基づいて第2演算を行い、第2演算結果に基づいて最終の発光色に発光できる。
【0236】
複数の発光装置30のそれぞれは、第1演算の実行時に前記第2マスキング値に基づいて第2レイヤと第3レイヤの優先順位を判断し、前記優先順位の判断結果によって第2透明度値を用いたαブレンドを行うか否かを判断できる。
【0237】
具体的に、優先順位の判断結果、第2レイヤが第3レイヤよりも優先される場合(第2レイヤが第3レイヤをマスキングする場合)、第2透明度値を第2発光色値に適用して、背景色値(黒)とαブレンドを行える。
【0238】
反対に、優先順位の判断結果、第2レイヤが第3レイヤよりも優先されない場合(第2レイヤが第3レイヤをマスキングしない場合)は、第2透明度値を用いたαブレンドを行わないことができる。
【0239】
その後、複数の発光装置30のそれぞれは、第2演算の実行時に前記第1マスキング値に基づいて第1レイヤと前記第1演算結果の優先順位を判断し、前記優先順位の判断結果によって、第1透明度値を用いたαブレンドを行うか否かを判断できる。このとき、第1演算結果は、第2透明度値が適用された第2発光色値と背景色値がαブレンドされた色値が適用された第2レイヤであることもでき、又はαブレンドされていない第2発光色値がそのまま適用された第2レイヤであることができる。または、第1演算結果は、第2透明度値が適用された第2発光色値と背景色値がαブレンドされた色値であることができ、又はαブレンドされていない第2発光色値であることもできる。
【0240】
具体的に、優先順位の判断結果、第1レイヤが第1演算結果よりも優先される場合(第1レイヤが第1演算結果をマスキングする場合)、第1透明度値を第1発光色値に適用して、第1演算結果とαブレンドを行える。
【0241】
反対に、優先順位の判断結果、第1レイヤが第1演算結果よりも優先されない場合(第1レイヤが第1演算結果をマスキングしない場合)は、第1透明度値を用いたαブレンドを行わないことができる。
【0242】
複数の発光装置30のそれぞれは、このように多様な場合による第2演算結果に対応する色にて発光できることになる。
【0243】
このように、2つのマスキング値を用いて2回の優先順位を判断し、各判断結果によってαブレンドを行うか、行わないことによって、各発光装置30がより多様な色にて発光できるようにすることができる。
【0244】
本発明の多様な実施例は、機器(machine)により読み取れる格納媒体(storage medium)(例えば、メモリ)に格納された1つ以上のインストラクションを含むソフトウェアとして実現できる。例えば、機器のプロセッサ(例えば、プロセッサ130、340)は、格納媒体から格納された1つ以上のインストラクションのうちの少なくとも1つの命令を呼び出し、それを実行できる。これは、機器が前記呼び出された少なくとも1つのインストラクションによって少なくとも1つの機能を行うように運用されることを可能にする。前記1つ以上のインストラクションは、コンパイラにより生成されたコード又はインタプリタにより実行可能なコードを含むことができる。機器で読み取れる格納媒体は、非一時的(non-transitory)な格納媒体の形態で提供されることができる。ここで、「非一時的な格納媒体」は、実際に存在する(tangible)装置であり、信号(signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味するだけであって、この用語は、データが格納媒体に半永久的に格納される場合と臨時的に格納される場合とを区別しない。例えば、「非一時的な格納媒体」は、データが臨時的に格納されるバッファを含むことができる。
【0245】
一実施例によると、本明細書に開示された多様な実施例に係る方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されることができる。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者及び購入者間で取り引きすることができる。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取れる格納媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))の形態に配布されるか、又はアプリケーションストア(例えば、プレイストア(登録商標))を介して、又は2つのユーザ装置(例えば、スマートフォン)間で直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロード又はアップロード)することができる。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品(例えば、ダウンローダブルアプリ(downloadable app))の少なくとも一部は、製造会社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、又は中継サーバのメモリといった機器で読み取れる格納媒体に少なくとも一時格納されるか、臨時的に生成することができる。以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施され得ることが理解できるはずである。従って、以上で記述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12
図13a
図13b
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
図16
図17a
図17b
図17c
図17d
図18
図19a
図19b
図19c
図19d
図20