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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240117BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20240117BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
F25D23/00 301A
F25D27/00
F25D23/00 301C
F25D11/00 101B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022540712
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2020114072
(87)【国際公開番号】W WO2021139196
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202010014772.6
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】周 恒
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲い▼
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-286333(JP,A)
【文献】特開2005-337694(JP,A)
【文献】特開2007-285642(JP,A)
【文献】特開2017-194179(JP,A)
【文献】特開2015-155766(JP,A)
【文献】特開2015-137805(JP,A)
【文献】特開平10-009753(JP,A)
【文献】特開2008-215812(JP,A)
【文献】特開2018-095450(JP,A)
【文献】特開2011-099579(JP,A)
【文献】特開2019-219130(JP,A)
【文献】特開2007-071414(JP,A)
【文献】特開2007-032920(JP,A)
【文献】特開2015-129636(JP,A)
【文献】特開2010-065921(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106052296(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 27/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫の照明ランプのウェイクアップコマンドを取得するステップと、
前記ウェイクアップコマンドが前記冷蔵庫によって受信された貯蔵環境確認命令であるか否かを判断するステップと、
貯蔵環境確認命令である場合、前記冷蔵庫の内部の状態パラメータを取得するステップと、
前記状態パラメータに従って前記照明ランプの照明状態を調整するステップと、を含み、
前記状態パラメータは、温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積、臭気の複数のパラメータの任意の組み合わせを含み、
前記状態パラメータに従って前記照明ランプの照明状態を調整する前記ステップは、
複数の前記状態パラメータについてマッチングを行い、前記状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップと、
前記照明ランプを駆動して前記目標照明効果に従って発光させるステップと、を含み、
複数の前記状態パラメータについてマッチングを行い、前記状態パラメータに適合する目標照明効果を得る前記ステップは、
前記冷蔵庫の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定し、前記色相、明度及び彩度に応じて前記明るい色のカラーコードを決定するステップを含み、
前記色相は、光の波長によって決定される色の外観であり、前記明度は、色の明暗であり、前記彩度は、色の鮮やかさである、
冷蔵庫の制御方法。
【請求項2】
前記冷蔵庫の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて前記明るい色の色相、明度及び彩度を決定する前記ステップは、
前記温度を予め設定された複数の温度閾値範囲とマッチングさせて、前記温度の属する温度閾値範囲に応じて前記色相を決定するステップであって、前記温度閾値範囲ごとに、対応する色相が予め設定されているステップと、
前記湿度を予め設定された複数の湿度閾値範囲とマッチングさせて、前記湿度の属する湿度閾値範囲に応じて前記明度を決定するステップであって、前記湿度閾値範囲ごとに、対応する明度が予め設定されているステップと、
前記ガス成分中の特定ガスの含有量を、予め設定された当該特定ガスの含有量閾値範囲とマッチングさせて、前記特定ガスの含有量の属する含有量閾値範囲に応じて前記彩度を決定するステップであって、前記含有量閾値範囲ごとに、対応する彩度が設定されているステップとを含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記冷蔵庫は複数の貯蔵室を有し、前記貯蔵室のそれぞれに前記照明ランプが設けられており、
前記ウェイクアップコマンドが前記冷蔵庫によって受信された物品収納命令である場合、収納対象物品のタグ情報又は前記収納対象物品の画像情報を取得し、前記収納対象物品の属性情報を得るステップと、
複数の前記貯蔵室の内部の状態パラメータを取得するステップと、
前記属性情報及び複数の前記貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、前記収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定するステップと、
前記利用可能な収納貯蔵室内の照明ランプを点灯させるステップとを含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記属性情報及び複数の前記貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、前記収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定する前記ステップは、
前記属性情報に応じて前記収納対象物品の予め設定された収納条件を決定するステップと、
前記複数の前記貯蔵室の状態パラメータを前記予め設定された収納条件とマッチングさせて、複数の前記貯蔵室の収納優先度を得るステップと、
前記収納優先度の最も高い前記貯蔵室を前記利用可能な収納貯蔵室とするステップと、を含む請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
貯蔵室を内部に形成する箱体と、
プロセッサとメモリとを含み、前記メモリには、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~4のいずれか1項に記載の制御方法を実現する制御プログラムが記憶されている制御装置とを含む、冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫に関し、特に冷蔵庫及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の一部の冷蔵庫では、貯蔵環境は各種の状態パラメータによって総合的に決定される。状態パラメータそのものがデータであり、ユーザーが貯蔵環境を確認する必要がある場合、さまざまな手段から複数の異なるデータを取得する必要がある。このため、プロセスが複雑であり、効率が低下し、ユーザーに直観的な確認効果を提供することができない。
このため、ユーザーに冷蔵庫の内部の貯蔵環境を如何に簡単且つ効率的に表示するかは、当業者が解決しなければならない技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、上記の技術的課題のいずれか1つを少なくとも解決する冷蔵庫及びその制御方法を提供することである。
【0004】
本発明のさらなる目的は、ユーザーに冷蔵庫の内部の貯蔵環境を簡単且つ効率的に表示することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、冷蔵庫の作動信頼性を向上させることである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、冷蔵庫の製造コストを削減することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、冷蔵庫が収納対象物品を収納可能な位置を自動的に決定することによって、冷蔵庫のスマート記憶を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、冷蔵庫の照明ランプのウェイクアップコマンドを取得するステップと、ウェイクアップコマンドが冷蔵庫によって受信された貯蔵環境確認命令であるか否かを判断するステップと、貯蔵環境確認命令である場合、冷蔵庫の内部の状態パラメータを取得するステップと、状態パラメータに従って照明ランプの照明状態を調整するステップとを含む、冷蔵庫の制御方法を提供する。
【0009】
好ましくは、状態パラメータは、温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積、臭気の複数のパラメータの任意の組み合わせを含み、
状態パラメータに従って照明ランプの照明状態を調整するステップは、
複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップと、
照明ランプを駆動して目標照明効果に従って発光させるステップとを含む。
【0010】
好ましくは、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、
冷蔵庫の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定し、色相、明度及び彩度に応じて明るい色のカラーコードを決定するステップを含む。
【0011】
好ましくは、冷蔵庫の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定するステップは、
温度を予め設定された複数の温度閾値範囲とマッチングさせて、温度の属する温度閾値範囲に応じて色相を決定するステップであって、温度閾値範囲ごとに、対応する色相が予め設定されているステップと、湿度を予め設定された複数の湿度閾値範囲とマッチングさせて、湿度の属する湿度閾値範囲に応じて明度を決定するステップであって、湿度閾値範囲ごとに、対応する明度が予め設定されているステップと、ガス成分中の特定ガスの含有量を、予め設定された当該ガスの含有量閾値範囲とマッチングさせて、特定ガスの含有量の属する含有量閾値範囲に応じて彩度を決定するステップであって、含有量閾値範囲ごとに、対応する彩度が予め設定されているステップとを含む。
【0012】
好ましくは、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する明るい色を得るステップと、照明ランプが予め設定された順序間隔で状態パラメータのそれぞれに対応する光の色を交互に発光することによって、目標照明効果を得るステップとを含む。
【0013】
好ましくは、照明ランプは複数であり、照明ランプはそれぞれ1つの状態パラメータに対応し、
複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、
複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明効果を得るステップと、
複数の照明ランプのそれぞれが1つの状態パラメータに対応する照明効果に従って発光することによって、目標照明効果を得るステップとを含む。
【0014】
好ましくは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明効果を得るステップは、
状態パラメータのそれぞれの属する状態パラメータ閾値範囲に応じて、対応する明るい色又は光の強度を決定するステップを含む。
【0015】
好ましくは、冷蔵庫は複数の貯蔵室を有し、貯蔵室のそれぞれに照明ランプが設けられており、
ウェイクアップコマンドが冷蔵庫によって受信された物品収納命令である場合、収納対象物品のタグ情報又は収納対象物品の画像情報を取得し、収納対象物品の属性情報を得るステップと、
複数の貯蔵室の内部の状態パラメータを取得するステップと、
属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定するステップと、
利用可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプを点灯させるステップとを含む。
【0016】
好ましくは、属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定するステップは、
属性情報に応じて収納対象物品の予め設定された収納条件を決定するステップと、
複数の貯蔵室の状態パラメータを予め設定された収納条件とマッチングさせて、複数の貯蔵室の収納優先度を得るステップと、
収納優先度の最も高い貯蔵室を利用可能な収納貯蔵室とするステップとを含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、また、貯蔵室を内部に形成する箱体と、プロセッサとメモリとを含み、メモリには、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか1つに記載の制御方法を実現する制御プログラムが記憶されている制御装置とを含む冷蔵庫を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の冷蔵庫及びその制御方法では、照明ランプのウェイクアップコマンドが冷蔵庫によって受信された貯蔵環境確認コマンドである場合、冷蔵庫の内部の状態パラメータに従って照明ランプの照明状態を調整することによって、ユーザーが照明ランプの照明状態から冷蔵庫の内部の貯蔵環境を把握できる。状態パラメータは、冷蔵庫の内部の実際の貯蔵環境を複数の角度から反映できるので、冷蔵庫の内部の状態パラメータを照明状態で表すことにより、ユーザーは直感的な視覚体験を通じて貯蔵環境の状態を判定することができ、簡単で効率的であり、各データの分析比較が不要になり、ユーザーのエクスペリエンス及びスマート化のレベルが向上する。
【0019】
さらに、本発明の冷蔵庫及びその制御方法では、貯蔵環境が冷蔵庫の稼働状態によって決定されるので、ユーザーは貯蔵環境の状態を簡単、効率的且つ視覚的に把握することができ、冷蔵庫の内部の全体又は一部の貯蔵環境が予め設定された要件を満たしていない場合、特定の照明状態によって冷蔵庫の稼働状態を調整するようユーザーを促すことができ、これにより、冷蔵庫の作動信頼性が向上する。
【0020】
さらに、本発明の冷蔵庫及びその制御方法では、冷蔵庫の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定し、色相、明度及び彩度に応じて明るい色のカラーコードを決定し、状態パラメータに適合する目標照明効果を得ることができる。色相、明度及び彩度は色彩の3つの属性であり、これらが一緒になって色彩の表示効果を決定する。特定の状態パラメータのそれぞれを特定の色彩属性とマッチングさせて、即ち、温度パラメータを色相とマッチングさせて、湿度パラメータを明度とマッチングさせて、ガス成分を彩度とマッチングさせることにより、ユーザーは同一の照明ランプから発光する同一の色彩効果から複数の異なる状態パラメータを把握することができ、そして、冷蔵庫の内部に1つの照明ランプを設けるだけで、使用のニーズに対応でき、冷蔵庫のハードウェアコストが削減される。
【0021】
さらに、本発明の冷蔵庫及びその制御方法では、照明ランプのウェイクアップコマンドは冷蔵庫によって受信された物品収納コマンドであり、貯蔵室が複数である場合、収納対象物品の属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定し、利用可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプを点灯させることができ、これにより、ユーザーは光の誘導の下で利用可能な収納貯蔵室のドアを開き、収納対象物品を利用可能な収納貯蔵室に収納することができる。本発明の冷蔵庫は、収納対象物品を収納可能な位置を自動的に決定し、冷蔵庫のスマート記憶を実現することができ、また、ユーザーが手動で利用可能な収納位置を探すのを減少又は回避することもでき、ユーザーが複数の貯蔵室のドアを繰り返して開閉する必要がないため、冷蔵庫のエネルギー消費量を節約し、物品の収納効率や収納品質が向上する。
【0022】
図面を参照した本発明の特定の実施例に対する詳細な説明によって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴が当業者にとって、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの特定の実施例を例示的かつ非限定的に詳細に説明する。図面の同一の符号は同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者が理解できるように、これらの図面は必ずしも実際の縮尺で作成されているとは限らない。
図1】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の概略的なブロック図である。
図2】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の制御方法の概略図である。
図3】本発明の一実施例の冷蔵庫の制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫10の概略的なブロック図である。
【0025】
冷蔵庫10は、通常、箱体と、照明ランプ500と、冷却システム300と、制御装置400とを含む。冷却システム300は、一般的な圧縮冷却システム300であってもよく、例えば、風冷及び/又は直冷によって貯蔵室に冷気を提供し、貯蔵室を希望の保存温度とする。
【0026】
箱体は、貯蔵室を内部に有する。箱体には、貯蔵室を開閉するドアが設けられてもよい。本実施例では、貯蔵室は複数であってもよく、少なくとも冷凍室と冷蔵室とを含み、ここで、冷蔵室はドライエリア室、ウェットエリア室及び/又は低酸素室を含んでもよく、冷凍室は生鮮食品室、雑殻室及びデザート室を含んでもよい。いくつかの好適な実施例では、貯蔵室は1つであってもよく、この貯蔵室の機能やカテゴリは必要に応じて設定されてもよい。
【0027】
照明ランプ500は、貯蔵室内に設けられ、作動状態で貯蔵室の内部の状態パラメータに適合する照明効果を示すように構成されるとともに、作動状態で貯蔵室を照明するように構成される。貯蔵室の内部の照明ランプ500は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0028】
冷蔵庫10は透明なドアを有してもよく、冷蔵庫10のドアには少なくとも1つの透明窓が設けられてもよく、1つの透明窓は1つの貯蔵室に対応して設けられ、このようにして、ユーザーは透明窓を介してそれぞれの貯蔵室内部の状況を観察できる。よって、本実施例の冷蔵庫10では、ユーザーは冷蔵庫10のドアを開けることなく、透明窓を介して貯蔵室の内部の照明ランプ500の照明状態を観察でき、また、ユーザーは透明窓を介して照明ランプ500で照明された貯蔵室を特定できる。
【0029】
冷蔵庫10はまた、ユーザーとインタラクションするディスプレイ、音声機器やネットワーク伝達機能を備えてもよい。いくつかの実施例では、冷蔵庫10は、ドアにオペレーティングシステムを備えたタッチスクリーンが設けられ、また、Wi-Fi、GPRS、ブルートゥースなどの伝送方式によって他の機器やネットワーククラウド機器とデータを交換してもよい。よって、本実施例の冷蔵庫10では、冷蔵庫10はタッチスクリーン、音声機器や移動機器などのさまざまな手段を介してユーザーからの貯蔵環境確認コマンド又は物品収納コマンドを受信し得る。別の好適な実施例では、冷蔵庫10は、冷蔵庫10のドアに設けられ、冷蔵庫10の近くの人体赤外線信号を取得するように構成された人体赤外線検出器をさらに含んでもよい。
【0030】
冷蔵庫10は、貯蔵室内、例えば、貯蔵室の内壁に設けられて、冷蔵庫10内部の状態パラメータを検出して、関連情報を得る状態パラメータ検出装置200をさらに含んでもよい。冷蔵庫10の内部の状態パラメータとは、冷蔵庫10の内部の貯蔵室の状態パラメータを指し、貯蔵室の内部の貯蔵環境の優劣を表すものである。状態パラメータは、温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積、臭気の複数のパラメータの任意の組み合わせを含んでもよい。これらのうち、ガス成分は少なくとも酸素ガス含有量、窒素ガス含有量、二酸化炭素含有量を含み得る。貯蔵室が複数である場合、貯蔵室ごとに、さまざまな目標貯蔵環境が予め設定されており、目標貯蔵環境のそれぞれには特定の状態パラメータの組み合わせが対応しており、各貯蔵室は予め設置された目標貯蔵環境に応じて、その内部の物品を保存するようにしてもよい。状態パラメータ検出装置200は、貯蔵室と同じ数としてもよく、貯蔵室の内部の温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積や臭気などの各状態パラメータのうちの1つ又は複数を検出するように構成される。いくつかの好適な実施例では、1つの貯蔵室の内部の状態パラメータ検出装置200は複数であってもよく、温度センサ、湿度センサ、ガス濃度センサ、細菌数センサ、光容積センサ及び/又は臭気濃度センサを含み、これらは、それぞれ貯蔵室の内部の温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積及び/又は臭気を検出する。
【0031】
冷蔵庫10は物品情報収集装置100をさらに含んでもよい。物品情報収集装置100は冷蔵庫10が物品収納命令を受信した後に、収納対象物品の情報を収集する。物品情報収集装置100はドアに設けられてもよく、物品情報収集装置100は、カメラとRFID読み取り装置とを含んでもよく、カメラによって画像を撮像して画像認識を行い、RFID読み取り装置によって物品のタグ情報(RFIDや識別子)を読み取りするなどの方式によって、冷蔵庫10の外側にある収納対象物品の種類、規格、重量、シェルフライフなどの物品属性情報を取得する。
【0032】
制御装置400は、プロセッサ410によって実行されると、以下のいずれかの実施例の空調器の制御方法を実現する制御プログラム421が記憶されているメモリ420と、プロセッサ410とを含む。プロセッサ410は、中央処理装置(CPU)、又はデジタル処理ユニット(DSP)などとしてもよい。メモリ420はプロセッサ410によって実行されるプログラムを記憶するものである。メモリ420は、コマンド又はデータ構造形態を有する所望のプログラムコードを搬送又は記憶し、コンピュータによってアクセスする任意の媒体であってもよいが、これらに限定されるものではない。メモリ420は各種のメモリ420の組み合わせであってもよい。制御プログラム421はプロセッサ410によって実行されると下記の方法の実施例の各工程を実現し、同じ技術的効果を達成させるため、重複しないように、ここでは詳しく説明しない。
【0033】
下記の方法を用いて、本実施例の冷蔵庫10は、照明ランプ500のウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認コマンドである場合、冷蔵庫10の内部の状態パラメータに従って照明ランプ500の照明状態を調整し、これにより、ユーザーは照明ランプ500の照明状態から冷蔵庫10の内部の貯蔵環境を把握できる。状態パラメータは、冷蔵庫10の内部の実際の貯蔵環境を複数の角度から反映できるので、冷蔵庫10の内部の状態パラメータを照明状態で表すことにより、ユーザーは直感的な視覚体験を通じて貯蔵環境の状態を判定することができ、簡単で効率的であり、各データの分析比較が不要になり、ユーザーのエクスペリエンス及びスマート化のレベルが向上する。
【0034】
図2は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫10の制御方法の概略図である。該冷蔵庫10の制御方法は、一般的に、ステップS202~ステップS208を含んでもよい。
ステップS202、冷蔵庫10の照明ランプ500のウェイクアップコマンドを取得する。
【0035】
冷蔵庫10の静置状態では、照明ランプ500は停止状態である。ここで、静置状態とは、冷蔵庫10のドアが閉じられたままであり、冷蔵庫10がユーザーからのいずれのコマンドも受信していない場合の状態を指す。照明ランプ500はウェイクアップコマンドを受信すると待機状態に切り替わる。待機状態の照明ランプ500は、プロセッサ410から送信された起動コマンドを受信すると、作動状態に切り替わって発光する。
【0036】
ステップS204、ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令であるか否かを判断する。
【0037】
該ウェイクアップコマンドは、少なくとも冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令、及び冷蔵庫10によって受信された物品収納命令を含んでもよい。
【0038】
ここで、貯蔵環境確認命令は冷蔵庫10の人体赤外線センサによって検出された人体赤外線信号であっても、ユーザーが音声機器、タッチスクリーンや移動機器を介して冷蔵庫10へ送信した貯蔵環境確認操作コマンドであってもよい。別の好適な実施例では、貯蔵環境確認命令は、冷蔵庫のドアが開かれたトリガー信号であってもよい。物品収納命令はユーザーが音声機器、タッチスクリーンや移動機器を介して冷蔵庫10に送信した物品収納操作コマンドであってもよい。
【0039】
ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令である場合、ユーザーには物品を収納するニーズがなく、ユーザーは貯蔵環境が所定の目標貯蔵環境要件を満たすか否かを確認する必要があることを示す。ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された物品収納命令である場合、ユーザーは収納対象物品を冷蔵庫10に収納する必要があることを示す。
【0040】
ステップS206、ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令である場合、冷蔵庫10の内部の状態パラメータを取得する。
【0041】
状態パラメータは複数であってもよく、状態パラメータは、温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積、臭気の複数のパラメータの任意の組み合わせを含む。ここで、ガス成分は少なくとも酸素ガス含有量、窒素ガス含有量、二酸化炭素含有量を含んでもよい。
【0042】
上記複数のパラメータは任意に組み合わせてもよく、例えば、目標貯蔵環境では温度、湿度、及びガス成分中の酸素ガス含有量に関する特定の要件しかない場合、状態パラメータは温度、湿度及び酸素ガス含有量を含んでもよく、温度、湿度、酸素ガス含有量はこの貯蔵室の特性パラメータとなり、目標貯蔵環境では温度、細菌数、及びガス成分中の窒素ガス含有量に対して特定の要件がある場合、状態パラメータは温度、細菌数及び窒素ガス含有量を含んでもよく、温度、細菌含有量、窒素ガス含有量は該貯蔵室の特性パラメータとなる。上記は、複数のパラメータの全ての可能な組み合わせを列挙しているのではなく、当業者であれば、これに基づいて拡張することができるので、ここでは1つずつ例示してはいない。
【0043】
冷蔵庫10の内部の状態パラメータを取得するステップは、冷蔵庫10の内部の貯蔵室の特性パラメータを取得し、貯蔵室の特性パラメータに対応する貯蔵室の状態パラメータを取得するステップを含んでもよい。
【0044】
例えば、貯蔵室の特性パラメータが温度、湿度、酸素ガス含有量である場合、状態パラメータ検出装置200は貯蔵室の温度、湿度及び酸素ガス含有量を検出し、貯蔵室の状態パラメータを得る。
【0045】
ステップS208、状態パラメータに従って照明ランプ500の照明状態を調整する。状態パラメータに従って照明ランプ500の照明状態を調整するステップは、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップと、照明ランプ500を駆動して目標照明効果に従って発光させるステップとを含んでもよい。
【0046】
状態パラメータは、冷蔵庫10の内部の実際の貯蔵環境を複数の角度から反映できるので、冷蔵庫10の内部の状態パラメータを照明状態で表すことにより、ユーザーは直感的な視覚体験を通じて貯蔵環境の状態を判定することができ、簡単で効率的であり、各データの分析比較が不要になり、ユーザーのエクスペリエンス及びスマート化のレベルが向上する。貯蔵環境は冷蔵庫10の稼働状態によって決定されるので、ユーザーは貯蔵環境の状態を簡単、効率的且つ視覚的に把握することができ、冷蔵庫10内部の全体又は一部の貯蔵環境が予め設定された要件を満たしていない場合、特定の照明状態によって冷蔵庫10の稼働状態を調整するようユーザーを促すことができ、これにより、冷蔵庫10の作動信頼性が向上する。
【0047】
例えば、状態パラメータが温度、湿度、ガス成分(即ち、ガス成分中の特定ガスの含有量)を含む場合、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、冷蔵庫10内部の温度、湿度、ガス成分中の特定ガスの含有量のそれぞれに応じて、明るい色の色相、明度及び彩度を決定し、色相、明度及び彩度に応じて明るい色のカラーコードを決定するステップを含む。
【0048】
冷蔵庫10の内部の温度、湿度、及びガス成分中の特定ガスの含有量のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定するステップは、温度を予め設定された複数の温度閾値範囲とマッチングさせて、温度の属する温度閾値範囲に応じて色相を決定するステップであって、温度閾値範囲ごとに、対応する色相が予め設定されているステップと、湿度を予め設定された複数の湿度閾値範囲とマッチングさせて、湿度の属する湿度閾値範囲に応じて明度を決定するステップであって、湿度閾値範囲ごとに、対応する明度が予め設定されているステップと、ガス成分中の特定ガスの含有量を、予め設定された当該ガスの含有量閾値範囲とマッチングさせて、特定ガスの含有量の属する含有量閾値範囲に応じて彩度を決定するステップであって、含有量閾値範囲ごとに、対応する彩度が予め設定されているステップとを含む。
【0049】
ここで、色相、明度及び彩度は色彩の3つの属性であり、この3つの属性は色彩の3要素であり、これらが一緒になって色彩の表示効果を決定する。人間の目で見ることのできるいずれのカラー光もこの3つの特性による総合的な効果である。
【0050】
色相とは色彩の外観であり、異なる色彩を区別するための最良の基準であり、色彩の強さや明暗とは関係がなく、単に色相の外観の違いを識別する。色は光の波長の長さの違いにより決定されるものである。色相とは、これらの異なる波長の色の状況を表すものである。波長の最も長いものは赤色、最も短いのは紫色である。
【0051】
明度とは色彩の明暗の度合いを指す。明度を計算する基準はグレースケールテストカードである。黒色は0であり、白色は10であり、0~10の間に等間隔で配置は9段階である。色彩は有彩色と無彩色に分けられるが、後者の場合は明度が存在する。有彩色の場合、グレースケールテストカードにおいては、各色の明るさ、暗度に対応する位置及び値がある。
【0052】
彩度とは、純度又は飽和度とも呼ばれ、色彩の鮮やかさの度合い、即ち色彩に含まれる彩色成分と無彩色成分(つまり灰色)との割合を指し、この割合は色彩の彩度及び鮮やかさの度合いを決定する。特定の色彩に含まれる色彩成分が多い場合、その色彩は飽和しており(色覚が強い)、鮮やかな効果を示し、視覚的な印象が強くなり、一方、すなわち、特定の色彩に含まれる無彩色成分が多い場合、色彩は不飽和状態になり、くすんで見え、視覚的な印象が弱くなる。数値で表される色の鮮やかさ又は鮮明さは彩度と呼ばれ、有彩色の各色は彩度値を有し、無彩色の色の彩度値は0であり、有彩色の色の彩度(純度)の高さは、当該色に含まれる灰色の度合いから算出される。
【0053】
例えば、予め設定された温度閾値範囲は、第1温度閾値範囲と第2温度閾値範囲の2つを含んでもよく、ここで、第1温度閾値範囲は目標貯蔵環境により求められる保存温度に対応する合理的な温度範囲であり、貯蔵室の内部の温度が合理的な温度範囲内である場合、貯蔵室の内部の温度が設定された目標貯蔵環境の要件を満たし、調整を必要としないことを示す。第2温度閾値範囲が目標貯蔵環境により求められる保存温度に対応しない不合理的な温度範囲であり、貯蔵室の内部の温度が第1温度閾値範囲ではない場合、貯蔵室の内部の温度が第2温度閾値範囲内であり、貯蔵室の内部の温度が設定された目標貯蔵環境の要件を満たしておらず、調整を必要とすることを示す。
【0054】
温度閾値範囲はそれぞれ1つの色相に対応し、つまり、温度閾値範囲が異なると、色相は異なる。第1温度閾値範囲については第1温度色相、例えば、緑色が予め設定されてもよく、第2温度閾値範囲については第2温度色相、例えば、赤色が予め設定されてもよい。貯蔵室の内部の温度が予め設定された第1温度閾値範囲内である場合、照明ランプ500の明るい色の色相は緑色として決定され、貯蔵室の内部の温度が予め設定された第2温度閾値範囲内である場合、照明ランプ500の明るい色の色相は赤色として決定される。貯蔵室の内部の温度が収納要件を満たしているか否かは色相から判定することができ、簡便且つ効率的である。
【0055】
予め設定された温度閾値範囲は3つ、4つ、5つ、6つ又は7つであってもよく、予め設定された湿度閾値範囲は2つ、3つ、4つ又は5つであってもよく、予め設定された含有量閾値範囲も2つ、3つ、4つ又は5つであってもよいが、これらに限定されるものではなく、ここでは一々挙げていない。
【0056】
上記方法によれば、本実施例の冷蔵庫10は貯蔵室の内部の温度、湿度、及びガス成分のそれぞれに応じて明るい色の色相、明度及び彩度を決定し、色相、明度及び彩度に応じて明るい色のカラーコードを決定し、これにより、状態パラメータに適合する目標照明効果を得ることができる。特定の状態パラメータをそれぞれ特定の色彩属性とマッチングさせ、即ち、温度パラメータを色相とマッチングさせ、湿度パラメータを明度とマッチングさせ、ガス成分を彩度とマッチングさせることによって、ユーザーは色彩効果から複数の異なる状態パラメータを同時に把握することができ、しかも、冷蔵庫10内部に1つの照明ランプ500を設けるだけで、使用のニーズに対応でき、冷蔵庫10のハードウェアコストが削減される。
【0057】
いくつかの好適な実施例では、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する明るい色を得るステップと、照明ランプ500が予め設定された順序間隔で状態パラメータのそれぞれに対応する光の色を交互に発光することによって、目標照明効果を得るステップとを含んでもよい。
【0058】
複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する明るい色を得るステップは、状態パラメータの属する状態パラメータ閾値範囲のそれぞれに応じて、対応する明るい色を決定するステップを含む。
【0059】
ここでの「明るい色」とは、照明ランプ500から発光する光の色の色相を指し得る。つまり、上記制御方法によれば、本実施例の冷蔵庫10は、ユーザーが光の色相から貯蔵環境の優劣を判断することを可能とする。
【0060】
状態パラメータは複数であってもよく、照明ランプ500は1つであってもよい。温度、湿度、酸素ガス含有量の3つの状態パラメータを例にとると、温度、湿度、酸素ガス含有量の3つの状態パラメータを取得した後、状態パラメータのそれぞれを、対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせ、状態パラメータのそれぞれの属する状態パラメータ閾値範囲のそれぞれに応じて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明ランプ500の明るい色を得て、目標照明効果として、照明ランプ500が予め設定された順序且つ予め設定された時間間隔で状態パラメータのそれぞれに対応する光の色を交互に発光するように決定する。
【0061】
ここで、温度パラメータに対応する状態パラメータ閾値範囲は温度閾値範囲であり、湿度パラメータに対応する状態パラメータ閾値範囲は湿度閾値範囲であり、酸素ガス含有量に対応する状態パラメータ閾値範囲は酸素ガス含有量範囲である。状態パラメータのそれぞれに対応する状態パラメータ閾値範囲は複数であってもよい。
【0062】
湿度閾値範囲を例にとると、湿度閾値範囲は、第1湿度閾値範囲、第2湿度閾値範囲及び第3湿度閾値範囲の3つを含んでもよい。これらのうち、第1湿度閾値範囲は合理的な湿度範囲(合理的な湿度範囲とは、目標貯蔵環境により求められる湿度変動範囲を指す)であってもよく、第2湿度閾値範囲は、調整可能な湿度範囲(調整可能な湿度範囲とは、目標貯蔵環境により求められる湿度変動範囲内ではなく、かつ、冷蔵庫10の除湿装置が起動された条件で所定の時間内に目標貯蔵環境により求められる湿度変動範囲に回復できる湿度変動範囲を指す)であってもよく、第3湿度閾値範囲は、厳しい湿度範囲(厳しい湿度範囲とは、目標貯蔵環境により求められる湿度変動範囲内ではなく、かつ、冷蔵庫10の除湿装置が起動された条件で所定の時間内に目標貯蔵環境により求められる湿度変動範囲に回復できない湿度変動範囲を指す)であってもよい。
【0063】
湿度閾値範囲はそれぞれ1つの色相に対応してもよく、つまり、湿度閾値範囲が異なると、色相は異なる。例えば、第1湿度閾値範囲については第1湿度色相、例えば、緑色が予め設定されており、第2湿度閾値範囲については第2湿度色相、例えば、黄色が予め設定されており、第3湿度閾値範囲については第3湿度色相、例えば、赤色が予め設定されている。貯蔵室の内部の湿度が第1湿度閾値範囲内である場合、照明ランプ500の明るい色が緑色として決定され、貯蔵室の内部の湿度が第2湿度閾値範囲内である場合、照明ランプ500の明るい色が黄色として決定され、貯蔵室の内部の湿度が第3湿度閾値範囲内である場合、照明ランプ500の明るい色が赤色として決定される。貯蔵室の内部の湿度が収納要件を満たしているか否かは明るい色の色相から判定してもよく、簡単かつ効率的である。
【0064】
予め設定された温度閾値範囲及び酸素ガス含有量閾値範囲は、それぞれ3つ、又は2つ、4つ又は5つであってもよく、ここでは一々挙げていない。
【0065】
例えば、予め設定された順序は、温度、湿度、酸素ガス含有量であってもよく、予め設定された時間間隔は、1s、1.5s又は2s、好ましくは、1.5sであってもよい。照明ランプ500は作動状態になると、温度パラメータの属する温度閾値範囲に対応する光を発光し、1.5s後、湿度パラメータの属する湿度閾値範囲に対応する光を発光し、1.5s後、酸素ガス含有量パラメータの属する酸素ガス含有量閾値範囲に対応する光を発光する。
【0066】
上記方法によれば、本実施例の冷蔵庫10は、貯蔵室の内部の複数の状態パラメータのそれぞれに応じて、状態パラメータのそれぞれに対応する明るい色を決定し、次に、照明ランプ500を駆動して、予め設定された間隔で状態パラメータのそれぞれに対応する光の色を交互に発光し、これにより、ユーザーは色彩効果から複数の異なる状態パラメータを同時に把握することができ、しかも、冷蔵庫10内部に1つの照明ランプ500を設けるだけで、使用のニーズに対応でき、冷蔵庫10のハードウェアコストが削減される。
【0067】
いくつかの好適な実施例では、状態パラメータは複数であってもよく、照明ランプ500も複数であってもよく、さらに、照明ランプ500の数と状態パラメータの数は同じであり、照明ランプ500はそれぞれ1つの状態パラメータに対応してもよく、また、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明効果を得るステップと、複数の照明ランプ500がそれぞれ1つの状態パラメータに対応する照明効果に従って発光することによって、目標照明効果を得るステップとをさらに含んでもよい。
【0068】
温度、湿度、酸素ガス含有量の3つの状態パラメータを例にとると、照明ランプ500の数は3つであってもよく、温度、湿度、酸素ガス含有量の3つの状態パラメータを取得した後、状態パラメータのそれぞれを、対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせ、状態パラメータのそれぞれの属するする対応状態パラメータ閾値範囲のそれぞれに応じて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明ランプ500の明るい色を得て、目標照明効果として、照明ランプ500がそれぞれ、対応する状態パラメータに一致する光を発光するように決定する。つまり、3つの照明ランプ500は同時に発光してもよく、状態パラメータのそれぞれにより表される貯蔵環境特徴は照明ランプ500のそれぞれの明るい色から判定されてもよく、これにより、ユーザーの直観が向上し、ユーザーによる色彩の認識し難さが低減する。
【0069】
以上の実施例は、貯蔵室が少なくとも1つである冷蔵庫10、好ましくは、貯蔵室が複数である冷蔵庫10に適用することができ、貯蔵室のそれぞれには照明ランプ500が設けられる。冷蔵庫10がユーザーからの貯蔵環境確認命令を受信すると、各貯蔵室の内部の状態パラメータ検出装置200はそれぞれ、設定された特性パラメータに従って状態パラメータを収集してもよく、いくつかの好適な実施例では、状態パラメータ検出装置200は全ての状態パラメータを収集してもよい。各貯蔵室の内部の状態パラメータのそれぞれを、対応する状態パラメータ閾値とマッチングさせ、状態パラメータのそれぞれの属する状態パラメータ閾値に応じて各貯蔵室の目標照明効果を決定し、次に、各貯蔵室の照明ランプ500を駆動して、対応する目標照明効果に従って発光させる。
【0070】
いくつかの好適な実施例では、上記制御方法は、
ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された物品収納命令である場合、収納対象物品のタグ情報又は収納対象物品の画像情報を取得し、収納対象物品の属性情報を得るステップをさらに含んでもよい。
【0071】
複数の貯蔵室の内部の状態パラメータを取得し、属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定し、可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプ500を利用して照明する。
【0072】
ウェイクアップコマンドが貯蔵環境確認コマンドと物品収納コマンドを含む場合、ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認コマンドではなければ、ウェイクアップコマンドは冷蔵庫10によって受信された物品収納コマンドである。
【0073】
冷蔵庫10は、物品情報収集装置100によって収納対象物品のタグ情報を読み取ったり、収納対象物品の画像認識を行ったりすることで、収納対象物品の属性情報を得ることができる。例えば、冷蔵庫10はRFID読み取り装置によって収納対象物品のタグを読み取ることで、収納対象物品の属性情報を決定してもよく、または、例えば、冷蔵庫10はカメラによって収納対象物品の画像情報を撮影することで、収納対象物品の情報を決定してもよい。
【0074】
属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定するステップは、属性情報に応じて収納対象物品の予め設定された収納条件を決定するステップと、複数の貯蔵室の状態パラメータを予め設定された収納条件とマッチングさせて、複数の貯蔵室の収納優先度を得るステップと、収納優先度の最も高い貯蔵室を利用可能な収納貯蔵室とするステップとを含む。
【0075】
状態パラメータは複数であってもよく、各貯蔵室の内部の状態パラメータの種類及び数は同じであってもよいし、異なってもよい。各貯蔵室内には、状態パラメータ検出装置200が設けられてもよい。状態パラメータ検出装置200はそれぞれ、各貯蔵室の内部の状態パラメータを取得し、制御器は、それぞれ、各貯蔵室の内部の状態パラメータのそれぞれの数値を抽出し、状態パラメータのそれぞれの数値を予め設定された多次元状態パラメータ品質判定モデル(該多次元状態パラメータ品質判定モデルは複数であってもよく、収納対象物品の属性情報に応じて1つの多次元状態パラメータ品質判定モデルを決定してもよい)に入力し、多次元状態パラメータ品質判定モデルにより判定された状態パラメータ品質を得て、状態パラメータ品質の降順で複数の貯蔵室の収納優先度を決定してもよい。このような収納優先度の決定方式は、どの貯蔵室の実際貯蔵環境が最も収納対象物品の収納に有利であるかを正確に反映することができ、最も好適な利用可能な収納貯蔵室を選択することに有利である。
【0076】
上記方法によれば、本実施例の冷蔵庫10は、照明ランプ500のウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された物品収納コマンドであり、貯蔵室が複数である場合、収納対象物品の属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータから、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室が存在するか否かを判断し、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室が存在するとき、利用可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプ500を点灯させることができ、これにより、ユーザーは光の誘導の下で利用可能な収納貯蔵室のドアを開き、収納対象物品を利用可能な収納貯蔵室に収納することができる。本実施例の冷蔵庫10は、収納対象物品を収納可能な位置を自動的に決定し、冷蔵庫10のスマート記憶を実現することができ、また、ユーザーが手動で利用可能な収納位置を探すのを減少又は回避することもでき、ユーザーが複数の貯蔵室のドアを繰り返して開閉する必要がないため、冷蔵庫10のエネルギー消費量が減少し、物品の収納効率や収納品質が向上する。
【0077】
図3は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫10の制御フローチャートである。
【0078】
ステップS302、冷蔵庫10の照明ランプ500のウェイクアップコマンドを取得する。該ウェイクアップコマンドは、冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令と、冷蔵庫10によって受信された物品収納命令とを含んでもよい。
【0079】
ステップS304、ウェイクアップコマンドが冷蔵庫10によって受信された貯蔵環境確認命令であるか否かを判断し、貯蔵環境確認命令である場合、ステップS306を実行し、貯蔵環境確認命令ではない場合、ステップS312を実行する。
【0080】
ステップS306、冷蔵庫10の内部の状態パラメータを取得する。状態パラメータは複数であってもよく、状態パラメータは、温度、湿度、ガス成分、細菌数、使用容積、臭気の複数のパラメータの任意の組み合わせを含む。ここで、ガス成分は少なくとも酸素ガス含有量、窒素ガス含有量、二酸化炭素含有量を含んでもよい。
【0081】
ステップS308、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得る。複数の状態パラメータについてマッチングを行うとは、即ち、状態パラメータのそれぞれの属する状態パラメータ閾値範囲を決定することである。状態パラメータのそれぞれの属する状態パラメータ閾値範囲に応じて目標照明効果を決定する。
【0082】
例えば、貯蔵室の目標貯蔵環境では温度、湿度及びガス成分中の特定ガスの含有量について特定の要件がある場合、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、温度を予め設定された複数の温度閾値範囲とマッチングさせて、温度の属する温度閾値範囲に応じて色相を決定するステップであって、温度閾値範囲ごとに、対応する色相が予め設定されているステップと、湿度を予め設定された複数の湿度閾値範囲とマッチングさせて、湿度の属する湿度閾値範囲に応じて明度を決定するステップであって、湿度閾値範囲ごとに、対応する明度が予め設定されているステップと、ガス成分中の特定ガスの含有量を、予め設定された当該ガスの含有量閾値範囲とマッチングさせて、特定ガスの含有量の属する含有量閾値範囲に応じて彩度を決定するステップであって、含有量閾値範囲ごとに、対応する彩度が予め設定されているステップとを含んでもよい。色相、明度及び彩度に応じて明るい色のカラーコードを決定する。
【0083】
例えば、貯蔵室の内部の照明ランプ500が1つである場合、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する明るい色を得るステップと、照明ランプ500が予め設定された順序間隔で状態パラメータのそれぞれに対応する光の色を交互に発光することによって、目標照明効果を得るステップとをさらに含んでもよい。
【0084】
例えば、貯蔵室の内部の照明ランプ500が複数である場合、照明ランプ500はそれぞれ1つの状態パラメータに対応し、複数の状態パラメータについてマッチングを行い、状態パラメータに適合する目標照明効果を得るステップは、複数の状態パラメータをそれぞれ対応する状態パラメータ閾値範囲とマッチングさせて、状態パラメータのそれぞれに対応する照明効果を得るステップと、複数の照明ランプ500のそれぞれが1つの状態パラメータに対応する照明効果に従って発光することによって、目標照明効果を得るステップとをさらに含んでもよい。
【0085】
ステップS310、照明ランプ500を駆動して、目標照明効果に従って発光させる。
【0086】
ステップS312、収納対象物品の属性情報を取得する。物品情報収集装置100は収納対象物品のタグ情報又は収納対象物品の画像情報を取得し、収納対象物品の属性情報を得る。
【0087】
ステップS314、複数の貯蔵室の内部の状態パラメータを取得する。
【0088】
ステップS316、属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、複数の貯蔵室の収納優先度を決定する。
【0089】
属性情報及び複数の貯蔵室の内部の状態パラメータに応じて、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定するステップは、属性情報に応じて収納対象物品の予め設定された収納条件を決定するステップと、複数の貯蔵室の状態パラメータを予め設定された収納条件とマッチングさせて、複数の貯蔵室の収納優先度を得るステップとを含む。
【0090】
ステップS318、収納対象物品の利用可能な収納貯蔵室を決定する。収納優先度の最も高い貯蔵室を利用可能な収納貯蔵室とする。
【0091】
ステップS320、利用可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプ500を点灯させる。利用可能な収納貯蔵室の内部の照明ランプ500は待機状態から作動状態に切り替わり、該貯蔵室を照明し、他の貯蔵室の照明ランプ500は待機状態から停止状態に切り替わる。
【0092】
利用可能な収納貯蔵室が照明された後、照明ランプ500のライトは、収納対象物品を利用可能な収納貯蔵室に収納するようユーザーを促すことができ、これにより、ユーザーは光の誘導の下で利用可能な収納貯蔵室のドアを開き、収納対象物品を適切な位置に効率的に収納できる。
【0093】
上記方法によれば、本実施例の冷蔵庫10は、貯蔵環境確認命令を受信するとき、照明ランプ500を発光させることでユーザーに各貯蔵室内部の貯蔵環境の各パラメータを表示し、これにより、ユーザーは各貯蔵室の貯蔵の状況を簡単、視覚的かつ効率的に把握することができ、異常を適時に発見するのに有利である。本実施例の冷蔵庫10は、また、物品収納命令を受信するとき、照明ランプ500を発光させることでユーザーに利用可能な収納位置を通知し、これにより、冷蔵庫10のスマート記憶が可能である。
【0094】
このように、当業者は、本発明の複数の例示的な実施例が本明細書で詳細に示され、説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の原理に合致する他の多くの変形や修正が、本発明の開示内容に基づいて直接決定又は導き出され得ることを認識する。したがって、本発明の範囲は、これらの他のすべての変形や修正をカバーするものとして理解され、認識されるべきである。
図1
図2
図3