(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】可撓性ヒーターおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240117BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240117BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240117BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/46
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022541887
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020087408
(87)【国際公開番号】W WO2021140018
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-06
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ヌーノ バティスタ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】キールナン エドワード
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-500854(JP,A)
【文献】特表2013-509160(JP,A)
【文献】特表2019-525737(JP,A)
【文献】特表2019-531740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のヒーターであって、
可撓性電気絶縁基板であって、第一の部分および第二の部分を備える、可撓性電気絶縁基板と、
制御電子機器であって、前記可撓性電気絶縁基板の前記第一の部分上に提供される、制御電子機器と、
発熱体であって、前記可撓性電気絶縁基板の前記第二の部分上に提供され、誘導コイルを備える、発熱体と、を備え、
前記可撓性電気絶縁基板が管へと丸められ、前記可撓性電気絶縁基板が第四の部分を備え、かつ前記ヒーターが、前記可撓性電気絶縁基板の前記第四の部分上に配設されたサセプタ素子をさらに備える、ヒーター。
【請求項2】
前記可撓性電気絶縁基板の前記第一の部分が、前記可撓性電気絶縁基板の前記第二の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、請求項1に記載のヒーター。
【請求項3】
前記可撓性電気絶縁基板の前記第一の部分が、前記可撓性電気絶縁基板の前記第二の部分の前記外側周辺部を完全に同軸に包囲するように配設される、請求項2に記載のヒーター。
【請求項4】
前記可撓性電気絶縁基板が第三の部分を備え、かつ前記ヒーターが前記可撓性電気絶縁基板の前記第三の部分上に配設された電源をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載のヒーター。
【請求項5】
前記可撓性電気絶縁基板の前記第三の部分が管へと丸められる、請求項4に記載のヒーター。
【請求項6】
前記発熱体を備える前記可撓性電気絶縁基板の前記第二の部分が、前記電源を備える前記可撓性電気絶縁基板の前記第三の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、請求項5に記載のヒーター。
【請求項7】
前記可撓性電気絶縁基板の前記第四の部分が管へと丸められる、請求項1~6のいずれかに記載のヒーター。
【請求項8】
前記発熱体を備える前記可撓性電気絶縁基板の前記第二の部分と前記電源を備える前記可撓性電気絶縁基板の前記第三の部分とのうちの一方または両方が、前記サセプタ素子を備える前記可撓性電気絶縁基板の前記第四の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、請求項
4に記載のヒーター。
【請求項9】
前記ヒーターが、前記ヒーターを少なくとも部分的に覆うように配設される積層材料の仕上げ層を備える、請求項1~8のいずれかに記載のヒーター。
【請求項10】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞と、
請求項1~9のいずれかに記載のヒーターであって、前記空洞の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、ヒーターと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記ヒーターが、前記空洞の側壁を少なくとも部分的に形成する、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用のヒーターに関する。本発明は、ヒーターを備えるエアロゾル発生装置にさらに関する。本発明は、エアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。こうして発生した蒸気は、ユーザーの口に到達する前に冷却される時、エアロゾルを形成する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。ヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中へと挿入されると、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの周りに配設されてもよい。ヒーターは、抵抗発熱体または誘導ヒーターであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製造が簡単なエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。低コストで製造することができるエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。コンパクトなエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。わずかな部品しか有しないエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。頑丈なエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。信頼性のあるエアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるエアロゾル形成基体の均質な加熱を容易にする、エアロゾル発生装置用のヒーターを提供することが望ましいことになる。製造が簡単なエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的およびさらなる目的は、本発明の実施形態によって達成されてもよく、その場合、エアロゾル発生装置用のヒーターが提供されてもよい。ヒーターは、可撓性電気絶縁基板を備えてもよい。可撓性電気絶縁基板は、第一の部分および第二の部分を備えてもよい。ヒーターは、制御電子機器をさらに備えてもよい。制御電子機器は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分上に提供されてもよい。ヒーターは、発熱体をさらに備えてもよい。発熱体は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分上に提供されてもよい。可撓性電気絶縁基板は管へと丸められてもよい。可撓性電気絶縁基板を管へと丸めることによって、可撓性電気絶縁基板は管状形状をとる。
【0005】
発熱体だけでなく、制御電子機器もヒーターの可撓性電気絶縁基板上に提供することに起因して、管へと丸められる前にヒーターおよび関連する電子機器を可撓性電気絶縁基板上に提供することができるので、ヒーターの製造はより簡単に、かつより安価になる。発熱体と制御電子機器との両方を、例えば、金属インクを使用して、可撓性電気絶縁基板上に印刷することができる。組み立て中に、発熱体および制御電子機器を備える可撓性電気絶縁基板を、基材の可撓性の性質に起因して、例えば、丸めることによって、所望の形状、例えば、管状形状にさせることができる。
【0006】
可撓性電気絶縁基板は、可撓性の誘電体基板であってもよい。可撓性電気絶縁基板は、ポリイミドを含んでもよい。可撓性電気絶縁基板は、ポリイミドから成ってもよい。電気絶縁基板は、任意の適切な材料を含んでもよく、摂氏150度~摂氏250度の範囲内、または摂氏250度~摂氏350度の範囲内などの高温および急激な温度変化に耐えることができる材料であることが好ましい。適切な材料の一例は、Kapton(登録商標)などのポリイミドフィルムである。
【0007】
可撓性電気絶縁基板は、ヒーターの組み立ての前は平坦であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、一体的に形成されてもよい。言い換えれば、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、単一の可撓性電気絶縁基板の一部であってもよい。
【0008】
第一の部分および第二の部分は、それらを接続している接続部分に沿って折り畳まれてもよく、これにより電気絶縁基板の第一の部分および第二の部分は重なる。接続部分は、第一の部分と第二の部分とを接続する可撓性電気絶縁基板の細片として構成されることが好ましい。次いで、接着剤またはPEEKおよび熱の適用によって、これらの部分を一緒に結合することができる。こうして形成された積層基材は、管へと丸めることができる。エアロゾル発生装置については下記により詳細に記述する。ヒーターは、空洞の中へと挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するために、エアロゾル発生装置の空洞の周りに配設されてもよい。
【0009】
可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方は、長方形状であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方は、正方形の形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方は、同じ形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方の同じ形状は、互いに隣接する部分の空間的に最適化された配設が達成されるようなやり方で選ばれてもよい。特に、可撓性電気絶縁基板の個々の部分は、管へと丸められる前に、重なり合って置かれるように折り畳むことができる。この個々の部分の層状配設は、個々の部分が同じ形状を有する場合、より簡単に、かつ使用可能な空間を最適に使用して、作製される。
【0010】
可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、可撓性電気絶縁基板の細片によって、可撓性電気絶縁基板の第二の部分と接続されてもよい。可撓性電気絶縁基板の細片は、平坦であってもよい。可撓性電気絶縁基板の細片は、細長くてもよい。可撓性電気絶縁基板の細片は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方と比較して狭くてもよい。
【0011】
可撓性電気絶縁基板の第二の部分に提供される発熱体は、制御電子機器と電気的に接続され、その制御電子機器は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分上に提供されてもよい。発熱体と制御電子機器との間の接続は、電気接点および/または配線によって容易にされる場合がある。電線および/または接点は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分を可撓性電気絶縁基板の第二の部分と接続する可撓性電気絶縁基板の細片上に配設されてもよい。電気接点のうちの少なくとも一つは、温度を測定するように構成された熱電対の一部であってもよい。下記により詳細に記述するような、発熱体の抵抗加熱トラックだけでなく、一つの電気接点も、熱電対として構成されてもよい。発熱体が少なくとも二つの抵抗加熱トラックを備える場合、さらなる電気接点とともに第二の抵抗加熱トラックは、第二の熱電対として構成されてもよい。
【0012】
可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸で包囲するように配設されてもよい。管へと丸められた後、可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、管状形状を有する。可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、中空の管状形状を有してもよい。
【0013】
可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、管状形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、中空の管状形状を有してもよい。一実施形態では、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および第二の部分は、管へと丸められる前に積層される。
【0014】
可撓性電気絶縁基板の第二の部分の外側周辺部に対する可撓性電気絶縁基板の第一の部分の同軸配置は、コンパクトなヒーターを作り出す場合がある。コンパクトなヒーターは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するために、エアロゾル発生装置の空洞の周りに配設されてもよい。
【0015】
可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分の外側周辺部を完全に同軸で包囲して配設されてもよい。
【0016】
発熱体は、一つ以上の抵抗加熱トラックから形成されてもよい。発熱体は、抵抗加熱トラックから成ってもよい。抵抗加熱トラックは、可撓性電気絶縁基板上に提供されてもよい。抵抗加熱トラックは、例えば、金属インクを使用して、可撓性電気絶縁基板上に印刷されてもよい。抵抗加熱トラックは、単一の抵抗加熱トラックを備えてもよい。別の方法として、抵抗加熱トラックは、少なくとも二つの抵抗加熱トラックを備えてもよい。抵抗加熱トラックは、電気抵抗ヒーターとして作用してもよい。
【0017】
抵抗加熱トラックは、抵抗加熱トラックが抵抗ヒーターとして、および温度センサーとの両方として作用しうるように、抵抗温度係数特性を有してもよい。
【0018】
好ましくは抵抗加熱トラックの形態にある発熱体は、電源に電気的に接続されてもよい。発熱体は複数の部分を備えてもよい。発熱体が抵抗加熱トラックの形態で提供される場合、抵抗加熱トラックは、複数の部分または複数の抵抗加熱トラックを備えてもよい。発熱体の各部分は、電源に別個に接続可能であってもよい。これは、数多くの利点を提供する。第一に、異なる部分を異なる期間の間加熱することが可能になり、これはエアロゾル形成基体の性質に依存して喫煙の体験を強化する場合がある。第二に、異なる部分を異なる温度で加熱することが可能になり、これもまた、エアロゾル形成基体の性質に依存して、喫煙の体験を強化する場合がある。第三に、ヒーターの特定の部分を任意の一つの時間に起動させることが可能になる。これは、エアロゾル形成基体の一部分のみを任意の一つの時間に加熱することを可能にする。
【0019】
ヒーターは電源を備えてもよい。電源は電池として構成されることが好ましい。電源は、可撓性電気絶縁基板の第三の部分上に提供されてもよい。電源はリチウム-イオン電池として構成されてもよい。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば、電源はおおよそ6分間の期間、または6分の倍数の期間の間、エアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は、所定の吸煙回数またはヒーターの不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0020】
電源は平坦であってもよい。電源は平坦な電池であってもよい。電源は可撓性であってもよい。電源は可撓性電池であってもよい。電源は平坦で、かつ可撓性の電池であってもよい。電源は、可撓性の平坦なシートとして可撓性電気絶縁基板の第三の部分上に提供されてもよい。可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、長方形であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、正方形の形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の第三の部分および、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方は、同じ形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の部分の同じ形状は、互いに隣接した部分の配設を空間的に最適化する場合がある。
【0021】
可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方と一体的に形成されてもよい。言い換えれば、可撓性電気絶縁基板の第一の部分、第二の部分、および第三の部分は、単一の可撓性電気絶縁基板の個々の部分であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分のうちの一方または両方と接続されてもよい。好ましい実施形態では、可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分に取り付けられ、かつ隣接して配設される。
【0022】
可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、管へと丸められてもよい。好ましい実施形態では、可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分とともに管へと丸められて、共通の管状構造を形成する。
【0023】
発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸で包囲するように配設されてもよい。この配設は、下記により詳細に記述するように、発熱体が誘導発熱体として構成される場合に特に好ましい。別の方法として、発熱体は、電気抵抗性のある発熱体として構成されてもよい。この場合、発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分内に少なくとも部分的に同軸で配設されることが好ましい。
【0024】
発熱体は、誘導コイルを備えてもよい。発熱体は、少なくとも二つの誘導コイルを備えてもよい。誘導コイルは、電源へと電気的に接続されてもよい。コントローラ電子機器は、電源から誘導コイルへの電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。誘導コイルは、交番磁界を発生するように構成されてもよい。
【0025】
可撓性電気絶縁基板は、第四の部分を備えてもよい。ヒーターは、可撓性電気絶縁基板の第四の部分上に配設されたサセプタ素子をさらに備えてもよい。
【0026】
サセプタは平坦であってもよい。サセプタは、可撓性であってもよい。サセプタは、可撓性の平坦なシートとして可撓性電気絶縁基板の第四の部分上に提供されてもよい。可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、長方形であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、正方形の形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の第四の部分と、可撓性電気絶縁基板の第一の部分、可撓性電気絶縁基板の第二の部分、および可撓性電気絶縁基板の第三の部分のうちの一つ以上は、同じ形状を有してもよい。可撓性電気絶縁基板の部分の同じ形状は、互いに隣接した部分の配設を空間的に最適化する場合がある。
【0027】
可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分、可撓性電気絶縁基板の第二の部分、および可撓性電気絶縁基板の第三の部分のうちの一つ以上と一体的に形成されてもよい。言い換えれば、可撓性電気絶縁基板の第一の部分、第二の部分、第三の部分、および第四の部分は、単一の可撓性電気絶縁基板の個々の部分であってもよい。可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分、可撓性電気絶縁基板の第二の部分、および可撓性電気絶縁基板の第三の部分のうちの一つ以上と接続されてもよい。好ましい実施形態では、少なくとも可撓性電気絶縁基板の第二の部分および第四の部分を管内に提供する前に、可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分に取り付けられ、かつ隣接して配設される。
【0028】
一般的に、サセプタは、電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換する能力を有する材料である。交番磁界に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に、交番磁界によって渦電流が誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に、加熱に寄与する別の効果は、一般的にヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は、主にサセプタ内の磁区ブロックの移動により生じる。これは、これらの磁気的な向きが、交互の磁気的誘導場と整列するためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性および導電性の両方である場合、ヒステリシス損失および渦電流の生成の両方がサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁界によって貫通されたときにサセプタを加熱する唯一の手段となる。本発明によると、サセプタは、導電性もしくは磁性、または導電性と磁性との両方であってもよい。一つまたはいくつかの誘導コイルによって生成される交番磁界は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、エアロゾル形成基体へと熱を伝達する。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合、最も良好である。
【0029】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度へと誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料またはフェリ磁性材料、例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくはステンレス鋼を含んでよく、またはそれらから成ってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0030】
好ましいサセプタは金属サセプタ(例えばステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオビウム、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)も含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0031】
好ましくは、サセプタ材料は、金属サセプタ材料(金属とは、通常セラミックと呼ばれる非酸化物形態の金属を意味する)である。サセプタはまた、多材料サセプタであってもよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでもよい。一部の実施形態では、第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接な物理的接触をして配置されてもよい。第一のサセプタ材料および/または第二のサセプタ材料は、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回るキュリー温度を有することが好ましい。第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。第二のサセプタ材料のために適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。
【0032】
少なくとも第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を有するサセプタを提供することによって、エアロゾル形成基体の加熱と加熱の温度制御とは分離されてもよい。第二のサセプタ材料は、望ましい最高加熱温度と実質的に同じである第二のキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。
【0033】
「キュリー温度」という用語によって、一般的に、磁性材料が、外部磁界の不在においてその磁気的特性を失う温度として理解される。よって、キュリー温度は、強磁性材料またはフェリ磁性材料が相変化を受けて、常磁性になる温度である。
【0034】
誘導発熱体が採用される場合、誘導発熱体は、本明細書に記述されるような外部ヒーターとして構成されてもよい。誘導発熱体が外部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、空洞を少なくとも部分的に包囲するか、または空洞の側壁を形成する円筒状サセプタとして構成されることが好ましい。
【0035】
可撓性電気絶縁基板の第四の部分は、管へと丸められてもよい。
【0036】
発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分と電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分とのうちの一方または両方は、サセプタ素子を備える可撓性電気絶縁基板の第四の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設されてもよい。可撓性電気絶縁基板が管へと丸められた後、第四の部分は、可撓性電気絶縁基板の最も内側の部分であってもよい。
【0037】
可撓性電気絶縁基板の個々の部分すべてを含む最終的なヒーターは、管へと丸められることが好ましい。可撓性電気絶縁基板の個々の部分のすべては、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは完全に、相互に同軸で整列される。
【0038】
最終的なヒーターの可撓性電気絶縁基板が可撓性電気絶縁基板の第一の部分および可撓性電気絶縁基板の第二の部分を含む場合、可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、ヒーターの内側層として構成されることが好ましく、可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、管状ヒーターの外側層として構成されることが好ましい。可撓性電気絶縁基板の第二の部分上に配設された発熱体(この実施形態)は、抵抗ヒーターとして構成されることが好ましい。
【0039】
最終的なヒーターの可撓性電気絶縁基板が、電源を備える第三の部分をさらに備える場合、第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分と可撓性電気絶縁基板の第二の部分との間に配設されることが好ましい。言い換えれば、第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分と第二の部分との間に配設されることが好ましい。よって、第三の部分は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分と第二の部分との間に挟まれてもよい。
【0040】
最終的なヒーターの可撓性電気絶縁基板が、サセプタを備える第四の部分をさらに備える場合、可撓性電気絶縁基板の第二の部分上に配設された発熱体は、誘導コイルとして構成されることが好ましい。この実施形態では、サセプタを備える第四の部分は、ヒーターの内側層として配設されることが好ましいが、発熱体を備える第二の部分は、可撓性電気絶縁基板の第四の部分を少なくとも部分的に、好ましくは、完全に包囲するように構成されることが好ましい。制御電子機器を備える第一の部分および電源を備える第三の部分のうちの一方または両方は、サセプタを備える内側の第四の部分と発熱体を備える第二の部分との間に配設されてもよい。
【0041】
ヒーターは、ヒーターを少なくとも部分的に覆うように配設される積層材料の仕上げ層を備えてもよい。仕上げ層は、ヒーターの外側層として構成されてもよい。仕上げ層は、ヒーターを保護するように構成されてもよい。仕上げ層は、ヒーターの外側周辺部を完全に覆うように構成されてもよい。仕上げ層は、紫外線耐性、赤外線耐性、ブランディングの印刷可能性、全体的な外部設計着色、テクスチャ、機械的耐性、耐薬品性、および必要に応じてヒーターのその他の特性のうちの一つ以上を強化するように構成されてもよい。仕上げ層は、ラッパーとして構成されてもよい。仕上げ層は、ヒーターの周りに巻かれてもよい。
【0042】
「内側」および「外側」という用語は、可撓性電気絶縁基板の個々の部分およびヒーターの仕上げ層の空間的配設を指す。「内側」という用語は、ヒーターの中央長軸方向軸に向かう横方向を意味する。「外側」という用語は、ヒーターの中央長軸方向軸から離れる横方向を意味する。ヒーターの「内側」要素は、ヒーターの「外側」要素と比較して、ヒーターの長軸方向の中心軸により近くに配設される。
【0043】
本発明は、ヒーターを形成する方法にさらに関する場合がある。ヒーターは、当初、可撓性電気絶縁基板の平面状の平坦なシートから形成されてもよい。可撓性電気絶縁基板の平面状の平坦なシートは、その後、適切に成形されてもよい。特に、可撓性電気絶縁基板の平面状の平坦なシートは、可撓性電気絶縁基板の第一の部分が、可撓性電気絶縁基板の細片を介して、可撓性電気絶縁基板の第二の部分に接続して形成されるように成形されてもよい。随意に、可撓性電気絶縁基板の第三の部分および第四の部分のうちの一方または両方が形成されてもよい。その後、発熱体のうちの一方または両方は、第二の部分上に配設されてもよく、好ましくは印刷されてもよく、制御電子機器は、第一の部分上に配設されてもよく、好ましくは印刷されてもよい。その後、ヒーターは丸められ、これにより可撓性電気絶縁基板の第一の部分から第四の部分のうちの一つ以上が管へと丸められる。可撓性電気絶縁基板の第一の部分から第四の部分のうちの一つ以上は、このプロセスの間、好ましくは、少なくとも部分的に、より好ましくは、完全に、相互に同軸で整列している。例示的に、発熱体を備える第二の部分は、最初に丸められて管を形成する。第二の部分を制御電子機器を備える第一の部分と接続する細片は、第一の部分が第二の部分の上になるように反転されてもよい。第一の部分は、その後第二の部分の周りに丸められてもよく、これにより管状ヒーター配設が内側第二の部分および外側第一の部分を有して達成される。
【0044】
制御電子機器を備える可撓性電気絶縁基板の第一の部分は、0.025ミリメートル~3.50ミリメートル、好ましくは0.035ミリメートル~2.75ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0045】
発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分は、0.02ミリメートル~3.50ミリメートル、好ましくは0.035ミリメートル~2.7ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0046】
電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分は、0.02ミリメートル~4.50ミリメートル、好ましくは0.035ミリメートル~2.5ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0047】
本発明は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を備える、エアロゾル発生装置にさらに関する。エアロゾル発生装置は、本明細書に記述されるようなヒーターをさらに含む。ヒーターは、空洞の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される。
【0048】
ヒーターは、エアロゾル発生物品が空洞内に受容された時、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成される。ヒーターからエアロゾル形成基体への熱伝達を最適化するため、ヒーターは空洞の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸で包囲するように配設される。このようにして、熱を、半径方向内向き方向でエアロゾル形成基体へと伝達することができる。ヒーターは、空洞の外側周辺部を完全に同軸で包囲するように配設されることが好ましい。
【0049】
本明細書に記述されるように、ヒーターは、電源を備えてもよい。別の方法として、エアロゾル発生装置は、電源、好ましくは電池を備えてもよい。ヒーターの制御電子機器は、エアロゾル発生装置の電源からヒーターの発熱体への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。さらなる代替として、ヒーターは、電源を備えてもよく、エアロゾル発生装置は、追加的な電源、好ましくは電池を備えてもよい。ヒーターの制御電子機器は、ヒーターの電源から、およびエアロゾル発生装置の追加的な電源から、ヒーターの発熱体への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。さらにヒーターの制御電子機器へと、エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。ヒーターの制御電子機器は、ヒーターの電源から発熱体への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置のコントローラは、エアロゾル発生装置の追加的な電源からヒーターの発熱体への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。
【0050】
エアロゾル発生装置は、主本体を備えてもよい。エアロゾル発生装置の追加的な電源およびコントローラのうちの一方または両方は、主本体内に配設されてもよい。エアロゾル発生装置は口側端部分を備えてもよい。空洞は、口側端部分内に配設されてもよい。口側端部分は、主本体と一体的に形成されてもよい。別の方法として、口側端部分は、主本体に取り外し可能に取り付け可能に構成されてもよい。口側端部分はマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、空洞を覆うように構成されてもよい。例示的に、マウスピースは、ヒンジ接続によって口側端部分と接続されてもよい。別の方法として、マウスピースは、エアロゾル発生装置の口側端部分に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。さらなる代替として、いかなるマウスピースも提供されず、そしてユーザーは、口側端部分の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の近位端において直接的に吸う。
【0051】
ヒーターは、空洞の側壁を少なくとも部分的に形成してもよい。熱伝達は、ヒーターによって、側壁を少なくとも部分的に形成することによって最適化される場合がある。ヒーターは、空洞の側壁を完全に形成してもよい。
【0052】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば、喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。装置は、電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジングと、電気回路と、電源と、加熱チャンバーと、発熱体と、を備えてもよい。
【0053】
本発明は、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。
【0055】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、実質的にロッド形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的にロッド形状であってもよい。
【0056】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。均質化したたばこ材料を提供することは、エアロゾル発生と、エアロゾル発生物品の加熱中に発生したエアロゾルのニコチン含有量および風味プロファイルとを改善する場合がある。具体的には、均質化したたばこを作製するプロセスには、たばこ葉を粉砕することが関与しており、これは加熱に伴うニコチンおよび風味の放出をより効果的に可能にする。
【0057】
均質化したたばこ材料は、折り曲げられたシート、縮らされたシート、または細片へと切断されたシートのうちの一つであるシートで提供されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2ミリメートル~約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル~約1.2ミリメートルの幅を有する細片へと切断される。一実施形態では、細片の幅は約0.9ミリメートルである。
【0058】
別の方法として、均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球へと形成されてもよい。球の平均直径は、約0.5ミリメートル~約4ミリメートルであることが好ましく、約0.8ミリメートル~約3ミリメートルであることがより好ましい。
【0059】
エアロゾル発生基体は、約55重量パーセント~約75重量パーセントの均質化したたばこ材料と、約15重量パーセント~約25重量パーセントのエアロゾル形成体と、約10重量パーセント~約20重量パーセントの水とを含むことが好ましい。
【0060】
エアロゾル発生基体の試料を測定する前に、50パーセントの相対湿度で、摂氏22度にて、48時間の間平衡化した。均質化したたばこ材料の含水量を決定するためにKarl Fischer技法が使用された。
【0061】
エアロゾル発生基体は、約0.1重量パーセント~約10重量パーセントの風味剤をさらに含んでもよい。風味剤は、メントールなどの、当業界で公知の、任意の適切な風味剤であってもよい。
【0062】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。
【0063】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を補助するために、たばこ内因性結合剤である一つ以上の内因性結合剤、たばこ外来性結合剤である一つ以上の外因性結合剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0064】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシート内の包含のために適切な外因性結合剤は、当業界で公知であり、ガム(例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、およびローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロースなど)、多糖類(例えば、デンプン)、有機酸(アルギン酸など)、有機酸の共役塩基塩(アルギン酸ナトリウムなど)、寒天、および30ペクチン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
均質化したたばこ材料のシートを製造するための数多くの再構成プロセスが当業界で公知である。これらには、例えば、米国特許第A-3,860,012号に記述されているタイプの製紙プロセス、例えば、米国特許第A-5,724,998号に記述されているタイプのキャスティングまたは「キャストリーフ」プロセス、例えば米国特許第A-3,894,544号に記述されているタイプのドウ再構成プロセス、および例えば英国特許第A-983,928号に記述されているタイプの押出成形プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。典型的に、押出成形プロセスおよびドウ再構成プロセスによって製造された均質化したたばこ材料のシートの密度は、キャスティングプロセスによって製造された均質化したたばこ材料のシートの密度より大きい。
【0066】
カプセルを含むエアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面の上へとキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料のシートを形成することと、均質化したたばこ材料のシートを支持表面から取り外すことと、を一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。
【0067】
均質化したたばこシート材料は、異なるタイプのたばこを使用して生成されてもよい。例えば、たばこシート材料は、数多くの異なる様々なたばこ、またはたばこ植物の異なる部位(葉や茎など)からのたばこを使用して形成されてもよい。加工後、シートは一貫した特性および均質化した風味を有する。均質化したたばこ材料の単一のシートは、特定の風味を有するように生成されてもよい。異なる風味を有する製品を生成するために、異なるたばこシート材料が生成される必要がある。多数の異なる細かく切られたたばこを従来の紙巻たばこにブレンドすることによって生成される一部の風味は、単一の均質化したたばこシートで複製するのが困難な場合がある。例えば、バージニアたばこおよびバーレー種たばこは、その個別の風味を最適化するための異なるやり方で加工される必要がある場合がある。バージニアたばことバーレー種のたばことの特定のブレンドを、均質化したたばこ材料の単一のシートで複製することは可能でない場合がある。そのため、エアロゾル発生基体は第一の均質化したたばこ材料および第二の均質化したたばこ材料を備えてもよい。二つの異なるたばこ材料のシートを単一のエアロゾル発生基体内に組み合わせることによって、均質化したたばこの単一のシートでは生成することができない新しいブレンドが作り出される場合がある。
【0068】
エアロゾル形成体は、少なくとも一つの多価アルコールを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、エアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール、およびグリセリンのうちの少なくとも一つを含む。
【0069】
下記に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0070】
実施例A:エアロゾル発生装置用のヒーターであって、
可撓性電気絶縁基板であって、第一の部分および第二の部分を備える、可撓性電気絶縁基板と、
制御電子機器であって、可撓性電気絶縁基板の第一の部分上に提供される、制御電子機器と、
発熱体であって、可撓性電気絶縁基板の第二の部分上に提供される、発熱体と、を備え、
可撓性電気絶縁基板は管へと丸められる、ヒーター。
【0071】
実施例B:可撓性電気絶縁基板の第一の部分が、可撓性電気絶縁基板の第二の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸で包囲するように配設される、実施例Aに記載のヒーター。
【0072】
実施例C:可撓性電気絶縁基板の第一の部分が、可撓性電気絶縁基板の第二の部分の外側周辺部を完全に同軸に包囲するように配設される、実施例Bに記載のヒーター。
【0073】
実施例D:発熱体が抵抗加熱トラックを備え、好ましくは、発熱体が抵抗加熱トラックから成る、先行する実施例のいずれかに記載のヒーター。
【0074】
実施例E:発熱体が誘導コイルを備える、実施例A~Cのいずれかに記載のヒーター。
【0075】
実施例F:可撓性電気絶縁基板が第三の部分を備え、かつヒーターが可撓性電気絶縁基板の第三の部分上に配設された電源をさらに備える、実施例Eに記載のヒーター。
【0076】
実施例G:可撓性電気絶縁基板の第三の部分が管へと丸められる、実施例Fによるヒーター。
【0077】
実施例H:発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分が、電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、実施例Gに記載のヒーター。
【0078】
実施例I:可撓性電気絶縁基板が第四の部分を備え、かつヒーターが可撓性電気絶縁基板の第四の部分上に配設されたサセプタ素子をさらに備える、実施例E~Hのいずれかに記載のヒーター。
【0079】
実施例J:可撓性電気絶縁基板の第四の部分が管へと丸められる、実施例Iに記載のヒーター。
【0080】
実施例K:発熱体を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分と電源を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分とのうちの一方または両方が、サセプタ素子を備える可撓性電気絶縁基板の第四の部分の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、実施例Jに記載のヒーター。
【0081】
実施例L:ヒーターが、ヒーターを少なくとも部分的に覆うように配設される積層材料の仕上げ層を備える、先行する実施例のいずれかに記載のヒーター。
【0082】
実施例M:エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞と、
先行する実施例のいずれかに記載のヒーターであって、空洞の外側周辺部を少なくとも部分的に同軸に包囲するように配設される、ヒーターと、を備える、エアロゾル発生装置。
【0083】
実施例N:ヒーターが、空洞の側壁を少なくとも部分的に形成する、実施例Mに記載のエアロゾル発生装置。
【0084】
実施例O:実施例MまたはNに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、システム。
【0085】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0086】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、組み立て前のヒーターの可撓性電気絶縁基板シートを示す。
【
図2】
図2は、ヒーターの組み立て中の可撓性電気絶縁基板シートを示す。
【
図3】
図3は、組み立て前のヒーターの可撓性電気絶縁基板シートのさらなる実施形態を示す。
【
図4】
図4は、ヒーターの組み立て後の
図3の可撓性電気絶縁基板シートを示す。
【
図5】
図5は、複数の潜在的な層を有する最終的なヒーターの断面図を示す。
【
図6】
図6は、ヒーターを備えるエアロゾル発生装置の例示的な図を示す。
【
図7】
図7は、エアロゾル発生装置のさらなる実施形態を示す。
【
図8】
図8は、エアロゾル発生装置のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
図1は、平坦な可撓性電気絶縁基板シートを示す。シートは、ヒーターの組み立て前が示されている。可撓性電気絶縁基板は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10を備える。最終的なヒーターの制御電子機器12は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10の上に配設される。制御電子機器12は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10の上に印刷されることが好ましい。
【0089】
平坦な可撓性電気絶縁基板シートは、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14をさらに備える。発熱体16は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の上に配設される。発熱体16は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の上に印刷されることが好ましい。発熱体16は、抵抗加熱トラック18として構成される。
図1に示すように、発熱体16は、少なくとも二つの抵抗加熱トラック18を備えてもよい。二つの抵抗加熱トラック18は、相互から電気的に分離されている。二つの加熱トラック間の電気的分離は、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の上に、相互から空間的に距離を置いて二つの抵抗加熱トラック18を印刷することによって容易にされる。
【0090】
発熱体16は、制御電子機器12と電気的に接続される。発熱体16と制御電子機器12との間の電気的接続は、電気接点20によって容易にされる。電気接点20は、可撓性電気絶縁基板の細片22の上で延びる。可撓性電気絶縁基板の細片22は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10と可撓性電気絶縁基板の第二の部分14との間に配設される。可撓性電気絶縁基板の細片22は、部分10と部分14との間の接続を容易にし、かつ可撓性電気絶縁基板の第一の部分10と可撓性電気絶縁基板の第二の部分14との橋渡しをする。
【0091】
図1は、温度測定の選択肢をさらに示す。ヒーターの温度を測定するために、熱電対24が提供されてもよい。熱電対24は、抵抗加熱トラック18のうちの一つおよび電気接点20のうちの一つを含んでもよい。
【0092】
可撓性電気絶縁基板からのヒーターの形成は、
図1における破線によって示される。破線は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10をどのように管へと丸めることができるかを示す。可撓性電気絶縁基板の第一の部分10を管へと丸めた後、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10は管へと丸められる。
【0093】
図2は、
図1に示す平坦な可撓性電気絶縁基板シートからのヒーターの組み立てを示す。
図1Aは、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14が管へと丸められることを示す。可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の対向する二つの面は、スペーサー層(図示せず)を含むことが可能なように、重なり合って置かれるように折り畳まれてもよく、公知のプロセスによって相互に取り付けられてもよく、その後、部分の「積み重ね」または積層は、管状ヒーター構造を形成するために管へと丸められる。同じ原理的な丸めおよび取り付け構成は、可撓性電気絶縁基板のすべての部分に適用されてもよい。
図2Bは、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10が、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14と同様に管へと丸められる実施形態を示す。この実施形態では、第一の部分10および第二の部分14は、ヒーターの長軸方向の中心軸26に沿って相互から距離を置いて配設される。
図2Cは、可撓性電気絶縁基板の細片22が反転され、そして可撓性電気絶縁基板の第一の部分10が丸められて、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14を包囲する、代替的な配設を示す。この実施形態では、最初に可撓性電気絶縁基板の第二の部分14が管へと丸められ、後に続いて可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の周りに、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10を丸める。その結果として、可撓性電気絶縁基板の第二の部分14は内側部分として構成され、一方で可撓性電気絶縁基板の第一の部分10は外側部分として構成される。好ましい実施形態としては、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10と可撓性電気絶縁基板の第二の部分14の両方は、一緒に丸められて管を形成する。この実施形態では、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10および可撓性電気絶縁基板の第二の部分14は、重なり合って置かれるように最初に折り畳まれる。重なり合って折り畳まれた後、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10および可撓性電気絶縁基板の第二の部分14は、一緒に積層される。
図2Dは、可撓性電気絶縁基板の細片22が明瞭に見えるように、反対側の方向から
図2Cのヒーターを示す。
【0094】
図3は、平坦な可撓性電気絶縁基板シートが、可撓性電気絶縁基板の第三の部分28をさらに備える、さらなる実施形態を示す。電池の形態の電源30は、可撓性電気絶縁基板の第三の部分28上に配設される。電池は、可撓性電気絶縁基板の第三の部分28と一緒に管へと丸めることができる、可撓性電池として構成される。
図3に示すように、電源30は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10の制御電子機器12と電気的に接続される。電源30と制御電子機器12との間の接続は、電池接点32によって容易にされる。電池接点32は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10の接点領域34に取り付けられる。
【0095】
図4は、
図3に示す可撓性電気絶縁基板を使用するヒーターの組み立て後のヒーターを示す。
図1および
図2に示す実施形態とは対照的に、
図4に示すヒーターは、電源30を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分28を追加的に備える。可撓性電気絶縁基板の第三の部分28は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10と可撓性電気絶縁基板の第二の部分14との間に挟まれる。可撓性電気絶縁基板の第三の部分28は、可撓性電気絶縁基板の第一の部分10と可撓性電気絶縁基板の第二の部分14との間に挟まれて配設される。
【0096】
図5は、最終的なヒーターの断面図を示す。可撓性電気絶縁基板の部分10、14、28に加えて、
図5に示すヒーターは、複数のさらなる層を備える。これらの層はすべて随意である。個々の層およびそれらの機能を、以下に記述する。
【0097】
図1~
図4に示す実施形態では、発熱体16は、抵抗ヒーターとして構成されることが好ましい。結果として、発熱体16を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分14は、内側層として構成される。
図5に示す実施形態では、発熱体16は、誘導発熱体16として構成されている。結果として、発熱体16を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分14は、ヒーターの最も内側の層から半径方向外向き方向で距離を置いて配設される。
【0098】
図5の実施形態における発熱体16は、誘導コイル42を備える。誘導コイル42は、電源30から交流電流を受容するように構成され、そして交番磁界を生成するように構成される。ヒーターは、サセプタ素子48を備えるさらなる層を備える。サセプタ素子48は、ヒーターの内側層として構成される。サセプタ素子48は、本明細書に記述されるように、可撓性電気絶縁基板の第四の部分上に配設されてもよい。誘導コイル42によって生成される交番磁界は、サセプタ素子を加熱するように構成される。サセプタ素子48を備える内側層と、発熱体16を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分14との間に、スペーサー層46が提供される。スペーサー層46は、誘導コイル42をサセプタ素子48から電気的に分離する。随意に、統合空洞54壁層44が提供されてもよい。統合空洞54壁層44は、エアロゾル発生装置50の空洞54を形成するように配設されてもよい。統合空洞54壁層44は、エアロゾル発生装置50の一部であってもよく、ヒーターの一部ではなくてもよい。統合空洞54壁層44は、サセプタ素子を備えるヒーターの内側層にすぐ隣接して配設されてもよい。誘導遮蔽層40は、発熱体16を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分14を包囲して提供されてもよい。誘導遮蔽層40は、磁束コンセントレータの機能を有してもよい。結果として、誘導コイル42によって生成される交番磁界は、ヒーターの内側、特にサセプタ素子の領域に集中されてもよい。電源30を備える可撓性電気絶縁基板の第三の部分28は、
図5に示す実施形態では、誘導遮蔽層40を包囲して配設される。この層を囲んで、絶縁および機械的保護層38が配設される。絶縁および機械的保護層38を囲んで、制御電子機器12を備える可撓性電気絶縁基板の第一の部分10が配設される。最終的な外側層として、仕上げ層36が提供される。仕上げ層36は、ヒーターの外側を保護するように構成される。仕上げ層36は、積層材料を備えてもよい。
図5の実施形態に示すように、誘導加熱がヒーターにおいて採用される場合、誘導コイル42を備える発熱体16を備える可撓性電気絶縁基板の第二の部分14、サセプタ素子48を備える内側層、および制御電子機器12を備える可撓性電気絶縁基板の第一の部分10のみが必須である。すべてのさらなる層は随意である。しかしながら、さらなる層は、ヒーターの動作を最適化するためには有益である。
図5と併せて記述される随意の層のうちのいずれか一つは、ヒーター内に提供されてもよい。
図5と併せて記述される層は、
図1~
図4に示すヒーターと同様に製造されてもよい。言い換えれば、これらの層のうちのいずれか一つは、平坦な可撓性電気絶縁基板シート上に提供され、そしてその後丸められてヒーターを形成してもよい。別の方法として、これらの層のうちのいずれか一つは別個に提供され、そして管状ヒーター内に配設されてもよい。
【0099】
図6は、エアロゾル発生装置50を示す。エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品52は、エアロゾル発生装置50の空洞54の中へと挿入することができる。本明細書に記述されるようなヒーターは、エアロゾル発生装置50の空洞54の周りに配設される。空洞54の基部には、ストッパー56が配設される。ストッパー56は、エアロゾル発生物品52の空洞54の中への過剰挿入を防止するように構成される。
【0100】
図7は、エアロゾル発生装置50の代替的な構成を示す。
図7に示す実施形態では、エアロゾル発生装置50は、主本体58を備える。主本体58内に、コントローラ60および電池の形態の主電源62を配設することができる。コントローラ60は、主電源62からヒーターへの電気エネルギーの供給を制御するように構成される。したがって、
図6の実施形態とは対照的に、エネルギーは主本体58の主電源62によって供給される。本明細書に記述されるように、ヒーター自体は、電源30を備えてもよい。したがって、
図6に示す実施形態では、エアロゾル発生装置50は、主電源62を備えない。
図7に示す実施形態のヒーターは、主本体58の追加的な電源62が補助的な電源として作用するように、電源30を備えてもよい。しかしながら、唯一の電源は、エアロゾル発生装置50の主電源62であることが好ましい。
【0101】
図8は、主電源が円筒状の電池62である実施形態を示す。この実施形態は、特に
図2Bに示すような可撓性電気絶縁基板の構成とともに使用されてもよい。制御電子機器12を備える電気絶縁基板の第一の部分10は、主電源62を包囲する。電池62は、装置の唯一の電源であることが好ましい。発熱体16を備える電気絶縁基板の第二の部分14は、空洞54を包囲する。装置の遠位端には、端壁64が提供される。端壁64は、制御電子機器12を電池62と電気的に接続するための電気的接続(図示せず)を備えてもよい。端壁64の外表面はまた、電池62を、幹線給電などの外部電源から再充電するための充電接点(図示せず)も備えてもよい。空洞54の中へと挿入されたエアロゾル発生物品52と電池62との間に、密封壁66が提供される。密封壁66は、エアロゾル発生物品52からのエアロゾル形成基体が電池62に到達し、そして電池62を汚染するのを防止する。さらに、電池漏れの場合、密封壁66は、望ましくない化合物による受容する空洞54の汚染を防止する。密封壁66はさらに、断熱材として作用してもよい。