(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】消毒システム
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20240117BHJP
A61N 5/067 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61N5/06 B
A61N5/067
(21)【出願番号】P 2022577586
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 US2021024461
(87)【国際公開番号】W WO2021257148
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-06-09
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522488432
【氏名又は名称】イノベイティブ テクノロジーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INNOVATIVE TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】イスマイル, ナサー
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-034587(JP,A)
【文献】特表2012-533720(JP,A)
【文献】特表2016-512463(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0034192(KR,A)
【文献】特許第6669845(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
A61N 5/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と第2の領域とを分離するための紫外線障壁を形成する消毒システムであって、前記消毒システムは、
ハウジング内にUV光源
;および、
前記ハウジングから分離され、前記ハウジングから間隔をおいて配置された下部ハウジング;
を備え、
前記ハウジングは、UV光の平面が前記UV光源から出射されるように、前記ハウジングの長さに沿った一方向に前記UV光源からのUV光を向けるように動作可能であって、
前記UV光の平面を通過する感染物質が脆弱化、不活性又は破壊されるように、前記第1の領域は、前記UV光の平面の第1の
前側に画定され、前記第2の領域は、前記UV光の平面の第2の
後側に画定され
、前記UV光の平面は、前記第2の後側から前記第1の前側を分離しており、
前記下部ハウジングは、前記ハウジングから放出される前記UV光の平面に対して垂直であり、該UV光を前記ハウジングに向かって反射させるように動作可能であり、それによって前記UV光の強度を増加させるミラーを備えている、消毒システム。
【請求項2】
前記ハウジングと前記
下部ハウジング
とは、椅子の側面に取り付けられ、前記ハウジングは前記椅子の
前記側面において上部に位置し、前記
下部ハウジングは前記椅子の
前記側面において底部で前記ハウジングの下方に位置し、前記消毒システムは、前記椅子の
前記側面に前記UV光の平面をカーテンとして形成するように動作可能である、請求項
1に記載の消毒システム。
【請求項3】
前記UV光の平面に加えて、物理的障壁を形成するように、
椅子の列の間に位置する物理的なカーテンをさらに備えている、請求項
2に記載の消毒システム。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記椅子の上の前記UV光の平面を画定する、矩形に形成された4つの上部ハウジングをさらに備え、前記4つの上部ハウジングの少なくとも一つは、前記椅子の上に前記UV光の平面を向けるように配置された前記UV光源を有する前記上部ハウジングを備え、前記UV光の平面は、前記4つの上部ハウジングによって4辺で境界付けられる、請求項
2に記載の消毒システム。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記UV光の平面をアフォーカルUV光として形成するミラーとレンズとの少なくとも一方を備える、請求項1に記載の消毒システム。
【請求項6】
前記ハウジングは、床よりも上方に配置され、前記UV光は
、隔離されたUVカーテンを形成するように前記床に向かって下方に向けられる、請求項
1に記載の消毒システム。
【請求項7】
前記UV光源に隣接する吸引システムをさらに備え、前記吸引システムは
、気積から空気を吸い出すように動作可能であり、前記空気は、病原体、不活性化した病原体又は死んだ病原体のうち少なくとも1つを含む、請求項
1に記載の消毒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、紫外線放射(以下、「UV光」又は「紫外線」と称する)及び/又はオゾンを用いる消毒装置に関する。本開示は、特に、肺や組織における感染症治療を行うための肺又はその他の組織の消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザ、コロナウイルス、他のウイルスや細菌等の多くの感染症は、呼吸器感染による死亡や罹患を引き起こす。場合によっては、この呼吸器感染が肺炎に進行し、このような感染による死亡や身体障害の主な原因となることがある。現在、他の分野の技術は大きく進歩しているにもかかわらず、ウイルス性肺炎には確実な治療法がないままである。現在の治療法は、患者自身の身体が自力で病気と闘うための抗体や免疫反応を獲得できるまでの十分な期間、患者を生存させることによるのみで、抗体や免疫反応を獲得できなれば死に至ってしまう。
【0003】
また、世界が相互に繋がり、その成長は未開拓の地にまで至るものとなり、世界的なパンデミックの危機がかなり増大している。このようなパンデミックには、最も新しいものではCOVID-19があるが、私達が知る通り、生活に大きな打撃を与える。つまり、何百万人もが死亡し、経済の停止を余儀なくされ、人々を孤立させる可能性がある。そのため、これらの感染症を効果的に治療することは、現在の生活様式を維持するために特に重要である。
【0004】
そこで必要となるのは、組織を消毒することによって感染した肺/臓器の治療において助けとなるシステムであって、それによって感染に対する身体の免疫反応を助けることができる。
【発明の概要】
【0005】
本願の主題は、場合によっては、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替的な解決策、及び/又は単一のシステム又は物品の複数の異なる用途に係る。
【0006】
ある態様では、内視鏡アセンブリを体組織の消毒用に提供する。内視鏡アセンブリは、ランプ、LED、他の光源等の紫外線(「UV」)光源を有し、また、前記紫外線光源に接続されて、内視鏡に沿って内視鏡の先端部まで延びる光ファイバケーブルを備える。この内視鏡は、内視鏡自体の長さに沿って位置及び方向/向きの調整が可能で、内視鏡を患者の肺や他の領域内に配置することが可能となり、組織の様々な領域にUV光を向けることができる。さらに、内視鏡は、先端部で内視鏡に取り付けられたミラー/レンズを有し、ミラーは位置の調整が可能で、内視鏡の端部から放出されるUV光を導くことができる。内視鏡は、また、先端部で、内視鏡の端部の近くに取り付けるレンズ/ミラーアセンブリを有する。レンズ/ミラーアセンブリは、位置の調整が可能であり、内視鏡の端部から放出するUV光を操作できる。
【0007】
他の態様では、消毒型人工呼吸器を提供する。この人工呼吸器は、加圧されたガス流を供給する空気流源に接続させた吸気ラインを有する。また、オゾン源も吸気ラインに接続され、患者の肺/内臓にオゾンを供給する。このオゾンが、オゾンに晒される組織を消毒するように作用し、それによって感染した肺や、その他の空気のアクセスが可能な組織の治癒を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態及びその制御システムの斜視図である。
図2は、患者の肺に挿入した本発明の一実施形態を示す図である。
図3は、本発明の他の実施形態の斜視図である。
図4は、本発明のさらに他の実施形態の斜視図である。
図5は、本発明の一実施形態のフローチャートである。
図6は、本発明の一実施形態の概略図である。
図7は、本発明のさらに他の実施形態の斜視図である。
図8は、本発明の他の実施形態の斜視図である。
図9は、本発明のさらに他の実施形態の斜視図である。
図10は、本発明の一実施形態の斜視側面図である。
図11は、本発明のさらに他の実施形態の斜視図である。
図12は、
図11の実施形態の側面図である。
図13は、本発明の一実施形態の斜視図である。
図14は、本発明の一実施形態のさらに他の斜視図である。
図15は、
図14に示す本発明のさらに他の実施形態の斜視図である。
図16は、本発明の一実施形態の側面図である。
図17は、本発明の他の実施形態の側面図である。
図18は、本発明の一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、本発明の現在の好ましい実施形態の説明として意図されるものであり、本発明が構成及び/又は利用され得る唯一の形態を示すものではない。この詳細な説明は、図示する実施形態に関連して本発明を構成し、操作するための機能及び一連の工程を明らかにするものである。
【0010】
本発明は、従来技術の多くの問題点を解決する。本開示は、ヒト又は動物の感染した組織を治療するために使用することができる新たな消毒システムに関する。本発明は、組織、及び、場合によっては、組織の周辺の液体を殺菌及び/又は消毒することに焦点を当てている。そうすることにで、組織及びその周囲の組織は、より清潔で感染の少ない環境でより治癒しやすくなり、新鮮/清浄な空気及び/又は液体に曝すことができる。さらに、組織を消毒することで、健康な組織への病気の蔓延を制限することができる。それにより、感染隔離の助けとなり、身体が、その働きに集中し、感染に打ち負かされないようにすることができる。実施形態は、概して、肺組織の治療に適用されるものとして開示するが、本発明は、もちろん、肺組織の治療に限定されるものではなく、実際に、あらゆる身体の組織に適用してもよい。
【0011】
紫外線(UV)光は、ウイルスや細菌、真菌を死滅させることが知られている。オゾンもまた、細菌とウイルスを死滅させる、よく知られた気体である。したがって、これらの2つの技術は、単独で又は組み合わせて使用され、感染した組織と周囲の空気及び液体の処置に非常に有用であると考えられる。これにより、組織や体の残りの部分を治癒させることが可能になる。
【0012】
本開示は、概して、消毒のためのシステム及び方法に関する。ある態様では、光ファイバUVケーブルを有する内視鏡を提供する。内視鏡は、肺又は身体の他の部分へ挿入して組織にUV光を向けることを可能にする。さらに、内視鏡は、UV光を、正確に拡大、増幅、合焦させ、特定の組織に向けるために、ミラー及び/又はレンズシステムのうち少なくとも1つを備える。特に、肺は、気管支樹と呼ばれる多数の枝分かれした気管支で形成されており、気管支は樹が先に行くにつれて小さくなっている。例えば、気管支樹の第3番目の分岐では、断面幅はわずか数ミリで、分岐が進むにつれてさらに小さくなる。そのため、肺には多くの届きにくい部分がある。それらの狭く枝分かれした部分に到達するために、内視鏡は、ミラー及び/又はレンズを使って、所望の組織領域に向けた細いUV光のビームを生成する。
【0013】
他の態様では、オゾン補充を行う人工呼吸器又はその他の空気供給システムを提供する。この人工呼吸器は、少量のオゾンを肺に供給するように動作可能であり、その結果、ウイルス及び細菌のような病原体を死滅させるか、又は不活性化する。このオゾンは低用量で供給されるため、組織の損傷は抑えられるが、効果的な消毒を行うことができる。人工呼吸器は、呼吸マスク、顔若しくは鼻マスク、鼻カニューレ、非侵襲性人工呼吸器、又は侵襲性の挿管型人工呼吸器等のあらゆるタイプの酸素/空気補充システムであってもよい。オゾンは、低流量の連続流、パルス流、周期的流等によって供給されてもよい。安全なオゾン曝露のためには特定のガイドラインがあり、例えば、OSHAガイドラインでは、2時間以内なら0.2ppm、軽作業で1日8時間なら0.1ppm、中程度の作業で1日8時間なら0.08ppm、重作業で1日8時間なら0.05ppmの曝露と規定している。オゾンは、この範囲において、人工呼吸器によって供給してもよいし、より高い消毒効果をより短時間で得るために、医師の指示によって、患者の許容範囲内で、供給量を増やしてもよい。患者の重症度によっては、より高いオゾンレベルが最終治療として許容されることもある。一実施形態では、人工呼吸器は、酸素及びオゾンのみを供給し、窒素曝露を制限してもよい。一実施形態では、呼気(expatiratory)ガスをUV及び/又はオゾン処理で消毒して、それによって、近くの医師及び健康な個人への感染の広がりを防止するようにしてもよい。
【0014】
さらに、これらの2つの消毒システムを組み合わせて使用してもよい。UV光源と内視鏡に加えて、オゾン人工呼吸器を備える複合システムが考えられる。このようなシステムでは、肺の狭い窪みの深部まで到達できるように、UV処理にオゾンを順次又は同時に補充してもよい。また、侵襲性人工呼吸器の場合、内視鏡も同時に肺に挿入して、オゾン処理を行いながら肺にUV光を供給するようにしてもよい。同様に、UV内視鏡は、任意に、内視鏡に隣接する組織にオゾンを適用できるオゾン及び酸素チューブを備えるようにすることもできる。
【0015】
ここで
図1に目を向けると、UV消毒型内視鏡アセンブリの一実施形態を示す図が示されている。内視鏡は、UV光源11を有する。UV光源11は、レーザ又は非レーザ光源であってもよい。ある実施形態では、UV光は、人間の組織を損傷することはないが、ウイルス、細菌、及び真菌のような病原体に対して致死的である特定の波長(又は複数の波長)を有するように選択してもよい。例えば、本明細書に開示される様々な実施形態のUV波長は、100~400nmの間の波長であってもよい。また、UV光は、水、肺液、及び他の体液のような液体を透過することができる特定の波長(又は複数の波長)を有するように選択してもよい。さらに他の実施形態では、UV光は、液体の消毒を強化するように、体液によって吸収される波長を有するように選択してもよい。多くの実施形態において、UV光源11は、異なる材料を消毒するために、複数の波長を発生させる、又は照射するように動作可能としてもよい。また、光学的又は電子的なフィルターを使用して、特定の波長を選択するようにしてもよい。
【0016】
発生したUV光は、UV光源11に接続されて、内視鏡12に沿って延びる光ファイバケーブルを介して内視鏡12内を通過する。内視鏡12の先端部には、光源11からのUV光が光ファイバケーブルの端から放出するライト15が設けられる。内視鏡12は、その長さに沿って位置及び方向/向きの調整が可能である。内視鏡は、本実施形態においては、アームを介して、独立に移動可能なミラー14を有する。ミラーアームは、位置及び向きの調節が可能であってもよく、いくつかの実施形態では、伸縮式又はその他の構造によって伸長可能であり、それによってミラー14を動かすようにしてもよい。ミラー14は、ある実施形態では、肺組織の小さな領域に収まり、光をさらに気管支内に向けることができるよう、かなり小さいものであってもよい。いくつかの実施形態では、ミラーは、直径が約1mm程度の小さいものであってもよい。
【0017】
レンズ18は、単一のレンズであってもよいし、複数のレンズの集合体であってもよい。レンズ18は、アームを介して、独立して移動可能である。レンズアームは、位置及び向きの調整が可能であってもよく、いくつかの実施形態では、伸縮式又はその他の構造によって伸長可能であり、それによってレンズ18又はレンズアセンブリを移動させることができる。レンズアセンブリの実施形態では、各レンズは独立して移動可能であってもよく、また、反射器及び/又はミラーを含んでいてもよい。レンズ18は、UV出口15からの光に対して収集、収束、拡散、合焦、拡大、方向転換、又はその他の操作を行うように動作する。レンズ18は、ライト15から放出される光の方向をさらに制御するように移動可能である。ある実施形態では、レンズ18又はレンズアセンブリは、光を非常に小さなビームに収集することができる。一実施形態では、レンズアセンブリは、気管支樹の一般的な枝内に入り込むように、UV光を約0.5~5mmの幅のビームにしてもよい。本実施形態では、内視鏡12及びその構成要素の制御は、コンピュータ17及びジョイスティック16によって実現する。もちろん、当該技術分野で知られている他の制御や、本明細書に開示されている他の制御、又は発明される他の制御を使用してもよい。内視鏡及びその構成要素の制御は、完全な手動制御から完全な機械操作制御までのいかなるものを含んでもよく、本発明の一部と考える。オペレータが内視鏡の先端部の周囲にあるものを見ることができるように、光ファイバケーブルによって直視可能としてもよく、又は、他の選択肢の中でも、カメラを内視鏡12の先端部又はその付近に配置して、内視鏡の周囲の写真をデジタル的に記録し送信するようにしてもよい。一実施形態では、第2の内視鏡は、肺の内部を見るために追加の光及びカメラを提供するものであってもよい。本実施形態の第1及び第2の内視鏡は、場合によっては、単一の管を通して体内に入るようにしてもよい。
【0018】
図2に見られるように、本発明の内視鏡は、例えば、患者の鼻を介して肺に入る気管支鏡として使用することができる。挿入されると、UV光を使用して、肺の組織の領域及び肺内の液体を消毒することができる。
【0019】
ここで
図3に目を向けると、内視鏡の他の実施形態が示されている。この図において、内視鏡12は、その先端部にライト18を有し、その反対端には、例えば、
図2で見ることができるように、UV光源(図示せず)が接続されている。内視鏡、ミラー14、及びレンズアセンブリ15の方向の制御は、この実施形態では、ミラー14用のケーブル31及びレンズアセンブリ15用のケーブル32の移動によって実現する。この実施形態では、ケーブル31は、ケーブル31を引いたり押したりする、コントローラ39内の1つ以上の電動コントローラによって制御され、コントローラは、順番に、ヒンジ33を中心にミラー14を回動させる。ケーブル32は、同様に動き、ヒンジ34を中心にミラーアセンブリ15を回動させる。他の実施形態では、複数のケーブルを使用してミラー及び/又はアセンブリを動かすようにしてもよく、水平方向及び垂直方向を含むより多くの運動軸が追加されてもよいが、運動軸は水平方向及び垂直方向に限定されるものではない。同様に、水平ヒンジ及び垂直ヒンジの両方、ボールソケット式ヒンジ、又は複数のボールソケット式ヒンジのような複数のヒンジを使用して、ミラーやレンズ及び/又はレンズアセンブリの追加の異なる動きを可能にするようにしてもよい。
【0020】
また、他の実施形態では、ケーブル31、32の押し引きの代わりに、2つの対向するケーブルを使用して、それぞれが反対方向へ移動するように引っ張られるようにしてもよい。例えば、一実施形態では、第1のワイヤは、内視鏡の長さに沿って延びて垂直ヒンジを介してミラー又はレンズ/レンズアセンブリに係合し、第1のワイヤの動きが垂直ヒンジを介して移動するようにし、第2のワイヤは、内視鏡の長さに沿って延びて水平ヒンジを介してミラー又はレンズ/レンズアセンブリに係合し、第2のワイヤの動きが水平ヒンジを介して移動するようにする。内視鏡自体の動きも、ミラー及び/又はレンズ/レンズアセンブリを操作するために使用することができる。
【0021】
もちろん、他の実施形態では、ミラー14及びレンズアセンブリ15を移動させる直接的な電動制御も可能であり、ミラー14及びレンズアセンブリ15は、ミラー14及びレンズアセンブリ15の方向の移動及び変更が可能なあらゆる他の移動構造のうち、可撓アームを用いて移動することができる。この実施形態では、これらの構成要素の制御は、電動コントローラ39の構成要素を制御するジョイスティック16によって実現する。
【0022】
図3は、さらに、吸引管39Bを有する消毒型内視鏡アセンブリの実施形態を示しており、吸引管39Bは、公知の内視鏡制御機構を用いて固定されてもよいし、独立して制御可能なものであってもよい。吸引管39Bは、真空ポンプ、低圧源、ファン等の吸引装置30に接続する。吸引管39Bは、吸引によって、肺内の感染した液体又はその他の液体を機械的に除去するように動作可能である。ある実施形態では、肺内の液体は、一度消毒されると薄くなることがあり、したがって、吸引管39Bを使用して除去することがより容易になる。他の実施形態では、吸引管39Bは、UV光を当てる前に液体を除去するために使用してもよく、UV光の邪魔となる液体を取り除き、組織のより効率的かつ効果的な消毒を可能にすることができ得る。同様の配置としては、吸引管を、多くの場合空気又は酸素と混合されているオゾンを内視鏡付近の組織に導くことができるオゾン管で置き換える又は補足する配置が考えられる。
【0023】
図3のレンズアセンブリ15は、凸レンズ35及び/又は凹レンズ36を備えており、それぞれがアーム37によって接続されつつも独立して移動が可能であってよい。レンズアセンブリ15は、反射器と共に異なるタイプの複数のレンズを有し、チップ又はLEDによってライト18から放出した、又はライト18の端部で発生したUV光を効率的に合焦、拡大、及び整列させるようにしてもよい。このようなレンズアセンブリ15は、例えば、凸レンズ35を用いて集光し、次に凹レンズ36を用いてアフォーカルビームの光を揃えるように動作する、又は、体外からの制御システムを通じて、レンズアセンブリが凹レンズ又は凸レンズとして動作するようにレンズアセンブリを変更するアフォーカルアセンブリであってもよい。
【0024】
ここで
図4に目を向けると、消毒用オゾン流を供給する人工呼吸器が示されている。
図5は、このシステムの動作の一実施形態のフローチャートを示し、
図6は、オゾン消毒を伴う人工呼吸器の他の実施形態の概略図である。上述のように、本システムは、単体の消毒システムとして使用してもよいし、上述したUV光消毒型内視鏡と組み合わせて、順番に又は同時に使用してもよい。
【0025】
人工呼吸器は、制御可能な速度及びスケジュールで空気流をポンプで送る又は制御するコントローラ40を有し、患者のために呼吸を行う、又は補足的な空気/酸素の流れを供給する。この流れは、簡潔にする目的で、空気流42と称するが、空気/酸素の様々な組合せであってもよい。吸気流の全部又は一部である空気流42は、加湿器41を通過して空気を湿らせたり、場合によっては、暖めたりする。空気流42は、ホースを通って、本実施形態では、フェイスマスク43に至る。空気流42の経路の途中で、オゾン流45は、ホースを介して空気流42に合流する。オゾンが空気流に合流する下流には、空気流42とオゾン流45からなる混合した消毒吸気流46がある。一実施形態では、オゾン管は、空気流42とオゾン流45の偶発的な混合を防ぐための安全機能として、空気流管42と異なる色及び/又は大きさとする。オゾン源44は、オゾン流45を提供する。オゾン源44は、他の選択肢ののうち、オゾン発生器であってもよい。オゾン源44はまた、プログラミング、センサの読み取り値、又はそれら2つの組み合わせに基づいてオゾンの流れを開始及び停止する制御弁を有する。本実施形態では、患者からの呼気ガス47が消毒される。これは、この実施形態では、呼気ガス47を照射するUV光と、さらなる消毒を行うためのオゾン流49とを備える消毒ユニット48で行われる。他の実施形態では、UV及びオゾン消毒のうちの1つのみを使用してもよい。出口空気50は、その後、安全に大気へ排気してもよいし、人工呼吸器コントローラ40に再利用してもよい。
【0026】
図6は、消毒型人工呼吸器システムのさらに他の実施形態を示す他の図である。この図において、吸気流42は、オゾン源44からのオゾンと混合され、消毒用吸気流46を形成する。この消毒流46は、消毒流46に紫外線を照射したUV消毒ユニット61を通過することによってさらに消毒されて、患者の肺に病原体が入らないようにすることができる。この消毒流62は、その後、マスク43又は人工呼吸器の他の入口構造(鼻腔チューブ、挿管等)に送られる。
【0027】
図7及び
図8は、UV光を使用して、通過する表面、具体的には、人及びその衣服、髪等を消毒する消毒通路を示す図である。多くの実施形態では、上記の消毒システムと同様に、UV光は、皮膚、眼組織、及び内部組織を含む人間の組織には損傷を与えないが、ウイルス、細菌、及び真菌等の病原体に対しては致死的である、当該の分野で公知の特定の波長(又は、複数の波長)を有するように選択してもよい。この実施形態では、消毒通路システム70は、直線状又は曲線状の側壁72及び頂部71を介して矩形又は凹形の通路を形成している。これらは、従来の金属探知機とほぼ同様の大きさであり、いくつかの実施形態では、滞留時間を増加させるために、より長い通路、より大きな空間を有している。いずれにしても、通路70は、平均的な体格の人が頂部71の下で側壁72の間を通過できる程度の大きさである必要がある。頂部71と側壁72に囲まれた内側には、頂部から下向きに、かつ側壁72の前面73から外向きに紫外線を供給する1つ以上のUVランプ74が設置されている。1つ以上のミラーを使用して、光を反射させ、前面73に向かって外向きとなるようにしてもよい。このミラー壁は、通路の中心に向けられたUV光を増倍及び拡大するためのものである。消毒通路70は、ユーザが通過するときに消毒されるように、任意の建物又は区域の入口に配置してもよい。例としては、多くの他の選択肢のうち、病院の玄関、医院、ビルの出入口、空港の出入口、空港の飛行機への出入口や保安区域、公共交通機関の駅や公共交通機関の車両の出入口、オフィスビルの出入口、住宅の出入口等が含まれるが、これらに限定されるものではない。ここに示す実施形態では、側壁72の前面73は、円弧状の形状を有するように形成され、約120~180度のUV光の弧ができる。もちろん、実施形態よっては、平坦な面を含む、他の形状が使用されてもよい。さらに、
図8の実施形態では、側壁72は、消毒通路70の周囲の領域を消毒するために外側に向けることができるように回転可能である。この使用態様は、通路70を通過する者を消毒するために使用されていない夜間又は時間外にも使用することができる。回転は、電動式、手動式、バネ式等の回転としてもよい。一実施形態では、側壁72は、側壁72の全て又は一部に亘る中心軸又は支持体に回転可能に接続してもよい。側壁は、内向き位置と外向き位置との間を移動するように、長軸に沿ってこの要素を中心にして回動することができる。もちろん、ここでは、前面73が内側と外側の両方を向くように側壁72を回転させることができるあらゆる構造を想定している。この特定の実施形態では、アイプロテクタ75を前面73のほぼ目の高さに配置し、これによりユーザの目に影響を与える直接的なUV光を制限している。目の保護具は、異なる実施形態で使用又は提供してもよい。例えば、通路に入る前に、使い捨ての暗い眼鏡の箱(図示せず)を人々が使用できるようにしてもよい。
【0028】
図9は、本開示の他の実施形態の透視図である。この図は、口の消毒をするためにUV放射を利用する本発明の一態様を示す。マウスピース91は、この実施形態では複数のUV-LED94として示す、1つ以上のUV光源を備える。他の実施形態では、光ファイバ及び/又はマウスピース材料を使用して、UV光をマウスピース91から外側に向けるようにしてもよい。操作中は、マウスピース91は、ユーザの口の中に置かれ、ユーザの歯の上に合わせるようする。他の実施形態では、ユーザの歯茎がマウスピース91によって覆われるか又は包まれるようにしてもよい。マウスピース91を所望の位置に配置する際、又は、場合によっては、マウスピース91を所望の位置に配置する前に、UV光源94によって、UV光を一定時間活性化するようにしてもよい。この時間量は、マウスピース91からのUV光に晒される組織の望ましい殺傷/消毒/滅菌ができるように選択する。口腔内の歯垢、細菌、ウイルス、真菌、及びその他の病原体を、この処理によって破壊することができる。光は、上方及び/又は下方に向けてもよい。場合によっては、2つのマウスピースを使用してもよく、2つのマウスピースは、それぞれがUV光源94を有し、一方のマウスピースを上の歯用に、他方を下の歯用に使用するようにしてもよい。この実施形態では、電源93とコード92とによって電力をUV光源94に供給する。場合によっては、UV光源からの治療の後、ユーザは、歯及び/又は歯茎を磨いてもよく、及び/又は水又はその他の洗浄液ですすいで、それによって死んだ組織及び他のほぐれた材料を除去してもよく、その後、さらに、任意で、マウスピースからのUVでの処理を繰り返してもよい。壁コンセント又は電力網からの電気に頼るのではなく、電源を提供するために、例えば光源94の下で電池を使用してもよいし、そうでなければ、電池を光源94に接続してもよい。
【0029】
図10は、本発明のさらに他の実施形態を示す図である。この実施形態では、感染した組織及び/又は感染しやすい組織に消毒用UV光を照射するために、手持ち式のUV光源を提供する。回動ヘッド102は、ハンドル101に接続されている。回動ヘッド102の端部103には、LEDや光ファイバケーブルの端部のようなUV光源104が設けられている。UV光源104は、耳、鼻、目、口、喉、副鼻腔等のユーザの体内に配置されてもよい。活性化されると、UV光に晒された組織を消毒できる。この図では、電源93がUV光源104に接続されており、ケーブル92を介して電力を供給する。もちろん、この実施形態のバッテリー作動型のものを使用してもよい。理解できる通り、回動ヘッド102の端部103は、あらゆる形状とすることができ、実施形態によっては、細長くて小さい柔軟な突出部を含み、身体の所望の領域に到達可能にすることができる。光源104及び/又は回動ヘッド103の端部は、UV光を所望の場所に合焦させる/向けるシステムを有していてもよい。UV光は、ツールの先端で他の光と一緒になって、可視スペクトル上の光で組織又は表面を照らし、さらに特定の組織を視覚的に診察し、観察し、治療することができる。
【0030】
図11は、本発明のさらに他の実施形態を示す図である。この図では、UV光源、カメラ、吸引管及び液体噴射チューブを備えた舌圧子スティック又は同様の細長い、比較的幅広のツールの実施形態を示す。この実施形態では、細長いツール118の大きさは、ほぼ平坦な楕円形及び細長い形状を有する舌圧子と同様である。LED又は光ファイバケーブルの端部等のUV光源94は、ツール本体118の先端部に配置される。カメラ113もまたツール本体118の先端部に配置され、オペレータが、ツール先端部がどこに位置するのかが分かるようにすることができ、また、UV光源94又はツールの他の構成要素を所望の領域に向けることができる。例えば、UV光源94をどこに向けるかをオペレータに知らせるカメラによって視覚的に誘導されながら、UV光源94によって、感染した膿瘍や傷を標的に設定して消毒するようにしてもよい。ディスプレイ111は、112を介してカメラ113に接続されており、オペレータは、カメラが見ているものを「見る」ことができる。同様に、電源93は、ケーブル92を介してUV光源94に電力を供給する。もちろん、他の実施形態では、バッテリー作動型のシステムも想定している。ある実施形態では、UV光源94は、ツール本体118に対して遠隔的に移動可能であってもよく、一方で、他の実施形態では、ツール本体118に対して所定の位置に固定してもよい。本発明のこの実施形態は、口及び喉の感染組織の治療に特に有用であり得る。
【0031】
吸引管119は、本体118の長さに亘ってツール本体118の先端部にある開口部まで延びている。吸引管の他端は、チューブ115を介して、真空、ポンプ、他の同様の構造等の吸引源114に接続されている。スプレー管120は、本体118の長さに亘ってツール本体118の先端部にある開口部まで延びている。スプレー管120の他端は、ホース117を介して、液体又は加圧空気を噴霧するための圧力を供給する圧力源116に接続されている。スプレー管120は、死んだ組織又は余分な組織及び/又は体液を取り除くように動作してもよく、その領域をきれいにするためにUV光処理の前又は後のいずれかに使用されてもよい。
【0032】
図12は、
図11のツールの一実施形態の側面図であり、この実施形態では、調節可能なヒンジを本体の先端部に有する。ヒンジ122は、ツール118の先端部にある凹部又は窪みによって形成されたソケット121内で回転可能である。ヒンジ122に取り付けられたカメラ112及びUV光源94は、順番に、本体の平面に対して上下に移動させることができる。この制御は、モータによる電子的なものであってもよいし、ワイヤ又はシャフトの動きによる手動的なものであってもよい。
【0033】
図13は、
図11の実施形態の手持ち式アセンブリの図である。
図11のように、ツールは、その先端部に取り付けられたカメラ112及びUV光源94を有する細長い、比較的平らで幅広のツール本体118を有する。この実施形態では、ツール本体118は、伸縮可能で屈曲可能なシャフト113に、直接又はヒンジ134を介して取り付けられている。シャフトの反対側の端部では、ハンドル131によって装置の操作を可能にする。複数のボタン132は、UV光源94の作動及び停止、カメラ112の制御、ハンドル131に対するツール本体118、カメラ112及び/又はUV光源94の位置の調整等を含むツール本体118の制御を可能にする。ディスプレイ111がハンドル131に取り付けられ、カメラ112に接続されることで、カメラが「見ている」ものを見ることができるようになり、消毒のために、UV光源94を適切な領域に向ける助けとなる。その後、UV光源を一定期間活性化して、UV光源が向けられた、感染した組織及び/又は感染しやすい組織等の領域を消毒することができる。
【0034】
図14~
図18は、病原体に対する障壁として作用し、病原体から領域を完全に又は部分的に隔離し、病原体が広がることを制限するために、UV光の1つ以上の領域を画定するよう動作するUV消毒カーテンの一実施形態を示す図を示す。上述の通り、また、実施形態全体を通して参照されるように、UV光の特定の波長は、人体組織を損傷することはなく、病原体に対して高い致死性を持つ。これらの波長を使って、平面を横切って延びる光の消毒「カーテン」又はバーを画定することができる。この光を通過する感染性物質は、死滅又は不活性化され得る。複数の光のカーテンを使用して、ある領域を完全に又は部分的に生物学的に隔離することにより、公共の場、特に公共の場に近い場所での感染のリスクを大幅に低減し得る。UV光のビームは、どのような方法で形成してもよく、ほとんどの実施形態では、UV光の細長い長方形の断面を画定する。この光は、UVカーテンの光強度を強化するためにいくつかの実施形態において反射されるようにしてもよく、又は、単に、吸収、反射/屈折、及び、そうでなければ、散乱される表面に向けるようにしてもよい。
【0035】
図14に示すように、障壁又は「カーテン」として作用する側面UV消毒ゾーンを有する椅子を設けて、第2の椅子への側面から側面への病原体の伝達を制限する。座部141は、脚部142と背部143を有する。座部141の左側と右側には、それらを通過するあらゆる材料を消毒する垂直な平面UV光を提供する2つのUVアレイがある。椅子の上部には上部ハウジング144が接続され、座部146付近には下部ハウジング146が接続されている。他の実施形態では、下部ハウジングをより低くして、上部ハウジングをより高くしてもよい。上部ハウジング144内のUV光源(ランプ、LED等)は、下部ハウジング146にUV光を向けて、椅子の後部から前部まで、上部及び下部ハウジング144、146の間に延びる消毒用UV光の矩形平面カーテン145を形成する。飛行機の座席に適用される同様の実施形態を
図15に示す。プライバシー及び隔離をさらに高めるために、物理的なカーテンを、前方及び後方に引き出される座席の間に配置してもよい。他の実施形態では、前部、後部、上部及び下部の光の消毒平面を使用して病原体伝播からのさらなる隔離を実現してもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジング146は、上部ハウジング144から放出される光のビームに対して垂直であって、UV光を返すミラーを備えていてもよく、それによってUV光カーテンの強度を増加する。更に他の実施形態では、上部ハウジング144の代わり、又は上部ハウジング144に加えて、UV光源を下部ハウジング146に配置してもよい。レンズ、ミラー及び開口部は全て、UV光源から出射される光ビームを制御、合焦及び整列させるために、各ハウジングにおいて使用してもよい。これは、
図16及び
図17で見ることができる。
図16において、UVランプ又はその他の光源161は、上部ハウジング144内に形成された放物面鏡の焦点に配置される。第2の放物面鏡162は、ランプ161の前に配置され、放物面の焦点を通して光を返し、UV光カーテン145として平行に導く。入射光145に対して垂直なミラーは、この実施形態では、下部ハウジング146上に配置する。
図17において、レンズ171又は複数のレンズを使用して、ランプ161からの発散光をアフォーカルな平行ビームに調整する。
【0036】
図18は、内部を完全に隔離するために、障壁又は「カーテンで覆われた」空間及び覆われた上面として長方形のUV光面を作成する、この発明の実施形態を示す図である。この図では、4つの上部ハウジング144が矩形に形成されている。他の実施形態では、UV光の平面がハウジングの周囲ほぼ全体又は全体から放出されるように、ハウジングの他の囲まれた形状を使用してもよい。これらの4つの上部ハウジングは、上記の実施形態で説明したように、UV光をカーテン145内で下方に向ける。これらの上部ハウジングの1つ以上は、また、上部ハウジングによって画定された領域を横切るように、その領域にUV光の平面を導くように構成してもよい。このように、床、上部UVカーテン、前部、後部、及び側部カーテンは、椅子143及びその上に座る任意の人を囲むように1つに組み合わされるようにしてもよい。1つの特定の非限定的な実施形態において、これを病院で使用して、患者、医師、スタッフ等のための「清潔な」領域を作り出すようにしてもよい。
【0037】
他の実施形態では、吸引/真空ポンプ、ファン、又はその他の空気移動構造が、UVカーテンによって画定される気積に空気を押し入れたり引き出したりするようにしてもよい。空気がUV光を通過するとき、空気中の病原体は、脆弱化、不活性化、又は死滅させられる。この構造体は、ハウジングの一方又は両方に、又はハウジングの一方又は両方内に接続することができ、ハウジング(又は、複数のハウジング)の近くに配置され、ハウジングが接続される椅子又はその他の構造体に接続され、UV光障壁で保護される気積内又はそれに隣接して配置されて、光障壁の反対側の気積と連通するような構造体である。作動中は、潜在的に病原体を運ぶ空気は、保護領域の周囲から引き離され、及び/又は保護領域内から除去される。これは、空気流の一部としてUV障壁を通過した、又はUV障壁を通過する可能性がある、脆弱化、損傷した、又は破壊された病原体を含む、あらゆる病原体を引き離すように動作する。これにより、気積内へ清浄な空気が流れるようになり、その領域の安全性がさらに向上する。UV光源と同じハウジングに吸引システムを有する特定の実施形態では、1つ又は複数の通気口が、病原体と共にUV光に晒された死滅又は損傷した病原体を除去するために空気を効率的に取り込むように、ハウジングに沿って間隔をあけて配置してもよい。複数のランプ又はLEDのような複数のUV光源を有するハウジングの実施形態では、通気口は、異なる光源の間に配置するようにしてもよい。
【0038】
本発明のいくつかの変形を、好ましい又は特定の実施形態において例として示してきたが、本発明の精神及び範囲、又はその発明概念の範囲内で、さらなる実施形態が開発され得ることは明らかである。しかし、そのような変更及び適応は、本発明の精神及び範囲内であって、以下に規定した添付の請求項を包含するものではあるが、それらに限定されるものではないことが明示的に理解されるものとする。さらに、本発明の特定の態様は、特定の実施形態によって開示されているが、実施形態のこれらの異なる態様は、他の実施形態と組み合わせたり、交換したりし得ると理解されるべきである。実際に、この書面による開示によって、開示された実施形態のあらゆる要素、工程、又はその他の態様は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態に等しく適用され得るものである。