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特許7421702エネルギー吸収構造体、航空機用座席及び航空機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】エネルギー吸収構造体、航空機用座席及び航空機
(51)【国際特許分類】
   B64D 25/04 20060101AFI20240118BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20240118BHJP
   F16F 7/12 20060101ALI20240118BHJP
   A43B 13/18 20060101ALI20240118BHJP
   A43B 17/06 20060101ALI20240118BHJP
   B60N 2/42 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B64D25/04
F16F7/00 B
F16F7/00 C
F16F7/12
A43B13/18
A43B17/06
B60N2/42
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019196724
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021070358
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】519015117
【氏名又は名称】株式会社SkyDrive
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】松橋 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】杉下 真一
(72)【発明者】
【氏名】浦田 一生
(72)【発明者】
【氏名】金子 靖仙
(72)【発明者】
【氏名】長尾 裕史
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-022974(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0279140(US,A1)
【文献】特開昭52-002933(JP,A)
【文献】特開2006-123802(JP,A)
【文献】米国特許第04593870(US,A)
【文献】特開昭49-080478(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102390136(CN,A)
【文献】特開平08-238697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 25/04
B64C 1/00
B64C 1/18
F16F 7/00
F16F 7/12
A43B 13/18
A43B 17/06
B60N 2/42
B32B 3/12
F41H 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する複数の曲げ部において曲がった板材からなるコルゲート構造が、前記第1方向と直交する第2方向に複数積層されて構成され、
隣接する複数の前記コルゲート構造により、前記第1方向をセル軸方向とする複数のセルが形成され、
前記複数のセルが、前記第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向とに並んでおり、
前記第2方向の変形により緩衝用として用いられるエネルギー吸収構造体であって、
前記複数のコルゲート構造には、前記第1方向から見て直線状をなす直線部を備えた直線コルゲート構造が含まれており、
前記複数のセルには、前記第3方向の対辺が前記第2方向に対して傾斜し且つ互いに平行に配置された対辺平行セルが含まれているエネルギー吸収構造体。
【請求項2】
第1方向に延在する複数の曲げ部において曲がった板材からなるコルゲート構造が、前記第1方向と直交する第2方向に複数積層されて構成され、
隣接する複数の前記コルゲート構造により、前記第1方向をセル軸方向とする複数のセルが形成され、
前記複数のセルが、前記第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向とに並んでおり、
前記第2方向の変形により緩衝用として用いられるエネルギー吸収構造体であって、
前記複数のセルには、開セルが含まれており、
前記開セルに対する前記第3方向の両側には、前記第2方向に隣り合う一対の前記コルゲート構造同士の一対の接触部が配置されており、
前記一対の接触部のうち少なくとも前記第3方向の外側に位置する前記接触部では、前記一対のコルゲート構造同士が非結合とされており、
前記一対のコルゲート構造は、前記第1方向から見た場合に、一方の前記接触部から他方の前記接触部までの部分の長さが異なっているエネルギー吸収構造体。
【請求項3】
前記対辺平行セルの内側には、前記第3方向の対辺に沿い且つ前記第2方向の対辺の少なくとも一方に結合された傾斜板が設けられている請求項1に記載のエネルギー吸収構造体。
【請求項4】
前記第2方向及び前記第3方向に隣り合う4つの前記対辺平行セルが、前記第2方向に複数段に並んでいる請求項1又は請求項3に記載のエネルギー吸収構造体。
【請求項5】
前記第2方向の中間に位置する中間層と、前記第2方向の両外側に位置する一対の外側層とによって構成され、
前記中間層は、前記第2方向及び前記第3方向に隣り合う4つの前記対辺平行セルによって構成されており、
各前記外側層は、各々が前記第1方向から見て波形状をなし且つ前記第2方向において互いに対称に配置された一対の前記コルゲート構造が前記波形状の頂点部同士を互いに結合されて構成されている請求項1又は請求項3に記載のエネルギー吸収構造体。
【請求項6】
航空機のキャビンの床部の上方に配置され、前記航空機の乗員が着座する座席本体と、
前記航空機の上下方向を前記第2方向として前記座席本体と前記床部との間に配置される請求項1~請求項5の何れか1項に記載のエネルギー吸収構造体と、
を備えた航空機用座席。
【請求項7】
キャビンを有する機体と、
前記キャビンの床部の上方に配置された前記座席本体と前記床部との間に前記エネルギー吸収構造体が配置された請求項6に記載の航空機用座席と、
を備えた航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー吸収構造体、該エネルギー吸収構造体を備えた航空機用座席、及び該航空機用座席を備えた航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、航空機の座席に座る搭乗者を不時着時等の着地衝撃から保護する着地衝撃吸収装置が開示されている。この装置は、座席を所定位置に保持する一方、所定の着地衝撃が加えられた場合に座席の上記所定位置からの降下を許容する座席保持降下手段(シアピン)と、上記所定位置から降下した座席を下方から支持するエアバッグと、を備えている。この装置では、着地衝撃のエネルギーを、シアピンを折損させるエネルギーに転換して消費すると共に、降下した座席によりエアバッグを圧縮させて着地衝撃をさらに吸収するようにしている。
【0003】
下記特許文献2には、回転翼航空機の座席に座る搭乗者を不時着時等の着地衝撃から保護する着地衝撃吸収装置が開示されている。この装置は、座席の下方に配置され、座席が取り付けられた座席下方部分が分離するように構成された床板と、床板の座席下方部分と床板の他の部分とを連結する一方、所定の着地衝撃が加えられた場合に座席下方部分を上記他の部分から分離させ降下させる床降下手段(シアピン)と、セル軸が上下方向に延在するように配置された板状のハニカムコアを有し、降下した座席下方部分を下方から支持して着地衝撃を吸収する衝撃吸収手段と、を備えている。この装置では、着地時の衝撃エネルギーを、座席下方部分を分離・降下させるためのエネルギーに変換して消費すると共に、ハニカムコアのセル軸方向の塑性変形により着地衝撃をさらに吸収するようにしている。
【0004】
下記特許文献3には、航空機等に搭載されるエネルギー吸収構造が開示されている。この構造では、ハニカム状に配置された複数のセルを有するハニカムコアと、複数のセル内に挿入され、衝撃が加えられたときに破壊可能な複数の筒状部材とを備えている。この装置では、着地時の衝撃エネルギーを、ハニカムコアのセル軸方向の圧壊と、複数の筒状部材の軸方向の圧壊とによって吸収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-123802号公報
【文献】特開2006-232075号公報
【文献】特開2010-169115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載された先行技術のように、エアバッグを用いて着地衝撃のエネルギーを吸収する構成では、エアバッグの圧縮初期における荷重の立ち上がりが緩やかであるため、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することが困難である。この点、上記特許文献2、3に記載された先行技術のように、ハニカムコアをセル軸方向に塑性変形(圧壊)させて着地衝撃のエネルギーを吸収する構成では、ハニカムコアの圧壊初期に荷重が立ち上がるため、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかしながら、ハニカムコアをセル軸方向に圧壊させる際には、圧壊(変形)の初期にピーク荷重が発生する傾向がある。このピーク荷重の発生により、搭乗者に作用する慣性力の最大値が高くなるため、搭乗者に与える影響を少なくする観点で改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができると共に、変形初期にピーク荷重が発生し難いエネルギー吸収構造体、該エネルギー吸収構造体を備えた航空機用座席、及び該航空機用座席を備えた航空機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様のエネルギー吸収構造体は、第1方向に延在する複数の曲げ部において曲がった板材からなるコルゲート構造が、前記第1方向と直交する第2方向に複数積層されて構成され、隣接する複数の前記コルゲート構造により、前記第1方向をセル軸方向とする複数のセルが形成され、前記複数のセルが、前記第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向とに並んでおり、前記第2方向の変形により緩衝用として用いられる。
【0009】
第1の態様のエネルギー吸収構造体は、第1方向に延在する複数の曲げ部において曲がった板材からなるコルゲート構造が、第1方向と直交する第2方向に複数積層されて構成されている。そして、隣接する複数のコルゲート構造により、第1方向をセル軸方向とする複数のセルが形成されている。複数のセルは、第2方向と、第1方向及び第2方向に直交する第3方向とに並んでいる。
【0010】
このエネルギー吸収構造体に対して第2方向の衝撃が加わると、各セルが第2方向に変形する(潰れる)ことにより、衝撃エネルギーが吸収される。この際、各コルゲート構造は、複数の曲げ部の曲げ角度が減少するように変形していく。この変形の初期には荷重が立ち上がるが、変形が進むに従って曲げ部に作用するモーメントが増加していく。これにより、良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、各曲げ部での曲げ変形が支配的となるため、ハニカムコアをセル軸方向に圧壊(変形)させる構成と比較して、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。
【0011】
第2の態様のエネルギー吸収構造体は、第1の態様において、前記複数のセルには、閉セルが含まれており、前記閉セルに対する前記第3方向の両側には、前記第2方向に隣り合う一対の前記コルゲート構造同士の一対の結合部が配置されており、前記一対のコルゲート構造は、前記第1方向から見た場合に、一方の前記結合部から他方の前記結合部までの部分の長さが同等である。
【0012】
第2の態様のエネルギー吸収構造体では、複数のセルに含まれる閉セルに対する第3方向の両側には、第2方向に隣り合う一対のコルゲート構造同士の一対の結合部が配置されている。そして、上記一対のコルゲート構造は、第1方向から見た場合に、上記一対の結合部における一方の結合部から他方の結合部までの部分の長さが同等とされている。これにより、このエネルギー吸収構造体に対して第2方向の衝撃が加わった際に、閉セルを、セル壁における局所座屈を発生させずに潰すことが可能となる。
【0013】
第3の態様のエネルギー吸収構造体は、第1の態様又は第2の態様において、前記複数のセルには、開セルが含まれており、前記開セルに対する前記第3方向の両側には、前記第2方向に隣り合う一対の前記コルゲート構造同士の一対の接触部が配置されており、前記一対の接触部のうち少なくとも前記第3方向の外側に位置する前記接触部では、前記一対のコルゲート構造同士が非結合とされており、前記一対のコルゲート構造は、前記第1方向から見た場合に、一方の前記接触部から他方の前記接触部までの部分の長さが異なっている。
【0014】
第3の態様のエネルギー吸収構造体では、複数のセルに含まれる開セルに対する第3方向の両側には、第2方向に隣り合う一対のコルゲート構造同士の一対の接触部が配置されている。上記一対のコルゲート構造は、第1方向から見た場合に、上記一対の接触部における一方の接触部から他方の接触部までの部分の長さが異なっているが、上記一対の接触部のうち少なくとも第3方向の外側に位置する接触部では、上記一対のコルゲート構造同士が非結合とされている。これにより、このエネルギー吸収構造体に対して第2方向の衝撃が加わった際に、開セルを、セル壁における局所座屈を発生させずに潰すことが可能となる。
【0015】
第4の態様のエネルギー吸収構造体は、第1の態様第3の態様の何れか1つの態様において、前記複数のコルゲート構造には、前記第1方向から見て曲線状をなす曲線部のみで構成された曲線コルゲート構造が含まれている。
【0016】
第4の態様のエネルギー吸収構造体では、複数のコルゲート構造に含まれる曲線コルゲート構造は、第1方向から見て曲線状をなす曲線部のみで構成されている。この曲線コルゲート構造では、第2方向の衝撃によって座屈が生じ難い。
【0017】
第5の態様のエネルギー吸収構造体は、第1の態様第3の態様の何れか1つの態様において、前記複数のコルゲート構造には、前記第1方向から見て直線状をなす直線部を備えた直線コルゲート構造が含まれている。
【0018】
第5の態様のエネルギー吸収構造体では、複数のコルゲート構造に含まれる直線コルゲート構造は、第1方向から見て直線状をなす直線部を備えている。この直線コルゲート構造は、成形が容易である。
【0019】
第6の態様のエネルギー吸収構造体は、第5の態様において、前記第2方向に隣り合う前記直線コルゲート構造同士が、各々の前記直線部において互いに結合されている。
【0020】
第6の態様のエネルギー吸収構造体では、第2方向に隣り合う直線コルゲート構造同士が、各々直線部において互いに結合されているので、結合が容易である。
【0021】
第7の態様のエネルギー吸収構造体は、第5の態様又は第6の態様において、前記複数のセルには、前記第3方向の対辺が前記2方向に対して傾斜し且つ互いに平行に配置された対辺平行セルが含まれている。
【0022】
第7の態様のエネルギー吸収構造体では、複数のセルに含まれる対辺平行セルは、第3方向の対辺が第2方向に対して傾斜し且つ互いに平行に配置されているので、第2方向の変形過程が安定する。なお、第7の態様に記載の「平行」には、完全に平行な場合の他、略平行な場合が含まれる。この点は、第8の態様第10の態様においても同様である。
【0023】
第8の態様のエネルギー吸収構造体は、第7の態様において、前記対辺平行セルの内側には、前記第3方向の対辺に沿い且つ前記第2方向の対辺の少なくとも一方に結合された傾斜板が設けられている。
【0024】
第8の態様のエネルギー吸収構造体では、対辺平行セルの内側に設けられた傾斜板は、対辺平行セルにおける第3方向の対辺に沿い且つ第2方向の対辺の少なくとも一方に結合されている。この対辺平行セルに対して第2方向の衝撃が加わると、第3方向の対辺と一緒に上記の傾斜板が第3方向に沿う方向へ倒れるように変形していく。この傾斜板の追加により、エネルギー吸収量を増加させることができると共に、対辺平行セルの変形を安定させることができる。
【0025】
第9の態様のエネルギー吸収構造体は、第7の態様又は第8の態様において、前記第2方向及び前記第3方向に隣り合う4つの前記対辺平行セルが、前記第2方向に複数段に並んでいる。
【0026】
第9の態様のエネルギー吸収構造体では、第2方向及び第3方向に隣り合う4つの対辺平行セルが、第2方向に複数段に並んでおり、同様の断面が第2方向に複数段に並んでいる。これにより、第2方向の変形を安定させ易くなる。
【0027】
第10の態様のエネルギー吸収構造体は、第7の態様又は第8の態様において、前記第2方向の中間に位置する中間層と、前記第2方向の両外側に位置する一対の外側層とによって構成され、前記中間層は、前記第2方向及び前記第3方向に隣り合う4つの前記対辺平行セルによって構成されており、各前記外側層は、各々が前記第1方向から見て波形状をなし且つ前記第2方向において互いに対称に配置された一対の前記コルゲート構造が前記波形状の頂点部同士を互いに結合されて構成されている。
【0028】
第10の態様のエネルギー吸収構造体は、第2方向の中間に位置する中間層と、第2方向の両外側に位置する一対の外側層とによって構成されている。中間層は、第3方向及び第2方向に隣り合う4つの対辺平行セルによって構成されている。各外側層は、各々が第1方向から見て波形状をなし且つ第2方向において互いに対称に配置された一対のコルゲート構造が波形状の頂点部同士を互いに結合されて構成されている。これらの外側層は、上記の中間層よりも第2方向の剛性を高く設定することができる。その結果、このエネルギー吸収構造体に対して第2方向の衝撃が加わった際には、上記の中間層が先行して第2方向に潰れることにより、その後に各外側層が第2方向に潰れる際の変形を安定させることができる。
【0029】
第11の態様の航空機用座席は、航空機のキャビンの床部の上方に配置され、前記航空機の乗員が着座する座席本体と、前記航空機の上下方向を前記第2方向として前記座席本体と前記床部との間に配置される第1の態様第10の態様の何れか1つの態様のエネルギー吸収構造体と、を備えている。
【0030】
第11の態様の航空機用座席では、航空機のキャビンの床部の上方に配置され、航空機の乗員が着座する座席本体と、上記の床部との間に、第1の態様第10の態様の何れか1つの態様のエネルギー吸収構造体が配置される。このエネルギー吸収構造体は、航空機の上下方向を第2方向として配置される。このため、例えば航空機が不時着する際には、このエネルギー吸収構造体に対して第2方向に着地衝撃が加わる。このエネルギー吸収構造体は、第1の態様第10の態様の何れか1つの態様に記載されたものであるため、上記のように着地衝撃が加わった際には、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができると共に、変形初期にピーク荷重が発生し難くなる。
【0031】
第12の態様の航空機は、キャビンを有する機体と、前記キャビンの床部の上方に配置された前記座席本体と前記床部との間に前記エネルギー吸収構造体が配置された第11の態様の航空機用座席と、を備えている。
【0032】
第12の態様の航空機では、機体が有するキャビンの床部の上方に配置された座席本体と、上記床部との間には、エネルギー吸収構造体が配置されている。上記の座席本体及びエネルギー吸収構造体は、第11の態様の航空機用座席の構成要素であるため、前述した作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明に係るエネルギー吸収構造体、航空機用座席及び航空機では、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができると共に、変形初期にピーク荷重が発生し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1実施形態に係る航空機としてのマルチコプターを示す斜視図である。
図2】同マルチコプターを示す側面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図4A】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図4B】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図4Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図4C】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図4Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図4D】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図4Cに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図4E】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図4Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図5】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
図6】第1実施形態に係るエネルギー吸収構造体の変形例を示す側面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図8A】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図8B】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図8Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図8C】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図8Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図8D】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図8Cに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図8E】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図8Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図9】第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
図10】本発明の第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図11A】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図11B】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図11Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図11C】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図11Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図11D】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図11Cに示される状態よりも上下方向に変形し状態を示す側面図である。
図11E】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図11Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図12】第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
図13】本発明の第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図14A】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図14B】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図14Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図14C】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図14Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図14D】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図14Cに示される状態よりも上下方向に変形し状態を示す側面図である。
図14E】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図14Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図15】第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
図16】本発明の第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図17A】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図17B】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図17Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図17C】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図17Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図17D】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図17Cに示される状態よりも上下方向に変形し状態を示す側面図である。
図17E】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図17Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図18】第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
図19】本発明の第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体を示す側面図である。
図20A】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体が上下方向(第2方向)に変形する際の変形初期の状態を示す側面図である。
図20B】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図20Aに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図20C】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図20Bに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図20D】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図20Cに示される状態よりも上下方向に変形し状態を示す側面図である。
図20E】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体が図20Dに示される状態よりも上下方向に変形した状態を示す側面図である。
図21】第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体の荷重-変位特性を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第1の実施形態>
以下、図1図6を用いて本発明の第1実施形態に係る航空機としてのマルチコプター10、航空機用座席40、及びエネルギー吸収構造体50について説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印LH、矢印UPは、マルチコプター10の前方向(進行方向)、左方向、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合、特に断りのない限り、マルチコプター10についての方向を示すものとする。また、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。
【0036】
(構成)
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係るマルチコプター10は、8つのロータ12を備えたオクトコプターであり、図示しない乗員を乗せて飛行可能な有人マルチコプターである。このマルチコプター10は、上記8つのロータ12が取り付けられた機体18を備えている。この機体18は、キャビン22を有しており、当該キャビン22には、航空機用座席40が配設されている。この航空機用座席40は、マルチコプター10の乗員が着座する座席本体42と、エネルギー吸収構造体50とによって構成されている。先ず、上記の航空機用座席40を有するマルチコプター10の全体構成について説明し、その後に本実施形態の要部であるエネルギー吸収構造体50について説明する。
【0037】
(マルチコプターの全体構成)
マルチコプター10の機体18は、一例として、前後方向を長手とする長尺な枠箱状に形成された枠フレーム部20と、枠フレーム部20の左右の側部にそれぞれ取り付けられた左右一対の側面パネル24(図2では図示省略)と、枠フレーム部20の上部の前後両端側にそれぞれ取り付けられた前後一対の上面パネル26(図2では図示省略)と、枠フレーム部20の下端部の左右両端部に取り付けられた左右一対の脚部28と、枠フレーム部20の上端部の前後両端部に取り付けられた前後一対のロータフレーム部30とを備えている。枠フレーム部20、脚部28及びロータフレーム部30は、例えばアルミニウム等の軽金属又は繊維強化樹脂によって構成されており、側面パネル24及び上面パネル26は、例えばアルミニウム等の軽金属、繊維強化樹脂又は樹脂によって構成されている。
【0038】
この枠フレーム部20の前後方向中間部には、キャビン22が形成されている。このキャビン22は、前後の上面パネル26の間に形成された開口を介して上方側に解放されている。このキャビン22の床部22Aは、枠フレーム部20が有する床板20Aによって構成されている。この床板20Aは、機体18の前端部から後端部にわたって延在している。左右の脚部28は、マルチコプター10の着地時に地面と接する部分であり、枠フレーム部20の下端部の左右両端部から下方側へ延出されている。
【0039】
前後のロータフレーム部30は、一例として、左右方向を長手とする長尺な角筒状に形成されており、枠フレーム部20の上端部における前後両端部にそれぞれ取り付けられている。これらのロータフレーム部30は、枠フレーム部20よりも左右両側へ延びている。各ロータフレーム部30の左右両端部には、それぞれ上下一対のロータ12が取り付けられている。各ロータ12は、プロペラ14と、該プロペラ14を回転駆動するモータ16とを有している。
【0040】
各モータ16は、図示しないインバータを介して図示しないバッテリーと電気的に接続されている。また、上記のインバータは、図示しないフライトコントローラを介して図示しない指令部と電気的に接続されている。インバータ、バッテリー及びフライトコントローラは、キャビン22の前側又は後側で前述した床板20A上に配置されており、指令部は、キャビン22に配置されている。この指令部は、マルチコプター10の飛行動作を示す指令信号をフライトコントローラに出力する回路である。上記の飛行動作には、上昇、降下、前進、後進、左移動、右移動、左旋回、右旋回が含まれる。この指令部は、例えば乗員が操作する図示しない操作部を有しており、当該操作部の操作に応じて上記の指令信号を出力する。
【0041】
フライトコントローラは、マルチコプター10の速度、姿勢、方位、高度等の飛行状態を検出するための各種のセンサ(図示省略)を備えている。各種のセンサには、例えば、ロール軸方向、ピッチ軸方向及びヨー軸方向の加速度を検出する加速度センサと、前記3軸周りの角速度を検出することにより地表面に対するマルチコプター10の姿勢を検出する角速度センサと、地磁気を検出することによりマルチコプター10の方位を検出する方位センサと、気圧を検出することによりマルチコプター10の高度を検出する高度センサと、飛行経路における固定障害物あるいは移動障害物を検出する障害物センサとが含まれる。
【0042】
また、フライトコントローラは、図示しない制御装置を備えている。制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び外部の装置と通信を行う入出力インターフェース部を含むマイクロコンピュータで構成されている。ROMには、マルチコプター10の飛行動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。この制御装置では、制御プログラムがROMから読み出されてRAMに展開され、RAMに展開された制御プログラムがCPUによって実行される。なお、制御装置は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
【0043】
上記の制御装置は、指令部から入力された指令信号に基づいてマルチコプター10の目標状態を設定し、各種のセンサにより検出される飛行状態との差分から目標状態を達成するような各モータ16の回転数を示す制御信号を生成し、生成した制御信号をインバータに出力する。これにより、各モータ16(各ロータ12)がそれぞれ独立して回転数を調整され、マルチコプター10の飛行動作が制御される構成になっている。
【0044】
上記構成のマルチコプター10のキャビン22には、前述したように、座席本体42とエネルギー吸収構造体50とを備えた航空機用座席40(以下、単に「座席40」と称する場合がある)が配設されている。座席本体42は、当該座席本体42に着座する乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション44と、シートクッション44の後端部から上方側に立設され、乗員の背部を支持するシートバック46とを備えており、キャビン22の床部22Aに対して上方に離間して配置されている。エネルギー吸収構造体50は、座席本体42のシートクッション44と上記の床部22Aとの間に配置されており、このエネルギー吸収構造体50を介して座席本体42が床部22Aに支持されている。このエネルギー吸収構造体50は、上下方向の変形により緩衝用として用いられる緩衝装置であり、マルチコプター10の不時着時等の着地衝撃を緩衝する。以下、このエネルギー吸収構造体50の構成について詳細に説明する。
【0045】
(エネルギー吸収構造体の構成)
図3に示されるように、本実施形態に係るエネルギー吸収構造体50は、異形ハニカム構造52を有している。なお、図3において44Aは、シートクッション44が有する下板44Aである。この下板44Aは、シートクッション44の下面を形成している。
【0046】
上記の異形ハニカム構造52は、セルの軸方向視の断面が正六角形ではないハニカム構造であり、セル軸方向である第1方向(ここでは左右方向;図3では紙面に垂直な方向)において一定の断面を有している。この異形ハニカム構造52は、第1方向の寸法と、第1方向に直交する第3方向(ここでは前後方向)の寸法とが、例えば同等に設定されている。なお、第1方向が前後方向とされ、第3方向が左右方向とされた構成にしてもよい。
【0047】
この異形ハニカム構造52は、複数(ここでは12個)の対辺平行セル54によって構成されている。複数の対辺平行セル54は、第1方向から見て各々が平行四辺形状をなしており、第3方向と、第1方向及び第3方向に直交する第2方向(ここでは上下方向)とに並んでいる。なお、上記の「平行四辺形状」は、完全な平行四辺形状である必要はなく、平行四辺形状に近い形状であればよい。以下、第1方向を「左右方向」と称し、第2方向を「上下方向」と称し、第3方向を「前後方向」と称する。
【0048】
各対辺平行セル54は、左右方向から見て前後方向を長手とする長尺状をなしており、上下方向の対辺(上下方向に対向し合う一対の壁部)56、58が前後方向に沿って(ここでは前後方向に対して平行に)配置される一方、前後方向の対辺(前後方向に対向し合う一対の壁部)60、62が上下方向に対して傾斜して配置されている。前後方向の対辺60、62は、互いに平行に配置されている。そして、前後方向に隣り合う一対の対辺平行セル54が前後方向において互いに対称(反対向き)に配置されると共に、上下方向に隣り合う一対の対辺平行セル54が上下方向において互いに対称(反対向き)に配置されている。
【0049】
この異形ハニカム構造52は、前後方向及び上下方向に隣り合う4つの対辺平行セル54が、上下方向に複数段(ここでは3段)に並んだ構成とされている。この異形ハニカム構造52は、前後方向に対称に形成されている。この異形ハニカム構造52において、上下方向の最外側に位置する対辺平行セル54(最上と最下の対辺平行セル54)は、前後方向の対辺60、62が、上下方向の外側へ向かうほど前後方向の外側へ向かうように傾斜している。
【0050】
上記の異形ハニカム構造52を有するエネルギー吸収構造体50は、左右方向に延在する複数の曲げ部Bにおいて曲がった板材からなる複数(ここでは12枚)のコルゲート構造(コルゲート構造)64を備えている。これらのコルゲート構造64は、例えばアルミニウム等の軽金属、鉄等の金属、繊維強化樹脂又は樹脂によって構成されている。そして、それら複数のコルゲート構造64が上下方向に積層されて、隣接同士で互いに結合されることにより、左右方向をセル軸方向とする複数の対辺平行セル54が形成されている。
【0051】
具体的には、上記複数のコルゲート構造64は、前後方向の中央部に4つの曲げ部Bが形成され、前後方向中央部が上方側(第2方向の一方側)へ略台形状に膨出した複数(ここでは3枚)のコルゲート構造64Aと、前後方向の両端側にそれぞれ2つの曲げ部Bが形成され、前後方向両端部を除く前後方向中間部が上方側へ略台形状に膨出した複数(ここでは3枚)のコルゲート構造64Bと、前後方向の両端側にそれぞれ2つの曲げ部Bが形成され、前後方向両端部を除く前後方向中間部が下方側(第2方向の他方側)へ略台形状に膨出した複数(ここでは3枚)のコルゲート構造64Cと、前後方向の中央部に4つの曲げ部Bが形成され、前後方向中央部が下方側へ略台形状に膨出した複数(ここでは3枚)のコルゲート構造64Dと、によって構成されている。
【0052】
そして、上記のコルゲート構造64A、コルゲート構造64B、コルゲート構造64C、コルゲート構造64Dが下から交互に(代わる代わる)重ねられている。具体的には、コルゲート構造64A、コルゲート構造64B、コルゲート構造64C、コルゲート構造64D、コルゲート構造64A、コルゲート構造64B、コルゲート構造64C、コルゲート構造64D、コルゲート構造64A、コルゲート構造64B、コルゲート構造64C、コルゲート構造64Dの順で下から並んでいる。これら複数のコルゲート構造64は、例えば接着、溶着、リベット締結、ボルト締結等の方法(手段)で互いに結合されている。また、最下のコルゲート構造64Aは、キャビン22の床部22Aに接触しており、最上のコルゲート構造64は、シートクッション44の下板44Aに接触している。加えて、上記の各接触面は、前後いずれか一方の側において上記同様の方法で結合されている。なお、この結合は、キャビン22の床部22Aもしくはシートクッション44の下板44Aのいずれか一方のみでもよい。
【0053】
さらに、本実施形態では、各対辺平行セル54の内側には、それぞれ傾斜板68が設けられている。各傾斜板68は、例えば上記のコルゲート構造64と同様の材料によって板状に形成されたものであり、左右方向から見て略クランク状に曲がっている。各傾斜板68の上下方向中間部(本体部)は、各対辺平行セル54内において、前後方向の対辺60、62に沿って(ここでは対辺60、62と平行に)配置されている。各傾斜板68の上下方向両端部は、上下方向の対辺56、58に沿うように屈曲しており、例えば接着、溶着、リベット締結、ボルト締結等の方法で対辺56、58と結合されている。各傾斜板68は、各対辺平行セル54内の前後方向中央部に配置されており、各傾斜板68によって各対辺平行セル54内が左右に仕切られている。なお、各傾斜板68は、上下方向の対辺56、58の少なくとも一方と結合されていればよい。
【0054】
各対辺平行セル54は、何れも本発明の「閉セル」に相当する。各対辺平行セル54に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64同士の一対の結合部C1、C2が配置されている。そして、上記一対のコルゲート構造64は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C1から他方の結合部C2までの部分の長さが同等とされている。つまり、コルゲート構造64A、64Dにおいて符号56、62を付した部分の長さと、コルゲート構造64B、64Cにおいて符号58、60を付した部分の長さとが、同等(ここでは同一)に設定されている。
【0055】
また、上記複数のコルゲート構造64は、何れも本発明の「直線コルゲート構造」に相当しており、左右方向から見て直線状をなす直線部(曲げ部B以外の部分;符号省略)を備えている。そして、上下方向に隣り合うコルゲート構造64同士が、各々の直線部において互いに結合されている。
【0056】
(作用及び効果)
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0057】
本実施形態に係るマルチコプター10では、複数のロータ12が取り付けられた機体18がキャビン22を有しており、当該キャビン22には、座席40が配設されている。この座席40は、キャビン22の床部22Aの上方に配置された座席本体42と、当該座席本体42と床部22Aとの間に配置されたエネルギー吸収構造体50とによって構成されている。
【0058】
このエネルギー吸収構造体50は、左右方向に延在する複数の曲げ部Bにおいて曲がった板材からなるコルゲート構造64が、上下方向に複数積層されて構成されている。複数のコルゲート構造64は、隣接同士で互いに結合されており、左右方向をセル軸方向とする複数の対辺平行セル54が形成されている。複数の対辺平行セル54は、前後方向及び上下方向に並んでいる。
【0059】
ここで、例えばマルチコプター10が不時着をすることにより、上記のエネルギー吸収構造体50に対して上下方向の着地衝撃が加わると、各対辺平行セル54が上下方向に潰れることにより、衝撃エネルギーが吸収される。この際、各コルゲート構造64は、図4A図4Eに示されるように、複数の曲げ部Bの曲げ角度が減少するように変形していく。この変形の初期には荷重が立ち上がるが、変形が進むに従って曲げ部Bに作用するモーメントが増加していく。これにより、図5に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。これにより、座席本体42と床部22Aとの間の空間に納まる程度の大きさのエネルギー吸収構造体50により、乗員を着地衝撃から良好に保護することができる。
【0060】
しかも、各コルゲート構造64の上記変形は、主に各曲げ部Bでの曲げ変形が支配的となるため、ハニカムコアをセル軸方向に圧壊(変形)させる構成と比較して、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる(図5参照)。その結果、乗員に作用する慣性力の最大値を低くすることができるので、乗員に与える影響を少なくすることができる。また、上記のように曲げ変形が支配的となるため、変形時の発生荷重をコントロールすることが容易であり、発生荷重を安定させ易い。
【0061】
また、本実施形態に係るエネルギー吸収構造体50では、左右方向に延びる複数の曲げ部Bが各々に形成された複数のコルゲート構造64が、上下方向に積層されて互いに結合されることにより構成されている。このように構成されているので、各コルゲート構造64の形状や重ね方を変更することにより、荷重-変位特性や変形過程の安定性を容易に変更することができる。つまり、エネルギー吸収構造体50の上記変形によって吸収されるエネルギーの量は、複数の曲げ部Bの全塑性モーメント、曲げ角度及び数から概算される塑性加工時に必要なエネルギー量に近い。このため、曲げ部Bの設定の仕方により、エネルギー吸収量を容易に調整することができ、所望の荷重-変位特性が得られると共に、コルゲート構造64の変形過程で座屈等による不規則な変形が生じることを防止可能となる。
【0062】
また、本実施形態では、各対辺平行セル54に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64同士の一対の結合部C1、C2が配置されている。そして、上記一対のコルゲート構造64は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C1から他方の結合部C2までの部分の長さが同等とされている。これにより、エネルギー吸収構造体50に対して上下方向の衝撃が加わった際に、各対辺平行セル54を、セル壁における局所座屈を発生させずに潰すことが可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、複数のコルゲート構造64は、左右方向から見て直線状をなす直線部(曲げ部B以外の部分)を備えているので、成形が容易である。しかも、上下方向に隣り合うコルゲート構造64同士が、各々の直線部において互いに結合されているので、結合面積を十分に確保することができ、結合が容易である。
【0064】
さらに、本実施形態では、複数の対辺平行セル54は、前後方向の対辺60、62が上下方向に対して傾斜し且つ互いに平行に配置されているので、上下方向の変形過程が安定する。また、各対辺平行セル54の内側には、前後方向の対辺60、62に沿い且つ上下方向の対辺56、58の少なくとも一方に結合された傾斜板68が設けられている。この対辺平行セル54に対して上下方向の衝撃が加わると、前後方向の対辺60、62と一緒に上記の傾斜板68が前後方向に沿う方向へ倒れるように変形していく。この傾斜板68の追加により、エネルギー吸収量を増加させることができると共に、対辺平行セル54の変形を安定させることができる。
【0065】
また、本実施形態に係るエネルギー吸収構造体50では、前後方向及び上下方向に隣り合う4つの対辺平行セル54が、上下方向に複数段に並んでいる。つまり、同様の断面が上下方向に複数段に並んでいるので、上下方向の変形を安定させ易くなる。また、このエネルギー吸収構造体50の異形ハニカム構造52において、上下方向の最外側に位置する対辺平行セル54は、前後方向の対辺60、62が、上下方向の外側へ向かうほど前後方向の外側へ向かうように傾斜している。つまり、この異形ハニカム構造52は、上下方向の最外側の部分が、上下方向の外側へ向かって前後方向に幅広になるように形成されている。これにより、図6に示されるエネルギー吸収構造体50’(変形例)の異形ハニカム構造52’のように、上下方向の最外側の部分が、上下方向(第2方向)の外側へ向かって前後方向(第3方向)に幅狭になるように形成されている構成と比較して、座席本体42の支持を安定させることができる。なお、請求項1に係る発明には、図6に示されるエネルギー吸収構造体50’も含まれる。
【0066】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明済みの実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、説明済みの実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
【0067】
<第2の実施形態>
図7には、本発明の第2実施形態に係るエネルギー吸収構造体70が側面図にて示されている。このエネルギー吸収構造体70は、第1実施形態に係る異形ハニカム構造52とは異なる異形ハニカム構造72を有している。この異形ハニカム構造72は、上下方向(第2方向)の中間に位置する中間層72Aと、上下方向の両外側に位置する一対の外側層72B、72Cとによって構成されており、左右方向(第1方向)に一定の断面を有し且つ前後方向に対称に形成されている。中間層72Aは、前後方向(第3方向)及び上下方向に隣り合う4つの対辺平行セル54によって構成されている。各対辺平行セル54の内側には、それぞれ傾斜板68が設けられている。
【0068】
各外側層72B、72Cは、各々が左右方向から見て波形状をなし且つ上下方向において互いに対称(反対向き)に配置された一対のコルゲート構造74が波形状の頂点部同士を互いに結合されて構成されている。これら一対のコルゲート構造74は、コルゲート構造64と同様の材料によって構成されている。各コルゲート構造74には、左右方向に延びる複数(ここでは12個)の曲げ部Bが形成されており、曲げ部B以外の部分が直線部とされている。これらのコルゲート構造74は、本発明における「直線コルゲート構造」に相当する。これら一対のコルゲート構造74のうち、上下方向の外側に位置するコルゲート構造74Aは、前後方向の両端部に形成されたフランジ部74A1よりも波形状が下方側へ凸をなすように形成されており、上下方向の内側に位置するコルゲート構造74Bは、前後方向の両端部に形成されたフランジ部74B1よりも波形状が上方側へ凸をなすように形成されている。
【0069】
コルゲート構造74Aとコルゲート構造74Bとは、各々の直線部である頂点部同士で互いに結合されている。そして、コルゲート構造74Aとコルゲート構造74Bとが組み合わされることにより、左右方向から見て略六角形状をなす複数の六角セル76が形成されている。これらの六角セル76は、本発明における「閉セル」に相当する。各六角セル76に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造74同士の一対の結合部C3、C4が配置されている。そして、上記一対のコルゲート構造74は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C3から他方の結合部C4までの部分の長さが同等とされている。
【0070】
また、上側のコルゲート構造74Aは、シートクッション44の下板44Aに結合されており、下側のコルゲート構造74Aは、キャビン22の床部22A(枠フレーム部20の床板20A)に結合されている。また、上側のコルゲート構造74Bは、中間層72Aのコルゲート構造64Dに結合されており、下側のコルゲート構造74Bは、中間層72Aのコルゲート構造64Aに結合されている。そして、上下のコルゲート構造74Bと、コルゲート構造64A、64Dとの組み合わせにより、左右方向から見て六角形状をなす複数の六角セル76と、左右方向から見て台形状をなす複数の台形セル78とが形成されている。複数の台形セル78は、本発明における「開セル」に相当する。各台形セル78に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64、74同士の一対の接触部C5、C6が配置されている。一対の接触部C5、C6のうち少なくとも前後方向の外側に位置する接触部C5では、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64、74同士が非結合とされている。そして、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64、74は、左右方向から見た場合に、一方の接触部C5から他方の接触部C6までの部分の長さが異なっている。なお、上記各結合の方法は、例えば接着、溶着、リベット締結、ボルト締結等の方法とされている。また、本実施形態に係るエネルギー吸収構造体70は、上記の下板44A及び床板20Aを含んで構成されている。
【0071】
上記構成のエネルギー吸収構造体70では、異形ハニカム構造72において、中間層72Aにおける上下方向の剛性を、各外側層72B、72Cにおける上下方向の剛性よりも低く設定することができる。その結果、このエネルギー吸収構造体70に対して上下方向の着地衝撃が加わった際には、図8A図8Eに示されるように、中間層72Aが先行して上下方向に潰れる。これにより、その後に各外側層72B、72Cが上下方向に潰れる際の変形を安定させることができる。このエネルギー吸収構造体70においても、図9に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、図9に示されるように、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。また、このエネルギー吸収構造体70では、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64、74は、左右方向から見た場合に、接触部C5から接触部C6までの部分の長さが異なっているが、これらの接触部C5、C6のうち少なくとも前後方向の外側に位置する接触部C5では、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造64、74同士が非結合とされている。これにより、このエネルギー吸収構造体70に対して上下方向の衝撃が加わった際に、台形セル78を、セル壁における局所座屈を発生させずに潰すことが可能となる。
【0072】
<第3の実施形態>
図10には、本発明の第3実施形態に係るエネルギー吸収構造体80が側面図にて示されている。このエネルギー吸収構造体80は、第2実施形態に係る異形ハニカム構造72と同様の異形ハニカム構造72を備えているが、中間層72Aを構成する4つの対辺平行セル54の内側に傾斜板68が設けられていない構成とされている。
【0073】
このエネルギー吸収構造体80に対して上下方向の着地衝撃が加わった際には、図11A図11Eに示されるように、中間層82Aが先行して上下方向に潰れる。これにより、その後に各外側層82B、82Cが上下方向に潰れる際の変形を安定させることができる。このエネルギー吸収構造体80においても、図12に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、図12に示されるように、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。
【0074】
<第4の実施形態>
図13には、本発明の第4実施形態に係るエネルギー吸収構造体90が側面図にて示されている。このエネルギー吸収構造体90は、第1実施形態に係る異形ハニカム構造52とは異なる異形ハニカム構造92を有している。この異形ハニカム構造92は、各々が左右方向から見て波形状をなす複数(ここでは6枚)のコルゲート構造94が上下方向に積層されて構成されている。これらのコルゲート構造94は、左右方向(第1方向)に延在する複数の曲げ部Bにおいて曲がった板材によって構成されている。これらのコルゲート構造94は、本発明における「曲線コルゲート構造」に相当しており、左右方向から見て曲線状をなす曲線部のみで構成されている。
【0075】
複数のコルゲート構造94は、複数(ここでは3枚)のコルゲート構造94Aと、複数(ここでは3枚)のコルゲート構造94Bとによって構成されている。コルゲート構造94Aとコルゲート構造94Bとは、上下方向に対称に形成されており、コルゲート構造94Aとコルゲート構造94Bとが上下方向に交互に積層されている。そして、上下に隣り合うコルゲート構造94同士が、波形状の頂点部同士を互いに結合されている。これにより、左右方向から見て略円形状をなす複数の略円形セル96が形成されている。これらの略円形セル96は、本発明における「閉セル」に相当する。各略円形セル96に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造94同士の一対の結合部C7、C8が配置されている。そして、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造94は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C7から他方の結合部C8までの部分の長さが同等とされている。
【0076】
このエネルギー吸収構造体90に対して上下方向の着地衝撃が加わった際には、図14A図14Eに示されるように、各コルゲート構造94が上下方向に潰れる。このエネルギー吸収構造体90においても、図15に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、図15に示されるように、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。また、このエネルギー吸収構造体90のコルゲート構造94は、左右方向から見て曲線部のみで構成されているので、上下方向の衝撃によって座屈が生じ難い。
【0077】
<第5の実施形態>
図16には、本発明の第5実施形態に係るエネルギー吸収構造体100が側面図にて示されている。このエネルギー吸収構造体100は、第4実施形態に係る異形ハニカム構造92に類似した異形ハニカム構造102を有している。この異形ハニカム構造102は、各々が左右方向から見て波形状をなす複数(ここでは6枚)のコルゲート構造104が上下方向に積層されて構成されている。これらのコルゲート構造104は、左右方向(第1方向)に延在する複数の曲げ部Bにおいて曲がった板材によって構成されており、第4実施形態に係るコルゲート構造94に類似しているが、コルゲート構造94よりも曲げ部Bの数が多く設定されている。具体的には、コルゲート構造104では、コルゲート構造94において前後方向に隣り合う一対の曲げ部Bの間に更に2つの曲げ部Bが追加されており、上記2つの曲げ部Bが追加された部位が左右方向視で波形状をなしている。このコルゲート構造104は、本発明における「曲線コルゲート構造」に相当しており、左右方向から見て曲線状をなす曲線部のみで構成されている。
【0078】
複数のコルゲート構造104は、複数(ここでは3枚)のコルゲート構造104Aと、複数(ここでは3枚)のコルゲート構造104Bとによって構成されている。コルゲート構造104Aとコルゲート構造104Bとは、上下方向に対称に形成されており、コルゲート構造104Aとコルゲート構造104Bとが上下方向に交互に積層されている。そして、上下に隣り合うコルゲート構造104同士が、波形状の頂点部同士を互いに結合されている。これにより、左右方向から見て略菱形状をなす複数の菱形セル106が形成されている。これらの菱形セル106は、本発明における「閉セル」に相当する。各菱形セル106に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造94同士の一対の結合部C7、C8が配置されている。そして、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造94は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C7から他方の結合部C8までの部分の長さが同等とされている。
【0079】
このエネルギー吸収構造体100に対して上下方向の着地衝撃が加わった際には、図17A図17Eに示されるように、各コルゲート構造104が上下方向に潰れる。このエネルギー吸収構造体100においても、図18に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、図18に示されるように、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。また、このエネルギー吸収構造体100のコルゲート構造104は、左右方向から見て曲線部のみで構成されているので、上下方向の衝撃によって座屈が生じ難い。
【0080】
<第6の実施形態>
図19には、本発明の第6実施形態に係るエネルギー吸収構造体110が側面図にて示されている。このエネルギー吸収構造体110は、第4実施形態に係る異形ハニカム構造92に類似した異形ハニカム構造112を有している。この異形ハニカム構造112は、各々が左右方向から見て波形状をなす複数(ここでは6枚)のコルゲート構造74が上下方向に積層されて構成されている。このコルゲート構造74は、第2及び第3実施形態に係るコルゲート構造74と同様のものであり、コルゲート構造74Aとコルゲート構造74Bとが上下方向に交互に積層されている。そして、上下に隣り合うコルゲート構造94同士が、波形状の頂点部同士を互いに結合されている。これにより、左右方向から見て略六角形状をなす複数の六角セル76が形成されている。これらの六角76は、本発明における「閉セル」に相当する。各六角76に対する前後方向の両側には、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造74同士の一対の結合部C3、C4が配置されている。そして、上下方向に隣り合う一対のコルゲート構造74は、左右方向から見た場合に、一方の結合部C3から他方の結合部C4までの部分の長さが同等とされている。
【0081】
このエネルギー吸収構造体110に対して上下方向の着地衝撃が加わった際には、図20A図20Eに示されるように、各コルゲート構造94が上下方向に潰れる。このエネルギー吸収構造体90においても、図21に示されるような良好な荷重-変位特性が得られるので、短いストロークで大きなエネルギーを吸収することができる。しかも、図21に示されるように、変形の初期にピーク荷重が発生し難くなる。
【0082】
<実施形態の補足説明>
前記各実施形態では、エネルギー吸収構造体50、70、80、90、100、110が航空機用座席40の構成要素とされた場合について説明したが、これに限るものではない。例えば本発明に係るエネルギー吸収構造体が、スポーツシューズの靴底に緩衝材として設けられる構成にしてもよい。また例えば本発明に係るエネルギー吸収構造体が、車両衝突時の緩衝装置として車両に搭載される構成にしてもよい。
【0083】
また、前記各実施形態では、航空機がマルチコプター10である場合について説明したが、これに限らず、本発明に係る航空機は、飛行機であってもよい。
【0084】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が前記各実施形態に限定されないことは勿論である。上記の変更としては、例えば、コルゲート構造64、74や傾斜板68の材料(例えば弾性率)の変更、コルゲート構造64、74、94、104や傾斜板68の板厚の変更、コルゲート構造64、74、94、104における曲げ部Bの数や配置の変更、コルゲート構造64、74、94、104や傾斜板68における結合箇所の変更(例えば結合の省略)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【符号の説明】
【0085】
10 マルチコプター(航空機)
12 ロータ
18 機体
22 キャビン
22A 床部
40 航空機用座席
42 座席本体
50 エネルギー衝撃吸収体
54 対辺平行セル(閉セル)
56、58 第2方向の対辺
60、62 第3方向の対辺
64 コルゲート構造
68 傾斜板
70 エネルギー吸収構造体
72A 中間層
72B、72C 外側層
74 コルゲート構造
76 六角セル(閉セル)
78 台形セル(開セル)
80 エネルギー吸収構造体
90 エネルギー吸収構造体
94 コルゲート構造
96 略円形セル(閉セル)
100 エネルギー吸収構造体
104 コルゲート構造
106 菱形セル(閉セル)
B 曲げ部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21