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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G01G19/387 D
G01G19/387 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021016518
(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公開番号】P2021152529
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2020048797
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 和紀
(72)【発明者】
【氏名】野口 勇夫
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-232202(JP,A)
【文献】特開昭60-021421(JP,A)
【文献】特開2018-077075(JP,A)
【文献】特開2012-112758(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0108404(US,A1)
【文献】特開昭62-113023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の計量のために前記物品を一時的に受け取り、計量された前記物品を第1方向と第2方向との一方に振り分けて排出する計量ホッパと、
前記第1方向に排出された前記物品を一時的に受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するブースタホッパと、
前記第2方向に排出された前記物品を下流へ排出する振分けシュートと、
前記ブースタホッパ及び前記振分けシュートから排出された前記物品が滑落する排出シュートと、
前記振分けシュートの位置を切り替える駆動部と、を備え、
前記振分けシュートは、
第1位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートへ排出し、
第2位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートの外側へ排出する計量装置であって、
前記駆動部は、前記振分けシュートを上方に移動させ、前記振分けシュートの位置を、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの内側に位置する前記第1位置と、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの外側に位置する前記第2位置との間で選択的に切り替え
前記駆動部は、前記振分けシュートを鉛直方向に移動させながら回転させ、前記振分けシュートの位置を前記第1位置と前記第2位置との間で切り替える、計量装置。
【請求項2】
物品の計量のために前記物品を一時的に受け取り、計量された前記物品を第1方向と第2方向との一方に振り分けて排出する計量ホッパと、
前記第1方向に排出された前記物品を一時的に受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するブースタホッパと、
前記第2方向に排出された前記物品を下流へ排出する振分けシュートと、
前記ブースタホッパ及び前記振分けシュートから排出された前記物品が滑落する排出シュートと、
前記振分けシュートの位置を切り替える駆動部と、を備え、
前記振分けシュートは、
第1位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートへ排出し、
第2位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートの外側へ排出する計量装置であって、
前記駆動部は、前記振分けシュートを上方に移動させ、前記振分けシュートの位置を、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの内側に位置する前記第1位置と、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの外側に位置する前記第2位置との間で選択的に切り替え、
前記ブースタホッパは、開閉可能なゲートを有し、
前記駆動部は、前記ブースタホッパよりも、前記計量装置の中心側へ配置され、前記ゲートの開閉を行い、
前記振分けシュートは、前記ブースタホッパに配置される回転軸に接続され、
前記駆動部により前記振分けシュートの位置を前記第1位置と前記第2位置との間で切り替える場合、前記振分けシュートは、前記回転軸を中心として回転する、計量装置。
【請求項3】
前記計量装置は、前記計量ホッパ、前記ブースタホッパそれぞれが直列状に配置される直線型の組合せ計量装置であって、
前記ブースタホッパは、開閉可能なゲートを有し、
前記駆動部は、前記ブースタホッパよりも、前記計量装置の本体に近い側に配置される請求項1に記載の計量装置。
【請求項4】
前記計量装置は、前記計量ホッパ、前記ブースタホッパそれぞれが直列状に配置される直線型の組合せ計量装置であって、
前記駆動部は、前記ブースタホッパよりも、前記計量装置の本体に遠い側に配置される請求項1に記載の計量装置。
【請求項5】
物品の計量のために前記物品を一時的に受け取り、計量された前記物品を第1方向と第2方向との一方に振り分けて排出する計量ホッパと、
前記第1方向に排出された前記物品を一時的に受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するブースタホッパと、
前記第2方向に排出された前記物品を下流へ排出する振分けシュートと、
前記ブースタホッパ及び前記振分けシュートから排出された前記物品が滑落する排出シュートと、
前記振分けシュートの位置を切り替える駆動部と、を備え、
前記振分けシュートは、
第1位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートへ排出し、
第2位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートの外側へ排出する計量装置であって、
前記駆動部は、前記振分けシュートを上方に移動させ、前記振分けシュートの位置を、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの内側に位置する前記第1位置と、前記振り分けシュートの下端が前記排出シュートの外側に位置する前記第2位置との間で選択的に切り替え、
前記駆動部は、前記振分けシュートを上昇させることによって前記振分けシュートの位置を前記第1位置から前記第2位置へ切り替え、
前記第1位置において、前記振分けシュートの排出口は、前記排出シュート内に位置し、
前記駆動部は、前記振分けシュートの位置を前記第1位置から前記第2位置へ切り替える場合、所定の揺動軸を中心にして前記振分けシュートを揺動させ、
前記振分けシュートの前記排出口は、
前記第2位置において前記物品が滑落する滑落面の下端になる内端部と、
前記第1位置において前記物品が滑落する滑落面の下端になり、かつ前記内端部よりも前記排出シュートの中心から遠い外端部と、を有し、
前記計量装置の側面視において、前記排出口の前記内端部から前記所定の揺動軸までの距離は、前記排出口の前記外端部から前記所定の揺動軸までの距離よりも長い計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品の計量のために物品を一時的に受け取り、計量された物品を第1方向と第2方向との一方に振り分けて排出する計量ホッパと、第1方向に排出された物品を一時的に受け取り、受け取った物品を下流へ排出するブースタホッパと、ブースタホッパによって排出された物品が滑落する排出シュートとを備える計量装置が開示されている。計量装置は、振分けシュートと、振分けシュートの位置を切り替える駆動部と、をさらに備える。
【0003】
振分けシュートが、幅方向において排出シュートの外側の位置に配置される場合、計量ホッパから第1方向に排出された物品が、振分けシュートの壁面に当たって、排出シュートへ導かれる。一方で、計量ホッパ内の物品を経路外へ排除したい場合、幅方向において排出シュートの内側へ向けて、駆動部が、振分けシュートを幅方向に沿って移動させる。これにより、振分けシュートが、幅方向において排出シュートの内側の位置に配置される。計量ホッパが、物品を第2方向に排出することで、排出された物品が、振分けシュートの内部を通り、経路外へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-77075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の計量装置では、幅方向において、排出シュートの外側へ振分けシュートが配置され、振分けシュートの外側へ駆動部が配置されており、計量装置を設置するために広いスペースが必要である。従って、計量装置を設置するスペースをより小さくするための改善が求められていた。
【0006】
そこで、本発明は、振分けシュートと振分けシュートの配置位置を選択的に切り替える駆動部とを備える計量装置であって、計量装置を設置するスペースを小さくできる計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る物品計量装置は、物品の計量のために物品を一時的に受け取り、計量された前記物品を第1方向と第2方向との一方に振り分けて排出する計量ホッパと、前記第1方向に排出された物品を一時的に受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するブースタホッパと、前記第2方向に排出された前記物品を下流へ排出する振分けシュートと、前記ブースタホッパ及び前記振分けシュートから排出された前記物品が滑落する排出シュートと、前記振分けシュートの位置を切り替える駆動部と、を備える。前記振分けシュートは、第1位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートへ排出し、第2位置では、前記第2方向に排出された前記物品を前記排出シュートの外側へ排出する。前記駆動部は、前記振分けシュートを上方に移動させ、前記振分けシュートの位置を前記第1位置と、前記第2位置との間で選択的に切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る計量装置を模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る計量装置の制御に関する構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るヘッダの構造を示す斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係る振分けシュートの第1位置を示す側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る振分けシュートの第2位置を示す側面図である。
図6図6は、第2実施形態に係る計量装置の全体構成を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る振分けシュートの第1位置を示す側面図である。
図8図8は、第2実施形態に係る振分けシュートの第2位置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態に係る計量装置1について図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
(第1実施形態)
<物品搬送装置の構造>
本実施形態に係る計量装置1の構造について、図1から図5を用いて説明する。図1は、実施形態に係る計量装置1を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係る計量装置1の制御に関する構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態に係るヘッダ40の構造を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る振分けシュート7の第1位置を示す側面図である。図5は、本実施形態に係る振分けシュート7の第2位置を示す側面図である。なお、図1では、振分けシュート7の位置は、第1位置である。また、図4では、一のヘッダのみが示されており、他のヘッダの図示は省略されている。また、図4では、放射フィーダ3の図示も省略されている。以下において、計量装置1の幅方向をWで規定し、計量装置1の鉛直方向をZで規定する。本実施形態において、幅方向Wの内側は、排出シュート9の中心側へ向かう方向であり、幅方向Wの外側は、排出シュート9の中心側から離れる方向である。
【0011】
本実施形態では、計量装置1は、組合せ計量装置である。図1及び図2に示すように、計量装置1は、分散フィーダ2と、n個のヘッド40と、排出シュート9と、を備える。nは、1以上の自然数であり、2以上の自然数であってもよい。nは、例えば、14である。ヘッド40は、上面視において環状に配置されている。24個のヘッド40には、1~24までの番号が上面視での反時計回りの順に割り当てられている。ヘッド40は、1番ヘッド40-1からn番ヘッド40-nまでで構成されている。1番ヘッド40-1~n番ヘッド40-nは、番号順に反時計回りに配置されている。ここで、「環状」とは、円環状や多角形環状などを含む。本実施形態では、一例として円環状に配置されたヘッド40について説明する。ヘッド40のそれぞれは、放射フィーダ3と、プールホッパ4と、計量ホッパ5と、ブースタホッパ6と、振分けシュート7と、駆動部8と、を備える。従って、放射フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5、ブースタホッパ6、振分けシュート7も上面視においてそれぞれ環状に配置されている。
【0012】
分散フィーダ2は、扁平な円錐状の部材である。分散フィーダ2の上方に設けられた供給コンベア90によって、分散フィーダ2に物品が供給される。分散フィーダ2は、分散フィーダ2の下部に設けられた図示しない電磁石によって分散フィーダ2の上面が振動する。分散フィーダ2は、上面に供給された物品を周方向に分散させながら径方向に搬送し、各放射フィーダ3に物品を供給する。
【0013】
放射フィーダ3は、それぞれステンレス鋼版を折り曲げて成形した板金製の部材である。放射フィーダ3は、分散フィーダ2の周囲に沿って放射状に配置されている。各放射フィーダ3は、放射フィーダ3の下部に設けられた図示しない電磁石によって搬送面が振動する。放射フィーダ3は、搬送面の振動によって供給された物品を外方へ搬送する。放射フィーダ3は、それ自身が属するヘッド40のプールホッパ4に物品を供給する。このように、各放射フィーダ3は、物品を搬送する搬送部として機能する。放射フィーダ3の搬送能力は、搬送面での振動強度(振動振幅)及び振動時間によって調整することができる。従って、振動強度及び振動時間を調整することによって、各プールホッパ4に供給される物品の重量を所定範囲内にすることができる。
【0014】
各プールホッパ4は、対応する放射フィーダ3の先端部の下方に配置されている。プールホッパ4は、放射フィーダ3から供給される物品を一時的に保持したり、排出したりする。プールホッパ4には、プールホッパ4の底部を開放及び閉鎖するゲート4aと、当該ゲート4aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられている。ゲート4aは、制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行う。プールホッパ4は、ゲート4aが閉じている状態では、プールホッパ4の内部に物品を保持し、ゲート4aが開いている状態では、自身が属するヘッド40の計量ホッパ5に物品を排出する。
【0015】
計量ホッパ5は、物品の計量のために物品を一時的に受け取り、計量された物品を第1方向FDと第2方向SDとの一方に振り分けて排出する。各計量ホッパ5は、対応するプールホッパ4の直下に配置されている。計量ホッパ5は、プールホッパ4から供給される物品を保持してその重量を計量する。計量ホッパ5には、計量ホッパ5の底部を開放及び閉鎖するゲート5a,5bと、当該ゲート5a,5bを駆動するステッピングモータ(図示せず)と、が設けられている。計量ホッパ5は、ゲート5a,5bがともに閉じている状態では、その内部に物品を保持する。この状態は、計量ホッパ5が物品を一時的に受け取っている状態である。計量ホッパ5は、ゲート5a,5bの一方を開くことで、計量された物品を第1方向FDと第2方向SDとの一方に振り分けて排出する。計量ホッパ5は、ゲート5bが開いている状態では、物品を第1方向FDに振り分けて排出し、自身が属するヘッド40のブースタホッパ6に物品を排出する。計量ホッパ5は、ゲート5aが開いている状態では、物品を第2方向SDに振り分けて排出し、排出シュート9に物品を排出する。
【0016】
ブースタホッパ6は、第1方向FDに排出された物品を一時的に受け取り、受け取った物品を下流へ排出する。各ブースタホッパ6は、対応する計量ホッパ5の、計量装置1の中心寄りの下方に配置されている。ブースタホッパ6は、計量ホッパ5から供給された物品を一時的に保持したり、排出したりする。ブースタホッパ6は、開閉可能なゲート6aを有する。具体的には、ブースタホッパ6には、ブースタホッパ6の底部を開放及び閉鎖するゲート6aが設けられている。ブースタホッパ6は、ゲート6aが閉じている状態では、その内部に物品を保持する。この状態は、ブースタホッパ6が物品を一時的に受け取っている状態である。ブースタホッパ6は、ゲート6aが開いている状態では排出シュート9に物品を排出する。
【0017】
振分けシュート7は、第2方向SDに排出された物品を下流へ排出する。各振分けシュート7は、対応する計量ホッパ5の、計量装置1の外側寄りの下方に配置されている。振分けシュート7は、駆動部8によって位置が切り替えられる。振分けシュート7は、第1位置では、第2方向SDに排出された物品を排出シュート9へ排出する。第2位置では、第2方向SDに排出された物品を排出シュート9の外側へ排出する。振分けシュート7は、物品が滑落する滑落面71を有する。滑落面71は、振分けシュート7の内壁面である。滑落面71は、第1位置における滑落面71である第1滑落面711と第2位置における滑落面71である第2滑落面712とを有する。第1滑落面711は、振分けシュートの幅方向Wの外側の内壁面である。第2滑落面712は、振分けシュートの幅方向Wの内側の内壁面である。第1位置において第1滑落面711は、排出シュート9の外側から排出シュート9の内側へ向かって延びている。第2位置において第2滑落面712は、排出シュート9の外側へ向かって延びている。
【0018】
振分けシュート7は、振分けシュート7の内部を通った物品が排出される排出口72を有する。排出口72は、外端部721と内端部722とを有する。外端部721は、第1位置において滑落面71(すなわち、第1滑落面711)の下端になり、かつ内端部722よりも排出シュート9の中心から遠い。内端部722は、第2位置において滑落面71(すなわち、第2滑落面712)の下端になる。内端部722は、外端部721よりも排出シュート9の中心から遠い。図4に示すように、第1位置において、排出口72は、排出シュート9内に位置する。一方で、図5に示すように、第2位置において排出口72は、排出シュート9外に位置する。
【0019】
図4及び図5に示すように、計量装置1の側面視において、排出口72の外端部721から第2揺動軸S2までの距離を第1距離D1とし、排出口72の内端部722から第2揺動軸S2までの距離を第2距離D2とする。本実施形態では、第1距離D1は、第2距離D2よりも長い。なお、側面視は、第2揺動軸S2に沿った方向から見た側面視である。
【0020】
駆動部8は、振分けシュート7の位置を切り替える。駆動部8は、振分けシュート7を上方に移動させ、振分けシュート7の位置を第1位置と第2位置との間で選択的に切り替える。
【0021】
本実施形態では、駆動部8は、振分けシュート7を上昇させることによって振分けシュート7の位置を第1位置から第2位置へ切り替える。例えば、駆動部8は、振分けシュート7を鉛直方向Zに移動させながら回転させ、振分けシュート7の位置を第1位置と第2位置との間で切り替えてもよい。
【0022】
本実施形態では、駆動部8は、ブースタホッパ6よりも計量装置1の中心側に配置されている。また、駆動部8は、ブースタホッパ6のゲート6aの開閉を行う。駆動部8は、制御部30の制御によって、図示しないアームを動かすことで、ブースタホッパ6のゲート6aの開閉を行う。
【0023】
なお、振分けシュート7が上方に移動するケースは、振分けシュート7が鉛直方向Zに沿って移動するケースを含むことは勿論であり、計量装置1の側面視において、振分けシュート7の移動方向が鉛直方向Zに対して45度未満の角度を有するケースも含む。
【0024】
駆動部8は、第1アーム81と、第1アーム81に連結された第2アーム82と、ステッピングモータ(図示なし)と、を有する。第1アーム81は、ステッピングモータの駆動により第1揺動軸S1を中心にして揺動する。第1アーム81は、計量装置1の中心側に位置する内端部811と、内端部811よりも幅方向Wの外側に位置する外端部812と、を有する。図4及び図5に示すように、内端部811は、第1揺動軸S1と重なっている。外端部812は、第2アーム82と連結する。第2アーム82は、ステッピングモータの駆動により第2揺動軸S2を中心にして揺動する。第2アーム82は、計量装置1の中心側に位置する内端部821と、内端部821よりも幅方向Wの外側に位置する外端部822と、内端部821と外端部822とをつなぐ本体部823とを有する。内端部821は、第1アーム81の外端部812と連結されている。外端部822は、振分けシュート7の側面に固定されている。本体部823は、ブースタホッパ6と本体部823との間に設けられた支持部65を介して揺動可能に支持されている。図4及び図5に示すように、本体部823は、第2揺動軸S2と重なっている。
【0025】
排出シュート9は、ブースタホッパ6及び振分けシュート7から排出された物品が滑落する。排出シュート9は、当該物品を下流へ排出する。排出シュート9は、後述する組合せ計算により選択された計量ホッパ5及びブースタホッパ6から排出される物品を、一箇所に集合して下方に排出する。排出シュート9から排出された物品は、後続の包装装置等へ供給される。
【0026】
<計量装置1の計量制御に関する構成>
本実施形態に係る計量装置1の計量制御に関する構成について、図1から図5を用いて説明する。なお、図2では、1番ヘッド40-1~n番ヘッド40-nに属するプールホッパ4をそれぞれプールホッパ4-1~4-nとして示し、計量ホッパ5をそれぞれ計量ホッパ5-1~5-nとして示し、ブースタホッパ6をそれぞれブースタホッパ6-1~6-nとして示し、ロードセル20をそれぞれロードセル20-1~20-nで示している。
【0027】
図2に示すように、計量装置1は、制御部30を備える。制御部30は、ヘッド40を制御する。具体的には、制御部30は、各放射フィーダ3の搬送動作(具体的には、電磁石による搬送面の振動)を制御するとともに、各ホッパ(プールホッパ4、計量ホッパ5、ブースタホッパ6)のゲート開閉に関する動作を制御する。具体的には、制御部30は、プールホッパ4のゲート4aと、計量ホッパ5のゲート5a,5bと、ブースタホッパ6のゲート6aとを、それぞれ対応するステッピングモータを制御することによって、ゲート開閉動作を行う。各計量ホッパ5には、ロードセル20が設けられており、かかるロードセル20で物品の重量を計量する。各ロードセル20は、計量した重量を計量信号として制御部30に出力する。また、制御部30は、駆動部8を制御する。制御部30が、駆動部8が有するステッピングモータを制御することによって、駆動部8が振分けシュート7の位置を切り替える。
【0028】
制御部30は、24個の増幅器21と、CPU31と、ROM32と、RAM33と、マルチプレクサ34と、A/D変換器35と、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)36とを備える。CPU31は、主として計量装置1での計量動作を制御する。増幅器21は、ロードセル20のそれぞれに対応して個別に設けられている。増幅器21は、ロードセル20からの計量信号を増幅してマルチプレクサ34に出力する。マルチプレクサ34は、DSP36の命令に従って、各増幅器21から受け取った増幅後の計量信号のうちから一つを選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、アナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換してDSP36に出力する。DSP36は、主にデジタル信号に変換後の計量信号に対してフィルタリングを行い、フィルタリング後の計量信号をCPU31に出力する。CPU31は、受け取った計量信号をRAM33に記憶する。なお、CPU31、ROM32、RAM33、及びDSP36は、相互にバス接続されており、ROM32には、CPU31が動作するための動作プログラム等が記憶されている。
【0029】
<計量装置1の計量動作>
本実施形態に係る計量装置1の計量動作について、図1から図5を用いて説明する。物品は、供給コンベア90から落下し、分散フィーダ2上に供給される。このとき、分散フィーダ2は、CPU31の指示により振動しているため、物品は、分散フィーダ2から振動を受ける。これにより、物品は、分散フィーダ2上を外方へと移動し、各放射フィーダ3に到達する。
【0030】
CPU31は、n個のプールホッパ4-1~4-nのうち、空となるプールホッパ4-m(1≦m)が存在する場合には、当該プールホッパ4-mに対応する放射フィーダ3-mの搬送面を振動させる。物品は、この振動を受けて放射フィーダ3-m上を外方へと移動し、空のプールホッパ4-m内に送られる。同様にして、プールホッパ4-m以外のプールホッパ4にも物品が供給される。
【0031】
また、CPU31は、n個の計量ホッパ5-1~5-nのうち、空となる計量ホッパ5-k(1≦k)が存在する場合には、当該計量ホッパ5-kの上方に位置するプールホッパ4-kのゲート4aを開くことによって、当該計量ホッパ5-kへ物品を送る。それと同時に、計量ホッパ5-kに物品を供給した旨をDSP36に通知する。
【0032】
計量ホッパ5-kは、物品を受け取って保持すると、その保持する物品の重量をロードセル20-kにより計量する。そして計量ホッパ5-kは、計量した重量を計量信号として対応する増幅器21に出力し、増幅器21により増幅された計量信号は、マルチプレクサ34に入力される。同様にして、計量ホッパ5-k以外の計量ホッパ5からも計量信号が出力されて、増幅後にマルチプレクサ34に入力される。
【0033】
DSP36は、マルチプレクサ34に対して、ロードセル20-kからの計量信号を選択するように指示し、マルチプレクサ34はその指示に従って、入力される計量信号のうち、ロードセル20-kからの計量信号を選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、DSP36から送られるタイミング信号に従ってアナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換し、DSP36に出力する。DSP36は、デジタル信号の計量信号をフィルタリングしてCPU31へ出力し、CPU31は、フィルタリング後の計量信号を計量ホッパ5-kに保持される物品の重量としてRAM33に記憶する。
【0034】
CPU31は、ブースタホッパ6-kが空になると、計量ホッパ5-kのゲート5bを開けて、計量ホッパ5-k内の物品をブースタホッパ6-kに供給する。同時に、RAM33に記憶されている計量ホッパ5-k内の物品の重量(計量信号)を、ブースタホッパ6-k内の物品の重量としてRAM33に記憶し、それまでRAM33に記憶されていた、計量ホッパ5-k内の物品の重量をリセットする。その後、計量ホッパ5-k内に物品が供給されると、RAM33は、同様にしてその重量を記憶する。このようにして、RAM33には、各計量ホッパ5に保持されている物品の重量と、各ブースタホッパ6に保持されている物品の重量とが記憶される。
【0035】
CPU31は、RAM33に記憶されている物品の各重量の組合せ計算を行う。具体的には、RAM33に記憶されている、各計量ホッパ5内の物品の重量及び各ブースタホッパ6内の物品の重量の中から、予め設定された許容範囲内の合計重量となるような重量の組合せを求める。そして、CPU31は、計量ホッパ5及びブースタホッパ6の中から、求めた組合せを構成する重量の物品を保持する各ホッパを選択し、それらのゲートを開ける。計量ホッパ5が選択される場合には、ゲート5a,5bのうちゲート5aのみが開けられる。CPU31は、振分けシュート7が第1位置に存在しない場合、駆動部8を制御することで、振分けシュート7を第1位置に移動させる。組合せ計算の結果から選択された各ホッパ内の物品が、振分けシュート7を経由して排出シュート9に供給されて、所定の許容範囲内の重量を示す物品が包装装置等に送られる。
【0036】
一方で、CPU31は、計量ホッパ5で計量された物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合、過量の物品を保持する計量ホッパ5に対応する駆動部8のステッピングモータを制御する。具体的には、これにより、駆動部8は、振分けシュート7の位置を第1位置から第2位置へ切り替える。CPU31は、振分けシュート7が第2位置へ移動した後にゲート5aのみを開く制御を行う。これにより、物品が、振分けシュート7を経由して、振分けシュート7の外側へ排出される。
【0037】
<計量装置1の振分け動作>
本実施形態に係る計量装置1の振分け動作について、図1から図5を用いて説明する。図3及び図4に示すように、振分けシュート7が第1位置に存在する場合、計量ホッパ5から排出された物品は、振分けシュート7の第1滑落面711を滑落して、排出シュート9へ排出される。これにより、振分けシュート7は、排出シュート9内へ物品を振り分ける。
【0038】
駆動部8は、制御部30の制御によって、振分けシュート7の位置を第1位置から第2位置へ切り替える。本実施形態では、図4及び図5に示すように、駆動部8は、第1アーム81の外端部812を下方へ移動させることで、第1アーム81を、第1揺動軸S1を中心に下方へ揺動させる。これにより、第1アーム81の外端部812に連結されている第2アーム82の内端部821も下方へ移動する。これにより、第2アーム82は、第2揺動軸S2を中心に揺動し、第2アーム82の外端部822が上方へ移動すると共に、第2アーム82の外端部822が固定された振分けシュート7も上方へ移動する。従って、振分けシュート7は、第2揺動軸S2を中心して揺動する。駆動部8は、第2揺動軸S2を中心にして振分けシュート7を揺動させて、振分けシュート7を上昇させる。従って、駆動部8は、振分けシュート7を上方に移動させる。このようにして、駆動部8は、振分けシュート7の位置を第1位置から第2位置へ切り替える。制御部30(CPU31)は、振分けシュート7の位置を第2位置へ切り替えた後に、計量ホッパ5のゲート5aを開く制御を行う。これにより、物品が、振分けシュート7の第2滑落面712を滑落して、振分けシュート7の外側へ排出される。
【0039】
駆動部8は、物品を振分けシュート7の外側へ排出した後に、振分けシュート7の位置を第2位置から第1位置へ切り替える。駆動部8は、上述の動作と逆の動作を行う。本実施形態では、図4及び図5に示すように、駆動部8は、第1アーム81の外端部812を上方へ移動させることで、第1アーム81を、第1揺動軸S1を中心に上方へ揺動させる。これにより、第1アーム81の外端部812に連結されている第2アーム82の内端部821も上方へ移動する。これにより、第2アーム82は、第2揺動軸S2を中心に揺動し、第2アーム82の外端部822が下方へ移動すると共に、第2アーム82の外端部822が固定された振分けシュート7も下方へ移動する。従って、振分けシュート7は、第2揺動軸S2を中心して揺動する。駆動部8は、第2揺動軸S2を中心にして振分けシュート7を揺動させて、振分けシュート7を下降させる。このようにして、駆動部8は、振分けシュート7の位置を第2位置から第1位置へ切り替える。
【0040】
すなわち、振分けシュート7は、ブースタホッパ6に配置される第2揺動軸S2(回転軸)に接続され、駆動部8により振分けシュート7の位置を第1位置と第2位置との間で切り替える場合、振分けシュート7は、かかる第2揺動軸S2を中心として回転する。
【0041】
本実施形態に示すように、駆動部8は、振分けシュート7を上方に移動させ、振分けシュート7の位置を第1位置と第2位置との間で選択的に切り替える。これにより、駆動部8が振分けシュート7を幅方向Wに沿って移動させる場合と比較して、計量装置1を設置するスペースを小さくできる。
【0042】
また、駆動部8は、ブースタホッパ6よりも、計量装置1の中心側へ配置される。駆動部8は、ブースタホッパ6のゲート6aの開閉を行う。これにより、振分けシュート7の位置を変更するための駆動部8を、ブースタホッパ6の駆動部と別に設ける必要がなくなる。従って、幅方向Wにおいて排出シュート9よりも外側へ駆動部8が配置されるスペースを省略でき、計量装置1を設置するスペースをさらに小さくできる。
【0043】
また、図4及び図5に示すように、計量装置1の側面視において、第1距離D1は、第2距離D2よりも長い。第1位置において、排出口72が排出シュート9内に位置するため、排出口72が排出シュート9の外側に位置する場合と比較して、計量装置1を設置するスペースを小さくできる。また、第1距離D1は、第2距離D2よりも長いため、第2位置において物品が滑落する第2滑落面712の下端になる排出口72の内端部722を遠くに配置することができる。これにより、第2位置において、第2方向SDに排出された物品を排出シュート9の外側へ排出する際に、排出された物品が誤って排出シュート9へ入ることを抑制できる。
【0044】
また、計量装置1の側面視において、第1距離D1及び第2距離D2を、第2揺動軸S2から排出シュート9の内壁面の最短距離よりも短くすることで、排出口72が排出シュート9内に位置させても、振分けシュート7が排出シュート9に擦れずに、駆動部8は、振分けシュート7の位置をスムーズに切り替えることができる。
【0045】
(第2実施形態)
以下、図6図8を参照して、第2実施形態に係る計量装置1について、上述の第1実施形態に係る計量装置1との相違点に着目して説明する。ここで、図6は、第2実施形態に係る計量装置の全体構成を示す図であり、図7は、第2実施形態に係る振分けシュートの第1位置を示す側面図であり、図8は、第2実施形態に係る振分けシュートの第2位置を示す側面図である。
【0046】
具体的には、上述した第1実施形態では、複数のヘッド40が環状に配置されている一例について説明した。
【0047】
これに対して、本実施形態に係る計量装置1では、図6に示すように、複数のヘッド40が直列状に配置されている。すなわち、本実施形態に係る計量装置1では、図6に示すように、複数のヘッド40が幅方向Wに並んで配置されている。従って、本実施形態に係る計量装置1は、計量ホッパ5及びブースタホッパ6のそれぞれが直列状に配置される直線型の組合せ計量装置であってよい。
【0048】
図7及び図8に示すように、本実施形態に係る計量装置1では、駆動部8は、ブースタホッパ6(ヘッド40)よりも、計量装置1の本体に近い側に配置されてよい。従って、これにより、駆動部8が計量装置1の本体から離れた位置に駆動部8が配置されるスペースを設ける必要がなくなり、計量装置1を設置するスペースをさらに小さくできる。
【0049】
なお、計量装置1の本体は、計量装置1の中心となる部分である。例えば、計量装置1の本体には、搬送部(放射フィーダ3)が設けられていてもよく、プールホッパ4、計量ホッパ5、及びブースタホッパ6のそれぞれを駆動する駆動部が設けられていてもよい。
【0050】
また、本実施形態に係る計量装置1では、駆動部8は、ブースタホッパ6(ヘッド40)よりも、計量装置1の本体に遠い側に配置されてよい。
【0051】
<その他の実施形態>
上記のように実施形態について記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0052】
上述した実施形態において、計量装置1が組合せ計量装置である一例について説明したが、これに限られず、他の種類の計量装置であってよい。
【0053】
上述した実施形態において、駆動部8は、ブースタホッパ6よりも、計量装置1の中心よりも外側に配置されてもよい。また、駆動部8は、振分けシュート7を下降させることによって振分けシュート7の位置を第1位置から第2位置へ切り替えてもよい。また、駆動部8が振分けシュート7を移動させる方法は、上述の方法に限られない。駆動部8は、例えば、振分けシュート7に引っかけられたフックを鉛直方向Zに移動させることで、振分けシュート7の位置を第1位置と第2位置との間で選択的に切り替えてよい。
【0054】
なお、上述した制御部30における各処理を端末装置に実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 :計量装置
5 :計量ホッパ
6 :ブースタホッパ
7 :振分けシュート
8 :駆動部
9 :排出シュート
FD :第1方向
SD :第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8