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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/10 20060101AFI20240118BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20240118BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20240118BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A47B13/10
A47B7/00 A
A47B96/18 D
A47B96/18 G
A47C7/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021160430
(22)【出願日】2021-09-30
(65)【公開番号】P2023050367
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】521428169
【氏名又は名称】セントラルライン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀岡 勝
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-031533(JP,U)
【文献】特開2015-097671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0180055(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/10
A47B 7/00
A47B 96/18
A47C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と当該天板に設けられる脚部とを有する家具であって、
前記天板は、仮想三角形の各辺に含まれるとともに相互に同一の長さを有する3つの対向辺と、2つの前記対向辺の間に設けられる3つの組立辺とを有し、
前記仮想三角形の3つの頂点の内角は相互に相違した角度であり、
何れか2つの前記対向辺の間における前記組立辺が連なるように複数の前記天板を配置すると、複数の前記天板は複数の前記組立辺により形成される組立領域の大きさが相違する複数種類の天板群を形成できる、家具。
【請求項2】
請求項1に記載の家具において、
少なくとも1つの前記内角は180度のN分の1(ただし、Nは2から10までの整数)であり、3種類の前記天板群のうち少なくとも1つの前記天板群は前記組立領域が閉じられた形状を形成する、家具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の家具において、
3つの前記組立辺のうち少なくとも1つの前記組立辺は、対応する前記頂点から一端までの距離と前記頂点から他端までの距離とが同一である、家具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の家具において、
前記組立辺は凹形状と、直線形状と、凸形状のいずれかである、家具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の家具において、
前記仮想三角形の3つの頂点の内角は、90度、60度および30度であり、
90度の内角の間の前記組立辺を連ならせることによって4個の前記天板の前記組立辺により前記組立領域が閉じられた形状に形成される第1の天板群と、
60度の内角の間の前記組立辺を連ならせることによって6個の前記天板の前記組立辺により前記組立領域が閉じられた形状に形成される第2の天板群と、
30度の内角の間の前記組立辺を連ならせることによって12個の前記天板の前記組立辺により前記組立領域が閉じられた形状に形成される第2の天板群と、
を形成できる、家具。
【請求項6】
請求項5に記載の家具において、
3つの前記組立辺は、対応する前記頂点から一端までの距離と対応する前記頂点から他端までの距離とが同一である、家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子、テーブル、踏み台等として家具単体で使用できるとともに、同一形状の複数の家具を集合させると複数の配置形態の家具群とすることができる家具に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子およびテーブル等の家具は、天板と天板支持の脚部とを有しており、通常、単一の物品として使用される。複数のテーブル片により組み立てられる組立式テーブルが、特許文献1に記載されている。この組立テーブルは、それぞれ単独で使用可能なテーブル片を4つ組み合わせることにより四辺形に組み立てられ、テーブル面の中央部に開口部が形成される。
【0003】
特許文献2には、机や椅子の天板の脚として使用することができる積木脚を備えた幼児用家具が開示されている。この幼児用家具においては、幼児が積木として使用することができるブロックを、脚に継ぎ足して幼児の成長に合わせて椅子や机の高さを変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-56129号公報
【文献】特開平8-238148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、4つのテーブル片により組み立てられる四辺形の組立式テーブルを開示しており、四辺形以外の配置形態とすることはできない。一方、特許文献2は幼児の成長により机や椅子の天板の高さを変えることができる乳幼児用の家具を開示しており、机や椅子の配置形態を変えることはできない。
【0006】
従来の椅子や机の天板の形状は単純な形状であり、複数の椅子等を集合させても、集合後の配置形状は予測の範囲である。
【0007】
本発明の目的は、天板を突き当てる位置に応じて椅子や机の天板群を複数種類形成できる家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、天板と当該天板に設けられる脚部とを有する家具であって、前記天板は、仮想三角形の各辺に含まれるとともに相互に同一の長さを有する3つの対向辺と、2つの前記対向辺の間に設けられる3つの組立辺とを有し、前記仮想三角形の3つの頂点の内角は相互に相違した角度であり、何れか2つの前記対向辺の間における前記組立辺が連なるように複数の前記天板を配置すると、複数の前記天板は複数の前記組立辺により形成される組立領域の広さが相違する複数種類の天板群を形成できる。
【発明の効果】
【0009】
天板に形成された3辺の対向辺は同一の長さであって隣り合う2つの対向辺の角度は相違しており、2つの対向辺の間の組立辺を連ならせて複数の天板を対向辺で突き当てて組立領域を形成するようにすると、隣り合う2つの対向辺のなす角度に応じて、組立領域の広さが相違する複数の天板群を形成することができる。これにより、1つの椅子や机等の家具として使用することきができるとともに、複数の天板を突き当てて集合させると、特殊な配置形態の天板群とすることができ、例えば、幼児や学童の教育施設において、幼児教育用として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態である家具を示す斜視図である。
図2図1に示された家具の天板を示す平面図である。
図3a図1の家具を4個配置することにより形成される天板群の一例を示す平面図である。
図3b図1の家具を6個配置することにより形成される天板群の他の例を示す平面図である。
図3c図1の家具を12個配置することにより形成される天板群の一例を示す平面図である。
図4a図3aの斜視図である。
図4b図3bの斜視図である。
図4c図3cの斜視図である。
図5】他の実施の形態である家具の天板を示す平面図である。
図6a図5に示された家具を4個配置することにより形成される天板群の一例を示す平面図である。
図6b図5に示された家具を6個配置することにより形成される天板群の一例を示す平面図である。
図6c図5に示された家具を12個配置することにより形成される天板群の一例を示す平面図である。
図7】更に他の実施の形態である家具の天板を示す平面図である。
図8】更に他の実施の形態である家具の天板を示す平面図である。
図9】更に他の実施の形態である家具の天板を示す平面図である。
図10】更に他の実施の形態である家具の天板を示す平面図である。
図11】(A)は対称形状の2枚の天板を示す平面図であり、(B)は(A)の天板を備えた子供用の椅子を幼児用にトイレに配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図面に示すそれぞれの実施の形態において共通性を有する部材については同一の符号が付されている。
【0012】
図1は本発明の家具を椅子に適用した場合を示しており、椅子10は天板11と天板11の下面に取り付けられる3つの脚部12とを有し、使用者は天板11の上に腰掛けることができる。天板11は図2において破線で示されるように、仮想三角形13の各辺13a、13b、13cに含まれる3つの対向辺A、BおよびCを有しており、各対向辺A、BおよびCの長さLは相互に同一である。
【0013】
仮想三角形13の3つの頂点14a、15aおよび16aの内角はα、βおよびγで示されており、それぞれの内角α、βおよびγは相互に相違した角度である。図2において、内角αは90度であり、内角βは60度であり、内角γは30度である。
【0014】
対向辺Cと対向辺Aの間には組立辺14が設けられ、対向辺Aと対向辺Bの間には組立辺15が設けられ、対向辺Bと対向辺Cの間には組立辺16が設けられている。それぞれの組立辺14、15および16は、対応する頂点14a、15a、16aを中心とする半径P1(P2)、Q1(Q2)およびR1(R2)の円弧からなる凹形状である。したがって、組立辺14は、対応する頂点14aから一端までの距離P1と、対応する頂点14aから他端までの距離P2とが同一である。同様に、他の組立辺15、16も、対応する頂点15a、16aから一端までの距離Q1、R1と、対応する頂点15a、16aから他端までの距離Q2、R2とが同一である。このように、天板11は平面視において、外周には長さが相互に同一の3つの真っ直ぐな対向辺A~Cと、長さが相違する3つの組立辺14~16とを有している。
【0015】
対向辺Aを第1の対向辺とし、対向辺Bを第2の対向辺とし、対向辺Cを第3の対向辺とすると、第3の対向辺Cと第1の対向辺Aのなす角度はαであり、第1の対向辺Aと第2の対向辺Bのなす角度はβであり、第2の対向辺Bと第3の対向辺Cとのなす角度はγである。
【0016】
対向辺Aの長手方向の中央における天板11内に向かう方向の垂線をsとし、同様に、他の2つの対向辺B、Cの長手方向の中央における天板11内に向かう方向の垂線をt、uとすると、3本の垂線s、tおよびuは、天板11の中央部に近い位置において一点で交わっている。このように、3本の垂線が一点で交わるように、それぞれの対向辺A~Cの両端の頂点からの距離を設定すると、天板11の重心点が天板11の中心部に位置し、椅子10の上に腰掛けたときの安定性を高めることができる。
【0017】
3つの脚部12は、幅寸法が対向辺の長さよりもよりもやや狭い幅の板材であり、天板11の平面視において脚部12が組立辺14~16から突出しない。ただし、脚部12の幅寸法を対向辺の長さと同一に設定しても、組立辺から脚部12が突出しないように脚部12を天板11に組み立てることができる。脚部12は天板11と同様の厚みの素材が使用されており、製造コストの上昇を抑制することができる。ただし、脚部12の厚みを天板11の厚みと相違させるようにしてもよい。図2において破線で示されるように、板材の幅の部分がそれぞれ対向辺A~Cに沿っており、対向辺よりも天板の内側にずれている。対向辺よりも内側にずらすと、脚部12を木材製とした場合における脚部12の経年変化により脚部が変形したとしても、脚部12の下端部が対向辺の位置よりも外方に変位することを確実に抑制することができる。ただし、脚部12の幅方向の外面を対向辺の位置に一致させるようにして脚部12を天板11に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
なお、脚部12としては、3つに限られることなく、天板の下面にさらに脚部を加えるようにしてもよく、脚部を1つの柱材として、天板11の下面に取り付けるようにしてもよい。さらに、天板11の厚みを厚くすると、天板11が脚部12を兼ねる形状とすることができる。また、天板11と脚部12は、それぞれ木材製でもよく、樹脂製またはステンレス等の金属製としてもよい。
【0019】
図2に示されるように、天板11は、組立辺を介して隣り合う2つの対向辺のなす角度を相互に相違させるとともに、3つの対向辺の長さが同一に設定されている。これにより、同一角度の範囲に形成された組立辺が連なるように複数の椅子10の天板11を配置すると、円形または円弧状に配置された複数種類の天板群を組立形成することができる。また、異なる角度の範囲に形成された組立辺を連ならせると、曲りくねった形状の天板群を複数種類組み立てることができる。
【0020】
図3aは図1に示された椅子10を4個配置することにより形成される天板群21を示す平面図である。図4aにおいては、4個の椅子10のうちの1個が他の3個の椅子10から離れた状態で示されている。この天板群21は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Cとを対向つまり向き合わせて突き当てることにより、4個の天板11をそれぞれの組立辺14が連なるように全体的に円形に配置することにより形成される。4個の天板11の組立辺14により閉じた円形の組立領域25aが形成される。組立領域25aの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで4つの椅子10が配置される。
【0021】
対向し合う2つの対向辺Aと対向辺Cは、突き当てられた状態でもよく、僅かに数ミリメートル程度の隙間があってもよい。組み立てられた天板群21の上に人が腰掛けることができれば、隣り合う組立辺14は接触した状態で連なっていなくともよい。
【0022】
2個の椅子10の天板11を対向辺Aと対向辺Cとを対向させてそれぞれの組立辺14を連ならせて配置すると、半円形状の組立領域が2個の天板11により形成される。図4aに示すように、3個の椅子10の天板11をそれぞれの組立辺14を連ならせて配置すると、270度の円弧形状の組立領域が3個の天板11により形成される。
【0023】
図3bは図1に示された椅子10を6個配置することにより形成される天板群22を示す平面図である。図4bおいては、6個の椅子10のうちの1個が他の5個の椅子10から離した状態で示されている。この天板群22は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Bとを対向させて突き当てることにより、6個の天板11をそれぞれの組立辺15が連なるように配置することにより形成される。6個の天板11の組立辺15により閉じた円形の組立領域25bが形成される。この組立領域25bは図3aに示した組立領域25aよりも広い。組立領域25bの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで6つの椅子10が配置される。
【0024】
3個の椅子10の天板11を対向辺Aと対向辺Bとを対向させてそれぞれの組立辺15を連ならせて配置すると、半円形状の組立領域が3個の天板により形成され、2個から5個のうちの何れかの数の椅子10の天板11を配置すると、一部が外側に開口された組立領域が形成される。図4bは、5個の椅子10の天板11をそれぞれの組立辺15を連ならせて配置した天板群22を示しており、300度の円弧形状の組立領域が5個の天板11により形成され、一部が外側に開口されている。
【0025】
図3cは図1に示された椅子10を12個環状に配置することにより形成される天板群23を示す平面図である。図4cおいては、12個の椅子10のうちの1つが他の11個の椅子10から離した状態で示されている。この天板群23は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Bと、他方の天板11の対向辺Cとを対向させて突き当てることにより、12個の天板11をそれぞれの組立辺16が連なるように配置される。これにより、12個の天板11の組立辺16により閉じた円形の組立領域25cが形成される。この組立領域25cは、図3aおよび図3bに示した組立領域25a、25bよりも広い。組立領域25cの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで12個の椅子10が配置される。
【0026】
2個から11個の椅子10の天板11を、組立辺16を連ならせて配置すると、一部が外側に開口された組立領域が形成される。図4cは、11個の椅子10の天板11をそれぞれの組立辺16を連ならせて配置し、330度の円弧形状の組立領域が11個の天板11により形成された天板群23を示す。
【0027】
このように、天板11は相互に同一の長さの3つの対向辺を有し、隣り合う2つの対向辺の角度が相互に相違しており、同じ対向辺の間の組立辺が連なるように複数の椅子を配置すると、図3aおよび図4aに示すような第1の天板群21と、図3bおよび図4bに示すような第2の天板群22と、図3cおよび図4cに示すような第3の天板群23とを組み立てることができる。対向し合う2つの対向辺を突き当てた状態として隣り合う2つの椅子を固定する場合には、隣り合う椅子の脚部を図示しない結束具により連結することができる。また、それぞれの対向辺に露出させてマグネットを天板に設けると、隣り合う2つの天板を突き当てる際に、対向辺同士の突き当て作業を容易に行うことができる。
【0028】
図2に示すように、組立辺14~16が円弧辺からなる凹形状であるので、それぞれの組立領域25a~25cは図3a~図3cに示されるように、円形である。組立領域を閉じた円形とすることなく、開口部を備えた配置とすると、それぞれ組立辺からなる円弧形状の組立領域が形成される。
【0029】
例えば、幼児や学童の保育や教育を行う場所や施設に、図1に示す椅子10を多数配置すると、図3a~図3cに示すように、対向辺を対向させて突き当てる位置によって複数の組立辺により閉じた組立領域を天板群により3種類形成することができる。また、開口部を有する組立領域を多数形成することができる。さらに、同種の組立辺を連ならせるだけでなく、組立辺15と組立辺14とを連ならせたり、組立辺15と組立辺16とを連ならせたりすることにより、曲りくねった形状の組立領域を形成することができる。このように、対向辺の位置を変えることにより、形状が相違する多数の天板群を組み立てることができるので、複数の椅子10を知育玩具としても使用することができる。
【0030】
図5は他の実施の形態である家具の天板11を示す平面図であり、天板11における仮想三角形13における頂点14a~16aの内角α、βおよびγの角度は図2に示した天板と同一である。また、天板11の各対向辺A~Cの長さは相互に同一である。相違するのは、図2に示した天板11においては、組立辺14~16が凹形状であるのに対して、図5に示す天板11においては、直線形状である。
【0031】
図6aは図5に示された椅子10を4個配置することにより形成される天板群21を示す平面図である。この天板群21は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Cと対向させて突き当てることにより、4個の天板11の組立辺14が連なるように配置され、4個の天板11の組立辺14により閉じた四角形の組立領域25aが形成される。組立領域25aの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで4つの椅子10が配置される。
【0032】
2個の椅子10の天板11をそれぞれの組立辺14を連ならせて配置すると、直角の2つの辺からなる組立領域が2個の天板11により形成され、その組立領域は外側に開口される。
【0033】
図6bは図5に示された椅子10を6個配置することにより形成される天板群22を示す平面図である。この天板群22は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Bとを対向させて突き当てることにより、6個の天板11の組立辺15が連なるように配置することにより形成され、6個の天板11の組立辺15により閉じた6角形の組立領域25bが形成される。この組立領域25bは、図6aに示した組立領域25aよりも広い。組立領域25bの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで6つの椅子10が配置される。
【0034】
3個の椅子10の天板11をそれぞれの組立辺15を連ならせて配置すると、直線3辺の組立領域が3個の天板11により形成され、2個から5個の椅子10の天板を配置すると、一部が外側に開口された組立領域が形成される。
【0035】
図6cは図5に示された家具である椅子10を12個環状に配置することにより形成される天板群23を示す平面図である。この天板群23は、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Bと、他方の天板11の対向辺Cと対向させて、12個の天板11をそれぞれの直線状の組立辺16が連なるように配置することにより形成される。12個の天板11の組立辺16により閉じた12角形の組立領域25cが形成される。この組立領域25cは、図6aおよび図6bに示した組立領域25a、25bよりも広い。組立領域25cの中に図示しないテーブルを配置すると、そのテーブルを囲んで12個の椅子10が配置される。
【0036】
図5に示すように、組立辺14~16が直線であるので、それぞれの組立領域25a~25cは図6a~図6cに示されるように、多角形である。
【0037】
図5に示す椅子10を複数配置すると、図6a~図6cに示すように、対向辺の突き当て位置によって複数の組立辺により閉じた組立領域を天板群により3種類形成することができる。また、開口部を有する組立領域を多数形成することができる。さらに、図1に示した椅子10と同様に、同種の組立辺を連ならせるだけでなく、組立辺15と組立辺14とを連ならせたり、組立辺15と組立辺16とを連ならせたりすることにより、曲りくねった形状の組立領域を形成することができる。
【0038】
図7は更に他の実施の形態である天板11を示す平面図である。この天板11は3つの組立辺14~16が凸形状あることを除き、他の構成は図1および図5に示した天板11同様である。
【0039】
この天板11の組立辺14~16は、凸形状つまり凸面形状となっているので、図6aに示した場合と同様に、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Cとを対向させて突き当てることにより、4個の天板11により天板群を形成すると、それぞれの組立辺14が連なるように配置される。4個の天板11の凸形状の組立辺14により閉じた形状の組立領域が形成される。
【0040】
また、図6bに示した場合と同様に、隣り合う2個の天板11の一方の天板11の対向辺Aと、他方の天板11の対向辺Bとを対向させて突き当てることにより、6個の天板11により天板群を形成すると、それぞれの組立辺15が連なるように配置され、6個の天板11の組立辺15により閉じた異形状の組立領域が形成される。さらに、図6cに示した場合と同様に、隣り合う2個の天板11の一方の対向辺Bと、他方の対向辺Cとを対向させて突き当てることにより、12個の天板11により天板群を形成すると、それぞれの凸形状の組立辺16が連なるように配置され、12個の天板11の組立辺16により閉じた形状の組立領域が形成される。
【0041】
図1図5および図7に示されるように、組立辺14~16は、凹形状と、直線形状と、凸形状のいずれでもよい。
【0042】
図8は更に他の実施の形態である天板11を示す平面図である。3つの対向辺A~Cは相互に同一の長さであり、仮想三角形13の大きさと、3つの頂点14a、15aおよび16aの内角α~γは、上述した仮想三角形と同様である。つまり、内角αは90度であり、内角βは60度であり、内角γは30度である。さらに、それぞれの組立辺14~16は、図5に示した天板11と同様に直線である。
【0043】
これに対して、対向辺Cと対向辺Aの間の組立辺14は、対応する頂点14aから一端までの距離P1と、対応する頂点14aから他端までの距離P2とが相違しており、距離P1は距離P2よりも長い。対向辺Aと対向辺Bとの間の組立辺15は、対応する頂点15aから一端までの距離Q1と、対応する頂点15aから他端までの距離Q2とが相違しており、距離Q2は距離Q1よりも長い。さらに、対向辺Bと対向辺Cとの間の組立辺16は、対応する頂点16aから一端までの距離R1と、対応する頂点16aから他端までの距離R2とが相違しており、距離R2は距離R1よりも僅かに長い。
【0044】
このように、組立辺14~16の両端における各頂点からの長さを相違させても、上述した天板と同様に、3種類の天板群を組立形成することができ、それぞれ閉じた組立領域を形成することができる。それぞれの組立辺14~16は、直線形状のみならず、凹形状や凸形状としてもよい。
【0045】
図9は更に他の実施の形態である天板11を示す平面図である。3つの対向辺A~Cは相互に同一の長さであり、仮想三角形13の頂点の内角が上述した仮想三角形と相違している。つまり、3つの頂点14a、15aおよび16aの内角α~γは、αが90度であり、βが40度であり、γが50度の直角三角形である。この仮想三角形13のそれぞれの組立辺14~16は、図2に示した天板11と同様に凹形状であるが、対向辺Aと対向辺Bとの間の組立辺15は、対応する頂点15aから一端までの距離Q1と、対応する頂点15aから他端までの距離Q2とが相違しており、距離Q1は距離Q2よりも長い。さらに、対向辺Bと対向辺Cとの間の組立辺16は、対応する頂点16aから一端までの距離R1と、対応する頂点16aから他端までの距離R2とが相違しており、距離R1は距離R2よりも僅かに長い。ただし、組立辺14については、距離P1と距離P2は同一である。
【0046】
この椅子の天板11は、組立辺14を連ならせて4つの天板11を配置すると、閉じた組立領域が形成され、組立辺15を連ならせて9個の天板を配置すると、閉じた組立領域が形成される。一方、内角γが50度であるので、組立辺16を連ならせても閉じた領域を形成することができないが、開口部を有する組立領域を形成することができる。
【0047】
図10は更に他の実施の形態である天板を示す平面図である。3つの対向辺A~Cは相互に同一の長さであり、仮想三角形13の大きさが上述した仮想三角形と相違している。つまり、3つの頂点14a、15aおよび16aの内角α~γは、αが80度であり、βが60度であり、γが40度の直角三角形である。この仮想三角形13のそれぞれの組立辺14~16は、直線形状である。それぞれの組立辺14~16の両端の対応する頂点からの距離は相違している。この天板11においては、組立辺15を連ならせて4つの天板11を配置すると、閉じた組立領域が形成され、組立辺16を連ならせて9個の天板を配置すると、閉じた組立領域が形成される。これに対して、組立辺14を連ならせて複数の天板を配置しても、閉じた組立領域を形成することはできず、開口部が設けられた組立領域が形成される。
【0048】
このように、仮想三角形の各頂点の内角は、正の整数をNとすると180度のN分の1の角度であって、Nが2から10までの整数であれば、複数の椅子により閉じた組立領域を形成することができ、それ以外の角度であれば、開口部を有する組立領域が形成される。図2図5および図8に示されるように、α、βおよびγを、それぞれ90度、60度、30度とすれば、それぞれ閉じた組立領域25a、25bおよび25cを形成することができる。これに対して、図9および図10に示されるように、40度、50度、80度等の角度に設定されると、閉じた組立領域を形成することができない。ただし、開口部を有する組立領域を形成することはできる。
【0049】
図11(A)は対称形状の2枚の天板11を示す平面図であり、図11(B)は図11(A)の天板を備えた子供用の椅子を幼児用にトイレに配置した状態を示す斜視図である。
【0050】
図11(A)には天板11aと天板11bとが示されており、天板11aは図2に示された天板11と同一である。一方、天板11bは天板11aの表裏が反転されて天板11aの対称形状である。つまり、天板11aは平面において時計方向に対向辺A、B、Cが設けられ、時計方向に組立辺14、15、16が設けられている。これに対して、天板11bは平面において時計方向に対向辺A、C、Bが設けられ、時計方向に組立辺14、16、15が設けられている。
【0051】
このように、対称形態の天板11aを備えた椅子10aと天板11bを備えた椅子10bとを組立辺14を連ならせて配置すると、2つの椅子10a、10bは天板が対称形状の天板群となる。このような2つの椅子からなる組立椅子は、図11(B)に示すように、幼児用の椅子として、例えば、トイレ30用に使用することができる。
【0052】
上述の椅子としては、幼児用として好適であるが、脚部の高さと天板の大きさを変更することにより、大人の椅子としても適用することができる。また、机、踏み台、さらには置き台としても適用することができる。椅子等の天板の形状を特殊な形状とすると、1つの椅子としても使用できるとともに、複数の椅子を集合させると特殊な配置形態の椅子群とすることができ、例えば、幼児や学童の教育施設において、三角形による知育教育の教材としても使用することができる。
【0053】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。机や家具の模型とすることにより、玩具としての利用を行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
10 椅子
11 天板
12 脚部
13 仮想三角形
14~16 組立辺
14a~16a 頂点
21~23 天板群
25a~25c 組立領域
A、B、C 対向辺
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11