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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】マルチ・スキミング用の装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/20 20230101AFI20240118BHJP
   C02F 1/38 20230101ALI20240118BHJP
   A01K 63/04 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
C02F1/20 A
C02F1/38
A01K63/04 F
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2021564640
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 NO2020050108
(87)【国際公開番号】W WO2020222654
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】20190561
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】520341706
【氏名又は名称】セアラス エーエス
【氏名又は名称原語表記】SEARAS AS
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アガ、モーテン
(72)【発明者】
【氏名】リエン、エルダー
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04780217(US,A)
【文献】特開2006-217822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0029902(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第85109079(CN,A)
【文献】特開2004-130290(JP,A)
【文献】特開平05-064532(JP,A)
【文献】特開平11-289911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/20- 1/26
C02F 1/30- 1/38
A01K 61/00-61/65
61/80-63/10
B01D 19/00-19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中の気体の除去、および/または液体からの泡および粒子の除去、および/または液体の移送のための装置(10)であって、前記装置(10)は液体を第1の場所から第2の場所へ移送するためのパイプライン(16)を備え、前記パイプライン(16)は、液体の取り入れのための上流側パイプ部(16a)と、実質的に水平な水平パイプ部(16b)と、液体を前記パイプライン(16)の外部へ流出させるための下流側パイプ部(16c)と、前記パイプライン(16)から気体、粒子および液体の一部かれる第1排出パイプ部(16d)と、前記第1排出パイプ部(16d)の下流側に配置された第2排出パイプ部(16e)と、を含み、気体、粒子および液体の一部が前記第1排出パイプ部(16d)から前記第2排出パイプ部(16e)を介して前記パイプライン(16)の外部に排出されるようになっており、前記パイプライン(16)にマイクロバブルを供給するための手段(17)が、前記上流側パイプ部(16a)および/または前記水平パイプ部(16b)に配置され、前記パイプライン(16)の一部に負圧を生じさせるための手段(19)が、前記パイプライン(16)に配置され、前記装置(10)は、前記水平パイプ部(16b)に2つ以上の前記第1排出パイプ部(16d)を含むことを特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
第1排出パイプ部(16d)は任意の幾何学的形状を有る、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
第1排出パイプ部(16d)は円形状を有する、請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
第1排出パイプ部(16d)は、排出ダクト(16h)を形成するように配置される長方形状を有する、請求項2に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記2つ以上の第1排出パイプ部(16d)は、前記水平パイプ部(16b)と接続するように配置される、または前記水平パイプ部(16)と前記下流側パイプ部(16c)との間の移行部に配置される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記装置が、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の前記第1排出パイプ部(16d)を備える、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項7】
第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)に隣接する前記第2排出パイプ部(16e,16e’,16e’’,16e’’’)が、前第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)から分離された気体、粒子、および、一部の液体の除去のために配置される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記パイプライン(16)への気体の供給のための1つ以上の注入手段(17)が前記パイプライン(16)に設けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記注入手段(17)が前記水平パイプ部(16b)に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記入手段(17)が1つ以上の前記第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)の下流側直近に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記注入手段(17)が前記上流側パイプ部(16a)に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項12】
第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)に接続されるいくつかの前記第2排出パイプ部(16e,16e’,16e’’,16e’’’)が、前記第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)内で分離された気体、粒子および液体の排出のために配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記注入手段(17)が、前注入手段(17)への水の供給のためのポンプに接続される、請求項から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記注入手段(17)が、前記注入手段(17)に空気を運ぶオープンエアホースに接続される、請求項から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
気体、粒子および液体が、1つ以上の前記第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)から、液体からの気体の分離のためのサイクロン(20)へ流される、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記サイクロン(20)および前記第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)に負圧を生じさせるための手段(19)が前記サイクロン(20)の上部に配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記パイプライン(16)を通過する液体の最大25%が、前記第2排出パイプ部(16e)を介して運ばれる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記上流側パイプ部(16a)または前記水平パイプ部(16b)を介して液体を吸い上げるためのポンプ装置(18)をさらに備える、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項19】
前記上流側パイプ部(16a)および/または前記水平パイプ部(16b)が、前記水平パイプ部(16b)を通過する液体流への受動的な空気の吸い込みに適した開口(21a)を有するガーランド(21)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
泡をさらに上昇させるために空気が前記第1排出パイプ部16dに追加される、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記上流側パイプ部(16a)および/または前記水平パイプ部(16b)が、パイプ部(16a,16b)への流体の注入のために配置されたポンピング手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記第1排出パイプ16dが、流体の高さを調節し、それによって排出される流体の量を調節可能なバルブ25に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
体は前記パイプライン(16)を介して同じ容器内の異なる位置に移送される、請求項1から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記ポンプ装置(18)がプロペラポンプまたはエジェクタポンプである、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
負圧を生じさせるための前記手段(19)は、真空ポンプ(19)またはファン(19)である、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記第1排出パイプ部(16d,16d’,16d’’,16d’’’)が液体と気体との広い界面領域を保証するある程度の容積を有し、液体が前記パイプライン(16)をゆっくりと循環することにより、前記下流側パイプ部(16c)を介して容積体へ液体と共に流れる気体の量が減少する、請求項1から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記装置(10)が海生生物を飼育するための設備に配置される、請求項1から26のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項28】
前記装置(10)がネットケージに配置され、前記ネットケージは前記装置(10)前記ネットケージの中で浮かび続けるようにするフロートカラーを備える、請求項23に記載の装置(10)。
【請求項29】
前記上流側パイプ部(16a)内の液柱が前記下流側パイプ部(16)内の液柱よりも軽くなるように、前記装置(10)を通過する液体の流れの全体または一部が、前記注入手段(17)からの空気の供給によって生じさせられる、請求項から11のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項30】
前記装置(10)が廃水の処理のための設備に配置される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項31】
前記下流側パイプ部(16c)を介した排出の前に酸素が液体に供給されるように、前記パイプライン(16)に酸素の供給のための手段が配置される、請求項1から30のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項32】
前記パイプライン(16)および前記サイクロン(20)の負圧は、気液流と共に泡およびより小さい粒子を前記パイプライン(16)から移動させるのに十分である、請求項15または16に記載の装置(10)。
【請求項33】
流体は、第1の液体容積体(A)から前記上流側パイプ部(16a)に取り入れられるとともに、前記下流側パイプ部(16c)から第2の液体容積体(B)へ流出し、前記パイプライン(16)内を通過する液体が、全体的にまたは部分的に位差によって動かされるように、前記第1の液体容積体前記第2の液体容積体との液位が異なる、請求項1から32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
魚等のより大きいユニットは、前記下流側パイプ部(16c)から流体の流れと共に移送される、請求項1から33のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項35】
前記排出ダクト(16h)が前記水平パイプ(16b)の上向きの位置に配置される、請求項4に記載の装置(10)。
【請求項36】
前記排出ダクト(16h)が前記水平パイプ(16b)に対して外側に位置する頂部(16h)として形成される、請求項4に記載の装置(10)。
【請求項37】
前記外側に位置する頂部(16h)は、長方形状の構成を有する、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
吸い出される泡/液体の量を制御できるように空気ダクトの開口が調整されるように、前記頂部(16h)の1つ以上の壁部が調整可能である、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記水平パイプ部(16b)の断面が、円、楕円、正方形、または長方形から選択される幾何学的形状を有し得る、請求項1に記載の装置。
【請求項40】
前記水平パイプ部(16b)が、キャリアとして機能し、自身の重さを支えることが可能である、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記第1排出パイプ部(16d)および前記第2排出パイプ部(16e)が前記水平パイプ部(16b)の長手方向に配置される、請求項39に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体からの気体および粒子の除去、および/または液体の移送のための装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
多くのシステムにおいて、液体から気体および微粒子を除去する必要がある。例えば、一例では、魚の養殖設備において、設備内の魚が二酸化炭素を発生させ、餌の残りかすおよび魚の糞便が、従来の機械的なフィルタを通して濾過することが難しい有機物の蓄積を引き起こす。いわゆるRAS(Recirculating Aquaculture Systems)設備のように、液体がリサイクルされて設備に戻される場合、二酸化炭素は除去され、好ましくは酸素と置き換えられ、魚に良い環境を与えるために微粒子の大部分は除去されるべきである。有機物の微粒子は、バイオフィルタ内の独立栄養細菌と競合する従属栄養細菌に養分を供給する。独立栄養細菌を助ける最適な方法は、従属栄養細菌の養分である有機物を制限することである。有機物の抽出は、プラント内の硫化水素のリスクも減少させる。良いスキミングはまた、水から細菌およびウイルスを除去する。
【0003】
水から二酸化炭素を排出するために、空気がマイクロバブルの状態で水中に注入されることが重要である。これは空気と水との間の広い接触面積を提供し、それによって気体の交換がより効果的になり、同時に、負圧が気体を水から空気へ追い出すことを助ける。マイクロバブルはまた、最小の粒子(<40マイクロメートル)をバブルに結合させて、持ち上げてシステムから排出する鍵でもある。
【0004】
水の処理はまた、例えば排水の処理等の他の多くの文脈で必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、気体および最小の粒子が液体から除去される解決手段を提供することが本発明の目的である。好ましくは、二酸化炭素および有機物の除去のための解決手段を提供することが目的であるが、解決手段は液体中に溶ける任意の気体および任意の種類の粒子(例えばマイクロプラスチック)を除去するために用いられ得ることが意図される。
【0006】
微粒子および泡が液体から除去される解決手段を提供することも本発明の目的である。
ここで提供される解決手段は、サイホンの原理およびパイプラインの部分での負圧の確立に部分的に基づいており、この方法で液体をある容器から別の容器に移すこともできる。
【0007】
したがって、ある程度の液体をある容器から別の容器へ、または同じ容器中のある場所から別の場所へ、移すことができる解決手段を提供することも本発明の目的である。
養魚場内の液体の動きと関係して、液体および液体中の魚を移動させ、同時に液体に対してガス抜きおよび粒子/泡の除去を行うことができることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、液体中の気体の除去、および/または液体からの泡および粒子の除去、および/または液体の移送のための装置に関するものであり、その装置は液体を第1の場所から第2の場所へ移送するためのパイプラインを備え、パイプラインは、液体の取り入れのための第1上流側パイプ部と、実質的に水平なパイプ部と、液体をパイプラインの外部へ運ぶための下流側パイプ部と、パイプ部(16e)を介してパイプラインの外部に排出される気体、粒子および液体の一部が通過するための排出パイプ部と、を含み、パイプラインにマイクロバブルを供給するための手段が、上流側パイプ部および/または水平パイプ部に取り付けられ、パイプラインの一部に負圧を生じさせるための手段(19)が、パイプラインに配置され、装置は、パイプ部に2つ以上の排出パイプ部を含むことを特徴とする。
【0009】
ある実施形態において、パイプ部(16b)の排出部は、任意の幾何学的形状を有し得る。
ある実施形態において、パイプ部(16b)の排出部は、円形であり得る。
【0010】
ある実施形態において、パイプ部(16b)の排出部は、排出ダクトを形成するために配置される長方形であり得る。
ある実施形態において、上記2つ以上の排出パイプ部は、水平パイプ部に隣接して配置される、または水平パイプ部と下流側パイプ部との間の移行部に配置される。
【0011】
ある実施形態において、装置は3つ、4つ、5つまたはそれ以上の排出部を備える。
ある実施形態において、気体、粒子および排出パイプ部から分離された一部の液体の排出のためのパイプ部は、各排出パイプ部に隣接して配置される。
【0012】
ある実施形態において、パイプラインへの気体の供給のための1つ以上の注入/排出手段がパイプラインに設けられる。
ある実施形態において、注入/排出手段は水平パイプ部に配置される。
【0013】
ある実施形態において、注入/排出手段は、1つ以上の上記排出パイプ部の下流側直近に取り付けられる。
ある実施形態において、注入/排出手段は上流側パイプ部内に配置され、好ましくは、上流側パイプ部の下部に配置される。
【0014】
ある実施形態において、パイプ部は、排出パイプ部内で分離された気体、粒子および液体の排出のための排出パイプ部の各々と接続されるように配置される。
ある実施形態において、注入器/噴出器の各々は、圧力下での噴出器への水の供給のためのポンプに接続される。
【0015】
ある実施形態において、注入器/噴出器の各々は、空気を噴出器に案内するオープンエアホースに接続される。
ある実施形態において、1つ以上のパイプ部からの気体、粒子および液体は、液体から気体を分離させるサイクロンに通される。
【0016】
ある実施形態において、サイクロンおよび排出パイプ部内に負圧を生じさせるための手段がサイクロンの上部に取り付けられる。
ある実施形態において、パイプラインに導入される液体の0~25%、好ましくは0.01~10%が排出パイプ部(16e)を通過する。
【0017】
ある実施形態において、ポンプ装置は、上流側パイプ部または水平パイプ部を介して液体を送り出すために配置される。
ある実施形態において、上流側パイプ部および/または水平パイプ部は、水平パイプ部を通って導入される液体の流れへの受動的な空気の吸い込みに適した開口を有するガーランドを備える。
【0018】
ある実施形態において、泡に追加の上昇力を供給するために、空気を追加するための装置が排出パイプ部内に取り付けられる。
ある実施形態において、上流側パイプ部および/または水平パイプ部は、液体を上記パイプ部に注入するために配置されたポンピング手段を備える。
【0019】
ある実施形態において、排出パイプ部は、流体の高さを、したがって引き入れられる液体の量を制限できるバルブを備える。
ある実施形態において、第1の液体容積体および第2の液体容積体が同一であり、すなわち、液体はパイプラインを介してネットケージ等の容器内の異なる位置に移送される。
【0020】
ある実施形態において、上記ポンプ装置はプロペラポンプまたはエジェクタポンプである。
ある実施形態において、負圧を生じさせるための上記手段は、真空ポンプまたはファンである。
【0021】
ある実施形態において、排出パイプ部は、液体と気体との大きな境界面を保証するある程度の容積を有し、液体はパイプラインを介してゆっくりと循環することにより、液体と共に下流側パイプ部を介して第2の液体容積体へ流れる気体の量が減少する。
【0022】
ある実施形態において、装置は海洋生物の養殖のための設備に配置される。
ある実施形態において、装置はネットケージ内に配置され、ネットケージは、装置がネットケージシステム内で浮かび続けるようにするフロートカラーを備える。
【0023】
ある実施形態において、上流側パイプ部内の液柱が下流側パイプ部内の液柱よりも軽くなるように装置を通過する液体の流れの全体または一部が、注入器からの空気の供給によって生じさせられる。
【0024】
ある実施形態において、装置は廃水の処理のための設備に配置される。
ある実施形態において、下流側パイプ部を介した排出の前に酸素が液体に供給されるように、酸素の供給のためのパイプライン内に手段が配置される。
【0025】
ある実施形態において、パイプラインおよびサイクロンの負圧は、気液流と共に泡およびより小さい粒子をパイプラインから移動させるのに十分である。
ある実施形態において、パイプライン内を通過する水が、全体的にまたは部分的に水位差によって動かされるように、液体容積体Aと液体容積体Bとの液位が異なる。
【0026】
ある実施形態において、魚等のより大きいユニットは、下流側パイプ部から流体流と共に移送される。
ある実施形態において、排出ダクト(16h)はパイプライン(16b)の上向きの位置に配置される。
【0027】
ある実施形態において、排出ダクト(16h)は、パイプライン(16b)に対して、外側頂部(16h)として形成される。
ある実施形態において、上面部(16h)は長方形状の構成を有する。
【0028】
ある実施形態において、どれだけの泡/液体が吸い出されるかを制御できるように空気ダクトの開口が調整されるように、頂部の1つ以上の壁部が調整可能である。
ある実施形態において、水平パイプ部(16b)の断面は、円、楕円、正方形、または長方形から選択される幾何学的形状を有し得る。
【0029】
ある実施形態において、水平パイプ部(16b)は、キャリアとして機能し、自身の重さを支えることが可能である。
ある実施形態において、1つ以上の排出部(16d)および1つ以上のパイプ部(16e)は水平パイプ部(16b)の長手方向に配置される。
【0030】
発明の好ましい実施形態は、以下において、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1はパイプラインを通過する液体からの気体および粒子の除去のための装置を模式的に示す。
図2図2は、気体、粒子および液体がサイクロンへさらに分離されることによる、液体からの気体の除去のための装置を模式的に示す。図2は、いくつかの浄化手順が実行される本発明の実施形態を示す。
図3図3は、水平パイプ部が気体の抽出のためのいくつかの部分(および液体のより小さい部分)を備える実施形態を示す。
図4図4は、水平パイプ部が長手方向を有する排出部を備える実施形態を示す。実施形態で示されるように、2つのそのような縦方向の排出部が存在する。
図5図5は、長方形の断面を有するパイプライン16bの構成を断面で示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1はパイプライン16を通過する液体の浄化の原理を示す。液体は、図1に示されるように、第1の液体容積体Aから第2の液体容積体Bへ移されるが、液体は、液体容積体A内のある場所から液体容積体A内の別の場所に、すなわち、液体容積体Aのある場所から同じ容器内の別の場所にも移動できる。しばしば、流体が容器の中心から容器の周縁に近い地点に移動することは適切である。
【0033】
図1に示されるように、第1の液体容積体Aに配置されているのは、第1の液体容積体Aから第2の液体容積体Bへの水の循環のための1つ以上のパイプライン16である。もちろん、第1から第2の流体容積体Bへの水の循環のためのそのようなパイプライン16が複数あってもよい。パイプライン16は、第1の液体容積体Aから延びる上流側パイプ部16aを有し、上流側パイプ部16aは第1の液体容積体の液位より上に概して垂直上向きに延び、この上流側パイプ部16aは液体のパイプライン16への取り入れに用いられる。
【0034】
液体容積体A内の液位より上の部分において、水平パイプ部16bと流体連通している上流側パイプ部16aが存在する。好ましくは、このパイプ部16bは緩やかに傾斜して、または概ね水平に配置される。水平パイプ部16bの下流において、液体は下流側パイプ部16cを通って移送される。この下流側パイプ部16cは、概して垂直に配置され、液体をパイプライン16から液体部Bに運ぶ。いくつかの好ましい実施形態において、水平パイプ部16bは、液体がかなりの距離を移送されるように、かなりの長さを有する。部分16dにおいて、気体、泡およびいくらかの液体は、主要な流体の流れから除去される。この部分16dは、好ましくはパイプ部16bまたはパイプ部16とパイプ部16cとの間の移行部に接続される。
【0035】
上流側パイプ部16a、水平パイプ部16bまたはパイプ部16dの一部に、注入器17が配置される。注入器17は、パイプライン16に気体、好ましくは空気のマイクロバブルを供給する。液体容積体Aからの液体と共にパイプライン16を通って移送されるマイクロバブルは、液体容積体A内に溶けている気体およびより小さい粒子をマイクロバブルの方へ移動させる。例えば、二酸化炭素が第1の液体容積体Aに溶けている場合、これはマイクロバブルへ引き込まれ、管部16dにおいて液体から排出され得る。「注入器」という用語は、気体または空気のマイクロバブルが液体内に形成されるような液体流への気体の供給を意味する。したがって、この用語は、液体噴流(ベンチュリ)に受動的に吸い込まれる気体に基づく「噴出器」および液体/気体流へ注入される(押し入れられる)ものに基づく「注入器」をカバーする。
【0036】
負圧を発生させるための手段19がパイプライン16と連通しているので、負圧がパイプライン16内に確立される。水平パイプ部16bを流れる液体流は、パイプ部16bによって、大部分の液体が流れる下流側パイプ部16cと、確立された負圧および供給されたマイクロバブルのために気体がパイプライン16から引き出される排出部16e(図2に示される)と、に分離される。パイプライン16内の負圧を調整し、下流側パイプ部16cおよび排出部16dの寸法(直径)を調整することにより、水平パイプ部16bを流れる流体の一部を排出部16eを介して移送することもできる。
【0037】
試験は最大で液体の25%を排出部16eを介して移送できることを示した。しかしながら、液体の0.01~10%が排出部16eを介して排出され、残りの液体が下流側パイプ部16cを通過することが好ましい。
【0038】
気体、好ましくは空気の供給は、上流側パイプ部16aまたは水平パイプ部16bのパイプライン内を上昇する液体がより軽くなり、また、排出部16dにおいて気体/空気が除去されてパイプ部16cを介してパイプラインから排出される液体よりも軽くなることを保証する。パイプ部16a内の液体がパイプ部16c内の液体よりも軽いことにより、パイプライン16を通じて液体が流れて移送される。実験は、注入器17を介した空気の十分な供給とファン19を介した十分な負圧の確立によって、液体を吸い上げるためのポンプを使用する必要なく、液体が十分な速度で装置10を通って移送されることを示した。
【0039】
排出パイプ部16eを介して排出される液体のより軽い部分(大量の溶けている気泡を有する)も存在するであろう。
装置10のいくつかの実施形態において、パイプライン16の部分に、すなわち、上流側パイプ部16a、水平パイプ部16b、または下流側パイプ部16cのいずれかに、第1の液体容積体から水を吸い上げるためのポンプ装置18が好ましくは配置される。好ましくは、これは大量の低圧の水を吸い上げるのに適したプロペラポンプ18である。例えば、図1に示されるように、液体が上流側パイプ部16aを介して第1の液体容積体から引き出されるように、ポンプは上流側パイプ部16aに配置される。
【0040】
図1に示される解決手段において、パイプ部16bは、かなりの長さを有し、パイプ部16bの頂部まで吸い上げられた液体がパイプ部16bを流れるようにわずかに下向きに傾斜する。広い液面が形成され、これは第1の液体容積体A内の任意の気体の効果的な除去を提供する。したがって、パイプ部16bおよび排出部16dを通過した後の液体は、より少ない量の溶け込んだ気体を含む。
【0041】
装置10が養魚場において使用される場合、第1の液体容積体Aは通常、魚等の海洋生物が住む水槽であり、これは最終的に大量の溶け込んだ二酸化炭素を含む。したがって、この二酸化炭素を除去すること、または同時に二酸化炭素を酸素または空気で置き換えることが、本発明の目的である。第1の液体には、相対的に高い濃度の二酸化炭素と低い濃度の酸素が存在する。さらに、パイプライン部16aおよび16b内に水と小さい気泡の混合物が存在し、二酸化炭素は平衡原理によって、水に溶解しなくなって気泡に入る。図示されていない発明の実施形態において、下流側パイプ部16cを介してパイプライン16から流出する液体への酸素の供給のための手段が、下流側パイプ部16cに存在し得る。
【0042】
図1に示されるように、ある部分に、好ましくは水平パイプ部16bと下流側パイプ部16cとの間の移行部に、パイプ部16b内に負圧を生じさせるために配置される装置19が存在する。これは図1においてファン19として示される。液体内の気泡は、そのような負圧によって、水平パイプ部16bを流れ、さらに排出部16dを介して下流側パイプ部16cを流れる液体から引き出される。負圧および気泡と水との間の広い表面積によって、この方法は効果的に二酸化炭素および他の気体を液体から除去する。
【0043】
図1に示されるように、第1の液体容積体内の液体は装置10を通過する際に、すなわち、異なるパイプ部16a,16bおよび16cを通過する際に、気体と交換され得る。この気体の交換とともに、装置10は液体を移動させるために用いられ得る。図1に示されるように、液体は第1の液体容積体Aからパイプライン16を介して第2の液体容積体Bに移送される。これは、あるネットケージから別のネットケージ、または1つのネットケージのある部分からそのネットケージの別の部分であり得る。いくつかの実施形態において、パイプライン16を通って移送される液体は、それが取り出された同じ液体容積体に戻される、すなわち、(図3に示されるように)第1および第2の液体容積体は同じネットケージまたはネットケージの部分である。
【0044】
図2は本発明の原理を示す代替できる解決手段を示す、すなわち、図1の解決手段に加えて、気体と液体とを分離するために用いられるサイクロン20が存在する。図2から、装置が概ね水平なパイプ部16bに接続される概ね垂直な上流側パイプ部16aを備えることが分かる。空気、好ましくは空気のマイクロバブルの供給のための手段がパイプ部16aに配置される。必須ではないが、いくつかの実施形態において、上流側パイプ部16a内の手段18(図2に示されていない)も、第1の液体容積体Aから水を引き出してパイプライン16を通過させるために用いられる。水平パイプ部16bと下流側パイプ部16cとの間の移行部に、上流側パイプ部16aおよび水平パイプ部16bを介した液体および気体の移送において、排出部16d内の気体が液体から除去されて排出パイプ部16eを介してパイプライン16から排出されるように、排出部16dが設けられる。排出部16dから排出された、粒子および気体を含む泡は、パイプ部16e内にまたはパイプ部16eと組み合わせて設けられる、排出部16d内に負圧を生じさせるための手段19によって、パイプ部16eを介して引き出される。負圧を生じさせるための手段19は、パイプ部16eに直接接続されてもよく、図2に示されるようにサイクロン20を介する必要はない。
【0045】
十分な負圧を生成し、パイプ部16eおよびパイプ部16cのパイプ円周の適切な寸法を決定することによって、液体の一部も排出パイプ部16eを介してパイプライン16から排出される。排出パイプ部16eを通って排出されるのは、液体の最も軽い部分、すなわち、高い濃度の気泡を有する部分である。液体の最も重い部分はパイプ部16cの下流で排出される。
【0046】
排出部16dが特定の体積であり、特に液面が特定のサイズであることが利点である。これにより、大きな界面の流体、すなわち気体が生成され、生成された負圧とともに、液体中に溶け込んだ気体の効果的な取り出しを提供する。上流側パイプ部16aまたは水平パイプ部16bを介して注入器17から液体に供給される気泡も、より小さい粒子を液体から気相に引き出し、排出パイプ部16eの外に排出する。この部分にはパイプ部16eへ引き出される泡も形成される。排出部16d内に確立された状態、すなわち負圧、広い面積、および気泡を含む液体は、気体を効果的に液体から分離させる。気体はパイプ部16eを介して除去され、液体の大部分は下流側パイプ部16cを介して取り出される。
【0047】
さらに、図2に示される装置10には、空気の受動的な吸い込みのための開口21aを備えるガーランド21が配置される。このガーランド21は、上流側パイプ部16aにおける液体容積体Aの液面より上部に配置されるか、水平パイプ部16bに配置される。開口21aは、供給される空気の量を制御できるように調節可能である。
【0048】
さらに、図2に示される装置10には、パイプライン16内の流体流に液体を供給(注入)できる注入装置22が存在する。注入装置22は、好ましくは上流側パイプ部16aに配置されるが、水平パイプ部16bに配置されてもよい。
【0049】
さらに、図2に示される装置10には、排出パイプ部16eから流れてくる液体および気体を分離させるためのサイクロン20が取り付けられる。負圧を生じさせるための手段19は、サイクロン排出パイプライン16fを介してサイクロン20と接続される。
【0050】
図2は、第1および第2の液体容積体が異なることを示す、すなわち、気体を交換し、液体中の泡および粒子を除去するために、液体は装置10を通って移送され、液体の大部分は下流側パイプライン16cを介して液体容積体Aから液体容積体Bへ案内される。
【0051】
図3は本発明の実施形態を示す。すなわち、水平パイプ部16bに、気体(およびより少ない量の液体)をパイプ部16bから引き出すためのいくつかの部分が取り付けられる。図3に示される実施形態において、装置10は排出パイプ部16eから排出される気体および液体の分離のためのサイクロン20を備えるが、装置はそのようなサイクロン20なしでも機能する。いくつかの実施形態において、1つ以上のサイクロン20が用いられる。手段19は、常にパイプライン16内に負圧を生じさせ、パイプ部16eから、場合によってはパイプ部16fを介してサイクロン20から、気体および液体の一部を引き出す中央ファンまたは真空ポンプである。
【0052】
液体は、取入口パイプ部16aを介してパイプ部16を通り、パイプ部16cを介して吐出口へ移送される。1つ以上の注入器/噴出器17はパイプライン16内に取り付けられ、好ましくはパイプライン16の下部およびパイプライン部16bに取り付けられる。注入器/噴出器17へ液体、好ましくは水を供給するポンプが注入器/噴出器17に接続されることが好ましい。同じく注入器/噴出器17に接続されるのは、噴出器17に空気を供給するためのオープンエアホースである。空気の供給は、水がノズルを通って流れる際にベンチュリによって発生する。
【0053】
図3に示されるように、本発明は、パイプ部16aを通って取り入れられる液体流から気体、粒子および液体の一部が分離される、いくつかの部分16eを備える。すなわち、パイプ部16eを介してパイプ部16bから排出される気体/液体/粒子は、いくつかのその後の浄化ステップで、気体、粒子および泡について浄化される。図3において、異なるパイプ部16dが16d、16d’、16d’’、および16d’’’として表される。パイプ部16dおよびパイプ部16eへの移送は第1浄化ステップを示し(すなわち、図1および図2にも示されるように)、パイプ部16d’および16e’が第2浄化ステップを示し、パイプ部16d’’および16e’’が第3浄化ステップを示し、16d’’’および16e’’’は第4浄化ステップを示す。最終の浄化ステップは、この実施形態においては、サイクロン20内で実行される。本発明による解決手段は、2つ以上のそのような浄化ステップを有し得る。任意に、本発明の実施形態は、図3に示されるよりも多い浄化ステップを有し得る。
【0054】
したがって、パイプ部16bはいくつかのパイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’に取り付けられるので、パイプ部16bを流れる液体は、いくつかのパイプ部16dを介して排出され得る。これらの各々において、パイプライン16e、16e’、16e’’、16e’’’を介して、任意にサイクロン20およびパイプ部16fを介して、気体、粒子、泡、およびいくらかの液体がパイプライン20から排出され送られるように、排出部が存在する。パイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’は、概して垂直な構成を有するが、パイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’の一部は、図3に示されるように傾斜し得る。パイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’において、水が泡および粒子と共に集められ、排水管、すなわちパイプ部16e、16e’、16e’’、16e’’’へ吸い込まれる。装置10から排出される気体/粒子/液体は、図3に示されるように、1つのパイプラインに接続されて集められ、サイクロン20へ共に送り出される。
【0055】
図3に示されるように、装置はいくつかの噴出器17を備えることが好ましい。上述のように、注入器/噴出器17は好ましくはパイプライン16aの下部に配置される。本発明に係る装置の実験的試験は、注入器/噴出器17を各吸入塔の下流側直近、すなわち各パイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’の下流側直近に配置されることが有利であることも示した。
【0056】
吸い出し塔(すなわちパイプ部16d、16d’、16d’’、16d’’’)の各々が、圧力を制御するためのバルブ25,25’、25’’、25’’’を備えることも好ましい。
【0057】
図4は排出部16dが細長いダクトの形態である解決手段を示す。原則として、パイプ部16bの排出部16dは、任意の形状を有し得る。特に好ましいのは、上述され、特に図3に示されるような、円形である。排出部が長方形であり、パイプ部16bの長手方向に延びることも好ましい。このようにして、排出部は排出ダクト16hを形成する。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、装置10は、好ましくは長方形であるただ1つのそのような排出ダクト16hを備える。
他の好ましい実施形態において、いくつかのそのような排出ダクト16hが設けられ、これらの排出ダクト16hから排出される気体は、共にサイクロン20へ運ばれる。通気ダクト(16h)がパイプライン(16b)に対して外側頂部(16h)として形成される、すなわち、パイプ部16bの外側に位置する長方形で縦長の箱であることが好ましい。
【0059】
さらに、どれだけの泡/液体が吸い出されるかを調節できるように排出ダクト内の開口が調整されるように、頂部、すなわち排出ダクト(16h)の1つ以上の壁部が調整され得る。
【0060】
図5は、パイプライン16bの実施形態を断面で示す。すなわち、パイプライン16bは円形パイプの形状を有する必要がない。図は長方形のパイプライン16bを示す。これは、例えば、正方形の外形、すなわち、鉄、アルミニウム、または他の材料からなるキャリアとして形成され得る。そして、装置自身は、補助なしで、水、設備、および通路と自重を支えることができる。パイプ16eはこのキャリア16bの不可欠な部分である接続ロッドに入り込むことができる。それはマルチチャンネルキャリアとして、噴出器17への水、空気塔16dおよびパイプ16b自身からの水、のいくつかの統合された流れを有し得る。
【0061】
試験から、各吸入塔について排出された泡および粒子および空気を得て、各塔の直後に新しいマイクロバブルを注入することによって、二酸化炭素および粒子で飽和していない新しい空気を得て、それによっておよそn倍の改善を得られることが分かった。ここで、nは塔/注入器の数である。水中の二酸化炭素の量は塔を通過するにつれて徐々に減少し、1mg/Lよりわずかに下の自然な二酸化炭素レベルに漸近的に近づく。魚用の水槽においては、二酸化炭素のレベルはしばしば10~15mg/Lの間である。
【0062】
本発明の原理は、装置10がタンクの中心から水を持ち上げ、タンクの外側の部分に流し入れるように設置された、実物大試験によって確認された。30kPa(300ミリバール)の負圧の真空ポンプ19は、パイプ中の水を3m持ち上げることができる。バルブ25を調節することによって、各設備の水平パイプ16bの高さに応じて、各16dにおいて水がどれだけの高さに存在するかを調節できる。水平パイプ16bは2mの高さにあり、真空ポンプ19と3.5mの高さにおいて接続された。水面から1m下で立上り管16aの底部に設けられる注入器17は、250kPa(2.5バール)の圧力で水(30L/分)によって駆動され、空気を吸い込んで、パイプ部16aに供給されるマイクロバブルを生成した。これらの気泡は立上り管16a内の水の重さを立下り管16c内の水の重さより軽くするので、パイプライン16内の循環を作り出す。これらは「サイホン」として働く。パイプ16cから外側の環状の容積体に流れ込む水は、330L/分と計測された。パイプ寸法は直径110mmであった。
【0063】
同時に、空気は、水中のマイクロバブルおよび粒子によって形成された泡と共に排出口に吸い上げられた。泡はサイクロン20において分離されて水として排出された。試験は純粋な海水で行われた。5分間の操作の後、サイクロンから1リットルの水が排出された。これは明らかに変色していたので、このサンプルは分析のために送られた。それはFNU(Forumajin Nephelometric Units)20~30の濁度を有し、粒子の多くは2~10マイクロメートルのサイズを有していた。
【0064】
同時に、気体のレベルが吸入口および排出口で測定された。これは気体圧力が100%から95%に下がることを示した。これは、その方法が、水をある場所から別の場所に移動させるのと同じ手順で、気体(水に溶けやすいので特に二酸化炭素)および最も小さい粒子の除去の両方に効果的であることを確認する。したがって、これはとてもエネルギー効率の良い方法でもある。
図1
図2
図3
図4
図5